JP5541971B2 - 系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法 - Google Patents

系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数台の発電機を具備する発電所から主系統に電力を供給する電力系統に適用され、電力系統に事故または故障が生起した場合に、発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統の安定化を図る系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法に関する。
系統安定化制御システムは、事故または故障(以下単に「事故」という)時に、発電所に具備される所要の発電機を遮断することにより、事故に起因して引き起こされる可能性のある系統の不安定現象を未然に抑止するための制御(系統安定化制御)を行うシステムである。
ここで、基本的な系統安定化制御システムの一つに、不安定現象の過渡・中間領域において生ずる脱調現象に対応した安定化制御手法を提案した文献がある(例えば、非特許文献1)。この非特許文献1に示された系統安定化制御手法では、動揺各波における動揺が減速から加速に転じる時点にて制御演算を行うことを開示している。
なお、この非特許文献1の系統安定化制御手法では、加速側発電機と減速側発電機との間で所要の情報伝送を実施した上で、系統モデル(電力相差角曲線)を推定しているが、情報伝送を行わずに系統モデル(電力相差角曲線)を推定する手法もある(例えば、非特許文献2)。また、最小二乗法を用いず、代わりに無効電力情報等を活用することで系統モデルを推定する方法も存在する(例えば、非特許文献3)。
「過渡・中間領域の脱調現象に対応した安定化制御方式について」、電力技術研究会資料、社団法人電気学会、1994年10月4日、資料番号「PE−94−91」、27〜36 「自端情報のみを用いた予測型N波脱調未然防止制御方式の開発」、電気学会論文誌B分冊、社団法人電気学会、1998年、Vol 118−B、No.9、931〜938 「大容量電源系統のオンライン安定化制御方式の開発」、電気学会論文誌B分冊、社団法人電気学会、1990年、Vol.110−B、No.8、652〜661
非特許文献1や非特許文献2に記載の系統安定化制御手法は、原理的に見れば適切な安定化制御が実行されるものと期待される。しかしながら、実システムへの適用を考えた場合、電力相差角曲線推定のためには一定時間以上のデータ計測が必要となる一方で、必要計測データの増大は制御タイミングの遅れにつながり、結果として制御量が増加するという課題が存在していた。
他方、非特許文献3に記載の系統安定化制御手法は、最小二乗法を用いることなく電力相差角曲線推定が可能ではあるという利点はあるが、演算にて計測量の1回微分値や2回微分値を必要とするため、そのまま実システムに適用した際には十分な精度が得られない可能性があるという課題が存在していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より少ない制御量にて不安定現象の抑制を可能とする系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る系統安定化制御システムは、複数台の発電機を具備する発電所から主系統に電力を供給する電力系統に適用され、電力系統の事故または故障時に発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統を安定化する系統安定化制御システムであって、前記電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報を用いて電力相差角曲線における定数項、正弦項の係数および、余弦項の係数を推定する際、前記発電機出力に関する情報として有効電力出力および無効電力出力の双方の情報を用いて前記定数項および前記各係数を推定することを特徴とする。
本発明に係る系統安定化制御システムによれば、より少ない制御量にて不安定現象を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、本実施の形態に係る系統安定化制御システムの一構成例を示す図である。 図2は、図1に示す系統安定化制御システムの構成を等価変換した1機無限大母線系統モデルを示す図である。 図3は、本実施の形態に係る系統安定化制御システムの動作を説明するためのフローチャートである。 図4は、等価発電機内部の仮想出力端を考慮した母線系統モデル図である。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る系統安定化制御システムの一構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態の系統安定化制御システムは、複数台の発電機を有し、送電線を介して主系統に電力を供給する発電所に接続され、当該発電所における電圧、電流等の電気量情報が入力される系統安定化制御装置を主装置として構成されたシステムである。
図1において、発電所1は、例えば電力会社の火力発電所であり、複数台の例えば発電機G1〜Gnを備えて構成されている。発電所1の発電機G1〜Gnは、それぞれ個別の遮断器CB1〜CBnを介して発電所母線B1に接続されている。
発電所1には系統安定化制御装置10が設けられている。また、発電所1は、2回線の送電線F1,F2を介し、主系統との連系点にあたる変電所2の変電所母線B2に接続されている。
系統安定化制御装置10は、入出力装置21および演算装置22を備えている。この系統安定化制御装置10には、発電機G1〜Gnの各発電機母線BG1〜BGnに接続された計器用変圧器PTの出力である自端オンライン電圧と、各発電機からの出力電流を検出する変流器CTの出力である自端オンライン電流とが入出力装置21を介して入力される。演算装置22は、自端オンライン電圧および自端オンライン電流を用いて後述の各式による演算処理を実行する。この際、系統安定化制御装置10は、演算装置22が送電線事故等の事故時に電力系統が不安定状態になると判定(予測)した場合、各発電機に対応の遮断器CB1,…,CBnを選択的にトリップし、発電機G1……Gnを選択的に遮断し、安定状態となるよう制御する。
図2は、図1に示す系統安定化制御システムの構成を等価変換した1機無限大母線系統モデルを示す図である。図2において、等価発電機M1は、発電機G1……Gnを1台の発電機に集約したものであり、PMは等価発電機M1に対する機械的入力、PE+jQEは等価発電機M1の出力、V1∠δは等価発電機M1の過渡リアクタンス背後電圧、V2∠0は変電所母線B2の電圧、I1は等価発電機M1から系統側に流れる電流、I2は変電所母線B2から系統側に流れる電流、G+jBは系統の等価アドミタンス行列である。ここで、変電所母線B2は無限大母線を想定しており、その慣性は大きいため、位相を0°に固定している。なお、これら各変数間の関係式は、後述する(9)式および(10)式の通りとなる。
つぎに、本実施の形態に係る系統安定化制御システムの動作について図1〜図3の各図面を参照して説明する。図3は、本実施の形態に係る系統安定化制御システムの動作を説明するためのフローチャートである。
ここで、本実施の形態の系統安定化制御システムに係る制御手法は、発電機の有効電力出力(以下単に「有効電力出力」と称する)のみならず、発電機の無効電力出力(以下単に「無効電力出力」と称する)をも使用する点を要旨の一つとするものである。ただし、説明の理解を容易とするため、最初に有効電力出力のみを使用する制御について説明し、その後、有効電力出力および無効電力出力の双方を使用する制御について有効電力出力のみを使用する制御との比較で説明する。
まず、計測データから一つ前の動揺におけるデータを取り出し(データサンプリング処理:ステップST401)、次式で示される電力相差角曲線の推定に必要な複数時点のデータを、取り出したデータを基に計算あるいは予測等の手段でもって準備する(各種予測・推定演算処理:ステップST402)。
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つぎに、準備した複数時点のデータを、つぎの(2)式〜(5)式に示す行列式の形で(1)式に代入し、これに最小二乗法を適用することで(6)式の形で電力相差角曲線(P−δ曲線)の未知係数P〜Pを推定する(P−δ曲線推定処理:ステップST403)。
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ここで得られた電力相差角曲線と計測データから、(7)式に示される加速エネルギーVおよび(8)式に示される減速エネルギーVを算出する(V,Vの算出処理:ステップST404)。
Figure 0005541971
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これらのエネルギー値を比較し(ステップST405)、減速エネルギーVの方が大きい場合(ステップST405,Yes)、電力系統は安定であるとして演算を終了する。逆に、加速エネルギーVの方が大きい場合(ステップST405,No)、電力系統は不安定であるとしてステップST406に移行する。
ここで、電力系統が不安定であると判定された場合、まず、発電機の遮断量が最小となる遮断パターンを選択の上(ステップST406)、当該遮断パターンを行った後のエネルギー値(V',V')を再計算する(ステップST407)。そして、これらのエネルギー値(V',V')を再度比較し(ステップST408)、減速エネルギーV'の方が大きい場合(ステップST408,Yes)、選択した遮断パターンによる制御が安定であるとして当該遮断パターンに基づいた制御を実施し(ステップST410)、処理を終了する。
逆に、加速エネルギーV'の方が大きい場合(ステップST408,No)、制御後も不安定であるとして、次に制御量が多いパターンを選択した上で(ステップST409)、ステップST407に移行してエネルギー算出処理(ステップST407)および安定度判別処理(ステップST408)を継続的に実行する。
これらステップST401〜ST410の動作フローにより、事故時に必要最小限の発電機を遮断することで電力系統の不安定現象を抑制する制御、すなわち系統安定化制御が行われる。
なお、上記の説明では、電力相差角曲線(P−δ曲線)の未知係数P〜Pを推定する手法として、最小二乗法を用いる場合を一例として説明したが、最小二乗法に限定されるものではない。従属変数(目的変数)と独立変数(説明変数)との間を定量的に分析する回帰分析手法であれば、上記最小二乗法以外の手法を用いても構わない。
以上の処理が、有効電力出力のみを使用する制御である。一方、有効電力出力および無効電力出力の双方を使用する制御手法(以下「第1の手法」と定義する)では、以下に示す処理を行う。
(第1の手法)
まず、等価発電機出力(PE+jQE)、過渡リアクタンス背後電圧V1、無限大母線電圧V2、電流I1,I2、等価アドミタンス行列(G+jB)に関し、これらの各変数間には、つぎの(9),(10)式の関係がある。
Figure 0005541971
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ここで、図3のステップST403において想定する電力相差角曲線を、上記(9),(10)式から厳密に求めると、次式のとおりとなる。
Figure 0005541971
また、無効電力出力についても同様に求めると、次式のとおりとなる。
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なお、上記(11),(12)式の導出においては、δ=δ0+Δδの関係式を用いている。ここで、δ0は等価発電機の位相角(以下単に「位相角」という)δの初期値(初期位相角)であり、Δδは初期位相角δ0からの変化分(位相角偏差)である。このような関係式を用いれば、位相角偏差Δδには初期値成分が含まれなくなり、位相角偏差Δδの初期値は零とすることができる。すなわち、P−δ曲線をP−Δδ曲線とすることにより、位相角δの初期値を考慮する必要がなくなって演算処理が容易となる。
ここで、V1およびV2の時間変化が無視できると仮定すると、電力相差角曲線は、第1式である(13)式および、第2式である(14)式のとおり定義することができる。
Figure 0005541971
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上記(11),(12)式と上記(13),(14)式とを比較することにより、電力相差角曲線の未知数であるP0,P1,P2,Q0は、次式のように表すことができる。
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また、上記(2)式における各ベクトルおよび行列を上記(3)〜(5)式ではなく、下記(19)式〜(21)式に示すように置き換える。
Figure 0005541971
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このように、この第1の手法では、有効電力情報のみならず無効電力情報も用いて電力相差角曲線を推定することとしている。従来手法と比較すると、従来手法は、推定対象の一つの式((1)式)であり、未知数が3(P0,P1,P2)であるのに対し、第1の手法は、推定対象は二つの式((22),(23)式)であり、未知数が4(P0,P1,P2,Q0)であり、式の数に対する未知数の割合が減少する。このため、第1の手法は、より少ない計測データにて従来と同レベルの推定精度が得られる一方で、同一のデータ数であれば推定精度を向上させることができる。
また、この第1の手法において、行列の行数の増加により同一のサンプル点数での演算時間は増大するが、サンプリング点数の減少による効果の方が大きい。例えば、サンプリング間隔を10msとすればサンプル数を1減ずるだけで10msの短縮効果があるのに対し、演算時間の増加は高々1ms程度であり、サンプリング時間短縮の効果の方が大きく現れる。このため、有効電力出力および無効電力出力の双方の情報を用いて電力相差角曲線を推定する第1の手法を用いることにより、電力相差角曲線の推定精度を確保しつつ、制御タイミングを適正化することができる。したがって、少ない制御量にて不安定現象の抑制が可能となる。
なお、上述した第1の手法は、幾つかの観点から、電力相差角曲線の推定処理を簡略化することが可能である。以下、その簡略化手法である第2〜第6の手法について説明する。
(第2の手法)
(8)式で求めるVD(t)は、PE(Δδ)がPMよりも大きい部分の面積、つまり電力相差角曲線の頂部付近の面積であるため、(13)式の電力相差角曲線における定数項P0を省略して係数P1,P2を推定した上でエネルギーVDを算出しても、結果には殆ど影響しないと言える(詳細については、本出願人による先願発明、例えば特開2010−57253号公報などを参照されたい)。
このような観点から、電力相差角曲線を(22)式および(23)式の通り定義し、また、ベクトルおよび行列を(24)式〜(26)式の通り定義して上記と同様に推定演算を実施しても構わない。
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このような第2の手法によれば、第1の手法に比して、電力相差角曲線推定の演算時間の短縮が可能となり、制御タイミングを早めることができるという効果が得られる。
(第3の手法)
まず、第2の手法と同様に(13)式の電力相差角曲線における定数項P0を省略する。つぎに、送電線路のインピーダンスを“r+jx”で表すとき、これをアドミタンスで表すと、次式のように表すことができる。
Figure 0005541971
上記(27)式において、実部がG12であり、虚部がB12である。ここで、送電線路の抵抗分rはリアクタンス分xに比較して十分小さいので、この(27)式において、実部は零と見なすことができる。その結果、上記(16),(17)式におけるG12項を零とすることができ、これら(16),(17)式は、次式のように表すことができる。
Figure 0005541971
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また、送電線路の抵抗分rがリアクタンス分xに比較して十分小さく、かつ、等価発電機端および無限大母線の端部における等価的な静電容量分を無視することができる場合、送電線路のインピーダンスは、(27)式から“1/(jx)”で表すことができ、(10)式の等価アドミタンス行列におけるB11とB12との間には、次式の関係が生ずる。
Figure 0005541971
上記(30)式の関係を用いれば、上記(18)式は次式で表される。
Figure 0005541971
さらに、送電線路のインピーダンスが“1/(jx)”で表せる場合、V1とV2とは概ね等しいと仮定でき、この関係と上記(28),(29),(31)式とから、V1,V2およびQ0の間には、次式の関係が生ずる。
Figure 0005541971
結局のところ、上記(22),(23)式は、次式で表すことができる。
Figure 0005541971
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ここで、上記(33),(34)式における未知数は2つであるため、(6)式のような最小二乗法を用いることなく、未知係数P1およびP2は、以下のとおり算出できる。
Figure 0005541971
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このような第3の手法によれば、複数時間断面の計測データを用いることなく単一時間断面の計測データ(最小データ点数は1点)のみで電力相差角曲線の推定が可能となるので、第2の手法よりも更に制御のタイミングを早めることができ、極めて迅速な制御を行うことができる。
また、この第3の手法によれば、平常状態においても電力相差角曲線の推定が可能となる。このため、本実施の形態のような系統安定化制御システムのみならず、安定度監視システム等の様々な用途への適用が可能となる。
(第4の手法)
第3の手法は、上記(35),(36)式を用いて単一時間断面の計測データのみで電力相差角曲線を推定する手法であったが、第4の手法は、これら(35),(36)式により算出した係数を複数時間断面で平均化するものである。具体的には、次式を用いて係数を算出する。
Figure 0005541971
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このような第4の手法によれば、第3の手法との比較で説明すれば、ある一定の迅速性を維持しつつ、電力相差角曲線の推定精度を向上することができるという効果が得られる。
(第5の手法)
図4は、第5の手法を説明するための説明図であり、等価発電機内部の仮想出力端を考慮した母線系統モデル図である。上記第1〜第4の手法では、等価発電機出力端GTでの計測値を使用して等価発電機出力の無効電力QEを演算していた。一方、ここで説明する第5の手法では、等価発電機内部の仮想出力端GT’における無効電力QE’を使用するものである。図4に示すように、等価発電機出力端GTと仮想出力端GT’との間には、過渡リアクタンスxd’が付加されている。
過渡リアクタンスxd’を考慮した場合、等価発電機内部の仮想出力端GT’における無効電力QE’は、次式のように表すことができる。
Figure 0005541971
このように、上記(23),(34)式によるQEを上記(39)式に基づき、過渡リアクタンスxd’を加味した値に修正することで、より現実に即した形での推定が可能となり、電力相差角曲線の推定精度を向上することができるという効果が得られる。
なお、過渡リアクタンスxd’はリアクタンス成分であるため、理論的には損失を伴わない。したがって、等価発電機出力端GTでの計測値を使用して求めた有効電力PEを等価発電機内部の仮想出力端GT’における有効電力PE’として使用することが可能である。
(第6の手法)
ところで、図3に示した制御フローは、事故除去直後、事故除去後から所定時間経過後などの各時間領域において適用可能なフローである。したがって、上述した第1〜第5の手法は、このような各時間領域に適用可能である。一方、これら第1〜第5の手法は、制御のタイミング、演算に必要な計測データ点数、演算時間などの評価要素に対する好適性がある。したがって、第1〜第5の手法を各時間領域にて最適なものに切り替えて用いるようにすれば、システム全体として最適な系統安定化制御の実行が可能となる。
例えば、事故除去直後において、最初の計測データが得られた段階で第3の手法を用いた制御を行い、その後、数点の計測データが得られる時間領域において第4、第2もしくは第1の手法を用いた制御に切り替えることが考えられる。
また、事故除去直後から数点の計測データが得られた段階で第4の手法を用いた制御を行い、その後の時間領域において第2もしくは第1の手法を用いた制御に切り替えることでも構わない。
また、事故除去直後から所定時間経過前の時間領域において第2の手法を用いた制御を行い、その後の時間領域において第1の手法を用いた制御に切り替えることでも構わない。
また、事故除去直後から所定第1時間経過前の時間領域において第3の手法を用いた制御を行うと共に、この所定第1時間経過後から所定第2時間(所定第1時間<所定第2時間)経過前の時間領域において第4の手法を用いた制御を行い、その後の時間領域において第1もしくは第2の手法を用いた制御に切り替えることでも構わない。
なお、第1〜第4の手法による演算処理は、事故除去後から任意のタイミングで適宜切り替えることが可能となるように並行して実行制御されていることが好ましい。
また、第5の手法は、第1〜第4の手法の全てに適用可能な手法であるため、例えば、発電機の台数や発電機の種類などに応じて、過渡リアクタンス成分を考慮した方がよいと思われる場合には、第5の手法を適用した第1〜第4の手法を上記のように組み合わせて制御を行えばよい。
以上のように、本実施の形態に係る系統安定化制御システムおよび系統安定化制御方法は、より少ない制御量にて不安定現象の抑制を可能とする発明として有用である。
1 発電所
2 変電所
10 系統安定化制御装置
21 入出力装置
22 演算装置
B1 発電所母線
B2 変電所母線
BG1〜BGn 発電機母線
CB1〜CBn 遮断器
CT 変流器
PT 計器用変圧器
F1,F2 送電線
G1〜Gn 発電機
GT 等価発電機出力端
GT’ 仮想出力端
1 等価発電機

Claims (10)

  1. 複数台の発電機を具備する発電所から主系統に電力を供給する電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報を用いて電力相差角曲線における定数項、正弦項の係数および、余弦項の係数を推定する際、前記発電機出力に関する情報として有効電力出力および無効電力出力の双方の情報を用いて前記定数項および前記各係数を推定し、前記電力系統の事故または故障時に発電所からの電力供給量を適宜制御して前記電力系統を安定化する系統安定化制御システムであって、
    前記電力相差角曲線のうち、前記有効電力出力を表す第1式に含まれる定数項を省略すると共に、
    前記電力相差角曲線のうち、前記無効電力出力を表す第2式に含まれる定数項を、当該第2式における正弦項の係数と当該第2式における余弦項の係数の2乗和平方根に置換して前記第1、第2式の各係数を推定する
    ことを特徴とする系統安定化制御システム。
  2. 前記電力相差角曲線における各係数の推定演算処理を複数時間断面にて実行すると共に、推定した各係数の時間平均値を推定値として用いることを特徴とする請求項に記載の系統安定化制御システム。
  3. 発電機出力端と発電機内部の仮想出力端との間に想定される過渡リアクタンスに基づいて前記発電機出力端にて計測される無効電力出力を前記発電機内部の仮想出力端における値に換算することを特徴とする請求項1または2に記載の系統安定化制御システム。
  4. 電力系統の事故または故障時に発電所からの電力供給量を適宜制御して電力系統を安定化する系統安定化制御方法であって、
    前記電力系統から得られるデータを用いて算出される発電機出力および発電機位相角の各情報を用いて電力相差角曲線における定数項、正弦項の係数および、余弦項の係数を推定する際、前記発電機出力に関する情報として有効電力出力および無効電力出力の双方の情報を用いて前記定数項および前記各係数を推定する1ステップと、
    前記推定した電力相差角曲線から加速エネルギーおよび減速エネルギーを算出する第2ステップと、
    前記算出した加速エネルギー、減速エネルギーの大小比較から安定度判別を行う第3ステップと、
    前記安定度判別の結果に基づき、前記発電所からの電力供給量の制御を行う第4ステップと、
    を含み、
    前記第1ステップの処理を実行する際、前記電力相差角曲線のうちの前記有効電力出力を表す第1式に含まれる定数項を省略すると共に、
    前記電力相差角曲線のうちの前記無効電力出力を表す第2式に含まれる定数項を、当該第2式における正弦項の係数と当該第2式における余弦項の係数の2乗和平方根に置換して前記第1、第2式の各係数を推定する
    ことを特徴とする系統安定化制御方法。
  5. 前記第1ステップの処理では、前記電力相差角曲線における各係数の推定演算処理を複数時間断面にて実行すると共に、推定した各係数の時間平均値を推定値として用いることを特徴とする請求項に記載の系統安定化制御方法。
  6. 事故除去直後から所定時間経過前の時間領域における前記第1ステップの処理として請求項4に記載の処理を適用し、
    前記所定時間経過後の時間領域における前記第1ステップの処理として請求項4または5に記載の処理を適用する
    ことを特徴とする系統安定化制御方法。
  7. 事故除去直後から所定時間経過前の時間領域における前記第1ステップの処理として請求項に記載の処理を適用し、
    前記所定時間経過後の時間領域における前記第1ステップの処理として請求項に記載の処理を適用する
    ことを特徴とする系統安定化制御方法。
  8. 事故除去直後から所定時間経過前の時間領域における前記第1ステップの処理として請求項に記載の処理を適用し、
    前記所定時間経過後の時間領域における前記第1ステップの処理として請求項に記載の処理を適用する
    ことを特徴とする系統安定化制御方法。
  9. 事故除去直後から所定第1時間経過前の時間領域における前記第ステップの処理として請求項に記載の処理を適用し、
    前記所定第1時間経過後から当該所定第1時間よりも長い所定第2時間経過前の時間領域における前記第1ステップの処理として請求項に記載の処理を適用し、
    前記所定第2時間経過後の時間領域における前記第1ステップの処理として請求項に記載の処理を適用する
    ことを特徴とする系統安定化制御方法。
  10. 前記第2ステップには、
    発電機の遮断が最小となる遮断パターンを選択するステップと、
    前記遮断パターンを行った後の加速エネルギーおよび減速エネルギーを算出するステップと、
    が含まれ、
    前記第3ステップによる安定度判別の処理は、再計算後の各エネルギー値に基づいて実行される
    ことを特徴とする請求項4から9の何れか1項に記載の系統安定化制御方法。
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