JP3350265B2 - 電力系統安定化装置 - Google Patents

電力系統安定化装置

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JP3350265B2
JP3350265B2 JP32426694A JP32426694A JP3350265B2 JP 3350265 B2 JP3350265 B2 JP 3350265B2 JP 32426694 A JP32426694 A JP 32426694A JP 32426694 A JP32426694 A JP 32426694A JP 3350265 B2 JP3350265 B2 JP 3350265B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力系統の事故によっ
て複数の発電機が脱調する現象を、一部の発電機を電力
系統から高速に解列することにより残りの発電機を安定
化させる電力系統安定化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電力系統が大規模かつ複雑化す
るに伴なって、電力系統の安定度を把握し、維持してい
くことは、極めて重要なことである。そして、このよう
な状況の中で、今後とも電力系統の安定度を確保するた
めには、系統状態と事故条件とを正確に把握し、より精
度の高い安定化制御を実施していく必要がある。
【0003】さて、従来から、この種の安定化制御を実
施する電力系統安定化装置に適用されている電制発電機
の決定方法としては、例えば電力系統の事故発生前の発
電所総出力と、事故発生後のしゃ断器情報等から検出さ
れた事故送電線と事故種別をパラメータとし、あらかじ
め設定されている制御量算出カーブに基づいて、総電制
量(全電制発電機の事故前の総出力)を求め、この求め
られた総電制量と事故発生前の発電機出力とから、最適
な電制発電機を決定する方法が主体となっている。
【0004】図20は、この種の従来の電力系統安定化
装置を電力系統に適用した場合の構成例を示す概要図で
ある。すなわち、図20において、電力系統は、複数
(図では3台)の発電機G1,G2,G3の出力端が、
それぞれしゃ断器CB1,CB2,CB3を介して母線
BUSに接続され、さらにこの母線BUSに、それぞれ
しゃ断器CB4,CB6、送電線l1,l2、およびし
ゃ断器CB5,CB7を介して主系統が接続されて構成
されている。
【0005】一方、電力系統安定化装置は、発電機G
1,G2,G3の出力端の電流をそれぞれ抽出する計器
用変流器CT1,CT2,CT3、および母線BUSの
電圧を抽出する計器用変圧器PTからの2次出力によ
り、安定度が問題となる発電所の事故発生前の総出力P
T と個々の発電機の出力P1 〜P3 を検出する電力検出
部1と、電力系統の事故発生後に、しゃ断器情報(しゃ
断器CB6,CB7の開極情報)等により事故条件(事
故送電線、事故種別)を判定する事故条件判定部2と、
電力検出部1により検出した事故発生前の発電所総出力
T と、事故条件判定部2により判定された事故条件と
に基づいて、例えば図21に示すような制御量算出カー
ブより総電制量を算出し、この算出された総電制量と事
故発生前の各発電機の出力値P1 〜P3 とに基づいて、
最適な電制発電機を決定する電制発電機決定部3と、こ
の電制発電機決定部3により決定された発電機を高速に
しゃ断するための制御部4とから構成されている。
【0006】しかしながら、このような電力系統安定化
装置では、制御量算出カーブを設定することが必要であ
り、そのためには多くのオフラインシミュレーションを
実行する必要がある。
【0007】すなわち、想定される系統構成、潮流断面
を基に、対象となる事故条件(送電線、事故種別)毎
に、発電所の総出力と総電制量との関係を過渡安定度計
算等により求め、その結果に基づいて制御量算出カーブ
を設定する。この場合、通常、オフラインシミュレーシ
ョンには、安定度的に厳しい系統構成、潮流断面、およ
び事故発生地点(対象送電線の事故発生位置)が使用さ
れるため、実際の系統事故が発生した場合には、過剰制
御となる(必要以上の発電機をしゃ断する)傾向があ
る。また、対象系統構成が大幅に変化した場合には、再
度のオフラインシミュレーションの実行が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
電力系統安定化装置においては、事前に想定した系統構
成、潮流状態を対象に求めた制御量算出カーブを用いて
電制発電機を決定していることから、実際の電力系統で
発生する全ての系統構成、潮流状態、および事故発生地
点に対して、最適な電制発電機を選択することが困難で
あり、また系統構成の大幅な変化に対して再度のオフラ
インシミュレーションの実行が必要になるため、保守性
の点で問題があった。
【0009】本発明の目的は、電力系統における全ての
系統構成、潮流状態、および事故発生地点に対して最適
な電制発電機を決定でき、しかも事前にオフラインシミ
ュレーションを実行する必要のない、高精度でかつ保守
性に優れた電力系統安定化装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、本発明の請求項1に係る電力系統安定化装
置は、電力系統の接続状態および電力の需給状態を系統
情報として定周期で収集し、かつ当該収集された系統情
報とあらかじめ記憶されている系統設備データとに基づ
いて、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデルを作成
する系統モデル作成手段と、電力系統に事故が発生した
ことを起動条件とし、当該事故の発生地点と事故の種別
を判定して事故条件として検出する事故条件検出手段
と、事故条件検出手段により検出された事故条件と、あ
らかじめ記憶されている電制対象発電機の運用制約条件
と、系統モデル作成手段により作成された解析用系統モ
デルとに基づいて、電制発電機の組み合わせを変えて複
数の解析条件(ケース)を設定する解析条件設定手段
と、解析条件設定手段により設定された各解析条件に従
って過渡安定度計算を行ない、各解析条件に対する安定
度を判定する安定度判定手段と、安定度判定手段により
判定された各解析条件に対する安定度判定結果に基づい
て、電制発電機を決定する電制発電機決定手段と、電制
発電機決定手段により決定された電制発電機を電力系統
から解列して電力系統の安定化を図る制御手段とを備え
て成る。
【0011】また、本発明の請求項2に係る電力系統安
定化装置は、電力系統の接続状態および電力の需給状態
を系統情報として定周期で収集し、かつ当該収集された
系統情報とあらかじめ記憶されている系統設備データと
に基づいて、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデル
を作成する系統モデル作成手段と、電力系統に事故が発
生したことを起動条件とし、当該事故の発生地点と事故
の種別を判定して事故条件として検出する事故条件検出
手段と、事故条件検出手段により検出された事故条件
と、あらかじめ記憶されている電制対象発電機の運用制
約条件と、系統モデル作成手段により作成された解析用
系統モデルとに基づいて、電制発電機の組み合わせを変
えて複数の解析条件(ケース)を設定する解析条件設定
手段と、解析条件設定手段により設定された各解析条件
を、計算負荷がほぼ平等になるように分配する解析条件
分配手段と、解析条件分配手段により分配された解析条
件に従って過渡安定度計算を行ない、各解析条件に対す
る安定度をそれぞれ判定する複数の安定度判定手段と、
各安定度判定手段により判定された各解析条件に対する
安定度判定結果に基づいて、電制発電機を決定する電制
発電機決定手段と、電制発電機決定手段により決定され
た電制発電機を電力系統から解列して電力系統の安定化
を図る制御手段とを備えて成る。
【0012】さらに、本発明の請求項3に係る電力系統
安定化装置は、電力系統の接続状態および電力の需給状
態を系統情報として定周期で収集し、かつ当該収集され
た系統情報とあらかじめ記憶されている系統設備データ
とに基づいて、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデ
ルを作成する系統モデル作成手段と、系統モデル作成手
段により作成された解析用系統モデルを入力とし、あら
かじめ設定されている縮約条件に基づいて電力系統の一
部を縮約処理して、新たな解析用系統モデルを作成する
系統縮約手段と、電力系統に事故が発生したことを起動
条件とし、当該事故の発生地点と事故の種別を判定して
事故条件として検出する事故条件検出手段と、事故条件
検出手段により検出された事故条件と、あらかじめ記憶
されている電制対象発電機の運用制約条件と、系統縮約
手段により作成された新たな解析用系統モデルとに基づ
いて、電制発電機の組み合わせを変えて複数の解析条件
(ケース)を設定する解析条件設定手段と、解析条件設
定手段により設定された各解析条件に従って過渡安定度
計算を行ない、各解析条件に対する安定度を判定する安
定度判定手段と、安定度判定手段により判定された各解
析条件に対する安定度判定結果に基づいて、電制発電機
を決定する電制発電機決定手段と、電制発電機決定手段
により決定された電制発電機を電力系統から解列して電
力系統の安定化を図る制御手段とを備えて成る。
【0013】さらにまた、本発明の請求項4に係る電力
系統安定化装置は、電力系統の接続状態および電力の需
給状態を系統情報として定周期で収集し、かつ当該収集
された系統情報とあらかじめ記憶されている系統設備デ
ータとに基づいて、現在の潮流状態を表わす解析用系統
モデルを作成する系統モデル作成手段と、電力系統に事
故が発生したことを起動条件とし、当該事故の発生地点
と事故の種別を判定して事故条件として検出する事故条
件検出手段と、事故条件検出手段により検出された事故
条件と、あらかじめ記憶されている電制対象発電機の運
用制約条件と、系統モデル作成手段により作成された解
析用系統モデルとに基づいて、電制発電機の組み合わせ
を変えて複数の解析条件(ケース)を設定する解析条件
設定手段と、解析条件設定手段により設定された各解析
条件に従って過渡安定度計算を行ない、各解析条件に対
する安定度を判定する安定度判定手段と、安定度判定手
段により判定された各解析条件に対する安定度判定結果
に基づいて、電制発電機を決定する電制発電機決定手段
と、電制発電機決定手段により決定された電制発電機を
電力系統から解列して電力系統の安定化を図る制御手段
と、解析条件設定手段により作成された各解析条件と、
安定度判定手段により判定された各解析条件に対する安
定度判定結果と、電制発電機決定手段により決定された
電制発電機名とを保存する記録手段とを備えて成る。
【0014】ここで、特に上記系統モデル作成手段は、
電力系統の接続状態(しゃ断器や断路器等の開閉状態)
および電力の需給状態(発電機出力や負荷の有効および
無効電力)を、系統情報として定周期で収集する系統状
態収集部と、当該系統状態収集部により収集された系統
情報を記憶する情報記憶部と、電力系統の送電線のイン
ピーダンスや発電機の諸定数を記憶している系統設備記
憶部と、情報記憶部に記憶されている系統情報と系統設
備記憶部に記憶されている送電線のインピーダンスや発
電機の諸定数とを用いて、解析用系統モデルを作成する
系統モデル作成部とから成るものであることが望まし
い。
【0015】また、上記解析条件設定手段は、系統モデ
ル作成手段により作成された解析用系統モデルを記憶す
る系統モデル記憶部と、電制対象発電機の運用制約条件
を記憶している運用条件記憶部と、系統モデル記憶部お
よび運用条件記憶部にそれぞれ記憶されている解析用系
統モデルおよび電制対象発電機の運用制約条件と、事故
条件検出手段により検出された事故条件とを用いて、電
制発電機の組み合わせを変えて複数の解析条件を設定す
る解析条件設定部とから成るものであることが望まし
い。
【0016】さらに、上記安定度判定手段は、解析条件
設定手段により設定された各解析条件を記憶する解析条
件記憶部と、当該解析条件記憶部に記憶されている各解
析条件に対して過渡安定度計算を行なう過渡安定度計算
部と、当該過渡安定度計算部による計算結果を用いて、
各解析条件に対する安定度を判定する安定度判定部とか
ら成るものであることが望ましい。
【0017】さらに、上記制御手段は、電制発電機決定
手段により決定された電制発電機を電力系統から解列す
るための制御指令に基づいて、各発電機のしゃ断器のう
ちの該当しゃ断器をしゃ断するものであることが望まし
い。
【0018】
【作用】従って、本発明の請求項1に係る電力系統安定
化装置においては、電力系統の事故発生前に、需給状態
に応じた一定周期で電力系統の系統情報データ(接続状
態や電力の需給状態)が、系統モデル作成手段に入力さ
れる。そして、系統モデル作成手段では、これら系統情
報データと、あらかじめ記憶されている系統設備データ
とを基に、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデルを
作成し、その結果が解析条件設定手段に入力される。
【0019】一方、電力系統に事故が発生すると、事故
条件検出手段は事故条件(事故の発生地点と事故の種
別)を検出し、その結果が解析条件設定手段に入力され
る。そして、解析条件設定手段では、この事故条件(事
故の発生地点と事故の種別)と、事故発生前に作成し記
憶していた解析用系統モデルとを基に、電制発電機の組
み合わせを変えて複数の解析条件(ケース)を作成し、
その結果が安定度判定手段に入力される。すると、安定
度判定手段では、この各解析条件に従って過渡安定度計
算を実施して、各解析条件に対する安定度を判定し、そ
の結果が電制発電機決定手段に入力される。これによ
り、電制発電機決定手段では、この判定結果を基に電制
発電機を決定し、その結果が制御手段に伝送される。そ
して、制御手段により、電制発電機が電力系統からしゃ
断されて、電力系統の安定化が図られる。
【0020】以上により、実際に発生した系統事故の事
故種別、事故点を検出し、事故発生直前の定常時の潮流
状態を表わす解析用系統モデルを基に、高精度な過渡安
定度計算により最適な電制発電機を求めることが可能と
なるため、全ての系統構成、潮流状態、および事故発生
地点・事故種別に対して、最適な電制発電機を選定する
ことができ、しかも事前のオフラインシミュレーション
が必要ない、高精度でかつ保守性の優れたものとなる。
【0021】次に、本発明の請求項2に係る電力系統安
定化装置においては、電力系統の事故発生前に、需給状
態に応じた一定周期で電力系統の系統情報データ(接続
状態や電力の需給状態)が、系統モデル作成手段に入力
される。そして、系統モデル作成手段では、これら系統
情報データと、あらかじめ記憶されている系統設備デー
タとを基に、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデル
を作成し、その結果が解析条件設定手段に入力される。
【0022】一方、電力系統に事故が発生すると、事故
条件検出手段は事故条件(事故の発生地点と事故の種
別)を検出し、その結果が解析条件設定手段に入力され
る。そして、解析条件設定手段では、この事故条件(事
故の発生地点と事故の種別)と、事故発生前に作成し記
憶していた解析用系統モデルとを基に、電制発電機の組
み合わせを変えて複数の解析条件(ケース)を作成し、
その結果が解析条件分配手段に入力される。解析条件分
配手段では、この各解析条件が、計算負荷が平等になる
ように複数の安定度判定手段にそれぞれ入力される。す
ると、安定度判定手段では、この分配された解析条件に
従って過渡安定度計算を実施して、各解析条件に対する
安定度を判定し、その結果が電制発電機決定手段に入力
される。電制発電機決定手段では、これら各安定度判定
手段で行なった各解析条件に対する安定度判定結果を基
に電制発電機を決定し、その結果が制御手段に伝送す
る。そして、制御手段により、電制発電機が電力系統か
らしゃ断されて、電力系統の安定化が図られる。
【0023】以上により、最適な電制発電機を決定する
ための解析ケースを分散処理でき、より高速な安定化制
御をすることが可能となるため、安定化に必要な電制量
(事故発生前の電制発電機の合計出力)が減少して、安
定度維持後の周波数制御のための負荷しゃ断量が少なく
なる。
【0024】次に、本発明の請求項3に係る電力系統安
定化装置においては、電力系統の事故発生前に、需給状
態に応じた一定周期で電力系統の系統情報データ(接続
状態や電力の需給状態)が、系統モデル作成手段に入力
される。そして、系統モデル作成手段では、これら系統
情報データと、あらかじめ記憶されている系統設備デー
タとを基に、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデル
を作成し、その結果が系統縮約手段に入力される。する
と、系統縮約手段では、あらかじめ設定されている縮約
条件を基に、電力系統の一部を縮約して新たな解析用系
統モデルを作成し、その結果が解析条件設定手段に入力
される。
【0025】一方、電力系統に事故が発生すると、事故
条件検出手段は事故条件(事故の発生地点と事故の種
別)を検出し、その結果が解析条件設定手段に入力され
る。そして、解析条件設定手段では、この事故条件(事
故の発生地点と事故の種別)と、事故発生前に作成し記
憶していた解析用系統モデルとを基に、電制発電機の組
み合わせを変えて複数の解析条件(ケース)を作成し、
その結果が安定度判定手段に入力される。すると、安定
度判定手段では、この各解析条件に従って過渡安定度計
算を実施して、各解析条件に対する安定度を判定し、そ
の結果が電制発電機決定手段に入力される。これによ
り、電制発電機決定手段では、この判定結果を基に電制
発電機を決定し、その結果が制御手段に伝送される。そ
して、制御手段により、電制発電機が電力系統からしゃ
断されて、電力系統の安定化が図られる。
【0026】以上により、解析用系統モデルの次元(母
線数や発電機台数)が低下して、過渡安定度計算時間が
短縮するため、電制発電機の決定時間が短縮化され、よ
り高速な安定化制御をすることが可能となるため、安定
化に必要な電制量(事故発生前の電制発電機の合計出
力)が減少して、安定度維持後の周波数制御のための負
荷しゃ断量が少なくなる。
【0027】次に、本発明の請求項4に係る電力系統安
定化装置においては、電力系統の事故発生前に、需給状
態に応じた一定周期で電力系統の系統情報データ(接続
状態や電力の需給状態)が、系統モデル作成手段に入力
される。そして、系統モデル作成手段では、これら系統
情報データと、あらかじめ記憶されている系統設備デー
タとを基に、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデル
を作成し、その結果が解析条件設定手段に入力される。
【0028】一方、電力系統に事故が発生すると、事故
条件検出手段は事故条件(事故の発生地点と事故の種
別)を検出し、その結果が解析条件設定手段に入力され
る。そして、解析条件設定手段では、この事故条件(事
故の発生地点と事故の種別)と、事故発生前に作成し記
憶していた解析用系統モデルとを基に、電制発電機の組
み合わせを変えて複数の解析条件(ケース)を作成し、
その結果が安定度判定手段に入力されると共に記憶手段
に保存される。すると、安定度判定手段では、この各解
析条件に従って過渡安定度計算を実施して、各解析条件
に対する安定度を判定し、その結果が電制発電機決定手
段に入力されると共に記憶手段に保存される。これによ
り、電制発電機決定手段では、この判定結果を基に電制
発電機を決定し、その結果が制御手段に伝送されると共
に記憶手段に保存される。そして、制御手段により、電
制発電機が電力系統からしゃ断されて、電力系統の安定
化が図られる。
【0029】一方、電力系統安定化装置の応動後、記録
手段に保存されている各解析条件、安定度判定手段で判
定された各解析条件に対する安定度判定結果、および電
制発電機決定手段で決定された電制発電機名を基に、電
力系統安定化装置の応動結果が分析・評価される。
【0030】以上により、各解析条件と、各解析条件に
対する安定度判定結果と、電制発電機名とを保存するこ
とが可能となるため、電力系統安定化装置の応動後に、
その妥当性を分析・評価することができる。
【0031】
【実施例】本発明は、電力系統の事故発生前の現在の潮
流状態を表わす解析用系統モデルを用いて、事故発生後
に、発生した事故に対して、電制発電機をパラメータと
して複数の解析条件を設定し、この各解析条件に従って
過渡安定度計算を実施し、電力系統の安定化のために最
適な電制発電機を決定するものである。
【0032】そこで、まず、本発明の主要機能である解
析用系統モデルの作成方法、事故条件の検出方法、解析
条件の設定方法、過渡安定度計算による安定度判定方
法、電制発電機の決定方法、および電力系統の縮約方法
について説明する。
【0033】(a)解析用系統モデルの作成方法 過渡安定度計算を行なうためには、計算対象となる電力
系統の初期状態を表わす潮流状態と発電機の定数および
制御系データ、そして事故条件および電制発電機の設定
が必要になる。系統モデル作成手段では、このうち、潮
流状態の計算結果と発電機の定数および制御系データを
設定する。
【0034】潮流状態、すなわち発電機の有効および無
効電力出力、負荷の有効および無効電力消費量、発電機
および負荷母線の電圧と位相角を求めるためには、電力
系統の接続状態を表わす送電線、変圧器のしゃ断器情報
と、電力の需給状態を表わす発電機の有効および無効電
力出力、負荷の有効および無効電力消費量、発電機およ
び負荷母線の電圧あるいは送電線や変圧器の有効および
無効電力潮流が必要になる。通常、これらのデータは、
全て計測されるわけではなく、また計測器の計測誤差と
計測時間のばらつきが常に存在する。そして、このよう
な不確実なデータより、尤もらしい潮流状態を作成する
手段として、状態推定計算が広く用いられている。
【0035】図5は、この状態推定計算を用いた解析用
系統モデルの作成フローの一例を示す図である。すなわ
ち、図5に示すように、まず、ステップ(S1)におい
て、定周期で計測された電力系統の接続状態と電力の需
給状態を入力する。
【0036】次に、ステップ(S2)において、あらか
じめ記憶されている系統設備データ(送電線・変圧器の
インピーダンス、発電機の定数および制御系データ等)
を入力する。そして、ステップ(S3)において、ステ
ップ(S1)で入力した電力系統の接続状態と、ステッ
プ(S2)で入力した送電線・変圧器のインピーダンス
を基に、系統構成データを作成する。
【0037】次に、ステップ(S4)において、ステッ
プ(S3)で作成した系統構成データと、ステップ(S
1)で入力した電力の需給状態を用いて、状態推定計算
により現在の潮流状態を算出する。
【0038】そして最後に、ステップ(S5)におい
て、ステップ(S3)で作成した系統構成データと、ス
テップ(S4)で計算した現在の潮流状態と、ステップ
(S2)で入力した系統設備データのうちの、発電機の
定数と制御系に関するデータを結合して解析用系統モデ
ルを作成する。
【0039】図6は、1発電機、1負荷からなる電力系
統の一例を示す構成図である。図6において、GEN、
NOD1、NOD2、LOADは母線の名称、TR1,
TR2は変圧器の名称、LN1,LN2は送電線の名称
である。また、VG ,VL は発電機および負荷母線の端
子電圧のベクトル値、PG ,QG は発電機の有効および
無効電力出力、PL ,QL は負荷の有効および無効電力
消費量である。
【0040】図6の電力系統において、全てのしゃ断器
(CB1〜CB8)が閉である時に図5の流れにより作
成された系統構成データ、潮流状態データは、それぞれ
表1、表2に示すようになる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】また、これらのデータと発電機の定数およ
び制御系データを結合した解析用系統モデルのデータ構
成は、図7に示すようになる。 (b)事故条件の検出方法 ここでは、事故条件、すなわち事故の発生地点と事故の
種別の検出方法について説明する。
【0044】図8は、母線1と母線2を接続する送電線
Lを示している。図8中、V1a,V1b,V1cは母線1の
a,b,c相電圧、Ia ,Ib ,Ic は送電線Lのa,
b,c相電流である。
【0045】図9は、母線1の電圧、送電線Lの電流を
用いた事故発生地点および事故種別の検出の流れを示し
ている。すなわち、図9に示すように、まず、ステップ
(S1)において、母線1の各電圧V1a,V1b,V
1cと、送電線Lの電流Ia ,Ib ,Ic を定周期でサン
プリングし、ステップ(S2)において、それぞれのベ
クトル値V1a,V1b,V1c,Ia ,Ib ,Ic を算出す
る。
【0046】次に、ステップ(S3)において、母線1
から相手端を見た時の各相のインピーダンスZa,Z
b,Zcを、下記の(1)式を用いて計算する。 Z=V/I=ZR+jZI (1) ここで、ZR:母線1から相手端を見た時のインピーダ
ンスの実部 ZI:母線1から相手端を見た時のインピーダンスの虚
部 次に、ステップ(S4)において、各相に事故が発生し
ているか否をチェックする。
【0047】図10は、事故発生の検出方法の一例を示
す概念図である。すなわち、(1)式より計算されたZ
R,ZIが、図10中の領域Fに入った場合に事故が発
生したと判定する。そして、事故の発生した相に対し
て、ステップ(S5)において、母線1から事故発生地
点までの距離Dが計算される。下記の(2)式に、その
計算式を示す。
【0048】 D=(ZI/ZIo )・DS (2) ここで、ZIo :送電線Lのリアクタンス値 DS :送電線Lの全長(KM) そして、ステップ(S6)において、事故種別を判定す
る。
【0049】図11は、事故種別を判定するための論理
回路の一例を示す構成図である。すなわち、例えば図8
に示すように、送電線Lのa相のF点で事故が発生した
場合には、図11に示す論理回路により、1LG主保護
事故と判定される。なお、実際には、しゃ断器の不動作
等によっては、後備保護事故となる可能性もあるため、
保護リレーおよびしゃ断器の動作情報を加味して、事故
種別を判定する必要がある。
【0050】そして最後に、ステップ(S7)におい
て、事故発生地点が決定される。例えば、1LG事故の
場合には、上記(2)式により計算された事故相に対す
る距離Dを、そのまま事故発生地点までの距離とする。
また、2LG,3LGの場合には、事故相に対する距離
Dの平均値を事故発生地点までの距離とする。
【0051】(c)解析条件設定方法 前述したように、過渡安定度計算を行なうためには、計
算対象となる電力系統の初期状態を表わす潮流状態と発
電機の定数および制御系データ、そして事故条件および
電制発電機の設定が必要になる。解析条件設定手段で
は、系統モデル作成手段で作成された解析用系統モデル
(図7)と、事故条件検出手段で検出された事故条件
(事故発生地点までの距離、事故種別)と、この解析条
件設定手段で設定する電制発電機条件とを結合して、複
数の解析条件を設定する。
【0052】まず、電制対象発電機をパラメータとした
電制発電機の組み合わせ方法およびその順序付けについ
て、図12を用いて説明する。図12は、電力系統の一
例を示す構成図であり、制御対象発電所には、3台の発
電機(G1,G2,G3)が運転している。図12にお
いて、送電線Lは、対象発電所と主系統とを連系する電
源線である。
【0053】いま、発電機G1,G2,G3の事故発生
前の出力をそれぞれ200MW、300MW、400M
Wとすると、電制発電機の組み合わせは表3に示すよう
になる。
【0054】
【表3】
【0055】通常の電力系統では、電制容量(電制され
る発電機の事故発生前の合計出力値)が多くなる程、安
定化効果が大きくなる(電制後の安定度が向上する)の
で、電制容量の小さい順に電制発電機の組み合わせを並
べ、この順序で安定度計算を実施して、安定となった最
初の組み合わせを選べば、最適な(電制容量の最も少な
い)電制発電機の組み合わせとなる。従って、解析条件
(ケース)は、電制容量の小さい順に順序付けする必要
がある。
【0056】図13は、このような考え方に基づく解析
条件の設定手順の一例を示すフロー図である。すなわ
ち、図13に示すように、まず、ステップ(S1)にお
いて、系統モデル作成手段で作成された解析用系統モデ
ルと、事故条件検出手段で検出した事故条件を入力す
る。
【0057】次に、ステップ(S2)において、電制対
象発電機に課されている運用制約条件(例えば、電制対
象からの除外等)を入力する。そして、ステップ(S
3)において、解析用系統モデルより各電制対象発電機
の現状出力を入力する。
【0058】次に、ステップ(S4)において、表3に
示すような電制発電機の組み合わせを設定する。そして
最後に、ステップ(S5)において、各電制発電機の組
み合わせ毎に、解析用系統モデルと事故条件および電制
発電機を組み合わせて解析条件を設定する。
【0059】図14は、表3のケース7に対する解析条
件のデータ構成の一例を示す概念図である。 (d)過渡安定度計算による安定度判定方法 系統解析手段で作成された各解析条件は、安定度判定手
段で過渡安定度計算をベースに安定度が判定される。こ
の過渡安定度計算とは、発電機の非線形微分方程式と非
線形代数方程式、および電力系統を表わす線形代数方程
式を交互あるいは同時に解き、系統事故や大きな外乱が
発生した時に起こる各発電機の動揺をシミュレーション
する計算のことである。
【0060】例えば、発電機および系統の動きを表わす
システム方程式は、次のようになる。 (i)発電機方程式(発電機の動揺を表わす) 非線形微分方程式 X=H(X,U) …(1) 非線形代数方程式 U=N(X,V,I) …(2) (ii)系統方程式(送電系統を表わす) 線形代数方程式 Y−V−I(X,V)=0 …(3) ただし、X:発電機の状態変数(角速度ω、位相角δ
等) U:発電機の有効電力出力、発電機電流などのインター
フェイス変数 V:系統の母線電圧 I:系統の母線流入電流 Y:母線アドミッタンス行列 電力系統が大規模になってきている今日では、過渡安定
度計算を行なうことは、計算機にとって大きな負荷とな
っているが、計算機の処理能力の向上や記憶容量の増
大、さらに過渡安定度計算高速化等によって、過渡安定
度計算を実現象以上の速度で実行することが可能になり
つつある。
【0061】図15は、図12の送電線Lで3相地絡事
故が発生した場合の発電機G1と発電機Aの位相角動揺
を、過渡安定度計算により求めた結果の一例を示す図で
ある。同図15(a)が安定な場合で、図15(b)が
発電機G1が脱調する不安定な場合である。
【0062】次に、図15に示すような過渡安定度計算
結果を用いた安定度判定方法について説明する。脱調現
象は、電力系統の事故等により発電機の回転数にアンバ
ランスが生じ、発電機間の相対位相角差が拡大して発生
する。そして、一般的に、その値が電気角で180度を
越えた場合に、不安定と判定することができる。
【0063】従って、過渡安定度計算で求めた発電機の
位相角を基に、発電機間の位相角差の絶対値を計算し
て、その値が電気角で180度を越えたか否かによっ
て、安定度を判定することができる。
【0064】例えば、図16は、図15の結果より、発
電機G1と発電機Aとの間の相対位相角差の絶対値を計
算した結果であり、同図16(a)が安定な場合で、図
16(b)は不安定であると判定することができる。
【0065】従って、対象となる電力系統の事故(例え
ば、送電線Lの地絡および短絡事故)によって、不安定
とならない発電機(AあるいはBあるいはC)を基準発
電機Sとし、不安定化が予想される発電機群(G1,G
2,G3)をUとすると、その発電機群Uの中の発電機
のうちの一台でも下記の(4)式を満足した場合には、
不安定と判定することができる。
【0066】 |δU i−δS |>180° (i=1,…n) (4) ここで、n :対象事故により不安定化が予想される発
電機の台数 δU :対象事故により不安定化が予想される発電機の内
部位相角 δS :基準発電機Sの内部位相角 図17は、過渡安定度計算結果を用いた安定度判定の処
理フローの一例を示す図である。
【0067】すなわち、図17に示すように、まず、ス
テップ(S1)において、過渡安定度計算結果より、電
力系統安定化装置の制御対象発電機と、先に説明した基
準発電機Sの位相角動揺の計算結果を入力する。そし
て、ステップ(S2)において、上記(4)式を用いて
安定度を判定する。すなわち、解析条件の中で、既に電
制対象となっている発電機を除いた制御対象発電機の中
の一台でも上記(4)式を満足した場合には、不安定と
判定する。
【0068】(e)電制発電機の決定方法 安定度判定手段で判定された、電制条件が異なる各解析
条件に対する安定度判定結果を用いた電制発電機の決定
方法について説明する。表4は、上記表3の電制発電機
の各組み合わせ(解析条件)に対する安定度の判定結果
を示している。
【0069】
【表4】
【0070】前述したように、最適な電制発電機の組み
合わせは、安定な電制条件の中で最も少ない電制容量と
なる組み合わせであり、表4の場合にはケース5、すな
わちG1とG2の組み合わせが最適である。従って、電
制発電機の決定手段では、G1とG2を電制発電機とし
て決定する。
【0071】(f)電力系統の縮約方法 ここでは、過渡安定度計算時間を短縮するための主系統
発電機の縮約方法について説明する。
【0072】電力系統の縮約とは、数多くの送電線、負
荷、発電機から成る複雑な電力系統を、単純な電力系
統、例えば一発電機、一負荷に簡略化することであり、
短絡容量法、短絡電流法、二負荷法等の多くの手法が提
案されている。ここでは、短絡容量法を例に、図12の
電力系統を用いて縮約の具体的手順について示す。
【0073】図18は、縮約処理の流れの一例を示す図
である。すなわち、図18に示すように、まず、ステッ
プ(S1)において、縮約範囲を指定する。図12の例
で、主系統側を縮約する場合には、縮約範囲を指定する
データとして、母線Rと送電線Mを与える。
【0074】次に、ステップ(S2)において、縮約系
統、すなわち主系統に並列する発電機A,B,Cの総出
力PGと総容量GMVAとを計算し、ステップ(S3)
において、同じく主系統内負荷の総有効電力消費量PL
と総無効電力消費量QLとを計算する。そして、ステッ
プ(S4)において、縮約発電機の諸定数(同期リアク
タンスXd,Xq、過渡リアクタンスXd′,Xq′
等)を、下記の(5)式より計算する。
【0075】さらに、ステップ(S5)において、縮約
点Rから主系統側を見た時の駆動点リアクタンスXD
計算する。そして最後に、ステップ(S6)において、
下記の(6)式より、外部リアクタンスXS を計算す
る。
【0076】
【数1】
【0077】以上のステップ(S1)〜ステップ(S
6)の処理によって、縮約系統をモデル化するための諸
データが得られる。そして、以上説明した短絡容量法を
用いて、図12の母線Rから主系統側を縮約すると、図
12に示す電力系統は、図19に示すようになる。
【0078】以下、上記のような解析用系統モデルの作
成方法、事故条件の検出方法、解析条件の設定方法、過
渡安定度計算による安定度判定方法、電制発電機の決定
方法、および電力系統の縮約方法に基づいた本発明の実
施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0079】(第1の実施例)図1は、本発明の請求項
1に係る電力系統安定化装置の構成例を示すブロック図
である。
【0080】図1において、電力系統は、前述した図1
2と同じ電力系統であり、制御対象発電所には、3台の
発電機(G1,G2,G3)が運転している。また、送
電線Lは、対象発電所と主系統とを連系する電源線であ
る。
【0081】一方、電力系統安定化装置は、系統モデル
作成手段1と、事故条件検出手段2と、解析条件設定手
段3と、安定度判定手段4と、電制発電機決定手段5
と、制御手段6とから構成している。
【0082】ここで、系統モデル作成手段1は、電力系
統の接続状態および電力の需給状態を系統情報として定
周期で収集し、かつこの収集された系統情報とあらかじ
め記憶されている系統設備データとに基づいて、現在の
潮流状態を表わす解析用系統モデルを作成するものであ
る。
【0083】すなわち、本例では、系統モデル作成手段
1は、電力系統内の各変電所や発電所から伝送される電
力系統の接続状態(例えば、しゃ断器や断路器等の開閉
状態)、および電力の需給状態(発電機出力や負荷の有
効および無効電力)を系統情報として収集する系統状態
収集部1aと、系統状態収集部1aにより収集された系
統情報を記憶する情報記憶部1bと、送電線のインピー
ダンスや発電機の諸定数を系統設備データとしてあらか
じめ記憶している系統設備記憶部1cと、情報記憶部1
b中の系統情報と系統設備記憶部1c中の送電線のイン
ピーダンスや発電機の諸定数を用いて、前記図5に示し
た方法により解析用系統モデルを作成する系統モデル作
成部1dとから成っている。
【0084】また、事故条件検出手段2は、送電線Lの
制御対象発電所端の電圧や電流を検出して、電力系統に
事故が発生したことを起動条件とし、前記図9に示した
方法により事故の発生地点と事故の種別を判定して事故
条件として検出(推定)するものである。
【0085】さらに、解析条件設定手段3は、事故条件
検出手段2により検出された事故条件と、あらかじめ記
憶されている電制対象発電機G1,G2,G3の運用制
約条件と、系統モデル作成手段1により作成された解析
用系統モデルとに基づいて、電制発電機の組み合わせを
変えて複数の解析条件(ケース)を設定するものであ
る。
【0086】すなわち、本例では、解析条件設定手段3
は、解析モデル作成手段1により作成された解析用系統
モデルを記憶する系統モデル記憶部3aと、電制対象発
電機の各種運用制約条件をあらかじめ記憶している運用
条件記憶部3bと、系統モデル記憶部3aと運用条件記
憶部3bに記憶されている解析用系統モデルと電制対象
発電機の運用制約条件、および事故条件検出手段2によ
り検出された事故条件を用いて、前記図13に示した方
法により電制発電機の組み合わせを変えて複数の解析条
件を設定する解析条件設定部3cとから成っている。
【0087】一方、安定度判定手段4は、解析条件設定
手段3により設定された各解析条件に従って過渡安定度
計算を行ない、各解析条件に対する安定度を判定するも
のである。
【0088】すなわち、本例では、安定度判定手段4
は、解析条件設定手段3により設定された複数の解析条
件(ケース)を記憶する解析条件記憶部4aと、解析条
件記憶部4aに記憶されている各解析条件に対して過渡
安定度計算を実行する過渡安定度計算部4bと、過渡安
定度計算手段4bによる計算結果を用いて、前記図17
に示した方法により各解析条件(ケース)に対する安定
度を判定する安定度判定部4cとから成っている。
【0089】また、電制発電機決定手段5は、安定度判
定手段4により判定された各解析条件(ケース)に対す
る安定度判定結果に基づいて、電制発電機を決定するも
のである。
【0090】さらに、制御手段6は、電制発電機決定手
段5により決定された電制発電機を電力系統から解列す
るための制御指令が図示しない伝送系を介して伝送さ
れ、この制御指令に基づいて、発電機G1,G2,G3
のしゃ断器CB1,CB2,CB3のうちの該当しゃ断
器をしゃ断するものである。
【0091】次に、以上のように構成した本実施例の電
力系統安定化装置の動作について説明する。図1におい
て、電力系統に、事故が発生する前の定常状態におい
て、電力系統から一定周期で伝送されてくる電力系統の
接続状態および電力の需給状態は、系統モデル作成手段
1に入力される。
【0092】すると、系統モデル作成手段1では、ま
ず、系統状態収集部1aで、電力系統から入力された電
力系統の接続状態や電力の需給状態に関するデータを数
値処理可能な工学データに変換し、系統情報データとし
て情報記憶部1bに記憶される。
【0093】次に、系統モデル作成部1dでは、情報記
憶部1bに記憶されている現状の系統情報データと、系
統設備記憶部1cにあらかじめ記憶されている送電線の
インピーダンス、発電機の定数等の系統設備データを基
に、前記図5に示した方法により解析用系統モデルを作
成し、その結果が解析条件設定手段3に入力される。な
お、解析条件設定手段3では、この結果を系統モデル記
憶部3aに記憶しておく。
【0094】一方、送電線Lに3相地絡故障等の系統事
故が発生すると、事故条件検出手段2は、送電線Lの端
子電圧と電流を検出し、前記図9に示した方法により発
生した事故の種別と事故発生地点を検出(推定)し、そ
の結果が解析条件設定手段3に入力される。
【0095】すると、解析条件設定手段3では、系統モ
デル記憶部3aに記憶されている解析用系統モデルと、
事故条件検出手段2で検出された事故条件と、運用条件
記憶部3bにあらかじめ記憶されている電制対象発電機
G1,G2,G3の運用制約条件を基に、解析条件設定
部3cにて、前記図13に示した方法により電制発電機
の組み合わせを変えて複数の解析条件を設定し、その結
果が安定度判定手段4に入力される。
【0096】一方、安定度判定手段4では、まず、解析
条件設定手段3で設定された各解析条件が、解析条件記
憶部4aに記憶される。次に、過渡安定度計算部4bで
は、解析条件記憶部4aに記憶されている複数の解析条
件(ケース)を1ケースずつ入力し、それぞれのケース
に対する過渡安定度計算を実施して、その結果が安定度
判定部4cに入力される。
【0097】すると、安定度判定部4cでは、この結果
を用いて、前記図17に示した方法により各解析条件
(ケース)に対する安定度を判定し、その結果が電制発
電機決定手段5に入力される。
【0098】一方、電制発電機決定手段5では、安定度
判定手段4で判定された各解析条件(ケース)に対する
安定度判定結果、例えば前記表4を基に電制発電機を決
定(表4の場合には、G1,G2を選択)し、対象発電
機を電力系統から解列するための制御指令が、図示しな
い伝送系を介して制御手段6に出力される。
【0099】一方、制御手段6では、この制御指令を基
に、発電機G1,G2,G3のしゃ断器CB1,CB
2,CB3のうちの該当しゃ断器をしゃ断し、電力系統
の安定化が図られる。
【0100】上述したように、本実施例の電力系統安定
化装置においては、実際に発生した電力系統の事故の種
別、事故発生地点を検出し、事故発生直前の定常時の潮
流状態を表わす解析用系統モデルに基づいて、高精度な
過渡安定度計算により最適な電制発電機を求めるように
したので、全ての系統構成、潮流状態、および事故発生
地点・事故種別に対して最適な電制発電機を選定するこ
とができ、しかも事前のオフラインシミュレーションを
実施する必要のない、高精度でかつ保守性の優れた電力
系統安定化装置を得ることが可能となる。
【0101】(第2の実施例)図2は、本発明の請求項
2に係る電力系統安定化装置の構成例を示すブロック図
であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明
を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0102】すなわち、本実施例の電力系統安定化装置
は、図2に示すように、前記安定度判定手段4と同一の
要素からなる複数(本例では3つ)の安定度判定手段4
1,42,43を備え、さらに解析条件分配手段7を付
加した構成としている。
【0103】ここで、解析条件分配手段7は、前記解析
条件設定手段3により設定された各解析条件を、計算負
荷が平等になるように分配するものである。また、安定
度判定手段41,42,43は、解析条件設定手段3に
より設定された解析条件(ケース)のうち、解析条件分
配手段7により分配された解析条件に従って過渡安定度
計算を行ない、各解析条件に対する安定度をそれぞれ判
定するものである。
【0104】すなわち、本例では、安定度判定手段4
1,42,43は、解析条件設定手段3により設定され
た複数の解析条件(ケース)のうち、解析条件分配手段
7により分配された解析条件を記憶する解析条件記憶部
4aと、解析条件記憶部4aに記憶されている各解析条
件に対して過渡安定度計算を実行する過渡安定度計算手
段4bと、過渡安定度計算手段4bによる計算結果を用
いて、前記図17に示した方法により各解析条件(ケー
ス)に対する安定度を判定する安定度判定部4cとから
成っている。
【0105】次に、以上のように構成した本実施例の電
力系統安定化装置の動作について説明する。図2におい
て、電力系統に、事故が発生する前の定常状態におい
て、電力系統から一定周期で伝送されてくる電力系統の
接続状態および電力の需給状態は、系統モデル作成手段
1に入力される。
【0106】すると、系統モデル作成手段1では、ま
ず、系統状態収集部1aで、電力系統から入力された電
力系統の接続状態や電力の需給状態に関するデータを数
値処理可能な工学データに変換し、系統情報データとし
て情報記憶部1bに記憶される。
【0107】次に、系統モデル作成部1dでは、情報記
憶部1bに記憶されている現状の系統情報データと、系
統設備記憶部1cにあらかじめ記憶されている送電線の
インピーダンス、発電機の定数等の系統設備データを基
に、前記図5に示した方法により解析用系統モデルを作
成し、その結果が解析条件設定手段3に入力される。な
お、解析条件設定手段3では、この結果を系統モデル記
憶部3aに記憶しておく。
【0108】一方、送電線Lに3相地絡故障等の系統事
故が発生すると、事故条件検出手段2は、送電線Lの端
子電圧と電流を検出し、前記図9に示した方法により発
生した事故の種別と事故発生地点を検出(推定)し、そ
の結果が解析条件設定手段3に入力される。
【0109】すると、解析条件設定手段3では、系統モ
デル記憶部3aに記憶されている解析用系統モデルと、
事故条件検出手段2で検出された事故条件と、運用条件
記憶部3bにあらかじめ記憶されている電制対象発電機
G1,G2,G3の運用制約条件を基に、解析条件設定
部3cにて、前記図13に示した方法により電制発電機
の組み合わせを変えて複数の解析条件を設定し、その結
果が解析条件分配手段7に入力される。
【0110】一方、解析条件分配手段7では、この解析
条件(ケース)数に応じて、計算負荷が同程度となるよ
うに複数の解析ケースが、安定度判定部41,42,4
3に分配される。
【0111】例えば、前記表3に示したように7ケース
の解析条件がある場合には、ケース1,2が安定度判定
手段41に、ケース3,4が安定度判定手段42に、ケ
ース5〜7が安定度判定手段43にそれぞれ分配され
る。
【0112】一方、安定度判定手段41,42,43で
は、まず、解析条件分配手段7で分配された解析条件
(ケース)が、解析条件記憶部4aに記憶される。次
に、過渡安定度計算部4bでは、解析条件記憶部4aに
記憶されている複数の解析条件(ケース)を1ケースず
つ入力し、それぞれのケースに対する過渡安定度計算を
実施して、その結果が安定度判定部4cに入力される。
【0113】すると、安定度判定部4cでは、この結果
を用いて、前記図17に示した方法により各解析条件
(ケース)に対する安定度を判定し、その結果が電制発
電機決定手段5に入力される。
【0114】一方、電制発電機決定手段5では、安定度
判定手段41,42,43で判定された各解析条件(ケ
ース)に対する安定度判定結果、例えば前記表4を基に
電制発電機を決定(表4の場合には、G1,G2を選
択)し、対象発電機を電力系統から解列するための制御
指令が、図示しない伝送系を介して制御手段6に出力さ
れる。
【0115】一方、制御手段6では、この制御指令を基
に、発電機G1,G2,G3のしゃ断器CB1,CB
2,CB3のうちの該当しゃ断器をしゃ断し、電力系統
の安定化が図られる。
【0116】上述したように、本実施例の電力系統安定
化装置においては、3つの安定度判定手段41,42,
43を備えるようにしたので、最適な電制発電機を決定
するための解析ケースを分散処理することができ、より
高速な安定化制御をすることが可能となる。
【0117】その結果、安定化に必要な電制量(事故発
生前の電制発電機の合計出力)が減少して、安定度維持
後の周波数制御のための負荷しゃ断量が少なくなる。 (第3の実施例)図3は、本発明の請求項3に係る電力
系統安定化装置の構成例を示すブロック図であり、図1
と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、こ
こでは異なる部分についてのみ述べる。
【0118】すなわち、本実施例の電力系統安定化装置
は、図3に示すように、前記系統モデル作成手段1中
に、系統縮約部1eを備えた構成としている。ここで、
系統縮約部1eは、前記系統モデル作成部1dにより作
成された解析用系統モデルを入力とし、あらかじめ設定
されている縮約条件に基づいて前記図18に示した方法
により電力系統の一部を縮約(主系統側を一発電機、一
負荷に縮約)処理して、新たな解析用系統モデルを作成
する、すなわち解析用系統モデル中の主系統側のデータ
を修正するものである。
【0119】次に、以上のように構成した本実施例の電
力系統安定化装置の動作について説明する。図1におい
て、電力系統に、事故が発生する前の定常状態におい
て、電力系統から一定周期で伝送されてくる電力系統の
接続状態および電力の需給状態は、系統モデル作成手段
1に入力される。
【0120】すると、系統モデル作成手段1では、ま
ず、系統状態収集部1aで、電力系統から入力された電
力系統の接続状態や電力の需給状態に関するデータを数
値処理可能な工学データに変換し、系統情報データとし
て情報記憶部1bに記憶される。
【0121】次に、系統モデル作成部1dでは、情報記
憶部1bに記憶されている現状の系統情報データと、系
統設備記憶部1cにあらかじめ記憶されている送電線の
インピーダンス、発電機の定数等の系統設備データを基
に、前記図5に示した方法により解析用系統モデルを作
成し、その結果が系統縮約部1eに入力される。
【0122】すると、系統縮約部1eでは、この解析用
系統モデルを基に、前記図18に示した方法により母線
Rより主系統側を一発電機、一負荷に縮約し、解析用系
統モデル中の主系統側のデータを修正し、その結果が解
析条件設定手段3に入力される。なお、解析条件設定手
段3では、この結果を系統モデル記憶部3aに記憶して
おく。
【0123】一方、送電線Lに3相地絡故障等の系統事
故が発生すると、事故条件検出手段2は、送電線Lの端
子電圧と電流を検出し、前記図9に示した方法により発
生した事故の種別と事故発生地点を検出(推定)し、そ
の結果が解析条件設定手段3に入力される。
【0124】すると、解析条件設定手段3では、系統モ
デル記憶部3aに記憶されている解析用系統モデルと、
事故条件検出手段2で検出された事故条件と、運用条件
記憶部3bにあらかじめ記憶されている電制対象発電機
G1,G2,G3の運用制約条件を基に、解析条件設定
部3cにて、前記図13に示した方法により電制発電機
の組み合わせを変えて複数の解析条件を設定し、その結
果が安定度判定手段4に入力される。
【0125】一方、安定度判定手段4では、まず、解析
条件設定手段3で設定された各解析条件が、解析条件記
憶部4aに記憶される。次に、過渡安定度計算部4bで
は、解析条件記憶部4aに記憶されている複数の解析条
件(ケース)を1ケースずつ入力し、それぞれのケース
に対する過渡安定度計算を実施して、その結果が安定度
判定部4cに入力される。
【0126】すると、安定度判定部4cでは、この結果
を用いて、前記図17に示した方法により各解析条件
(ケース)に対する安定度を判定し、その結果が電制発
電機決定手段5に入力される。
【0127】一方、電制発電機決定手段5では、安定度
判定手段4で判定された各解析条件(ケース)に対する
安定度判定結果、例えば前記表4を基に電制発電機を決
定(表4の場合には、G1,G2を選択)し、対象発電
機を電力系統から解列するための制御指令が、図示しな
い伝送系を介して制御手段6に出力される。
【0128】一方、制御手段6では、この制御指令を基
に、発電機G1,G2,G3のしゃ断器CB1,CB
2,CB3のうちの該当しゃ断器をしゃ断し、電力系統
の安定化が図られる。
【0129】上述したように、本実施例の電力系統安定
化装置においては、系統モデル作成手段1に、電力系統
の一部を縮約処理する系統縮約部1eを付加するように
したので、解析用系統モデルの次元(母線数や発電機台
数)が低下して、過渡安定度計算時間が短縮するため、
電制発電機の決定時間が短縮化され、より高速な安定化
制御をすることが可能となる。
【0130】その結果、安定化に必要な電制量(事故発
生前の電制発電機の合計出力)が減少して、安定度維持
後の周波数制御のための負荷しゃ断量が少なくなる。 (第4の実施例)図4は、本発明の請求項4に係る電力
系統安定化装置の構成例を示すブロック図であり、図1
と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、こ
こでは異なる部分についてのみ述べる。
【0131】すなわち、本実施例の電力系統安定化装置
は、図4に示すように、記録手段8を備えた構成として
いる。ここで、記録手段8は、前記解析条件設定手段3
により作成された各解析条件(ケース)と、安定度判定
手段4により判定された各解析条件に対する安定度判定
結果と、電制発電機決定手段5により決定された電制発
電機名とを保存するものである。
【0132】次に、以上のように構成した本実施例の電
力系統安定化装置の動作について説明する。図4におい
て、電力系統に、事故が発生する前の定常状態におい
て、電力系統から一定周期で伝送されてくる電力系統の
接続状態および電力の需給状態は、系統モデル作成手段
1に入力される。
【0133】すると、系統モデル作成手段1では、ま
ず、系統状態収集部1aで、電力系統から入力された電
力系統の接続状態や電力の需給状態に関するデータを数
値処理可能な工学データに変換し、系統情報データとし
て情報記憶部1bに記憶される。
【0134】次に、系統モデル作成部1dでは、情報記
憶部1bに記憶されている現状の系統情報データと、系
統設備記憶部1cにあらかじめ記憶されている送電線の
インピーダンス、発電機の定数等の系統設備データを基
に、前記図5に示した方法により解析用系統モデルを作
成し、その結果が解析条件設定手段3に入力される。な
お、解析条件設定手段3では、この結果を系統モデル記
憶部3aに記憶しておく。
【0135】一方、送電線Lに3相地絡故障等の系統事
故が発生すると、事故条件検出手段2は、送電線Lの端
子電圧と電流を検出し、前記図9に示した方法により発
生した事故の種別と事故発生地点を検出(推定)し、そ
の結果が解析条件設定手段3に入力される。
【0136】すると、解析条件設定手段3では、系統モ
デル記憶部3aに記憶されている解析用系統モデルと、
事故条件検出手段2で検出された事故条件と、運用条件
記憶部3bにあらかじめ記憶されている電制対象発電機
G1,G2,G3の運用制約条件を基に、解析条件設定
部3cにて、前記図13に示した方法により電制発電機
の組み合わせを変えて複数の解析条件を設定し、その結
果が安定度判定手段4および記録手段8に入力される。
【0137】一方、安定度判定手段4では、まず、解析
条件設定手段3で設定された各解析条件が、解析条件記
憶部4aに記憶される。次に、過渡安定度計算部4bで
は、解析条件記憶部4aに記憶されている複数の解析条
件(ケース)を1ケースずつ入力し、それぞれのケース
に対する過渡安定度計算を実施して、その結果が安定度
判定部4cに入力される。
【0138】すると、安定度判定部4cでは、この結果
を用いて、前記図17に示した方法により各解析条件
(ケース)に対する安定度を判定し、その結果が電制発
電機決定手段5および記録手段8に入力される。
【0139】一方、電制発電機決定手段5では、安定度
判定手段4で判定された各解析条件(ケース)に対する
安定度判定結果、例えば前記表4を基に電制発電機を決
定(表4の場合には、G1,G2を選択)し、対象発電
機を電力系統から解列するための制御指令が、図示しな
い伝送系を介して制御手段6に出力されると共に、記録
手段8に入力される。
【0140】一方、制御手段6では、この制御指令を基
に、発電機G1,G2,G3のしゃ断器CB1,CB
2,CB3のうちの該当しゃ断器をしゃ断し、電力系統
の安定化が図られる。
【0141】一方、電力系統安定化装置の応動結果の妥
当性は、記録手段8に保存されている解析条件設定手段
3で作成した解析条件(ケース)と、安定度判定手段4
で実施した各解析条件に対する安定度判定結果と、電制
発電機決定手段5で決定した電制発電機名とを用いて、
分析・評価される。
【0142】上述したように、本実施例の電力系統安定
化装置においては、解析条件設定手段3により作成した
解析条件(ケース)と、安定度判定手段4により実施し
た各解析条件に対する安定度判定結果と、電制発電機決
定手段5により決定した電制発電機名を保存する記録手
段8を付加するようにしたので、電力系統安定化装置の
応動後、その妥当性を分析・評価することが可能とな
る。
【0143】尚、本発明は上記各実施例に限定されるも
のではなく、次のようにしても同様に実施できるもので
ある。 (a)上記各実施例では、事故対象送電線が送電線Lの
みである場合について説明したが、これに限らず、複数
の送電線を対象とする場合についても、本発明を同様に
実施することが可能である。なお、この場合には、事故
対象の送電線数だけの事故条件検出手段を備えればよ
い。
【0144】(b)上記請求項2に係る実施例では、安
定度判定手段を3つ備える場合について説明したが、こ
れに限らず、2つ、あるいは4つ以上の安定度判定手段
を備える場合についても、本発明を同様に実施すること
が可能であることは言うまでもない。
【0145】(c)上記請求項3に係る実施例では、電
力系統の縮約法として、短絡容量法を用いる場合につい
て説明したが、これに限らず、電力系統の縮約法とし
て、その他の方法、例えば2負荷法、あるいは短絡電流
法等を用いるようにしても、本発明を同様に実施するこ
とが可能である。
【0146】(d)上記請求項3に係る実施例では、系
統縮約部を、系統モデル作成手段に備える場合について
説明したが、これに限らず、系統縮約部を独立して備え
るようにしても、本発明を同様に実施することが可能で
ある。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る電力系統安定化装置によれば、実際に発生した電
力系統事故の事故種別、事故発生地点を検出し、事故発
生直前の定常時の潮流状態を表わす解析用系統モデルに
基づいて、高精度な過渡安定度計算により最適な電制発
電機を求めるようにしたので、全ての系統構成、潮流状
態、および事故発生地点・事故種別に対して最適な電制
発電機を選定することができ、しかも事前にオフライン
シミュレーションを実行する必要のない、高精度で保守
性の優れた電力系統安定化装置を得ることができる。
【0148】また、本発明の請求項2に係る電力系統安
定化装置によれば、請求項1に係る電力系統安定化装置
における安定度判定手段を複数とするようにしたので、
最適な電制発電機を決定するための解析ケースを分散処
理することができ、より高速な安定化制御が可能にな
る。その結果、安定化に必要な電制量(事故発生前の電
制発電機の合計出力)が減少して、安定度維持後の周波
数制御のための負荷しゃ断量が少なくなる。
【0149】さらに、本発明の請求項3に係る電力系統
安定化装置によれば、請求項1に係る電力系統安定化装
置における系統モデル作成手段に電力系統の一部を縮約
処理する機能を付加するようにしたので、解析用系統モ
デルの次元(母線数や発電機台数)が低下して、過渡安
定度計算時間が短縮するため、電制発電機の決定時間が
短縮化され、より高速な安定化制御が可能になる。その
結果、安定化に必要な電制量(事故発生前の電制発電機
の合計出力)が減少して、安定度維持後の周波数制御の
ための負荷しゃ断量が少なくなる。
【0150】さらにまた、本発明の請求項4に係る電力
系統安定化装置によれば、請求項1に係る電力系統安定
化装置に、解析条件設定手段により作成した各解析条件
(ケース)と安定度判定手段により実施した安定度判定
結果、および電制発電機決定手段により決定した電制発
電機名を保存する記録手段を付加するようにしたので、
電力系統安定化装置の応動後、その妥当性を分析・評価
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係る電力系統安定化装置の
一実施例を示すブロック図。
【図2】本発明の請求項2に係る電力系統安定化装置の
一実施例を示すブロック図。
【図3】本発明の請求項3に係る電力系統安定化装置の
一実施例を示すブロック図。
【図4】本発明の請求項4に係る電力系統安定化装置の
一実施例を示すブロック図。
【図5】系統モデル作成手段における系統モデル作成部
の作用を説明するためのフロー図。
【図6】一発電機、一負荷からなる電力系統の一例を示
す構成図。
【図7】解析用系統モデルのデータ構成の一例を示す概
念図。
【図8】事故条件の検出方法を説明するための送電線構
成の一例を示す概念図。
【図9】事故条件検出手段の作用を説明するためのフロ
ー図。
【図10】事故発生の検出方法を説明するためのインピ
ーダンス平面図。
【図11】事故種別を判定するための論理回路の一例を
示す図。
【図12】解析条件の設定方法と電力系統の縮約方法を
説明するための電力系統の一例を示す構成図。
【図13】解析条件設定手段における解析条件設定部の
作用を説明するためのフロー図。
【図14】解析条件のデータ構成の一例を示す概念図。
【図15】過渡安定度計算により求められた発電機の位
相角の動きの一例を示す図。
【図16】図15における発電機位相角の動きより求め
た発電機間の相対位相角の動きの一例を示す図。
【図17】安定度判定手段における安定度判定部の作用
を説明するためのフロー図。
【図18】図3における系統モデル作成手段の系統縮約
部の作用を説明するためのフロー図。
【図19】図12における電力系統を縮約処理した後の
電力系統の一例を示す構成図。
【図20】従来の電力系統安定化装置の構成例を示すブ
ロック図。
【図21】図20における電力系統安定化装置の制御量
算出方法を説明するための図。
【符号の説明】
1…系統モデル作成手段、 1a…系統状態収集部、 1b…情報記憶部、 1c…系統設備記憶部、 1d…系統モデル作成部、 1e…系統縮約部、 2…事故条件検出手段、 3…解析条件設定手段、 3a…解析モデル記憶部、 3b…運用条件記憶部、 3c…解析条件設定部、 4…安定度判定手段、 41〜43…安定度判定手段、 4a…解析条件記憶部、 4b…過渡安定度計算部、 4c…安定度判定部、 5…電制発電機決定手段、 6…制御手段、 7…解析条件分配手段、 8…記録手段。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の接続状態および電力の需給状
    態を系統情報として定周期で収集し、かつ当該収集され
    た系統情報とあらかじめ記憶されている系統設備データ
    とに基づいて、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデ
    ルを作成する系統モデル作成手段と、 前記電力系統に事故が発生したことを起動条件とし、当
    該事故の発生地点と事故の種別を判定して事故条件とし
    て検出する事故条件検出手段と、 前記事故条件検出手段により検出された事故条件と、あ
    らかじめ記憶されている電制対象発電機の運用制約条件
    と、前記系統モデル作成手段により作成された解析用系
    統モデルとに基づいて、電制発電機の組み合わせを変え
    て複数の解析条件(ケース)を設定する解析条件設定手
    段と、 前記解析条件設定手段により設定された各解析条件に従
    って過渡安定度計算を行ない、各解析条件に対する安定
    度を判定する安定度判定手段と、 前記安定度判定手段により判定された各解析条件に対す
    る安定度判定結果に基づいて、電制発電機を決定する電
    制発電機決定手段と、 前記電制発電機決定手段により決定された電制発電機を
    前記電力系統から解列して電力系統の安定化を図る制御
    手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力系統安定化装置。
  2. 【請求項2】 電力系統の接続状態および電力の需給状
    態を系統情報として定周期で収集し、かつ当該収集され
    た系統情報とあらかじめ記憶されている系統設備データ
    とに基づいて、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデ
    ルを作成する系統モデル作成手段と、 前記電力系統に事故が発生したことを起動条件とし、当
    該事故の発生地点と事故の種別を判定して事故条件とし
    て検出する事故条件検出手段と、 前記事故条件検出手段により検出された事故条件と、あ
    らかじめ記憶されている電制対象発電機の運用制約条件
    と、前記系統モデル作成手段により作成された解析用系
    統モデルとに基づいて、電制発電機の組み合わせを変え
    て複数の解析条件(ケース)を設定する解析条件設定手
    段と、 前記解析条件設定手段により設定された各解析条件を、
    計算負荷がほぼ平等になるように分配する解析条件分配
    手段と、 前記解析条件分配手段により分配された解析条件に従っ
    て過渡安定度計算を行ない、各解析条件に対する安定度
    をそれぞれ判定する複数の安定度判定手段と、 前記各安定度判定手段により判定された各解析条件に対
    する安定度判定結果に基づいて、電制発電機を決定する
    電制発電機決定手段と、 前記電制発電機決定手段により決定された電制発電機を
    前記電力系統から解列して電力系統の安定化を図る制御
    手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力系統安定化装置。
  3. 【請求項3】 電力系統の接続状態および電力の需給状
    態を系統情報として定周期で収集し、かつ当該収集され
    た系統情報とあらかじめ記憶されている系統設備データ
    とに基づいて、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデ
    ルを作成する系統モデル作成手段と、 前記系統モデル作成手段により作成された解析用系統モ
    デルを入力とし、あらかじめ設定されている縮約条件に
    基づいて電力系統の一部を縮約処理して、新たな解析用
    系統モデルを作成する系統縮約手段と、 前記電力系統に事故が発生したことを起動条件とし、当
    該事故の発生地点と事故の種別を判定して事故条件とし
    て検出する事故条件検出手段と、 前記事故条件検出手段により検出された事故条件と、あ
    らかじめ記憶されている電制対象発電機の運用制約条件
    と、前記系統縮約手段により作成された新たな解析用系
    統モデルとに基づいて、電制発電機の組み合わせを変え
    て複数の解析条件(ケース)を設定する解析条件設定手
    段と、 前記解析条件設定手段により設定された各解析条件に従
    って過渡安定度計算を行ない、各解析条件に対する安定
    度を判定する安定度判定手段と、 前記安定度判定手段により判定された各解析条件に対す
    る安定度判定結果に基づいて、電制発電機を決定する電
    制発電機決定手段と、 前記電制発電機決定手段により決定された電制発電機を
    前記電力系統から解列して電力系統の安定化を図る制御
    手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力系統安定化装置。
  4. 【請求項4】 電力系統の接続状態および電力の需給状
    態を系統情報として定周期で収集し、かつ当該収集され
    た系統情報とあらかじめ記憶されている系統設備データ
    とに基づいて、現在の潮流状態を表わす解析用系統モデ
    ルを作成する系統モデル作成手段と、 前記電力系統に事故が発生したことを起動条件とし、当
    該事故の発生地点と事故の種別を判定して事故条件とし
    て検出する事故条件検出手段と、 前記事故条件検出手段により検出された事故条件と、あ
    らかじめ記憶されている電制対象発電機の運用制約条件
    と、前記系統モデル作成手段により作成された解析用系
    統モデルとに基づいて、電制発電機の組み合わせを変え
    て複数の解析条件(ケース)を設定する解析条件設定手
    段と、 前記解析条件設定手段により設定された各解析条件に従
    って過渡安定度計算を行ない、各解析条件に対する安定
    度を判定する安定度判定手段と、 前記安定度判定手段により判定された各解析条件に対す
    る安定度判定結果に基づいて、電制発電機を決定する電
    制発電機決定手段と、 前記電制発電機決定手段により決定された電制発電機を
    前記電力系統から解列して電力系統の安定化を図る制御
    手段と、 前記解析条件設定手段により作成された各解析条件と、
    前記安定度判定手段により判定された各解析条件に対す
    る安定度判定結果と、前記電制発電機決定手段により決
    定された電制発電機名とを保存する記録手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力系統安定化装置。
  5. 【請求項5】 前記系統モデル作成手段は、電力系統の
    接続状態(しゃ断器や断路器等の開閉状態)および電力
    の需給状態(発電機出力や負荷の有効および無効電力)
    を、系統情報として定周期で収集する系統状態収集部
    と、当該系統正体収集部により収集された系統情報を記
    憶する情報記憶部と、電力系統の送電線のインピーダン
    スや発電機の諸定数を記憶している系統設備記憶部と、
    前記情報記憶部に記憶されている系統情報と前記系統設
    備記憶部に記憶されている送電線のインピーダンスや発
    電機の諸定数とを用いて、解析用系統モデルを作成する
    系統モデル作成部とから成るものであることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電力系
    統安定化装置。
  6. 【請求項6】 前記解析条件設定手段は、前記系統モデ
    ル作成手段により作成された解析用系統モデルを記憶す
    る系統モデル記憶部と、電制対象発電機の運用制約条件
    を記憶している運用条件記憶部と、前記系統モデル記憶
    部および運用条件記憶部にそれぞれ記憶されている解析
    用系統モデルおよび電制対象発電機の運用制約条件と、
    前記事故条件検出手段により検出された事故条件とを用
    いて、電制発電機の組み合わせを変えて複数の解析条件
    を設定する解析条件設定部とから成るものであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載
    の電力系統安定化装置。
  7. 【請求項7】 前記安定度判定手段は、前記解析条件設
    定手段により設定された各解析条件を記憶する解析条件
    記憶部と、当該解析条件記憶部に記憶されている各解析
    条件に対して過渡安定度計算を行なう過渡安定度計算部
    と、当該過渡安定度計算部による計算結果を用いて、各
    解析条件に対する安定度を判定する安定度判定部とから
    成るものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4
    のいずれか1項に記載の電力系統安定化装置。
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