JPH1056735A - 電力系統のモデル作成装置 - Google Patents

電力系統のモデル作成装置

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JPH1056735A
JPH1056735A JP20713296A JP20713296A JPH1056735A JP H1056735 A JPH1056735 A JP H1056735A JP 20713296 A JP20713296 A JP 20713296A JP 20713296 A JP20713296 A JP 20713296A JP H1056735 A JPH1056735 A JP H1056735A
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JP
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Application number
JP20713296A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Arii
良和 有井
Yoshiharu Okumoto
芳治 奥本
Minoru Tanaka
稔 田中
Masahiro Sato
正弘 佐藤
Kazuya Komata
和也 小俣
Ryoichi Tsukui
良一 津久井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Chugoku Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人手を介在せずに高精度で安定な縮約モ
デルを作成する。 【解決手段】 原系統モデルのシミュレーションを行
う原系統シミュレーション手段11と、このシミュレー
ション結果と判定しきい値とから発電機のグループ分け
をする類似性判定手段12と、各発電機グループごと
に、発電機グループの全ての発電機を含み、それ以外の
発電機を含まず、かつ、縮約起点ノード・縮約起点ブラ
ンチから見たときの独立した縮約範囲を判別する縮約範
囲判別手段13と、この縮約範囲内の原系統モデルから
縮約モデルを作成する系統縮約手段14と、この縮約モ
デルのミュレーションを行う縮約系統シミュレーション
手段15と、前記両シミュレーション結果を比較し、一
致・不一致を判定する比較手段16と、不一致のとき判
定しきい値を調整する調整手段17と、一致のとき縮約
モデルを出力する出力手段18とを設けた電力系統のモ
デル作成装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統モデルを
縮約して電力系統の縮約モデルを作成し、また自社系統
・外部系統を含む現時点の実系統に即したオンライン電
力系統モデルを作成する電力系統のモデル作成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】電力系統の大規模化・複雑化に伴い、電
力系統の事故現象などを解析したり、電力系統の安定化
装置の演算に用いたりするための電力系統モデルも大規
模化・複雑化してきている。
【0003】そこで、従来、事故現象の解析や安定化演
算の効率を高める観点から、電力系統モデルを縮約し、
シミュレーション可能な小規模の電力系統モデルを作成
するために、電力系統モデル縮約手法が用いられてい
る。
【0004】一方、時々刻々変化する電力系統のオンラ
インデータから電力系統モデルを作成してオンラインシ
ミュレーションを行う装置においては、複数の電力会社
の電力系統を連系した広域連系系統を扱うことが多い
が、この場合には他社系統(外部系統)の全てのオンラ
インデータを収集できないことから、予めオフラインで
作成された縮約モデルを用いてシミュレーションを行っ
ている。しかし、このような縮約モデルは、ある一つの
系統状態における原系統モデルから作成されたものであ
り、時々刻々変化する実系統の状態に追随できない固定
の縮約モデルにすぎない。よって、このような固定化さ
れた縮約モデルを用いてシミュレーションを行ったと
き、実系統の状態に即していないことから、シミュレー
ション結果に大きな誤差を生じさせることが予想され
る。
【0005】先ず、従来の電力系統モデル縮約手法につ
いて、図32、図33を用いて簡単に説明する。
【0006】図32は縮約前の原系統モデルを表わす図
であって、縮約しない主電力系統101に連系線となる
ブランチ102a,102bを介して縮約対象系統10
3が接続されている。同図において104a〜104k
は縮約対象系統内にある発電機、105a〜105lは
縮約対象系統内にある母線(以下、ノードと称する)、
106a〜106mは縮約対象系統内にある送電線また
は変圧器(以下、ブランチと称する)、107a〜10
7nは縮約対象系統内にある負荷である。
【0007】このような縮約前の原系統モデルにおける
縮約手順の原則は、原系統モデルにおける発電機・ノー
ド・ブランチ等の接続状態から、互いに電気的距離,つ
まりインピーダンスが小さい関係にある発電機104a
〜104kを1つの発電機グループとして選ぶことによ
り、この発電機グループを含み、それ以外の発電機を含
まないとする独立した系統範囲を見い出し、これを縮約
対象系統103として特定する。このとき、縮約対象系
統103と主電力系統101との接続点はただ1つのノ
ードでなければならない。このノードを縮約起点ノード
108とする。次に、後記する短絡容量法や二負荷法な
どを用いて縮約対象系統103を縮約して等価縮約モデ
ルを作成する。
【0008】このように作成された等価縮約モデルは、
例えば短絡容量法を用いた縮約手法の場合には、図33
に示すように縮約対象系統を等価縮約された1発電機、
1負荷、1ノード、1ブランチの形で表現される。同図
において104は等価縮約発電機、105は等価縮約ノ
ード、106は等価縮約ブランチ、107は等価縮約負
荷である。なお、101、102a、102b、108
は図32と同一のものである。
【0009】そして、以上のような図32の原系統モデ
ルと図33の等価縮約モデルとに対し、それぞれ同一の
事故を模擬し、各々安定度シミュレーションを行い、得
られた両安定度シミュレーションを比較する。ここで、
両安定度シミュレーション結果が一致するとき、原系統
モデルから作成された等価縮約モデルの縮約精度は高
く、原系統モデルとの整合性が十分に保持されていると
判断し、等価縮約モデルを出力し、一方、両安定度シミ
ュレーション結果が不一致のとき、発電機グループの選
択を見直し、互いの電気的距離が更に近い少数の発電機
からなる発電機グループを選定し、再度縮約処理をやり
直す。
【0010】次に、以上のような縮約手順に従って縮約
された外部系統の縮約モデルを用いてオンラインシミュ
レーションを行う場合の従来技術について、図33を用
いて説明する。但し、図33から主電力系統101が自
社系統、104〜107が縮約された外部系統モデルと
する。
【0011】ところで、自社系統101の場合には、オ
ンラインデータの収集が可能であり、よって時々刻々変
化する電力系統のオンラインデータから現時点の実系統
に即した電力系統モデルを作成できる。しかし、外部系
統では、全てのオンラインデータを収集できないので、
現時点の実系統に即した電力系統モデルを構築できず、
原系統モデルから縮約した時点のままの固定の縮約モデ
ルを用いてシミュレーションを行わざるを得ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、以上のような
電力系統のモデル縮約手法では、発電機グループの選
定、縮約対象系統および縮約起点ノードの特定、原系統
モデルおよび縮約モデルのシミュレーション結果の比較
等に対して人間の判断が必要であり、しかも判断基準が
曖昧であることから、作成された縮約モデルの縮約精度
にかなりバラツキが生じ、また人間による作業量も膨大
となる問題がある。
【0013】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、安定な縮約精度で電力系統モデルを縮約可能とする
電力系統のモデル作成装置を提供することにある。
【0014】また、本発明の他の目的は、自社系統だけ
でなく、オンラインデータを収集できない外部系統をも
含めて現時点の実系統のオンライン電力系統モデルを確
実に作成し、精度のよいオンラインシミュレーションを
実行する電力系統のモデル作成装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、上記課題を解決するために、電力系統の原系統モデ
ルから縮約モデルを作成する電力系統のモデル作成装置
において、前記原系統モデルによるシミュレーションを
実行する原系統シミュレーション手段と、予め判定しき
い値が設定され、前記原系統シミュレーション手段によ
るシミュレーション結果と前記判定しきい値とを用い
て、複数の発電機の中から外乱発生時の挙動の類似する
発電機グループに分ける発電機類似性判定手段と、この
発電機類似性判定手段で分けられた各発電機グループご
とに、それぞれ該当する発電機グループに属するすべて
の発電機を含み、それ以外の発電機を含まず、かつ、縮
約起点ノードおよび縮約起点ブランチから見たときの独
立した縮約範囲を判別する縮約範囲判別手段と、この縮
約範囲判別手段で判別される縮約範囲内の原系統モデル
を縮約して縮約モデルを作成する系統縮約手段と、この
系統縮約手段で作成される縮約モデルによるミュレーシ
ョンを実行する縮約系統シミュレーション手段と、前記
原系統および縮約系統のシミュレーション手段によって
得られる原系統モデルおよび縮約モデルのシミュレーシ
ョン結果を比較し、両シミュレーション結果の一致・不
一致を判定するシミュレーション結果比較手段と、この
シミュレーション結果比較手段で不一致と判定されたと
き、前記発電機類似性判定手段の判定しきい値を調整す
る発電機類似性判定しきい値調整手段とを設けた構成で
ある。
【0016】請求項1に対応する発明は、以上のような
手段を講じたことにより、原系統シミュレーション手段
が原系統モデルを用いてシミュレーションを実行し、そ
のシミュレーション結果を発電機類似性判別手段および
シミュレーション結果比較手段に送出する。ここで、発
電機類似性判別手段は、予め設定された判定しきい値と
シミュレーション結果である外乱発生による各発電機の
挙動状態とを比較し、挙動状態の類似するものどうしの
発電機グループに分け、縮約範囲判別手段に導入する。
この縮約範囲判別手段では、各発電機グループごとに、
それぞれ該当する発電機グループに属するすべての発電
機を含み、それ以外の発電機を含まず、かつ、縮約起点
ノードおよび縮約起点ブランチから見たときの独立した
縮約範囲を判別し、系統縮約手段に入力する。この系統
縮約手段では、入力された縮約起点ノードおよび縮約起
点ブランチを起点とし、前記縮約範囲内の原系統モデル
を縮約して縮約モデルを作成し、縮約系統シミュレーシ
ョン手段に入力する。
【0017】この縮約系統シミュレーション手段では、
原系統モデルと縮約モデルのシミュレーション結果を比
較し、一致していない場合には発電機類似性判別手段の
判定しきい値を調整し、一致している場合には縮約結果
が正しいと判断し縮約モデルを出力する。
【0018】よって、この人間の判断を必要とせず、一
定の基準に従って自動的の縮約モデルの適切性を判断
し、均一化された精度の縮約モデルを作成できる。
【0019】次に、請求項2および請求項3に対応する
発明は、発電機類似性判定手段の具体的技術手段であっ
て、その1つは、原系統シミュレーション手段から得ら
れるシミュレーション結果から、順次2つの発電機の位
相角を順次選択しながら当該両発電機の時系列的な位相
角差の中から最大値を求める位相角差最大値算出手段
と、この位相角差の最大値と前記判定しきい値とを比較
し、位相角差の最大値が判定しきい値以下のとき、同一
の発電機グループであると判定する発電機グループ判定
手段とを有するものであり、他の1つは、原系統シミュ
レーション手段によるシミュレーション結果から、順次
2つの発電機の位相角を順次選択しながら当該両発電機
の時系列的な位相角差の積分値を算出する位相角差積分
値算出手段と、この位相角差の積分値と前記判定しきい
値とを比較し、当該位相角差の積分値が前記判定しきい
値以下のとき、同一の発電機グループであると判定する
発電機グループ判定手段とを有するものである。
【0020】これら請求項2および請求項3に対応する
発明は、以上のような手段を講じることにより、原系統
シミュレーション手段にて原系統モデルに事故を模擬し
た外乱を与えた後、シミュレーション結果として、各発
電機の時系列的な位相角動揺を取り込む。そして、これ
ら発電機群の中から一定の順番のもとにある発電機を基
準とし、この基準発電機と順次順番に基づく他の発電機
とを組み合わせつつ、両発電機の時系列的な位相角差の
中の最大値または両発電機の時系列的な位相角差の積分
値を求めた後、これら位相角差の最大値または位相角差
の積分値と判定しきい値とを比較し、位相角差の最大値
または位相角差の積分値が判定しきい値以下のとき、同
一の発電機グループと判定する。このグループから外れ
た発電機については、同様の手順に従って2つの発電機
を組み合わせながら、位相角差の最大値または位相角差
の積分値と判定しきい値とから、別の発電機グループを
作成する。
【0021】よって、一定の基準のもとに、原系統モデ
ルに存在する多数の発電機をグループ化でき、容易に縮
約範囲を定めるための目安のデータを得ることができ、
ひいては後記する縮約範囲を迅速に決定可能となる。
【0022】次に、請求項4および請求項5に対応する
発明は縮約範囲判別手段の具体的技術手段であって、そ
のうち請求項4に対応する発明は、複数のノードの中か
ら1つずつ起点ノードを選択し、かつ、この選択された
起点ノードに接続されるブランチの所要数を順次起点ブ
ランチとして選択し、これら選択された前記起点ノード
と前記起点ブランチとの接続状態および末端の負荷ノー
ドまたは発電機の接続状態を走査し、縮約起点および縮
約範囲を判別する手段を設けたものであり、請求項5に
対応する発明は、複数のノードの中から1つずつ起点ノ
ードを選択し、かつ、この選択された起点ノードに接続
されるブランチの所要数を順次起点ブランチとして選択
するノード・ブランチ選択手段と、この選択手段で選択
される起点ノードから電流を注入し、当該起点ノードお
よび前記起点ブランチにそれぞれ接続されるノード、ブ
ランチおよび発電機などの信号状態から縮約起点および
縮約範囲を判別する判別手段とを設けたものである。
【0023】従って、請求項4に対応する発明は、以上
のような手段を講じたことにより、順次1つの起点ノー
ドおよび起点ブランチを選定し、これらノードおよびブ
ランチの接続状態の他、末端の負荷ノードまたは発電機
に到達するまで走査することにより、縮約起点および縮
約範囲を特定するので、自動的に縮約起点および縮約範
囲を特定できる。
【0024】請求項5に対応する発明においては、起点
ノードから電流を注入し、起点ノードおよび前記起点ブ
ランチにそれぞれ接続されるノード、ブランチおよび発
電機などに現われる電圧から縮約起点および縮約範囲を
特定するので、同様に自動的に縮約起点および縮約範囲
を特定できる。
【0025】請求項6および請求項7に対応する発明
は、系統縮約手段の具体的技術手段であって、その1つ
は、短絡容量法を用いて、縮約範囲判別手段から入力さ
れる起点ノードおよび縮約起点ブランチを起点とし、縮
約範囲内の原系統モデルを縮約して縮約モデルを作成す
るものであり、他の1つは、二負荷法を用いて、縮約範
囲判別手段から入力される起点ノードおよび縮約起点ブ
ランチを起点とし、縮約範囲内の原系統モデルを縮約し
て縮約モデルを作成するものである。
【0026】これら請求項6および請求項7に対応する
発明は、以上のような手段を講じたことにより、縮約範
囲判別手段で特定された起点ノードおよび縮約起点ブラ
ンチを起点とし、短絡容量法または二負荷法を従って必
要な計算を実施し、縮約範囲内の原系統モデルを縮約し
て縮約モデルを作成するので、自動的に精度のよい小規
模の縮約モデルを作成できる。
【0027】さらに、請求項8に対応する発明は、シミ
ュレーション結果比較手段として、縮約系統シミュレー
ション手段のシミュレーション結果である縮約モデルの
発電機と前記原系統シミュレーション手段のシミュレー
ション結果である原系統モデルの発電機との時系列的な
位相角差の中から最大値を求める位相角差最大値算出手
段と、この位相角差の最大値と前記判定しきい値とを比
較し、当該位相角差の最大値が所定の判定しきい値以下
であるとき、前記縮約モデルと前記原系統モデルとが一
致していると判定するモデル一致性比較手段とを設けた
構成である。
【0028】この請求項8に対応する発明は、以上のよ
うな手段を講じたことにより、シミュレーション結果で
ある縮約モデルの発電機と原系統モデルの発電機との時
系列的な位相角差の中から最大値と判定しきい値とを比
較し、位相角差の最大値が所定の判定しきい値以下であ
るとき、縮約モデルが原系統モデルに一致していると判
定するので、一定の基準のもとに縮約された縮約モデル
の正確性の有無を判断できる。
【0029】請求項9に対応する発明は、シミュレーシ
ョン結果比較手段として、縮約系統シミュレーション手
段のシミュレーション結果である縮約モデルの発電機と
前記原系統シミュレーション手段のシミュレーション結
果である原系統モデルの発電機との時系列的な位相角差
の積分値を求める位相角差積分値算出手段と、この位相
角差の積分値と前記判定しきい値とを比較し、当該位相
角差の積分値が所定の判定しきい値以下であるとき、前
記縮約モデルと前記原系統モデルとが一致していると判
定するモデル一致性比較手段とを設けた構成である。
【0030】この請求項9に対応する発明は、以上のよ
うな手段を講じたことにより、シミュレーション結果で
ある縮約モデルの発電機と原系統モデルの発電機との時
系列的な位相角差の積分値と判定しきい値とを比較し、
位相角差の積分値が所定の判定しきい値以下であると
き、縮約モデルが原系統モデルに一致していると判定す
るので、一定の基準のもとに縮約された縮約モデルの正
確性の有無を判断できる。
【0031】さらに、請求項10に対応する発明は、シ
ミュレーション結果比較手段として、縮約系統シミュレ
ーション手段のシミュレーション結果である縮約モデル
の発電機と前記原系統シミュレーション手段のシミュレ
ーション結果である原系統モデルの発電機との動揺周期
の差を求める動揺周期差算出手段と、この動揺周期差と
前記判定しきい値とを比較し、当該動揺周期差が所定の
判定しきい値以下であるとき、前記縮約モデルと前記原
系統モデルとが一致していると判定するモデル比較手段
とを設けた構成である。
【0032】この請求項10に対応する発明は、以上の
ような手段を講じたことにより、シミュレーション結果
である縮約モデルの発電機と原系統モデルの発電機との
動揺周期の差と判定しきい値とを比較し、動揺周期差が
所定の判定しきい値以下であるとき、縮約モデルが前記
原系統モデルに一致していると判定するので、同様に一
定の基準のもとに縮約された縮約モデルの正確性の有無
を判断できる。
【0033】請求項11に対応する発明は、オンライン
データを収集可能な自社系統とオンラインデータを収集
できない外部系統とが接続されている電力系統のモデル
を作成し、シミュレーションを行う電力系統のモデル作
成装置において、前記自社系統のモデルを構築するため
に必要な系統情報、外部系統の発電機の併解列情報、自
社系統と外部系統とを接続する連系線に流れる連系線潮
流情報などのオンラインデータを記憶するオンラインデ
ータ記憶手段と、ある系統状態をもつ電力系統を模擬し
た原系統モデル、予め原系統モデルをもとに縮約された
外部系統部分と縮約されていない自社系統部分とを結合
した一部縮約モデル、予め原系統モデルをもとに算出し
た外部系統の送電損失量データ、自社系統と外部系統と
連系線とに関係する設備の諸元を表わす設備データ等の
設備関連データを記憶する設備関連データ記憶手段と、
前記オンラインデータおよび設備関連データを用いて現
時点の実系統に即した自社系統モデルを構築する自社系
統モデル構築手段と、前記オンラインデータおよび設備
関連データを用いて前記一部縮約モデルのうち外部系統
部分の縮約モデルを現時点の実系統に即して調整した外
部系統モデルを作成する外部系統モデル調整手段と、こ
の外部系統モデルと前記自社系統モデルとを結合して現
時点の実系統に即したオンライン電力系統モデルを作成
するオンライン電力系統モデル作成手段と、シミュレー
ションすべき想定事故の条件を記憶する想定事故条件記
憶手段と、前記オンライン電力系統モデルと前記想定事
故の条件とを用いて現時点の実系統に想定事故が発生し
たときの電力系統の挙動をシミュレーションし、そのシ
ミュレーション結果を出力するシミュレーション手段と
を設けた電力系統のモデル作成装置である。
【0034】従って、請求項11に対応する発明は、以
上のような手段を講じたことにより、オンラインデータ
入力手段から自社系統からモデルを構築するために必要
な系統情報、外部系統の発電機の併解列情報、自社系統
と外部系統とを接続する連系線に流れる連系線潮流情報
などのオンラインデータをオンラインデータ記憶手段に
記憶する。また、設備関連データ記憶手段には予めある
系統状態をもつ電力系統を模擬した原系統モデル、予め
原系統モデルをもとに縮約された外部系統部分と縮約さ
れていない自社系統部分とを結合した一部縮約モデル、
予め原系統モデルをもとに算出した外部系統の送電損失
量データ、自社系統と外部系統と連系線とに関係する設
備の諸元を表わす設備データ等の設備関連データを記憶
する。
【0035】以上の状態において自社系統モデル構築手
段では、オンラインデータおよび設備関連データを取出
して、現時点の実系統に即した自社系統モデルを構築
し、一方、外部系統モデル調整手段においても、オンラ
インデータおよび設備関連データを取出して一部縮約モ
デルのうち外部系統部分の縮約モデルを現時点の実系統
に即して調整した外部系統モデルを作成し、それぞれ作
成された自社系統モデルおよび外部系統モデルをオンラ
イン電力系統モデル作成手段に送出する。
【0036】ここで、オンライン電力系統モデル作成手
段は、入力される外部系統モデルと自社系統モデルとを
結合して現時点の実系統に即したオンライン電力系統モ
デルを作成してシミュレーション手段に入力すると、こ
こでオンライン電力系統モデルと予め設定されている想
定事故の条件とを用いて現時点の実系統に想定された事
故が発生したときの電力系統の挙動をシミュレーション
し、そのシミュレーション結果を出力する。
【0037】よって、この自社系統のオンラインデータ
および設備関連データから一部縮約モデルのうち外部系
統部分の縮約モデルを現時点の実系統に即して調整した
外部系統モデルを作成し、自社系統モデル構築手段で作
成される現時点の実系統に即した自社系統モデルと結合
してオンライン電力系統モデルを作成するので、自社系
統および外部系統を含んで広域連系系統のシミュレーシ
ョンを精度よく行うことができる。
【0038】請求項12に対応する発明は、外部系統モ
デル調整手段として、一部縮約モデルにおける自社系統
の発電機出力の合計値および外部系統の各等価縮約発電
機の出力の比と、オンラインデータの自社系統の発電機
出力の合計値とから現時点の実系統における外部系統の
各等価縮約発電機の出力の推定値を算出し、外部系統調
整モデルを作成するので、外部系統の縮約モデルから適
切な外部系統調整モデルを作成できる。
【0039】請求項13に対応する発明は、外部系統モ
デル調整手段として、一部縮約モデルにおける自社系統
の発電機出力の合計値および外部系統の全等価縮約発電
機の出力の合計値の比と、前記オンラインデータの自社
系統の発電機出力の合計値と、前記オンラインデータお
よび前記設備関連データから算出される現時点の実系統
における外部系統の各等価縮約発電機の定格容量および
これら定格容量合計値の比とから、現時点の実系統にお
ける外部系統の各等価縮約発電機の出力推定値を算出
し、外部系統調整モデルを作成するので、外部系統の縮
約モデルから適切な外部系統調整モデルを作成できる。
【0040】請求項14に対応する発明は、外部系統モ
デル調整手段として、各等価縮約発電機の出力の推定値
の合計値と原系統モデルの外部系統の送電損失量の推定
値とを算出するとともに、各等価縮約発電機の出力の推
定値の合計値とオンラインデータの連係線潮流との和か
ら送電損失量の推定値を減ずることにより現時点の実系
統における外部系統の等価縮約負荷の負荷量の合計値の
推定値を算出し、前記一部縮約モデルにおける外部系統
の各等価縮約負荷の負荷量の比と等価縮約負荷の負荷量
の合計値の推定値とから、現時点の実系統における外部
系統の各等価縮約負荷の負荷量の推定値を算出し、外部
系統調整モデルを作成するので、外部系統の縮約モデル
から適切な外部系統調整モデルを作成できる。
【0041】さらに、請求項15に対応する発明は、外
部系統モデル調整手段として、オンラインデータと前記
設備関連データとから原系統モデルの外部系統の発電機
およびその昇圧変圧器の併解列状態を前記オンラインデ
ータに合わせて修正し、一部縮約モデルと同一の縮約起
点から短絡容量法または二負荷法による縮約計算を行
い、現時点の実系統における外部系統の等価縮約ブラン
チのインピーダンスを推定するインピーダンス推定値算
出手段と、等価縮約発電機の発電機定数および制御系定
数の推定値を算出する定数推定値算出手段とを設けた構
成である。
【0042】この請求項15に対応する発明において
も、請求項12ないし請求項14に対応する発明と同様
に外部系統の縮約モデルから適切な外部系統調整モデル
を作成できる。
【0043】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)請求項1の発明に係わる電力系統
のモデル作成装置の一実施形態について図1ないし図3
を参照して説明する。図1は原系統モデルから縮約モデ
ルを作成するモデル作成装置の概念図、図2はモデル作
成装置の機能ブロック図、図3はモデル作成装置の処理
フロー図である。
【0044】このモデル作成装置は、図1に示すように
電力系統の縮約モデル作成装置1を用いて、縮約対象と
なる原系統モデル2から縮約した小規模の縮約モデル3
を作成することにある。
【0045】具体的には、図2に示すように、原系統モ
デル1のある個所に模擬的に事故を発生させ、そのとき
の安定度シミュレーションを実行する原系統シミュレー
ション手段11と、模擬的事故による外乱発性によって
生じるシミュレーション結果に基づいて各発電機の挙動
状態の類似性を調べて発電機のグループ分けを行う発電
機類似性判定手段12と、各発電機グループごとに、そ
れぞれ該当する発電機グループに属するすべての発電機
を含み、それ以外の発電機を含まず、かつ、母線などの
縮約起点ノードおよびこの縮約起点ノードに接続される
送電線や変圧器等の縮約起点ブランチから見たときに独
立した系統範囲と想定される縮約範囲を判別する縮約範
囲判別手段13と、縮約起点ノードおよび縮約起点ブラ
ンチを起点とし、前記縮約範囲と判別された原系統モデ
ルにつき短絡容量法または二負荷法を用いて縮約して縮
約モデルを作成する系統縮約手段14とが設けられてい
る。
【0046】また、このモデル作成装置2は、系統縮約
手段14で作成された縮約モデルに対し、原系統モデル
1と同様の個所および事故を模擬的に発生させて安定度
シミュレーションを実行する縮約系統シミュレーション
手段15と、これら原系統モデル1のシミュレーション
結果と縮約モデルのシミュレーション結果とを比較し、
両シミュレーション結果が一致するか否かを判定するシ
ミュレーション結果比較手段16と、この比較手段16
によって一致しないと判定されたとき、前記発電機類似
性判定手段12の類似性の判定に用いられている判定し
きい値を調整する発電機類似性判定しきい値調整手段1
7と、比較手段16によって一致したと判定されたと
き、縮約モデルを縮約結果として出力する縮約結果出力
手段18とが設けられている。
【0047】次に、以上のような構成された電力系統の
縮約モデル作成装置の動作について図3を参照して説明
する。
【0048】原系統シミュレーション手段11は、原系
統モデルデータを受けると、原系統モデル1のある個所
にある事故が発生されたと同じ状況を模擬的に作り出
し、その事故発生後に安定な運転状態を継続できる度合
を調べる安定度シミュレーションを実行し(S1)、そ
のシミュレーション結果を発電機類似性判定手段12に
入力する。この発電機類似性判定手段12は、原系統シ
ミュレーション手段11から送られてくるシミュレーシ
ョン結果から事故による外乱発生後の各発電機の時系列
的な挙動状態を取り込み、この時系列的な挙動状態と予
め設定される判定しきい値とから各発電機の挙動の類似
性を調べ、互いに類似する発電機ごとに発電機グループ
を作成し(S2)、縮約範囲判別手段13に送出する。
【0049】この縮約範囲判別手段13では、発電機類
似性判定手段12から入力される各発電機グループにつ
いて、該当する発電機グループに属するすべての発電機
を含み、それ以外の発電機を含まず、かつ、起点となる
縮約起点ノードおよびこの縮約起点ノードに接続される
縮約起点ブランチから見たときに独立した系統範囲とな
る縮約範囲を判別し(S3)、この判別結果である縮約
範囲、縮約起点ノード、縮約起点ブランチその他必要な
データを系統縮約手段14に送出する。ここで、系統縮
約手段14は、入力された縮約起点ノードおよび縮約起
点ブランチを起点とし、縮約範囲となる原系統モデル1
について後述する短絡容量法や二負荷法を用いて縮約モ
デルを作成する(S4)。しかる後、縮約系統シミュレ
ーション手段15では、系統縮約手段14によって得ら
れた縮約モデルに対し、原系統モデル1と同様の個所お
よび事故の状況を作り出して安定度シミュレーションを
実行し(S5)、前記原系統モデル1のシミュレーショ
ン結果とともに、シミュレーション結果比較手段16に
入力する。
【0050】このシミュレーション結果比較手段16
は、原系統モデルのシミュレーション結果と縮約モデル
のシミュレーション結果とを比較し、両シミュレーショ
ン結果が一致するか否かを判定する(S6)。ここで、
不一致と判定されたとき、発電機類似性判定手段12の
判定しきい値を調整し(S7)、発電機のグループ分け
を行って再度同様の処理を繰り返し実行し、また両シミ
ュレーション結果が一致したとき、系統縮約手段14で
作成された縮約モデルが原系統モデルと同じであると判
断し、縮約モデルを縮約結果として記憶し、CRTやプ
リンタ等から出力する。
【0051】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、発電機グループの選定、縮約対象系統の特定、縮約
起点ノードの特定、原系統モデルと縮約モデルとの安定
度シミュレーション結果の比較等の全ての処理を、人間
が介在せずに自動的に行うとともに、判定しきい値の下
に発電機のグループ分けをしながら縮約範囲を決定する
ので、常に安定した精度の縮約モデルを作成できる。
【0052】(第2の実施の形態)請求項2の発明に係
わる電力系統のモデル縮約作成装置の他の実施形態につ
いて図1、図2、図4および図5を参照して説明する。
なお、図1、図2は第1の実施の形態において既に説明
する通りであるので、その詳しい説明は省略する。図4
は発電機位相角動揺波形の一例を示す図、図5は発電機
類似性判定手段12の処理機能を説明する図である。
【0053】この電力系統の縮約作成装置は、図2と同
様に、原系統シミュレーション手段11、各発電機の挙
動の類似性から発電機をグループ分けする発電機類似性
判定手段12、縮約範囲を判別する縮約範囲判別手段1
3、短絡容量法または二負荷法を用いて縮約モデルを作
成する系統縮約手段14、縮約モデルのシミュレーショ
ンを実行する縮約系統シミュレーション手段15、これ
ら原系統モデル1のシミュレーション結果と縮約モデル
のシミュレーション結果とから、原系統モデル1と縮約
モデルとの一致性を判断するシミュレーション結果比較
手段16、この比較手段16で不一致と判定されたとき
前記判定しきい値を調整する発電機類似性判定しきい値
調整手段17および比較手段16で一致と判定されたと
き縮約モデルを出力する縮約結果出力手段18等によっ
て構成されている。
【0054】この実施の形態では、以上のような構成手
段のうち、特に発電機類似性判定手段12の一具体例で
あり、さらに詳しくは、ある2つの発電機の位相角差の
最大値を求め、その位相角差の最大値と判定しきい値と
から発電機グループを判定するものであって、縮約対象
となる縮約範囲を定めるうえで非常に重要な意味をもっ
ている。
【0055】以下、発電機類似性判定手段12について
具体的に説明する。原系統モデル1のある個所にある事
故を模擬的に発生させて安定度シミュレーションを行う
と、例えば図4に示すように2つの発電機k、jの位相
角動揺をもったシミュレーション結果を取出すことがで
きる。21は判定基準となる発電機例えばkの位相角、
22は比較判定の対象となる発電機jの位相角を表わ
す。
【0056】そこで、発電機類似性判定手段12では、
以上のようなシミュレーション結果を受け取ると、位相
角差最大値算出手段および発電機グループ判定手段を実
行する。
【0057】この位相角差最大値算出手段としては、図
5に示すように、予め原系統モデル1の中の複数の発電
機の順序が定められ、そのうち最初の発電機を判定基準
となる発電機kとし、この判定基準発電機kの位相角を
δj (t) 、比較判定の対象となる次の順番の発電機jの
位相角をδk (t) とすると、これら2つの発電機k,j
の位相角差{δj (t) −δk (t) }を全て時刻tについ
て計算していく(S11)。さらに、各時刻の位相角差
のうち最大値となる位相角差maxt [|δj(t) −δ
k (t) |]を求めるものである(S12)。
【0058】次に、発電機グループ判定手段では、得ら
れた位相角差最大値maxt [|δj (t) −δk (t)
|]と予め定めた判定しきい値εとを比較し、下記する
(1)式の関係が成立するか否かを調べ、成立するとき
には発電機jは判定基準発電機kのグループに属すると
判断し、発電機jを発電機kのグループに加える(S1
3,S14)。
【0059】 maxt [|δj (t) −δk (t) |]<ε ……(1) 引き続き、全ての発電機について発電機kのグループの
判定を行ったか否かを判断し(S15)、グループ判定
が終了していない場合には発電機jの次の発電機を指定
した後(S16)、ステップS11に移行し、同様の処
理を繰り返し実行する。
【0060】さらに、判定基準発電機kのグループにつ
いて全部の発電機の判定が終了したならば、発電機kグ
ループ以外の発電機のグループ判定を行ったか否かを判
断し(S17)、判定していない場合には判定基準とな
る発電機kのグループ以外の最初の順番の発電機を判定
基準発電機と定め、この判定基準発電機と組み合わせる
残りの発電機についても順序に従って指定し(S1
8)、同様の処理を繰り返し実行する。そして、全部の
発電機のグループ分けが終了したならば、発電機グルー
プデータを出力し(S19)、縮約範囲判別手段12に
送出する。
【0061】従って、この実施の形態によれば、第1の
実施の形態の効果に加え、シミュレーション結果に基づ
き、2つの発電機の位相角差の最大値が予め定めた判定
しきい値以下であるとき、同一発電機グループに属する
と判定するので、簡単、かつ、自動的に発電機のグルー
プ分けを実施でき、縮約対象となる縮約範囲の手掛かり
を確実に把握でき、ひいては高精度な縮約モデルの作成
が可能となる。
【0062】(第3の実施の形態)請求項3の発明に係
わる電力系統のモデル縮約作成装置の他の実施形態につ
いて図1、図2、図4および図6を参照して説明する。
なお、図1、図2および図4は既に説明した通りである
ので、その詳しい説明は省略する。図6は発電機類似性
判定手段12の処理機能を説明する図である。
【0063】この電力系統のモデル作成装置は、図2と
同様に、原系統シミュレーション手段11、各発電機の
挙動の類似性から発電機をグループ分けする発電機類似
性判定手段12、縮約範囲を判別する縮約範囲判別手段
13、短絡容量法または二負荷法を用いて縮約モデルを
作成する系統縮約手段14、縮約モデルのシミュレーシ
ョンを実行する縮約系統シミュレーション手段15、こ
れら原系統モデル1のシミュレーション結果と縮約モデ
ルのシミュレーション結果とから、原系統モデル1と縮
約モデルとの一致性を判断するシミュレーション結果比
較手段16、この比較手段16で不一致と判定されたと
き前記判定しきい値を調整する発電機類似性判定しきい
値調整手段17および比較手段16で一致と判定された
とき縮約モデルを出力する縮約結果出力手段18等によ
って構成されている。
【0064】この実施の形態では、以上のような構成手
段のうち、特に発電機類似性判定手段12の他の具体例
であり、さらに詳しくは、ある2つの発電機の位相角差
の積分値を求め、その位相角差の積分値と判定しきい値
とから発電機グループを判定するものであって、縮約対
象となる縮約範囲を定めるうえで非常に重要な意味をも
っている。
【0065】以下、発電機類似性判定手段12について
具体的に説明する。
【0066】発電機類似性判定手段12では、例えば図
4に示すようなミュレーション結果を受け取ると、位相
角差積分値算出手段および発電機グループ判定手段を実
行する。
【0067】この位相角差積分値算出手段は、図6に示
すように、予め原系統モデル1の中の複数の発電機の順
序が定められ、そのうち最初の発電機を判定基準発電機
kとし、この判定基準となる発電機kの位相角をδ
j (t) 、比較判定の対象となる次の順序の発電機jの位
相角をδk (t) とすると、これら2つの発電機k,jの
位相角差{δj (t) −δk (t) }を全ての時刻tについ
て計算し(S21)、しかる後、各時刻の位相角差の積
分値∫[|δj (t) −δk (t) |]dtを求める(S2
2)。
【0068】さらに、発電機グループ判定手段において
は、各時刻の位相角差の積分値∫[|δj (t) −δ
k (t) |]dtと予め設定される判定しきい値εとを比
較し、下記する(2)式の関係が成立するか否かを調
べ、成立するときには発電機jは判定基準発電機kのグ
ループに属すると判断し、発電機jを発電機kのグルー
プに加える(S23,S24)。
【0069】 ∫[|δj (t) −δk (t) |]<ε ……(2) 引き続き、全ての発電機について発電機kのグループの
判定を行ったか否かを判断し(S25)、グループ判定
が終了していない場合には発電機jの次の発電機を指定
した後(S26)、ステップS21に移行し、同様の処
理を繰り返し実行する。
【0070】さらに、判定基準発電機kのグループにつ
いて全部の発電機の判定が終了したならば、発電機kグ
ループ以外の発電機のグループ判定を行ったか否かを判
断し(S27)、判定していない場合には判定基準とな
る発電機kのグループ以外の最初の順番の発電機を判定
基準発電機と定め、この判定基準発電機と組み合わせる
残りの発電機についても順序に従って指定し(S2
8)、同様の処理を繰り返し実行する。そして、全部の
発電機のグループ分けが終了したならば、発電機グルー
プデータを出力し(S29)、縮約範囲判別手段12に
送出する。
【0071】従って、この実施の形態によれば、第1の
実施の形態の効果に加え、シミュレーション結果に基づ
き、2つの発電機の位相角差の積分値が予め定めた判定
しきい値以下であるとき、同一発電機グループに属する
と判定するので、簡単、かつ、自動的に発電機のグルー
プ分けを実施でき、縮約対象となる縮約範囲の手掛かり
を確実に把握でき、ひいては高精度な縮約モデルの作成
が可能となる。
【0072】(第4の実施の形態)請求項4の発明に係
わる電力系統のモデル縮約作成装置の他の実施形態につ
いて図1、図2、図7および図8を参照して説明する。
なお、図1、図2は第1の実施の形態で既に説明した通
りであるので、ここではその詳しい説明は省略する。図
7は縮約対象系統である電力系統モデルの接続状態を表
わす図、図8は図2に示す縮約範囲判別手段13の処理
機能を説明する図である。
【0073】この電力系統のモデル作成装置は、図2と
同様に、原系統シミュレーション手段11、各発電機の
挙動の類似性から発電機をグループ分けする発電機類似
性判定手段12、縮約範囲を判別する縮約範囲判別手段
13、短絡容量法または二負荷法を用いて縮約モデルを
作成する系統縮約手段14、縮約モデルのシミュレーシ
ョンを実行する縮約系統シミュレーション手段15、こ
れら原系統モデル1のシミュレーション結果と縮約モデ
ルのシミュレーション結果とから、原系統モデル1と縮
約モデルとの一致性を判断するシミュレーション結果比
較手段16、この比較手段16で不一致と判定されたと
き前記判定しきい値を調整する発電機類似性判定しきい
値調整手段17および比較手段16で一致と判定された
とき縮約モデルを出力する縮約結果出力手段18等によ
って構成されている。
【0074】この実施の形態では、以上のような構成手
段のうち、特に縮約範囲判別手段13の一具体例であっ
て、ノードとブランチとの接続状態を走査することによ
り、縮約起点と縮約範囲とを特定することにある。
【0075】以下、縮約範囲判別手段13について具体
的に説明する。
【0076】先ず、電力系統モデルは、例えば図7のよ
うな接続状態となっているものとする。従って、この電
力系統モデルのデータがメモリ(図示せず)に保存さ
れ、このデータにはノードとブランチとの接続状態を表
わすデータも含まれている。図7において31は縮約し
ない主電力系統、32は縮約対象系統(原系統モデ
ル)、33a,33bは主電力系統31と縮約対象系統
32とを接続するブランチである。この縮約対象系統3
2は、発電機34a〜34k、ノード35a〜35lお
よびブランチ36a〜36m、縮約起点ノード37等に
よって構成されている。
【0077】縮約範囲判別手段13は、以上のような電
力系統の原系統モデルにおいてある1つのノードを起点
として選び(S31)、この起点ノードに接続されてい
るブランチのうち、1本のブランチを起点ブランチとし
て選び(S32)、起点ノードから起点ブランチの方向
に走査を開始する(S33)。しかる後、起点ノードに
接続される全てのブランチを起点ブランチとして選んだ
か否かを判断し(S34)、残りのブランチを起点ブラ
ンチとし(S35)、ステップS33に戻って同様の走
査を行う。そして、起点ノードに接続される全てのブラ
ンチを起点ブランチとして選択し走査を終了した場合に
は、他の残りのノードについて起点ノードとして選んだ
か否かを判断し(S36)、選んでいない場合にはその
ノードを起点ノードとし(S37)、ステップS32に
戻って同様の処理を繰り返し実行する。このようにして
次々にノードとブランチとの接続状態をたどり、末端の
負荷ノードまたは発電機に到達するまで続ける。これに
より、選んだ起点ノードと起点ブランチとによって特定
される独立した系統に含まれる全てのノード、ブラン
チ、発電機を見い出すことができる(S38)。
【0078】さらに、ある起点ノードについて、その起
点ノードに接続されているブランチのうち2本を同時に
起点ブランチとして同様に走査する。また、これを同時
に起点ブランチとするブランチの全ての組み合わせにつ
いて繰り返す。さらに、同時に起点ブランチとするブラ
ンチを1本ずつ増やしていき、全てのブランチを同時に
起点ブランチするまで同様の処理を繰り返す。
【0079】よって、以上の一連の処理によって、入力
された原系統モデルで選択し得る全ての起点ノード、起
点ブランチ、およびその起点ノードおよび起点ブランチ
から特定される独立した系統内のノード、ブランチ、発
電機の組み合わせを見い出すことができる。
【0080】しかる後、それぞれの発電機グループにつ
いて、その発電機グループに属する全ての発電機を含
み、それ以外の発電機を含まないという条件の下に、前
記全ての起点ノード・起点ブランチとその独立系統内の
発電機の組み合わせとを照合し(S39)、一致する起
点ノード・起点ブランチ・縮約範囲を特定することによ
り、縮約範囲判別結果を出力し(S40)、系統縮約手
段14に入力する。
【0081】従って、この実施の形態によれば、所定の
順序に従って母線と送電線または変圧器の接続状態を走
査することにより、縮約起点および縮約範囲を自動的に
特定でき、ひいては後の縮約モデルを作成したときの精
度の均一化に大きく貢献する。
【0082】(第5の実施の形態)請求項5の発明に係
わる電力系統のモデル作成装置の他の実施形態について
図1、図2および図9を参照して説明する。なお、図
1、図2は第1の実施の形態で既に説明した通りである
ので、ここではその詳しい説明は省略する。図9は図2
に示す縮約範囲判別手段13の処理機能を説明する図で
ある。
【0083】この電力系統のモデル作成装置は、図2と
同様に、原系統シミュレーション手段11、各発電機の
挙動の類似性から発電機をグループ分けする発電機類似
性判定手段12、縮約範囲を判別する縮約範囲判別手段
13、短絡容量法または二負荷法を用いて縮約モデルを
作成する系統縮約手段14、縮約モデルのシミュレーシ
ョンを実行する縮約系統シミュレーション手段15、こ
れら原系統モデル1のシミュレーション結果と縮約モデ
ルのシミュレーション結果とから、原系統モデル1と縮
約モデルとの一致性を判断するシミュレーション結果比
較手段16、この比較手段16で不一致と判定されたと
き前記判定しきい値を調整する発電機類似性判定しきい
値調整手段17および比較手段16で一致と判定された
とき縮約モデルを出力する縮約結果出力手段18等によ
って構成されている。
【0084】この実施の形態では、以上のような構成手
段のうち、特に縮約範囲判別手段13の他の具体例であ
って、1つのノード(母線)から電流を注入したときに
当該ノードに接続されているノードに現われる電圧から
縮約起点と縮約範囲とを特定するものである。
【0085】以下、縮約範囲判別手段13について具体
的に説明する。
【0086】電力系統モデルのデータがメモリ(図示せ
ず)に保存されているが、このデータにはノードとブラ
ンチの接続状態、ノードの負荷・ブランチや発電機内部
のインピーダンスを表わすデータが含まれている。これ
らデータを用いて、あるノードから電流を注入したと
き、そのノードに直接的または間接的に接続されている
ノードに現われる電圧を計算することができる。一方、
当該ノードに直接的または間接的に接続されていないノ
ードには電圧が現われない。
【0087】そこで、この縮約範囲判別手段13では、
ノード・ブランチ選択手段および縮約起点・縮約範囲を
判別する判別手段を実行する。
【0088】前記ノード・ブランチ選択手段は、電力系
統モデルのうちの原系統モデル1においてある1つのノ
ードを起点として選び(S41)、この起点ノードに接
続されているブランチのうち、1本のブランチを起点ブ
ランチとして残し、他のブランチを削除する(S4
2)。次に、その起点ノードから電流を注入し、各ノー
ドの電圧を計算すると、その起点ノード・起点ブランチ
に直接的または間接的に接続されているノードにのみ電
圧が現われる。よって、電圧が現われたノード、それら
のノードに接続されている全てのブランチおよび全ての
発電機が選んだ起点ノードと起点ブランチによって特定
される独立した系統となる(S43)。
【0089】さらに、起点ノードに接続されている削除
された他のブランチがあるか否かを判断し(S44)、
他のブランチがあれば、別のブランチまたは別のブラン
チの組み合わせを起点ブランチとし(S45)、ステッ
プS43の処理を繰り返す。引き続き、全部のノードを
起点ノードとしたか否かを判断することにより(S4
6)、全てのノードを次々に起点ノードとし(S4
7)、その起点ノードに接続されている全てのブランチ
を次々に起点ブランチとし、前述と同様な処理を繰り返
す(S42〜S44)。さらに、ある起点ノードについ
て、その起点ノードに接続されているブランチのうち、
2本を同時に起点ブランチとして残して他を削除し、ま
たブランチの組み合わせ数を増やして起点ブランチと
し、前記と同様の処理を繰り返す。つまり、同時に起点
ブランチとするブランチの数を1本ずつ増やしていき、
全てのブランチを同時に起点ブランチとするまで同様の
処理を繰り返す。
【0090】よって、以上のような処理により、入力さ
れた原系統モデルから選択し得る全ての起点ノード、起
点ブランチ、およびその起点ノード、起点ブランチによ
って特定される全ての独立系統内のノード、ブランチお
よび発電機の組み合わせを見い出すことができる(S4
8)。
【0091】しかる後、発電機類似性判定手段12で判
別されたそれぞれの発電機グループについて、その発電
機グループに属する全ての発電機を含み、それ以外の発
電機を含まないという条件の下に前記全ての起点ノード
・起点ブランチとその独立系統内の発電機の組み合わせ
とを照合し(S49)、一致する起点ノード・起点ブラ
ンチ・縮約範囲を特定し、縮約範囲判別結果として出力
し(S50)、系統縮約手段14に入力する。
【0092】従って、この実施の形態によれば、1つの
母線から電流を注入したとき、その母線と接続されてい
る母線に電圧が現われることから、この電圧の現れ方か
ら縮約起点と縮約範囲とを自動的に特定でき、ひいては
後の縮約モデルを作成したときの精度の均一化に大きく
貢献する。
【0093】(第6の実施の形態)請求項6の発明に係
わる電力系統のモデル縮約作成装置の他の実施形態につ
いて図1、図2、図10、図11および図12を参照し
て説明する。なお、図1、図2は第1の実施の形態で既
に説明した通りであるので、ここではその詳しい説明は
省略する。図10は図7と同一構成であるので同一符号
を付して説明する。図11は等価縮約系統を作成する機
能構成を示す図、図12は縮約対象系統を縮約した等価
縮約系統を表わす図である。
【0094】この電力系統のモデル縮約作成装置は、図
2と同様に、原系統シミュレーション手段11、各発電
機の挙動の類似性から発電機をグループ分けする発電機
類似性判定手段12、縮約範囲を判別する縮約範囲判別
手段13、短絡容量法または二負荷法を用いて縮約モデ
ルを作成する系統縮約手段14、縮約モデルのシミュレ
ーションを実行する縮約系統シミュレーション手段1
5、これら原系統モデル1のシミュレーション結果と縮
約モデルのシミュレーション結果とから、原系統モデル
1と縮約モデルとの一致性を判断するシミュレーション
結果比較手段16、この比較手段16で不一致と判定さ
れたとき前記判定しきい値を調整する発電機類似性判定
しきい値調整手段17および比較手段16で一致と判定
されたとき縮約モデルを出力する縮約結果出力手段18
等によって構成されている。
【0095】この実施の形態では、以上のような構成手
段のうち、特に系統縮約手段14の一具体例であって、
これは短絡容量法を用いて縮約対象系統を縮約して縮約
モデルを作成することにある。
【0096】以下、系統縮約手段14について具体的に
説明する。
【0097】この系統縮約手段14は、例えば図10の
ような接続状態をもった電力系統モデルを用いるものと
する。同図において31は縮約しない主電力系統、32
は縮約対象系統(原系統モデル)、33a,33bは主
電力系統31と縮約対象系統32とを接続するブラン
チ、34a〜34kは縮約対象系統内の発電機、35a
〜35lは縮約対象系統内のノード、36a〜36mは
縮約対象系統内のブランチ、37は縮約起点ノード、3
8a〜38nは縮約対象系統内の負荷である。
【0098】この系統縮約手段14では、発電機34a
〜34kを1つの等価縮約発電機に縮約する。今、発電
機34a〜34kの出力PG は、発電機34a〜34k
の各出力(PGa〜PGk)の総和とすると、下記(3)式
から算出する。
【0099】 PG =ΣPGi (i=a 〜k ) ……(3) 一方、定格容量GMVA は、発電機34a〜34kの各定
格容量(GMVAa〜GMV Ak)の総和とすると、下記する
(4)式から算出する。
【0100】 GMVA =ΣGMVAi (i=a 〜k ) ……(4) 慣性定数Mは、発電機34a〜34kの各慣性定数(M
a〜Mk)の容量加重平均とし、下記(5)式から算出
する。
【0101】 M={Σ(Mi×GMVAi)}/ΣGMVAi (i=a 〜k ) ……(5) さらに、内部インピーダンスZG は、各発電機34a〜
34kの内部インピーダンス(ZGa〜ZGk)の並列加算
平均とし、下記(6)式から算出する。
【0102】 ZG =1/{Σ(1/ZGi)} (i=a 〜k ) ……(6) 時定数TG は、各発電機34a〜34kの時定数(TGa
〜TGk)の加重対数平均とし、下記(7)式から算出す
る。
【0103】 TG =exp [{Σ(GMVAi×logTGi)}/ΣGMVAi] ……(7) 次に、各ノードは発電機の端子となる1つの等価縮約ノ
ードに縮約する。
【0104】ノードの縮約に関し、縮約ノードの電圧V
G は、発電機34a〜34kの端子電圧VGa〜VGkの出
力加重平均とすると、下記(8)式から算出する。
【0105】 VG ={Σ(VGi×PGi)}/ΣPGi (i=a 〜k ) ……(8) 等価縮約ノードの負荷PL は、縮約対象系統内の全ての
負荷38a〜38nの総和とすると、下記する(9)式
から算出する。
【0106】 PL =ΣPLi (i=a 〜n ) ……(9) さらに、各ブランチは縮約起点ノード37と前記等価縮
約ノードを接続する1本の等価縮約ブランチに縮約す
る。
【0107】今、インピーダンスZL は、縮約起点ノー
ド37から縮約系統を見たときの短絡インピーダンスZ
s と等価縮約発電機の内部インピーダンスXd′を用い
て、(10)式から算出する。
【0108】 ZL =Zs −Xd′ ……(10) 但し、Xd′は前記(6)式から算出する等価縮約発電
機の内部インピーダンスのうち、直軸過度リアクタンス
である。
【0109】次に、等価縮約発電機の制御系の定数を計
算すると、自動電圧調整器AVR(PSSを含む)のゲ
インKAVR は、各発電機34a〜34kのゲインKAVRa
〜KAVRkの加重対数平均とすると、下記(11)式から
算出する。
【0110】 KAVR =exp[{Σ(GMVAi×logKAVRi)}/ΣGMVAi] (i=a 〜k ) ……(11) また、AVR(PSSを含む)の時定数TAVR は、発電
機34a〜34kの時定数TAVRa〜TAVRkの加重対数平
均とすると、下記する(12)式から算出する。
【0111】 TAVR =exp[{Σ(GMVAi×logTAVRi)}/ΣGMVAi] (i=a 〜k ) ……(12) 調速機のゲインKGOV は、発電機34a〜34kのゲイ
ンKGOVa〜KGOVkの容量加重平均とすると、下記(1
3)式から算出する。
【0112】 KGOV ={Σ(GMVAi×KGOVi)}/ΣGMVAi (i=a 〜k )…(13) 調速機の時定数TGOV は、発電機34a〜34kの時定
数TGOVa〜TGOVkの加重対数平均とし、下記(14)式
から算出する。
【0113】 TGOV =exp[{Σ(GMVAi×logTGOVi)}/ΣGMVAi] (i=a 〜k ) ……(14) 従って、本発明装置の系統縮約手段14では、図11に
示すように原系統モデルのデータの他、縮約範囲判別手
段13で判別される縮約範囲を取込むと(S51)、前
記(3)式〜(7)式による演算式によって等価縮約発
電機の出力PG、定格容量GMVA 、慣性定数M、内部イ
ンピーダンスZG および時定数TG を算出し(S5
2)、しかる後、前記(8)式および(9)式の演算式
によって等価縮約ノードの電圧VG 、負荷PL を算出す
る(S53)。さらに、上記各式から得られる各値を用
いて縮約対象系統の短絡インピーダンスZs を算出す
る。
【0114】さらに、前記(10)式で等価縮約ブラン
チのインピーダンスZL 、(11)式〜(14)式で等
価縮約発電機の制御系の定数を算出する(S55、S5
6)。そして、原系統モデルを縮約した等価縮約発電
機、等価縮約ノード、等価縮約ブランチ、等価縮約発電
機の制御系の各定数等で構築される縮約モデルを出力
し、縮約系統シミュレーション手段15に送出する。
【0115】図12は、縮約対象系統から得られた等価
縮約系統を示す図である。同図において31は主電力系
統、33a〜33bは縮約対象系統と主電力系統とを接
続するブランチ、34は等価縮約発電機、35は等価縮
約ノード、36は等価縮約ブランチ、37…縮約起点ノ
ード、38は等価縮約負荷である。
【0116】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、短絡容量法を用いて縮約モデルを作成するので、簡
単、かつ、容易により小規模な縮約モデルを作成でき
る。
【0117】(第7の実施の形態)請求項7の発明に係
わる電力系統のモデル縮約作成装置の他の実施形態につ
いて図1、図2、図13を参照して説明する。なお、図
1、図2は第1の実施の形態で既に説明した通りである
ので、ここではその詳しい説明は省略する。図13は二
負荷法によって縮約した縮約モデルを示す図である。
【0118】この電力系統のモデル縮約作成装置は、図
2と同様に、原系統シミュレーション手段11、各発電
機の挙動の類似性から発電機をグループ分けする発電機
類似性判定手段12、縮約範囲を判別する縮約範囲判別
手段13、短絡容量法または二負荷法を用いて縮約モデ
ルを作成する系統縮約手段14、縮約モデルのシミュレ
ーションを実行する縮約系統シミュレーション手段1
5、これら原系統モデル1のシミュレーション結果と縮
約モデルのシミュレーション結果とから、原系統モデル
1と縮約モデルとの一致性を判断するシミュレーション
結果比較手段16、この比較手段16で不一致と判定さ
れたとき前記判定しきい値を調整する発電機類似性判定
しきい値調整手段17および比較手段16で一致と判定
されたとき縮約モデルを出力する縮約結果出力手段18
等によって構成されている。
【0119】この実施の形態では、以上のような構成手
段のうち、特に系統縮約手段14の他の具体例であっ
て、これは二負荷法を用いて縮約対象系統から縮約モデ
ルを作成する。
【0120】この系統縮約手段14における二負荷法
は、発電機と負荷とが混在する電力系統を、図13に示
すように一発電機二負荷系統に簡略化する具体的な手法
であって、さらに詳しくは、原系統モデルと縮約モデル
について、例えば短絡リアクタンス、電力損失、等価縮
約発電機の初期内部位相角等を合わせるように簡略化す
ることにより、原系統モデルと外乱発生時の発電機動揺
の波形を同一とする縮約モデルを作成する等価縮約法で
ある。
【0121】この二負荷法について具体的に説明する。
【0122】今、簡略化前後の系統において起点側ノー
ドk と発電機側ノードG との電圧・電流関係は、下記
(15)式で表わすことができる。
【0123】
【数1】
【0124】この(18)式は、簡略化前後で、起点側
ノードk の短絡インピーダンス(伝達アドミッタンス)
が等しいことを示し、(18′)式は、運用状態(過度
状態)での短絡電流が常に等しいことを示す。
【0125】ところで、以上のような演算式のうち、
(15)式〜(17)式と図13とから、短絡リアクタ
ンスXs 、無効電力損失△Q、発電機初期位相角θ、負
荷合計PL とすると、下式のような式が成立する。これ
によって図13の各諸量を決めることができる。
【0126】 Xs =X1 +X2 +X3 +Xd ′ ……(19) △Q=X1 (PG −PL 2 +X2 (PG −P2 2 +X3 G 2 +Xd ′PG 2 ……(20) θ=X1 (PG −PL )+X2 (PG −P2 ) +X3 G +Xd ′PG ……(21) PL =P1 +P2 ……(22) X1 =0またはX3 =0(簡略化) ……(23) そこで、上式から等価ブランチのリアクタンスX1 ,X
2 ,X3 が決まれば、ブランチの抵抗分はブランチリア
クタンスX1 ,X2 ,X3 に対し、原系統モデルの全有
効電力損失△Pと無効電力損失△Qとの比で設定し、一
方、アドミッタンス分は、全アドミッタンスYc を、各
ブランチにX1 ,X2 ,X3 の比で配分する。
【0127】その結果、前記(19)式〜(23)式か
ら次のような発電機まで、つまり図13の各諸量を求め
ることができる。
【0128】 Xt =Xs −Xd ′ ……(24) △Qt =△Q−Xd ′PG 2 ……(25) θt =θ−Xd ′PG ……(26) すなわち、この二負荷法は、極力計算を簡略化するため
に、例えば無効電力を無視し、電圧を一定にし、発電機
の位相角θを十分小さくい値と仮定し、直流法による簡
略な計算式を用いて、短絡リアクタンス、電力損失、等
価縮約発電機の初期内部位相角等を合わせるように簡略
化し、図13のような縮約モデルを作成し、縮約系統シ
ミュレーション手段15に送出する。図13において3
4は等価縮約発電機、37は縮約起点ノード、41,4
2…等価縮約ブランチ、43,44…等価縮約ノード、
45,46は等価縮約負荷である。
【0129】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、二負荷法を用いて縮約モデルを作成するので、簡
単、かつ、容易により小規模な縮約モデルを作成でき
る。
【0130】(第8の実施の形態)請求項8の発明に係
わる電力系統のモデル作成装置の一実施形態について図
1、図2、図14および図15を参照して説明する。な
お、図1、図2は第1の実施の形態で既に説明した通り
であり、ここではその詳しい説明は省略する。図14は
原系統モデルと縮約モデルにおける発電機の位相角を説
明する図、図15はシミュレーション結果比較手段16
の処理例を説明する図である。
【0131】この実施形態は、図2に示す電力系統のモ
デル作成装置の中のシミュレーション結果比較手段16
の一具体例であり、さらに詳しくは、各シミュレーショ
ン手段11、15のシミュレーション結果である原系統
モデルの発電機位相角と縮約モデルの発電機位相角との
差の最大値が予め設定された判定しきい値以下であると
き、縮約モデルが原系統モデルに一致すると判定する例
である。
【0132】一般に、原系統モデルと縮約モデルとのそ
れぞれのシミュレーション結果から、各モデルにおける
各発電機の位相角動揺を時系列的に取り出すことができ
る。図14は原系統モデルの基準とすべき発電機と縮約
モデルの同じ発電機との位相角動揺の比較例を示す図で
ある。同図に48は原系統モデルの基準とすべき設定し
た発電機kの位相角、49は縮約モデルの同じ発電機k
の位相角である。
【0133】以下、シミュレーション結果比較手段16
について図15を参照して具体的に説明する。このシミ
ュレーション結果比較手段16は、機能的には位相角差
最大値算出手段とモデル比較手段とからなっている。
【0134】この位相角差最大値算出手段としては、シ
ミュレーション結果である原系統モデルにおける発電機
kの位相角をδk o(t)、縮約モデルにおける同じ発電機
kの位相角をδk s(t)、予め設定される判定しきい値を
εとすると、縮約モデルの発電機kと原系統モデルの同
じ発電機の位相角差δk s(t)−δk o(t)を全ての時刻t
について計算する(S61)。しかる後、各時刻の位相
角差の中の最大値maxt [|δk s(t)−δk o(t)|]
を求める(S62)。
【0135】しかる後、モデル比較手段を実行する。こ
のモデル一致性比較手段は、予め判定しきい値εが設定
されているので、この判定しきい値εと位相角差の最大
値maxt [|δk s(t)−δk o(t)|]とを比較し(S
63)、下記(27)式の関係が成立するとき、原系統
モデルと縮約モデルの発電機kの挙動が一致していると
判定する(S64)。
【0136】 maxt [|δk s(t)−δk o(t)|]<ε ……(27) このとき、予め基準とすべき着目発電機が複数台設定さ
れている場合、全ての基準発電機について判定したか否
かを判断し(S65)、未だ判定していない基準とする
発電機があれば、その発電機を選んで同様の処理を行う
(S66)。
【0137】このようにして全ての基準とする発電機に
ついて前記(27)式が成立するか否かを判定し(S6
7)、成立しているとき原系統モデルと縮約モデルのシ
ミュレーション結果が一致しているとする判定結果を縮
約結果出力手段18に送出し(S68)、1つでも前記
(27)式の関係が成立しないとき原系統モデルと縮約
モデルのシミュレーション結果が一致していないとする
判定結果を発電機類似性判定しきい値調整手段17に送
出するものである(S69)。
【0138】従って、以上のような構成の実施形態によ
れば、第1の実施形態の効果に加え、シミュレーション
結果である原系統モデルの発電機と縮約モデルの発電機
の位相角差の最大値が判定しきい値以下であるとき、原
系統モデルと縮約モデルとが一致し、それ以外のときに
は原系統モデルと縮約モデルが不一致と判定するので、
高速、かつ、自動的に系統縮約手段14の結果を把握で
き、しかも高精度に安定した縮約モデルを作成可能であ
る。
【0139】(第9の実施の形態)請求項9の発明に係
わる電力系統のモデル縮約作成装置の一実施形態につい
て図1、図2および図16を参照して説明する。なお、
図1、図2は第1の実施の形態で既に説明した通りであ
り、ここではその詳しい説明は省略する。図16はシミ
ュレーション結果比較手段16の処理例を説明する図で
ある。
【0140】この実施形態は、図2に示す電力系統のモ
デル作成装置の中のシミュレーション結果比較手段16
のもう1つの具体例であり、さらに詳しくは、各シミュ
レーション手段11、15のシミュレーション結果であ
る原系統モデルの発電機と縮約モデルの発電機の位相角
差の積分値が予め設定された判定しきい値以下であると
き、縮約モデルが原系統モデルに一致すると判定する例
である。
【0141】以下、シミュレーション結果比較手段16
について図16を参照して具体的に説明する。このシミ
ュレーション結果比較手段16は、機能的には位相角差
積分値算出手段とモデル比較手段とからなっている。
【0142】この位相角差積分値算出手段においては、
シミュレーション結果である原系統モデルにおける発電
機kの位相角をδk o(t)、縮約モデルにおける同じ発電
機kの位相角をδk s(t)、予め設定される判定しきい値
をεとし、縮約モデルの発電機kと原系統モデルの同じ
発電機の位相角差δk s(t)−δk o(t)を全ての時刻tに
ついて計算する(S71)。しかる後、各時刻の位相角
差の積分値∫[|δks(t)−δk o(t)|]dtを計算す
る(S72)。
【0143】次に、モデル比較手段においては、予め判
定しきい値εが設定されているので、位相角差の積分値
∫[|δk s(t)−δk o(t)|]dtと前記判定しきい値
εとを比較し(S73)、下記(28)式の関係が成立
するとき、原系統モデルと縮約モデルの発電機kの挙動
が一致すると判定する(S74)。
【0144】 ∫[|δk s(t)−δk o(t)|]dt<ε ……(28) このとき、予め基準とする着目発電機が複数台設定され
ている場合、全ての着目発電機について判定したか否か
を判断し(S75)、未だ判定していない着目発電機が
あれば、その発電機を選んで同様の処理を行う(S7
6)。
【0145】このようにして全ての着目発電機について
前記(28)式が成立するか否かを判定し(S77)、
成立しているとき原系統モデルと縮約モデルのシミュレ
ーション結果が一致しているとする判定結果を縮約結果
出力手段18に送出し(S78)、1つでも前記(2
8)式の関係が成立しないとき原系統モデルと縮約モデ
ルのシミュレーション結果が一致していないとする判定
結果を発電機類似性判定敷居値調整手段17に送出する
(S79)。
【0146】従って、以上のような構成の実施形態によ
れば、第1の実施形態の効果に加え、シミュレーション
結果である原系統モデルの発電機と縮約モデルの発電機
の位相角差の積分値が判定しきい値以下であるとき、原
系統モデルと縮約モデルとが一致し、それ以外のとき原
系統モデルと縮約モデルとが不一致と判定するので、高
速、かつ、自動的に系統縮約手段14の結果を把握で
き、しかも高精度で安定した縮約モデルを作成可能であ
る。
【0147】(第10の実施の形態)請求項10の発明
に係わる電力系統のモデル作成装置の一実施形態につい
て図1、図2および図17を参照して説明する。なお、
図1、図2は第1の実施の形態で既に説明した通りであ
り、ここではその詳しい説明は省略する。図17はシミ
ュレーション結果比較手段16の処理例を説明する図で
ある。
【0148】この実施形態は、図2に示す電力系統のモ
デル作成装置の中のシミュレーション結果比較手段16
の更にもう1つの具体例であり、さらに詳しくは、各シ
ミュレーション手段11、15のシミュレーション結果
である原系統モデルの発電機と縮約モデルの発電機の動
揺周期の差が予め設定された判定しきい値以下であると
き、縮約モデルが原系統モデルに一致すると判定する例
である。
【0149】以下、シミュレーション結果比較手段16
について図17を参照して具体的に説明する。このシミ
ュレーション結果比較手段16は、機能的には動揺周期
差算出手段とモデル比較手段とからなっている。
【0150】一般に、発電機の動揺周期は、位相角の変
化が増大から減少に変わる発電機の位相角動揺のピーク
の時刻間隔または位相角の変化が減少から増大に変わる
ボトムの時刻間隔で表される。
【0151】そこで、動揺周期差算出手段では、シミュ
レーション結果である原系統モデルにおける発電機kの
位相角動揺をUk o 、縮約モデルにおける同じ発電機k
の位相角動揺Uk s 、予め設定される判定敷居値をεと
すると、縮約モデルの発電機kと原系統モデルの同じ発
電機kの位相角動揺のピークまたはボトムの時刻を算出
した後(S81)、原系統モデルの発電機kと縮約モデ
ルの同じ発電機kの位相角動揺Uk o 、Uk s を算出し
た後、縮約モデル発電機kと原系統モデルの発電機kと
の位相角動揺差|Uk s −Uk o |を求める(S8
2)。
【0152】しかる後、縮約モデル発電機kと原系統モ
デルの発電機kとの位相角動揺差|Uk s −Uk o |と
判定しきい値εとを比較し(S83)、下記(29)式
の関係が成立するとき、原系統モデルと縮約モデルの発
電機kの挙動が一致していると判定する(S64)。
【0153】 |Uk s −Uk o |<ε ……(29) このとき、予め基準とすべき着目発電機が複数台設定さ
れている場合、全ての着目発電機について判定したか否
かを判断し(S85)、未だ判定していない着目発電機
があれば、その発電機を選んで同様の処理を行う(S8
6)。
【0154】このようにして全ての着目発電機について
前記(29)式が成立するか否かを判定し(S87)、
成立しているときには原系統モデルと縮約モデルのシミ
ュレーション結果が一致しているとする判定結果を縮約
結果出力手段18に送出し(S88)、1つでも前記
(29)式の関係が成立しないとき原系統モデルと縮約
モデルのシミュレーション結果が一致していないとする
判定結果を発電機類似性判定敷居値調整手段17に送出
する(S89)。
【0155】従って、以上のような構成の実施形態によ
れば、第1の実施形態の効果に加え、シミュレーション
結果である原系統モデルの発電機と縮約モデルの発電機
の位相角動揺周期の差が判定しきい値以下であるとき、
原系統モデルと縮約モデルとが一致し、それ以外のとき
原系統モデルと縮約モデルとが不一致と判定するので、
高速、かつ、自動的に系統縮約手段14の結果を把握で
き、しかも高精度に安定した縮約モデルを作成可能であ
る。
【0156】(第11の実施の形態)請求項11の発明
に係わる電力系統のモデル作成装置の一実施形態につい
て図18ないし図27を参照して説明する。
【0157】この実施形態は、オンラインデータと設備
関連データとをもとに、自社系統のモデルを構築するの
みならず、外部系統の縮約モデルをも推定して調整し、
現時点の実系統に即したオンライン電力系統モデルを作
成することにある。
【0158】図18はモデル作成装置の概略構成図であ
る。すなわち、このモデル作成装置は、自社系統のモデ
ルを構築するために必要な全ての系統情報(発電機の併
解列の状態、出力、負荷の負荷量、ブランチの開閉状態
や潮流、ノードの電圧等の系統状態を表わすデータ)、
外部系統の全ての発電機の併解列情報、自社系統と外部
系統とを接続する連系線に流れる連系線潮流情報などか
らなるオンランイデータを入力するオンランイデータ入
力手段51と、ある1つの系統状態における電力系統を
全て詳細に模擬した原系統モデル、予め前記原系統モデ
ルをもとに縮約された外部系統モデルと縮約していない
外部系統モデルとを結合した一部縮約モデル、予め前記
原系統モデルをもとに算出された外部系統の送電損失量
データおよび自社系統、外部系統および連系線の全ての
設備の諸元を表わす設備データ等の設備関連データを入
力する設備関連データ入力手段52と、想定事故条件を
入力する想定事故条件入力手段53と、これら設備関連
データおよび入力されるオンラインデータを用いてオン
ライン電力系統モデルを作成するとともに、このオンラ
イン電力系統モデルと想定事故の条件とを用いて、現時
点の実系統における想定事故発生時の電力系統の挙動で
あるオンラインシミュレーション結果54を取得するオ
ンライン電力系統モデル作成装置55とが設けられてい
る。
【0159】なお、設備関連データ入力手段52から入
力される原系統モデル、一部縮約モデルおよびオンライ
ンシミュレーション結果を得る現時点の実系統について
説明する。
【0160】図19はある1つの系統状態における電力
系統を全て詳細に模擬した原系統モデルの一例を示す図
である。同図において61は主電力系統でもある自社系
統、62は自社系統に対する他社系統である外部系統、
63a,63bは自社系統61と外部系統62とを接続
する連系線である。この連系線63a,63bと接続さ
れる外部系統62のノード71にはそれぞれブランチ7
2a,72b,72cを介して縮約起点ノード73a,
73b,73cを含む縮約対象範囲74,75,76が
接続されている。
【0161】この縮約対象範囲74おいて741a〜7
41dはブランチ、742a〜742cはノード、74
3a〜743cは負荷、744a,744bは発電機の
昇圧変圧器に相当するブランチ、745a,744bは
発電機である。同様に縮約対象範囲75において751
a〜751cはブランチ、752a〜752cはノー
ド、753a,753bは負荷、754a,754bは
発電機の昇圧変圧器に相当するブランチ、755a,7
55bは発電機である。同様に縮約対象範囲76におい
て761a〜761cはブランチ、762a〜762c
はノード、763a,763bは負荷、764a,76
4bは発電機の昇圧変圧器に相当するブランチ、765
a,765bは発電機である。
【0162】なお、発電機745bは停止しており、そ
の昇圧変圧器744bも開放されている。
【0163】次に、図20は図19の原系統モデルのう
ち、外部系統62における各縮約対象範囲74〜76に
ついて前記第1ないし第10の実施の形態のモデル作成
装置にて縮約された外部系統の縮約モデルと縮約されて
いない自社系統61とを連系線63a,63bで結合し
た一部縮約モデルであって、短絡容量法による縮約手段
を用いて得られた例である。同図において741、75
1、761は等価縮約ブランチ、742,752,76
2は等価縮約ノード、743,753,763は等価縮
約負荷、745,755,765は等価縮約発電機であ
る。その他は図19と同じである。
【0164】図21は現時点の実系統の一例を示す図で
ある。
【0165】この実系統は、図19とほぼ同じであるの
で、同じ符号を付してその説明を省略する。図19の原
系統モデルは、ある一つの系統状態における電力系統の
模擬例であるが、この実系統においては、総需要の変化
やそれに伴う発電機の運転状態の変化などがあり、その
系統状態が時々刻々変化している。その結果、図21に
示す現時点の実系統の例では、図19に示した原系統モ
デルにおいて停止していた発電機745bが運転し、そ
の昇圧変圧器744bも投入されているが、その反面、
図20で運転していた発電機755bが停止し、その昇
圧変圧器744bも開放されている。
【0166】なお、自社系統61の図示しない系統状
態、例えば発電機の併解列状態の出力、負荷の負荷量、
ブランチの開閉状態、潮流、ノードの電圧等は、図19
の原系統モデルと、原系統モデルをもとに外部系統を縮
約された図20の一部縮約モデルとで実質的に同一と言
えるが、現時点の実系統を示す図21のモデルでは、系
統状態の変化によって図19、図20とは異なった系統
状態となっている。
【0167】次に、図18に示すオンライン電力系統モ
デル作成装置55について図22を参照して説明する。
このモデル作成装置55は、オンランイデータ入力手段
51から入力されるオンランイデータを記憶するオンラ
ンイデータ記憶手段81と、設備関連データを記憶する
設備関連データ記憶手段82と、オンラインデータと設
備関連データデータとを用いて現時点の実系統に即した
自社系統モデルを構築する自社系統モデル構築手段83
と、オンラインデータと設備関連データとを用いて前記
一部縮約モデルのうち外部系統部分のモデルを現時点の
実系統に即して調整した外部系統調整モデルを作成する
外部系統モデル調整手段84とが設けられている。
【0168】さらに、このモデル作成装置55において
は、自社系統モデル構築手段83で構築された自社系統
モデルと外部系統モデル調整手段84で作成された外部
系統調整モデルとを結合して現時点の実系統に即したオ
ンライン電力系統モデルを作成するオンライン電力系統
モデル作成手段85と、想定事故条件入力手段53から
入力される想定事故の条件を記憶する想定事故条件記憶
手段86と、オンライン電力系統モデルおよび想定事故
の条件とを用いて、現時点の実系統における想定事故発
生時に電力系統の挙動をシミュレーションし、シミュレ
ーション結果を出力するシミュレーション手段87とが
設けられている。
【0169】次に、以上のように構成された実施形態の
動作について図23ないし図28を参照して説明する。
【0170】先ず、図23に示すように、オンラインデ
ータ入力手段51および設備関連データ入力手段52か
らそれぞれオンラインデータ記憶手段81および設備関
連データ記憶手段82にそれぞれオンラインデータおよ
び設備関連データが記憶される(S91)。オンライン
データとは、例えば図21に示す現時点の実系統におけ
る自社系統61のモデルを構築するために必要な全ての
系列情報、例えば発電機の併解列状態や出力、負荷の負
荷量、ブランチの開閉状態、潮流、ノードの電圧などの
系統状態を表わすデータと、外部系統62の発電機74
5a,745b,755a,755b,765a〜76
5cの併解列情報と、連系線63a,63bに流れる連
系線潮流情報などであり、また設備関連データとは、図
19に示すある一つの系統状態における電力系統を全て
詳細に模擬した原系統モデルと、図20に示す一部縮約
モデルすなわち前記原系統モデルをもとに予め縮約され
た外部系統62と縮約されていない自社系統61とを連
系線63a,63bで結合した一部縮約モデルと、原系
統モデルをもとに予め公知の潮流計算手法を用いて算出
した外部系統62の送電損失量データと、自社系統6
1、外部系統62および連系線63a,63bの全ての
設備の諸元を表わす設備データなどである。
【0171】そして、オンラインデータ記憶手段81に
記憶されたオンラインデータは、プログラムデータに基
づいて自社系統モデル構築手段83および外部系統モデ
ル調整手段84に入力される(S92)。
【0172】一方、設備関連データ記憶手段82に記憶
された設備関連データも同様にプログラムデータの実行
によって自社系統モデル構築手段83および外部系統モ
デル調整手段84に入力される(S94)。
【0173】ここで、自社系統モデル構築手段83で
は、オンラインデータと設備関連データとを用いて現時
点の実系統に即した自社系統モデルを構築し、オンライ
ン電力系統モデル作成手段85に送出する(S94)。
さらに、図24で具体的に述べると、各記憶手段81、
82からオンラインデータおよび設備関連データを受け
ると(S941)、データべース用データのうち、図2
0の自社系統61と連係線63a,63bの部分に相当
する設備データをもとに、前記オンラインデータに従っ
て現時点の実系統に即した自社系統モデルを構築し(S
942)、この構築された自社系統モデルをオンライン
電力系統モデル作成手段85に送出する(S943)。
【0174】一方、外部系統モデル調整手段84では、
オンラインデータとデータベース用データとを用いて一
部縮約モデルのうち外部系統部分のモデルを現時点の実
系統に即して調整した外部系統調整モデルを作成し、オ
ンライン電力系統モデル作成手段85に送出する(S9
5)。図25で具体的に述べると、各記憶手段81、8
2からオンラインデータおよび設備関連データを受ける
と(S951)、設備関連データの一部縮約モデルのう
ち、図20における外部系統62の部分のモデルすなわ
ち等価縮約発電機745,755,765の内部定数
と、制御系定数と、併解列状態と、出力および等価縮約
ブランチ741,751,761とブランチ72a,7
2b,72cのインピーダンスと、開閉状態および等価
縮約負荷743,753,763の負荷量と、等価縮約
ノード742,752,762、ノード71および縮約
起点ノード73a,73b,73cの電圧などを取り出
す(S952)。
【0175】そして、取り出したデータのうち、等価縮
約発電機745,755,765の内部定数と制御系定
数と出力および等価縮約ブランチ741,751,76
1のインピーダンスおよび等価縮約負荷743,75
3,763の負荷量を表わすデータを、後記する各推定
値算出手段(図示せず)により算出し、この算出された
各推定値で置換することにより、外部系統62の部分に
ついて現時点の実系統に即して調整した外部系統調整モ
デルを作成し(S953)、この作成された外部系統調
整モデルをオンライン電力系統モデル作成手段85に入
力する(S954)。
【0176】ここで、オンライン電力系統モデル作成手
段85は、自社系統モデルと外部系統調整モデルとを結
合して現時点の実系統に即したオンライン電力系統モデ
ルを作成し、シミュレーション手段87に送出する(S
96)。このシミュレーション手段87は、図26に示
すように、自社系統モデルと外部系統調整モデルとを受
け取ると(S961)、これらモデルを、連系点すなわ
ち図20のノード71において結合することにより、現
時点の実系統の電力系統全体を表わすオンライン電力系
統モデルを作成し(S962)、この作成されたオンラ
イン電力系統モデルをシミュレーション手段87に送出
する(S963)。
【0177】このシミュレーション手段87は、オンラ
イン電力系統モデルの他、想定事故条件記憶手段86か
ら想定事故条件が入力され(S97)、これらオンライ
ン電力系統モデルと想定定事故条件とを用いて、現時点
の実系統において想定事故が発生したときの電力系統の
挙動をシミュレーションし、そのオンラインシミュレー
ション結果を出力する(S98)。ここで、想定事故条
件データとは、予めオンラインシミュレーションにてシ
ミュレーションする全ての想定事故、つまりシミュレー
ションにおける事故シーケンスを決定するために必要な
条件すなわち事故点・事故様相・事故継続時間・再閉路
の有無などの事故条件である。
【0178】すなわち、このシミュレーション手段87
は、図27に示すように、オンライン電力系統モデル作
成手段85および想定事故条件記憶手段86からオンラ
イン電力系統モデルおよび想定事故条件を取込み(S9
81)、オンライン電力系統モデルにおいて想定事故を
模擬し、過度安定度計算手法などを用いてシミュレーシ
ョンを行い(S982)、そのオンラインシミュレーシ
ョン結果を出力する(S983)。
【0179】以上のようなオンラインシミュレーション
を含む一連の処理は、一定の時間間隔ごとに繰り返し実
行され、常に最新のオンラインデータに基づくオンライ
ンシミュレーション結果を出力し続ける。
【0180】従って、以上のような構成の実施の形態に
よれば、オンラインデータと設備関連データとをもと
に、自社系統モデルを構築するのみならず、外部系統の
縮約モデルを推定して調整し、現時点の実系統に即した
オンライン電力系統モデルを作成することにより、精度
のよいオンラインシミュレーションを行うことができ
る。(第12の実施の形態)請求項12の発明に係わる
電力系統のモデル作成装置の他の実施形態について図1
8〜図22および図28を参照して説明する。なお、図
18〜図22は第11の実施の形態で既に説明した通り
であり、ここではその詳しい説明は省略する。図28は
外部系統モデル調整手段84の処理例を説明する図であ
る。
【0181】このオンライン電力系統モデル作成装置
は、図22と同様な構成,つまりオンランイデータ記憶
手段81と、設備関連データを記憶する設備関連データ
記憶手段82と、現時点の実系統に即した自社系統モデ
ルを構築する自社系統モデル構築手段83と、オンライ
ンデータと設備関連データとを用いて前記一部縮約モデ
ルのうち外部系統部分のモデルを現時点の実系統に即し
て調整した外部系統調整モデルを作成する外部系統モデ
ル調整手段84と、自社系統モデルおよび外部系統調整
モデルとを結合して現時点の実系統に即したオンライン
電力系統モデルを作成するオンライン電力系統モデル作
成手段85と、想定事故条件入力手段53から入力され
る想定事故の条件を記憶する想定事故条件記憶手段86
と、オンライン電力系統モデルおよび想定事故の条件と
を用いて、現時点の実系統における想定事故発生時に電
力系統の挙動をシミュレーションし、シミュレーション
結果を出力するシミュレーション手段87とによって構
成されている。
【0182】この実施の形態においては、以上のような
構成手段のうち、特に外部系統モデル調整手段84の一
具体例であって、さらに詳しくは、図25に示すよう
に、オンラインデータ記憶手段81および設備関連デー
タ記憶手段82の中のオンラインデータおよび設備関連
データを用いて、等価縮約発電機の内部定数と制御系定
数と出力、等価縮約ブランチのインピーダンス、等価縮
約負荷の負荷量等から外部系統調整モデルを作成すると
きに使用する等価縮約発電機の出力を推定することにあ
る。
【0183】外部系統モデル調整手段84は、図28に
示す手順に従って等価縮約発電機の出力の推定値を算出
するが、具体的には、オンラインデータおよび設備関連
データの中から外部系統を縮約した一部縮約モデルの等
価縮約発電機745,755,765の出力POB1 ,P
OB2 ,POB3 と、一部縮約モデルにおける自社系統61
内の発電機出力の合計値PDBと、オンラインデータとし
て入力される自社系統61内の発電機出力の合計値PDR
とを取り出し(S101)、下記(30)式から等価縮
約発電機745,755,765の現時点の出力の推定
値POR1 ,POR 2 ,POR3 を算出する(S102)。
【0184】 PORi =(POBi /PDB)×PDR (i=1 〜3) ……(30) すなわち、電力系統の発電機出力は、自社系統と外部系
統とでほぼ同様の変化をするため、一部縮約モデルにお
ける自社系統内の発電機出力の合計値に対する外部系統
の各等価縮約発電機の出力の比は、現時点の実系統にお
いても不変であるとし、前記(30)式の計算によって
外部系統の各等価縮約発電機の現時点の出力値の推定値
を算出することにより、外部系統調整モデルを作成し、
オンライン電力系統モデル作成手段85に送出する。
【0185】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、オンラインシミュレーションにおいて、オンライン
データと設備関連データをもとに、自社系統モデルとは
別に、自社系統の発電機出力から外部系統の各等価縮約
発電機の出力を推定する手法を適用して外部系統の縮約
モデルを推定して調整するので、現時点の実系統に即し
たオンライン電力系統モデルが作成可能であり、精度の
よいオンラインシミュレーションを行うことができる。
【0186】(第13の実施の形態)請求項13の発明
に係わる電力系統のモデル作成装置の他の実施形態につ
いて図18〜図22および図29を参照して説明する。
なお、図18〜図22は第11の実施の形態で既に説明
した通りであり、ここではその詳しい説明は省略する。
図29は外部系統モデル調整手段84の処理例を説明す
る図である。
【0187】この実施形態は、図22に示すオンライン
電力系統モデル作成装置の中の外部系統モデル調整手段
84の他の具体例であって、第12の実施の形態と同様
に外部系統調整モデルを作成するための等価縮約発電機
の出力を推定することにある。
【0188】この外部系統モデル調整手段84は、オン
ラインデータ記憶手段81および設備関連データ記憶手
段82から必要なオンラインデータおよび設備関連デー
タを取り出し、図29に示す手順に従って等価縮約発電
機の出力の推定値を算出し、外部系統調整モデルを作成
する。具体的に述べると、オンラインデータおよび設備
関連データの中から外部系統を縮約した一部縮約モデル
の等価縮約発電機745,755,765の出力の合計
値POBと、一部縮約モデルにおける自社系統61内の発
電機出力の合計値PDBと、オンラインデータとして入力
される自社系統61内の発電機出力の合計値PDRとを取
り出し、 POR=(POB/PDB)×PDR ……(31) の演算式によって現時点の等価縮約発電機の出力の合計
値の推定値をPORを求める。さらに、縮約範囲74,7
5,76に含まれる発電機のうち、現時点で系統に併列
されている発電機の定格容量の合計値GMVAOR1,G
MVAOR2,GMVAOR3を求めた後(S111)。これら合計
値GMVAOR1,GMVAOR2,GMVAOR3は、一部縮約モデルと
原系統モデルと設備データと設備関連データとのうち、
外部系統の発電機の併解列情報を用いて、各縮約範囲内
毎に現時点で併列されている発電機だけを選び出してそ
の定格容量の和をとることで算出される。すなわち、G
MVAOR1は、発電機745aと745bとの定格容量の
和、GMVAOR2は発電機755aの定格容量、GMVAOR3
発電機765a〜765cの定格容量の和である。
【0189】そして、GMVAOR1,GMVAOR2,GMVAOR3
合計値をGMVAOR とし、現時点の等価縮約発電機の出力
の合計値の推定値をPORとし、等価縮約発電機745,
755,765の現時点の出力の推定値をPOR1 ,P
OR2 ,POR3 とすると、現時点の等価縮約発電機の出力
の合計値の推定値PORおよび等価縮約発電機745,7
55,765の現時点の出力の推定値POR1 ,POR2
OR3 は、下記(32)式から算出できる(S11
2)。
【0190】 PORi =(GMVAORi/GMVAOR )×POR (i=1 〜3) ……(32) すなわち、電力系統の発電機出力は、自社系統と外部系
統とではほぼ同様の変化をするため、一部縮約モデルに
おける自社系統内の発電機出力の合計値に対する外部系
統の全ての発電機出力の合計値の比は、現時点の実系統
も不変であるとし、前記(31)式の演算式によって現
時点の外部系統全体の発電機出力の合計値の推定値POR
を算出する。
【0191】次に、図19および図21から明らかなよ
うに、原系統モデルで運転中の発電機の一部が現時点の
実系統で停止したり、原系統モデルで停止中の発電機の
一部が現時点の実系統で運転したりすることから、前記
(32)式によって現時点の外部系統全体の発電機出力
の合計値の推定値PORを、外部系統全体に並列化されて
いる発電機の定格容量GMVAOR に対する現時点の各等価
縮約発電機の定格容量GMVAORiの比で配分することによ
り、より現時点の実系統の発電機出力の分布状態に近い
比率で各等価縮約発電機の出力の推定値を算出する。
【0192】従って、このような構成の実施の形態によ
れば、自社系統の発電機出力から外部系統の発電機の出
力を推定し、さらに各等価縮約発電機の定格容量の比で
配分する手法を適用して外部系統の縮約モデルを推定し
て調整するので、現時点の実系統に即したオンライン電
力系統モデルが作成可能であり、第12の実施の形態よ
りもさらに精度のよいオンラインシミュレーションを行
うことができる。
【0193】(第14の実施の形態)請求項14の発明
に係わる電力系統のモデル縮約作成装置の一実施形態に
ついて図18〜図22および図30を参照して説明す
る。なお、図18〜図22は第11の実施の形態で既に
説明した通りであり、ここではその詳しい説明は省略す
る。図30は外部系統モデル調整手段84の処理例を説
明する図である。
【0194】この実施形態は、図22に示すオンライン
電力系統モデル作成装置の中の外部系統モデル調整手段
84のさらに他の具体例であって、第12および第13
の実施の形態は等価縮約発電機出力推定値を算出する例
であるが、この第14の実施の形態では等価縮約発電機
出力推定値を求めた後、この等価縮約発電機出力推定値
を用いて等価縮約負荷の推定値を算出する例である。
【0195】この外部系統モデル調整手段84は、オン
ラインデータ記憶手段81および設備関連データ記憶手
段82の中のオンラインデータおよび設備関連データを
用いて、図30に示す手順に従って等価縮約発電機出力
推定値および等価縮約負荷の推定値を算出し、外部系統
調整モデルを作成する。
【0196】具体的に述べると、オンラインデータおよ
び設備関連データを用いて前記第12または第13の実
施の形態によって現時点の等価縮約発電機745,75
5,765の出力を推定し適宜記憶手段に記憶する(S
211)。しかる後、オンラインデータおよび設備関連
データから等価縮約負荷の推定値を算出するに必要なデ
ータを取り出す。すなわち、データベース用データであ
る送電損失量データ(例えば原系統モデルにおける外部
系統62の送電損失量)PlossOB、一部縮約モデルにお
ける等価縮約発電機745,755,765の出力の合
計値POBおよびオンラインデータとして入力される現時
点の連係線63a,63bに流れている潮流PTRを取り
出し(S212)、さらに記憶手段に現時点の等価縮約
発電機745,755,765の出力推定値の合計値P
ORを取り出す(S213)。但し、潮流PTRに関し、自
社系統61から外部系統62に流入する方向を正とす
る。
【0197】以上のようにして必要なデータを取り出し
た後、現時点の外部系統の等価縮約負荷743,75
3,763の合計値の推定値をPLOR 、一部縮約モデル
における等価縮約負荷743,753,763の負荷量
をPLOB1,PLOB2,PLOB3とし、また負荷量PLOB1,P
LOB2,PLOB3の合計値をPLOB とし、さらに現時点の等
価縮約負荷743,753,763の推定値をPLOR1
LOR2,PLOR3とすると、これら等価縮約負荷743,
753,763の負荷量の推定値PLOR1,PLOR2,P
LOR3は下記(33)式〜(35)式から算出する(S2
14)。
【0198】 PlossOR=PlossOB×(POR/POB2 ……(33) PLOR =POR+PTR−PlossOR ……(34) PLORi=(PLOBi/PLOB )×PLOR (i=1 〜3) ……(35) すなわち、送電損失量は、送電線や変圧器に流れる潮流
の自乗に比例し、潮流は発電量に比例するから、(3
3)式によって現時点の実系統における外部系統の送電
損失量PlossORを推定する。次に、外部系統の発電機出
力PORと連系線から外部系統に流入する潮流PTRとの和
から外部系統の送電損失量PlossORを減算すると、残り
は外部系統の負荷によって消費される電力となるから、
前記(34)式によって現時点の外部系統の等価縮約負
荷の合計値を推定できる。さらに、外部系統の中での負
荷の分布の割合は、一部縮約モデルと現時点の実系統と
では不変あるとすれば、(35)式により各等価縮約負
荷の推定値を算出でき、外部系統調整モデルを作成する
ことができる。
【0199】従って、以上のような構成の実施の形態に
よれば、オンラインデータと設備関連データとをもと
に、等価縮約発電機の出力の推定値と送電損失量の推定
値とオンラインデータの連系線潮流などから等価縮約負
荷の負荷量を推定し、外部系統の縮約モデルを推定して
調整するので、現時点の実系統に即したオンライン電力
系統モデルが作成可能となり、精度のよいオンラインシ
ミュレーションを行うことができる。
【0200】(第15の実施の形態)請求項15の発明
に係わる電力系統のモデル縮約作成装置の一実施形態に
ついて図18〜図22および図31を参照して説明す
る。なお、図18〜図22は第11の実施の形態で既に
説明した通りであり、ここではその詳しい説明は省略す
る。図31は外部系統モデル調整手段84の処理例を説
明する図である。
【0201】この実施形態は、図22に示すオンライン
電力系統モデル作成装置の中の外部系統モデル調整手段
84のさらに他の具体例であって、等価縮約ブランチ・
発電機推定値を算出することにある。
【0202】この外部系統モデル調整手段84の実施形
態について説明する。
【0203】先ず、図20に示す一部縮約モデルは、図
19に示す原系統モデルをもとに前述する短絡容量法ま
たは二負荷法によって縮約されている。この縮約計算
は、縮約起点ノード73a,73b,73cからそれぞ
れの縮約範囲74,75,76を見たときの短絡インピ
ーダンスが原系統モデルと一致するように等価縮約ブラ
ンチのインピーダンスおよび等価縮約発電機の内部イン
ピーダンスを算出し、またそれぞれの縮約範囲に含まれ
る発電機の内部定数および制御系定数を容量加重平均や
並列加重平均等の計算手法によって算出する。
【0204】しかし、図21に示すように系統状態が変
化したとき、一部縮約モデルに比べて現時点の実系統で
は縮約範囲74の短絡インピーダンスは小さく、縮約範
囲75の短絡インピーダンスは大きくなっており、また
各縮約範囲内の発電機を等価1機として見たときの発電
機の内部定数および制御系定数も異なってしまう。
【0205】そこで、第15の実施の形態では、等価縮
約ブランチのインピーダンスの推定値と等価縮約発電機
の発電機定数および制御系定数の推定値とを下記(イ)
〜(ハ)に従って算出する。
【0206】(イ) 各記憶手段81,82に記憶され
る設備関連データおよびオンラインデータの中から前記
推定値の算出に必要なデータを取り出す(S311)。
【0207】(ロ) 各記憶手段81,82から取り出
したオンラインデータの外部系統の発電機の併解列情報
に従って、原系統モデルの外部系統の発電機データとこ
の発電機に接続される昇圧変圧器のブランチデータを、
設備データをもとに追加または削除し、現時点の実系統
の外部系統の状態に即した系統モデルを作成する(S3
12)。
【0208】(ハ) 前記(ロ)項にて作成された系統
モデルにおいて、一部縮約モデルと同じ縮約起点ノード
と縮約起点ブランチとから、前記短絡容量法または二負
荷法の手法を用いて、等価縮約ブランチのインピーダン
スおよび等価縮約発電機の発電機定数と制御系定数を算
出する(S313)。
【0209】つまり、この外部系統モデル調整手段84
では、外部系統の各等価縮約ブランチのインピーダンス
の推定値と各等価縮約発電機の発電機定数および制御系
定数との推定値を、オンラインデータの外部系統の発電
機の併解列情報に基づいて算出することにより、より現
時点の実系統に近い系統特性をもつ外部系統調整モデル
を得ることができる。
【0210】従って、以上のような構成の実施の形態に
よれば、オンラインデータおよび設備関連データとをも
とに、オンラインデータの外部系統の発電機併解列情報
に基づいて等価縮約ブランチのインピーダンスおよび等
価縮約発電機の内部定数と制御系定数を推定し外部系統
の縮約モデルを推定して調整するので、現時点の実系統
に即したオンライン電力系統モデルが作成可能であり、
精度のよいオンラインシミュレーションを行うことがで
きる。
【0211】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような種々の効果を奏する。
【0212】請求項1の発明は、発電機グループの選
定、縮約対象系統の特定、縮約起点ノードの特定、原系
統モデルと縮約モデルとの安定度シミュレーション結果
の比較等、一連の処理が人間を介在せずに自動的に行う
ことができ、しかも判定しきい値の下に発電機のグルー
プ分けをしながら縮約範囲を決定するので、常に高精度
で安定な縮約モデルを作成できる。
【0213】請求項2および請求項3の発明は、請求項
1の発明と同様の効果の他、シミュレーション結果から
2つの発電機の位相角差の最大値または2つの発電機の
位相角差の積分値を求め、この位相角差の最大値または
積分値と予め定めた判定しきい値とを比較し、位相角差
の最大値または積分値が判定しきい値以下であるとき、
同一発電機グループに属すると判定するので、簡単、か
つ、自動的に発電機のグループ分けを実施でき、縮約対
象となる縮約範囲を容易に特定でき、高精度な縮約モデ
ルを作成可能となる。
【0214】請求項4の発明は、所定の順序に従って起
点ノードと起点ブランチとの接続状態を走査することに
より、自動的、かつ、容易に縮約起点および縮約範囲を
特定でき、縮約モデル作成時の精度の均一化に大きく貢
献する。
【0215】請求項5の発明は、起点ノードから電流を
注入し、この起点ノードと接続されているノードおよび
ブランチの電圧から、容易に縮約起点と縮約範囲を特定
でき、ひいては後の縮約モデルを作成したときの精度の
均一化に大きく貢献できる。
【0216】請求項6および請求項7の発明は、短絡容
量法や二負荷法を用いることにより、簡単、かつ、容易
に小規模な縮約モデルを作成できる。
【0217】請求項8および請求項9の発明は、シミュ
レーション結果である原系統モデルの発電機と縮約モデ
ルの発電機の位相角差の最大値または位相角差の積分値
を求め、位相角差の最大値または位相角差の積分値と判
定しきい値とを比較し、位相角差の最大値または位相角
差の積分値が判定しきい値以下であるとき、原系統モデ
ルと縮約モデルが等しいと判別するので、高速、かつ、
自動的に高精度で安定な縮約モデルを作成できる。
【0218】請求項10の発明は、原系統モデルの発電
機と縮約モデルの発電機との位相角動揺周期の差を求
め、この位相角動揺周期の差と判定しきい値とを比較
し、位相角動揺周期の差が判定しきい値以下であると
き、原系統モデルと縮約モデルとが等しいと判別するの
で、高速、かつ、自動的に高精度で安定な縮約モデルを
作成できる。
【0219】請求項11の発明は、オンラインデータと
設備関連データとのもとに、自社系統モデルを構築する
のみならず、外部系統の縮約モデルを推定して調整し、
これら両モデルを結合するので、現時点の実系統に即し
たオンライン電力系統モデルを作成でき、ひつては精度
のよいオンラインシミュレーションを行うことができ
る。
【0220】請求項12の発明は、オンラインデータと
設備関連データとのもとに、自社系統モデルとは別に、
自社系統の発電機出力から外部系統の各等価縮約発電機
の出力を推定する手法を適用することにより、容易に外
部系統の縮約モデルを推定でき、よって自社系統モデル
と外部系統の縮約モデルとを結合すれば、現時点の実系
統に即したオンライン電力系統モデルを作成できる。
【0221】請求項13の発明は、自社系統の発電機出
力から外部系統の発電機の出力を推定し、さらに各等価
縮約発電機の定格容量の比で配分する手法を適用するこ
とにより、容易に外部系統の縮約モデルを推定でき、よ
って自社系統モデルと外部系統の縮約モデルとを結合す
れば、現時点の実系統に即したオンライン電力系統モデ
ルを作成できる。
【0222】請求項14の発明は、オンラインデータと
設備関連データとのもとに、等価縮約発電機の出力の推
定値と送電損失量の推定値とオンラインデータの連系線
潮流などから等価縮約負荷の負荷量を推定し、外部系統
の縮約モデルを推定でき、よって自社系統モデルと外部
系統の縮約モデルとを結合すれば、現時点の実系統に即
したオンライン電力系統モデルを作成できる。
【0223】請求項15の発明は、オンラインデータお
よび設備関連データとのもとに、オンラインデータの外
部系統の発電機併解列情報に基づいて等価縮約ブランチ
のインピーダンスおよび等価縮約発電機の内部定数と制
御系定数を推定するので、容易に外部系統の縮約モデル
を推定でき、これにより推定される縮約モデルに自社系
統モデルを結合すれば、現時点の実系統に即したオンラ
イン電力系統モデルを作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 原系統モデルから縮約モデルを作成するため
の本発明に係わる電力系統のモデル作成装置を説明する
概念図。
【図2】 請求項1に係わる電力系統のモデル作成装置
の一実施形態を示す機能ブロック図。
【図3】 図2に示す電力系統のモデル作成装置の処理
動作を説明する図。
【図4】 請求項2に係わる電力系統のモデル作成装置
の他の実施の形態を説明する2つの発電機の位相角動揺
を示す図。
【図5】 請求項2に係わる電力系統のモデル作成装置
の要部となる発電機類似性判定手段の処理動作を説明す
る図。
【図6】 請求項3に係わる電力系統のモデル作成装置
の要部となる発電機類似性判定手段の処理動作を説明す
る図。
【図7】 請求項4に係わる電力系統のモデル作成装置
を説明する縮約対象系統となる電力系統の接続状態を表
わす図。
【図8】 請求項4に係わる電力系統のモデル作成装置
の要部となる縮約範囲判別手段の処理動作を説明する
図。
【図9】 請求項5に係わる電力系統のモデル作成装置
の要部となる縮約範囲判別手段の処理動作を説明する
図。
【図10】 請求項6に係わる電力系統のモデル作成装
置の他の実施の形態を説明する縮約対象系統となる電力
系統の接続状態を表わす図。
【図11】 請求項6に係わる電力系統のモデル作成装
置の要部となる系統縮約手段における短絡容量法の処理
動作を説明する図。
【図12】 図11の処理結果の等価縮約系統を示す
図。
【図13】 請求項7に係わる電力系統のモデル作成装
置の要部となる系統縮約手段における二負荷法で得られ
る縮約モデルを示す図。
【図14】 請求項8に係わる電力系統のモデル作成装
置の要部となるシミュレーショク結果比較手段を説明す
る原系統モデルと縮約モデルの発電機の位相角を示す
図。
【図15】 請求項8に係わる電力系統のモデル作成装
置の要部となるシミュレーショク結果比較手段の処理動
作を説明する図。
【図16】 請求項9に係わる電力系統のモデル作成装
置の要部となるシミュレーショク結果比較手段の処理動
作を説明する図。
【図17】 請求項10に係わる電力系統のモデル作成
装置の要部となるシミュレーショク結果比較手段の処理
動作を説明する図。
【図18】 請求項11に係わる電力系統のモデル作成
装置の実施形態を説明する概念図。
【図19】 1つの系統状態における電力系統を模擬し
た原系統モデルの一例を示す図。
【図20】 自社系統と外部系統の縮約モデルとの接続
状態を示す図。
【図21】 現時点の実系統の一例を示す図。
【図22】 請求項11に係わる電力系統のモデル作成
装置の実施形態を示す機能ブロック図。
【図23】 請求項11に係わる電力系統のモデル作成
装置の処理動作を説明する図。
【図24】 請求項11に係わる電力系統のモデル作成
装置を構成する自社系統モデル構築手段の処理動作を説
明する図。
【図25】 請求項11に係わる電力系統のモデル作成
装置を構成する外部系統モデル調整手段の処理動作を説
明する図。
【図26】 請求項11に係わる電力系統のモデル作成
装置を構成するオンライン電力系統モデル作成手段の処
理動作を説明する図。
【図27】 請求項11に係わる電力系統のモデル作成
装置を構成するシミュレーション手段の処理動作を説明
する図。
【図28】 請求項12に係わる電力系統のモデル作成
装置の要部となる外部系統モデル調整手段の処理動作を
説明する図。
【図29】 請求項13に係わる電力系統のモデル作成
装置の要部となる外部系統モデル調整手段の処理動作を
説明する図。
【図30】 請求項14に係わる電力系統のモデル作成
装置の要部となる外部系統モデル調整手段の処理動作を
説明する図。
【図31】 請求項15に係わる電力系統のモデル作成
装置の要部となる外部系統モデル調整手段の処理動作を
説明する図。
【図32】 従来装置を説明するための原系統モデルを
示す図。
【図33】 図32の原系統モデルを縮約した等価縮約
モデルを示す図。
【符号の説明】
1…モデル作成装置、2…原系統モデル、3…縮約モデ
ル、11…原系統シミュレーション手段、12…発電機
類似性判定手段、13…縮約範囲判別手段、14…系統
縮約手段、15…縮約系統シミュレーション手段、16
…シミュレーション結果比較手段、17…発電機類似性
判定しきい値調整手段、18…縮約結果出力手段、81
…オンラインデータ記憶手段、82…設備関連データ記
憶手段、83…自社系統モデル構築手段、84…外部系
統モデル調整手段、85…オンライン電力系統モデル作
成手段、86…想定事故条件記憶手段、87…シミュレ
ーション手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 稔 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 佐藤 正弘 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 小俣 和也 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 津久井 良一 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の原系統モデルから縮約モデル
    を作成する電力系統のモデル作成装置において、 前記原系統モデルによるシミュレーションを実行する原
    系統シミュレーション手段と、予め判定しきい値が設定
    され、前記原系統シミュレーション手段によるシミュレ
    ーション結果と前記判定しきい値とを用いて、複数の発
    電機の中から外乱発生時の挙動の類似する発電機グルー
    プに分ける発電機類似性判定手段と、この発電機類似性
    判定手段で分けられた各発電機グループごとに、それぞ
    れ該当する発電機グループに属するすべての発電機を含
    み、それ以外の発電機を含まず、かつ、縮約起点ノード
    および縮約起点ブランチから見たときの独立した縮約範
    囲を判別する縮約範囲判別手段と、この縮約範囲判別手
    段で判別される縮約範囲内の原系統モデルを縮約して縮
    約モデルを作成する系統縮約手段と、この系統縮約手段
    で作成される縮約モデルによるミュレーションを実行す
    る縮約系統シミュレーション手段と、前記両シミュレー
    ション手段によって得られる原系統モデルおよび縮約モ
    デルのシミュレーション結果を比較し、両シミュレーシ
    ョン結果の一致・不一致を判定するシミュレーション結
    果比較手段と、このシミュレーション結果比較手段で不
    一致と判定されたとき、前記発電機類似性判定手段の判
    定しきい値を調整する発電機類似性判定しきい値調整手
    段とを備え、 前記シミュレーション結果比較手段によって一致したと
    き、前記縮約モデルを縮約結果として出力することを特
    徴とする電力系統のモデル作成装置。
  2. 【請求項2】 発電機類似性判定手段は、前記原系統シ
    ミュレーション手段から得られるシミュレーション結果
    から、順次2つの発電機の位相角を順次選択しながら当
    該両発電機の時系列的な位相角差の中から最大値を求め
    る位相角差最大値算出手段と、この位相角差の最大値と
    前記判定しきい値とを比較し、当該位相角差の最大値が
    前記判定しきい値以下であるとき、同一の発電機グルー
    プであると判定する発電機グループ判定手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の電力系統のモデル作成
    装置。
  3. 【請求項3】 発電機類似性判定手段は、前記原系統シ
    ミュレーション手段によるシミュレーション結果から、
    順次2つの発電機の位相角を順次選択しながら当該両発
    電機の時系列的な位相角差の積分値を算出する位相角差
    積分値算出手段と、この位相角差の積分値と前記判定し
    きい値とを比較し、当該位相角差の積分値が前記判定し
    きい値以下であるとき、同一の発電機グループであると
    判定する発電機グループ判定手段とを備えたことを特徴
    とする請求項1記載の電力系統のモデル作成装置。
  4. 【請求項4】 縮約範囲判別手段は、複数のノードの中
    から1つずつ起点ノードを選択し、かつ、この選択され
    た起点ノードに接続されるブランチの所要数を順次起点
    ブランチとして選択し、これら選択された前記起点ノー
    ドと前記起点ブランチとの接続状態および末端の負荷ノ
    ードまたは発電機の接続状態を走査することにより、縮
    約起点および縮約範囲を判別することを特徴とする請求
    項1記載の電力系統のモデル作成装置。
  5. 【請求項5】 縮約範囲判別手段は、複数のノードの中
    から1つずつ起点ノードを選択し、かつ、この選択され
    た起点ノードに接続されるブランチの所要数を順次起点
    ブランチとして選択するノード・ブランチ選択手段と、
    この選択手段で選択される起点ノードから電流を注入
    し、当該起点ノードおよび前記起点ブランチにそれぞれ
    接続されるノード、ブランチおよび発電機などの信号状
    態から縮約起点および縮約範囲を判別する判別手段とを
    備えたことを特徴とする請求項1記載の電力系統のモデ
    ル作成装置。
  6. 【請求項6】 系統縮約手段は、短絡容量法を用いて、
    前記縮約範囲判別手段から入力される起点ノードおよび
    縮約起点ブランチを起点とし、前記縮約範囲内の原系統
    モデルを縮約して縮約モデルを作成することを特徴とす
    る請求項1記載の電力系統のモデル作成装置。
  7. 【請求項7】 系統縮約手段は、二負荷法を用いて、前
    記縮約範囲判別手段から入力される起点ノードおよび縮
    約起点ブランチを起点とし、前記縮約範囲内の原系統モ
    デルを縮約して縮約モデルを作成することを特徴とする
    請求項1記載の電力系統のモデル作成装置。
  8. 【請求項8】 シミュレーション結果比較手段は、前記
    縮約系統シミュレーション手段のシミュレーション結果
    である縮約モデルの発電機と前記原系統シミュレーショ
    ン手段のシミュレーション結果である原系統モデルの発
    電機との時系列的な位相角差の中から最大値を求める位
    相角差最大値算出手段と、この位相角差の最大値と前記
    判定しきい値とを比較し、当該位相角差の最大値が所定
    の判定しきい値以下であるとき、前記縮約モデルと前記
    原系統モデルとが一致していると判定するモデル比較手
    段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の電力系統
    のモデル作成装置。
  9. 【請求項9】 シミュレーション結果比較手段は、前記
    縮約系統シミュレーション手段のシミュレーション結果
    である縮約モデルの発電機と前記原系統シミュレーショ
    ン手段のシミュレーション結果である原系統モデルの発
    電機との時系列的な位相角差の積分値を求める位相角差
    積分値算出手段と、この位相角差の積分値と前記判定し
    きい値とを比較し、当該位相角差の積分値が所定の判定
    しきい値以下であるとき、前記縮約モデルと前記原系統
    モデルとが一致していると判定するモデル比較手段とを
    備えたことを特徴とする請求項1記載の電力系統のモデ
    ル作成装置。
  10. 【請求項10】 シミュレーション結果比較手段は、前
    記縮約系統シミュレーション手段のシミュレーション結
    果である縮約モデルの発電機と前記原系統シミュレーシ
    ョン手段のシミュレーション結果である原系統モデルの
    発電機との動揺周期の差を求める動揺周期差算出手段
    と、この動揺周期差と前記判定しきい値とを比較し、当
    該動揺周期差が所定の判定しきい値以下であるとき、前
    記縮約モデルと前記原系統モデルとが一致していると判
    定するモデル比較手段とを備えたことを特徴とする請求
    項1記載の電力系統のモデル作成装置。
  11. 【請求項11】 オンラインデータを収集可能な自社系
    統とオンラインデータを収集できない外部系統とが接続
    されている電力系統のモデルを作成し、シミュレーショ
    ンを行う電力系統のモデル作成装置において、 前記自社系統のモデルを構築するために必要な系統情
    報、外部系統の発電機の併解列情報、自社系統と外部系
    統とを接続する連系線に流れる連系線潮流情報などの前
    記オンラインデータを記憶するオンラインデータ記憶手
    段と、ある系統状態をもつ電力系統を模擬した原系統モ
    デル、予め前記原系統モデルをもとに縮約された外部系
    統部分と縮約されていない自社系統部分とを結合した一
    部縮約モデル、予め前記原系統モデルをもとに算出した
    外部系統の送電損失量データ、自社系統と外部系統と連
    系線とに関係する設備の諸元を表わす設備データ等の設
    備関連データを記憶する設備関連データ記憶手段と、前
    記オンラインデータおよび設備関連データを用いて現時
    点の実系統に即した自社系統モデルを構築する自社系統
    モデル構築手段と、前記オンラインデータおよび設備関
    連データを用いて前記一部縮約モデルのうち外部系統部
    分の縮約モデルを現時点の実系統に即して調整した外部
    系統モデルを作成する外部系統モデル調整手段と、この
    外部系統モデルと前記自社系統モデルとを結合して現時
    点の実系統に即したオンライン電力系統モデルを作成す
    るオンライン電力系統モデル作成手段と、シミュレーシ
    ョンすべき想定事故の条件を記憶する想定事故条件記憶
    手段と、前記オンライン電力系統モデルと前記想定事故
    の条件とを用いて現時点の実系統に想定事故が発生した
    ときの電力系統の挙動をシミュレーションし、そのシミ
    ュレーション結果を出力するシミュレーション手段とを
    備えたことを特徴とする電力系統のモデル作成装置。
  12. 【請求項12】 外部系統モデル調整手段は、前記一部
    縮約モデルにおける自社系統の発電機出力の合計値およ
    び外部系統の各等価縮約発電機の出力の比と、前記オン
    ラインデータの自社系統の発電機出力の合計値とから現
    時点の実系統における外部系統の各等価縮約発電機の出
    力の推定値を算出する等価縮約発電機出力推定算出手段
    を有することを特徴とする請求項11に記載の電力系統
    のモデル作成装置。
  13. 【請求項13】 外部系統モデル調整手段は、前記一部
    縮約モデルにおける自社系統の発電機出力の合計値およ
    び外部系統の全等価縮約発電機の出力の合計値の比と、
    前記オンラインデータの自社系統の発電機出力の合計値
    と、前記オンラインデータおよび前記設備関連データか
    ら算出される現時点の実系統における外部系統の各等価
    縮約発電機の定格容量およびこれら定格容量合計値の比
    とから現時点の実系統における外部系統の各等価縮約発
    電機の出力推定値を算出する等価縮約発電機出力推定算
    出手段を設けたことを特徴とする請求項11に記載の電
    力系統のモデル作成装置。
  14. 【請求項14】 外部系統モデル調整手段は、各等価縮
    約発電機の出力の推定値の合計値と原系統モデルの外部
    系統の送電損失量の推定値とを算出するとともに、各等
    価縮約発電機の出力の推定値の合計値とオンラインデー
    タの連系線潮流との和から送電損失量の推定値を減ずる
    ことにより現時点の実系統における外部系統の等価縮約
    負荷の負荷量の合計値の推定値を算出し、前記一部縮約
    モデルにおける外部系統の各等価縮約負荷の負荷量の比
    と等価縮約負荷の負荷量の合計値の推定値とから、現時
    点の実系統における外部系統の各等価縮約負荷の負荷量
    の推定値を算出する負荷量推定値算出手段を設けたこと
    を特徴とする請求項11に記載の電力系統のモデル作成
    装置。
  15. 【請求項15】 外部系統モデル調整手段は、前記オン
    ラインデータと前記設備関連データとから原系統モデル
    の外部系統の発電機およびその昇圧変圧器の併解列状態
    を前記オンラインデータに合わせて修正し、一部縮約モ
    デルと同一の縮約起点から短絡容量法または二負荷法に
    よる縮約計算を行い、現時点の実系統における外部系統
    の等価縮約ブランチのインピーダンスを推定するインピ
    ーダンス推定値算出手段と、等価縮約発電機の発電機定
    数および制御系定数の推定値を算出する定数推定値算出
    手段とを有することを特徴とする請求項11に記載の電
    力系統のモデル作成装置。
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