JP6305256B2 - 電力系統安定化システムおよび電力系統安定化方法 - Google Patents

電力系統安定化システムおよび電力系統安定化方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統に故障が発生すると、故障の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することで電力系統を安定化させる電力系統安定化システムおよび電力系統安定化方法に関する。
電力系統で何らかの故障(例えば、地絡故障や短絡故障)が発生した場合に、電力系統内に生じる動揺を抑制するための電力系統安定化技術が知られている。特に、主要な発電所、変電所、開閉所およびこれらを連絡する送電線などから構成される基幹系統(典型的には、電圧階級132kV以上)での故障に対して、電力系統安定化制御(以下、単に「安定化制御」または「電制」とも称する。)は重要である。
このような安定化制御に関して、以下のような先行技術が知られている。例えば、特許文献1は、複数の発電所からなる広域的な電源系統に対して、発散傾向にある発電所群の全運転発電機を、1台の等価な発電機モデルに集約して過渡安定度維持に必要な安定化制御量をオンライン的に算出する広域電源系統安定化制御方式を開示する。また、引用文献2は、故障の場所を検出して基幹系故障と判断された場合には、故障後の運動エネルギーと予め設定した整定値との比較により基幹系故障の安定化制御量を決定する手法を開示する。
引用文献1および2に開示される手法は、いずれもいわゆる事前演算方式に分類されるものであり、想定される複数の故障の各々について故障様相およびその時の系統状態をシミュレーションし、対応する安定化制御量が予め演算および整定される。
これに対して、引用文献3および4は、事前演算方式および事後演算方式を組み合わせた手法を開示する。事後演算方式は、故障発生中および故障除去後の情報に基づいて、実時間で安定化制御量を演算する手法である。具体的には、引用文献3は、過酷事故に対しては事前に決定した制御量テーブルで制御を行ない、事後のオンライン情報を基にした制御と組み合わせる手法を開示する。また、引用文献4は、事前シミュレーションに基づく制御を行ない。制御量が不足している場合には事後演算方式による補正制御を後追いで行なう手法を開示する。
特開平03−245737号公報(「発明の効果」の欄参照) 特開平10−028326号公報(「課題を解決するための手段」の欄参照) 特開2002−034156号公報(段落[0006],[0016],[0021],[0022]など参照) 特開2011−024374号公報(段落[0008],[0017]など参照)
複数の電力系統が連系している構成において、基幹系統に故障が発生した場合などには、当該故障の発生位置の近傍にある、隣接する電力系統(すなわち、システムの保護対象外である電力系統)にある発電機の影響をも受け得る。上述した先行技術文献に示される手法では、事前演算および事後演算において、このような制御対象の電力系統以外の電力系統からの影響を考慮したものではなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数の電力系統が連系している構成であっても、より適切な電力系統安定化制御を実現できる電力系統安定化システムおよび電力系統安定化方法を提供することである。
上述した課題を解決するために、本発明のある局面によれば、電力系統に故障が発生すると、故障の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することで電力系統を安定化させる電力系統安定化システムが提供される。電力系統安定化システムは、制御対象の発電機および制御対象外の発電機の状態値を用いて安定度計算を行なうことで、想定される故障の各々についての制御パターンを決定するとともに、各故障において生じる制御対象および制御対象外の発電機の動揺による影響量を示す修正量を算出する事前演算手段と、何らかの故障が発生すると、制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて、電力系統の過渡安定度を判別するためのモデルを生成するとともに、修正量を当該生成したモデルに反映した上で、制御パターンに従って制御を行なう事後演算手段とを含む。
本発明の別の局面によれば、電力系統に故障が発生すると、故障の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することで電力系統を安定化させる電力系統安定化方法が提供される。電力系統安定化方法は、制御対象の発電機および制御対象外の発電機の状態値を用いて安定度計算を行なうことで、想定される故障の各々についての制御パターンを決定するとともに、各故障において生じる制御対象および制御対象外の発電機の動揺による影響量を示す修正量を算出するステップと、何らかの故障が発生すると、制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて、電力系統の過渡安定度を判別するためのモデルを生成するとともに、修正量を当該生成したモデルに反映した上で、制御パターンに従って制御を行なうステップとを含む。
本発明によれば、複数の電力系統が連系している構成であっても、より適切な電力系統安定化制御を実現できる。
本実施の形態に係る電力系統安定化システムを適用可能な広域連系された電力系統の一例を示す模式図である。 本実施の形態に係る電力系統安定化システムの一例を示す模式図である。 本実施の形態に係る電力系統安定化システムに係る機能構成を示す模式図である。 本実施の形態に係る電力系統安定化システムで用いられる電制パターンの一例を示す図である。 本実施の形態に係る電力系統安定化システムで用いられる修正量を算出するための二機系統モデルを示す図である。 故障発生前後の−M1/M2(Pm2−Pe2)の時間的変化を示すシミュレーション結果の一例を示す図である。 本実施の形態に係る推定される電力相差角曲線に対する修正係数k_hoseiの反映を説明するための図である。 本実施の形態に係る推定される角速度偏差Δωおよび位相角偏差Δδに対する修正量の反映を説明するための図である。 本実施の形態に係る系統計算装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本実施の形態に係る系統計算装置で実行される安定化制御に係る処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る系統安定化装置で実行される安定化制御に係る処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る系統安定化装置で実行される安定判別を説明するための図である。 本実施の形態に係る系統安定化装置で実行される安定判別を説明するための図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
[A.広域連系された電力系統]
図1は、本実施の形態に係る電力系統安定化システムを適用可能な広域連系された電力系統の一例を示す模式図である。図1を参照して、広域に亘って電力系統が連系している構成を想定する。図1には、典型例として、3つの電力系統2_1,2_2,2_3が広域連系している構成を示す。電力系統2_1,2_2,2_3は、それぞれ電力供給エリアA,B,Cをカバーする。電力系統2_1と電力系統2_2との間は、基幹系統である送電線3_1で連絡されており、電力系統2_1と電力系統2_3との間は、基幹系統である送電線3_2で連絡されている。
典型例においては、電力系統2_1,2_2,2_3の運営者は互いに独立しており、一部または全部の電力系統の各々に電力系統安定化システムが個別に設けられるとする。以下、電力系統2_1,2_2,2_3の各々を「電力系統2」とも総称する。
[B.電力系統安定化システム]
本実施の形態に係る電力系統安定化システムは、電力系統に故障が発生すると、故障の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することで電力系統を安定化させる。
図2は、本実施の形態に係る電力系統安定化システム300の一例を示す模式図である。図2を参照して、電力系統安定化システム300は、電力系統2に配置され、主として、系統計算装置100および複数の系統安定化装置200から構成される。系統計算装置100および系統安定化装置200をそれぞれ「親局」および「子局」と称すこともある。図2に示す電力系統2では、母線6,8,10に関連付けて系統安定化装置200_1,200_2,200_3(以下、「系統安定化装置200」と総称することもある。)が配置されている。
母線6と母線8との間は、送電線7(一例として、2回線)で連絡されており、母線8と母線10との間は、送電線9(一例として、3回線)で連絡されている。母線10は、他の電力系統2(他の電力供給エリア)と送電線5で連絡されているとする。つまり、送電線5は、図2に示す電力系統2と他の電力系統2を連系するための連絡線に相当する。
母線6には、複数の発電機G1〜G3が接続されており、母線6と発電機G1〜G3との間には、それぞれ変圧器TR1〜TR3および遮断器CB1〜CB3が接続されている。母線8には、変圧器TR4および遮断器CB4を介して発電機G4が接続されている。また、母線8からは、変圧器TR5およびTR6を介して負荷へ電力が供給される。
系統計算装置100は、電力系統内の情報を一定周期毎に収集するとともに、予め想定される故障の各々について、当該収集した情報から定められる系統状態に応じて必要な事前演算情報を予め算出する。事前演算情報は、電力系統内の潮流分布や、各発電機の出力および位相角などに基づいて算出される。事前演算情報の算出には、詳細安定度計算が用いられる。系統計算装置100は、事前に算出した各故障についての安定化制御量などの事前演算情報を系統安定化装置200へ配信するとともに、その内容を一定周期毎に更新する。
系統安定化装置200は、制御対象範囲にある各種センサから電力系統内の情報を収集するとともに、系統計算装置100へ一定周期毎に送信する。また、系統安定化装置200は、制御対象範囲のいずれかの部位において故障が発生すると、予め配信されている当該故障に対応する事前演算情報に応じて安定化制御を実行する。典型的には、予め指定されている発電機に対応する遮断器に遮断指令を与えて、それらの発電機を電力系統から解列したり、送電線に対応する遮断器に遮断指令を与えて故障回線を開放したりする。このように、系統安定化装置200は、電力系統内で何らかの故障が発生すると、過渡安定度を維持するための動作を実行する。
系統安定化装置200_1は、母線6を含む送電用変電所4_1を制御対象としており、電圧値を取り込むためのセンサである変成器VT1から母線6の母線電圧値を収集するとともに、電流値を取り込むためのセンサである変流器CT1,CT2から送電線7の各回線を流れる送電線電流値を収集する。系統安定化装置200_2は、母線8を含む開閉所4_2を制御対象としており、変成器VT2から母線8の母線電圧値を収集し、変流器CT3,CT4から送電線7の各回線を流れる送電線電流値を収集し、変流器CT5,CT6から負荷で供給される負荷電流値を収集し、変流器CT7〜CT9から送電線9の各回線を流れる送電線電流値を収集する。系統安定化装置200_3は、母線10を含む開閉所4_3を制御対象としており、変成器VT3から母線10の母線電圧値を収集し、変流器CT10〜CT12から送電線9の各回線を流れる送電線電流値を収集し、変流器CT13,CT14から送電線5の各回線を流れる送電線電流値を収集する。
系統安定化装置200同士で電力系統内の情報(例えば、遮断器の投入/解列状態、電流値、電圧値、位相差)および事前演算情報を共有するために、隣接する系統安定化装置200との間には通信ケーブル11,12が設けられている。
説明の便宜上、図2には、各種センサからの情報が系統安定化装置200へ直接入力されるとともに、系統安定化装置200から遮断指令が直接出力される構成例を示す。しかしながら、これに限られず、系統安定化装置200に1または複数のリモート装置(端末装置)を設けるとともに、各リモート装置が各種センサからの情報の入力および遮断指令の出力などを担当するようにしてもよい。
[C.電力系統安定化制御]
次に、典型的な電力系統安定化制御の動作について説明する。系統計算装置100は、事前演算によって、予め想定される故障(すなわち、制御対象となる故障)にそれぞれ対応する安定化制御量を定めたテーブルを生成し、系統安定化装置200へ最新の事前演算情報として一定周期毎に配信しておく。なお、系統計算装置100での事前演算情報の算出に係る電力系統内の情報の収集および詳細安定度計算については、任意の公知の方法を採用することができる。
このような事前演算が一定周期毎に実行されている状況において、電力系統内で何らかの故障が発生したとする。例えば、図2に示すように、送電線7の1回線に地絡故障が発生したとする。このような場合、故障点の近傍にある系統安定化装置200_1,200_2は、母線電圧値の低下や零相電圧値の上昇といった計測要素の急変により故障発生を検出し、安定化制御を起動する。系統安定化装置200_1,200_2は、安定化制御を開始すると、送電線の保護リレーからの情報などから故障種別(故障モード)を判断する。系統安定化装置200_1,200_2は、変流器および変成器から収集している電流値および電圧値に基づいて、送電線7および母線6,8を流れる潮流分布を常時監視しており、予め設定されている制御テーブル(潮流値、故障点、故障種別などに対する支援情報を含む)を照合して、等面積法を用いて、故障発生後または故障除去後の電力系統が安定および不安定のいずれであるかを判別する。そして、不安定であると判別された場合には、系統安定化装置200_1,200_2は、安定化制御量を算出して、その算出された安定化制御量に見合った電力を発電している発電機(すなわち、電力系統を不安定化している1または複数の発電機)を特定する。より具体的には、系統安定化装置200_1,200_2は、故障発生時に計測される実計測値(以下、「オンライン情報」とも称す。)に基づいて電力相差角曲線(以下、「P−Δδ曲線」とも称す。)を推定し、その推定した電力相差角曲線と対応する発電機の運動方程式とから安定化制御量を算出する。
さらに、系統安定化装置200_1,200_2は、電力系統を不安定化している発電機に対応する1または複数の遮断器に遮断指令を与えることで、それらの発電機を電力系統から解列して過渡安定度を維持する。
[D.課題]
図2に示すような電力系統安定化システム300では、系統計算装置100に複数の系統安定化装置200が接続されるとともに、系統安定化装置200同士でも電力系統内の情報を共有可能になっている。上述したように、系統安定化装置200は、故障発生時に計測されるオンライン情報に基づいて電力相差角曲線を推定して安定化制御量を算出するが、この安定化制御量の算出に用いられるオンライン情報は、システムの制約上、制御対象の電力系統内のものに限られる。つまり、他の電力系統(または、他の電力系統安定化システムの制御対象範囲)の電力系統内の情報をリアルタイムで収集することは難しい。
一方で、基幹系統に何らかの故障が発生した場合には、連系の構成にもよるが、隣接する電力系統(すなわち、電力系統安定化システムの制御対象ではない電力系統)に存在する発電機にも相当量の動揺が生じ得る。このような他の電力系統での発電機の挙動も反映して安定化制御を実行する必要があるが、オンライン情報を収集できないため、電力相差角曲線を正確に推定することができず、故障発生後の電力系統の安定度判別、および必要な安定化制御量の算出の精度が低下するという課題がある。
[E.概要]
上述のような課題に対して、本実施の形態に係る電力系統安定化システム300は、複数の電力系統が連系している構成において、基幹系故障が発生したような場合に、制御対象の電力系統にある発電機だけではなく、隣接する電力系統にある発電機の動揺を考慮した上で、安定化制御を実行する。より具体的には、以下のような解決手段を採用する。
図3は、本実施の形態に係る電力系統安定化システム300に係る機能構成を示す模式図である。図3を参照して、系統計算装置100は、その機能構成として、詳細安定度計算モジュール150を含む。詳細安定度計算モジュール150は、事前演算手段であって、制御対象の発電機および制御対象外の発電機の状態値を用いて安定度計算を行なうことで、想定される故障の各々についての制御パターン(一例として、電制パターン262)を決定するとともに、各故障において生じる制御対象および制御対象外の発電機の動揺による影響量を示す修正量264を算出する。より具体的には、詳細安定度計算モジュール150は、制御対象の電力系統からの電力系統内情報(各部で計測された電圧値や電流値など)に加えて、他の電力系統からの電力系統内情報を用いて、一定周期毎(例えば、30秒毎)に事前演算(詳細安定度計算)を実行することで、各演算周期での電制パターン262および修正量264を算出する。算出された電制パターン262および修正量264は、演算周期毎に系統安定化装置200へ与えられる。
図4は、本実施の形態に係る電力系統安定化システム300で用いられる電制パターン262の一例を示す図である。図4を参照して、電制パターン262には、事前演算によって決定された、予め想定される各故障についていずれの発電機を遮断すべきかを示すパターンが優先順位付けされて格納されている。このようなデータ構造に限られることはないが、図4に示す例では、故障モード別にテーブルが定義されている。各テーブルにおいて、縦軸方向に制御対象の発電機G1,G2,G3,G4,G5,…が規定されており、横軸方向に優先順位に相当する、第1段,第2段,第3段,第4段,第5段が規定されている。例えば、故障モード1に相当する故障が発生すると、まずは第1段目の発電機遮断パターンが選択され、発電機G1が遮断対象の発電機として決定される。後述するような安定度判別の結果から、さらに段数を進める必要があると判断されると、第2段目、第3段目、…といったように優先順位の低い発電機遮断パターンが選択されることになる。図4から明らかなように、優先順位が低くなるほど、電力系統から解列される発電機の数は増大する。
再度図3を参照して、修正量264は、系統安定化装置200が故障発生時にオンライン情報を取得できない範囲、典型的には、他の電力系統または他の電力系統安定化システムの制御対象範囲にある発電機の挙動を反映するための情報である。修正量264の詳細については、後述する。
系統安定化装置200の各々は、その機能構成として、電力系統内収集モジュール250と、安定化制御モジュール252と、遮断指令出力モジュール254と、データ格納部260とを含む。電力系統内収集モジュール250は、制御対象範囲にある各種センサから電力系統内の情報を収集するとともに、集出した電力系統内情報を、系統計算装置100の詳細安定度計算モジュール150および安定化制御モジュール252へ出力する。
安定化制御モジュール252は、事後演算手段であって、何らかの故障が発生すると、制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて、電力系統の過渡安定度を判別するためのモデルを生成するとともに、修正量を当該生成したモデルに反映した上で、制御パターンに従って制御を行なう。より具体的には、安定化制御モジュール252は、制御対象範囲のいずれかの部位において故障が発生すると、電力系統内収集モジュール250から故障発生時に計測される実計測値(オンライン情報)を収集するとともに、電制パターン262および修正量264を参照して、安定化制御(電制)の要否、および、安定化制御(電制)が必要な場合における遮断対象の発電機を決定する。
遮断指令出力モジュール254は、安定化制御モジュール252がいずれかの発電機を遮断すべきであると決定すると、その決定に応じた遮断指令を生成および出力する。
データ格納部260は、系統計算装置100から一定周期毎に送信される電制パターン262および修正量264を格納する。
このように、本実施の形態に係る電力系統安定化システム300は、基幹系故障に対しては、制御対象とする発生した故障の近傍にある加速側発電機群(不安定な発電機群)だけではなく、隣接する電力系統(すなわち、電力系統安定化システム300の保護対象外の電力系統)にある発電機群からの影響も考慮する。例えば、故障の発生場所が基幹系統であると判断された場合には、系統計算装置100(親局)にて事前に実施した安定度計算の結果に基づいて、その隣接系統の発電機群の影響を電力相差角曲線の推定の際に考慮することで、基幹系故障の場合であっても、より適切に安定化制御を実現する。
[F.修正量の算出(系統計算装置)]
次に、系統計算装置100における修正量264の算出手順などについて説明する。
図5は、本実施の形態に係る電力系統安定化システム300で用いられる修正量を算出するための二機系統モデルを示す図である。図5に示す二機系統モデルは、系統縮約手法を用いて、電力系統で何らかの故障が発生した場合に生じる電力動揺に基づいて、接続されている発電機を加速側発電機と減速側発電機とに区分し、各発電機群を集約してモデル化したものである。系統故障発生時の減速側発電機と加速側発電機との区分方法については、例えば、当該系統の全発電機の慣性中心(位相角中心)に対する比較結果を用いることができる。系統縮約手法の詳細については、特開2010−11620号公報や特開2003−143756号公報なども参照されたい。
図5において、δ1は、加速側発電機群の位相角を集約した加速側発電機位相角を示し、M1は、加速側発電機群の慣性定数を集約した加速側等価発電機慣性定数を示し、Pm1は、加速側発電機群への機械入力の総和である加速側等価発電機機械入力を示し、Pe1は、加速側発電機群からの出力の総和である加速側等価発電機出力を示す。また、δ2は、減速側発電機群の位相角を集約した減速側発電機位相角を示し、M2は、減速側発電機群の慣性定数を集約した減速側等価発電機慣性定数を示し、Pm2は、減速側発電機群への機械入力の総和である減速側等価発電機機械入力を示し、Pe2は、減速側発電機群からの出力の総和である減速側等価発電機出力を示す。
加速側発電機および減速側発電機のそれぞれについて、以下の(1−1)式および(1−2)式に示すような運動方程式が成立する。さらに、(1−2)式を(1−3)式のように変形できる。
Figure 0006305256
さらに、δ=(δ1−δ2)を導入して、(1−1)式と(1−3)式との間で両辺を差し引きすると、以下の(2)式が得られる。(2)式は、図5に示す二機系統モデルを一機無限大母線系統モデルに等価変換した結果に相当する。
Figure 0006305256
従来の事後演算では、減速側発電機の影響、すなわち過渡安定度を向上させる方向の影響を無視して、加速側発電機のみを考慮していた。具体的には、減速側等価発電機慣性定数M2を無限大とみなすことで、上述の(2)式において、(M1/M2)が乗じられた項をゼロとし、加速側等価発電機機械入力Pm1と加速側等価発電機出力Pe1との差分のみを考慮する形にしていた。
これに対して、本実施の形態においては、上述の(2)式において(M1/M2)が乗じられた項(すなわち、−M1/M2(Pm2−Pe2))を反映した安定化制御を実現するための修正量を事前演算によって予め決定する。すなわち、系統計算装置100の詳細安定度計算モジュール150は、想定される故障の各々について生じる電力動揺に基づいて、発電機を加速側発電機と減速側発電機とに区分するとともに、減速側発電機の挙動に応じて修正量264を算出する。
なお、図2に示すようなシステムであっても、他の電力系統にある発電機の状態値を事前演算の実行周期内には取得することができる。つまり、広域連系された電力系統であっても、図5に示すような二機系統モデルに基づいて事前演算を実行することができる。言い換えれば、図5に示す二機系統モデル、およびそれを等価変換した一機無限大母線系統モデルにおいて、制御対象の発電機だけではなく、何らかの基幹系故障によって動揺を生じる制御対象外の発電機を含めることができる。
次に、系統計算装置100は、安定化制御に反映するための修正量として、−M1/M2(Pm2−Pe2)の項が角速度偏差Δωおよび位相角偏差Δδに対して与える影響を修正するためのΔω(修正量)およびΔδ(修正量)、ならびに、電力相差角曲線(P−Δδ曲線)に与える影響を修正するための修正係数k_hoseiを算出する。すなわち、減速側発電機に関する−M1/M2(Pm2−Pe2)の項を、加速側発電機の運動方程式に与える影響として換算した上で修正量として算出される。言い換えれば、Δω(修正量)およびΔδ(修正量)は、加速側発電機のみのモデルに換算した際に、減速側発電機の挙動が角速度偏差および位相角偏差に与える影響を示す値に相当する。また、修正係数k_hoseiは、制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて推定される電力相差角曲線に対して、減速側発電機の挙動が与える影響を示す値に相当する。
後述するように、算出された修正量の反映は、系統安定化装置200の各々において実行される。
(f1:Δω(修正量)およびΔδ(修正量)の算出)
安定化制御に関して、系統安定化装置200は、故障発生を検出すると、取り込んだ発電機出力(または、発電機端の潮流計測値)を用いて、角速度偏差Δω(t)および位相角偏差Δδ(t)を算出する。典型的な実装においては、角速度偏差Δω(t)および位相角偏差Δδ(t)の算出は、故障発生から100ms程度で開始され、角速度偏差Δωおよび位相角偏差Δδの算出結果は、故障発生直後から時系列的に蓄積される。この発電機出力のサンプリングによる角速度偏差Δω(t)および位相角偏差Δδ(t)の算出が完了する時刻を「最終サンプリング時刻te」と称す。同時に、最終サンプリング時刻teは、系統安定化装置200による安定化制御が開始される時刻を意味することになる。後述するような安定度判別には、最終サンプリング時刻teでの角速度偏差Δω(te)および位相角偏差Δδ(te)が用いられるので、系統計算装置100は、これらの算出値を補正するためのΔω(修正量)およびΔδ(修正量)を予め算出する。
図6は、故障発生前後の−M1/M2(Pm2−Pe2)の時間的変化を示すシミュレーション結果の一例を示す図である。図6に示すような時間的変化を考慮して、以下の(3)式に示す二階微分方程式をΔω(t)およびΔδ(t)について解き、その最終サンプリング時刻teにおけるそれぞれの値をΔω(修正量)およびΔδ(修正量)として決定する。この二階微分方程式の解法には、数値積分を用いることができる。
Figure 0006305256
すなわち、系統計算装置100の詳細安定度計算モジュール150は、何らかの故障が発生してから一定時間に亘る、角速度偏差Δω(t)および位相角偏差Δδ(t)の時間的変化を算出するとともに、算出された時間的変化を積分することで、減速側発電機の挙動が角速度偏差および位相角偏差に与える影響を示す値である、Δω(修正量)およびΔδ(修正量)を算出する。
系統安定化装置200においてオンライン情報から算出される最終サンプリング時刻teでの角速度偏差Δω(te)および位相角偏差Δδ(te)は、減速側発電機についての情報が反映されていないが、Δω(修正量)およびΔδ(修正量)を加算することで、これらの情報を反映することができる。
なお、Δω(修正量)およびΔδ(修正量)の算出には、以下の(4)式および(5)式に示す、減速側発電機の影響を反映した一機無限大母線系統モデルを用いて、故障発生後から一定時間(例えば、想定している安定度判別の実施時刻tsh)に亘って角速度偏差Δωおよび位相角偏差Δδを時系列的に算出および蓄積し、これらの時系列的データを用いて数値積分が実行されてもよい。
Figure 0006305256
(f2:修正係数k_hoseiの算出)
減速側発電機に関する修正量が加速側発電機に反映されることで、電力相差角曲線(P−Δδ曲線)のピーク値(振幅)も変化することになる。そのため、系統安定化装置200においてオンライン情報から算出される電力相差角曲線のピーク値(振幅)を補正するための修正係数k_hoseiが算出される。より具体的には、系統計算装置100は、以下の(6)式に従って修正係数k_hoseiを算出する。
Figure 0006305256
(6)式中において、Pe_maxは、減速側発電機を考慮した系統モデルでの発電機出力の最大値を示し、Pe_peakは、加速側発電機のみを考慮した系統モデルでの発電機出力の最大値を示す。つまり、減速側発電機を考慮するか否かによって生じる出力差の比から修正係数k_hoseiが算出される。
系統計算装置100の詳細安定度計算モジュール150は、加速側発電機および減速側発電機による合計出力と、加速側発電機からの出力とに基づいて、減速側発電機の挙動が与える影響を示す値である、修正係数k_hoseiを算出する。
(f3:系統計算装置100から系統安定化装置200へ配信される修正量264)
系統計算装置100から系統安定化装置200へ配信される修正量264は、Δω(修正量)およびΔδ(修正量)、ならびに修正係数k_hoseiを含む。これらの修正量264は、想定される故障毎に算出される。系統安定化装置200においては、判断した故障種別(故障モード)に応じて、対応する修正量264が用いられる。なお、隣接する電力系統の発電機の影響を受けるのは、基本的には基幹系故障の場合であり、それ以外の故障種別(故障モード)においては修正を行なう必要がないため、修正量264をゼロとしてもよい。
このように、系統計算装置100は、詳細安定度計算を事前に行ない、隣接する電力系統(すなわち、システムの保護対象外である電力系統)の発電機も相当量の動揺をすると判断された基幹系故障に対しては、予め当該発電機の動揺の影響量を数値化したテーブル(修正量264)を用意しておく。そして、系統安定化装置200は、故障発生後の系統状態を反映するオンライン情報に基づいて当該発電機の運動方程式を解く際に、その数値化された影響量を反映することで、安定化制御量をより適切に算出する。
[G.修正量の反映(系統安定化装置)]
次に、本実施の形態に係る電力系統安定化システム300で用いられる修正量264の算出手順などについて説明する。系統安定化装置200は、発生した故障種別(故障モード)の別に対応する修正量264を読み出して、以下のような反映処理を実行する。
(g1:修正係数k_hoseiの反映)
系統安定化装置200は、推定した電力相差角曲線(PsinΔδ+PcosΔδ)に対して、以下の(7)式に従って修正係数k_hoseiを反映する。
Figure 0006305256
すなわち、系統計算装置100によって事前に算出されている修正係数k_hoseiを、推定された電力相差角曲線に乗じることで、減速側発電機の影響を反映した電力相差角曲線を取得できる。
図7は、本実施の形態に係る推定される電力相差角曲線に対する修正係数k_hoseiの反映を説明するための図である。図7を参照して、系統安定化装置200がオンライン情報に基づいて推定した電力相差角曲線に対して修正係数k_hoseiを乗じることで、補正後の電力相差角曲線が算出される。
最初に推定される電力相差角曲線が、制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて、電力系統の過渡安定度を判別するためのモデルに相当し、補正後の電力相差角曲線が修正量を当該生成したモデルに反映したものに相当する。
(g2:Δω(修正量)およびΔδ(修正量)の反映)
系統安定化装置200は、以下の(8)式および(9)式に従って、実測データから演算したΔω(実測演算値)およびΔδ(実測演算値)に、事前演算によって算出された基幹系故障に対するΔω(修正量)およびΔδ(修正量)をそれぞれ加算する。
Figure 0006305256
系統安定化装置200において推定される電力相差角曲線は、加速側発電機の出力とその値から算出された絶対位相角であるため、減速側発電機の影響(−M1/M2(Pm2−Pe2)の項)により生じる角速度偏差Δωおよび位相角偏差Δδに対する変化を反映する。系統安定化装置200は、(8)式および(9)式に従って算出されるΔδ(te)およびΔω(te)を初期値として、(7)式に示す補正後の電力相差角曲線を用いて、加速エネルギーVAおよび減速エネルギーVDを順次算出する。
図8は、本実施の形態に係る推定される角速度偏差Δωおよび位相角偏差Δδに対する修正量の反映を説明するための図である。図8を参照して、系統安定化装置200は、故障発生(時刻t0)から最終サンプリング時刻teまでの間、実測演算を行なって、角速度偏差Δωおよび位相角偏差Δδを順次算出する。そして、最終サンプリング時刻teに到達すると、系統安定化装置200は、その時のΔω(実測演算値)およびΔδ(実測演算値)に対して、それぞれΔω(修正量)およびΔδ(修正量)を加算することで、補正後のΔω(te)およびΔδ(te)を算出する。
その後、系統安定化装置200は、想定している安定度判別の実施時刻tshでの安定度判別を行なうために、加速エネルギーVAおよび減速エネルギーVDの算出を行なうが、その際に順次算出されるΔω(実測演算値)およびΔδ(実測演算値)に対しても、それぞれΔω(修正量)およびΔδ(修正量)が加算される。
[H.装置構成]
(h1:系統計算装置100のハードウェア構成)
図9は、本実施の形態に係る系統計算装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図9には、典型例として、プロセッサがプログラムを実行することで系統計算装置100を実現する構成を示すが、その全部または一部を専用のハードワイヤード回路やロジック回路を用いて実装してもよい。
より具体的には、系統計算装置100は、そのコンポーネントとして、プロセッサ102と、主記憶装置104と、二次記憶装置120と、インターフェイス108と、入力部110と、出力部112とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス114を介して互いに通信可能に接続されている。
プロセッサ102は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Multi Processing Unit)といった演算処理部であり、二次記憶装置120に格納されている電力系統安定化プログラム106を読出して、主記憶装置104に展開しつつ実行する。主記憶装置104は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性記憶媒体であり、プロセッサ102によって実行される電力系統安定化プログラム106のコードの他、電力系統安定化プログラム106の実行に必要な各種のワークデータを保持する。二次記憶装置120は、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶媒体であり、電力系統安定化プログラム106の他、各種設定値などを保持する。
インターフェイス108は、外部の計測装置などから電気量の計測値を示すデータを受付けるとともに、制御動作に係る指令信号などを出力する。インターフェイス108としては、汎用的な通信規約に準拠したコンポーネントを採用することもできるし、専用の通信規約に従うコンポーネントを採用することもできる。
入力部110は、典型的には、キーボードやマウスなどからなり、ユーザからの各種設定や操作を受付ける。出力部112は、典型的には、ディスプレイやプリンタなどからなり、プロセッサ102による計算結果などを外部へ出力する。
(h2:系統安定化装置200のハードウェア構成)
一方、系統安定化装置200については、比較的高い処理速度が要求されるので、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなハードウェア回路を用いて実現することができる。
[I.系統計算装置100における処理手順]
次に、系統計算装置100で実行される安定化制御に係る処理手順について説明する。
図10は、本実施の形態に係る系統計算装置100で実行される安定化制御に係る処理手順を示すフローチャートである。図10に示す各ステップは、典型的には系統計算装置100のプロセッサ102によって実行される。図10を参照して、系統計算装置100は、演算周期が到来したか否かを判断する(ステップS100)。演算周期が到来すると(ステップS100においてYESの場合)、系統計算装置100は、制御対象の電力系統および他の電力系統からの電力系統内情報を収集する(ステップS102)。続いて、系統計算装置100は、詳細安定度計算を実行して事前演算情報を算出する(ステップS104)。この事前演算情報の算出処理において、系統計算装置100は、収集した電力系統内情報を用いて、故障発生後から一定時間(例えば、想定している安定度判別の実施時刻tsh)までに亘って角速度偏差Δωおよび位相角偏差Δδを時系列的に蓄積し、蓄積した時系列的データを用いてΔω(修正量)およびΔδ(修正量)を算出する(ステップS106)。続いて、系統計算装置100は、減速側発電機を考慮した系統モデルでの発電機出力の最大値と、加速側発電機のみを考慮した系統モデルでの発電機出力の最大値とから、修正係数k_hoseiを算出する(ステップS108)。
これらの処理によって、修正量264が算出される。すなわち、系統計算装置100は、制御対象の発電機および制御対象外の発電機の状態値を用いて安定度計算を行なうことで、各故障において生じる制御対象および制御対象外の発電機の動揺による影響量を示す修正量を算出する。
また、系統計算装置100は、詳細安定度計算を実行して電制パターン262を作成する(ステップS110)。すなわち、系統計算装置100は、制御対象の発電機および制御対象外の発電機の状態値を用いて安定度計算を行なうことで、想定される故障の各々についての制御パターンを決定する。
最終的に、系統計算装置100は、作成した電制パターン262、および算出した修正量264を各系統安定化装置200へ配信する(ステップS112)。そして、ステップS100以下の処理が繰返される。
[J.系統安定化装置200における処理手順]
次に、系統安定化装置200で実行される安定化制御に係る処理手順について説明する。
図11は、本実施の形態に係る系統安定化装置200で実行される安定化制御に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、上述の図10のステップS112において系統計算装置100から配信される、電制パターン262および修正量264が一定周期毎に配信されており、系統安定化装置200はそれらの情報を利用可能であるとする。
図11を参照して、系統安定化装置200は、制御対象のいずれかの部位において故障が発生したか否かを常時判断しており(ステップS200)、故障発生を検出すると(ステップS200においてYESの場合)、ステップS202以下の処理を開始する。例えば、図2に示すように、送電線7の1回線に地絡故障が発生した場合、母線電圧値の低下や零相電圧値の上昇といった計測要素の急変をトリガーとする。この故障に対して、リレーシステムが作動し、故障点の近傍にある遮断器に対して遮断指令が与えられる。なお、系統安定化装置200が故障除去を行なうための遮断指令を与えるようにしてもよい。
その後、系統安定化装置200は、安定化制御を開始する。すなわち、系統安定化装置200は、制御対象の発電機全体についての、故障発生から一定時間(最終サンプリング時刻te)経過までの発電機角速度偏差Δωおよび発電機位相角偏差Δδを順次算出する(ステップS202)。より具体的には、系統安定化装置200は、時刻tにおいて収集した電力系統内の情報(各部で計測された電圧値および電流値)に基づいて、制御対象の発電機全体の合計出力である発電機出力P(t)を算出する。そして、系統安定化装置200は、算出された発電機初期出力Pおよび発電機出力P(t)を用いて、(10)式および(11)式に従って、時刻tにおける発電機角速度偏差Δω(t)および発電機位相角偏差Δδ(t)を算出する。なお、制御対象の発電機全体の初期出力である発電機初期出力Pは、初期状態の電力系統内の情報から予め算出されており、基準角周波数ωおよび発電機慣性定数Mについても既知であるものとする。
Figure 0006305256
ステップS202における発電機角速度偏差Δωおよび発電機位相角偏差Δδの実測演算は、故障発生から電力相差角曲線の推定に必要な数が蓄積されるまで繰返される。そのため、系統安定化装置200は、故障発生から一定時間(最終サンプリング時刻te)経過したか否かを判断し(ステップS204)、故障発生から一定時間が経過していなければ(ステップS204においてNOの場合)、ステップS202以下の処理が繰返される。
故障発生から一定時間が経過していれば(ステップS204においてYESの場合)、系統安定化装置200は、ステップS202において算出された発電機角速度偏差Δωと発電機位相角偏差Δδとの組(すなわち、実測演算された系統データ)から、等面積法に用いる制御対象の発電機全体についての電力相差角曲線を推定する(ステップS206)。電力相差角曲線の推定には、例えば、最小二乗法が用いられる。なお、電力相差角曲線の推定については、任意の公知の手法を採用できる。すなわち、ステップS206において、系統安定化装置200は、何らかの故障が発生すると、制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて、電力系統の過渡安定度を判別するためのモデルを生成する。
続いて、系統安定化装置200は、事前演算によって算出された修正量を推定した電力相差角曲線に対して反映する(ステップS210)。より具体的には、系統安定化装置200は、事前演算(詳細安定度計算)から得られる基幹系故障についてのΔδ(修正量),Δω(修正量)および電力相差角曲線の修正係数k_hoseiを、故障発生後のオンライン情報およびステップS206において推定した電力相差角曲線に反映するとともに、安定/不安定が判別される。系統計算装置100から系統安定化装置200に対して、一定周期毎に演算結果が与えられており、その与えられた演算結果を用いて修正量が反映される。このステップS210においては、以下の4つのフェーズ(フェーズ1〜4)で処理が実行される。
(a)フェーズ1:事前演算によって算出された修正量の反映
(a−1)基幹系故障に係る修正量の反映
まず、系統安定化装置200は、上述の(8)式および(9)式に従って、実測演算したΔω(実測演算値)およびΔδ(実測演算値)に、事前演算によって算出された基幹系故障に対するΔω(修正量)およびΔδ(修正量)をそれぞれ加算する(ステップS212)。
(a−2)P−Δδ曲線の修正
次に、系統安定化装置200は、上述の(7)式に示すように、ステップS208において推定した電力相差角曲線の係数P,Pに、事前演算によって算出された修正係数k_hoseiを乗じることで、補正後の電力相差角曲線を算出する(ステップS214)。
(b)フェーズ2:加速エネルギーVAの算出
次に、系統安定化装置200は、以下の(12)式および(13)式に従って、故障発生を検出してから一定時間(想定している安定度判別の実施時刻tsh)経過した時点での加速エネルギーVAを算出する(ステップS216)。なお、(12)式において、発電機出力P(Δδ(t))については、電力相差角曲線から算出される。
Figure 0006305256
等面積法では、加速エネルギーVAと減速エネルギーVDとの比較により故障発生後の過渡安定度を判別することになる。発電機出力Pが発電機初期出力Pを上回っている状態を正の値、発電機出力Pが発電機初期出力Pを下回っている状態を負の値と定義すれば、任意の角速度偏差Δωおよび位相角偏差Δδにおいて、加速エネルギーVAと減速エネルギーVDとの比較結果は同じ結果になる。そのため、より正確な安定度判別を行なうために、系統安定化装置200は、故障発生を検出してから一定時間(例えば、想定している安定度判別の実施時刻tsh)経過した時点での加速エネルギーVAを算出する。安定度判別の実施時刻tshにおける発電機角速度偏差がΔωshに相当する。
すなわち、ステップS212およびS214において、系統安定化装置200は、修正量を生成したモデルに反映する。
(c)フェーズ3:減速エネルギーVDの算出
次に、系統安定化装置200は、以下の(15)式に従って、不安定平衡点Δδuを算出し、算出した不安定平衡点Δδuを用いて、以下の(14)式に従って、減速エネルギーVDを算出する(ステップS218)。
Figure 0006305256
図12は、本実施の形態に係る系統安定化装置200で実行される安定判別を説明するための図である。図12を参照して、(14)式および(15)式に示されるように、想定している安定度判別の実施時刻での位相角偏差Δδshと不安定平衡点の位相角偏差Δδuとの間で発電機初期出力Pと発電機出力P(t)との差分を積分することで減速エネルギーVDが算出される。なお、減速エネルギーVDの算出にあたっては、電力相差角曲線を修正係数k_hoseiで補正した曲線が用いられる。
(d)フェーズ4:加速エネルギーVAと減速エネルギーVDとの比較
最終的に、系統安定化装置200は、加速エネルギーVAと減速エネルギーVDとを比較し(ステップS220)、加速エネルギーVA<減速エネルギーVDであれば(ステップS220においてYESの場合)、故障除去後の電力系統が安定であると判別し、安定化制御(電制)を実行することなく、安定化制御を終了して定常状態へ復帰する(ステップS250)。これに対して、加速エネルギーVA≧減速エネルギーVDであれば(ステップS220においてNOの場合)、故障除去後の電力系統が不安定であると判別し、ステップS230以下の安定化制御(電制)を開始する。
なお、上述の図10のステップS112において系統計算装置100から配信される、電制パターン262および修正量264が一定周期毎に配信されており、系統安定化装置200はそれらの情報を利用可能であるとする。
系統安定化装置200は、故障除去後の電力系統が不安定であると判別されると、安定化制御量(すなわち、電源制限量)を算出するとともに、遮断対象の発電機を決定する(ステップS230)。ステップS230において、系統安定化装置200は、修正量を反映したモデルに基づいて、制御パターンに従って制御を行なう。
より具体的には、系統安定化装置200は、系統計算装置100による事前演算によって算出された電制パターンのうち、最も優先順位の発電機遮断パターンを選択する(ステップS232)。発電機遮断パターンとは、例えば、図2に示す発電機G1〜G3のうちいずれの発電機を遮断するのかを示す。続いて、系統安定化装置200は、(16)式〜(21)式に従って、選択した発電機遮断パターンに従う安定化制御を行なった場合に想定される電制実施後の加速エネルギーVA’および減速エネルギーVD’を算出する(ステップS234)。
Figure 0006305256
図13は、本実施の形態に係る系統安定化装置200で実行される安定判別を説明するための図である。図13を参照して、電制実施が実施されることで電力相差角曲線および発電機機械入力が変化するので、これらを考慮した上で、減速エネルギーVD’が算出される。
続いて、系統安定化装置200は、加速エネルギーVA’と減速エネルギーVD’とを比較し(ステップS236)、加速エネルギーVA’<減速エネルギーVD’であれば(ステップS236においてYESの場合)、選択中の発電機遮断パターンによる安定化制御によって過渡安定度を維持できる判断する。そして、選択中の発電機遮断パターンをセットし、ステップS240以下の処理が実行される。これに対して、加速エネルギーVA’≧減速エネルギーVD’であれば(ステップS236においてNOの場合)、選択中の発電機遮断パターンによる安定化制御では過渡安定度を維持できないと判断し、系統安定化装置200は、電制パターンのうち次の優先順位の発電機遮断パターンを選択する(ステップS238)。そして、ステップS234以下の処理が繰返される。すなわち、加速エネルギーVA’≧減速エネルギーVD’が成立する発電機遮断パターンが探索される。なお、電制パターンに予め設定された最終の(最も優先順位の低い)発電機遮断パターンが選択されても、加速エネルギーVA’≧減速エネルギーVD’が成立しなければ、その最終の発電機遮断パターンをセットする。
その後、系統安定化装置200は、セットされた発電機遮断パターンに従って、安定化制御(電制)を実施する(ステップS240)。すなわち、系統安定化装置200は、遮断対象の発電機を電力系統から解列する。そして、系統安定化装置200は、安定化制御を終了して定常状態へ復帰する(ステップS250)。
[K.利点]
本実施の形態によれば、基幹系故障などが発生した場合などには、制御対象とする発生した故障の近傍にある加速側発電機群(不安定な発電機群)だけではなく、事前に実行した安定度計算結果に基づいて、その隣接する電力系統(すなわち、電力系統安定化システム300の保護対象外の電力系統)にある発電機群からの影響も考慮して、系統安定化装置200による電力相差角曲線を推定することでより適切な安定度判別および必要制御量の算出が可能となる。これにより、より正確な安定度判別および必要制御量の算出を実現でき、幅広い系統状態において電力系統の安定化が可能となる。
[L.その他の実施形態]
上述の実施の形態においては、基本的には、制御対象および制御対象外の電力系統からの電力系統内情報をオンラインで収集し、詳細安定度計算を常時行なうような構成について例示した。このような構成を採用することで、時々刻々と変化する電力系統の状態に応じて、制御動作を常に最適化できる。
但し、このようなオンライン収集に限られず、電力系統内情報をオフラインで収集してもよい。例えば、過去にあった何らかの故障の状況を評価して、安定化制御に必要な事前演算を行なうこともできる。さらに、何らかの電力系統シミュレーションの結果を用いてもよい。
上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。あるいは、実施の形態同士を組み合わせてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2_1〜2_3 電力系統、3_1,3_2,5,7,9 送電線、4_1 送電用変電所、4_2,4_3 開閉所、6,8,10 母線、11,12 通信ケーブル、100 系統計算装置、102 プロセッサ、104 主記憶装置、106 電力系統安定化プログラム、108 インターフェイス、110 入力部、112 出力部、114 内部バス、120 二次記憶装置、150 詳細安定度計算モジュール、200 系統安定化装置、250 電力系統内収集モジュール、252 安定化制御モジュール、254 遮断指令出力モジュール、260 データ格納部、262 電制パターン、264 修正量、300 電力系統安定化システム、CB1〜CB4 遮断器、CT1〜CT14 変流器、G1〜G5 発電機、TR1〜TR5 変圧器、VT1〜VT3 変成器。

Claims (7)

  1. 電力系統に故障が発生すると、故障の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することで電力系統を安定化させる電力系統安定化システムであって、
    前記制御対象の発電機および制御対象外の発電機の状態値を用いて安定度計算を行なうことで、想定される故障の各々についての制御パターンを決定するとともに、各故障において生じる前記制御対象および前記制御対象外の発電機の動揺による影響量を示す修正量を算出する事前演算手段と、
    何らかの故障が発生すると、前記制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて、電力系統の過渡安定度を判別するためのモデルを生成するとともに、前記修正量を当該生成したモデルに反映した上で、前記制御パターンに従って制御を行なう事後演算手段とを備える、電力系統安定化システム。
  2. 前記事前演算手段は、想定される故障の各々について生じる電力動揺に基づいて、発電機を加速側発電機と減速側発電機とに区分するとともに、前記減速側発電機の挙動に応じて前記修正量を算出する、請求項1に記載の電力系統安定化システム。
  3. 前記修正量は、前記加速側発電機のみのモデルに換算した際に、前記減速側発電機の挙動が角速度偏差および位相角偏差に与える影響を示す値を含む、請求項2に記載の電力系統安定化システム。
  4. 前記事前演算手段は、何らかの故障が発生してから一定時間に亘る、角速度偏差および位相角偏差の時間的変化を算出するとともに、算出された時間的変化を積分することで、前記減速側発電機の挙動が角速度偏差および位相角偏差に与える影響を示す値を算出する、請求項3に記載の電力系統安定化システム。
  5. 前記修正量は、前記制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて推定される電力相差角曲線に対して、前記減速側発電機の挙動が与える影響を示す値を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電力系統安定化システム。
  6. 前記事前演算手段は、前記加速側発電機および前記減速側発電機による合計出力と、前記加速側発電機からの出力とに基づいて、前記減速側発電機の挙動が与える影響を示す値を算出する、請求項5に記載の電力系統安定化システム。
  7. 電力系統に故障が発生すると、故障の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することで電力系統を安定化させる電力系統安定化方法であって、
    前記制御対象の発電機および制御対象外の発電機の状態値を用いて安定度計算を行なうことで、想定される故障の各々についての制御パターンを決定するとともに、各故障において生じる前記制御対象および前記制御対象外の発電機の動揺による影響量を示す修正量を算出するステップと、
    何らかの故障が発生すると、前記制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて、電力系統の過渡安定度を判別するためのモデルを生成するとともに、前記修正量を当該生成したモデルに反映した上で、前記制御パターンに従って制御を行なうステップとを備える、電力系統安定化方法。
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