JP7220133B2 - 電力負荷予測装置および電力負荷予測方法 - Google Patents

電力負荷予測装置および電力負荷予測方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力負荷予測装置および電力負荷予測方法に関する。
再生可能エネルギーを含む分散電源の導入拡大に伴って、電力負荷・発電の時系列パターンが複雑化している。そのため、送配電線における電力の流れを表す電力潮流が複雑化し、また電圧変動も激しくなっている。信頼性、経済性を確保した電力供給を実現するためには、この電力負荷・電力潮流・電圧の現在および将来の状況を正確に把握した上で、アダプティブにこれらを制御することが求められる。ここで、将来とは、数分先から数時間先程度の比較的短時間先を指している。
例えば、特許文献1には、「需要家集合内の複数の需要家の夫々による資源の需要の時系列データであるロードデータが、複数のグループに対応付けられ、各グループ内のロードデータを代表する形状を示す需要態様データと、各グループに属する需要家数とを取得し、各グループの需要家数の実績値とに基づいて、予め設定された予測対象期間における需要家集合の需要の時系列データの形状を示す形状データを算出する」と記載されている。また、「発送電分離に向けた電力会社の再編に伴い、電力会社の経営効率化に向けた電力販売ソリューションが求められている。電力販売では発電所との相対契約(容量確保)の適正化のため中長期の需要予測が要求される。」と記載され、また、「各グループに対し、前記需要家数の実績値に基づいて、前記予測対象期間における需要家数の予測値を算出し、前記需要態様データおよび前記需要家数の予測値に基づいて、前記形状データを算出する」とも記載されている。
特開2017-208046号公報
しかし、特許文献1に記載の電力負荷予測方法は、需要態様の年次変化を対象とするなど、中長期の需要予測を意図するものであり、各グループに属する需要家数、またはその予測値を用いる必要がある。このため、分単位、時間単位の制御が必要な電力負荷・電力潮流・電圧の各制御を目的とした系統状態予測にこの技術を適用して短期の予測精度を確保したり、精度を維持したりすることは困難であった。また、特許文献1に記載の電力負荷予測方法は、電力系統全体における潮流、電圧等に関する系統制約を考慮しておらず、実際の運用可能なものである保証がない。
本発明の目的は、上述の点を考慮してなされたものであり、電力系統の制約を考慮しながら各制御に資する短期の電力負荷予測を高精度に行い得るようにすることを1つの目的とする。
かかる課題を解決するため本発明においては、電力負荷予測装置は、電力系統の構成情報を格納する系統DBと、前記電力系統に関連するオンライン計測データであるIoTデータを格納する計測データDBと、前記電力系統のノードの個別負荷を予測する際に用いる個別負荷予測モデルを格納する個別負荷予測DBと、前記電力系統のブランチの潮流を予測する際に用いる潮流予測モデルを格納する潮流予測DBと、予測対象ノードの個別負荷予測値を、前記個別負荷予測モデルを用いて前記IoTデータに基づいて算出する個別負荷予測部と、予測対象ブランチの潮流予測値を、前記潮流予測モデルを用いて前記IoTデータに基づいて算出する潮流予測部と、前記予測対象ノードの個別負荷予測値および前記予測対象ブランチの潮流予測値のそれぞれを、前記IoTデータにおける各実績値と比較して、前記個別負荷予測モデルおよび前記潮流予測モデルを性能評価する予測モデル評価部とを備えるようにした。
本発明によれば、例えば、電力系統の制約を考慮しながら各制御に資する短期の電力負荷予測を高精度に行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る電力負荷予測装置の一構成例を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係る電力負荷予測装置のハードウェア構成の一例を示す図。 第1の実施形態に係る電力系統の構成の一例を示す図。 系統DBのデータの具体例を示す図。 IoTデータ(オンラインデータ)の具体例を示す図。 IoTデータ(履歴データ)の具体例を示す図。 個別負荷予測DBのデータの具体例を示す図。 予測式種別の具体例を示す図。 系統計測データの例を示す図。 潮流予測DBのデータの例を示す図。 評価ログの例を示す図。 負荷・潮流予測評価部14の全体処理の例を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る電力負荷予測装置の一構成例を示すブロック図。 本発明の第3の実施形態に係る電力負荷予測装置の一構成例を示すブロック図。 個別負荷予測モデル作成部の処理の例を示すフローチャート。 潮流予測モデル作成部の処理の例を示すフローチャート。 潮流予測の手法のバリエーション例を示す図。 本発明の第4の実施形態に係る電力負荷予測装置の一構成例を示すブロック図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の説明において、同一または類似の要素および処理には、原則として同一の符号を付し、重複説明を省略する。また、以下に説明する構成および処理はあくまで一例に過ぎず、本発明に係る実施の態様が、以下の実施形態に限定されることを意図する趣旨ではない。また、各実施形態および変形例は、本発明の技術思想の範囲内および整合する範囲内でその一部または全部を組合せることができる。
以下の説明で参照する各図は、本発明の理解および実施に必要な程度で実施形態の概要を示すものであり、本発明の範囲は各図に示す構成に限定されない。
以下の説明では、例えば「xxx100-1」「xxx100-2」や、「xxx100a」「xxx100b」のように、同一番号に枝番号が付加された符号が付与されている複数の要素を総称する場合には、同一番号のみを用いて「xxx100」のように表すこととする。
以下の説明では、「aaaテーブル」の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、テーブル以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「aaaテーブル」を「aaa情報」と呼ぶこともできる。「aaaテーブル」または「aaa情報」は、記憶資源(例えばメモリ)に確保された記憶領域に格納される。
[第1の実施形態]
図1および図2を参照し、本発明の第1の実施形態に係る電力負荷予測装置10の構成を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力負荷予測装置10の一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の電力負荷予測装置10は、系統DB11、IoT(Internet of Things)データ12、個別負荷予測DB13、負荷・潮流予測評価部14、系統計測データ15、および潮流予測DB16から構成され、電力負荷や電力潮流を予測し、その予測性能を評価する機能を備える。さらに、電力負荷予測装置10は、評価ログ17を備えることで、予測性能の評価結果を出力してもよい。IoTデータ12、系統計測データ15、および評価ログ17は、それぞれDB(Data Base)などの記憶部に格納される。
負荷・潮流予測評価部14は、個別負荷予測部141、予測モデル評価部142、および潮流予測部143から構成され、需要家サイドや変電所などの個別負荷と送電線・配電線の線路潮流を予測し、各予測値をオンライン系統計測データと比較して予測モデルを評価する機能を備える。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電力負荷予測装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図2示すように、電力負荷予測装置10は、計算機システムで構成されており、ディスプレイ装置等の表示部21、キーボードやマウス等の入力部22、通信部23、CPU24、メモリ25、および各種データベースDBがデータバス26に接続されている。
電力負荷予測装置10には、系統DB11、IoTデータ12、個別負荷予測DB13、系統計測データ15、潮流予測DB16、および評価ログ17の各データが入出力される。
表示部21は、例えば、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、プリンタ装置または音声出力装置等を用いる構成でもよい。入力部22は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置、タッチパネル、音声指示装置等の少なくともいずれか一つを備えて構成できる。通信部23は、通信ネットワークに接続するための回路及び通信プロトコルを備える。CPU24は、計算プログラムを実行して表示すべき画像データの指示や、各種データベース内のデータの検索等を行う。一つまたは複数の半導体チップとして構成してもよいし、または、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成してもよい。メモリ25は、例えば、RAMとして構成され、コンピュータプログラムを記憶したり、各処理に必要な計算結果データ及び画像データ等を記憶したりする。メモリ25に格納された画面データは、表示部21に送られて表示・出力される。
次に、図1の電力負荷予測装置10を構成する各機能の詳細について説明する。
系統DB11は、系統構成を表すデータを格納する。この系統DB11について、図3および図4に示す具体例を用いてその詳細を説明する。図3は、第1の実施形態に係る電力系統の構成の一例を示す図である。図3に示すように、電力系統は、発電機201、母線202、変圧器203、負荷204、送電線や配電線などの線路205を含んで構成される。このうち、発電機201、母線202、および負荷204はそれぞれノードであり、変圧器203および線路205はそれぞれブランチである。
ここで、図4を用いて系統DB11の具体的な内容について説明する。図4は、系統DB11のデータの具体例を示す図である。図4(a)はノードデータであり、ノードID、ノードの種類、定格容量(pu)、定格電圧(kV)、接続ブランチIDなどが格納される。図4(b)はブランチデータであり、ブランチID、ブランチの種類、定格容量(pu)、定格電圧(kV)、抵抗(pu)、リアクタンス(pu)、キャパシタンス(pu)、接続ノードIDなどが格納される。また図4(c)は負荷属性データであり、ノードID、契約容量(A)、料金プラン、負荷種別などが格納される。これらのデータにおいて「***」は、データが存在しないこと(データ欠損)を意味する。
以上に示したように、系統DB11によって、電力系統のトポロジーや設備構成がわかるようになる。なお図示していないが、電力系統には開閉器などのスイッチが含まれることがあり、これが切り替わると系統トポロジーや設備構成が変わることになる。または、系統設備の増設、移設、撤去によっても設備構成が変わる。このように、スイッチ操作や設備変更によって系統トポロジーや設備構成の変更が発生するごとに系統DB11は更新されるものである。
図1に戻って説明を続ける。IoTデータ12は、電力系統に関連するオンライン計測データであり、例えば電力系統に設置された各計測器によって計測されたオンライン計測データである。IoTデータ12には、オンラインデータと、履歴データがある。図5および図6を用いてIoTデータ12の具体例について説明する。
図5に示すIoTデータ12のオンラインデータと、図6に示すIoTデータ12の履歴データには、ノードIDまたはブランチIDごとに、データ種別と、各時刻における計測値が格納される。
図5は、IoTデータ12(オンラインデータ)の具体例を示す図である。図5の例では、オンラインデータが格納される。具体的には、各時刻における計測値(現在、現在より5分前、10分前、・・・、現在から5分後、10分後、・・・の各計測値)が格納される。現在および過去(5分前、10分前、・・・)の計測値には実績値が格納され、将来(5分後、10分後、・・・)の計測値には、例えば補間や補外により算出された予測値が格納される。
図6は、IoTデータ12(履歴データ)の具体例を示す図である。図6の例では、各日時の実績値が例えば5分ごとに格納される。
図5および図6において、IoTデータ12のデータ種別としては、発電、負荷、潮流、総需要などの負荷関連データを例示しているが、必ずしもこれらに限らない。例えば、電流、電圧、力率など他の電力量、電力状態を表す量に加えて、気温、日射量、風速などの気象情報など、電力負荷と相関のある他の計測情報が含まれてもよい。また、一つのノードID、ブランチIDに対して、必ずしも一つのデータ種別ではなく、複数のデータ種別とデータ種別に対応する計測値が格納されてもよい。また、これらのデータにおいて「***」は、データが存在しないことを意味している。データ取得時間間隔の違いや通信不良等によるデータ欠損の場合にデータが存在しないことになる。
図5および図6の例では図示していないが、データ種別として、発電、負荷、総需要以外に電圧を含めるようにしてもよい。
図1に戻って説明を続ける。個別負荷予測DB13は、個別負荷を予測するためのパラメータセットを格納する。個別負荷とは、個々の住宅単位、個々の事業所単位、あるいは複数の住宅、事業所をまとめた集合単位のいずれでもよく、ノードデータとしての負荷204が該当する。
ここで、図7を用いて個別負荷予測DB13のデータの具体例について説明する。図7は、個別負荷予測DB13のデータの具体例を示す図である。図7に示すように、個別負荷予測DB13のデータテーブルには、ノードIDごとに、データ種別と、現在、現在から5分後、・・・、現在からn分後のそれぞれにおける演算要否、予測式種別、説明変数、・・・、定数項などが格納される。
演算要否とは、個別負荷予測演算が必要であるか不要であるかに関するフラグである。演算要否が「否」の場合には、個別負荷予測演算に必要なパラメータセットである予測式種別、説明変数、・・・、定数項について、データが存在しないことを意味する「***」が格納される。演算要否が「要」の場合には、個別負荷予測演算に必要なパラメータセットについて各データが格納される。
なお、IoTデータ12と同様に、個別負荷予測DB13のデータテーブルには、一つのノードIDに対して、必ずしも一つのデータ種別ではなく、複数のデータ種別とデータ種別に対応するパラメータが格納されてもよい。例えば、同一のノードIDに対して、発電量を予測するパラメータセットと、負荷を予測するパラメータセットを別々に格納するようにすればよい。
図1に戻って説明を続ける。負荷・潮流予測評価部14は、需要家サイドや変電所などの個別負荷と配電線の線路潮流を予測し、各予測値をオンライン系統計測データと比較して予測モデルを評価する機能を備える。ここで、負荷・潮流予測評価部14を構成する各機能の詳細について説明する。負荷・潮流予測評価部14は、個別負荷予測部141、予測モデル評価部142、および潮流予測部143を含む。
個別負荷予測部141は、図7に示した個別負荷予測DB13を用いて各ノードの個別負荷を予測する。ここで、図7および図8を参照しつつ予測式種別について説明する。予測式種別が「1」の場合には、予測式は、下記式(1)に示す一次線形モデルであることを示している。
Y(t+T)=
a1・X1(t+T1)+a2・X2(t+T2)+・・・+
an・Xn(t+Tn)+b(t+T)・・・(1)
上記式(1)において、i=1,2,・・・,n(nは説明変数の数)として、Yは予測対象、Xiは説明変数、tは現在時刻、Tは予測値の時刻と現在時刻の差、Tiは予測に用いる各説明変数の時刻と現在時刻の差、aiは係数、bは定数項(バイアス値)である。
なお、図8は、予測式種別の具体例を示す図であるが、図8に示すように予測式種別に対応させて一次式、多次式、対数式、あるいはこれらの複合式など他の形式の予測式を予め定めておけばよく、いずれの場合でも図7に示すようにパラメータを管理することで、上述の一次線形モデルの場合と同様に予測を実施可能である。
ここで、図7を参照しながら、予測対象がノードID204b(負荷204b)である場合を例として、負荷・潮流予測評価部14の処理について具体的に説明する。
まず、現在時刻(T=0)の負荷204bを予測対象とする例について説明する。このとき、予測のための説明変数1はノードID999a(総需要)の現在値(図7における括弧内の数値「0」は現在値であることを表す)であり、その係数は0.4である。また、説明変数2はノードID205c(線路205c)の現在値であり、その係数は0.2である。また、このとき、定数項bは0.1である。
同様に、5分後(T=5)の負荷204bを予測対象とする例について説明する。このとき、予測のための説明変数1はノードID999a(総需要)の5分後予測値(図7における括弧内の数値「+5」は5分後予測値を表す)であり、その係数は0.3である。また、説明変数2はノードID201a(発電機201a)の5分後予測値であり、その係数は0.3である。また、このとき、定数項bは-0.1である。
この例では、予測対象のノードID204bに関するIoTデータ12(図5参照)において実績値および将来の予測値が完全に欠損しているため、他のノード等のIoTデータを用いて空間的に補完することで予測している。
次に、別の例として、5分後(T=5)のノードID204c(負荷204c)を予測対象とする例について説明する。このとき、予測のための説明変数1はノードID204c(負荷204c)の5分前実績値(図7における括弧内の数値「-5」は5分前実績値を表す)であり、その係数は0.4である。また、説明変数2はノードID204cの5分後予測値であり、その係数は0.5である。また、このとき、定数項bは-0.2である。
この例では、予測対象のノードID204cに関するIoTデータ12(図5参照)において時間的に部分欠損があるため、予測対象時刻を基準に前後の時刻のノードID204cのデータを用いて時間的に補完することで予測している。
さらに、別の例として、5分後(T=5)のノードID204d(負荷204d)を予測対象とする例について説明する。このとき、予測のための説明変数1はノードID204a(負荷204a)の5分後予測値であり、その係数は0.3である。また、説明変数2はノードID204c(負荷204c)の5分後予測値であり、その係数は0.6である。また、このとき、定数項bは0.1である。
この例では、発電機201a,201b,・・・からみて予測対象であるノードID204dの下位側に位置するノードID204a(負荷204a)とノードID204c(負荷204c)の各予測値を用いることで予測している。
このように、例えば、IoTデータ12(オンラインデータ)において、予測対象のノードまたはブランチの現在のデータを空間的に補完し、その後予測対象のノードまたはブランチの予測対象の将来のデータを現在までのデータをもとに時間的に補完する。
なお、上述の空間的な補完には、対象のノードまたはブランチの電力系統における上流のノードまたはブランチの計測値を用いて補完を行うトップダウン方式や、下流のノードまたはブランチの計測値を用いて補完を行うボトムアップ方式がある。また、空間的および時間的な補完を適宜組合せて、予測対象のノードまたはブランチの予測値を算出してもよい。
予測モデル評価部142は、個別負荷予測部141や後述する潮流予測部143で算出された各予測値を、後述する系統計測データ15と比較することで、各予測モデル(個別負荷予測DB13、潮流予測DB16)の性能を評価する。性能評価の例としては、例えば、下記式(2)に示すような予測誤差Eを算出すればよい。
E(t+T)=1/m・√[(Σ{Y(t+T)―y(t+T)}]・・・(2)
上記式(2)において、mは予測対象とする予測先時刻Tの数であり、y(t+T)は予測値Y(t+T)に対する真値とみなす系統計測データ15(計測値)であり、Σは全ての予測先時刻Tについて予測値Y(t+T)と系統計測データy(t+T)の差の2乗和を取ることを表す。例えば、ノードID204d(負荷204d)の5分後の予測値Y(t+5)について、履歴データとして系統計測データy(t+5)が得られる(図6参照)。このように、履歴データが得られる場合には上記式(2)で予測誤差Eが得られる。
これに対して、ノードID(負荷204b)のように履歴データが得られない場合の性能評価の例について述べる。例えば、下記式(3)に示すような標準偏差S(t)、または下記式(4)に示すような、標準偏差S(t)を正規化した変動係数c(t)を算出すればよい。
S(t)=1/m・√[Σ{Y(t+T)―Ya(t+T)}]・・・(3)
c(t)=S(t)/{1/m・ΣYa(t+T)}・・・(4)
上記式(3)および式(4)におけるYa(t+T)は、m個の予測先時刻Tにおける予測値Y(t+T)の平均値である。標準偏差S(t+T)または変動係数c(t+T)が小さいほど各予測先時刻Tにおける予測値のばらつきが小さく、性能が高いとの考えに基づく。ただし、需要や発電が急変する場合においては、この考えは必ずしも成立しないので、性能評価を回避してもよい。
このため、予測モデル評価部142は、所定時間あたりの需要や発電の変化閾値を超えるなどの状況に応じて性能評価するか否かを判断するようにしてもよい。あるいは、予測性能の評価自体を必ずしも行う必要がない場合には、予測モデル評価部142を省略できる。
ここで、系統計測データ15について、図9に示す例を用いて説明する。図9は、系統計測データ15の例を示す図である。系統計測データ15は、予測モデル評価部142で予測評価のために用いるものであり、IoTデータ12の一部を抜粋したものである。IoTデータ12には、オンラインデータと履歴データの2種類があるが、いずれでも予測評価に用いることができる。図9の例では、履歴データを示す。この履歴データを用いることで、ブランチID205c(線路205c)のように、5分後など予測時点ではオンライン計測値(真値)が得られなかったが、5分後以降ではオンライン計測値が得られるようになるため、予測モデル評価部142で予測モデルの性能を評価できるようになる。
潮流予測部143は、潮流予測DB16を用いて、各ブランチ(送電線・配電線)の線路潮流を予測し、さらに個別負荷予測値と線路潮流予測値を用いて状態推定演算を実施する。
ここで、先ず潮流予測DB16について説明する。潮流予測DB16は、個別負荷予測部141への入力である個別負荷予測DB13と同じ役割を持つ。潮流予測DB16に格納されているデータは、潮流予測部143への入力となるデータであって、線路潮流を予測するためのパラメータセットである。線路潮流とは、送電線、配電線、または変圧器などのブランチID205(線路205)を流れる電力(有効電力、無効電力)のことである。
ここで、図10を用いて潮流予測DB16の具体例について説明する。図10は、潮流予測DB16のデータの例を示す図である。図10に示すように、潮流予測DB16のデータテーブルには、個別負荷予測DB13と同様に、ノードIDごとに、データ種別と、現在、現在から5分後、・・・、現在からn分後のそれぞれにおける演算要否、予測式種別、説明変数、・・・、定数項などが格納される。これらは、個別負荷予測DB13と同様であるため、ここでは説明を省略する。
潮流予測部143に戻り、説明を続ける。潮流予測部143における線路潮流予測演算については、個別負荷予測部141における処理と同様である。入力となるパラメータセットが異なるが、その構成は同様であって処理内容も同様であるので説明を省略する。
さらに、潮流予測部143は、個別負荷予測値(ノードで消費または発電する有効電力、無効電力)と線路潮流予測値(ブランチを通過する有効電力、無効電力)を用いて、電力系統の状態推定演算を実施する機能を備える。状態推定演算においては、ノード電圧、ノード負荷、および線路潮流に関する推定値と観測値を入力することで、潮流、電圧等に関する系統制約を考慮しつつ、推定値と観測値の総二乗誤差が最小となるようなノード負荷推定値を得る。
本実施形態において状態推定演算を適用する場合には、個別負荷予測値と線路潮流予測値を推定値とし、また、基準箇所(通常は電源ノード)の電圧や所定ノードの負荷、所定ブランチの線路潮流の各計測値を観測値としてそれぞれ入力することにより、状態推定演算可能な既存の技術がある(例えば次の文献参照:Felix F. Wu, “Power system state estimation: a survey”, International Journal of Electrical Power & Energy Systems, Volume 12, Issue 2, April 1990.)。入力の観測値は、IoTデータ12または系統計測データ15のノード電圧とすればよい。以上が、負荷・潮流予測評価部14を構成する各機能の詳細説明である。
図1の電力負荷予測装置10を構成する各機能の詳細説明に戻る。評価ログ17は、負荷・潮流予測評価部14によって予測・評価された結果に関する出力である。出力手段としては、表示部21が該当し、ディスプレイ装置、プリンタ装置、または音声出力装置などが挙げられる。
図11は、評価ログ17の例を示す図である。図11に示すように、予測対象ノードまたは予測対象ブランチの各IDに対して、予測時刻、現在、5分後、・・・、n分後の各予測における予測式種別、パラメータセット、予測値、真値、および予測誤差率、ならびに変動係数から構成される。予測誤差率および変動係数がそれぞれ一定値以下である場合に、予測モデルが妥当であると判定できる。本実施形態では、表形式でテキスト表示する例を示したが、例えば予測誤差率や変動係数などの評価結果をグラフ化することにより、視覚的にわかりやすく表示するようにしてもよい。
なお、評価ログ17は、負荷・潮流予測評価部14で予測・評価した結果に関する出力であるが、必ずしも必要がない場合には、評価ログ17を出力する構成を省略できる。以上が、電力負荷予測装置10を構成する各機能の詳細説明である。
続いて、負荷・潮流予測評価部14の処理について説明する。図12は、負荷・潮流予測評価部14の全体処理の例を示すフローチャートである。負荷・潮流予測評価部14の全体処理は、例えば各日時の実績値がIoTデータ12(履歴データ)に格納される5分ごとなどの周期的に実行される。
先ずステップS121では、負荷・潮流予測評価部14は、系統DB11、IoTデータ12、個別負荷予測DB13、系統計測データ15、および潮流予測DB16の各データを読み込む。次にステップS122では、個別負荷予測部141は、個別負荷予測DB13を用いて各ノードの個別負荷を予測する。
次にステップS123では、予測モデル評価部142は、ステップS122での個別負荷予測の結果に対して予測誤差や変動係数を算出することによって、個別負荷の予測モデルを性能評価する。なお、性能評価が必要ない場合には、本ステップを省略してもよい。また、個別負荷の予測モデルの性能評価は、後述のステップS126と同様に、予測対象となる同一のノードIDに対する個別負荷予測の複数手法について実行してもよい。
次にステップS124では、潮流予測部143は、潮流予測DB16を用いて、各ブランチ(送電線・配電線)の線路潮流を予測する。次にステップS125では、潮流予測部143は、個別負荷予測値と線路潮流予測値を用いて上述の状態推定演算を実施する。
次にステップS126では、潮流予測部143は、予測対象となる同一のブランチIDに対して潮流予測の全手法を実行終了したか否かを判定する。潮流予測の全手法とは、例えば、潮流予測DB16において予測対象となる同一のブランチIDに対応付けられて格納されている、複数の予測式種別とそのパラメータセットをいう。潮流予測部143は、予測対象となる同一のブランチIDに対して潮流予測の全手法を実行終了した場合(ステップS126Yes)にステップS127へ処理を移し、全手法を実行終了していない場合(ステップS126No)にステップS124へ処理を戻す。潮流予測部143は、ステップS124およびステップS125を、未処理の潮流予測の手法がなくなるまで繰り返す。
ステップS127では、予測モデル評価部142は、ステップS125での状態推定の結果に対して予測誤差や変動係数を算出することによって、潮流の予測モデルを性能評価する。なお、性能評価が必要ない場合には、本ステップを省略してもよい。
次にステップS128では、負荷・潮流予測評価部14は、ステップS123の個別負荷予測モデルの性能評価結果およびステップS127での潮流予測モデルの性能評価結果をもとに、評価ログ17を出力し処理を終了する。
本実施形態によれば、近年利用可能となってきたIoTデータを活用して、計測データの欠損を補い、分単位や時間単位の短時間先の個別負荷予測および潮流予測を、電力系統の制約を考慮しながら系統の各制御に資するように高精度に行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図13を用いて説明する。図13は、本発明の第2の実施形態に係る電力負荷予測装置10Bの一構成例を示すブロック図である。電力負荷予測装置10Bの構成は、第1の実施形態に係る電力負荷予測装置10との差分についてのみ説明する。
図13に示すように、電力負荷予測装置10Bは、電力負荷予測装置10と比較して、さらに、予測モデル評価部142によって評価された予測モデルを更新する予測モデル更新部144を備える。
予測モデル更新部144は、第1の実施形態に示したような予測モデル評価部142における個別負荷予測(個別負荷予測DB13)または潮流予測(潮流予測DB16)の評価結果をもとに、個別負荷予測DB13または潮流予測DB16を更新する。
具体的には、予測対象となる同一のノードIDまたはブランチIDに対する個別負荷予測DB13の複数の候補DB(予測式種別とそのパラメータセット)、および/または、潮流予測DB16の複数の候補DB(予測式種別とそのパラメータセット)を用意する。そして、予測モデル評価部142は、個別負荷予測部141で個別負荷予測DB13の複数の候補DBのそれぞれに対する複数の予測値を算出し、および/または、潮流予測部143で潮流予測DB16の複数の候補DBのそれぞれに対する複数の予測値を算出する。
そして、予測モデル評価部142は、これらの複数の予測値に基づいて、各候補DBを性能評価する。予測モデル更新部144は、性能評価結果が最良(例えば予測誤差率や変動係数の平均等の統計値が最小であるなど)である候補DBを以って、個別負荷予測DB13および/または潮流予測DB16を更新すればよい。あるいは、予測モデル評価部142は、各候補DBから性能評価結果が最良である個々の予測値を選択してマージした予測モデルを以って個別負荷予測DB13および/または潮流予測DB16を更新してもよい。
本実施形態によれば、予測モデルの評価結果に基づいて、予測モデルをより精度が高いものへと更新していくことができ、個別負荷予測および潮流予測の精度をより向上させていくことができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について、図14~図16を用いて説明する。図14は、本発明の第3の実施形態に係る電力負荷予測装置10Cの一構成例を示すブロック図である。電力負荷予測装置10Cの構成は、第1の実施形態に係る電力負荷予測装置10との差分についてのみ説明する。
図13に示すように、電力負荷予測装置10Bは、電力負荷予測装置10と比較して、さらに、個別負荷予測モデル作成部18および潮流予測モデル作成部19を備える。図14では、一部の接続線を省略している。
個別負荷予測モデル作成部18は、個別負荷予測DB13を作成する。具体的な処理手順について、図15に図示するフローチャートを用いて説明する。図15は、個別負荷予測モデル作成部18の処理の例を示すフローチャートである。
先ずステップS151では、個別負荷予測モデル作成部18は、系統DB11およびIoTデータ12を読み込む。ただし、既存の個別負荷予測DB13があればそれも読み込む。次にステップS152では、個別負荷予測モデル作成部18は、ユーザによる説明変数の指定があればステップS155へ処理を移し、指定がなければステップS153へ処理を移す。
ステップS153では、個別負荷予測モデル作成部18は、IoTデータ12から説明変数を抽出し、抽出した説明変数と目的変数(個別負荷)との相関分析を行う。次にステップS154では、個別負荷予測モデル作成部18は、ステップS153の相関分析の結果、目的変数と相関が高かった説明変数を選定する。ステップS154での説明変数の決定においては、例えば相関係数の閾値(0.7など)を上回るなどの所定条件を充足する説明変数を選択すればよい。または、相関の高かった順に上位N変数を選定するようにしてもよい(Nは予め定める設定値)。なお、選定された全ての説明変数について多重共線性の問題を回避する方がよい。多重共線性の問題回避には、相互相関係数を計算して、それが1.0に近い相関が極めて高い変数同士については、その一方を除外するようにすればよい。
ステップS155では、個別負荷予測モデル作成部18は、ステップS154で決定された全ての説明変数と目的変数をもとに重回帰分析を行い、各説明変数の重み係数と定数項を決定する。以上が個別負荷予測モデル作成部18の処理機能であり、作成された個別負荷予測モデルは、例えば図7のようになる。
潮流予測モデル作成部19は、潮流予測DB16を作成する。具体的な処理手順について、図16に図示するフローチャートを用いて説明する。図16は、潮流予測モデル作成部19の処理の例を示すフローチャートである。
先ずステップS161では、潮流予測モデル作成部19は、系統DB11およびIoTデータ12を読み込む。ただし、既存の潮流予測DB16があればそれも読み込む。次にステップS162では、潮流予測モデル作成部19は、IoTデータ12から説明変数を抽出し、抽出した説明変数と目的変数(潮流)との相関分析を行う。
次にステップS163では、潮流予測モデル作成部19は、潮流予測の全手法のうちの未処理の1手法を選択し、選択した手法に関して、ステップS162の相関分析の結果、目的変数と相関が高かった説明変数を選定する。潮流予測モデル作成部19は、ステップS163での説明変数の決定において、図15に示す個別負荷予測モデル作成部18の処理の例を示すフローチャートのステップS154と同様の方針に従う。
次にステップS164では、潮流予測モデル作成部19は、ステップS163で決定された全ての説明変数と目的変数をもとに重回帰分析を行い、各説明変数の重み係数と定数項を決定する。
次にステップS165では、潮流予測モデル作成部19は、潮流予測の全手法についてステップS163およびS164を実行したか否かを判定する。潮流予測モデル作成部19は、潮流予測の全手法についてステップS163およびS164を実行した場合(ステップS165Yes)に潮流予測モデル作成部19の処理を終了し、潮流予測の全手法についてステップS163およびS164を実行していない場合(ステップS165No)にステップS163へ処理を戻す。
ここで、潮流予測には、種々のバリエーションがある。図17は、潮流予測の手法のバリエーション例を示す図である。さらに、図17に示すように、潮流予測の手法には、トップダウン方式の空間的補完方法、ボトムアップ方式の空間的補完方法、時間的補完補外方法、これらの方法の組合せなどがある。トップダウン方式とは、対象のノードまたはブランチの予測値をより系統上位のノードまたはブランチの計測値に基づいて予測する方法である。ボトムアップ方式とは、対象のノードまたはブランチの予測値をより系統下位のノードまたはブランチの計測値に基づいて予測する方法である。
図17の例では、予測対象が現在時刻(0)から5分後のブランチID205f(線路205f)である場合を示す。トップダウンの空間的予測(No.1)では、説明変数は現在時刻から5分後のノードID201a(発電機201a)およびノードID201b(発電機201b)の計測値である。また、ボトムアップの空間的予測(No.2)では、説明変数は現在時刻から5分後のノードID204a(負荷204a)、ノードID204b(負荷204b)、およびノードID204c(負荷204c)の計測値である。
また、時間的予測(No.3)では、説明変数は現在時刻、現在時刻より5分前、および現在時刻より10分前のブランチID205f(線路205f)のそれぞれの計測値である。また、No.1~No.3の混合では、説明変数は現在時刻から5分後のノードID201a(発電機201a)、現在時刻から5分後のノードID204a(負荷204a)、および現在時刻のブランチID205f(線路205f)のそれぞれの計測値である。図17は、潮流予測の手法のバリエーション例を示すに過ぎず、これら以外にも種々の手法がある。
このように、潮流予測方法には、説明変数と予測式種別の組合せについてバリエーションが存在する。ステップS163~S165は、このような潮流予測方法のバリエーションの全てについて説明変数および予測パラメータセットを決定する。このように説明変数および予測パラメータセットが決定された潮流予測方法の何れを用いるかは、運用時に決定される、あるいは性能評価の結果に応じて決定される。以上が潮流予測モデル作成部19の処理機能であり、作成された潮流予測モデルは、例えば図10のようになる。
本実施形態によれば、電力系統の制約を考慮しながら各制御に資する短期かつ高精度な個別負荷および潮流を予測できる予測モデルを作成できる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について、図18を用いて説明する。図18は、本発明の第4の実施形態に係る電力負荷予測装置10Dの一構成例を示すブロック図である。電力負荷予測装置10Dの構成は、第2の実施形態に係る電力負荷予測装置10Bとの差分についてのみ説明する。
図18に示すように、電力負荷予測装置10Dは、電力負荷予測装置10Bと比較して、さらに、ユーザ評価部20を備える。図17では、一部の接続線を省略している。
ユーザ評価部20は、予測モデル評価部142による性能評価結果、予測モデル更新部による処理結果、または評価ログ17ユーザに対して出力することで、個別負荷予測DB13または潮流予測DB16を更新するか否かのユーザの意思決定を支援する出力手段である。例えば、ユーザ評価部20は、表示部21が該当し、ディスプレイ装置、プリンタ装置、または音声出力装置などが挙げられる。ユーザ評価部20は、図11のように評価ログ17などの情報をテキスト表示するようにしてもよいし、予測誤差率や変動係数などの評価結果をグラフ表示してもよい。電力負荷予測装置10Dは、ユーザ評価部20に表示された予測モデル性能評価結果に基づいて入力部22を介してユーザにより入力された予測モデルの選択指示に応じて、個別負荷予測DB13または潮流予測DB16を更新してもよい。
本実施形態によれば、電力系統の制約を考慮しながら各制御に資する短期かつ精度を維持可能な個別負荷および潮流の予測方法を、ユーザに認識させ、予測モデルの更新判断の材料とさせることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、矛盾しない限りにおいて、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成で置き換え、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、構成の追加、削除、置換、統合、または分散をすることが可能である。また実施形態で示した構成および処理は、処理効率または実装効率に基づいて適宜分散または統合することも可能である。
10,10B,10C,10D:電力負荷予測装置、11:系統DB、12:IoTデータ、13:個別負荷予測DB、14:負荷・潮流予測評価部、15:系統計測データ、16:潮流予測DB、17:評価ログ、18:個別負荷予測モデル作成部、19:潮流予測モデル作成部、20:ユーザ評価部、21:表示部、22:入力部

Claims (12)

  1. 電力系統の構成情報を格納する系統DBと、
    前記電力系統に関連するオンライン計測データであるIoTデータを格納する計測データDBと、
    前記電力系統のノードの個別負荷を予測する際に用いる個別負荷予測モデルを格納する個別負荷予測DBと、
    前記電力系統のブランチの潮流を予測する際に用いる潮流予測モデルを格納する潮流予測DBと、
    予測対象ノードの個別負荷予測値を、前記個別負荷予測モデルを用いて前記IoTデータに基づいて算出する個別負荷予測部と、
    予測対象ブランチの潮流予測値を、前記潮流予測モデルを用いて前記IoTデータに基づいて算出する潮流予測部と、
    前記予測対象ノードの個別負荷予測値および前記予測対象ブランチの潮流予測値のそれぞれを、前記IoTデータにおける各実績値と比較して、前記個別負荷予測モデルおよび前記潮流予測モデルを性能評価する予測モデル評価部と
    を備えたことを特徴とする電力負荷予測装置。
  2. 前記個別負荷予測部は、
    前記予測対象ノードの個別負荷予測値を、前記IoTデータのうちの該予測対象ノードとは異なる他のノードの計測データを用いて空間的に補完すること、および、前記IoTデータのうちの該予測対象ノードの予測対象時刻とは異なる他の時刻の計測データを用いて時間的に補完すること、の何れかにより算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力負荷予測装置。
  3. 前記潮流予測部は、
    前記予測対象ブランチの潮流予測値を、前記IoTデータのうちの該予測対象ブランチとは異なる他のブランチの計測データを用いて空間的に補完すること、および、前記IoTデータのうちの該予測対象ブランチの予測対象時刻とは異なる他の時刻の計測データを用いて時間的に補完すること、の何れかにより算出する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電力負荷予測装置。
  4. 前記潮流予測部は、
    前記個別負荷予測値および前記潮流予測値に基づいて、前記電力系統の状態推定を行う ことを特徴とする請求項3に記載の電力負荷予測装置。
  5. 前記予測モデル評価部は、
    前記個別負荷予測値および前記潮流予測値に関する予測誤差または変動係数に基づいて、前記個別負荷予測モデルおよび前記潮流予測モデルをそれぞれ性能評価する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力負荷予測装置。
  6. 前記予測モデル評価部は、
    前記個別負荷予測値に基づいて前記個別負荷予測モデルを性能評価し、
    前記潮流予測部は、
    前記予測モデル評価部によって前記個別負荷予測モデルの性能評価が行われた後に、前記潮流予測値を算出し、
    前記予測モデル評価部は、
    前記個別負荷予測モデルの性能評価が行われた後に前記潮流予測部によって算出された前記潮流予測値に基づいて前記潮流予測モデルを性能評価する
    ことを特徴とする請求項5に記載の電力負荷予測装置。
  7. 前記予測モデル評価部による前記個別負荷予測モデルおよび前記潮流予測モデルの性能評価結果を評価ログとして出力する
    ことを特徴とする請求項6に記載の電力負荷予測装置。
  8. 前記予測モデル評価部による性能評価の結果に応じて、前記個別負荷予測モデルまたは前記潮流予測モデルを更新する予測モデル更新部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の電力負荷予測装置。
  9. 前記IoTデータをもとに前記個別負荷予測モデルを作成する個別負荷予測モデル作成部、および、前記IoTデータをもとに前記潮流予測モデルを作成する潮流予測モデル作成部の少なくとも1つ
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の電力負荷予測装置。
  10. 前記IoTデータから前記予測対象ノードの個別負荷との相関関係が所定条件を満たす説明変数を抽出し、該個別負荷を目的変数とし、該目的変数と該説明変数をもとに重回帰分析を行った結果に基づいて前記個別負荷予測モデルを作成する個別負荷予測モデル作成部、および、前記IoTデータから前記予測対象ブランチの潮流との相関関係が所定条件を満たす説明変数を抽出し、該潮流を目的変数とし、該目的変数と該説明変数をもとに重回帰分析を行った結果に基づいて前記潮流予測モデルを作成する潮流予測モデル作成部の少なくとも1つ
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の電力負荷予測装置。
  11. 前記予測モデル評価部による性能評価の結果、または、前記予測モデル更新部による処理結果をユーザに提示して、前記個別負荷予測モデルまたは前記潮流予測モデルを更新するか否かのユーザの意思決定を支援するユーザ評価部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の電力負荷予測装置。
  12. 電力負荷予測装置が行う電力負荷予測方法であって、
    前記電力負荷予測装置は、
    電力系統の構成情報を格納する系統DBと、
    前記電力系統に関連するオンライン計測データであるIoTデータを格納する計測データDBと、
    前記電力系統のノードの個別負荷を予測する際に用いる個別負荷予測モデルを格納する個別負荷予測DBと、
    前記電力系統のブランチの潮流を予測する際に用いる潮流予測モデルを格納する潮流予測DBと、を備え、
    前記電力負荷予測装置が、
    予測対象ノードの個別負荷予測値を、前記個別負荷予測モデルを用いて前記IoTデータに基づいて算出し、
    予測対象ブランチの潮流予測値を、前記潮流予測モデルを用いて前記IoTデータに基づいて算出し、
    前記予測対象ノードの個別負荷予測値および前記予測対象ブランチの潮流予測値のそれぞれを、前記IoTデータにおける各実績値と比較して、前記個別負荷予測モデルおよび前記潮流予測モデルを性能評価する
    各処理を含んだことを特徴とする電力負荷予測方法。
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