JP2011083077A - 電力系統分離制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】広域系統全体から見た脱調中心を確実に検出し、電力系統の細分化を阻止することができる電力系統分離制御システムを提供する。
【解決手段】電力系統5を構成する電気所A〜Dに配置され、系統電気量を測定する複数の子装置2と、通信ネットワーク3を介して子装置2に接続され、子装置2から伝達された情報に基づいて電力系統の系統分離を実施する親装置1と、を備えた電力系統分離制御システムであって、子装置2は、脱調を予測した脱調予測信号を生成して親装置1に送信し、親装置1は、子装置2から送信された脱調予測信号に基づいて制御対象の遮断器を選択し、選択した遮断器を管理する子装置2に対して遮断指令を送信する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、送電線の故障や負荷の増大などの外乱によって一の電力系統が不安定になったときに、当該一の電力系統を複数の電力系統に分離する制御を行う電力系統分離制御システムに関する。
近年、電力系統が大規模となり、電力系統内の潮流が複雑化するにつれ、以前にも増して、信頼性および精度の高い電力系統の制御および保護が要求されるようになっている。一方、送電線の故障や負荷の増大などの外乱が生じると、電力系統における一部の発電機の位相が正常な発電機の位相から大きく外れて行く、いわゆる脱調現象が発生する。このような脱調現象は波及的に拡大して行くため、その対策として、脱調分離リレーや、安定化保護システムを構築し、脱調現象の波及を防止する処置が採られている。
これらのシステムのうち、前者の脱調分離リレーは、電力系統内の送電線毎に設置され、監視対象とする送電線に脱調ローカスが入ったかどうかを監視し、脱調ローカスが入った場合には、監視対象の送電線を遮断することにより脱調現象の波及を防止する処理を行う。
ここで、脱調ローカスが入った状態とは、2台の発電機が送電線を介して結ばれている単純2機系統で説明すると、脱調が進展し発電機間の位相角差が拡大して、180度になり、送電線の中間点で電圧が零となる状態をいう。
また、後者の安定化保護システムは、対象系統に発生する特定の一つの脱調モードを対象とし、対象系統を2台の発電機からなる2機系統モデル(脱調する発電機を含む分離系統と、その影響を受ける健全系統からなるモデル)として考え、それぞれを代表する電気所の母線電圧位相を時々刻々と計測すると共に、両者間の位相角差を算出し、その位相角差が予め設定したしきい値を超過する場合、脱調発生と判定し、予め設定した一ヶ所固定の系統分離を実施して脱調現象の波及を防止する処理を行う。
特開2005−204367号公報 特願2009−120306 特開2007−60870号公報 国際公開第08/120282号
ところが、上述した脱調分離リレーおよび安定化保護システムでは、複数の脱調モードが発生する場合や、脱調現象が複雑で脱調ローカスが入る送電線が多岐にわたる場合において、種々の課題があった。
例えば、後者の安定化保護システムは、特定の一つの脱調モード(脱調現象)を対象とし、2機系統モデル(脱調する系統と健全な系統)での脱調判定を行うものであるため、複数の脱調モードが発生する電力系統には適用できないという課題があった。
また、前者の脱調分離リレーでは、複数の送電線毎にそれぞれ脱調分離リレーを設置する必要があるのと共に、脱調モード如何によって脱調ローカスが多数の送電線に入るような場合には、脱調分離リレーが連鎖的に動作して電力系統が細分化され、結果的に運転継続ができない状況に陥る可能性があるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、広域系統全体から見た脱調中心を確実に検出することができ、脱調分離リレーが連鎖的に動作して電力系統が細分化される状況を阻止することができる電力系統分離制御システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電力系統分離制御システムは、電力系統を構成する電気所に配置され、系統電気量を測定する複数の子装置と、ネットワークを介して前記各子装置に接続され、これら各子装置から伝達された情報に基づいて前記電力系統の系統分離を実施する親装置と、を備えた電力系統分離制御システムであって、前記各子装置は、脱調を予測した脱調予測信号を生成して前記親装置に送信し、前記親装置は、前記脱調予測信号に基づいて制御対象の遮断器を選択し、選択した遮断器を管理する子装置に遮断指令を送信することを特徴とする。
本発明にかかる電力系統分離制御システムによれば、脱調分離リレーが連鎖的に動作して電力系統が細分化される状況を阻止することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる電力系統分離制御システムが適用される電力系統全体のシステム構成を示す図である。 図2は、電力系統保護に関する段階制御の概要を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態にかかる電力系統分離制御システムの親装置の構成を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態にかかる電力系統分離制御システムの子装置の構成を示す図である。 図5は、親装置で実行される脱調予測保護演算処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、親装置で実行される脱調保護演算処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、親装置で実行される電圧不安定保護演算処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、制御テーブルの一例を示す図である。 図9は、1機無限大系統モデルを示す図である。 図10は、1機無限大系統モデルに接続される発電機の内部電圧位相角δGと電気的出力Peとの関係を示す電力相差角曲線(P−δ曲線)図である。 図11は、子装置で実行される脱調予測起動信号生成処理の流れを示すフローチャートである。 図12は、子装置で実行される対象変電所電圧の測定および送信処理の流れを示すフローチャートである。 図13は、子装置で実行される制御対象CB遮断処理の流れを示すフローチャートである。 図14は、日本国において代表的な電気学会EAST10モデル系統(50Hz系統)を示す図である。 図15は、本シミュレーションにおける発電機位相角の変化曲線図である。 図16は、本シミュレーションにおける空間同期フェーザの変化曲線図である。 図17は、本シミュレーションにおける有効電力の変化曲線図である。 図18は、本シミュレーションにおいて子装置が実行した脱調予測演算の信号タイムチャートである。 図19は、本シミュレーションにおける系統分離実施後の分離系統Iの発電機位相角の変化曲線図である。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる電力系統分離制御システムについて説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態にかかる電力系統分離制御システムが適用される電力系統全体のシステム構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる電力系統分離制御システムは、親装置1および子装置2を備えている。子装置2は、電力系統5を構成する電気所(発電所または変電所の総称)A〜Dのそれぞれに配置され、系統の交流電圧/電流(系統電気量)を測定する。親装置1は、電気所以外の場所に配置され、通信ネットワーク3を介して子装置2と接続される。なお、親装置1を任意の電気所の一つに配置しても無論構わない。安定化保護システム4は、電力系統5の状態を監視するシステムである。この安定化保護システム4は、電力系統5全体の監視業務を行っている場所、例えば中央給電指令所に配置される。なお、電力系統分離制御システムと安定化保護システム4との間の連携動作を迅速に行うためには、親装置1の配置場所は、安定化保護システム4の親装置(図示省略)と同一場所に配置することが好ましい。
図2は、電力系統保護に関する段階制御の概要を示す図である。第一段制御は、送電線、変圧器、発電機などに故障が発生した場合、リレー保護システムが迅速に故障を検出し、検出した故障設備を電力系統から切り離す制御である。なお、第一段制御の動作時間は、故障発生時点から数十ミリ秒〜数百ミリ秒である。
第二段制御は、リレー保護動作後の時間領域において、電力系統に存在する過渡安定度、動態安定度、電圧不安定、周波数安定度などを評価し、電力系統が不安定状態に陥るのを防止するシステム、すなわち系統の安定化制御を行うシステムである。なお、第二段制御の動作時間は、故障発生時点から数百ミリ秒〜数秒である。
第三段制御は、本願発明者が提案する概念であり、本実施の形態の電力系統分離制御システムによって実現される機能である。
ところで、第二段制御を行う現状の安定化保護システムは、異なる場所の多重同時故障などを考慮していない。このため、バックアップ保護として送電線に脱調リレーを配置し、送電線両端の位相差が180度を超えた時点で、当該送電線を遮断する制御を行う。一方、この手法には、脱調時点で監視対象の送電線(対象送電線)のみを遮断する制御を行うため、遮断された送電線が系統連絡線でない場合、連鎖して次々と他の送電線を遮断し、大規模停電を引き起こす虞があるという懸念がある。
そこで、本願発明者は、脱調を予測し、確実に脱調を判定できた時点で一の系統(大系統)を複数の系統(小系統)に分離する制御を行い、当該複数の系統における安定化制御を既存の安定化保護システムにハンドオフすることを提案するものである。系統分離の情報は、本願発明の電力系統分離制御システムから既存の安定化保護システムに伝達する。小系統における既存の安定化保護システム(例えば周波数安定化保護システム)は、電力系統分離制御システムから伝達された系統分離の情報に基づき、需給アンバランスを解消する制御(発電機遮断、負荷遮断)などを行うことになる。
上記では、脱調を予測して制御する場合について説明したが、電圧不安定状態を検出して制御する場合についても同様である。すなわち、電圧不安定状態を検出した場合には、まず系統分離を行って、既存の安定化保護システムにハンドオフし、既存の安定化保護システムにて需給アンバランスの解消制御を行う。これらの段階制御により、大系統における大規模停電の発生を未然に抑止することが可能となる。
第三段制御の動作時間は、故障発生時点から数百ミリ秒〜数十秒に設定することが好ましい。なお、この動作時間を既存の安定化保護システムの動作時間よりも長い時間(例えば数秒〜数十秒)に設定すれば、既存の安定化保護システムのバックアップ機能を担わせることが可能となる。また、この考えとは逆に、この動作時間を既存の安定化保護システムの動作時間よりも短い時間あるいは同等の時間に設定すれば、既存の安定化保護システムの代替として機能させることも可能である。
図3は、本発明の実施の形態にかかる電力系統分離制御システムの親装置1の構成を示す図である。図3に示すように、親装置1は、第1のデータ受信部12、GPS信号受信部13、空間同期フェーザ算出部14、第2のデータ受信部15、脱調保護対象決定部16、電圧不安定制御対象決定部17、第1の送信部18、第2の送信部19、インターフェース20、および記憶部21を備えている。
上記の構成において、第1のデータ受信部12は、子装置2からのデータを受信する処理部であり、第2のデータ受信部15は、安定化保護システムからのデータを受信する処理部である。第1の送信部18は、子装置2へのデータ送信を担う処理部であり、第2の送信部19は、安定化保護システムへのデータ送信を担う処理部である。インターフェース20は、本装置(親装置1)による演算結果等を表示装置や外部装置に出力する機能を提供し、記憶部21は、計測データや演算結果などを記憶する機能を提供する。なお、その他各部の機能については、後述するフローチャートの処理を説明するところで詳細に説明する。
また、上記の構成において、第1のデータ受信部12、GPS信号受信部13、空間同期フェーザ算出部14、第2のデータ受信部15、脱調保護対象決定部16、電圧不安定制御対象決定部17、第1の送信部18、第2の送信部19、インターフェース20、および記憶部21は、CPU、RAM、ROMおよびインターフェース回路を有する汎用のコンピュータならびに、汎用のコンピュータに接続され、所要の通信機能を有する機器等を用いることができる。
図4は、本発明の実施の形態にかかる電力系統分離制御システムの子装置2の構成を示す図である。図4に示すように、子装置2は、構内ネットワーク50を介して自端の計器用変圧器/変流器(自端PT/CT48)および制御対象の遮断器(制御対象CB49)に接続されると共に、電圧電流測定部31、A/D変換部32、PMUデータ受信部33、GPS信号受信部34、自端周波数算出部35、自端フェーザ算出部36、空間同期フェーザ算出部37、空間同期フェーザ変化率(角速度)算出部38、角速度変化率算出部39、有効電力算出部40、有効電力変化率算出部41、脱調予測部42、正相電圧実効値算出部43、制御対象CB遮断部44、送受信部45、インターフェース46、および記憶部47を備えて構成される。
上記において、PMUデータとは、安定化保護システムの一装置として公知である「同期フェーザ測定装置(Phasor Measurement Unit)」によって測定されたデータである。なお、この同期フェーザ測定装置については、本願発明者による上記特許文献1(特開2005−204367号公報)に詳細に記述されているので、当該公報を参照されたい。また、当該公報の内容は、本願明細書に取り込まれて本願発明の一部をなすものとする。
上記の構成において、送受信部45は、親装置1との間の送受信機能を提供する。インターフェース46は、本装置(子装置2)による演算結果等を表示装置や外部装置に出力する機能を提供し、記憶部47は、計測データや演算結果などを記憶する機能を提供する。なお、その他各部の機能については、後述するフローチャート(図11〜13)の項で詳細に説明する。
また、上記の構成において、電圧電流測定部31およびA/D変換部32は、デジタル電圧/電流出力端子を有する電圧計/電流計などを用いることができる。また、PMUデータ受信部33,GPS信号受信部34、自端周波数算出部35、自端フェーザ算出部36、空間同期フェーザ算出部37、空間同期フェーザ変化率(角速度)算出部38、角速度変化率算出部39、有効電力算出部40、有効電力変化率算出部41、脱調予測部42、正相電圧実効値算出部43、制御対象CB遮断部44、送受信部45、インターフェース46、および記憶部47は、CPU、RAM、ROMおよびインターフェース回路を有する汎用のコンピュータならびに、汎用のコンピュータに接続され、所要の通信機能を有する機器等を用いることができる。
つぎに、親装置1で実行する処理の詳細について図1〜図5の各図面を参照して説明する。図5は、親装置1で実行される脱調予測保護演算処理の流れを示すフローチャートである。
まず、親装置1の第1のデータ受信部12は、子装置2からのデータを受信する(ステップS101)。子装置2から送信されるデータは、脱調予測起動信号である。
親装置1の第2のデータ受信部15は、安定化保護システム4からのデータ(整定値、運用方式など)を受信する(ステップ102)。ここで、運用方式とは、各発電所がどのような運転状態を行っているのかを識別するために設けられており、日中、夜間、季節等の条件によって変更される。
親装置1は、予め定められている制御テーブルを切り替える処理を行う(ステップS103)。制御テーブルは、親装置1が参照するテーブルであり、一の系統(大系統)を複数の系統(小系統)に分離する制御に必要なテーブルである。この制御テーブルは、例えば図8に示すように、運用方式、制御起動の場所、潮流状況、保護種類などに基づいて、制御対象が定められている。なお、図8では、制御対象の選択が迅速かつ容易になるように、運用方式毎に個別のテーブルを定めているが、この限りではなく、運用方式がテーブル内に含まれた制御テーブルであっても無論構わない。
つぎに、親装置1の脱調保護対象決定部16は、子装置2からの脱調予測起動信号の有無を判定する(ステップS104)。脱調予測起動信号が無の場合(ステップS104,No)、ステップS108に移行し、脱調予測起動信号が有の場合(ステップS104,Yes)、ステップS103で切り替えられた制御テーブルを用いて制御対象を選択する(ステップS105)。親装置1の第1の送信部18は、制御対象CBに対する遮断指令を、当該制御対象CBを管理する子装置2に送信し(ステップS106)、親装置1の第2の送信部19は、制御結果を安定化保護システム4に送信する(ステップS107)。ステップS108では、本フローを終了するか否かの判定処理を行い、終了でなければ(ステップS108,No)、ステップS101〜S107の処理を繰り返し行う。
図5は、子装置2の脱調予測保護演算機能を利用するフローであったが、つぎに、親装置1が脱調の有無を判別して制御対象を選択するフローについて図1〜図4および図6の図面を参照して説明する。図6は、親装置1で実行される脱調保護演算処理の流れを示すフローチャートである。
まず、親装置1の第1のデータ受信部12は、子装置2からのデータを受信する(ステップS201)。子装置2から送信されるデータは、自身が監視するノードにおけるフェーザおよび当該フェーザの回転モードである。また、各ノードにおけるフェーザにはGPS時間が付されている。
親装置1の第2のデータ受信部15は、安定化保護システム4からのデータ(整定値、運用方式など)を受信する(ステップS202)。また、親装置1は、制御起動場所、潮流状況、保護種類などの情報に基づいて定められている制御テーブルの切替処理を行う(ステップS203)。
つぎに、親装置1のGPS信号受信部13は、GPS信号を受信する(ステップS204)。
さらに、親装置1は、脱調起動を判定するために指定した任意2つのノード(以下「指定2ノード」という)を選定し、これら指定2ノードの連系の有無を判定する(ステップS205)。指定2ノードが連系していない場合(ステップS205,No)、ステップS201に戻り、指定2ノードが連系している場合(ステップS205,Yes)、当該指定2ノード間の空間同期フェーザを計算する(ステップS206)。なお、指定2ノード間の空間同期フェーザの計算は、連系している全ての組合せについて実行する。
ここで、空間同期フェーザの計算式を示す。なお、以下の説明よりも詳細な内容は、本願発明者による「同期フェーザ測定装置(特願2009−120306:上記特許文献2)」に詳細に記述されているので、当該出願の公開公報を参照されたい。また、当該出願が公開された場合、当該出願の内容は、本願明細書に取り込まれて本願発明の一部をなすものとする。
指定2ノードをノード1およびノード2とするとき、ノード1のフェーザα1(t)が、ノード2のフェーザα2(t)よりも進んでいる場合の空間同期フェーザαSPは、次式のように定義される。
Figure 2011083077
上記(1)式において、α1m,α2mはそれぞれフェーザα1(t)およびフェーザα2(t)の回転モードである。また、Tはサンプリング1刻み時間である。
一方、ノード1のフェーザα1(t)が、ノード2のフェーザα2(t)よりも遅れている場合の空間同期フェーザαSPは、次式のように定義される。
Figure 2011083077
ステップS206にて空間同期フェーザの計算処理が完了すると、親装置1は、下記(3)式を用いて脱調起動の有無を判定する(ステップS207)。
Figure 2011083077
上記(3)式において、閾値αSETは、所定の閾値である。なお、子装置2の脱調予測演算と異なり、親装置1の脱調判別では予測機能がないので、閾値αSETは180度など、比較的大きな値で設定することになる。
脱調起動なしと判定された場合(ステップS207,No)、ステップS211に移行し、脱調起動ありと判定された場合(ステップS207,Yes)、親装置1の脱調保護対象決定部16はステップS203で切り替えられた制御テーブルを用いて制御対象を選択する(ステップS208)。親装置1の第1の送信部18は、制御対象CBに対する遮断指令を、当該制御対象CBを管理する子装置2に送信し(ステップS209)、親装置1の第2の送信部19は、制御結果を安定化保護システム4に送信する(ステップS210)。ステップS211では、本フローを終了するか否かの判定処理を行い、終了でなければ(ステップS211,No)、ステップS201〜S210の処理を繰り返し行う。
つぎに、親装置1が子装置2から受領した実測電圧値等に基づいて系統の電圧不安定状態を判定し、制御対象を選択するフローについて図1〜図4および図7の図面を参照して説明する。図7は、親装置1で実行される電圧不安定保護演算処理の流れを示すフローチャートである。
まず、親装置1の第2のデータ受信部15は、安定化保護システム4からのデータ(整定値)を受信する(ステップS301)。また、親装置1の第1のデータ受信部12は、子装置2から実測電圧値のデータを受信する(ステップS302)。
親装置1は、制御起動場所、潮流状況、保護種類などの情報に基づいて定められている制御テーブルの切替処理を行う(ステップS303)。また、親装置1は、下記(4)、(5)式に基づき、長時間低電圧状態(ノード電圧低下状態の継続性の度合い)の有無を判別する(ステップS304)。
Figure 2011083077
Figure 2011083077
上記(4)式において、V1n(t)は、ノードnの正相電圧であり(後述する(23)式を参照)、VSETは整定値であり、Nは指定ノード数である。また、上記(5)式において、T1は、(4)式を満足した場合の継続時間であり、TSETはT1を評価するための整定値である。なお、このTSETは、安定化保護システム4における電圧不安定保護の起動時間よりも大きな値に整定するものとする。
全てのノードについて、上記(5)式が成立しない場合(ステップS304,No)、ステップS308に移行する。一方、上記(5)式が成立する場合(ステップS304,Yes)、親装置1の電圧不安定制御対象決定部17は、制御起動の場所、現状の系統構成、潮流状況、安定化保護システム4の保護種類などに基づいて、制御対象を決定する(ステップS305)。
親装置1の第1の送信部18は、制御対象CBに対する遮断指令を、当該制御対象CBを管理する子装置2に送信し(ステップS306)、親装置1の第2の送信部19は、制御結果を安定化保護システム4に送信する(ステップS307)。ステップS308では、本フローを終了するか否かの判定処理を行い、終了でなければ(ステップS308,No)、ステップS301〜S307の処理を繰り返し行う。
以上、親装置1で実施する3つの処理フロー、すなわち
(1)脱調予測保護演算処理
(2)脱調保護演算処理
(3)電圧不安定保護演算処理
について説明したが、親装置1は、これら3つの処理フローのうちの少なくとも一つを利用して、所要の系統分離を行えばよい。
つぎに、子装置2の脱調予測保護演算機能における判定処理の部分について、図9、図10などを参照して説明する。図9は、以下の説明で用いる1機無限大系統モデルを示す図である。なお、「1機無限大系統モデル」とは、各1台の発電機同士が送電線を介して接続され、各発電機は無限大母線に接続されたものとして扱うモデルである。また、図10は、1機無限大系統モデルに接続される発電機の内部電圧位相角δGと電気的出力Peとの関係を示す電力相差角曲線(P−δ曲線)図である。なお、発電機の内部電圧位相角δGは、無限大母線の電圧位相角をゼロとしたときの値である。この系統モデルにおいて、発電機の運動方程式は次式のように表される。
Figure 2011083077
この(6)式において、Pmは発電機の機械的入力、Peは発電機の電気的出力、δGは発電機の内部電圧の位相角、Mは発電機の慣性定数である。発電機の運転点は、事故などに係わって系統擾乱がある場合、P−δ曲線に沿って移動する。図10のC点は不安定平衡点であり、実線で示す発電機の運転点が、不安定平衡点C点より位相角の大きな側に移動する場合、そのままの運転を続けると運転点が位相角の小さな側に戻ることができず、発電機は加速して脱調に至っていく。
なお、上記位相角δGを求める計算式は、本願発明者による「電力系統脱調予測装置(特開2007−60870号公報:上記特許文献3)」に詳細に記述されているので、当該公報を参照されたい。また、当該公報の内容は、本願明細書に取り込まれて本願発明の一部をなすものとする。
発電機の運転点がC点より位相角の大きな側に移る条件は3つある。
まず、第1の条件は、位相角δGが増大していることであり、次式に示すように、発電機の位相角δGの1階微分が零を超えていることである。
Figure 2011083077
第2の条件は、電気的出力Peが機械的入力Pm未満であることである。(6)式の右辺のMは正の実数であるので、次式に示されるように、発電機の位相角δGの2階微分が零を超えていることが条件となる。
Figure 2011083077
第3の条件は、発電機の電気的出力Peが減少傾向にあることである。この条件は、次式に示されるように、発電機の電気的出力Peの1階微分が零未満となることである。
Figure 2011083077
このように1機無限大母線系統の発電機では、上述の3つの条件がすべて満足したとき、運転点が不安定平衡点C点を越えること、すなわち、そのまま運転を続けると脱調に至ると予測することができる。
なお、(7)〜(9)式は、変化分計算式であることから、図9において、発電機の内部電圧の位相角δGを線路両端位相角差δMNに、発電機の電気的出力Peを送電線の有効電力PLに変更しても、(7)〜(9)式は成立する。
また、ここでは更に、脱調中心が対象線路にあることを判定するため、つぎの第4条件を設ける。
第4の条件は、両端の位相角差が整定値より大きいという条件であり、次式で表すことができる。
Figure 2011083077
上記(10)式において、δSETは整定値である。系統の脱調中心が対象送電線MNにある場合のみ、位相角差δMNは漸次増加して行く。
つぎに、子装置2が親装置1に送信するための脱調予測起動信号を生成する処理について図1〜図4および図11の各図面を参照して説明する。図11は、子装置2で実行される脱調予測起動信号生成処理の流れを示すフローチャートである。
まず、電圧電流測定部31は、自端PT/CT48にて実測された電圧および電流の各時系列データ(アナログデータ)を取り込み所定のタイミングごとにA/D変換部32に送り込むと共に、A/D変換部32は、時系列のアナログデータを時系列のデジタルデータに変換する(ステップS401)。
つぎに、PMUデータ受信部33は、対象送電線の相手端PMUデータを受信し(ステップS402)、GPS信号受信部34は、GPS信号を受信する(ステップS403)。
つぎに、自端周波数算出部35は、次式を用いて自端周波数f1(t)を算出する(ステップS404)。
Figure 2011083077
上記(11)式において、f0は、定格周波数(50Hzまたは60Hz)であり、Ψ(t)は、定格周波数に対応する一サイクル周期時間に回転した位相角(ラジアン)である。計算の詳細は、上記した特許文献2を参照されたい。
つぎに、自端フェーザ算出部36は、次式を用いて自端フェーザα(t)を算出する(ステップS405)。
Figure 2011083077
上記(12)式において、vest(t)およびVest(t)は、それぞれ最小二乗法により推定した現時点の電圧瞬時値および振幅である。計算の詳細は、特許文献2を参照されたい。
つぎに、空間同期フェーザ算出部37は、受信した相手端フェーザ情報と自端フェーザ情報とに基づき、上記(1)、(2)式を用いて対象送電線の空間同期フェーザαSP(t)を算出する(ステップS406)。
なお、ステップS406で算出する空間同期フェーザの計算に必要なフェーザ回転モードαm(t)は、次式を用いて計算する。
Figure 2011083077
一方、上記(13)式に示す空間同期フェーザαSP(t)は、図9に示す1機無限大系統モデル上においては、δMN(t)に相当する。そこで、この空間同期フェーザαSP(t)を次式のようにδMN(t)とおく。
Figure 2011083077
つぎに、空間同期フェーザ変化率(角速度)算出部38は、次式を用いて空間同期フェーザ変化率(以下「角速度」という)ω(t)を算出する(ステップS407)。
Figure 2011083077
上式において、Tは計算時間刻み幅である。
また、角速度変化率算出部39は、次式を用いて角速度変化率を算出する(ステップS408)。
Figure 2011083077
また、有効電力算出部40は、次式を用いて対象送電線の有効電力PL(t)を算出する(ステップS409)。
Figure 2011083077
上式において、PA(t),PB(t),PC(t)は、それぞれA相、B相、C相の有効電力実効値であり、pA(t),pB(t),pC(t)は、それぞれA相、B相、C相の有効電力瞬時値であり、T0は、サンプリング周波数の1サイクル時間である。なお、これより詳細な内容は、本願発明者による「交流電気量測定装置(国際公開第08/120282号公報:上記特許文献4)」に詳細に記述されているので、当該公報を参照されたい。また、当該公報の内容は、本願明細書に取り込まれて本願発明の一部をなすものとする。
さらに、有効電力変化率算出部41は、次式を用いて対象送電線の有効電力変化率を算出する(ステップ410)。
Figure 2011083077
つぎに、脱調予測部42は、次の4つの判定式を用いて電力系統の脱調を予測する(ステップ411)。
Figure 2011083077
Figure 2011083077
Figure 2011083077
Figure 2011083077
上記(22)式において、δSETはδMNを評価するための整定値である。なお、このδSETは系統が正常運転をしており、かつ、最大潮流の場合において観測される空間同期フェーザよりも大きな値に設定するものとする。
脱調予測部42は、上記第1条件((19)式)、第2条件((20)式)、第3条件((21)式)、第4条件((22)式)の全ての条件が成立した場合、系統が脱調状態にあり、脱調中心は当該送電線にあると予測する。
なお、脱調予測が起動された場合(ステップS412,Yes)、親装置1に対し脱調予測起動信号を送信する(ステップS413)。一方、脱調予測が起動されない場合(ステップS412,No)、本フローを終了するか否かの判定処理を行い(ステップS414)、終了でなければ(ステップS414,No)、ステップS401〜S413の処理を繰り返し行う。
図11は、子装置2が予測した脱調予測起動信号を親装置1に対して送信するフローであったが、つぎに、子装置2が測定した対象変電所の電圧を親装置1に対して送信するフローについて図12の図面を参照して説明する。図12は、子装置2で実行される対象変電所電圧の測定および送信処理の流れを示すフローチャートである。
まず、正相電圧実効値算出部43は、次式を用いて正相電圧実効値V1(t)を算出する(ステップS501)。
Figure 2011083077
上記(23)式において、v1e(t)は、正相電圧の瞬時値である。なお、計算の詳細は、上記した特許文献4を参照されたい。
子装置2は、算出した正相電圧実効値V1(t)を親装置1に対して送信する(ステップS502)。送信後、本フローを終了するか否かの判定処理を行い(ステップS503)、終了でなければ(ステップS503,No)、ステップS501,S502の処理を繰り返し行う。
つぎに、子装置2が親装置1から受領した制御指令に基づいて制御対象CBを遮断する処理について図13の図面を参照して説明する。図13は、子装置2で実行される制御対象CB遮断処理の流れを示すフローチャートである。
まず、子装置2は、親装置1からの制御指令を待ち受ける(ステップS601)。親装置1からの制御指令を受信していない場合(ステップS602,No)、ステップS604に移行するが、親装置1からの制御指令を受信した場合(ステップS602,Yes)、制御指令に付された制御対象CBを遮断する(ステップS603)。ステップS604では、本フローを終了するか否かの判定処理を行い、終了でなければ(ステップS604,No)、ステップS601〜S603の処理を繰り返し行う。
図14は、日本国において代表的な電気学会EAST10モデル系統(50Hz系統)を示す図である。( )内の番号はノード番号を示し、< >内の番号はブランチ番号を示している。ここで、ブランチは送電線を意味している。いま、このモデル系統において、ノード25とノード26の間の並列2回線である送電線19において、送電線19のノード25側の至近端(A点)で1回線の三相地絡故障をシミュレートする。なお、故障継続時間は70msとする。
図15は、本シミュレーションにおける発電機位相角の変化曲線図である。図15に示す波形図では、発電機G1〜G3は脱調しないが、発電機G10が脱調して行く様子が示されている。なお、本シミュレーションでは、発電機G10の内部位相角は、故障発生から約4.3秒の時点で180度に達している。
図16は、本シミュレーションにおける空間同期フェーザの変化曲線図である。図16に示す波形は、ノード25に配置された子装置で計測されたノード25とノード26の間の空間同期フェーザである。図16に示すように、脱調直前において、空間同期フェーザが急速に増大して行くことが確認できる。
図17は、本シミュレーションにおける有効電力の変化曲線図である。図17に示す波形は、ノード25に配置された子装置で計測された送電線19の有効電力である。図17に示すように、脱調中心にある送電線の有効電力は、脱調直前において、急速に減少して行くことが確認できる。
図18は、本シミュレーションにおいて子装置が実行した脱調予測演算の信号タイムチャートである。図18において、第1〜第4条件は、上記した(19)〜(22)式に基づく判定処理の結果である。これらの第1〜第4条件の全てを満足した時点で(3回照合)、脱調予測信号が出力されている。図18に示すように、故障発生から約3.8秒の時点で脱調予測ができている。したがって、本シミュレーションによれば、発電機G10の内部位相角が180度に達する500ms前に脱調予測が可能となることを意味している。
つぎに、本シミュレーションにおける親装置の動作について説明する。親装置は、ノード25に配置された子装置からの脱調予測起動信号を受信すると、制御テーブルを参照し、発電機G1〜G3のグループと、発電機G4〜G10のグループとによる2つのグループに分離する系統分離を行うため、送電線19および送電線21を切り離すための遮断指令を、それぞれノード25,27に配置された子装置に対して送信する。ノード25,27の子装置は、遮断指令に基づき、該当する遮断器をトリップする。この制御により、図14に示したEAST10モデル系統は、発電機G1〜G3による分離系統Iと、発電機G4〜G10による分離系統IIとに分離される。
ここで、本シミュレーションに関し、本実施の形態にかかる電力系統分離制御システムを有さない場合の動作(シナリオ)について説明する。なお、このときの動作としては、監視対象の送電線のみ遮断器を遮断する制御を行うものとする。
まず、送電線19に脱調中心があることが検出され、送電線19が切り離される。すると、次の脱調中心は送電線35(G7の送電線)に移るので、送電線35が切り離される。さらに、次の脱調中心は送電線32,33に移行する。これらの送電線も逐次切り離されて行く。このような制御が行われると、結果として、10台の発電機の全てが連鎖的に切り離されて行くことになる。なお、現実には、種々の安定化保護システムの協調動作により、多数の発電機が連鎖的に切り離されて行く状況は阻止できる可能性はある。しかしながら、悲観的なシナリオを想定すれば、多数の発電機が連鎖的に切り離されて行く状況を阻止することはできず、系統が崩壊し、大停電が発生する可能性は否定できない。
図19は、本シミュレーションにおける系統分離実施後の分離系統Iの発電機位相角の変化曲線図である。本シミュレーションでは、系統分離を実施した後、分離系統Iに対する制御は特に行っていない。図19に示すように、系統分離実施後から約4秒後までの間、一時的に位相角の増加は見られるが、その後回復し、以後安定的に推移している。
また、系統分離の情報は、安定化保護システムに伝達されるので、不安定状態にある分離系統IIについては、安定化保護システムによる適切な安定化制御により、脱調の回避が可能となる。なお、電力系統分離制御システムは、分離系統IIの監視も継続するので、分離系統IIの状態如何によって、分離系統IIの系統分離も実施することになる。
以上説明したように、本実施の形態の電力系統分離制御システムによれば、各子装置は、脱調を予測した脱調予測信号を生成して前記親装置に送信し、親装置は、脱調予測信号に基づいて制御対象の遮断器を選択し、選択した遮断器を管理する子装置に遮断指令を送信するようにしているので、脱調分離リレーが連鎖的に動作して電力系統が細分化される状況を阻止することができる。
なお、本実施の形態の電力系統分離制御システムでは、親装置の制御結果を電力系統の安定化保護システムに送信し、安定化保護システムは、系統分離が行われた各小系統に対する安定化制御を行うので、大系統の脱調あるいは電圧不安定の問題を小系統の需給バランス制御の問題に切り換えることができ、大規模停電の発生もしくは、その可能性を未然に防止することができる。
また、本実施の形態の電力系統分離制御システムは、各電気所に配置した子装置からの情報を利用する広域監視システムであるため、広域系統全体から見た脱調中心を確実に検出することができるので、不必要な系統分離を抑止し、電力系統の細分化を阻止することができる。
また、本実施の形態の電力系統分離制御システムでは、子装置から送信される各ノードのフェーザおよび当該フェーザの回転モードを親装置が受信して空間同期フェーザを算出するので、各ノードの周波数が定格周波数からずれた場合であっても、発電機位相角を精度よく推定することができる。このため、電力系統が動揺していたとしても、精度のよい系統分離を実施することができる。
以上のように、本発明にかかる電力系統分離制御システムは、広域系統全体から見た脱調中心を確実に検出することができる発明として有用である。
1 親装置
2 子装置
3 通信ネットワーク
4 安定化保護システム
5 電力系統
12 第1のデータ受信部
13 GPS信号受信部
14 空間同期フェーザ算出部
15 第2のデータ受信部
16 脱調保護対象決定部
17 電圧不安定制御対象決定部
18 第1の送信部
19 第2の送信部
20 インターフェース
21 記憶部
31 電圧電流測定部
32 A/D変換部
33 PMUデータ受信部
34 GPS信号受信部
35 自端周波数算出部
36 自端フェーザ算出部
37 空間同期フェーザ算出部
38 空間同期フェーザ変化率(角速度)算出部
39 角速度変化率算出部
40 有効電力算出部
41 有効電力変化率算出部
42 脱調予測部
43 正相電圧実効値算出部
44 制御対象CB遮断部
45 送受信部
46 インターフェース
47 記憶部
48 自端PT/CT
49 制御対象CB
50 構内ネットワーク

Claims (5)

  1. 電力系統を構成する電気所に配置され、系統電気量を測定する複数の子装置と、ネットワークを介して前記各子装置に接続され、これら各子装置から伝達された情報に基づいて前記電力系統の系統分離を実施する親装置と、を備えた電力系統分離制御システムであって、
    前記各子装置は、脱調を予測した脱調予測信号を生成して前記親装置に送信し、
    前記親装置は、前記脱調予測信号に基づいて制御対象の遮断器を選択し、選択した遮断器を管理する子装置に遮断指令を送信する
    ことを特徴とする電力系統分離制御システム。
  2. 前記子装置は、監視対象送電線の空間同期フェーザ、空間同期フェーザの変化率、空間同期フェーザ変化率の変化率、当該監視対象送電線の有効電力および、有効電力の変化率に基づいて脱調を予測し、脱調を予測した場合には、前記脱調予測信号を親装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の電力系統分離制御システム。
  3. 電力系統を構成する電気所に配置され、系統電気量を測定する複数の子装置と、ネットワークを介して前記各子装置に接続され、これら各子装置から伝達された情報に基づいて前記電力系統の系統分離を実施する親装置と、を備えた電力系統分離制御システムであって、
    前記各子装置は、測定した前記系統電気量を用いて監視ノードにおけるフェーザおよび、当該フェーザの回転モードを算出して前記親装置に送信し、
    前記親装置は、前記フェーザおよび前記回転モードを用いて指定した2つのノード間の空間同期フェーザを計測し、計測した空間同期フェーザから脱調起動の有無を判定すると共に、脱調起動を判定した場合には、制御対象の遮断器を選択し、選択した遮断器を管理する子装置に遮断指令を送信する
    ことを特徴とする電力系統分離制御システム。
  4. 電力系統を構成する電気所に配置され、系統電気量を測定する複数の子装置と、ネットワークを介して前記各子装置に接続され、これら各子装置から伝達された情報に基づいて前記電力系統の系統分離を実施する親装置と、を備えた電力系統分離制御システムであって、
    前記各子装置は、監視ノードにおける実測電圧値を用いて正相電圧実効値を算出して前記親装置に送信し、
    前記親装置は、前記実測電圧値の低電圧状態の継続性を評価し、低電圧状態が継続していると判定した場合、制御対象の遮断器を決定し、当該遮断器を管理する子装置に遮断指令を送信する
    ことを特徴とする電力系統分離制御システム。
  5. 前記ネットワークには、系統の安定化制御を行う安定化保護システムが設けられており、
    前記親装置は、電力系統分離を行った制御結果を前記安定化保護システムに伝達することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電力系統分離制御システム。
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