JP5710303B2 - 電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法及びその装置 - Google Patents

電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、外部系統の縮約モデルを生成する技術に係り、特に、縮約モデルのパラメータ推定方法及びその装置に関するものである。
[背景技術の概略]
本発明の技術的な背景として、まず、本発明を適用する事故波及防止リレーシステムに付いて説明する。次に、縮約モデルとなる解析モデルの構成と生成処理について説明し、その後、本発明に係る縮約モデルのパラメータ推定の従来技術について述べることにする。
[事故波及防止リレーシステム]
一般に電力系統では、落雷等の事故が発生すると、その影響を受けて発電機が脱調するおそれがある。そこで、電力系統には事故波及防止リレーシステムが採用されている。このリレーシステムでは、事故の発生を検出し、事故発生時には系統安定化演算を実施して、電源制限等の制御内容を決定、実施することにより、発電機脱調を未然に防止することができる。
[事故波及防止リレーシステムの方式]
以上の事故波及防止リレーシステムは、非特許文献1に記載の通り、事後演算型と、オフライン事前演算型と、オンライン事前演算型という、3つの方式に分類することができる。事後演算型は、事故が発生してから制御内容を決めるための系統安定化演算を行う方式である。
これに対してオフライン及びオンラインの事前演算型は、実際に事故が発生するよりも前に、事故を想定して系統安定化演算を実施しておく方式であり、事前演算部を有している。事前演算部は、基本的な機能として、状態推定及び系統縮約を実行する機能(以下、状態推定/系統縮約機能)、スクリーニング機能、安定度計算機能、安定度判定機能、電制機選択機能という5種類の機能を備えている。
また、事前演算部では、演算データとして事故発生前の系統情報を用いるが、このとき使用する演算データにより、オフライン事前演算型とオンライン事前演算型とを分類している。オフライン事前演算型では、計画系統・潮流から想定した系統情報を演算データとして使用する。一方、オンライン事前演算型では、系統の潮流状況や遮断器入切情報等のオンラインデータを演算データとして使用する。
[事故波及防止リレーシステムにおける状態推定/系統縮約処理]
図8のフローチャートは、オンライン事前演算型の事故波及防止リレーシステムにおける事前演算部の概略制御フローを示している。図8に示すように、事前演算部では、最初に、解析モデルを生成するための状態推定/系統縮約処理を行う。以下、状態推定/系統縮約機能について、系統縮約を中心に説明する。なお、状態推定/系統縮約処理以降の処理であるスクリーニングや安定度計算等に関しては、図8の概略制御フローを示すだけに留め、詳しい説明を省略する。
[解析モデルの構成]
オンライン事前演算型の事故波及防止リレーシステムにおいては、事前演算部が脱調防止に必要な電制機を決めるために安定度計算を実施するが、このとき、安定度計算のベースとなる解析モデルの生成が不可欠である。
解析モデルは、事故波及防止リレーシステムの保護対象系統である内部系統モデルだけではなく、内部系統モデルと、内部系統以外の系統である外部系統モデルとを結合させることにより構成されることが多い。外部系統モデル及び内部系統モデルからなる解析モデルを、原系統モデルと呼んでいるが、実際の解析モデルは、この原系統モデルを基にした縮約系統モデルと呼ばれるモデルを採用している。
ここで、外部系統モデル及び内部系統モデルからなる原系統モデルと、外部系統縮約モデル及び内部系統モデルからなる縮約系統モデルについて、図9を用いて説明する。図9の(a)に示すように、原系統モデル1は、内部系統モデル101と、外部系統モデル102と、両者を接続(結合)する一つの連系線105とから構成される。また、符号103、104はそれぞれ、内部系統モデル101及び外部系統モデル102側の連系点ノードである。すなわち、内部系統モデル101と系統縮約対象である外部系統モデル102は、それぞれ1箇所の連系点ノード103、104で接続されている。
このような原系統モデル1において、外部系統モデル102を系統縮約対象とし、外部系統モデル102側の連系点ノード104を縮約起点ノードとする。また、図9の(a)中の符号Zsは、縮約起点ノードから系統縮約対象側つまり外部系統モデルをみた短絡インピーダンスを表している。系統縮約モデルの生成手法の従来技術としては、特許文献1にある通り、短絡容量法や二負荷法といった既存の系統縮約手法を用いて系統縮約対象を簡略化する方法が知られている。
図9の(b)は、短絡容量法を用いて外部系統モデル102を縮約モデルとした例を示している。図9の(b)に示すように、縮約系統モデル5は、内部系統モデル101と、外部系統縮約モデル106と、両者を接続(結合)する一つの連系線105とから構成される。縮約系統モデル5における内部系統モデル101は、上述した原系統モデル1のそれと同一であるが、外部系統縮約モデル106は等価縮約発電機107、等価縮約ブランチ109、等価縮約負荷108から構成されている。
[縮約系統モデルの生成]
以上のような縮約系統モデル5の生成は、事前演算部の状態推定/系統縮約機能によって実現される。このとき、縮約系統モデル5は、状態推定と系統縮約という2段階の処理を経て生成されている。状態推定とは、オンラインで内部系統の情報を収集し、内部系統モデル101の初期状態を決定する処理である。
[状態推定]
状態推定にてオンラインで内部系統から収集される情報としては、内部系統のテレメータ情報(以下、TM情報と呼ぶ)やスーパビジョン情報(以下、SV情報と呼ぶ)などがある。このうち、TM情報は各所線路の潮流値や母線電圧値を計測した潮流情報である。またSV情報は、遮断器の入切情報となる発電機や送電線の並解列情報である。このように、オンラインから様々な情報を収集して生成される内部系統モデル101は、詳細模擬のモデルとなり得る。
[系統縮約]
これに対して、保護対象外である外部系統モデル102は、内部系統モデル101とは異なり、収集可能なオンラインデータに制約がある。その上、外部系統モデル102では、系統安定化演算に要する演算時間を短縮することが要求される。したがって、オンライン事前演算型システムの事前演算部では、外部系統モデル102に関して、着目する現象に関して計算精度が維持できる範囲で系統縮約を行い、簡略模擬である外部系統縮約モデル106を生成する。
[外部系統縮約モデルのパラメータ]
ところで、事前演算部における系統縮約処理では、外部系統縮約モデル106を生成すると共に、生成した外部系統縮約モデル106のパラメータを更新する必要がある。ただし、外部系統からのオンラインデータは、収集に限定的なので、限られたデータを基にして、外部系統縮約モデル106の各パラメータを推定し、推定値に基づいて更新している。したがって、この推定値精度が縮約モデルの精度を大きく左右することになる。本発明に係る縮約モデルのパラメータ推定は、正にこの点に関する技術である。
外部系統縮約モデル106のパラメータとは、具体的には、等価縮約発電機107の電気出力や発電機定数(定格容量や内部インピーダンス等)、等価縮約負荷108、等価縮約ブランチ109のインピーダンス等である。なお、等価縮約ブランチ109のインピーダンスとは、縮約起点ノードである連系点ノード104から系統縮約対象側をみた短絡インピーダンスから、等価縮約発電機107の内部インピーダンスを差し引いたものである。
[系統縮約処理の従来技術]
続いて、系統縮約処理の従来技術について、図10を参照し、非特許文献1に記載の系統縮約における外部系統モデル化の流れに則って説明する。図10は、系統縮約に関連する機能を実現する各手段に、処理フローを組み合わせて示した説明図である。図10に示す通り、外部系統モデル化を実施する場合、オフライン処理で実行する部分(オフライン処理部A)と、オンラインリアルタイム処理で実行する部分(オンラインリアルタイム処理部B)とに分けられる。
オフライン処理部Aには、コヒーレンシー判定・グループ化処理部2、縮約起点サーチ部3、外部系統縮約部4、縮約モデル精度評価部6が設けられている。コヒーレンシー判定・グループ化処理部2では、コヒーレンシー判定を行うと共に、事故発生時に互いに一体となって動揺する発電機群のグループ化を実施する。
縮約起点サーチ部3では、発電機群のグループ化に適した地点(縮約起点)をサーチする。さらに、外部系統縮約部4では、原系統モデル1(内部系統モデル101と外部系統モデル102を結合した解析モデル)を基にして、縮約系統モデル5(内部系統モデル101と外部系統縮約モデル106を結合した解析モデル)を生成する。外部系統縮約部4による縮約系統モデル5の生成手法としては、短絡容量法や二負荷法などの既存の縮約手法を用いている(非特許文献2参照)。
縮約モデル精度評価部6は、外部系統縮約部4の生成した縮約系統モデル5に関して、着目する現象に対する計算精度を評価する。また、縮約モデル精度評価部6では、原系統モデル1と、生成した縮約系統モデル5について、所定の現象に関する計算精度を比較する。
そして、縮約モデル精度評価部6が縮約系統モデル5の計算精度が予め設定されたレベルを満たすと判断するまで、つまり満足する縮約モデルの計算精度が得られるまで、コヒーレンシー判定・グループ化処理部2によるコヒーレンシー判定と発電機群のグループ化、縮約起点サーチ部3による縮約起点サーチ、外部系統縮約部4による系統縮約といった処理を繰り返す。
一方、オンラインリアルタイム処理部Bでは、収集が限定される外部系統のオンラインデータ7と、状態推定により初期状態を決定した内部系統モデル10とを、取り込んでいる。また、オンラインリアルタイム処理部Bには、外部系統パラメータ推定部8と、全系モデル生成部11が組み込まれている。
外部系統パラメータ推定部8では、外部系統のオンラインデータ7を取り入れて外部系統縮約モデル106の各パラメータを推定し、各パラメータを推定値に更新して、更新モデル9を生成する。また、全系モデル生成部11では、外部系統パラメータ推定部8にて生成した更新モデル9と、前記内部系統モデル10(初期状態決定済み)を結合することで全系モデル12を生成する。
[外部系統縮約モデルのパラメータ推定]
外部系統縮約モデル106のパラメータ推定に関する従来技術としては、特許文献1等が提案されている。特許文献1のパラメータ推定手法では、外部系統の発電量や負荷量は、内部系統のそれと同じ傾向で変化するものとして想定している。そのため、等価縮約発電機107の電気出力や等価縮約負荷108といったパラメータに関しては、内部系統のオンラインデータ7を用いて推定している。
また、特許文献1のパラメータ推定手法では、等価縮約発電機107の発電機定数や等価縮約ブランチ109のインピーダンスといったパラメータに関しては、等価縮約負荷108等のように内部系統のオンラインデータ7を用いるのではなく、次のような推定を行っている。
すなわち、特許文献1の第11〜第15の実施形態にあるように、外部系統及び連系線の全ての設備の諸元を表す設備データ等の設備関連データと、外部系統のオンラインデータの発電機並解列情報(SV情報)を用いて、現時点の発電機並列状態に修正した外部系統モデル102を生成する。そして、この生成した外部系統モデル102を用いて、短絡容量法や二負荷法などの既存の系統縮約手法により、前記パラメータつまり等価縮約発電機107の発電機定数や等価縮約ブランチ109のインピーダンスを、周期ごとに算出している。
特開平10−56735号
電気学会技術報告 第801号、系統脱調・事故波及防止リレー技術、電気学会 電気協同研究 第34巻 第5号、電力系統の安定度、電気協同研究会
しかしながら、上記の従来技術には、次のような課題が指摘されていた。すなわち、特許文献1に記載の手法では、第11〜15の実施形態に示されるように、等価縮約発電機107の発電機定数や、等価縮約ブランチ109のインピーダンス等のパラメータを推定する場合に、非常に多くのデータが必要であった。
前述したように、パラメータ推定に必要なデータとしては、外部系統及び連系線の全ての設備の諸元を表す設備データ等の設備関連データ、外部系統のオンラインデータとして外部系統の全ての発電機の発電機並解列情報(SV情報)と連系線の潮流情報(TM情報)がある。
そのため、外部系統の規模が大きくなると、例えば1つの電力会社の電力系統を丸ごと外部系統の対象とするといったケースともなると、外部系統のパラメータ更新には、膨大な量の設備関連データ及びオンラインデータが必要となる。具体的には、縮約対象系統である外部系統に発電機が100機あれば、等価縮約発電機の発電機定数を更新するためには発電機並解列情報(SV情報)は100量必要である。また、送電線が1000回線あれば、等価縮約ブランチのインピーダンスを更新するためには1000個の設備関連データが必要となる。このような膨大なデータは、その管理に多大な労力を要することが問題となる。
しかも、リレーシステムの保護対象外である外部系統のオンラインデータは、限定されることが多いので、思い通りにデータを取得できるかどうかは不確定である。必要なオンラインデータが取得できないと、外部系統縮約モデルのパラメータを更新することができないといった不具合が起きる。
現実の電力系統では、時々刻々と需要が変化しており、それに応じて発電機の出力や運転台数、系統電圧が調整されている。したがって、現時点に即した外部系統縮約モデルを生成するためには、外部系統縮約モデルにおける各パラメータの更新は不可欠である。そこで、外部系統から入手するオンラインデータに頼ることなく、外部系統縮約モデルの各パラメータを適切に推定可能なパラメータ推定技術の開発が待たれていた。
また、特許文献1に記載されている通り、従来では、系統縮約対象である外部系統モデルと内部系統モデルを、それぞれ1箇所の連系点ノードで接続する電力系統を想定している(図9参照)。したがって、外部系統モデルと内部系統モデルとが複数の異なった連系点ノードによって接続される場合には対応することができず、外部系統縮約モデルのパラメータ更新が困難となる。
近年では、電力系統の複雑化が進み、外部系統モデルと内部系統モデルとを複数の異なった連系点ノードで接続することも十分に予想される。したがって、複数の異なる連系点ノードによって外部系統モデルと内部系統モデルと接続された場合でも、これに対応して、外部系統縮約モデルのパラメータを確実に推定することが望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決するために提案されたものであって、その目的は、外部系統のオンラインデータが限定される場合、あるいは内部系統と系統縮約対象である外部系統が複数の異なった連系点ノードで接続される場合であっても、外部系統縮約モデルのパラメータの推定が可能である電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法及びその装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、オンライン事前演算型事故波及防止リレーシステムの安定度計算に用いる解析モデルが、詳細模擬の内部系統モデルと簡略模擬の外部系統縮約モデルで構成されるとき、外部系統縮約モデルのパラメータを、オンラインデータを用いて推定する電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法において、前記内部系統モデルと前記外部系統縮約モデルが複数の異なった連系点により接続されるときに、各連系点における連系線潮流と連系点から外部系統モデル側をみた短絡インピーダンスが、現時点の系統状態と一致するように、外部系統縮約モデルのパラメータである等価縮約ブランチのインピーダンスを調整することを特徴としている。
本発明によれば、内部系統モデルと外部系統縮約モデルの連系点が複数ある場合でも、各連系点における連系線潮流と連系点から外部系統モデル側をみた短絡インピーダンスが、現時点の系統状態と一致するように、等価縮約ブランチのインピーダンスを調整することで、外部系統縮約モデルのパラメータの推定値を更新することができ、外部系統から収集されるオンラインデータが限定されたとしても、外部系統縮約モデルのパラメータを確実に更新して高精度の縮約モデルを生成することが可能である。
事前演算部の系統縮約に関連する機能構成と入出力関係の一例を示す説明図。 (a)が原系統モデルの構成例、(b)が縮約系統モデルの構成例を示す図。 外部系統縮約部における縮約系統モデルの作成フローを示す図。 1ブランチ・2ノードの単純2端子系統の系統図。 ΣMVAとZsの関係を表した一例を示すグラフ。 ΣMVAとZsの関係式生成部の処理フローを示す図。 等価縮約ブランチのインピーダンスと等価縮約発電機の発電機定数を推定する処理フローを示す図。 非特許文献1に記載のオンライン事前演算型システムの事前演算部の概略制御フローを示す図。 (a)が原系統モデルの構成例、(b)が縮約系統モデルの構成例を示す図。 非特許文献1に記載の系統縮約における外部系統モデル化の流れを説明する説明図。
(1)代表的な実施形態
[構成]
以下、本発明の代表的な実施形態について、図1〜図7を参照して具体的に説明する。図1は本実施形態に係る事前演算部の系統縮約に関連する機能構成と入出力関係の一例を示す説明図であって、前記図10と同様、系統縮約に関連する機能を実現する各手段に、処理フローを組み合わせて示している。
なお図1において、図10に示した従来例と同一の部分、すなわちオフライン処理部A側のコヒーレンシー判定・グループ化処理部2、縮約起点サーチ部3、縮約モデル精度評価部6、オンラインリアルタイム処理部B側のオンラインデータ7や全系モデル12については、同一符号を付して説明は省略する。
[構成の概要]
本実施形態は、オンライン事前演算型の事故波及防止リレーシステムに適用されるもので、電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法及びその装置である。本実施形態は、内部系統モデルと外部系統縮約モデルの連系点が複数ある場合に対応可能な構成である。
そして、本実施形態の特徴は、外部系統縮約モデルのパラメータである等価縮約ブランチのインピーダンスに関して、各連系点における連系線潮流と連系点から外部系統モデル側をみた短絡インピーダンスが現時点の系統状態と一致するように調整することにより、当該パラメータの推定値を更新するようにした点に特徴がある。
具体的には本実施形態では、外部系統縮約部4(オフライン処理部A側)による縮約系統モデルの作成処理と、外部系統パラメータ推定部8(オンラインリアルタイム処理部B側)によるパラメータ推定処理に特徴がある。外部系統縮約部4の処理に関しては図3を参照して、外部系統パラメータ推定部8の処理に関しては図7を参照して、後段にて説明する。
また、本実施形態は、図10に示した従来のオフライン処理部A側の機能構成に加えて、次のような機能構成を有している。すなわち、本実施形態におけるオフライン処理部Aには、3つのデータベース13、15、17と、関係式生成部14と、算出部16が設けられている。
関係式生成部14は、外部系統の発電機定格容量総計ΣMVAと短絡インピーダンスZsの関係を示す関数式の生成処理を行う手段である(関数式の生成処理については図5、図6を参照して後述)。また、算出部16は、内部系統の発電機定格容量総計ΣMVAofを算出する手段である。
上記3つのデータベース13、15、17のうち、データベース13は、発電機運転状態や負荷量、外部系統の設備停止パターンなどの実系統の運用実績を保存する部分、データベース15は、関係式生成部14の生成した関係式を保存する部分、データベース17は算出部16の算出結果を保存する部分である。
[原系統モデル及び縮約系統モデルの構成例]
各構成部分による処理について説明する前に、本実施形態における原系統モデル及び縮約系統モデルの構成例について図2を用いて説明する。先に述べたように本実施形態は、内部系統と系統縮約対象である外部系統が複数の異なった連系点ノードで接続される場合にも対応可能である。このため、図2の(a)に示すような原系統モデル1から、図2の(b)に示すような縮約系統モデル5を生成した場合を例にとって説明する。
図2(a)に示す原系統モデル1は、内部系統モデル101、外部系統モデル102、内部系統モデル101と外部系統モデル102を接続(結合)する2つの連系線105a、105bで構成し、外部系統モデル102を系統縮約対象とする。Zsは内部系統モデル101内のノード110から外部系統モデル102側をみた短絡インピーダンスを表し、ノード110と連系点ノード103a、103b間の分岐線113a、113b、113cは開放した状態の短絡インピーダンスとする(短絡インピーダンスを求めるときのみ開放扱いとする)。
図2(b)の縮約系統モデル5は、内部系統モデル101に関しては原系統モデル1と同一であるが、外部系統縮約モデル106に関しては、等価縮約発電機107、等価縮約負荷108、等価縮約ブランチ109a、109b、109cで構成されている。なお、図2では、各系統の連系点が2箇所である例を示しているが、2箇所以上、あるいは、1箇所でもよい。
[外部系統縮約部4]
続いて、外部系統縮約部4による縮約系統モデル5の作成処理について図3のフローチャートを参照して説明する。外部系統縮約部4では、初めに、原系統モデル1を用いて潮流計算を行う(4Step1)。
この潮流計算結果と原系統モデル1を用いて、短絡容量法や二負荷法といった既存の系統縮約手法により、等価縮約発電機107の定格容量や内部インピーダンス等の発電機定数、等価縮約負荷108を算出する(4Step2)。なお、等価縮約負荷108が接続されるノードの電圧V0は、原系統モデル1の外部系統モデル102内の全負荷ノード電圧の加重平均値とし、(1)式で算出する。添字のiは外部系統モデル102内の各負荷ノードを表すものである。
Figure 0005710303
次に、外部系統縮約部4は、原系統モデル1とその潮流計算結果を用いて、等価縮約発電機107の内部電圧Eq∠θq、端子電圧VG、電気出力有効分PGを、次の通りに算出する(4Step3)。内部電圧Eq∠θqは、外部系統モデル102内の各発電機の内部電圧を(2)式で算出し、それを基にして全発電機の容量加重平均値を(3)、(4)式で算出し、これを等価縮約発電機107の内部電圧Eq∠θqとする。
Figure 0005710303
Figure 0005710303
Figure 0005710303
また、端子電圧VG、電気出力有効分PGについては、次の(5)式、(6)式によって求める。なお、(2)式〜(6)式において、Ra、Xqは発電機内部インピーダンス、VGは端子電圧(ベクトル値)、IGは端子電流(ベクトル値)、GMVAは定格容量、PGは電気出力有効分である。なお、添字iは外部系統モデル102内の各発電機を表す。
Figure 0005710303
Figure 0005710303
さらに、外部系統縮約部4では、等価縮約ブランチ109a、109b、109cのリアクタンスX1、X2、X0について算出する(4Step4)。ここで算出に必要なデータは、原系統モデル1の潮流計算結果(縮約起点ノード104a、104bの電圧絶対値と位相)、等価縮約発電機107の内部電圧Eq∠θq、端子電圧絶対値VG、電気出力有効分PG、内部インピーダンスXq、等価縮約負荷ノードの電圧V0∠θ0で、下記(7)式を基にして算出する。
Figure 0005710303
上記(7)式は、図4に示す1ブランチ・2ノードの単純2端子系統における有効電力Pの算出式であって、Xはブランチのリアクタンス、Va、Vbは両端ノードの電圧絶対値、δは両端ノード間の相差角(=θa−θb)を示している。なお、リアクタンスX1、X2、X0の抵抗分ついては簡単化のため省略する。
まず、等価縮約ブランチ109aのリアクタンスX1に初期値X1(0)を設定し、潮流計算結果の縮約起点ノード104aの電圧V1∠θ1、連系線105aの有効電力P1、等価縮約負荷ノードの電圧絶対値V0を用いて、等価縮約負荷ノードの電圧位相θ0を(8)式から算出する。等価縮約ブランチ109aのリアクタンス初期値X1(0)は、(9)式(δ=30度と仮定した場合)のように設定してもよい。
Figure 0005710303
Figure 0005710303
また、等価縮約ブランチ109bのリアクタンスX2は、縮約起点ノード104bの電圧V2∠θ2、連系線105bの有効電力P2、等価縮約負荷ノードの電圧V0∠θ0、縮約起点ノード104bと等価縮約負荷ノード間の相差角δ2(=θ2−θ0)を用いて、下記の(10)式から算出する。このようにX1、X2を算出することで、連系線109a、109bに流れる潮流が原系統モデル1と縮約系統モデル5で一致する。
Figure 0005710303
さらに、等価縮約ブランチ109cのリアクタンスX0に関しては、等価縮約発電機107の内部電圧Eq∠θq、端子電圧絶対値VG、電気出力有効分PG、内部インピーダンスXqから、端子電圧位相θGを(11)式で算出し、その上で、(12)式に基づいて算出する。以上のような算出により、外部系統縮約モデル106の各パラメータが仮設定されたことになり、内部系統モデル101と外部系統縮約モデル106を結合した縮約系統モデル5が生成される。
Figure 0005710303
Figure 0005710303
次に、外部系統縮約部4では、縮約系統モデル5の短絡インピーダンスZs’が原系統モデル1の短絡インピーダンスZsと一致しているか確認する。すなわち、原系統モデル1を用いて、内部系統モデル101から外部系統モデル102側(系統縮約対象側)をみた短絡インピーダンスZsを算出し(4Step5)、縮約系統モデル5を用いて、内部系統モデル101から外部系統縮約モデル106側をみた短絡インピーダンスZs’を算出する(4Step6)。
そして、原系統モデル1の短絡インピーダンスZsと、縮約系統モデル5の短絡インピーダンスZs’を比較して(4Step7)、両者が一致しない場合には(4Step8のNo)、4Step4に戻り、等価縮約ブランチ109a、109b、109cのリアクタンスX1、X2、X0を再計算する。また、原系統モデル1の短絡インピーダンスZsと、縮約系統モデル5の短絡インピーダンスZs’が一致した場合に(4Step8のYes)、処理が終了する。
つまり、外部系統縮約部4においては、原系統モデル1と縮約系統モデル5の連系線105a、105bの潮流P1、P2、短絡インピーダンスZs(Zs’)が一致するリアクタンスX1、X2、X0が求まるまで、4Step4〜4Step7を繰り返す。なお、前記(8)式を用いる算出方法の場合は、等価縮約ブランチ109aのリアクタンスX1を修正して(例えば、ΔX1=0.001PU程度)、再度、リアクタンスX2、X0を計算し直すことになる。
上述したように、外部系統縮約部4では、潮流計算(4Step1)、発電機定数・等価縮約負荷の算出(4Step2)、電気出力有効分算出(4Step3)、等価縮約ブランチのリアクタンス算出(4Step4)といった複数の計算を行うことにより、外部系統縮約モデル5の各パラメータを仮設定する。そして、短絡インピーダンスZs、Zs’の算出・比較(4Step5〜7)を繰り返すことで、最終的に二つのインピーダンスを一致させる。
[関数式生成部14]
次に、オフライン処理部AのΣMVAとZsの関数式生成部14の処理フローについて、図5、図6を用いて説明する。ΣMVAとZsの関数式生成部14では、図5のグラフに示すような外部系統モデル102の運転発電機の定格容量総計ΣMVAと外部系統モデル102の短絡インピーダンスZsの関係を求め、その関係を示す関数式を算出する。具体的な算出手順は以下の通りである。
図6は、ΣMVAとZsの関係式生成部14の処理フローを示している。ΣMVAとZsの関係式生成部14では、発電機運転状態や負荷量などの実系統の運用実績13を基にして、発電機の運転状態や負荷などを変えた複数の原系統モデル1を生成する(14Step1)。
続いて、各原系統モデル1における外部系統モデル102内の運転発電機の定格容量総計ΣMVA(14Step2)と、連系点ノード104a、104bから外部系統モデル102側(系統縮約対象側)をみた短絡インピーダンスZs(14Step3)を算出する。さらに、想定されるパターンが全て終了したかどうかを確認し(14Step4)、想定パターンが全て終了すれば(14Step4のYes)、各原系統モデル1におけるΣMVAとZs(図5の○印)を基に関数式を求める(14Step5)。
なお、外部系統において設備停止(同一発電所の複数発電機停止や送電線ルート停止など)があると、ΣMVAとZsの関係が大きく変化し(図5の□印)、関数式の係数や関数式自体が変わる場合がある。このような事態を受けて、本実施形態では想定される全ての外部系統の設備停止パターンにおけるΣMVAとZsの関係や関数式を求めるようになっている。
関数式生成部14の求めた関数式はデータベース15に保存し、オンラインリアルタイム処理部Bで使用できるようにしておく。図5のΣMVAとZsの関係や関数式は一例であり、図5の例ではΣMVAとZsの関係を直線近似(y=ax+b、y=cx+d)した場合を記載しているが、この関数式は、多項式近似(2次など)、折れ線近似などでもよく、対象系統の特徴に合った近似式を用いてもよい。
[算出部16]
次に、オフライン処理部Aの内部系統ΣMVAof算出部16について説明する。ΣMVAof算出部16では、原系統モデル1(ベースモデル)から、内部系統モデル101内の運転発電機の定格容量総計ΣMVAofを算出し、データベース17に保存しておく。このため、データベース17に保存したΣMVAofは、オンラインリアルタイム処理部Bにて使用可能である。
[外部系統パラメータ推定部8]
次に、オンラインリアルタイム処理部Bの外部系統パラメータ推定部8について説明する。前述したように、図2の(b)に示した外部系統縮約モデル106において、外部系統パラメータである等価縮約発電機の発電機定数や等価縮約ブランチのインピーダンスを推定、更新する場合に、従来技術である特許文献1の第11〜第15の実施形態にある方法では、外部系統のオンラインデータとして全ての発電機並解列情報(SV情報)と連系線の潮流情報(TM情報)を用いていた。
また、外部系統及び連系線の全ての諸元を表す設備データ等の設備関連データが必要であった。しかも、事故波及防止リレーシステムの保護対象外である外部系統のオンラインデータは限定されることが多く、前記オンラインデータが入手できない場合には、パラメータの更新を行えないといった不具合が生じた。さらに、外部系統として1つの電力会社の電力系統全てを捉える等、外部系統の規模が極めて大きい場合、設備関連データの管理に多大な労力を割くことになった。
そこで、本実施形態における外部系統パラメータ推定部8では、図7の処理フローに示すように、等価縮約発電機の発電機定数や等価縮約ブランチのインピーダンスの推定を行うことで、上記の課題を解消している。図7は、外部系統パラメータ推定部8において、等価縮約ブランチ109a、109b、109cのインピーダンス、等価縮約発電機107の発電機定数を推定する処理フローを示している。
なお、外部系統縮約モデル106のうち、等価縮約発電機107の電気出力、等価縮約負荷106といったパラメータの推定に関しては、特許文献1と同様である。このため、等価縮約発電機107の電気出力や等価縮約負荷106の推定処理に関しては、説明を省略する。
外部系統パラメータ推定部8では、現時点の外部系統の発電機定格容量総計ΣMVAseを次のように推定する(8Step1)。すなわち、内部系統のオンラインデータを用いて、現時点の内部系統の発電機定格容量総計ΣMVAonを算出する。このΣMVAonと、データベース17に保存したΣMVAof(算出部16の算出結果)を用いて、ΣMVAofを基準にしたときのΣMVAonの増減率αを算出する。そして、縮約系統モデル5(ベースモデル)の等価縮約発電機107の定格容量に増減率αを掛け合わせた値を、現時点の外部系統の発電機定格容量総計ΣMVAseとして推定する。
次に、外部系統パラメータ推定部8では、等価縮約発電機107の発電機定数を調整する(8Step2)。ここでは、等価縮約発電機107の内部インピーダンス等の発電機定数について、発電機自己容量ベースのPU値を設定し、発電機定数である定格容量を前記8Step1にて推定したΣMVAseとする。そして、ベース容量を変更することにより内部インピーダンス等の発電機定数を調整する。
さらに、外部系統パラメータ推定部8では、等価縮約ブランチを調整する(8Step3)。この処理では、連系線105a、105bの潮流P1、P2が、オンラインデータの連系線潮流(連系線105a、105bの現時点の潮流P1on、P2on)と一致するように、等価縮約ブランチ109a、109bのリアクタンスX1、X2を調整する。なお、等価縮約ブランチ109cのリアクタンスX0は固定値とする。
等価縮約ブランチ109a、109bのリアクタンスX1、X2については、前記(8)式、(10)式と内部系統モデル101の状態推定計算結果(縮約起点ノード104a、104bの電圧絶対値と位相)、オンラインデータの連系線潮流P1on、P2on、等価縮約負荷ノードの電圧V0を用いることで算出している。
等価縮約ブランチ109aのリアクタンスX1は、縮約系統モデル5(ベースモデル)の値を仮値として設定し、等価縮約起点ノード104aの電圧V1∠θ1、連系線潮流P1on、等価縮約負荷ノードの電圧絶対値V0を用いて、上記(8)式から縮約起点ノード104aと等価縮約負荷ノード間の相差角δ1を算出する。これにより、等価縮約負荷ノードの電圧位相θ0を得ることができる。
また、等価縮約ブランチ109bのリアクタンスX2については、縮約起点ノード104bの電圧V2∠θ2、等価縮約負荷ノードの電圧V0∠θ0、連系線潮流P2on、縮約起点ノード104bと等価縮約負荷ノード間の相差角δ2を用いて、上記(10)式から、算出する。
さらに、外部系統パラメータ推定部8では、8Step4において、外部系統の短絡インピーダンスを推定する。すなわち、8Sstep1で推定した現時点の外部系統の発電機定格容量総計ΣMVAseと、データベース15に保存した外部系統モデル102の運転発電機の定格容量総計ΣMVAと外部系統モデル102の短絡インピーダンスZsの関数式を用いて、外部系統の短絡インピーダンス推定値Zseを算出する。
なお、特定の発電機(同一発電所の複数発電機)停止や特定の送電線ルート停止により、使用する関数式の切り替えが必要な場合には、外部系統のオンラインデータ7として前記設備の開閉情報(SV情報)を入手し、停止条件に対応した関係式を用いるようにする。このとき、切り替えが必要な設備停止は、連系点に近い発電機や送電線に限定されるため、関係式の切換に伴って増えるSV情報は、限られたものであり、従来のように膨大なデータを取り扱うものではない。
次に、外部系統パラメータ推定部8においては、外部系統縮約モデル106の更新モデル9を用いて、外部系統縮約モデル106の短絡インピーダンスZs’を算出する(8Step5)。そして、8Step5で求めた短絡インピーダンスZs’と、8Step4で求めた外部系統の短絡インピーダンス推定値Zseとを比較する(8Step6)。
このとき、外部系統縮約モデル106の短絡インピーダンスZs’が、外部系統の短絡インピーダンス推定値Zseと一致しない場合には(8Step7のNo)、8Step3に戻り、等価縮約ブランチ109a、109bのリアクタンスX1、X2を再計算する。また、外部系統縮約モデル106の短絡インピーダンスZs’が、外部系統の短絡インピーダンス推定値Zseと一致した場合に(8Step7のYes)、処理を終了する。
つまり、外部系統パラメータ推定部8においては、オンラインデータの連系線潮流P1on、P2onと連系線105a、105bの潮流P1、P2、短絡インピーダンスZseと推定値Zs’が一致するリアクタンスX1、X2が得られるまで、8Step3〜8Step6を繰り返す。なお、前記(8)式を用いる算出方法の場合は、等価縮約ブランチ109aのリアクタンスX1を修正して(例えば、ΔX1=0.001PU程度)、再度、リアクタンスX2を計算し直す。
また、上記の説明では、現時点の外部系統の発電機定格容量総計ΣMVAを推定しているが、外部系統のオンラインデータとして入手可能であれば、それを用いて、等価縮約発電機の発電機定数調整(8Step2)と、等価縮約ブランチ調整(8Step3)を行うようにしても良い。
この場合、等価縮約発電機107の定格容量や発電機定数が現時点の系統状態に、より一致し、かつ、外部系統の短絡インピーダンス推定値Zseの精度が向上する。したがって、外部系統のオンラインデータの増加は1量で済むだけで、現時点の系統状態により一致する、高精度の外部系統縮約モデル106を生成することが可能である。
[作用効果]
以上説明した通り、本実施形態によれば、内部系統モデル101と系統縮約対象である外部系統モデル102が複数の異なった連系点105a、105bにより接続される場合であっても、各連系点105a、105bにおける連系線潮流と連系点105a、105bから外部系統モデル102側をみた短絡インピーダンスが、現時点の系統状態と一致する、高精度な外部系統縮約モデル106を生成することができる。
しかも、本実施形態においては、発電機の運用状態に応じて外部系統縮約モデル106の短絡インピーダンスが調整可能である。このため、短絡インピーダンスが未調整である場合に比べて、事故中の縮約点の電圧低下が、外部系統を系統縮約しない詳細モデルの電圧低下と一致することになる。したがって、外部系統縮約モデルの精度がいっそう向上する。
また、外部系統のオンラインデータが限定される場合であっても、外部系統縮約モデルのパラメータ更新が可能である。その上、外部系統及び連系線の全ての諸元を表す設備データ等の設備関連データが不要であり、データ管理に要する多大な労力を省くことが可能である。
さらには、外部系統のオンラインデータとして発電機定格容量総計ΣMVAを入手することができれば、等価縮約発電機107の定格容量や発電機定数が現時点の系統状態に、より一致し、かつ、外部系統の短絡インピーダンス推定値Zseの精度を向上することができる。つまり、外部系統のオンラインデータの最小限の増加で、外部系統縮約モデルの精度を大幅に向上させることができる。
(2)他の実施形態
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、例えば、等価縮約ブランチ109a、109b、109cのリアクタンスX1、X2、X0の別の算出方法として、次のような方法を実施する形態も包含する。
すなちわ、等価縮約ブランチ109a、109b、109cと、各ブランチの両端子までの小規模系統の電力方程式(連立2次方程式)を立て、リアクタンスX1、X2、X0以外は既知の定数として与えて電力方程式を解き、リアクタンスX1、X2、X0を得てもよい。
既知の定数としては、外部系統縮約部4においては、原系統モデルの潮流計算結果として得られる連系線105a、105bの潮流P1、P2と縮約起点ノード104a、104bの電圧V1∠θ1、V2∠θ2、等価縮約発電機107の端子電圧VG∠θG、等価縮約負荷106、等価縮約負荷ノードの電圧絶対値V0を与える。外部系統パラメータ推定部8においては、内部系統モデルの状態推定計算結果として得られる縮約起点ノード104a、104bの電圧V1∠θ1、V2∠θ2、オンラインデータの連系線潮流P1on、P2on、等価縮約負荷ノードの電圧絶対値V0を与える。
さらに、リアクタンスX1、X2、X0に適当な値を設定し、交流法や直流法などの潮流計算を実行して、連系線105a、105bの潮流P1、P2が原系統モデル1と一致するか、あるいは、オンラインデータの連系線潮流P1on、P2onと一致するか確認し、不一致の場合にはリアクタンスX1、X2、X0を修正して、再度、潮流計算により確認して一致するまで試行錯誤的に算出する方法でもよい。
1…原系統モデル(ベースモデル)
2…コヒーレンシー判定・グループ化処理部
3…縮約起点サーチ部
4…外部系統縮約部
5…縮約系統モデル(ベースモデル)
6…縮約モデル精度評価部
7…オンラインデータ
8…外部系統パラメータ推定部
9…外部系統縮約モデルの更新モデル
10…内部系統モデル
11…全系モデル生成部
12…全系モデル
13、15、17…データベース
14…ΣMVAとZsの関係式生成部
16…内部系統ΣMVAof算出部
101…内部系統モデル
102…外部系統モデル
103、103a、103b…内部系統モデルの連系点ノード
104、104a、104b…外部系統モデルの連系点ノード(縮約起点ノード)
105、105a、105b…連系線
106…外部系統縮約モデル
107…等価縮約発電機
108…等価縮約負荷
109、109a、109b、109c…等価縮約ブランチ

Claims (5)

  1. オンライン事前演算型事故波及防止リレーシステムの安定度計算に用いる解析モデルが、詳細模擬の内部系統モデルと簡略模擬の外部系統縮約モデルで構成されるとき、外部系統縮約モデルのパラメータを、オンラインデータを用いて推定する電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法において、
    内部系統モデルと外部系統縮約モデルが複数の異なった連系点により接続されるときに、各連系点における連系線潮流と連系点から外部系統モデル側をみた短絡インピーダンスが、現時点の系統状態と一致するように、外部系統縮約モデルのパラメータである等価縮約ブランチのインピーダンスを調整することを特徴とする電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法。
  2. オンラインデータを用いて求めた現時点の外部系統の発電機定格容量総和と、予め設定しておいた外部系統の発電機定格容量総和と連系点から外部系統側をみた短絡インピーダンスの関係を近似した関数式とを用いて、現時点の外部系統の短絡インピーダンスを推定して与えることを特徴とする請求項1に記載の電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法。
  3. 外部系統の発電機定格容量総和と連系点から外部系統側をみた短絡インピーダンスの関係を近似した前記関数式について、外部系統の設備停止を考慮した関数式を複数設定しておき、外部系統のオンラインデータにより使用する関数式を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法。
  4. 現時点の外部系統の発電機定格容量総和について、外部系統のオンラインデータとして入手して用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法。
  5. オンライン事前演算型事故波及防止リレーシステムの安定度計算に用いる解析モデルが、詳細模擬の内部系統モデルと簡略模擬の外部系統縮約モデルで構成されるとき、外部系統縮約モデルのパラメータを、オンラインデータを用いて推定する電力系統の縮約モデルのパラメータ推定装置において、
    内部系統モデルと外部系統縮約モデルが複数の異なった連系点により接続されるときに、各連系点における連系線潮流と連系点から外部系統モデル側をみた短絡インピーダンスが、現時点の系統状態と一致するように、外部系統縮約モデルの等価縮約ブランチのインピーダンスを調整するように構成されたことを特徴とする電力系統の縮約モデルのパラメータ推定装置。
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