JP3194931B2 - 電力系統シミユレータ - Google Patents

電力系統シミユレータ

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JP3194931B2 JP05170190A JP5170190A JP3194931B2 JP 3194931 B2 JP3194931 B2 JP 3194931B2 JP 05170190 A JP05170190 A JP 05170190A JP 5170190 A JP5170190 A JP 5170190A JP 3194931 B2 JP3194931 B2 JP 3194931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電力系統の電力状態を模擬する電力系統シミ
ュレータに関し、特に電力系統の構成要素の電力特性を
デジタル模擬演算し、かつ他の構成要素に対しアナログ
信号でデータの伝送を行う電力系統シミュレータに関す
る。
〔従来の技術〕
電力系統は発電機,変圧器,送電線,負荷等の主要な
構成要素の他、直流送電装置、静止形無効電力ユニツト
SVC、送電線のリアクトル分補償用のスタテイツクコン
デンサ等の関連する構成要素を含んで構成されている。
このように構成される電力系統を最適に設計,運用等す
るために、電力系統の動作特性等の現象解析が必要であ
る。
そこで、各構成要素を模擬したモデルを用い、これに
系統状態量を含む各種条件を与えて、所望の現象を解析
することが知られている。例えば、文献〔送配電工学
(前編)養賢堂出版、第283頁 交流計算盤と過渡安定
度計算装置及び模擬送電線〕に記載された技術が知られ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記従来の技術は各構成要素のモデルとして
いわゆる小形実物モデルを用いていることから、それら
構成要素の特性の模擬に制約があり、特定の特性のもの
しか模擬できないという問題がある。このため、現実の
電力系統に発生する多様な現象を忠実に模擬,解析を行
うことができないという問題がある。また、模擬特性の
変更もハードウエアの交換等が必要になるので簡単では
ないという問題がある。
例えば、発電機,モデルは、10KVA程度の小形の実物
装置を用いており、これによれば慣性,時定数等の特性
が固定されるとともに、変更もできない。
また、負荷モデルについては、特性が一定の定電力負
荷あるいは定インピーダンス負荷は模擬することができ
る。しかし、電力系統の一般の負荷特性である次式
(1),(2)に示す有効分負荷PL,無効分負荷QLを模
擬することができない。
すなわち、定電力負荷乃至定インピーダンス負荷によ
って可変定数α,βが0乃至2まで変化することを盛込
むことができないからである。
ここで、PL0,QL0:負荷の初期値 VL,VL0 :電圧,電圧の初期値 α,β :電圧特性を表す可変定数 KP,Kθ :周波数特性を表す可変定数 Δf :系統周波数変化量 本発明の目的は、発電機,送電線および負荷を構成要
素として有する電力系統を模擬する場合に、発電機,送
電線および負荷モデルの電力模擬特性を解析対象に合わ
せて変更可能にするとともに、電力系統全体の正確な模
擬演算を可能にすることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、発電機、送電
線および負荷を構成要素として有する電力系統の電力状
態を模擬する電力系統シミュレータにおいて、発電機の
電力特性を模擬する発電機ユニットと、送電線の電力特
性を模擬する送電線ユニットと、負荷の電力特性を模擬
する負荷ユニットと、発電機ユニットの電力特性を示す
特性定数、送電線ユニットの電力特性を示す特性定数及
び負荷ユニットの電力特性を示す特性定数を入力する操
作端と、発電機ユニットと送電線ユニットとの間で電力
状態を示すアナログデータを伝送しあう発電機アナログ
データ伝送線と、送電線ユニットと負荷ユニットとの間
で電力状態を示すアナログデータを伝送しあう負荷アナ
ログデータ伝送線と、発電機ユニットは発電機アナログ
データ伝送線上のアナログ電力信号をデジタル信号に変
換して入力する発電機電力信号入力手段と、発電機電力
信号入力手段によるデジタル信号と発電機電力特性に基
づいて発電機の特性模擬演算を行うデジタル演算手段
と、該デジタル演算手段からのデジタル信号に基づいて
発電機アナログデータ伝送線にアナログ発電機電力信号
を出力する発電機電力信号出力手段とを備え、負荷ユニ
ットは負荷アナログデータ伝送線上のアナログ電力信号
をデジタル信号に変換して入力する負荷電力信号入力手
段と、負荷電力信号入力手段によるデジタル信号と負荷
電力特性に基づいて負荷の特性模擬演算を行うデジタル
演算手段と、デジタル演算手段からのデジタル信号に基
づいて負荷アナログデータ伝送線にアナログ負荷電力信
号を出力する負荷電力信号出力手段とを備え、送電線ユ
ニットは発電機アナログデータ伝送線上のアナログ電力
信号をデジタル信号に変換して入力する第一の送電線電
力信号入力手段と、負荷アナログデータ伝送線上のアナ
ログ電力信号をデジタル信号に変換して入力する第二の
送電線電力信号入力手段と、第一の送電線電力信号入力
手段および第二の送電線電力信号入力手段によるデジタ
ル信号と送電線電力特性に基づいて送電線の特性模擬演
算を行うデジタル演算手段と、デジタル演算手段からの
デジタル信号に基づいて、発電機アナログデータ伝送線
にアナログ送電線電力信号を出力する第一の送電線電力
信号出力手段と、負荷アナログデータ伝送線にアナログ
送電線電力信号を出力する第二の送電線電力信号出力手
段とを備え、操作端により入力された発電機ユニット、
送電線ユニット及び負荷ユニットの電力特性に応じた電
力系統の電力状態を模擬するようにしたものである。
〔作用〕
本発明の電力系統シミュレータによれば、発電機,送
電線および負荷モデルの電力模擬特性を解析対象に合わ
せて変更可能にするとともに、アナログデータ伝送線を
介して、発電機ユニット,送電線ユニットおよび負荷ユ
ニットが接続され、アナログデータ伝送線のアナログデ
ータを読み取って正確なデジタル模擬演算を行えるよう
にしているので、発電機,送電線、および負荷を備えた
電力系統全体の電力潮流状態を正確に模擬動作すること
を可能にしている。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
第1図に本発明の電力系統シミユレータの一実施例の
ブロック構成図を示す。本実施例の電力系統は構成要素
として、負荷,送電線,発電機及び静止形無効電力制御
装置SVCを含んだものである。これらの構成要素は、数
学モデルを用いてその特性を模擬してなる系統要素模擬
手段としての負荷ユニツト1,送電線ユニツト2,発電機ユ
ニツト3,SVCユニツト4によつてそれぞれ模擬されてい
る。これら各ユニツト1〜4は、操作端5から伝送線C1
〜C4を介して与えられる指令に基づいて、リアルタイム
で電力系統の各種現像の模擬及び解析等を行うようにな
つている。また、操作端5は各ユニツト1〜4に係る数
学モデルの特性定数と関数形を変更する指令を入力する
入力装置としての機能を備えている。そして、各ユニツ
ト1〜4は、例えば、図示F点で地絡事故が発生したと
いう解析条件に基づいて、発電機の応動,電圧の変動等
の系統状態量の現象変化のシミユレーシヨンを行い、そ
の結果をそれぞれ伝送線C11〜C14を介して記録装置6,7
に送出し、記録するようになつている。
なお、図中符号CT1〜CT5及びPT1〜PT5はそれぞれ電流
変成器及び電圧変成器を示す。
ここで、各ユニツト1〜4について詳細に説明する。
負荷ユニツト1は本体ユニツト1aと状態量の検出ユニツ
ト1bとからなる。本体ユニツト1aは前記式(1)と
(2)で示した数学モデルにより負荷を模擬したものと
されており、次の処理がなされるようになつている。な
お、本体ユニツト1aはデジタルプロセツサを有して構成
されている。
負荷ユニツト1の入力端に設けられた電流変成器CT1
から検出ユニツト1bを介して、系統電圧の一対の瞬時値
υ1を一定のサンプリング間隔Δtごと取り込み、
例えば次式(3)により負荷電圧の実効値VLを算出す
る。
ここで、ωは角周波数である。
また、電圧の瞬時値υのゼロクロス点に基づいて周波
数を算出する。すなわち、第2図に示すように、Δt
ごとにサンプリングする瞬間値υが例えば負から正に変
かするタイミングを検知し、その前後の瞬時値υとυ
を用いて内挿法によりゼロクロス点(υ=0)を求
め、この点とυのサンプリングタイミングとの時間差
Δt1を求める。同様にして、次の負から正に変化するゼ
ロクロス点を求めて、その点とυ′との時間差Δt2
求める。そして、υからυ′までのサンプリング回
数Nを求め、これから次式(4)によつて周波数を算
出する。
周波数の変化分Δは予め与えられている基本周波数
と式(4)により求めた周波数との差をとること
により算出する。
このようにして与えられる系統の状態量である電圧の
実効値VLと周波数変化分Δ、および操作端5から与え
られる各種特性定数α,β,KP,Kθさらに初期条件によ
り定まる各初期値PL0,QL0,VL0をもとに、サンプリング
周期Δtごとに前記式(1)と(2)の演算を実効し
て、有効分負荷PLと無効分負荷QLを求めて、負荷のシミ
ユレーシヨンを行う。
なお、負荷特性の変更は操作端5から特性定数α等の
変更値を入力することにより簡単に行うことができる。
したがって、本実施例の負荷ユニツト1によれば、負
荷特性を正確に、また簡単に模擬することができる。こ
の結果、電力系統に発生する多様な現象を正確に解析で
きる。
送電線ユニツト2はデジタルプロセツサを有してなる
本体ユニツト2aと、系統の状態量を検出する検出ユニツ
ト2bを有して構成されている。そして、本体ユニツト2a
は第3図に単線で示した模擬回路に基づいた数学モデル
により送電線を模擬するようになつている。同図におい
て、符号L1L2は複素数で表した送電線両端であ
り、は同じ複素数で表した送電線の流入,流
出電流であり、C1,C2はπ回路で表した場合の送電
線両端の充電電流である。ここで、rL,XL,CL1,CL2を各
々送電線の特性を表す定数とすると、送電線は、次式
(5)〜(9)で模擬できる。
C1=jwCL1 L1 …(6) C1=jwCL2 L2 …(7) C1 …(8) C2 …(9) 本体ユニツト2aは、送電線ユニツト2の両端に設けた
電圧変成器PT2,PT3によりそれぞれ電圧の瞬時値υを取
り込み、前記(3)式と同様の考えにより両端電圧の実
効値を算出する。そして、この実効値の位相差を求め、
これを用いて、(5)〜(9)式を解き、送電線を流れ
る、電流ILを求めることができる。ここで、送電線の特
性を表す定数rL,XL,CL1,CL2を操作端5から変更するこ
とにより、送電線の特性を変更することができる。
したがって、本実施例の送電線ユニツト2によれば、
送電線特性を正確にまた簡単に模擬できる。この結果、
電力系統に発生する多様な現象を忠実に解析できる。
発電機ユニツト3はデジタルプロセツサを有してなる
本体ユニツト3aと状態量の検出ユニツト3bを含んで構成
されている。発電機ユニツト3の模擬対象として第4図
に示した同期発電機を例にとつて説明する。第4図に示
すように、発電機11は発電機本体12,電圧調整(AVR)部
13,ガバナ部14を含んで構成されている。
このような発電機の特性のうち、電圧と磁束鎖交数
に関しては、次式(10)〜(21)により表される。な
お、それらの式において、rは抵抗、Xはアクタンス、
iは電流,pはd/dtを表す。また、添字のdは直軸をqは
横軸を表し、kはダンパー回路、fは磁界回路、a,b,c
は相、lはもれ分をそれぞれ表している。
ed=pqpθ−rid …(10) eq=pqpθ−riq …(11) efd=pfd+rfdifd …(12) 0=pkd+rkdikd …(13) 0=pkq+rkqikq …(14) =−xlidad …(15) =−xliqaq …(16) fd=xldifdad …(17) fd=xfdifdad …(18) kq=xkqikqaq …(19) ad=xad(−id+ifd+ikd) …(20) aq=xaq(−iq+ikq) …(21) 上記式において、d軸とq軸の電流id,iqと、電流ed,
eqはそれぞれ次式(22)〜(25)により表される。
本体ユニツト3aは検出ユニツト3bを介して、電圧変成
器PT4と電流変成器CT4により検出されるa,b,c相各相の
電圧,電流の瞬時値υ,iを取り込む。そして、上記式
(22)〜(25)式により発電機d軸とq軸の電圧をそれ
ぞれ求める。この求めた電圧,電流を基に、前式(10)
〜(21)を解き、発電機の特性を模擬する。
ここで、リアクタンスと抵抗は、一般に発電機を表現
するときに用いられている直軸リアクタンスxd,直軸過
渡リアクタンスx′d,直軸初期過渡リアクタンス
x″、および横軸同期リアクタンスxq,横軸初期過渡
リアクタンスx″、さらにもれリアクタンスxl、直軸
開路時定数T′d0,直軸初期過渡開路時定数T″d0,横軸
過解開路時定数T″q0を用いて求めることができる。な
お、これらの関係は第5図,第6図に示す等価回路に基
づき、次式(26)〜(33)により表される。
xd=xl+xad …(26) xq=xl+xaq …(27) なお、上式に係る発電機の定数は操作端5から発電機
ユニツト3に伝送するものであり、解析対象の変化に合
わせて、それらの定数を変更するようになつている。
また、式(12)で表した電圧efdは、一定励磁の場合
には一定値とし、自動電圧調整装置の場合は第4図のAV
R部13で模擬する。このAVRの模擬は例えば第7図のブロ
ツク図のようにすればよい。すなわち、同図において、
まず発電機の出力電圧VGを電圧変成器PT4から取り込ん
だ瞬時値υaGbGcGから式(3)と同様の処理によ
り求め、次にこの出力電圧VGをその基準値VGSと比較
し、その差をブロツク101,102により処理して、AVRの出
力電圧efdを求め、これを励磁電圧とすればよい。すな
わち、ブロツク101,102のゲインG1,G2および時定数T1,T
2を操作端5から入力し、発電機ユニツト3で第7図の
ブロツク図の内容に沿つて演算処理することにより、AV
R部13を模擬する。また、AVR部13の特性定数G1,G2,T1,T
2等の変更は、操作端5により容易に行える。なお、AVR
部13は第7図例に限られるものではなく、周知の構成の
ものとを同様に模擬できる。
次に、ガバナ部14の模擬について述べる。発電機の入
力トルクを一定にする場合は第4図ガバナ部14の出力を
一定値にすればよく、可変制御する場合は第8図に例示
したガバナブロツク図のガバナ出力を発電機の入力とし
て扱えばよい。第8図において、ガバナ入力は発電機の
速度変化分ΔNであり、ガバナ出力は、発電機の入力ト
ルクTmとする。同図において、Tm0は入力トルクの初期
値を示し、ブロツク103のGGはゲインを、Tg1とTg2は時
定数を、LUとLLはリミツタの上限と下限を示し、これら
の特性定数は操作端5から入力設定される。そして、本
体ユニツト3aにおいて第8図のブロツク図に沿つて演算
することにより、ガバナ部14を模擬する。また、ガバナ
の特性変更等は、上記定数を操作端5から変更すること
で容易に対応できる。
なお、ガバナ部14の構成は第8図のものに限られない
のはAVR部13の場合と同じである。
一方、発電機の回転数は次式(34)により求められ
る。ここで、Teは発電機の出力トルク、Mは慣性であ
る。
なお、Teは次式(35)により求まる。ここで、Kは係
数である。
Te(υ・ia+υ+ib+υ・ic)・K …(35) これらの演算は本体ユニツト3aで処理される。
以上、負荷ユニツト1,送電線ユニツト2,発電機ユニツ
ト3について詳細に説明したが、SVCユニツト4につい
ても同様に模擬することができる。また、第1図には含
まれていないが、電力系統を構成する他の要素、例え
ば、並列リアクトル,スタテイツクコンデンサ,変圧
器,直流送電設備等も同様に数学モデルで模擬できる。
さらに、遮断器や保護リレーも同様である。
また、以上は電力系統を構成する各構成要素の数学モ
デルを中心に説明してきたが、ここで上述の各ユニツト
間の接続方法について、第9図に示したブロツク構成図
に基づいて説明する。同図に示したように、各ユニツト
1〜3はデータバス8,9からの入力情報をそれぞれA/D変
換器21〜24を介してデジタルに変換して各デジタルプロ
セツサ25〜27に取込み、前述した模擬演算処理をする。
その結果は、D/A変換器28〜30を介してアナログに変換
してデータバス8,9に出力する。
第10図に、第1図の送電線ユニツト2をアナログ構成
とした実施例を示す。送電線ユニツト31は第3図に示し
た等価回路に基づき、抵抗,リアクトル,コンデンサ等
を用いたアナログ回路で模擬されている。他のユニツト
1,3は第9図と同一である。これによれば、発電機ユニ
ツト3等を小形実物モデルを用いた従来例に比べ、例え
ば模擬電流を十分小さな値にできることから、送電線ユ
ニツト31をアナログ回路で構成しても、十分小形なもの
により模擬できる。この場合の特性定数の変更は、異な
る数学モデルのものを複数用意して切換え使用するか、
可変形の回路定数とすればよい。
同様に、第1図実施例のデジタルプロセツサを用いた
各模擬ユニットの一部分を、適宜アナログ回路により模
擬することも可能である。
第11図に第1図実施例を用いた電力系統の現象解析の
運用手順の一例をフローチヤートにして示す。図示のよ
うに、ステツプ111において操作端5に運用開始命令と
入力すると、ステツプ112にて操作端5から各ユニツト
1〜4に模擬条件が出力される。ここで、模擬条件と
は、解析対象の系統構成,特性定数,数学モデルの関数
形などのデータであり、これらの模擬条件は予め操作端
5に記憶されている。各ユニツト1〜4はこれらの模擬
条件を取込んで記憶するとともに、その模擬条件に従つ
て必要な前処理を実行する(ステツプ113)。ここで前
処理とは、例えば前記式(26)〜(33)の未知の定数、
第5図や第6図のインピーダンス、計算によつて求まる
未知の定数を演算により求めることをいう。
次にステツプ114において、解析種類および解析時間
等の解析条件を入力するとともに、解析経過時間をt=
0とし、試験開始指令を操作端5から入力する。操作端
5はこれに応動して、各ユニツト1〜4に解析開始指令
を発信する。ここで、解析種類とは解析対象としての現
象をいい、例えば高調波解析,リレー動作用解析,安定
度解析,サージ解析などである。また、解析時間には解
析開始から必要な終了時間および計算時間間隔などであ
る。
ステツプ115において、各ユニツト1〜4は模擬解析
の実行を開始し、ステツプ116にて解析結果を蓄積す
る。
一方、操作端5ではステツプ117と118において解析経
過時間を計測し、予定の解析終了時間に達したか否かを
判定する。達していなければ、ステツプ115に戻つて解
析処理を継続する。
解析終了時間に達したら、ステツプ119に進み、各ユ
ニツト1〜4に蓄積されている解析結果を記録装置6,7
に転送して記録出力する。
上述したように、第1図実施例によれば、電力系統の
負荷,送電線,発電機、およびSVCをそれぞれ数学モデ
ルで模擬してなる負荷ユニツト1,送電線ユニツト2,発電
機ユニツト3,SVCユニツト4を用いて構成し、それらの
数学モデルに係る特性定数や関数形を操作端5から変更
できるようにしたことから、解析対象に応じた特性のモ
デルを、極めて容易に模擬できる。
したがつて、本実施例によれば、解析対象を忠実に模
擬できるので、電力系統に発生する多様な現象を正確に
解析することができる。
また、主要構成要素ごとに独立したユニツト構成と
し、それぞれデジタルプロセツサを搭載したものとして
いることから、模擬系統の拡張,変更が容易であるとと
もに、解析演算処理を高速化することが可能である。
また、解析精度の高いシミユレーシヨンが可能である
ことから、その解析結果を用いて、電力系統の制御又は
保守装置の設計及び試験を適正に行なうことができる。
なお、上記実施例の電力系統解析シミユレータを用い
て、電力系統の保守運用の訓線を行なう訓練装置を容易
に構成することができ、解析精度の高いシミユレーシヨ
ンに基づいた高度の訓練が可能になる。
〔発明の効果〕
従来の電力系統シミュレータでは構成要素の一つをデ
ジタル演算して、その結果をアナログデータ伝送線に出
力する構成になっているため、発電機で発生した電力が
送電線および負荷へと伝送される際に、どのような現象
が発生するかを正確にシミュレートすることが不可能で
あった。これに対して、本発明の電力系統シミュレータ
によれば発電機および負荷のアナログデータ伝送線を介
して、発電機ユニット、送電線ユニットおよび負荷ユニ
ットが接続され、そして、送電線ユニットは片方のアナ
ログデータ伝送線の電力状況を検出し、この検出した情
報からデジタル演算を行い、その結果を他のアナログデ
ータ伝送線へ出力する構成にしているため、発電機から
発生した広い周波数帯域にまたがる電力が負荷へと潮流
する際に発生する現象を正確にシミュレートすることが
可能になる。
これにより、一例とし低周波数に関する電力系統のシ
ミュレート例を挙げれば、発電機から高い周波数の有効
電力と低い周波数の有効電力が発生した場合に、実際の
電力系統では送電線そして負荷へと電力が流れるに従
い、高い周波数の成分が低い周波数の電力成分に影響を
及ぼす発生が生じるが、従来の電力系統シミュレータで
は発電機、送電線および負荷のうちの一つの特性をデジ
タル演算して、その結果を単にアナログデータ伝送線に
出力する構成になっているため、電力系統全体の電力潮
流の現象を正確にシミュレートすることが不可能であっ
た。これに対し、本発明の電力系統シミュレータでは発
電機から高い周波数の有効電力と低い周波数の有効電力
が第1のアナログデータ伝送線に発生していた場合、送
電線ユニットがこれを検出し、高い周波数の電力影響に
より低い周波数の電力成分が変化する現象をデジタル演
算し、この結果を第2のアナログデータ伝送線へとアナ
ログ出力して、更に負荷ユニットが模擬演算するので、
発電機,送電線、および負荷を備えた電力系統全体の電
力潮流現象を正確にシミュレートすることが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のブロツク構成図、第2図は
周波数算出の一例を説明するための図、第3図は送電線
の等価回路の一例図、第4図は発電機設備の概要構成
図、第5図と第6図はそれぞれ発電機本体の等価回路の
一例図、第7図はAVR部のブロツク図、第8図はガバナ
部のブロツク図、第9図は第1図実施例の各ユニット間
の接続方法を説明する図、第10図は他の実施例の各ユニ
ツト間接続方法を説明する図、第11図は第1図実施例を
用いて運用手順の一例を示すフローチヤートである。 1……負荷ユニツト、2……送電線ユニツト、3……発
電機ユニツト、4……SVCユニツト、5……操作端、6,7
……記録装置、C1〜C4,C11〜C14……伝送線。
フロントページの続き (72)発明者 後藤 益雄 茨城県日立市国分町1丁目1番1号 株 式会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 河合 忠雄 茨城県日立市国分町1丁目1番1号 株 式会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 土井 宏祐 兵庫県尼崎市若王寺3丁目11番20号 関 西電力株式会社総合技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−259797(JP,A) 特開 昭57−97332(JP,A) 特開 昭58−95949(JP,A) 特開 昭63−186531(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発電機、送電線および負荷を構成要素とし
    て有する電力系統の電力状態を模擬する電力系統シミュ
    レータにおいて、前記発電機の電力特性を模擬する発電
    機ユニットと、前記送電線の電力特性を模擬する送電線
    ユニットと、前記負荷の電力特性を模擬する負荷ユニッ
    トと、前記発電機ユニットの電力特性を示す特性定数、
    前記送電線ユニットの電力特性を示す特性定数及び前記
    負荷ユニットの電力特性を示す特性定数を入力する操作
    端と、前記発電機ユニットと前記送電線ユニットとの間
    で電力状態を示すアナログデータを伝送しあう発電機ア
    ナログデータ伝送線と、前記送電線ユニットと前記負荷
    ユニットとの間で電力状態を示すアナログデータを伝送
    しあう負荷アナログデータ伝送線と、前記発電機ユニッ
    トは前記発電機アナログデータ伝送線上のアナログ電力
    信号をデジタル信号に変換して入力する発電機電力信号
    入力手段と、該発電機電力信号入力手段によるデジタル
    信号と前記発電機電力特性に基づいて前記発電機の特性
    模擬演算を行うデジタル演算手段と、該デジタル演算手
    段からのデジタル信号に基づいて前記発電機アナログデ
    ータ伝送線にアナログ発電機電力信号を出力する発電機
    電力信号出力手段とを備え、前記負荷ユニットは前記負
    荷アナログデータ伝送線上のアナログ電力信号をデジタ
    ル信号に変換して入力する負荷電力信号入力手段と、該
    負荷電力信号入力手段によるデジタル信号と前記負荷電
    力特性に基づいて前記負荷の特性模擬演算を行うデジタ
    ル演算手段と、該デジタル演算手段からのデジタル信号
    に基づいて前記負荷アナログデータ伝送線にアナログ負
    荷電力信号を出力する負荷電力信号出力手段とを備え、
    前記送電線ユニットは前記発電機アナログデータ伝送線
    上のアナログ電力信号をデジタル信号に変換して入力す
    る第一の送電線電力信号入力手段と、前記負荷アナログ
    データ伝送線上のアナログ電力信号をデジタル信号に変
    換して入力する第二の送電線電力信号入力手段と、前記
    第一の送電線電力信号入力手段および前記第二の送電線
    電力信号入力手段によるデジタル信号と前記送電線電力
    特性に基づいて前記送電線の特性模擬演算を行うデジタ
    ル演算手段と、該デジタル演算手段からのデジタル信号
    に基づいて、前記発電機アナログデータ伝送線にアナロ
    グ送電線電力信号を出力する第一の送電線電力信号出力
    手段と、前記負荷アナログデータ伝送線にアナログ送電
    線電力信号を出力する第二の送電線電力信号出力手段と
    を備え、前記操作端により入力された前記発電機ユニッ
    ト、前記送電線ユニット及び前記負荷ユニットの電力特
    性に応じた電力系統の電力状態を模擬することを特徴と
    する電力系統シミュレータ。
  2. 【請求項2】特許請求範囲第1項の電力系統シミュレー
    タにおいて、前記発電機ユニットは発電機の電力特性と
    して、直軸リアクタンス、直軸初期過渡リアクタンス、
    横軸同期リアクタンスおよび横軸初期過渡リアクタンス
    を用いることを特徴とした電力系統シミュレータ。
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