JP6128931B2 - 系統安定化装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電力系統を安定化するための系統安定化装置に関する。
電力系統内に事故が発生した場合、発電機が同期運転を保つことができず不安定な運転状態になる、いわゆる脱調現象が生じることがある。この脱調現象を放置すると、系統全体の発電機の連鎖的な停止を引き起こし、広域な停電に波及する虞がある。そのため、電力系統には、電力系統に事故が発生したときに、発電機の脱調現象を最小限に抑え、系統全体の安定化を図るために、必要台数の発電機を遮断(以下、電制とも称する)するための系統安定化装置が設けられている(たとえば特許文献1〜4参照)。
系統安定化装置に適用する演算方式の一つに、事前演算方式がある。事前演算方式では、様々な事故が起きても対応できるように、事故前に種々の事故/潮流パターンを想定した演算を行なう。具体的には、電力系統の安定度のシミュレーションを実施し、シミュレーション結果に基づいて安定度を判定するとともに、電制の必要制御量を演算する。そして、事故発生を検出したときには、上記の演算結果を参照することにより、事故前の電力系統の状態に応じて電制を実行する。
このような事前演算方式は、演算に使用するデータの違いによって、オフライン方式とオンライン方式とに区分される。オフライン方式では、想定される系統状態(系統構成、潮流状態)に対して確実に安定化できるよう、最も過酷な条件下(例えば、線路潮流を運用限度付近まで設定するなど)で行なった演算結果を基に電制を実行する。一方、オンライン方式は、系統構成および潮流状態などのオンラインデータを収集して演算に反映させる。
特開2007−60870号公報 特開平10−257674号公報 特開2003−32894号公報 特開平3−178529号公報
上記のように、オフライン事前演算方式では、最も過酷な条件下で行なった演算結果を基に電制が行なわれるため、実際の電力系統における事故前後の現象は最過酷条件を下回ることが多い。したがって、オフライン事前演算方式において設定された制御量は、その時点の実系統状態で必要な制御量を上回ってしまう可能性がある。すなわち、オフライン事前演算方式では、制御量が過剰となる過剰制御が問題となる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、オフライン事前演算型の系統安定化装置において、電力系統の安定度判定および必要制御量演算の精度を向上させて実系統状態により則した電制を実行可能とすることである。
この発明に係る系統安定化装置は、発電所から出力された電力を送電線により送電する電力系統を安定化するための系統安定化装置である。発電所は、各々が遮断器を介して母線に接続された少なくとも1つの発電機からなる発電機群を含む。系統安定化装置は、電力系統の事故前に、電力系統の安定度指標を周期的に取得する安定度指標取得手段と、安定度指標と電力系統の事故発生時に発電機群を安定化するために必要な発電機遮断の制御量とを相関付けた制御テーブルを周期的に作成する制御テーブル作成手段と、電力系統の事故発生後、事故前の安定度指標に対応する制御テーブルを参照して制御量を決定し、決定された制御量に対応する発電機に対して遮断指令を出力する制御手段とを備える。安定度指標取得手段は、発電機群から出力される有効電力、送電線を流れる電流、およびこれらの値により算出される諸量を周期的に計測し、その計測値を用いて安定度指標を算出する。
この発明は、オフライン事前演算型の系統安定化装置において、電力系統の安定度判定および必要制御量演算の精度を向上させることにより、実系統状態により則した電制を実行することができる。
この発明の実施の形態1による系統安定化装置の構成を示すブロック図である。 送電線に事故が発生した場合の電力系統の現象を説明するための図である。 発電所母線の電圧ベクトルと無限大母線の電圧ベクトルとの関係を示す図である。 事故発生後の電力系統の動きの一例を示す波形図である。 事故発生後の発電機の内部位相角の動きの一例を示す波形図である。 オフライン事前演算型の系統安定化装置における事前演算処理を説明するフローチャートである。 従来の系統安定化装置に格納される制御テーブルの一例を示す図である。 事故前の発電機群の有効電力と事故発生後の電力系統の安定度との関係を演算した結果を示す図である。 発電機群の有効電力と系統中心電圧との関係を示す図である。 演算装置によって算出された安定度指標と発電機群の有効電力との関係を示す図である。 実施の形態1による系統安定化装置に格納される制御テーブルの一例を示す図である。 実施の形態1による系統安定化装置における電制処理を説明するフローチャートである。 実施の形態1の作用効果を説明する図である。 実施の形態3による系統安定化装置における電制処理を説明するフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による系統安定化装置の構成を示すブロック図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態1による系統化安定化装置4は、発電所1から出力された電力を送電線2により送電する電力系統に設けられる。系統化安定化装置4は、電力系統に事故が発生した場合に、制御対象の発電所1の発電機が不安定な運転状態になる、いわゆる脱調現象を安定化するための装置である。
電力系統は、発電所1と、送電線2と、主系統3と、事故除去リレー(Ry)12とを備える。
発電所1は、複数の発電機G1〜Gn(nは2以上の自然数)からなる発電機群10を含む。発電機G1〜Gnは、遮断器CB1〜CBnをそれぞれ介して発電所母線B1に接続される。発電所母線B1は、遮断器CBを介して送電線2に接続される。送電線2は、遮断器CBを介して主系統3(無線大母線B2)に接続される。遮断器CBは、事故除去リレー12によって開閉動作が制御される。
複数の発電機G1〜Gnは常時同期運転をしており、発電した電力を送電線2を介して主系統3へ供給する。なお、図1では、送電線2を2本の送電線により構成したが、1本でもよいし、2本以上のいくつであってもよい。
発電機G1〜Gnから発電所母線B1に供給される電流は計器用変流器CT(Current Transformer)1〜CTnによってそれぞれ検出される。発電所母線B1の電圧は計器用変圧器PT(Potential Transformer)によって検出される。これらの検出値は系統安定化装置4に入力される。
系統安定化装置4は、入出力インターフェイス部(I/O)40と、演算装置42と、制御テーブル44とを備える。
入出力インターフェイス部40は、制御対象の発電所1から電力系統の状態を示す系統情報を受けて演算装置42へ出力する。また、入出力インターフェイス部40は、演算装置42によって生成された制御信号を発電所1に供給する。系統情報は、後述する事前演算処理に必要な情報であり、計器用変流器CT1〜CTnおよび計器用変圧器PTの検出値を含む。系統情報はさらに、事故除去リレー12の動作情報を含む。演算装置42によって生成される制御信号は、遮断器CB1〜CBnを遮断させるための遮断指令を含む。
演算装置42は、オフライン事前演算方式を採用しており、事故前に種々の事故/潮流パターンを想定した演算を行なう。演算装置42は、その演算結果に基づいて、事故発生後に発電機遮断(電制)の必要制御量を決定するための制御テーブル44を生成する。制御テーブル44は、後述するように、事故前の電力系統の安定度指標と電制の必要制御量との相関関係を表またはグラフ等で表したものである。制御テーブル44は、図示しないメモリ等の記憶媒体に格納される。
制御対象の電力系統に事故が発生した場合、演算装置42は、制御テーブル44を参照することにより、事故前の電力系統の状態に応じて電制を実行する。具体的には、演算装置42は、制御テーブル44と事故前の電力系統の安定度指標とに基づいて、複数の発電機G1〜Gnのうちの電制の対象となる発電機(以下、電制発電機とも称する)を決定する。そして、演算装置42は、決定された電制発電機に対応する遮断器に対して遮断指令を出力する。
図2は、送電線2に事故が発生した場合の電力系統の現象を説明するための図である。同図では、図1の電力系統は、1機無限大母線系統を用いてモデル化されている。発電機群10は1機の発電機Gで示され、主系統3は無限大母線B2で示される。
図2を参照して、Xは送電線2のリアクタンスを示し、Pは発電機Gから発電所母線B1を経由して送電線2に出力される有効電力を示し、Qは発電機Gから発電所母線B1を経由して送電線2に出力される無効電力を示す。
発電所母線B1の電圧ベクトルをV1とし、無限大母線B2の電圧ベクトルをV2とすると、電圧ベクトルV1と電圧ベクトルV2とは、複素数平面上で図3に示す関係を有している。電圧ベクトルV1と電圧ベクトルV2との位相差δは、発電機Gの内部位相角を表わす。
図2に戻って、発電機Gは、通常、機械的入力Pを入力として発電し電気的出力Pを出力し、送電線2を経由して主系統3へ送電している。送電線2に事故が発生した場合、事故除去リレー12によって送電線2の両端の遮断器CBが開かれることによって事故が除去される。その後、条件が整えば事故除去リレー12によって遮断器CBが閉じられて事故前の状態に戻る。
図4は、事故発生後の電力系統の動きの一例を示す波形図である。図5は、事故発生後の発電機Gの内部位相角δの動きの一例を示す波形図である。
図4を参照して、事故前は電気的出力Pは機械的入力Pに相当する値で安定している。時刻t1で事故が発生すると、電気的出力Pが落ち込み、事故が除去される時刻t2まで電気的出力Pの落ち込みが続く。時刻t2で電気的出力Pが戻り、事故の影響が比較的軽微な場合は、図中の破線で示すように、事故除去後の動揺は時間の経過とともに収束し、安定となる。このときの発電機Gの内部位相角δは、図5の破線で示すように、事故が除去される時刻t2から一時的に大きくなるが、最終的に収束する。
一方、事故の影響が大きい場合や事故の除去に時間がかかってしまった場合には、図中の実線で示すように、発電機Gの加速エネルギーが大きくなり、事故除去後も電気的出力Pは発電機Gの加速を抑えるほどに回復せず、結果として発電機Gは脱調する。このときの発電機Gの内部位相角δは、図5の実線で示すように、事故が除去される時刻t2から大きくなって発散し、主系統3との同期が保てなくなってしまう。
系統安定化装置では、発電機Gを安定化するための安定度対策として、発電機G1、すなわち図1における発電機群10に含まれる複数の発電機G1〜Gnの一部を遮断することによって、残りの発電機の脱調を未然に防止し、電力系統の安定化を図る。
この安定度対策のための系統安定化装置に適用する演算方式の一つに、事前演算方式がある。事前演算方式では、様々な事故が起きても対応できるように、事故前に種々の事故を想定した演算を行なう。具体的には、電力系統の安定度を演算し、その演算結果に基づいて安定度を判定するとともに、電制の必要制御量を演算する。そして、事故発生を検出したときには、上記の演算結果を参照することにより、事故前の電力系統の状態に応じて電制を実行する。
事前演算方式の1つであるオフライン方式では、想定される系統状態(系統構成、潮流状態)に対して確実に安定化できるよう、最も過酷な条件下(例えば、線路潮流を運用限度付近まで設定するなど)で行なった演算結果を基に電制を実行する。
図6は、オフライン事前演算型の系統安定化装置における事前演算処理を説明するフローチャートである。図6に示すフローチャートは、事故前において常時一定周期で実行される。
図6を参照して、ステップS01では、制御対象の発電所1から取り込んだ系統情報を用いて電力系統の安定度指標Yを算出する。安定度指標としては、一般的に、発電機群10から送電線2に出力される有効電力Pが用いられる。具体的には、系統安定化装置は、発電所母線B1の電圧V1および各発電機より発電所母線B1を流れ込む電流Iを用いて、時々刻々変化する有効電力Pを計測する。なお、発電所母線B1の電圧V1は計器用変圧器PT(図1)の検出値に相当し、各発電機より発電所母線B1に流れ込む電流Iは計器用変流器CT1〜CTn(図1)の検出値の総和に相当する。
ステップS02では、ステップS01で算出された発電機群10の有効電力Pに基づいて、事故除去後に発電機群10を安定化できるか否かを判定する。具体的には、系統安定化装置は、発電機群10の有効電力Pと予め定められた判定値YSETとを比較する。なお、判定値YSETは、これ以上有効電力Pが大きくなると、事故除去後に発電機Gの内部位相角δが発散するような(図4の実線参照)、電力系統が不安定になるか否かを判別するための閾値である。
発電機群10の有効電力Pが判定値YSETより小さい場合(ステップS02のNO判定時)、事故除去後に発電機群10が安定となると判定する。これに対して、発電機群10の有効電力Pが閾値YSET以上となる場合(ステップS02のYES判定時)には、事故除去後に発電機群10が不安定になると判定する。
ステップS02において発電機群10が不安定になると判定した場合、系統安定化装置は、安定度対策として、安定化に必要な制御量(電制量)を演算する。具体的には、ステップS03では、判定値YSETに対する発電機群10の有効電力Pの偏差を必要制御量PGCとして算出する(PGC=P−YSET)。そして、ステップS04により、算出した必要制御量PGCに基づいて電制発電機を選択する。ステップS04で選択された電制発電機は、ステップS05により、制御テーブルとして系統安定化装置内部の記憶媒体に格納される。
図7は、従来の系統安定化装置に格納される制御テーブルの一例を示す図である。
図7を参照して、発電機群10の有効電力Pが判定値YSETより小さい場合、発電機群10が安定となるため、電制発電機は0台とされる(電制不要)。これに対して、発電機群10の有効電力Pが判定値YSET以上となる場合には、事故前の発電機群10の有効電力Pが大きくなるほど電制発電機の台数を増加させる。一例として、有効電力Pが判定値YSET以上P1未満の場合は電制発電機は1台とされ、有効電力PがP1以上P2未満の場合は電制発電機は2台とされ、有効電力PがP2以上の場合は電制発電機は3台とされる。
このように、従来のオフライン事前演算型系統安定化装置は、オフライン事前演算処理として、発電機群10から出力される有効電力Pに基づいて安定度の判定および必要制御量の演算を行なう。そして、事故発生後は、演算結果に基づいて生成された制御テーブルに従って、事故前の発電機群10の有効電力に応じて電制発電機を決定するのが一般的である。
ここで、上述したように、オフライン事前演算方式では、最も過酷な条件下で行なった演算結果を基に電制が行なわれる。例えば、オフラインの整定計算により、発電機群10の有効電力Pと必要制御量との相関関係を求める段階においては、電制によって確実に電力系統を安定化できる制御量を必要制御量とする。このため、実際の電力系統における事故前後の系統条件は最過酷条件を下回ることが多い。したがって、オフライン事前演算方式において設定された制御量は、その時点の実系統状態で必要な制御量を上回ってしまう可能性がある。すなわち、オフライン事前演算方式では、制御量が過剰となる過剰制御が問題となる。
そこで、本実施の形態1による系統安定化装置では、電力系統の安定度指標の算出式の入力として、発電機群10の有効電力P以外に、発電機Gの安定度に大きく影響する別のパラメータを追加する。これにより、安定度の判定および必要制御量演算の精度を向上させて実系統状態により則した電制を実行可能とする。
以下、実施の形態1による系統安定化装置における安定度指標の算出手順について詳細に説明する。
図8は、事故前の発電機群10の有効電力Pと事故発生後の電力系統の安定度との関係を演算した結果を示す図である。なお、演算では、図3に示した系統モデル(1機無限大母線系統)において電力系統における負荷量および事故が発生した送電線以外の送電線の線路定数をパラメータとして、発電機群10の有効電力Pごとに事故前後における発電機Gの内部位相角δの動きを算出した。
図8には、発電機Gの内部位相角δの演算結果に基づいて判定した事故発生後の電力系統の安定度を示す。図中の安定度は、事故発生後の発電機Gの内部位相角δと予め定めた基準値δthとを比較した結果に基づいて判定したものである。具体的には、事故後の発電機Gの内部位相角δが基準値δth以下となるとき、発電機群10が安定と判定する。一方、事故後の発電機Gの内部位相角δが基準値δthより大きくなるとき、発電機群10が不安定と判定する。
図8を参照して、発電機群10の有効電力Pが1.219以上となるとき、事故後の電力系統は不安定となる。その一方で、判定値YSETの付近では(1.018≦P≦1.218)、事故後の電力系統が安定となるケースと、事故後の電力系統が不安定となるケースとが混在している。そのため、発電機群10の有効電力Pが同じであっても、発電機Gの内部位相角δの違いによって判定結果が分かれている。
図8にはさらに、従来のオフライン事前演算処理において、発電機群10から出力される有効電力Pに基づいて安定度を判定した結果を示す。図6で説明したように、発電機群10の有効電力Pと判定値YSET(例えば、YSET=1.01[pu]とする)とを比較し、有効電力Pが判定値YSETより小さいとき、発電機群10が安定となる判定する。一方、有効電力Pが判定値YSET以上となるとき、発電機群10の運転が不安定になると判定する。したがって、図8では、発電機群10の有効電力Pが1.018[pu]以上となる場合はすべて不安定と判定されている。よって、発電機群10の有効電力Pが1.018[pu]以上となる場合はすべて電制が行なわれることになる。
しかしながら、図8に示すように、発電機群10の有効電力Pが判定値YSET以上となるときであっても、実際には発電機Gの内部位相角δが基準値δthを超えず、発電機群10が安定となるケースが存在する。したがって、このようなケースについても電制を行なうと、制御量が実系統状態で必要な制御量(すなわち、制御量が0)を上回る過剰制御となってしまう。なお、このような過剰制御は、安定度の判定結果に安定と不安定とが混在する判定値YSETの付近で起こりやすい傾向にある。
ここで、図8に示される電力系統の安定度の演算結果について、発電機群10の有効電力Pと系統中心電圧Vcとの関係をプロットすると、図9のようになる。図9の横軸は事故前の発電機群10から出力される有効電力P[pu]であり、縦軸は系統中心電圧Vc[pu]である。系統中心電圧Vcは、図3に示す発電所母線B1の電圧ベクトルV1と無限大母線B2の電圧ベクトルV2との関係において、送電線2に流れ込む電流Iと同じ位相の電圧として定義される。
系統中心電圧Vcは、電圧ベクトルV1に対する電流Iの位相角をαとすると、式(1)のように表わされる。式(1)から分かるように、電圧ベクトルV1に対する電流Iの位相角αが大きくなるに従って系統中心電圧Vcは小さくなる。
Vc=V1cosα ・・・(1)
図9を参照して、発電機群10の有効電力Pと系統中心電圧Vcとの関係を、事故発生後に発電機群10が安定となる状態(図中の■に相当)と、発電機群10が不安定となる状態(図中の△に相当)とに分別すると、これら2つの状態は系統中心電圧Vcの大小によってある程度明確に分けられる。すなわち、判定値YSET(=1.01[pu])付近における安定/不安定の混在は、系統中心電圧Vcの影響を大きく受けていることが分かる。
そこで、実施の形態1による系統安定化装置では、電力系統の安定度指標の算出式の入力に、発電機Gの内部位相角δを発散させる要因となるパラメータとして、系統中心電圧Vcをさらに追加する。
具体的には、系統安定化装置4は、図6に示した事前演算処理において、発電機群10から出力される有効電力Pおよび系統中心電圧Vcを周期的に計測する。そして、これらの計測した値を用いて電力系統の安定度指標Yを算出する。
詳細には、図6のステップS01において、演算装置42は、発電所母線B1の電圧V1および発電所母線B1に流れ込む電流Iを用いて発電機群10から出力される有効電力Pを計測する。なお、発電所母線B1の電圧V1は計器用変圧器PTの検出値に相当し、発電所母線B1を流れ込む電流Iは計器用変流器CT1〜CTnの検出値の総和に相当する。
ここで、発電機群10から出力される有効電力Pは、発電所母線B1の電圧ベクトルV1、送電線2を流れる電流Iおよび電圧ベクトルV1に対する電流Iの位相角αを用いて、式(2)により表わされる。
P=V1×Icosα ・・・(2)
演算装置42はさらに、1機無限大母線系統を用いてモデル化された電力系統(図1)の系統中心電圧Vcを計測する。系統中心電圧Vcは、上記式(1),(2)により、式(3)のように表わされる。すなわち、発電機群10の有効電力Pおよび電流Iから系統中心電圧Vcが計測される。
Vc=P/I ・・・(3)
次に、演算装置42は、計測した発電機群10の有効電力Pおよび系統中心電圧Vcを用いて、電力系統の安定度指標Yを式(4)により算出する。
Y=P−K×(Vc−Vcref) ・・・(4)
上記式(4)に示すように、安定度指標Yは、基準値Vcrefに対する系統中心電圧Vcの偏差に所定の係数Kを乗じた値を有効電力Pから減じることによって算出される。なお、所定の係数Kは、系統中心電圧Vcが事故発生後の安定度に及ぼす影響度合いを考慮して予め適合された値に設定される。この係数Kは、想定される事故条件(事故様相および事故点など)ごとに適合された値に設定するようにしてもよい。
図10は、演算装置42によって算出された安定度指標Yと発電機群10の有効電力Pとの関係をプロットしたものである。なお、同図に示される安定度指標Yは、図8に示した複数の有効電力Pの各々について、有効電力Pおよび系統中心電圧Vcの計測値を上記式(4)に代入することにより算出したものである。また、有効電力Pごとの安定度は、図8と同様に、有効電力Pごとに、事故発生後の発電機Gの内部位相角δと予め定めた基準値δthとを比較した結果に基づいて判定したものである。
図10を参照して、発電機群10が安定となる状態(図中の■に相当)と、発電機群10が不安定となる状態(図中の△に相当)とは、安定度指標Yの大小によって明確に分かれている。図10においては、判定値YSETを1.01[pu]に設定することにより、安定度指標Yに基づいて電力系統の安定度を正確に判別することが可能となる。
図6に戻って、演算装置42は、ステップS02では、ステップS01により算出した電力系統の安定度指標Yと予め定められた判定値YSETとを比較する。そして、比較した結果に基づいて、事故除去後に発電機群10を安定化できるか否かを判定する。具体的には、安定度指標Yが判定値YSETより小さい場合(ステップS02のNO判定時)、事故除去後に発電機群10が安定になると判定する。これに対して、安定度指標Yが閾値YSET以上となる場合(ステップS02のYES判定時)には、事故除去後に発電機群10が不安定になると判定する。
ステップS02において発電機群10が不安定になると判定した場合、演算装置42は、ステップS03,S04により電制の必要制御量を演算する。具体的には、演算装置42は、ステップS03により、判定値YSETに対する安定度指標Yの偏差を必要制御量PGCとして算出する(PGC=Y−YSET)。そして、ステップS04により、その算出した必要制御量PGCに基づいて電制発電機を選択する。電力系統の安定度指標YとステップS04で選択された電制発電機との相関関係は、ステップS05により、制御テーブル44として系統安定化装置内部の記憶媒体に格納される。
図11は、実地の形態1による系統安定化装置に格納される制御テーブル44の一例を示す図である。制御テーブル44は、事故前の電力系統の安定度指標Yに対する電制発電機を相関付けたグラフまたは表である。なお、事故条件によって安定度が異なるため、事故条件別にそれぞれ電制発電機が設定される。事故条件には、事故様相および事故点などが含まれる。特に事故様相は事故除去後の安定度に大きな影響を与えるため、図11の例では、想定される事故様相ごとに制御テーブルを設けている。
詳細には、1つの安定度指標Yに対して事故様相別にそれぞれ電制発電機が設定される。一例として、安定度指標YがY1のとき、3相短絡事故(3LG)の場合は電制発電機は1台とされ、2相短絡事故(2LG)の場合および1相短絡事故(1LG)の場合は電制発電機は0台とされる(電制不要)。また、安定度指標YがY2(>Y1)のときには、3相短絡事故の場合は電制発電機は2台とされ、2相短絡事故の場合は電制発電機は1台とされ、1相短絡事故の場合は電制発電機は0台とされる。
なお、電力系統を安定化させるためには、発電機群10を構成する複数の発電機G1〜Gnの中から適切な電制発電機を選択する必要がある。電制効果の高い発電機を選択する手法としては、例えば、事故発生後に発電機ごとの内部位相角δをモニタし、内部位相角δが相対的に大きいものを電制発電機に選択する。
図12は、実施の形態1による系統安定化装置における電制処理を説明するフローチャートである。系統安定化装置4においては、図6に示した事前演算処理が一定周期で行なわれるとともに、実系統での事故発生の検出がリアルタイムに実行される。そして、実系統に事故発生が検出されたとき、図12に示す電制処理が起動される。
図12を参照して、ステップS11では、演算装置42は、制御対象の電力系統に事故が発生したか否かを検出する。具体的には、演算装置42は、入出力インターフェイス部40から取り込んだ系統情報(事故除去リレー12の動作情報、遮断器CBの開閉情報、および計器用変流器CT1〜CTnおよび計器用変圧器PTの検出値を含む)に基づいて事故の発生を検出する。演算装置42はさらに、系統情報に基づいて送電線2のどの相で事故が生じたかを判定する。検出された事故発生および事故様相は事故条件を構成する。
ステップS11において事故発生が検出されると(ステップS11のYES判定時)、演算装置42は、ステップS12により、検出した事故条件と制御テーブル44とに基づいて、事故前の系統状態と事故条件とに合致する電制発電機を決定する。具体的には、演算装置42は、事故前の電力系統の安定度指標Yを保持する機能を有しており、制御テーブル44を参照して、事故前の安定度指標Yおよび事故条件に応じた電制発電機を決定する。なお、事故前の安定度指標Yは、事故が発生する直前の安定度指標Yであってもよいし、事故が発生するまでの一定時間における安定度指標Yの平均値であってもよい。
ステップS13では、演算装置42は、所定の故障検出(FD:Fault Detection)条件が成立しているか否かを判定する。FD条件とは、系統安定化装置4が誤動作しないよう、事故の発生を確認するために設けられた条件である。例えば、FD条件には、計器用変圧器PTの検出値が所定の基準値を下回ったことが含まれる。FD条件が成立しないとき(ステップS13のNO判定時)には電制の実行は禁止される。
これに対して、FD条件が成立したとき(ステップS13のYES判定時)、すなわち、電力系統の事故発生が検出され、かつ、FD条件が成立したときには、演算装置42は、ステップS14に進み、電制を実行する。演算装置42は、ステップS12で決定された電制発電機に対して遮断指令を出力する。
このように、実施の形態1によるオフライン事前演算型の系統安定化装置によれば、発電機群10から出力される有効電力Pおよび系統中心電圧Vcを用いて電力系統の安定度指標Yを演算する。これにより、発電機群10から出力される有効電力Pを電力系統の安定度指標とする従来のオフライン事前演算型系統安定化装置と比較して、安定度判定および必要制御量演算の精度を向上させることができる。その結果、実系統状態により則した電制が実行可能となる。
以下、図13を参照して、従来のオフライン事前演算型系統安定化装置と比較しながら、実施の形態1の作用効果についてさらに説明する。図13は、系統中心電圧Vcと発電機群10の有効電力Pとの関係をプロットしたものである。同図では、系統中心電圧Vcおよび発電機群10の有効電力Pの複数の組合せのうち、事故除去後に発電機群10が安定となるケースを○印で示し、事故除去後に発電機群10が不安定となるケースを×印で示すものとする。なお、発電機群10が安定となるケースとは、発電機Gの内部位相角δが基準値δth以下となるケースを示す。一方、発電機群10が不安定になるケースとは、発電機Gの内部位相角δが基準値δthより大きくなるケースを示す。
従来のオフライン事前演算型系統安定化装置では、発電機群10の有効電力Pを電力系統の安定度指標Yとするため、所定の電力値(図中の直線k1に相当)を判定値として安定か不安定かが判定される。したがって、有効電力Pが判定値を超えていれば不安定と判定されてしまうため、事前演算で判定された安定度と実系統状態での安定度との間に不一致が生じる。その結果、過剰制御が起きてしまう。
これに対して、本実施の形態による系統安定化装置では、発電機群10の有効電力Pおよび系統中心電圧Vcを用いて安定度指標Yを算出する。これにより、判定値は、図中の直線k2で示すように、有効電力Pおよび系統中心電圧Vcに応じて変化する。図中の領域R1には、従来のオフライン事前演算型系統安定化装置では不安定と判定される一方で、本実施の形態による系統安定化装置では安定と判定されるケースが含まれる。本実施の形態によれば、この領域R1に含まれるケースに対して過剰制御が施されるのを防止することができる。
実施の形態2.
上記の実施の形態1による系統安定化装置では、電力系統の安定度指標Yの演算式の入力に、発電機Gの内部位相角δを発散させる要因となるパラメータとして系統中心電圧Vcを追加する構成について説明したが、当該パラメータとして発電機群10の無効電力Qを追加する構成としてもよい。この発明の実施の形態2では、発電機群10の有効電力Pおよび無効電力Qを用いて電力系統の安定度指標Yを算出する構成について説明する。
この発明の実施の形態2による系統安定化装置の構成は、図1と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。また、系統安定化装置の事前演算処理および電制処理についても、安定度指標Yを算出するステップ(図6のステップS01)を除いて、図6および図12とそれぞれ同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
演算装置42は、図6のステップS01において、発電所母線B1の電圧V1および発電所母線B1に流れ込む電流Iを用いて発電機群10から出力される有効電力Pを計測する。なお、発電所母線B1の電圧V1は計器用変圧器PTの検出値に相当し、発電所母線B1に流れ込む電流Iは計器用変流器CT1〜CTnの検出値の総和に相当する。
演算装置42はさらに、発電機群10から出力される無効電力Qを計測する。無効電力Qは、発電所母線B1の電圧ベクトルV1、送電線2に流れ込む電流I、および電圧ベクトルV1に対する電流Iの位相角αを用いて、式(5)により表わされる。式(5)から分かるように、電圧ベクトルV1に対する電流Iの位相角αが大きくなるに従って無効電力Pは大きくなる。
Q=V1×Isinα ・・・(5)
次に、演算装置42は、計測した発電機群10の有効電力Pおよび無効電力Qを用いて、電力系統の安定度指標Yを式(6)により算出する。
Y=P+K1×(Q−Qref) ・・・(6)
上記式(6)に示すように、安定度指標Yは、基準値Qrefに対する無効電力Qの偏差に所定の係数K1を乗じた値を有効電力Pに加算することによって算出される。なお、所定の係数K1は、無効電力Qが事故発生後の安定度に及ぼす影響度合いを考慮して予め適合された値に設定される。この係数K1は、想定される事故条件(事故様相および事故点など)ごとに適合された値に設定するようにしてもよい。
このように、実施の形態2によるオフライン事前演算型の系統安定化装置によれば、発電機群から出力される有効電力Pおよび無効電力Qを用いて電力系統の安定度指標Yを演算する。安定度指標Yは、同じ有効電力Pであっても、無効電力Qが大きくなるほど高い値となる。すなわち、本実施の形態2は、発電機群10の無効電力Qの大小によって、事故発生後に発電機群10が安定となる状態と、発電機群10が不安定となる状態とを分別するものである。これにより、発電機群から出力される有効電力を電力系統の安定度指標とする従来のオフライン事前演算型系統安定化装置と比較して、安定度判定および必要制御量演算の精度を向上させることができる。その結果、実系統状態により則した電制が実行可能となる。
なお、上記の実施の形態1および2では、電力系統の安定度指標Yの演算式の入力に、発電機Gの内部位相角δを発散させる要因となるパラメータとして、系統中心電圧Vcおよび発電機群10の無効電力Qを追加する構成についてそれぞれ説明したが、系統中心電圧Vcおよび発電機群10の無効電力Qはともに、発電所母線B1の電圧ベクトルV1に対する電流Iの位相角αに応じて変動する物理量である。したがって、発電所母線B1の電圧ベクトルV1および発電所母線B1に流れ込む電流Iにより算出される諸量であれば、本発明による安定度指標Yの演算式の入力に追加することができる点について確認的に記載する。
実施の形態3.
上記の実施の形態1および2による系統安定化装置では、電制処理において、事故前の電力系統の安定度指標Yに基づいて電制発電機を決定する構成について説明したが、安定度指標のシミュレーションに事故継続中の系統状態をさらに反映させる構成としてもよい。この発明の実施の形態3では、事前演算処理で算出された安定度指標Yを、事故継続中の発電機群10の有効電力を用いて補正する構成について説明する。
この発明の実施の形態3による系統安定化装置の構成は、図1と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。また、系統安定化装置の事前演算処理についても、図6と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図14は、実施の形態3による系統安定化装置における電制処理を説明するフローチャートである。
図14を参照して、演算装置42は、図12と同様のステップS11により、制御対象の電力系統に事故が発生したか否かを検出する。演算装置42はさらに、系統情報に基づいて送電線2のどの相で事故が生じたかを判定する。
ステップS11において事故発生が検出されると(ステップS11のYES判定時)、演算装置42は、ステップS110により、事故継続中の発電機群10の有効電力Pを用いて事故前の電力系統の安定度指標Yを補正する。具体的には、演算装置42は、図4に示す事故発生後の電力系統の動きにおいて、事故が発生した時刻t1から事故が除去される時刻t2までの事故継続中における発電機群10の有効電力Pの最小値PFを検出する。そして、演算装置42は、その検出した有効電力の最小値(以下、最小有効電力とも称する)PFを用いて事故前の安定度指標Yを補正する。補正後の安定度指標Yは、事故前の有効電力P、事故前の系統中心電圧Vcおよび最小有効電力PFを用いて、式(7)により表わされる。なお、事故前の発電機群10の有効電力Pは、事故が発生する直前の有効電力Pであってもよいし、事故が発生するまでの一定時間における有効電力Pの平均値であってもよい。また、事故前の系統中心電圧Vcは、事故が発生する直前の系統中心電圧Vcであってもよいし、事故が発生するまでの一定時間における系統中心電圧Vcの平均値であってもよい。
Y=P−Ka(Vc−Vref)−Kb(PF−PFref) ・・・(7)
上記式(7)の右辺第1項および第2項は、事故前の安定度指標Yに相当する。この事故前の安定度指標Yから、基準値PFrefに対する最小有効電力Pの偏差に所定の係数Kbを乗じた値を減じることによって、事故前の安定度指標Yが補正される。なお、所定の係数Kaは、系統中心電圧Vcが事故発生後の安定度に及ぼす影響度合いを考慮して予め適合された値に設定される。また、所定の係数Kbは、事故継続中の有効電力Pの落ち込みが事故除去後の安定度に及ぼす影響度合いを考慮して予め適合された値に設定される。これらの係数Ka,Kbは、想定される事故条件(事故様相および事故点など)ごとに適合された値に設定するようにしてもよい。
演算装置42は、安定度指標Yを補正すると、図12と同様のステップS12により、検出した事故条件と制御テーブル44とに基づいて、事故前後の系統状態と事故条件とに合致する電制発電機を決定する。具体的には、演算装置42は、制御テーブル44を参照して、補正後の安定度指標Yおよび事故条件に応じた電制発電機を決定する。そして、図12と同様のステップS13,S14により、決定された電制発電機に対して遮断指令を出力する。
このように、実施の形態3による系統安定化装置では、事故継続中における系統状態を電力系統の安定度指標Yに反映させることによって、事故除去後の実系統状態の安定度をより正確に判定することができる。その結果、実系統状態により則した電制が実行可能となる。
なお、上記の実施の形態3では、事故継続中の最小有効電力PFを用いて電力系統の安定度指標Yを補正することとしたが、事故継続中の系統状態が安定度指標Yに反映されていれば、本発明を適用することが可能である。たとえば、事故継続中の発電所母線B1の電圧V1を用いて安定度指標Yを補正してもよい。
今回開示された実施の形態がすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 発電所、2 送電線、3 主系統、4 系統安定化装置、10 発電機群、12 事故除去リレー、40 入出力インターフェイス部、42 演算装置、44 制御テーブル、B1 発電所母線、B2 無限大母線、CB,CB1〜CBn 遮断器、CT1〜CT2 計器用変流器、G1〜Gn 発電機、PT 計器用変圧器。

Claims (6)

  1. 発電所から出力された電力を送電線により送電する電力系統を安定化するための系統安定化装置であって、
    前記発電所は、各々が遮断器を介して母線に接続された少なくとも1つの発電機からなる発電機群を含み、
    前記電力系統の事故前に、前記電力系統の安定度指標を周期的に取得する安定度指標取得手段と、
    前記安定度指標と、前記電力系統の事故発生時に前記発電機群を安定化するために必要な発電機遮断の制御量とを相関付けた制御テーブルを作成する制御テーブル作成手段と、
    前記電力系統の事故発生後、事故前の前記安定度指標に対応する前記制御テーブルを参照して前記制御量を決定し、決定された前記制御量に対応する発電機に対して遮断指令を出力する制御手段とを備え、
    前記安定度指標取得手段は、前記発電機群から出力される有効電力、および前記送電線を流れる電流と同じ位相の電圧である系統中心電圧を周期的に計測し、その計測値を用いて前記安定度指標を算出し、
    前記安定度指標取得手段は、基準値に対する前記系統中心電圧の偏差に係数を乗じた値を前記有効電力から減じることにより前記安定度指標を算出するように構成され、
    前記係数は、想定される事故条件に応じて可変に設定される、系統安定化装置。
  2. 前記制御テーブル作成手段は、前記安定度指標が判定値以上となるとき、前記電力系統の事故発生後に前記発電機群が不安定になると判定し、
    前記安定度指標取得手段は、同じ前記有効電力に対する前記安定度指標が、前記系統中心電圧が小さくなるほど高い値となるように、前記安定度指標を算出する、請求項に記載の系統安定化装置。
  3. 前記電力系統の事故条件を検出する系統事故検出手段をさらに備え、
    前記制御テーブル作成手段は、想定される事故条件ごとに前記制御テーブルを作成し、
    前記制御手段は、前記系統事故検出手段によって検出された事故条件に合致する前記制御テーブルを参照して前記制御量を決定する、請求項に記載の系統安定化装置。
  4. 前記電力系統の事故継続中に前記発電機群から出力される有効電力の最小値を用いて、前記安定度指標を補正する補正手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記補正手段により補正された前記安定度指標に対応する前記制御テーブルを参照して前記制御量を決定する、請求項1からのいずれか1項に記載の系統安定化装置。
  5. 発電所から出力された電力を送電線により送電する電力系統を安定化するための系統安定化装置であって
    前記発電所は、各々が遮断器を介して母線に接続された少なくとも1つの発電機からなる発電機群を含み
    前記電力系統の事故前に、前記電力系統の安定度指標を周期的に取得する安定度指標取得手段と
    前記安定度指標と、前記電力系統の事故発生時に前記発電機群を安定化するために必要な発電機遮断の制御量とを相関付けた制御テーブルを作成する制御テーブル作成手段と
    前記電力系統の事故発生後、事故前の前記安定度指標に対応する前記制御テーブルを参照して前記制御量を決定し、決定された前記制御量に対応する発電機に対して遮断指令を出力する制御手段とを備え
    前記安定度指標取得手段は、前記発電機群から出力される有効電力、および前記発電機群から出力される無効電力を周期的に計測し、その計測値を用いて前記安定度指標を算出
    前記安定度指標取得手段は、基準値に対する前記無効電力の偏差に係数を乗じた値を前記有効電力に加算することにより前記安定度指標を算出するように構成され
    前記係数は、想定される事故条件に応じて可変に設定される、系統安定化装置。
  6. 前記制御テーブル作成手段は、前記安定度指標が判定値以上となるとき、前記電力系統の事故発生後に前記発電機群が不安定になると判定し、
    前記安定度指標取得手段は、同じ前記有効電力に対する前記安定度指標が、前記無効電力が大きくなるほど高い値となるように、前記安定度指標を算出する、請求項に記載の系統安定化装置。
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