JP3409896B2 - 電力系統の安定化装置 - Google Patents
電力系統の安定化装置Info
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Description
て、電力,電流などを測定しその時間的な増加,減少の
関係から電力系統に発生する振動現象を検出し、脱調の
検出あるいは脱調の予測を行なう。更には電力系統の安
定化のために発電機の一部を解列する電力系統の安定化
装置に関する。なお、対象とする脱調現象は、脱調する
までの振動数が1回のいわゆる第一波脱調から、2回以
上の第n波脱調までを対象とする。
1つは、母線電圧の位相角を時々刻々と観測し、その波
形を多項式の時間関数で表現し、関数の係数を観測した
値を用いて推定し、将来時点の位相角の値を推定するも
のであった。又、もう1つの方法は連系点に流れる有効
電力を観測し、その値が時間経過と共に振動して発散す
るか否かを検出するものであった。又、本発明者は電力
P,電流Iの時系列的変化の状況と、時々刻々と測定し
たPが定常時の電力P0以下ならば不安定とする方法を
既に提案した(特願平5−90777号)。
にシミュレーションを行なうことによりしきい値を決め
ておき、脱調するか否かは観測した位相角の値、あるい
は予測した値がしきい値を越えたか否かを見て判定する
ものである。しかし系統状態が変化すればしきい値も変
化するので、正確な判定を行なうためには系統状態の変
化の程度に応じてしきい値を更新する必要がある。又、
先に提案した技術は、時々刻々と測定した電力Pが定常
時の電力P0以下ならば不安定となるものであるため、
安定限界に近い状態の場合にあっては、電圧回復と共に
Pが増加して安定化する場合があり、これを誤判定する
場合がある。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、誤判定することのない電力系統の安定化装置を提
供することを目的としている。
係る電力系統の安定化装置は、電力系統の送電線におい
て、有効電力値,電流を測定し、これらの実効値P,I
の定常時及び系統動揺時に時間経過に伴なう変化分を検
出する測定部と、脱調したか否かを判定する判定部とか
らなる。
装置は、電力系統の送電線において、有効電力,電流を
測定し、これらの実効値P,Iの定常時及び系統動揺時
に時間経過に伴なう変化分を検出する測定部と、脱調し
たか否かを判定する判定部と、更に安定化するのに必要
な発電機台数を算出する演算部と、発電機の解列部とか
らなる。
し、各技術手段の機能及び考え方を説明する。この発明
の図6(A)に示す電力系統において、連系線ABの両
側の系統1に属する発電機群(本例ではG1,G2の2
機)の振動をω1,ω2、系統2に属する発電機群(本
例ではG3,G4の2機)の振動をω3,ω4とした
時、各々が図6(B)に示すように減衰しながら振動し
たり、場合によっては図6(C)の波形が示すように両
群の間の振動が発散(不安定)する場合がある。そして
発散し、ついには同期を維持できなくなる場合には、連
系線を解列し発散現象を解消するものである。なお、図
6(B),(C)のωは発電機の回転数の定格値(例え
ば、50,60Hz系統ならば50回転/秒,60回転
/秒)からの偏差分を示す。
す。多機系統において発電機群が2群に分かれて振動す
る場合の振動現象(図6)を、図7に示す一機無限大母
線系を用いて説明する。無限大母線側の電圧をVB**
θ,発電機側をVA **θ,線路のインピーダンスをj
Xとし、発電機から系統へ流入する電力をP,電流の実
効値をIとする(なお、**は角度記号を意味する)。
関係を表しており、図示すれば図8(A)は電圧VA ,
VB が一定の場合のPとθの関係を示し、図8の(B)
は電圧が一定の場合のIとθの関係を示す。図8に示す
P,Iとθの関係の特徴は、Pはθが0から増加するに
つれて増加し、90°の時に最大値となり、逆にθが9
0°を越えると減少する。Iについてはθがゼロから1
80°まで増加するにつれてIも増加する。ただし、発
電機の電圧VA が上昇すれば、P−θカーブは図15に示
す点線のカーブのように変化する。これを反映すること
によって判定精度を向上させることができる。
の場合(2機系の場合も同様である)、図7の系統にお
いて故障発生前、線路に短絡事故が発生した場合(故障
中)、更に故障除去後系統の各々でインピーダンスが変
化するために、Pθカーブは図8(A)のように3つ
(カーブ1,カーブ2,カーブ3)がある。事故発生前
の発電機出力をP0とすると、事故発生前はカーブ1の
a点で運転していることになる。事故が発生すれば運転
点はbに移動し、カーブ3上で変動する。運転点がc点
にきたとき事故が除去されたとすれば、運転点はカーブ
2のeに移動する。運転点はカーブ2上をe点からf点
へと移動する。
ようなfが存在する時、運転点はカーブ2上の点fから
左側e方向のrまで変動する。このrは面積mfhと面
積mnrが等しくなるような運転点である。結局、運転
点はカーブ2上の点fと点r間を移動、即ち、振動す
る。なお、実際の系統では、多数の発電機の動揺が影響
し合うこともあり、又、線路のロスによる制動効果もあ
り、更には発電機の励磁系の制動効果などもあるため、
カーブ2上を振動しながら次第に減衰し、最終的には点
mに落ち着く。あるいは逆に、他の発電機の振動の影響
もあり運転点がgを越えて脱調に至る場合もある。
合が安定限界である。又、もし面積abcdが面積de
gよりも大きくなる場合、運転点は点gの右側に移動
し、発電機は脱調する。運転点がカーブ2の点gの左側
にあれば安定であること、あるいは少なくとも不安定に
は至っていないこと、逆に運転点が点gの右側になれば
不安定になったことがわかる。
は変化するために、その影響を考慮して判定する必要が
あるが、この扱いは後述する。P,Iの時間的な増加減
少の関係と動揺中のPと初期値Po の大小関係、更にP
o の将来の変動を考慮して、不安定になったか否かを判
定することを考える。一方、Iとθの関係は(4) 式で表
され、図8(B)に図示される。
係 ここでも、電圧が一定の場合について考える。図6に示
す一般の多機系でも、発電機が2群に分かれ振動する場
合には、以上の(1),(2)と同様の関係が成立して
いる。図9にθに対するP,Iの関係を示し、図10に時
間tに対するP,Iの変化を示す。両図を用いて動揺現
象を説明すると、運転点の時間的変化は、図9のP−θ
カーブ上で見ると、例えば運転点が矢印,方向を通
過し点Aに至り、今度はP−θカーブ上を左に移動し
,方向に変化し点Bに至り、今度は右に矢印方向
に通過し、,方向を経て,を通過する場合、
P,Iの時間的変化の様子は図10に示されるようにな
る。
定度の関係を考える。図9で見ると運転点がPθカーブ
の点線の示す領域に存在すれば不安定であることが分か
る。又、実線の示す領域に存在すれば安定な場合か、あ
るいは更に時間が経過すれば不安定になる場合であって
も、まだ不安定には至っていないケースである。このよ
うに、安定か否かをPθカーブ上の運転点の位置から判
断できるので、これをP,Iの増加減少の関係から下記
のように判断できる。
定である。の矢印が示す方向の変化はPが増加し、同
時にIも増加する状態であり、図10の時間変化でみると
が示す変化の状態である。 (ii) 図9のが示す運転点はまだ不安定と判定で
きない状態である。Pが減少、Iは増加であり、Pは故
障発生前の値Po より大きい状態である。図10で見れば
の状態である。 (iii) 図9のが示す方向の変化はPが増加し、
Iは減少する状態であり、安定に回復する状態である。
図10のの変化を示す。
少する状態であり、安定である。 (v) 図9のはPが減少し、Iは増加する状態であ
り、又、Pは故障発生前の電力Po より小さくなる時点
である。この時点で発電機は脱調すると判断できる。図
10ののP,Iの変化が様相を示す。 (vi) 図9のはPが減少し、Iは増加する状態で
あり、(v)の条件成立後のこの状態では完全に脱調し
た場合である。
ることも考えられる。この場合は、Pが負から正に変化
し、Iも減少し始める状態になれば連系線両側の発電機
間の位相角が約180°ずれているので脱調となる。図
9のの状態はこの場合である。 以上の条件から、系統の状態が安定から脱調に至ったか
どうかは時々刻々測定したP,Iを用いて、次に示す条
件が成立したか否かを判断して行なう。なお、θは連系
線両側の発電機間の位相差であり、それを用いるには伝
送系が必要である。ここでは連系線において観測できる
P,Iのみを用いた判定法を考える。
t1 =(t−ΔT)の観測量P(t),P(t1 ),I
(t),I(t1 )から変化分
Po ,Io とする、このときP,Iの時間変化と安定度
の関係及び判定の論理を図11と図12を用いて示す。
o とする。Po は正の値として以下に述べる(もしPo
が負の値であるならば(−1.0)を掛けて正の値とす
る。この場合、時々刻々と観測して得た電力量P(t)
も(−1.0)を掛けるものとすれば以下の考え方と判
定法は成立する。)。図11において運転がPθカーブ上
を推移するが、推移の方向によって(t−ΔT)時点と
t時点のP,Iの変化分と、(P(t)−Po )の値の
正負は図11の+,−が示すようになる。
移する場合 もし、電圧が一定のままであるとした場合、例えば、図
11のの示す範囲に運転点があれば、 (P−Po )<0, ΔP>0, ΔI>0 (判定条
件1) であるが、図11のの範囲では、 (P−Po )>0, ΔP>0, ΔI>0 (判定条
件2) となる。
からに変化したときに安定状態から不安定状態に推移
したことを示す。即ち、(t−ΔT)時点において、 (P−Po )>0, ΔP<0, ΔI>0 (判定条
件3) であるが、次のt時点において、 (P−Po )<0, ΔP<0, ΔI>0 (判定条
件4) と変化すれば、この時点(t−ΔT)と時点tの間にお
いて脱調したと判断できる。
場合 運転点が図11のの状態からの状態に推移したときに
発電機間の位相角差は180°以上となるので、脱調と
判断できる。即ち、(t−ΔT)時点において、 (P−Po )<0, ΔP>0, ΔI>0 (判定条
件5) であるが、次のt時点において、 (P−Po )<0, ΔP>0, ΔI<0 (判定条
件6) と変化すれば、このt時点において脱調したと判断でき
る。
移する場合において、動揺中の電力が故障前のPo 以上
の値に回復しない場合、運転点が図12のの領域から
の領域に推移する時点で脱調するものと判断できる。即
ち、(t−ΔT)時点において、 (P−Po )<0, ΔP>0, ΔI>0 (判定条
件7) であるが、次のt時点において、 (P−Po )<0, ΔP<0, ΔI>0 (判定条
件8) と変化すれば、このt時点において脱調すると判断でき
る。
あり、物理的な関係を良く説明する。ただし、実際の電
力系統に励磁系の働きなどによって発電機の動揺中、電
圧が変動するためP−θカーブも変化する。その例を図
15に示す。電圧が上昇するにつれてP−θ,I−θカー
ブは点線に示すように変化する。そこで電圧回復により
Pが回復とするという安定化効果があり、その結果、脱
調に至らない場合があるのでそれを反映させる判定方法
を考案する。もし、t時点において(判定条件1〜8)
が成立する場合でも、近い将来に電力Pが回復する場合
には、脱調と判断するのを中断することによって誤判定
するのを防止する。そのためには、P,Iの将来の変化
を予測し、回復するかどうかを判断することが必要であ
る。脱調と判定するのは、t時点において(判定条件1
〜8)が成立し、更にP,Iの将来の変化傾向が減少傾
向を示す場合である。
を示す。図13に示すように、過去数時点における電力の
測定値P1,P2,…Pn+1を用いて、時刻tとPの
関係式、
のと考えられる。係数a,b,cは例えば最小自乗法を
用いて、過去の複数個の時点tにおける測定値Pと、
(7)式で内挿して得た計算値との差分が最小になるよ
うに決めたものであり、将来時点TのPの値P(T)
は、(7)式にTを代入することによって予測できる。
以下、(7)式を予測式と呼ぶ。本例では2次式とした
が1次,3次など任意の次数が考えられる。
と、係数aが正ならば、図16(A)に示すように(7) 式
は下に凸であり、Pは将来増加することを表す。又、逆
にaが負ならば、図16(B)に示すようにPの予測式は
上に凸であり、Pは将来減少することを表す。まとめる
と、a>0ならば、Pは下に凸であり、Pは将来増加す
る。a<0ならば、Pは上に凸であり、Pは将来減少す
る。
帯などにおいては、図16(B)に示すように、一時点t
において、Pの予測式が上に凸、即ち、将来減少する傾
向を示す場合でも、図17(A)に示すように、時間の経
過と共に下に凸に変わることがある。係数aを見ると負
から正に変化する場合があるので、それを反映するため
に時刻t1 =t−Δt,t2 =t,t3 =t+Δtと経
過するにつれて、係数aの値がa(t1 )<a(t2 )
<a(t3 )と変化するならば、Pは将来、増加する可
能性がある。
(t1 )>a(t2 )>a(t3 )と減少するならば、
Pは将来減少すると予測できる。電流Iについても同じ
ように判断できる。
に凸ならばI−θカーブから判るように、θが180°
以上に拡大し、不安定になることを意味する。
とめる。t時点において、
あって、Pの予測式が下に凸であって、将来増加すると
予測した場合、
式が上に凸、即ち、将来減少することを示す場合であっ
ても、
づき、Pが回復する傾向を示す場合にはt時点において
は脱調と判定しない。
に、
ものと判断する。更に次のように、電流Iの将来予測を
加味し精度を上げることが考えられる。
らば下に凸であり、Iが将来増加すうことを意味し、逆
に負ならば上に凸であるため、Iが将来減少することを
表す。したがって、 t時点においてdが正であれば安定 ………(C
7) t時点においてdが負であれば不安定 ………(C
8) の条件を加えることも考えられる。
安定化効果を加味して、判定条件は以下の通りとなる。 [判定条件9] 不安定と判定する条件:(C1),
(C2),(C3)が成立し、更にPの将来変化に関す
る条件(C6)とIの将来変化に関する(C8)が同時
に成立する場合に不安定と判断する。 [判定条件10] 判定を保留する条件:(C1),
(C2),(C3)が成立しても、(C4)もしくは
(C5)、あるいは(C7)が成立すれば回復する可能
性があるので、t時点で不安定と判断しない。
件を除き、判定を次のように簡便化することも可能であ
る。 [判定条件9a] 不安定と判定する条件:(C1),
(C2),(C3)が成立し、更にPに関する(C6)
が同時に成立する場合に不安定と判断する。 [判定条件10a] 判定を保留する条件:(C1),
(C2),(C3)が成立しても、Pの将来変化傾向に
関して(C4)もしくは(C5)が成立すれば、t時点
で不安定と判断しない。
各技術手段の機能及び考え方を説明する。 第1の実施の形態は実測したデータのみを用いたが、第
2の実施の形態では将来時点のP,Iの予測値を用い
る。そこで予測値の算出法を中心に述べる。時々刻々と
実測した連系線のP,Iから短時間将来時点のP,Iを
予測することにより、早めに脱調を予測する。予測の方
法は図14に示すように、ΔT間隔で実測したP1,
P2,…Pn+1に最も合致するように関数
P1あるいはI1のデータを実測した時刻を始点(t=
0)として定義するものとした。
る。ここでは2次式で説明するが、1次式でも、3次式
でも良い。なお、電力系統の振動現象は数秒周期(例え
ば2〜3秒)であるため、ΔTは0.01ないし0.1
秒程度、使用する観測値個数nは5〜6個程度で十分で
ある。予測する時点も電力系統に依存するが0.1ない
し1秒程度の将来時点である。以上の方法で将来時点T
1,(T1+ΔT)において予測したP*,I*を、第
1の実施の形態に示した判定法、即ち、(判定条件9,
10、又は判定条件9a,10a)に当てはめることに
よって脱調を予測するものである。
各技術手段の機能及び考え方を説明する。 観測点において有効電力Pと電流の時刻値Iを実測し、
[1],[2]に述べた判定法を用いて脱調に至ったかどう
か、あるいは近い将来脱調することを判定する。判定に
用いたデータP,I、係数A,aの時間経過に伴なう値
を、運用者に判るようにCRTなどに表示する。
各技術手段の機能及び考え方を説明する。 観測点において有効電力Pと電流の時刻値Iを実測し、
[1],[2]に述べた判定法を用いて脱調に至ったかどう
か、あるいは近い将来脱調することを判定する。脱調と
判定あるいは予測したときに、発電機の一部を解列すれ
ば線路の電力量が減少するので、脱調の判定条件のP
(t)<P0に照らしてみて安定と判定できる分だけ発
電機を解列する。
の電力量Po と判定時点t(あるいは予測時点)の電力
量P(t)を比較し、
場合、発電機の一部を解列することによって安定化でき
る。この時、解列によって送電線の電力Po は(Po −
Pg )と減少する。例えば、系統Aと系統Bが一連系線
で接続されている場合、系統Aから系統BへPo 送電さ
れている場合、系統Aの発電機を解列すればその出力P
g 分減少するため、連系線の送電量は減少してほぼ(P
o −Pg )となる。
の出力Pg とすれば解列しなければ、
することによって安定化できる。
は本発明の第1の実施の形態による電力系統の振動現象
を観察し、脱調を検出する方法を説明する一実施例の構
成図である。図1において、1は電力系統、2は連系
線、3は電力系統の電気的諸量(連系線の有効電力量
P,電流実効値I)を測定する測定部である。4は判定
部であり、P,Iの時間的変化分の増加減少の関係P0
とPの大小関係、P,Iの予測式の係数を用いて、[判
定条件9,10又は9a,10a]に照らし合せて脱調
に至ったか否かを判定する。
場合、測定部3は連系線において有効電力と電流の実効
値を一定周期で測定する。判定部4は時々刻々と測定し
た有効電力と電流の変化分、及び時々刻々と測定した有
効電力と定常状態において測定した有効電力との対比か
ら、電力系統の運転点が安定領域から不安定領域に遷移
したことを検出することによって脱調したと判断する。
上記の脱調の判定は、ある時間間隔で測定した有効電
力,電流(実効値)の時間間隔毎の変化分、及び有効電
力の実測値そのものを用いて前記の[判定条件9,10
又は9a,10a]を用いて行なう。
力系統の振動現象を観察し、脱調を検出する方式を説明
する一実施例の構成図である。図2において、1は電力
系統、2は連系線、3は電力系統の電気的諸量(連系線
の有効電力量P,電流実効値I)を測定する測定部であ
る。5は予測部であり、P,Iの将来予測値を求める。
6は脱調予測部であり、観測した電力,電流の時間変化
傾向から短時間将来時点の電力,電流を予測し、脱調を
予測するものである。
場合、予測部5において時間経過と共に測定した電力,
電流の複数個の測定値から、時間と電力,電流の関係式
の係数を推定し、短時間将来の電力,電流の値を予測す
る。脱調予測部6において予測した電力値と電流値を第
1の実施の形態に示した判定条件に適用し、将来時点の
脱調を予測する。
動現象を観察し、判定を実施し、結果を表示する装置を
説明する一実施例の構成図である。図3において、1は
電力系統、10は測定装置、11は伝送装置、12は計算装
置、13は表示装置である。14は判定に用いたデータを記
録する記録装置である。
有効電力P,電流実効値Iを測定し、伝送系11によって
計算装置12に送り、計算装置12においては第1の実施の
形態あるいは第2の実施の形態に示す方法によって脱調
を判定し、その結果と判定に用いたP,I、係数A,a
などを表示装置13に表示すると同時に、記録装置14に記
録する。
示したが、図4に示すように記憶装置15からのデータを
用い、計算部16で系統の動揺計算(過渡安定度計算な
ど)を実施し、その結果から時々刻々と変化する連系線
のP,Iを取り出し、判定部17にてPθカーブ上におけ
る運転点を見いだしたり、脱調判定を行ない、表示部18
にて表示し、CRTあるいはラインプリンターに出力す
る。判定部17における判定は図11に示すように(P−P
o ),ΔP,ΔIの増加減少の関係から、例えばFLA
Gの欄の数字を割り当てて、それを図,表に表示する。
0,ΔI>0ならば、運転点はPθカーブのカーブ上の
5に存在し右側に推移中であることを示す。又、(P−
Po)>0,ΔP<0,ΔI<0ならば、運転点はPθ
カーブのカーブ上の5に存在し左側に推移中であること
を示す。図11に示すように、P−Po ,ΔP,ΔIの符
号(+,−)に対応するFLAGの数字を表示する。こ
の数字からPθカーブ上の運転点を知ることができる。
動現象が脱調あるいは近い将来脱調すると予測されたと
き、安定化するのに必要な発電機台数を算出し、遮断指
令を出す。
測定し、脱調判定部8は第1の実施の形態あるいは第2
の実施の形態の判定法によって脱調を検出あるいは予測
した後、(14)式を満足するような遮断すべき発電機容
量を算出する。遮断対象発電機の優先順位を別途決めて
おき、優先順に容量を加えた合計がPg以上になった分
の発電機を選択し、それらに遮断指令を出し、遮断を実
施するものである。
下の効果がある。 (1)本発明の電力系統の安定化装置の第1の実施の形
態によれば、連系線の両側の発電機間の脱調現象を検出
できる。 (2)又、第2の実施の形態によれば、早めに脱調予測
ができる。その結果、早めに安定化対策が実施できるの
で、それだけ脱調現象に伴なう周波数上昇などの影響を
少なくでき、他の発電機への事故波及を防止できる。 (3)又、第3の実施の形態によれば、振動現象が発生
したその脱調判定結果と共に表示できるので、系統運用
者に安心感を与えられる。又、記録が残せるので系統現
象の理解に役立つ。解析結果を見て、運転点がPθカー
ブ上のどの位置に存在するかを把握でき、安定度判定が
容易になる。又、脱調した時点も把握できる。 (4)又、第4の実施の形態によれば、脱調を検出ある
いは予測した後、安定化に要する発電機を選択でき、遮
断することによって不安定現象の拡大を防止でき、安定
化できる。
一実施例の構成図。
他の一実施例の構成図。
出,予測を行なった結果を表示する場合を説明する一実
施例の構成図。
出,予測のあと安定化のために発電機を解列する場合を
説明する更に他の一実施例の構成図。
にP<Po の場合の図。
る母線を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 電力系統の送電線において、有効電力と
電流の実効値を時々刻々と測定する測定部と、前記測定
した有効電力の実効値が一時点前の測定値より減少し、
かつ電流の実効値が一時点前の測定値よりも増加したこ
と、更に測定した有効電力値が電力,電圧の変動の小さ
い定常状態において測定した有効電力よりも小さいか、
更に有効電力と電流実効値の近い将来の変化を予測して
有効電力が減少し、かつ電流も減少傾向を示すことを検
出したときに脱調と判定する判定部を有することを特徴
とする電力系統の安定化装置。 - 【請求項2】 電力系統の送電線において、有効電力と
電流の実効値を時々刻々と測定する測定部と、前記測定
した有効電力の実効値が一時点前の測定値より減少し、
かつ電流の実効値が一時点前の測定値よりも増加したこ
と、更に測定した有効電力値が電力,電圧の変動の小さ
い定常状態において測定した有効電力よりも小さく、更
に有効電力と電流実効値の近い将来の変化傾向について
有効電力は減少し、かつ電流も減少傾向を示すことを検
出したときに脱調と判定する判定部と、前記脱調と判定
した後、遮断する発電機を決定し遮断を実施する解列部
とを有することを特徴とする電力系統の安定化装置。
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JP29901193A JP3409896B2 (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | 電力系統の安定化装置 |
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