JPH07298498A - 電力系統の安定化方法および装置 - Google Patents

電力系統の安定化方法および装置

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JPH07298498A
JPH07298498A JP6086193A JP8619394A JPH07298498A JP H07298498 A JPH07298498 A JP H07298498A JP 6086193 A JP6086193 A JP 6086193A JP 8619394 A JP8619394 A JP 8619394A JP H07298498 A JPH07298498 A JP H07298498A
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JP6086193A
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Yutaka Komi
裕 小海
Masahiro Tanitsu
昌洋 谷津
Yuji Nakada
祐司 中田
Tsutomu Suzuki
努 鈴木
Norihiro Inoue
紀宏 井上
Hirohiko Hayano
博彦 早野
Hisatoku Ito
久徳 伊藤
Yasushi Miwa
靖 三輪
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Chubu Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】詳細安定度計算を行なう想定故障ケースの選択
とその演算順序を適正化し、信頼性の高い電制条件を決
定できる電力系統安定化方式を提供する。 【構成】電力系統安定化装置の制御用ホスト計算機11
は、電力系統の故障区間の遮断に際して、系統の過渡安
定度を維持するための電制条件を事前に求める電制情報
更新処理手段を備える。故障過酷度演算手段111は電
力系統からのオンラインデータに基づき、複数の想定故
障ケースについて各々の故障の過酷度を発電機の位相角
で求め、故障ケース選択手段112は過酷度がしきい値
を超える想定故障ケースを選択する。演算順序決定手段
113は選択された故障ケースの過酷度や故障ケースの
包含関係の上下により演算順序を決定し、その順序に対
応する計算データを演算割付手段(待行列)116に設
定し、シミュレーション用計算機12に順次、転送す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力系統安定化方式に係
り、特に想定故障ケースについて系統の安定度を事前判
定する方式に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統安定化装置は、送電線や母線の
故障に対して系統の過渡安定度を維持するために、必要
な量の電源を制御するシステムである。系統故障に対す
る安定度判定には事前演算方式と事後演算方式がある
が、前者は系統故障時の高速制御が可能である。
【0003】事前演算方式の電力系統電力安定化装置
は、たとえば電気学会電力技術研究会資料PE−92−
133(平成4年10月)に公知である。これには、5分
周期のオンラインデータで系統状態を推定しながら、予
め想定した複数の故障ケースについて安定度判定(シミ
ュレーション)を行い、不安定となる故障ケースの電制
条件を求め(制御対象電源の選定)、実際に故障が発生
した場合にはその電制条件に指定された発電機を電力系
統から切り離し、系統の安定化を図る制御が記載されて
いる。
【0004】この場合、対象となる電力系統で想定され
る故障ケースは、通常、100件程度と多数になるた
め、演算の時間的な制約が問題になる。そこで、発電機
間の加速力/減速力のアンバランス量を指標としてスク
リーニングし、数十件の故障ケースに絞ってシュミレー
ションを実行している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で、
スクリーニングの指標としている発電機間の加速力/減
速力のアンバランス量を利用しているが、発電機の動揺
の度合を端的に示す位相角については考慮されていな
い。
【0006】また、複数の想定故障ケースの安定度判定
のシミュレーションの順序に、故障の過酷度や故障ケー
ス間の相互関係に対する配慮がないので、各故障ケース
の演算順序が必ずしも適正でなく、過酷な故障ケースの
演算順序が後回しされて、結果的に安定となる事故ケー
スを先に処理している場合がある。このため、系統状況
が短時間に急変する場合(たとえば、昼休み時間の需要
急変など)の追随性に問題があり、実故障の安定化制御
に十分に対応できるものとはなっていない。
【0007】この結果、実際の故障の発生において、電
力系統から切り離す発電機の決定が遅れ、電制のミスに
よって故障が拡大し系統の安定化が困難になる事態も懸
念される。
【0008】もちろん、多数の故障ケースについて、多
数の計算機による高速の並列処理を実行することが考え
られる。しかし、この解決方法によっては、実際の過渡
安定処理ではほとんど利用されない無駄な計算を、高価
な計算機設備によって実施する事態が予想され、望まし
いものではない。
【0009】本発明の目的は、詳細安定度計算を実行す
る想定故障ケースの選択と演算順序を適正化して、信頼
性の高い電制条件を高速に決定できる電力系統安定化方
法を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、信頼性の高い電力系
統安定化の処理を、計算機や処理負荷を増大させること
なく実現できる電力系統安定化装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、複数の
発電機から電力を供給される電力系統の複数の想定故障
ケースについて、系統の安定を維持する電制条件を事前
決定する電力系統の安定化方法において、電力系統から
周期的にサンプリングされるオンラインデータに基づ
き、前記複数の想定故障ケースの各々における発電機の
位相角または位相角変化が所定のしきい値を超えるもの
を選択して系統の詳細安定度計算を行うことにより達成
される。
【0012】前記詳細安定度計算は、前記位相角または
位相角変化が大きい想定故障ケースの順に行うことを特
徴とする。
【0013】さらに、前記詳細安定度計算は、前記複数
の想定故障ケースで所定の包含関係にある故障ケース群
について、包含関係の上位のものを優先して演算するこ
とを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明では、多数の想定故障ケースについて、
発電機の動揺度合いを示す位相角をオンラインデータか
ら短時間に求め、位相角またはその変化がしきい値を超
える故障ケースをスクリーニングして詳細安定度計算を
行う。
【0015】これにより、シミュレーションされる想定
故障はその時々の故障の過酷度を考慮して選択されるの
で、実際に電源制御が必要となる過酷な故障との対応が
改善され、事前設定された電制条件によって故障時の過
渡安定度が維持できる。
【0016】さらに、詳細計算は選択された想定故障ケ
ースの過酷度の大きい順序に実行されるので、急変する
系統状態への追随性が改善され、電制条件の信頼度を向
上できる。
【0017】また、包含関係に有る事故ケースで包含関
係が上位の詳細計算を優先するようにしているので、そ
の結果より下位の不要な計算が省略でき、計算機を増設
することなく詳細計算が効率化され、詳細計算の高速化
または詳細計算件数の増加などが可能となって、電力系
統安定化装置の信頼性を向上できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0019】図2は、本発明が適用される電力系統安定
化システムの概略の構成を示したものである。電力系統
2は、点線内に模式的に示すように、複数の発電機3か
ら発生された電力を送電線4を介して負荷に供給する。
発電機3と送電線4の接続を断/続するしゃ断器5は、
安定化装置1の子局装置10a、10bによって制御さ
れる。
【0020】中央安定化装置1は通信網6を介し、電力
系統2の電圧や電流等の情報201を周期的に取込む。
この電力系統2に事故、たとえば送電線4のある地点に
落雷等による地絡が発生した場合、図示していない保護
リレー等によってこの地絡事故が検出され、事故地点を
含む保護区間の送電線4が切り離される。
【0021】これと共に、事故発生情報202が安定化
装置1の子局装置10a、10bへ送られる。子局装置
10はその電制テーブル100に、当該事故ケースに対
応して過渡安定のための電制条件、すなわち系統から切
離す発電機が設定されている場合、該当する遮断器5に
遮断情報203を送って遮断(電制)する。
【0022】中央安定化装置1は想定される複数の事故
ケースについて、オンラインデータに基づくシミュレー
ション、すなわち詳細安定度計算を定期的に行い、系統
が不安定になる事故ケースにおいて切り離す制御対象発
電機を決定し、設定情報204として各子局10に送っ
て電制テーブル100の電制条件を更新する。
【0023】図3は電力系統安定化装置の一構成例を示
したものである。通信網6は、電力系統2の各点の電圧
や電流や遮断器5などの状態(入/切)を、たとえば3
秒周期に取り込むための通信装置である。
【0024】中央安定化装置1は、二重化された制御用
ホスト計算機11a,11bと、シミュレーション用計
算機12a,12b及びLANなどの計算機間通信装置
13a,13bにより構成されている。シミュレーショ
ン用計算機12a,12bは通常、複数の計算機121
a,b〜124a,bを備え、複数の電力系統に対する並
列処理を可能にしているが、1の計算機によってもよ
い。
【0025】制御用ホスト計算機11は電力系統安定化
処理を統括制御するもので、本発明の要部で後述する詳
細安定度計算の事故ケースのスクリーニングや計算順序
決定なども行う。シミュレーション計算機12は、ホス
ト計算機11からシーケンシャルに割付け(転送)られ
る故障ケースの順序に、発電機の動特性をシミュレーシ
ョンして過渡時の安定度を判定する。
【0026】図4は、中央安定化装置1による電制情報
の更新処理フローを示すもので、5分程度の定周期で起
動される。まず、電力系統各点の電圧、電流や各遮断器
5の開/閉状態などの測定値が、通信網6を介して短時
間にオンラインデータとして取り込まれる(s10
1)。
【0027】このオンラインデータを初期値として、重
み付き最小二乗法により系統状態の測定誤差などを排除
する状態決定を行い(s102)、さらに、安定度的に
影響の小さい電圧の下位の系統を簡略化する系統縮約を
行う(s103)。
【0028】次ぎに、全ての想定故障ケースを対象にス
クリーニングを行い(s104)、詳細安定度計算を実
行する故障ケースを絞り込む。これは、故障ケースのシ
ミュレーションに長時間を要すると、制御対象の系統状
態が測定値から変化してしまい、シミュレーション結果
が現状とかけ離れて適切な制御ができなくなるためであ
る。
【0029】スクリーニングされた数件の想定故障ケー
スについて、該当する発電機の動特性をシミュレーショ
ンして安定度を計算し(s105)、この安定度が設定
されているしきい値を越えて、系統が不安定となる故障
ケースを判別する(s106)。さらに、不安定となる
故障ケースに含まれる発電機群の中から、当該故障ケー
スの発生時に切り離して系統の安定化を計る発電機を電
源制御(電制)対象候補として選定する(s107)。
【0030】故障ケースに対応して切離しする発電機を
示す電制条件は、設定情報204として子局10に送ら
れ、電制テーブル100の該当しゃ断器に設定する(s
108)。これにより、想定故障ケースに該当する実際
の故障が発生した場合に、直ちに子局10から遮断情報
203が送信されて電源制御、すなわち該当しゃ断器の
遮断による対象発電機の系統からの切り離しが行われ
る。
【0031】図5〜図7は、電力系統の故障発生時に、
系統内の発電機の動揺と系統不安定の関係を示したもの
である。発電機は図5の電力相差角曲線と図6の発電機
の出力変化状態に従い、発電機の位相角θは図7のよう
に変化する。
【0032】図5に示すように、故障前の発電機は電力
相差角曲線510に従い出力P0を維持している(運転
点a)。故障が発生すると一時的な電圧低下により、曲
線530のごとく発電機出力が低下する(運転点bから
運転点c)。電力系統から故障区間が遮断され除去され
ると(運転点e)、発電機出力は故障発生前の曲線510
に比べ、曲線520のように低下する。この状態で発電
機の回転周波数は増加して加速され運転点fへと移動す
る。このとき発電機の位相角θは大きくなる。
【0033】図6は、故障時の発電機の出力変化状態を
模式的に示したもので、動作点610は図5の運転点a
点、動作点620は運転点c、動作点630は運転点e
に相当する。
【0034】故障除去後の電力系統が安定を維持できる
か否かは、故障継続中の発電機出力低下分540(加速
エネルギー)と、故障除去後の発電機出力増加分550
(減速エネルギー)の大きさにより決まる。すなわち、前
者が大きい場合には動揺は拡大し系統は不安定となる。
【0035】図7(a)はこの例を示し、故障発生後の時
刻t1で、発電機の位相角θが限界(しきい値)を超え
て脱調を生じ、この結果、複数台の発電機間の同期運転
が困難になり、安定電力の供給ができなくなる。
【0036】一方、後者の方が大きい場合は、動揺は収
縮して系統は安定となる。図7(b)は、同図(a)と同
じケースで、故障除去後の時刻t2(t2<t1)に、
本実施例が対象とする電力系統安定化装置によって指示
された発電機を系統から切り放し、系統内に残る発電機
の減速エネルギーを増加することにより、系統全体の安
定度を維持した例である。
【0037】ところで、故障発生から故障除去を経て発
電機が脱調を生じるまでの時間(上記t1)は、通常1
〜2秒程度であり、系統安定化制御は200ms以下程
度で実行される必要がある。このために、複数の想定事
故ケースについて、オンラインデータに基づく詳細安定
度計算を定期的に行い、系統が不安定になる想定事故ケ
ース毎に切り離す発電機を前もって決定している。
【0038】以下に、詳細安定度計算を実行する想定故
障ケースの選択やその計算順序を、故障の過酷度より決
定して、電制情報の更新処理を行う系統安定化装置の詳
細を説明する。
【0039】図1は、本実施例で制御用ホスト計算機1
1に付加された、安定度演算手段110の機能ブロック
を示したものである。
【0040】電力系統に送電線や母線の故障が発生する
と、一時的な電圧低下により発電機の出力が減少し、回
転周波数が増加して位相角θが大きくなる。従って、発
電機の位相角θあるいは位相角変化△θは、故障ケース
の過酷度を示してもいる。
【0041】故障過酷度演算手段111は、現時点のオ
ンラインデータから所定の時刻tcにおける発電機の位
相角θ(あるいは位相角変化△θ)を推定する。これ
は、発電機の動きを微分方程式によるモデルで記述し、
電力系統の電圧、電流からなる回路方程式を逐次解く方
法、すなわち周知の安定度計算手法により求める。
【0042】図8は、3つの想定故障ケースについて、
各ケースの代表発電機についてサンプリング時点からの
位相角θの時間的推移を示したものである。この例で、
故障ケースの過酷度は、所定の時刻tc(たとえば1
秒)における各発電機の位相角θにより評価される。
【0043】なお、対象の電力系統中の一つの故障ケー
スに対応する複数の発電機間では、故障地点に近い発電
機ほど位相角θの変化が大きくなる場合が多いので、故
障地点に最も近いものを代表発電機として評価すること
ができる。もちろん、代表発電機を決めずに各々の位相
角θを評価するようにしてもよい。
【0044】故障ケース選択手段112は、各発電機の
位相角θが予め設定されているしきい値θreff(たとえ
ば150゜)を超える発電機を判定し、その発電機が含
まれる想定故障ケースを詳細安定度計算の候補として選
択し時刻tcの位相角θと共に、図9に示す詳細計算候
補テーブル115に設定する。本例で、図示のA1
2,B1,B2,C1の5つの想定事故ケースが詳細計算
候補である。
【0045】演算順序決定手段113は、詳細計算候補
テーブル115を参照し、各故障ケースの位相角θの大
きさの順に演算順序を決定する。ここで、スクリーニン
グされた5つの故障ケースにおける位相角θの大きさの
順位は、(数1)の関係にあるものとする。
【0046】
【数1】 θ1(A1)>θ3(B1)>θ2(A2)>θ5(C1)>θ4(B2) …(1) 演算順序決定手段113は演算順序を、A1→B1→A2
→C1→B2と決定し、各想定故障ケース毎の計算用デー
タを図示しない記憶装置から読みだして、演算割付手段
(待ち行列)116に設定する。
【0047】演算割付手段116は、設定された故障ケ
ースの順序に、すなわちA1のケースの計算用データか
らシリアルにシミュレーション用計算機12に転送す
る。そして、計算機12による1つの故障ケースの詳細
安定度計算の終了後に、次ぎの順位の故障ケースの計算
用データを転送する。
【0048】シミュレータ用計算機12が複数の並列計
算機で構成されている場合、たとえば図3の計算機12
1〜124では同時に4ケースの想定故障が並列処理さ
れる。通常、10台程度の計算機で数十件の詳細計算が
行なわれるので、電制データの更新処理の度に各計算機
には数回の割付けが実行される。
【0049】図10は、上記した詳細安定度計算のスク
リーニングと演算順序を決定するために、制御用ホスト
計算機11が実行する処理フローを示したものである。
【0050】まず、想定故障について所定時刻(tc)
までの電圧、電流から事前計算、すなわち代表発電機の
選定とその位相角θの計算を行う(s201)。次ぎに
所定時刻tcでの位相角θがしきい値を超えているか判
定し(s202)、超えている事故ケースの位相角の順
に計算順序を決定する(s203)。これを全想定故障
ケースについて繰返し(s204、s205)、スクリ
ーニングされた想定事故ケースとその計算順序に従い、
詳細安定度計算を実行するシミュレーション用計算機に
割付ける(s205)。
【0051】ところで、各想定故障ケースの中には相互
関係を有するものがある。すなわち、電力系統の同一地
点の故障について複数の故障ケースが想定でき、この場
合それらの故障ケース間には包含関係が存在する。
【0052】図11は、電力系統が放射状運用の場合の
包含関係を模式的に示したものである。同一地点の故障
では、3相4線地絡すなわち、3φ4LGの故障の過酷
度が最も高い。これに対し、3φ3LGと2φ3LGは
対等でそれぞれ3φ4LGに包含され、1φ2LGは2
φ3LGに包含され、包含関係が下位になるほど(図の
矢印と逆の方向)故障の過酷度が低下する。
【0053】従って、包含関係に有る故障ケース間の詳
細計算は、3φ4LG→3φ3LG/2φ3LG→1φ
2LGの順となる。図9に示したテーブルで、A1,A2
は送電線L1の3φ4LGと2φ3LGである。B1
2は送電線L2の3φ4LGと3φ3LG、C1は送電
線L3の3φ4LGの故障ケースで、故障ケースの包含
関係は故障ケース名や送電線名によって示される。
【0054】なお、電力系統がループ運用の場合は、3
相6線地絡(3φ6LG)の過酷度が最も厳しく、次い
で3φ4LG→3φ3LG/2φ3LG→1φ2LGの
順となる。
【0055】演算順序決定手段113は、詳細計算候補
テーブル115を参照し、各故障ケースの位相角θと共
に包含関係も考慮して計算順序を決定してもよい。すな
わち、包含関係の無い故障ケースは位相角θの大きさ
で、包含関係の有る故障ケースは包含の上下関係で計算
順序を決定する。これによって、演算順序の決定がより
正確に行われる。
【0056】演算順序変更手段114は、シミュレーシ
ョン用計算機12の演算結果に基づいて、演算順序決定
手段113により決定された演算順序を変更する。すな
わち、詳細安定度の計算結果により、ある想定故障ケー
スが実際に発生しても系統の安定は維持されることが明
らかとなった場合、当該故障ケースに包含される下位の
故障ケースの有無を詳細計算候補テーブル115よりチ
エックし、包含される下位の故障ケースが有る場合は、
テーブル115及び演算割付手段116における当該下
位の故障ケースの設定を取り消す。
【0057】演算割付手段116は、設定されている想
定故障ケースの計算データが取消された場合、他の故障
ケースの設定順番を繰り上げ、変更された新たな順番で
各故障ケースの計算データを割付る。例えば、送電線L
1においては3φ4LGでも安定と判定された場合、同
じ送電線L1における2φ3LGの故障ケースA2の計
算は取り消され、次ぎの順位の故障ケースC1が割り付
けられる。
【0058】これによれば、現時点の系統状態で過渡不
安定になる恐れのない事故ケースを除外するので、詳細
安定度計算が効率化される。その分、他の故障ケースの
計算が早められ、あるいは詳細計算する故障ケースの件
数を増やすことができる。
【0059】
【発明の効果】本発明の電力系統安定化方法によれば、
過渡安定度を詳細計算する想定故障ケースを、オンライ
ンに評価する故障の過酷度に従って選択するので、実際
に発生する過酷な故障との対応が改善され、事前に決定
する電制条件の信頼性を向上できる効果がある。
【0060】さらに、故障の過酷度および/または想定
故障ケース間の相互関係から詳細安定度計算の順序を決
定するので、演算の高速化と効率化が可能になり、計算
機を増設することなく信頼性の高い電力系統安定化装置
を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力系統安定化装置の一実施例で、安
定度演算手段の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明を適用する電力系統安定化システムの概
略の構成図である。
【図3】中央安定化装置の一実施例の構成図である。
【図4】中央安定化装置の概略動作を示す処理フロー図
である。
【図5】系統故障時の発電機の動揺を示す電力相差角曲
線を示す説明図である。
【図6】系統故障時の発電機の出力変化状態を示す説明
図である。
【図7】系統故障時の発電機の位相角の動揺を示す説明
図である。
【図8】故障ケースによる発電機の位相角の変化を示す
説明図である。
【図9】詳細計算候補テーブルの構成図である。
【図10】想定事故ケースのスクリーニングと詳細安定
度計算の演算順序を決定するために、制御用ホスト計算
機が実行する処理フロー図である。
【図11】想定故障ケース間の包含関係を説明する模式
図である。
【符号の説明】
1…中央安定化装置、2…電力系統、3…発電機、4…
送電線、5…しゃ断器、10…子局、11…制御用ホス
ト計算機、12…シミュレーション用計算機、110…
電制情報更新処理手段、111…故障過酷度演算手段、
112…故障ケース選択手段、113…演算順序決定手
段、114…演算順序変更手段、115…詳細計算候補
テーブル、116…演算割付手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 祐司 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 鈴木 努 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 井上 紀宏 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 早野 博彦 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 伊藤 久徳 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 三輪 靖 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発電機から電力を供給される電力
    系統の複数の想定故障ケースについて、系統の安定を維
    持する電制条件を事前決定する電力系統の安定化方法に
    おいて、 電力系統から周期的にサンプリングされるオンラインデ
    ータに基づき、前記複数の想定故障ケースの各々におけ
    る発電機の位相角または位相角変化が所定のしきい値を
    超えるものを選択して系統の詳細安定度計算を行うこと
    を特徴とする電力系統の安定化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記詳細安定度計算は、前記位相角または位相角変化が
    大きい想定故障ケースの順に行うことを特徴とする電力
    系統の安定化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記詳細安定度計算は、前記複数の想定故障ケースで所
    定の包含関係にある故障ケース群について、包含関係の
    上位のものを優先して演算することを特徴とする電力系
    統の安定化方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記包含関係は、同一地点の故障において、系統が放射
    状構成の場合は3相4線地絡、系統がループ状構成の場
    合は3相6線地絡が最上位で、各々の1相2線地絡が最
    下位となる電力系統の安定化方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4において、 前記包含関係の上位の故障ケースの詳細安定度計算の結
    果、系統の安定を維持できると判定された場合は、前記
    上位の故障ケースに包含される下位の故障ケースの詳細
    安定度計算を中止することを特徴とする電力系統の安定
    化方法。
  6. 【請求項6】 複数の発電機からしゃ断器を介し送電線
    や母線を経由して負荷に電力を供給する電力系統の故障
    に際して、系統の過渡安定度を維持するために切り離す
    発電機を指示する電制条件を事前に求め、故障発生時に
    該当する電制条件によって指示されたしゃ断器を開放し
    て電源制御を行う電力系統安定化装置において、 電力系統から周期的にサンプリングされるオンラインデ
    ータに基づき、複数の想定故障ケースの各々について前
    記発電機の位相角または位相角変化に応じた故障の過酷
    度を求め、その過酷度がしきい値を超える想定故障ケー
    スを選択するスクリーニング手段と、前記選択された想
    定故障ケースが複数の場合に前記故障の過酷度が大きい
    順に対応する計算データを割付ける演算順序決定手段
    と、前記割付けられた計算データに基づく詳細安定度演
    算を行って対応する想定故障ケースによる系統の安定ま
    たは不安定を判定する詳細安定度計算手段を備えること
    を特徴とする電力系統安定化装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記演算順序決定手段は、前記複数の想定故障ケースに
    ついて包含関係のあるものについてその上下関係を設定
    し、前記包含関係の上位のものを優先して割付ける手段
    と、前記詳細安定度計算手段による前記包含関係の上位
    の演算結果に従って前記割付けを変更する手段を備える
    ことを特徴とする電力系統安定化装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、 前記詳細安定度計算は、前記発電機の動特性解析を含む
    ことを特徴とする電力系統安定化装置。
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