JP3305077B2 - 電力系統の安定度判定方法 - Google Patents
電力系統の安定度判定方法Info
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Description
ンラインにて判定する電力系統の安定度判定方法に関す
る。
って、電力系統の安定度をオンラインで把握し、必要な
制御を施すことは益々重要になってきている。しかしな
がら、電力系統は大規模・複雑なシステムであり、発生
しうる想定外乱の数は膨大になるものと考えられる。し
たがって全ての想定外乱に対して過渡安定度計算等によ
り、詳細に安定度を判定することは、限られた時間内に
判定を終了しなければならない電力系統の安定度判定装
置には適用できない。このため、多数の想定外乱に対し
て効率的に安定度を判定するオンライン判定手法が必要
になる。
ン判定方法は、発電機の故障中の加速エネルギーを安定
度指標値とし、各想定外乱に対する加速エネルギー値と
予め設定されているしきい値とを比較し、加速エネルギ
ー値がしきい値よりも大きい場合に、電力系統は想定外
乱に対して不安定であると仮判定(スクリーニング)
し、過渡安定度計算などの詳細判定手法を用いて安定度
を詳細に判定するものであった(例えば、「予防制御に
おける過渡安定度判定のスクリーニング手法と制御量算
出法」、1986年電気学会・電力技術研究会PE−8
6−46)。
イン判定方法の流れを示している。即ち、従来の判定方
法では、図9に示すようにまずステップS91にて現在
の電力系統の需給状態に応じて対象とする想定外乱を設
定する。次にステップS92では各想定外乱に対して故
障計算を行ない、故障発生時点の各発電機の出力Pfjを
求める。
2で求めた各発電機の故障発生時点の出力Pfjをもと
に、想定外乱に対する加速エネルギーの発電機間のアン
バランス分AE値を(1)式より求め、更にステップS
94でそのAE値が予め設定されたしきい値AE* より
大きい場合は不安定と仮判定し、最後にステップS95
で過渡安定度計算により安定度を詳細判定して想定外乱
の安定度判定を終了する。
定外乱の故障継続時間である。又、Mj ,PINj ,Pfj
は夫々、発電機jの慣性定数、故障発生前の発電機出
力、故障発生時の発電機出力である。
オンライン判定方法によれば、過渡安定度計算などの詳
細判定法に比べて各段に計算量の少ない故障計算により
得られた故障発生前後の発電機出力を用いてAE値を計
算し、その値がしきい値AE* より大きい想定外乱のみ
過渡安定度計算を実施し、安定度を詳細に判定するよう
にしたので効率的で高速な安定度判定が可能になる。
定度のオンライン判定方法は、故障中の加速エネルギー
の発電機間のアンバランス分AE値を安定度指標とし、
過渡安定度計算により詳細判定すべき想定外乱を選定し
ているため、故障中の加速エネルギーが安定度に対して
支配的な想定外乱に対しては有効な方法である。しかし
ながら、近年遮断器や保護継電器の高度化により、基幹
系統に故障が発生した場合の故障継続時間は、主保護遮
断故障を対象とすれば50〜70ミリ秒と短くなってお
り、安定度に対する影響は故障中の加速エネルギーより
は故障除去後の系統構成が大きくなっている。
とする電力系統の安定度判定装置に対して、安定度指標
値としてAE値を適用すれば、スクリーニングの精度が
低下し、装置全体の判定精度が悪化する虞れがある。更
に、スクリーニングを行なう際のしきい値の最適値は、
本来、電力系統の需給状態や系統構成の変化に対して変
動するものであり、その値を予め設定されている値に固
定する従来の方法では、全ての系統状態で高精度な安定
度判定を行なうことは難しい。又、たとえ全系統状態に
対して最適なしきい値を設定できたとしても、それを系
統特性の長期的変化に対してメンテナンスして行くこと
には多大な労力を必要とする。
れたものであり、故障除去後の系統構成が安定度に支配
的な主保護故障に対して適用可能な電力系統の安定度判
定方法を提供すると共に、スクリーニングに使用するし
きい値を電力系統の状態に応じて自動的に調整あるいは
再設定する機能を付加することにより、高精度でメンテ
ナンス・フリーな電力系統の安定度判定方法を提供する
ことを目的としている。
係る電力系統の安定度判定方法では、下記式に基づき故
障除去後の系統構成による安定度の差を表す減速力の発
電機間のアンバランス量を表わす安定度指標値(DP
値)を算出し、この算出された安定度指標値と予め設定
されているしき値とを比較し、DP値がしきい値よりも
大きい場合は想定外乱に対して電力系統は不安定である
と仮判定(スクリーニング)し、詳細安定度計算を実施
して電力系統の安定度を詳細に判定することを特徴とす
る。 記
は故障除去瞬時の発電機iの出力、Miは発電機iの慣
性定数を意味する。
定度判定方法では、[請求項1]において、スクリーニ
ングによる判定結果と詳細安定度計算による詳細判定結
果とを比較して、スクリーニングによる判定が所望の精
度が得られるようにしきい値を自動調整することを特徴
とする。
定度判定方法では、[請求項1]において、スクリーニ
ングにより全ての想定外乱が安定と判定された場合は、
安定度指標値の大きい想定外乱順に予め指定された順番
まで詳細安定度計算を実施し、その判定結果と安定度指
標値の関係を用いてしきい値を自動調整することを特徴
とする。
定度判定方法では、[請求項1]において、電力系統構
成に大幅に変化が生じたら、安定度指標値の大きい想定
外乱順に詳細判定が安定になるまで詳細安定度計算を実
施し、その判定結果と安定度指標値の関係を用いてしき
い値を自動的に再設定することを特徴とする。
判定方法は、多数の想定外乱に対してDP値が計算され
て、予め設定されているしきい値と夫々比較され、DP
値がしきい値よりも大きい場合は、対象となる想定外乱
に対して電力系統は不安定であると仮判定(スクリーニ
ング)し、過渡安定度計算などを用いて詳細に安定度を
判定する。
定度判定方法は、多数の想定外乱に対してDP値等の安
定度指標値が計算されて、予め設定されているしきい値
と夫々比較され、安定度指標値がしきい値よりも大きい
場合は、対象となる想定外乱に対して電力系統は不安定
であると仮判定(スクリーニング)する。そして、この
場合は過渡安定度計算などを用いて詳細に安定度を判定
すると共に、スクリーニングによる判定結果と過渡安定
度計算などによる詳細判定結果とを比較して、スクリー
ニングによる判定が所望の精度が得られるようにしきい
値を自動調整する。
定度判定方法は、多数の想定外乱に対してDP値等の安
定度指標値が計算されて、予め設定されているしきい値
と夫々比較され、全ての想定外乱に対する安定度指標値
がしきい値よりも小さい場合は、安定度指標値の大きい
想定外乱順に予め指定された順番まで詳細安定度計算を
実施し、その判定結果と安定度指標値の関係を用いてし
きい値を自動調整する。
定度判定方法は、電力系統構成に大幅な変化が生じた場
合、多数の想定外乱に対してDP値等の安定度指標値が
計算され、安定度指標値の大きい想定外乱順に詳細判定
が安定になるまで詳細安定度計算を実施し、その判定結
果と安定度指標値の関係を用いてしきい値を自動的に再
設定する。
要なスクリーニング手法、即ち、DP値の計算方法、詳
細安定度計算による詳細判定方法、そしてスクリーニン
グに用いるしきい値の決定方法について説明する。最初
に、DP値の計算方法について説明する。電力系統の安
定度には故障前の系統状態,故障の発生場所や継続時
間,故障除去後の系統構成が影響する。又、安定度への
これらの影響度合いは、対象とする故障の種別によって
異なってくる。先に説明したように、想定外乱として基
幹系統の主保護故障を対象とすれば、故障除去後の系統
構成の影響度合いが大きくなる。
表す指標として、(2)式に示す故障除去後の各発電機
の減速力Pdiを用いるのが有効である。
は故障除去瞬時の発電機iの出力、Miは発電機iの慣
性定数である。
な一機無限大母線系統を対象とすれば、Pdiが大きい
ほど系統は安定である。しかし実際は、電力系統には数
多くの発電機が並列運転しているため、Pdiの絶対的
な大きさではなく相対的な大きさが問題になってくる。
即ち、各発電機のPdiの相対的な大きさがアンバラン
スなほど電力系統の安定度は厳しくなる。
相対的な値に変換すると(3)式となる。
全発電機の合計をとると、全発電機の減速力のアンバラ
ンス量の総和DPは(4)式となり、その値が大きいほ
ど電力系統は不安定となる。
するためには、故障除去瞬時の発電機出力Pciが必要
になる。そして、このPciを求めるためには、故障除
去瞬時までの過渡安定度計算が必要になるが、その計算
量は、通常の安定度判定のための過渡安定度計算のそれ
と比べて1/100程度である。即ち、Pciを求める
には、故障除去瞬時までの50〜70ミリ秒の過渡安定
度計算の実行ですむが、過渡安定度計算により安定度を
詳細に判定しようとすれば、5秒〜10秒の過渡安定度
計算の実行が必要になる。従って、DP値は過渡安定度
計算による安定度判定に比べて、極めて高速に計算する
ことができる。
ついて簡単に説明する。過渡安定度計算とは、発電機の
非線形微分方程式と非線形代数方程式、及び電力系統を
表す線形代数方程式を交互あるいは同時に解き、電力系
統に故障が発生した時の各発電機の動揺(出力,角速度
などの時間変化)をシミュレーションする計算である。
例えば、発電機及び系統の動きを表すシステム方程式は
以下のようになる。
ど)。 U:発電機出力,発電機電流などのインターフェイス変
数。 V:系統の母線電圧。 I:系統の母線注入電流。 Y:母線アドミタンス行列。
判定法について説明する。図5は電力系統の一例であ
り、発電機A,Bが同期して運転している。図6に図5
の電力系統のF点で3相地絡故障が発生した場合の発電
機A,Bの位相角動揺を、過渡安定度計算により求めた
結果の一例を示す。同図において、(a)は安定なケー
ス、(b)は発電機Bが脱調し不安定なケースである。
発電機の脱調現象は、系統故障により発電機角速度にア
ンバランスが生じ、発電機間の位相角差が拡大して発生
するものである。通常、その値が180〜200度を超
えた場合に不安定となる。
機の位相角をもとに、発電機間の位相角差の絶対値を計
算し、例えばその値が180度を超えたか否かにより安
定度を判定することができる。図7は図6の結果をもと
に、発電機A,B間の位相角差の絶対値を計算した結果
であり、図7(a)は安定、図7(b)は不安定と判定
できる。一般のn発電機系統では、発電機間の全ての組
み合わせについて(8)式の判定を行ない、その内の1
つの組み合わせでもその条件を満足している場合は不安
定と判定する。
法についてDP値を例に説明する。スクリーニングは簡
易計算により得られた安定度指標値(例えばDP値)と
判定用しきい値(例えばDP* )を比較することによ
り、高速に安定度を判定する手法である。一方、判定用
しきい値の最適値は、電力系統の需給状態や系統構成の
変化に対して変動するものであり、スクリーニング精度
を維持するためにには、電力系統の前記変化をとらえ
て、自動的にしきい値を調整あるいは再設定する必要が
ある。
の詳細判定結果とそれに対応する安定度指標値から決ま
るものである。図8は複数の想定外乱に対するDP値と
詳細判定結果の関係を示したものである。同図におい
て、白丸は詳細判定結果が安定な想定外乱、黒丸は詳細
判定結果が不安定な想定外乱である。スクリーニングの
責務は、過渡安定度計算などにより詳細判定すべき想定
外乱を選定することであり、安定なケースを不安定、即
ち、詳細判定すべきケースに選定することは許される
が、不安定なケースを安定、即ち、詳細判定すべきケー
スに選定しないことは許されない。
係にある場合は、同図破線のようにしきい値DP* を決
めなければならない。即ち、不安定な想定外乱中のDP
値の最小値以下になるようにしきい値を設定あるいは調
整しなければならない。以下、このような基本的な考え
方に基づくしきい値の設定あるいは調整方法を説明す
る。
を用いたしきい値DP* の設定ルールを示す。 (i) 不安定な想定外乱がある場合(設定ルール1) 詳細判定により不安定と判定された想定外乱のDP値を
もとに、(9)式を用いてしきい値DP* を決定すると
共に、“不安定ケースあり”をセットする。
ール2) 詳細判定により不安定と判定された想定外乱がないた
め、厳密なしきい値は設定できない。そこで、(10)
式よりしきい値DP* を仮決定し、“不安定ケースな
し”をセットする。
を用いたしきい値DP* の調整ルールを示す。 (i) 過去に不安定な想定外乱がなく、現在も全て安定な
場合(調整ルール1)現状のしきい値DP* と詳細判定
を実施した各想定外乱のDP値を用いて、(11)式よ
りしきい値DP* を更新する。
はある場合(調整ルール2) 詳細判定により不安定と判定された想定外乱のDP値を
用いて、(12)式によりDP* を更新すると共に、
“不安定ケースあり”をセットする。
在もある場合(調整ルール3) 現状のしきい値DP* と詳細判定により不安定と判定さ
れた各想定外乱のDP値を用いて、(13)式よりしき
い値DP* を更新する。
はない場合(調整ルール4) このケースではしきい値の調整を行なわない。ただし、
スクリーニングにより不安定と仮判定(詳細判定は、安
定)されることが、予め指定された回数以上発生した場
合は、しきい値が適当でないと判断し、(12)式を用
いてしきい値を更新すると共に、“不安定ケースあり”
をリセットし、“不安定ケースなし”をセットする。
る詳細判定方法、そして、スクリーニングに用いるしき
い値の決定方法をもとにした本発明の実施例を説明す
る。
定度判定方法の実施例を図1を用いて説明する。図1は
定周期(例えば1分間隔)で電力系統の安定度を判定す
る場合の1周期分の演算処理を示したものである。先
ず、ステップS1において現在の系統運用状態、つまり
発電機出力,母線電圧,送電線のON・OFF状態等の
系統情報を収集し、ステップS2でこの系統情報をもと
に現在の潮流状態を算出する。次に、ステップS3で用
意された多数の想定外乱f1 ,f2 ,……,fnに対し
て、ステップS4で故障除去瞬時までの過渡安定度計算
を行ない、故障発生前と故障除去瞬時の各発電機の出力
を求める。
の慣性定数をもとに、各想定外乱に対するDP値を
(4)式を用いて求める。そして、ステップS6にてD
P値と予め設定されている安定度判定用しきい値DP*
を比較し、DP値がしきい値DP* よりも大きい場合
は、相対外乱に対して電力系統は不安定であると仮判定
し、ステップS7にて過渡安定度計算を実施し詳細に安
定度を判定する。
DP* よりも小さい場合は、想定外乱に対して電力系統
は安定であると最終決定し、過渡安定度計算による詳細
判定は実施しない。そして、全ての想定外乱に対する安
定度判定が終了(ステップS8)すれば、結果を電力系
統の運転員あるいは電力系統の制御装置に出力する(ス
テップS9)。
去後の系統構成による安定度の差を表す減速力の発電機
間のアンバランス量(DP値)を安定度指標とし、その
値を予め設定されているしきい値と比較して、DP値が
しきい値よりも大きい場合は想定外乱に対して電力系統
は不安定であると仮判定(スクリーニング)し、詳細安
定度計算を実施して電力系統の安定度を詳細判定するよ
うにしたので、故障除去後の系統構成が安定度に支配的
な主保護故障に対して効率的で高速な安定度判定が可能
になる。なお、以上の実施例では詳細に安定度を判定す
る手段として過渡安定度計算を基本とした手法を用いて
いるが、電力系統の固有値計算をベースとした手法でも
同様に実施することができる。
定度判定方法の実施例を図2を用いて説明する。図2は
定周期(例えば1分間隔)で電力系統の安定度を判定す
る場合の1周期分の演算処理を示したものである。先
ず、ステップS1において現在の系統運用状態、つまり
発電機出力,母線電圧,送電線のON・OFF状態等の
系統情報を収集し、ステップS2でこの系統情報をもと
に現在の潮流状態を算出する。次に、ステップS3で用
意された多数の想定外乱f1 ,f2 ,……,fnに対し
てステップS4で故障除去瞬時までの過渡安定度計算を
行ない、故障発生前と故障除去瞬時の各発電機の出力を
求める。
の慣性定数をもとに、各想定故障に対するDP値を
(4)式を用いて求める。そして、ステップS6にてD
P値と予め設定されている安定度判定用しきい値DP*
を比較し、DP値がしきい値DP* よりも大きい場合
は、想定外乱に対して電力系統は不安定であると仮判定
し、ステップS7にて過渡安定度計算を実施し詳細に安
定度を判定する。
DP* よりも小さい場合は、想定外乱に対して電力系統
は安定であると最終決定し、過渡安定度計算による詳細
判定は実施しない。そして、全ての想定外乱に対する安
定度判定が終了(ステップS8)すれば、詳細判定を実
施したケースがあるかどうかを判断し(ステップS1
0)、ステップS11にて詳細判定結果とそれに対応す
るDP値により、前述した調整ルール1〜4を適用して
しきい値DP* を調整する。そして最後に、結果を電力
系統の運転員あるいは電力系統の制御装置に出力する
(ステップS9)。
去後の系統構成による安定度の差を表す減速力の発電機
間のアンバランス量(DP量)などを安定度指標とし、
その値を予め設定されているしきい値と比較し、安定度
指標値がしきい値よりも大きい場合は想定外乱に対して
電力系統は不安定であると仮判定(スクリーニング)
し、詳細安定度計算を実施して電力系統の安定度を詳細
判定すると共に、スクリーニングによる判定結果と詳細
安定度計算による詳細判定結果を比較して、スクリーニ
ングによる判定が所望の精度が得られるようにしきい値
を自動調整するようにしたので、高精度な安定度判定が
実現できる。なお、以上の実施例では安定度指標として
DP値を用いているが、他の安定度指標、例えば従来技
術で説明した加速エネルギーの発電機間のアンバランス
分AE値でも同様に実施することができる。
定度判定方法の実施例を図3を用いて説明する。図3は
定周期(例えば1分間隔)で電力系統の安定度を判定す
る場合の1周期分の演算処理を示したものである。先
ず、ステップS1において現在の系統運用状態、つまり
発電機出力,母線電圧,送電線のON・OFF状態等の
系統情報を収集し、ステップS2でこの系統情報をもと
に現在の潮流状態を算出する。次に、ステップS3で用
意された多数の想定外乱f1 ,f2 ,……,fn に対し
てステップS4で故障除去瞬時までの過渡安定度計算を
行ない、故障発生前と故障除去瞬時の各発電機の出力を
求める。
の慣性定数をもとに、各想定故障に対するDP値を
(4)式を用いて求める。そして、ステップS6にてD
P値と予め設定されている安定度判定用しきい値DP*
を比較し、DP値がしきい値DP* よりも大きい場合
は、想定外乱に対して電力系統は不安定であると仮判定
し、ステップS7にて過渡安定度計算を実施し詳細に安
定度を判定する。
DP* よりも小さい場合は、想定外乱に対して電力系統
は安定であると最終決定し、過渡安定度計算による詳細
判定は実施しない。そして、全ての想定外乱に対する安
定度判定が終了(ステップS8)すれば、詳細判定を実
施したケースがあるかどうかを判断する(ステップS1
0)。ここで詳細安定度判定を1ケースも行なっていな
い場合、即ち、スクリーニングにより全ての想定外乱が
安定と判定された場合は、ステップS11にてDP値の
大きい順に予め設定されているケース数(mケース)だ
け詳細安定度判定を行ない、ステップS12では前述し
たしきい値の調整ルール1〜4を適用してしきい値DP
* を調整する。そして最後に、結果を電力系統の運転員
あるいは電力系統の制御装置に出力する(ステップS
9)。
よる安定度の差を表す減速力の発電機間のアンバランス
量(DP量)などを安定度指標し、その値を予め設定さ
れているしきい値と比較し、全ての想定外乱に対する安
定度指標値がしきい値よりも小さい場合は、安定度指標
値の大きい想定外乱順に予め指定された順番まで詳細安
定度計算を実施し、その判定結果と安定度指標値の関係
を用いてしきい値を自動調整するので、高精度な安定度
判定が実現できる。なお、以上の実施例では安定度指標
としてDP値を用いているが、他の安定度指標、例えば
従来技術で説明した加速エネルギーの発電機間のアンバ
ランス分AE値でも同様に実施することができる。
定度判定方法の実施例を図4を用いて説明する。図4は
定周期(例えば1分間隔)で電力系統の安定度を判定す
る場合の1周期分の演算処理を示したものである。先
ず、ステップS1において現在の系統運用状態、つまり
発電機出力,母線電圧,送電線のON・OFF状態等の
系統情報を収集し、ステップS2でこの系統情報をもと
に現在の潮流状態を算出する。次に、ステップS13で
しきい値の大幅変化が予測される系統構成変化の有無を
調べる。もし、系統構成の大幅変化がなければ、ステッ
プS3で用意された多数の想定外乱f1 ,f2 ,……,
fn に対してステップS4で故障除去瞬時までの過渡安
定度計算を行ない、故障発生前と故障除去瞬時の各発電
機の出力を求める。
の慣性定数をもとに、各想定故障に対するDP値を
(4)式を用いて求める。そして、ステップS6にてD
P値と予め設定されている安定度判定用しきい値DP*
を比較し、DP値がしきい値DP* よりも大きい場合
は、想定外乱に対して電力系統は不安定であると仮判定
し、ステップS7にて過渡安定度計算を実施し詳細に安
定度を判定する。
DP* よりも小さい場合は、想定外乱に対して電力系統
は安定であると最終決定し、過渡安定度計算による詳細
判定は実施しない。そして、全ての想定外乱に対する安
定度判定が終了(ステップS8)すれば、結果を電力系
統の運転員あるいは電力系統の制御装置に出力する(ス
テップS9)。一方、ステップS13で系統構成に大幅変
化があったとされると、ステップS3で用意された多数
の想定外乱f1 ,f2 ,……,fn に対してステップS
14で故障除去瞬時までの過渡安定度計算を行ない、故障
発生前と故障除去瞬時の各発電機の出力を求める。
機の慣性定数をもとに、各想定故障に対するDP値を
(4)式を用いて求める。全ての想定外乱に対するDP
値が計算されたならば(ステップS16)、ステップS
17にてDP値の大きい想定外乱順に詳細判定が安定に
なるまで過渡安定度計算による詳細安定度判定を行な
い、ステップS18で前述したしきい値の設定ルール1
〜2を適用してしきい値DP* を再設定する。そして最
後に、結果を電力系統の運転員あるいは電力系統の制御
装置に出力する(ステップS9)。
よる安定度の差を表す減速力の発電機間のアンバランス
量(DP量)などを安定度指標し、電力系統構成に大幅
な変化が生じたら、安定度指標値の大きい想定外乱順に
詳細判定が安定になるまで詳細安定度計算を実施し、そ
の判定結果と安定度指標値の関係を用いてしきい値を自
動的に再設定するようにしたので、系統構成変化により
しきい値の最適値が急変した場合も高精度な安定度判定
が実現できる。なお、以上の実施例では安定度指標とし
てDP値を用いているが、他の安定度指標、例えば従来
技術で説明した加速エネルギーの発電機間のアンバラン
ス分AE値でも同様に実施することができる。
障除去後の系統構成による安定度の差を表す減速力の発
電機間のアンバランス量(DP量)を安定度指標とし、
その値を予め設定されているしきい値と比較し、DP値
がしきい値よりも大きい場合は想定外乱に対して電力系
統は不安定であると仮判定(スクリーニング)し、詳細
安定度計算を実施して電力系統の安定度を詳細判定する
と共に、電力系統の状態変化や構成変化に対してしきい
値を自動的に調整あるいは再設定するようにしたので、
故障除去後の系統構成が安定度に支配的に主保護故障に
対して適用でき、かつ、高精度でメンテナンス・フリー
な電力系統の安定度判定方法を実現することができる。
判定方法を説明するための一実施例を示す全体の流れ
図。
判定方法を説明するための一実施例を示す全体の流れ
図。
判定方法を説明するための一実施例を示す全体の流れ
図。
判定方法を説明するための一実施例を示す全体の流れ
図。
明するための図。
明するための図。
るための図。
めの流れ図。
Claims (4)
- 【請求項1】 電力系統の状態量を定周期で入力し、電
力系統の安定度を予め設定されている想定外乱について
評価する電力系統の安定度判定方法において、下記式に
基づき故障除去後の発電機の減速力の発電機間のアンバ
ランス量を表す安定度指標値(DP値)を算出し、この
算出された安定度指標値と予め設定されているしきい値
とを比較し、DP値がしきい値よりも大きい場合は想定
外乱に対して電力系統は不安定であると仮判定(スクリ
ーニング)し、詳細安定度計算を実施して電力系統の安
定度を詳細判定することを特徴とする電力系統の安定度
判定方法。記 【数1】 ここで、Poiは故障発生前の発電機iの出力、Pci
は故障除去瞬時の発電機iの出力、Miは発電機iの慣
性定数を意味する。 - 【請求項2】 スクリーニングによる判定結果と詳細安
定度計算による詳細判定結果とを比較して、スクリーニ
ングによる判定が所望の精度が得られるようにしきい値
を自動調整することを特徴とする請求項1記載の電力系
統の安定度判定方法。 - 【請求項3】 スクリーニングにより全ての想定外乱が
安定と判定された場合は、安定度指標値の大きい想定外
乱順に予め指定された順番まで詳細安定度計算を実施
し、その判定結果と安定度指標値の関係を用いてしきい
値を自動調整することを特徴とする請求項1記載の電力
系統の安定度判定方法。 - 【請求項4】 電力系統の構成に大幅な変化が生じた
ら、安定度指標値の大きい想定外乱順に詳細判定が安定
になるまで詳細安定度計算を実施し、その判定結果と安
定度指標値の関係を用いてしきい値を自動的に再設定す
ることを特徴とする請求項1記載の電力系統の安定度判
定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30094993A JP3305077B2 (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 電力系統の安定度判定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30094993A JP3305077B2 (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 電力系統の安定度判定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07135738A JPH07135738A (ja) | 1995-05-23 |
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