JP6067289B2 - 電力系統の縮約モデル作成装置、作成方法及び作成プログラム - Google Patents

電力系統の縮約モデル作成装置、作成方法及び作成プログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、電力系統モデルを縮約した縮約モデル作成装置、作成方法及び作成プログラムに関する。
電力系統の事故現象の解析や、事故波及防止システムの安定化演算のために、電力系統モデルが用いられる。この電力系統モデルは、電力系統内の発電機等の接続状態をモデル化した情報である。
しかし、近年、電力系統は大規模化、複雑化している。このため、電力系統をモデル化した電力系統モデルも、大規模化、複雑化することになる。このように、大規模且つ複雑な電力系統モデルによる演算は、処理負担の増大や遅延を招く。
そこで、あらかじめ元の電力系統モデルである原系統モデルを簡略化することにより、縮約系統モデルを作成する縮約手法が用いられている。従来の縮約手法としては、短絡容量法、短絡電流法、二負荷法などがある。このような縮約手法を用いることにより、効率良く、シミュレーション可能な小規模の縮約系統モデルを作成できる。
電力系統モデルの縮約には、発電機の制御系の縮約も含まれる。発電機の制御系には、AVR、PSS、GOV等がある。AVRは自動電圧調整装置、PSSは系統安定化装置、GOVは調速装置である。これらの制御系は、伝達関数モデルの制御ブロックで表現できる。各制御ブロックは、演算に用いる定数として、時定数とゲインを持つ。
縮約系統モデルにおいて、縮約された発電機を等価縮約発電機と呼ぶ。この等価縮約縮約発電機における制御系は、次の二つの方法で表現することにより、縮約できる。
(1) 縮約する系統内の最大発電ユニットの制御系で代表させる。
(2) 縮約対象の各発電機制御系の制御ブロック構成が同一の場合、等価縮約発電機の制御ブロックにおける各時定数及びゲインを、縮約対象発電機の各時定数及びゲインの対数加重平均値で表す。
また、あらかじめオンラインで入手した系統情報を用いて、安定度計算を実施して、制御テーブルを作成するオンライン事前演算型の事故波及防止システムでは、複数の電力会社の電力系統を連系した広域連系系統を扱うことが多い。このようなオンライン事前演算型の事故波及防止システムにおいても、縮約系統モデルを用いて高速にシミュレーションを行っている。
この場合、縮約系統モデルは、ある一つの系統状態における原系統モデルを用いて、あらかじめオフラインで作成する。そして、オンライン情報を基に時々刻々と変化する実系統の状態に即したモデルに更新する。オンライン情報としては、遮断器の開閉情報を含むスーパービジョン(SV)情報、電圧、電流、電力等の計測情報を含むテレメータ(TM)情報がある。
このようなモデル更新方法の一例を、以下に示す。まず、外部系統の全ての発電機データ、制御系データ、外部系統のオンライン情報の発電機並解列情報(SV情報)を用いて、現時点の発電機並列状態に修正した外部系統モデルを生成する。そして、この外部系統モデルを用いて、短絡容量法や二負荷法などの既存の縮約手法により、等価縮約発電機の定格容量や内部インピーダンス等の発電機定数、制御系定数を算出する。
電気協同研究 第34巻 第5号 「電力系統の安定度」,(社)電気協同研究会,1979年1月25日,p24−25
特開平10−56735号公報
ところで、上記のような縮約系統モデルの作成には、以下のような課題があった。
(1)縮約対象系統内の最大発電ユニットで代表させた場合
この場合、同種の制御系が多い場合や、最大発電ユニットの定格容量が縮約対象系統の総発電機容量に対する比率が大きければ問題ない。しかし、同種の制御系が少ない場合や、発電機の運転台数が変わると、最大発電ユニットの総発電機容量に対する比率が小さくなり、対象系統において支配的ではなくなる。このため、最大発電ユニットを代表させても、原系統モデルに対する縮約系統モデルの精度が低下する可能性がある。
(2)等価縮約発電機の制御系ブロックのゲインと時定数を、縮約対象系統内の発電機の対数加重平均値とする場合
この場合、事故現象が軽微な小外乱で、制御系の動作が線形範囲であるときには問題ない。しかし、大外乱で制御系の非線形要素の影響が大きくなる場合には、縮約系統モデルの精度が低下する可能性がある。
(3)オンライン事前演算型事故波及防止システムにおいて、制御系定数を更新する場合
この場合は、外部系統の全ての発電機データと制御系データ、外部系統のオンライン情報として、外部系統の全ての発電機のSV情報等を用いる必要がある。
このため、外部系統の規模が大きい場合には、非常に多くの設備データとオンライン情報が必要となる。たとえば、縮約対象系統の発電機が100機であれば、100機分の発電機データと制御系データ、そして、100量のSV情報が必要になる。
また、外部系統のSV情報、TM情報等のオンライン情報は、事故波及防止システムの保護対象外であるため、全ての情報が得られるとは限らず、情報が限定されることが多い。その場合、実際の電力系統の需要が時々刻々と変化し、それに応じて発電機の出力や運転台数が変化しているにもかかわらず、等価縮約発電機の制御系定数や発電機定数の更新を行うことができない。
このように、限定された情報に基づいて、変化する実系統に適合した縮約系統モデルを作成するためには、変化があっても最適な結果が得られるロバスト性が高いAVR、PSS、GOV等の制御系を用いる必要がある。
本発明の実施形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、発電機の運転台数が変化した場合、大外乱で等価縮約発電機の制御系動作が非線形範囲となる場合、外部系統のオンライン情報が限定される場合でも、ロバスト性や精度が高い縮約系統モデルを作成できる電力系統の縮約モデル作成装置、作成方法及び作成プログラムを提供することにある。
上記のような目的を達成するための実施形態は、以下の構成を有する。
(1) 電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成部
(2) 前記縮約系統モデルの制御系定数を調整する制御系定数チューニング部
さらに、前記制御系定数チューニング部は、以下の構成を有する。
(a)複数の潮流断面データを設定する潮流断面データ設定部と、
(b)複数の想定事故ケースを設定する想定事故ケース設定部と、
(c)前記潮流断面データ及び想定事故ケースに基づいて、原系統モデルの安定限界潮流を算出する原系統安定限界潮流算出部
(d)前記潮流断面、前記想定事故ケース及び前記制御系定数に基づいて、縮約系統モデルの安定限界潮流を算出する縮約系統安定限界潮流算出部
(e)前記縮約系統モデルの安定限界潮流と前記原系統モデルの安定限界潮流との差分を算出する差分演算部
(f)前記差分に基づいて、前記縮約系統モデルの安定限界潮流が、前記原系統モデルの安定限界潮流以下となる制御系定数を推定する定数推定部
(g)前記定数推定部が推定した制御系定数を出力する定数出力部
(h)前記縮約系統安定限界潮流算出部は、複数の制御系定数を含む定数パターンを用いて、安定限界潮流を算出するように設定され、前記定数推定部は、前記差分が全て負値となる定数パターンを選択する負値パターン選択部と、前記差分の最小値の絶対値が最も小さい定数パターンを選択する最小パターン選択部と、を有する
なお、本形態は、上記の各部の機能をコンピュータ又は電子回路により実現する方法、上記の各部の機能をコンピュータに実行させるプログラムとして捉えることもできる。
第1の実施形態の構成を示すブロック図 図1の定数推定部を示すブロック図 図1の定数出力部を示すブロック図 図1の実施形態の処理の流れを示すフローチャート 発電機出力有効分Pを入力としたPSSの伝達関数モデル(制御ブロック)の一例を示す図 ΔPuの算出結果の一例を表す図 PSSゲインとΔPuの関係の一例を示す図 複数のGpss’の中から調整値を決定する一例を示す図 第3の実施形態の定数推定部を示すブロック図 複数のPSS定数パターンから調整値を決定する一例を示す図 第4の実施形態の定数出力部を示すブロック図
[第1の実施形態]
[全体構成]
本実施形態の構成を、図1〜図3を参照して説明する。本実施形態の縮約モデル作成装置1は、縮約モデル作成部11、制御系定数チューニング部12を有する。また、縮約モデル作成装置1は、原系統モデル記憶部21、縮約系統モデル記憶部22、潮流断面データ記憶部23、事故データ記憶部24、設定記憶部25を有する。さらに、縮約モデル作成装置1は、入力部30、出力部40を有する。
縮約モデル作成部11は、原系統モデルを縮約した縮約系統モデルを作成する処理部である。原系統モデルは、縮約対象となる電力系統をモデル化した情報である。原系統モデルは、たとえば、電力系統内の発電機、母線、送電線、負荷、変圧器、制御系の情報及びこれらの接続状態を示す情報によって構成される。
縮約系統モデルは、コヒーレンスのある発電機グループを一つにまとめて、これと関連する母線、送電線、負荷、変圧器、制御系もそれぞれ一つにまとめたモデルである。コヒーレンスは、系統縮約領域を決定する際の基本的な考え方であり、外乱に対して、発電機の有効・無効電力や内部相差角の動揺に類似性がある発電機群からなる部分系統を、コヒーレンスのある縮約可能な領域という。この縮約モデル作成部11による縮約の手法は、短絡容量法、短絡電流法、二負荷法等の既知の手法を適用可能である。
発電機を縮約した等価縮約発電機の制御系は、たとえば、縮約対象系統内の最大発電ユニットの制御系及びその定数(制御系定数)で代表させることができる。この定数としては、PSS、AVR、GOVのゲイン及び時定数が含まれる。また、縮約対象系統内に同種の制御系が複数ある場合には、それらの発電機定格容量を加算して1台の発電機とみなして、制御系及びその定数を選定してもよい。
さらに、縮約対象系統の各発電機の制御系ブロックの構成が同一である場合若しくは同一とみなせる場合には、制御系ブロックのゲインの加重平均値、時定数の対数加重平均値を算出し、それを等価縮約発電機の制御系定数としてもよい。
制御系定数チューニング部12は、縮約系統モデルの精度が向上するように、縮約モデル作成部11が作成した等価縮約発電機の制御系定数を、後述する各部の処理により調整する処理部である。
原系統モデル記憶部21は、縮約モデル作成部11が縮約対象とする原系統モデルを記憶する処理部である。縮約系統モデル記憶部22は、縮約モデル作成部11が作成した縮約系統モデルを記憶する処理部である。
潮流断面データ記憶部23は、電力系統の潮流断面データを記憶する処理部である。潮流断面データは、電力系統のある時点における無効電力と有効電力の潮流分布を示す潮流断面を求めるための情報である。具体的には、単位時間ごとの電力量及び負荷量を含む。各潮流断面データには、あらかじめ設定順序が設定されている。
事故データ記憶部24は、電力系統における事故データを記憶する処理部である。事故データとは、当該系統において想定しうる事故の情報であり、事故点、事故様相を含む。たとえば、事故点とは、何送電線における事故といった情報であり、事故様相とは、何回線何相地絡といった情報である。各事故データには、あらかじめ設定順序が設定されている。
設定記憶部25は、縮約モデル作成装置1の処理に必要な各種の情報を記憶する処理部である。この設定記憶部に記憶される情報には、各部の処理のための演算式、パラメータ、基準値(しきい値を含む)も含まれている。たとえば、後述する安定度計算における発電調整量、負荷調整量等の潮流調整データ、定数を変える際の増分若しくは減分等の変化量、変更後の定数の上下限等の定数調整データも、設定記憶部25が記憶している。
入力部30は、縮約モデル作成装置1に必要な情報の入力、処理の選択や指示等を行う処理部である。上記の各記憶部に記憶される情報は、入力部30を介して、外部から入力された情報とすることができる。この入力部30としては、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル(表示装置に構成されたものを含む)等が含まれる。また、入力部30には、通信ネットワークからの情報を受け付けて、縮約モデル作成装置1に入力するインタフェースも含まれる。
出力部40は、原系統モデル、縮約系統モデル、潮流断面、想定事故ケース、安定限界潮流、差分、定数等、縮約モデル作成装置1の処理対象となる情報、演算結果等を、運用者等のユーザが認識可能となるように出力する処理部である。この出力部40としては、たとえば、表示装置、プリンタ等を含む。
[制御系定数チューニング部]
制御系定数チューニング部12は、潮流断面データ設定部121、想定事故ケース設定部122、原系統安定限界潮流算出部123、縮約系統安定限界潮流算出部124、差分演算部125、定数推定部126、定数出力部127を有している。
潮流断面データ設定部121は、潮流断面データ記憶部23に記憶された潮流断面データに基づいて、あらかじめ設定された順序に従って、原系統モデル及び縮約系統モデルにおける潮流断面データを設定する処理部である。
想定事故ケース設定部122は、事故データ記憶部24に記憶された事故データに基づいて、あらかじめ設定された順序に従って、原系統モデル及び縮約系統モデルにおいて想定される事故である想定事故ケースを設定する処理部である。
原系統安定限界潮流算出部123は、原系統モデルの安定限界潮流を算出する処理部である。この算出は、原系統モデルに設定された潮流断面及び想定事故ケースで、原系統モデルの潮流計算と安定度計算を繰り返し実行することにより行われる。
つまり、原系統安定限界潮流算出部123は、原系統モデルの発電機、母線、送電線、負荷、変圧器等の接続関係、潮流断面データからの発電量、負荷量に基づき、24時間のある時点の潮流断面を求める潮流計算を行う。
さらに、原系統安定限界潮流算出部123は、想定事故ケースの事故が発生した場合に、当該潮流断面における発電機の応動を算出する安定度計算を行う。この安定度計算は、たとえば、当該潮流断面において、発電機が脱調しない限界点を求めることができる。なお、潮流計算及び安定度計算の手法は既知である。
縮約系統安定限界潮流算出部124は、縮約系統モデルの安定限界潮流を算出する処理部である。この算出は、縮約系統モデルに設定された潮流断面及び想定事故ケース、且つ等価縮約発電機の制御系の定数をパラメータにして、縮約系統モデルの潮流計算と安定度計算を繰り返し実行することにより行われる。潮流計算及び安定度計算の手法は、上記と同様である。
差分演算部125は、原系統安定限界潮流算出部123が算出した原系統モデルの安定限界潮流と、縮約系統安定限界潮流算出部124が算出した縮約系統モデルの安定限界潮流との差分を演算する処理部である。
定数推定部126は、原系統モデルと縮約系統モデルの安定限界潮流の差分と、縮約系統モデルの制御系の定数とを関連付けて、縮約系統モデルの安定限界潮流が、原系統モデルの安定限界潮流以下となる定数を推定する処理部である。
この定数推定部126は、図2に示すように、関数生成部126a、定数演算部126bを有する。関数生成部126aは、差分と定数との関係を表す線形関数を生成する処理部である。この線形関数は、たとえば、後述するように、2点間の線形補間式である。定数演算部126bは、関数生成部126aが生成した線形関数に基づいて、差分が零となる定数を求める処理部である。
定数出力部127は、調整結果の定数を出力する処理部である。この定数出力部127は、図3に示すように、最小値選択部127aを有している。最小値選択部127aは、定数演算部126bが求めた各潮流断面の想定事故ケース毎の定数の中で、最小値を選択する処理部である。
なお、上記の縮約モデル作成装置1は、CPUを含むコンピュータを所定のプログラムで制御することによって実現できる。上記のプログラムは、ハードウェアを物理的に活用することで、各部の処理を実現するものである。このため、上記の装置構成はあくまでも例示であり、システムを構成するハードウェアが、各部のいずれの機能を担うかについて、特定の態様には限定されない。
さらに、各部の処理を実行する装置、方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体も、実施形態の一態様である。ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかも、特定の態様には限定されない。たとえば、各部のいずれかを、それぞれの処理を実現する回路として構成することも可能である。
[作用]
以上のような本実施形態の作用を、図4のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明は、調整結果としてPSS定数を求める場合の一例である。PSSは、発電機のAVRへの補助入力として、発電機間の動揺を減衰させる制御系である。
まず、潮流断面データ設定部121は、設定された順序に従って、潮流断面データ記憶部23に記憶された潮流断面データを取り出し、原系統モデル及び縮約系統モデルの潮流断面を設定する(ステップS10)。
また、想定事故ケース設定部122は、あらかじめ設定された順序に従って、事故データ記憶部24に記憶された事故データを取り出し、原系統モデル及び縮約系統モデルでシミュレーションする想定事故ケースを設定する(ステップS11)。
ここで、想定される全ての事故様相を対象にすると、膨大なケースの安定度計算を実行することになり効率が悪い。このため、過渡安定度的に最も厳しい事故様相のみで制御系定数の調整を行い、安定度計算の実行回数を少なくすることも可能である。
なお、事故様相の厳しさとは、電力系統に及ぼす影響の大きさである。たとえば、3φ4LGは、2φ3LGより厳しく、3φ4LGが生じた場合、電力系統により大きな影響を与える。
そして、原系統安定限界潮流算出部123は、原系統モデルを用いて、潮流計算と安定度計算を繰り返し実行し、想定事故ケースの過渡安定度が維持される限界点の系統状態を求める(ステップS12)。ここで、過渡安定度が維持される限界点とは、発電機が脱調しない点である。また、系統状態とは潮流断面である。
安定度計算の結果が不安定であり、発電機が脱調する場合には、設定された潮流調整データにおける発電調整量、負荷調整量に基づいて、事故点の潮流が減少するように発電量と負荷量を調整する。
安定度計算の結果が安定であり、発電機が脱調しない場合には、設定された潮流調整データにおける発電調整量、負荷調整量に基づいて、事故点の潮流が増加するように発電量と負荷量を調整する。
そして、調整後の原系統モデルで、再度、潮流計算と安定度計算を実行する。これを繰り返すことで過渡安定度が維持される限界点の系統状態である潮流断面を求める。このときの事故点における事故が起きる前の状態の潮流を、事前潮流と呼ぶ。この事前潮流が安定限界潮流Puである。
なお、原系統安定限界潮流算出部123は、限界点を、脱調の有無ではなく、発電機内部相差角の動揺状態に基づいて算出してもよい。たとえば、事故により発電機内部相差角が動揺する場合、その振幅の減衰率を算出して、減衰率が増加傾向のときは、動揺が振動発散に向かっているため、不安定であると判定できる。
一方、減衰率が減少傾向のときには、動揺が収束に向かっているため、安定であると判定できる。原系統安定限界潮流算出部123は、この安定と不安定の境界を、しきい値等に基づいて限界点として算出する。この場合、限界点の前の状態の潮流が事前潮流、つまり安定限界潮流Puとなる。
一方、縮約系統安定限界潮流算出部124は、原系統モデルと同様の手法で、縮約系統モデルの安定限界潮流Pu’を算出する(ステップS13)。発電機内部相差角の動揺状態に基づいて、限界点を算出する場合も同様である。ただし、縮約系統安定限界潮流算出部124は、等価縮約発電機の制御系の定数をパラメータに安定限界潮流Pu’を算出する。
たとえば、縮約系統安定限界潮流算出部124は、等価縮約発電機のPSSゲインをパラメータにして、安定限界潮流Pu’の算出を行う。ここで、発電機出力有効分Pを入力としたPSSの伝達関数モデルである制御ブロックの一例を、図5に示す。
検出器C1は、発電機の有効電力を入力として、有効電力を計測するための時間遅れを模擬する。シグナルリセット回路C2は、直流成分を除去し、入力信号の変動分を出力するハイパスフィルタである。位相補償C3、C4は、時定数T1〜T4を用いて、入力信号の周波数領域ごとに位相を補償する。PSSゲインC5は、出力の強さを調整する値である。C6は、リミッタである。
安定限界潮流Pu’の算出は、設定されたPSSの定数調整データに基づいて、PSSゲインGpssを変更して行う。まず、PSSゲインGpssは変更せずに、縮約系統モデルにおける安定限界潮流Pu’を算出する。
次に、PSSゲインGpssを、PSSの定数調整データ分増加(Gpss+ΔGpss)させて、PSS定数を変更した縮約系統モデルで、安定限界潮流Pu’を算出する。PSSゲインGpssを、PSSの定数調整データ(ΔGpss)刻みで増加させて行き、刻み毎に安定限界潮流Pu’を算出する。
変更したPSSゲインGpssが、設定された調整の上限値に達したら、PSSゲインGpssをPSSの定数調整データ分減少(Gpss−ΔGpss)させ、PSS定数を変更した縮約系統モデルで安定限界潮流Pu’を算出する。PSSゲインGpssを、PSSの定数調整データ(ΔGpss)刻みで減少させていき、刻み毎に安定限界潮流Pu’を算出する。変更したPSSゲインGpssが、設定された調整の下限値に達したら、安定限界潮流Pu’の算出を終了する。
以上のように、定数が上下限に達するまで、原系統モデルの安定限界潮流Puと縮約系統モデルの安定限界潮流Pu’の算出を行う(ステップS14のNO、ステップS13)。
定数が上下限に達して、安定限界潮流Pu、Pu’の算出が完了したら(ステップS14のYES)、差分演算部125は、原系統モデルと縮約系統モデルの安定限界潮流の差分ΔPu(=Pu’−Pu)を算出する(ステップS15)。
定数推定部126は、差分ΔPuとPSS定数とを関連付けて、縮約系統モデルの安定限界潮流が、原系統モデルの安定限界潮流以下となる定数を推定する。この推定処理を、以下に説明する。
まず、差分ΔPuが負値の場合、安定限界潮流が示す安定限界点について、原系統モデルよりも縮約系統モデルの方が低いと判断できる。差分ΔPuが正値の場合、安定限界点が、原系統モデルよりも、縮約系統モデルの方が高いと判断できる。
このような差分ΔPuの算出結果の一例を、図6に示す。差分ΔPuが正値で縮約系統モデルの方が安定限界点が高い場合、原系統モデルでは「不安定」になるはずの事故ケースでありながら、縮約系統モデルでは「安定」と見誤る可能性がある。このため、縮約系統モデルの安定限界点は、原系統モデルと同じか、若干、低い状態にする必要がある。
ここで、定数推定部126の関数生成部126aは、ΔPuとPSSゲインの関連付けを行い、ΔPuとPSSゲインの関係を表す線形補間式を生成する(ステップS16)。そして、定数演算部126bは、関数生成部126aが生成した線形補間式を用いて、ΔPuが零となるPSSゲインを求める(ステップS17)。
図6のΔPu算出結果について、ΔPuとPSSゲインを関連付けした結果をグラフ化した例を、図7に示す。図7は、図6の差分ΔPuを縦軸(x軸)、PSSゲインGpssを横軸(y軸)にして、昇順に並び換えたときの差分ΔPuとPSSゲインGpssの関係を◆で示したものである。
この例は、(x0,y0)=(1.05,−30)、(x1,y1)=(1.1,5)の2点間の線形補間である。つまり、ΔPuが零(x,y)=(Gpss’,0)となる値を、線形補間式(y−y0)/(y1−y0)=(x−x0)/(x1−x0)により求める。
これは、以下の式(1)のようになる。
Gpss’=(0.05/35)*30+1.05=1.093 …(1)
これにより、差分ΔPuが零、つまり原系統モデルと縮約系統モデルの安定限界点が一致するPSSゲインGpss’を推定できる。求めた(x,y)=(Gpss’,0)の位置を、図7では○で示す。
次に、設定された想定事故ケースがまだ存在する場合(ステップS18のNO)、上記のステップS11〜ステップS17の処理を行い、想定事故ケース毎に、差分ΔPuが零となるPSSゲインGpss’を算出する。当該潮流断面について、全ての想定事故ケースのPSSゲインGpss’の算出が終了した場合(ステップS18のYES)、さらに他の潮流断面がある場合(ステップS19のNO)、これを設定する(ステップS10)。
そして、全ての潮流断面についてPSSゲインGpss’の算出が終了するまで、上記のステップS10〜ステップS19の処理を行う。以上のように、全ての潮流断面について、想定事故ケース毎にΔPuが零となるPSSゲインGpss’を算出する(ステップS19のYES)。
そして、定数出力部127は、算出されたPSSゲインGpss’を出力する(ステップS20)。ただし、定数出力部127の最小値選択部127aは、出力するPSSゲインGpss’として、算出された全てのPSSゲインGpss’の中から、最小値を選択する。
簡略化のため、A潮流断面のA送電線事故の場合、B潮流断面のB送電線事故の場合、C潮流断面のC送電線事故の場合の、ΔPuとPSSゲインを関連付けした結果をグラフ化した例を、図8に示す。図8は、差分ΔPuを縦軸(x軸)、PSSゲインGpssを横軸(y軸)にして、昇順に並び換えたときの差分ΔPuとPSSゲインGpssの関係を■、◆、▲で示したものである。
求められた3つのPSSゲインGpss’を、図8では○で示す。これらの3つのPSSゲインGpss’から決定する場合、B断面のB送電線のGpss’=1.075が、最小値といえる。このため、最小値選択部127aは、このGpss’を選択する。
[効果]
以上のような本実施形態によれば、複数の潮流断面と想定事故ケースに基づいて、調整した定数が得られる。このため、発電機の運転台数が変わる等、変化する実系統に適合した最適な結果が得られるロバスト性及び精度の高い縮約系統モデルを作成できる。
また、過渡安定度の安定限界を定量的に示す指標である安定限界潮流を用いて、原系統モデルと縮約系統モデルの安定限界潮流の差分が小さくなるように、定数を調整することができる。このため、大外乱により制御系の非線形要素の影響が大きくなる事故ケースであっても、対応可能な定数を設定できる。
また、原系統モデルと縮約系統モデルの安定限界潮流の差分と定数の関係を表す線形関数から、差分が零になる定数を推定できる。このため、安定限界潮流を算出するための安定度計算の実行回数を減らすことができ、効率的且つ高速に調整結果を得られる。
また、外部系統のオンライン情報が制限される場合でも、ロバスト性が高い定数を得ることができるので、制御系の定数を更新するために外部系統のオンライン情報や発電機データ、制御系データを得ることが不要になる。
さらに、脱調の有無ではなく、発電機内部相差角の動揺状態に基づいて安定限界潮流を算出する場合には、脱調に至る前の発電機の動揺状態を限界点とするため、より確実に脱調を防止できる定数を得ることができる。
[第2の実施形態]
本実施形態は、基本的には、上記の第1の実施形態と同様の構成である。ただし、本実施形態において調整対象となる定数は、PSS定数のゲインと時定数である。以下、第1の実施形態と異なる処理(図4のステップS13に相当)についてのみ説明する。
すなわち、縮約系統安定限界潮流算出部124は、PSS定数のゲインと時定数をパラメータにして、縮約系統モデルの安定限界潮流Pu’を算出する。たとえば、図5で例示したP型PSSの伝達関数モデルの場合を説明する。この場合には、PSSゲインGpssと位相補償時定数T1、T2、T3、T4を、予め設定したPSS定数調整データを基に変更したときの安定限界潮流Pu’を算出する。
まず、縮約系統安定限界潮流算出部124は、各定数を変更せずに安定限界潮流Pu’を算出する。次に、各定数をPSSの定数調整データ分増加(Gpss+ΔGpss、T1+ΔT1、T2+ΔT2、T3+ΔT3、T4+ΔT4)させて、PSS定数を変更した縮約系統モデルで安定限界潮流Pu’を算出する。
各定数はPSSの定数調整データ(ΔGpss、ΔT1、ΔT2、ΔT3、ΔT4)刻みで増加させて行き、刻み毎に安定限界潮流Pu’を算出する。変更した定数が、あらかじめ設定された上限値に達したら、各定数をPSSの定数調整データ分減少(Gpss−ΔGpss、T1−ΔT1、T2−ΔT2、T3−ΔT3、T4−ΔT4)させて行き、刻み毎に安定限界潮流Pu’を算出する。
変更したPSSゲイン及び時定数が下限値に達したら、安定限界潮流Pu’の算出を終了する。なお、この例では、全ての定数を変更した場合を示しているが、一部の定数を変更するものとしてもよい。
その後は、第1の実施形態と同様に、安定限界潮流の差分が零になる定数の組み合わせであって、PSSゲインGpss’が最小値となるものが出力される。
以上のような本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、PSSのゲインとともに時定数も調整するので、縮約系統モデルによるシミュレーションの精度がより向上する。
[第3の実施形態]
[構成]
本実施形態は、基本的には、上記の第1の実施形態と同様の構成である。ただし、本実施形態においては、設定記憶部25に、あらかじめ複数のPSSの定数パターンが設定されている。そして、縮約系統安定限界潮流算出部124は、等価縮約発電機のPSS定数を各定数パターンに置き換えたときの縮約系統モデルの安定限界潮流Pu’を算出する。
また、図9に示すように、定数推定部126は、負値パターン選択部126c、最小パターン選択部126dを有する。負値パターン選択部126cは、差分ΔPuが全て負値となる定数パターンを選択する処理部である。最小パターン選択部126dは、各差分ΔPuの最小値の絶対値が最も小さい定数パターンを選択する処理部である。
[作用]
以上のような本実施形態の作用を説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の作用については、説明を省略する。
すなわち、縮約系統安定限界潮流算出部124は、複数のPSS定数パターンを用いて、等価縮約発電機のPSS定数を各定数パターンに置き換えたときの縮約系統モデルの安定限界潮流Pu’を算出する。
差分演算部125は、原系統モデルと縮約系統モデルの安定限界潮流の差分ΔPuの算出を行う。この差分ΔPuの算出は、第1の実施形態と同様に、あらかじめ設定した全ての潮流断面と想定事故ケースについて行う。
このように、全ての潮流断面と想定事故ケースでΔPuの算出が完了したら、負値パターン選択部126cは、差分ΔPuを定数パターン毎にまとめて、差分ΔPuが全て負値となる負値パターンを選択する。図10に、4つの定数パターン1〜4から決定する一例を示す。この4つの定数パターン1〜4のうち、負値パターンは、図中、黒矢印で示した定数パターン1、2、4である。
さらに、最小パターン選択部126dは、負値パターン選択部126cが選択した負値パターンにおけるぞれぞれの差分ΔPuの最小値を比較し、絶対値が最も小さい差分ΔPuを含む負値パターンを選択する。図10の例では、図中、白矢印で示した定数パターン2に対応する負値パターンが選択される。
定数出力部127は、最小パターン選択部126dが選択した負値パターンに対応する定数パターンを、PSS定数の調整結果として出力する。図10では定数パターン2が、選択された負値パターンに対応するので、定数パターン2をPSS定数の調整結果として出力する。
[効果]
本実施例によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、原系統モデルよりも、縮約系統モデルの方が安定限界点が低くなる定数パターンを必ず選択できる。
[第4の実施形態]
[構成]
本実施形態は、基本的には上記の第1の実施形態と同様の構成である。ただし、本実施形態は、図11に示すように、定数出力部127が、最小値選択部127aに加えて、確認部127bを有している。この確認部127bは、定数推定部126により推定された定数に基づいて、全ての潮流断面と想定事故ケースでの縮約系統モデルの安定限界潮流の算出を指示する処理部である。そして、確認部127bは、原系統モデルとの安定限界潮流の差分が零以下になることを確認する。
[作用]
本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、確認部127bは、最小値選択部127aにより選択された調整値に基づいて、縮約系統安定限界潮流算出部124に安定限界潮流Pu’の算出を指示する。縮約系統安定限界潮流算出部124は、再度、全ての潮流断面と想定事故ケースで、安定限界潮流Pu’を算出する。
そして、差分演算部125は、安定限界潮流Pu’と原系統モデルの安定限界潮流と比較し、差分ΔPuを求める。確認部127bは、この差分ΔPuが零以下になっているか否かを確認する。
[効果]
以上のような本実施例によれば、線形関数で推定した定数を用いても、縮約系統モデルの安定限界点が原系統モデルと同じか、低いことを確認できる。このため、演算結果が適用可能か否かを判断できるので、処理結果の信頼性が向上する。
[他の実施形態]
(1)上記の各実施形態の組み合わせは自由である。たとえば、上記の第2の実施形態と第3の実施形態との組み合わせ、第2の実施形態と第4の実施形態の組み合わせ、第3の実施形態と第4の実施形態の組み合わせも構成可能である。
(2)本実施形態による調整対象は、上記の実施形態で例示したPSS定数には限定されない。たとえば、AVR、GOVの定数についても、調整対象とすることができる。
(3)上記の各部について、共通のハードウェアにおいて実現してもよいし、通信ネットワークで接続された複数のハードウェアによって実現してもよい。たとえば、縮約モデル作成部と制御系定数チューニング部を別のコンピュータにより構成してもよいし、上記の各種の記憶部のいずれかを、独立したサーバにより構成してもよい。
(4)上記の各種の記憶部は、典型的には、内蔵された若しくは外部接続された各種メモリ、ハードディスク、光ディスク等により構成できる。ただし、記憶部としては、現在又は将来において利用可能なあらゆる記憶媒体を利用可能である。演算に用いるレジスタ等も、記憶部として捉えることができる。すでに情報が記憶された記憶媒体を、読み取り装置に装着することにより、演算に利用可能となる態様でもよい。記憶の態様も、長時間記憶が保持される態様のみならず、処理のために一時的に記憶され、短時間で消去若しくは更新される態様も含まれる。
(5)実施形態に用いられる情報の具体的な内容、値は自由であり、特定の内容、数値には限定されない。実施形態において、値に対する大小判断、一致不一致の判断等において、以上、以下として値を含めるように判断するか、より大きい(超える)、より小さい(超えない)として値を含めないように判断するかも自由である。
(6)縮約モデルの作成、潮流計算、安定度計算等のための演算の手法も特定のものには限定されず、現在又は将来において適用可能なあらゆる手法が含まれる。
(7)本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…縮約モデル作成装置
11…縮約モデル作成部
12…制御系定数チューニング部
21…原系統モデル記憶部
22…縮約系統モデル記憶部
23…潮流断面データ記憶部
24…事故データ記憶部
25…設定記憶部
30…入力部
40…出力部
121…潮流断面データ設定部
122…想定事故ケース設定部
123…原系統安定限界潮流算出部
124…縮約系等安定限界潮流算出部
125…差分演算部
126…定数推定部
126a…関数生成部
126b…定数演算部
126c…負値パターン選択部
126d…最小パターン選択部
127…定数出力部
127a…最小値選択部
127b…確認部

Claims (5)

  1. 電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成部と、
    前記縮約系統モデルの制御系定数を調整する制御系定数チューニング部と、
    を有し、
    前記制御系定数チューニング部は、
    複数の潮流断面データを設定する潮流断面データ設定部と、
    複数の想定事故ケースを設定する想定事故ケース設定部と、
    前記潮流断面データ及び想定事故ケースに基づいて、原系統モデルの安定限界潮流を算出する原系統安定限界潮流算出部と、
    前記潮流断面データ、前記想定事故ケース及び前記制御系定数に基づいて、縮約系統モデルの安定限界潮流を算出する縮約系統安定限界潮流算出部と、
    前記縮約系統モデルの安定限界潮流と前記原系統モデルの安定限界潮流との差分を算出する差分演算部と、
    前記差分に基づいて、前記縮約系統モデルの安定限界潮流が、前記原系統モデルの安定限界潮流以下となる制御系定数を推定する定数推定部と、
    前記定数推定部が推定した制御系定数を出力する定数出力部と、
    を有し、
    前記縮約系統安定限界潮流算出部は、複数の制御系定数を含む定数パターンを用いて、安定限界潮流を算出するように設定され、
    前記定数推定部は、
    前記差分が全て負値となる定数パターンを選択する負値パターン選択部と、
    前記差分の最小値の絶対値が最も小さい定数パターンを選択する最小パターン選択部と、
    を有することを特徴とする電力系統の縮約モデル作成装置。
  2. 前記制御系定数には、ゲインと時定数が含まれることを特徴とする請求項1記載の電力系統の縮約モデル作成装置。
  3. 電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成部と、
    前記縮約系統モデルの制御系定数を調整する制御系定数チューニング部と、
    を有し、
    前記制御系定数チューニング部は、
    複数の潮流断面データを設定する潮流断面データ設定部と、
    複数の想定事故ケースを設定する想定事故ケース設定部と、
    前記潮流断面データ及び想定事故ケースに基づいて、原系統モデルの安定限界潮流を算出する原系統安定限界潮流算出部と、
    前記潮流断面データ、前記想定事故ケース及び前記制御系定数に基づいて、縮約系統モデルの安定限界潮流を算出する縮約系統安定限界潮流算出部と、
    前記縮約系統モデルの安定限界潮流と前記原系統モデルの安定限界潮流との差分を算出する差分演算部と、
    前記差分に基づいて、前記縮約系統モデルの安定限界潮流が、前記原系統モデルの安定限界潮流以下となる制御系定数を推定する定数推定部と、
    前記定数推定部が推定した制御系定数を出力する定数出力部と、
    を有し、
    前記制御系定数には、ゲインと時定数が含まれることを特徴とする電力系統の縮約モデル作成装置。
  4. 前記想定事故ケース設定部が設定する想定事故ケースは、過渡安定度が最も厳しい事故
    様相に対応する事故シーケンスであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記
    載の電力系統の縮約モデル作成装置。
  5. 前記定数出力部は、
    前記定数推定部により推定された制御系定数に基づいて、再度、縮約系等安定限界潮流
    算出部に、全ての潮流断面データと想定事故ケースで縮約系統モデルの安定限界潮流を算
    出させ、原系統モデルとの安定限界潮流の差分が零以下になることを確認する確認部を有
    することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電力系統の縮約モデル作成装
    置。
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