本発明は、浴室や脱衣所等のサニタリー空間に設置され、これら空間の換気、乾燥及び暖房等を行う浴室換気乾燥暖房機に適用して好適な空調装置、その取付方法及びこれらを備えた室に関する。詳しくは、天井パネルの所定の位置に空調装置を取り付ける場合に、点検口を利用して送風装置本体や複数の吸込口ユニットや吹出口ユニット等を天井裏面側から設置し、更に、送風装置本体及び複数の吸込口ユニットや吹出口ユニットをダクト部材を介して接続するようにして、これらの空調部材を点検口から引き入れて天井裏面で容易に施工できるようにすると共に、組立式の浴室等において、当該空調装置を容易に設置できるようにした。
従来より、浴室に温風を送出して暖房を行ったり、洗濯物の乾燥や換気を行う機能を備えた浴室用の空調装置が提供されている。このような浴室空調装置は、空気の吸込口や吹出口を有するフロントパネルが下面に備えられ、浴室の天井からフロントパネルが露出する形態で取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来方式の浴室空調装置によれば、次のような問題がある。
i.例えば、組立式の浴室ユニット(ユニットバス)に浴室換気装置等を取り付ける場合、本体サイズよりも一回り大きい、410×280mm程度の大きさの開口部を天井面に開け、その後、その開口部に装置本体の一部を落とし込む形態で設置し、装置本体の下から、その部分を覆うように、天井面に向けて450×350mm程度の大きさのフロントパネルを取り付けている。従って、フロントパネルのサイズが大きく、しかも、パネルが厚いことから、浴室の天井面を相当面積専有することになり、外観を損なうというおそれがあった。
ii.また、浴室換気装置等を浴室に取り付ける際に、天井裏側で空調機器を押える者、浴室内側の天井表面からビス止めする者等の複数の作業者が必要となる。特に、比較的大型の組立式の浴室ユニット等において、送風手段や複数の循環本体部等の空調機器を天井裏面に設置する場合に、枠部材とユニット部材のネジ孔の位置が一致せず、その位置合わせに時間を要することで、全体の組立時間を多く要したり、天井裏面での作業性が悪くなるおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、送風手段や複数の循環本体部を天井裏面で容易に施工できるようにすると共に、組立式の浴室等において、当該装置を容易に設置できるようにした空調装置、その取付方法及びこれらを応用した室を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る第1の空調装置は、天井裏面の所定の位置に配設可能な空調装置において、天井パネルの所定の位置に開口された点検口から天井裏面の所定の位置に設置可能な1組の固定部付きの摺動案内部材と、摺動案内部材に載置するための本体脚部を有した送風手段とを備え、送風手段を天井裏面に設置する際に、点検口から天井裏面側に挿入され摺動案内部材に載置された本体脚部が固定部に当接するまで当該送風手段が摺動案内部材上を摺動され、当接後、本体脚部が摺動案内部材の固定部に所定の係合部材で取り付けられて、送風手段が天井表面に露出しないように固定されることを特徴とするものである。
本発明に係る第1の空調装置によれば、天井パネルの所定の位置に空調装置を取り付ける場合に、予め天井パネルの所定の位置に開口された点検口から天井裏面の所定の位置に1組の固定部付きの摺動案内部材を設置する。次に、送風手段を点検口から天井裏面側に挿入し、摺動案内部材に送風手段の本体脚部を載置し、更に、本体脚部が固定部に当接するまで摺動案内部材上に送風手段が摺動され、当接後、本体脚部を摺動案内部材の固定部に所定の係合部材で取り付けて当該送風手段が天井表面に露出しないように固定するようになされる。
従って、送風手段を点検口から引き入れて天井裏面で容易に施工できるようになる。これにより、組立式の浴室等において、当該空調装置を容易に設置できるようになる。
本発明に係る第2の空調装置は、天井パネルの所定の位置に開口された吹出口及び吸込口に取付可能な空調装置において、吹出口又は吸込口における天井パネルに天井表面側から取り付ける枠部材と、天井裏面側から枠部材上に載置されて空気を送風する送風部本体と、天井表面側から枠部材を送風部本体に取り付けて固定する所定の係合部材と、天井表面側から枠部材に取り付けて固定される吹出口用のパネル部材とを備え、前記送風部本体には被係止部が設けられ、前記パネル部材には被係止部が設けられ、前記枠部材には天井裏面側で前記枠部材上に送風部本体を載置する際に前記送風部本体の被係止部に仮止めするための第1の係止部と、前記枠部材にパネル部材を天井表面側から取り付ける際に前記パネル部材の被係止部に係合して固定するための第2の係止部とが設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る第2の空調装置によれば、天井パネルの所定の位置に開口された吹出口及び吸込口に送風部本体を取り付ける場合に、天井表面側から枠部材が天井パネルに取り付けられ、その後、天井裏面側から枠部材上に送風部本体が載置され、更に、天井表面側から所定の係合部材で枠部材を送風部本体に取り付けて固定され、更に、天井表面側から吹出口用のパネル部材が枠部材に取り付けて固定されるようになる。送風部本体には被係止部が設けられ、パネル部材には被係止部が設けられる。枠部材には第1及び第2の係止部が設けられる。送風部本体を枠部材に天井裏面側から取り付ける際に、第1の係止部で送風部本体の被係止部に仮止めするようになされ、第2の係止部で、パネル部材の被係止部に係合して固定するようになされる。従って、送風部本体を点検口から引き入れて天井裏面で容易に施工できるようになる。
本発明に係る空調装置の取付方法は、天井パネルの所定の位置を開口して、点検口、吹出口及び吸込口を形成する工程と、点検口を利用して送風手段を天井裏面に設置する工程と、点検口を利用して天井裏面側から吹出口上に吹出部本体を設置する工程と、点検口を利用して天井裏面側から吸込口上に吸込部本体を設置する工程と、点検口を利用して送風手段、第1及び第2の循環本体部をダクト部材を介して接続する工程とを有し、吹出口上に吹出部本体を設置する工程及び吸込口上に吸込部本体を取り付ける工程において、天井表面側から天井パネルに取り付けて固定した枠部材の係止部に、天井裏面側から枠部材上に吹出部本体又は吸込部本体の被係止部を仮止めした後、天井表面側から所定の係合部材で枠部材を吹出部本体及び吸込部本体に取り付けて固定することを特徴とするものである。
本発明に係る空調装置の取付方法によれば、天井パネルの所定の位置に、送風部本体や送風手段等を取り付ける場合に、全ての空調部材を点検口から施工できるようになる。従って、組立式の浴室等において、当該空調装置を容易に設置できるようになる。
本発明に係る室は、天井裏面の所定の位置に配設可能な空調装置を備えた室において、空調装置は、天井パネルの所定の位置に開口された点検口から天井裏面の所定の位置に設置可能な1組の固定部付きの摺動案内部材と、摺動案内部材に載置するための本体脚部を有した送風手段とを有し、送風手段を天井裏面に設置する際に、点検口から天井裏面側に挿入され摺動案内部材に載置された当該送風手段が、本体脚部が固定部に当接するまで当該送風手段が摺動案内部材上を摺動され、当接後、本体脚部が摺動案内部材の固定部に所定の係合部材で取り付けられて当該送風手段が天井表面に露出しないように固定されることを特徴とするものである。
本発明に係る室によれば、本発明に係る空調装置が応用されるので、全ての空調部材を点検口から施工できるようになる。従って、組立式の浴室等において、当該空調装置を容易に設置できるようになる。
本発明に係る第1の空調装置によれば、天井パネルの所定の位置に取付可能な送風手段を備え、予め天井パネルの所定の位置に開口された点検口から天井裏面の所定の位置に1組の固定部付きの摺動案内部材を設置する。次に、送風手段を点検口から天井裏面側に挿入する。当該送風手段は、本体脚部が固定部に当接するまで摺動案内部材上を摺動され、当接後、本体脚部が摺動案内部材の固定部に所定の係合部材で取り付けられて当該送風手段が天井表面に露出しないように固定されるものである。
この構成によって、送風手段を点検口から引き入れて天井裏面で容易に施工できるようになる。従って、組立式の浴室等において、当該空調装置を容易に設置できるようになる。
本発明に係る第2の空調装置によれば、天井パネルの所定の位置に開口された吹出口及び吸込口に取付可能な送風部本体及び、吹出口用のパネル部材を備え、当該送風部本体には被係止部が設けられ、パネル部材には被係止部が設けられ、枠部材には第1及び第2の係止部が設けられる。送風部本体を枠部材に天井裏面側から取り付ける際に、第1の係止部で送風部本体の被係止部に仮止めするようになされ、第2の係止部で、パネル部材の被係止部に係合して固定するようになされる。従って、送風部本体を点検口から引き入れて天井裏面で容易に施工できるようになる。
この構成によって、送風部本体を点検口から引き入れて天井裏面で容易に施工できるようになる。従って、組立式の浴室等において、当該空調装置を容易に設置できるようになる。
本発明に係る空調装置の取付方法によれば、天井パネルの所定の位置を開口して、点検口、吹出口及び吸込口を形成し、その後、点検口を利用して送風手段を天井裏面に設置し、更に、天井裏面側から吹出口上に吹出部本体を設置すると共に、吸込口上に吸込部本体を設置し、これらの空調部材をダクト部材を介して接続し、吹出口上に吹出部本体を設置する工程及び吸込口上に吸込部本体を取り付ける工程において、天井表面側から天井パネルに取り付けて固定した枠部材の係止部に、天井裏面側から枠部材上に吹出部本体又は吸込部本体の被係止部を仮止めした後、天井表面側から所定の係合部材で枠部材を吹出部本体及び吸込部本体に取り付けて固定するようになされる。
この構成によって、これらの空調部材を点検口から施工できるようになる。従って、組立式の浴室等において、当該空調装置を容易に設置できるようになる。また、室内の外観性を損なうことなく、空調装置を設置することができる。
本発明に係る室によれば、本発明に係る空調装置が応用されるので、全ての空調部材を点検口から施工できるようになる。この構成によって、組立式の浴室等において、当該空調装置を容易に設置できるようになる。
以下、図面を参照して本発明の空調装置、その取付方法及びこれらを応用した室の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る各実施例としての浴室空調装置100の構成例を示す上面図であり、浴室51、脱衣所(洗面所)52等の天井裏における空調部材の配置例を示している。
図1に示す浴室空調装置100は本発明の空調装置を応用したものであり、浴室換気乾燥暖房機能を有している。浴室空調装置100は、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間における換気、乾燥及び暖房等を行うものである。
浴室51の天井パネル52aには点検口55aが設けられる。また、天井パネル52aには点検口55aの他に、第1の吸込口(吸込みグリル取付開口部)54aが設けられる。吸込口54aは、天井パネル52aの所定の位置を開口して形成するようになされる。吸込口54aは、作業性を良くするために、例えば、点検口55aから手の届く範囲に設けるとよい。吸込口54a上には第1の吸込部本体の一例を構成する吸込口ユニット4aが設置され、浴室内で吸気及び循環換気をするようになされる。吸込口ユニット4aは浴室51の空気を吸い込む循環・換気吸込グリル8aを有している。循環・換気吸込グリル8aは、吸込用のパネル部材の一例であり、長方形状を成している。
また、浴室51に隣接する脱衣所52の天井パネル52bには、第2の吸込口(吸込みグリル取付開口部)54bが設けられる。吸込口54bは、脱衣所52の天井パネル52bの所定の位置を開口して形成するようになされる。例えば、吸込口54bは、浴室51及び脱衣所52の境界部分(仕切部材)に沿って設けられる。吸込口54b上には第2の吸込部本体の一例を構成する吸込口ユニット4bが配置され、脱衣所内で吸気、循環換気等をするようになされる。吸込口ユニット4bは脱衣所52の空気を吸い込む循環・換気吸込グリル8bを有している。循環・換気吸込グリル8bは、長方形状を成している。
通常、浴室51と脱衣所52との境界部分には、水切りを良くするために、図示しない浴室ドアで仕切られる。脱衣所52の52天井パネル52bの所定の位置、この例では、上述の吸込口54bの取付位置から延在する位置には、当該吸込口54bに対して吹出口(吹出グリル取付開口部)54cが連設されている。例えば、吹出口54cは、脱衣所52から浴室51への出入口57(図2参照)の上方の天井パネル52bを開口して形成するようになされる。
上述の吹出口54cには、吹出部本体の一例を構成する吹出口ユニット3が配置され、浴室ドアの開閉状態を伴って、浴室内及び脱衣所内に温風又は涼風を吹き出すように動作する。吹出口ユニット3は、脱衣所52に空気を吹き出す吹出グリル7を有している。吹出グリル7は吹出用のパネル部材の一例であり、例えば、長方形状を成している。
この例で、浴室51の天井裏面には、送風手段の一例となる送風装置本体2が設置され、空気を循環送風するように動作する。送風装置本体2が設置される位置には開口部が形成されておらず、送風装置本体2は、浴室51内には露出しない形態を採る。送風装置本体2は、浴室51の天井裏面に限られることはなく、脱衣所52の天井裏面に設けてもよい。
この例で、送風装置本体2は、浴室51及び脱衣所52の天井パネル52aの裏面で、吸込口ユニット4a,4bと吸込みダクト(ダクト部材)6を介して接続されると共に、吹出口ユニット3と吹出ダクト(ダクト部材)5を介して接続される。この例で送風装置本体2の吸込口ユニット4a側には、開閉用の電動ダンパ56が取り付けられ、本体内のダンパを開閉して気流の通過を制御するようになされる。
また、上述の吹出グリル7と循環・換気吸込グリル8a,8bのサイズは、それぞれ送風装置本体2の下面のサイズより小型に構成される。これは、点検口55a及び55bから天井裏面へ搬入できる最大の大きさが送風装置本体2の大きさに合わせてあるためである。更に、吹出グリル7と循環・換気吸込グリル8a,8bの縦方向(短手方向)の長さは同じ長さに構成される。そして、吹出グリル7と循環・換気吸込グリル8a,8bは、横方向(長手方向)に一列状に並ぶ配置となるように、吹出口ユニット3と吸込口ユニット4bの設置位置が設定される。
ここで、吹出口ユニット3の吹出グリル7及び吸込口ユニット4bの循環・換気吸込グリル8bの設置位置には、図示しないアルミニウム等の金属製又は樹脂製の枠部が取り付けられ、吹出グリル7及び循環・換気吸込グリル8bは、枠部に嵌め込まれる形態で取り付けられる。また、枠部の吹出グリル7及び循環・換気吸込グリル8bが設置されない箇所については、アルミニウム等の金属製又は樹脂製のカバー部材(図示せず)が取り付けられて、意匠性を損なわないように配置されている。
図2は、図1に示した浴室空調装置100の空調部材の配置例をAA方向から見た側面図である。図2に示す温風を吹き出す吹出グリル7には、風向切替手段の一例を構成する電動ルーバ部47が取り付けられる。電動ルーバ部47は、浴室51又は脱衣所52への温風及び涼風の吹出方向を選択する方向選択機能及び、浴室51又は脱衣所52への温風及び涼風の吹出方向を交互に選択するスイング機能を有している。
この例で、暖房運転モード時、浴室51を暖房する場合は、浴室51への出入口57の図示しない浴室ドアを開けておくようになされる。電動ルーバ部47は、浴室51への温風の吹出方向を選択するようになされる。また、脱衣所(メインルーム)52のみを暖房する場合は、上述の浴室ドアを閉めておくようになされる。電動ルーバ部47は、脱衣所52への温風の吹出方向を選択するようになされる。
更に、涼風運転モード時、浴室51に涼風を吹き出す場合は、浴室51への出入口57の図示しない浴室ドアを開けておくようになされる。電動ルーバ部47は、浴室51への涼風吹出方向を選択するようになされる。また、脱衣所52のみに涼風を吹き出す場合は、上述の浴室ドアを閉めておくようになされる。電動ルーバ部47は、脱衣所52への涼風吹出方向を選択するようになされる。
なお、暖房又は涼風運転でスイングモードを選択する場合は、浴室51への出入口57の図示しない浴室ドアを開けておくようになされる。電動ルーバ部47は、浴室51又は脱衣所52への温風及び涼風の吹出方向を交互に選択するスイング機能を選択するようになされる。
この例で、吸込口ユニット4aは、浴槽51cの上方の天井パネル52aに取り付けられる。浴槽51cの上方の湿った空気を換気し易くするためである。また、送風装置本体2の吸込口ユニット4aの側(吸込口)に取り付けられた電動ダンパ56は、本体内のダンパを閉じて、脱衣所52以外から空気を吸い込む機能を遮断するようになされる。これは、脱衣所52のみで暖房運転モードや乾燥運転モードを実行する場合を考慮したためである。
また、吹出口ユニット3の内部には、図10で示すような風路切替用の循環ダンパ26が設けられると共に、換気ダクト22が接続される。上述の送風装置本体2は、スイング涼風運転モード、浴室51及び脱衣所52の涼風運転モード時に、吸込口ユニット4bを通じて吸い込んだ脱衣所52の空気の一部を吹出口ユニット3の循環ダンパ26及び換気ダクト22を通じて外部に排気するようになされる。
<送風装置本体の構成例>
図3は、第1の実施例に係る空調装置101としての送風装置本体2及びレール架台80a,80bの構成例を示す斜視図である。
図3に示す第1の空調装置101は、送風装置本体2及び1組の固定部付きのレール架台80a,80bを有している。この例で、送風装置本体2は扁平した長方体形状を有している。上面は、設置場所が浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井裏面となることを考慮して、平坦状に仕上げられ、側面には吹出ダクト取付部13、吸込ダクト取付部15及びドレン41が設けられている。ドレン41は、送風装置本体2に溜まった水を排出する際に使用される。
底面には、本体脚部71a〜71dが設けられ、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井裏面で、レール架台80a,80bに載置するようになされる。本体脚部71a〜71dは、装置本体底面の四隅に設けられる。本体脚部71aにはビス止め孔付きの係止部72aが取り付けられている。例えば、係止部72aはL字型の鉄製の部材を本体脚部71aに電気溶接して形成されている。ビス止め孔は、位置決め余裕を持たせるために長丸状に開口されている。他の本体脚部71b〜71dについても同様に構成される。その説明は省略する。
また、レール架台80a,80bは、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井裏面の所定の位置に配設(設置)可能な空調部材である。レール架台80aは固定部81a、ガイドレール82a、本体基板83aを有して構成される。
本体基板83aは、例えば、鉄製のアングル部材から構成され、所定の長さ及び厚みを有している。本体基板83aには、ほぼ同じ長さで厚みのガイドレール82aが例えば、所定の位置でビス止めされている。ガイドレール82aは、摺動面を有している。ガイドレール82aの一辺には、摺動面から垂直に立ち上がったエッジが設けられ、レールから外れないように送風装置本体2の本体脚部71aをガイドするようになされる。
また、本体基板83aには、固定部81aが取り付けられる。固定部81aは、ガイドレール82aとの間に所定の隙間を保持して本体基板83a、83bに固定される。この隙間は、当接時に、本体脚部71aの底部が固定部81aの下を通過するために設けてある。固定部81aは、例えば、鉄板を折曲げクランク状に折曲げ、更に、一端をコ字状に加工して形成されたものである。固定部81aには雌ネジが施され、本体脚部71aが固定部81aに当接された後に、本体脚部71aを固定部81aにネジ止め固定できるようになされている。
レール架台80bは固定部81b、ガイドレール82b、本体基板83bを有して構成される。レール架台80bについては、レール架台80aと同様に構成されるので、その説明は省略する。
この例では、係合部材の一例となるネジ91a〜91dが準備される。そして、送風装置本体2を天井裏面に設置する際に、送風装置本体2をレール架台80a、80b上に位置合わせした後に、本体脚部71a〜71dがレール架台80a、80b上に載置される。その後、本体脚部71a〜71dが各々の固定部81a〜81dに当接するまで当該送風装置本体2がレール架台80a,80b上を摺動される。当接後、各々の本体脚部71a〜71dを固定部81a,81bに取り付ける。例えば、ネジ91aで本体脚部71aを固定部81aに取り付ける。他の本体脚部71b〜71dについても、ネジ91b〜91dで固定部81b〜81dに固定される(第1の空調装置)。
図4A及びBは、送風装置本体2の内部構成例及びその機能例を示す断面図である。図4Aに示す送風装置本体2は、モータ9、ファン10、ファンケース11及び本体ケースを有して構成される。
ファンモータ9は、ファンケース11に取り付けられており、その回転軸にはファン10が取り付けられる。ファンモータ9は、例えば、多翼の羽根車で構成されるファン10の回転軸が鉛直方向となる向きで、ファンケース11に取り付けられる。ファン10は、モータ9が回転駆動すると、空気を吸い込んで吹き出すようになされる。ファンケース11は、ファン10により吸い込まれた空気を吹き出す風路を形成するものである。
ファンケース11は、送風装置本体2の外形を構成する本体ケース12に取り付けられ、ファン10の軸方向に沿った下面を開口してファン吸込口11aが形成されると共に、ファン10の接線方向に沿った空気の吹出方向にファン吹出口11bが形成される。
図4Bに示す本体ケース12は、扁平した直方体形状を有しており、ファン吹出口11bと連通した一の側面に、図1又は図2に示した吹出ダクト5が取り付けられる吹出ダクト取付部13を備える。また、本体ケース12は、ファンケース11の下部にファン吸込口11aと連通した吸込風路14が形成され、吸込風路14と連通した他の側面に、吸込ダクト6が取り付けられる吸込ダクト取付部15を備える。ここで、図1では吸込ダクト取付部15を対向する2側面に1個ずつ備えた例を説明しているが、吸込ダクト取付部15の数は1個でも良いし、2個以上であってもよい。
なお、図4Aに示した送風装置本体2は、ファンケース11のファン吹出口11bにイオン発生器16を備えている。イオン発生器16はイオン発生手段の一例で、ファンケース11によって形成される吹出風路にイオン放出面が露出する。イオン発生器16は、正イオンと負イオンの両方あるいは負イオンを発生する。正イオンと負イオンの発生の原理は、誘電体が介在するように対向させた一対の電極間に家庭用交流電源等から取った交流電圧を昇圧して印加することにより、コロナ放電を起こし、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)と、O2 -(H2O)n(nは任意の自然数)が主体のイオンを放出するものである。
これらH+(H2O)m及びO2 -(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2又は・OHを生成する。H2O2又は・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで除去することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
これにより、ファンモータ9の回転と連動させてイオン発生器16で略同数の正イオンと負イオンを発生させることで、浴室51に略同数の正イオンと負イオンを供給することで、空気中の浮遊細菌を除去して、カビの発生等を抑えることができる。
図5〜図8は、送風装置本体2の取付例(その1〜4)を示す組立工程図である。
この例で、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井パネル52aの所定の位置に浴室空調装置100を取り付ける場合に、まず、図5に示す1組の固定部81a,81b付きのレール架台80a,80bを点検口55a(図1参照)を利用して天井裏面に搬入する。その後、天井裏面の所定の位置にこれらのレール架台80a,80bを設置する。レール架台80a,80bは、天井裏面に接合(接着)する方法が採られる。もちろん、これに限られることはなく、例えば、組立式の浴室51の場合に、当該浴室を組み立てる前の段階で、天井パネル52aの裏面所定位置の躯体金属部位に電気溶接で予め接合して固定しておいてもよい。
次に、図5に示す送風装置本体2を担ぎ上げ、点検口55a(図1参照)を利用して天井裏面に搬入する。その後、天井裏面の所定の位置に取り付けられた1組の固定部81a,81b付きのレール架台80a,80bに送風装置本体2を位置合わせをする。このとき、例えば、右側のレールガイド82a上に本体脚部71a,71cが位置し、左側のレールガイド82b上に本体脚部71b,71dが位置するように送風装置本体2の向きを調整する。また、天井裏で送風装置本体2が手元近くに有る場合に、吹出ダクト5や吸込ダクト5を所定の部位に取り付けておいてもよい。
次に、図6に示すレール架台80a,80bに送風装置本体2の本体脚部71a〜71dを載置する。このとき、右側のレールガイド82a上に本体脚部71a,71cが設置され、左側のレールガイド82b上に本体脚部71b,71dが設置される。また、レールガイド82aの手前に本体脚部71aが載るようにし、レールガイド82bの手前に本体脚部71bが載るようにする。
その後、図7に示す本体脚部71a〜71dが固定部81a,81bに当接するまでレール架台80a,80b上に送風装置本体2を摺動する。このとき、送風装置本体2は左右均等な押圧力で押し出すようにするとよい。
当接後、本体脚部71a〜71dをレール架台80a,80bの固定部81a〜81dに所定のネジ91a〜91dで取り付けて当該送風装置本体2を固定する。ネジ91a〜91dには、SUS製の鉄板ビスや丸ネジ、皿ネジ等が使用される。例えば、図8に示すネジ91aで本体脚部71aを固定部81aに取り付ける。他の本体脚部71b〜71dについても、ネジ91b〜91dで固定部81b〜81dに固定される。これにより、送風装置本体2を天井裏面に設置することができる。
このように、第1の実施例としての空調装置101によれば、予め天井裏面の所定の位置に1組の固定部付きのレール架台80a,80bが設置される。次に、レール架台80a,80bに送風装置本体2の本体脚部71a〜71dを載置し、更に、本体脚部71a、71bが固定部81a,81bに当接するまでレール架台80a,80b上に送風装置本体2が摺動され、当接後、本体脚部71a、71bをレール架台80a,80bの固定部81a,81bにネジ91a,91bで取り付けて当該送風装置本体2を固定するようになされる。
従って、送風装置本体2を点検口55aから引き入れて天井裏面で容易に施工できるようになる。これにより、組立式の浴室51等において、当該空調装置100を容易に設置できるようになる。
図9は、第2の実施例としての空調装置102の組立例を示す斜視図である。図9に示す第2の空調装置102は、図1に示した浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井パネル52aの所定の位置に開口された吹出口54cに取付可能な空調装置であって、吹出口ユニット3、吹出グリル7、吹出グリル取付部19及び所定のネジ45a〜45dを備えて構成される。吹出口ユニット3は、吹出部本体の一例を構成し、天井裏面側から吹出グリル取付部19上に載置されて温風又は涼風の吹き出して循環し、及び、換気する機能を有している。
吹出グリル7は吹出口用のパネル部材の一例を構成し、天井表面側から吹出グリル取付部19に取り付けられて固定される。吹出グリル7は樹脂又は硬質ゴム部材から構成される。吹出グリル取付部19は、第1の枠部材を構成し、吹出口54cにおける天井パネル52aに取り付けられて固定される。吹出グリル取付部19は、金属製又は硬質樹脂から構成される。ネジ45a〜45dは、天井表面側から吹出グリル取付部19を吹出口ユニット3に取り付けて固定する際に使用される。ネジ45a〜45dは、係合部材の一例を構成し、防錆性の金属で所定の長さを有している。ネジ45a〜45dには、SUS製の鉄板ビスや丸ネジ、皿ネジ等が使用される。
図9に示した第2の空調装置は、吹出口54c上に吹出口ユニット3を取り付ける際に、図1に示した吹出口54cにおいて、天井表面側から吹出グリル取付部19を天井パネル52aに取り付けて固定する。
次に、天井裏面側から吹出グリル取付部19上に吹出口ユニット3を載置する。更に、天井表面側から所定のネジ45a〜45dで吹出グリル取付部19を吹出口ユニット3に取り付けて固定する。その後、天井表面側から吹出グリル7を吹出グリル取付部19に取り付けて固定する。
この例では、天井裏面側で吹出グリル取付部19上に吹出口ユニット3を載置する際に、吹出口ユニット3に設けられた被係止部の一例となる爪部43a,43bを吹出グリル取付部19に設けられた係止部44a,44bに仮止めする。また、吹出グリル7を吹出グリル取付部19に取り付ける際に、吹出グリル取付部19に設けられた図示しない係止部に、吹出グリル7に設けられた図示しない爪部を係合して固定する。これにより、浴室空調装置100において、吹出口54c上に吹出口ユニット3を取り付けることができる。
<吹出口ユニットの内部構成例>
図10〜図12は、吹出口ユニット3の内部構成例を示す断面図である。図10は、吹出口ユニット3の構成例(循環位置)を示す断面図である。図10に示す吹出口ユニット3は、送風装置本体2から吹き出す空気の風路が形成される吹出口ケース17に、吹出ダクト取付部18と吹出グリル取付部19とが設けられて構成される。
吹出口ユニット3は、空気を吸い込む循環・換気吸込口20が吹出口ケース17の一の側面に形成され、循環・換気吸込口20と連通して吹出ダクト取付部18が取り付けられる。吹出ダクト取付部18は図1又は図2に示した吹出ダクト5に接続される。吹出口ケース17の下方には、吹出グリル取付部19が設けられる。吹出グリル取付部19には吹出グリル7が取り付けられる。
また、吹出口ユニット3は、空気を吹き出す換気排気口21が、循環・換気吸込口20と対向して吹出口ケース17の他の側面に形成され、換気排気口21と連通して、排気ダクト22が接続される排気ダクト取付部23が取り付けられる。
更に、吹出口ユニット3は、空気を吹き出す循環吹出口24が吹出口ケース17の下部に形成され、循環吹出口24に吹出グリル取付部19が取り付けられると共に、循環吹出口24にヒータ25を備えている。ヒータ25は加熱手段の一例で、例えばPTCヒータ等で構成され、ヒータ25に通電されると、循環吹出口24を通る空気が加熱され、吹出グリル取付部19に取り付けられた吹出グリル7から温風が吹き出す。
吹出口ユニット3は、吹出口ケース17内に形成される風路を切り替える循環ダンパ26を備えている。循環ダンパ26は風路切替手段の一例で、ダンパモータ27及び歯車27aによって軸26aを支点に回転する。歯車27aは、循環ダンパ26とダンパモータ27との間に設けられる。ダンパモータ27には、ステッピングモータが使用される。そして、吹出口ケース17内には、循環ダンパ26の位置によって、循環・換気吸込口20から循環吹出口24へ連通した循環風路28aか、循環・換気吸込口20から換気排気口21へ連通した排気風路28bが形成される。
すなわち、図10に示す循環ダンパ26が跳ね上がって排気風路28bを塞ぐ全閉位置にあると、換気排気口21への風路が遮蔽され、循環・換気吸込口20から循環吹出口24へ連通した循環風路28aが形成される。この循環ダンパ26の全閉となる位置を循環位置と称す。
これに対して、図11に示す循環ダンパ26が降下して排気風路28bを開ける全開位置にあると、循環吹出口24への風路が遮蔽され、循環・換気吸込口20から換気排気口21へ連通した排気風路28bが形成される。この循環ダンパ26が全開となる位置を換気位置と称す。
更に、循環ダンパ26が図11に二点鎖線で示す循環位置と換気位置の中間位置にあると、循環・換気吸込口20から循環吹出口24へ連通した循環風路28aと、循環・換気吸込口20から換気排気口21へ連通した排気風路28bの双方が形成される。この循環ダンパ26の中間位置を循環換気位置と称す。この例では、循環換気位置で24時間換気運転を実行する。循環ダンパ26の中間位置で静止させるために、ダンパモータ27がステッピングパルス制御が実行される。例えば、循環ダンパ26の閉状態から所定の開度にするためのパルス数がダンパモータ27に出力される。ダンパモータ27が指定されたパルス数だけ回転することで、循環ダンパ26が中間位置となり、所定の開度(例えば、45°)に姿勢を変えるようになされる。
この例で、図10及び図11に示す循環吹出口24には電動ルーバ部47が取り付けられ、温風又は涼風の吹出方向を選択する方向選択機能及び、温風又は涼風の吹出方向を交互に選択するスイング機能を有している(第2の空調装置)。
[電動ルーバ部]
図12A〜Cは、吹出口ユニット3の電動ルーバ部47の構成例及び動作例を示す図である。
図12Aに示す電動ルーバ部47は、複数枚の整流板48と、各整流板48の向きを変えるルーバモータ49と、各整流板48に駆動力を伝達するリンク機構50を有している。
各整流板48は、軸48aを支点に回転自在に支持され、1枚の整流板48の軸48aにルーバモータ49の軸が連結されている。ルーバモータ49はステッピングモータで構成され、整流板48の往復回転動作が可能である。各整流板48には、リンク機構50を構成するリンクレバー50aが取り付けられ、各リンクレバー50aがリンクロッド50bで連結される。
この例で、ルーバモータ49が矢印a方向に回転駆動されると、ルーバモータ49と連結された整流板48が軸48aを支点に矢印a方向に回転すると共に、各整流板48がリンクレバー50a及びリンクロッド50bで連結されているので、各整流板48が軸48aを支点に矢印a方向に回転する。これにより、各整流板48は、図12Bに示すように一の方向、例えば、図1に示した脱衣所52の方向に姿勢を変えるようになされる。
これに対して、ルーバモータ49が矢印b方向に回転駆動されると、ルーバモータ49と連結された整流板48が軸48aを支点に矢印b方向に回転すると共に、各整流板48が軸48aを支点に矢印b方向に回転する。これにより、各整流板48は、図12Cに示すように他の方向、例えば、図1に示した浴室51の方向に姿勢を変えるようになされる。
このように、第2の実施例としての空調装置102によれば、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井パネル52aの所定の位置に開口された吹出口54cに吹出口ユニット3を取り付ける場合に、当該吹出口ユニット3は、天井表面側から吹出グリル取付部19が天井パネル52aに取り付けて固定され、その後、天井裏面側から吹出グリル取付部19上に吹出口ユニット3が載置され、更に、天井表面側から所定のネジ45a〜45dで吹出グリル取付部19を吹出口ユニット3に取り付けて固定され、更に、天井表面側から吹出グリル7が吹出グリル取付部19に取り付けて固定されるようになる。
従って、吹出口ユニット3を点検口55bから引き入れて天井裏面で容易に施工できるようになる。これにより、組立式の浴室システム等において、当該空調装置を容易に設置できるようになる。
図13は、第3の実施例としての空調装置103の組立例を示す斜視図である。なお、吸込口ユニット4bについては、吸込口ユニット4aと、その構成及び機能が同じであるので、その説明を省略する。
図13に示す第3の空調装置103は、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井パネル52aの所定の位置に開口された吸込口54aに取付可能な空調装置であって、吸込口ユニット4a、所定のネジ39a〜39d、循環換気吸込グリル8a,8b及び吸込グリル取付部30を備えて構成される。
吸込グリル取付部30は、第2の枠部材を構成し、吸込口54aにおける天井パネル52aに取り付けられて固定される。吸込グリル取付部30は、金属製又は硬質樹脂から構成される。吸込口ユニット4aは第1の吸込部本体の一例を構成し、天井裏面側から吸込グリル取付部30上に載置されて空気を吸い込んで循環するように機能する。
所定のネジ39a〜39dは、天井表面側から吸込グリル取付部30を吸込口ユニット4aに取り付けて固定する際に使用される。ネジ39a〜39dは係合部材の一例を構成し、防錆性の金属で所定の長さを有している。例えば、SUS製の鉄板ビスや、丸ネジ、皿ネジ等が使用される。循環換気吸込グリル8aは吸込口用のパネル部材の一例を構成し、天井表面側から吸込グリル取付部30に取り付けて固定される。
図13に示す吸込口ユニット4aのチャンバー29には爪部29a、29bが設けられ、吸込グリル取付部30には係止部30a,30aが設けられ、天井裏面側で吸込グリル取付部30上に吸込口ユニット4aを載置する際に、吸込口ユニット4aの爪部29a,29Bを吸込グリル取付部30の係止部30a,30aに仮止めされる。
この例で、吸込グリル取付部30には係止部30b,30bが設けられ、循環換気吸込グリル8aには爪部8c,8dが設けられ、吸込グリル取付部30に循環換気吸込グリル8aを取り付ける際に、吸込グリル取付部30の係止部30b,30bに環換気吸込グリル8aの爪部8c,8dを係合して固定される。
<吸込口ユニットの構成例>
図14A及びBは、吸込口ユニット4a等の内部構成例を示す断面図である。図14Aに示す吸込口ユニット4aは、循環・換気吸込グリル8a、半円ドーム状のチャンバー29及び吸込グリル取付部30を有して構成される。
吸込グリル取付部30は枠部材の一例を構成し、防錆性の金属又は耐候性のよい樹脂から構成される。吸込グリル取付部30の両側上部には、例えば、凹状の係止部30a,30aが設けられる。吸込グリル取付部30は天井パネル52aに開口された吸込口54aに取付られる。また、吸込グリル取付部30の両側下部には、例えば、凹状の係止部30b,30bが設けられる。
吸込グリル取付部30の上方には、チャンバー29が取り付けられる。チャンバー29は防錆性の金属又は耐候性のよい樹脂から構成される。チャンバー29の両側には爪部29a,29aが設けられ、吸込グリル取付部30の両側の凹状の係止部30b,30bに嵌合するようになされる。チャンバー29の上部側面には、排気口29bが設けられ、図1及び図2に示した吸込ダクト6に接続される。
この例で、天井裏面側で吸込グリル取付部30上にチャンバー29を設置する際に、チャンバー29の爪部29a,29aを吸込グリル取付部30の係止部30a,30aに仮止めされる。この状態で浴室内から所定のネジ39a〜39dで吸込グリル取付部30とチャンバー29とがビス止めして固定される。
図14Bに示す循環・換気吸込グリル8aは吸込用のパネル部材の一例を構成し、浴室内側から吸込グリル取付部30に取り付けるようになされる。循環・換気吸込グリル8aは、チャンバー29を介して吸込ダクト6と連通される。この例で、循環・換気吸込グリル8aの両側上面には、図14Aに示すように爪部8c,8cが設けられる。吸込グリル取付部30に循環・換気吸込グリル8aを取り付ける際に、吸込グリル取付部30の係止部30b,30bに循環・換気吸込グリル8aの爪部8c,8cを嵌合して固定される。これにより、浴室内から天井パネル面を見たとき、循環・換気吸込グリル8aの平坦な化粧面のみが露出するようになり、見た目すっきりした形態となる(図14A及びB参照)。
このように第3の実施例としての空調装置103によれば、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井パネル52aの所定の位置に開口された吸込口54a,54bに吸込口ユニット4a,4bを取り付ける場合に、当該吸込口ユニット4a,4bは、天井表面側から吸込グリル取付部30が天井パネル52aに取り付けて固定され、その後、天井裏面側から吸込グリル取付部30上に吸込口ユニット4a,4bが載置され、更に、天井表面側から所定のネジ39a〜39dで吸込グリル取付部30を吸込口ユニット4a,4bに取り付けて固定され、更に、天井表面側から循環換気吸込グリル8a,8bが吸込グリル取付部30に取り付けて固定されるようになる。
従って、吸込口ユニット4a,4bを点検口55aや55bから引き入れて天井裏面で容易に施工できるようになる。これにより、組立式の浴室システム等において、当該空調装置を容易に設置できるようになる。
続いて、本発明に係る浴室空調装置100の取付方法について説明する。図15は、浴室空調装置100の取付例を示すフローチャートである。この実施例では、第1〜第3の空調装置101〜103を使用する場合を前提とする。
これを組立条件にして、まず、図15に示すフローチャートのステップST1で浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井パネル52aの所定の位置を開口して、点検口55a、55b、吸込口54a,54b及び吹出口54cを形成する。点検口55aの大きさは、送風装置本体2が搬入できる大きさとなされる。また、吹出口54c及び吸込口54a,54bを形成する際に、吸込口ユニット4a,4bの下面形状よりも小さな開口形状の吹出口54cを開口し、吸込口ユニット4a,4bの下面形状の大きさより小さな開口形状の吸込口54a,54bを形成する。更に、吹出グリル7と循環・換気吸込グリル8bとが一列に並ぶように、天井パネル52aを開口して吸込口54b及び吹出口54cを形成する。
次に、ステップST2で点検口55aを利用して送風装置本体2を天井裏面に設置する。このとき、送風装置本体2を設置する位置には、開口部が形成されておらず、送風装置本体2を浴室51内に露出しない形態が採られる。
例えば、送風装置本体2を天井裏面に設置する場合に、まず、図5に示す1組の固定部81a,81b付きのレール架台80a,80bを点検口55a(図1参照)を利用して天井裏面に搬入する。その後、天井裏面の所定の位置にこれらのレール架台80a,80bを設置する。レール架台80a,80bは、天井裏面に接合(接着)する方法が採られる。もちろん、これに限られることはなく、例えば、組立式の浴室51の場合に、当該浴室を組み立てる前の段階で、天井パネル52aの裏面所定位置の躯体金属部位に電気溶接で予め接合して固定しておいてもよい。
例えば、図5に示したように、送風装置本体2を担ぎ上げ、図1に示した点検口55aを利用して天井裏面に搬入する。その後、天井裏面の所定の位置に取り付けられた1組の固定部81a,81b付きのレール架台80a,80bに送風装置本体2を位置合わせをする。このとき、右側のレールガイド82a上に本体脚部71a,71cが位置し、左側のレールガイド82b上に本体脚部71b,71dが位置するように送風装置本体2の向きを調整する。また、天井裏で送風装置本体2が手元近くに有る場合に、吹出ダクト5や吸込ダクト5を所定の部位に取り付けておいてもよい。
次に、図6に示したレール架台80a,80bに送風装置本体2の本体脚部71a〜71dを載置する。このとき、右側のレールガイド82a上に本体脚部71a,71cが設置され、左側のレールガイド82b上に本体脚部71b,71dが設置される。また、レールガイド82aの手前に本体脚部71aが載るようにし、レールガイド82bの手前に本体脚部71bが載るようにする。
その後、図7に示した本体脚部71a〜71dが固定部81a,81bに当接するまでレール架台80a,80b上に送風装置本体2を摺動する。このとき、送風装置本体2は左右均等な押圧力で押し出すようにするとよい。当接後、本体脚部71a〜71dをレール架台80a,80bの固定部81a〜81dに所定のネジ91a〜91dで取り付けて当該送風装置本体2を固定する。
例えば、図8に示したように、ネジ91aで本体脚部71aを固定部81aに取り付ける。他の本体脚部71b〜71dについても、ネジ91b〜91dで固定部81b〜81dに固定される。これにより、送風装置本体2を天井裏面に設置することができる。この例では、送風装置本体2の吸込口ユニット4a側には、電動ダンパ56が取り付けられ、本体内のダンパを開閉して気流の通過を制御するようになされる。
更に、ステップST3で点検口55aや55b等を利用して天井裏面側から吹出口54c上に吹出口ユニット3を設置する。例えば、天井パネル52aの吹出口54cに、吹出グリル取付部19を取り付ける。次に、天井裏面で吹出グリル取付部19上に吹出口ユニット3を設置し、脱衣所内側から吹出グリル取付部19に吹出グリル7を取り付ける。
次に、ステップST4で点検口55aや55b等を利用して天井裏面側から吸込口54a上に吸込口ユニット4aを設置すると共に、吸込口54b上に吸込口ユニット4bを設置する。例えば、図13で説明した吸込口54aに吸込グリル取付部30を取り付ける。更に、浴室51の天井裏面側から当該吸込口54a上に吸込口ユニット4aを設置する。この際に、吸込口54aにおいて、天井表面側から吸込グリル取付部30を天井パネル52aに取り付けて固定し、天井裏面側から吸込グリル取付部30上に吸込口ユニット4aを載置し、天井表面側から所定のネジ39a〜39dで吸込グリル取付部30を吸込口ユニット4aに取り付けて固定し、天井表面側から循環・換気吸込グリル(吸込口用のパネル部材)を吸込グリル取付部30に取り付けて固定する。
このとき、天井裏面側で吸込グリル取付部30上にチャンバー29を設置する際に、チャンバー29の爪部29a,29aを吸込グリル取付部30の係止部30a,30aに係合して仮止めする。この状態で浴室内から所定のネジ39a〜39dで吸込グリル取付部30とチャンバー29とをネジ止めして固定する。その後、吸込グリル取付部30の係止部30b,30bに循環・換気吸込グリル8aの爪部8c,8cを嵌合(係合)する。これにより、循環・換気吸込グリル8aを吸込グリル取付部30に固定するようになされる。
また、脱衣所52の天井裏面側からその点検口55bを利用して当該脱衣所52の吸込口54b上に吸込口ユニット4bを設置する。天井裏面側で吸込グリル取付部30上にチャンバー29を設置する際に、チャンバー29の爪部29a,29aを吸込グリル取付部30の係止部30a,30aに係合して仮止めされる。この状態で脱衣所内から所定のネジ39a〜39dで吸込グリル取付部30とチャンバー29とがネジ止めして固定される。その後、吸込グリル取付部30の係止部30b,30bに循環・換気吸込グリル8bの爪部8c,8d(図示せず)を嵌合される、これにより、循環・換気吸込グリル8bが吸込グリル取付部30に固定される。もちろん、これに限られることはない。
その後、ステップST5で点検口55aや55b等を利用して、浴室51の天井裏面の送風装置本体2と、その天井裏面の吸込口ユニット4aとを接続すると共に、脱衣所52の天井裏面の吸込口ユニット4b及び吹出口ユニット3と送風装置本体2とを接続する。
例えば、送風装置本体2の吸込ダクト取付部15に吸込ダクト6の一端側が接続され、吸込口ユニット4aのチャンバー29に吸込ダクト6の他端側が接続されることで、送風装置本体2と吸込口ユニット4aとが吸込ダクト6を介して接続される。同様にして、送風装置本体2と吸込口ユニット4bとが吸込ダクト6を介して接続される。
更に、送風装置本体2と吹出口ユニット3とを吹出ダクト5を介して接続する。例えば、送風装置本体2の吹出ダクト取付部13に、吹出ダクト5の一端側が接続され、吹出口ユニット3では、吹出ダクト取付部18に吹出ダクト5の他端側が接続されることで、送風装置本体2と吹出口ユニット3とが吹出ダクト5を介して接続される。また、吹出口ユニット3に排気ダクト22を接続する。排気ダクト22は、吹出口ユニット3の排気ダクト取付部23に接続される。排気ダクト22は、浴室51や脱衣所52が設置される、図示しない建物の排気口に接続され、屋外へ排気するようになされる。吹出ダクト5や吸込ダクト6には、アルミニウムを蛇腹状に加工したダクトが使用される。
これにより、浴室空調装置100が組立完了する。なお、吹出ダクト5、吸込ダクト6及び排気ダクト22は、各ユニットを固定する前に、天井裏面で、各吸込口又は排気口に接続し、その接続を完了してから、各ユニットを各部に取り付け固定するようにしてもよい。また、各ユニットの設置形態としては、アンカーボルト等を使用して天井裏(上階の床下:コンクリートスラブ)に吊り下げる形態でも良い。
この例では、吹出グリル7と循環・換気吸込グリル8bは一列に並んで配置される。更に、脱衣所52の天井面で吹出グリル7及び循環・換気吸込グリル8bが設置されない箇所については、カバー部材が取り付けられて、天井パネル52bに対して略同一面となるように構成される。
このように、第1〜第3の空調装置101、102、103を応用した浴室空調装置100の取付方法によれば、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井パネル52aの所定の位置に、送風装置本体2、吹出口ユニット3、吸込口ユニット4a及び4bを取り付ける場合に、全ての空調部材を点検口55aや55b等から施工できるようになる。従って、組立式の浴室51等において、当該浴室空調装置100を容易に設置できるようになる。もちろん、浴室空調装置100の取付(組立)順序は上述した順序に限定されるものではない。
この実施例の浴室空調装置100では、浴室51及び脱衣所52の二室を同時もしくは個別に暖房運転モード、涼風運転モード又は換気運転モードを設定して空調運転可能なシステムである。また、従来方式に比べて、厚みを薄くし、幅を狭くした循環・換気吸込グリル8aが浴室51に露出し、吹出グリル7及び循環・換気吸込グリル8bが脱衣所52に天井表面に露出するだけである。従って、天井表面が見た目すっきり感を利用者に与えることができる。従来方式の中央暖房システムを適用する場合に比べて、空調システムの簡易化が図られ、運転コストの削減が図れる。
図16は、第4の実施例としての浴室空調装置100の制御系の一例を示す機能ブロック図である。図16に示す浴室空調装置100は、送風装置本体2及び吹出口ユニット3を制御する制御部61を備える。制御部61は制御手段の一例を構成し、CPUやメモリ等で構成される。制御部61には、送風装置本体2を構成するファンモータ9及びイオン発生器16が接続されると共に、吹出口ユニット3を構成するヒータ25、ダンパモータ27、人感センサ46及びルーバモータ49が接続される。
制御部61には設定手段の一例を構成する操作部62が接続され、制御部61に対して動作運転モードを設定するように操作される。制御部61は、図示しないメモリ等に格納されたプログラムに従って、例えば暖房運転モード、涼風運転モード、乾燥運転モード及び換気運転モードを実行する。これら運転モードは、入浴者等の利用者が操作部62を操作すること等により選択され、制御部61は、選択された運転モードを実行するプログラムに従いファンモータ9、イオン発生器16、ヒータ25及びダンパモータ27等を制御する。
操作部62は、浴室空調装置本体と独立したリモートコントロール装置で、例えば、浴室51に隣接した図示しない洗面所の壁面等に取り付けられ、送風装置本体2等に実装される制御部61とは例えば電気ケーブルで接続される。この例で、操作部62には図示しない暖房ボタンと可動ルーバボタンとが配置される。これらの操作ボタンが押下されることで発生する操作信号S62を制御部61に出力される。
制御部61は、人感センサ46からの入室検知信号S46や操作部62からの操作信号S62に基づいて各種制御信号S9、S16、S25、S27、S49及びS56を発生し、送風装置本体2及び吹出口ユニット3を制御する。例えば、制御部61は送風装置本体2に対して、入室検知信号S46や操作信号S62等に基づいてモータ制御信号S9を発生し、モータ制御信号S9をファンモータ9に出力してファン制御を実行する。ファンモータ9は、モータ制御信号S9を入力してファン10を駆動する。また、制御部61は送風装置本体2に対して、操作信号S62に基づくイオン制御信号S16を発生し、イオン制御信号S16をイオン発生器16に出力してイオン発生制御を実行する。イオン発生器16は、イオン制御信号S16を入力してイオンを発生する。
更に、制御部61は吹出口ユニット3に対して、操作信号S62に基づくヒータ制御信号S25を発生し、ヒータ制御信号S25をヒータ25に出力してヒータ制御を実行する。ヒータ25はヒータ制御信号S25を入力してヒータを加熱する。また、制御部61は操作信号S62に基づくダンパ制御信号S27を発生し、ダンパ制御信号S27をダンパモータ27に出力してダンパモータ制御を実行する。ダンパモータ27は、ダンパ制御信号S27を入力して循環ダンパ26を駆動する。
制御部61は操作信号S62に基づくルーバ制御信号S49を発生し、ルーバ制御信号S49をルーバモータ49に出力してルーバモータ制御を実行する。ルーバモータ49は、ルーバ制御信号S49を入力して整流板48を駆動する。制御部61は操作信号S62に基づくダンパ制御信号S56を発生し、ダンパ制御信号S56をダンパモータ56’に出力してダンパ開閉制御を実行する。ダンパモータ56’は、ダンパ制御信号S56を入力してダンパを駆動する。これにより、暖房運転モード、涼風運転モード又は換気運転モードを設定して浴室51及び脱衣所52の二室を同時もしくは個別に空調運転を実行できるようになる。
続いて、浴室空調装置100の動作例について説明をする。図17〜図20は、各運転モード時の動作例を示す概念図である。この実施例では、浴室及び脱衣所等のサニタリー空間に当該空調装置を適用し、動作運転モードが暖房、涼風、乾燥及び換気の4つに分かれている。この例では、4つの場合に分けて説明をする。
<暖房運転モード>
図17A〜Cは、浴室空調装置100の暖房運転モード時の動作例を示す概念図である。暖房運転モードは更に、スイング、浴室及び脱衣所の3つの場合に分かれている。表1は3つの暖房運転モードをまとめたものである。
暖房運転モードでは、吹出口ユニット3において循環ダンパ26が循環位置にあるので、吹出口ケース17内には、吹出ダクト5と接続された循環・換気吸込口20から循環吹出口24へと連通した循環風路28aが形成される。
[スイング暖房運転モード]
この例では、図17Aに示す浴室51の出入口のドア(戸)58は開放される。これを前提にして、図16に示した操作部62によってスイング暖房運転モードが設定されると、送風装置本体2は、吸込口ユニット4aを通じて浴室51の空気IIを吸い込むと共に、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3のスイング機能を利用して浴室51及び脱衣所52に交互に温風Iを吹き出すようになされる。
例えば、浴室空調装置100の制御部61は、操作部62における操作でスイング暖房運転モードが選択されると、ダンパ制御信号S27を出力して、吹出口ユニット3のダンパモータ27を駆動し、循環ダンパ26を閉じて循環位置にする。また、制御部61はダンパ制御信号S56をダンパモータ56’に出力してダンパ開閉制御を実行する。電動ダンパ56では、ダンパモータ56’がダンパ制御信号S56を入力してダンパを開動作する。
そして、制御部61はモータ制御信号S9を出力して送風装置本体2のファンモータ9を駆動し、ファン10を「設定1:強運転」で回転させると共に、ヒータ制御信号S25を出力して吹出口ユニット3のヒータ25を駆動する。
このとき、送風装置本体2では、ファン10が回転すると、ファンケース11のファン吸込口11aから空気IIが吸い込まれる。送風装置本体2に吸い込まれた浴室51内の空気IIは、ファンケース11のファン吹出口11bから吹出口ユニット3へ吹き出される。吹出口ユニット3では、ユニット内に送り込まれた空気IIは、循環風路28aを通って吹出グリル7から脱衣所52内に吹き出される。
この吹出グリル7の手前の循環吹出口24に配置されているヒータ25が通電されて加熱されるので、循環吹出口24を通る空気IIが温められて吹出グリル7から吹き出すようになされる。また、吹出グリル7には、電動ルーバ部47が配置されているので、制御部61はこれを動作させる。例えば、制御部61はルーバ制御信号S49をルーバモータ49に出力してルーバモータ制御を実行する。ルーバモータ49は、ルーバ制御信号S49を入力して整流板48を駆動する。ルーバモータ49の回転力によって、軸48aを支点にして整流板48を左右に振るようなされる。なお、以下の運転動作モードで、初期設定時にもこの動作が入る。
これにより、スイング暖房運転モードでは、浴室51及び脱衣所52の内部の空気IIを循環させながら、浴室51及び脱衣所52に交互に温風Iを吹き出して、浴室51及び脱衣所52を同時に暖房することができ、浴室51及び脱衣所52の温度を上げることができる。浴室51及び脱衣所52に吹き出された温風Iは、ファン10が回転して吸込口ユニット4a、4bから吸い込まれる。ここに吸い込まれた浴室51及び脱衣所52内の空気IIが、吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3に送り込まれて循環する。
[浴室暖房運転モード]
この例でも、図17Bに示す浴室51の出入口のドア(戸)58は開放される。これを前提にして、図16に示した操作部62によって浴室暖房運転モードが設定されると、送風装置本体2は、吸込口ユニット4aを通じて浴室51の空気IIを吸い込むと共に、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3のスイング機能を利用して浴室51の方向へ温風Iを吹き出すようになされる。
例えば、浴室空調装置100の制御部61は、操作部62における操作で浴室暖房運転モードが選択されると、ダンパ制御信号S27を出力して、吹出口ユニット3のダンパモータ27を駆動し、循環ダンパ26を閉じて循環位置にする。また、電動ルーバ部47では、浴室暖房運転モードの設定後、制御部61がルーバ制御信号S49をルーバモータ49に出力してルーバモータ制御を実行する。ルーバモータ49は、ルーバ制御信号S49を入力して整流板48を駆動する。この例では、ルーバモータ49が、図12Aに示した矢印b方向に回転駆動されるので、軸48aを支点に矢印b方向に整流板48が回転する。この結果、整流板48は、図1に示した浴室51の方向に姿勢を変えるようになされる。
そして、モータ制御信号S9を出力して送風装置本体2のファンモータ9を駆動し、ファン10を「設定1:強運転」で回転させると共に、ヒータ制御信号S25を出力して吹出口ユニット3のヒータ25を駆動する。このとき、送風装置本体2では、ファン10が回転すると、吸込口ユニット4a,4bからファンケース11のファン吸込口11aへ空気IIが吸い込まれる。送風装置本体2に吸い込まれた浴室51内及び脱衣所52内の空気IIは、ファンケース11のファン吹出口11bから吹出口ユニット3へ吹き出される。吹出口ユニット3では、ユニット内に送り込まれた空気IIは、循環風路28aを通って吹出グリル7から浴室51の方向へ吹き出される。
これにより、浴室暖房運転モードでは、浴室51及び脱衣所52の内部の空気IIを循環させながら、浴室51の方向へ温風Iを吹き出して、浴室51を重点的に暖房することができ、浴室51の温度を上げることができる。浴室51に吹き出された温風Iは、ファン10が回転して吸込口ユニット4a、4bから吸い込まれる。ここに吸い込まれた浴室51内の空気IIが、吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3に送り込まれて循環する。
[脱衣所暖房運転モード]
この例では、図17Cに示す浴室51の出入口のドア(戸)58が閉じられる。これを前提にして、図16に示した操作部62によって脱衣所暖房運転モードが設定されると、送風装置本体2は、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3のスイング機能を利用して脱衣所(メインルーム)52の方向へ温風Iを吹き出すようになされる。
例えば、浴室空調装置100の制御部61は、操作部62における操作で脱衣所暖房運転モードが選択されると、ダンパ制御信号S27を出力して、吹出口ユニット3のダンパモータ27を駆動し、循環ダンパ26を閉じて循環位置にする。また、電動ルーバ部47では、脱衣所暖房運転モードの設定後、制御部61がルーバ制御信号S49をルーバモータ49に出力してルーバモータ制御を実行する。ルーバモータ49は、ルーバ制御信号S49を入力して整流板48を駆動する。この例では、ルーバモータ49が、図12Aに示した矢印a方向に回転駆動されるので、軸48aを支点に矢印a方向に整流板48が回転する。この結果、整流板48は、図1に示した脱衣所52の方向に姿勢を変えるようになされる。
そして、モータ制御信号S9を出力して送風装置本体2のファンモータ9を駆動し、ファン10を「設定1:強運転」で回転させると共に、ヒータ制御信号S25を出力して吹出口ユニット3のヒータ25を駆動する。このとき、送風装置本体2では、ファン10が回転すると、吸込口ユニット4bからファンケース11のファン吸込口11aへ空気IIが吸い込まれる。送風装置本体2に吸い込まれた脱衣所52内の空気IIは、ファンケース11のファン吹出口11bから吹出口ユニット3へ吹き出される。吹出口ユニット3では、ユニット内に送り込まれた空気IIが、循環風路28aを通って吹出グリル7から脱衣所52へ吹き出される。
これにより、脱衣所暖房運転モードでは、脱衣所52の内部の空気IIを循環させながら、脱衣所52へ温風Iを吹き出して、脱衣所52を専ら暖房することができ、脱衣所52の温度を上げることができる。脱衣所52に吹き出された温風Iは、ファン10が回転して吸込口ユニット4bから吸い込まれる。ここに吸い込まれた脱衣所52内の空気IIが、吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3に送り込まれて循環する。
<涼風運転モード>
[スイング涼風運転モード]
図18A〜Cは、涼風運転モード時の動作例を示す概念図である。涼風運転モードは更に、スイング、浴室及び脱衣所の3つの場合に分かれている。表2は3つの涼風運転モードをまとめたものである。
涼風運転モードでは、吹出口ユニット3において循環ダンパ26が循環位置と換気位置の中間にあるにあるので、吹出口ケース17内には、循環風路28aと排気風路28bの双方が形成されている。電動ダンパ56は閉じた状態となされ、吸込口ユニット4aを通じての浴室51内の空気IIを吸い込みが停止される。
[スイング涼風運転モード]
この例では、図18Aに示す浴室51の出入口のドア(戸)58は開放される。これを前提にして、図16に示した操作部62によってスイング涼風運転モードが設定されると、送風装置本体2は、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3のスイング機能を利用して浴室51及び脱衣所52に交互に涼風IIIを吹き出すようになされる。
例えば、浴室空調装置100の制御部61は、操作部62における操作でスイング涼風運転モードが選択されると、ダンパ制御信号S27を出力して、吹出口ユニット3のダンパモータ27を駆動し、循環ダンパ26を閉じて循環位置にする。また、制御部61はダンパ制御信号S56を電動ダンパ56のダンパモータ56’に出力してダンパ開閉制御を実行する。電動ダンパ56では、ダンパモータ56’がダンパ制御信号S56を入力してダンパを閉動作する。
そして、モータ制御信号S9を出力して送風装置本体2のファンモータ9を駆動し、ファン10を「設定1:強運転」で回転させる。このモードでは、吹出口ユニット3のヒータ25は非駆動である。このとき、送風装置本体2では、ファン10が回転すると、ファンケース11のファン吸込口11aから空気IIが吸い込まれる。送風装置本体2に吸い込まれた脱衣所52内の空気IIは、ファンケース11のファン吹出口11bから吹出口ユニット3へ吹き出される。吹出口ユニット3では、ユニット内に送り込まれた空気IIは、循環風路28aを通って吹出グリル7から浴室51及び脱衣所52内に交互に吹き出される。
例えば、吹出グリル7では、制御部61から入力した、ルーバ制御信号S49に基づいてルーバモータ49が動作する。ルーバモータ49は、ルーバ制御信号S49を入力して整流板48を駆動する。ルーバモータ49の回転力によって、軸48aを支点にして整流板48を左右に振るようなされる。
これにより、スイング涼風運転モードでは、浴室51及び脱衣所52の内部の空気IIを循環させながら、浴室51及び脱衣所52に交互に涼風IIIを吹き出して、浴室51及び脱衣所52を同時に涼風を吹き出すことができ、浴室51及び脱衣所52の現在の温度を維持することができる。浴室51及び脱衣所52に吹き出された涼風IIIは、ファン10が回転して吸込口ユニット4bから吸い込まれる。ここに吸い込まれた脱衣所52内の空気IIが、吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3に送り込まれて循環する。
[浴室涼風運転モード]
この例でも、図18Bに示す浴室51の出入口のドア(戸)58は開放される。これを前提にして、図16に示した操作部62によって浴室涼風運転モードが設定されると、送風装置本体2は、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3のスイング機能を利用して浴室51の方向へ涼風IIIを吹き出すようになされる。
例えば、浴室空調装置100の制御部61は、操作部62における操作で浴室涼風運転モードが選択されると、ダンパ制御信号S27を出力して、吹出口ユニット3のダンパモータ27を駆動し、循環ダンパ26を閉じて循環位置にする。また、電動ルーバ部47では、浴室涼風運転モードの設定後、制御部61がルーバ制御信号S49をルーバモータ49に出力してルーバモータ制御を実行する。ルーバモータ49は、ルーバ制御信号S49を入力して整流板48を駆動する。この例では、ルーバモータ49が、図12Aに示した矢印b方向に回転駆動されるので、軸48aを支点に矢印b方向に整流板48が回転する。この結果、整流板48は、図1に示した浴室51の方向に姿勢を変えるようになされる。
そして、モータ制御信号S9を出力して送風装置本体2のファンモータ9を駆動し、ファン10を「設定1:強運転」で回転させる。この例では、吹出口ユニット3のヒータ25は非駆動である。このとき、送風装置本体2では、ファン10が回転すると、吸込口ユニット4bからファンケース11のファン吸込口11aへ空気IIが吸い込まれる。送風装置本体2に吸い込まれた脱衣所52内の空気IIは、ファンケース11のファン吹出口11bから吹出口ユニット3へ吹き出される。吹出口ユニット3では、ユニット内に送り込まれた空気IIは、循環風路28aを通って吹出グリル7から浴室51の方向へ吹き出される。
これにより、浴室涼風運転モードでは、浴室51及び脱衣所52の内部の空気IIを循環させながら、浴室51の方向へ涼風IIIを吹き出して、浴室51を重点的に涼風環境とすることができ、浴室51の現在の温度を脱衣所52の温度に維持することができる。浴室51に吹き出された涼風IIIは、ファン10が回転して吸込口ユニット4bから吸い込まれ、ここに吸い込まれた脱衣所52内の空気IIが、吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3に送り込まれて循環する。
[脱衣所涼風運転モード]
この例では、図18Cに示す浴室51の出入口のドア(戸)58が閉じられる。これを前提にして、図16に示した操作部62によって脱衣所涼風運転モードが設定されると、送風装置本体2は、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3のスイング機能を利用して脱衣所(メインルーム)52の方向へ涼風IIIを吹き出すようになされる。
例えば、浴室空調装置100の制御部61は、操作部62における操作で脱衣所涼風運転モードが選択されると、ダンパ制御信号S27を出力して、吹出口ユニット3のダンパモータ27を駆動し、循環ダンパ26を閉じて循環位置にする。また、電動ルーバ部47では、脱衣所涼風運転モードの設定後、制御部61がルーバ制御信号S49をルーバモータ49に出力してルーバモータ制御を実行する。ルーバモータ49は、ルーバ制御信号S49を入力して整流板48を駆動する。この例では、ルーバモータ49が、図12Aに示した矢印a方向に回転駆動されるので、軸48aを支点に矢印a方向に整流板48が回転する。この結果、整流板48は、図1に示した脱衣所52の方向に姿勢を変えるようになされる。
そして、モータ制御信号S9を出力して送風装置本体2のファンモータ9を駆動し、ファン10を「設定1:強運転」で回転させる。吹出口ユニット3のヒータ25は非駆動である。このとき、送風装置本体2では、ファン10が回転すると、吸込口ユニット4bからファンケース11のファン吸込口11aへ空気IIが吸い込まれる。送風装置本体2に吸い込まれた脱衣所52内の空気IIは、ファンケース11のファン吹出口11bから吹出口ユニット3へ吹き出される。吹出口ユニット3では、ユニット内に送り込まれた空気IIが、循環風路28aを通って吹出グリル7から脱衣所52へ吹き出される。
これにより、脱衣所涼風運転モードでは、脱衣所52の内部の空気IIを循環させながら、脱衣所52へ涼風IIIを吹き出して、脱衣所52を専ら涼風環境とすることができ、脱衣所52の温度現在を維持することができる。脱衣所52に吹き出された涼風IIIは、ファン10が回転して吸込口ユニット4bから吸い込んだ脱衣所52内の空気IIが、吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3に送り込まれて循環する。また、吹出口ユニット3に送り込まれた空気IIの一部は、排気風路28bを通り排気ダクト22から屋外へ排出される。更に、浴室51内の空気IIが屋外に排出されることで、図示しない浴室ドア等に設けられた空気取入口から、脱衣所52内へ空気IIが吸い込まれる。
<乾燥運転モード>
乾燥運転モードは更に、スイング、浴室及び脱衣所の3つの場合に分かれている。表3は3つの乾燥運転モードをまとめたものである。この例では、脱衣所乾燥運転モードについて説明する。
乾燥運転モードでは、吹出口ユニット3において循環ダンパ26が換気位置と循環位置の中間にあるので、吹出口ケース17内には、循環風路28aと排気風路28bの双方が形成されている。電動ダンパ56は閉じた状態となされ、吸込口ユニット4aを通じての浴室51内の空気IIを吸い込みが停止される。
[脱衣所乾燥運転モード]
図19は、脱衣所乾燥運転モード時の動作例を示す概念図である。この例では、図19に示す浴室51の出入口のドア(戸)58が閉じられる。これを前提にして、図16に示した操作部62によって脱衣所乾燥運転モードが設定されると、送風装置本体2は、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3のスイング機能を利用して脱衣所52の方向へ温風Iを吹き出すようになされる。
例えば、浴室空調装置100の制御部61は、操作部62における操作で脱衣所乾燥運転モードが選択されると、ダンパ制御信号S27を出力して、吹出口ユニット3のダンパモータ27を駆動し、循環ダンパ26を半閉じ(半開し)て換気位置と循環位置の中間にする。また、電動ルーバ部47では、脱衣所乾燥運転モードの設定後、制御部61がルーバ制御信号S49をルーバモータ49に出力してルーバモータ制御を実行する。ルーバモータ49は、ルーバ制御信号S49を入力して整流板48を駆動する。この例では、ルーバモータ49が、図12Aに示した矢印a方向に回転駆動されるので、軸48aを支点に矢印a方向に整流板48が回転する。この結果、整流板48は、図1に示した脱衣所52の方向に姿勢を変えるようになされる。
そして、モータ制御信号S9を出力して送風装置本体2のファンモータ9を駆動し、ファン10を回転させると共に、ヒータ制御信号S25を出力して吹出口ユニット3のヒータ25を駆動する。このとき、送風装置本体2では、ファン10が「設定1:強運転」で回転すると、吸込口ユニット4bからファンケース11のファン吸込口11aへ空気IIが吸い込まれる。送風装置本体2に吸い込まれた脱衣所52内の空気IIは、ファンケース11のファン吹出口11bから吹出口ユニット3へ吹き出される。吹出口ユニット3では、ユニット内に送り込まれた空気IIが、循環風路28aを通って吹出グリル7から脱衣所52へ吹き出される。
これにより、脱衣所乾燥運転モードでは、脱衣所52の内部の空気IIを循環させながら、脱衣所52へ温風Iを吹き出して、脱衣所52を専ら乾燥室のようにすることができ、脱衣所52の温度を上げることができる。脱衣所52に吹き出された温風Iは、ファン10が回転して吸込口ユニット4bから吸い込まれる。ここに吸い込まれた脱衣所52内の空気IIが、吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3に送り込まれて循環する。
また、吹出口ユニット3に送り込まれた空気IIの一部は、排気風路28bを通り排気ダクト22から屋外へ排出される。更に、脱衣所52内の空気IIが屋外に排出されることで、図示しない脱衣所ドア等に設けられた空気取入口(ガラリ)から、脱衣所内へ空気IIが吸い込まれる。これにより、乾燥運転モードでは、脱衣所52内に温風Iを吹き出して、図示しないランドリパイプに掛けられた洗濯物を乾燥させることができる。また、脱衣所52内の空気IIの一部は屋外に排気されて換気が行われるので、湿気等を排出して、洗濯物の乾燥を促進することができる。
<換気運転モード>
図20A及びBは、換気運転モード時の動作例を示す概念図である。換気運転モードは、通常の換気、24時間換気及びクリーン換気の3つ場合に分かれている。クリーン換気は、更に、スイング、浴室及び脱衣所の3つに分かれている。表4は5つの換気運転モードをまとめたものである。この例では、通常の換気、24時間換気及びクリーン換気運転モードについて説明をする。
換気運転モードでは、吹出口ユニット3において循環ダンパ26が換気位置にあるので、吹出口ケース17内には、排気風路28bが形成されている。電動ダンパ56は開いた状態となされ、吸込口ユニット4aを通じての浴室51内の空気IIを吸い込みが行われる。
<通常の換気モード>
この例では、図20Aに示す浴室51の出入口のドア(戸)58が開けられる。これを前提にして、図16に示した操作部62によって、換気運転モードが設定されたとき、送風装置本体2は、吸込口ユニット4aを通じて浴室51の空気IIを吸い込むと共に、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3及び換気ダクト22を通じて外部に排気する。
例えば、浴室空調装置100の制御部61は、操作部62における操作で通常の換気運転モードが選択されると、ダンパ制御信号S27を出力して、吹出口ユニット3のダンパモータ27を駆動して、循環ダンパ26を換気位置にする。制御部61は送風装置本体2のファンモータ10にモータ制御信号S9を出力してファン制御を実行する。ファンモータ9は、モータ制御信号S9を入力してファン10を駆動する。
そして、送風装置本体2のファンモータ9を駆動してファン10を「設定2:中運転」で回転させる。換気運転モードでは、吹出口ユニット3のヒータ25は駆動しない。送風装置本体2において、ファン10が回転すると、ファンケース11のファン吸込口11aから空気IIが吸い込まれる。上述したように、送風装置本体2は、ファン吸込口11aが吸込ダクト6を介して吸込口ユニット4a及び脱衣所52の吸込口ユニット4bと連通しているので、吸込口ユニット4aの循環・換気吸込グリル8aから、浴室51内の空気IIが吸込ダクト6を介して送風装置本体2に吸い込まれ、吸込口ユニット4bの循環・換気吸込グリル8bから、脱衣所52内の空気IIが吸込ダクト6を介して送風装置本体2に吸い込まれる。
送風装置本体2に吸い込まれた浴室51及び脱衣所52内の空気IIは、ファンケース11のファン吹出口11bから吹き出す。上述したように、送風装置本体2は、ファン吹出口11bが吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3と連通しているので、吸込口ユニット4から吸い込んだ浴室51及び脱衣所52内の空気IIが、吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3に送り込まれる。
換気運転モードでは、吹出口ユニット3において循環ダンパ26が換気位置にあるので、吹出口ケース17内には、吹出ダクト5と接続された循環・換気吸込口20から換気排気口21へと連通した排気風路28bが形成されている。
これにより、吹出口ユニット3に送り込まれた空気IIは、排気風路28bを通り排気ダクト22から屋外へ排出される。また、浴室51内の空気IIが屋外に排出されることで、図示しない脱衣所52のドア等に設けられた空気取入口から、脱衣所52の空気IIが吸い込まれる。これにより、換気運転モードでは、浴室51内の湯気や、脱衣所52の湿気を排出して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
<24時間換気モード>
この例でも、図20Aに示したように浴室51の出入口のドア(戸)58が開けられる。これを前提にして、図16に示した操作部62によって、24時間換気運転モードが設定されたとき、送風装置本体2は、吸込口ユニット4aを通じて浴室51の空気IIを吸い込むと共に、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3及び換気ダクト22を通じて外部に排気する。
通常の換気運転モードと異なるところは、送風装置本体2のファンモータ9を「設定3:弱運転」で駆動してファン10を回転させる点である。このようにすると、終日換気運転を実行できるようになる。その他は、通常の換気運転モードと同様なのでその説明を省略する。
<クリーン換気運転モード>
この例では、図20Bに示す浴室51の出入口のドア(戸)58が開けられる。これを前提にして、図16に示した操作部62によって、クリーン換気運転モードが設定されたとき、送風装置本体2は、吸込口ユニット4aを通じて浴室51の空気IIを吸い込むと共に、吸込口ユニット4bを通じて脱衣所52の空気IIを吸い込んで、吹出口ユニット3及び換気ダクト22を通じてその一部を外部に排気する。電動ルーバ部47は、クリーン換気運転モードが設定されると、ルーバモータ49の回転力によって、軸48aを支点にして整流板48を左右に振るようなされる。吹出口ユニット3は、スイング機能及びイオン発生機能を利用して浴室51及び脱衣所52に除菌イオンを含む空気IVを吹き出すようになされる。
例えば、クリーン換気運転モードでは、制御部61は操作部62における操作でクリーン換気運転モードが選択されると、ダンパ制御信号S27を出力して、吹出口ユニット3のダンパモータ27を駆動し、循環ダンパ26を半開状態にして、ダンパを換気位置と循環位置の中間にする。また、制御部61はダンパ制御信号S56をダンパモータ56’に出力してダンパ開閉制御を実行する。電動ダンパ56では、ダンパモータ56’がダンパ制御信号S56を入力してダンパを開動作する。
そして、モータ制御信号S9を出力して送風装置本体2のファンモータ9を駆動し、ファン10を「設定1:強運転」で回転させると共に、イオン発生器16を駆動する。このとき、制御部61はイオン発生器16にイオン制御信号S16を出力してイオン発生制御を実行する。イオン発生器16は、イオン制御信号S16を入力して正イオンと負イオンの双方を発生する。クリーン換気運転モードでも、吹出口ユニット3のヒータ25は駆動しない。
送風装置本体2において、ファン10が回転すると、電動ダンパ56が開状態となっているので、吸込口ユニット4aの循環・換気吸込グリル8aから、浴室51内の空気IIが吸込ダクト6を介して送風装置本体2に吸い込まれる。また、吸込口ユニット4bの循環・換気吸込グリル8bから、脱衣所52内の空気IIが吸込ダクト6を介して送風装置本体2に吸い込まれる。送風装置本体2に吸い込まれた浴室51及び脱衣所52内の空気IIは、吹出ダクト5を介して吹出口ユニット3に送り込まれる。
クリーン換気運転モードでは、吹出口ユニット3において循環ダンパ26が循環換気位置にあるので、吹出口ケース17内には、循環風路28aと排気風路28bの双方が形成されている。これにより、吹出口ユニット3に送り込まれた空気IIの一部は、循環風路28aを通って吹出グリル7から浴室51内に吹き出される。そして、吹出口ユニット3に送り込まれる空気IIには、イオン発生器16で正イオンと負イオンの双方が供給されているので、浴室51及び脱衣所52に略同数の正イオンと負イオンを含む空気IVが吹き出される。
また、吹出口ユニット3に送り込まれた空気IIの一部は、排気風路28bを通り排気ダクト22から屋外へ排出される。更に、浴室51内の空気IIが屋外に排出されることで、図示しない脱衣所52に設けられた空気取入口から、脱衣所52に空気IIが吸い込まれる。
これにより、クリーン換気運転モードでは、浴室51及び脱衣所52内の換気を行いながら、ファン部32の運転と連動させて略同数の正イオンと負イオンを発生させ、略同数の正イオンと負イオンを含む空気IVを送風することで、循環する空気IIに含まれる浮遊細菌と、図1に示す浴室101の空気中の浮遊細菌の双方を除去して、カビの発生等を抑えることができる。しかも、衣類等が掛けられている脱衣所52内に、正イオンと負イオンの双方を含む空気IVが吹き出されるので、衣類等におけるカビ菌の増殖を防ぐことができる。
このように、第4の実施例としての浴室空調装置100によれば、浴室51又は脱衣所52の天井裏面に設置された送風装置本体2は、浴室51及び脱衣所52の天井パネルの裏面で、吸込口ユニット4a及び4bと吸込ダクト6を介して接続されると共に、吹出口ユニット3と吹出ダクト5を介して接続されて空気IIを循環送風するようになされる。吸込口ユニット4a、4bは、暖房、涼風、乾燥、換気等の動作運転モードに基づいて吸気及び循環換気をし、吹出口ユニット3は温風I又は涼風IIIを吹き出すようになされる。
従って、浴室51及び脱衣所52の二室を同時もしくは個別に暖房運転モードや、涼風運転モード、換気運転モード等を設定して空調運転できるようになる。これにより、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間を快適な環境に維持することができる。
図21は、第5の実施例としての空調装置105の構成例を示す正面図である。
図21に示す空調装置105は、レール架台80a’,80b’が第1の実施例に比べて長い場合である。これは浴室51が広く、点検口55aから送風装置本体2の設置場所が遠く移動距離が長くなる場合に、第1の実施例よりも長いレール架台80a’,80b’が使用される例である。
この例では、図5に示したレール架台80a,80bよりも長い1組の固定部81a,81b付きのレール架台80a’,80b’を図示しない点検口55aを利用して天井裏面に搬入する。その後、天井裏面の所定の位置にこれらのレール架台80a’,80b’を設置する。レール架台80a’,80b’は、天井裏面に接合(接着)する方法が採られる。レールは長いままでなく、短いレールを継ぎ足すようにしてもよい。もちろん、これに限られることはなく、例えば、組立式の浴室51の場合に、当該浴室を組み立てる前の段階で、天井パネル52aの裏面所定位置の躯体金属部位に所定の長さのレール架台80a’,80b’を電気溶接で予め接合して固定しておいてもよい。その後の処理については、第1の実施例で説明しているので、その説明を省略する。
このように、第5の実施例としての空調装置105の取付方法によれば、浴室51や脱衣所52等のサニタリー空間の天井パネル52aの所定の位置に、送風装置本体2、吹出口ユニット3、吸込口ユニット4a及び4bを取り付ける場合に、全ての空調部材を点検口55aや55b等から施工できるようになる。特に、点検口55aから送風装置本体2の設置場所が遠く移動距離が長くなる場合であっても、天井裏面での作業性の向上を図ることができる。
従って、組立式の浴室51等において、天井裏が狭く、浴室面積が広い場合に、当該浴室空調装置を容易に設置できるようになる。もちろん、浴室空調装置100の取付(組立)順序は、第1〜第3,第5の実施例で説明した順序に限定されるものではない。
なお、各実施例では送風装置本体2や吹出口ユニット3等の空調機器を隠蔽式にしたため、従来方式の空調システムに比べて、小さなグリルを天井面の任意の位置に設置できるので、目立たず、外観上及び景観上を損なわずに浴室空調装置(浴室換気乾燥暖房機)を設置することができた。このことで、組立式の浴室(ユニットバス)の形状や、サイズによらずに対応できることから、汎用性を高くすることができた。しかも、点検口55aから空調部材の仮止め等を全てできるようにしたことで、システム組立時の作業性が向上した。
本発明は、浴室や、脱衣所、シャワー室、洗面所等のサニタリー空間に設置され、これら空間の換気、乾燥及び暖房等を行う浴室換気乾燥暖房機に適用して極めて好適である。
本発明に係る各実施例としての浴室空調装置100の構成例を示す上面図である。
図1に示した浴室空調装置100の空調部材の配置例をAA方向から見た側面図である。
第1の実施例としての送風装置本体2及びレール架台80a,80bの構成例を示す斜視図である。
(A)及び(B)は、送風装置本体2の内部構成例及びその機能例を示す断面図である。
送風装置本体2の取付例(その1)を示す組立工程図である。
送風装置本体2の取付例(その2)を示す組立工程図である。
送風装置本体2の取付例(その3)を示す組立工程図である。
送風装置本体2の取付例(その4)を示す組立工程図である。
第2の実施例としての吹出口ユニット3の組立例を示す斜視図である。
吹出口ユニット3の内部構成例(循環位置)を示す断面図である。
吹出口ユニット3の内部構成例(排気位置)を示す断面図である。
(A)〜(C)は、吹出口ユニット3の電動ルーバ部47の動作例を示す断面図である。
第3の実施例としての吸込口ユニット4a等の組立例を示す斜視図である。
(A)及び(B)は、吸込口ユニット4a等の内部構成例を示す断面図である。
浴室空調装置100の取付例を示すフローチャートである。
第4の実施例としての浴室空調装置100の制御系の一例を示す機能ブロック図である。
(A)〜(C)は、浴室空調装置100の暖房運転モード時の動作例を示す概念図である。
(A)〜(C)は、涼風運転モード時の動作例を示す概念図である。
脱衣所乾燥運転モード時の動作例を示す概念図である。
(A)及び(B)は、換気運転モード時の動作例を示す概念図である。
第5の実施例としての空調装置105の構成例を示す正面図である。
符号の説明
2・・・送風装置本体(送風手段)、3・・・吹出口ユニット(吹出部本体)、4a,4b・・・吸込口ユニット(第1,第2の吸込部本体部)、5・・・吹出ダクト、6・・・吸込ダクト、7・・・吹出グリル、8a,8b・・・循環・換気吸込グリル、9・・・ファンモータ、10・・・ファン、11・・・ファンケース、11a・・・ファン吸込口、11b・・・ファン吹出口、12・・・本体ケース、13・・・吹出ダクト取付部、14・・・吸込風路、15・・・吸込ダクト取付部、16・・・イオン発生器、17・・・吹出口ケース、18・・・吹出ダクト取付部、19・・・吹出グリル取付部、20・・・循環・換気吸込口、21・・・換気排気口、22・・・排気ダクト、23・・・排気ダクト取付部、24・・・循環吹出口、25・・・ヒータ、26・・・循環ダンパ、27・・・ダンパモータ、28a・・・循環風路、28b・・・排気風路、29・・・チャンバー、30・・・吸込グリル取付部、46・・・人感センサ、47・・・電動ルーバ部、48・・・整流板、48a・・・軸、49・・・ルーバモータ、50・・・リンク機構、50a・・・リンクレバー、50b・・・リンクロッド、51・・・浴室、52・・・脱衣所、52a,52b・・・天井パネル、54a,54b・・・吸込口、54c・・・吹出口、56・・・電動ダンパ、61・・・制御部、62・・・操作部、71a〜71d・・・本体脚部、80a,80b,80a’,80b’・・・レール架台、81a〜81d・・・固定部、82a,82b・・・ガイドレール、83a,83b・・・本体基板、100・・・浴室空調装置