JP2006246620A - 分散型電源装置、その制御システム、および分散型電源の制御方法 - Google Patents

分散型電源装置、その制御システム、および分散型電源の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】雷による影響が予想される場合に、迅速かつ確実に分散型電源装置の切り離しを行う分散型電源装置、その制御システム、および分散型電源の制御方法を提供する。
【解決手段】分散型電源装置の制御システム100は、ネットワーク110を介して接続された雷事故予測サーバ104と、分散型電源装置1の制御装置21とを含む。雷が発生すると、雷事故予測サーバ104は雷情報を制御装置21に送信し、制御装置21は受信した雷情報に応じて、分散型電源装置1を商用電力系統5から切り離す等の処理を行う。処理結果は雷事故予測サーバ104にフィードバックされる。
【選択図】図1

Description

この発明は、負荷平準化のための商用電力系統に連系する分散型電源装置、その制御システム、および分散型電源の制御方法に関する。
ナトリウム−硫黄電池などの電池を用いた分散型電源装置は、電力使用量の少ない夜間に電力を充電し、電力ピークの昼間に放電することにより、契約電力の削減や電気料金の削減ができる。そして、通常は商用系統に接続されて電気料金の削減のために充放電運転を行う連系モードで運転され、商用系統に停電が発生したとき、商用系統から切り離して負荷給電の自立モードで運転される。この商用系統との接続・切離を行うとき、分散型電源装置を一旦停止し、連系用遮断器を解列したのち自立モードに交替する、または停電検出後高速に高速スイッチにより解列すると同時に自立モードに運転モードを変更する(たとえば特許文献1参照。)。
また、このような分散型電源装置の接続または切り離しを要する状況の例として、雷が発生した場合が挙げられる。
連系モードで運転中の分散型電源装置は、送電線への落雷等による瞬間的な低電圧状態が発生すると、運転が停止する場合がある。このような運転停止によって、負荷が電力系統に接続されたまま分散型電源装置が電源として動作しなくなると、電力系統全体の電力供給能力が減少する。こうなると電力系統の発電予備力が著しく減少するので、これを避けるために、雷が発生した場合には、事前に重要負荷と分散型電源装置とを切り離して自立運転させておき、雷が遠ざかった後に再接続する必要がある。
雷に関する情報を定量的に算出して提供するシステムが既知である(たとえば特許文献2参照)。雷に関する情報を分散型電源装置の操作員が受信すると、その内容に応じて分散型電源装置を切り離す等の処置をとる。
特開平11−266540号公報 特開2003−47173号公報
しかしながら、従来の分散型電源装置の運転方法においては、接続または切り離しを要する状況が生じた後、実際に接続または切り離しが開始されるためには、操作員が状況を把握して指示を出すまで待たねばならい。このため、操作員の過誤あるいは対応の遅れによって有効な対応ができなくなり、落雷によって分散型電源装置が停止してしまい電力系統の発電予備力低下が発生してしまうという問題がある。
たとえば、落雷による電圧低下が事前に予想されていたにもかかわらず、操作員がこれを認識して切り離し指示を出すまでに時間がかかり、切り離しを実行する前に電圧低下が発生して分散型電源装置が停止してしまうような場合である。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、雷による影響が予想される場合に、迅速かつ確実に分散型電源装置の切り離しを行う分散型電源装置、その制御システム、および分散型電源の制御方法を提供する。
上述の問題点を解決するため、この発明に係る分散型電源装置は、商用電力系統と受電点で連系する所内系統を介して重要負荷と並列に接続され、電力を貯蔵する分散型電源と、開放されることによって、上記重要負荷と上記分散型電源とを上記所内系統から切り離し、投入されることによって、上記重要負荷と上記分散型電源とを上記所内系統に接続する、解列用遮断器と、上記解列用遮断器の動作を制御する制御装置とを備え、上記制御装置は、外部のネットワークに接続され、上記制御装置は、上記ネットワークを介して受信する情報に応じて、上記解列用遮断器の開放および投入を制御する。
また、この発明に係る分散型電源装置の制御システムは、上記分散型電源装置と、上記ネットワークを介して、上記雷予測データを上記制御装置に送信する雷事故予測サーバと
を備える。
また、この発明に係る分散型電源の制御方法は、商用電力系統と受電点で連系する所内系統を介して重要負荷と並列に接続され、電力を貯蔵する分散型電源と、開放されることによって、上記重要負荷と上記分散型電源とを上記所内系統から切り離し、投入されることによって、上記重要負荷と上記分散型電源とを上記所内系統に接続する、解列用遮断器とを備える、分散型電源の制御方法であって、外部のネットワークを介して受信する雷予測データに応じて、上記解列用遮断器の開放および投入を制御する。
この発明に係る分散型電源装置、その制御システム、および分散型電源の制御方法は、接続または切り離しを要する状況の発生に際し、迅速かつ確実に分散型電源装置の切り離しを実施するので、電力系統の発電予備力低下を回避する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る分散型電源装置の制御システム100を含む構成を示す概略図である。
1つまたは複数の発電所106を含む商用電力系統5から、1つまたは複数の需要家102が電力の供給を受けている。需要家102は、後述する分散型電源装置1を備え、さらにこの分散型電源装置1は制御装置21を備える。制御装置21はそれぞれ、インターネット等の周知のネットワーク110と通信可能に接続されている。また、ネットワーク110には、図示されない既存の雷情報提供システムから取り込んだデータをもとに雷事故に関する確率を算出する雷事故予測サーバ104も、通信可能に接続されている。
雷事故予測サーバ104は、その内部に、送配電線路の所在および設備情報を含むデータベースである送配電線路DBと、ナトリウム−硫黄電池の所有者の氏名(名称)、住所(所在地)、および重要負荷に関する情報を含むデータベースであるナトリウム−硫黄電池所有者DBと、過去に算出された雷事故率および電圧低下率、ならびに実際の雷事故データおよび電圧低下データに関する情報を含むデータベースである事故実績DBと、商用電力系統5に含まれる発電所106に関する情報、たとえば所在地・出力等を含むデータベースである系統情報DBとを含む。
この雷事故予測サーバ104と、ネットワーク110と、制御装置21とが、分散型電源装置の制御システム100を構成する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る分散型電源装置が連系された電力系統図である。
この発明に係る分散型電源装置1は、図2に示すように、接続点4において重要負荷2と並列に接続され、重要負荷2と分散型電源装置1は、解列用遮断器11を通して所内系統3に接続される。さらに、受電点6と所内系統3との間に設置される受電用遮断器9を通して受電点6において商用電力系統5に連系される。
なお、ここでいう重要負荷2は、瞬時の電圧低下などにより処理が中断してしまうコンピュータや連続的に製品が流されていて条件がわずかに変化したときでも大きな影響を受ける半導体製造ラインなどを意味するが、顧客により判断基準は異なるので、上述の例に限るものではない。
この分散型電源装置1は、電力使用量の少ない夜間に商用電力系統5から受電して分散型電源としてのナトリウム−硫黄電池7に電力を貯え、電力使用量の多い昼間にナトリウム−硫黄電池7から電力を放出し、重要負荷2および一般負荷18に電力を供給する。このようにすると商用電力系統5から受電点6を経由して重要負荷2、一般負荷18および分散型電源装置1に供給される電力が平準化されて最大需要電力が低下する。そして最大需要電力に比例して決められている契約電力が小さくなるので、基本料金を削減することができる。
また、商用電力系統5が停電しているとき、解列用遮断器11を開放し、分散型電源装置1を自立モードで運転して重要負荷2に対して電力を供給して停電の影響を極力避けることができる。
最初に、この発明を適用する電力系統について図2を参照して詳細に説明する。
受電点6と接続点4の間には、受電点6側から商用電力系統5と所内系統3とを連系する受電用遮断器9、条件が揃ったとき分散型電源装置1および重要負荷2を所内系統3から切り離す解列用遮断器11、解列用遮断器11の系統側電圧を計測する系統側計器用変圧器10、重要負荷2に流れる負荷側電流を計測する負荷側計器用変流器12が備えられている。
この解列用遮断器11には、後述する分散型電源装置1の制御装置21からの開閉信号を受信する端子19が備えられている。
また、この解列用遮断器11は、解列用遮断器11が開放状態にあるとき論理「1」の信号ξを、解列用遮断器11が投入状態にあるとき論理「1」の信号ξを出力する。
次に、分散型電源装置1について説明する。
分散型電源装置1は、分散型電源装置1を連系・解列させるための連系用遮断器15、分散型電源装置1の出力電流を計測する電源側計器用変流器13、電源側電圧を計測する電源側計器用変圧器14、接続点4の電圧を交直変換装置20に適する電圧に変換する連系用変圧器16、交流電力を直流電力に変換してナトリウム−硫黄電池7に充電し、逆にナトリウム−硫黄電池7から放電された直流電力を交流電力に変換する交直変換装置20、交直変換装置20の出力電流を計測するためのPCS計器用変流器22、ナトリウム−硫黄電池7と交直変換装置20を接続するための直流開閉器23、交直変換装置20が発生する高調波を抑制するためのフィルタコンデンサ8および直列リアクトル17から構成されている。
さらに、分散型電源装置1には、分散型電源装置1を所望の電力に制御し、かつ自立運転/連系運転の運転モード切替条件を判断して、解列用遮断器11の開閉制御と、分散型電源装置の自立モードおよび連系モードの切り替え制御とを行うための制御装置21が備えられている。
次に、分散型電源装置1の制御装置21に入力される信号および出力される信号について説明する。
制御装置21には、電圧要素として、系統側計器用変圧器10からの3相の系統側電圧VSa、VSb、VScが入力され、分散型電源装置1の出力端の電源側計器用変圧器14からの3相の電源側電圧VLa、VLb、VLcが入力される。
また、電流要素として、重要負荷2に流れる電流を計測するための負荷側計器用変流器12からの3相の負荷側電流ILa、ILb、ILcが入力され、交直変換装置20の出力端に備えられるPCS計器用変流器22からの3相のPCS電流IPa、IPb、IPcが入力される。さらに、分散型電源装置1の出力電流の計測のために備えられる電源側計器用変流器13からの3相電流が入力される。
また、図示しない運転モード切替スイッチから自立操作信号ζおよび連系操作信号ζが入力される。この自立操作信号ζおよび連系操作信号ζは、制御装置21自身が生成する場合もある。
また、解列用遮断器11から、それが開放状態にあることを示す信号ξと投入状態にあることを示す信号ξが入力される。
制御装置21から出力される信号としては、解列用遮断器11を開閉するための投入指令信号/開放指令信号が解列用遮断器11に出力され、また、交直変換装置20にゲート信号が出力される。
次に、制御装置21について説明する。
制御装置21は、図2に示すように、交直変換装置20のPWM制御において用いられる位相を商用電力系統5の位相に同期させる位相検出部25、分散型電源装置1の出力が所望の電力値になるように制御する電力制御部24、交直変換装置20の出力電流が所望の電流値になるように制御する電流制御部28、交直変換装置20のPWM制御を行うPWM制御部27、自立運転/連系運転の運転モード切替条件を判断する運転モード切替部26、および電力回路の外部との入出力を行う対外入出力部29から構成されている。対外入出力部29は、操作員が指示を入力する入力装置であるキーボード29Aと、ネットワーク110を介して雷事故予測サーバ104と通信するネットワークインターフェースであるネットワークカード29Bと、分散型電源装置1の状況を外部に対して表示する出力装置であるディスプレイ29Cとを備える。キーボード29Aは、他の入力装置、たとえばテンキーやタッチパネル、音声認識装置等であってもよい。また、ネットワークカード29Bは、他のネットワークインターフェース、たとえば無線ネットワークに使用されるアンテナ等であってもよい。さらに、ディスプレイ29Cは、情報を外部に対して出力できるものであれば、他の出力装置、たとえばプリンタやスピーカー等であってもよい。
次に、図3を参照して、分散型電源装置の制御システム100の処理の流れを説明する。図3において、破線の左側は雷事故予測サーバ104の処理を、破線の右側は制御装置21の処理を表す。
まず、雷事故予測サーバ104は、外部の雷情報提供システムに含まれる周知の雷データ配信サーバから雷情報を受信する(ステップS300)。ここで、受信される雷情報には、現時点における各地の雷事故発生状況、現時点における系統の発電予備力、雷の現在位置、雷の未来における予測位置、雷の強度、雷から近い場所にある送配電線および雷とそれぞれの送配電線との距離等に関する情報が含まれる。
次に、雷事故予測サーバ104は、受信された雷情報に基づき、ナトリウム−硫黄電池所有者DBに含まれる所有者のそれぞれについて、時間帯ごと、たとえば一時間単位に、雷による電力系統の事故が発生すると予想される確率である雷事故率を算出する(ステップS301)。
この際、送配電線路DBに含まれる各送配電線の対雷特性に関連する数値に応じた補正を行う。この送配電線の対雷特性は、耐雷設備の有効度、線種が雷の影響を受けにくい度合、碍子が雷の影響を受けにくい度合、送配電線の地上高度等が数値化されたものである。この他の種類のデータを含んでもよい。補正の内容としては、たとえば、これらの対雷特性の数値が高ければ雷事故率を低下させ、対雷特性の数値が低ければ雷事故率を上昇させるものである。
次に、事故実績DBに含まれる過去の雷事故率に関連する数値に応じた補正を行う。この補正は、たとえば、ステップS300において受信された雷情報と最も類似する過去に受信された雷情報を検索し、その際に実際に雷事故が発生していれば雷事故率を上昇させ、実際に雷事故が発生していなければ雷事故率を低下させるものである。ここで、過去の雷情報を複数件検索してもよく、その場合はすべての検索された雷情報から過去の雷事故発生率を求め、これに基づいて補正を行う。
次に、雷事故予測サーバ104は、ナトリウム−硫黄電池所有者のそれぞれについて、雷事故発生時における電圧低下率を算出する(ステップS302)。この算出は、系統情報DBに含まれる系統情報と、送配電線路DBに含まれる送配電線路の所在から得られる雷に近い送配電線の情報とに基づく。
次に、雷事故予測サーバ104は、分散型電源装置1のそれぞれについて、算出された雷事故率に基づいて自立運転推奨パターンを決定する。自立運転推奨パターンは、たとえば、該当する分散型電源装置1の雷事故率が30%以上であるすべての時間帯について、自立運転を推奨すること示し、雷事故率が30%未満であるすべての時間帯について、連系運転を推奨することを示すものである。自立運転とは、重要負荷2と分散型電源装置1とが所内系統3から切り離された状態での運転であり、すなわち、解列用遮断器11が開放された状態での運転である。また、連系運転とは、重要負荷2と分散型電源装置1とが所内系統3に接続された状態での運転であり、すなわち、解列用遮断器11が投入された状態での運転である。
次に、雷事故予測サーバ104は、雷予測データを各分散型電源装置1の制御装置21に送信する(ステップS304)。ここで送信される雷予測データには、上述のようにして算出された、ナトリウム−硫黄電池所有者のそれぞれについての時間帯ごとの雷事故率および電圧低下率と、各地の雷事故発生状況と、系統の発電予備力と、自立運転の推奨パターンとが含まれる。
その後、雷事故予測サーバ104は、各制御装置21から随時受信する情報をもとに、系統の発電予備力を再計算し、再計算の都度各制御装置21に送信する(ステップS411)。
各ナトリウム−硫黄電池所有者が設置している分散型電源装置1の制御装置21は、自身が制御する分散型電源装置1についての、時間帯ごとの雷事故率および電圧低下率に関するデータを含む雷予測データを、ネットワークカード29Bを介して雷事故予測サーバから受信するとともに、受信したデータをディスプレイ29Cに表示する(ステップS405)。
次に、制御装置21は、受信したデータ中に、自立運転が推奨される時間帯が存在する推奨パターンが含まれるかどうかを判定する(ステップS406)。
ステップS406において、自立運転が推奨される時間帯が存在する推奨パターンがあれば、制御装置21はディスプレイ29Cにその推奨パターンを表示し、さらにその推奨パターンに従うかどうかの応答を操作員に要求する旨の表示をする(ステップS407)。その後、制御装置21は操作員の応答を待たず、応答要求の表示を行ったままでステップS408へと進む。操作員からの応答は、図3の処理の流れとは独立して、随時操作員からキーボード29Aを介して制御装置21に入力される。
ステップS406において、自立運転が推奨される時間帯が存在する推奨パターンがなければ、制御装置21はステップS407を実行せずにステップS408へと進む。
次に、制御装置21は、ステップS405の実行時点を含む時間帯における雷事故率が所定値以上かどうか、たとえば30%以上かどうかを判定する(ステップS408)。
ステップS408において、雷事故率が所定値以上であれば、制御装置21は、PWM制御部27に自立指令信号を入力することにより、分散型電源装置1が連系運転中であれば自立運転に切り替える(ステップS409)。この切替は操作員の介入を待たずに自動で行われる。この後、制御装置21の処理はステップS411へと進む。
ステップS408において、雷事故率が所定値以上でなければ、制御装置21はディスプレイ29Cに、PWM制御部27に自立指令信号を入力することを操作員に提案し、応答を要求する旨の表示をする(ステップS410)。その後、制御装置21は操作員の応答を待たず、応答要求の表示を行ったままでステップS411へと進む。操作員からの応答は、図3の処理の流れとは独立して、随時操作員からキーボード29Aを介して制御装置21に入力される。
次に、制御装置21は、ネットワークカード29Bを介して雷事故予測サーバ104とデータ送受信を行い、データを同期させる(ステップS411)。雷事故予測サーバ104に送信されるデータは、当該制御装置21が制御する分散型電源装置1の状態(自立運転中/連系運転中)と、推奨パターンに関する操作員の応答(推奨パターンに従う/従わない/未応答)と、自立指令信号の入力に関する操作員の応答(入力を行う/行わない/未応答)とである。また、雷事故予測サーバ104から受信するデータは、系統の発電予備力である。このステップS411は、上記データに変更が発生すれば再び行われる。たとえば、それまで未応答であった操作員が、推奨パターンに従う旨の応答をした場合や、雷事故予測サーバ104から新たな系統予備力の算出結果が送信された場合等である。
なお、図3には示されていないが、雷が遠ざかり、雷事故が新たに発生する可能性がなくなった場合、たとえば全ナトリウム−硫黄電池について、全時間帯の雷事故率が0%となった場合には、雷事故予測サーバ104はその旨を示すデータを各制御装置21に送信し、これを受信した各制御装置21はその旨をディスプレイ29Cに表示するとともに連系指令信号をPWM制御部27に入力して分散型電源装置1を商用電力系統5に接続する。
次に、制御装置21が分散型電源装置1を制御する動作の詳細について説明する。
最初に、位相検出部25の動作について図4を参照して説明する。図4は、位相検出部25の制御に係るブロック線図であり、四角や丸が演算要素を表している。さらに、矢印線は信号の出力から入力を表している。なお、3相静止座標系では、a相が基準に取られており、b相がa相から電気角で120度遅れ、さらにc相はb相から120度遅れている。また、直交2相座標系では、α相がa相に一致し、β相がα相から電気角で90度遅れている。
まず、系統側3相/αβ変換部31は、分散型電源装置1の接続点4における3相の系統側電圧VSa、VSb、VScを式(1)に従ってα相系統側電圧VSα、β相系統側電圧VSβに3相/αβ変換する。次に、系統側αβ/dq変換部32は、α相系統側電圧VSα、β相系統側電圧VSβを式(2)に従ってd軸系統側電圧VSd、q軸系統側電圧VSqにαβ/dq変換する。この変換において位相θは電圧制御発振器(VCO)39からの位相の値を用いる。
Figure 2006246620
系統側電圧のa相に一致しているα相系統側電圧VSαと電圧制御発振器39によって得られる位相θを用いてαβ/dq変換によって得られるd軸系統側電圧VSdとの位相が一致している場合、q軸系統側電圧VSqは零であり、一致していない場合、q軸系統側電圧VSqは位相のずれに相当する値である。
位相差検出部37では、α相系統側電圧VSαとd軸系統側電圧VSdとの位相差ΔΘを、d軸系統側電圧VSdとd軸電源側電圧VLdとから、ΔΘ=arctan(VSq/VSd)に従って求める。
周波数調整器38では、位相差ΔΘが零になるように例えば(比例+積分)演算し、その演算結果を基準周波数50Hzに加算して周波数を補正し、その周波数に対応するように演算して電圧制御発振器39に送られる制御電圧fを求める。
電圧制御発振器39では、位相のずれを周波数の偏差として補正し、位相θをθ=2πfに従って求めることにより、位相検出部25で演算される位相θからd軸系統側電圧VSdとα相系統側電圧VSαの位相を一致させることができる。そして、この一致したときの位相θを用いてPWM制御が行われる。
所内系統3に停電が発生し、図示しない停電/復電検出部において停電が検出されたとき、周波数調整器38のリミッタを絞り、基準周波数50Hzで運転させる。
そして、所内系統3が復電し、停電/復電検出部において復電が検出されたとき、周波数調整器38のリミッタを例えば零から100%までを1乃至数秒のスピードで徐々に開き、電源側電圧の位相を系統側電圧の位相に合うように制御する。
自立運転中においても、系統側電圧が健全であれば、電源側電圧を常に系統側電圧に同期させておく。
次に、運転モード切替部26の動作について図5を参照して説明する。図5は、運転モード切替部26のブロック線図である。
運転モード切替部26は、キーボード29A等に備えられた運転モード切替スイッチを切り替えるか、あるいは制御装置21からの指示を受けることにより、自立操作信号ζおよび連系操作信号ζが入力される。これらの信号は論理「1」として入力される。
また、系統電圧確認部40は、d軸系統側電圧VSdと予め定められた下限電圧値VSULとの差分ΔVが予め定められた範囲ΔWに入っているとき論理「1」の活電信号τを出力する。この範囲ΔWは定格系統電圧の±数%と設定されている。
連系可能判断部41は、連系操作信号ζと活電信号τが入力され、これらの信号がともに論理「1」のとき、論理「1」の連系開始信号ζを出力する。
フリップフロップ部42は、S端子とR端子にそれぞれ自立操作信号ζと連系開始信号ζが入力される。フリップフロップ部42では、S端子に自立操作信号ζが入力されるとQ出力端子のレベルが論理「1」に変化させられて保持される。また、フリップフロップ部42では、R端子に連系開始信号ζが入力されるとQ(バー)出力端子のレベルが論理「1」に変化させられて保持される。これらの出力がそれぞれ自立指令信号ζと連系指令信号ζである。
また、電流差判断部50は、負荷側電流ILdとPCS電流IPdとの差分ΔIを求め、その差分ΔIが予め定められた閾値ITHdより小さいとき論理「1」の電流差零信号τを出力する。なお、閾値ITHdは、負荷側電流の数%程度位に設定されている。
電圧差判断部51は、d軸系統側電圧VSdとd軸電源側電圧VLdとの差分ΔVを求め、その差分ΔVが予め定められた閾値VTHdより小さいとき論理「1」のd軸電圧差零信号τ3dを出力し、q軸系統側電圧VSqとq軸電源側電圧VLqとの差分ΔVを求め、その差分ΔVが予め定められた閾値VTHqより小さいとき論理「1」のq軸電圧差零信号τ3qを出力する。
そして、d軸電圧差零信号τ3dとq軸電圧差零信号τ3qがともに論理「1」のとき電圧差零信号τを出力する。
次に、解列用遮断器操作指令部43は、自立指令信号ζ、連系指令信号ζ、電流差零信号τおよび電圧差零信号τが入力される。解列用遮断器操作指令部43は、2つの論理積部44、45を有している。一方の論理積部44では、自立指令信号ζと電流差零信号τが入力され、2つの入力が共に論理「1」のとき解列用遮断器開放指令ζが出力される。
他方の論理積部45は、連系指令信号ζおよび電圧差零信号τが入力されている。この論理積部45では、連系指令信号ζおよび電圧差零信号τの2つの入力が共に論理「1」のとき解列用遮断器投入指令ζが出力される。
続いて、解列用遮断器開放指令ζと解列用遮断器投入指令ζとがPCS運転モード切替部46に入力される。また、解列用遮断器11が開放状態にあることを示す論理「1」の信号ξおよび解列用遮断器11が投入状態にあることを示す論理「1」の信号ξが入力される。
PCS運転モード切替部46は、2つの論理積部47、48を有している。一方の論理積部47は、解列用遮断器開放指令ζと解列用遮断器11が開放状態にあることを示す論理「1」の信号ξが入力される。この論理積部47では、入力が共に論理「1」のとき自立中信号ζが出力される。
他方の論理積部48は、解列用遮断器投入指令ζと解列用遮断器11が投入状態にあることを示す信号ξが入力されている。この論理積部48では、入力が共に論理「1」のとき連系中信号ζ10が出力される。
次に、交直変換装置20を用いて逆変換するときのPWM制御部27の動作について図6〜図9を参照して説明する。逆変換は、ナトリウム−硫黄電池7に貯えられている電力を重要負荷2に供給するときに行われる変換である。図6は、連系中にある交直変換装置20を制御するPWM制御部27のブロック線図である。図7は、自立操作信号が入力されてPCS電流を負荷側電流に合わせるように制御するPWM制御部27のブロック線図である。図8は、解列用遮断器11が開放されて自立中にある交直変換装置20を制御するPWM制御部27のブロック線図である。図9は、連系操作信号が入力されて電源側電圧を系統側電圧に揃える制御を行うPWM制御部27のブロック線図である。
また、PWM制御部27は、運転モード切替部26から入力される自立指令信号ζ/連系指令信号ζと自立中信号ζ/連系中信号ζ10に基づき切り替えられる3つの切替部を有する。
1つ目は、図6、図7に示すように、有効電流基準IdREFおよび無効電流基準IqREFを自立指令信号ζまたは連系指令信号ζに基づき切り替える電流基準切替部52である。
2つ目は、図8、図9に示すように、d軸電圧基準VdREFおよびq軸電圧基準VqREFを自立指令信号ζまたは連系指令信号ζに基づき切り替える電圧基準切替部53である。
3つ目は、図6、図8に示すように、d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値を自立中信号ζまたは連系中信号ζ10に基づき切り替える電圧指令切替部54である。
最初に、雷警報が発令されていない正常な状況において商用電力系統5に連系中の分散型電源装置1について説明する。この状況においては、電流基準切替部52、電圧基準切替部53に連系指令信号ζが入力されており、電圧指令切替部54に連系中信号ζ10が入力されている。
このように設定されているとき、有効になっているPWM制御部27のブロック線図を図6に示す。このとき、図示しない方法によって検出される有効電力検出値Pと無効電力検出値Q、系統側計器用変圧器10からの3相の系統側電圧VSa、VSb、VSc、PCS計器用変流器22からの3相のPCS電流IPa、IPb、IPcが入力されている。さらに、予め有効電力基準PSREFと無効電力基準QSREFが設定されている。
有効電力差検出部55は、有効電力基準PSREFと有効電力検出値Pとから有効電力差分ΔPを求める。そして、有効電力調整部56は、有効電力差分ΔPを例えば(比例+積分)演算して、有効電流基準IdREFを求める。
一方、無効電力差検出部57は、無効電力基準QSREFと無効電力検出値Qとから無効電力差分ΔQを求める。そして、無効電力調整部58は、無効電力差分ΔQを例えば(比例+積分)演算して無効電流基準IqREFを求める。
また、PCS3相/αβ変換部59は、PCS計器用変流器22からのPCS電流IPa、IPB、IPcを式(3)に従ってPCSα相電流IPαとPCSβ相電流IPβを求める。次に、PCSαβ/dq変換部60は、PCSα相電流IPαとPCSβ相電流IPβから式(4)に従って有効電流検出値IPdと無効電流検出値IPqを求める。
Figure 2006246620
次に、有効電流差検出部61は、有効電流基準IdREFと有効電流検出値IPdとから有効電流差分ΔIを求める。また、無効電流差検出部62は、無効電流基準IqREFと無効電流検出値IPqとから無効電流差分ΔIを求める。
次に、有効電流調整部63は、有効電流差分ΔIを例えば(比例+積分)演算し、その演算結果にd軸系統側電圧VSdを加算して有効電圧基準VdREFdを求める。そして、連系中信号ζ10が論理「1」となっているので、電圧指令切替部54を通してd軸電圧指令値V(ハット)としてこの有効電圧指令値VdREFdが選択される。
また、無効電流調整部64は、無効電流差分ΔIを例えば(比例+積分)演算し、その演算結果にq軸系統側電圧VSqを加算して無効電圧基準VqREFqを求める。そして、連系中信号ζ10が論理「1」となっているため、電圧指令切替部54を通してq軸電圧指令値V(ハット)としてこの無効電圧指令値VqREFqが選択される。
系統側3相/αβ変換部31は、系統側計器用変圧器10からの系統側電圧VSa、VSb、VScをα相系統側電圧VSαとβ相系統側電圧VSβに式(1)に従って変換する。さらに、系統側αβ/dq変換部32は、位相検出部25にて検出された位相θを用いて、α相系統側電圧VSαとβ相系統側電圧VSβをd軸系統側電圧VSdとq軸系統側電圧VSqに式(2)に従って変換する。
ここで有効電流調整部63、無効電流調整部64の演算結果にd軸系統側電圧VSd、q軸系統側電圧VSqを加算するのは、フィードフォワード制御を行うためであり、必ずしも必要ではない。
交直変換装置20が小容量で高速に変換器動作が可能な場合には省略されたり、d軸系統側電圧VSd、q軸系統側電圧VSqとして固定値が入力されたりする。
次に、dq/αβ変換部69は、有効電圧指令値V(ハット)と無効電圧指令値V(ハット)をα相電圧指令値V(ハット)αとβ相電圧指令値V(ハット)βに式(5)を用いて変換する。さらに、αβ/3相変換部70は、α相電圧指令値V(ハット)αとβ相電圧指令値V(ハット)βを3相の電圧指令値V(ハット)、V(ハット)、V(ハット)に式(6)を用いて変換する。
Figure 2006246620
最後に、3相の電圧指令値V(ハット)、V(ハット)、V(ハット)が入力されたゲートパルス発生部71は、これら電圧指令値に従って交直変換装置20のスイッチング素子のゲートを制御するゲートパルス信号を出力する。
このようにして有効電力基準PSREFと無効電力基準QSREFに従った電力が出力される。
次に、キーボード29Aまたは制御装置21からの入力に伴って、自立操作信号ζが運転モード切替部26に入力されることによりPWM制御部27に自立指令信号ζが入力される。そこで、この状況におけるPWM制御部27の動作について図7を参照して説明する。この状況においては、電流基準切替部52に自立指令信号ζが入力され、電圧指令切替部54に連系中信号ζ10が入力されたままである。
また、負荷側電流から求められた負荷側有効電流検出値ILdと負荷側無効電流検出値ILqがそれぞれ有効電流基準IdREFと無効電流基準IqREFとして用いられる。
負荷側3相/αβ変換部73は、負荷側計器用変流器12からの負荷側電流ILa、ILb、ILcから式(3)に従ってα相負荷側電流ILαとβ相負荷側電流ILβとを求める。次に、負荷側αβ/dq変換部74は、α相負荷側電流ILαとβ相負荷側電流ILβとから式(4)に従って負荷側有効電流検出値ILdと負荷側無効電流検出値ILqとを求める。
この負荷側有効電流検出値ILdが有効電流差検出部61に入力され、有効電流検出値IPdとの差分、有効電流差分ΔIが求められる。また、負荷側無効電流検出値ILqが無効電流差検出部62に入力され、無効電流検出値IPqとの差分、無効電流差分ΔIが求められる。
これ以降は連系中と同様にしてPWM制御されて、負荷側に流れる電流と同じ電流が分散型電源装置1から出力されるようになる。
そして、運転モード切替部26の電流差判断部50は、負荷側有効電流検出値ILdと有効電流検出値IPdとの差分ΔIを求め、その差分ΔIが予め定められた閾値ITHdより小さくなったとき論理「1」の電流差零信号τを出力する。この電流差零信号τが解列用遮断器操作指令部43に入力され、自立指令信号ζがすでに入力されているので解列用遮断器開放指令信号ζを出力する。この解列用遮断器開放指令信号ζが解列用遮断器11に入力されて開放される。そして解列用遮断器11の開放が完了すると自立中信号ζが出力される。
このように、自立操作指令が与えられると、分散型電源装置1の出力電流指令値を負荷電流とすることで、負荷側に流れる電流と同じ電流が分散型電源装置1から出力されるようになるため、解列用遮断器11に電流が流れなくなる。このときに解列用遮断器11を開放するため、開放に伴う影響を無くすことができる。
次に、解列用遮断器11が遮断されて自立中信号ζが入力された後のPWM制御部27の動作について図8を参照して説明する。このとき、電圧基準切替部53に自立指令信号ζが入力されており、電圧指令切替部54に自立中信号ζが入力される。
そして、d軸電圧差検出部75は、予め定められたd軸電圧基準VdREFからd軸電源側電圧VLdを減算してd軸電圧差分ΔVを算出する。また、q軸電圧差検出部76は、予め定められたq軸電圧基準VqREFからq軸電源側電圧VLqを減算してq軸電圧差分ΔVを算出する。
次に、d軸電圧調整部77は、d軸電圧差分ΔVを例えば(比例+積分)演算して、有効電圧基準VdREFdを算出する。
また、q軸電圧調整部78は、q軸電圧差分ΔVを例えば(比例+積分)演算して、無効電圧基準VqREFqを算出する。
そして、有効電圧基準VdREFdをそのまま有効電圧指令値V(ハット)とする。また、無効電圧基準VqREFqをそのまま無効電圧指令値V(ハット)とする。
このように負荷に対して電圧制御した電力を分散型電源装置から供給するので、所内系統として自立運転することができる。
次に、キーボード29Aまたは制御装置21からの入力に伴って、運転モード切替部26に連系操作信号ζが入力され、系統側の電圧が所定の範囲に入っているとき、連系指令信号ζが出力される。そして、この連系指令信号ζが入力されたときのPWM制御部27の動作について図9を参照して説明する。
この状況においては、電圧基準切替部53に連系指令信号ζが入力され、電圧指令切替部54に自立中信号ζが入力されている。
そして、d軸電圧差検出部75は、d軸系統側電圧VSdからd軸電源側電圧VLdを減算してd軸電圧差分ΔVを算出する。また、q軸電圧差検出部76は、q軸系統側電圧VSqからq軸電源側電圧VLqを減算してq軸電圧差分ΔVを算出する。
次に、d軸電圧調整部77は、d軸電圧差分ΔVを例えば(比例+積分)演算して、有効電圧基準VdREFdを算出する。
また、q軸電圧調整部78は、q軸電圧差分ΔVを例えば(比例+積分)演算して、無効電圧基準VqREFqを算出する。
そして、有効電圧基準VdREFdをそのまま有効電圧指令値V(ハット)とする。
また、無効電圧基準VqREFqをそのまま無効電圧指令値V(ハット)とする。
このように系統側電圧と電源側電圧とを揃えてから解列用遮断器11を投入すると電圧差による過電流および負荷電圧の変動などが起こらないので、商用電力系統5に連系することができる。
次に、運転モードの切替手順について説明する。
最初に、連系運転モードから自立運転モードに移行する手順について図10を参照して説明する。図10は、連系運転モードから自立運転モードに移行する手順を示すフローチャートである。
ステップS101で、キーボード29Aまたは制御装置21からの入力に伴って、運転モード切替スイッチが自立操作側に切り替えられて運転モード切替部26に自立操作信号ζが入力され、フリップフロップ部42から自立指令信号ζが出力される。このとき分散型電源装置1が待機中であると、制御装置21は交直変換装置20のスイッチング素子をONする。
ステップS102で、PWM制御部27の電流基準切替部52に自立指令信号ζが入力されるので負荷側電流とPCS電流が等しくなるように制御される。
ステップS103で、運転モード切替部26の電流差判断部50は負荷側有効電流検出値ILdとd軸PCS電流IPdとの差ΔIが閾値ITHdより小さいか否かを判断し、小さい場合電流差零信号τを出力してステップS104へ進み、大きい場合ステップS103を繰り返す。
ステップS104で、運転モード切替部26の解列用遮断器操作指令部43に自立指令信号ζと電流差零信号τが入力されるので、解列用遮断器開放指令ζが出力される。この解列用遮断器操作指令ζが解列用遮断器11に入力されるので、解列用遮断器11が開放される。
ステップS105で、解列用遮断器11の開放が完了すると解列用遮断器11から開放状態を示す信号ξがPCS制御切替部46に入力されるので、自立中信号ζが出力される。この自立中信号ζがPWM制御部27の電圧指令切替部54に入力されるので、交直変換装置20を電流制御から電圧制御に切り替えて運転モードの交替が完了する。
次に、自立運転モードから連系運転モードに移行する手順について図11を参照して説明する。図11は、自立運転モードから連系運転モードに移行する手順を示すフローチャートである。
ステップS201で、交直変換装置20が電圧制御され、解列用遮断器11が開放され、運転モード切替部26から自立指令信号ζと自立中信号ζとが出力されている自立運転モードにおいて、キーボード29Aまたは制御装置21からの入力に伴って、運転モード切替スイッチを連系操作側に切り替える。
ステップS202で、運転モード切替部26の系統電圧確認部40は、d軸系統側電圧VSdと所定の下限電圧値VSULとの差分ΔVが所定の範囲ΔW内になっているか否かを判断し、範囲に入っているとき活電信号τを出力してステップS203へ進み、範囲外のときステップS202を繰り返す。
ステップS203で、運転モード切替部26の電圧差判断部51は、d軸系統側電圧VSdとd軸電源側電圧VLdとの差ΔVが閾値VTHd以下になっているか否か判断し、かつq軸系統側電圧VSqとq軸電源側電圧VLqとの差ΔVが閾値VTHq以下になっているか否か判断し、両方とも以下のときに電圧差零信号τ3d、τ3qを出力してステップS204へ進み、越えているときステップS203を繰り返す。
ステップS204で、解列用遮断器操作指令部43に連系指令信号ζと電圧差零信号τ3d、τ3qが入力されるので、解列用遮断器投入指令ζが出力される。この解列用遮断器投入指令ζが解列用遮断器11に入力されると、解列用遮断器11が投入される。
ステップS205で、連系中信号ζ10が出力されると、電圧指令切替部54が切り替えられ、PWM制御部27は、交直変換装置20を電圧制御から電流制御に切り替える。
このように、実施の形態1に係る分散型電源装置の制御システム100によると、接続または切り離しを要する状況が生じた後、雷事故予測サーバ104と制御装置21との連携により、迅速かつ確実に分散型電源装置1の切り離しが行われ、電力系統の発電予備力低下を回避する。
また、商用電力系統5が停電する可能性があるとき、分散型電源装置1からの出力を重要負荷2に供給する電力に合わすことにより解列用遮断器11に流れる電流を零にして解列用遮断器11を遮断するので、安価な解列用遮断器11を用いて商用電力系統5から解列することができる。さらに、解列用遮断器11に流れる電流を零にして遮断するので、切替による影響がない。
さらに、雷警報が解除されて連系に戻すとき、系統側電圧と電源側電圧とを等しくなるようにすることにより解列用遮断器11の投入時の過電流および負荷電圧の変動などを防止できるので、商用電力系統5との連系に伴う影響がない。
さらに、分散型電源装置1の接続または切離を要する状況が生じた際に、人間の介入を待たずに接続または切離が開始されるので、迅速な対応が可能となり、対応の有効度が高まる。
また、分散型電源装置1の時間帯ごとの状況を雷事故予測サーバに伝達するために、制御装置21による自動的なデータ送信が用いられるので、時間帯ごとの状況の伝達が確実・迅速に行われる。これにより、商用電力系統5の管理者側へのフィードバックが効率的に行われるので、分散型電源装置の制御システム100の内部または外部において、商用電力系統5の管理者側で最適な対応をとることができる。
上述の実施の形態1において、雷事故予測サーバ104は、各種のDBを持つが、これらのDBは持たなくともよい。この場合、外部の雷データ配信サーバからこれらのDBに含まれる情報に相当するデータを受信する。
また、分散型電源装置1では分散型電源としてナトリウム−硫黄電池7を用いているが、分散型電源は、商用電力系統5から電力を受電して貯蔵し、逆に電力を放電して重要負荷2に供給できるものであればナトリウム−硫黄電池7でなくともよく、たとえばレドックスフロー電池、超電導コイル電力貯蔵装置、フライホイール電力貯蔵装置、電気二重層コンデンサ、リチウムイオン電池などであってもよい。
さらに、分散型電源は、燃料電池、太陽光発電装置、風力発電装置など燃料が供給されて発電され、または太陽光や風により発電される直流電力を交流電力に変換して出力することができるものであってもよい。
また、分散型電源装置1を雷事故に関連する情報に基づき運転モードを切り替える例について説明したが、関連する商用電力系統5の工事のための停電が計画されているときも自立運転モードに交替することができる。その際、分散型電源装置1を作業用電源として活用できるので、計画停電時に作業用にその都度設置する非常用発電機を省略することができる。
また、自立指令信号を自動的に入力するかどうかの判定は、ステップS408において各制御装置21が行っているが、これは雷事故予測サーバ104が行ってもよく、各制御装置21は雷事故予測サーバ104からの指示を受けて自立指令信号を自動的に入力する処理としてもよい。またその際、同一時間帯に複数の制御装置21を解列する、すなわち自立運転に切り替える場合は、雷事故予測サーバ104は同時に指示を行うのではなく、たとえば1分程度の間隔をおいて順次指示を行ってもよい。こうすることにより、同時に多数の分散型電源装置1の切り替え処理が発生することによる、系統の通常運転への悪影響を回避することができる。
この発明の実施の形態1に係る分散型電源装置の制御システム100を含む構成を示す概略図である。 実施の形態1に係る分散型電源装置1が連系された電力系統図である。 分散型電源装置の制御システム100の処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1に係る位相検出部の制御に係るブロック線図である。 実施の形態1に係る運転モード切替部の制御に係るブロック線図である。 連系中にある交直変換装置を制御するPWM制御部のブロック線図である。 自立操作信号が入力されてPCS電流を負荷側電流に合わせるように制御するPWM制御部のブロック線図である。 解列用遮断器が開放されて自立中にある交直変換装置を制御するPWM制御部のブロック線図である。 連系操作信号が入力されて電源側電圧を系統側電圧に揃える制御を行うPWM制御部のブロック線図である。 連系運転モードから自立運転モードに移行する手順を示すフローチャートである。 自立運転モードから連系運転モードに移行する手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 分散型電源装置、2 重要負荷、3 所内系統、4 接続点、5 商用電力系統、6 受電点、7 分散型電源(ナトリウム−硫黄電池)、8 フィルタコンデンサ、9 受電用遮断器、10 系統側計器用変圧器、11 解列用遮断器、12 負荷側計器用変流器、13 電源側計器用変流器、14 電源側計器用変圧器、15 連系用遮断器、16 連系変圧器、17 直列リアクトル、18 一般負荷、19 端子、20 交直変換装置、21 制御装置、22 PCS計器用変流器、23 直流開閉器、24 電力制御部、25 位相検出部、26 運転モード切替部、27 PWM制御部、28 電流制御部、29 対外入出力部、29A 入力装置(キーボード)、29B ネットワークインターフェース(ネットワークカード)、29C 出力装置(ディスプレイ)、31 系統側3相/αβ変換部、32 系統側αβ/dq変換部、34 電源側3相/αβ変換部、35 電源側αβ/dq変換部、37 位相差検出部、38 周波数調整器、39 電圧制御発振器、40 系統電圧確認部、41 連系可能判断部、42 フリップフロップ部、43 解列用遮断器操作指令部、44、45、47、48 論理積部、46 PCS制御切替部、50 電流差判断部、51 電圧差判断部、52 電流基準切替部、53 電圧基準切替部、54 電圧指令切替部、55 有効電力差検出部、56 有効電力調整部、57 無効電力差検出部、58 無効電力調整部、59 PCS3相/αβ変換部、60 PCSαβ/dq変換部、61 有効電流差検出部、62 無効電流差検出部、63、87 有効電流調整部、64、88 無効電流調整部、69 dq/αβ変換部、70 αβ/3相変換部、71 ゲートパルス発生部、73 負荷側3相/αβ変換部、74 負荷側αβ/dq変換部、75 d軸電圧差検出部、76 q軸電圧差検出部、77 d軸電圧調整部、78 q軸電圧調整部、100 分散型電源装置の制御システム、102 需要家、104 雷事故予測サーバ、106 発電所、110 ネットワーク。

Claims (10)

  1. 商用電力系統と受電点で連系する所内系統を介して重要負荷と並列に接続され、電力を貯蔵する分散型電源と、
    開放されることによって、上記重要負荷と上記分散型電源とを上記所内系統から切り離し、投入されることによって、上記重要負荷と上記分散型電源とを上記所内系統に接続する、解列用遮断器と、
    上記解列用遮断器の動作を制御する制御装置と
    を備え、
    上記制御装置は、外部のネットワークに接続され、
    上記制御装置は、上記ネットワークを介して受信する情報に応じて、上記解列用遮断器の開放および投入を制御する
    ことを特徴とする、分散型電源装置。
  2. 上記情報は雷予測データである、請求項1に記載の分散型電源装置。
  3. 上記雷予測データは、雷事故率を含み、
    上記制御装置は、上記雷事故率が所定値以上である場合に、上記解列用遮断器を開放する制御を行う
    ことを特徴とする、請求項2に記載の分散型電源装置。
  4. 上記制御装置は、出力装置をさらに備え、
    上記雷予測データは、所定の時間帯ごとに、上記解列用遮断器の開放または投入のどちらか一方を推奨することを示す、自立運転推奨パターンを含み、
    上記制御装置は、上記自立運転推奨パターンを上記出力装置に出力する
    ことを特徴とする、請求項2または3に記載の分散型電源装置。
  5. 上記制御装置は、入力装置をさらに備え、
    上記制御装置は、上記入力装置を介して、上記自立運転推奨パターンに従う指示または従わない指示のどちらか一方を入力として受け取り、上記指示を上記ネットワークを介して外部に送信する
    ことを特徴とする、請求項4に記載の分散型電源装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか一項に記載の分散型電源装置と、
    上記ネットワークを介して、上記雷予測データを上記制御装置に送信する雷事故予測サーバと
    を備えることを特徴とする、分散型電源装置の制御システム。
  7. 商用電力系統と受電点で連系する所内系統を介して重要負荷と並列に接続され、電力を貯蔵する分散型電源と、
    開放されることによって、上記重要負荷と上記分散型電源とを上記所内系統から切り離し、投入されることによって、上記重要負荷と上記分散型電源とを上記所内系統に接続する、解列用遮断器と
    を備える、分散型電源の制御方法であって、
    外部のネットワークを介して受信する雷予測データに応じて、上記解列用遮断器の開放および投入を制御する
    ことを特徴とする、分散型電源の制御方法。
  8. 上記雷予測データは、雷事故率を含み、
    上記雷事故率が所定値以上である場合に、上記解列用遮断器を開放する
    ことを特徴とする、請求項7に記載の分散型電源の制御方法。
  9. 上記雷予測データは、所定の時間帯ごとに、上記解列用遮断器の開放または投入のどちらか一方を推奨することを示す、自立運転推奨パターンを含み、
    上記自立運転推奨パターンが外部に出力される
    ことを特徴とする、請求項7または8に記載の分散型電源の制御方法。
  10. 上記自立運転推奨パターンに従う指示または従わない指示のどちらか一方を入力として受け取り、上記指示を上記ネットワークを介して送信する
    ことを特徴とする、請求項9に記載の分散型電源の制御方法。
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