JP6427090B2 - 発電量予測装置、発電量予測方法、系統安定化装置、並びに系統安定化方法 - Google Patents

発電量予測装置、発電量予測方法、系統安定化装置、並びに系統安定化方法 Download PDF

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Description

本発明は、再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電)の発電量を予測するための発電量予測装置、発電量予測方法、系統安定化装置、並びに系統安定化方法に関する。
再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電)の発電量予測に関する背景技術として、特開2011−200040号公報(特許文献1)が知られている。特許文献1には、「発電量予測装置1が、発電機の過去の発電量に関する過去データを記憶する記憶部20、過去データにおける異なる時刻の間の統計的相関若しくは異なる発電機の位置の間の統計的相関に基づいて、発電量に関する予測値を、発生確率を含む時系列データとして算出する予測値算出部13を有し、予測値算出部13は、過去データに基づいて分散共分散行列を作成する分散共分散行列作成部131と、分散共分散行列に基づいて乱数を発生する乱数発生部132とを有する」と記載されている。
特開2011−200040号公報
将来、電力系統に再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電)が大量に導入されると、不確実で予測が困難な潮流変動が発生する。このため、再生可能エネルギーの発電量予測が不可欠であり、特許文献1では、その一つの解決策を提案している。
然しながら特許文献1では、実績データのみによって発電量予測値を算出するため、十分な実績データが無い発電機の発電量や気象予報結果と類似する気象実績データが少ない場合の発電量の予測誤差が大きくなるという課題がある。
このことから本発明においては、発電機発電量の十分な実績データが無い場合や、気象予報結果と類似する気象実績データが少ない場合であっても、発電量の予測を高精度に算出することが可能な発電量予測装置、発電量予測方法、系統安定化装置、並びに系統安定化方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば、特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「再生可能エネルギーにより発電を行う発電所における発電量を予測するための発電量予測装置であって、発電所における気象実績と出力実績とから、当該発電所の発電量の数理モデルをモデル作成タイミングごとに作成するモデル作成部と、気象予測データと類似の気象実績および対応する出力実績を類似実績データとして得る類似実績データ抽出部と、モデル作成部の複数の数理モデルに対して、気象予測データに類似する気象条件における数理モデルの精度を計算するモデル精度計算部と、モデルの精度を用いて予測に使用する数理モデルを選択するモデル選択部と、選択した数理モデルを用いて発電所の発電量を予測するモデル出力予測部を備える」ことを特徴とする。
また本発明は、「再生可能エネルギーにより発電を行う発電所における発電量を予測するための発電量予測方法であって、発電所における気象実績と出力実績とから、当該発電所の発電量の数理モデルをモデル作成タイミングごとに作成し、複数の数理モデルに対して、気象予測データに類似する気象条件における数理モデルの精度を計算し、予測に使用する数理モデルを選択して、発電所の発電量を予測する」ことを特徴とする。
また本発明は、「発電量予測装置を用いて、再生可能エネルギーにより発電を行う発電所を含む電力系統の安定化を図る系統安定化装置であって、再生可能エネルギーにより発電を行う発電所を含む電力系統の系統状態を時系列的に予測する系統状態予測部と、系統状態の悪化が予測された場合に、系統安定化のための制御対象を決定する制御対象決定部と、決定された制御対象に制御指令を送信して制御を行わせる制御指令部を備える」ことを特徴とする。
また本発明は、「発電量予測方法を用いて、再生可能エネルギーにより発電を行う発電所を含む電力系統の安定化を図る系統安定化方法であって、再生可能エネルギーにより発電を行う発電所を含む電力系統の系統状態を時系列的に予測し、系統状態の悪化が予測された場合に、系統安定化のための制御対象を決定し、決定された制御対象に制御指令を送信して制御を行わせる」ことを特徴とする。
本発明によれば、各々の再生可能エネルギーの出力を高精度で予測することができる。
実施例1に係る発電量予測装置10の全体構成例を示す図。 図1の発電量予測装置を電力系統に適用した場合の発電量予測システムの全体構成例を示す図。 発電量予測装置のプログラムデータの内容を示す構成例を示す図。 気象予測データベースDB21に記憶された気象予測データD21の例を示す図。 気象実績データベースDB22に記憶された気象実績データD22の例を示す図。 再生可能エネルギー出力実績データベースDB23に記憶された再生可能エネルギー出力実績データD23の例を示す図。 再生可能エネルギー特性データベースDB24に記憶された再生可能エネルギー特性データD24の例を示す図。 再生可能エネルギー設置条件データDB25の例を示す図。 発電量予測装置の演算処理内容の一例を示すフローチャート。 図9の処理ステップS400の詳細フローチャート。 図9の処理ステップS500の詳細フローチャート。 図9の処理ステップS600の詳細フローチャート。 再生可能エネルギーモデル作成結果の一例を示す図。 再生可能エネルギーモデル精度計算結果の一例を示す図。 再生可能エネルギー出力予測結果の一例を示す図。 発電量予測装置の画面表示例を示す図。 実施例2に係る系統安定化装置の全体構成例を示す図。 図2の系統安定化装置を電力系統に適用した場合の系統安定化システムの全体構成例を示す図。 系統安定化装置の系統安定化プログラムデータの内容を示す図。 系統状態予測結果の一例を示す図。 系統安定化装置の演算処理全体を示すフローチャート。 系統安定化装置の画面表示例を示す図。 系統安定化装置の画面表示例を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、実施例1に係る発電量予測装置10の全体構成例を示す図である。なお図1は発電量予測装置10について、その機能構成の観点から表記したものである。
発電量予測装置10は、発電量予測計算入力データベースDB20と、発電量予測計算部30と、発電量予測計算結果データベースDB40と、表示部15により構成されている。
発電量予測計算入力データベースDB20は、複数のデータベースDB21からDB25により構成されている。
このうち気象予測データベースDB21は、図4に例示される気象予測データD21を記憶している。気象実績データベースDB22は、図5に例示される気象実績データD22を記憶している。再生可能エネルギー出力実績データベースDB23は、図6に例示される再生可能エネルギー出力実績データD23を記憶している。再生可能エネルギー特性データベースDB24は、図7に例示される再生可能エネルギー特性データD24を記憶している。再生可能エネルギー設置条件データベースDB25は、図8に例示される再生可能エネルギー設置条件データD25を記憶している。これらは要するに、気象について予測と実績、出力について実績、発電所について特性と設置条件を記憶したものである。これらの記憶内容の詳細事例については後述する。
発電量予測計算部30は、再生可能エネルギーによる発電量の予測計算を行う機能であり、この一連の処理内容が図9のフローチャートに示されている。また発電量予測計算部30における処理の機能は、以下の処理機能部31から35である。
このうち、再生可能エネルギーモデル作成部31は、再生可能エネルギーモデルを作成する機能であり、この一連の処理内容が図11のフローチャートに示されている。類似実績データ抽出部32は、類似実績データを抽出する機能であり、この一連の処理内容が図10のフローチャートに示されている。再生可能エネルギーモデル精度計算部33は、再生可能エネルギーモデルの精度を計算する機能であり、この一連の処理内容が図12のフローチャートに示されている。また再生可能エネルギーモデル選択部34は、再生可能エネルギーモデルを選択する機能であり、再生可能エネルギー出力予測部35は、再生可能エネルギー出力を予測する機能である。
発電量予測計算結果データベースDB40は、複数のデータベースDB41からDB45により構成されている。これらの複数のデータベースDB41からDB45は、要するに処理機能部31から35における処理結果をそれぞれ蓄積記憶したものである。
このうち再生可能エネルギーモデル作成結果データベース41は、再生可能エネルギーモデル作成部31において作成した再生可能エネルギーモデル作成結果データD41を記憶している。類似実績データ抽出結果データベース42は、類似実績データ抽出部32において抽出した類似実績データ抽出結果データD42を記憶している。再生可能エネルギーモデル精度計算結果データベース43は、再生可能エネルギーモデル精度計算部33において計算した再生可能エネルギーモデル精度計算結果データD43を記憶している。再生可能エネルギーモデル選択結果データベース44は、再生可能エネルギーモデル選択部34において選択した再生可能エネルギーモデル選択結果データD44を記憶している。再生可能エネルギー出力予測結果データベース45は、再生可能エネルギー出力予測部35において予測した再生可能エネルギー出力予測結果データD45を記憶している。なお発電量予測計算結果データベースDB40に記憶されるこれらのデータは、計算結果としてのデータばかりではなく、中間処理時点における結果のデータも含めて記憶されており、適宜の場面において流用が可能とされている。
表示部15には、発電量予測装置10において取り扱う各種のデータが、適宜見やすい形式に加工されて表示される。また表示部15の機能には、マウスやキーボードなどの入力手段を含み、適宜入力結果が表示画面に反映されている。
以上述べたように、発電量予測装置10の入力データは、発電量予測計算入力データベースDB20に保管、記憶されており、これらは気象予測データD21、気象実績データD22、再生可能エネルギー出力実績データD23、再生可能エネルギー特性データD24、再生可能エネルギー設置条件データD25などである。
発電量予測装置10の再生可能エネルギーモデル作成部31では、気象実績データD22と、再生可能エネルギー出力実績データD23と、再生可能エネルギー特性データD24と、再生可能エネルギー設置条件データD25を用いて、再生可能エネルギーのモデルを作成し、再生可能エネルギーモデル作成結果データD41を出力する。
また、発電量予測装置10の類似実績データ抽出部32では、気象予測データD21と、気象実績データD22と、再生可能エネルギー出力実績データD23を用いて、気象予測データと類似の気象実績データ、およびその気象時の再生可能エネルギー出力実績データを抽出し、類似実績データ抽出結果データD42を出力する。
また、発電量予測装置10の再生可能エネルギーモデル精度計算部33では、再生可能エネルギーモデル作成結果データD41と、類似実績データ抽出結果データD42と、再生可能エネルギーモデル選択結果データD44を用いて、再生可能エネルギーモデルの精度を計算し、再生可能エネルギーモデル精度計算結果データD43を出力する。
また、発電量予測装置10の再生可能エネルギーモデル選択部34では、再生可能エネルギーモデル精度計算結果データD43を用いて出力予測に使用する再生可能エネルギーモデルを選択し、再生可能エネルギーモデル選択結果データD44を出力する。
また、発電量予測装置10の再生可能エネルギー出力予測部35では、気象予測データD21と、再生可能エネルギーモデル選択結果データD44を用いて再生可能エネルギー出力を予測し、再生可能エネルギー出力予測結果データD45を出力する。また、発電量予測装置10の表示部15では、発電量予測計算結果データD40などを用いて各計算結果の情報を表示する。
図2は、図1の発電量予測装置を電力系統に適用した場合の発電量予測システムの全体構成例を示す図である。なお図2における発電量予測装置10の構成はハード的な構成の観点で記載している。
図2において、発電量予測装置10が適用される電力系統100は、狭義には送電系統100Aを意味しており、広義には発電系統も含む概念である。図示において電力系統100は、発電機110(110A、110B)、母線120(ノード:120A、120B、120C、120D)、変圧器130(130A、130B)、送電線140(ブランチ:140A、140B、140C、140D)などで構成された事例を表記しているが、これ以外にも負荷やその他制御可能な装置(バッテリー、充放電可能な二次電池、EVの蓄電池、フライホイール等)のいずれか又は複数の設備を含んで構成されている。
電力系統を構成する上記の設備や機器は、電力系統安定度確保の観点から監視、制御されており、例えば監視制御装置200からの制御信号により適宜の制御、保護が実行されている。他方、係る監視制御のために電力系統各所に設置された各種の計測装置150から、各所の電流、電圧、その他状態信号などの計測信号D13が直接、あるいは通信ネットワーク300を介して間接的に監視制御装置200に取り込まれている。また本発明の発電量予測装置10にも同様にして、各種の計測装置150から計測信号が取り込まれている。なおここで、発電機110としては、火力発電機や水力発電機や原子力発電機などの大型電源のほかに、太陽光発電や風力発電といった分散型電源を含んでいる。
ここで、計測装置150とは、ノード電圧V、ブランチ電流I、力率Φ、有効電力P、無効電力Q、のいずれか一つまたは複数を計測する装置(計器用変圧器(VT:Voltage Transformer、PT:Potential Transformer)や計器用変流器(CT:Current Transformer))などであり、データ計測箇所識別IDや計測装置の内臓タイムスタンプを含んでデータを送信する機能(テレメータ(TM:Telemeter)などである)を備える。なお、GPSを利用した絶対時刻付きの電力情報(電圧のフェーザ情報)を計測する装置や、位相計測装置(PMU:Phasor Measurement Units)や、他の計測機器であってもよい。また計測装置150は、狭義の電力系統100A内にあるように記述しているが、発電機110と変圧器130と計測装置150と負荷に接続する母線や線路などに設置されてもよい。
また計測信号D13は、計測装置150にて計測された前記の各データ(系統データ)であり、通信ネットワーク300を介して系統データベース(図示せず)に受信する。ただし、計測装置150から直接系統データを受信する代わりに、監視制御装置200に一端集約されてから、通信ネットワーク300を介して系統データベースに受信してもよいし、計測装置150と監視制御装置200の両方から通信ネットワーク300を介して系統データベースに受信してもよい。なお、系統データD13は、データを識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含んでもよい。また、系統データD13は、計測されたデータであるように書いたが、あらかじめ系統データベースに保有していても良い。
図2に示した発電量予測装置10のハード構成について説明する。発電量予測装置10は、表示部15、キーボードやマウス等の入力部13、通信部14、コンピュータや計算機サーバ(CPU:Central Processing Unit)11、メモリ12、発電量予測計算入力データベースDB20(気象予測データベースDB21、気象実績データベースDB22、再生可能エネルギー出力実績データベースDB23、再生可能エネルギー特性データベースDB24、再生可能エネルギー設置条件データベースDB25)、発電量予測計算結果データベースDB40(再生可能エネルギーモデル作成結果データベースDB41、類似実績データ抽出結果データベースDB42、再生可能エネルギーモデル精度計算結果データベースDB43、再生可能エネルギーモデル選択結果データベースDB44、再生可能エネルギー出力予測結果データベースDB45)、プログラムデータベースDB50が、バス線60に接続されている。
このうち表示部15は、例えば、ディスプレイ装置として構成される。また表示部15は、例えば、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、プリンタ装置または音声出力装置等を用いる構成でもよい。
入力部13は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置、タッチパネル、音声指示装置等の少なくともいずれか一つを備えて構成できる。
通信部14は、通信ネットワーク300に接続するための回路及び通信プロトコルを備えている。
CPU11は、プログラムデータベースDB50から、所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行する。CPU11は、一つまたは複数の半導体チップとして構成してもよいし、または、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成してもよい。
メモリ12は、例えば、RAM(Random Access Memory)として構成され、プログラムデータベース50から読み出されたコンピュータプログラムを記憶したり、各処理に必要な計算結果データ及び画像データ等を記憶したりする。メモリ12に格納された画面データは、表示部15に送られて表示される。表示される画面の例は後述する。
ここで、図3を参照して、プログラムデータベースDB50の記憶内容を説明する。図3は、発電量予測装置10のプログラムデータの内容を示す構成例を示す図である。プログラムデータベースDB50には、例えば、再生可能エネルギーモデル作成プログラムP51と、類似実績データ抽出プログラムP52と、再生可能エネルギーモデル精度計算プログラムP53と、再生可能エネルギーモデル選択プログラムP54と、再生可能エネルギー出力予測プログラムP55と、表示プログラムP56が格納されている。
図2に戻り、CPU11は、プログラムデータベースDB50からメモリ12に読み出された演算プログラム(再生可能エネルギーモデル作成プログラムP51、類似実績データ抽出プログラムP52、再生可能エネルギーモデル精度計算プログラムP53、再生可能エネルギーモデル選択プログラムP54、再生可能エネルギー出力予測プログラムP55、表示プログラムP56)を順次実行して、再生可能エネルギーモデルの作成、類似実績データの抽出、再生可能エネルギーモデル精度の計算、再生可能エネルギーモデルの選択、再生可能エネルギー出力の予測、表示すべき画像データの指示、各種データベース内のデータの検索等を行う。
メモリ12は表示用の画像データ、再生可能エネルギーモデル選択結果データ、再生可能エネルギー出力予測結果データ等の計算一時データ及び計算結果データを一旦格納するメモリであり、CPU11によって必要な画像データを生成して表示部15(例えば表示ディスプレイ画面)に表示する。なお、発電量予測装置10の表示部15は、各制御プログラムやデータベースの書き換えを行うためだけの簡単な画面だけであってもよい。
発電量予測装置10には、大きく分けて11個のデータベースDBが格納されている。以下では、プログラムデータベースDB50を除く、発電量予測計算入力データベースDB20(気象予測データベースDB21、気象実績データベースDB22、再生可能エネルギー出力実績データベースDB23、再生可能エネルギー特性データベースDB24、再生可能エネルギー設置条件データベースDB25)と、発電量予測計算結果データベースDB40(再生可能エネルギーモデル作成結果データベースDB41、類似実績データ抽出結果データベースDB42、再生可能エネルギーモデル精度計算結果データベースDB43、再生可能エネルギーモデル選択結果データベースDB44、再生可能エネルギー出力予測結果データベースDB45)について説明する。
まず気象予測データベースDB21には、気象予測データD21が図4に示すように、日付(D210)と地点(D211)ごとに、風向(D213)、風速(D214)、日射量(D215)などのデータが、将来時点の時系列(D212)的に記憶されている。時系列データの時間幅は、予測対象とする時間に応じ、日単位でも、月単位でも、年単位でも、任意の時間単位でも良い。データ量が多いほど予測精度が向上するが演算量が多くなるため、予測対象とする時間幅や予測対象の所望の精度に応じて演算時間を変更できるようにされるのがよい。気象予測データD21は、気象庁などから別途入手し、あるいは自己分析により予測される気象の情報が記憶されている。
気象実績データベースDB22には、気象実績データD22が図5に示すように、日付(D220)と地点(D221)ごとに、風向(D223)、風速(D224)、日射量(D225)などのデータが、過去時点における時系列(D222)的に記憶されている。時系列データの時間幅は、予測対象とする時間に応じ、日単位でも、月単位でも、年単位でも、任意の時間単位でも良い。データ量が多いほど予測精度が向上するが演算量が多くなるため、予測対象とする時間幅や予測対象の所望の精度に応じて演算時間を変更できるようにされるのがよい。
再生可能エネルギー出力実績データベースDB23には、再生可能エネルギー出力実績データD23が図6に示すように、日付(D230)と地点(D231)ごとに、風力発電所や太陽光発電所などの出力データが発電サイトごと(D233、D234、D235)に、時時系列(D232)的に記憶されている。なお、図示の例では、風力発電所としてWTA1、WTA2、WTB1、太陽光発電所としてPVA1、PVB1、PVB2を例示している。時系列データの幅は、予測対象とする時間に応じ、日単位でも、月単位でも、年単位でも、任意の時間単位でも良い。データ量が多いほど予測精度が向上するが演算量が多くなるため、予測対象とする時間幅や予測対象の所望の精度に応じて演算時間を変更できるようにされるのがよい。
再生可能エネルギー特性データベースDB24には、再生可能エネルギー特性データとして、図7に示すように風力発電所WTA1、WTA2、WTB1について、その風速に対する出力曲線などが、また太陽光発電所PVA1、PVB1、PVB2について、その日射量に対する出力曲線などが記憶されている。
再生可能エネルギー設置条件データベースDB25には、再生可能エネルギー設置条件データとして、図8に示すように風力発電所WTA1、WTA2、WTB1や太陽光発電所PVA1、PVB1、PVB2などの発電サイト別に、その設置地点、設置向き、設置地点の地形などのデータが記憶されている。
図1の発電量予測計算結果データベースDB40において、再生可能エネルギーモデル作成結果データベース41には、気象実績データD22と再生可能エネルギー出力実績データD23と再生可能エネルギー特性データD24と再生可能エネルギー設置条件データD25を用いて、再生可能エネルギーモデル作成プログラムP51によって作成された再生可能エネルギーモデル作成結果データが保存される。
ここで作成された再生可能エネルギーモデルは、例えば、図13に示すような数式で表現されたモデルである。このモデルは、風力発電所WTA1、WTA2、WTB1、太陽光発電所PVA1、PVB1、PVB2ごとに、図13に一例を示すように数式表現される。数式表現における各変数の意味について、例えば風力発電所WFA1のk−1番目のモデルで説明すると、y(j)は時刻jにおけるモデルの出力、u(j)は時刻jにおけるモデルへの入力、w(j)は時刻jにおけるモデルへの外乱、qは微分オペレータまたはシフトオペレータ、GWFA1 k−1(q)はモデル作成タイミングk−1における風力発電所WFA1の入力u(j)から出力y(j)に対する伝達関数、HWFA1 k−1(q)はモデル作成タイミングk−1における風力発電所WFA1の外乱w(j)から出力y(j)に対する伝達関数である。
より具体的、観念的に述べると、各発電サイトについての過去の気象条件(図5、D22)とそのときの発電出力(図6、D23)の関係から、当該発電サイトの一次的な数理モデルを作成しておき、さらにこの一次数理モデルに対して、当該サイトの設置条件(図8、D25)と、特性の条件(図7、D24)を付加して修正した二次的なモデルである。なおモデルは、気象条件や時期に応じて変動し、常に一律に定義することができないので、複数のモデル作成タイミング(k−1、k−2、k−3など)ごとにモデル設定している。
係る再生可能エネルギーモデルは、各発電サイトの運転実績を重ねるにつれて複数のモデル作成タイミング(k−1、k−2、k−3など)を経験することにより、モデル数が増大し、かつ精緻なモデルが形成されていくことになる。なお再生可能エネルギーモデルの作成方法の詳細は後述する。
類似実績データ抽出結果データベースDB42には、気象予測データD21と気象実績データD22と再生可能エネルギー出力実績データD23を用いて、類似実績データ抽出プログラムP52によって抽出された類似実績データ抽出結果データが保存される。より具体的に述べると、今日、明日などの近い将来に予想される気象条件(気象予測データD21)に対して、過去の気象条件(気象実績データD22)のなかで、似たような気象条件のものがあったか否か、あるとしてそれはどのようなもので、かつその時の再生可能エネルギー出力(再生可能エネルギー出力実績データD23)を探索して抽出し、近いものを類似実績データとして取り出す。この抽出は、発電サイトごとに行われる。類似実績データの抽出方法の詳細は後述する。
再生可能エネルギーモデル精度計算結果データベースDB42には、再生可能エネルギーモデル作成結果データD41と類似実績データ抽出結果データD42と再生可能エネルギーモデル選択結果データD44を用いて再生可能エネルギーモデル精度計算プログラムP53によって計算された再生可能エネルギーモデル精度計算結果が保存される。より詳細に述べると、図13のサイト別複数モデル(D41)に対し、将来気象に基づいて抽出した類似実績データにおけるモデルの精度計算を行ったものである。
なおモデルの精度計算を行うにあたり、風力発電所WTA1では経験したことがない例えば過酷気象条件が予測される場合に、風力発電所WTA2では経験されているのであれば、別の発電サイト(風力発電所WTA2)における経験情報であっても風力発電所WTA1の予測に採用して精度計算を行うようにするのがよい。この採用は、新規発電サイトにおける経験の少なさを、経験豊富な他の発電サイトにおける実績を反映させることで補うよう場面において有効である。
図14は、精度評価結果の例を示しており、風力発電所WTA1、WTA2、WTB1、太陽光発電所PVA1、PVB1、PVB2についてのモデル(実線)出力に対して、将来気象に基づいて抽出した類似気象実績データを適用して求めた出力の差分から精度評価したものである。図14は、風力発電所WTA1については最新、太陽光発電所PVA1についてはタイミングk−1のときに作成したモデルが高精度となるが、その他のタイミングで作成したモデルでは精度が出ないという結果を示している。再生可能エネルギーモデルの精度計算方法の詳細は後述する。
再生可能エネルギーモデル選択結果データベースDB43には、再生可能エネルギーモデル精度計算結果データD43を用いて再生可能エネルギーモデル選択プログラムP54によって選択された再生可能エネルギーモデル選択結果が保存される。モデル精度計算の結果、風力発電所WTA1について例えば図13のk−1が最も高精度であった場合には、k−1に対応するモデルが選択されることになる。再生可能エネルギーモデルの選択方法の詳細は後述する。
再生可能エネルギー出力予測結果データベースDB45には、気象予測データD21と再生可能エネルギーモデル選択結果データD44を用いて、再生可能エネルギー出力予測プログラムP55によって計算された再生可能エネルギー出力予測結果が保存される。これは図13のk−1の風力発電所WTA1のモデルの数式に、気象予測データD21の時系列的な気象条件を当てはめて出力を時系列的に推定したものである。同様の処理は他の発電所に対しても適用される。図15は、このようにして求められた各発電サイトの時系列的な出力予測結果である。再生可能エネルギー出力予測方法の詳細は後述する。
次に発電量予測装置10の演算処理内容の一例について図9を用いて説明する。図9は、発電量予測装置10の処理の全体を示すフローチャートの例である。以下、処理の流れを説明する。
まず、処理ステップS100では、再生可能エネルギーの出力予測時間幅を設定する。
処理ステップS200では、出力予測対象の再生可能エネルギーの設置地点を選択する。
処理ステップS300では、選択地点にある出力予測対象の再生可能エネルギーを選択する。
処理ステップS400では、気象予測データD21と気象実績データD22と再生可能エネルギー出力実績データD23を用いて気象予測データと類似の気象実績データおよびその気象時の再生可能エネルギー出力実績データを抽出し、抽出結果を類似実績データ抽出結果データベース42に格納する。
ここで、図10を用いて図9の処理ステップS400による類似実績データ抽出の流れをさらに詳細に説明する。図10は、図1の類似実績データ抽出部32の処理を説明するフローチャートの例である。処理ステップS401では、処理ステップS200の選択結果と気象実績データD22を用いて、処理ステップS200で選択した地点の気象実績データを選択する。
処理ステップS402では、気象予測データD21と処理ステップS401の選択結果を用いて、気象予測データと処理ステップS401で選択した気象実績データの類似度を計算する。類似度の計算方法は、例えば、Berndt、D. & Clifford、 J.、 “Using dynamic time warping to find patterns in time series”、 AAAI−94 Workshop on Knowledge Discovery in Databases、 に記載の計算方法などに則して行う。
処理ステップS403では、処理ステップS200で選択した地点の全ての気象実績データを選択したかを判定し、処理ステップS200で選択した地点の全ての気象実績データを選択していない場合には、処理ステップS401に戻り、処理ステップS200で選択した地点の全ての気象実績データを選択した場合には、処理ステップS404へ進む。
処理ステップS404では、処理ステップS402の計算結果と再生可能エネルギー出力実績データD23を用いて最も類似度が高い気象実績データを抽出する。
処理ステップS405では、処理ステップS404の抽出結果と再生可能エネルギー実績データD23を用いて、処理ステップS404で抽出した気象時の再生可能エネルギー出力実績データを抽出する。
処理ステップS406では、処理ステップS404の抽出結果と処理ステップS405の抽出結果を用いて、処理ステップS404で抽出した気象実績データと処理ステップS405で抽出した再生可能エネルギー出力実績データの組を類似実績データとして設定する。以上により、大量の気象実績データの中から気象予測データに最も類似するデータを高速に抽出することができる。
図9に戻り、処理ステップS500では、気象実績データD22と再生可能エネルギー出力実績データD23と再生可能エネルギー特性データD24と再生可能エネルギー設置条件データD25を用いて、再生可能エネルギーのモデルを作成し、作成結果を再生可能エネルギーモデル作成結果データベース41に格納する。
ここで、図11を用いて図9の処理ステップS500の再生可能エネルギーモデル作成の流れを説明する。処理ステップS501では、処理ステップ300の選択結果と気象実績データD22と再生可能エネルギー出力実績データD23を用いて、処理ステップS300で選択した再生可能エネルギーの数理モデルを作成する。数理モデルの作成方法は、例えば、足立修一、「システム同定の基礎」、東京電機大学出版局、2009、に記載の作成方法に則して行う。ここで、処理ステップS300で選択した再生可能エネルギーの出力実績データが存在しない場合、モデルはなしとする。
処理ステップS502では、処理ステップS501の作成結果と再生可能エネルギー特性データD24と再生可能エネルギー設置条件データD25を用いて処理ステップS501で作成した再生可能エネルギーの数理モデルに、同じ再生可能エネルギーの再生可能エネルギー特性データD24と再生可能エネルギー設置条件データD25を付加する。
ここで、処理ステップS501でモデルを作成していない場合、対応する再生可能エネルギー特性データD24と再生可能エネルギー設置条件データD25のみを再生可能エネルギーモデル作成結果データベース41に格納する。以上により、実績データが存在しない再生可能エネルギーもモデルが定義できるため、出力予測可能な再生可能エネルギー数を増加できる。
図9に戻り、処理ステップS600では、処理ステップS400の抽出結果と処理ステップS500の作成結果と再生可能エネルギー選択結果データD44を用いて、処理ステップS500で作成した再生可能エネルギーモデルと再生可能エネルギー選択結果データに含まれる再生可能エネルギーモデルの精度を計算し、計算結果を再生可能エネルギーモデル精度計算結果データベース43に格納する。
ここで、図12を用いて再生可能エネルギーモデル精度計算の流れを説明する。処理ステップS601では、処理ステップS500の作成結果と処理ステップS400の抽出結果を用いて、処理ステップS500で作成した再生可能エネルギーモデルに処理ステップS400で抽出した類似実績データのうち気象実績データを入力したときの出力を計算する。
処理ステップS602では、処理ステップS601の計算結果と処理ステップS400の抽出結果を用いて、処理ステップS601で計算した再生可能エネルギーモデルの出力と処理ステップS601で入力した気象実績データと対となる再生可能エネルギー実績データを比較し、精度を計算する。
モデル精度の計算方法は、例えば、Berndt、D. & Clifford、 J.、 “Using dynamic time warping to find patterns in time series”、 AAAI−94 Workshop on Knowledge Discovery in Databases、 に記載の類似度を精度として使用することで行う。
処理ステップS603では、処理ステップS300の選択結果と再生可能エネルギー選択結果データD44を用いて、処理ステップS300で選択した再生可能エネルギーに対応する過去に保存した再生可能エネルギーモデルが存在するか判定し、存在する場合は処理ステップS604に進み、存在しない場合には処理ステップS608に進む。
処理ステップS604では、処理ステップS300または処理ステップS609の選択結果と再生可能エネルギー選択結果データD44と処理ステップS400の抽出結果を用いて、処理ステップS300または処理ステップS609で選択した再生可能エネルギーに対応する過去に保存した再生可能エネルギーモデルに処理ステップS400で抽出した類似実績データのうち気象実績データを入力したときの出力を計算する。
処理ステップS606では、処理ステップS605の計算結果と処理ステップS400の抽出結果を用いて、処理ステップS605で計算した再生可能エネルギーモデルの出力と処理ステップS605で入力した気象実績データと対となる再生可能エネルギー実績データを比較し、精度を計算する。
処理ステップS607では、処理ステップS300の選択結果と再生可能エネルギー選択結果データD44を用いて、処理ステップS300で選択した再生可能エネルギーの全ての再生可能エネルギーモデルを選択したか判定し、選択していない場合には処理ステップS603に戻り、選択した場合には終了となる。
処理ステップS608では、処理ステップS300の選択結果と再生可能エネルギー選択結果データD44を用いて、処理ステップS300で選択した再生可能エネルギーと再生可能エネルギー選択結果データD44に保存される再生可能エネルギーの類似度を計算する。
類似度の計算方法は、例えば、処理ステップS300で選択した再生可能エネルギーの再生可能エネルギー設置条件と再生可能エネルギー選択結果データD44に保存される再生可能エネルギーモデルの再生可能エネルギー設置条件から処理ステップS300で選択した再生可能エネルギーと同じ設置条件の再生可能エネルギーを抽出し、抽出した再生可能エネルギーの再生可能エネルギー特性と処理ステップS300で選択した再生可能エネルギーの再生可能エネルギー特性の類似度を計算する。
類似度の計算方法は、類似度の計算方法は、例えば、Berndt、D. & Clifford、 J.、 “Using dynamic time warping to find patterns in time series”、 AAAI−94 Workshop on Knowledge Discovery in Databases、 に記載の計算方法などに則して行う。
処理ステップS609では、処理ステップS608の計算結果を用いて、最も類似度が高い他の再生可能エネルギーを選択する。以上により、全ての予測対象の再生可能エネルギーに対して動特性を持ったモデルを定義できるため、全ての予測対象の再生可能エネルギーの出力の任意の気象予測データに対して出力を予測できる。
この処理により、発電サイトAが新設などで十分な実績データがない場合であっても、類似の他の発電サイトBで経験済みである場合には、発電サイトAのモデルに採用することで経験不足を補うことができる。
図9に戻り、処理ステップS700では、処理ステップS600の計算結果を用いて、最も精度の高い再生可能エネルギーモデルを選択する。これにより、出力予測に使用するモデル数が減るため、予測に掛かる計算量を低減できる。
処理ステップS800では、処理ステップS700の選択結果と気象予測データD21を用いて、処理ステップS700で選択した再生可能エネルギーモデルに気象予測データを入力することで、再生可能エネルギー出力予測を計算する。これにより、気象予測データの時系列データの幅と間隔に対応した再生可能エネルギーの出力予測が計算できる。例えば、気象予測データの時系列データ幅を長く、間隔を小さくすれば、長時間の再生可能エネルギー出力を細かい間隔で予測できる。
処理ステップS900では、処理ステップS200と処理ステップS300の選択結果を用いて、処理ステップS200で選択した設置地点にある全ての出力予測対象の再生可能エネルギーを選択したか判定し、選択した場合は処理ステップS1000に進み、選択していない場合は処理ステップS300に戻る。
処理ステップS1000では、処理ステップS200の選択結果を用いて、全ての出力予測対象の再生可能エネルギーの設置地点を選択したか判定し、選択していない場合には処理ステップS200に戻り、選択した場合には終了となる。
以上により、再生可能エネルギーの出力を高精度で予測できる。このようにして得られた各種計算結果や計算途中でメモリに蓄積されるデータは、監視制御装置200の画面に逐次表示されてもよい。これにより、運用者が発電量予測装置10の運用状況を容易に把握できる。
ここで、図16を参照して具体的な表示内容の例について説明する。図16は、類似実績データ抽出と再生可能エネルギーモデル作成と再生可能エネルギーモデル精度計算と再生可能エネルギーモデル選択と再生可能エネルギー出力予測の結果として、表示画面上に出力予測対象の再生可能エネルギーの設置地点161、再生可能エネルギーの種類162、出力予測結果163、類似実績データ抽出結果164、再生可能エネルギーモデル選択結果165、再生可能エネルギーモデル精度計算結果166を表示したものである。この表示には系統図167や凡例168も併せて表示されることにより、利用者が理解しやすい表示形式とされている。
図16のように、再生可能エネルギー出力予測結果を発電量予測装置10や通信ネットワーク300を介して監視制御装置200の画面に表示することで、電力系統100において、どの再生可能エネルギーがどのような出力予測となったかが一目でわかる効果がある。
また、出力予測対象の再生可能エネルギーが複数存在する場合、再生可能エネルギーの設置地点161と種類162を選択し、選択した再生可能エネルギーの出力予測結果、類似実績データ抽出結果、再生可能エネルギーモデル選択結果、再生可能エネルギーモデル精度計算結果を確認することができる。
以上説明した実施例1の発電量予測装置では、気象実績データD22と再生可能エネルギー出力実績データD23と再生可能エネルギー特性データD24と再生可能エネルギー設置条件データD25から再生可能エネルギーモデルを作成し、気象予測データD21と気象実績データD22と再生可能エネルギー出力実績データD23と再生可能エネルギー特性データD24と、再生可能エネルギー設置条件データD25から気象予測データと類似する気象実績データおよびその気象時の再生可能エネルギー出力実績データを抽出し、再生可能エネルギーモデル作成結果データD41と類似実績データ抽出結果データD42と再生可能エネルギーモデル選択結果データD44から再生可能エネルギーモデルの精度を計算し、再生可能エネルギーモデル精度計算結果データD43から出力予測に使用する再生可能エネルギーモデルを選択し、再生可能エネルギーモデル選択結果データD44と気象予測データD21から再生可能エネルギー出力を予測し、予測結果と各計算結果の表示を行うものである。
また実施例1では、発電量予測装置10を電力系統に適用して発電量予測システムを構成したものである。
実施例1では、発電量予測装置10について説明した。この装置は、予測して画面などに表示するのみであって、積極的にその後の制御などに貢献するものではない。実施例2では、その後に電力系統の制御に活用して、故障発生時に高精度で系統を安定化する系統安定化装置を構築することについて一例を説明する。
具体的には実施例2では、実施例1の発電量予測装置10を使用し、再生可能エネルギー出力予測結果データD45と系統状態データD26と系統モデルデータD27を用いて、系統状態予測部36によって系統状態を予測し、制御対象決定部37によって制御対象を決定することで、故障発生時に高精度で系統を安定化する系統安定化装置を構成する。
図17は、実施例2に係る系統安定化装置の一例を示している。ここで発電量予測装置10自体は、図1に示したと全く同じものであり、さらに以下のデータベースや処理機能部を追加設置したものである。
図17の系統安定化装置1000は、図1の発電量予測装置10に、データベースDBとして系統状態データベースDB26、系統モデルデータベースDB27、系統状態予測結果データベースDB46、制御対象決定結果データベースDB47を追加設置したものである。また、処理機能部として、系統状態予測部36、制御対象決定部37、制御指令部38を追加設置したものである。
これにより系統安定化装置1000の入力データとしては、気象予測データD21、気象実績データD22、再生可能エネルギー出力実績データD23、再生可能エネルギー特性データD24、再生可能エネルギー設置条件データD25以外に、系統状態データD26、系統モデルデータD27が追加されている。
また系統安定化装置1000の結果データとしては、再生可能エネルギーモデル作成結果データD41、似実績データ抽出結果データD42、再生可能エネルギーモデル精度計算結果データD43、再生可能エネルギーモデル選択結果データD44、再生可能エネルギー出力予測結果データD45以外に、系統状態予測結果データD46、制御対象決定結果データD47が追加されている。
発電量予測装置10の機能は既に説明したため詳細な説明を省略するが、系統安定化装置1000として新たに追加された系統状態予測部36では、再生可能エネルギー出力予測結果データD45、系統状態データD26、系統モデルデータD27を用いて、系統状態を予測し、系統状態予測結果データD46を出力する。系統状態予測結果データD46は、系統状態予測結果データベースDB46に格納保管される。
また、系統安定化装置1000の制御対象決定部37では、系統状態予測結果データD46を用いて、系統状態の悪化が予測された場合に、系統安定化のための制御対象を決定し、制御対象決定結果データD47を出力する。制御対象決定結果データD47は、制御対象決定結果データベースDB47に格納保管される。
また、系統安定化装置1000の制御指令部38では、制御対象決定結果データD47を用いて、制御対象に制御指令を送信する。系統安定化装置1000の表示部15では、発電量予測計算結果データD40、系統状態予測結果D46、制御対象決定結果D47を用いて各計算結果の情報を表示する。
図18は、実施例2における系統安定化装置1000のハード構成と電力系統100のシステム全体構成図の例であり、図2に示した実施例1における発電量予測装置10と電力系統100の全体構成図に、系統状態データベースDB26と系統モデルデータベースDB27と系統状態予測結果データベースDB46と制御対象決定結果データベースDB47と系統安定化プログラムデータベースDB51がバス線60に接続され、追加設置されたものとなっている。図18のうち、既に説明した図2に示された同一の符号を付された構成と、同一機能を有する部分については、説明を省略する。
次に図19を参照して、系統安定化プログラムデータベースDB51の記憶内容を説明する。図19は、系統安定化装置1000の系統安定化プログラムデータD51の内容を示す構成図の例である。系統安定化プログラムデータベースDB51には、例えば、系統状態予測プログラムP57と制御対象決定プログラムP58と制御指令プログラムP59が格納されている。
図18に戻り、CPU11は、プログラムデータベースDB50と系統安定化プログラムデータベースDB51からメモリ12に読み出された演算プログラム(再生可能エネルギーモデル作成プログラムP51、類似実績データ抽出プログラムP52、再生可能エネルギーモデル精度計算プログラムP53、再生可能エネルギーモデル選択プログラムP54、再生可能エネルギー出力予測プログラムP55、系統状態予測プログラムP57、制御対象決定プログラムP58、制御指令プログラムP59、表示プログラムP56)を実行して、再生可能エネルギーモデルの作成、類似実績データの抽出、再生可能エネルギーモデル精度の計算、再生可能エネルギーモデルの選択、再生可能エネルギー出力の予測、系統状態の予測、制御対象の決定、制御指令、表示すべき画像データの指示、各種データベース内のデータの検索等を行う。
系統安定化装置1000には、大きく分けて16個のデータベースが格納される。以下においては、既に説明済みのデータベースの説明を割愛して、新規に追加された系統状態データベースDB26、系統モデルデータベースDB27、系統状態予測結果データベースDB46、制御対象決定結果データベースDB47について説明する。
まず、系統状態データベースDB26には、系統データD13として、有効電力P、無効電力Q、電圧V、電圧位相角δ、電流I、力率Φなどが含まれる。これらは時刻スタンプ付きデータやPMUデータでもよい。より具体的には例えば系統データD13として、電力系統100に接続するノード120Bや120Cにおける電圧および電圧位相角、電力系統100に接続するノード120Bや120Cに接続するブランチ140Bや140Cの線路潮流(P+jQ)、電力系統100に接続するノード120Bや120Cに接続する変圧器130Aや130Bの線路潮流(P+jQ)、変圧器130Aや130Bに接続するノード120Aや120Dの電圧Vおよび電圧位相角δ、ノード120Aや120Dに接続する発電機110Aや110Bの有効電力Pや無効電力Qや力率Φ、計測装置150や監視制御装置200などから通信ネットワークを介して計測する電力系統100に接続するその他のノードやブランチや発電機や負荷や制御装置などの有効電力Pや無効電力Qや力率Φや電圧Vおよび電圧位相角δなどが取り込まれ、系統状態データベースDB26に記憶されている。
なお、電圧位相角δは、PMUやGPSを利用した他の計測機器を利用して計測したものでもよい。なお、計測装置は、VTやPTなどである。VTやPTなどで計測した電流Iと電圧Vと力率Φから線路潮流(P+jQ)を計算することができる。また、系統状態予測プログラムP57の計算結果である、もっともらしい系統の各ノード、ブランチ、発電機、負荷、制御機器の有効電力P、無効電力Q、電圧V、電圧位相角δ、電流I、力率Φ、を推定計算した結果も、系統計測データとして保存しておくのがよい。
系統モデルデータベースDB27には、系統構成、線路インピーダンス(R+jX)、対地静電容量(アドミタンス:Y)、系統構成と状態推定に必要なデータ(バッドデータの閾値など)、発電機データ、その他の潮流計算・状態推定・時系列変化計算に必要なデータが含まれ、記憶されている。なお、手動で入力する際には、入力部13によって手動で入力し記憶する。また入力の際はCPU11によって必要な画像データを生成して表示部15に表示する。入力の際は、補完機能を利用して、大量のデータを設定できるように半手動にしてもよい。
系統状態予測結果データベースDB46には、再生可能エネルギー出力予測結果データD45と系統状態データD26と系統モデルデータD27を用いて、系統状態予測プログラムP57によって計算された結果が含まれる。例えば、図20に示すような、発電機の内部相差角の時系列変化などである。系統状態の予測方法の詳細は後述する。
制御対象決定結果データベースDB47には、系統状態予測結果データD46を用いて制御対象決定プログラムP58によって演算された結果が含まれる。制御対象の決定方法は後述する。
次に系統安定化装置1000の計算処理内容について図21を用いて説明する。図21は、系統安定化装置1000の処理の全体を示すフローチャートの例である。図21のフローでは、図9のフローチャートの処理結果を利用しており、新たに追加された処理は処理ステップS1100、S1200、S1300である。このため、新たに追加された処理ステップS1100、S1200、S1300を中心に説明する。
新たに追加された処理ステップS1100では、再生可能エネルギー出力予測結果データD45と系統状態データD26と系統モデルデータD27を用いて、系統状態の時系列変化を計算することで系統状態を予測し、系統状態予測結果データベース46に格納する。系統状態の時系列変化の計算方法は、例えば、横山明彦、太田宏次、「電力系統安定化システム工学」、電気学会、2014、pp.54−57、などに即して行う。これにより、系統状態の時系列変化を予測できるため、所望の時間に対する系統安定性を評価できる。また、過渡安定度、電圧安定性、周波数安定性などの様々な系統安定性に対して安定化制御対象を計算できる。
処理ステップS1200では、系統状態予測結果データD46を用いて、系統安定化のための制御対象を決定し、制御対象決定結果データベース47に格納する。制御対象の決定方法は、例えば、横山明彦、太田宏次、「電力系統安定化システム工学」、電気学会、2014、pp.189−191に記載のオンラインTSCシステム搭載の方法などに即して行う。
処理ステップS1300では、制御対象決定結果データD47を用いて、制御対象に制御指令を送信する。
ここで、図22を参照して具体的な表示内容の例について説明する。図22は、発電量予測装置10における表示画面(図16)と基本的には同じ表示画面であるが、安定化装置1000における表示内容しても有効であることから例示したものである。
図22によれば、類似実績データ抽出と再生可能エネルギーモデル作成と再生可能エネルギーモデル精度計算と再生可能エネルギーモデル選択と再生可能エネルギー出力予測の結果として、表示画面上に出力予測対象の再生可能エネルギーの設置地点161、再生可能エネルギーの種類162、出力予測結果163、類似実績データ抽出結果164、再生可能エネルギーモデル選択結果165、再生可能エネルギーモデル精度計算結果166を表示したものである。この表示には系統図167や凡例168も併せて表示されることにより、利用者が理解しやすい表示形式とされている。
図22のように、再生可能エネルギー出力予測結果を発電量予測装置10や通信ネットワーク300を介して監視制御装置200の画面に表示することで、電力系統100において、どの再生可能エネルギーがどのような出力予測となったかが一目でわかる効果がある。
また、出力予測対象の再生可能エネルギーが複数存在する場合、再生可能エネルギーの設置地点161と種類162を選択し、選択した再生可能エネルギーの出力予測結果、類似実績データ抽出結果、再生可能エネルギーモデル選択結果、再生可能エネルギーモデル精度計算結果を確認することができる。
また、図23を参照して具体的な表示内容の例について説明する。図23は、系統状態予測と制御対象決定の結果として、想定故障の種類171、系統状態の種類172、系統状態の予測結果173、制御後の系統状態の予測結果174、制御対象を表示する画面175の一例を示す図である。
図23のように、制御前後の系統状態の予測結果と制御対象を系統安定化装置1000や通信ネットワーク300を介して監視制御装置200の画面に表示することで、電力系統100において、どの系統状態がどのような予測結果となったか、どの制御によって系統状態の予測結果がどのように変化したかが一目でわかる効果がある。
また、想定故障や予測対象となる系統状態が複数存在する場合、想定故障と系統状態の種類を選択し、選択した想定故障に対する制御対象決定結果と制御前後における系統状態の予測結果を確認することができる。
以上説明した実施例2の系統安定化装置では、気象実績データD22と再生可能エネルギー出力実績データD23と再生可能エネルギー特性データD24と再生可能エネルギー設置条件データD25から再生可能エネルギーモデルを作成し、気象予測データD21と気象実績データD22と再生可能エネルギー出力実績データD23と再生可能エネルギー特性データD24と再生可能エネルギー設置条件データD25から気象予測データと類似する気象実績データおよびその気象時の再生可能エネルギー出力実績データを抽出し、再生可能エネルギーモデル作成結果データD41と類似実績データ抽出結果データD42と再生可能エネルギーモデル選択結果データD44から再生可能エネルギーモデルの精度を計算し、再生可能エネルギーモデル精度計算結果データD43から出力予測に使用する再生可能エネルギーモデルを選択し、再生可能エネルギーモデル選択結果データD44と気象予測データD21から再生可能エネルギー出力を予測し、系統状態予測結果データD46から系統安定化のための制御対象を決定し、制御対象決定結果データD47から制御対象に制御指令し、予測結果と各計算結果の表示を行うものである。
実施例2によれば、以上により高確率で系統を安定化できる。
10:発電量予測装置
11:CPU
12:メモリ
13:入力部
14:通信部
15:表示部
30:発電量予測計算部
31:再生可能エネルギーモデル作成部
32:類似実績データ抽出部
33:再生可能エネルギーモデル精度計算部
34:再生可能エネルギーモデル選択部
35:再生可能エネルギー出力予測部
36:系統状態予測部
37:制御対象決定部
38:制御指令部
60:バス線
100:電力系統
110A、110B:発電機
120A、120B、120C、120D:ノード(母線)
130A、130B:変圧器
140A、140B、140C、140D:ブランチ(線路)
150:計測装置
200:監視制御装置
300:通信ネットワーク
1000:系統安定化装置
D20:発電量予測計算入力データ
DB20:発電量予測計算入力データベース
D21:気象予測データ
DB21:気象予測データベース
D22:気象実績データ
DB22:気象実績データベース
D23:再生可能エネルギー出力実績データ
DB23:再生可能エネルギー出力実績データベース
D24:再生可能エネルギー特性データ
DB24:再生可能エネルギー特性データベース
D25:再生可能エネルギー設置条件データ
DB25:再生可能エネルギー設置条件データベース
D40:発電量予測計算結果データ
DB40:発電量予測計算結果データベース
D41:再生可能エネルギーモデル作成結果データ
DB41:再生可能エネルギーモデル作成結果データベース
D42:類似実績データ抽出結果データ
DB42:類似実績データ抽出結果データベース
D43:再生可能エネルギーモデル精度計算結果データ
DB43:再生可能エネルギーモデル精度計算結果データベース
D44:再生可能エネルギーモデル選択結果データ
DB44:再生可能エネルギーモデル選択結果データベース
D45:再生可能エネルギー出力予測結果データ
DB45再生可能エネルギー出力予測結果データベース
D50:プログラムデータ
DB50:プログラムデータベース
D26:系統状態データ
DB26:系統状態データベース
D27:系統モデルデータ
DB27:系統モデルデータベース
D46:系統状態予測結果データ
DB46:系統状態予測結果データベース
D47:制御対象決定結果データ
DB47:制御対象決定結果データベース
D51:系統安定化プログラムデータ
DB51:系統安定化プログラムデータベース

Claims (14)

  1. 再生可能エネルギーにより発電を行う発電所における発電量を予測するための発電量予測装置であって、
    前記発電所における気象実績と出力実績とから、当該発電所の発電量の数理モデルをモデル作成タイミングごとに作成するモデル作成部と、
    気象予測データと類似の気象実績および対応する出力実績を類似実績データとして得る類似実績データ抽出部と、
    前記モデル作成部の複数の数理モデルに対して、気象予測データに類似する気象条件における数理モデルの精度を計算するモデル精度計算部と、
    前記数理モデルの精度を用いて予測に使用する数理モデルを選択するモデル選択部と、
    選択した前記数理モデルを用いて前記発電所の発電量を予測するモデル出力予測部を備えることを特徴とする発電量予測装置。
  2. 請求項1に記載の発電量予測装置であって、
    前記モデル作成部は、前記気象実績と前記出力実績から作成した発電所の一次数理モデルに、当該発電所の特性と設備条件を付加して数理モデルとして得ることを特徴とする発電量予測装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の発電量予測装置であって、
    前記類似実績データ抽出部は、前記気象予測データと類似する前記気象実績を抽出し、当該気象実績の時の前記出力実績を抽出し、前記気象実績と前記出力実績を組み合わせて得ることを特徴とする発電量予測装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発電量予測装置であって、
    前記類似実績データ抽出部は、第1の発電所について前記気象予測データと類似する前記気象実績を有していない時に、前記モデル選択部は類似する気象実績を有する第2の発電所における前記数理モデルを選択することを特徴とする発電量予測装置。
  5. 再生可能エネルギーにより発電を行う発電所における発電量を予測するための発電量予測方法であって、
    前記発電所における気象実績と出力実績とから、当該発電所の発電量の数理モデルをモデル作成タイミングごとに作成し、前記複数の数理モデルの中から、気象予測データに類似する前記気象実績における数理モデルの精度を計算し、予測に使用する数理モデルを選択して、前記発電所の発電量を予測することを特徴とする発電量予測方法。
  6. 請求項5に記載の発電量予測方法であって、
    前記気象実績と前記出力実績から作成した前記発電所の発電量の一次数理モデルに、当該発電所の特性と設備条件を付加して数理モデルとして得ることを特徴とする発電量予測方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の発電量予測方法であって、
    第1の発電所について前記気象予測データと類似する前記気象実績を有していない時に、類似する気象実績と出力実績を有する第2の発電所における前記数理モデルを前記第1の発電所の発電量の前記数理モデルとして選択することを特徴とする発電量予測方法。
  8. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発電量予測装置を用いて、前記再生可能エネルギーにより発電を行う発電所を含む電力系統の安定化を図る系統安定化装置であって、
    前記再生可能エネルギーにより発電を行う発電所を含む電力系統の系統状態を時系列的に予測する系統状態予測部と、
    系統状態の悪化が予測された場合に、系統安定化のための制御対象を決定する制御対象決定部と、
    決定された制御対象に制御指令を送信して制御を行わせる制御指令部を備えることを特徴とする系統安定化装置。
  9. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の発電量予測方法を用いて、前記再生可能エネルギーにより発電を行う発電所を含む電力系統の安定化を図る系統安定化方法であって、
    前記再生可能エネルギーにより発電を行う発電所を含む電力系統の系統状態を時系列的に予測し、系統状態の悪化が予測された場合に、系統安定化のための制御対象を決定し、決定された制御対象に制御指令を送信して制御を行わせることを特徴とする系統安定化方法。
  10. 気象実績データと、再生可能エネルギーの出力実績データと、再生可能エネルギーの特性データと、再生可能エネルギーの設置条件データを用いて再生可能エネルギーの数理モデルを作成する数理モデル作成部と、
    気象予測データと、前記気象実績データと、前記出力実績データを用いて、前記気象予測データと類似の前記気象実績データである類似実績データ、および前記類似実績データに対応する前記出力実績データを抽出する類似実績データ抽出部と、
    前記数理モデルと、前記類似実績データと、数理モデル選択結果データを用いて、前記数理モデルの精度を計算する数理モデル精度計算部と、
    前記数理モデルの精度を用いて予測に使用する数理モデルを選択する数理モデル選択部と、
    前記選択した数理モデルを用いて再生可能エネルギー出力を予測する数理モデル出力予測部と、
    を備えることを特徴とする発電量予測装置。
  11. 請求項10に記載の発電量予測装置であって、
    前記数理モデル作成部は、前記気象実績データと前記出力実績データから作成した前記数理モデルに、同じ再生可能エネルギーの前記特性データと前記設置条件データを付加することを特徴とする発電量予測装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の発電量予測装置であって、
    前記数理モデル精度計算部は、前記数理モデル作成部で作成した前記数理モデルに前記類似実績データに含まれる前記気象実績データを入力したときの前記出力実績データと前記類似実績データに含まれる前記出力実績データから前記数理モデルの精度を計算し、前記数理モデル選択結果データに含まれる前記数理モデルのいずれかひとつもしくは複数に前記類似実績データに含まれる前記気象実績データを入力したときの前記出力実績データと前記類似実績データに含まれる前記出力実績データから前記再生可能エネルギー出力の前記数理モデルの選択結果データに含まれる前記数理モデルの精度を計算することを特徴とする発電量予測装置。
  13. 請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の発電量予測装置であって、
    前記数理モデル選択部は、前記数理モデル作成部で作成した前記再生可能エネルギー出力の前記数理モデルと前記数理モデル選択結果データに含まれる前記数理モデルのいずれかひとつもしくは複数の精度を比較することで、最も精度の高い前記再生可能エネルギー出力の前記数理モデルを選択することを特徴とする、発電量予測装置。
  14. 請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の発電量予測装置であって、
    前記数理モデル出力予測部は、前記気象予測データを前記数理モデル選択部で選択した数理モデルに入力することで、再生可能エネルギー出力を予測することを特徴とする発電量予測装置。
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