JP2022166616A - 電力系統監視装置およびその監視方法 - Google Patents

電力系統監視装置およびその監視方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022166616A
JP2022166616A JP2021071946A JP2021071946A JP2022166616A JP 2022166616 A JP2022166616 A JP 2022166616A JP 2021071946 A JP2021071946 A JP 2021071946A JP 2021071946 A JP2021071946 A JP 2021071946A JP 2022166616 A JP2022166616 A JP 2022166616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
section
power system
severe
cross
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021071946A
Other languages
English (en)
Inventor
翔太 逢見
Shota OMI
泰之 多田
Yasuyuki Tada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2021071946A priority Critical patent/JP2022166616A/ja
Priority to PCT/JP2022/015274 priority patent/WO2022224730A1/ja
Publication of JP2022166616A publication Critical patent/JP2022166616A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q50/00Systems or methods specially adapted for specific business sectors, e.g. utilities or tourism
    • G06Q50/06Electricity, gas or water supply
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J13/00Circuit arrangements for providing remote indication of network conditions, e.g. an instantaneous record of the open or closed condition of each circuitbreaker in the network; Circuit arrangements for providing remote control of switching means in a power distribution network, e.g. switching in and out of current consumers by using a pulse code signal carried by the network
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J3/00Circuit arrangements for ac mains or ac distribution networks

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Economics (AREA)
  • Primary Health Care (AREA)
  • Tourism & Hospitality (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Human Resources & Organizations (AREA)
  • Marketing (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Strategic Management (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Business, Economics & Management (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)

Abstract

【課題】系統運用者が指定する信頼性指標に基づいて、信頼性上過酷となる将来の潮流状態を抽出する電力系統監視装置及びその監視方法を提供する。【解決手段】電力系統の潮流状態を想定する電力系統監視装置1は、信頼性指標を入力する入力部201と、系統パラメータを格納する系統パラメータデータベースDB2と、状態推定断面を格納する状態推定断面データベースDB3と、電力需給の予測情報を格納する予測情報データベースDB4と、電力系統の要因が変動するか一定であるかを設定する変数・定数種別を格納する変数・定数種別データベースとDB5と、過酷予見潮流断面および信頼性指標値を生成する過酷予見潮流断面生成部203と、過酷予見潮流断面と信頼性指標値を格納する過酷予見潮流断面データベースDB6と、過酷予見潮流断面と信頼性指標値を表示する表示部204と、過酷予見潮流断面と信頼性指標値を出力する出力部205と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、電力系統の監視を実施する電力系統監視装置およびその監視方法に関する。
電力系統の運用方策を適切に立案するためには、電力系統の現在および将来の状態を把握・予測する必要がある。電力系統の状態とは具体的には、母線の電圧、母線から流出入する有効電力・無効電力、送電線を流れる有効電力潮流・無効電力潮流などの潮流状態が挙げられる。潮流状態および潮流状態に基づく安定性解析等の結果に基づき、電力系統を安定に運用するための運用方策が立案される。
電力系統の現在の潮流状態は、電力系統の各所に設置された計測器から収集した計測値に基づいて求められる。ただし、収集した計測値は計測誤差や、計測時刻の不一致、通信障害等による欠損や伝送遅延などに起因する様々な誤差が含まれている。不整合のある計測値群からもっともらしい潮流状態を決定するには状態推定が用いられる。一般的に、状態推定は電力系統の潮流方程式を満たしつつ、状態推定によって求める推定値と計測値の残差を最小とする最適化問題として記述される。
一方、将来の潮流状態は、現在の潮流状態および将来の想定需要や再生可能エネルギー(以下、「再エネ」とも表記する)発電の想定出力に基づいて求められる。
現在から将来にかけて潮流状態がどのように変化するかは、電力系統の運用方策を決定する上で非常に重要な情報となる。ただし、需要や再エネ発電出力は系統運用者により操作することができないため一定程度の不確実性を伴い、この不確実性の範囲内で将来の潮流状態を想定する必要がある。
前記の課題に関連する技術として、例えば特許文献1がある。
特許文献1の[要約]には、「[課題]電力系統に含まれる不確実な要素を考慮した信頼度の評価を行うことができる電力系統監視システム、電力系統監視方法、およびプログラムを提供すること。[解決手段]実施形態の電力系統監視システムは、推定部と、信頼度評価部と、判定部と、制御内容決定部とを持つ。信頼度評価部は、推定部により推定された複数の状態に基づいて、電力系統設備の電力供給の信頼度を導出する。判定部は、信頼度評価部により複数の状態のそれぞれについて導出された信頼度に基づいて、信頼度に関する所定条件が満たされたか否かを判定する。制御内容決定部は、判定部により所定条件が満たされないと判定された場合、信頼度を改善するための電力系統設備に対する制御内容を決定する。」と記載され、電力系統監視システムの技術が開示されている。
このように、特許文献1では、再エネ発電出力の確率分布に基づく予測値の組み合わせパターンを用いて、将来の電力系統の潮流状態を複数作成し、複数の潮流状態に対する信頼度評価に基づいて制御内容を決定する電力系統監視システム、電力系統監視方法、およびプログラムが開示されている。
特開2019-216534号公報
しかしながら、特許文献1に開示された電力系統監視システム、電力系統監視方法、およびプログラムでは、想定される不確実要因の組み合わせを網羅的に評価する必要があり、設備の1単位についての故障のN-1想定故障等も踏まえると膨大な数の組み合わせを評価しなければならないという課題(問題)がある。
本発明は、前記課題に対応するために、ユーザ(系統運用者)が指定する信頼性指標に基づいて、電力系統の信頼性上、過酷となる将来の潮流状態を想定、抽出する電力系統監視装置、およびその監視方法を提供することを課題(目的)とする。
前記の課題を解決するために、本発明を以下のように構成した。
すなわち、本発明の電力系統監視装置は、電力系統の将来における潮流状態を想定する電力系統監視装置であって、電力系統の状態を想定する際に信頼性を表す指標である信頼性指標を入力する入力部と、電力系統の系統パラメータを格納する系統パラメータデータベースと、電力系統の状態推定演算によって生成される状態推定断面を格納する状態推定断面データベースと、電力系統の電力需給の予測情報を格納する予測情報データベースと、電力系統の要因が変動するか一定であるかを設定する変数・定数種別を格納する変数・定数種別データベースと、前記信頼性指標と前記系統パラメータと前記状態推定断面と前記予測情報と前記変数・定数種別を用いて過酷予見潮流断面および前記信頼性指標に対する指標値である信頼性指標値を生成する過酷予見潮流断面生成部と、前記過酷予見潮流断面および前記信頼性指標値を格納する過酷予見潮流断面データベースと、前記過酷予見潮流断面および前記信頼性指標値を表示する表示部と、前記過酷予見潮流断面および前記信頼性指標値を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、ユーザ(系統運用者)が指定する信頼性指標に基づいて、電力系統の信頼性上、過酷となる将来の潮流状態を想定、抽出する電力系統監視装置、およびその監視方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る電力系統監視装置の構成例と電力系統との関連を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電力系統監視装置1の処理内容を、コンピュータで構成された処理機能ごとに整理して示した図である。 電力系統の構成例を示す図である。 計測断面D2のノードを対象として、ノードの番号、電圧大きさ、有効電力、無効電力について一覧として示す図である。 計測断面D2のブランチを対象として、ブランチの送電端と受電端のノードの番号、有効電力潮流、無効電力潮流について一覧として示す図である。 状態推定断面D4のノードを対象として、ノードの番号、電圧大きさ、電圧位相、有効電力、無効電力について一覧として示す図である。 状態推定断面D4のブランチを対象として、ブランチの送電端と受電端のノードの番号、有効電力潮流、無効電力潮流について一覧として示す図である。 ノードにおける残差(ノード残差)を項目ごとに一覧として示す図である。 ブランチにおける残差(ブランチ残差)を項目ごとに一覧として示す図である。 複数ある信頼性指標の中から、過酷予見潮流断面生成部において使用する信頼性指標に対して、フラグを設定する例を示す図である。 複数ある信頼性指標の中から、過酷予見潮流断面生成部において使用する信頼性指標に対して、重み付け係数を設定する例を示す図である。 複数ある信頼性指標の中から、過酷予見潮流断面生成部において使用する信頼性指標に対して、フラグを設定する例を示す図である。 複数ある信頼性指標の中から、過酷予見潮流断面生成部において使用する信頼性指標に対して、重み付け係数を設定する例を示す図である。 計測断面の日時から先の時刻における電力関連の予測情報を示す図である。 過酷予見潮流断面生成部において用いる「設備」と、その設備の特性の変数および定数を規定する「種別」とその「制約」を一覧として示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電力系統監視装置の過酷予見潮流断面生成部の過酷予見潮流断面生成処理のフローチャート例を示す図である。 探索に用いる「定数」の設定例を示す図である。 探索に用いる「変数」の設定例を示す図である。 「データ出力」で出力する得られた解の過酷予見潮流断面D8(ノード)の例を示す図である。 「データ出力」で出力する得られた解の過酷予見潮流断面D8(ブランチ)の例を示す図である。 「データ出力」で出力する得られた解の信頼性指標値D9の例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電力系統監視装置の構成例と電力系統との関連を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電力系統監視装置の過酷予見潮流断面生成部の過酷予見潮流断面生成処理のフローチャート例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る電力系統監視装置の構成例と電力系統との関連を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る電力系統監視装置の過酷予見潮流断面生成部と信頼性評価部との処理の流れのフローチャート例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、適宜、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は例であって、説明する具体的内容に発明自体が限定されるものではない。
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態に係る電力系統監視装置の構成について、図1~図13を参照して説明する。なお、以下においては、主として電力系統監視装置について説明するが、電力系統監視装置による電力系統監視方法の説明を兼ねる。
<電力系統監視装置の構成と機能>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力系統監視装置1の構成例と、電力系統103との関連を示す図である。
図1において、電力系統監視装置1は、コンピュータを備えて構成されている。
また、電力系統監視装置1は、中央制御装置11、入力装置12、出力装置13、表示装置14、主記憶装置15、および補助記憶装置16を備える。
表示装置14は、ディスプレイを備えている。
補助記憶装置16は、各種データベース17を含み、かつ各種プログラム18を記憶している。
中央制御装置11、入力装置12、出力装置13、表示装置14、主記憶装置15、補助記憶装置16は、バス19で相互に接続され、それぞれの信号を送受信している。
なお、以降の説明において、“○○部は”と動作主体を記した場合、それは、中央制御装置11が補助記憶装置16からプログラムである○○部の処理内容を読み出し、主記憶装置15にロードしたうえで○○部の機能(詳細後記)を実現することを意味する。
また、図1において、電力系統監視装置1は、通信回線101を介して、複数の計測器102に接続可能である。
複数の計測器102は、電力系統103に設置されている発電機の出力状態や送変電設備の潮流状態、調相設備や開閉器等の制御対象機器の設備状態を計測する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る電力系統監視装置1の処理内容を、コンピュータを備えて構成された処理機能ごとに整理して示した図である。
図2において、電力系統監視装置1は、入力部201、状態推定部202、過酷予見潮流断面生成部203、表示部204、出力部205を備えている。
また、電力系統監視装置1は、計測値データベースDB1、系統パラメータデータベースDB2、状態推定断面データベースDB3、予測情報データベースDB4、変数・定数種別データベースDB5、過酷予見潮流断面データベースDB6を備えている。
なお、図2において、例えば「計測値データベース」を「計測値DB」として表記しているように、「データベース」を「DB」と簡略化して表記している。
図2に沿って、電力系統監視装置1における各プログラム(○○部)の機能および各データの流れを説明する。
なお、図1における“○○”装置がハードウェアを示すのに比して、図2における“○○部”は、プログラム(ソフトウェア)を示している。
図2において、電力系統監視装置1は、計測器102で計測された電力系統103における計測値を、通信回線101を介して入力部201より取得する。
入力部201より取得された計測値D1は、計測値データベースDB1に格納される。
電力系統103の各地点における計測値が十分に計測値データベースDB1に格納されたとき、あるいは所定の周期において格納された計測値は、時間断面毎の計測データである計測断面D2として状態推定部202に出力される。
状態推定部202は、計測断面D2と、系統パラメータデータベースDB2に格納されている系統パラメータD3に基づいて、状態推定演算を実施する。
状態推定演算の一例としては、重み付け最小二乗法を用いた手法がある。
状態推定部202の状態推定演算によって、状態推定断面D4が生成される。状態推定断面D4は、状態推定断面データベースDB3に格納される。
過酷予見潮流断面生成部203は、状態推定断面D4と、系統パラメータデータベースDB2より取得する系統パラメータD3と、入力部201より取得する信頼性指標D5と、予測情報データベースDB4より取得する予測情報D6と、変数・定数種別データベースDB5より取得する変数・定数種別D7と、を用いる。
また、過酷予見潮流断面生成部203は、予測情報D6の範囲内で、信頼性指標D5に対応する指標値が過酷となる予見潮流断面(以下、過酷予見潮流断面)を生成する。
信頼性指標D5は、ユーザ(系統運用者)によって指定される。
信頼性指標D5は、同期安定性を例にとると最大電圧位相差(Δθmax)があり、電圧安定性を例にとると電圧安定性余裕(VSM:Voltage Stability Margin)がある。また、同じく電圧安定性に関するL-indexなどがあげられる。
これらの信頼性指標D5には、原則として公知となっている指標、手法を用いる。
予測情報D6は、将来における需要や再エネ発電出力の予測値と、予測値に対する不確実性で構成される。
なお、再エネ発電出力における「再エネ」は、前記したように「再生可能エネルギー」の意味であって、表記を簡素化したものである。以降においても、適宜、「再エネ」と表記する。
また、予測値に対する不確実性は、例えば、予測値からどの程度外れうるかを表す範囲でも良いし、あるいは、確率分布のようなものでも良い。
予測情報D6は、電力系統監視装置1の外部で生成され、予測情報データベースDB4に格納される。ただし、予測情報D6は、公知の手段を用いて電力系統監視装置1の内部で生成しても良い。
変数・定数種別D7は、過酷予見潮流断面生成部203において過酷予見潮流断面を生成する際に、変数または定数として扱う状態量の種別(変数または定数)を規定する。
変数・定数種別D7の詳細については、後述するが、例えば、不確実性を伴う需要や再エネ発電出力は、変数として規定される。逆に、後記するように各種の制御機器の出力は、定数として規定される。
過酷予見潮流断面生成部203においては、過酷予見潮流断面D8と当該断面における信頼性指標値D9とが生成される。
なお、「信頼性指標値D9」とは、入力部201より取得するユーザに指定された「信頼性指標D5」に対応して、過酷予見潮流断面生成部203で信頼性について、より過酷な指標値として演算されるものである。
過酷予見潮流断面生成部203により生成された過酷予見潮流断面D8と当該断面における信頼性指標値D9は、過酷予見潮流断面データベースDB6に格納される、と共に、表示部204を介してユーザに表示される。さらに、過酷予見潮流断面D8と信頼性指標値D9は、出力部205より電力系統監視装置1の外部に出力される。
<電力系統の構成例>
図3は、電力系統103の構成例を示す図である。
図3において、電力系統103は、発電機G1,G2,G3、負荷L1,L2,L3、変圧器311~313、送電線345,349,356,367,378,389を備えて構成されている。また、電力系統103の各設備が接続されるノードとして、ノード#1~#9が表記されている。
以降は、図3に示す電力系統を対象として、各データや各処理の具体例と効果を説明する。電力系統103は、前記したように、各設備が接続されるノード#1~#9と、ノード間を接続するブランチで構成される。
ノードには、発電機G1~G3や、負荷L1~L3が接続される。なお、発電機が接続されるノードを発電機ノード、負荷が接続されるノードを負荷ノードと、適宜、呼ぶ。
また、ブランチは、主に変圧器(311,312,313)や送電線(345,349,356,367,378,389)を備えて構成される。
発電機(G1~G3)や負荷(L1~L3)の接続されるノードからは、電力系統103に有効電力や無効電力が流出入し、ブランチを通って別のノードに送電される。なお、発電機G3は、再エネ発電(再生エネルギー発電、再エネ発電機)とする。
図3における各ノード、および各ブランチの両端には、計測器(不図示)が設置されている。
ノードの場合は、ノードから流出入する有効電力・無効電力、電圧の大きさなどが計測される。
ブランチの場合は、ブランチの両端においてブランチを通過する有効電力・無効電力潮流などが計測される。これらの計測値は収集された後、計測時のタイムスタンプを付与されて計測値D1(図2)として計測値データベースDB1(図2)に格納される。
<計測断面D2>
計測値データベースDB1(図2)に格納された計測断面D2(図2)の例を図4Aと図4Bに示す。
計測断面D2の計測の日時は、図4Aおよび図4Bにおいて、共に、2021年2月16日11時30分(タイムスタンプ)とする。
図4Aは、計測断面D2のノードを対象として、ノードの番号、電圧大きさ、有効電力、無効電力について一覧として示す図である。
図4Aにおいて、各ノード(#)における電力系統としての基準単位(pu:Per Unit)に対する電圧の大きさが示されている。
また、図4Aにおいて、各ノード(#)における有効電力(MW)と無効電力(Mvar)が示されている。なお、ノード#1、ノード#2、ノード#3は、それぞれ発電機G1、発電機G2、発電機G3が接続されているため、それぞれ有効電力が電力系統への流入を表す正の高い値を示している。
また、ノード#5、ノード#7、ノード#9は、それぞれ負荷L1、負荷L2、負荷L3が接続されているため、電力系統からの流出を表す負の値を示している。
図4Bは、計測断面D2のブランチを対象として、ブランチの送電端および受電端のノード(From,To)の番号、送電端における有効電力潮流(MW)(From)、送電端における無効電力潮流(Mvar)(From)、受電端における有効電力潮流(MW)(To)、受電端における無効電力潮流(Mvar)(To)について、一覧として示す図である。
図4Bにおいて、(From)と(To)は、電力潮流の方向性を示している。また、ブランチの送電端および受電端のノード(From,To)において、有効電力潮流(MW)(From)と有効電力潮流(MW)(To)が必ずしも正負の絶対値が一致しないのは、送電損失や計測誤差などが含まれるためである。
<系統パラメータD3>
系統パラメータD3(図2)は、電力系統における各設備(送変電設備や発電機)の特性を表す定数により構成される。
なお、系統パラメータD3については、一般的な状態推定や系統解析に用いられるため、ここでの詳細な説明は省略する。
<状態推定断面D4>
状態推定部202(図2)は、計測値データベースDB1(図2)から取得する計測断面D2(図2)と系統パラメータデータベースDB2(図2)から取得する系統パラメータD3(図2)を用いて状態推定演算を実施し、状態推定断面D4(図2)を生成する。
状態推定断面D4の例を図5Aと図5Bに示す。
状態推定断面D4の状態推定の日時は、図5Aおよび図5Bにおいて、共に、2021年2月16日11時30分とする。
図5Aは、状態推定断面D4のノードを対象として、ノードの番号、電圧大きさ、電圧位相、有効電力、無効電力について、一覧として示す図である。
図5Aにおける項目は、図4Aの項目に対して、電圧位相(°)が加わっている。状態推定の結果としては、電圧位相も得られるため、図5Aにおいて、電圧位相の項目が追加されている。
なお、図5Aにおける項目は一例であり、状態推定断面D4としては、これらのデータ全てが含まれている必要はなく、一部のデータのみでも良い場合がある。
図5Bは、状態推定断面D4のブランチを対象として、ブランチの送電端および受電端のノード(From,To)の番号、送電端における有効電力潮流(MW)(From)、送電端における無効電力潮流(Mvar)(From)、受電端における有効電力潮流(MW)(To)、受電端における無効電力潮流(Mvar)(To)に、ついて一覧として示す図である。
図5Bにおいては、各ブランチ(#1~#9)に関連して、有効電力潮流と無効電力潮流について、電力の伝わる方向(電力潮流)を意味する「From」と「To」として、電力値(有効電力潮流、無効電力潮流)を表記している。
なお、図5Bにおいて、「From」と「To」で表における数値が異なる場合があるのは、伝送損失や計測誤差などがあるからである。
図5Bにおける項目は、図4Bの項目と同じである。なお、図5Bに示した状態推定断面D4(ブランチ)は、計測断面D2(図2)と系統パラメータD3(図2)とを用いて状態推定部202で演算を行った結果であるため、図4Bに示した計測断面D2(ブランチ)とは、少し異なった値が一覧として示されている。
<状態推定演算の残差>
また、状態推定演算の実施にあたっては、演算結果の残差が発生する。残差の例を図6Aと図6Bに示す。
図6Aは、ノードにおける残差(ノード残差)を項目ごとに一覧として示す図である。
図6Aに示す残差(ノード残差)は、図4Aと同様の項目から構成される。
図6Aの各欄の値は、図4Aの値から図5Aの値を引いた値となっている。これらの残差は、状態推定断面D4の一部として含まれる。
図6Bは、ブランチにおける残差(ブランチ残差)を項目ごとに一覧として示す図である。
図6Bに示す残差(ブランチ残差)は、図4Bと同様の項目から構成される。
図6Bの各欄の値は、図4Bの値から図5Bの値を引いた値となっている。これらの残差は、状態推定断面D4の一部として含まれる。
一般に状態推定は残差の最小化を目的としている。このため、図6Aおよび図6Bにおいて、各項目が最小値の状態に近い小さな値となっている。
<信頼性指標D5>
信頼性指標D5の例を図7Aおよび図7Bに示す。さらには図7Cと図7Dに示す。
図7Aは、複数ある信頼性指標の中から、過酷予見潮流断面生成部203(図2)において使用する信頼性指標に対して、フラグを設定する例を示す図である。
図7Aにおいて、信頼性指標として、VSM、L-index、Δθmaxが例として示されている。そして、最大電圧位相差の(Δθmax)が選択され、フラグ「1」が設定されている。また、それ以外の電圧安定性余裕(VSM)、電圧安定性(L-index)については、フラグ「0」が設定されている。
なお、フラグを設定する入力方法としては、図2の表示部204と入力部201とを用いて、プルダウンからの選択でも良いし、チェックボックスを用いた選択でも良い。
図7Bは、複数ある信頼性指標の中から、過酷予見潮流断面生成部203(図2)において使用する信頼性指標に対して、重み付け係数を設定する例を示す図である。
図7Bに示すように、重み付け係数については、フラグ(図7A)とは別に、あるいはフラグに追加して重み付け係数を設定しても良い。
図7Cは、複数ある信頼性指標の中から、過酷予見潮流断面生成部203(図2)において使用する信頼性指標に対して、フラグを設定する例を示す図である。
図7Cにおいては、信頼性指標として、「VSM」と「L-index」のフラグを1に設定している。すなわち、二つの信頼性指標を用いる場合を示している。
図7Dは、複数ある信頼性指標の中から、過酷予見潮流断面生成部203(図2)において使用する信頼性指標に対して、重み付け係数を設定する例を示す図である。
図7Dにおいて、信頼性指標として、「VSM」と「L-index」が選択され、それぞれの重み係数が「0.7」と「0.3」とに設定されている。また、それ以外の信頼性指標に対しては、全て0を設定する。
このように設定された複数の信頼性指標の重み係数に応じて、過酷予見潮流断面生成部203(図2)で演算が実行される。
<予測情報D6>
予測情報D6の例を図8に示す。
図8は、計測断面の日時から先の時刻における電力関連の予測情報を示す図である。
図8においては、「対象日時」、「設備」、「タイプ」、「有効電力(MW)」、「無効電力(Mvar)」の項目がある。また、「有効電力(MW)」、「無効電力(Mvar)」については、それぞれに「予測値」と「不確実範囲」の項目がある。
図4A、図4B、図5A、図5Bの計測断面の日時は、2021年2月16日11時30分である。
図8において、前記の時刻に対して先の予測である10分後、20分後、30分後の予測の対象日時が、2021年2月16日の「11:40」、「11:50」、「12:00」として記録される。
なお、予測情報の時間間隔は、あくまで例であり、これに限定するわけではない。
図8に示す2021年2月16日11時40分の予測情報に着目する。
図8において、予測情報D6には、予測が必要な設備に対する予測値と不確実範囲(不確実性範囲)が含まれる。
予測が必要な設備とは、例えば、再エネ発電(系統運用者とは別の事業者)や需要(電力需要)のように系統運用者が直接的に制御できないものが対象となる。
図8においては、図3に示した電力系統内の、発電機G3、負荷L1~L3が、対象となる。必要であれば、図中のように各設備のタイプを規定する。また、発電機G3は、再エネ発電に分類され、負荷L1~L3は需要に分類される。
再エネ発電の場合、発電機の有効電力出力は、天候依存で変動するため、予測値と不確実範囲が規定される。
なお、不確実範囲(不確実性範囲)は、図8に示すようにプラスマイナス(±)の範囲で与えられていても良いし、また予測値が確率分布で表されるような場合には、分散等を用いて導出しても良い。
一方で、無効電力出力に関しては、何らかの制御がなされていることを想定し、図8においては、予測の対象外としている。何らかの制御とは、無効電力出力一定制御や、力率一定制御、電圧一定制御等である。
無効電力出力が一定もしくは他の状態量と相関がある場合には、独立して予測する必要がないため、予測の対象外となる。図8においては、無効電力出力一定制御により無効電力出力は、常に一定値となっているとする。そのため、図8における無効電力の欄の「予測値」と「不確実範囲」は共に「-」と表記され、予測の対象外としている。
また、負荷(設備)L1~L3は需要であるため、有効電力と無効電力の両方に対して予測値と不確実範囲を持つ。もし、無効電力が有効電力等の他の状態量に強い相関を持ち、予測が不要である場合は、予測の対象外としても良い。なお、図8では電力系統に流入する場合を正としているが、他の表現を用いても構わない。
<変数・定数種別D7>
変数・定数種別D7の例を図9に示す。
図9は、過酷予見潮流断面生成部203において用いる「設備」と、その設備の特性の変数および定数を規定する「種別」とその「制約」を一覧として示す図である。
図9において、各ノードの電圧大きさと、ノードに接続される各設備の有効電力・無効電力に対して変数か定数かを規定している。なお、線路定数等の明らかに定数として用いられるものは、図9の項目に含めなくても良い。
図9における「種別」の項目である「定数」と「変数」について、さらに説明する。電気的な特性において、所定の値をとるものを「定数」とし、変化・変動するものを「変数」として扱う。
例えば、ノード#1とノード#2の「電圧大きさ」は定数として設定される。これはノード#1とノード#2には再エネ以外の発電機が接続されているためである。発電機による電圧制御によって発電機が接続されているノードの「電圧大きさ」は、一定に保たれるため、定数として扱う。
一方で、他のノードにおける「電圧大きさ」は変数として設定される。その理由は、ノード#1やノード#2とは異なり、需要や再エネ出力の変動に伴って「電圧大きさ」が変動するためである。
有効電力については、発電機G1~G3、負荷L1~L3の全てを変数として扱う。
再エネ発電である発電機G3や、負荷L1~L3は、不確実性を内包しているため、不確実性の範囲内で過酷な潮流断面を探索するために変数として扱われる。
一方、発電機G1と発電機G2は、再エネ発電ではない発電機であり、本来の系統運用において出力の制御が可能であるため、予測する必要はない。
それにも関わらず、図9で変数として扱うのは、過酷予見潮流断面の生成にあたって需給インバランスが発生した際に、これらの制御可能な発電機によって、そのインバランス(不均衡)を補償する必要があるためである。
無効電力については、発電機G3のみ定数扱いで、他は全て変数扱いとなる。負荷L1~L3が変数扱いとなるのは有効電力と同じ理由による。
発電機G1~G2が変数扱いとなるのは、当該の発電機が接続される母線の電圧大きさを一定に保つために、無効電力出力が変わるためである。
発電機G3が定数扱いとなるのは、無効電力出力一定制御によって出力が一定値となるためである。もし、無効電力出力一定制御ではなく力率一定制御等の他の状態量と相関がある制御の場合には変数扱いとし、その相関が制約として追加されることとなる。
図9における「制約」の項目について説明する。
再エネ発電ではない発電機の出力は、所定のルールに基づいて制御されるため、そのルールを制約として考慮する必要がある。所定のルールとは、例えば経済負荷配分や、出力変化率に比例する比例案分(Pro rata)等が挙げられる。
ここでは、比例案分(Pro rata)を想定し、発電機G2の出力変化量は、発電機G1の出力変化量の必ず半分となることとする。すなわち、図9の設備G2の制約の「ΔG2=0.5×ΔG1」とする。
また、比例案分(Pro rata)ではなく経済負荷配分とする場合は、前記の制約の代わりに発電機G1と発電機G2の増分燃料費が等しくなるという制約が必要となる。
<過酷予見潮流断面生成部における処理の具体例>
図2における過酷予見潮流断面生成部203は、系統パラメータD3と、状態推定断面D4と、信頼性指標D5と、予測情報D6と、変数・定数種別D7を用いて、過酷予見潮流断面D8を生成する。
過酷予見潮流断面生成部203における処理の具体例を図10に示す。
<過酷予見潮流断面生成部における処理のフローチャート>
次に、図2で示した過酷予見潮流断面生成部203における処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
図10は、本発明の第1実施形態に係る電力系統監視装置1の過酷予見潮流断面生成部203の過酷予見潮流断面生成処理のフローチャート例を示す図である。
<過酷予見潮流断面生成処理のフローチャートの概略>
まず、過酷予見潮流断面生成処理のフローチャートの概略について、図10を参照して説明する。なお、図10に示した各ステップの詳細は、図11A、図11B、図12A、図12B、図13を参照して後記する。
《ステップS1001》
図10における、「データ読み込み」と表記したステップS1001で、系統パラメータD3と、状態推定断面D4と、信頼性指標D5と、予測情報D6と、変数・定数種別D7の各データを読み込む。
《ステップS1002》
次に「変数・定数設定」と表記したステップS1002で、読み込んだデータに基づき、探索に用いる変数および定数を設定する。なお、「変数・定数設定」の詳細については、後記する。
《ステップS1003》
次に、「制約設定」と表記したステップS1003で制約を設定する。なお、「制約設定」の詳細については後記する。
《ステップS1004》
次に、「目的関数設定」と表記したステップS1004で目的関数を設定する。なお、「目的関数設定」の詳細については後記する。
《ステップS1005》
次に、「探索実施」と表記したステップS1005において、ここまでに設定した目的関数、変数・定数、制約を用いて、目的を達成する解を探索する。なお、「探索実施」の詳細については後記する。
《ステップS1006》
最後にステップS1006で、ステップS1005で得られた解を過酷予見潮流断面D8として、その時の信頼性指標の値を信頼性指標値D9として出力する。
<《ステップS1002》「変数・定数設定」の詳細>
前記のステップS1002(図10)の「変数・定数設定」における変数および定数の設定例を図11A、図11Bを参照して、詳しく説明する。
図11Aは、探索に用いる「定数」の設定例を示す図である。
「定数」としてはまず、系統パラメータD3に含まれる系統設備のインピーダンス等が含まれ、その値は系統パラメータD3で規定されているものと同一となる。
例えば図11Aにおけるパラメータr14、x14、b14などである。なお、「r14」、「x14」、「b14」は、ノード#1、#4間におけるそれぞれ、抵抗、リアクタンス、サセプタンスである。なお、それぞれの単位は、基準単位の(pu)である。
さらに、変数・定数種別D7にて定数として設定されたパラメータも含まれる。例えば図11Aにおける「|V|」、「|V|」、「QG3」などである。なお、「|V|」、「|V|」は、それぞれノード#1、#2の電圧の絶対値である。また、「QG3」は、再エネ発電(再エネ発電機)G3の無効電力である。
これらの定数については、状態推定断面D4の値を用いる。
図11Bは、探索に用いる「変数」の設定例を示す図である。
「変数」としては、信頼性指標D5で指定した指標値がまず含まれる。例えばΔθmaxである。
さらに、変数・定数種別D7にて変数として設定されたパラメータも含まれる。例えば再エネ発電G3の電圧に関連する|V|(pu)である。
また、変数として設定されたパラメータの内、予測情報D6にて予測値と不確実範囲が規定されているものは、それらを用いて変数の初期値や上下限を規定する。
初期値については予測値ではなく、状態推定断面D4の値を用いても良いし、別の方法で決めても良い。
図11Bにおいて、例えば、PL1は、負荷L1における有効電力需要に関するパラメータであり、変数として設定されている。この変数に対しては、予測値を用いて初期値は-105、上限値は-102、下限値は-108と設定される。
予測情報D6にて規定されていない変数については、例えば初期値としては状態推定断面D4の値を用いる。上下限としては、設備自体の上下限を設定する。
例えば、PG1は発電機G1の有効電力出力に関するパラメータであり、これは変数として設定されている。この変数に対しては、予測値は状態推定断面D4の値を用いて72.8とし、上下限値は、系統パラメータD3に含まれる出力上下限を用いて、上限値は100、下限値は20と設定される。
<《ステップS1003》「制約設定」の詳細>
次に、ステップS1003(図10)で制約を設定する。ステップS1002で上限または下限が設定された変数に対しては、まず、次の式(1)のように変数の上下限を規定する制約式が設定される。
Figure 2022166616000002
ここで、aは変数、aminは変数の下限、amaxは変数の上限を表す。
さらに、制約としては、電力系統の潮流方程式、信頼性指標D5として指定した指標値を規定する式が含まれる必要がある。
また、電力系統の潮流方程式は、例えば次の式(2)のように設定される。
Figure 2022166616000003
ここで、「ドット・オーバーV」は予見潮流断面における各母線の電圧を表す複素ベクトルであり、「ドット・オーバーYbus」は電力系統におけるアドミタンス行列であり、「ドット・オーバーS」は予見潮流断面における各母線から流出入する電量を表す複素ベクトルである。
なお、「[ドット・オーバーV]」は「ドット・オーバーV」を体格要素にもつ対角行列である。また、「ドット・オーバーYbusとドット・オーバーVの積のアッパーバー」は、「ドット・オーバーYbusとドット・オーバーVの積の複素共役」を表す。
信頼性の指標値に関する制約式ついては、最大電圧位相差(Δθmax)を例にとると次の式(3)のように設定される。
Figure 2022166616000004
式(3)におけるθは、各母線における電圧位相を表す実数ベクトルである。
max(θ)は、母線の電圧位相の最大値であり、min(θ)は、母線の電圧位相の最小値を表す。これらの差に対して絶対値(abs)をとることによって、最大電圧位相差(Δθmax)が求められる。なお、絶対値の代わりに二乗を用いても良い。前記の式(3)は、あくまで例であって、必ずしもこの式に従って求める必要はない。
<《ステップS1004》「目的関数設定」の詳細>
次に、ステップS1004(図10)で目的関数を設定する。本例では最大電圧位相差を信頼性指標として用いているため、次の式(4)のように最大電圧位相差(Δθmax)の最大化(Maximize)が目的関数となる。
Figure 2022166616000005
<《ステップS1005》「探索実施」の詳細>
以上の各工程(ステップ)で設定した目的関数、変数・定数、制約を用いてステップS1005(図10)では、目的を達成する解を探索する。探索のアルゴリズムには数理計画的な内点法等を用いても良いし、汎用性の高い(メタヒューリスティック)手法である粒子群最適化法(PSO:Particle Swarm Optimization)等を用いても良い。
<《ステップS1006》「データ出力」の詳細>
前記のステップS1006(図10)の「データ出力」における得られた解の出力例を図12A、図12B、図13を参照して、詳しく説明する。
最後のステップS1006で、ステップS1005で得られた解を過酷予見潮流断面D8として出力し、また、その時の信頼性指標の値を信頼性指標値D9として出力する。
図12Aに過酷予見潮流断面D8(ノード)の例を示す。また、図12Bに過酷予見潮流断面D8(ブランチ)の例を、図13に信頼性指標値D9の例をそれぞれ示す。
図12Aは、「データ出力」(図10、S1006)で出力する得られた解の過酷予見潮流断面D8(ノード)の例を示す図である。
図12Aにおける過酷予見潮流断面D8(ノード)には、図5Aに示した状態推定断面D4(ノード)と同様の項目である「ノード」、「電圧大きさ」、「電圧位相」、「有効電力」、「無効電力」の項目が含まれる。ただし、図5Aの「日時」は「2021/2/16 11:30」であるのに対して、図12Aの「日時」は「2021/2/16 11:40」であって、10分後の値を予見(予測)した値が記載されている。
図12Bは、「データ出力」(図10、S1006)で出力する得られた解の過酷予見潮流断面D8(ブランチ)の例を示す図である。
図12Bにおける過酷予見潮流断面D8(ブランチ)には、図5Bに示した状態推定断面D4(ブランチ)と同様の項目である「ノード(From,To)」、「有効電力潮流(From,To)」、「無効電力潮流(From,To)」の項目が含まれる。
ただし、図5Bの「日時」は「2021/2/16 11:30」であるのに対して、図12Bの「日時」は「2021/2/16 11:40」であって、10分後の値を予見(予測)した値が記載されている。
図12Aと図12Bに示すように、過酷予見潮流断面D8(ノード、ブランチ)には、状態推定断面D4(ノード、ブランチ)と、それぞれ同様の項目が含まれる。
ただし、これら全ての項目が必ずしも含まれている必要はなく、最低限、本潮流断面を潮流計算によって再現できるだけの情報が含まれていればよい。
図13は、「データ出力」(図10、S1006)で出力する得られた解の信頼性指標値D9の例を示す図である。
信頼性指標値D9には、過酷予見潮流断面における信頼性指標(図7A、図7B、図7C、図7D)の値が含まれる。
図7A、図7Bで示した例では、最大電圧位相(Δθmax)に「フラグ」を「1」、および「重み係数」を「1.0」として、信頼性指標と指定したため、最大電圧位相(Δθmax)のみが信頼性指標値D9には含まれる。
なお、図7Aでは、信頼性指標を最大電圧位相(Δθmax)のみに「フラグ」を「1」立てた例を示したが、この例に限定されない。
例えば、信頼性指標を複数設定し、その複数の項目に対して、それぞれ重み付け係数を設定した場合は、重み付けして和をとった後の指標値や、重み付けする前の個別の指標値が含まれても良い。
以上、説明したように、予見潮流断面の生成において、ユーザ(系統運用者)の指定する信頼性指標の観点で過酷となるものという条件を付与することで、電力系統の運用方策立案にあたって考慮すべき断面を事前に絞り込むことができる。
<第1実施形態の総括>
第1実施形態の電力系統監視装置では、予見潮流断面の生成において、ユーザ(系統運用者)の指定する信頼性指標の観点で過酷となるものという条件を付与することで、電力系統の将来における潮流状態を想定した運用方策立案にあたって考慮すべき断面を事前に絞り込むことができる。
また、後記する第2実施形態で説明する「想定故障」との組み合わせを考える際には、比較的少ないケースの検証で済むため、従来よりも短い周期で制御を実施できる。
さらに、運用方策を系統運用者が判断する場合には、考慮すべき潮流断面が少ないため、系統運用者の負担を軽減することができる。
<第1実施形態の効果>
本発明の第1実施形態によれば、ユーザ(系統運用者)が指定する信頼性指標に基づいて、電力系統の信頼性上、過酷となる将来の潮流状態を想定、抽出する電力系統監視装置、およびその監視方法を提供できる。
≪第2実施形態≫
本発明の第2実施形態に係る電力系統監視装置の構成について、図14、図15を参照して説明する。第2実施形態では、過酷予見潮流断面の生成において想定故障も併せて考慮に入れる場合を示す。
図14は、本発明の第2実施形態に係る電力系統監視装置1Bの構成例と電力系統103との関連を示す図である。
図14に示した第2実施形態の電力系統監視装置1Bが図2に示した第1実施形態の電力系統監視装置1との相違は、図14において電力系統監視装置1Bに想定故障ケースデータベースDB7が備えられたことである。
想定故障ケースデータベースDB7が備えられたこと以外は、図14の電力系統監視装置1Bと図2の電力系統監視装置1の構成は同じであるので、重複する説明は省略する。
ただし、図14において、電力系統監視装置1B、過酷予見潮流断面生成部203Bとそれぞれの符号を新しく表記している。
前記したように、図14において、電力系統監視装置1Bに想定故障ケースデータベースDB7が備えられている。
想定故障ケースデータベースDB7には、想定故障ケースD10が格納されている。
この格納されている想定故障ケースD10が、過酷予見潮流断面生成部203Bに追加された入力となっている。過酷予見潮流断面生成部203Bは、想定故障ケースD10も参照して過酷予見潮流断面を生成する。
想定故障ケースD10には、例えば、一般的にN-1想定故障と呼ばれる電力系統上の設備の1つが何らかの理由により停止した場合を想定した条件がリストとして含まれる。
なお、N-1想定故障に限定する必要はなく、系統運用上考慮が必要な想定故障は、すべて含めて良い。
第1実施形態においては、あくまで平常時の電力系統のみを対象としていたが、第2実施形態では平常時に加えて、想定故障が発生した場合の電力系統を併せて考慮する。
<想定故障が発生した場合の過酷予見潮流断面生成部における処理のフローチャート>
次に、図14で示した過酷予見潮流断面生成部203Bの想定故障を含めた過酷予見潮流断面生成の処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
図15のフローチャートに示す例では、故障が発生したと想定される系統状態毎に過酷予見潮流断面を生成する。そして、最後にその中からより過酷となる断面を抽出する方法を考える。
図15は、本発明の第2実施形態に係る電力系統監視装置1Bの過酷予見潮流断面生成部203Bの過酷予見潮流断面生成処理のフローチャート例を示す図である。
図15における想定故障を含めた過酷予見潮流断面生成の処理のフローチャートは、ステップS1001~S1006と、ステップS1012、ステップS1056、ステップS1057を備えて構成される。
図15におけるステップS1001~S1006は、前記した図10におけるステップS1001~S1006と概ね同じであるので、適宜、重複する説明は省略する。
図10に示した処理の例との違いは、図15においては、ステップS1001とステップS1002の間に、ステップS1012として、「想定故障ケースの設定」が設けられている。また、ステップS1005とステップS1006の間に、ステップS1056として「すべての想定故障ケースを実施したか?」という判定ステップと、ステップS1057として「過酷断面抽出」という工程(ステップ)が設けられていることである。
この加わった工程(ステップ)を次に説明する。
《ステップS1012》
図15のステップS1012においては、「想定故障ケースの設定」として、想定故障ケースを設定する。すなわち、想定故障ケースは様々にあるので、複数ある想定故障ケースの中から所定の想定故障ケースを選択して設定する。
そして、この設定された想定故障ケースで、次のステップS1002に進む。ステップS1002については、説明が重複するので省略する。
《ステップS1056》
図15のステップS1056においては、ステップS1005の「探索実施」の次に、「すべての想定故障ケースを実施したか?」を判定する。
すべての想定故障ケースを実施している場合(Yes)には、ステップS1057に進む。
また、すべての想定故障ケースを実施していない場合(No)には、ステップS1012の「想定故障ケースの設定」に戻る。
なお、ステップS1012とステップS1056を設けたことによって、ステップS1002からステップS1005までの処理が、想定故障ケース毎に複数回実施されることになる。
《ステップS1057》
図15におけるステップS1057は、「過酷断面抽出」の工程(ステップ)である。
ステップS1002からステップS1005によって想定故障ケース毎に過酷予見潮流断面を生成するが、ステップS1057では、実施されたすべての想定故障ケースで最も過酷であった予見潮流断面を抽出する。この工程(ステップ)によって、想定故障を踏まえた過酷予見潮流断面の生成が可能となる。
ステップS1057の後に、ステップS1006に進む。ステップS1006は、前記したように、データ出力の工程(ステップ)である。重複する説明は省略する。
<第2実施形態の効果>
第1実施形態においては、あくまで平常時の電力系統のみを対象としていたが、第2実施形態では平常時に加えて、想定故障が発生した場合の電力系統を併せて考慮する。
そのため、第2実施形態では、想定故障が発生した場合も考慮した、より過酷な状況に対しても対処が可能な電力系統監視制御装置を提供できる。
≪第3実施形態≫
本発明の第3実施形態に係る電力系統監視装置の過酷予見潮流断面生成部203B(図14)において、不確実性と想定故障の両方を考慮した過酷予見潮流断面を生成する方法について説明する。
第2実施形態においては、過酷予見潮流断面の生成において想定故障も併せて考慮に入れる場合について説明したが、第3実施形態においては、第2実施形態で用いた図14に示した構成で、不確実性と想定故障の両方を考慮した過酷予見潮流断面を一度に生成する方法を実施する。
例えば、あるパラメータbを考えた時に、平常時ではbという値をとり、想定故障時にはbという値をとるとする。
この場合、パラメータbの値は変数として、バイナリ変数xを用いて、以下の式(5)ように表現することができる。なお、式(5)において、xがバイナリ変数xに対応している。
Figure 2022166616000006
バイナリ変数xは、0もしくは1のどちらかしかとりえない。このため、式(5)において、パラメータbの値は、バイナリ変数x(=x)が0の場合には平常時のb、バイナリ変数xが1の場合には、想定故障時のbの値が適用される。
このように各パラメータに対して、平常時と想定故障時の値を表す変数と制約を設定した上で、バイナリ変数xの合計に対して、以下の式(6)の制約を設けることで、想定故障が多重に考慮されることを防止することができる。
Figure 2022166616000007
このように想定故障に関するバイナリ変数と制約を追加した問題を解くことで、想定故障を考慮した過酷予見潮流断面を生成することができる。
このように、不確実性と想定故障の両方を考慮した過酷予見潮流断面を一度に生成することで、系統運用者による運用方策立案に関する負担をさらに軽減することができる。
<第3実施形態の効果>
不確実性と想定故障の両方を考慮した過酷予見潮流断面を生成する電力系統監視制御装置を提供できる。
また、系統運用者による運用方策立案に関する負担を軽減することができる。
≪第4実施形態≫
本発明の第4実施形態に係る電力系統監視装置の構成について、図16、図17を参照して説明する。第4実施形態では、過酷予見潮流断面生成部の中で直接的に算出することが難しい信頼性指標を用いる場合について説明する。
図16は、本発明の第4実施形態に係る電力系統監視装置1Cの構成例と電力系統103との関連を示す図である。
図16に示した第4実施形態の電力系統監視装置1Cが図14に示した第2実施形態の電力系統監視装置1Bとの相違は、図16において電力系統監視装置1Cに信頼性評価部1601が備えられたことである。
過酷予見潮流断面生成部の中で直接的に算出することが難しい信頼性指標を用いる場合の構成について説明する。
信頼性指標に対する指標値を過酷予見潮流断面生成部の中で直接的に算出できない場合は、信頼性を評価する信頼性評価部1601を電力系統監視装置1Cに追加で備える。そして、信頼性評価部1601の評価を過酷予見潮流断面生成部203Cに取り入れる。
この場合、信頼性指標に関する制約式は過酷予見潮流断面生成部203Cにおける潮流断面探索においては直接的に考慮されない。
その代わりに、過酷予見潮流断面生成部203Cで生成した探索点である潮流断面(暫定)D11に対して、信頼性評価部1601が指標値(暫定)D12を評価して、過酷予見潮流断面生成部203Cに返す処理を実行する。
<過酷予見潮流断面生成部における信頼性評価を用いた処理のフローチャート>
次に、図16で示した過酷予見潮流断面生成部203Cにおける処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
図17は、本発明の第4実施形態に係る電力系統監視装置1Cの過酷予見潮流断面生成部203Cと信頼性評価部1601との処理の流れのフローチャート例を示す図である。
<ステップS1001~S1004>
図17において、目的関数を設定するステップS1001~ステップS1004までは、図10に示した第1実施形態の工程(ステップ)、あるいは図15に示した第2実施形態の工程(ステップ)と同様である。重複する説明は省略する。
<ステップS1701~S1703>
図17におけるステップS1701~S1703について、順に説明する。
《ステップS1701》
図10に示した第1実施形態のフローチャートでは、ステップS1004の「目的関数設定」の後にステップS1005で探索を実施していたが、図17に示した第4実施形態では、探索の中で直接的に算出できない指標値を用いている。
そのため、図17に示した第4実施形態のフローチャートでは、ステップS1004の後のステップS1701の「探索点設定・更新」において、過酷予見潮流断面生成部203C(図16)が探索点として潮流断面(暫定)D11(図16)を算出する。
そして、ステップS1702に進む。
《ステップS1702》
次に、ステップS1702の「信頼性評価実施」において、信頼性評価部1601(図16)が潮流断面(暫定)D11(図16)に基づいて信頼性を評価する。
そして、その結果を指標値(暫定)D12(図16)として過酷予見潮流断面生成部203C(図16)に返す。
そして、ステップS1703に進む。
《ステップS1703》
ステップS1703の「収束判定」においては、指標値(暫定)D12(図16)の変化が閾値を下回る、すなわち収束したか否かを判定する。
「収束」した場合には、ステップS1006に進む。
収束しない場合、すなわち「非収束」の場合は、ステップS1701に戻る。
《ステップS1701~S1703の補足》
ステップS1701~S1703のループの工程について補足説明をする。
ステップS1701では、探索点を様々に設定・更新し、ステップS1702で信頼性を評価し、その結果を指標値(暫定)D12(図16)として過酷予見潮流断面生成部203C(図16)に返す。ステップS1703の「収束判定」を含めて、ステップS1701とステップS1702とステップS1703の処理と判定を繰り返し実行して、指標値(暫定)D12(図16)の変化が閾値を下回る場合に、収束したとみなし、最適な探索点が得られたとする。
そして、収束したとみなした場合に、ステップS1006に進む。
《ステップS1006》
ステップS1006の「データ出力」では、ステップS1703からの「収束」の判定を受けて、収束した演算結果をデータ出力する。
《図16の構成と図17のフローチャートの補足》
このように、図16における過酷予見潮流断面生成部203Cと信頼性評価部1601を組み合わせて動作させることで、直接的に算出が難しい、動特性に関する指標なども信頼性指標として設定することが可能となる。
また、図16に示した構成によって、図17に示した処理の流れ(フローチャート)とする方法は、信頼性指標値を目的関数とする最適化問題として過酷予見潮流断面を求める構成と方法とも解釈できる。
<第4実施形態の効果>
直接的に算出が難しい、動特性に関する指標なども信頼性指標として設定することが可能となり、より信頼性の高く、過酷に電力系統の状況を予見(予測)する電力系統監視制御装置を提供できる。
≪その他の実施形態≫
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を追加・削除・置換をすることも可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
《状態推定断面D4の生成》
図2における状態推定部202の演算で状態推定断面D4を生成すると説明したが、この生成方法に限定されない。
たとえば、入力部201より計測値D1を取得してから状態推定断面D4を生成するまでの処理は、当該電力系統監視装置1の外部で実施してもよく、その場合は状態推定断面D4を入力部201より直接取得すればよい。
《想定故障、不確実性、信頼性評価を組み合わせた過酷予見潮流断面生成》
第2実施形態では、図14と図15を参照して、想定故障を含めた過酷予見潮流断面生成の処理について説明した。
また、第3実施形態では、不確実性と想定故障の両方を考慮した過酷予見潮流断面を生成する方法について説明した。
また、第4実施形態では、過酷予見潮流断面生成部における信頼性評価を用いた処理方法について説明した。
しかし、これらの過酷予見潮流断面生成の処理の方法については、前記したそれぞれの方法に限定されない。
第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態の過酷予見潮流断面生成の処理の方法を、それぞれ組み合わせてもよい。例えば、図15に示したフローチャートと、図17に示したフローチャートを組み合わせた場合には、フローチャートの構成が煩雑になるので、記載することは省略するが、想定故障、不確実性、信頼性評価を組み合わせた過酷予見潮流断面生成が実現可能である。
この想定故障、不確実性、信頼性評価を組み合わせた過酷予見潮流断面生成部によって、電力系統の信頼性上、過酷となる将来の潮流状態を予見(予測)する電力系統監視装置、およびその方法を提供できる。
《各種データベースの格納場所》
第1実施形態の構成を示した図1、図2においては、各種データベースは、電力系統監視装置1のなかの補助記憶装置16に備えている例を説明した。ただし、この例に限定されない。
例えば、各種データベースについて、電力系統監視制御装置がこれらデータベースを格納する記憶装置(補助記憶装置)を自身が保有するのではなく、クラウド上に存在するなど、電力系統監視制御装置が仮想的に保有するデータベースであってもよい。
1,1B,1C 電力系統監視制御装置
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 表示装置
15 主記憶装置
16 補助記憶装置
17 データベース(各種データベース)
18 プログラム(各種プログラム)
19 バス
101 通信回線
102 計測器
103 電力系統
201 入力部
202 状態推定部
203,203B,203C 過酷予見潮流断面生成部
204 表示部
205 出力部
311,312,313 変圧器
345,349,356,367,378,389 送電線
1601 信頼性評価部
DB1 計測値データベース
DB2 系統パラメータデータベース
DB3 状態推定断面データベース
DB4 予測情報データベース
DB5 変数・定数種別データベース
DB6 過酷予見潮流断面データベース
DB7 想定故障ケースデータベース
D1 計測値
D2 計測断面
D3 系統パラメータ
D4 状態推定断面
D5 信頼性指標
D6 予測情報
D7 変数・定数種別
D8 過酷予見潮流断面
D9 信頼性指標値
D10 想定故障ケース
D11 潮流断面(暫定)
D12 指標値(暫定)
G1,G2 発電機
G3 発電機(再生エネルギー発電機、再エネ発電機、再エネ発電)
L1,L2,L3 負荷
#1~#9 ノード

Claims (14)

  1. 電力系統の将来における潮流状態を想定する電力系統監視装置であって、
    電力系統の状態を想定する際に信頼性を表す指標である信頼性指標を入力する入力部と、
    電力系統の系統パラメータを格納する系統パラメータデータベースと、
    電力系統の状態推定演算によって生成される状態推定断面を格納する状態推定断面データベースと、
    電力系統の電力需給の予測情報を格納する予測情報データベースと、
    電力系統の要因が変動するか一定であるかを設定する変数・定数種別を格納する変数・定数種別データベースと、
    前記信頼性指標と前記系統パラメータと前記状態推定断面と前記予測情報と前記変数・定数種別を用いて過酷予見潮流断面および前記信頼性指標に対する指標値である信頼性指標値を生成する過酷予見潮流断面生成部と、
    前記過酷予見潮流断面および前記信頼性指標値を格納する過酷予見潮流断面データベースと、
    前記過酷予見潮流断面および前記信頼性指標値を表示する表示部と、
    前記過酷予見潮流断面および前記信頼性指標値を出力する出力部と、
    を備える、
    ことを特徴とする電力系統監視装置。
  2. 請求項1において、
    前記入力部は、計測器で計測された電力系統の計測値を入力し、
    前記計測値を計測断面として格納する計測値データベースと、
    前記計測断面と前記系統パラメータを用いて状態推定断面を求める状態推定部と、
    を備え、
    前記状態推定部で状態推定演算によって生成される状態推定断面を前記状態推定断面データベースに格納する、
    ことを特徴とする電力系統監視装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    想定故障ケースを格納する想定故障ケースデータベースを備え、
    前記過酷予見潮流断面生成部が前記想定故障ケースを参照して前記過酷予見潮流断面および前記信頼性指標値を生成する、
    ことを特徴とする電力系統監視装置。
  4. 請求項1または請求項2において、
    前記過酷予見潮流断面生成部が暫定的な潮流断面を設定し、
    前記暫定的な潮流断面を用いて暫定的な指標値を求める信頼性評価部を備える、
    ことを特徴とする電力系統監視装置。
  5. 請求項3において、
    前記過酷予見潮流断面生成部が暫定的な潮流断面を設定し、
    前記暫定的な潮流断面を用いて暫定的な指標値を求める信頼性評価部を備える、
    ことを特徴とする電力系統監視装置。
  6. 請求項1において、
    前記予測情報とは予測値と不確実範囲からなる、
    ことを特徴とする電力系統監視装置。
  7. 請求項1において、
    前記変数・定数種別とは、前記過酷予見潮流断面において、電気的特性を変数として扱うものと、定数として扱うものとを種類ごとに別けて設定する、
    ことを特徴とする電力系統監視装置。
  8. 請求項1において、
    前記信頼性指標値を目的関数とする最適化問題として過酷予見潮流断面を求める、
    ことを特徴とする電力系統監視装置。
  9. 電力系統の将来における潮流状態を想定する電力系統監視方法であって、
    電力系統における信頼性指標と系統パラメータと状態推定断面と予測情報と変数・定数種別とを用いて、過酷予見潮流断面および前記信頼性指標に対する指標値である信頼性指標値を生成する、
    ことを特徴とする電力系統監視方法。
  10. 請求項9において、
    想定故障ケースを用いて前記過酷予見潮流断面および前記信頼性指標値を生成する、
    ことを特徴とする電力系統監視方法。
  11. 請求項9において、
    暫定的な潮流断面を設定し、前記暫定的な潮流断面を用いて暫定的な信頼性指標値を求める、
    ことを特徴とする電力系統監視方法。
  12. 請求項9において、
    前記予測情報は、予測値と不確実範囲からなる、
    ことを特徴とする電力系統監視方法。
  13. 請求項9において、
    前記変数・定数種別は、前記過酷予見潮流断面において、電気的特性を変数として扱うものと、定数として扱うものとを種類ごとに別けて設定する、
    ことを特徴とする電力系統監視方法。
  14. 請求項10において、
    前記信頼性指標値を目的関数とする最適化問題として過酷予見潮流断面を求める、
    ことを特徴とする電力系統監視方法。
JP2021071946A 2021-04-21 2021-04-21 電力系統監視装置およびその監視方法 Pending JP2022166616A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021071946A JP2022166616A (ja) 2021-04-21 2021-04-21 電力系統監視装置およびその監視方法
PCT/JP2022/015274 WO2022224730A1 (ja) 2021-04-21 2022-03-29 電力系統監視装置およびその監視方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021071946A JP2022166616A (ja) 2021-04-21 2021-04-21 電力系統監視装置およびその監視方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022166616A true JP2022166616A (ja) 2022-11-02

Family

ID=83722139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021071946A Pending JP2022166616A (ja) 2021-04-21 2021-04-21 電力系統監視装置およびその監視方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2022166616A (ja)
WO (1) WO2022224730A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07298498A (ja) * 1994-04-25 1995-11-10 Hitachi Ltd 電力系統の安定化方法および装置
JP2001025168A (ja) * 1999-07-09 2001-01-26 Fuji Electric Co Ltd 電力系統の電圧信頼度解析における並列処理方法
JP2004334781A (ja) * 2003-05-12 2004-11-25 Tokyo Electric Power Co Inc:The リアルタイム指標計算装置
JP4616206B2 (ja) * 2006-04-14 2011-01-19 株式会社日立製作所 電力系統安定度判定方法及び装置
JP6785717B2 (ja) * 2017-05-11 2020-11-18 三菱電機株式会社 最適潮流計算装置、最適潮流計算方法、および最適潮流計算プログラム
JP2019216534A (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 株式会社東芝 電力系統監視システム、電力系統監視方法、およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022224730A1 (ja) 2022-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. An improved network model for transmission expansion planning considering reactive power and network losses
JP6412822B2 (ja) 電力系統電圧無効電力監視制御装置及び方法
JP4577841B2 (ja) 分散型電源を配電ネットワークに連系する際の条件を決定する支援システム及び支援方法
EP2394347B1 (en) Integrated voltage and var optimization process for a distribution system
JP6244255B2 (ja) 電圧安定度監視装置および方法
US20140316598A1 (en) Method and Apparatus for Managing Demand Response Resources in a Power Distribution Network
CN105474523A (zh) 用于配电网络重配置的系统、方法和装置及有形计算机可读介质
US10678984B2 (en) Systems for real-time available delivery capability determination of large-scale distribution networks
Liere‐Netheler et al. Optimised curtailment of distributed generators for the provision of congestion management services considering discrete controllability
Zare-Bahramabadi et al. A risk-based dispatchable distributed generation unit and tie line planning framework to improve the resilience of distribution systems
Marquez et al. Optimal planning and operation of distribution systems using network reconfiguration and flexibility services
WO2022224730A1 (ja) 電力系統監視装置およびその監視方法
Voropai et al. A multi-agent approach to electric power systems
Horri et al. Reinforcement‐learning‐based load shedding and intentional voltage manipulation approach in a microgrid considering load dynamics
JP7462521B2 (ja) 電力系統監視制御装置および電力系統監視制御方法
Meng A generalized optimal power flow program for distribution system analysis and operation with distributed energy resources and solid state transformers
Li Decision making under uncertainty in power system using Benders decomposition
Oteng-Adjei et al. Customer damage function evaluation using indirect analytical method: the case of Ghana
Afandi et al. Operating Assessment of Local Power Grid Development Considered Captive Power Plant and Expanding Structure.
Laribi Optimized Planning of Distribution Power Grids Considering Conventional Grid Expansion, Battery Systems and Dynamic Power Curtailment
Putranto Design of Wide Area Monitoring Systems for Securing Voltage Stability
Zhang On-line security constrained economic dispatch and reactive power control using linear programming
Marcelo et al. Multistage planning for active power distribution systems with increasing penetration of prosumers and electric vehicles
Deeb et al. Improved system operation by optimal adjustment of reactive generation in electric power networks
Tumelo-Chakonta The Value and Risk of Probabilistic Thermal Uprating Scenarios on Power System Reliability

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240130