JP2003143756A - 電力系統の縮約方法及び処理プログラム記録媒体 - Google Patents

電力系統の縮約方法及び処理プログラム記録媒体

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JP2003143756A
JP2003143756A JP2001332501A JP2001332501A JP2003143756A JP 2003143756 A JP2003143756 A JP 2003143756A JP 2001332501 A JP2001332501 A JP 2001332501A JP 2001332501 A JP2001332501 A JP 2001332501A JP 2003143756 A JP2003143756 A JP 2003143756A
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Yasuhiro Taguchi
保博 田口
Takeshi Kaneko
武 金子
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Toshiba Corp
Toshiba System Technology Corp
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Toshiba Corp
Toshiba System Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縮約前後の一致条件をなるべく多くして高精
度の縮約モデルを作成し、需給断面の変化に対する適応
性の高い縮約モデルを作成する電力系統の縮約方法を提
供する。 【解決手段】 電力系統解析に用いる電力系統モデルを
等価的に縮約する電力系統の縮約方法において、発電機
と負荷が接続する母線と負荷のみが接続する母線とをつ
なぐ送電線と、前記負荷のみが接続する母線と縮約起点
とをつなぐ送電線とから構成される縮約系統モデルの送
電線の線路定数を算出する際に、所定のパラメータが縮
約前後で一致することを条件として誘導した算出式を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の各所で
計測した各種オンライン情報と系統設備などの情報をデ
ータベースとして持ち、これを用いて電力系統モデルを
作成し、電力系統の安定化制御装置や監視制御装置にお
いて実行される電力系統解析、あるいは系統計画などの
際に行われるオフラインでの電力系統解析など、電力系
統解析一般で用いられる電力系統モデルを等価縮約する
電力系統の縮約方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、縮約とは、多くの発電機から構
成される大規模多機系統を、1機系統に低次元化した縮
約系統モデルを作成することである。従来の電力系統の
縮約手法は、「電力系統の安定度」(電気共同研究第3
4巻第5号、電気共同研究会」などに説明されている短
絡容量法、二負荷法などがあげられる。また、特開平1
0−56735号公報「電力系統のモデル作成装置」に
あるように、オンラインデータを用いて、現時点の実系
統のオンライン電力系統モデルを作成し、オンラインシ
ミュレーションを実行する電力系統のモデル作成装置も
ある。
【0003】以下に、これらの方法について簡単に説明
する。まず、短絡容量法は、古くから過渡安定度解析の
縮約方法として広く用いられてきた方法である。この方
法では、詳細系統モデルの各発電機の等価インピーダン
スをXd'で表わし、縮約点からみた短絡容量を算定し、
この逆数としての短絡インピーダンスXs'を得る。
【0004】一方、縮約系統モデルの発電機定数XG'
を、系統内の各発電機の過渡リアクタンスXd'の並列加
算平均として計算し、XG'とXs'の差を線路インピーダン
スXLとし、縮約系統内の負荷の総和PLを発電機端子(ま
たは、線路の中間点)につけ、縮約系統を作成する方法
である。
【0005】なお、縮約発電機の内部電圧EG'と慣性定
数MGは、縮約対象系統内発電機の容量加重平均として与
えられる。前記文献「電力系統の安定度」では、上記の
短縮容量法を詳細直接法に適用するために、次のような
点で改良を行っている。
【0006】第1に、等価発電機定数の算定において
は、等価リアクタンス(Xd,Xd',Xd'',Xq,Xq'')
は、縮約系統内の発電機の並列加算平均から、また、等
価時定数(Td',Td'',Tq'',Ta)は、縮約系統内の発
電機の加重対数平均から求めている。
【0007】第2に、短絡容量と線路リアクタンスの算
定については、縮約系統内の発電機を次過渡リアクタン
スで表わし、縮約点から縮約系統モデルをみた短絡容量
1/Xs''を算定する。得られたXs''と等価リアクタンスX
d''(並列加算平均)の差をXLとしている。
【0008】第3に、中間負荷PLの付加地点の算定につ
いては、縮約点で三相短絡させ、この前後の縮約系統内
の負荷の総和の変動差が、縮約後の系統の三相短絡に対
しても等しくなるよう、付加地点を算定している。
【0009】第4に、潮流条件については、縮約系統か
ら縮約点で流出する有効,無効電力が一致するようにし
ている。このため、まず発電機については、縮約発電機
の全出力ΣPg+jΣQgを指定し、縮約点では、縮約前の
電圧指定を行う。さらに、中間ノードの負荷の有効分
は、ΣPgと縮約前の縮約系統から流出する有効分電力P0
との差を指定し、電圧は縮約前の各負荷地点の加重平均
値で指定している。
【0010】次に、二負荷法は、過渡安定度Xd'法に対
する縮約方法として、東地域電力会社4社によって開発
提唱されたものである。本法では以下に示す項目が、縮
約前後で一致するように、負荷を、縮約点あるいは発電
機端子と中間点の2ケ所に設定するようにしていること
から、二負荷法と呼ばれている。 短絡インピーダンスXs'(過渡リアクタンスでの短絡
容量) 有効,無効電力損(ΔP+jΔQ) 縮約発電機の初期位相角 発電機,負荷のそれぞれの合計値
【0011】これらの条件を満たす縮約系統の構成と潮
流指定条件は、前記文献「電力系統の安定度」の第3-
2-1表に示されている。同文献「電力系統の安定度」
では、詳細直接法に本法を適用するに際して、縮約系統
の構成と潮流指定条件の算定式はそのまま用いている
が、縮約発電機定数は短絡容量法と同様、並列加算値を
用いている。
【0012】次に、縮約発電機の制御系決定方法につい
て述べる。制御系についても発電機同様極めて詳細なモ
デルが採用される傾向にあるが、解析の対象如何では、
かならずしも詳細モデルによらずに簡略モデルが使用で
きる場合がある。
【0013】このような場合については、簡略化の前後
における固有値の一致あるいは制御系動作が線形範囲に
あることを前提として周波数特性に着目した等価置換な
どにより、簡略化を図ることができる。
【0014】これとは別に、系統の縮約に対応して、等
価発電機の制御系をいかに表現するかが問題となるが、
この方法として次の二つがある。
【0015】第1に、締約する系統内の最大発電ユニッ
トの制御系で代表させる場合、第2に、縮約対象の各発
電機制御系ブロックの構成が同一の場合である。縮約制
御系ブロックの各時定数とゲインは対数加重平均で表わ
す。
【0016】なお、本法はEPRI(米国電力研究所)で提
案されたものである。また、制御系は非線形特性があ
り、これらの取扱いについても充分な配慮が必要にな
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の縮約手
法において、例えば、二負荷法では、有効電力損失や無
効電力損失などのパラメータが縮約前後で一致するよう
に、縮約モデルの各定数を算出する。
【0018】この場合、詳細系統と縮約モデルとの特性
を、1台の発電機と、2つの負荷および2本の線路だけ
で一致させるので、調整可能なパラメータが少なく、縮
約対象系統によっては、算出される縮約モデルの負荷量
などの定数が、詳細系統の値と比べて、数倍から数十倍
といったような値やマイナス値の線路定数が算出される
ことも考えられる。
【0019】このように作成した縮約モデルを、オンラ
インデータを用いて縮約モデルの定数を見直し潮流計算
や過渡安定度計算などのシミュレーションを実行し電力
系統の安定・不安定を判定し不安定と判定した際に安定
化制御量を算出するような、電力系統の監視制御装置に
用いる場合には、オンラインデータによる更新に伴って
潮流計算未収束が発生したり、需給断面が大きく変化す
ると著しく精度が悪くなったりして、需給断面の変化に
対する適応性が問題となる。
【0020】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、縮約前後の一致条件をなるべく多くして高
精度の縮約モデルを作成し、需給断面の変化に対する適
応性の高い縮約モデルを作成する電力系統の縮約方法を
提供するとともに、問題となるような縮約モデルが作成
された場合には、縮約モデルを見直すことや、縮約モデ
ルを作成し直すことにより、安定した縮約結果が得られ
る電力系統の縮約方法を提供することを目的としてい
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1の電力系統の縮約方法は、電力
系統解析に用いる電力系統モデルを等価的に縮約する電
力系統の縮約方法において、(a)発電機と負荷が接続
する母線と(b)負荷のみが接続する母線とをつなぐ送
電線と、(b)前記負荷のみが接続する母線と(c)縮
約起点とをつなぐ送電線とから構成される縮約系統モデ
ルの送電線の線路定数を算出する際に、縮約対象系統内
の有効電力損失の総和、有効電力負荷の総和、発電機の
総発電量、初期位相角、詳細系統の縮約起点から縮約対
象系統側をみたときの短絡インピーダンスが、縮約前の
詳細系統モデルと縮約後の縮約系統モデルとの間で一致
することを条件として、縮約系統モデルの発電機と負荷
が接続する母線と負荷のみが接続する母線とをつなぐ送
電線の線路定数をR2’+jX2’、負荷のみが接続する母線
と縮約起点とをつなぐ送電線の線路定数をR1’+jX1’と
したとき、前記縮約系統モデルの送電線の線路定数の抵
抗分R1’,R2’を(103)式と(104)式から、リ
アクタンス分X1’,X2’を(101)式と(102)式
から算出することを特徴とする。
【0022】
【数5】
【0023】ただし、PG:縮約対象系統内の発電機の有
効電力出力を総和したもの、XG:縮約対象系統内の発電
機の内部インピーダンスを並列加重平均したもの、
θG:縮約対象系統内の発電機の初期位相角を容量加重
平均したもの、XS:縮約起点から縮約対象系統側をみた
短絡インピーダンス、Pk:縮約起点と縮約対象系統を接
続する連系線潮流の有効電力量、Ploss:縮約対象系統
内の有効電力損失を総和したもの、PLG:縮約対象系統
内の発電機ノードの有効電力負荷を総和したもの、
P LL:縮約対象系統内の負荷ノードの有効電力負荷を総
和したものとする。
【0024】請求項1記載の電力系統の縮約方法によれ
ば、過渡安定度に影響が大きい縮約対象系統内の有効電
力損失、総負荷量、発電機の総発電量、初期位相角、縮
約起点から縮約対象系統側をみたときの短絡インピーダ
ンス、有効電力損失など、精度に影響が大きい条件をな
るべく多く縮約前後で一致させることにより高精度な縮
約系統モデルを作成できると共に、過渡安定度に影響が
小さい無効電力損失など、精度に影響が小さい条件を縮
約前後の一致条件から削減して、縮約前後の一致条件を
少なくすることにより、安定した縮約結果が得られると
同時に、需給断面の変化に対しても適応性の高い縮約系
統モデルを作成できるように工夫している。
【0025】本発明の請求項2に関わる電力系統の縮約
方法は、請求項1記載の電力系統の縮約方法において、
前記縮約系統モデルの線路定数の抵抗分を算出する際
に、前記縮約対象系統内の有効電力損失の総和、有効電
力負荷の総和、発電機の総発電量、初期位相角、詳細系
統の縮約起点から縮約対象系統側をみたときの短絡イン
ピーダンスの他に、主系統と縮約対象系統を接続する連
系線の無効電力負荷量と発電機の無効電力量が、縮約前
の詳細系統と縮約後の縮約系統モデルにおいて一致する
ことを条件として、縮約系統モデルの送電線の線路定数
の抵抗分R1,R2を(105)式と(106)式から算出
することを特徴とする。
【0026】
【数6】
【0027】ただし、QG:縮約対象系統内の発電機の無
効電力出力を総和したもの、:VG発電機の端子電圧を各
発電機ノードの有効電力量で加重平均したもの、Qk:縮
約起点と縮約対象系統を接続する連系線潮流の無効電力
量、QLG:縮約対象系統内の発電機ノードの無効電力負
荷を総和したもの、Vk:縮約起点のノード電圧をとす
る。
【0028】請求項2記載の電力系統の縮約方法によれ
ば、縮約対象系統内の有効電力損失、総有効電力負荷
量、発電機の総発電量、初期位相角、縮約起点から縮約
対象系統側をみたときの短絡インピーダンスが、詳細系
統モデルと縮約系統モデルとの間で一致するのに加え
て、無効電力量も一致した縮約系統を作成できるので、
さらに精度の高い縮約系統モデルが作成できる。
【0029】本発明の請求項3記載の電力系統の縮約方
法は、請求項1あるいは請求項2に記載の電力系統の縮
約方法において、前記縮約系統モデルの定数を算出する
際に、作成された縮約系統モデルの定数を評価して、異
常と判定した場合には系統縮約方法を切り換えて、縮約
系統モデルを作成し直すことを特徴とする。
【0030】請求項3記載の電力系統の縮約方法によれ
ば、短絡容量法あるいはニ負荷法のいずれか一方をベー
スにした場合、系統縮約方法特有の問題で異常値が発生
した際に、他の系統縮約方法に切り換えることにより安
定した縮約結果が得られる。
【0031】本発明の請求項4記載の電力系統の縮約方
法は、請求項1あるいは請求項2に記載の電力系統の縮
約方法において、前記縮約系統モデルの定数を算出する
際に、縮約対象系統で発電機が停止した部分系統を含ま
ないように、縮約系統モデルの定数を算出することを特
徴とする。
【0032】請求項4記載の電力系統の縮約方法によれ
ば、発電機が停止した部分系統を含まずに、縮約起点か
ら縮約対象系統内の各発電機端までのインピーダンスに
相当する縮約モデルの線路インピーダンスを算出できる
ので、縮約系統モデルの精度を向上することができる。
【0033】本発明の請求項5記載の電力系統の縮約手
法のプログラム記録媒体は、請求項1記載の電力系統の
縮約方法における、潮流計算、縮約発電機の定数計算、
縮約系統モデルの定数計算に必要な諸量の計算、縮約系
統モデルの線路インピーダンス計算、および縮約系統モ
デルの線路インピーダンス以外の定数の計算を実行させ
るプログラムを記録したことを特徴とする。
【0034】請求項6記載の電力系統の縮約方法のプロ
グラム記録媒体は、請求項2記載の電力系統の縮約方法
における、潮流計算、縮約発電機の定数計算、縮約系統
モデルの定数計算に必要な諸量の計算、および縮約系統
モデルの線路インピーダンス以外の定数の計算結果を用
いて、縮約系統モデルの線路インピーダンス計算を実行
させるプログラムを記録したことを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に説明するように、本発明の
第1の実施の形態および第2の実施の形態においては、
過渡安定度に影響が大きい有効電力損失など、精度に影
響が大きい条件をなるべく多く縮約前後で一致させるこ
とにより高精度な縮約系統モデルを作成できると共に、
過渡安定度に影響が小さい無効電力損失など、精度に影
響が小さい条件を縮約前後の一致条件から削減して、縮
約前後の一致条件を少なくすることにより、安定した縮
約結果が得られると同時に、需給断面の変化に対しても
適応性の高い縮約系統モデルを作成できるように工夫し
ている。
【0036】(第一の実施の形態)本発明の請求項1記
載の電力系統の縮約手法における各手段の作用を、図1
乃至図6を参照しながら説明する。
【0037】図1は、詳細系統モデル1から縮約系統モ
デル3を作成する電力系統の縮約方法の概念図、図2
は、電力系統の縮約方法の機能ブロック図、図3は、請
求項1記載の電力系統の縮約方法の処理フロー図、図
4、は縮約実施前の詳細系統モデルの一例、図5は、請
求項1記載の電力系統の縮約方法により作成される縮約
モデルの構成図、図6は、縮約実施後の縮約系統モデル
の一例である。
【0038】この電力系統の縮約方法は、図1に示すよ
うに、電力系統の縮約系統方法2を用いて、縮約対象と
なる詳細系統モデル1から縮約した小規模の縮約系統モ
デル3を作成するものであり、図2に示すように、詳細
系統モデル1の潮流計算を実行する詳細系統モデルシミ
ュレーション手段21、縮約系統モデル3を作成する系
統縮約手段22から構成される。
【0039】このように構成された電力系統の縮約方法
の作用について、図3を参照しながら説明する。詳細系
統モデルシミュレーション手段21は、詳細系統モデル
データを用いて潮流計算や過渡安定度計算を実行する
(S21)。
【0040】この詳細系統モデルシミュレーション手段
21の潮流計算結果と詳細系統モデルデータを用いて、
系統縮約手段22は、縮約対象系統の発電機を等価一機
の発電機に縮約する(S22)。
【0041】等価縮約発電機の定数の算出手順は、短絡
容量法や二負荷法と同じ既存の手法で算出するが、以下
に算出手順を簡単に説明する。
【0042】等価縮約発電機の有効電力出力PGは、縮約
対象系統内の各発電機の有効電力出力PGiの総和とし、
下記(1)式から算出する。なお、nは縮約対象系統内
の発電機の総数を示す。
【0043】
【数7】
【0044】等価縮約発電機の定格容量GMVAは、縮約対
象系統内の各発電機の定格容量GMVAiの総和とし、下記
(2)式から算出する。
【0045】
【数8】
【0046】等価縮約発電機の定格出力GMWは、縮約対
象系統内の各発電機の定格出力GMWiの総和とし、下記の
(3)式から算出する。
【0047】
【数9】
【0048】等価縮約発電機の慣性定数MGおよび制動係
数DGは、縮約対象系統内の各発電機の加重平均とし、下
記(4),(5)式から算出する。
【0049】
【数10】
【0050】等価縮約発電機の抵抗、リアクタンスは、
縮約対象系統内の各発電機の並列加重平均とし、下記の
(6)〜(13)式から算出する。
【0051】
【数11】
【0052】等価縮約発電機の時定数は、縮約対象系統
内の各発電機の加重log平均とし、下記の(14)〜
(17)式から算出する。
【0053】
【数12】
【0054】なお、等価縮約発電機の制御系決定方法
は、従来の技術でも述べたように、縮約する系統内の最
大発電ユニットの制御系で代表させる既存の方法を用い
る。
【0055】さて、本発明の請求項1記載の電力系統の
縮約方法では、縮約系統モデルの線路インピーダンスな
どの定数の算出を次の通り行う。
【0056】詳細系統モデルの潮流計算結果と詳細系統
モデルデータを用いて、次の定数が詳細系統モデル1と
縮約系統モデル3とで一致するように、図5に示す縮約
モデルの線路インピーダンス(抵抗分R1',R2',リアク
タンス分X1',X2')を算出する。
【0057】一致させる定数は、縮約起点から縮約対象
系統側をみたときの短絡インピーダンスZs,等価縮約発
電機の端子電圧位相角θG,縮約対象系統内の有効電力
損失P loss,総発電量PG,総有効電力負荷量PL(負荷ノ
ード端有効電力負荷Pllと発電機ノード端有効電力負荷P
lgの合計)である。
【0058】まず、詳細系統モデルの潮流計算結果と詳
細系統モデルデータを用いて、前記短絡インピーダンス
Zs,等価縮約発電機の端子電圧位相角θG,縮約対象系
統内の有効電力損失Ploss,総発電量PG,総有効電力負
荷量PLを算出する(S23)。
【0059】縮約起点から縮約対象系統側をみたときの
短絡インピーダンスZsは、詳細系統モデルデータを用い
て、既存の手法により算出する。
【0060】等価縮約発電機の端子電圧位相角θGは、
縮約対象系統内の各発電機について、(18)式で直軸
過渡リアクタンスXd'背後電圧Eを計算し、その結果
を用いて、(19),(20)式により、内部電圧位相
角θdの加重平均値を求める。さらに、等価縮約発電機
の端子電圧位相角θGは、(21),(22)式により
求める。なお、nは、縮約対象系統内の発電機の総数を
示す。
【0061】
【数13】
【0062】縮約対象系統内の有効電力損失Plossは、
詳細系統モデルの潮流計算結果を用いて、縮約対象系統
内の各ブランチ(送電線および変圧器)の損失Plossi
総和として、(23)式で算出する。なお、kは縮約対
象系統内のブランチの総数を示す。
【0063】
【数14】
【0064】縮約対象系統内の総発電量PGは、前述した
(1)式で算出した値を用いる。
【0065】縮約対象系統内の総有効電力負荷量PLは、
縮約対象系統内の各負荷ノードの有効電力負荷PLLiの総
和と、縮約対象系統内の各発電機ノードの有効電力負荷
PLGiの総和を合計したもので、下記(24a),(24
b),(24c)式から算出する。なお、mLは縮約対
象系統内の負荷ノードの総数を示す。mGは縮約対象系
統内の発電機ノードの総数を示す。
【0066】
【数15】
【0067】さらに、縮約モデルの線路インピーダンス
を算出する際の詳細系統モデルと縮約系統モデルの一致
条件には入っていないが、主系統側の縮約起点と縮約対
象系統を接続する連系線潮流の有効電力量Pkを、詳細系
統モデルの潮流計算結果から求める。このように、短絡
インピーダンスZs,等価縮約発電機の端子電圧位相角θ
G,縮約対象系統内の総有効電力損失Ploss,総発電量
PG,負荷ノード端総負荷量PLL,発電機ノード端総負荷
量PLGおよび連系線潮流の有効電力量Pkを算出したとこ
ろで、これらの結果を用いて、縮約モデルの線路インピ
ーダンスR1,R2,X1,X2などの定数を算出する。
【0068】まず、縮約モデルの線路インピーダンス
R1',R2',X1',X2'の算出方法から説明する。
【0069】図5に示す縮約モデルから、下記の(25
a),(26a),(27a),(28a)式が成立
つ。
【0070】縮約対象系統内の有効電力損失、総負荷
量、発電機の総発電量、初期位相角、縮約起点から縮約
対象系統側をみた短縮インピーダンスが、詳細系統モデ
ルと縮約対象系統モデルとの間で一致するように、(2
5a),(26a),(27a),(28a)式を、次
のように置換える。
【0071】
【数16】
【0072】その結果、(25a),(26a),(2
7a),(28a)式は、下記(25b),(26
b),(27b),(28b)式のようになる。この
(25b),(26b),(27b),(28b)式を
用いて線路インピーダンスR1',R2',X1',X2'を算出す
る(S24)。
【0073】
【数17】 ここで、潮流の向きは、主系統から縮約対象系統向きを
正とする。
【0074】なお、(27a)式は、有効電力損失を算
出する下記(29)式において、電圧V=1.0,無効電力Q
を省略したものである。
【0075】
【数18】
【0076】線路インピーダンス以外の縮約モデルの各
定数は、以下の通り算出する(S25)。
【0077】縮約モデルの等価縮約発電機の端子電圧V
G'は、縮約対象系統内の各発電機ノードの有効電力量の
加重平均とし、下記(30)式から算出する。
【0078】
【数19】
【0079】縮約モデルの負荷ノード電圧VL'は、縮約
対象系統内の各負荷ノードの有効電力量の加重平均と
し、下記(31)式から算出する。
【0080】
【数20】
【0081】縮約モデルにおける縮約起点のノード電圧
V1'は、詳細系統モデルの潮流計算結果を用いて、詳細
系統モデルにおける縮約起点のノード電圧Vkとする。
【0082】
【数21】
【0083】縮約モデルの等価縮約発電機の発電量P
Gは、前述の(1)式で算出した値を用いる。
【0084】縮約モデルの発電機ノード端の有効電力負
荷PLGは、前記(24b)式で算出した値を用いる。
【0085】縮約モデルの発電機ノード端の無効電力負
荷QLGは、本実施の形態では用いないので、算出しな
い。
【0086】縮約モデルの負荷ノード端の有効電力負荷
PLLは、前記(24a)式で算出した値を用いる。
【0087】縮約モデルの負荷ノード端の無効電力負荷
QLLは、本実施の形態では用いないので、算出しない。
【0088】以上で1つの縮約対象系統に対する縮約は
終了し、まだ縮約していない縮約対象系統がある場合
(S26)には、S22〜S25の手順を繰り返す。縮
約していない縮約対象系統がなくなった場合には、縮約
系統モデル3を縮約結果として出力する(S27)。
【0089】以上のような実施の形態によれば、縮約対
象系統内の有効電力損失、総負荷量、発電機の総発電
量、初期位相角、縮約起点から縮約対象系統側をみたと
きの短絡インピーダンスが、詳細系統モデルと縮約系統
モデルとの間で一致するので、精度の高い縮約系統モデ
ルを作成できる。
【0090】(第2の実施の形態)本発明の請求項2記
載の電力系統の縮約方法における各手段の作用を図1,
図2,および図4乃至図7を参照しながら説明する。
【0091】図7は請求項2記載の電力系統の縮約手法
の処理フロー図である。なお、図1,図2,図4乃至図
6は第1の実施の形態において説明しているので、ここ
では省略する。
【0092】本発明の請求項2記載の電力系統の縮約手
法は、縮約モデルの線路インピーダンスなどの定数の算
出条件を、前述の第1の実施の形態に示す条件に加え
て、主系統と縮約対象系統を接続する連系線の無効電力
量と発電機の無効電力量が、詳細系統モデル1と縮約系
統モデル3との間で一致するようにしている。
【0093】なお、第1の実施の形態では、縮約起点か
ら縮約対象系統側をみたときの短絡インピーダンスZs
(=Rs+jXs),等価縮約発電機の内部電圧位相角θd,縮
約対象系統内の有効電力損失Ploss,総発電量PG,総有
効電力負荷量PL(負荷ノード端有効電力負荷PLLと発電
機ノード端有効電力負荷PLGの合計)を詳細系統モデル
1と縮約系統モデル3との間で一致させている。
【0094】本発明の請求項2記載の電力系統の縮約方
法は、図2に示すように、第1の実施の形態と同じく、
詳細系統モデル1の潮流計算を実行する詳細系統モデル
シミュレーション手段21、縮約系統モデル3を作成す
る系統縮約手段22から構成されている。
【0095】図7を参照しながら各手段の作用を説明す
る。ただし、詳細系統モデルシミュレーション手段21
の作用は、第1の実施の形態と同じであるので、ここで
は説明を省略する。
【0096】系統縮約手段22では、詳細系統モデルシ
ミュレーション手段21の潮流計算結果と詳細系統モデ
ルデータを用いて、縮約対象系統の発電機を等価一機の
発電機に縮約する。等価縮約発電機の定数の算出手順
(S32)は、第1の実施の形態と同じであるので、説
明を省略する。
【0097】本発明の第2の実施の形態では、縮約モデ
ルの線路インピーダンスなどの定数の算出を次の通り行
う。
【0098】詳細系統モデルの潮流計算結果と詳細系統
モデルデータを用いて、以下に示す定数が詳細系統モデ
ル1と縮約系統モデル3とで一致するように、図5に示
す縮約モデルの線路インピーダンス(抵抗分R1',R2',
リアクタンス分X1',X2')を算出する。
【0099】すなわち、一致させる定数は、縮約起点か
ら縮約対象系統側をみたときの短絡インピーダンスZs,
等価縮約発電機の端子電圧位相角θG,縮約対象系統内
の有効電力損失Ploss,総発電量PG・QG,総有効電力負
荷量PL(負荷ノード端有効電力負荷PLLと発電機ノード
端有効電力負荷PLGの合計),主系統側の縮約起点と縮
約対象系統を接続する連系線潮流の無効電力量Qkであ
る。
【0100】詳細系統モデルの潮流計算結果と詳細系統
モデルデータを用いて、上記短絡インピーダンスZs,等
価縮約発電機の端子電圧位相角θG,縮約対象系統内の
有効電力損失Ploss,総発電量の有効電力分PG・無効電
力分QG,総有効電力負荷量PL,総無効電力負荷量QLを算
出する(S33)。なお、短絡インピーダンスZs,等価
縮約発電機の端子電圧位相角θG,縮約対象系統内の有
効電力損失Ploss,総発電量の有効電力分PG,総有効電
力負荷量PLを算出する手順は、第1の実施の形態と同じ
であるので、説明を省略する。
【0101】総発電量の無効電力分QGは以下の通り算出
する。等価縮約発電機の無効電力出力QGは、縮約対象系
統内の各発電機の無効電力出力QGiの総和とし、下記
(33)式から算出する。なお、nは縮約対象系統内の
発電機の総数を示す。
【0102】
【数22】
【0103】主系統側の縮約起点と縮約対象系統を接続
する連系線潮流の有効電力量Pkと無効電力量Qkを、詳細
系統モデルの潮流計算結果から求める。
【0104】同じく、縮約対象系統内の各発電機ノード
の無効電力負荷QLGiの総和を、下記(34)式から算出
する。なお、mGは縮約対象系統内の発電機ノードの総
数を示す。
【0105】
【数23】
【0106】ここで、短絡インピーダンスZs,等価縮約
発電機の端子電圧位相角θG,縮約対象系統内の総有効
電力損失Ploss,総発電量の有効電力分PG・無効電力分Q
G,負荷ノード端総負荷量PLL,発電機ノード端総負荷量
PLG・QLGおよび連系線潮流の有効電力量Pk・無効電力量
Qkを算出した後、これらを用いて、縮約モデルの線路イ
ンピーダンスR1',R2',X1',X2'などの定数を算出す
る。
【0107】縮約モデルの線路インピーダンスR1',
R2',X1',X2'の算出を以下に説明するが、リアクタン
ス分X1',X2'の算出は、第1の実施の形態と同じである
ので、ここでは説明を省略する。
【0108】図5に示す縮約モデルから、下記(35
a),(36a)式が成立つ。
【0109】そこで、縮約対象系統内の有力電力損失、
総有効電力負荷量、発電機の総有効電力量および総無効
電力量、連系線の無効電力量が、詳細系統モデルと縮約
対称系統モデルとの間で一致するように、(35a)、
(36a)式を次のように置換える。
【0110】
【数24】
【0111】その結果、(35a),(36a)式は、
下記(35b),(36b)式のようになる。この(3
5b),(36b)式を用いて線路インピーダンス
R1',R2'を算出する(S34)。
【0112】
【数25】
【0113】ここで、潮流の向きは、主系統から縮約対
象系統向きを正とする。
【0114】線路インピーダンス以外の縮約モデルの各
定数は、以下の通り算出する(S35)。
【0115】縮約モデルの等価縮約発電機の端子電圧
VG’,縮約モデルにおける縮約起点のノード電圧V1’,
縮約モデルの等価縮約発電機の発電量PG’,縮約モデル
の発電機ノード端の有効電力負荷PLG’,縮約モデルの
負荷ノード端の有効電力負荷PLL’の算出手順は、第1
の実施の形態と同じであるでの、ここでは説明を省略す
る。
【0116】縮約モデルの発電機ノード端の無効電力負
荷QLG'は、前記(34)式で算出した値を用いる。
【0117】縮約モデルの負荷ノード端の無効電力負荷
QLL’は、図5に示す縮約モデル内の無効電力量Q1’・Q
2’が、前記(35b),(36b)で用いた無効電力
量Qk・(−QG+QLG)と同じになるように、縮約モデルの
負荷ノード端の無効電力負荷QLL’を算出する。
【0118】図5に示す縮約モデルから、下記(37
a),(38a),(39a)式が成立ち、前記無効電
力量Q1’・Q2’とQk・(−QG+QLG)の一致という条件を
考慮すると、(37a),(38a),(39a)式
は、下記の(37b),(38b),(39b)式のよ
うになる。前述の縮約対象系統内の総発電量PG・QG,負
荷ノード端総負荷量PLL,発電機ノード端総負荷量PLG
QLG,連系線潮流量Pk・Qk,等価縮約発電機の端子電圧V
G,縮約起点ノード電圧Vk,縮約モデルの線路インピー
ダンスのリアクタンス分X1’・X2’を用いて、下記(3
7b),(38b),(39b)式から負荷ノード端の
無効電力負荷QLL’を算出する。
【0119】
【数26】
【0120】ここで、潮流の向きは、主系統から縮約対
象系統向きを正とする。
【0121】以上で1つの縮約対象系統に対する縮約は
終了し、まだ縮約していない縮約対象系統がある場合
(S36)には、S32〜S36の手順を繰り返す。縮
約していない縮約対象系統がなくなった場合には、縮約
系統モデル3を縮約結果として出力する(S37)。
【0122】以上のような実施の形態によれば、縮約対
象系統内の有効電力損失、総有効電力負荷量、発電機の
総発電量、初期位相角、縮約起点から縮約対象系統側を
みたときの短絡インピーダンスが詳細系統と縮約系統と
で一致するのに加え、連系線の無効電力量および等価縮
約発電機の無効電力量も一致した縮約系統を作成できる
ので、精度の高い縮約系統モデルを作成することができ
る。
【0123】(第3の実施の形態)以下に、本発明の請
求項3記載の電力系統の縮約方法を図2を参照しながら
説明する。なお、図2は、前述しているので、ここでは
省略する。
【0124】本実施の形態の電力系統の縮約方法は、図
2に示す系統縮約手段22において作成された縮約モデ
ルの定数を評価して、異常値を示す場合には、系統縮約
手法を切り換えて、縮約系統モデルを作成し直すように
したものである。
【0125】具体的には、系統縮約手法として、既存の
二負荷法を用いて縮約対象系統を縮約した場合に、作成
された縮約モデルの線路定数や各ノードの負荷量をチェ
ックして、異常値を示す場合には、他の系統縮約手法
(短絡容量法)を用いて縮約し直すようにする。
【0126】例えば、二負荷法を用いて、縮約モデルの
線路インピーダンスが短絡インピーダンスの数十倍とな
る結果となった場合あるいはマイナス値のインピーダン
スとなる場合や、各ノードの負荷量が縮約対象系統内の
総負荷量の数倍となる結果となった場合には、異常値と
判断し、潮流計算の未収束などの問題を引き起こす可能
性があるので、他の系統縮約手法(短絡容量法)を用い
て縮約をやり直すようにする。
【0127】本実施の形態によれば、各縮約手法特有の
問題で異常値が発生した場合でも、他の系統縮約手法に
切り換えることで、安定した縮約結果が得られる。
【0128】(第4の実施の形態)以下に、本発明の請
求項4記載の電力系統の縮約方法を図2、図8を参照し
ながら説明する。
【0129】図8は第4の実施の形態を説明するための
詳細系統モデルの一例である。なお、図2は前述してい
るので、ここでは省略する。
【0130】本実施の形態の電力系統の縮約方法は、図
2に示す系統縮約手段22において、縮約対象系統の運
用状態に応じて、縮約系統モデルの定数を算出するよう
にした方法である。
【0131】ここで、二負荷法を用いて作成した場合の
縮約モデルの線路インピーダンスは、詳細系統モデルに
おける縮約起点から縮約対象系統内の各発電機端までの
インピーダンスに相当するものとするため、この二負荷
法では、詳細系統モデルの縮約起点から縮約対象側を見
たときの短絡インピーダンスから等価縮約発電機の内部
インピーダンスを除いた分を縮約モデルの線路インピー
ダンスとして用いている。
【0132】このため、図8に示すような縮約対象系統
において、発電機が停止し、負荷や調相設備のみの運用
状態である部分系統は、縮約モデルの線路インピーダン
スを算出する際には不要にある。
【0133】したがって、本実施の形態では、縮約起点
から縮約対象系統側をみたときの短絡インピーダンスを
計算する際に、前述の部分系統を除いて求めるようにす
る。このように求めた短絡インピーダンスを用いること
により、目的とする線路インピーダンスを算出できる。
【0134】本実施の形態によれば、発電機が停止した
部分系統を含むことなく、縮約起点から縮約対象系統内
の各発電機端までのインピーダンスに相当する、縮約モ
デルの線路インピーダンスを算出できるので、縮約系統
モデルの精度が向上する。
【0135】(第5の実施の形態)本発明の請求項5お
よび請求項6記載の電力系統の縮約方法の処理プログラ
ムを記録する記録媒体について、図9を参照しながら説
明する。
【0136】図9に示す第5の実施の形態においては、
CPU132と主メモリ133と伝送バス134とを備
えた計算機131と計算機に汎用のSCSI等のケーブ
ル137等で接続された記録媒体の書き込み装置135
および記録媒体136とから構成されている。
【0137】このような構成において、計算機131内
の主メモリ133上に、前述した第1の実施の形態から
第2の実施の形態に記載した発明による処理プログラム
が存在している。これらのプログラムを記録媒体書込み
装置135により任意に記録媒体136に記録する。別
の計算機は記録媒体136、あるいは、記録媒体136
から書き込まれた別の記録媒体を用いて、処理プログラ
ムを実行させることができる。
【0138】本実施の形態の電力系統の縮約方法の処理
プログラムによれば、第1および第2の実施形態におけ
る効果を発揮して、縮約系統モデルの精度を向上するこ
とができる。
【0139】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の実施の形
態乃至第4の実施の形態においては、過渡安定度に影響
が大きい有効電力損失など、精度に影響が大きい条件を
なるべく多く縮約前後で一致させることにより高精度な
縮約系統モデルを作成できるとともに、過渡安定度に影
響が小さい無効電力損失など、精度に影響が小さい条件
を縮約前後の一致条件から削減して、縮約前後の一致条
件を少なくすることにより、安定した縮約結果が得られ
ると同時に、需給断面の変化に対しても適応性の高い縮
約系統モデルを作成できるように工夫している。
【0140】第1の実施形態の電力系統の縮約方法によ
れば、縮約対象系統内の有効電力損失、総負荷量、発電
機の総発電量、初期位相角、縮約起点から縮約対象系統
側をみたときの短絡インピーダンスが、詳細系統モデル
と縮約系統モデルとの間で一致するので、精度の高い縮
約系統モデルを作成できる。
【0141】第2の実施形態の電力系統の縮約方法によ
れば、縮約対象系統内の有効電力損失、総有効電力負荷
量、発電機の総発電量、初期位相角、縮約起点から縮約
対象系統側をみたときの短絡インピーダンスが詳細系統
モデルと縮約系統モデルとの間で一致するのに加えて、
無効電力量も一致した縮約系統を作成できるので、さら
に精度の高い縮約系統モデルが作成できる。
【0142】第3の実施の形態の電力系統の縮約方法に
よれば、短絡容量法あるいはニ負荷法のいずれか一方を
ベースにした場合、系統縮約方法特有の問題で異常値が
発生した際には、他の系統縮約手法に切り換えることに
より安定した縮約結果が得られる。
【0143】第4の実施の形態の電力系統の縮約方法に
よれば、発電機が停止した部分系統を含ませないで、縮
約起点から縮約対象系統内の各発電機端までのインピー
ダンスに相当する縮約モデルの線路インピーダンスを算
出できるので、縮約系統モデルの精度が向上する。
【0144】第5の実施の形態の電力系統の縮約方法の
処理プログラム記録媒体によれば、第1および第2の実
施の形態の電力系統の縮約方法における効果を維持・拡
張することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる電力系統の縮約方法の概念図
【図2】本発明に関わる電力系統の縮約方法の機能ブロ
ック図
【図3】第1の実施の形態に関わる電力系統の縮約方法
の処理フロー図
【図4】縮約実施前の詳細系統モデルを例示した図
【図5】第1の実施の形態に関わる電力系統の縮約方法
により作成される縮約モデルの構成図
【図6】縮約実施後の縮約系統モデルを例示した図
【図7】第2の実施の形態に関わる電力系統の縮約方法
の処理フロー図
【図8】第4の実施の形態を説明するための詳細系統モ
デルを例示した図
【図9】第5の実施の形態を示す構成図
【符号の説明】
1…詳細系統モデル、1a,1b,1c,1d,1e…
詳細系統モデルの1例、2…電力系統の縮約方法、3…
縮約系統モデル、3a,3b,3c…縮約系統モデルの
1例、21…詳細系統モデルシミュレーション手段、2
2…系統縮約手段、23…類似発電機縮約手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 武 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝システムテクノロジー株式会社内 Fターム(参考) 5G066 AA03 AE03 AE07 AE09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統解析に用いる電力系統モデルを
    等価的に縮約する電力系統の縮約方法において、 (a)発電機と負荷が接続する母線と(b)負荷のみが
    接続する母線とをつなぐ送電線と、(b)前記負荷のみ
    が接続する母線と(c)縮約起点とをつなぐ送電線とか
    ら構成される縮約系統モデルの送電線の線路定数を算出
    する際に、 縮約対象系統内の有効電力損失の総和、有効電力負荷の
    総和、発電機の総発電量、初期位相角、詳細系統の縮約
    起点から縮約対象系統側をみたときの短絡インピーダン
    スが、縮約前の詳細系統モデルと縮約後の縮約系統モデ
    ルとの間で一致することを条件として、(a)縮約系統
    モデルの発電機と負荷が接続する母線と(b)負荷のみ
    が接続する母線とをつなぐ送電線の線路定数をR2’+jX
    2’、(b)負荷のみが接続する母線と(c)縮約起点
    とをつなぐ送電線の線路定数をR1’+jX1’としたとき、 前記縮約系統モデルの送電線の線路定数の抵抗分R1’,R
    2’を(103)式と(104)式から、リアクタンス
    分X1’,X2’を(101)式と(102)式から算出す
    ることを特徴とする電力系統の縮約方法。 【数1】 ただし、PG:縮約対象系統内の発電機の有効電力出力を
    総和したもの、 XG:縮約対象系統内の発電機の内部インピーダンスを並
    列加重平均したもの、 θG:縮約対象系統内の発電機の初期位相角を容量加重
    平均したもの、 XS:縮約起点から縮約対象系統側をみた短絡インピーダ
    ンス、 Pk:縮約起点と縮約対象系統を接続する連系線潮流の有
    効電力量、 Ploss:縮約対象系統内の有効電力損失を総和したも
    の、 PLG:縮約対象系統内の発電機ノードの有効電力負荷を
    総和したもの、 PLL:縮約対象系統内の負荷ノードの有効電力負荷を総
    和したものとする。
  2. 【請求項2】 前記縮約系統モデルの線路定数の抵抗分
    を算出する際に、 前記縮約対象系統内の有効電力損失の総和、有効電力負
    荷の総和、発電機の総発電量、初期位相角、詳細系統の
    縮約起点から縮約対象系統側をみたときの短絡インピー
    ダンスに加えて、主系統と縮約対象系統を接続する連系
    線の無効電力負荷量と発電機の無効電力量が、縮約前の
    詳細系統と縮約後の縮約系統モデルとの間で一致するこ
    とを条件として、縮約系統モデルの送電線の線路定数の
    抵抗分R1’,R2’を(105)式と(106)式から算
    出することを特徴とする請求項1記載の電力系統の縮約
    方法。 【数2】 ただし、QG:縮約対象系統内の発電機の無効電力出力を
    総和したもの、 VG:発電機の端子電圧を各発電機ノードの有効電力量で
    加重平均したもの、 Qk:縮約起点と縮約対象系統を接続する連系線潮流の無
    効電力量、 QLG:縮約対象系統内の発電機ノードの無効電力負荷を
    総和したもの、 Vk:縮約起点のノード電圧とする。
  3. 【請求項3】 前記縮約系統モデルの定数を算出する際
    に、作成された縮約系統モデルの定数を評価して、異常
    と判定した場合には系統縮約方法を切り換えて、縮約系
    統モデルを作成し直すことを特徴とする請求項1あるい
    は請求項2に記載の電力系統の縮約方法。
  4. 【請求項4】 前記縮約系統モデルの定数を算出する際
    に、縮約対象系統内で発電機が停止した部分系統を含ま
    ないように、縮約系統モデルの定数を算出することを特
    徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の電力系統の
    縮約方法。
  5. 【請求項5】 (a)縮約系統モデルの発電機と負荷が
    接続する母線と(b)負荷のみが接続する母線とをつな
    ぐ送電線の線路定数をR2’+jX2’、(b)負荷のみが接
    続する母線と(c)縮約起点とをつなぐ送電線の線路定
    数をR1’+jX1’とし、 前記縮約系統モデルの送電線の線路定数の抵抗分R1,R2
    を、請求項1記載の(103)式と(104)式から、
    リアクタンス分X1’,X2’を、請求項1記載の(101)
    式と(102)式から計算する手順と、 前記縮約系統モデルの送電線の線路定数の抵抗分R1’,R
    2’とリアクタンス分X1’,X2’を出力させる手順とをコ
    ンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュ
    ータ読取り可能な記録媒体。 【数3】
  6. 【請求項6】 請求項5記載のコンピュータ読取り可能
    な記録媒体おいて、 前記縮約系統モデルの線路定数の抵抗分R1’,R2’を算
    出する際に、 縮約系統モデルの送電線の線路定数の抵抗分R1’,R2’
    を、請求項2記載の(105)式と(106)式から計
    算させる手順と、 縮約系統モデルの送電線の線路定数の抵抗分R1’,R2’
    を出力させる手順とをコンピュータに実行させるプログ
    ラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。 【数4】
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