JP6410696B2 - 系統制御装置および系統安定化システム - Google Patents

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Description

本開示は、系統制御装置および系統安定化システムに関する。
電力系統内に事故が発生した場合、発電機が同期運転を保つことができず不安定な運転状態になる、いわゆる脱調現象が生じることがある。この脱調現象を放置すると、系統全体の発電機の連鎖的な停止を引き起こし、大停電に拡大する場合がある。そのため、電力系統には、事故発生時に必要台数の発電機を遮断(以下、電制とも称する)して発電機の脱調現象を最小限に抑えることにより、系統全体の安定化を図るための系統安定化システムが設けられている。
系統安定化システムに適用される演算方式の1つに、事前演算方式がある。事前演算方式では、様々な事故が起きても対応できるように、事故前に種々の事故/潮流パターンを想定した演算を行なう。具体的には、電力系統の安定度のシミュレーションを実施し、シミュレーション結果に基づいて安定度を判定するとともに、電制の必要制御量を演算する。そして、事故発生を検出したときには、上記の演算結果を参照することにより、事故前の電力系統の状態に応じて電制を実行する。
このような事前演算方式は、演算に使用するデータの違いによって、オフライン方式とオンライン方式とに区分される。オフライン方式では、想定される系統状態(系統構成、潮流状態)に対して確実に安定化できるように、最も過酷な条件下(例えば、線路潮流を運用限度付近まで設定するなど)で行なった演算結果に基づいて電制を実行する。一方、オンライン方式は、系統構成および潮流状態などのオンライン情報を収集して演算に反映させる。
オンライン方式に関する技術として、例えば、特開平7−298498号公報(特許文献1)には、複数の発電機から電力を供給される電力系統の複数の想定故障ケースについて、系統の安定を維持する電制条件を事前決定する電力系統の安定化方法が開示されている。この安定化方法は、電力系統から周期的にサンプリングされるオンラインデータに基づき、複数の想定故障ケースの各々における発電機の位相角または位相角変化が所定のしきい値を超えるものを選択して系統の詳細安定度計算を行なう。
特開平7−298498号公報
ここで、近年、太陽電池などの分散型電源が注目を集めており、電力系統内に大量の分散型電源が導入されることが予想されることから、事前の安定度計算を行なう際には確定できない不確定要素(例えば、事故点、事故発生時の電圧低下による負荷脱落など)が増加する傾向にある。しかしながら、特許文献1に係るオンライン事前演算方式では、これらの不確定要素については考慮されておらず、今後増大することが予想される電力系統における種々の不確定要素に適切に対応できないという問題がある。
また、不確定要素を考慮する場合、何らかの複数の想定条件に基づいて事前演算を行なうことが考えられるが、不確定要素の増加に伴い想定すべき条件も増加する。そのため、事前演算における計算負荷が大きくなり、必要な計算装置の増加およびコストの高騰を招いてしまう可能性があるという問題もある。
本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、オンライン型の事前演算の処理負荷を軽減しつつ、電力系統における種々の不確定要因にも適切に対応することが可能な系統制御装置および系統安定化システムを提供することである。
ある実施の形態に従うと、電力系統の事故の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することにより当該電力系統を安定化するための系統制御装置が提供される。系統制御装置は、電力系統における複数の不確定要素の組み合わせから構成される複数のモデルを記憶する記憶部と、電力系統のオンライン情報を用いた事前演算を行なう事前演算部とを備える。事前演算部は、想定される事故における複数のモデルの各々に対して、安定度計算を予め定められた基準時間よりも短い時間実行し、複数のモデルの各々に対して短い時間実行した安定度計算の結果に基づいて、複数のモデルの中から1つのモデルを選択する。事前演算部は、選択した1つのモデルに対して、安定度計算を予め定められた基準時間実行し、1つのモデルに対して予め定められた基準時間実行した安定度計算の結果に基づいて、想定される事故に対する制御対象の発電機の制御パターンを生成する。
本開示によると、オンライン事前演算の処理負荷を軽減しつつ、電力系統における種々の不確定要因にも適切に対応することが可能となる。
本実施の形態に従う系統安定化システムの全体構成の一例を示す図である。 電力系統における負荷の脱落特性の一例を示す図である。 パワーコンディショナの出力特性の一例を示す図である。 パワーコンディショナの出力特性の一例を示す図である。 本実施の形態に従う不確定要素モデルの一例を示す図である。 本実施の形態に従う系統制御装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本実施の形態に従う系統安定化システムに係る機能構成を示す模式図である。 事故発生後の発電機のすべり平均値の動きの一例を示す図である。 事故発生後の発電機の出力平均値の動きの一例を示す図である。 本実施の形態に従う制御テーブルの一例を示す図である。 本実施の形態に従う系統制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。また、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
<系統安定化システム>
本実施の形態に従う系統安定化システムは、電力系統に事故が発生すると、事故の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することで電力系統を安定化させる。
図1は、本実施の形態に従う系統安定化システムの全体構成の一例を示す図である。図1を参照して、系統安定化システム1000は、主に、系統制御装置10と、系統安定化装置20と、複数の端末装置30A,30Bとから構成される。
系統安定化システム1000に含まれる各装置には、その役割および機能に応じた地位が与えられている。具体的には、機能的に上位に位置する系統制御装置10は給電指令所1に配置され、機能的に中位に位置する系統安定化装置20は変電所2に配置され、機能的に下位に位置する端末装置30A,30Bはそれぞれ発電所3および開閉所4に配置される。例えば、系統制御装置10および系統安定化装置20は、それぞれ「親局」および「子局」と称されることもある。
給電指令所1は、管轄区間における発電所全体の発電機制御を統括する指令所である。変電所2は、複数の変電所の中から任意に選択された一つである。なお、他の変電所の何れか一つが、機能的に中位に位置する変電所2に代わることも可能である。なお、図1の例では、1つの発電所のみを示しているが、複数の発電所を有する構成であってもよい。
系統制御装置10と系統安定化装置20とは通信回線50を介して接続される。系統安定化装置20と端末装置30A,30Bとは、通信回線60を介して接続される。なお、通信回線50,60については、予め定められた通信要求が満たされる回線であれば専用回線である必要はなく、公衆回線などを利用してもよい。
図1に示す電力系統では、母線6,8に関連付けてそれぞれ端末装置30A,30Bが配置されている。母線6と母線8との間は、送電線7(一例として、3回線)で連絡されている。以下では、端末装置30A,30Bの各々に共通の構成や機能を説明する際には、それらを「端末装置30」と総称する。
母線6には、複数の発電機G1〜G3が接続されており、母線6と発電機G1〜G3との間には、それぞれ変圧器TR1〜TR3および遮断器CB1〜CB3が接続されている。母線8からは、例えば、変圧器(図示しない)を介して負荷(図示しない)へ電力が供給される。また、典型的には、発電機G1〜G3は、制御対象とする発生した事故の近傍にある加速側発電機群(不安定な発電機群)である。
系統制御装置10は、電力系統内の情報を一定周期毎(例えば、30秒毎)に収集するとともに、予め想定される事故の各々について、当該収集した情報から定められる系統状態に応じて必要な事前演算を行なう。事前演算は、電力系統内の潮流分布や、各発電機の出力および位相角などに基づいて行われる。事前演算には、詳細安定度計算が用いられる。系統制御装置10は、事前に算出した各事故についての安定化制御量および制御対象などを定めた情報(制御テーブルなど)を系統安定化装置20へ配信するとともに、その内容を一定周期毎に更新する。
系統安定化装置20は、管理(制御)対象としている複数の端末装置30A,30Bから電力系統内の情報を収集するとともに、系統制御装置10へ一定周期毎(例えば、30秒毎)に送信する。系統安定化装置20は、各端末装置30の制御対象範囲のいずれかの部位において事故が発生すると、予め配信されている制御テーブルに基づいて安定化制御を実行する。典型的には、系統安定化装置20は、端末装置30からのリレー情報に基づいて事故発生を判断すると、予め指定されている発電機に対応する遮断器に遮断指令を与えるように端末装置30に指示して、それらの発電機を電力系統から解列する。または、系統安定化装置20は、送電線に対応する遮断器に遮断指令を与えるように端末装置30に指示して事故回線を開放してもよい。このように、系統安定化装置20は、電力系統内で何らかの事故が発生すると、過渡安定度を維持するための動作を実行する。
端末装置30は、制御対象範囲にある各種センサから電力系統内の情報を収集するとともに、収集した情報を系統安定化装置20へ一定周期毎(例えば、30秒毎)に送信する。具体的には、端末装置30Aは、母線6を含む発電所3を制御対象としており、電圧値を取り込むためのセンサである変成器VT1から母線6の母線電圧値を収集するとともに、電流値を取り込むためのセンサである変流器CT1,CT2,CT3から送電線7の各回線を流れる送電線電流値を収集する。端末装置30Bは、母線8を含む開閉所4を制御対象としており、変成器VT2から母線8の母線電圧値を収集し、変流器CT4,CT5,CT6から送電線7の各回線を流れる送電線電流値を収集する。
<事前演算方式による安定化制御>
ここで、典型的なオンライン型の事前演算方式による安定化制御の動作について説明する。系統制御装置10は、事前演算によって、予め想定される事故(すなわち、制御対象となる事故)にそれぞれ対応する安定化制御量を定めた制御テーブルを生成し、系統安定化装置20へ一定周期毎に配信しておく。
このような事前演算が一定周期毎に実行されている状況において、電力系統内で何らかの事故が発生したとする。例えば、送電線7の1回線に地絡事故が発生したとする。このような場合、事故点の近傍にある端末装置30Aは、母線電圧値の低下や零相電圧値の上昇といった計測要素の急変により事故発生を検出し、検出結果(リレー情報)を系統安定化装置20に通知する。リレー情報は、送電線保護リレーの動作情報、電気量情報などである。
系統安定化装置20は、端末装置30Aからのリレー情報に基づいて、事故点や事故種別(事故ケース)などを判断する。系統安定化装置20は、予め配信されている制御テーブル(事故点、事故種別などに対する、安定度判別を行なう上での支援情報を含む)と照合して、事故発生後の電力系統が安定および不安定のいずれであるかを判別する。電力系統が不安定である判定された場合には、系統安定化装置20は、制御テーブルを参照して、制御指示を該当端末装置(この場合、電制対象の発電機G1〜G3を制御する端末装置30A)に対して送信する。典型的には、系統安定化装置20は、電力系統を不安定化している発電機に対応する遮断器に遮断指令を与えるように端末装置30Aに指示する。
端末装置30Aは、当該制御指示に基づいて、発電機に対応する遮断器に遮断指令を与えることで、当該発電機を電力系統から解列して過渡安定度を維持する。
<課題>
上述したように、今後、電力系統内への太陽電池などの分散型電源の大量導入に伴い、不確定要素が増加することが予想されるため、これらを考慮してオンライン事前演算を行なうことが好ましい。本実施の形態では、不確定要素として、例えば、負荷脱落特性、パワーコンディショナ(Power Conditioning System:PCS)の出力特性および事故点を考慮する事例を想定する。
図2は、電力系統における負荷の脱落特性の一例を示す図である。図2の横軸は負荷脱落率を示しており、図2の縦軸は母線電圧[p.u.]を示している。母線電圧が脱落開始電圧V1(例えば、0.80)に低下すると、負荷が脱落を開始する。さらに、母線電圧が脱落飽和電圧V2(例えば、0.45)に低下すると、負荷脱落率X(例えば、20%)の負荷が脱落して飽和傾向となる。
図3および図4は、パワーコンディショナの出力特性の一例を示す図である。具体的には、図3は、残電圧が一定割合以上(ここでは、30%とする)である場合のパワーコンディショナの出力特性を示している。図4は、残電圧が一定割合未満である場合のパワーコンディショナの出力特性を示している。なお、このパワーコンディショナは、太陽電池などの再生可能エネルギー用である。
図3を参照して、事故発生時の残電圧が30%以上である電圧低下が、時間Ta(時刻t1〜時刻t2)継続した場合には(図3(a)参照)、再生可能エネルギー用のパワーコンディショナによりゲートブロックは行われず運転が継続される(図3(b)参照)。典型的には、残電圧特性と、パワーコンディショナの出力特性とは同様の傾向となる。
一方、図4を参照して、事故発生時の残電圧が30%未満である電圧低下が、時間Ta(時刻t1〜時刻t2)継続した場合には(図4(a)参照)、パワーコンディショナによりゲートブロックが行われる(図4(b)参照)。そして、パワーコンディショナは、時刻t2から位相確認時間Tb(例えば、1秒)後の時刻t3になると、出力復帰動作を開始して、電圧低下前の出力の80%の出力まで復帰させる。最終的には、パワーコンディショナの出力は、時刻t3から時間Tc(例えば、10秒)後の時刻t4に電圧低下前の出力まで復帰する。
図2に示したような負荷脱落特性の有無、図3および図4に示したようなパワーコンディショナの出力特性の有無および事故点(送電端および受電端)を考慮する場合には、例えば、図5に示すような8つの不確定要素モデルの各々について詳細安定度計算を行なうことが考えられる。
図5は、本実施の形態に従う不確定要素モデルの一例を示す図である。図5を参照して、負荷脱落特性の有無、パワーコンディショナの出力特性の有無(図5中のPCS特性の「あり」、「なし」に対応)、事故点(送電端または受電端)に応じて、8つのモデルMD1〜MD8が用意されている。例えば、モデルMD1は、負荷脱落特性(図2参照)およびパワーコンディショナの出力特性(図3,図4参照)を考慮せず、事故点が送電端である場合を想定したモデルである。モデルMD4は、負荷脱落特性およびパワーコンディショナの出力特性を考慮し、事故点が送電端である場合を想定したモデルである。
各監視点における各事故種別につき、8つの不確定要因パターンの各々について詳細安定度計算をしたとすると、計算量が膨大となる。また、不確定要素の数が多くなるほど指数関数的に計算量が増大していく。そのため、計算時間の増加、および必要な計算装置の数の増加や計算装置の高性能化などによるコストの増加などが生じるという課題がある。
そこで、本実施の形態に従う系統制御装置10は、以下に説明するような事前演算方式を採用することにより、上述した課題を解決する。以下、主に、系統制御装置10の構成および処理手順について詳細に説明する。
<ハードウェア構成>
(系統制御装置)
図6は、本実施の形態に従う系統制御装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。図6には、典型例として、プロセッサがプログラムを実行することで系統制御装置10を実現する構成を示すが、その全部または一部を専用のハードワイヤード回路やロジック回路を用いて実装してもよい。
系統制御装置10は、そのコンポーネントとして、プロセッサ102と、主記憶装置104と、二次記憶装置106と、インターフェイス108と、入力装置110と、出力装置112とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス114を介して互いに通信可能に接続されている。
プロセッサ102は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Multi Processing Unit)といった演算処理部であり、二次記憶装置106に格納されている電力系統安定化プログラム120を読出して、主記憶装置104に展開しつつ実行する。
主記憶装置104は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性記憶媒体であり、プロセッサ102によって実行される電力系統安定化プログラム120のコードの他、電力系統安定化プログラム120の実行に必要な各種のワークデータを保持する。二次記憶装置106は、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶媒体であり、電力系統安定化プログラム120の他、各種設定値などを保持する。
インターフェイス108は、外部装置(例えば、系統安定化装置20)などから電気量の計測値を示すデータを受付けるとともに、制御動作に係る指令信号などを出力する。インターフェイス108としては、汎用的な通信規約に準拠したコンポーネントを採用することもできるし、専用の通信規約に従うコンポーネントを採用することもできる。
入力装置110は、典型的には、キーボードやマウスなどからなり、ユーザからの各種設定や操作を受付ける。出力装置112は、典型的には、ディスプレイやプリンタなどからなり、プロセッサ102による計算結果などを外部へ出力する。
(系統安定化装置,端末装置)
系統安定化装置20は、典型的には、各種処理を実行するためのCPUなどのプロセッサと、各種データを記憶するための記憶装置と、外部装置(例えば、系統制御装置10および端末装置30)と各種データを送受信するためのインターフェイスとを含む。端末装置30は、例えば、系統安定化装置20と同様のハードウェア構成である。
<機能構成>
図7は、本実施の形態に従う系統安定化システムに係る機能構成を示す模式図である。図7を参照して、系統制御装置10は、その機能構成として、事前演算部150と、データ格納部160とを含む。典型的には、事前演算部150は、プロセッサ102が二次記憶装置106に格納された電力系統安定化プログラム120を実行することによって実現される。データ格納部160は、主記憶装置104および二次記憶装置106により実現される。
事前演算部150は、電力系統のオンライン情報(系統情報)を用いて事前演算(詳細安定度計算)を行なう。具体的には、事前演算部150は、詳細安定度計算部152と、選択部154とを含む。
詳細安定度計算部152は、系統安定化装置20からオンライン情報を取得するとともに、電力系統における複数の不確定要素の組み合わせから構成される複数の不確定要素モデル(図5参照)をデータ格納部160から読み出す。なお、詳細安定度計算部152は、系統安定化装置20を介さずに端末装置30や他の外部装置から直接オンライン情報を取得する構成であってもよい。また、電力系統内のオンライン情報の収集方法については任意の公知の方法を採用してもよい。オンライン情報は、電力系統各点の電圧、電流、発電機の有効電力、無効電力、遮断器入切情報などを含む。
詳細安定度計算部152は、オンライン情報を用いて、想定される事故毎に、複数の不確定要素モデル(例えば、モデルMD1〜MD8)の各々に対して、詳細安定度計算の基準時間Trf(例えば、10秒)よりも短い時間Tsh(例えば、1.5秒)だけ詳細安定度計算を行なう。基準時間Trfは、制御パターンを生成(決定)するために通常必要とされる詳細安定度計算時間に設定される。時間Tshは、おおよその安定度の判別が可能な時間に設定される。基準時間Trfおよび時間Tshは、ユーザなどにより任意に設定可能であってもよい。また、詳細安定度計算方法については、任意の公知の方法が採用される。
詳細安定度計算部152は、予め定められた安定度指標(電力系統が安定か不安定かを判別するための指標)を用いた詳細安定度計算を時間Tshだけ実行する。例えば、安定度指標として、発電機G1〜G3のすべり(回転数)の平均値、または発電機G1〜G3の出力平均値が用いられる。安定度指標としてすべり平均値が用いられる場合には、詳細安定度計算部152は、モデルMD1〜MD8の各々に対して、時間Tshだけ詳細安定度計算を実行して、図8に示すようなシミュレーション結果(すべり平均値の動き)を算出する。また、安定度指標として出力平均値が用いられる場合には、詳細安定度計算部152は、モデルMD1〜MD8の各々に対して、時間Tshだけ詳細安定度計算を実行して、図9に示すようなシミュレーション結果(出力平均値の動き)を算出する。
図8は、事故発生後の発電機のすべり平均値の動きの一例を示す図である。図9は、事故発生後の発電機の出力平均値の動きの一例を示す図である。
図8を参照すると、モデルMD1〜MD8の各々について、発電機G1〜G3のすべり平均値の動きを時系列で把握することができる。事故前と事故後とのすべり平均値の差については、事故前の値に対して、事故後の値が大きいほど電力系統が不安定であることを示すため、1.5秒時点において、モデルMD1〜MD8のうち安定度が最も厳しい(最も安定度が低く、不安定な)モデルは、モデルMD3となる。また、1.5秒時点において、モデルMD1〜MD8のうち安定度が平均的(中間的)なモデルは、モデルMD4となる。
図9を参照すると、モデルMD1〜MD8の各々について、発電機G1〜G3の出力平均値の動きを時系列で把握することができる。事故後と事故前との出力平均値の差については、事故前の値に対して、事故後の値が低下しているほど電力系統が不安定であることを示すため、1.5秒時点において、モデルMD1〜MD8のうち安定度が最も厳しいモデルは、モデルMD3となる。また、1.5秒時点において、モデルMD1〜MD8のうち安定度が平均的なモデルは、モデルMD4となる。
上記では、安定度指標として、発電機のすべり、または出力値を用いる構成について説明したが、これに限られない。例えば、安定度指標として、発電機の位相角、発電機の位相角偏差、発電機の運動エネルギー、発電機の周波数などを用いてもよい。
再び、図7を参照して、選択部154は、複数のモデルMD1〜MD8の各々に対して時間Tshだけ行われた詳細安定度計算結果(例えば、図8,図9)を用いて、複数のモデルMD1〜MD8の中から1つのモデルを選択する。1つのモデルを選択するための選択基準は、データ格納部160に記憶されている。典型的には、この選択基準は、「モデルMD1〜MD8のうち安定度が最も厳しいモデルを選択する」という基準である。
安定度指標として発電機のすべり平均値が用いられている場合には、選択部154は、図8に示す詳細安定度計算結果と当該選択基準とに基づいて、複数のモデルMD1〜MD8の中から安定度が最も厳しいモデルMD3を選択する。また、安定度指標として発電機の出力平均値が用いられている場合には、選択部154は、図9に示す詳細安定度計算結果と当該選択基準とに基づいて、複数のモデルMD1〜MD8の中からモデルMD3を選択する。
なお、詳細安定度計算部152によって、複数の安定度指標を用いて詳細安定度計算が実行されている場合には、選択部154は、これらの詳細安定度計算結果を総合的に判断して、モデルを選択する構成であってもよい。
具体的には、複数のモデルMD1〜MD8を、安定度に応じて点数化(例えば、安定度が厳しい順に8点、7点、・・・、2点、1点)する。発電機のすべり平均値を用いた場合の詳細安定度計算結果(図8参照)に基づいて、複数のモデルMD1〜MD8を点数化する。例えば、最も厳しいモデルMD3は8点となる。同様に、発電機の出力平均値を用いた場合の詳細安定度計算結果(図9参照)に基づいて、複数のモデルMD1〜MD8を点数化する。各モデルMD1〜MD8について、発電機のすべり平均値を用いた場合の点数と、発電機の出力平均値を用いた場合の点数とを加算した合計値を算出する。そして、選択部154は、モデルMD1〜MD8のうち合計値が最も高いモデルを、総合的に安定度が最も厳しいモデルとして選択する。これにより、複数の安定度指標を考慮した総合的な安定度に基づくモデルを選択することができる。
詳細安定度計算部152は、選択部154によって選択されたモデルに対して、詳細安定度計算を基準時間Trf実行する。すなわち、詳細安定度計算部152は、想定される事故に対する制御パターンを決定するために必要な基準時間Trfの詳細安定度計算を実行する。そして、詳細安定度計算部152は、この詳細安定度計算結果に基づいて、想定される事故について制御対象の発電機G1〜G3の制御パターンを生成する。
詳細安定度計算部152は、想定される複数の事故の各々について、上記のような制御対象の発電機G1〜G3の制御パターンを生成することにより、事故と発電機G1〜G3の制御パターンとを関連付けた制御テーブルを生成する。
図10は、本実施の形態に従う制御テーブルの一例を示す図である。図10に示される制御テーブルによると、事故監視点である送電線7においては、2相3線地絡事故(2φ3LG)が発生した場合には、発電機G1〜G3をすべて遮断する制御パターンとなっている。また、1相2線地絡事故(1φ2LG)が発生した場合には、発電機G1を遮断する制御パターンとなっている。3相3線地絡事故(3φ3LG)が発生した場合には、どの発電機も遮断する必要がない制御パターンとなっている。これは、発電機を遮断しなくても電力系統の安定度を維持できることを意味している。この制御テーブルによると、2相3線地絡事故または1相2線地絡事故が発生した場合には電力系統が不安定であり、3相3線地絡事故が発生した場合には電力系統が安定であると判断できる。
詳細安定度計算部152は、予め定められている発電機G1〜G3の制御優先順位を考慮して制御パターンを生成してもよい。例えば、発電機G1,G2,G3の順に制御優先順位が高いとする。この場合、詳細安定度計算部152は、詳細安定度計算結果に基づいて2つの発電機を遮断する必要があると判断した場合には、発電機G1,G2を遮断する制御パターンを生成し、1つの発電機を遮断する必要があると判断した場合には発電機G1を遮断する制御パターンを生成する。制御優先順位は、発電機G1〜G3の再起動の容易さ、経済効率などを考慮して定められる。
再び、図7を参照して、詳細安定度計算部152は、事故と制御パターンとを関連付けた制御テーブル(図10参照)を系統安定化装置20へ送信する。
系統安定化装置20は、その機能構成として、系統情報収集部202と、安定化制御部204と、データ格納部206とを含む。典型的には、系統情報収集部202および安定化制御部204は、プロセッサが記憶装置に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
系統情報収集部202は、端末装置30からの電力系統内のオンライン情報(系統情報)を収集するとともに、収集したオンライン情報を、系統制御装置10の詳細安定度計算部152および安定化制御部204へ出力する。
安定化制御部204は、各端末装置30の制御対象範囲のいずれかの部位において事故が発生すると、予め配信されている制御テーブルに基づいて安定化制御を実行する。具体的には、安定化制御部204は、端末装置30からのリレー情報に基づいて事故種別を判断して、制御テーブルを参照して事故種別に対応する発電機G1〜G3の制御パターンを特定する。安定化制御部204は、当該特定した制御パターンに従って、発電機を遮断する制御を行なう。具体的には、安定化制御部204は、発電機に対応する遮断器に遮断指令を与えるように端末装置30に指示する。例えば、安定化制御部204は、事故種別が2相3線地絡事故であると判断すると、図10に示す制御テーブルを参照して、発電機G1〜G3に対応する遮断器CB1〜CB3を遮断するように端末装置30Aに指示する。端末装置30Aは、当該指示に基づいて、遮断器CB1〜CB3に遮断指令を与えることで、発電機G1〜G3を電力系統から解列する。
データ格納部206は、系統制御装置10(詳細安定度計算部152)から一定周期毎に送信される制御テーブルを記憶する。
上記では、選択基準が「モデルMD1〜MD8のうち安定度が最も厳しいモデルを選択する」という基準である場合について説明した。これによると、最も厳しいモデルについて実行された詳細安定度計算を用いた制御パターンに従って、発電機の遮断が実行されるため、不足制御を防止することができる。
ただし、例えば、最も厳しいモデルを選択して詳細安定度計算を実行しなくても、不足制御となる可能性が十分低いことが判っているような場合には、上記選択基準によると過剰制御(発電機を遮断し過ぎる)になると考えられる。そのため、選択基準は、「モデルMD1〜MD8のうち安定度が平均的なモデルを選択する」という基準であってもよい。この場合、例えば、事前演算部150(選択部154)は、図8に示す詳細安定度計算結果と当該選択基準とに基づいて、複数のモデルMD1〜MD8の中から安定度が平均的なモデルMD4を選択する。これによると、過剰制御を抑制することができるため、発電機を遮断することによる経済損失を低減することができる。
<処理手順>
図11は、本実施の形態に従う系統制御装置10の処理手順を示すフローチャートである。典型的には、図11に示す各ステップは、系統制御装置10のプロセッサ102によって実行される。以下の各ステップは、予め定められた演算周期ごとに実行される。また、ここでは、事故監視点として送電線7を想定し、発電機G1〜G3を制御対象とする。
図11を参照して、系統制御装置10は、不確定要素モデルとして予め用意されている複数のモデルMD1〜MD8の中から1つのモデルを選択する(ステップS2)。具体的には、系統制御装置10は、複数のモデルMD1〜MD8のうち、後述するステップS4において詳細安定度計算を実行していない1つのモデルを選択する。
系統制御装置10は、ステップS2において選択された1つのモデルについて、基準時間Trfよりも短い時間Tshだけ詳細安定度計算を実行する(ステップS4)。続いて、系統制御装置10は、複数のモデルMD1〜MD8の中に、ステップS2において選択されていないモデルが存在するか否かを判断する(ステップS6)。当該モデルが存在する場合には(ステップS6においてYES)、系統制御装置10は、ステップS2からの処理を繰り返す。ステップS2〜S6の一連の処理によって、複数のモデルMD1〜MD8の各々について、時間Tshだけ詳細安定度計算が実行される。これにより、例えば、図8または図9に示すような詳細安定度計算結果が得られる。
当該モデルが存在しない場合には(ステップS6においてNO)、系統制御装置10は、ステップS2〜S6の一連の処理により得られた複数のモデルMD1〜MD8の各々についての詳細安定度計算結果と、予め定められた選択基準とに基づいて、複数のモデルMD1〜MD8の中から1つのモデルを選択する(ステップS8)。具体例として、選択基準が「複数のモデルMD1〜MD8のうち安定度が最も厳しいモデルを選択する」ように設定されている場合を考える。この場合、系統制御装置10は、図8または図9に示す結果を参照して、モデルMD3を選択する。
次に、系統制御装置10は、予め想定される複数の事故種別(事故ケース)のうち1つ事故種別を選択する(ステップS10)。例えば、系統制御装置10は、事故種別として2相3線地絡事故(2φ3LG)を選択する。
系統制御装置10は、ステップS6で選択したモデル(選択モデル)に対して、詳細安定度計算を基準時間Trf実行する(ステップS12)。なお、系統制御装置10は、選択モデルに対して、詳細安定度計算を時間Tshだけ実行済み(ステップS4)であるが、途中から詳細安定度計算をするのではなく、再度、初めから詳細安定度計算を実行し直す。ただし、系統制御装置10は、途中(すなわち、時間Tsh以降)から詳細安定度計算を実行するように構成されていてもよい。
系統制御装置10は、ステップS12で得られた詳細安定度計算結果に基づいて、ステップS10において選択された事故種別に対する、発電機G1〜G3の制御パターンを生成する(ステップS14)。系統制御装置10は、事故種別と制御パターンとを関連付けて制御テーブルに登録する(ステップS16)。例えば、図10に示すように、2相3線地絡事故(2φ3LG)に対して、発電機G1〜G3をそれぞれ「遮断」する制御パターンを関連付けて制御テーブルに登録する。
系統制御装置10は、予め想定される複数の事故種別の中に、ステップS10において未だ選択されていない事故種別が存在するか否かを判断する(ステップS18)。当該事故種別が存在する場合には、系統制御装置10はステップS2からの処理を繰り返す。当該事故種別が存在しない場合には、系統制御装置10は処理を終了する。
<変形例>
上述した実施の形態において、基本的には、不足制御を防止するために「複数のモデルMD1〜MD8のうち安定度が最も厳しいモデルを選択する」という選択基準K1を採用するが、不足制御の可能性が十分低い場合には、過剰制御を抑制するために、「モデルMD1〜MD8のうち安定度が平均的なモデルを選択する」という選択基準K2を採用してもよいことについて説明した。ただし、この選択基準K2を採用した場合の万が一の不足制御に備えて、系統安定化装置20は、事故発生後の系統状態から電力系統を安定化させるために必要な事後演算による追加制御をさらに実行してもよい。
具体的には、図7を参照して、系統制御装置10(事前演算部150)は、どの選択基準を用いて、制御テーブルを生成したのかを示す情報を系統安定化装置20に通知しておく。例えば、事前演算部150は、採用した選択基準を制御テーブルに関連付けて系統安定化装置20に送信してもよいし、採用した選択基準を独自に送信してもよい。
また、「安定度が最も厳しいモデルを選択する」という選択基準K1以外の選択基準が採用されている場合には、系統安定化装置20(安定化制御部204)は、不足制御に備えて、事後演算による追加制御を実行するように構成されていてもよい。この場合、事前演算部150は、詳細安定度計算を基準時間Trf実行する対象となるモデルとして、モデルM1〜M8のうち電力系統の安定度が最も低いモデルを選択したか否か(すなわち、選択基準K1を採用したか否か)を示す情報を、系統安定化装置20(安定化制御部204)に送信する。系統安定化装置20(安定化制御部204)は、当該情報に基づいて電力系統の安定度が最も低いモデルが選択されていない(選択基準K1が採用されていない)と判断した場合には、必要な事後演算を実行する。
例えば、系統安定化装置20によって事後演算による追加制御が実行される場合、事故発生前後での系統安定化装置20および端末装置30の動作の概要は以下のようになる。系統安定化装置20は、端末装置30からのリレー情報に基づいて、事故発生を判断する。系統安定化装置20は、制御テーブルを参照して事故種別に対応する発電機の制御パターンを特定し、特定された発電機に対応する遮断器に遮断指令を与えるように端末装置30に指示する。端末装置30は、当該指示に従って、遮断器に遮断指令を与えることで、対応する発電機を電力系統から解列する。
その後、系統安定化装置20は、端末装置30から事故発生後のオンライン情報を収集して事後演算を実行して、制御対象の発電機をさらに遮断する必要があるか否かを判断する。系統安定化装置20は、発電機の遮断が必要である判断した場合には、さらに発電機に対応する遮断器に遮断指令を与えるように端末装置30に指示する。端末装置30は、当該指示に従って、遮断器に遮断指令を与えることで、対応する発電機を電力系統から解列する。
ここで、事故発生後に系統安定化装置20にて実行される制御方式の一例について説明しておく。なお、以下の制御方式については、特開2011−254608号公報なども参照されたい。
系統安定化装置20は、事故発生後に収集した実測データから一つ前の動揺におけるデータを取り出して、電力相差角曲線の推定に必要な複数時点のデータを、当該取り出したデータに基づいて計算あるいは予測等の手段により準備する。次に、系統安定化装置20は、準備した複数時点のデータを用いて、電力相差角曲線(P−δ曲線)の未知係数を推定する。続いて、系統安定化装置20は、推定した電力相差角曲線と計測データから、加速エネルギーVAおよび減速エネルギーVDを算出する。
次に、系統安定化装置20は、加速エネルギーVAおよび減速エネルギーVDを比較して、減速エネルギーVDの方が大きい場合には、電力系統は安定であると判断して処理を終了する。一方、加速エネルギーVAの方が大きい場合には、系統安定化装置20は、電力系統は不安定であると判断して、発電機の遮断量が最小となる制御パターンを選択するとともに、当該制御パターンを行なった後の加速エネルギーVA#および減速エネルギーVD#を算出する(エネルギー再算出処理)。
系統安定化装置20は、加速エネルギーVA#および減速エネルギーVD#を比較して、電力系統が安定か否かを判断する(安定度判別処理)。減速エネルギーVD#の方が大きい場合には、系統安定化装置20は、選択した制御パターンによる制御が安定であると判断する。そして、系統安定化装置20は、当該制御パターンに基づいて発電機に対応する遮断器に遮断指令を与えるように端末装置30に指示して、処理を終了する。
一方、加速エネルギーVA#の方が大きい場合には、系統安定化装置20は、選択した制御パターンによる制御後も不安定であると判断する。そこで、系統安定化装置20は、次に遮断量が多い制御パターンを選択した上で、再度、上記エネルギー再算出処理および安定度判別処理を減速エネルギーVD#が加速エネルギーVA#を上回る制御パターンになるまで継続的に実行する。
<利点>
本実施の形態によると、電力系統内への太陽光発電および分散型電源の導入拡大により事前演算における不確定要素が増大する場合であっても、適切な安定度判別および安定度制御量の算出を実行することができる。そのため、電力系統における種々の不確定要因にも適切に対応することが可能となる。
また、本実施の形態によると、複数の不確定要素モデルの中から短時間での詳細安定度計算により最適な不確定要素モデルが選択され、当該選択されたモデルに対して基準時間での詳細安定度計算が実行される。そのため、オンライン型の事前演算に係る処理負荷などを軽減することができ、必要なサーバ数、コストの増大などを抑制することもできる。
[その他の実施の形態]
上述した実施の形態では、図1において、系統安定化装置20に対して複数の端末装置30A,30Bを設けるとともに、各端末装置が各種センサからの情報の入力および遮断指令の出力などを担当する構成例について説明した。しかしながら、これに限られず、各種センサからの情報が系統安定化装置20へ直接入力されるとともに、系統安定化装置20から遮断指令が直接出力される構成例であってもよい。
上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。
また、上述した実施の形態において、その他の実施の形態で説明した処理や構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 給電指令所、2 変電所、3 発電所、4 開閉所、6,8 母線、7 送電線、10 系統制御装置、20 系統安定化装置、30A,30B 端末装置、50,60 通信回線、102 プロセッサ、104 主記憶装置、106 二次記憶装置、108 インターフェイス、110 入力装置、112 出力装置、114 内部バス、120 電力系統安定化プログラム、150 事前演算部、152 詳細安定度計算部、154 選択部、160,206 データ格納部、202 系統情報収集部、204 安定化制御部、1000 系統安定化システム、CB1〜CB3 遮断器、CT1〜CT6 変流器、G1〜G3 発電機、TR1〜TR3 変圧器、VT1,VT2 変成器。

Claims (5)

  1. 電力系統の事故の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することにより当該電力系統を安定化するための系統制御装置であって、
    前記電力系統における複数の不確定要素の組み合わせから構成される複数のモデルを記憶する記憶部と、
    前記電力系統のオンライン情報を用いた事前演算を行なう事前演算部とを備え、
    前記事前演算部は、
    想定される事故における前記複数のモデルの各々に対して、安定度計算を予め定められた基準時間よりも短い時間実行し、
    前記複数のモデルの各々に対して前記短い時間実行した前記安定度計算の結果に基づいて、前記複数のモデルの中から1つのモデルを選択し、
    前記選択した前記1つのモデルに対して、前記安定度計算を前記予め定められた基準時間実行し、
    前記1つのモデルに対して前記予め定められた基準時間実行した前記安定度計算の結果に基づいて、前記想定される事故に対する前記制御対象の発電機の制御パターンを生成する、系統制御装置。
  2. 前記事前演算部は、前記複数のモデルのうち前記電力系統の安定度が最も低いモデルを前記1つのモデルとして選択する、請求項1に記載の系統制御装置。
  3. 前記事前演算部は、前記複数のモデルのうち前記電力系統の安定度が平均的なモデルを前記1つのモデルとして選択する、請求項1に記載の系統制御装置。
  4. 前記事前演算部は、前記複数のモデルのうち前記電力系統の安定度が最も低いモデルを前記1つのモデルとして選択したか否かを示す情報を、事故発生後の系統状態から電力系統を安定化させるために必要な事後演算を実行可能な系統安定化装置に送信する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の系統制御装置。
  5. 電力系統の事故の状況に応じて制御対象の発電機からの出力を制御することにより当該電力系統を安定化するための系統安定化システムであって、
    系統制御装置と、
    前記系統制御装置と通信可能に構成された系統安定化装置とを備え、
    前記系統制御装置は、
    前記電力系統における複数の不確定要素の組み合わせから構成される複数のモデルを記憶する記憶部と、
    前記電力系統のオンライン情報を用いた事前演算を行なう事前演算部とを含み、
    前記事前演算部は、
    想定される事故における前記複数のモデルの各々に対して、安定度計算を予め定められた基準時間よりも短い時間実行し、
    前記複数のモデルの各々に対して前記短い時間実行した前記安定度計算の結果に基づいて、前記複数のモデルの中から1つのモデルを選択し、
    前記選択した前記1つのモデルに対して、前記安定度計算を前記予め定められた基準時間実行し、
    前記1つのモデルに対して前記予め定められた基準時間実行した前記安定度計算の結果に基づいて、前記想定される事故に対する前記制御対象の発電機の制御パターンを生成し、
    前記系統安定化装置は、前記想定される事故の発生時に、前記制御パターンに従って前記制御対象の発電機を遮断する制御を行なう、系統安定化システム。
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