JP4616206B2 - 電力系統安定度判定方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、電力系統安定化システムに係り、特に複数の発電機の動揺状態を模擬して電力系統の過酷度を表す指標値を求め、電力系統の安定度を判定する方法及び装置に関する。
電力系統に生じる電気的な系統状態量の動揺を抑制する電力系統安定化システムとして、例えば送電線などの故障に対して、系統の過渡安定度を維持するために必要な量の発電機を遮断する制御(電源制限と呼ぶ)がある。また、周波数低下時に系統の動揺を抑制するために必要な量の負荷を遮断する制御(負荷制限と呼ぶ)がある。これらの動揺抑制の制御は、電力系統の現在の状態に対応させて適合調整することが望ましい。
一方、電力系統の現在状態で生じる可能性のある系統状態量の動揺を事前に予測し、これに従って動揺抑制の制御内容を予め設定しておき、動揺が発生したときに設定した制御を行う方法がある。例えば、非特許文献1の「オンライン安定度計算による脱調未然防止システム(TSC)の開発」に述べられているように、送電線などの故障に対して系統の過渡安定度を維持するために必要な量の発電機を遮断するシステムがある。このシステムは、系統状態を常時オンラインで取り込み、複数の想定される故障ケ−スについて、事前に過渡安定度計算を行って、必要な量の遮断発電機(電源制限対象発電機、以下電制機と呼ぶ)を求めておき、これを数分間隔で更新する。そして、実際に故障が発生した場合は、発生した故障内容に対応する予め定めた電制機を検索し、これを実際に遮断することにより電力系統の安定化を図るものである。
しかし、TSCは系統故障時等の系統動揺を詳細な過渡安定度計算によってシミュレーションすることを前提とし、過渡安定度計算の入力デ−タとして、対象系統全体の構成デ−タ及び状態量デ−タを必要とする。また、1回の過渡安定度計算は1台の計算機で実行される。このため、過渡安定度計算に必要なデ−タ全てを、過渡安定度計算を行う1台の計算機内に取り込む必要がある。対象とする電力系統が広範囲になると、広範囲な系統各部から大量のデ−タを取り込み、例えば、数百ケースの過渡安定度計算を行う必要が生じる。この結果、処理時間が長くなる恐れがあり計算機の台数を増やしても、電力系統内の機器の入り切りや電力需要の急変など電力系統の状態が短時間に変化する場合などには適切な対策手段が遅れる問題がある。
これに対して、特許文献1に記載の「電力系統の安定度判定方式」では、想定故障について故障除去後の系統構成による安定度の差を示す減速力の発電機間のアンバランス量(DP値)を安定度指標として、安定か不安定かを判定する方式が知られている。
電気学会論文誌B115巻1号(平成7年1月) 特開平7−135738号公報
しかしながら、特許文献1の方式では、系統設備の変更、例えば送電線のループから放射状系統への切り替わりなど、大幅な系統状態変化に対応してDP値も変化する。そのため、DP値に対するしきい値を時々刻々再評価することが必要であり、系統過酷度が急変する場合には、速やかに対応できない問題がある。また、このDP値は故障除去後の発電機制御装置の動特性を考慮していないため、想定故障の過酷度を適切に表現できていないと考えられる。
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、対象系統の状態が短時間に大幅に変更しても、適切な安定化対策を提供できる電力系統安定度判定方法を実現することにある。
本発明の電力系統安定度判定方法は、想定する故障ごとの計算を行うにあたり、故障発生後の短時間の現象を状態模擬し(簡略安定度計算によるシミュレーション)、複数の発電機の角速度や内部位相角から算出される電力系統の過酷度指標値を求め、系統が安定か不安定かを短時間に決定できるようにしたものである。
すなわち、電力系統の状態を表す状態量を用いて複数の想定故障計算を行う電力系統安定度判定方法において、故障発生後の短時間における電力系統の状態模擬を行い、系統内の発電機毎にその運動エネルギーの故障発生前を基準とした増加率を求め、前記増加率の最大値である第1の指標値と、前記増加率の積分値の最大値である第2の指標値を求め、前記第1と第2の指標値を用いて不安定となる電力系統の想定故障を選択することを特徴とする。前記第1の指標値が2.5以上、あるいは前記第2の指標値が0.5以上である場合を、不安定となる想定故障として選択する。
なお、前記電力系統の状態模擬は、計算時間短縮の観点から、簡略安定度計算によって行うことが望ましい。
また、前記第1の指標値及び前記第2の指標値を正規化し、それらの積による第3の指標値を求め、該第3の指標値の大きさで前記不安定となる想定故障の過酷度を順位付けすると良い。これにより、系統安定度がより過酷となる想定故障から優先して詳細安定度を計算することができるので、本発明の電力系統安定度判定方法含んだ電力系統安定化システム全体としての計算時間を短縮化するとともに、適切な安定化対策を行うことが可能となる。
また、前記状態模擬を行う想定故障発生後の短時間には、故障の発生した送電線が再閉路され、加速していた発電機が減速に移行して加速が止まる点が含まれるようにするのが良い。これにより、第2の指標値を適正に算出、評価することが可能となる。
又は、上述の前記第1の指標値及び前記第2の指標値から不安定となる電力系統の想定故障を選択することに代えて、前記第3の指標値と、想定故障地点として定義されるところの送電線路または母線に流れる電力との関係から、想定故障地点の電力が増加した場合に、想定故障に対し不安定と判定してもよい。これにより、系統状態が短時間に急変した場合でも、適切な安定化対策を行うことが可能となる。
また、本発明の電力系統安定度判定装置は、系統情報を取り込む手段と、故障発生後短時間の系統の状態模擬を行うシミュレーション手段と、前記状態模擬の結果に基づいて系統内の発電機毎にその運動エネルギーの故障発生前を基準とした増加率を求め、前記増加率の最大値である第1の指標値と、前記増加率の積分値の最大値である第2の指標値を求め、前記第1と第2の指標値を用いて不安定となる電力系統の想定故障を選択する手段を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、想定故障に対する電力系統の安定度を速やかに、かつ適切に判定できるので、系統の過酷度が短時間に変化した時に、適切な安定化対策を実施できる効果がある。
本発明の実施形態は、電力系統の状態を表すオンラインデータを用いて系統の過酷度を判定する装置100と、電力系統の運用を行う系統監視システム110を備える電力系統安定度判定システムである。
系統過酷度判定装置100は、系統情報取り込み手段101と、最も確からしい系統状態を推定する状態推定手段102を持つ。また、想定される故障に対する簡略安定度計算を行う簡略安定度計算手段103とその結果により系統過酷度を表す指標値を算出する過酷度指標値算出手段104と安定不安定を判定する安定不安定判定手段105を持つ。つまり、簡略安定度計算による状態模擬の結果に基づいて、系統内の発電機毎にその運動エネルギーの故障発生前を基準とした増加率を求め、前記増加率の最大値である第1の指標値Keと、前記増加率の積分値の最大値である第2の指標値KEを求める。このKeとKEを用いて不安定となる電力系統の想定故障を選択し過酷度の順位付けを行う。さらに、その結果を系統監視システム110に送信するデータ送信手段106を持つ。
なお、本実施形態における系統状態取り込み手段101が本発明の系統情報を取り込む手段に該当し、状態推定手段102及び簡略安定計算手段103が本発明のシミュレーション手段に該当し、過酷度指標値算出手段104及び安定不安定判定手段105が本発明の電力系統の想定故障を選択する手段に該当する。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の電力系統安定度判定方法を用いた系統安定化システムの一実施例による構成図である。系統過酷度判定装置100は、電力系統の状態を示すオンラインの給電情報を30秒程度の周期で取り込み、系統で発生する可能性がある想定故障数百ケースにわたって過酷度を求める。系統監視システム110は、系統の送電電力などの測定、監視するとともに、系統過酷度の判定結果にもとづいて、発電機出力の調整や遮断器などのスイッチの入り切りなどの系統設備変更を行うシステムである。
系統過酷度判定装置100は、周期的に莫大なケース(例えば数百ケース)の想定故障に対して過酷度を指標化し安定か不安定かを判定する必要があり、その周期演算の時間を極力短くすることが必要である。
図2は系統安定化システムを系統へ適用する概略構成を示す。201は図1に示した系統安定化システムであり、203a〜203dは電力を発生する発電機であり、202は電力を消費する需要家設備を含む電力系統を示す。系統安定化システム201は、電力系統202で発生する故障に対し、発電機203a〜203dの動揺をシミュレーションし、不安定にならないような系統切替や発電機出力調整などの予防対策を決定する。
図3は電力系統内の発電機の動きを示す説明図である。送電線に複数の発電機がつながっている場合で、送電線に地絡事故などが発生した場合の各発電機の動きを示している。
送電線に地絡が発生すると送電電力Pは故障除去するまで低下する。その間、発電機のAVR、PSSの効果により、発電機内部誘起電圧が上昇して送電電力は増加する。その間における発電機の概略動作は、発電機の出力Pと位相角δの関係を示すP−δカーブで説明できる。
例えば、送電線において系統故障が発生すると、送電電力が故障発生から故障除去までの間(数字(1)〜(4))は低下する。このとき、複数の発電機は加速し位相角が大きく変動する。この場合、発電機のAVRやPSSなどの制御装置の特性や発電機の慣性定数などの違いにより、同じ発電所に設置された発電機でも動作に違いが生じる。図3の左下のように、位相角が大きく変動し不安定になりやすい特性の発電機と、右下のように、位相角の変動が小さく安定している特性の発電機が存在する。
これらの安定・不安定を表す指標値を短時間に求めることが、系統安定化システムに要求される仕様である。故障が発生した送電線の両端の遮断機が投入され再閉路されると((5))、発電機の出力は元の出力P01(又は P02)(=機械系入力)よりも高くなるので、発電機は減速される。この減速により加速が止まる点((6))が、元のP01(P02)とP−δカーブの交点からどの程度離れているかによって、発電機の余裕が大きいか小さいかを判断できる。
したがって、地絡事故などが発生した場合にも、少なくとも図3の数字(0)−(6)の期間を含む発電機の内部位相角等のファーストスイングについて電力系統をシミュレーションし、各発電機の余裕の程度を調べれば、より不安定な発電機をスクリーニングすることが可能である。なお、電力系統には各種の発電機が存在し、時々刻々と元の出力P01(P02)も変化するため、等価的な発電機で議論するのは困難である。
図4は系統故障発生直後における電力系統の過酷度を示す第一の指標値Ke及び第二の指標値KEと、発電機内部位相角を示すグラフである。指標値Keは、各発電機の運動エネルギーの故障発生前からの増加率Kei(%)の最大値であり、次式によって表される。
Kei={Mi(ω0i+ωi)(ω0i+ωi)/2−Miω0iω0i/2}÷Miω0iω0i/2
=(ωi/ω0i){2+(ωi/ω0i)} (1)
Ke=max(Kei) (2)
ここで、i:発電機番号、ω0i:故障発生前の発電機iの角速度、ωi:故障発生後の発電機iの角速度、Mi:発電機iの慣性定数である。
さらに、発電機の運動エネルギーの増加率Keiを時間積分した値であるKEiの最大値KE(s%)を、以下のよう求める。ただし、θは内部位相角、θiは位相角変化である。
KEi=∫Kei/2 dt (3)
θi=∫ωidt≒ω0i∫Kei/2 dt=ω0i・KEi (4)
KE=max(KEi) (5)
(3)−(5)式から、KEが内部位相角θの最大値に近似的に比例することが分かる。
図4における数字((1)〜(6))は、図3の数字((1)〜(6))に対応している。すなわち、送電線故障が除去され再閉路されるまで((1)〜(4))は発電機が加速するため、運動エネルギーの故障発生前からの増分比率Kei(%)は増加する。この増分率Keiの最大値が第1の指標値Keとなる。
再閉路の後、加速が止まる点((6))では、運動エネルギーの故障発生前からの増分比率Kei(%)は零にもどり、(3)式で定義したKeiの積分値KEiは最大となる。このKEiの最大値を第2の指標値KEとする。第一の指標値Keと第二の指標値KEを用いることで、系統の過酷度の変化を適切に表すことができる。このことは、シミュレーション結果を用いて詳細に後述する。
図5は電力系統の過酷度を表す指標値を求める算出手段の処理フローを示す。これは簡略安定度計算手段103と過酷度指標値算出手段104と安定不安定判定手段105によって実行される。全ての想定故障について(S101)、簡略安定度計算と呼ばれる手法により短時間にシミュレーションを行い(S102)、指標値Ke、KEを求める(S103)。指標値Keが2.5未満、かつ指標値Keが0.5未満であれば(S104、S105)、安定ケースとして指標登録する(S106)。一方、指標値Keが2.5以上、あるいは指標値KEが0.5以上であれば、不安定ケースとして指標登録し(S107)、指標値Ke,KEから第3の指標値Ke’を求め、Ke’順に過酷であると登録する(S108)。
ここで簡略安定度計算とは、発電機励磁制御系等の制御系を簡略化し、不平衡故障を模擬するために正相回路と逆相・零相回路を表す等価インピーダンスを組み合わせる計算手法である。積分公式として、ルンゲクッタ法に比べ展開式の次数が少ない台形積分法を用いて高速演算行う。
この簡略安定度計算により、故障発生後における発電機の位相角の第1ピークが発生する時刻((6)に相当)、一般的には1秒間程度の現象をシミュレーションし、全ての発電機の動きを求める。それから(2)式と(5)式に基づいて指標値KeとKEを求め、安定か不安定か分類する。系統の過酷度としては、第一の指標値Keと第二の指標値KEを組み合わせた第三の指標値Ke’に基づいて決定する。なお、具体的には図8を参照しながら後述する。
発電機が安定か不安定かを示す目安として、P−δカーブ(図3)の内部位相角δが初期の位相角から110°程度まで変化するか否かで判断することができる。この110°に相当する値として、指標値Keは2.5(%)、指標値KEは0.5(%s)がそれぞれ安定限界を示すことになり、これらの指標をもとに過酷度算出を行う。
図6に指標値Keのある1日間に亘る変動の一例を示す。図中の現在値(黒丸)は、現在潮流における指標値Keである。一方、限界値(四角)は、故障継続時間を10ms刻みで伸ばして行き、不安定になる限界での指標値Keを示し、安定限界の指標値と現在値の指標値の差が、安定度の余裕を示すと考えられる。
この例は、故障点を想定した送電線と基幹送電線との間の系統が、ループ系統から放射系統に、系統切り替え操作により変化した場合である。11:39から11:42にかけてループから放射状に切り替わり、安定限界を表す指標値が3.5から2.5へ減少して、系統の安定度余裕が小さくなっていることを示している。
図7に故障様相の違いによる指標値の変化の例を示す。2相3線地絡故障(2φ3LG)と、3相4線地絡故障(3φ4LG)では電源制限が必要となるケースで、横軸は電源制限が必要な台数、縦軸は指標値Keである。このケースではEVA(Early Valve Actuation)も行っており、電制台数約0.5台相当として扱っている。
一般に、故障様相としては、3相3線地絡故障(3φ3LG)、1相2線地絡故障(1φ2LG、1回線は再閉路失敗)、2相3線地絡故障(2φ3LG)と、3相4線地絡(3φ4LG)の順に不安定様相が高まる。図7の指標値Keの大きさはこの不安定順を適切に表現できていると考えられる。また、電源制限を行う台数が増えると故障発生後の加速エネルギーを取り除く量が増えるので、安定余裕度は増えることになるが、この図の指標値Keはその動きを適切に表していると考えられる。
図8に電源制限必要量と指標値の関係の一例を示し、(a)は指標値Ke、(b)は指標値KE、(c)は指標値Ke’を示す。横軸は必要電源制限量を示し、ある時刻の系統断面における500kVと275kV系統の想定故障点における詳細過渡安定度計算結果から求めたものである。
発電機の内部位相角δが110°程度となる安定限界で、Keの安定限界を示す値2.5(%)と、KEの安定限界を示す値0.5(%s)の指標値をそれぞれ正規化し、その積をとった第三の指標値Ke’を求める。Ke’は次式で表される。
Ke’=(Ke/2.5)*(KE/0.5) (6)
この式は、不安定な状態では指標値Keは2.5より大きくなり、また指標値KEも0.5より大きくなるため、Ke’が1.0より大きくなるか否かで、安定か不安定を判断できることを意味する。
図8において、指標値Keは2.0程度でも電制が必要なケースが存在している。一方、指標値KEは電制量が増えても指標値KEには大きな変化が無く、故障の過酷度を適切に表現できないケースも存在する。これらに対し、式(6)で定義する第三の指標値Ke’は、電制必要量との比例関係が強く、より適切な指標値であると考えられる。従って、図5に示したように、不安定なケースに対して指標値Ke’の順に過酷と判断することができる。
次に、本発明の電力系統安定度判定方法に関する他の実施形態を説明する。なお、本実施形態における電力系統安定化システムの構成等は上述の実施形態と同様であるため、上述の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図9は、指標値Ke’と想定故障の送電線に流れている送電電力との関係を示す。この図において、電制なし(図8の電制量が0)における各想定故障地点毎の送電電力の実測値(黒丸)から求めた近似直線と、Ke’=1の線との交点から、各想定故障地点毎の安定限界送電電力Pcを求める。Pcは系統過酷度判定装置100(より具体的には安定不安定判定手段105)で求めておき系統監視システム110に送信する。系統監視システム110は、実際にこの装置が測定している送電電力(想定故障地点として定義されるところの送電線路または母線に流れる電力)が安定限界送電電力Pcより大きくなる場合は、自律的に不安定であると判断する。そして、実際に想定故障が発生した場合を想定した予防対策を実施する。
これにより、通常は安定なため安定限界送電電力が求められていない想定故障ケースに対しても対応できる。すなわち、系統変更等により短時間に安定から不安定に系統状態が急変する場合に、系統監視装置による自律的な安定化対策追加を可能とする効果がある。
近似直線の描き方としては、指標値Ke’が一個しか存在しない場合(系統過酷度判定装置を起動した直後など)は、原点とこの一個の点を結ぶ直線を近似直線として扱う。その後の指標値Ke’が複数存在する時点には、指標値Ke’の複数の分布点からの距離を最少にする手法などにより近似直線を引くことができる。また、複数のKe’については、現在時点から数時刻前(例えば、3分おきに5回計算する場合は15分前)までに求めた指標値Ke’を採用し、系統状態が変化していると推測される長時間前の古い指標値の影響を取り除くことができる。
本発明の一実施例による電力系統安定化システムの構成図。 本発明が対象とする電力系統設備の構成図。 電力系統における故障発生時の発電機の動揺の例を示す説明図。 電力系統の過酷度を示す指標値と発電機内部位相角の動揺を示す説明図。 指標値を算出する計算処理の流れを示すフロー図。 電力系統の構成変化による指標値の変化を示す特性図。 電力系統の故障様相毎の指標値の大きさを示す説明図。 詳細過渡安定度計算から求めた電源制限必要量と各指標値の関係を示す説明図。 過酷度を示す指標値と送電線に流れている有効電力との関係から安定限界送電電力を示す説明図。
符号の説明
100…系統過酷度判定装置、101…系統情報取り込み手段、102…状態推定手段、103…簡略安定度計算手段、104…過酷度指標値算出手段、105…安定不安定判定手段、106…データ送信手段、110…系統監視システム、201…系統安定化システム、202…電力系統設備、203…発電機。

Claims (4)

  1. 電力系統の状態を表す状態量を用いて複数の想定故障計算を行う電力系統安定度判定方
    法において、
    想定故障発生後の短時間における電力系統の状態模擬を行い、系統内の発電機毎にその
    運動エネルギーの故障発生前を基準とした増加率を求め、前記増加率の最大値である第1
    の指標値と、前記増加率の積分値の最大値である第2の指標値について、これを正規化し、それらの積による第3の指標値を求め、該第3の指標値の大きさで前記不安定となる想定故障の過酷度を順位付けすることを特徴とする電力系統安定度判定方法。
  2. 請求項において、前記電力系統の状態模擬は、簡略安定度計算によっ
    て行われることを特徴とする電力系統安定度判定方法。
  3. 請求項1−2のいずれかにおいて、前記状態模擬を行う想定故障発生後の短時間には、
    故障の発生した送電線が再閉路され、加速していた発電機が減速に移行して加速が止まる
    点を含むことを特徴とする電力系統安定度判定方法。
  4. 電力系統の状態を表す状態量を用いて複数の想定故障計算を行う電力系統安定度判定方
    法において、
    想定故障発生後の短時間における電力系統の状態模擬を行い、系統内の発電機毎にその
    運動エネルギーの故障発生前を基準とした増加率を求め、前記増加率の最大値である第1
    の指標値と、前記増加率の積分値の最大値である第2の指標値を求め、前記第1の指標値
    及び前記第2の指標値を正規化し、それらの積による第3の指標値を求め、前記第3の指
    標値と、想定故障地点として定義されるところの送電線路または母線に流れる電力との関
    係から、想定故障地点の電力が増加した場合に、想定故障に対し不安定と判定することを
    特徴とする電力系統安定度判定方法。
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