JP2020188619A - 電力系統計画装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】系統状態の時々刻々の変化に対応する機器設置や機器制御手法などの方策の選択肢が多数存在する場合であっても、方策選定理由および各方策を適用した場合の評価値を計画策定者に提示することにより、系統安定度を確保しつつ経済性に優れた系統計画を策定する。【解決手段】電力系統を構成する系統設備及び系統運用に関する電力系統計画を定める電力系統計画装置であって、電力系統を構成する系統設備及び系統運用に関する情報を記憶する情報記憶部と、系統設備及び系統運用の情報を用いて、その適用により評価指標が向上する方策候補を生成する方策候補選定部と、方策候補、系統設備及び系統運用に関する情報を用いて評価シナリオを生成する評価シナリオ生成部と、評価シナリオを入力として評価シナリオの評価指標値および系統計画を算出するシナリオ評価部と、を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統運用者あるいは発電事業者が電力系統計画を作成する電力系統計画装置および方法に関する。
電力系統運用者および発電事業者は、設備コストおよび運用コストを最小限に保ちつつ、ときどきの電力需要量および発電機からの電力供給量に応じて、電力系統を安定的に運用可能とする系統計画を作成する必要がある。
系統計画を立てる段階で将来の正確な需要量および発電機構成を予測することは困難であるため、電力系統運用者は複数の想定可能なシナリオに基づき、各シナリオの実現に必要となるコスト、結果として実現される系統状況における系統安定度を評価することで、実現可能かつ系統を安定運用可能な設備計画および運用計画を構築する。
近年、太陽光発電や風力発電に代表される再生可能エネルギーが系統に大量導入されつつある。それらの再生可能エネルギーは急峻かつ事前想定困難な発電出力変動を伴い、この結果として、将来系統を予測する際の不確実性は増大し、同時に系統を安定運用するためのコスト増大および安定化方策の複雑化が見込まれる。系統計画策定の観点では、将来系統の不確実性およびさらなる安定化方策が必要とされることから、さらに様々な系統状態を加味した膨大な将来シナリオを作成し、網羅的に評価することが必要になるものと想定される。
上記の課題に対し、再生可能エネルギーの出力変動を考慮した系統計画手法が考案されている。例えば、特許文献1には、「再生可能エネルギー利用発電設備を含む電力系統において、複数台から構成される内燃力発電設備の発電計画を作成する発電計画作成装置であって、前記電力系統内の負荷電力を予測する負荷予測部と、前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力を予測する再生可能利用発電電力予測部と、前記電力系統内の負荷電力及び前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力の予測値と実績値の予測誤差を用いて、前記複数台の内燃力発電設備が供給すべき電力を表す電力シナリオを複数とおり作成するシナリオ作成部と、前記複数とおりの電力シナリオのそれぞれに対して前記内燃力発電設備を効率的に起動させるための発電計画を複数作成する発電計画算出部と、前記発電計画算出部が作成した発電計画に基づき前記複数台の内燃力発電設備のそれぞれが前記複数とおりの電力シナリオをどの程度充足するかを判定して、前記複数台の内燃力発電設備の中から起動させるべき内燃力発電設備を決定して最適な発電計画を算出する評価部と、前記評価部で算出された最適な発電計画を出力する発電計画出力部と、を備えることを特徴とする。」という記述がある。再生可能エネルギーを利用した発電設備の出力の不確定性を考慮しつつ、利用者によらず一義的に最適な発電計画を提示することのできる技術を提供することが可能となる。
また、特許文献2には、「本発明の電力供給設備の運用支援方法によれば、はじめにESSの充放電状態を3進数で表現した数列を遺伝子として遺伝的アルゴリズム(GA)を適用することにより発電装置の運用コストが最小になるような発電装置起動停止ESS充放電計画を作成し、その後、その計画に対してESSの充放電電力値を個体群としてGAを適用した解に基づいてESSの充放電計画を形成する」という記述がある。火力発電装置の運用コストの総和を評価関数として該評価関数が最小になるように運用計画素案を作成し、火力発電装置の運用コストを評価関数として遺伝的アルゴリズムを適応することでスケジュールを決定し、制約条件に違反するものを除去して評価関数を最小化する運用計画案を提示することができる。
特開2017−50972号公報 特許4203602号
特許文献1および特許文献2に記載の技術を用いることで、再生可能エネルギーの出力変動を考慮しつつ、様々な運用計画を評価することにより、コストを最小化しつつ系統安定化が可能となる系統計画を作成することができる。
しかし、再生可能エネルギーの導入、電力自由化に伴う多数の発電事業者の参入、電力市場の発展に伴う系統状態の多様化が進むにつれ、系統安定運用を実現する観点上で許容可能な系統計画が無数に存在し得るため、系統運用者の意図に沿った系統計画の作成が困難となる課題がある。
この点に関し、特許文献1および特許文献2に記載の技術では、このような多数の方策の選択肢が存在する場合、数年から10年以上の長期に渡る系統計画策定において、系統安定度を確保しつつ経済性に優れた系統計画を生成する際に、運用者の意図に沿った系統計画が生成されているか否かの判断を実現することができない。
以上のことから、本発明の目的は、数年から10年以上の長期に渡る系統計画策定において、系統状態の時々刻々の変化に対応する機器設置や機器制御手法などの方策の選択肢が多数存在する場合であっても、運用者の意図に沿って系統安定度を確保しつつ経済性に優れた系統計画策定を実現することができる電力系統計画装置および方法を提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、電力系統を構成する系統設備及び系統運用に関する電力系統計画を定める電力系統計画装置であって、電力系統を構成する系統設備及び系統運用に関する情報を記憶する情報記憶部と、系統設備及び系統運用の情報を用いて、その適用により評価指標が向上する方策候補を生成する方策候補選定部と、方策候補、系統設備及び系統運用に関する情報を用いて評価シナリオを生成する評価シナリオ生成部と、評価シナリオを入力として評価シナリオの評価指標値および系統計画を算出するシナリオ評価部と、を含むことを特徴とする。
また本発明は、電力系統を構成する系統設備及び系統運用に関する電力系統計画を定める電力系統計画方法であって、その適用により評価指標が向上する方策候補を生成する方策候補処理と、方策候補、系統設備情報、系統運用情報を入力として評価シナリオを生成する評価シナリオ生成処理と、評価シナリオを入力として評価シナリオの評価指標値および系統計画を算出するシナリオ評価処理と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、系統状態の時々刻々の変化に対応する機器設置や機器制御手法などの方策の選択肢が多数存在する場合であっても、方策選定理由および各方策を適用した場合の評価値を計画策定者に提示することにより、系統安定度を確保しつつ経済性に優れた系統計画を策定することができる。
本発明の実施例1に係る電力系統計画装置の機能構成例を示す図。 系統計画算出フローの例を示す図。 系統設備情報記憶部DB1に記憶される系統設備情報D1として系統設備が機器の事例を示す図。 系統設備情報記憶部DB1に記憶される系統設備情報D1として系統設備が送電線の事例を示す図。 系統運用情報記憶部DB2に記憶される系統運用情報D2の一例を示す図。 系統運用制約情報記憶部DB3に記憶される系統運用制約情報D3の一例を示す図。 系統断面情報記憶部DB4に記憶される系統断面情報D4の一例を示す図。 方策候補情報記憶部DB5に記憶される方策候補情報D5のうち方策項目情報D5Aの一例を示す図。 方策候補選定部12における方策選定処理フローの一例を示す図。 判定条件情報D5Bの一例を示す図。 方策候補情報D5Cの一例を示す図。 評価シナリオ生成処理フローの一例を示す図。 評価シナリオ情報DSの構成例を示す図。 シナリオ評価処理フローの一例を示す図。 シナリオ評価結果情報の一例を示す図。 電力系統計画装置における画面表示の一例を示す図。 本発明の実施例が適用された電力系統計画システムの構成例を示す図。
本発明の実施例について、図面を参照しながら以下説明する。尚、下記はあくまでも実施の例に過ぎず、下記具体的内容に発明自体が限定されることを意図する趣旨ではない。
図1は、本発明の実施例1に係る電力系統計画装置の機能構成例を表している。図1に示すように、実施例1における計算機で構成される電力系統計画装置1は、電力系統計画部10と、情報記憶部(DB1〜DB5)と、を含んで構成される。
このうち電力系統計画部10は、その処理内容を機能的に表現すると、内部に評価データ取得部11と、方策候補選定部12と、評価シナリオ生成部13と、シナリオ評価部14と、を含んで構成されるものということができる。
電力系統計画部10における機能は、これをごく簡便に表すならば、情報記憶部(DB1〜DB5)に格納される各種評価データを用いて、系統状態の時々刻々の変化に対応する機器設置や機器制御手法などの複数方策を含む系統シナリオを評価し、系統安定度を確保しつつ経済性に優れた系統計画を算出するものである。
図2に、系統計画算出フローの例を示す。図2は、電力系統計画部10における一連の処理機能を処理フローとして表したものである。図2に示すフローにおいて、電力系統計画部10は、評価データ取得部11において入力データを取得し(処理ステップS31)、方策候補選定部12において評価対象とする方策候補を抽出し(処理ステップS32)、評価シナリオ生成部13において抽出した方策候補、設備情報、運用情報に基づき評価シナリオを生成し(処理ステップS33)、シナリオ評価部14において各シナリオの評価値を算出する(処理ステップS34)ことにより系統計画を抽出する。
以下、電力系統計画部10に含まれる各機能についてさらに詳細に説明する。
評価データ取得部11は、系統計画算出に用いる入力データを取得する。これらの入力データは、系統設備情報記憶部DB1に記憶される系統設備情報D1、系統運用情報記憶部DB2に記憶される系統運用情報D2、系統運用制約情報記憶部DB3に記憶される系統運用制約情報D3、系統断面情報記憶部DB4に記憶される系統断面情報D4、方策候補情報記憶部DB5に記憶される方策候補情報D5である。
以下これらの情報を、事例をもって詳細に説明する。まず系統設備情報記憶部DB1に記憶される系統設備情報D1の事例が図3(a)、図3(b)に例示されている。図3(a)は、系統設備のうち電力系統で使用される機器の観点から整理したものであり、図3(b)は系統設備のうち送電線について整理したものである。
図3(a)に例示する系統設備情報記憶部DB1に記憶された系統設備情報D1は、電力系統におけるノード(母線)D11ごとにこのノードD11に接続される機器を設置位置情報D12とともに列挙し、整理している。具体的な機器は、ノードごとに接続される発電機D13、電力負荷D14、調相機器D15を例示した系統設備情報の一例を示している。
図3(a)の例では、名称がAおよびBのノードD11に発電機D13が連系されており、ノードAにはG1という名称の定格容量100の火力発電機が、ノードBにはG2という名称の定格容量200の風力発電機が連系されていることを示している。また、図3(a)の例では、名称がAAおよびBBのノードD11に電力負荷D14が連系されており、ノードAAにはL1という名称の定格容量1000の住宅が、ノードBBにはL2という名称の定格容量2000の工場が連系されていることを示している。また、図3(a)の例では、名称がAAAおよびBBBのノードD11に調相機器D15が連系されており、ノードAAAにはD1という名称の定格容量10のSC(電力用コンデンサ)が、ノードBBBにはD2という名称の定格容量20のShR(分路リアクトル)が連系されていることを示している。
図3(b)に例示する系統設備情報記憶部DB1に記憶された系統設備情報D1は、送電線D16における両端ノードD11ごとにこのノードD11に関わる送電線のインピーダンスの情報として例えば正相抵抗D17、正相リアクタンスD18、正相正相キャパシタンスD19を例示した系統設備情報の一例を示している。
図3(b)の例では、ノードAとノードBの間に名称がaの送電線が存在し、正相抵抗が0.01、正相リアクタンスが0.2、正相キャパシタンスが0.1であることを示している。
図3(a)、図3(b)によれば、現状の電力系統で使用されている系統設備と系統構成が把握され、これをテーブル形式にして表現したものということができる。
図4に、系統設備の運用形態を表す系統運用情報の一例を示す。これは、系統運用情報記憶部DB2に記憶される系統運用情報D2の一例である。図4の例では、系統運用情報D2は、機器名称D21と制御種別D22と定格容量D23と制御アルゴリズムD24が一体に記憶されている。これは、どの機器をどのように使用するのかを記憶したものといえる。
図4に図示した例では、機器名称D21が機器D1の機器は機器種別D22がSC(電力用コンデンサ)でその定格容量D23が10MWであり、自端計測値に基づき電圧無効電力制御を行う個別制御方式を採用しているのに対し、機器名称D21が機器D2の機器は機器種別がShR(分路リアクトル)でその定格容量D23が20MWであり、中央指令所からの指令情報に基づき電圧無効電力制御を行う中央制御方式を採用していることを示している。また、図4の例では、系統において送電線過負荷が生じた場合に定格容量D23が80MWの発電機G1について最大50%の出力抑制制御が適用され、N−1系統故障が生じた場合に定格容量D23が100MWの発電機G2について電源制限制御が適用されることを示している。
図5に、系統設備の運用における運用制約情報の一例を示す。これは、系統運用制約情報記憶部DB3に記憶される系統運用制約情報D3の一例である。図5の例では、判定対象D31である系統設備または送電線について、判定項目D32である運用上限としての閾値を運用上の制約条件D33として設定している。具体的には機器D1、D2についての判定項目を運用上限とし、その制約条件を8MW、16MWとしている。また送電線a、bについて、その判定項目を運用上限とし、その制約条件を100MW、150MWとしている。また、系統の過渡安定度あるいは電圧安定度に関して、電力系統解析シミュレーションの結果として算出される系統全体の安定度評価値を用いて、ある一定の結果が算出されることを制約条件として格納している。ここでは、系統の過渡安定度がN−1系統故障に対して安定であり、また系統の電圧安定度が再生可能エネルギー出力ピークに対して安定であることを制約条件として格納している。
図6に、系統計画作成時の評価計算に用いられる系統運用状態を表す系統断面情報の一例を示す。これは、系統断面情報記憶部DB4に記憶される系統断面情報D4の一例である。図6の例では、図3(a)、図3(b)に例示した系統設備情報D1の中で、機器名称D41、種別D42、詳細種別D43により、発電機および負荷として定義される系統設備について、系統設備における出力D44(電力供給量あるいは電力消費量)を時系列情報として設定し、系統断面情報D4として定義している。
図6の例では、火力発電機G1は、各時間断面において、100、300、500、1500、700(MW)となる系統断面情報を有するものとして記憶されている。同様に風力発電機G2は、各時間断面において200、150、500、400、100(MW)となるものとして記憶されている。住宅、工場負荷L1、L2についても同様な系統断面情報を有するものとして記憶されている。
このとき、各時間断面における系統断面情報D4は、同一の系統設備の電力供給量あるいは電力消費量に対して、複数の時系列情報を格納しても良い。例として、再生可能エネルギーの導入が、ある想定の状態であった場合および前記想定状態よりも導入が促進された状態で、異なる電力供給量あるいは電力消費量の値を持つ複数の時系列情報を格納しても良い。過去の複数の設備状況における経緯が、将来の新たな設備状況を推定する場合の参考となり得る。系統断面情報として複数の時系列情報を取得することで、将来の不確実な系統状態に対して、複数の時系列情報を用いて評価した結果を用いることで、将来の時点でいずれの状態が現実に生じた場合であっても、本装置使用者の意図に沿った系統計画を作成することができる。
図3(a)、図3(b)、図4、図5、図6を用いて説明した各情報D1からD4は、系統設備の増加や、系統運用の経験に応じて順次増大するものではあるが、これらの多くは本発明に係る電力系統計画装置1の運用開始時点において、予め準備されたデータである。これに対し、方策候補情報記憶部DB5に記憶される方策候補情報D5は、電力系統計画処理が進展する過程で、逐次情報が追加、あるいは変更されて進展していく形態の情報である。
電力系統計画の俎上に最初に提起され、方策候補情報記憶部DB5に記憶されたときの初期の方策候補情報D5は、例えば図7に示す方策項目情報D5Aの形態のものである。
図7の例によれば、方策項目情報D5Aは、項目名称D5A1、方策内容D5A2、適用時の効果D5A3、コストD5A4、リードタイムD5A5の情報を含む。この場合の方策項目情報D5Aは、方策内容D5A2が調相機器追加A、送電線新設B、コネクト&マネージ制御適用Cなどに関するものであり、適用時の効果D5A3としては、調相機器追加Aについて電圧安定度向上が見込まれること、送電線新設Bについて過負荷解消、過渡安定度向上が見込まれること、コネクト&マネージ制御適用Cについて過負荷解消、過渡安定度向上が見込まれることが、コストD5A4、リードタイムD5A5などとともに想定されている。
これらの方策内容D5A2は、送電線増築、変圧器増設、調相機器設置、制御機器の制御アルゴリズム変更を例とした、系統設備または系統運用の変更を伴う操作の情報が格納されたものである。前記適用時の効果D5A3として、各方策を適用した際に、結果として生じる系統設備および運用に関連する指標の変化が格納されている。一例として、過渡安定度・電圧安定度を初めとする系統安定度評価指標、再生可能エネルギー導入可能量の情報が格納されている。
ただしこれらの方策項目は、これらの設備などを電力系統のどこに配置し、どの程度の容量とし、あるいはどのように運用するのかといった具体事項を、この段階において含むものではなく、あくまでも電圧安定度が問題であれば調相機器を設置するのがよいといった程度の、方策を記述したものにすぎない。後述するようにこれらの方策の中から有効とされた抽出方策について、順次具体的な情報が肉付けされていくことにより、最終的な計画が示される。
情報記憶部(DB1〜DB5)に記憶される以上の情報群D1からD5は、初期情報として予め記憶され、あるいは電力系統計画装置1の処理が進展する過程での中間生成物として記憶され、さらには電力系統計画装置1の最終生成物として記憶される。これらの情報は図1の評価データ取得部11に適宜のタイミングで取り込まれ、必要に応じた適宜の演算結果として適宜再度情報記憶部DBに格納される。
これらの情報群が揃っているという前提において、図1の方策候補選定部12は、図7に示す方策項目情報D5Aの中から、採用すべきものと不採用とすべきものを判別していく。図8に、方策候補選定部12における方策候補選定処理フローの一例を示す。
図8において、方策候補選定部12は、まず、方策候補選定のための評価に用いる系統設備情報D1、系統運用情報D2、運用制約情報D3、系統断面情報D4および方策項目情報D5を取得する(処理ステップSS81)。
ここで取得する系統設備情報D1および系統運用情報D2は、評価データ取得部11において取得した系統設備情報D1および系統運用情報D2を用いても良い。また、上記評価データ取得部11において取得した情報と別内容の系統設備情報D1および系統運用情報D2を新たに取得しても良い。新たに取得する系統設備情報D1および系統運用情報D2の一例として、評価データ取得部11において取得した系統設備情報D1および系統運用情報D2の部分情報あるいは一部の発電機、送電線、変電設備、負荷等の系統設備を集約した系統設備情報D1および系統運用情報D2を用いても良い。
前記集約した系統設備情報D1および系統運用情報D2を作成する具体的手法としては、電気的距離が事前に定めた閾値未満の同一種別の系統設備の一群を抽出し、前記系統設備の定格容量の総和を求め、前記系統設備の一群を代替する新たな系統設備として、前記定格容量の総和を定格容量とする系統設備を生成することができる。
評価データ取得部11において取得した系統設備情報D1および系統運用情報D2の部分情報あるいは一部の発電機、送電線、変電設備、負荷等の系統設備を集約した系統設備情報D1および系統運用情報D2を用いることにより、評価データ取得部11において取得した系統設備情報D1および系統運用情報D2よりも小規模の情報を用いることで、方策候補選定処理の時間短縮が可能となる。
次に、処理ステップS81にて取得した系統設備情報D1、系統運用情報D2および系統断面情報D4を入力として、評価指標を算出する(処理ステップSS82)。評価指標の例として、ここでは図5に例示した運用制約情報D3の判定項目D32に含まれる運用上限、過渡安定度制約、または電圧安定度制約を含む指標を算出するのが良い。
なお評価指標の算出に当たり、人為的な算出と自動的な算出とそのほかの算出が考えられる。人為的な算出は運転員に必要な情報を提示し、運転員の判断で評価指標を入力させるものであり、自動的な算出は系統解析等を行いその結果として問題となりそうな事項を評価指標として採用するものである。またそのほかの算出では、すべての項目を自動的に評価指標とし、あるいは順番などで予め定められた項目を自動的に評価指標とする方式である。
自動的な算出を行うとき、前記運用上限、過渡安定度制約、または電圧安定度制約を算出する系統解析等の手法として、状態推定、直流法あるいは交流法潮流計算、または想定故障計算を例とする算出手法を用いるのが良い。
さらに、図5に例示した運用制約情報D3の判定項目D32に記述の評価指標の、別の例として、各設備を新築、増築、廃止する際に要する設備コスト、あるいは各設備を運用する際に一定期間ごとに必要となる運用コストを算出しても良い。さらに、評価指標として、再生可能エネルギー導入量または導入率、設備利用率を例とする指標を算出しても良い。
次に、処理ステップSS83では、処理ステップSS82で算出した評価指標に基づき要対策項目を抽出する。要対策項目は、処理ステップSS82で算出した各々の評価指標に対して、事前に設定された判定閾値を含む判定条件に該当する評価指標とするのが良い。これは例えば図5の判定項目D32に付随して設定された制約条件D33に記述された条件を順守しているか否かを判定することで行われる。前記判定条件D33の例として、送電線aについて送電潮流が運用制約閾値である100MWを超過している、系統について過渡安定度あるいは電圧安定度が運用制約閾値未満である、再生可能エネルギー導入可能量が目標閾値未満である、といった条件を設定するのが良い。これらの制約を順守できない場合に、要対策項目として、例えば運用上限、あるいは電圧安定度、過渡安定度といった事項が当該機器、送電線、系統における要対策項目とされる。
次に、処理ステップSS83で抽出した要対策項目および処理ステップSS82で算出した評価指標に基づき、方策候補を抽出する(処理ステップSS84)。方策候補抽出手法の一例として、ある1つの方策候補を適用した際の影響を加味して系統設備情報D1および系統運用情報D2に変更を加え、前記変更を加えた系統設備情報D1および系統運用情報D2を用いて処理ステップSS82と同等の操作によって評価指標を算出し、方策候補適用前後の評価指標の差分が事前に設定した閾値を超過することを判定条件として方策候補を抽出するのが良い。ここで、評価に用いる時間断面は、系統断面情報D4に含まれる全て、あるいは一部の時間断面を用いるのが良い。
例えば、電圧安定度が要対策項目となり、調相機器追加が方策内容として抽出された場合に、これを採用した場合の評価指標と未採用段階での評価指標の差分を判定条件として方策候補とするに適切であるか否かを判断する。
図9に判定条件情報の一例を示す。図9の判定条件情報D5Bは、図1の方策候補選定部12における処理の中で方策項目情報D5Aと共に使用されることから、方策候補情報記憶部DB5に格納しておくのがよい。判定条件情報D5Bは、方策項目D5B1、評価指標D5B2、判定条件D5B3を含むが、図7の方策項目情報D5Aと比較して明らかなように、相互に関連付けられ、索引可能な情報とされている。
図9では、調相機器追加の方策項目D5B1に記載のAに関して、評価指標である過渡安定度の向上有無の判定条件としてN−1故障時の最大相差角の減少量が閾値以上であることを例示し、また送電線新設の方策項目D5B1に記載のBに関して、評価指標である過負荷の改善有無の判定条件として所定の送電線における送電潮流の減少量が閾値以上であること、を例示している。
図8の一連の方策候補選定フローの実施により、定められた方策候補情報の一例を図10に示している。ただし、ここにおける方策候補は、図7の方策内容D5A2に記述の項目である、調相機器追加A、送電線新設B、コネクト&マネージ制御適用Cのうち、調相機器追加Aと送電線新設Bが抽出、選択されたものとする。
図10の方策候補情報D5Cは、方策内容D5C1、方策名称D5C2、適用地点D5C3、適用時刻D5C4を含み、図7の方策項目情報D5A、図9の判定条件情報D5Bと比較して明らかなように、相互に関連付けられ、索引可能な情報とされている。方策候補情報D5Cは、方策候補情報記憶部DB5に格納されているのがよい。
図10では、方策候補情報D5Cとして、方策内容D5C1と適用地点D5C3の組合せにより方策内容が定義され、各方策内容に対して、各時刻に各方策を適用した際の各評価指標の向上有無を示している。
図10についてより詳細に述べると、この事例では調相機器追加Aに関連して、AAA地点に適用する方策名称A−1とBBB地点に適用する方策名称A−2が提示され、送電線新設Bに関連して、a地点に適用する方策名称B−1とb地点に適用する方策名称B−2が提示されていることが例示されている。これらの例示ごとに、適用時刻D5C4ごとの判定結果と判定理由が示された一覧形式として、方策候補情報D5Cが整理されている。代表的に方策名称A−1について述べると、2019/01/01の0:00などの電力系統の状態では調相機器は安定度向上に貢献との判定結果であり、他の時刻として例えば2019/01/01の12:00における電力系統の状態では調相機器は安定度向上に貢献しないとの判定結果である。
図11に、図1の評価シナリオ生成部13における評価シナリオ生成処理フローの一例を示す。まず、方策候補選定部12にて抽出された方策候補情報D5Cを取得する(処理ステップS121)。抽出された方策候補情報D5Cは、図10の記憶形式のものである。ここでは、図7の方策内容に記述された調相機器追加A、送電線新設B、コネクト&マネージ制御適用Cのうち、調相機器追加Aと送電線新設Bが抽出、選択され、方策候補情報D5Cとして記述されている。
次に、処理ステップS121で取得した方策候補情報D5Cに基づき、方策候補の適用地点D5C3、適用時刻D5C4および適用量を設定する(処理ステップS122)。このとき、適用地点D5C3の設定手法として、送電線過負荷、電圧安定度違反を例とする安定度評価指標がある閾値を超過する地点に対して、電気的距離がある閾値よりも小さい地点から選択するのが良い。また、適用時刻D5C4の設定手法として、方策候補選定部12において要対策項目に対して評価指標がある閾値以上の改善を示した時刻、および前記時刻に対し一定の時間範囲内の時刻を選定するのが良い。
図10の方策候補情報D5Cの例では、ある方策に対して、安定度が向上したという判定理由のために前記方策の適用が妥当であると判定された時刻を適用時刻とするのが良い。また、適用量の設定手法として、ある方策を適用する際に一般的に系統設備として流通している機器の定格容量を事前に設定し、前記定格容量未満の値を適用量として設定するのが良い。
次に、処理ステップS122にて設定した方策候補D5C1、D5C2の適用地点D5C3、適用時刻D5C4、適用量、および評価データ取得部11において取得した系統設備情報D1、系統運用情報D2、系統運用制約情報D3、系統断面情報D4を用いて、評価シナリオを生成する(処理ステップS123)。
生成される複数の評価シナリオに対して、系統設備情報D1、系統運用情報D2、系統運用制約情報D3、系統断面情報D4および適用される方策候補D5が定義される。ここで、評価シナリオの生成において、評価データ取得部11において取得した系統設備情報D1、系統運用情報D2、系統運用制約情報D3、系統断面情報D4、および方策候補選定部12において抽出された方策候補D5のそれぞれが複数通りの情報群を含む場合は、それぞれの情報から1通りずつを抽出して組合せた評価シナリオを生成するのが良い。
このとき、生成させ得る全ての組合せについて評価シナリオを作成するのが良い。また、事前に設定したシナリオ選定条件を用いて、生成させ得る全ての評価シナリオのうち、前記シナリオ選定条件に合致する一部の評価シナリオのみを抽出するのが良い。シナリオ選定条件の一例として、当該シナリオにおいて方策を適用する際の総コストが事前に設定して閾値未満であることを条件として用いるのが良い。シナリオ選定条件を適用して評価シナリオを生成することにより、本システム使用者が意図する妥当な評価シナリオ条件を満たしつつ、総評価シナリオ数を削減し、シナリオ評価に要する計算処理負荷・計算処理時間を低減することができる。
図12に評価シナリオ情報DSの構成例を示す。図12の例では、横軸方向にシナリオ名称S−1、S−2、・・・を示し、シナリオ名称S−1、S−2のそれぞれに対して、縦軸方向に関連する系統設備情報、系統運用情報、系統断面情報、適用方策などが格納される。
図12の具体例によれば、例えばシナリオ名称S−1は、系統断面情報の時刻T1とT2であるときの系統設備(図3(a)、図3(b)に例示される機器及び送電線)と、系統断面情報の時刻がT1とT2であるときの系統運用(図4に例示される機器による発電量と制御内容)の情報を有する。他のシナリオ名称S−2も同様の情報を含むが、系統断面情報の時刻T1、T2、・・・のうち、いずれかの時刻における系統設備情報あるいは系統運用情報が相違していても良い。
またシナリオ名称S−1は、さらにこれらの系統設備や系統運用に対する適用方策の情報を備える。適用方策は例えば、時刻T1であるときの系統設備と系統運用であるときには、安定度向上の観点からN11地点に調相機器設備を新設する方策名称A−1を提案し、またシナリオ名称S−2の適用方策は例えば、時刻T3であるときの系統設備と系統運用であるときには、再生可能エネルギー導入可能量増大かつ低コスト化の観点からN23地点に制御機能を追加する方策名称B−2を提案したものである。
図12のシナリオ名称には、さらにこの適用方策における推薦根拠理由となる評価値の情報が付与される。別の言い方をすると、評価値を満足するという条件の下で適用方策として提示される。
図13に、シナリオ評価部14におけるシナリオ評価処理フローの一例を示す。まず、評価シナリオ生成部13にて生成されたシナリオ候補データを取得する(処理ステップS141)。
次に、処理ステップS141で取得した各シナリオ候補に対して、評価値を算出する(処理ステップS142)。このときコストは、系統断面情報に含まれる時系列の全体あるいは一部の期間において生じる設備新築、増築、容量変更、整備、廃止に応じて必要となる設備コストおよび系統運用コストの総和として算出しても良い。また、系統安定度は、系統断面情報に含まれる時系列のある一時間断面の情報を用いて、従来既知の過渡安定度評価手法あるいは電圧安定度評価手法を用い算出しても良い。また、系統安定度は、前期従来既知の安定度評価手法を用いて複数時間断面において算出した評価値を用いて、平均値、最大値、最頻値、標準偏差を含む統計値を算出し、前記統計値を評価値として用いても良い。また、再生可能エネルギー導入量は、系統断面情報に含まれる時系列のある一時間断面と前記時間断面よりも過去の一時間断面における再生可能エネルギー導入量の差分として算出しても良い。
次に、処理ステップS142で算出した評価値を用いて系統計画を抽出する(処理ステップS143)。系統計画の抽出手法として、事前に系統計画選定条件を設定し、前記系統計画選定条件を満たすシナリオ候補を系統計画として抽出しても良い。このとき、系統計画選定条件の一例として、処理ステップS142で評価値を算出したシナリオの中で各系統安定度の評価値がある閾値以上の値をとり、かつコストが最小のシナリオを系統計画として抽出しても良い。
また、別の系統計画選定条件の一例として、図14にシナリオ評価結果情報の一例を示す。図14の例では、各評価シナリオに対し、各シナリオに関連する方策を適用した際に要するコスト、過渡安定度・電圧安定度を初めとする系統安定度評価指標、再生可能エネルギー導入可能量を例とする評価値が算出され、格納されている。
なお、図14の例によれば、シナリオ名称について評価値を付与して評価した結果として、シナリオS−1がコスト最小である最良シナリオとして選定した。
図15に、本発明の電力系統計画装置における画面表示の一例を示す。図15の例では、入力データDIとして、シナリオ生成およびシナリオ評価に用いる系統設備情報D1、系統運用情報D2、系統断面情報D4、方策候補情報D5、シナリオ選定条件を画面上に表示し、設定内容を確認し、必要であれば装置使用者が設定情報を変更する機能を備える。本機能により、上記入力データDIを多様に組合せることにより、異なる評価条件による系統計画作成が可能となる。
また、図15の例では、本装置により生成される出力データDOとして、評価シナリオ情報、シナリオ評価結果情報を画面上に表示する。本表示により、装置使用者は各評価シナリオにおいて定義された系統設備情報D1、系統運用情報D2および各評価シナリオの評価値を評価比較し、最も装置使用者の意図に沿った系統計画を作成することができる。
さらに、図15の例では、評価シナリオ数を合わせて表示する。一般に評価シナリオ数が増大すると計算処理時間が増大するため、装置使用者は評価シナリオ選定条件を初めとする設定情報を変更し、生成された評価シナリオ数を確認することで、本装置における計算処理時間が所望の制限時間内未満となり、かつ網羅的に広範な条件のシナリオを評価可能となるよう、入力データの設定を変更することができる。
図16は、本発明の一実施例が適用された電力系統計画システムの構成図である。図16に示すように、本実施形態における電力系統計画システムは、発電機101と、変電所102と、調相機器103と、電力負荷104と、外部電力系統105と、計測装置121a、121b、・・・と、情報通信ネットワーク108と、電力系統計画装置1と、市場管理システム3を含んで構成される。
発電機101は、発電力を生じる発電機であり、火力発電、水力発電、原子力発電、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、潮流発電を含むいずれかの発電手法により発電力を生じる発電機である。発電機101aは、電力系統の高電圧側に設置される火力発電、水力発電、原子力発電などを含む大規模発電機であり、計測装置21aおよび情報通信ネットワーク108を通じて発電量を含む系統状態量を電力系統計画装置1に送信する。また、発電機101aは、計測装置21aおよび情報通信ネットワーク108を通じて電力系統計画装置1より送信された制御指令情報を受信し、制御指令情報に応じて発電量を含む系統状態量を変化させる。発電機101bは、電力系統の低電圧側に設置される太陽光発電、風力発電、コジェネレーションなどを含む中小規模発電機であり、計測装置21bおよび情報通信ネットワーク108を通じて発電量を含む系統状態量を電力系統計画装置1に送信する。
変電所102は、電力系統内の送電線間に設置され、大規模発電機である発電機101aが設置される高電圧側より送電される電力の電圧値を変更し、電力負荷104が設置されている低電圧側に送電する。変電所102には、電力コンデンサ、分路リアクトルなどの調相機器103が接続される。
調相機器103は、電力系統内における無効電力を変化させることにより、電力系統内の電圧分布を制御する機器であり、電力コンデンサ、分路リアクトル、STATCOM、SVC、などを含む。一部の調相機器103は、計測装置21cおよび情報通信ネットワーク108を通じて電力系統計画装置1より送信された制御指令情報を受信し、制御指令情報に応じて発電量を含む系統状態量を変化させる。
電力負荷104は、電力を消費する電動機、照明器具などをその内部に含む家庭、工場、ビル、施設を表す。
外部電力系統105は、電力系統計画装置1からの制御が不可能である外部の電力系統であり、連系線により自系統と接続している。
計測装置121a、121b、・・・は、発電機101aにおける発電量、調相機器103における調相量、送電線における潮流値、電圧値、などの系統状態量を計測するセンサを内部に含み、計測した系統状態量を情報通信ネットワーク108を通じて電力系統計画装置1に送信する。
情報通信ネットワーク108は、双方向にデータを伝送可能なネットワークである。情報通信ネットワーク108は、例えば、有線ネットワーク若しくは無線ネットワーク、又はそれらの組み合わせで構成される。情報通信ネットワーク108は、いわゆるインターネットであっても良いし、専用線のネットワークであっても良い。
電力系統計画装置1は、図1に示す電力系統計画機能を実現するための装置である。電力系統計画装置1は、計測装置21a、21b、・・・において計測された系統状態量を情報通信ネットワーク108を通じて受信する。また、電力系統計画装置1は、送信された系統の系統状態量および内部に蓄積された情報を用いて算出した制御指令情報を情報通信ネットワーク108を通じて計測装置21に送信する。
電力系統計画装置1の内部構成として、CPU(Central Processing Unit)201と、表示装置202と、通信手段203と、入力手段204と、メモリ205と、記憶装置DBと、がバス線211に接続されている。CPU201は、計算プログラムを実行して、系統状態の算出や、制御信号の生成などを行う。メモリ205は、表示用の画像データ、系統状態の算出結果データなどを一旦格納するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)などを用いて構成される。メモリ205は、CPU201により必要な画像データを生成して表示装置202に表示する。通信手段203は、通信ネットワーク108を通じて計測装置21および計測装置21から潮流値、電圧値などの系統状態量を取得する。
ユーザは、入力手段204の所定のインタフェースを通じて各種閾値などのパラメータを設定・変更し、本電力系統計画装置1の動作を適切に設定できる。また、ユーザは、入力手段204の所定のインタフェースを通じて確認したいデータの種類を選択し、表示装置202に表示させることができる。
記憶装置DBは、各種プログラムおよびデータを保持する。記憶装置DBは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等で構成される。記憶装置DBは、例えば、後述する各種機能を実現し得るプログラムおよびデータ等を保持する。記憶装置DBに記憶されているプログラムおよびデータは、必要に応じてCPU201に読み出されて実行される。なお、記憶装置DBは各種のデータベースDBで構成されている。
電力市場管理システム3は、発電事業者および送配電事業者が電力の売買を行う電力市場の取引管理を実行する。市場運用の方式は取引される商品の種別により多様な形態が存在しており、本実施例では系統計画の1日前までに入札・約定を完了するスポット市場、および系統計画を実施する当日に調整力を追加取引するリアルタイム市場の双方、あるいはどちらか一方を含む市場運用形態を前提とする。電力市場管理システム3は情報通信ネットワーク108を介して売電価格、売電量、売電対象電源の制御性能・制御要件等を含む電力取引情報、および調達対象、調達スケジュール等により規定される調整力調達計画を電力系統計画システム1と送受信する。
1:電力系統計画装置
3:電力市場管理システム
11:評価データ取得部
12:方策候補選定部
13:評価シナリオ生成部
14:シナリオ評価部
DB::情報記憶部
101:発電機
102:変電所
103:調相機器
104:分散型発電装置
105:外部電力系統
108:情報通信ネットワーク
121:系統計測装置

Claims (9)

  1. 電力系統を構成する系統設備及び系統運用に関する電力系統計画を定める電力系統計画装置であって、
    電力系統を構成する系統設備及び系統運用に関する情報を記憶する情報記憶部と、系統設備及び系統運用の情報を用いて、その適用により評価指標が向上する方策候補を生成する方策候補選定部と、前記方策候補、系統設備及び系統運用に関する情報を用いて評価シナリオを生成する評価シナリオ生成部と、前記評価シナリオを入力として評価シナリオの評価指標値および系統計画を算出するシナリオ評価部と、を含むことを特徴とする電力系統計画装置。
  2. 請求項1に記載の電力系統計画装置であって、
    前記情報記憶部は、電力系統を構成する系統設備の情報、系統運用とその運用上の制約条件の情報と、少なくとも1時点における電力系統の状態を示す系統断面の情報を記憶していることを特徴とする電力系統計画装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力系統計画装置であって、
    前記方策候補は、系統設備の増築または廃止、および運用手法の変更のいずれか1つ以上を方策候補として含むことを特徴とする電力系統計画装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電力系統計画装置であって、
    前記評価指標値は、前記方策候補を適用する際に必要となる系統設備増築、廃止、または保守に関わるコスト、前記方策候補を適用する際の系統運用コスト、前記方策候補を適用する際の系統安定度、前記方策候補を適用する際の再生可能エネルギー導入可能量のいずれか1つ以上を評価指標値として含むことを特徴とする電力系統計画装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電力系統計画装置であって、
    前記方策候補選定部は、前記情報記憶部に記憶する系統設備および系統運用に関する情報を入力として評価指標値を算出し、前記算出した評価指標値および評価指標判定条件に基づき方策候補を選定することを特徴とする電力系統計画装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電力系統計画装置であって、
    前記方策候補選定部は、系統設備の情報に基づき電気的距離が閾値以下となる系統設備を抽出し、前記抽出した系統設備を統合した新たな系統設備を定義し、かつ方策候補を加味した系統設備の情報を生成し、前記系統設備の情報を用いて算出した評価指標値が評価指標判定条件を満たす方策候補を抽出することを特徴とする電力系統計画装置。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電力系統計画装置であって、
    前記方策候補選定部は、各方策候補に対して選定地点、選定時点、選定理由のいずれか少なくとも1つを関連付け、前記評価シナリオ生成部において、前記選定地点、前記選定時点、前記選定理由のいずれか少なくとも1つに基づき評価シナリオを生成することを特徴とする電力系統計画装置。
  8. 請求項7に記載の電力系統計画装置であって、
    前記方策候補選定部および前記評価シナリオ生成部は、前記選定理由として前記方策候補を適用する際に必要となる系統設備増築、廃止、または保守に関わるコスト、前記方策候補を適用する際の系統運用コスト、前記方策候補を適用する際の系統安定度、前記方策候補を適用する際の再生可能エネルギー導入可能量のいずれか1つ以上に関わる評価指標値を含む選定理由を用いて方策候補を選定し評価シナリオを生成することを特徴とする電力系統計画装置。
  9. 電力系統を構成する系統設備及び系統運用に関する電力系統計画を定める電力系統計画方法であって、
    その適用により評価指標が向上する方策候補を生成する方策候補処理と、前記方策候補、系統設備情報、系統運用情報を入力として評価シナリオを生成する評価シナリオ生成処理と、前記評価シナリオを入力として評価シナリオの評価指標値および系統計画を算出するシナリオ評価処理と、を含むことを特徴とする電力系統計画方法。
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