JP4757977B2 - ヒドロキシ−置換されたn−アルコキシ立体障害性アミン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロキシル基1ないし3個を含むN−アルコキシ部分により窒素原子上に置換された立体障害性アミン化合物に関する。これらの物質は、ポリオレフィン、特に熱可塑性ポリオレフィンを、酸素、熱および化学線の有害な影響に対して安定化することにおいて特に有効である。また該化合物は、酸触媒され、そして周囲硬化された塗料系を安定化することにおいても有効である。
【0002】
【従来の技術】
エス.ニガム(S. Nigam)等,J. Chem. Soc., Trans. Faraday Soc. 1, 1976, 72, 2324 により、そしてケー.−ディー.アスムス(K. -D. Asmus)等,Int. J. Radiat. Biol., 1976, 29, 211 により、4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび4−オキソ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび第二ブタノールから形成された炭素中心基を捕捉するために使用されていることが報告されている。
米国特許第 5,627,248 号および欧州特許第 135,280 A2 号には、それぞれ二官能性および単官能性リビング遊離ラジカル重合開始剤が開示されており、それらの幾つかはヒドロキシ基により置換された立体障害性アミンエーテルを含むものである。これらの化合物は、本発明の化合物とは構造および性質の点から実質上異なるものである。
欧州特許第 427,672 A1 号および米国特許第 4,972,009 号には、例示はされていないが、それぞれヒドロキシルアミンおよびニトロン構造について言及されており、それらの幾つかは炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルコキシ基により置換された2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体を含むものである。そのような構造は、本発明の範囲外である。
【0003】
米国特許第 5,204,473 号には、主に、炭素原子および水素原子のみを含む有機化合物から製造されたN−ヒドロカルビルオキシ立体障害性アミン誘導体が開示されている。このような化合物は本発明の化合物とは構造的に全く異なるものである。
米国特許第 5,004,770 号には、アルコキシ部分により窒素原子上に置換された立体障害性アミン化合物が記載されているが、該アルコキシ基はそれ自身未置換である。これらの化合物は、ポリブタジエン、ポリスチレン、ABS、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリカーボネートを含むポリマーにおいて特に有効である。
【0004】
本発明の化合物は2,2,6,6−テトラアルキルピペリジンのN−アルコキシ置換された誘導体であって該アルコキシ基がヒドロキシ部分1ないし3個により置換されたものである。また本発明の化合物は2,2,6,6−テトラアルキルピペリジンのN−アルコキシ架橋された誘導体であって該アルコキシ基がヒドロキシ部分1ないし3個により置換され、立体障害性アミン分子2個により共有されたものである。これらの化合物の遊離ヒドロキシ部分をカルボン酸、塩素酸またはエステルと反応させて単エステルまたはポリエステルを形成させること、あるいはイソシアネートと反応させてウレタンまたはポリウレタンを形成させることが可能である。
特に、より塩基性の立体障害性アミン安定剤の活性がポリマー基材もしくはそのような基材を硬化するために要求された酸性触媒系との相互作用のために大きく減少するようなポリオレフィンおよび自動車塗料の安定化において、上述された2つの特許に引用された単純な未置換N−アルコキシ化合物により共有された低い塩基性のため、本発明の化合物は有効である。
【0005】
本発明の化合物が有効であるポリオレフィン組成物の例には、ハロゲン化難燃剤の分解からの酸性残基がN−OR基を持たない立体障害性アミンを脱活性化する難燃性ポリオレフィン、殺虫剤からの酸性残基が“通常の”立体障害性アミン安定剤の活性を干渉する温室用フィルムおよび農業用根覆いフィルム、ならびに塩基性立体障害性アミン安定剤との顔料相互作用が基材表面の塗料を干渉する熱可塑性ポリオレフィンが含まれる。本発明の化合物が有効である塗料の例には、メラミン架橋された熱可塑性アクリル樹脂であって塩基性立体障害性アミン安定剤と相互作用する強酸を使用して硬化される樹脂が含まれる。本発明の化合物はまた、イソシアネート架橋剤を伴うアクリルアルキドまたはポリエステル樹脂において、そしてカルボン酸、酸無水物もしくはアミン架橋剤を伴うエポキシ樹脂において有効である。
【0006】
従って本化合物は、補助安定剤、難燃剤(例えばトリス(3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート、デカブロモジフェニル オキシド、エチレン ビス(テトラブロモフタルイミド)またはエチレン ビス(ジブロモノルボルナンジカルボキシミド))、触媒(例えば、トルエンスルホン酸のような酸、金属乾燥剤またはアミン)、充填剤も含む組成物において、または安定化されたポリマーに接触されて殺虫剤が利用される農業用途において有利に使用される。好ましくは成分(a)がポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ABSまたは高衝撃性ポリスチレン(HIPS)であり、そして成分(b)が
(i)式(1)ないし(30)で表される化合物;および
(ii)ハロゲン化されたリン、ホウ素、ケイ素およびアンチモン化合物、金属ヒドロキシド、金属ヒドレート、金属オキシドならびにそれらの混合物からなる群から選択された難燃剤;の有効な効力相乗混合物である組成物である。
【0007】
米国特許第 5,004,770 号および第 5,096,950 号に開示されている未置換のN−OR化合物も上述の章に記載された組成物において良好に作用するが、本発明の化合物は構造および性能の両方に関して、N−アルコキシ部分上に存在するヒドロキシ基1ないし3個の存在により、従来技術の化合物とは大きく異なる。本化合物におけるこれらのヒドロキシル基は、例えばポリウレタンをベースとするような更に極性な環境および水運自動車塗料系において、また塗装された自動車用熱可塑性オレフィン構造を安定化させることに関して、優れた帯電防止性、相溶性を有する上記化合物を供給する。
本発明の化合物は、特に
(a)従来技術のN−OE化合物と比較して、ポリカーボネートおよびポリカーボネート/ABSブレンドにおける優れた相溶性を供給すること;および
(b)従来技術のN−OE化合物と比較して、ポリエステルおよびポリアミドにおける優れた相溶性を供給すること;に関して適当である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明に関して次の3つの目的がある。
1.立体障害性アミンの1位に−O−E−OH部分を有する新規化合物であって、該OH基が重要な性質を供給するもの;
2.上述された新規化合物により安定化された組成物;および
3.上記新規化合物の合成方法。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次式(1)ないし(15)で表されるような1−アルコキシ置換された立体障害性アミン誘導体であって該アルコキシ部分がヒドロキシ基1ないし3個により置換されたものを有する新規化合物;または次式(16)ないし(28)で表されるような1−アルコキシ架橋された立体障害性アミン誘導体であって該アルコキシ部分がヒドロキシ基1ないし3個により置換され、立体障害性アミン分子2個により共有されたものを有する新規化合物;あるいは次式(29)で表されるようなジアルキルエステルまたはイソシアネートと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジンのヒドロキシ置換されたN−アルコキシ誘導体との反応から得られるオリゴマー性またはポリマー性立体障害性アミン分子;または次式(30)で表されるような4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのヒドロキシ置換されたN−アルコキシ誘導体の単純なジエステルもしくはウレタン誘導体:
【化20】
Figure 0004757977
【化21】
Figure 0004757977
【化22】
Figure 0004757977
【化23】
Figure 0004757977
【化24】
Figure 0004757977
【化25】
Figure 0004757977
【化26】
Figure 0004757977
【化27】
Figure 0004757977
【化28】
Figure 0004757977
【化29】
Figure 0004757977
(式中、G1およびG2は独立して炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか、またはG1およびG2は一緒になってペンタメチレン基を表し;好ましくはG1およびG2はそれぞれメチル基を表し;
Eは直鎖または分枝鎖状の炭素原子数1ないし18のアルキレン基、炭素原子数5ないし18のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし18のシクロアルケニレン基;フェニル基により、または炭素原子数1ないし4のアルキル基1もしくは2個により置換されたフェニル基により置換された直鎖または分枝鎖状の炭素原子数1ないし4のアルキレン基を表し;
bは1、2または3であるが、ただしbはEまたはLにおける炭素原子数を超えることはできず、そしてbが2または3である場合、それぞれのヒドロキシル基はEまたはLの異なる炭素原子に結合し;立体障害性アミン基2個は一般的に、しかし常にではないが、Lの異なる炭素原子2個に結合し;
式(1)ないし(15)のそれぞれにおいて、
mは0または1であり;
1は水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシメチル基を表し;
2は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基または炭素原子数2ないし12のアルケニル基を表し;
nは1ないし4であり;
nが1である場合、
3は炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数4ないし18のアルコキシカルボニルアルキレンカルボニル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、グリシジル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基;2−ヒドロキシもしくは2−(ヒドロキシメチル)置換炭素原子数3ないし12のアルキル基であって該アルキル基が酸素原子により中断されているもの;2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族もしくは不飽和脂肪族カルボン酸またはカルバミン酸のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環族カルボン酸またはカルバミン酸のアシル基、あるいは7ないし15個の炭素原子を含む芳香族酸のアシル基を表し;
nが2である場合、
3は炭素原子数2ないし18のアルキレン基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価のアシル基、あるいは8ないし15個の炭素原子を含む芳香族ジカルボン酸の二価のアシル基を表し;
nが3である場合、
3は6ないし18個の炭素原子を含む脂肪族、不飽和脂肪族もしくは脂環族トリカルボン酸またはトリカルバミン酸の三価のアシル基、あるいは9ないし18個の炭素原子を含む芳香族トリカルボン酸またはトリカルバミン酸の三価のアシル基を表すか、あるいはR3は12ないし24個の炭素原子を含むシアヌル酸のトリス(アルキルカルバミン酸)誘導体の三価のアシル基、例えば1,3,5−トリス(6−カルボキシアミノヘキシル)−2,4,6−トリオキソ−s−トリアジンを表し;
nが4である場合、
3は脂肪族または不飽和脂肪族テトラカルボン酸、特に1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブト−2−エンテトラカルボン酸、1,2,3,5−ペンタンテトラカルボン酸および1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸の四価のアシル基を表すか、あるいはR3は10ないし18個の炭素原子を含む芳香族テトラカルボン酸の四価のアシル基を表し;
pは1ないし3であり;
4は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基または炭素原子数2ないし6のアシル基を表し;
pが1である場合、
5は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族もしくは不飽和脂肪族カルボン酸またはカルバミン酸のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環族カルボン酸またはカルバミン酸のアシル基、7ないし15個の炭素原子を含む芳香族カルボン酸のアシル基を表すか、あるいはR4およびR5は一緒になって−(CH25CO−、フタロイル基またはマレイン酸の二価のアシル基を表し;
pが2である場合、
5は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価のアシル基、あるいは8ないし15個の炭素原子を含む芳香族ジカルボン酸の二価のアシル基を表し;
pが3である場合、
5は6ないし18個の炭素原子を含む脂肪族または不飽和脂肪族トリカルボン酸の三価のアシル基、あるいは9ないし15個の炭素原子を含む芳香族トリカルボン酸の三価のアシル基を表し;
nが1である場合、
6は炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数2ないし18のアルケニルオキシ基、炭素原子数1ないし18の−NH(アルキル)基または炭素原子数2ないし36の−N(アルキル)2基を表し;
nが2である場合、
6は炭素原子数2ないし18のアルキレンジオキシ基、炭素原子数2ないし18のアルケニレンジオキシ基、炭素原子数2ないし18の−NH−アルキレン−NH−基または炭素原子数2ないし18の−N(アルキル)−アルキレン−N(アルキル)−基を表すか、あるいはR6は4−メチル−1,3−フェニレンジアミノ基を表し;
nが3である場合、
6は炭素原子数3ないし18の飽和または不飽和脂肪族トリオールの三価のアルコキシ基を表し;
nが4である場合、
6は炭素原子数4ないし18の飽和または不飽和脂肪族テトラオールの四価のアルコキシ基を表し;
7およびR8は独立して塩素原子、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、−O−T1、2−ヒドロキシエチル基により置換されたアミノ基、炭素原子数1ないし18の−NH(アルキル)基;炭素原子数1ないし18のアルキル基を有する−N(アルキル)T1基;または炭素原子数2ないし36の−N(アルキル)2基を表し;
9は二価の酸素原子を表すか、あるいはR9は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基またはT1
【化30】
Figure 0004757977
により置換された二価の窒素原子を表し;
10は水素原子またはメチル基を表し、
qは2ないし8であり、
11およびR12は独立して水素原子または基T2
【化31】
Figure 0004757977
を表し;
13は水素原子、フェニル基、直鎖もしくは分枝鎖状の炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数1ないし12のアルコキシ基;フェニル基により置換された直鎖もしくは分枝鎖状の炭素原子数1ないし4のアルキル基;炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルケニル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、グリシジル基、アリルオキシ基、直鎖もしくは分枝鎖状の炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基;または水素原子により、フェニル基により、炭素原子数1ないし4のアルキル基により、もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により独立して3回置換されたシリル基もしくはシリルオキシ基を表し;
14は水素原子;または水素原子により、フェニル基により、炭素原子数1ないし4のアルキル基により、もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により独立して3回置換されたシリル基を表し;
dは0または1であり;
hは0ないし4であり;
kは0ないし5であり;
xは3ないし6であり;
yは1ないし10であり;
zは、該化合物が1000ないし4000 g/ mol(原子質量単位,amu)の分子量を有するような整数であり;
15はモルホリノ基、ピペリジノ基、1−ピペリジニル基、炭素原子数1ないし8のアルキルアミノ基、特に第三オクチルアミノ基のような分枝鎖状の炭素原子数3ないし8のアルキルアミノ基;炭素原子数1ないし8のアルキル基を有する−N(アルキル)T1基または炭素原子数2ないし16の−N(アルキル)2基を表し;
16は水素原子、炭素原子数2ないし4のアシル基、炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたカルバモイル基;塩素原子により1回およびR15により1回置換されたs−トリアジニル基;もしくは2つのR15置換基が異なり得る条件でR15により2回置換されたs−トリアジニル基を表し;
17は塩素原子;炭素原子数1ないし8のアルキル基により、もしくはT1により置換されたアミノ基、炭素原子数1ないし8のアルキル基を有する−N(アルキル)T1基、炭素原子数2ないし16の−N(アルキル)2基または基T3
【化32】
Figure 0004757977
を表し;
18は水素原子、炭素原子数2ないし4のアシル基;炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたカルバモイル基、炭素原子数2ないし16の−N(アルキル)2基により2回置換されたs−トリアジニル基もしくは炭素原子数1ないし8のアルキル基を有する−N(アルキル)T1基により2回置換されたs−トリアジニル基を表し;
Lは直鎖または分枝鎖状の炭素原子数1ないし18のアルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルケニレン基、炭素原子数3ないし18のアルケニレン基;フェニル基により、または炭素原子数1ないし4のアルキル基1もしくは2個により置換されたフェニル基により置換された直鎖または分枝鎖状の炭素原子数1ないし4のアルキレン基を表し;
式(16)ないし(28)において、R1、R2、R7、R8、R9、R10、R13、R14、d、h、k、m、qおよびT1は式(1)ないし(15)におけるものと同じ意味を有し;
19は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、グリシジル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシもしくは2−(ヒドロキシメチル)置換炭素原子数3ないし12のアルキル基であって該アルキル基が酸素原子により中断されているもの;2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族もしくは不飽和脂肪族カルボン酸またはカルバミン酸のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環族カルボン酸またはカルバミン酸のアシル基、あるいは7ないし15個の炭素原子を含む芳香族酸のアシル基を表し;
20は炭素原子数2ないし18のアルキレン基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価のアシル基、あるいは8ないし15個の炭素原子を含む芳香族ジカルボン酸の二価のアシル基を表し;
21は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基もしくは炭素原子数2ないし6のアシル基を表し;
22は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族もしくは不飽和脂肪族カルボン酸またはカルバミン酸のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環族カルボン酸またはカルバミン酸のアシル基、あるいは7ないし15個の炭素原子を含む芳香族カルボン酸のアシル基を表すか、あるいはR4およびR5は一緒になって−(CH25CO−、フタロイル基またはマレイン酸の二価のアシル基を表し;
23は水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基または炭素原子数2ないし6のアシル基を表し;
24は炭素原子数2ないし18のアルキレン基、2ないし18個の炭素原子を含む脂肪族もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価のアシル基、7ないし12個の炭素原子を含む脂環族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価のアシル基、あるいは8ないし15個の炭素原子を含む芳香族ジカルボン酸の二価のアシル基を表し;
25は炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数2ないし18のアルケニルオキシ基、炭素原子数1ないし18の−NH(アルキル)基もしくは炭素原子数2ないし36の−N(アルキル)2基を表し;
26は炭素原子数2ないし18のアルキレンジオキシ基、炭素原子数2ないし18のアルケニレンジオキシ基、炭素原子数2ないし18の−NH−アルキレン−NH−基または炭素原子数3ないし18の−N(アルキル)−アルキレン−N(アルキル)−基を表し;
式(29)および(30)において、Gは第一、第二または第三アルコールG−OHから誘導された炭素原子中心ジラジカルを表し;
式中、zは上述で定義された通りであり;そして
Gは直鎖または分枝鎖状の炭素原子数1ないし18のアルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルケニレン基、炭素原子数3ないし18のアルケニレン基;フェニル基により、または炭素原子数1ないし4のアルキル基1もしくは2個により置換されたフェニル基により置換された直鎖または分枝鎖状の炭素原子数1ないし4のアルキレン基を表すが、ただし式(29)においては連続する立体障害性アミン部分は頭−頭型でも頭−尾型でも配列することが可能であり;
4は水素原子を表すか、またはT4
【化33】
Figure 0004757977
を表し;
27は直鎖または分枝鎖状の炭素原子数1ないし18のアルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基もしくはシクロアルケニレン基、フェニレン基または5−アミノ−1−アミノメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンおよび−NH−キシリレン−NH−を含む炭素原子数2ないし18の−NH−アルキレン−NH−基を表し;
28は炭素原子数1ないし4のアルキル基、
【化34】
Figure 0004757977
または
【化35】
Figure 0004757977
を表し;
29は直鎖または分枝鎖状の炭素原子数1ないし18のアルキル基もしくは−NH−アルキル基または炭素原子数5ないし8の−NH−シクロアルキル基を表すが;
ただし式(1)および(2)においてはbが1を表す場合、Eはメチル基、エチル基、2−プロピル基または2−メチル−2−プロピル基を表さない。)に関する。
【0010】
好ましくは、G1およびG2はそれぞれメチル基を表す。
好ましくは、式(1)ないし(28)においてbは1または2であり、最も好ましくは1である。
特に技術的に重要なのは、bが1であり、そしてEがメチレン基、エチレン基、2−プロピレン基または2−メチル−2−プロピレン基を表す式(1)および(2)の化合物である。
bが1である場合、E−OHおよびL−OHはそれぞれ好ましくは2−メチル−2−プロパノール、2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、アリルアルコール、フェネチルアルコールまたは1−フェニル−1−エタノールから形成された炭素原子中心ラジカルまたはジラジカルを表し;最も好ましくはE−OHおよびL−OHは2−メチル−2−プロパノールまたはシクロヘキサノールから形成される。
bが2である場合、E−OHおよびL−OHはそれぞれ好ましくは1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジオールから形成された炭素原子中心ラジカルまたはジラジカルを表し;最も好ましくはE−OHおよびL−OHは1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジオールから形成される。
bが3である場合、E−OHおよびL−OHはそれぞれグリセロール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオールまたは1,2,6−ヘキサントリオールから形成された炭素原子中心ラジカルまたはジラジカルを表し;最も好ましくはE−OHおよびL−OHはグリセロール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールから形成される。
【0011】
好ましくは式(29)および(30)において、−G−O−はエタノール、フェネチルアルコール、シクロヘキサノールまたは2−メチル−2−プロパノール(=第三ブチルアルコール)から形成される。
好ましくは式(3)において、mは0であり、R1は水素原子またはヒドロキシメチル基を表し、そしてR2は水素原子を表すか;あるいはmは1であり、R1はヒドロキシ基またはヒドロキシメチル基を表し、そしてR2は水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
好ましくは式(5)において、R2は水素原子またはドデシル基を表す。
好ましくは式(6)において、nは1ないし3であり、そしてnが1である場合、R3はアリル基、グリシジル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、オクタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、テトラデカノイル基、メトキシカルボニルプロピオニル基、メトキシカルボニルブチリル基、メトキシカルボニルペンタノイル基またはメトキシカルボニルノナノイル基を表すか;あるいはnが2である場合、R3はスクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、セバコイル基、1,6−ヘキサンジカルバモイル基、シス−もしくはトランス−5−カルバモイル−1−(カルバモイルメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンまたはトルエン−2,4−ジカルバモイル基を表すか;あるいはnが3である場合、R3は1,3,5−トリス(6−カルバモイルヘキシル)−2,4,6−トリオキソ−s−トリアジンを表す。
好ましくは式(7)において、pは1または2であり、そしてpが1である場合、R4は水素原子を表し、そしてR5はブチル基を表すか;あるいはR4およびR5は一緒になってマレイン酸の二価のアシル基を表すか;あるいはpが2である場合、R4は水素原子またはアセチル基を表し、そしてR5は1,6−ヘキサンジイル基を表す。
好ましくは式(8)において、nは1または2であり、そしてnが1である場合、R6はエトキシ基、6−メチル−1−ヘプチルオキシ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基またはオクチルアミノ基を表すか;あるいはnが2である場合、R6は1,2−エタンジオキシ基、1,4−ブタンジオキシ基、エチレンジアミノ基、ヘキサメチレンジアミノ基または4−メチル−1,3−フェニレンジアミノ基を表す。
【0012】
好ましくは式(9)において、R7およびR8は独立して塩素原子、オクチルアミノ基、第三オクチルアミノ基;またはT1およびエチル基、ブチル基もしくはドデシル基により置換されたアミノ基を表し;そしてR9はエチル基、ブチル基もしくはドデシル基により置換された二価の窒素原子を表す。
好ましくは式(10)において、qは2、4または6であり、R7は塩素原子、オクチルアミノ基、オクタデシルアミノ基;またはT1およびエチル基、ブチル基もしくはドデシル基により置換されたアミノ基を表し;そしてR10は水素原子を表す。
好ましくは式(11)において、nは3であり、pは2であり、R2はエチル基、ブチル基またはドデシル基を表し;そしてR11またはR12の一つはT2を表し、そしてもう一つは水素原子を表す。
好ましくは式(12)において、kは3であり、R9は二価の酸素原子を表すか、またはエチル基、ブチル基もしくはドデシル基により置換された二価の窒素原子を表し、R13は水素原子またはメチル基を表し、そしてdが0である場合、xは5または6であり、そしてdが1である場合、xは3または4である。
好ましくは式(13)において、dは0または1であり、hは0ないし2であり、kは0または3であり、yは1ないし8であり、R9は二価の酸素原子;またはエチル基、ブチル基もしくはドデシル基により置換された二価の窒素原子を表し、R13は水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基を表し、そしてR14は水素原子またはトリメチルシリル基を表す。
好ましくは式(14)において、R9は二価の酸素原子を表し、R10は水素原子またはメチル基を表し、mは0であり、そしてzは該化合物の分子量が1500ないし3000原子質量単位であるような整数である。
好ましくは式(15)において、qは6であり、yは1ないし7であり、R15は第三オクチルアミノ基、モルホリノ基、T1およびブチル基により置換されたアミノ基であってT1−ブチルアミノ基とも表記され得るものを表し、R16は水素原子、アセチル基、エチルカルバモイル基、2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジニル基、2,4−ビス(ジエチルアミノ)−s−トリアジニル基、T1−ブチルアミノ基により2回置換されたs−トリアジニル基またはジエチルアミノ基もしくはジブチルアミノ基により1回、T1−ブチルアミノ基により1回置換されたs−トリアジニル基を表し、R17はジブチルアミノ基、ジエチルアミノ基、T1−ブチルアミノ基を表すか、もしくはR17はT3(式中、R18はアセチル基またはエチルカルバモイル基を表す。)を表す。
【0013】
好ましくは式(17)において、mは0であり、R1は水素原子またはヒドロキシメチル基を表し、そしてR2は水素原子を表すか;あるいはmは1であり、R1はヒドロキシ基またはヒドロキシメチル基を表し、そしてR2は水素原子またはメチル基を表す。
好ましくは式(19)において、R2は水素原子またはドデシル基を表す。
好ましくは式(20)において、R19は水素原子、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、オクタデカノイル基またはヘキサデカノイル基を表す。
好ましくは式(21)において、R20はスクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、セバコイル基、1,6−ヘキサンジカルバモイル基またはシス−もしくはトランス−5−カルバモイル−1−(カルバモイルメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン基を表す。
好ましくは式(22)において、R21は水素原子を表し、そしてR22は水素原子またはブチル基を表すか;あるいはR21およびR22は一緒になってマレイン酸の二価のアシル基を表す。
好ましくは式(23)において、R23は水素原子またはアセチル基を表し、そしてR24はエチレン基またはヘキサメチレン基を表す。
好ましくは式(24)において、R25はエトキシ基、6−メチル−1−ヘプチルオキシ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基またはオクチルアミノ基を表す。
好ましくは式(25)において、R26は1,2−エタンジオキシ基、1,4−ブタンジオキシ基、エチレンジアミノ基またはヘキサメチレンジアミノ基を表す。
好ましくは式(26)において、R7およびR8は独立して塩素原子、オクチルアミノ基、第三オクチルアミノ基、オクタデシルアミノ基、T1−エチルアミノ基、T1−ブチルアミノ基またはT1−ドデシルアミノ基を表し、そしてR9はエチル基、ブチル基またはドデシル基により置換された二価の窒素原子を表す。
【0014】
好ましくは式(27)において、qは2、4または6であり、R7は塩素原子、オクチルアミノ基、オクタデシルアミノ基、T1−エチルアミノ基、T1−ブチルアミノ基またはT1−ドデシルアミノ基を表し、そしてR10は水素原子を表す。
好ましくは式(28)において、dは0または1であり、hは0ないし2であり、kは0または3であり、R9は二価の酸素原子;またはエチル基、ブチル基もしくはドデシル基により置換された二価の窒素原子を表し、R13は水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基を表し、そしてR14は水素原子またはトリメチルシリル基を表す。
好ましくは式(29)において、R27はエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、オクタメチレン基、1,6−ジアミノヘキサン基または5−アミノ−1−アミノメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン基を表し;zは該化合物の分子量が1500ないし3000原子質量単位であるような整数であり、R28はメチル基またはエチル基を表し、そしてGはエチレン基、1,2−シクロヘキサンジイル基、1,3−シクロヘキサンジイル基、1,4−シクロヘキサンジイル基、−CH(C65)CH2−または−CH2C(CH32−を表す。
好ましくは式(30)において、R29はペンタデシル基、ヘプタデシル基、ブチルアミノ基またはシクロヘキシルアミノ基を表す。
また、より好ましい本発明の態様は、E−OH、L−OHおよびG−O−が2−メチル−2−プロパノール(=第三ブチルアルコール)またはシクロヘキサノールから形成される式(1)ないし(30)で表される化合物である。
【0015】
最も好ましくは式(6)において、nが1である場合、R3はアクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基、オクタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、メトキシカルボニルプロピオニル基、メトキシカルボニルブチリル基、メトキシカルボニルペンタノイル基またはメトキシカルボニルノナノイル基を表すか;
あるいはnが2である場合、R3はスクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、セバコイル基、1,6−ヘキサンジカルバモイル基またはシス−もしくはトランス−5−カルバモイル−1−(カルバモイルメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン基またはトルエン−2,4−ジカルバモイル基を表すか;あるいはnが3である場合、R3は1,3,5−トリス(6−カルバモイルヘキシル)−2,4,6−トリオキソ−s−トリアジン基を表す。
最も好ましくは式(7)において、pは1または2であり、そしてpが1である場合、R4は水素原子を表し、そしてR5は水素原子またはブチル基を表すか;
またはpが2である場合、R4は水素原子を表し、そしてR5は1,6−ヘキサンジイル基を表す。
最も好ましくは式(9)において、R7は塩素原子、オクチルアミノ基またはT1−ブチルアミノ基を表し、R8は塩素原子またはT1−ブチルアミノ基を表し、そしてR9はブチル基により置換された二価の窒素原子を表す。
最も好ましくは式(10)において、qは6であり、R7はT1−ブチルアミノ基を表し;そしてR10は水素原子を表す。
最も好ましくは式(11)において、nは3であり、pは2であり、そしてR11またはR12の一つはT2を表し、そしてもう一つは水素原子を表す。
最も好ましくは式(12)において、kは3であり、R9は二価の酸素原子を表し、R13は水素原子またはメチル基を表し、そしてdが0の場合、xは5または6であり、そしてdが1の場合、xは3または4である。
最も好ましくは式(13)において、dは0または1であり、hは0ないし2であり、kは0または3であり、yは1ないし8であり、R9は二価の酸素原子を表し、R13は水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基を表し、そしてR14は水素原子またはトリメチルシリル基を表す。
【0016】
最も好ましくは式(15)において、qは6であり、yは1ないし7であり、R15はT1−ブチルアミノ基を表し、R16は水素原子、アセチル基、エチルカルバモイル基、2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジニル基、2,4−ビス(ジエチルアミノ)−s−トリアジニル基;T1−ブチルアミノ基により2回置換されたs−トリアジニル基;またはジエチルアミノ基もしくはジブチルアミノ基により1回、そしてT1−ブチルアミノ基により1回置換されたs−トリアジニル基を表し、R17はジブチルアミノ基、ジエチルアミノ基、T1−ブチルアミノ基を表すか、あるいはR17はT3(式中、R18はアセチル基またはエチルカルバモイル基を表す。)を表す。
最も好ましくは式(20)において、R19は水素原子、オクタデカノイル基またはヘキサデカノイル基を表す。
最も好ましくは式(22)において、R21は水素原子を表し、そしてR22は水素原子またはブチル基を表す。
最も好ましくは式(23)において、R23は水素原子を表し、そしてR24はヘキサメチレン基を表す。
最も好ましくは式(26)において、R7は塩素原子、オクチルアミノ基またはT1−ブチルアミノ基を表し、R8は塩素原子またはT1−ブチルアミノ基を表し、そしてR9はブチル基により置換された二価の窒素原子を表す。
最も好ましくは式(27)において、qは6であり、R7はT1−ブチルアミノ基を表し、そしてR9はブチル基により置換された二価の窒素原子を表す。
最も好ましくは式(29)において、R27はエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基またはオクタメチレン基を表し、zは該化合物の分子量が1500ないし2000原子質量単位であるような整数であり、そしてR28はメチル基を表す。
最も好ましくは式(30)において、R29はペンタデシル基またはヘプタデシル基を表す。
また、より好ましい本発明の態様は、E−OH、L−OHおよび−G−O−が2−メチル−2−プロパノール(=第三ブチルアルコール)から形成される式(1)ないし(30)で表される化合物である。
【0017】
式(6)で表される特に好ましい化合物は、nが1である場合、R3はアクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基、オクタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、メトキシカルボニルプロピオニル基、メトキシカルボニルブチリル基またはメトキシカルボニルペンタノイル基を表し、そしてnが2である場合、R3はスクシニル基、グルタリル基、アジポイル基またはセバコイル基を表すものである。
式(7)で表される特に好ましい化合物は、R4は水素原子を表し、そしてpが1である場合、R5は水素原子またはブチル基を表すか;またはpが2である場合、R5はヘキサメチレン基を表すものである。
式(9)で表される特に好ましい化合物は、R7は塩素原子、オクチルアミノ基またはT1−ブチルアミノ基を表し、R8はT1−ブチルアミノ基を表し、そしてR9はブチル基により置換された二価の窒素原子を表すものである。
式(10)で表される特に好ましい化合物は、qは6であり、R7はT1−ブチルアミノ基を表し、そしてR10は水素原子を表すものである。
式(11)で表される特に好ましい化合物は、nは3であり、pは2であり、そしてR11またはR12の一つはT2を表し、そしてもう一つは水素原子を表すものである。
式(12)で表される特に好ましい化合物は、dは1であり、kは3であり、xは3または4であり、R9は二価の酸素原子を表し、そしてR13はメチル基を表すものである。
式(13)で表される特に好ましい化合物は、kは3であり、yは4ないし8であり、R9は二価の酸素原子を表し、R13は水素原子またはメチル基を表し、dおよびhは0であり、R14は水素原子を表すか、またはdは1であり、hは0であり、そしてR14はトリメチルシリル基を表すものである。
式(14)で表される特に好ましい化合物は、mは0であり、R9は二価の酸素原子を表し、R10は水素原子またはメチル基を表し、そしてzは該化合物の分子量が1500ないし3000原子質量単位であるような整数であるものである。
式(15)で表される特に好ましい化合物は、qは6であり、yは1ないし7であり、R15はT1−ブチルアミノ基を表し、R16は水素原子、アセチル基、エチルカルバモイル基、2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジニル基、2,4−ビス(ジエチルアミノ)−s−トリアジニル基;T1−ブチルアミノ基により2回置換されたs−トリアジニル基;またはジエチルアミノ基もしくはジブチルアミノ基により1回、そしてT1−ブチルアミノ基により1回置換されたs−トリアジニル基を表し、R17はジブチルアミノ基、ジエチルアミノ基を表すか、あるいはT3(式中、R18はアセチル基またはエチルカルバモイル基を表す。)を表すものである。
式(20)で表される特に好ましい化合物は、R19は水素原子、オクタデカノイル基またはヘキサデカノイル基を表すものである。
式(21)で表される特に好ましい化合物は、R20はスクシニル基、グルタリル基、アジポイル基またはセバコイル基を表すものである。
式(30)で表される特に好ましい化合物は、R29はヘプタデシル基を表すものである。
【0018】
本発明はまた、bが1であり、そしてEがメチル基、エチル基、2−プロピル基または2−メチル−2−プロピル基を表す場合は式(1)および(2)で表される化合物を含む、上述に記載された式(1)ないし式(30)で表される化合物から選択された一種もしくはそれ以上の化合物の有効安定化量(b)を含むポリマー組成物または記録材料(a)にも関する。一般的に本発明の化合物の有効安定化量は、成分(a)をベースとして0.01ないし10重量%、特に0.05ないし5重量%の成分(b)の安定剤である。
好ましくは、安定化されるべき有機材料は、天然、半合成または合成ポリマーまたはカラー写真材料、特に熱可塑性ポリマーまたは塗料である。
最も好ましくは、ポリマーはポリオレフィン、特に自動車塗料および用途において有用な熱可塑性ポリオレフィンまたはウレタンをベースとする自動車塗料である。
本発明の化合物は、安定化された組成物中に存在する場合、優れた脱水安定性、取扱および貯蔵安定性ならびに抽出に対する良好な耐性を示すものである。
【0019】
一般的に、安定化され得る有機材料には以下のものが含まれる。
1.モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望に架橋されることができる。)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度および高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度および超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。
ポリオレフィン、すなわち前段落において例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンは、異なった、および特に以下の方法によって製造されることができる。
a)ラジカル重合(通常、高圧下および高温で)。
b)触媒重合であって、通常、周期表のIVb、Vb、VIbまたはVIII群の金属原子の一種または一種より多くを含む触媒を使用するもの。これらの金属原子は通常、代表的にはπ−またはσ−配位され得るオキシド、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールのような配位子の一種または一種より多くを有する。これらの金属錯体は遊離状態または代表的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素のような基材上に固定され得る。これらの触媒は重合媒体中に可溶または不溶であり得る。触媒は重合においてそれら自身で使用されることができ、または代表的には金属アルキル、金属ヒドライド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドまたは金属アルキルオキサンのようなさらなる活性化剤が使用されることができ、該金属原子は周期表のIa、IIaおよび/またはIIIa群の元素である。活性化剤はさらなるエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基を用いて都合よく変性され得る。これらの触媒系は通常、フィリップス(Phillips)、スタンダード オイル インディアナ(Standard Oil Indiana)、チグラー(−ナッタ)(Ziegler(-Natta)) 、TNZ(デュポン(Dupont))、メタロセンまたはシングルサイト触媒(single site catalyst))(SSC)と命名される。
【0020】
2.上記1)に記載されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレン(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)および異なる型のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
3.モノオレフィンおよびジオレフィンの相互または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマーおよびそれらと一酸化炭素とのコポリマーまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレンおよびヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー、
およびそのようなコポリマー相互および上記1)に記載されたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAAおよび交互またはランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマーおよびそれらと例えばポリアミドのような他のポリマーとの混合物。
4.炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)であって、それらの水素化変性物(例えば定着付与剤)を含むもの、およびポリアルキレンおよび澱粉の混合物。
【0021】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
6.スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンまたはアクリル誘導体とのコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;
スチレンコポリマーおよび他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高衝撃強度性の混合物、および
スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
7.スチレンまたはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン、
ポリブタジエンにスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタアクリロニトリル)、
ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート、
ポリブタジエンにスチレンおよび無水マレイン酸、
ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレイミド、
ポリブタジエンにスチレンおよびマレイミド、
ポリブタジエンにスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレンおよびアクリロニトリル、
ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレートにスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレンおよびアクリロニトリル、並びに上記6)に列挙されたコポリマーとそれらの混合物、例えば、ABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして知られているコポリマー混合物。
【0022】
8.ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンおよび塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリン ホモ−およびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、並びにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/ビニルアセテートまたは塩化ビニリデン/ビニルアセテートコポリマー。
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマーおよびポリアクリレート並びにポリメタクリレートのようなそれらの誘導体、
ブチルアクリレートで耐衝撃変性された(impact-modified) ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル。
10.上記9)に記載されたモノマーの相互または他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマーまたはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
11.不飽和アルコールおよびアミンから誘導されたポリマーまたはアシル誘導体またはそれらのアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラル、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン、
並びに上記1)に記載されたオレフィンとのそれらのコポリマー。
12.ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドのような環式エーテルのホモポリマーおよびコポリマーまたはそれらのビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタールおよびコモノマーとしてエチレンオキシドを含むそれらのポリオキシメチレン、
熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0023】
14.ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、およびポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
15.一方の成分としてヒドロキシル末端基で終了されたポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエン、および他方の成分として脂肪族または芳香族ポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆物質。
16.ジアミン並びにジカルボン酸および/またはアミノカルボン酸または対応するラクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から出発した芳香族ポリアミド、
ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸または/およびテレフタル酸から変性剤としてエラストマーを用いてまたは用いずに製造されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、およびまた
上記されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマーまたは化学結合もしくはグラフトされたエラストマー、または
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー、並びに
EPDMまたはABSで変性されたポリアミドまたはコポリアミド、および
加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール。
18.ジカルボン酸並びにジオールおよび/またはヒドロキシカルボン酸または対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレートおよびポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端基で終了されたポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル、およびまた
ポリカーボネートまたはMBSで変性されたポリエステル。
【0024】
19.ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
20.ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
21.一方の成分としてアルデヒド、および他方の成分としてフェノール、尿素およびメラミンから誘導された架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
22.乾式および不乾式アルキド樹脂。
23.飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールおよび架橋剤としてのビニル化合物とのコポリエステルから誘導された不飽和ポリエステル樹脂、およびまた低燃焼性のそれらのハロゲン含有変性物。
24.置換されたアクリレートから誘導された架橋可能なアクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレート。
25.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアナート、イソシアヌレート、ポリイソシアナートまたはエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂。
26.脂肪族、環式脂肪族、ヘテロ環式または芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋エポキシ樹脂、例えばビスフェノールAおよびビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物であって、無水物またはアミンのような慣用の硬化剤と、促進剤を用いてまたは用いずに架橋されたもの。
27.セルロース、ゴム、ゼラチンのような天然ポリマーおよび化学変性されたそれらの同質誘導体、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネートおよびセルロースブチレート、またはメチルセルロースのようなセルロースエーテル、並びにロジンおよびそれらの誘導体。
【0025】
28.上記されたポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
29.天然起源および合成有機材料であって、純粋なモノマー性化合物またはそのような化合物の混合物、例えば鉱物油、動物および植物脂肪、油およびワックス、または合成エステル(例えばフタレート、アジペート、ホスフェートまたはトリメリテート)をベースとした油、脂肪およびワックス、および代表的には紡糸組成物として使用される合成エステルと鉱物油とのあらゆる重量比における混合物、並びにそのような材料の水性乳濁液。
30.天然または合成ゴムの水性乳濁液、例えば天然ラテックスまたはカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーの天然ラテックス。
31.例えば米国特許第 4,259,467 号に開示された柔らかい親水性ポリシロキサン;および例えば米国特許第 4,355,147 号に開示された硬いポリオルガノシロキサン。
32.不飽和アクリルポリアセトアセテート樹脂と、または不飽和アクリル樹脂との組み合わせにおけるポリケトイミン。不飽和アクリル樹脂にはウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニルもしくはアクリルコポリマーであって分枝鎖不飽和基を有するもの、およびアクリル化メラミンが含まれる。ポリケトイミンは、触媒の存在下でポリアミンおよびケトンから製造される。
33.エチレン系不飽和モノマーまたはオリゴマーを含む放射硬化性組成物およびポリ不飽和脂肪族オリゴマー。
34.例えばLSE−4103(モンサント(Monsanto))のようなエポキシ官能性共エーテル化ハイソリッドメラミン樹脂により架橋された光安定性エポキシ樹脂のようなエポキシメラミン樹脂。
【0026】
一般的に本発明の化合物は、安定化される組成物の約0.01ないし約5重量%の量で使用されるが、これは特に基材および用途により変動する。平均的な範囲は約0.05ないし約3%、そして特に0.05ないし約1%である。
本発明の安定剤を、慣用の技術により、それらの造形品の製造より前の何れかの簡便な段階で有機ポリマーに容易に混入することができる。例えば、乾燥粉末の形態で安定剤をポリマーと混合することができ、または安定剤の懸濁液もしくは乳濁液をポリマーの溶液、懸濁液または乳濁液と混入することができる。本発明により得られた安定化組成物は、所望により約0.01ないし約5重量%、好ましくは約0.025ないし約2重量%、そして特に約0.1ないし1重量%の種々の慣用の添加剤、例えば以下に列挙された物質、またはそれらの混合物も含み得る。
【0027】
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば、
2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖または側鎖において枝分れ鎖であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノールおよびそれらの混合物。
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば、
2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
1.3.ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、
2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジ−フェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0028】
1.4.トコフェロール、例えば、
α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE)。
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、
2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば、
2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0029】
1.7.O−、N−およびS−ベンジル化合物、例えば、
3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、
ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0030】
1.10.トリアジン化合物、例えば、
2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
1.11.ベンジルホスホネート、例えば、
ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
1.12.アシルアミノフェノール、例えば、
4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、N−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバミン酸オクチルエステル。
【0031】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコール例、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコール例、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0032】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコール例、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコール例、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、
N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル(Uniroyal)社によって供給される登録商標ナウガード(Naugard)XL−1)。
【0033】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
1.19.アミン系酸化防止剤、例えば、
N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジ−4−イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール。
【0034】
2.UV吸収剤および光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾル−2−イルフェノール]、2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物、次式[R−CH2CH2−COOCH2CH2−]2−[式中、Rは3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾル−2−イルフェニル基を表す。]で表されるもの、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0035】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、
4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシおよび2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
2.3.置換および未置換安息香酸のエステル、例えば、
4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル 3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル 3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートおよび2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル 3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
2.4.アクリレート、例えば、
エチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチル α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメートおよびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
2.5.ニッケル化合物、例えば、
2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば1:1または1:2錯体であって、n−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシルジエタノールアミンのようなさらなる配位子を伴うまたは伴わないもの;ニッケルジブチルジチオカルバメート;4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチルまたはエチルエステルのニッケル塩、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのようなケトキシムのニッケル錯体;1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体であって、さらなる配位子を伴うまたは伴わないもの。
【0036】
2.6.立体障害性アミン、例えば、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) n−ブチル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびスクシン酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖または環式縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルベンジル)マロネート,3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖または環式縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシロキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物(CAS Reg. No. [136504−96−6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキサスピロ[4,5]デカンおよびエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシ−メチレン−マロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンのジエステル、ポリ[メチルプロポキシ3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィン−コポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンの反応生成物。
【0037】
2.7.オキサミド、例えば、
4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリド、およびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシ−プロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0038】
3.金属不活性化剤、例えば、
N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
4.ホスフィットおよびホスホナイト、例えば、
トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0039】
特に好ましいものは以下のホスフィットである。
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット(登録商標イルガフォス(Irgafos) 168:チバ−ガイギー(Ciba-Geigy)社製)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット。
【化36】
Figure 0004757977
【化37】
Figure 0004757977
【0040】
5.ヒドロキシルアミン、例えば、
N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
6.ニトロン、例えば、
N−ベンジル−α−フェニル−ニトロン、N−エチル−α−メチル−ニトロン、N−オクチル−α−ヘプチル−ニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシル−ニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシル−ニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシル−ニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
7.チオ相乗剤、例えば、
ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピネート。
8.過酸化物捕捉剤、例えば、
β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾールまたは2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0041】
9.ポリアミド安定剤、例えば、
ヨウ化物および/またはリン化合物との組合せによる銅塩ならびに二価のマンガン塩。
10.塩基性補助安定剤、例えば、
メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレートおよびカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレートまたは亜鉛ピロカテコレート。
11.核剤、例えば、
タルクのような無機材料、二酸化チタン、酸化マグネシウムのような金属酸化物、ホスフェート、カーボネートまたはサルフェートであって、好ましくはアルカリ土類金属のもの、モノ−またはポリカルボン酸のような有機化合物およびそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、ナトリウムスクシネートまたはナトリウムベンゾエート、イオン性コポリマー(”アイオノマー”)のようなポリマー性化合物、特に好ましくは1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(3’,4’−パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
12.充填剤および強化剤、例えば、
炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属オキシドおよびヒドロキシド、カーボンブラック、グラファイト、木粉および他の天然生成物の粉末または繊維、合成繊維。
【0042】
13.その他の添加剤、例えば、
可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、流動性添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤および発泡剤。
14.ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えば、
米国特許第U.S.4325863号、米国特許第U.S.4338244号、米国特許第U.S.5175312号、米国特許第U.S.5216052号、米国特許第U.S.5252643号、独国特許第DE−A−4316611号、独国特許第DE−A−4316622号、独国特許第DE−A−4316876号、欧州特許第EP−A−0589839号もしくは欧州特許第EP−A−0591102号に記載されているものや、あるいは3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン。
【0043】
15.アミンオキシド、例えば、
米国特許第 5,844,029 号および第 5,880,191 号に開示されたようなアミンオキシド誘導体、ジデシルメチルアミンオキシド、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシドおよびトリヘキサデシルアミンオキシド。米国特許第 5,844,029 号および第 5,880,191 号には熱可塑性樹脂の安定化に対して飽和炭化水素アミンオキシドを使用することが記載されている。熱可塑性組成物には、フェノール系酸化防止剤、立体障害性アミン光安定剤、紫外線吸収剤、有機リン化合物、脂肪酸のアルカリ金属塩およびチオ相乗剤から選択された更なる安定剤または混合物が含まれ得ることが開示されている。ポリオレフィンの安定化に向けてアミンオキシドと他の安定剤を一緒に使用することは例示されていない。
アミンオキシド補助安定剤は次式(I):
【化38】
Figure 0004757977
(式中、E1およびE2は独立して直鎖または分枝鎖の炭素原子数6ないし36のアルキル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし36のアルアルキル基、炭素原子数7ないし36のアルカリール基、炭素原子数5ないし36のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし36のアルクシクロアルキル基または炭素原子数6ないし36のシクロアルキルアルキル基を表し;
3は直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし36のアルキル基、炭素原子数6ないし12のアリール基、炭素原子数7ないし36のアルアルキル基、炭素原子数7ないし36のアルカリール基、炭素原子数5ないし36のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし36のアルクシクロアルキル基または炭素原子数6ないし36のシクロアルキルアルキル基を表すが;ただしE1、E2およびE3の少なくとも一種は炭素−水素結合を含み;そして
上記アルキル基、アルアルキル基、アルカリール基、シクロアルキル基、アルクシクロアルキル基およびシクロアルキルアルキル基は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−CO−、−NE4−、−CONE4−および−NE4CO−基の1ないし16個により中断されているか、または上記アルキル基、アルアルキル基、アルカリール基、シクロアルキル基、アルクシクロアルキル基およびシクロアルキルアルキル基は−OE4、−SE4、−COOE4、−OCOE4、−COE4、−N(E42、−CON(E4)2、−NG4COE4ならびに−C(CH3)(CH2x)NL1(CH2x)(CH3)C−を含む5−および6-員環から選択された基1ないし16個により置換されているか、または上記アルキル基、アルアルキル基、アルカリール基、シクロアルキル基、アルクシクロアルキル基およびシクロアルキルアルキル基は上記の基により中断および置換の両方がされていてもよく;そして
4は独立して水素原子または炭素原子数1ないし8のアルキル基を表し;
xは水素原子またはメチル基、好ましくは水素原子を表し;
1は炭素原子数1ないし30の直鎖または分枝鎖のアルキル部分、−C(O)R30部分であって該R30が直鎖または分枝鎖のアルキル基であるもの、または−OR30部分であって該R30が炭素原子数1ないし30の直鎖または分枝鎖のアルキル基であるものを表し;そして
式中、該アリール基はハロゲン原子の1ないし3個、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基またはそれらの組み合わせにより置換され得る。)で表されるものである。
【0044】
式(I)で表される好ましい構造は、E1およびE2が独立してベンジル基または置換されたベンジル基を表すものである。E1、E2およびE3のそれぞれに関して同種の残基にすることも可能である。またE1およびE2は、好ましくは炭素原子数8ないし26のアルキル基を表し、そして最も好ましくは炭素原子数10ないし26のアルキル基を表し、そしてE3は、好ましくは炭素原子数1ないし22のアルキル基を表し、そして最も好ましくはメチル基または置換されたメチル基を表す。また好ましいアミンオキシドには、E1、E2およびE3が同種の炭素原子数6ないし36のアルキル基を表すものが含まれる。好ましくは、E1、E2およびE3に関して前述の残基の全ては飽和炭化水素残基または前述の−O−、−S−、−SO−、−CO2−、−CO−または−CON−部分の少なくとも一種を含む飽和炭化水素残基を表す。当業者は、本発明の価値を減ずることなく、E1、E2およびE3のそれぞれに関して他の有用な残基を想像できるであろう。
飽和アミンオキシドはポリ(アミンオキシド)も包括する。ポリ(アミンオキシド)とは分子あたり少なくとも2個の第三アミンオキシドを含む第三アミンオキシドを意味する。例証となるポリ(アミンオキシド)、いわゆる“ポリ(第三アミンオキシド)”と呼ばれるものには、例えば1,4−ジアミノブタン、1,4−ジアミノヘキサン、1,10−ジアミノデカンおよび1,4−ジアミノシクロヘキサンのような脂肪族および脂環族ジアミンの第三アミンオキシド類似体;ならびに例えばジアミンアントラキノンおよびジアミノアニソールのような芳香族をベースとするジアミンが含まれる。
【0045】
前述されたジアミンのオリゴマーおよびポリマーから誘導された第三アミンオキシドも含まれる。有用なアミンオキシドには、例えばポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンなどのようなポリマーに結合したアミンオキシドも含まれる。アミンオキシドがポリマーに結合している場合、ポリマーに対するアミンオキシドの平均数は広い範囲で変動し得るので、全てのポリマー鎖がアミンオキシドを含む必要はない。前述したアミンオキシドの全ては所望により−O−、−S−、−SO−、−CO2−、−CO−または−CONE4−部分の少なくとも一種を含み得る。好ましい態様において、ポリマー性第三アミンオキシドのそれぞれの第三アミンオキシドにはC1残基が含まれる。
式(I)の基E1、E2およびE3は、立体障害性アミンを含む分子に結合され得る。立体障害性アミンは従来技術において公知であり、そして本発明のアミンオキシドは何れかの従来の方法で、立体障害性アミンの何れかの構造上位置に結合され得る。アミンオキシド補助安定剤の化合物の部に次式(II)および(III):
【化39】
Figure 0004757977
(L1およびRxは上述されたものである。)で表されるものが含まれる場合、有効な立体障害性アミンである。また、一分子当たり一個より多い立体障害性アミンおよび一個より多い飽和アミンオキシドを含むアミンオキシドも含まれる。上述の立体障害性アミンはポリ(第三アミンオキシド)に結合するか、または上記ポリマー基材に結合し得る。
11以下に列挙されたベンゾフラノンを除いて、補助安定剤は、例えば安定化されるべき材料の全重量に関して0.01ないし10%の濃度で添加される。
更に好ましい組成物には、成分(a)および(b)に加えて、更なる添加剤、特にフェノール系酸化防止剤、光安定剤または加工安定剤が含まれる。
特に好ましい添加剤は、上記一覧のフェノール系酸化防止剤(項目1)、立体障害性アミン(項目2.6)、ホスフィットおよびホスホナイト(項目4)ならびに過酸化物分解化合物(項目5)である。
また特に好ましい付加的な添加剤(安定剤)は、例えば米国特許第 4,325,863号、第 4,338,244 号または第 5,175,312 号に記載されたようなベンゾフラン−2−オンである。
【0046】
特に興味深いフェノール系酸化防止剤は、n−オクタデシル 3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、ネオペンタンテトライル テトラキス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、ジ−n−オクタデシル 3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、チオジエチレンビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,6−ジオキサオクタメチレンビス(3−メチル−5−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、2,6−ジ−第三−ブチル−p−クレゾール、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−4−第三−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3,−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス[2−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、3,5−ジ−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシトール、ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、1−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−3,5−ジ(オクチルチオ)−s−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、カルシウム ビス(エチル 3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート)、エチレンビス[3,3−ジ(3−第三−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、オクチル 3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジンおよびN,N’−ビス[2−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)−エチル]−オキサミドからなる群から選択される。
最も好ましいフェノール系酸化防止剤は、ネオペンタンテトライル テトラキス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、n−オクタデシル 3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,6−ジ−第三−ブチル−p−クレゾールまたは2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三−ブチルフェノール)である。
【0047】
特に興味深い立体障害性アミン化合物は、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ニトリロトリアセテート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3−オキソピペラジン−4−イル)エタン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン、2,4−ジクロロ−6−第三−オクチルアミノ−s−トリアジンおよび4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の重縮合物、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびスクシン酸の重縮合物、4,4’−ヘキサメチレンビス−(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)および1,2−ジブロモエタンの重縮合物;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル) 1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンおよび4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の重縮合物、N,N’,N”,N”’−テトラキス[(4,6−ビス(ブチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−アミノ−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンおよび4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン)の重縮合物、[2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8 ,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン)ジエチル]1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートの混合物;[1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエチル]1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、オキサメチレンビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボキシレート)の混合物;4,4’−エチレンビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン3−オン)、N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルn−ドデシルスクシンイミド、N−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、N−1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルn−ドデシルスクシンイミド、1−アセチル3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、 ジ−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル) セバケート、ジ−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン、ポリ−{[6−第三−オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ]、2,4,6−トリス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ]−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−4,6−ビス{N−[1−(シクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−ブチルアミノ−s−トリアジン、N−{[2−(N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマーであって2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジン−6−イル基を末端基とするもの、N,N’,N”−トリス{2,4−ビス[N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、N,N’,N"'−トリス{2,4−ビス[N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジアミノジプロピルアミンおよびN,N’,N”,N’”−テトラキス{2,4−ビス[N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン:N,N’,N”−トリス{2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、N,N’,N'”−トリス{2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、N,N’,N”,N”’−テトラキス{2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、N−{2−[(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマーであって2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジン−6−イル基を末端基とするもの、または2−モルホリノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンの縮合物からなる群から選択される。
【0048】
最も好ましい立体障害性アミン化合物は、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびスクシン酸の重縮合物、2,4−ジクロロ−6−第三−オクチルアミノ−s−トリアジンおよび4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の重縮合物、N,N’,N”,N”’−テトラキス[(4,6−ビス(ブチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、ジ−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン、ポリ−{[6−第三−オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ]、または2,4,6−トリス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ]−s−トリアジンである。
【0049】
興味深い組成物は付加的に、s−トリアジン、オキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾエートおよびα−シアノアクリレートからなる群から選択された他の紫外線吸収剤を含み得る。
特に、本組成物は付加的に、少なくとも一種の他の2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール;もう一つのトリス−アリール−s−トリアジン;または立体障害性アミンあるいはそれらの混合物の有効安定化量を含み得る。
好ましくは、2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾールは、
2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール;
2−[2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−第三−オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール;
2−{2−ヒドロキシ−3−第三−ブチル−5−[2−(オメガ−ヒドロキシ−オクタ(エチレンオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール;および
2−{2−ヒドロキシ−3−第三−ブチル−5−[2−(オクチルオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール;
からなる群から選択される。
【0050】
好ましくは、2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾールは、また、(a)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(b)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(C)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(d)2,2’−メチレン−ビス[6−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−4−第三−オクチルフェノール]:
(e)メチレン−2−[4−第三−オクチル−6−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)フェノール]2’−[4−第三−オクチル−6−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)フェノール]:
(f)3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−5−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸:
(g)メチル 3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−5−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート:
(h)イソオクチル 3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−5−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート:
(i)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:
(j)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−アクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:
(k)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:
(l)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−アクリルイルアミノプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:
(m)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−メタクリルイルアミノプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:
(n)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(o)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−ノニルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(p)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:
(q)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:
(r)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(s)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(t)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(u)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−第三−ブチル−5−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(v)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−第三−ブチル−5−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:
(w)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール:
(x)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(y)5−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(z)5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(aa)5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:
(bb)5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール:および
(cc)5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;
からなる群からも選択される。
【0051】
好ましくは、他のトリス−アリール−s−トリアジンは、
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン:
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−s−トリアジン:
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ド−/トリ−デシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−s−トリアジン:および
2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−4,6−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−s−トリアジン;
からなる群からも選択される。
本発明により安定化されるべきほかの材料は記録材料である。そのような材料は、例えば写真複写および他の電子複写技術に関するResearch Disclosure 1990, 31429 (47ないし480ページ) に記載されているものを意味する。
新規記録材料には、例えば感圧複写系、マイクロカプセル写真複写系、感熱複写系、写真材料およびインク−ジェット塗料が含まれる。
【0052】
新規写真材料は白黒またはカラー写真材料であり得、カラー写真材料が好ましい。カラー写真材料の構造、および新規材料に使用され得る成分に関する更なる詳細は、例えば、なかでも米国特許第 5,538,840 号、第27段落、第25行ないし第106段落、第16行およびそこに引用されている文献に見られ、米国特許第 5,538,840 号のこれらの文章は本文では参照として引用されている。新規化合物の使用は基本的に上記参照に紫外線吸収剤または立体障害性アミン安定剤に関して記載された通りである。更に重要な成分、特にカップリング剤は米国特許第 5,578,437 号に記載されている。
本発明により、光、湿気および酸素に対して安定化され得るアクリル樹脂ラッカーは慣用のアクリル樹脂焼付ラッカーまたはアクリル/メラミンを含む熱可塑性樹脂であり、例えばエッチ.キッテル(H. Kittel)著,"Lehrbuch and BeschichtungeN" 第1巻,第2部,第735および742ページ(ベルリン 1972),エッチ.ワンガー(H. Wagner)およびエッチ.エフ.サークス(H. F. Sarx)著,"Lackkunstharze"(1977),第229ないし238ページ、およびエス.パウロ(S. Paul)著,"Surface Coatings: Science and Technology",(1985)に記載のものである。
光および湿度の作用に対して安定化され得るポリエステルラッカーは、,エッチ.ワンガー(H. Wagner)およびエッチ.エフ.サークス(H. F. Sarx),op. cit.,86ないし99ページに記載された慣用の焼付ラッカーである。
【0053】
本発明により、光および湿気の作用に対して安定化され得るアルキド樹脂ラッカーは慣用の焼付ラッカーであり、特に自動車塗料(自動車仕上げラッカー)に使用されるものであり、例えばアルキド/メラミン樹脂およびアルキド/アクリル/メラミン樹脂をベースとするラッカーである(エッチ.ワンガー(H. Wagner)およびエッチ.エフ.サークス(H. F. Sarx)著,"Lackkunstharze"(1977),第99ないし123ページ参照)。他の架橋剤にはグリコールウリル樹脂、ブロックされた、もしくはブロックされていないイソシアヌレートまたはエポキシ樹脂が含まれる。安定化され得る他のラッカーには、カルバメートおよびシロキサンのような架橋可能な官能基を有するものが含まれる。
本発明により安定化されたラッカーは金属仕上げ塗料およびソリッドシェード(Solid shade)仕上げの両方に適当であり、特に修正仕上げの場合、種々のコイル被覆が適当である。本発明により安定化されたラッカーは好ましくは慣用の方法でシングル−コート法または2−コート法の2つの方法により適用される。後者の方法では、顔料含有ベースコートが最初に使用され、次いで透明ラッカーの被覆コートがその上に塗布される。
【0054】
本用途の重要性は主に酸触媒焼付仕上げに向けられているが、本発明の化合物は非酸触媒による熱可塑性樹脂、例えばエポキシ樹脂、エポキシ−ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂であって所望によりケイ素、イソシアネートまたはイソシアヌレートにより変性されたものにおける使用に適していることも特記するべきである。エポキシ樹脂およびエポキシ−ポリエステル樹脂は、慣用の架橋剤、例えば酸、酸無水物、アミンなどにより架橋される。相応して、上記エポキシドを、骨格構造上の反応基の存在により変性された種々のアクリル樹脂またはポリエステル樹脂系に架橋剤として使用することができる。
本発明の安定剤化合物が使用される量は、溶媒が存在しない結合剤を基準として0.1ないし5重量%、好ましくは0.5ないし2重量%である。上記結合剤を慣用の有機溶媒もしくは水に溶解または分散するか、あるいは溶媒が存在しないままでよい。
2−コート仕上げで使用する場合、本発明の化合物を透明なコートに、または透明コートおよび着色されたベースコートの両方に混入することができる。
最大光安定化を達成するために、他の慣用の光安定剤を同時に使用することは有効である。例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、アクリル酸誘導体、オキサルアニリド、アリール−s−トリアジンまたは金属含有型(例えば有機ニッケル化合物)の紫外線吸収剤が挙げられる。2−コート系では、これらの付加的な光安定剤を、透明コートおよび/または着色されたベースコートに添加することが可能である。
そのような組み合わせの安定剤が使用される場合、全ての光安定剤の合計は、フィルム形成樹脂を基準として0.2ないし20重量%、好ましくは0.5ないし5重量%である。
【0055】
水溶性、水混和性または水懸濁性塗料が望まれる場合、樹脂に存在する酸基のアンモニウム塩が形成される。メタクリル酸グリシジルと、選択されたアルコール成分との反応により粉末塗料を製造することができる。
また水溶性インクおよび関連する極性配向された用途により使用する場合、OH部分の存在がそのような水性環境に関連して、より良い相溶性および性質を供給するので、本発明の化合物は特に重要であると考えられる。
また本発明の化合物は、酸触媒による熱可塑性樹脂であって米国特許第 5,112,890号に記載されているのものの安定化にも有用であり、その関連部分は本明細書に参照として引用されている。
これらの樹脂は焼付エナメルまたは焼付ラッカーに使用される。立体障害性アミン光安定剤は、ポリマーを含む多くの有機基材の、酸素および光の有害な影響からの安定化に有効であることが良く知られている。そのような立体障害性アミン光安定剤は、熱架橋性アルキドまたはアクリル金属焼付ラッカーの安定化(米国特許第 4,426,472 号参照)に、そして熱架橋性アクリルポリエステルまたはアルキル樹脂をベースとする酸触媒焼付ラッカーの安定化(米国特許第 4,3,44,876 号および第 4,426,471 号参照)に使用されてきた。これらの特許の立体障害性アミン光安定剤は、立体障害性アミンの窒素原子上に直接的に置換されたヒドロキシル基により置換されたO−を有する構造を所有するものではない。本発明の化合物はそのような置換基を有するものであり、加えて、本作用例114に見られるように、米国特許第 5,112,890 号に記載されたNOR化合物より塩基性が低い。
【0056】
その工業的用途に関して、架橋性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂またはアルキド樹脂をベースとするハイソリッド含有量を有するエナメルは、付加的な酸触媒により硬化される。塩基性窒素原子基を含む光安定剤は一般的に、この用途において満足できるものではない。酸触媒と上記光安定剤との間の塩形成は不相溶性または不溶性および塩の沈殿を導き、そして硬化の減少されたレベルと減少された光保護ならびに乏しい耐湿性を導く。
酸触媒による熱可塑性エナメルは、最終用途の条件にかなう機能のために安定化されるべきである。使用される安定剤は立体障害性アミン、好ましくは硬化において付随する妨害を有する塩基性アミンと酸触媒との沈殿を防ぐために、窒素原子上で不活性な障害基により置換されたものであり、所望により上述の紫外線吸収剤との組み合わせで使用される。
上記安定剤は、硬化されたエナメルに対する耐久力(20°光沢、イメージの解明度、亀裂または白亜化により測定されるようなもの)の、より大きな保持を分与するために必要とされており、硬度、定着性、耐溶媒性および耐湿性により測定されるように、安定剤は硬化を妨げてはいけない(121℃での自動仕上げのための通常の焼付;および82℃での低温焼付補修)。上記エナメルは硬化において黄変しないべきであり、そして光暴露における更なる変色は最小化されるべきである。上記安定剤は、例えばメチルアミルケトン、キシレン、n−ヘキシルアセテート、アルコールなどのような通常塗装用途に使用される有機溶媒に溶解されるべきである。
本発明の、窒素原子上に遊離ヒドロキシル基を含有するO−置換部分により置換された立体障害性アミン光安定剤は、これらのそれぞれの要求を満たし、そして単独で、または硬化酸触媒による熱可塑性エナメルの光安定化保護に顕著な紫外線吸収剤との組み合わせで供給される。
【0057】
本発明は、周囲条件下で完全に硬化され得る樹脂系にも関する。例えば、使用され得る樹脂には、エス.ポール(S. Paul)著“表面塗料:科学および技術(Surface Coatings: Science and Technology)”(1985),第70ないし310ページに記載のアルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびエポキシド樹脂が含まれる。種々のアクリル樹脂および変性アクリル樹脂はエッチ.キッテル(H. Kittel)著“Lehrbuch der Lacke unde Beschichtungen"第1巻,第2部,第735ないし742ページ(ベルリン,1972)ならびにエッチ.ワグナー(H. Wagner)による“Lack Kunstarze”(1977)およびエッチ.エフ.サークス(H. F. Sarx),op.cit.,第229ないし238ページに記載されている。光および湿度の作用に対して安定化され得る代表的な架橋性ポリエステル樹脂は、エッチ.ワグナー(H. Wagner)およびエッチ.エフ.サークス(H. F. Sarx),op.cit.,第86ないし99ページに記載されている。安定化され得る未変性および変性アルキド樹脂は、商業的に、保守および自動車再仕上げ塗装に使用される慣用の樹脂である。例えば、そのような塗料はアルキド樹脂、アルキド/アクリル樹脂およびアルキド/ケイ素樹脂(エッチ.ワグナー(H. Wagner)およびエッチ.エフ.サークス(H. F. Sarx),op.cit.,第99ないし123ページ参照)であって、所望によりイソシアネートまたはエポキシ樹脂により架橋されたものである。
付加的に、米国特許第 4,162,249 号には種々のアクリル系ラッカー塗料が記載されている。ポリイソシアネート添加剤を有する他のアクリル/アルキド樹脂については米国特許第 4,471,083 号に記載されており;そしてペンダント状アミノエステル基またはグリシジル基の両方を有するアクリル樹脂は米国特許第 4,525,521 号に記載されている。
本発明の化合物により安定化された周囲硬化塗料は金属仕上げ塗装およびソリッドシェード仕上げの両方に適当であり、特に修正仕上げに適当である。本発明の化合物により安定化されたラッカーは、好ましくは慣用の方法でシングル−コート法または2−コート法の2つの方法により適用される。後者の方法では、顔料含有ベースコートが最初に使用され、次いで透明ラッカーの被覆コートがその上に塗布される。2−コート仕上げで使用する場合、本発明の立体障害性アミン化合物を透明なコートに、または透明コートおよび着色されたベースコートの両方に混入することができる。
【0058】
本発明の化合物は、ポリカーボネート上に塗布するために適している耐磨耗性塗料にも関する。そのような塗料は、米国特許第 5,214,085 号に記載されるように、アクリル酸シリル、水性コロイド状シリカ、光開始剤および所望により多官能性アクリレートならびに紫外線吸収剤からなる。そのような塗料は促進屋外暴露後に、太陽光、湿度、熱サイクル誘因黄変、離層ならびに微小亀裂の形成および透明性の減少に対する耐性をもたらす。
関連する立体障害性アミン安定剤は、周囲硬化塗料系の性能を向上させるために、個々に、および紫外線吸収剤と組み合わせて使用されてきた。そのような改良に対抗することなく、依然、そのような周囲硬化系の光酸化および光分解を更に遅らせる必要性があり、従って塗料の物理的完全性を維持することにより効果の向上がもたらされる。そのような効果は、塗料の脆化、亀裂、腐蝕、浸蝕、光沢の損失、白亜化および黄変の防止により明示され得る。
−OR部分による立体障害性アミンの窒素原子の置換、および本明細書に参照として引用されている米国特許第 5,124,378 号に開示された周囲硬化塗料系に、そのような誘導体を使用することにより前述された改良が達成され得ることが今や決定された。本発明の化合物は米国特許第5,124,378 号の化合物より更に塩基性であり、この目的のために特に良好に適当である。特に、塗料の物理的完全性は、光沢損失および黄変の減少を伴って、高い水準で維持される。従って本発明は、アルキド樹脂;熱可塑性アクリル樹脂;アクリルアルキドまたはポリエステル樹脂であって所望によりケイ素、イソシアネート、イソシアヌレート、ケトイミンまたはオキサゾリンにより変性されたもの;およびカルボン酸、酸無水物、ポリアミンまたはメルカプタンにより架橋されたエポキシ樹脂;ならびにそれらの骨格構造上で反応基により変性され、そしてエポキシドにより架橋されたポリエステル樹脂系をベースとする周囲硬化塗料を、光、湿気および酸素の有害な影響に対して安定化するために、R部分がヒドロキシル基により更に置換されているNOR化合物を所望により更なる安定剤と一緒に使用することにも関する。
本発明は、種々のトップコートがその上に適用され得る、金属基盤に適用された電着塗料にも関する。本発明の化合物を電着コート(E-coat)に包括することにより、該電着コートに対する耐離層性がもたらされる。そのような電着コートの第一樹脂はアクリルまたはエポキシ樹脂である。これらの電着コートは欧州特許第 0 576 943 A1 号に記載されている。
本発明はまた、不飽和アクリル樹脂、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエステル/スチレン樹脂およびシリルアクリレートを使用した紫外線硬化塗料系にも関する。
【0059】
粉末塗料
本発明はまた、耐光分解性が要求される粉末塗料配合物にも関する。適用され得る樹脂系には、2つの酸基または酸無水物基により架橋されたグリシジルメタクリレートまたはアクリレート官能性アクリルまたはアクリルヒドリド;TGICにより架橋された酸または酸無水物官能性アクリルまたはポリエステル樹脂;イソシアネートにより架橋されたヒドロキシル官能性アクリルまたはポリエステル樹脂が含まれる。安定化された塗料は基材にシングル−コートされ得るか、または水運もしくは溶媒運ベースコート上で適用される透明コートであり得る。
安定化された塗料はまた、上述の化合物の一種からなる紫外線吸収剤を含み得る。
放射線硬化系
本発明はまた、放射線硬化塗料系にも関する。これらの系は:
a.エチレン系不飽和重合性化合物;
b.少なくとも一種の光開始剤;
c.本発明の安定剤化合物の一種またはそれ以上;
からなる。
上記塗料化合物は、上述された分類の一種に記載されている紫外線吸収安定剤も含み得る。
上記塗料は、不透明さ、または美しさを供給するために意図された顔料および他の着色料も含み得る。
エチレン系不飽和重合性化合物は、オレフィン系二重結合を一個または一個より多く含み得る。それらは低分子量(モノマー)または高分子量(オリゴマー)化合物であり得る。
【0060】
一個の二重結合を含むモノマーの代表例は、アルキルまたはヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、例えばメチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシルおよび2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、およびメチルおよびエチルメタクリレートである。これらモノマーの更なる例は、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミン、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルエーテル、例えばイソブチルビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンである。
一個より多くの二重結合を含むモノマーの代表例は、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレートまたはトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレートである。高分子量(オリゴマー)ポリ不飽和化合物の例は、アクリル化エポキシ樹脂、アクリル化ポリエーテル、アクリル化ポリウレタンおよびアクリル化ポリエステルである。不飽和オリゴマーの更なる例は、通常マレイン酸、フタル酸およびジオール一種もしくはそれ以上から製造され約500より大きい分子量を有する不飽和ポリエステル樹脂である。このタイプの不飽和オリゴマーはプレポリマーとしても公知である。
不飽和化合物の代表例は、エチレン系不飽和カルボン酸およびポリオールまたはポリエポキシドのエステルならびにポリマー鎖または側鎖にエチレン系不飽和基を含有するポリマーであって;不飽和ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタンならびにそれらのコポリマー、ポリブタジエンおよびブタジエンコポリマー、ポリイソプレンおよびイソプレンコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を有するポリマーおよびコポリマーならびにそのようなポリマー一種または一種より多くの混合物を含む。
【0061】
不飽和カルボン酸の実例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、桂皮酸、リノレン酸またはオレイン酸のような不飽和脂肪酸である。アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
適当なポリオールは芳香族、そして好ましくは脂肪族および脂環族ポリオールである。芳香族ポリオールは代表的にヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ならびにノボラックおよびクレゾールである。ポリエポキシドは上記ポリオール、好ましくは芳香族ポリオールおよびエピクロロヒドリンをベースとするものを含む。更に適当なポリオールは、ポリマー鎖または側基にヒドロキシル基を含むポリマーおよびコポリマーであり、例えばポリビニルアルコールおよびそれらのコポリマー、またはヒドロキシアルキルポリメタクリレートまたはそれらのコポリマーである。他の適当なポリオールはヒドロキシル末端基を有するオリゴエステルである。
脂肪族および脂環族ポリオールの実例は、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−または1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは200ないし1500の分子量を有するポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールおよびソルビトールを含む好ましくは2ないし12の炭素原子を含むアルキレンジオールである。
【0062】
ポリオールは部分的に、または完全に、一種もしくは異なる不飽和カルボン酸によりエステル化されていてもよく、その場合、部分的にエステルの遊離ヒドロキシル基は変性、例えばエーテル化または他のカルボン酸とともにエステル化されてもよい。
エステルの実例は;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトール トリメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ジペンタエリスリトールトリスイタコネート、ジペンタエリスリトールペンタイタコネート、ジペンタエリスリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトール−変性トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタクリレート、ソルビトールヘキサクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびメタクリレート、グリセロールジ−およびトリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、200ないし1500の分子量を有するポリエチレングリコールのビスアクリレートおよびビスメタクリレート、またはそれらの混合物である。多官能性モノマーおよびオリゴマーは例えば、ユー ビー シー ケミカルズ(UCB Chemicals),スミルナ,ジョージア州(Smyrna, Georgia)およびサートマー(Sartomer),エクトン,ペンシルバニア州(Exton, Pennsylvania)から入手可能である。
【0063】
適当なエチレン系不飽和重合性化合物もまた、好ましくは2ないし6、より好ましくは2ないし4個のアミノ基を有する芳香族、脂環族および脂肪族ポリアミンの同一の、もしくは異なる不飽和カルボン酸のアミドである。そのようなポリアミンは例えば、エチレンジアミン、1,2−または1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−または1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ビス(β−アミノエチル)エーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ビス(β−アミノエトキシ)エタンまたはビス(β−アミノプロポキシ)エタンである。他の適当なポリアミンは、側鎖に付加的なアミノ基を有するポリマーおよびコポリマーならびにアミノ末端基を含むオリゴアミドである。
そのような不飽和アミドは例えば、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミノエチルメタクリレート、N−[(β−ヒドロキシエトキシ)エチル]アクリルアミドである。
適当な不飽和ポリエステルおよびポリアミドは、代表的にマレイン酸およびジオールまたはジアミンから誘導される。マレイン酸は部分的に他のジカルボン酸、例えばフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸またはクロロマレイン酸により置き換えられ得る。ポリエステルの反応性を制御するため、そして架橋密度に影響を及ぼすため、ならびに生成物の性質のため、不飽和ジカルボン酸に加えて、種々の量の飽和ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テトラフタル酸、テトラヒドロフタル酸、スクシン酸またはアジピン酸を使用することが可能である。上記不飽和ポリエステルを、スチレンのようなエチレン系不飽和コモノマーと一緒に使用することもできる。ポリエステルおよびポリアミドもジカルボン酸およびエチレン系不飽和ジオールまたはジアミンから、特に代表的には炭素原子6ないし20個を含む長鎖を有するものからも誘導され得る。ポリウレタンは代表的に飽和または不飽和ジイソシアネートおよび不飽和および飽和ジオールから誘導されたものである。
【0064】
適当なポリエステルアクリレートまたはアクリル化ポリエステルは、オリゴマー、代表的にはエポキシド、ウレタン、ポリエーテルまたはポリエステルとアクリレート、例えばヒドロキシエチルアクリレートまたはヒドロキシプロピルアクリレートを反応させることにより得られるものである。
ポリブタジエンおよびポリイソプレンならびにそれらのコポリマーは公知である。適当なコモノマーには、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチレンまたは塩化ビニルのようなオレフィンが含まれる。側鎖に(メタ)アクリレートを含むポリマーも公知である。それらは代表的に、ノボラックをベースとするエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸、ポリビニルアルコールのホモ−もしくはコポリマー、またはそれらのヒドロキシアルキル誘導体であって(メタ)アクリル酸によりエステル化されたもの、あるいは(メタ)アクリレートのホモ−およびコポリマーであってヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートによりエステル化されたものとの反応生成物であり得る。
好ましいモノマーは代表的に、アルキル−またはヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、スチレン、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレートまたはビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートまたはテトラアクリレートであり、好ましいアクリレートは、スチレン、ヘキサメチレングリコールまたはビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパンまたはトリメチロールプロパントリアクリレートである。
特に好ましい(オリゴマー性)ポリ不飽和化合物は、ポリエステルアクリレートまたは不飽和ポリエステル樹脂であってマレイン酸、フマル酸、フタル酸および一種もしくは一種より多くのジオールから製造されたものであって、代表的に約500ないし3000の分子量を有する。
好ましい不飽和カルボン酸は、アクリル酸およびメタクリル酸である。
光重合性化合物はそれら自体で、またはいずれかの所望の混合物中で使用される。ポリオール(メタ)アクリレートの混合物を使用することも好ましい。
【0065】
不飽和光重合性化合物に結合剤を添加することもできる。光重合性化合物が液体または粘性物質である場合、結合剤の添加は特に有効である。結合剤の量は、全組成物を基準として5ないし95、好ましくは10ないし90、そして最も好ましくは40ないし90重量%である。結合剤の選択は使用分野およびそれらの所望の性質、例えば水溶液および有機溶媒系で展開されるべき組成物の能力、基材への接着性および酸素への感応性に依存する。
適当な結合剤は代表的に、約5000ないし2000000、好ましくは10000ないし1000000の分子量を有するポリマーである。例えば、メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸のコポリマー、ポリ(メタクリル酸アルキル)、ポリ(アクリル酸アルキル)を含むアクリレートおよびメタクリレートのホモ−およびコポリマー;セルロースエステルおよびエーテル、例えば酢酸セルロース、アセト酪酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース;ポリビニルブチラル、ポリビニルホルマル、環化ゴム、ポリエーテル、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン;ポリスチレン、ポリカルボネート、ポリウレタン、塩素化ポリオレフィン、塩化ポリビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンとアクリロニトリル、メタクリル酸メチルおよび酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ酢酸ビニル、コポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリカプロラクタムおよびポリ(ヘキサメチレンアジパミド)のようなポリマー、ポリ(エチレングリコールテレフタレート)およびポリ(ヘキサメチレングリコールスクシネート)のようなポリエステルである。
非光重合性フィルム形成成分との混合物においても不飽和化合物を使用できる。これらの成分は物理的に乾燥されたポリマーであるか、またはそれらの有機溶媒中溶液、例えばニトロセルロースまたはアセト酪酸セルロースであってよい。光重合性不飽和モノマーは、遊離ラジカルイオン硬化性ブレンド、例えば遊離ラジカルカチオン硬化性ブレンドの成分であり得る。熱および光誘導性硬化サイクルの両方を受ける系、たとえば粉末塗料、積層体、ある種の接着剤および相似被覆に使用されるものもまた重要である。
【0066】
プレポリマーとポリ不飽和モノマーの混合物であって付加的に更なる不飽和モノマーを含むものは、しばしばペイント系に使用される。本方法におけるプレポリマーは第一にペイントフィルムの性質を決定し、これを変化させることにより、当業者は硬化フィルムの性質に影響を与えることができる。ポリ不飽和モノマーは、ペイントフィルムを不溶性にする架橋剤として作用する。モノ−不飽和モノマーは、酸とともに反応希釈剤として作用し、その粘度は溶媒を使用する必要がないほど低い。更に、硬化組成物の性質、例えば硬化速度、架橋密度および表面特性はモノマーの選択に依存する。
不飽和ポリエステル樹脂は通常、モノ−不飽和モノマー、好ましくはスチレンと一緒に二成分系で使用される。
電子に富んだ/電子の少ない二成分モノマー系は、しばしば厚い着色塗料において使用される。例えば、ビニルエーテル/不飽和ポリエステル系が粉末塗料に使用され、そしてスチレン/不飽和ポリエステル系はゲルコートに使用される。
好ましい方法は、エチレン系不飽和重合性化合物が(i)少なくとも一種のオリゴマー化合物;および(ii)少なくとも一種のモノマー;の混合物である方法である。
興味深い方法は、エチレン系不飽和重合性化合物が(i)不飽和ポリエステル、特にマレイン酸、フマル酸および/またはフタル酸および一種もしくは一種より多くのジオールから製造されたものであって、500ないし3000の分子量を有するもの;ならびに(ii)アクリレート、メタクリレートもしくはスチレンまたはそれらの組み合わせ;の混合物である方法である。
また、重要な方法は、エチレン系不飽和重合性化合物が(i)不飽和ポリエステル;および(ii)アクリレートもしくはメタクリレートまたはそれらの組み合わせ;の混合物である方法である。
他の興味深い方法は、エチレン系不飽和重合性化合物が(i)不飽和ポリアクリル酸エステル;および(ii)アクリレートもしくはメタクリレートまたはそれらの組み合わせ;の混合物である方法である。
【0067】
化合物の合成
本発明の化合物は、ニトロキシル化合物により捕捉される炭素中心基を製造するために、水素化トリブチル錫およびハロゲン置換アルコールの反応により製造され得る。
本化合物はまた、N−オキシル立体障害性アミンと、アルコールの存在下で過エステルまたはジアルキル過酸化物の光化学的または熱科学的分解により生じる炭素中心基とをカップリング化することにより製造され得る。上述に記載された架橋化合物は、2つのニトロキシル基が同じ溶媒分子と結合した場合、特に溶媒の量が減少した場合に形成され得る。
本化合物の好ましい製造方法は、N−オキシル立体障害性アミンと、金属イオン、例えばFe2+、Fe3+、Cu2+またはCu+の水溶液またはアルコール溶液および過酸化物、例えば過酸化第三ブチルまたは過酸化水素を、アルコール溶媒の存在下、20ないし80℃で混合することにより生成した炭素中心基とを反応させることである。特に有効なものは、塩化第一鉄、塩化第二鉄または硫酸第一鉄、好ましくは塩化第一鉄、または塩化第二鉄と過酸化水素とを組み合わることである。金属塩の溶解性を高めるために、または反応温度で固体であるアルコールを溶解するために、反応の開始時にアルコールに水を添加してもよい。2,2’−ジピリジル、2,2’:6’,2”−ターピリジルのような配位子を反応混合物に添加することもできる。時々、2つのニトロキシル基が同じ溶媒分子に結合して、前述に列挙された式のいくつかに記載の架橋性化合物が製造され得る。架橋性化合物の形成は、溶媒量が減少された場合、より好適である。
本発明のヒドロキシ置換N−アルコキシ化合物の幾つかは、単官能性または二官能性エステル、酸もしくは酸塩化物またはイソシアネートと反応して重合性エステルまたはウレタン誘導体を形成し得る。
【0068】
従って、本発明のもう一つの目的は次式IV
【化40】
Figure 0004757977
(式中、G1およびG2は独立して炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか、またはG1およびG2は一緒になってペンタメチレン基を表し;
Tは立体障害性アミン窒素原子およびG1およびG2により置換された第四炭素原子2つを含む5ないし6員環となるために必要とされる二価の有機基を表し;
Eは(b+1)価の炭素原子数2ないし18のアルキレン基、炭素原子数3ないし19のアルケニレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基;炭素原子数5ないし12のシクロアルケニレン基またはフェニル基により、もしくは炭素原子数1ないし4のアルキル基1ないし2個により置換されたフェニル基により置換された炭素原子数2ないし4のアルキレン基を表し;そして
bは1,2または3であり;ただし、bはEにおける飽和炭素原子数を超えることはできず、そしてbは2または3である場合、それぞれのヒドロキシル基はEの異なる炭素原子に結合している。)で表されるN−(ヒドロキシアルコキシ)置換立体障害性アミンを合成する方法であって;
該方法は、過酸化物または有機ヒドロ過酸化物および触媒量の金属塩または金属配位子錯体の存在下で次式(V)
【化41】
Figure 0004757977
で表されるN−オキシル立体障害性アミンと次式(VI)
【化42】
Figure 0004757977
で表されるアルコールとを反応させることからなる。
【0069】
イー.ジー.ロザントセブ(E. G. Rozantsev)等による Synthesis, 1971, 192に記載されるように式(V)で表されるN−オキシル化合物は相当するN−H立体障害性アミンと過酸化水素およびタングステン酸ナトリウムとの反応;あるいは米国特許第4,691,015号に開示されたようにヒドロ過酸化第三ブチルおよびモリブデン(VI)との反応により製造され得る。
特に、本方法は、式(V)で表されるN−オキシル化合物1モル当たり、式(VI)で表されるアルコール5ないし100モル、過酸化水素または有機ヒドロ過酸化物1ないし15モルおよび金属塩もしくは金属配位子錯体0.001ないし0.5モルの混合物の反応を包括するものである。反応は好ましくは20ないし100℃の範囲の温度で行われる。
アルコールは反応物として、また反応溶媒としての2つの機能を提供し得る。アルコールが、本方法において反応性である炭素−水素結合の非等量を含む場合、生成物の混合物が得られる。例えば、第三アミルアルコールでは3種の異なる反応生成物が得られるのに対して、第三ブチルアルコールではたった一種の生成物が得られる。反応温度でアルコールが固体である場合、または金属塩もしくは金属配位子錯体が非常にアルコールに不溶である場合、共溶媒を使用することができる。代表的な共溶媒は水、メタノールおよびエチレングリコールである。
本方法では主に過酸化物を基準として化学量論的量より少ない量で、周期表第IVA族、第VA族、第VIIA族、第VIIIA族または第IB族から選択された金属(遷移金属,これらの族における最低量の金属は、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cuである。)による遷移金属塩または金属配位子錯体が使用されている。鉄(II)、鉄(III)、銅(I)および銅(II)が最も効果的な触媒である。上記金属は、塩化金属塩または硫酸金属塩のような単純な塩の形態でも、酢酸のような有機酸の金属塩の形態でも、または周期表第IA族または第IIA族からのカチオンも含み得る金属オキシド、例えばメタバナジン酸ナトリウムの形態でもよい。上記金属は、2,2’−ジピリジル、エチレンジアミン四酢酸またはその二ナトリウム塩、トリフェニルホスフィンオキシド、またはアセチルアセトンのアニオンのような配位子により錯体化されてもよい。これらの金属配位子錯体は市販されており、金属塩と配位子とを混合することにより直ちに形成され得る。配位子の量は、その酸化段階を基準とした上記金属を完全に錯体化するのに要求される量より少なくて良い。金属塩または金属配位子錯体をシリカゲルのような支持固体に結合して回収および再利用することもできる。
【0070】
鉱物酸またはスルホン酸を、ニトロキシ部分1モルに対して1モル以上に相当する量で反応混合物に添加してもよい。
本方法は空気中でも、または窒素もしくはアルゴンのような不活性雰囲気中でも実行され得る。
本方法には幾つかの変法がある。一つの変法には、N−オキシル立体障害性アミン、アルコールおよび共溶媒(所望により)および酸(所望により)ならびに金属塩または金属配位子錯体の混合物であって反応のために所望の温度まで高められたものに過酸化水素または有機ヒドロ過酸化物水溶液を添加することが含まれる。過酸化物添加の速度を調節することにより、そして/または加熱もしくは冷却浴を使用することにより、適当な温度を保つ。過酸化物を添加した後、式(V)で表される出発原料のN−オキシル化合物が消滅するまで、または式(IV)で表される化合物に転換されなくなるまで反応混合物を撹拌する。薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーにより反応を最良に監視する。反応進行中に金属塩または金属配位子錯体の追加分を添加することも可能である。最初の過酸化物を反応混合物に添加した後、更なる過酸化物を滴下して反応を完了させる。
本方法の二つ目の変法は、過酸化物およびニトロキシル化合物の分離溶液を、アルコール、共溶媒(所望により)、酸(所望により)および金属塩または金属配位子錯体の混合物に同時に添加する方法である。ニトロキシル化合物は水、または反応に使用されるアルコール溶媒に溶解され得る。過酸化物添加開始の前にニトロキシル化合物の幾つかを反応混合物に導入してもよく、過酸化物添加完了前に全てのニトロキシル化合物を添加するべきである。
【0071】
本方法の他の変法には、過酸化物の分離溶液および金属塩または金属配位子錯体の水またはアルコール性溶液を、ニトロキシル化合物、アルコール、共溶媒(所望により)および酸(所望により)の混合物に同時に添加することが含まれる。過酸化物添加の前に金属の幾つかを反応混合物中に導入してよい。
もう一つの本方法の他の変法は、過酸化物の分離溶液、ニトロキシル化合物の水またはアルコール性溶液および金属塩または金属配位子錯体の水またはアルコール性溶液を、アルコール、共溶媒(所望により)および酸(所望により)の混合物に同時添加することによる方法である。過酸化物添加開始の前に、ニトロキシル化合物および/または金属塩もしくは金属配位子錯体の一部を反応混合物に導入することができる。過酸化物添加完了前に全ニトロキシル化合物を添加するべきである。
反応に酸を使用する場合、反応の開始時に酸を一部で添加するか、または酸の一部を反応開始時に添加して反応進行中に残りを添加するか;あるいは全ての酸を反応進行中に添加してもよい。金属塩を溶液として反応進行中に添加する場合、酸の一部または全てを金属塩と混合してもよい。
金属配位子錯体を直ちに製造し、ニトロキシル化合物と接触する前に、金属塩および配位子は最も効率的に混合される。
反応の終了時、いずれかの生成物の単離の前に、残渣の過酸化物を注意深く分解するべきである。
【0072】
好ましい方法
式(IV)および(V)においてG1およびG2は好ましくはメチル基を表す。Tは好ましくは2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイル基または2−オキソ−1,3−プロパンジイル基を表す。
bが1である場合、−E−(OH)は好ましくは2−メチル−2−プロパノール(=第三ブチルアルコール)、2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、アリルアルコール、フェネチルアルコールまたは1−フェニル−1−エタノールから形成された炭素中心基を表し;そして最も好ましくはE−(OH)は2−メチル−2−プロパノール(=第三ブチルアルコール)またはシクロヘキサノールから形成さる。
bが2である場合、−E−(OH)2は好ましくは1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジオールから形成された炭素原子中心ラジカルまたはジラジカルを表し;そして最も好ましくはE−(OH)2は1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジオールから形成さる。
bが3である場合、−E−(OH)3は1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオールまたは1,2,6−ヘキサントリオールから形成された炭素原子中心ラジカルまたはジラジカルを表し;そして最も好ましくはE−(OH)3は1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)メタンまたは2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールから形成さる。
bは好ましくは1または2;最も好ましくは1である。
本方法の好ましい生成物は、上述の式(1)ないし(30)で表される化合物である。
好ましい過酸化物は、過酸化水素、尿素および過酸化水素の付加化合物、ヒドロ過酸化第三ブチル、ヒドロ過酸化第三アミルおよびヒドロ過酸化クメンである。より好ましくは、過酸化物は過酸化水素ならびに尿素および過酸化水素の付加化合物であり、最も好ましくは過酸化水素である。
過酸化水素は15ないし50重量%の水溶液であり、好ましくは約30ないし50重量%の水溶液である。
好ましくは、金属は周期表の第IVA族、第VA族、第VIIA族、第VIIIA族および第IB族から選択される。より好ましくは、鉄(II)、鉄(III)、銅(I)、銅(II)、コバルト(II)、コバルト(III)、マグネシウム(II)、マグネシウム(III)、バナジウム(II)、バナジウム(III)、セリウム(III)およびチタン(III)である。最も好ましくは鉄(II)、鉄(III)、銅(I)および銅(II)である。
【0073】
好ましくは、上述の金属の対イオンはクロリド、スルフェート、アセチルアセトネート(acac)、アセトネート、シトレート、オキサレート、ニトレート、パークロレート、シアニド、ヒドロキシド、ホスフェート、ピロホスフェートおよびオキシドである。
上記金属のための配位子は、好ましくは2,2’ジピリジル、2,2’:6,2”−ターピリジル、1,10−フェナントロリン、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ピリジン、ピコリン酸、2−ピラジンカルボン酸、アニリンまたは置換アニリンと1,2−ジケトン、例えば2,3−ブタンジオンとの反応から形成された芳香族ジイミン、ならびにトリフェニルホスフィンオキシドである。
好ましい金属塩は、塩化第一鉄、塩化第二鉄、アセチル酢酸第二鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、リン酸第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、酢酸第一鉄、クエン酸第二鉄、オキサル酸第一鉄、オキサル酸第二鉄、硝酸第二鉄、ペルクロロ第一鉄、ペルクロロ第二鉄、塩化第一銅、塩化第二銅、硫酸第一銅、塩化マグネシウム、メタバナジン酸ナトリウム、塩化第一チタン、塩化バナジウム(II)および塩化バナジウム(III)である。最も好ましい金属塩は塩化第一鉄、塩化第二鉄、アセチル酢酸第二鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、リン酸第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄および硫酸第二銅である。
好ましい金属−配位子錯体は、鉄(II)、鉄(III)、銅(I)または銅(II)塩および2,2’−ジピリジル、トリフェニルホスフィンオキシド、エチレンジアミンテトラ酢酸またはエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩からのものである。最も好ましくは、金属−配位子錯体は、塩化第一鉄または塩化第二鉄および2,2’−ジピリジルからのものである。
【0074】
好ましい酸は、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、オキサル酸、トリフルオロ酢酸、ポリリン酸およびリン酸であり;最も好ましくは、酸はメタンスルホン酸、ポリリン酸またはリン酸である。
本方法のためのアルコール溶媒の好ましい量は、アルコール反応物および立体障害性アミンニトロキシド化合物中の反応性水素原子の相対的な数に、ある程度まで依存する。代表的には、ニトロキシル部分1モル当たり溶媒5ないし100モルの比率で、好ましくはニトロキシル部分1モル当たり10ないし50モルの比率で、最も好ましくはニトロキシル部分1モル当たり10ないし30モルの比率で反応を行う。共溶媒を存在させてもよく、好ましくは水、メタノール、エチレングリコール、またはそれらの混合物から選択される。
水素原子または有機ヒドロ過酸化物の好ましい量は、ニトロキシル部分1モル当たり1ないし20モルであり、より好ましい量はニトロキシル部分1モル当たり1ないし5モルであり、最も好ましい量はニトロキシル部分1モル当たり1ないし3である。
金属塩または金属−配位子錯体の好ましい量は、ニトロキシル部分1モル当たり0.001ないし0.5モル当量であり、ニトロキシル部分1モル当たり金属塩または金属−配位子錯体0.001ないし0.05モルの比率が最も好ましい。
本方法において酸を使用する場合、酸の好ましい量はニトロキシル部分1モル当たり0.01ないし1モル当量であり、ニトロキシル部分1モル当たり酸0.01ないし0.5モルの比率が最も好ましい。
反応は通常、20ないし100℃、好ましくは60ないし100℃で行われる。
【0075】
【実施例】
以下の実施例は、説明する目的のためだけであり、本発明をいかなる意味においても限定するために解釈されるべきものではない。室温とは、20ないし25℃の範囲の温度を表す。
略語:
v 体積部
w 重量部
1Hnmr 1Hの核磁気共鳴(NMR)
m/z 質量分光測定(原子単位)
amu 分子量,g/モル(原子単位)
実施例P1ないしPには、本発明の化合物の新規製造方法を説明する。
実施例P1は本方法における塩化第二鉄の使用を説明する。
実施例P1
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
第三−ブチルアルコール 20mlと混合した50%過酸化水素水溶液 9.4g(140ミリモル)の溶液を、45ないし50℃で4時間かけて4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 3.44g(20.0ミリモル)、無水塩化第二鉄 0.125g(0.77ミリモル)、第三−ブチルアルコール 30mlおよび水 10mlの混合物に添加する。次いで、温度を45ないし50℃に19時間保つ。ガスクロマトグラフィー分析により、1%より少ない出発原料のニトロキシル化合物が存在することが示される。
実施例P2に支持固体上の金属触媒の再生について示す。
【0076】
実施例P2
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
2,2’−ジピリジル(0.16g,1.0ミリモル)およびシリカゲル上5%塩化第二鉄2.54g(0.80ミリモル)を、45℃に加熱した第三−ブチルアルコール 30ml中で一緒に撹拌する。上記混合物に4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 3.44g(20.0ミリモル)および水 10mlを添加する。50%過酸化水素水溶液9.4g(138ミリモル)と第三−ブチルアルコール20mlとを混合した溶液を上記反応混合物に4時間かけて45ないし50℃で添加する。温度を45ないし50℃に30分間保つ。ガスクロマトグラフィー分析により、出発原料のニトロキシル化合物が完全に反応し、90%より多い表題の化合物が形成されることが示される。
ろ過によりシリカゲルを分離し、そして回収されたシリカゲルを使用して上記実験を繰り返す。その直後、全ての過酸化物を反応混合物に4.5時間の間で添加すると、ガスクロマトグラフィーにより出発原料のニトロキシル化合物36%が依然存在することが示される。反応混合物を45ないし50℃で更に19時間加熱した後には、出発原料のニトロキシル化合物5%だけが依然存在する。
実施例P3
4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとイソプロピルアルコールとの反応
2,2’−ジピリジル(0.156g,1ミリモル)を40℃でイソプロピルアルコール 30ml中塩化第一鉄四水和物 0.20g(1ミリモル)の混合物に添加する。この混合物に4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 3.44g(20ミリモル)および水10mlを添加する。イソプロピルアルコール 20ml中50%過酸化水素水溶液 9.4g(138ミリモル)の溶液を上記混合物に7時間かけて40ないし45℃で添加する。上記粗反応混合物を冷却し、水素化ホウ素ナトリウム0.5gと反応させる。ガスクロマトグラフィー/質量分光測定分析により、反応混合物の主成分が4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(m/z=231)であることが示される。
【0077】
実施例P4
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンと第三−アミルアルコールとの反応
2,2’−ジピリジル(0.078g,0.50ミリモル)を25℃で第三−アミルアルコール 150ml中塩化第一鉄四水和物 0.99g(5.0ミリモル)に添加する。この混合物に塩化テトラブチルアンモニウム 0.2gおよび1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン 17.2g(101ミリモル)を添加する。50%過酸化水素水溶液 29.5g(434ミリモル)の溶液を上記混合物に3時間かけて25ないし30℃で添加する。亜硫酸ナトリウム水溶液を添加し、過酸化物を分解する。酢酸エチルを使用して上記反応混合物を完全に抽出し、オレンジ色油状物23.4gを得る。ガスクロマトグラフィー/質量分光測定分析により、上記オレンジ色油状物には3種の主反応生成物がほぼ2:2:1の比率(面積%)で含まれることが示される。3種の生成物は出発原料のニトロキシル化合物と第三−アミルアルコールから形成されるそれぞれの可能な炭素基との反応からなるものである。
実施例P5
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンと1−ブタノールとの反応
実施例P4の手順を、第三−アミルアルコールの代わりにn−ブチルアルコール 150mlを使用して繰り返す。ガスクロマトグラフィー/質量分光測定分析により、生成物混合物の成分3種は、出発原料のニトロキシル化合物と1−ブタノールから脱水素化により形成される基との反応に関することが示される。
【0078】
実施例P6
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンとネオペンチルグリコールとの反応
実施例P4の手順を、第三−アミルアルコールの代わりに2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(=ネオペンチルグリコール) 400mlと水 55mlの混合物を使用して繰り返す。反応混合物の仕上げにより茶色油状物14.0gを得る。
実施例P7
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンと2−オクタノールとの反応
実施例P4の手順を、第三−アミルアルコールの代わりに2−オクタノール 150mlの混合物を使用して繰り返す。過酸化物を6時間かけて25ないし30℃で添加し、反応混合物を一晩、室温で撹拌する。反応混合物の仕上げによりオレンジ色油状物19.4gを得る。ガスクロマトグラフィー/質量分光測定分析により、生成物混合物の成分5種は、出発原料のニトロキシル化合物と2−オクタノールから脱水素化により形成される基との反応に関することが示される。
実施例P8−P12に、本方法における種々の鉄塩を伴う鉱物酸の使用について示す。
【0079】
実施例P8
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水 40mlに溶解された4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 17.2g(100ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液25.0g(0.37モル)の四分の三を同時に、3時間かけて40℃で、硫酸第一鉄六水和物1.12g(4.0ミリモル)、水 25ml、98%硫酸 0.5mlおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に添加する。ニトロキシル添加の後、硫酸第一鉄六水和物0.145g(0.5ミリモル)、98%硫酸 0.1mlおよび水 1ないし2mlを反応混合物に添加する。上記過酸化物溶液の残りの四分の一を1時間かけて40℃で添加する。1時間後、50%過酸化水素水溶液2.9g(40ミリモル)の溶液を反応混合物に滴下する。更に1.3時間後、硫酸第一鉄六水和物0.14g(0.5ミリモル)、98%硫酸 0.15mlおよび水 1ないし2mlの溶液を添加する。上記混合物を更に40分間40℃で撹拌する。過酸化物を亜硫酸ナトリウムにより分解した後、反応混合物を水酸化ナトリウムおよび水素化ホウ素ナトリウムにより処理し、濃縮する。酢酸エチルに残渣を溶解し、シリカゲルを通し、白色結晶の表題の化合物20.5g(84%収率)を得る。
実施例P9
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水75mlに溶解した4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン34.5g(200ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液49.5g(0.73モル)を同時に7時間かけて40℃で、塩化第一鉄四水和物1.61g(8.1ミリモル)、水50ml、37%塩酸1.6mlおよび第三−ブチルアルコール390mlの混合物に添加する。添加の約4時間後、塩化第一鉄四水和物0.22g(1.1ミリモル)、37%塩酸0.2mlおよび水1ないし2mlの溶液を上記反応混合物に添加する。反応混合物を一晩室温で撹拌する。次いで、反応混合物を40℃で加熱しながら塩化第一鉄四水和物0.11g(0.55ミリモル)、37%塩酸0.1mlおよび水1ないし2mlの溶液ならびに50%過酸化水素水溶液5.8g(85ミリモル)を添加することにより反応を完了させる。反応混合物をろ過して固体を除去し、亜硫酸ナトリウムにより抑制し、水酸化ナトリウムおよび水素化ホウ素ナトリウムにより処理し、濃縮する。酢酸エチルに残渣を溶解し、シリカゲルを通し、白色結晶として表題の化合物42.6g(87%収率)を得る。
【0080】
実施例P10
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水50mlに溶解した4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液25.3g(0.37モル)を同時に3ないし3.5時間かけて40℃で、塩化第二鉄六水和物0.27g(1.0ミリモル)、水25ml、37%塩酸1.1mlおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に添加する。添加の約2時間後、37%塩酸0.5mlを上記反応混合物に添加する。過酸化物を完全に添加した後、37%塩酸1.2mlを添加し、反応混合物を3.5時間、40ないし50℃で加熱する。反応混合物を一晩室温で撹拌する。反応混合物を45℃で5.5時間加熱しながら、37%塩酸0.3mlの2部を添加することにより反応を完了させる。実施例P9に記載されたように仕上げを行い、白色結晶として表題の化合物21.5g(88%収率)を得る。ガスクロマトグラフィーにより、生成物は96%より高い純度を有することが示される。
実施例P11
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水40mlに溶解した4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液25.0g(0.37モル)の四分の三を同時に2.5時間かけて40℃で、アセチル酢酸第二鉄1.46g(4.1ミリモル)、水25ml、98%硫酸0.5mlおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に添加する。添加の約2時間後、37%塩酸0.5mlを上記反応混合物に添加する。ニトロキシルを添加した後、アセチル酢酸第二鉄0.18g(0.5ミリモル)を反応混合物に添加する。残りの四分の一の過酸化物溶液を1時間かけて40℃で添加する。2時間の加熱後、ガスクロマトグラフィーにより、反応混合物中に10%より少ないニトロキシル化合物が残ることが示される。硫酸(0.3ml)および50%過酸化水素水溶液4.9g(72ミリモル)を上記反応混合物に40℃で添加し、そして反応混合物を一晩室温で撹拌する。実施例P9に記載されたように仕上げを行い、白色結晶として表題の化合物18.1g(74%収率)を得る。
【0081】
実施例P12
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例P11の手順を硫酸の添加なしに繰り返した場合、1.5時間の過酸化物の添加後、出発原料のニトロキシル化合物69%が残る。これは実施例P11に示されたように匹敵する時間で10%ニトロキシル化合物だけが残る結果と比較される。
実施例P13
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン
50%過酸化水素水溶液23.6g(347ミリモル)を7.5時間かけて1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン17.0g(100ミリモル)、塩化第一鉄四水和物0.994g(5ミリモル)、37%塩酸1ml、第三−ブチルアルコール360mlおよび水120mlの混合物に添加する。反応物を塩化ナトリウムで飽和させ、第三−ブチルアルコールで水層を抽出する。収集された有機層を濃縮し、オレンジ色の油状物とする。上記油状物を塩化メチレンに溶解し、4:1(v/v)のヘキサン:酢酸エチルによりシリカゲル上で閃光クロマトグラフィーにより精製する。得られた黄色油状物を結晶化し、57ないし60℃で融解する白色固体8.3gを得る。単離された生成物をガスクロマトグラフ分析器に射出したところ、表題の化合物の実際の試料と同じ保持時間を有する。
実施例P14、P15およびP16には、次式(IV)
【化43】
Figure 0004757977
で表される種々の配位子が実施例P13の化合物の形成に及ぼす効果を説明する。
【0082】
実施例P14
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン
塩化第一鉄四水和物0.994g(5ミリモル)および第三−ブチルアルコール150mlの混合物に、35℃で式(IV)でXが水素原子を表すN,N’−(1,2−ジメチル−1,2−エタンジイリデン)ビス(ベンゼンアミン)1.18g(5.0ミリモル)および1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン17.0g(100ミリモル)を同時に添加する。第三−ブチルアルコール60mlと混合した50%過酸化水素水溶液47.5g(700ミリモル)の溶液を8時間かけて35ないし40℃で上記混合物に添加する。更に16時間、40℃で反応物を撹拌する。ガスクロマトグラフィー分析により、4%より少ない出発原料のニトロキシル化合物が存在することが示される。ろ過により固体を除去し、ろ液を亜硫酸ナトリウム水溶液と反応させて過剰の過酸化物を分解する。反応混合物を酢酸エチルで完全に抽出し、濃縮後、ガスクロマトグラフィーを基準として、93%より多い表題の化合物を含む粗生成物21.4gを得る。
実施例P15
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン
式(IV)でXが水素原子を表すN,N’−(1,2−ジメチル−1,2−エタンジイリデン)ビス(ベンゼンアミン)の代わりに、式(IV)でXがメトキシ基を表すN,N’−(1,2−ジメチル−1,2−エタンジイリデン)ビス(4−メトキシベンゼンアミン)1.48g(5ミリモル)を使用して実施例P14を繰り返す。ガスクロマトグラフィー分析により、反応時間の最後に3%の出発原料のニトロキシル化合物が存在することが示される。仕上げの後、ガスクロマトグラフィーにより示されたように、97%の表題の化合物を含むオレンジ色油状物17.7gを得る。
【0083】
実施例P16
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン
式(IV)でXが水素原子を表すN,N’−(1,2−ジメチル−1,2−エタンジイリデン)ビス(ベンゼンアミン)の代わりに、式(IV)でXが塩素原子を表すN,N’−(1,2−ジメチル−1,2−エタンジイリデン)ビス(4−クロロベンゼンアミン)5.0ミリモルを使用して実施例P14を繰り返す。
実施例P17
4−ベンゾイルオキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
第三−ブチルアルコール50mlと混合した50%過酸化水素水溶液18.4g(0.27モル)の溶液を2時間かけて4−ベンジルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン24.9g(0.090モル)、塩化第一鉄四水和物7.13g(0.036モル)、ピコリン酸3.7g(0.030モル)および第三−ブチルアルコール150mlの混合物に60℃で添加する。過酸化物添加が完了した後、反応温度を60℃に5時間保つ。反応混合物をろ過して固体を除去し、ろ液を10%亜硫酸ナトリウム溶液1リットルとともに30分間撹拌して過剰の過酸化物を分解する。水溶液を塩化メチレンにより3回抽出し、収集された有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、最後に濃縮してオレンジ色油状物とする。4:1(v/v)のヘキサン:酢酸エチルによるシリカゲル上で閃光クロマトグラフィーにより精製することにより、コハク色油状物12.0gを得る。NMRおよび質量分光測定分析により、上記生成物が表題の化合物であることを確認する。
実施例P18に、実施例P17からピコリン酸を省略する影響を示す。
【0084】
実施例P18
4−ベンゾイルオキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
第三−ブチルアルコール25mlと混合した50%過酸化水素水溶液20.4g(0.30モル)の溶液を4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン27.6g(0.10モル)、塩化第一鉄四水和物7.13g(0.036モル)および第三−ブチルアルコール115mlの混合物に40℃で3時間かけて添加する。過酸化物添加が完了した後、12時間、反応温度を40℃に保つ。粗反応混合物をシリカゲル上で閃光クロマトグラフィーにより精製することにより、表題の化合物16.2gを得る。
実施例P19
ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートとネオペンチルアルコールとの反応
実施例P18の手順に従って、ネオペンチルアルコール中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートと塩化第一鉄の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例P20
4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとネオペンチルグリコールとの反応
実施例P18の手順に従って、ネオペンチルグリコール中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと塩化第一鉄の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
【0085】
実施例P21
4−オクタデカノイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと第三−アミルアルコールとの反応
実施例P18の手順に従って、第三−アミルアルコール中4−オクタデカノイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと塩化第一鉄の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例P22
4−オクタデカノイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと第三−ブチルアルコールとの反応
実施例P18の手順に従って、第三−ブチルアルコール中4−オクタデカノイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと塩化第一鉄の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例P23
4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとプロピレングリコールとの反応
実施例P18の手順に従って、プロピレングリコール中4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例P24
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンとトリメチレングリコールとの反応
実施例P18の手順に従って、トリメチレングリコール中1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンと塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
【0086】
実施例P25
ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートと2−プロパノールとの反応
実施例P18の手順に従って、2−プロパノール中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートと塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例P26
4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと1,4−ブタンジオールとの反応
実施例P18の手順に従って、1,4−ブタンジオール中4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例P27
4−ヘキシルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとピナコールとの反応
実施例P18の手順に従って、ピナコール中4−ヘキシルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例P28
4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと2−エチル−1−ヘキサノールとの反応
実施例P18の手順に従って、2−エチル−1−ヘキサノール中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例P38ないしP47に、本方法における種々の金属の効果を示す。
【0087】
実施例P38
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
35ないし45℃に保たれた金属塩、所望により酸、水25mlおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に、50%過酸化水素水溶液を一時間あたり約100ミリモルの速度で添加し、そして同時に水40ないし45mlに溶解した4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)の溶液を一時間あたり約35ないし50ミリモルの速度で添加する。全ての反応物を添加した後、反応混合物を35ないし45℃に保ち、そして幾つかの場合、反応混合物を一晩室温で撹拌する。反応をガスクロマトグラフィーにより監視する。結果を以下の表にまとめる。
表I
過酸化水素および種々の金属を使用した4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの形成
Figure 0004757977
(a)ニトロキシル出発物質1モルに対するモル量;
(b)ニトロキシル出発物質1モルに対して反応物に添加された過酸化物のモル量;および
(c)反応混合物中に存在する全ての立体障害性アミン成分の全面積に対して積分された表題の化合物の面積を基準とするガスクロマトグラフィーによる収率
実施例P39
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン0.5g(2.9ミリモル)、塩化N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(II)(ヤコブセン(Jacobsen)触媒)0.1g(0.16ミリモル)および第三−ブチルアルコール10mlの混合物に第三−ブチルアルコール5ml中50%過酸化水素水溶液1.0g(15ミリモル)の溶液を30分かけて60℃で添加する。反応物を一晩60℃で撹拌する。ガスクロマトグラフィーにより表題の化合物2.5%が反応混合物中に存在することが示される。
【0088】
実施例P40
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン
ヤコブセン触媒の代わりに塩化コバルト(II)六水和物0.25g(1.05ミリモル)を使用して実施例P39の手順を繰り返す。ガスクロマトグラフィーにより表題の化合物9%が反応混合物中に存在することが示される。
実施例P41
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水5ml中硫酸銅(II)五水和物0.25g(1.0ミリモル)を第三−ブチルアルコール120ml中2,2’−ジピリジル0.16g(1.0ミリモル)の溶液に添加する。この溶液に4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン8.6g(50ミリモル)を添加する。第三−ブチルアルコール13mlと混合した50%過酸化水素水溶液13.6g(200ミリモル)の溶液を23ないし40℃で3時間かけて上記反応混合物に滴下する。次いで上記混合物を周囲温度で72時間撹拌する。ガスクロマトグラフィーにより表題の化合物9%が反応混合物中に存在することが示される。
実施例P42
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水75mlに溶解された4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン34.5g(200ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液48.1g(0.71モル)を同時に6時間かけて35ないし45℃で、塩化銅(I)0.79g(8.0ミリモル)、水50ml、37%塩酸1.6mlおよび第三−ブチルアルコール400mlの混合物に添加する。反応混合物を一晩室温で撹拌する。反応混合物を40ないし45℃まで加熱し、塩化銅(I)1.78g、37%塩酸4.4mlおよび50%過酸化水素水溶液85g(1.25モル)により処理して残りのニトロキシル化合物を完全に反応させる。実施例P9の手順に従って仕上げを行い、ガスクロマトグラフィー分析をベースとして表題の化合物88%を含む黄褐色固体38.6gを得る。
【0089】
実施例P43
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水50ml中に溶解された4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)溶液および50%過酸化水素水溶液31.5g(0.46モル)を同時に3および4.5時間かけて、それぞれ塩化銅(II)二水和物0.69g(4.0ミリモル)、水25ml、37%塩酸0.8mlおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に35ないし50℃で添加する。反応混合物を45ないし50℃に保ち、塩化銅(II)二水和物0.32g、37%塩酸0.6mlおよび50%過酸化水素水溶液35.5g(0.52モル)により処理して残りのニトロキシル化合物を完全に反応させる。実施例P9の方法に従って仕上げを行い、ガスクロマトグラフィー分析をベースとして表題の化合物90%を含む白色固体17.1gを得る。
実施例P44
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水50ml中に溶解された4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)溶液および50%過酸化水素水溶液29.3g(0.43モル)を同時に3および4.25時間かけて、それぞれ硫酸銅(II)五水和物1.0g(4.0ミリモル)、水25ml、98%硫酸0.6mlおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に35ないし50℃で添加する。反応混合物を45ないし50℃に保ち、硫酸銅(II)五水和物0.44g、98%硫酸0.4mlおよび50%過酸化水素水溶液6.7g(98ミリモル)により処理して残りのニトロキシル化合物を完全に反応させる。実施例P9の方法に従って仕上げを行い、ガスクロマトグラフィー分析をベースとして表題の化合物95%を含む白色固体19.1gを得る。
【0090】
実施例P45
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水5ml、氷酢酸0.5ml、第三−ブチルアルコール60ml、および水5ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン5.4g(31.4ミリモル)の溶液を酢酸第一鉄0.166g(0.95ミリモル)に連続的に添加することにより調整された混合物に、水10ml中50%過酸化水素水溶液7.4g(109ミリモル)の溶液を5時間かけて43ないし60℃で添加する。次いで50%過酸化水素水溶液4.4g(65ミリモル)および水4mlの新鮮な溶液を上記反応混合物に60℃で添加する。上記混合物を一晩室温で撹拌する。
ガスクロマトグラフィー分析により、上記反応混合物には最初のニトロキシル含有量を基準として表題の化合物52%および未反応出発原料41%が含まれることが示される。
実施例P46
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
塩化第一鉄の代わりに塩化第一鉄および塩化第二鉄の混合物を使用して実施例P9の手順を繰り返す。
実施例P47
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
塩化第一鉄の代わりに塩化第二鉄および鉄粉末の混合物を使用して実施例P9の手順を繰り返す。
実施例P48およびP49に過酸化水素の代わりに過酸化第三ブチルを使用した場合の反応を示す。
【0091】
実施例P48
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水20mlに溶解した4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン5.2g(30ミリモル)の溶液および70%過酸化第三ブチル水溶液7.8g(61ミリモル)を同時に1時間かけて35ないし50℃で、塩化第二鉄六水和物0.33g(1.2ミリモル)、水8ml、37%塩酸0.2mlおよび第三−ブチルアルコール60mlの混合物に添加する。添加後、反応混合物を1時間45℃に保ち、次いで室温で3日間撹拌する。ガスクロマトグラフィーにより反応混合物中には表題の化合物3%が存在することが示される。
実施例P49
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
塩化第二鉄の代わりに塩化第一鉄を使用して実施例P48の手順を繰り返す。
実施例P50
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
この実施例では、50%過酸化水素水溶液の代わりに尿素および過酸化水素から形成された付加化合物を使用する。
水75mlに溶解された尿素−過酸化水素付加化合物52.2g(555ミリモル)の溶液および水29mlに溶解された濃硫酸3mlの溶液を調整する。両溶液の一部を同時に2時間かけて40℃で、硫酸第一鉄六水和物0.17g(61ミリモル)、4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン34.75g(202ミリモル)、第三−ブチルアルコール410mlおよび水70mlの混合物に添加する。新たに別の部の硫酸第一鉄六水和物0.485gを添加し、反応混合物を一晩45℃で16時間撹拌する。残りの過酸化物および酸溶液を同時に7時間45℃で反応混合物に添加する。濃硫酸(1.8ml)を添加し、混合物を室温で64時間撹拌する。反応混合物を45ないし50℃で6.5時間加熱した後、濃硫酸1.8mlおよび硫酸第一鉄六水和物0.101gを添加する。次いで反応混合物を45℃で16時間加熱し、最初の値の1%より低いニトロキシル濃度にさせる。実施例20に記載されているものと同様の手順に従って反応混合物を仕上げ、白色固体として生成物38.1g(77%収率)を得る。
ガスクロマトグラフィー分析により、反応生成物には約94%の表題の化合物が含まれることが示される。
【0092】
実施例P51
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例51ないし54に本方法における種々の酸の影響を示す。
水35ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液23.3g(342ミリモル)の溶液を同時に、2.5時間および6.5時間かけてそれぞれ、43℃に保たれた酢酸第一鉄0.527g(3.0ミリモル)、水20ml、トリフルオロ酢酸2.3gおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に添加する。過酸化物添加がほぼ完了したら、水5ml中酢酸第一鉄0.347g(2.0ミリモル)およびトリフルオロ酢酸1.25gの溶液を上記混合物に添加する。次いで新しい部の50%過酸化水素水溶液5.1g(75ミリモル)を90分かけて添加し、そして反応混合物を15時間42ないし45℃で撹拌する。実施例P9に記載されているものと同様の手順に従って反応混合物を仕上げ、白色固体として生成物17.5g(71%収率)を得る。
ガスクロマトグラフィー分析により、反応生成物には約92%の表題の化合物が含まれることが示される。
実施例P52
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水35ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液31.6g(464ミリモル)を同時に、2.5時間および15時間かけてそれぞれ、43ないし65℃に保たれたオキサル酸第一鉄二水和物0.561g(3.1ミリモル)、水20ml、オキサル酸二水和物1.26gおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に添加する。過酸化物添加後、反応混合物を7時間50ないし60℃で撹拌する。オキサル酸二水和物(1.26g)およびオキサル酸第一鉄二水和物0.380g(2.2ミリモル)を上記反応混合物に添加し、7時間65ないし80℃で撹拌を続ける。
ガスクロマトグラフィー分析により、立体障害性アミン含有量を基準として反応生成物は約86%の表題の化合物および4%より少ない出発原料が含まれることが示される。
【0093】
実施例P53
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水35ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液23.4g(344ミリモル)を同時に、2.5および6時間かけてそれぞれ、45℃に保たれた硫酸第一鉄六水和物0.563g(2.0ミリモル)、水10ml、メタンスルホン酸1.3mlおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に添加する。過酸化物添加の完了後、上記反応混合物を45℃で2時間撹拌する。
ガスクロマトグラフィー分析により、立体障害性アミン含有量を基準として反応生成物は約85%の表題の化合物および2%より少ない出発原料が含まれることが示される。
実施例P54
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
第三−ブチルアルコール120.5gおよび水108ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン46.5g(270ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液37.4g(550ミリモル)を同時に、3および11.5時間かけてそれぞれ、80℃に保たれた塩化第一鉄六水和物3.5g(12.9ミリモル)、水32ml、85%リン酸1.3gおよび第三−ブチルアルコール292mlの混合物に添加する。過酸化物添加の完了後、上記反応混合物を80℃に30分間保つ。
ガスクロマトグラフィー分析により、1%より少ない出発原料のニトロキシル化合物が残ることが示される。亜硫酸ナトリウムにより過剰の過酸化物を分解し、粗生成物をろ過し、14モル水酸化ナトリウム水溶液中で水素化ホウ素ナトリウムにより処理してガスクロマトグラフィーにより分析されたように表題の化合物71%収率を得る。
【0094】
実施例P55
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
この実施例は、金属塩の溶液が反応工程を通して反応混合物に滴下され得ることについて示す。
塩化第一鉄四水和物1.62g(8.1ミリモル)、37%塩酸2mlおよび水50mlの溶液および50%過酸化水素水溶液35.7g(525ミリモル)を同時に、13および16時間かけてそれぞれ、38ないし45℃に保たれた水100mlおよび第三−ブチルアルコール400ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン34.5g(200ミリモル)の混合物に添加する。過酸化物添加の完了後、上記反応混合物を40ないし45℃で8時間加熱する。
ガスクロマトグラフィー分析により、反応混合物は表題の化合物86%および5%より少ない出発原料のニトロキシル化合物を含むことが示される。
実施例P56
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例56−57に、反応温度を高めることの影響を示す。
水30ml中98%硫酸2mlの溶液および50%過酸化水素水溶液27.1g(398ミリモル)を同時に、5.5時間かけて43ないし45℃に保たれた硫酸第一鉄六水和物0.119g(0.43ミリモル)、水70ml、4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン34.6g(201ミリモル)および第三−ブチルアルコール410mlの混合物に添加する。過酸化物添加の完了後、上記反応混合物を45℃で20時間加熱する。
ガスクロマトグラフィー分析により、反応混合物は表題の化合物73%および出発原料のニトロキシル化合物18%を含むことが示される。
【0095】
実施例P57
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
50%過酸化水素水溶液27.7g(407ミリモル)および水30ml中98%硫酸2.2mlの溶液の90%を同時に、5.25時間および6.5時間かけて63ないし68℃に保たれた硫酸第一鉄六水和物0.115g(0.41ミリモル)、水70ml、4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン34.6g(201ミリモル)および第三−ブチルアルコール410mlの混合物に添加する。過酸化物添加の完了後、全過酸化物は6.5時間後に消費される。
ガスクロマトグラフィー分析により、反応混合物は表題の化合物76%および出発原料のニトロキシル化合物12%を含むことが示される。
実施例P58
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水20ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン10.0g(58.1ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液15g(220ミリモル)を同時に、1.5時間および7時間かけてそれぞれ、63ないし81℃に保たれたリン酸第二鉄四水和物0.394g(1.77ミリモル)、水13mlおよび第三−ブチルアルコール120mlの溶液に添加する。反応混合物を一晩室温で撹拌する。新たに50%過酸化水素水溶液1.0g(15ミリモル)を添加し、反応混合物を24時間80℃で撹拌してニトロキシル化合物を最初の量の1.5%より少ない量までにさせる。過剰量の過酸化物を亜硫酸ナトリウムにより分解する。
ガスクロマトグラフィー分析により、反応混合物は全立体障害性アミン含有量を基準として表題の化合物89%を含むことが示される。
【0096】
実施例P59
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水30ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン10.1g(58.7ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液16.3g(240ミリモル)を同時に、2時間および6時間かけてそれぞれ、60ないし79℃に保たれたピロリン酸第二鉄1.31g(1.76ミリモル)、水20mlおよび第三−ブチルアルコール120mlの溶液に添加する。反応混合物を一晩室温で撹拌する。上記反応混合物に第三−ブチルアルコール15ml、ピロリン酸第二鉄0.34g(0.46ミリモル)および50%過酸化水素水溶液3.8g(56ミリモル)を添加する。次いで上記混合物を10時間75ないし80℃で加熱する。過剰量の過酸化物を亜硫酸ナトリウムにより分解する。実施例P9に記載されたものと同様の手順で反応混合物を仕上げて、ガスクロマトグラフィー分析によると表題の化合物からなる白色固体として生成物10.2g(71%収率)を得る。
実施例P60
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
この実施例は、本方法における2種の異なる金属塩の組み合わせに関する効果を説明する。
硫酸第二銅五水和物0.13g(0.52ミリモル)、98%硫酸1mlおよび水15mlの溶液ならびに50%過酸化水素水溶液13.6g(200ミリモル)を同時に、3.5時間および4.25時間かけてそれぞれ、水50ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.4g(101ミリモル)を硫酸第一鉄五水和物0.14g(0.50ミリモル)、水10mlおよび第三−ブチルアルコール200mlの混合物に添加することにより調整された溶液に添加する。添加の間、反応混合物を40ないし45℃に保ち、次いで一晩室温で撹拌する。
ガスクロマトグラフィー分析により、出発化合物の77%が表題の化合物に転換することが示される。
【0097】
実施例P61
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートおよびビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートの混合物
登録商標DBE−3(二塩基性エステル,デュポン(DuPont),およそ9:1ジメチルアジペート:ジメチルグルタレートを有する。)から調整されたビス[1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートおよびビス[1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートの混合物168.4g、塩化第二鉄六水和物2.03g(7.5ミリモル)、37%塩酸1.5ml、第三−ブチルアルコール1.9mlおよび水262mlの混合物に40℃で50%過酸化水素水溶液159g(2.34モル)を滴下する。30時間の全反応時間後、温度を70℃まで高め、50%過酸化水素水溶液71g(1.04モル)を上記混合物に6時間かけて添加する。混合物を13時間65℃で撹拌後、更に50%過酸化水素水溶液71gを6時間かけて添加し、混合物を17時間かけて65℃で撹拌する。過剰量の過酸化物を亜硫酸ナトリウムにより分解する。上記混合物をろ過して固体を除去し、第三−ブチルアルコールおよび水のほとんどをヘプタンとの共沸により除去する。酢酸エチルにより残渣を抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液により上記溶液を洗浄する。溶媒を蒸発後、ヘキサン/酢酸エチルによりシリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより上記残渣を精製し、131.5ないし133℃で融解する白色固体84.1gを得る。128ないし130℃で融解する白色固体16.3gの二番目の収集物も得られる。
NMR分析により、白色固体の構造が、予想されていたアジペート/グルタレート反応生成物からなることが示される。
実施例P62
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートおよびビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートの混合物
実施例P61に記載された登録商標DBE−3から調整されたビス[1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートおよびビス[1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートの代わりに、登録商標DBE−2(二塩基性エステル,デュポン(DuPont),およそ3:7ジメチルアジペート:ジメチルグルタレートを有する。)から調整されたビス[1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートおよびビス[1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートの混合物を使用して実施例P61に示された手順を繰り返す。
【0098】
実施例P63
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水50ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン34.6g(201ミリモル)の溶液および50%過酸化水素水溶液25.2g(370ミリモル)を同時に、4時間および8時間かけてそれぞれ、80ないし85℃に保たれた硫酸第一鉄六水和物1.12g(4.0ミリモル)、水20ml、メタンスルホン酸1mlおよび第三−ブチルアルコール400mlの混合物に添加する。過酸化物添加の間、水2ml中硫酸第一鉄六水和物0.506g(1.8ミリモル)およびメタンスルホン酸0.3mlの溶液を反応混合物に添加する。過酸化物添加の後、上記混合物を80ないし85℃で30分間撹拌する。ガスクロマトグラフィーにより、1%より少ない出発原料のニトロキシルが残ることが示される。実施例P9に記載されたものと同様の手順で反応混合物を仕上げて、ガスクロマトグラフィー分析によると表題の化合物98%を含む白色固体40.8gを得る。
【0099】
新規化合物について説明する更なる実施例は以下の通りである。
実施例1
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンとシクロヘキサノールとの反応
30%過酸化水素水溶液55g(0.49モル)を4.25時間かけてシクロヘキサノール14g(0.14モル)およびシクロヘキサン150g中1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン23.5g(0.14モル)および塩化第一鉄四水和物4.0g(0.020モル)の混合物に滴下する。添加の間、反応温度を約40℃に保つ。上記過酸化物の添加が完了した後、反応混合物を40℃で3時間撹拌する。二番目の30%過酸化水素水溶液(10g,0.09モル)を添加し、そして反応混合物を40℃で7時間加熱する。上記混合物を室温まで冷却後、亜硫酸ナトリウム(5g)を添加する。反応温度を1時間で60℃まで注意深く上げ、過剰量の過酸化物を分解する。冷却下、有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮して茶色油状物22.6gを得る。上記油状物をシクロヘキサンに溶解し、シクロヘキサンおよび次いで1:2(v/v)のエタノール/シクロヘキサンを使用してシリカゲルに通し、黄色油状物16.5gを得る。
ガスクロマトグラフィー分析および質量分光測定分析により、上記生成物は少なくとも4種の1−(ヒドロキシシクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンの異性体からなる混合物であることが示される。
【0100】
実施例2
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート
30%過酸化水素水溶液73g(0.64モル)を第三−ブチルアルコール150gおよび水6g中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンイル)30.0g(0.059モル)および塩化第一鉄四水和物4.7g(0.024モル)の混合物に3.5時間かけて滴下する。過酸化物添加の間、反応温度を約40℃に保つ。添加が完了した後、40℃で4時間、反応混合物を撹拌する。反応混合物を酢酸エチル150gにより希釈する。20%亜硫酸ナトリウム水溶液100gを添加し、そして反応混合物を1.5時間、45ないし60℃で撹拌して過剰量の過酸化物を分解する。酢酸エチル100gを使用して水層を抽出し、収集された有機層を5%硫酸200gにより洗浄する。溶媒を蒸発させ、酢酸エチル:イソプロパノール:ヘキサンの4:1:5部(体積比)混合物を使用してシリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより精製された淡黄色の液体39.4gを得る。
1Hnmr(CDCl3):δ=3.65ppm(4H,−NOCH2−)
【0101】
実施例3
ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートとシクロヘキサノールの混合物
30%過酸化水素水溶液70g(0.62モル)を、シクロヘキサノール100g中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンイル)セバケート32.4g(0.063モル)および塩化第一鉄四水和物5.0g(0.025モル)の混合物に2.75時間かけて滴下する。添加の間、反応温度を40ないし45℃に保つ。次いで反応混合物を40℃で5時間撹拌し、そしてこの間に更に50%過酸化水素水溶液(5.0g,0.074モル)を反応混合物に2等量部に分けて添加する。翌日、反応混合物を40℃まで加熱し、もう一部の50%過酸化水素水溶液 (2.5g, 0.037モル)を添加し、更に5時間、混合物を40℃に保つ。20%亜硫酸ナトリウム水溶液100gを上記混合物に添加し、そして反応温度を70℃で45分間保ち、過剰の過酸化水素を分解する。収集された有機層を濃縮して151gの粗生成物を得る。水を添加し、水蒸気蒸留により残渣シクロヘキサノールを回収する。酢酸エチル:エタノール:ヘキサンの10:1:10部混合物を使用してシリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより、残った粗生成物50gを精製し、油状物32.9gを得る。
NMR分析により、上記油状物にはビス[1−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケートおよび該セバケート化合物の他の構造異性体が含まれることが示される。
【0102】
実施例4
4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとシクロヘキサノールの反応
50%過酸化水素水溶液50g(0.74モル)を1.75時間かけてシクロヘキサノール100g中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン35.0g(0.20モル)および塩化第一鉄四水和物10.0g(0.050モル)の混合物に添加する。添加の間、反応温度を約40ないし45℃に保つ。過酸化物添加が完了した後、反応混合物を40℃で5時間撹拌する。混合物を室温まで冷却し、20%亜硫酸ナトリウム水溶液100gを添加する。反応混合物を注意深く60℃で1時間加熱して過剰量の過酸化物を分解する。アセトンを有機層に添加した後、粗生成物混合物をろ過して固体を除去し、ろ液を濃縮する。水を添加し、水蒸気蒸留により残渣のシクロヘキサノールを除去する。ヘキサン:酢酸エチルの2:1(v/v)を使用してシリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより、粗生成物を精製し、黄色油状物36.3gを得る。
質量分光測定分析により、上記油状物が1−(ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび1−(ジヒドロキシシクロヘキシルオキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの異性体の混合物であることが示される。
【0103】
実施例5
2,4−ビス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ−6−クロロ−s−トリアジンとシクロヘキサノールの反応
50%過酸化水素水溶液30g(0.44モル)を2時間かけて、40ないし45℃でシクロヘキサノール150g中2,4−ビス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ−6−クロロ−s−トリアジン39.4g(0.070モル)と塩化第一鉄四水和物7.0g(0.035モル)の混合物に添加する。過酸化物添加が完了した後、反応混合物を40℃で10時間撹拌し、この間、更に50%過酸化水素水溶液19g(0.28モル)を添加する。反応混合物を50ないし65℃で4時間加熱している間、更に50%過酸化水素水溶液(25g,0.37モル)を添加する。反応混合物を20%亜硫酸ナトリウム100gの溶液により60℃で1時間処理し、残渣の過酸化物を分解する。有機層を濃縮して茶色油状物とし、シクロヘキサンにより3回および酢酸エチルにより一回抽出する。収集された抽出物を濃縮して黄色固体43.4gを得る。
実施例5A
2,4−ビス{N−[1−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−s−トリアジン
実施例5で得られた生成物とエタノールアミンおよび水酸化ナトリウム溶液とを反応させる。粗反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄する。酢酸エチルを使用して水層を抽出し、そして、収集された有機層を濃縮する。残渣を酢酸エチルに溶解し、次いでシクロヘキサンを添加する。茶色油状物を除去する。残りの溶液を濃縮し、粗生成物13.7gを得る。2:1(v/v)酢酸エチル/ヘキサンおよび次いで8:1(v/v)酢酸エチル/メタノールを使用して、シリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより粗生成物を精製して黄色油状物6.4gを得る。エタノール中に上記油状物を溶解し、60℃で1時間脱色炭素を使用して処理する。ろ過により固体を除去し、そして溶媒を蒸発させて、融点67ないし80℃を有するオフホワイト色の固体6.5gを得る。
NMR分析により、上記固体にはヒドロキシシクロヘキシルオキシおよびジヒドロキシシクロヘキシルオキシ構造異性体の混合物に加えて表題の化合物が含まれることが示される。
【0104】
実施例6
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
第三−ブチルアルコール25mlと混合した50%過酸化水素水溶液50.7g(0.75モル)を2時間かけて4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン25.8g(0.15モル)、塩化第一鉄四水和物8.95g(0.045モル)および第三−ブチルアルコール110mlの混合物に50℃で添加する。次いで反応混合物を50℃で6時間保ち、ガスクロマトグラフィーにより監視する。更に50%過酸化水素17.7g(0.26モル)を添加し、反応混合物を50℃で2時間以上加熱して、出発原料のニトロキシル化合物をほぼ完全に反応させる。反応混合物をろ過して固体を除去し、ろ液を水で希釈する。第三−ブチルアルコール−水 溶液を塩化メチレンで三回抽出し、水層を酢酸エチルで徹底的に抽出し、表題の化合物7.4gを得る。収集された有機層を飽和食塩水で一回洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濃縮してオレンジ色油状物21.7gを得る。3:2 ヘプタン:酢酸エチルを使用して、シリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより上記オレンジ色油状物を精製して更に表題の化合物12.4gおよび、ガスクロマトグラフィーで、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンの実際の試料と同じ保持時間を有する化合物4.2gを得る。
実施例6Aないし6Dに、実施例6記載の方法において配位子を添加する効果について説明する。
【0105】
実施例6A
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
40℃に加熱した第三−ブチルアルコール400mlに塩化第一鉄四水和物(0.99g、5.0ミリモル)を添加する。上記混合物を15分間撹拌し、そして2,2’−ジピリジル0.78g(5.0ミリモル)を上記第三−ブチルアルコール溶液に添加する。次いで上記溶液を5分間撹拌し、そして4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)を添加する。第三−ブチルアルコール100mlと混合した50%過酸化水素水溶液49g(0.72モル)の溶液を10時間かけて40ないし45℃で上記反応混合物に添加する。次いで、出発原料のニトロキシル化合物が反応するまで、反応混合物を45℃で4時間加熱する間に、更なる50%過酸化水素水溶液6g(0.088モル)を添加する。ガスクロマトグラフィー分析により、反応混合物には、実施例6における22面積%と比較して、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン6面積%が含まれることが示される。固体をろ過により除去し、そして水素化ホウ素ナトリウム1.5gを添加した後、ろ液を1時間撹拌する。ろ液を水により希釈し、そして混合物を徹底的に酢酸エチルにより抽出する。抽出物を濃縮して、表題の化合物の実際の試料と同じガスクロマトグラフィー保持時間を有する明るい黄褐色の結晶固体24.2gを得る。同様の実験で、最終生成物をヘプタンから数回結晶化し、127ないし131℃で融解する表題の化合物16.9g(69%収率)を得る。
【0106】
実施例6B
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
水5mlに溶解された塩化第一鉄0.80g(4ミリモル)の溶液に連続的にエチレンジアミンテトラ酢酸0.362g(1.2ミリモル)、第三−ブチルアルコール55mlおよび4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン17.2g(100ミリモル)を添加することにより製造された混合物に、第三−ブチルアルコール35mlと混合した50%過酸化水素水溶液32.3g(475ミリモル)の溶液を45ないし50℃で6時間かけて添加する。ガスクロマトグラフィー分析により、過酸化物添加の終了時には出発原料のニトロキシル化合物15%が残ることが示される。上記反応混合物を1時間、45ないし50℃、次いで72時間、25℃で撹拌し、反応を完了させる。ガスクロマトグラフィー分析により、反応混合物には1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン1部に対して7部の比率で表題の化合物が含まれる。
実施例6C
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
エチレンジアミンテトラ酢酸の代わりにトリフェニルホスフィンオキシドを使用して実施例6Bの手順を繰り返す。
実施例6D
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
エチレンジアミンテトラ酢酸の代わりにエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩を使用して実施例6Bの手順を繰り返す。
【0107】
実施例7
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペート
30ないし50℃で第三−ブチルアルコール中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペートおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。亜硫酸ナトリウム水溶液により過剰量の過酸化物を分解する。有機層を濃縮し、シリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、表題の化合物を得る。
実施例8
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレート
30ないし50℃で第三−ブチルアルコール中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレートおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。亜硫酸ナトリウム水溶液により過剰量の過酸化物を分解する。有機層を濃縮し、シリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、表題の化合物を得る。
実施例9
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]スクシネート
30ないし50℃で第三−ブチルアルコール中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネートおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。亜硫酸ナトリウム水溶液により過剰量の過酸化物を分解する。有機層を濃縮し、シリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、表題の化合物を得る。
【0108】
実施例10
ビス[1−(2−ヒドロキシ−1−フェネトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート
30ないし50℃でフェネチルアルコール中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。亜硫酸ナトリウム水溶液により過剰量の過酸化物を分解する。有機層を濃縮し、シリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、表題の化合物を得る。
実施例11
2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−6−クロロ−s−トリアジン
第三−ブチルアルコール150gおよび水15g中2,4−ビス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ−6−クロロ−s−トリアジン43.2g(0.076モル)および塩化第一鉄四水和物7.0g(0.035モル)の混合物に5時間かけて、2部に分けて、全量40g(0.59モル)の50%過酸化水素水溶液を添加する。温度を40ないし45℃に保ちながら、2.25時間で、更に50%過酸化水素水溶液(3g,0.044モル)を上記反応混合物に添加する。反応混合物を酢酸エチル100gで希釈する。20%亜硫酸ナトリウム水溶液100gを添加し、反応混合物を60℃で1時間加熱し、残存する過酸化物を分解する。水層を酢酸エチルで抽出し、収集された有機層を濃縮する。1:1(v/v)ヘキサン/酢酸エチルを使用してシリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、表題の化合物54.1gを得る。
【0109】
実施例12
2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−s−トリアジン
実施例11で製造された中間体とエタノールアミンおよび水酸化ナトリウムを反応させることにより表題の化合物を製造する。水層を除去し、残りの層をシクロヘキサンで抽出する。溶媒を減圧下で蒸発させ、1:2(v/v)ヘキサン/酢酸エチルを使用してシリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、110ないし120℃で融解する表題の化合物4.1gを得る。
1Hnmr(CDCl3):δ=3.54ppm(q,2H,NCH2);3.59ppm(s,4H,NOCH2)。
実施例13
実施例11の生成物とN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応
実施例11で製造された生成物とN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとを3:1のモル比で反応させる。生成物混合物には、N,N’,N”−トリス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミンおよびN,N’,N”’−トリス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミンが含まれる。
実施例14
2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−6−オクチルアミノ−s−トリアジン
実施例11で製造された化合物と過剰量のオクチルアミンとの反応により、68ないし86℃で融解するオフホワイト色ガラス状物質として表題の化合物を得る。
【0110】
実施例15
N,N’−ビス{4,6−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−s−トリアジン−2−イル}−1,6−ジアミノへキサン
実施例11で製造された化合物とヘキサメチレンジアミンを反応させることにより、表題の化合物を製造する。
実施例16A
4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと第三−ブチルアルコールとの反応
30ないし60℃で、第三−ブチルアルコール中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと塩化第一鉄四水和物の混合物に50%過酸化水素水溶液を添加する。亜硫酸ナトリウム水溶液で、過剰量の過酸化物を分解する。有機層を濃縮し、シリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの試料を得る。
実施例16B
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル メタクリレート
実施例16Aで製造された化合物とメタクリル酸メチルとを反応させることにより、表題の化合物を製造する。
【0111】
実施例17
4−アリルオキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
鉱物油中60%水素化ナトリウム8.4g(0.21モル)の懸濁液を何部かに分けて50℃で、ジグリーム無水物500ml中実施例16Aで得られる化合物49.1g(0.20モル)の溶液に添加する。次いで上記反応混合物に数時間かけて臭化アリル(20.8ml,29.1g,0.24モル)を添加し、混合物を50℃で7時間撹拌する。反応物を冷却し、2Nの塩酸で反応を停止させる。過剰の酸を中和するための炭酸ナトリウム飽和溶液を添加した後、有機層を濃縮し、黄色油状物である表題の化合物47.5g(83%収率)を得る。
実施例18
4−(2,3−エポキシプロポキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例16Aで製造された化合物とエピクロロヒドリンを反応させることにより、表題の化合物を得る。
実施例19
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル 3−{[[[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ]カルボニル]−アミノ]メチル}−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバメート
実施例16Aで製造された化合物と5−イソシアナト−1−(イソシアナトメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロン ジイソシアネート)を反応させることにより、表題の化合物を得る。
【0112】
実施例20
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]1,6−ヘキサンジカルバメート
実施例16Aで製造された化合物とヘキサメチレン ジイソシアネートを反応させることにより、表題の化合物を得る。
実施例20A
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]トルエン−2,4−ジカルバメート
実施例16Aで得られた化合物とトルエン−2,4−ジイソシアネートを反応させることにより、表題の化合物を得る。
実施例20B
1,3,5−トリス{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ]カルボニルアミノヘキシル}−2,4,6−トリオキソ−s−トリアジン
実施例16Aで得られた化合物と1,3,5−トリス[6−イソシアナトヘキシル]−2,4,6−トリオキソ−s−トリアジン(登録商標デスモデュー(DESMODUR) N−3390)を反応させることにより、表題の化合物を得る。
実施例21
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル アクリレート
実施例16Aで得られた化合物とアクリル酸メチルを反応させることにより、表題の化合物を得る。
【0113】
実施例22
2,4,6−トリス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−s−トリアジン
第三−ブチルアルコール100gおよび水9g中2,4,6−トリス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−s−トリアジン11.7g(0.011モル)および塩化第一鉄四水和物3.0g(0.015モル)の混合物に、1.25時間かけて30%過酸化水素水溶液40g(0.35モル)を添加する。過酸化物添加の間は、反応温度を60ないし65℃に保つ。反応温度を60に9.5時間保ちながら、上記反応混合物に2等部の50%過酸化水素水溶液(2g,0.29モル)を添加する。上記反応混合物を酢酸エチルで希釈し、室温まで冷却後、20%亜硫酸ナトリウム水溶液100gを添加する。反応混合物を60℃で1時間加熱し、過剰量の過酸化物を分解する。水層を酢酸エチルで抽出し、収集された有機層を濃縮する。2:1(v/v)シクロヘキサン/酢酸エチルを使用して、シリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、得られた物質を1:1(v/v)シクロヘキサン/アセトンにより粉末化し、172ないし176℃で融解する白色固体として表題の化合物4.0gを得る。
実施例23A
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンと第三−ブチルアルコールとの反応
30ないし60℃で、第三−ブチルアルコール中1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンおよび塩化第一鉄の混合物に、過酸化水素水溶液を添加する。過剰量の過酸化物を亜硫酸ナトリウム水溶液で分解する。有機層を濃縮し、残渣を閃光クロマトグラフィーにより精製し、望ましい1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンを得る。
【0114】
実施例23B
4−ブチルアミノ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
パル(Parr)装置を使用して3気圧で、ブチルアミン、実施例23Aで製造された化合物および触媒量の炭素上5%白金の混合物を水素化する。ろ過により触媒を除去し、溶媒を蒸発させて表題の化合物を得る。
実施例24
4−トリメチルシリルオキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例16Aで得られた化合物12.25g(0.050モル)、トリエチルアミン8.5mlおよびテトラヒドロフラン無水物125mlの混合物に、60℃で15分かけてクロロトリメチルシラン(6.4ml,0.050モル)を添加する。反応混合物を60℃で2時間撹拌し、次いで室温で1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を水およびジクロロメタンの間で分配する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濃縮して黄色油状物として表題の化合物14.6g(92%収率)を得る。
実施例25
4−ベンゾイルオキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
30ないし60℃で、第三−ブチルアルコール中4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に50%過酸化水素水溶液をゆっくり添加する。過剰量の過酸化物を亜硫酸ナトリウム水溶液で分解する。有機層を濃縮し、残渣を閃光クロマトグラフィーにより精製し、表題の化合物を得る。
【0115】
実施例26
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[3−(トリメチル−シリル)プロポキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
イソプロピルアルコール中で、実施例17で製造された化合物とトリメチルシランおよび六塩化白金(IV)酸水素とを反応させることにより、表題の化合物を製造する。
実施例26A
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[3−(ジエチルメチルシリル)プロポキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例17で得られた化合物28.5g(0.10モル)、ジエチルメチルシラン14.5ml(0.10モル)、およびイソプロピルアルコール中2%六塩化白金(IV)酸水素の溶液1mlの混合物を還流下で4時間加熱する。反応混合物を真空下で蒸留し、粘性の淡黄色油状物を得る。質量分光測定により、上記反応生成物は387の分子イオンを有し、これは表題の化合物の形成と一致するものである。
実施例27
テトラキス{3−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ]プロピル}−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
実施例17で得られた化合物30.3g(0.106モル)、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン6.3ml(0.026モル)およびイソプロピルアルコール中六塩化白金(IV)酸水素の2%溶液1mlの混合物を100℃で4時間加熱することにより表題の化合物を得る。反応混合物を冷却し、ジクロロメタンおよび水との間で分配する。有機層をろ過して減圧下で蒸発させ、粘性オレンジ色油状物として表題の化合物31.7g(98%収率)を得る。
実施例28
ポリ{[3−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ]プロピル]メチル}シラン
実施例17で得られた化合物とポリ(メチルシラン)およびイソプロピルアルコール中六塩化白金(IV)酸水素とを反応させることにより、表題の化合物を製造する。
【0116】
実施例29
トリメチルシロキシ基を末端基とするポリ{[3−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ]プロピル]メチル}シロキサン
実施例17で得られた化合物29.6g(0.104モル)、ポリ(メチルヒドロシロキサン)6.8g(0.004モル)であってトリメチルシロキシ基を末端基とし、平均分子量が1700であるもの、およびイソプロピルアルコール中六塩化白金(IV)酸水素の1%溶液1mlの混合物を100℃で1時間加熱することにより、表題の化合物を製造する。得られた重合体物質を部分的に熱ジクロロメタンに溶解し、懸濁液を熱水で抽出する。有機層を濃縮して白色、ゴム状固体として表題の化合物34.7gを得る。
439.591025.5103Si27.5(出発原料においてn=25.5)に関する元素分析:
計算値:C,58.82;H,10.21;N,3.97
実測値:C,59.62;H,10.11;N,3.08
実施例30
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートおよびビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートの混合物
実施例16Aで製造された化合物、DBE−2 ジメチルエステル混合物(デュポン(DuPont))、およびリチウムアミドの混合物をキシレン中で還流下で加熱する。メタノールを反応混合物から蒸留する。希釈鉱物酸により反応混合物の反応を停止させ、有機層を水により洗浄し、そして無水硫酸マグネシウム上で乾燥させる。減圧下でキシレン溶液を蒸発させて表題の化合物の混合物を得る。
【0117】
実施例30A
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]アジペートおよびビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]グルタレートの混合物
塩化第二鉄、塩酸、水、第三−ブチルアルコールならびにDBE−3二塩基性エステル(登録商標デュポン(DuPont))から製造されたビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペートおよびビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレートの混合物に50%過酸化水素水溶液を滴下する。過剰量の過酸化物を亜硫酸ナトリウム水溶液で分解する。反応混合物をろ過し、そして溶媒を蒸発させる。ヘキサン/酢酸エチルを使用して、残渣をシリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより精製し、白色固体(融点131.5ないし133℃)の表題の化合物を得る。
実施例30B
ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]グルタレートおよびビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]スクシネートの混合物
DBE−9,ジメチルエステル混合物(デュポン(DuPont))を使用して実施例30の手順を繰り返し、表題の混合物を得る。
実施例31
ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートとネオペンチルアルコールとの反応
実施例25の手順に従って、ネオペンチルアルコール中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートと塩化第一鉄の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
【0118】
実施例32
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンとネオペンチルグリコールとの反応
実施例25の手順に従って、ネオペンチルアルコール中1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンと塩化第一鉄の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例33
4−オクタデカノイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと第三−アミルアルコールとの反応
実施例25の手順に従って、第三−アミルアルコール中4−オクタデカノイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと塩化第一鉄の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例33A
4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと2−メチル−2−ブタノールとの反応
水50ml中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン34.5g(0.20モル)の溶液および50%過酸化水素水溶液22.5gを90ないし95℃で、硫酸第一鉄六水和物 全量1.88g、メタンスルホン酸2.05g、水20mlおよび2−メチル−2−ブタノール(第三−アミルアルコール)450mlを含む混合物に添加する。反応を6時間で完了させる。反応混合物をろ過して固体を除去し、亜硫酸ナトリウム、続いて塩基性水素化ホウ素ナトリウムとともに、ろ液を撹拌する。水層を除去し、有機層を濃縮し、ヘキサン/酢酸エチルを使用してシリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより精製し、黄色油状物46.3gを得る。ガスクロマトグラフィー−質量分光測定分析により、上記生成物は3つの主成分の混合物であることが明らかとなり、該主成分は全て分子量259であり、これは出発原料のニトロキシル化合物への第三−アミルアルコールの付加に相当する。
実施例33B
実施例33Aの反応生成物とステアリン酸メチルとのエステル交換
実施例33Aで得られた反応生成物44.8g(0.173モル)、ステアリン酸メチル47.1g(0.158モル)、リチウムアミド0.223gおよびトルエンの混合物を還流下で加熱する。反応混合物から、いくらかのトルエンと一緒にメタノールを蒸留する。希釈酢酸により反応混合物の反応を停止し、反応混合物を水、希釈炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で十分に洗浄する。上記トルエン溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して固体を得る。ヘキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲル上閃光クロマトグラフィーによる精製により、オフホワイトの固体生成物(融点38ないし43℃)70.0gを得る。
【0119】
実施例34
4−ベンゾイルオキシ−1−(2−ヒドロキシシクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
クロロベンゼン中2−ブロモシクロヘキサノールおよび過剰量の4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの溶液に水素化トリブチル錫を滴下する。上記混合物を加熱し、反応を促進する。ヘプタン、次いでヘプタン/酢酸エチルを使用して、上記粗反応混合物をシリカゲルに通し、シス/トランス異性体の混合物である表題の化合物を得る。
実施例35
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシシクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例34で製造された化合物を、メタノール中水酸化カリウム溶液中で加熱することにより、表題の化合物を得る。
実施例36
4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとプロピレングリコールとの反応
実施例25の手順に従って、プロピレングリコール中4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
【0120】
実施例37
4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとトリメチレングリコールとの反応
実施例25の手順に従って、トリメチレングリコール中4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例38
ビス[1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート
クロロベンゼン中2−ヨードメタノールおよび過剰量のビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートの溶液に水素化トリブチル錫を滴下する。ヘプタン、次いでヘプタン/酢酸エチルを使用して、上記粗反応混合物をシリカゲルに通し、表題の化合物を得る。
実施例39
ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートとイソプロパノールとの反応
実施例25の手順に従って、イソプロパノール中ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
【0121】
実施例40
4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと1,4−ブタンジオールとの反応
実施例25の手順に従って、1,4−ブタンジオール中4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例41
4−ヘキシルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとピナコールとの反応
実施例25の手順に従って、ピナコール中4−ヘキシルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例42
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンとグリセロールとの反応
実施例25の手順に従って、グリセロール中1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
実施例43
4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと2−エチル−1−ヘキサノールとの反応
実施例25の手順に従って、2−エチル−1−ヘキサノール中4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。
【0122】
実施例44
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例16Aで得られた化合物12.11g(49.4ミリモル)、ヘキサデカン酸メチル(パルミチン酸メチル)12.11g(44.8ミリモル)、リチウムアミド0.76gおよびトルエンの混合物を還流下で加熱する。反応混合物から、いくらかのトルエンと一緒にメタノールを蒸留する。希釈酢酸により反応混合物の反応を停止し、反応混合物を水性メタノール、希釈炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で十分に洗浄する。上記トルエン溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して固体を得る。ヘキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲル上閃光クロマトグラフィーによる精製により、固体18gを得る。メタノールからの再結晶により、融点60ないし64℃の白色固体として表題の化合物10.7gを得る。
実施例44A
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例16Aで得られた化合物8.40g(34.2ミリモル)、エイコサン酸メチル10.17g(31.1ミリモル)、リチウムアミド0.35gおよびトルエンの混合物を還流下で加熱する。希釈酢酸により反応混合物の反応を停止し、反応混合物を水性メタノール、希釈炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で十分に洗浄する。上記トルエン溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して固体を得る。ヘキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲル上閃光クロマトグラフィーによる精製により、融点69ないし73℃の白色固体として表題の化合物9.9gを得る。
実施例44B
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−(2−エチルヘキサノイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例16Aで得られた化合物51.6g(0.210モル)、2−エチルヘキサン酸メチル30.6g(0.193モル)、リチウムアミド1.26gおよびトルエンの混合物を還流下で加熱する。反応混合物から、いくらかのトルエンと一緒にメタノールを蒸留する。希釈酢酸により反応混合物の反応を停止し、反応混合物を水性メタノール、希釈炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で十分に洗浄する。上記トルエン溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して黄色液体を得る。ヘキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲル上閃光クロマトグラフィーによる精製により淡黄色油状物として表題の化合物51.0gを得る。
【0123】
実施例44C
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例16Aで得られた化合物72.7g(0.297モル)、ドデカン酸メチル(ラウリン酸メチル)51.9g(0.242モル)、リチウムアミド0.43gおよびトルエンの混合物を還流下で加熱する。反応混合物から、いくらかのトルエンと一緒にメタノールを蒸留する。希釈酢酸により反応混合物の反応を停止し、反応混合物を水性メタノール、希釈炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で十分に洗浄する。上記トルエン溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して固体を得る。ヘキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲル上閃光クロマトグラフィーによる精製により融点46ないし48℃の白色固体として表題の化合物96.7gを得る。
実施例45
N,N’,N”,N”’−テトラキス{2,4−ビス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミンとシクロヘキサノールとの反応
実施例4の方法に従って、シクロヘキサノール中N,N’,N”,N”’−テトラキス{2,4−ビス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン混合物と過酸化水素水溶液および塩化第一鉄四水和物とを反応させる。133ないし175℃で融解する白色固体を得る。
【0124】
実施例46
2,4,6−トリス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−s−トリアジンとシクロヘキサノールとの反応
実施例4の方法に従って、シクロヘキサノール中2,4,6−トリス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−s−トリアジン混合物と過酸化水素水溶液および塩化第一鉄四水和物とを反応させる。明るい茶色油状物を得る。
実施例47
ビス[1−(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル] セバケート
クロロベンゼン中3−ブロモ−1−プロパノールおよび過剰量のビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートの溶液に水素化トリブチル錫を滴下する。上記混合物を加熱して反応を促進する。ヘプタン、次いでヘプタン/酢酸エチルを使用して、上記粗反応混合物をシリカゲルに通し、表題の化合物を得る。
実施例48
ビス[1−(12−ヒドロキシ−1−ドデシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル] セバケート
クロロベンゼン中12−ブロモ−1−ドデカノールおよび過剰量のビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートの溶液に水素化トリブチル錫を滴下する。上記混合物を加熱して反応を促進する。ヘプタン、次いでヘプタン/酢酸エチルを使用して、上記粗反応混合物をシリカゲルに通し、表題の化合物を得る。
【0125】
実施例49
ビス[1−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート
クロロベンゼン中1−ブロモ−1−プロパノールおよび過剰量のビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートの溶液に水素化トリブチル錫を滴下する。上記混合物を加熱して反応を促進する。ヘプタン、次いでヘプタン/酢酸エチルを使用して、上記粗反応混合物をシリカゲルに通し、表題の化合物を得る。
実施例50
実施例11の生成物とN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと実施例11の生成物を1:3.0ないし1:3.5モル比で反応させる。生成物混合物にはN,N’,N”−トリス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、N,N’,N”’−トリス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、およびN,N’,N”,N”’−テトラキス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミンが含まれる。
実施例51
N,N’,N”,N”’−テトラキス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン
実施例7の手順に従って、N,N’,N”,N”’−テトラキス{2,4−ビス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、塩化第一鉄および第三−ブチルアルコールの混合物に過酸化水素水溶液を添加することにより、表題の化合物を製造する。
【0126】
実施例51A
N,N’,N”’−トリス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン
実施例7の手順に従って、N,N’,N”’−トリス{2,4−ビス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、塩化第一鉄および第三−ブチルアルコールの混合物に過酸化水素水溶液を添加することにより、表題の化合物を製造する。
実施例51B
N,N’,N”−トリス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレン ジイミノジプロピルアミン
実施例7の手順に従って、N,N’,N”−トリス{2,4−ビス[N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、塩化第一鉄および第三−ブチルアルコールの混合物に過酸化水素水溶液を添加することにより、表題の化合物を製造する。
実施例52
実施例11の生成物とN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと実施例11の生成物を1:4.0モル比で反応させる。生成物混合物にはN,N’,N”−トリス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、N,N’,N”’−トリス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、およびN,N’,N”,N”’−テトラキス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミンが含まれる。
【0127】
実施例53A
2−{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−4,6−ジクロロ−s−トリアジン
実施例23Bで製造された化合物を等モル量の塩化シアヌルおよび炭酸ナトリウムと0℃で反応させ、表題の化合物を得る。
実施例53B
N,N’−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミン
実施例23Aで得られた化合物、ヘキサメチレンジアミン、メタノールおよび触媒量の炭素上5%白金を50psiで水素化することにより表題の化合物を得る。
実施例53C
N,N’−ビス{2−[N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−4−クロロ−s−トリアジン−6−イル}−N,N’−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミン
キシレン中で、60ないし80℃で、実施例53Aおよび実施例53Bで製造された化合物二種を2:1モル比で、酸捕捉剤である水酸化ナトリウムと反応させることにより表題の化合物を得る。
【0128】
実施例53D
2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジン−6−イル基を末端とするN−{2−[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー
実施例53Bおよび53Cで製造された化合物を2:1モル比で、キシレン溶液中で100ないし160℃で、酸捕捉剤である水酸化ナトリウムと一緒に混合する。次いで、同一条件下で反応混合物を2,4−ビス(ジブチルアミノ)−6−クロロ−s−トリアジンにより処理し、以下の構造式に見られるような、繰り返し単位数の低い(2、4、6、8)、2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジン−6−イル部分を末端とするオリゴマー生成物を得る。
【化44】
Figure 0004757977
【0129】
実施例54
2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジン−6−イル基を末端とするN−{2−[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンおよびN,N’−ビス{2−[N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−4−クロロ−s−トリアジン−6−イル}−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンを2:1モル比で、キシレン中で100ないし160℃で、酸捕捉剤である水酸化ナトリウムと一緒に混合する。次いで、同一条件下で反応混合物を2,4−ビス(ジブチルアミノ)−6−クロロ−s−トリアジンにより処理する。1,2−ジクロロエタンのような不活性溶媒中でヒドロ過酸化第三ブチルおよび触媒量の酸化モリブデンとともに、得られたオリゴマーの混合物を加熱し、相当するN−オキシル化合物を形成させる。次いで、実施例7の手順に従って、第三ブチルアルコール中上記N−オキシル化合物および塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。最終生成物は実施例53Dにおけるようなオリゴマーの混合物であるが、個々の成分の比率は実施例53Dにおけるものと同じではないであろう。
【0130】
実施例55
2−ブチルアミノ−4−{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−ブチルアミノ−s−トリアジン−6−イル基を末端とするN−{2−[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー
実施例53Aおよび53Bで製造された化合物の混合物を1.33:1.0モル比で、キシレン中で100ないし160℃で、酸捕捉剤である水酸化ナトリウムを使用して、加熱することにより表題の化合物を得る。次いで同一条件下でジブチルアミンを上記反応混合物に添加し、反応を完了させる。生成物はオリゴマーの混合物であり、以下の構造式に見られるような1ないし4個の繰り返し単位を有するものである。
【化45】
Figure 0004757977
【0131】
実施例56
2−ブチルアミノ−4−{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−ブチルアミノ−s−トリアジン−6−イル基を末端とするN−{2−[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー
実施例53Bおよび53Cで製造された化合物の混合物を0.5:1モル比で、キシレン中で100ないし160℃で、酸捕捉剤である水酸化ナトリウムを使用して、加熱することにより表題の化合物を得る。次いで同一条件下でジブチルアミンを上記反応混合物に添加し、反応を完了させる。生成物はオリゴマーの混合物であり、以下の構造式に見られるような1、3、5および7個の繰り返し単位を有するものである。
【化46】
Figure 0004757977
【0132】
実施例57
2−ブチルアミノ−4−{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−ブチルアミノ−s−トリアジン−6−イル基を末端とするN−{2−[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンおよびN,N’−ビス{2−[N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−4−クロロ−s−トリアジン−6−イル}−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンを0.5:1モル比で、キシレン中で100ないし160℃で、酸捕捉剤である水酸化ナトリウムとともに混合する。次いで同一条件下でジブチルアミンを上記反応混合物に添加する。1,2−ジクロロエタンのような不活性溶媒中でヒドロ過酸化第三ブチルおよび触媒量の三酸化モリブデンとともに、得られたオリゴマーの混合物を処理し、相当するN−オキシル化合物を形成させる。次いで、実施例7の手順に従って、第三ブチルアルコール中上記N−オキシル化合物および塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。最終生成物は実施例56で製造されたオリゴマーの混合物であるが、個々の成分の比率は実施例56の生成物と同じではないであろう。
【0133】
実施例58
アセチル基を末端とするN−{2−[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー
実施例53Bおよび53Cで製造された化合物を2:1モル比で、キシレン中で100ないし160℃で、酸捕捉剤である水酸化ナトリウムを使用して、加熱することにより表題の化合物を得る。反応が完了したら、減圧下で反応混合物を濃縮する。室温で反応混合物に酢酸無水物を添加し、次いで該混合物を130℃で加熱する。粗混合物を冷却して、炭酸カリウムにより中和する。反応混合物を減圧下で濃縮する。生成物はオリゴマーの混合物であり、以下の構造式に見られるような2、4および6個の繰り返し単位を有するものである。
【化47】
Figure 0004757977
【0134】
実施例59
アセチル基を末端とするN−{2−[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー
実施例58の手順に従って、2,4−ビス(ジブチルアミノ)−6−クロロ−s−トリアジンの代わりに酢酸無水物を使用することを除いて、実施例54を繰り返す。最終生成物は実施例58に記載されたようなオリゴマーの混合物であるが、個々の成分の比率は実施例58で製造された生成物と同じではないであろう。
実施例60
ポリ[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル メタクリレート
実施例16Bで得られる化合物の遊離ラジカル重合から、表題の化合物を製造する。上記ポリマーの平均分子量は1500ないし3000amuである。
実施例61
ポリ[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル アクリレート
実施例21で得られる化合物の遊離ラジカル重合から、表題の化合物を製造する。上記ポリマーの平均分子量は1500ないし3000amuである。
【0135】
実施例62
1,4−ビス(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−イルオキシ)−2−ブタノール
クロロベンゼン中1,4−ジブロモ−2−プロパノールおよび過剰量の4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの溶液に水素化トリブチル錫を滴下する。混合物を加熱して反応を促進する。ヘプタン、次いでヘプタン/酢酸エチルを使用して粗反応混合物をシリカゲルに通し、表題の化合物を得る。
実施例63
1,3−ビス(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−イルオキシ)−2−プロパノール
クロロベンゼン中1,3−ジブロモ−2−プロパノールおよび過剰量の4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの溶液に水素化トリブチル錫を滴下する。混合物を加熱して反応を促進する。ヘプタン、次いでヘプタン/酢酸エチルを使用して粗反応混合物をシリカゲルに通し、表題の化合物を得る。
実施例64
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1,3−ジイルビス{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル](1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル) セバケート
実施例2で得られた粗反応生成物から高圧液体クロマトグラフィーにより表題の化合物を単離する。
【0136】
実施例65
1,3−ビス(4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−イルオキシ)−2−メチル−2−プロパノール
30ないし50℃で、第三−ブチルアルコール中4−オクタデカノイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび塩化第一鉄四水和物の混合物に過酸化水素水溶液を添加する。亜硫酸ナトリウム水溶液により過剰量の過酸化物を分解する。有機層を濃縮して、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび表題の化合物からなる混合物を得る。上記混合物から高圧液体クロマトグラフィーにより表題の化合物を分離する。
実施例66
1,3−ビス(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−イルオキシ)−2−メチル−2−プロパノール
実施例16Aで得られた粗反応生成物から高圧液体クロマトグラフィーにより表題の化合物を単離する。
実施例67
1,3−ビス(4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−イルオキシ)−2−メチル−2−プロパノール
実施例23Aで得られた粗反応生成物から高圧液体クロマトグラフィーにより表題の化合物を単離する。
【0137】
実施例68
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル ヘキサノエート
蒸留によりメタノールを除去しながら、ヘキサン酸メチル、実施例16Aで製造された化合物、リチウムアミドおよびキシレンの混合物を還流下で加熱することにより、表題の化合物を製造する。
実施例69
4−ベンゾイルオキシ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
クロロベンゼン中2−ヨードエタノールおよび4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの溶液に水素化トリブチル錫を滴下する。ヘプタン、次いでヘプタン/酢酸エチルを使用して粗反応混合物をシリカゲルに通し、表題の化合物を得る。
実施例70
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例69で得られた化合物と水酸化カリウムのメタノール溶液を加熱することにより表題の化合物を製造する。
【0138】
実施例71
ポリ[4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル スクシネート]
スクシン酸ジメチルと実施例70で製造された化合物の約等モル量を反応させることにより、表題の化合物を製造する。
実施例72
ポリ[4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシシクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル スクシネート]
スクシン酸ジメチルと実施例35で製造された化合物の約等モル量を反応させることにより、表題の化合物を製造する。
実施例73
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
ステアリン酸メチル、実施例16Aで製造された化合物および触媒量のリチウムアミドの混合物をキシレン中で、還流下で加熱する。反応混合物からメタノールを蒸留する。希釈酸により反応を停止させる。有機層を濃縮し、そして粗生成物をシリカゲル上閃光クロマトグラフィーにより精製して、51ないし56℃で融解する白色固体として表題の化合物を得る。
【0139】
実施例73A
1−(4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−イルオキシ)−2−オクタデカノイルオキシ−2−メチルプロパン
実施例16Aで製造された化合物と過剰量のステアリン酸メチルおよび触媒量のリチウムアミドとをキシレン中で反応させることにより、表題の化合物を製造する。
実施例74
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−1−フェネトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例10で得られる化合物と水酸化カリウムとのメタノール溶液を加熱することにより、表題の化合物を製造する。
実施例75
ポリ[4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル スクシネート]
スクシン酸ジメチルと実施例74で製造された化合物の約等モル量を反応させることにより、表題の化合物を製造する。
【0140】
実施例76
熱可塑性オレフィンの安定化
顔料、ホスフィット、フェノール系酸化防止剤またはヒドロキシルアミン、金属ステアレート、紫外線吸収剤もしくは立体障害性アミン安定剤、または紫外線吸収剤および立体障害性アミン安定剤の混合物を含む熱可塑性オレフィン(TPO)ペレットを射出成形することにより成形試験用試料を製造する。
純粋な顔料または顔料濃縮物、補助添加剤および市販で入手可能なTPOから、汎用スクリュー(24:1 L/D)を有するスーペリア/MPM 1”(Superior/MPM 1”)一軸スクリュー押出機において400oF(200℃)で上記成分を混合すること、水浴で冷却し、ペレット化することにより、着色TPOペレットを製造する。得られたペレットを約375oF(190℃)で、ボイ30エム射出成形装置(BOY 30M Injection Molding Machine)において成形して60ミル(0.006インチ),2”×2”のプラックとする。
その場で反応するコポリマーであるゴム変性剤とブレンドされたポリプロピレン;またはプロピレンおよびエチレンのコポリマーを含み、エチリデンノルボルネンのような第三成分を伴う、もしくは伴わないブレンド生成物からなる着色TPO配合物を、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンまたは立体障害性フェノール系酸化防止剤からなり、有機リン化合物を伴う、もしくは伴わない塩基性安定化系により安定化する。
最終配合物における全ての安定剤および顔料濃度を、樹脂を基準とした重量%で表現する。
【0141】
配合物には熱可塑性オレフィンおよび以下の成分:
0.0ないし2.0% 顔料;
0.0ないし50.0% タルク;
0.0ないし0.1% ホスフィット;
0.0ないし1.25% フェノール系酸化防止剤;
0.0ないし0.1% ヒドロキシルアミン;
0.05ないし0.10% ステアリン酸カルシウム;
0.0ないし1.25% 紫外線吸収剤;
0.0ないし1.25% 立体障害性アミン;の一種またはそれ以上が含まれる。
押出および成形の前に、上記成分をタンブルドライヤーで乾燥ブレンドする。
金属フレームに試験プラックを置き、ブラックパネル温度70℃、340ナノメートルで0.55W/M2および湿度50%で断続的な光/闇サイクルおよび水噴霧を伴うアトラスCi65キセノン アーク ウェザー−オーメーターで暴露する(自動車技師の会−SAE J 1960 試験法(Society of Automotive Engineers - SAE J 1960 Test Procedure))。ASTM D 2244−79に従って、約625キロジュール間隔で、アプライド カラー システム(Applied Color Systems)分光光度計で参照モードにより色測定を実行することにより試料を試験する。得られたデータにはデルタE、L*、a*およびb*値が含まれる。ASTM D 523に従って、60°でBYK−ガードナー曇り/光沢メーター(BYK-Gardner Haze/Gloss Meter)で光沢測定を行う。
【0142】
紫外線暴露試験
紫外線照射に暴露した試験試料は、光安定剤系が2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(登録商標チヌビン(TINUVIN)328,チバ(Ciba))、実施例73の化合物およびN,N’,N”,N’”−テトラキス[4,6−ビス(ブチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン(登録商標チマソルブ(CHIMASSORB)119,チバ)の組み合わせからなる場合、光分解に対する例外的な耐性を示す。対照試料は、紫外線安定性を分与するために工業分野で使用されている市販の安定剤配合物からなる。全ての試料には顔料、ピグメント レッド(Pigment Red)177およびタルクが含まれる。
前述された試験プラックには以下のものが含まれる(全ての濃度は樹脂を基準とした重量%である。)。
ポリマー基材は、市販で入手可能なポリオレフィンブレンド;エー.シュルマン インコーポレーテッド,アコロン,オハイオ州(A. Schulman Inc. Akron, Ohio)から供給される登録商標ポリトロープ(POLYTROPE)TPP518−01である。
カラーパッケージは、0.025%レッド 3B−ピグメント レッド177,C.I. #65300である。
それぞれのプラックには以下の成分:
0.2% 登録商標チヌビン328;
0.1% ステアリン酸カルシウム;および
15%タルク:が含まれる。
対照プラックには付加的に、
0.1% 登録商標イルガノックス(IRGANOX) B225(登録商標イルガノックス1010(チバ)(ネオペンタンテトライル テトラキス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルヒドロシンナメート)および登録商標イルガホス(IRGAFOS) 168(チバ)[トリス−(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ホスフィット]の50:50ブレンド);
0.2% 登録商標チヌビン770(チバ)[ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル) セバケート];
0.2% 登録商標チマソルブ944(チバ)[4,4’−ヘキサメチレン−ビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と2,4−ジクロロ−6−第三−オクチルアミノ−s−トリアジンとの重縮合成生物];が含まれる。
二種の試験プラック(NOR−1およびNOR−2)には、それぞれ、0.05% N,N,−ジアルキルヒドロキシルアミン:が含まれる。
NOR−1には付加的に:
0.2% 登録商標チマソルブ119;および
0.2% 登録商標チヌビン123(チバ)[ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル) セバケート]:が含まれる。
NOR−2には付加的に:
0.2% 登録商標チマソルブ119;および
0.2% 実施例73の化合物:が含まれる。
【0143】
紫外線試験の結果を以下の表に示す。
Figure 0004757977
試験プラックNOR−2に存在する実施例73の化合物は、有効性の低い対照の系と比較して非常に改良された光沢保持性を特に示し、また、実際、試験プラックNOR−1に存在する相関のある立体障害性アミン化合物(登録商標チヌビン123)よりも効果的である。紫外線照射における変色に対する耐性もまた増加している。
不飽和の第三成分が含まれるポリマーブレンド、例えばEPDMブレンドでは、上述された、より能率的な光安定剤系が特に有効である。
全ての場合において、上記光安定剤配合物は、光分解に対して、上述された紫外線暴露条件下で素早く損傷する安定化されていない試料におけるものより大きな耐性を示す。
【0144】
実施例77
着色性TPO
実施例76に記載されているように、本発明の化合物、顔料および他の補助安定剤を含む熱可塑性オレフィン(TPO)ペレットを射出成形することにより成形試験用試料を製造する。
1パック−ペイント系で光安定性配合物を着色し、TPO/ペイント相互作用に関して試験する。ペイント後、最初に試験試料をGM998−4801に従って洗浄し、15分間、200oF(94℃)で乾燥する。厚さ0.2ないし0.4ミルの乾燥フィルムに定着剤を適用する。1Kベースコートを厚さ1.2ないし1.4ミルのフィルムに適用する。ペイントされたパネルを3分間乾燥し、次いで透明コートを厚さ1.2ないし1.5ミルの乾燥フィルムに適用し、続いて10分間のフラッシュ乾燥および250oF(121℃)で30分間のオーブン焼付する。
乾燥定着性試験(Aggressive Adhesion Testing)(テクニカル フィニッシング,インコーポレイテッド(Technical Finishing, Inc.)で導入された特許試験手順)およびテーバー スカフ(Taber Scuff) によりペイント定着性を測定する。80%より大きいペイント仕上げを保持するペイントされたパネルが許容されると考えられる。乾燥定着性試験後、5%より低いペイント損失を有する試料が許容されると考えられる。
【0145】
試料を試験して、以下のようにTPO/ペイント相互作用を評価する。
Figure 0004757977
配合物Aには、リアクター級TPO中に登録商標チマソルブ944 0.2%、登録商標チヌビン328 0.2%、ステアリン酸カルシウム 500ppmおよびN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン 750ppmが含まれる。
また、Aにはビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(登録商標チヌビン770,pKa 9.1) 0.2%も含まれる。
配合物BおよびCには、リアクター級TPO中に登録商標チマソルブ119 0.2%、登録商標チヌビン328 0.2%、ステアリン酸カルシウム 500ppmおよびN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン 750ppmが含まれる。
また、Bにはビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(登録商標チヌビン123,pKa 4.6) 0.2%も含まれる。
また、Cには1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(実施例73の化合物,pKa 4.0) 0.2%も含まれる。
表のデータは、配合物Aはテーバー スカフおよび乾燥定着性試験の両方において損傷しているが、配合物BおよびCの両方はペイント定着性試験を合格していることを示している。しかし、pKa値の調査により立証されたように、試験立体障害性アミン化合物に対するpKa値が低いほど(塩基性が低いほど)、この乾燥定着性試験において、より低いペイント損失が結果として得られる。ヒドロキシル部分を有する実施例73の化合物は最も低いpKa値を有し、ヒドロキシル部分を持たない従来技術の近似化合物より良好な最小のペイント損失を有する。
【0146】
実施例78
ポリプロピレン成形品の安定化
顔料、ホスフィット、フェノール系酸化防止剤またはヒドロキシルアミン、金属ステアレート、紫外線吸収剤もしくは立体障害性アミン安定剤、または紫外線吸収剤および立体障害性アミン安定剤の混合物を含むポリプロピレンペレットを射出成形することにより成形試験用試料を製造する。
純粋な顔料または顔料濃縮物、安定剤、補助添加剤および市販で入手可能なポリプロピレンから、汎用スクリュー(24:1 L/D)を有するスーペリア/MPM 1”一軸スクリュー押出機において475oF(250℃)で上記成分を混合すること、水浴で冷却し、ペレット化することにより、着色ポリプロピレンペレットを製造する。得られたペレットを約475oF(250℃)、ボイ30M射出成形装置において成形して60ミル(0.006インチ),2”×2”プラックとする。
ポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレンコポリマーからなる着色ポリプロピレン配合物を、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンまたは立体障害性フェノール系酸化防止剤からなり、有機リン化合物を伴う、もしくは伴わない塩基性安定剤系により安定化する。
最終配合物における全ての安定剤および顔料濃度を、樹脂を基準とした重量%で表現する。
【0147】
配合物にはポリプロピレンペレットおよび以下の成分:
0.0ないし2.0% 顔料;
0.0ないし50.0% タルク;
0.0ないし50.0% 炭酸カルシウム;
0.0ないし0.1% ホスフィット;
0.0ないし1.25% フェノール系酸化防止剤;
0.0ないし0.1% ヒドロキシルアミン;
0.05ないし0.10% ステアリン酸カルシウム;
0.0ないし1.25% 紫外線吸収剤;
0.0ないし1.25% 立体障害性アミン安定剤;の一種またはそれ以上が含まれる。
押出および成形の前に、上記成分をタンブルドライヤーで乾燥ブレンドする。
金属フレームに試験プラックを置き、ブラックパネル温度70℃、340ナノメートルで0.55W/m2および湿度50%で断続的な光/闇サイクルおよび水噴霧を伴うアトラスCi65キセノン アーク ウェザー−オーメーターで暴露する(自動車技師の会−SAE J 1960 試験法)。ASTM D 2244−79に従って、約625キロジュール間隔で、アプライド カラー システム分光光度計で参照モードにより色測定を実行することにより試料を試験する。得られたデータにはデルタE、L*、a*およびb*値が含まれる。ASTM D 523に従って、60°でBYK−ガードナー曇り/光沢メーターで光沢測定を行う。
【0148】
紫外線暴露試験
紫外線照射に暴露した試験試料は、登録商標チヌビン(TINUVIN)328、実施例73の化合物およびCGL2020の組み合わせからなる光安定剤系により安定化される場合、光分解に対する例外的な耐性を示す。CGL2020は、2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジン−6−イル基を末端とするN−{[2−(N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマーである。対照試料は、紫外線安定性を分与する工業分野で使用されている市販の安定剤配合物からなる。全ての試料にはピグメント レッド177が含まれる。
【表1】
Figure 0004757977
【表2】
Figure 0004757977
・全ての配合物は、最終樹脂配合物においてジアルキルヒドロキシルアミン 0.05%により安定化された塩基である。
・ポリマー基材は、市販で入手可能なポリプロピレンホモポリマー,プロファックス(Profax)6501(販売元:モンテルポリオレフィンズ(Montell Polyolefins))である。
・カラーパッケージは、最終樹脂配合物において0.025%レッド 3B−ピグメント レッド177,C.I.#65300である。
・それぞれの配合物には、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール紫外線吸収剤−登録商標チヌビン328,2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが含まれる。
・NOR2は、ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネートである。
・それぞれの配合物には、ステアリン酸カルシウム 0.1%が含まれる。
・試料は薄さ60ミルの2”×2”射出成形プラックである。
・紫外線暴露はSAE J 1960−自動車外装条件(Exterior Automotive conditions)下で行われる。
【0149】
最終配合物における全ての安定剤および顔料濃度を、樹脂を基準とした重量%で表現する。
実施例73の目的化合物を含む配合物は、全濃度がより低い場合でさえも有効性の低い対照の安定剤系と比較して非常に改良された光沢保持性を特に示す。紫外線照射における変色に対する耐性もまた非常に増加している。また、実施例73の目的の化合物は、同一分子のもう一種の固体N−O−R HALS(NOR2)の等しい濃度と比べて、外観の保持に非常にも有効である。
全ての場合において、光安定化された配合物は、光分解に対して、上述された紫外線暴露条件下で素早く損傷する安定化されていない試料におけるものより大きな耐性を示す。
【0150】
実施例79
ポリプロピレン繊維
繊維級ポリプロピレンを本発明の化合物、補助添加剤および顔料とともに押出することにより繊維試料を製造する。代表的な配合物には、本発明の化合物 0.05ないし2.0%、ステアリン酸カルシウムのような金属ステアレート 0.05ないし0.5%、顔料 0ないし5%、紫外線吸収剤 0.05ないし2.0%、ホスフィット 0ないし0.1%、フェノール系酸化防止剤 0ないし1.25%、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン 0ないし0.1%および所望により他の立体障害性アミン 0ないし2.0%が含まれる。最終配合物における全ての添加剤および顔料濃度を、樹脂を基準とした重量%で表現する。
顔料濃縮物は、純粋な顔料およびポリプロピレン(登録商標プロファックス(PROFAX),ヘルクルス(Hercules))から、二種の成分を高剪断混合機において25%顔料および75%樹脂の比率で混合し、得られた樹脂/顔料混合物をワバッシュ圧縮成形機(Wabash Compression)(モデル#30−1515−4T3)で圧縮して厚いシートとし、減少された濃度でポリプロピレンに分散させるために該シートを微細チップに分割することにより製造される。かわりとして、減少された濃度で繊維に連続ブレンドするために、適当な担体樹脂中の顔料懸濁液である顔料濃縮物が得られる。
【0151】
ポリプロピレン、ホスフィット 0.05ないし0.1%、フェノール系酸化防止剤 0ないし1.25%、ジアルキルヒドロキシルアミン 0ないし0.1%、ステアリン酸カルシウム 0.05ないし0.1%、紫外線吸収剤 0ないし1.25%、立体障害性アミン 0ないし1.25%を含む配合物をタンブルドライヤーで乾燥ブレンドし、汎用スクリュー(24:1 L/D)を有するスーペリア/MPM 1”一軸スクリュー押出機において475oF(246℃)で押出し、水浴で冷却し、ペレット化する。得られたペレットを約475oF(246℃)で、41ホールの三角形配列の出糸突起を有するヒルズ リサーチ繊維押出機(HILLS Research Fiber Extruder)(モデル#REM−3P−24)において紡糸して繊維とする。紡糸されたトウは3.2:1の延伸率で伸び、最終デニール615/41となる。
繊維試料をロウソン−ヘムフィル繊維分析編機(Lawson-HemphillFiber Analysis Knitter)で編んでソックスとし、適当な長さに切断し、ブラックパネル温度89℃、340ナノメートルで0.55W/m2および湿度50%でアトラスCi65キセノン アーク ウェザー−オーメーターで暴露する(自動車技師の会−SAE J 1885 試験法)。
ASTM D 2244−79に従って、アプライド カラー システム(Applied Color Systems)分光光度計で参照モードにより色測定を実行することにより繊維試料を試験する。同一の、しかし別々に、繊維試料を破滅的な損傷に対して試験し、そして損傷に対する時間を記録する。
本発明の化合物が含まれる試料では、紫外線光の有害な影響に対して良好な安定化性能が示される。
【0152】
実施例80
ブルー エム(Blue M)人工通風オーブンで実施例79で製造されたプロピレン繊維の他のソックスを120℃で暴露する。前述の実施例79で定められた判定基準により、損傷を決定する。破滅的な損傷が起こる時間が長ければ長いほど、その安定剤系はより効果的である。
本化合物を含むソックスは、良好な熱安定化効果を示す。
実施例81
繊維級のポリエチレンと、約10重量%の試験添加剤、例えば実施例51の化合物とを乾燥ブレンドし、次いで200℃で“マスターバッチ”ペレット中に融解配合する。十分に配合された“マスターバッチ”ペレットとポリエチレン樹脂とを乾燥ブレンドし、所望の最終安定剤濃度を得る。代表的な配合物には、本発明の化合物 0.05ないし2.0%、ステアリン酸カルシウムのような金属ステアレート 0.05ないし0.5%、ホスフィット 0ないし0.1%、フェノール系酸化防止剤 0ないし1.25%、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン 0ないし0.1%および所望により立体障害性アミン 0ないし2.0%が含まれる。次いで、安定化され、十分に配合された樹脂を200℃でブローし、DOLCIフィルムラインにおいて厚さ150マイクロのフィルムにする。
ASTM G26に従って、63℃ bpt、340ナノメートルで0.35W/m2および噴霧サイクルなしで、アトラスCi65キセノン アーク ウェザー−オーメーターで、上記ブローされたフィルムを暴露する。インストロン(Instron)112引張試験を使用して、伸びにおけるいずれかの変化に関して、フィルムを定期的に試験する。この試験における損傷は、フィルムにおける伸びの損失率(%)を観測することにより決定される。この損傷が起こる時間が長ければ長いほど、その安定剤系はより効果的である。
本化合物混合物を含むフィルムは良好な光安定化効果を示す。
【0153】
実施例82
実施例81に記載されているように、試験添加剤、例えば実施例51の化合物を10%添加して、フィルム級ポリエチレンを乾燥ブレンドし、次いで200℃で融解配合して、十分に配合されたマスターバッチペレットとする。上記マスターバッチペレットとポリエチレン樹脂とを乾燥ブレンドして、最終安定剤濃度を得る。次いで、十分に配合された樹脂を200℃でブローし、DOLCIフィルムラインを使用して厚さ150マイクロのフィルムにする。
得られたフィルムを亜鉛めっき鋼裏板上温室で暴露する。処理には、一般的な殺虫剤(例えば、6ヶ月毎のN−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム,バパム(VAPAM)、および毎月のセスメトリン(SESMETRIN))の適用が含まれる。残った伸び率を観測することにより性能を測定する。最初の伸び率の50%損失に相当する時間として損傷を定義する。
本化合物を含むフィルムは殺虫剤に対して良好な抵抗を示す。
実施例83
実施例81に記載されたように製造されたマスターバッチペレットをポリエチレン樹脂中に乾燥ブレンドし、最終安定剤濃度を得る。次いで、十分に配合された樹脂を200℃でブローし、DOLCIフィルムラインを使用して厚さ25マイクロのフィルムにする。
得られたフィルムを土の上で暴露して、農業用複合フィルム条件に似せる。処理には、3日間、60g/m3で臭化メチル燻蒸剤へ暴露することが含まれる。物理的脆化に対する時間を観測することにより性能を測定する。
本化合物を含むフィルムは燻蒸剤に対して良好な抵抗を示す。
【0154】
実施例84
実施例81に記載されているように温室用フィムル試料を製造するが、本化合物に加えて金属ステアレートまたは金属オキシドも含まれる。代表的な配合物には、本立体障害性アミン 0.05ないし2重量%;金属ステアレート、例えばステアリン酸カルシウム 0.05ないし0.5重量%;および金属オキシド、例えば酸化亜鉛または酸化マグネシウム 0.05ないし0.5重量%が含まれる。
実施例82に記載のように、効果を観測する。本化合物を含むフィルムは良好な光安定性を示す。
実施例85
実施例79に記載されているように、ポリプロピレン繊維を製造する。本化合物に加えて、配合物には、選択されたハロゲン化難燃剤も含まれる。難燃剤はトリス(3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート、デカブロモジフェニルオキシド、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)またはエチレンビス−(ジブロモ−モルボルナンジカルボキシイミド)である。
実施例79に記載の光安定剤に関する判断基準を使用することにより、本化合物を含むポリプロピレン繊維から編まれたソックスは良好な光安定性を示す。
【0155】
実施例86
成形級ポリプロピレンと試験添加剤とを乾燥ブレンドし、次いでペレット状に融解配合する。本発明の化合物に加えて、選択された難燃剤も含まれる。難燃剤は、トリス(3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート、デカブロモジフェニルオキシド、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)またはエチレンビス−(ジブロモ−ノルボルナンジカルボキシイミド)である。次いで、ペレット化され、ボイ(Boy) 50M実験室モデル射出成形機を使用して、十分に配合された樹脂を射出成形して試験資料とする。
試験試料を置き、ASTM G26試験手順に従って、断続的な光/闇サイクルおよび水噴霧を伴うアトラスCi65キセノン アーク ウェザー−オーメーターで暴露する。引張性質における変化に関して定期的な間隔で試料を試験する。引張性質の損失の観測により、この試験における損傷を決定する。この損傷が起こる時間が長ければ長いほど、その安定化系はより効果的である。
本化合物混合物を含むフィルムは良好な光安定性を示す。
実施例87
実施例76に記載されているように、熱可塑性オレフィン(TPO)ペレットを射出成形することにより成形試験試料を製造する。本化合物に加えて、選択された難燃剤も含まれる。難燃剤は、トリス(3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート、デカブロモジフェニルオキシド、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)またはエチレンビス−(ジブロモ−ノルボルナンジカルボキシイミド)である。
本立体障害性アミンを含む試料は、良好な光安定化活性を示す。
【0156】
実施例88
フィルム級ポリエチレンを配合し、そして実施例82に記載されているように、DOLCIフィルムラインを使用して、200℃でブローしてフィルムとする。本化合物に加えて、選択された難燃剤も配合物中に含まれる。難燃剤は、トリス(3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート、デカブロモジフェニルオキシド、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)またはエチレンビス−(ジブロモ−ノルボルナンジカルボキシイミド)である。
実施例82に記載されているように光安定化活性に関して試験した場合、本化合物を含むフィルムは良好な安定性を示す。
実施例89
実施例77に記載されているように、本化合物、顔料および他の補助添加剤を含む熱可塑性オレフィン(TPO)ペレットを射出成形することにより成形試験試料を製造する。
1−パックペイント系により試験試料を着色し、TPO/ペイント相互作用に関して試験する。ペイントの前に、最初にイソプロパノールにより試験試料をふき、そして空気送風していずれのゴミも除去する。5分間の閃光の後、これらの試料を定着促進剤、次いでベースコートおよび所望により透明コートによりコートする。これらの種々の塗膜の典型的なフィルムの厚さは、定着促進剤に関して0.1ないし0.3ミル、ベースコートに関して0.6ないし0.8ミル、そして透明コートに関して1.2−1.5ミルである。ペイント後、試料を120℃以上で30分間硬化させる。
TPO/ペイント相互作用を評価するために、以下のように試料を試験する:初期定着試験,3mmの十字にハッチングを施されたペイント表面で引き離すために、透明なセロファン粘着テープを使用するか;湿度試験において、ペイントされたプラックを240時間38℃で、98%の湿度を有する雰囲気で暴露する。ASTM D 714に従って、可視的な観測により気泡評価を試験する。
本発明の化合物を含む試料は、上述の判断基準により決定されたように、良好なTPO/ペイント相互作用性を示す。
【0157】
実施例90
熱可塑性エラストマー
例えばスチレンとブタジエンまたはイソプレンおよび/またはエチレン−コブチレンとのコポリマー、例えばSBS、SEBSおよびSISが含まれる、熱可塑性エラストマーとして知られる一般的な種類の樹脂材料を本発明の化合物と乾燥ブレンドし、そして溶融配合してペレットとする。代表的な配合物には本発明の化合物 0.05%ないし2.0%、ステアリン酸カルシウムのような金属ステアレート 0.05ないし0.5%、顔料 0%ないし5%、紫外線吸収剤 0.05%ないし2.0%、ホスフィット 0.0%ないし0.1%、フェノール系酸化防止剤 0.0%ないし1.25%、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン 0.0%ないし0.1%、および所望により他の立体障害性アミン安定剤 0.0%ないし2.0%が含まれる。
次いで、ペレット化され、十分に配合された樹脂を加工して、例えばブローまたはキャスト押出によるフィルム;射出成形による成形品;熱成形による成形品;押出によるワイヤーおよびケーブル外被;または回転成形による中空品のような有用な物品とする。
本発明の化合物を含む材料は、紫外線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
実施例91
実施例90に従って製造された物品であって、選択された有機顔料ならびに本発明の化合物を付加的に含むものも、紫外線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
実施例92
実施例90に従って製造された物品は、ネオペンタンテトライル テトラキス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、オクタデシル 3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5,−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,2−ビス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジン、カルシウム[ビス(モノエチル 3,5−ジ第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートおよび1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−4−第三−ブチル−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレートからなる群から選択された立体障害性フェノール系酸化防止剤、ならびに本発明の化合物を付加的に含み、化学線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
【0158】
実施例93
実施例90に従って製造された物品は、トリス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチル−トリス−(3,3’,5,5’−テトラ−第三−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、テトラキス(2,4−ジ−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスフィット、2,2’−エチリデンビス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)フルオロホスフィットおよび2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジイル 2,4,6−トリ−第三−ブチルフェニルホスフィットからなる群から選択された有機リン安定剤ならびに本発明の化合物を付加的に含み、化学線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
実施例94
実施例90に従って製造された物品は、5,7−ジ−第三−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−2H−ベンゾフラン−2−オンであるベンゾフラノン安定剤ならびに本発明の化合物を付加的に含み、化学線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
実施例95
実施例90に従って製造された物品は、N,N−ジ(水素化牛脂)アミンの直接酸化により製造されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンであるジアルキルヒドロキシルアミン安定剤ならびに本発明の化合物を付加的に含み、化学線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
【0159】
実施例96
実施例90に従って製造された物品は、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびコハク酸の重縮合物、N,N’,N”,N”’−テトラキス[4,6−ビス(ブチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)アミノ−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアサデカン、4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)および2,4−ジクロロ−6−第三−オクチルアミノ−s−トリアジンの重縮合成生物、4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)および2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンの重縮合成生物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオクタデカノエート、3−ドデシル−1−(1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン、1,3,5−トリス{N−シクロヘキシル−N−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン3−オン−4−イル)エチル]アミノ}−s−トリアジン、ポリ[メチル 3−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ)プロピル]シロキサン、2,4−ジクロロ−6−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−s−トリアジンおよび2,2’エチレン−ビス{[2,4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ−s−トリアジン−6−イル]アミノトリメチレンアミノ}の重縮合物からなる群から選択された他の立体障害性アミン安定剤ならびに本発明の化合物を付加的に含み、化学線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
実施例97
実施例90に従って製造された物品は、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル) アジペート、ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートおよび1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル オクタデカノエートからなる群から選択された他のN−ヒドロカルビルオキシ置換立体障害性アミン安定剤ならびに本発明の化合物を付加的に含み、化学線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
実施例98
実施例90に従って製造された物品は、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2,4−ジ−第三−ブチルフェニル3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンおよび2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンからなる群から選択されたo−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノンまたはo−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン紫外線吸収剤ならびに本発明の化合物を付加的に含み、紫外線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
【0160】
実施例99
市販で入手可能なポリエステルポリオール(登録商標デスモフェン(DESMOPHEN) 670‐80)および市販で入手可能なイソシアヌレート(登録商標デスモデュー(DESMODUR) N-3390)をベースとする二成分ポリエステルウレタン塗料中に立体障害性アミン試験安定剤を、全樹脂固体を基準として少なくとも2重量%で混入する。全樹脂固体を基準として0.015%のジブチル錫ジラウレートにより、上記塗料系を触媒する。
約4”×6”の透明ガラススライド上への引落しにより、それぞれの塗料配合物を適用し、三重反復で約2ミル(0.002”)の厚さのフィルムとする。
これらの三重反復ガラスプレートを以下のように加工する。
プレート1:180oF(82℃)で30分間焼付し;室温において老化させ;そして毎日観測する。
プレート2:空気乾燥させ(周囲硬化);室温において老化させ;そして毎日観測する。
プレート3:1日空気乾燥させ;120oF(49℃)において老化させ;毎日観測し、そして120oF(49℃)において連続老化させる。
時間0から開始して、全てのプレートを可視による外観:塗膜内でのいずれかの曇り、および塗膜の表面でのいずれかの滲出の発展:に関して評価する。四日間の観測結果を以下に示す。
【0161】
Figure 0004757977
*Aは安定化されていないものである。
Bは、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(登録商標チヌビン123) 2重量%を含む。
Cは、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート,実施例2の化合物 2重量%を含む。
これらのデータは、立体障害性アミンの1位に結合している基に存在するヒドロキシル部分を有する本発明の化合物は、該ヒドロキシ部分が不在の、類似の従来化合物では達成され得ないポリエステルウレタン塗料に対する優秀な溶解性および相溶性を供給することを示している。
実験により、本発明の化合物が、この部分的な透明コートにおいて溶解性および相溶性である場合、それらは他の樹脂系においても確実に相溶可能で溶解可能であることが開示される。
【0162】
実施例100
実施例99に記載されている、同様に安定化され、配合された二成分透明塗料およそ50mlを、シールされた4オンス ジャーでゲル化する。固体化後、透明度に関して固体化された塗料を可視的に観察する。不透明度または曇りの発展は、立体障害性アミン安定剤および配合された塗料間の不相溶性を示すものである。
Figure 0004757977
*Aは安定化されていないものである。
Bは、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(登録商標チヌビン123) 2重量%を含む。
Cは、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート,実施例2の化合物 2重量%を含む。
これらのデータは、立体障害性アミンの1位に結合している基に存在するヒドロキシル部分を有する本発明の化合物は、該ヒドロキシ部分が不在の、類似の従来化合物では達成され得ないポリエステルウレタン塗料に対する優秀な溶解性および相溶性を供給することを示している。
【0163】
実施例101
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[9−(メトキシ−カルボニル)ノナノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
実施例16Aで製造された化合物と、一当量またはそれ以上のセバシン酸ジメチルおよび触媒量のリチウムアミドとをキシレン中で反応させることにより、表題の化合物を製造する。
実施例102
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[5−(メトキシ−カルボニル)ペンタノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
セバシン酸ジメチルが当量のアジピン酸ジメチルにより置き換えられた実施例101の手順により、表題の化合物を製造する。
実施例103
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[3−(メトキシ−カルボニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
セバシン酸ジメチルが当量のコハク酸ジメチルにより置き換えられた実施例101の手順により、表題の化合物を製造する。
実施例104
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[4−(メトキシ−カルボニル)ブチリルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
セバシン酸ジメチルが当量のグルタル酸ジメチルにより置き換えられた実施例101の手順により、表題の化合物を製造する。
【0164】
実施例104A
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[5−メトキシ−カルボニル)ペンタノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[4−メトキシ−カルボニル)ブチリルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物セバシン酸ジメチルの代わりに当量のDBE−2 二塩基エステル(登録商標デュポン(DuPont))を使用して実施例101の手順を繰り返す。
実施例104B
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[5−メトキシ−カルボニル)ペンタノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[4−メトキシ−カルボニル)ブチリルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物セバシン酸ジメチルの代わりに当量のDBE−3 二塩基エステル(登録商標デュポン(DuPont))を使用して実施例101の手順を繰り返す。
実施例105
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとヘキサメチレンジイソシアネートの縮合成生物であって、メトキシ基を末端とするもの
約等モル量の、実施例16Aで製造された化合物およびヘキサメチレンジイソシアネートを反応させ、次いで過剰量のメタノールと反応させることにより、表題の化合物を製造する。
【0165】
実施例106
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとヘキサメチレンジイソシアネートの縮合成生物であって、メトキシ基を末端とするもの
約等モル量の、実施例70で製造された化合物およびヘキサメチレンジイソシアネートを反応させ、次いで過剰量のメタノールと反応させることにより、表題の化合物を製造する。
実施例107
4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−1−フェネトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとヘキサメチレンジイソシアネートの縮合成生物であって、メトキシ基を末端とするもの
約等モル量の、実施例74で製造された化合物およびヘキサメチレンジイソシアネートを反応させ、次いで過剰量のメタノールと反応させることにより、表題の化合物を製造する。
【0166】
実施例108
二成分アクリル系ウレタン透明コートの安定化
実施例99に記載されているように、立体障害性アミン試験安定剤を二成分アクリル系ウレタン塗料中に混入する。全樹脂固体を基準として、ジブチル錫ジラウレート 0.02重量%により上記系を触媒する。上記安定剤を、二成分塗料のアクリルポリオール部分に適当な量で添加し、次いでこれを適用の直前にイソシアネート成分とあわせる。
電着コート下塗剤により下塗りされたスチール板3”×4”を、次いで明るいブルーメタリック ベースコートで、次いで安定化透明コートでコートする。ベースコートをスプレー塗布して厚さ1.0ミル(25ミクロン)乾燥フィルム厚とし、そして次いで安定化された透明コートを塗布して厚さ2.0ミル(50ミクロン)乾燥フィルム厚とする。塗料を空気乾燥し、そして2週間老化させる。次いで、上記パネルを、以下の条件下でキセノン−アーク ウェザー−オーメーターにおいて暴露する。
カム 180サイクル:光のみ40分:光および前方スプレー20分:光のみ60分:闇および後方スプレー復水
ランプ フィルター:石英インナー/ボロシリケートSアウター
輻射照度:1平方メートル当たり0.45ワット
【0167】
暴露の前および暴露の間500時間ごとの間隔で20°光沢を測定する。より高い光沢が残っていることが望ましい。
Figure 0004757977
*Aは安定化されていないものである。
Bは、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(登録商標チヌビン123) 1重量%を含む。
Cは、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート,実施例2の化合物0.9重量%を含む。
Dは、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン 1.04重量%を含む。
Eは、実施例12の化合物 1.01重量%を含む。
Fは、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(登録商標チヌビン123) 2重量%を含む。
Gは、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル] セバケート,実施例2の化合物 1.8重量%を含む。
これらのデータは、本ヒドロキシ置換された化合物は、等モル濃度でNOR化合物に匹敵する20°光沢保持値を提供することを示している。
【0168】
実施例109
二成分アクリル系ウレタン透明コートの安定化
実施例108で製造されたような透明コートをスピン−塗布により1”ケイ素ディスクに適用し、およそ25ミクロンの乾燥フィルム厚とする。ザイス(Zeiss)干渉計を使用して、それぞれのディスクの初期光学フィルム厚を測定する。次いで、上記ディスクを以下の条件下でキセノン−アーク ウェザー−オーメーターにおいて暴露する。
カム 180サイクル:光のみ40分:光および前方スプレー20分:光のみ60分:闇および後方スプレー復水
ランプ フィルター:石英インナー/石英アウター
輻射照度:1平方メートル当たり0.55ワット
250時間ごとに光学フィルム厚を再測定し、それぞれの配合物に関してフィルム損失を決定する。3972および5561時間後の暴露により生じるフィルム損失に関して、以下の表にまとめる。フィルム損失に関しては、より低い値が望ましい。
Figure 0004757977
*Aは安定化されていないものである。
Bは、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(登録商標チヌビン123) 1重量%を含む。
Cは、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート,実施例2の化合物 0.9重量%を含む。
Dは、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン 1.04重量%を含む。
Eは、実施例12の化合物 1.01重量%を含む。
Fは、1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン 0.78重量%を含む。
Gは、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン,実施例16Aの化合物 0.56重量%を含む。
これらのデータは、本ヒドロキシ置換された化合物は、等モル濃度で類似のNOR化合物に匹敵する腐食耐性を提供することを示している。
【0169】
実施例110
プラスチック基材上での塗料
非塩基性立体障害性アミンに関する主な用途は、プラスチック基材上に適用される自動車トップコートの保護におけるものである。しかしながら、多くの低分子量、非反応性光安定剤は、乾燥および硬化の間にプラスチック基材中に移動してしまう。その結果、多くの部の光安定剤がトップコートから基材中に損失してしまうので、該トップコートを保護することに関して効果がなくなってしまう。
塗料の適用および効果の間の立体障害性アミン安定剤の移動の程度は、プラスチック基材上に適用された硬化された透明コートとガラスまたはスチールのような非浸透性基材上に塗布された同様の透明コートにおける立体障害性アミン濃度の比較により決定される。
試験下における立体障害性アミン安定剤を、自動車プラスチック基材に使用するのに適当な軟質熱可塑性アクリル系/メラミン透明塗料中に混入する。全樹脂固体をベースとして1.5重量%の濃度で立体障害性アミンを混入する。
自動車級RIM(反応射出成形)基材およびTPO(熱可塑性ポリオレフィン)上に自動スプレー装置により、それぞれの塗料配合物を適用する。それぞれの基材を4”×12”プラックの形状とする。それぞれの塗料を適用して、およそ2.0ミル(50ミクロン)の乾燥フィルム厚とする。250oF(121℃)において20分間の焼付により、塗料を硬化する。
それぞれの硬化された塗料配合物の三重反復試料を、それぞれの基材から除去し、粉砕して微細粉末とする。それぞれの試料の既知量を、一晩、還流トルエン中で抽出する。存在する立体障害性アミンを既知の体積に希釈することにより定量的に分析し、そしてHPLCまたはSFCクロマトグラフィーにより分析する。それぞれの試験安定剤化合物に対する検量線を展開する。それぞれの抽出された塗料の立体障害性アミン含有量は、この方法により決定される。
N−原子において−O−E−OH部分により置換された本発明の立体障害性アミン化合物と、例えばヒドロキシル部分が不足している、相当する−NOR化合物とを比較する場合、プラスチック基材上での透明コートからの本発明の立体障害性アミン化合物の高い回収率が見出され、より少ない本発明の立体障害性アミン安定剤がプラスチック基材中に移動し、そのようなプラスチック基材上では透明トップコートがより良好に安定化され得ることを開示している。
【0170】
実施例111
水運(waterborne)木材ワニスの安定化
水運塗料は、自動車ベースコート、工業用塗料および商用に販売されている塗料を含む広い種々の用途での使用において、意味のある、そして増大する塗料の割合からなる。これらの塗料は着色されているものでも、透明のものでもかまわない。また、その傾向は、一般的に外側の暴露において性質を維持する光安定剤に依存する高い固体配合物に向かっており、そして低いレベルの共溶媒に向かっている。これは、そのような共溶媒(主として水)における安定剤の高い溶解性、または水における実質的な溶解性を要求するものである。
上記試験安定剤を、共溶媒ブレンドに前溶解することにより、水運懸濁液中に混入する。水運懸濁液は市販で入手可能なアクリル・ウレタンヒドリド樹脂である。共溶媒ブレンドは、登録商標テキサノール(TEXANOL)(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール,テキサコ(Texaco))および登録商標アルコソルベ(ARCOSOLVE)TPM(トリプロピレングリコールメチルエーテル,アトランティックリッチフィールド(AtlanticRichfield))1:1の混合物である。
試験安定剤0.45gを、共溶媒ブレンドに前溶解し、次いで混入して以下の組成とする。
Figure 0004757977
それぞれの塗料を、6”×6”区画のスギおよびマツ板に刷毛塗布する。塗布の前および後に塗料および刷毛の重量を測ることにより塗布された塗料の重量を規定し、そしてそれぞれ区画に同じ量の塗料が塗布されることを確保する。
コートされた板の区画を周囲温度で2週間乾燥させ、視覚的様子、光沢およびハンター色差L*、a*およびb*に関して評価する。南フロリダにおいて45°の角度で置き棚において6ヶ月間、上記区画を暴露し、次いで戻し、そして視覚的様子、光沢、色変化および他のいずれかの分解または脱離の兆候に関して評価する。
本発明の、N−原子において−O−E−OH部分により置換された立体障害性アミン化合物は、可視的様子、光沢保持性、耐色変化性ならび耐脱離性に関して、そのようなヒドロキシル部分が不足している、相当する−NOR化合物より良好な安定化硬化を上記区画にもたらす。
【0171】
実施例112
着色された自動車OEMベースコートの安定化
ピグメントレッド117および雲母の混合物により着色されたベースコートを、全ベースコート固体(顔料+樹脂)を基準として1重量%の立体障害性アミン安定剤により安定化する。1ミル(25ミクロン)の乾燥フィルム厚で、準備された4”×12”のスチールパネルに上記ベースコートを噴霧塗布し、次いで、市販で入手可能なハイソリッドの自動車用透明コートによりトップコートを塗布する。250oF(121℃)で30分間、上記コートされたパネルを硬化する。次いで、上記パネルを以下の条件で、キセノン−アークウェザー−オーメーターで暴露する。
カム 180サイクル:光のみ40分:光および前方スプレー20分:光のみ60分:闇および後方スプレー復水
ランプ フィルター:石英インナー/ボロシリケートSアウター
輻射照度:1平方メートル当たり0.55ワット
暴露前および3000時間暴露の後、20°光沢、イメージの差異、ハンター色差値(L*、a*、b*およびΔE)を測定する。
本発明の、N−原子において−O−E−OH部分により置換された立体障害性アミン化合物は、イメージの差異、光沢保持性および色変化に対する耐性に関して、そのようなヒドロキシル部分が不足している、相当する−NOR化合物より良好な安定化硬化を上記区画にもたらす。
【0172】
実施例113
ABS成形用途
スチレンモノマーとアクリロニトリルとの共重合およびスチレンモノマーとブタジエンとの共重合から誘導されたコポリマーの混合物からなる熱可塑性材料は、
一般的にABSと言われるものであり、本発明の化合物と乾燥ブレンドし、そして融解配合してペレット状とする。代表的な配合物には、本発明の化合物 0.05%ないし2.0%、ステアリン酸カルシウムのような金属ステアレート 0.05ないし0.5%、顔料 0%ないし5%、紫外線吸収剤 0.05%ないし2.0%、ホスフィット 0.0%ないし0.1%、フェノール系酸化防止剤 0.0%ないし1.25%、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン 0.0%ないし0.1%および所望により他の立体障害性アミン 0ないし2.0%が含まれる。
次いで、ペレット化され、十分に配合された樹脂を加工して、例えば押出によるシート、フィルム、異形材およびパイプ;成形によるボトル;射出成形による成形品;熱成形による成形品;または回転成形による中空品のような有用な物品とする。
本発明の化合物を含む材料は、紫外線光および熱暴露の有害な影響に対して安定性を示す。
【0173】
実施例114
pKa
水に不溶性な材料のpKa値を決定するために、水中でのpKa値が既知の有機標準試料を非水系で滴定する。半中和点(HNP)対標準試料の既知水性pKa値のプロットを作成する。試験材料のHNPを決定し、そして試験材料の相当するpKa値を見つけるために推定する。そのような有機標準試料には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;トリアセトンアミンおよびN−メチルアニリンが含まれる。
構造的に、少なくとも末端が本発明の試験材料と関連しており、水および1:1アセトニトリル:クロロホルムの両方に溶解性である上記標準試料は、非水性滴定(1:1アセトニトリル:クロロホルム溶媒および0.1N過塩素酸/ジオキサン滴定液)系において検量線プロットを作成するために使用される。およそ0.5ミリ等量の試験材料を滴定ベーカー中に計り入れる。アセトニトリル30mlを添加して、試料を溶解させる。滴下の前に、クロロホルム30mlを添加する。滴定を行い、HNPを決定する。参照電極の電解質は2−(アミノメチルピリジン)である。当量を達成するために電解質を添加した後、電極を溶媒系中に2時間置く。全ての試料は2回実行される。pKa値を以下の表にまとめる。
【0174】
Figure 0004757977
*Iは実施例73の化合物である。
IIは1−シクロヘキシルオキシ−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンである。
IIIは実施例2の化合物である。
IVはビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートである。
Vは実施例50の化合物である。
VIは2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応生成物である。
ピペリジン環の1位が−O−R基により置換されているか、または−O−E−OHにより置換されているかどうかという点のみで個々の化合物がその他とは異なる関連化合物の上記対のそれぞれから見られるように、本発明の−O−E−OH化合物は重要な低pKa値を有し、上記本発明の化合物は矛盾のない低塩基性により従来技術のN−OR化合物と識別されることを意味する。
実施例77に与えられた結果の調査により、このような低塩基性および低pKa値は、着色性熱可塑性ポリオレフィン(TPO)のペイント損失の防止について、近似の関連従来技術のN−OR化合物と比べて、本発明の化合物に関する優れた性能に移行され得る。
【0175】
実施例115
難燃性
繊維級のポリプロピレンを試験添加剤と乾燥ブレンドし、次いで234℃(450oF)で融解配合し、ペレット化する。全ての配合物は付加的に融解加工安定剤系を含む。次いで、ペレット化され、十分に配合された樹脂を246℃(475oF)でヒルズ(Hills)研究室モデル 繊維押出機において紡糸して繊維とする。紡糸された41フィラメントのトウは1:3.2の延伸率で伸び、最終デニール615/41となる。
繊維試料をロウソン−ヘムフィル分析編機(Lawson-Hemphill Analysis Knitter)で編んでソックスとする。10回折り返されたそれぞれの試料をNFPA 701-1996垂直燃焼法(Vertical burn procedure)により試験する。編まれたソックスに関して、炎が除去された後の消火までの時間(秒)を“炎後”として報告する。難燃剤を含まないブランクの試験に対して、低い炎後時間が観測された場合における難燃剤としての効力について論証する。材料からのしずく(drip)の燃焼時間および重量損失もまた記録される。このデータは、本発明のNOR HALSが難燃剤として有効であることを示す。
Figure 0004757977
【0176】
実施例116
ポリプロピレン厚形材の難燃性
成形級ポリプロピレンを試験添加剤と乾燥ブレンドし、次いで融解配合し、ペレット化する。配合物には本発明の化合物に加えて、ハロゲン化された難燃剤が含まれる。代表的な配合物は本化合物および難燃剤、例えばトリス(3−ブロモ−2,2ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート(FMC PB370);ビスフェノールAのビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(PE68); デカブロモジフェニルオキシド(DBDPO);エチレンビス−テトラブロモフタルイミド(SATEX BT−93); エチレンビス−ジブロモノルボルナンジ−カルボキシミド(SATEX BN−451)を含む。他の配合物には、臭素化された難燃剤に加えて、Sb23が含まれる。他の配合物にはリン原子をベースとする難燃剤、例えばエチレンジアミンジホスフェート(EDAP)が含まれ得る。ペレット化され、十分配合された樹脂を、次いでワバシュ(Wabash)圧縮成形機を使用して圧縮成形して試験試料とする。
UL−94垂直燃焼条件で試験プラックを試験する。最小の三重反復したものを試験する。試験試料に関して、1回目および2回目に炎が除去された後の消火までの平均時間(秒)を報告する。低い炎後時間が観測された場合における難燃剤としての効力について論証する。本発明の化合物は、単独で試験されたハロゲン化またはホスフェート難燃剤の難燃性を増加させる。
【0177】
実施例117
TPO厚形材の難燃性
本発明の化合物を含む熱可塑性オレフィン(TPO)の射出成形により、成形試験試料を製造した。TPO配合物はまた、顔料、フェノール系酸化防止剤、ホスフィットまたはヒドロキシルアミン、金属ステアレート、紫外線光吸収剤(UVA)または立体障害性アミン安定剤(HALS)または紫外線光吸収剤および立体障害性アミン安定剤の混合物も含み得る。
本発明の化合物に加えて、ハロゲン化された難燃剤が配合物に含まれる。代表的な配合物は本発明の化合物および難燃剤、例えばトリス(3−ブロモ−2,2ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート(FMC PB370);ビスフェノールAのビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(PE68);デカブロモジフェニルオキシド(DBDPO);エチレンビス−テトラブロモフタルイミド(SATEX BT−93);エチレンビス−ジブロモノルボルナンジ−カルボキシイミド(SATEX BN−451)を含む。他の配合物には、臭素化された難燃剤に加えて、Sb23が含まれる。他の配合物にはリン原子をベースとする難燃剤、例えばエチレンジアミンジホスフェート(EDAP)が含まれ得る。
UL−94垂直燃焼条件で試験プラックを試験する。最小の三重反復したものを試験する。試験試料に関して、1回目および2回目に炎が除去された後の消火までの平均時間(秒)を報告する。本発明の化合物は、単独で試験されたハロゲン化またはホスフェート難燃剤の難燃性を増加させる。
【0178】
実施例118
難燃性BS成形用途における光安定化
成形級のABSを試験添加剤と乾燥ブレンドし、次いで融解配合し、ペレット化する。本発明の化合物に加えて、選択された難燃剤も含まれる。難燃剤はトリス(3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート、デカブロモジフェニルオキシド、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)およびエチレンビス(ジブロモノルボルナンジカルボキシミド)を含む。ペレット化され、十分配合された樹脂を、次いでボイ(BOY)50M実験室モデル射出成形機を使用して射出成形する。他の配合物には、臭素化された難燃剤に加えて、三酸化アンチモン(Sb23)が含まれる。他の配合物にはリン原子をベースとする難燃剤、例えばエチレンジアミンジホスフェート(EDAP)が含まれ得る。
試験プラックを金属フレーム上に置き、ASTM G26試験手順に従って、断続的な光/闇サイクルおよび水噴霧を伴うアトラスCi65キセノン アーク ウェザー−オーメーターで暴露する。引張性質における変化および色の変化に関して定期的な間隔で試料を試験する。この性質における損傷が起こる時間が長ければ長いほど、およびΔEにより測定される色の変化が少なければ少ないほど、その安定化系はより効果的である。
本化合物混合物を含む試験試料は、促進暴露の間、引張性質の良好な保持性および最小の色変化を示す。
【0179】
実施例119
難燃性HIPS成形用途における光安定化
成形級の高衝撃性ポリスチレンを試験添加剤と乾燥ブレンドし、次いで融解配合し、ペレット化する。本発明の化合物に加えて、選択された難燃剤も含まれる。難燃剤はトリス(3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート、デカブロモジフェニルオキシド、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)およびエチレンビス(ジブロモノルボルナンジカルボキシミド)を含む。ペレット化され、十分配合された樹脂を、次いでボイ(BOY)50M実験室モデル射出成形機を使用して射出成形して試験試料とする。他の配合物には、臭素化された難燃剤に加えて、三酸化アンチモン(Sb23)が含まれる。他の配合物にはリン原子をベースとする難燃剤、例えばエチレンジアミンジホスフェート(EDAP)が含まれ得る。
試験プラックを金属フレーム上に置き、ASTM G26試験手順に従って、断続的な光/闇サイクルおよび水噴霧を伴うアトラスCi65キセノン アーク ウェザー−オーメーターで暴露する。引張性質における変化および色の変化に関して定期的な間隔で試料を試験する。この性質における損傷が起こる時間が長ければ長いほど、およびΔEにより測定される色の変化が少なければ少ないほど、その安定化系はより効果的である。
本化合物混合物を含む試験試料は、促進暴露の間、引張性質の良好な保持性および最小の色変化を示す。
【0180】
実施例120
ハイソリッドの酸触媒された熱可塑性アクリル樹脂エナメルの安定化
フィルム形成樹脂を基準として、0.8重量%のドデシルベンゼンスルホン酸により触媒された、ハイソリッド(50重量%)の熱可塑性アクリル樹脂エナメルを、本発明の化合物の種々により安定化する。ハイブリッド熱可塑性アクリル樹脂エナメル配合物(ローム アンド ハス(Rohm and Haas)製,アクリロイド(Acryloid) AT 400)は、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸ブチルならびにメラミン硬化剤をベースとするものである。
ポリエステル/エポキシ樹脂をベースとする下塗剤によりコートされたスチールシート4”×12”(9.16cm×30.48cm)の一片は、次いでTiO2着色されたベースコートであって、例えばアクリル酸ヒドロキシエチル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸のようなモノマー70%とメラミン樹脂および酸触媒30%からなる結合剤とをベースとするものによりコートされ、そして最終的には透明仕上げエナメルによりコートされる。ベースコートを上記シート上に噴霧し、約0.8ミル(0.0203mm)の厚さとし、そして3分間空気乾燥させる。次いで透明仕上げエナメルを上記シート上に噴霧し、約2.0ミルの厚さとする。15分の空気乾燥後、コートされたシートを121℃で30分間焼付する。
試験下で、1重量%の濃度で、熱可塑性アクリル樹脂仕上げエナメルがベースコート上にコートされる前に上記安定剤を該エナメルに添加する。
空気調整された部屋(23℃/50%湿度)で3週間貯蔵された、上記コートされたシートを、キセノン アーク ウェザー オーメーターでSAE J 1920に従って2000時間暴露を受けさせる。この装置において、180分の繰り返しサイクルにおいて試料を暴露する。暴露後の20°光沢保持性により、安定化効果を測定する。
本発明の化合物により安定化されたシートは、極限天候条件下での暴露後における20°光沢の良好な保持性を示す。
【0181】
実施例121
また、焼付および過焼付された試料におけるヌープ硬度(ASTM D−1474−68);イメージの解明度(DOI);ハンター会合装置(Hunter Associates Apparatus);20°光沢(ASTM D−523−80);および可視的観測に基づく亀裂に基づいて、実施例120で製造された試料を評価する。
本発明の化合物により安定化された試料は、20°光沢とDOIのより大きい保持性、ならびに暴露後の重大な亀裂が長期間生じないことの様式を示す。
実施例122
実施例120の熱可塑性アクリルエナメルを配合し、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤3重量%および本発明の立体障害性アミン試験化合物1.5重量%を含むものとする。上記エナメルを白色ベースコートまたはシルバーメタリックベースコート上にコートする。121℃での通常の焼付または82℃での温度調節自動低焼付で焼付を導入する。
コートされたパネルをキセノンアーク暴露装置で暴露し、20°光沢およびイメージの解明度(DOI)値を決定する。
本発明の化合物により安定化された試料は、20°光沢とDOIのより大きい保持性の様式を示す。
【0182】
実施例123
二種の熱可塑性アクリルエナメルを配合し、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤3重量%および本発明の立体障害性アミン試験化合物1重量%を含むものとする。
上記熱可塑性アクリルエナメルは、例えばアクリル酸ヒドロキシエチル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸のようなモノマー70%とメラミン樹脂および酸触媒30%からなる結合剤とをベースとするものである。
ポリエステル/エポキシ樹脂をベースとする下塗剤によりコートされたスチールシート4”×12”(9.16cm×30.48cm)の一片は、次いでベースコートによりコートされ、そして最終的には透明仕上げエナメルによりコートされる。ベースコートを上記シート上に噴霧し、約0.8ミル(0.0203mm)の厚さとし、そして3分間空気乾燥させる。次いで透明仕上げエナメルを上記シート上に噴霧し、約2.0ミルの厚さとする。15分の空気乾燥後、コートされたシートを121℃で30分間焼付する。
コートされたパネルをキセノンアーク暴露装置で暴露し、20°光沢およびイメージの解明度(DOI)値を決定する。
本発明の化合物により安定化された試料は、20°光沢とDOIのより大きい保持性の様式を示す。
【0183】
実施例124
この実施例では、白色ポリエステル/メラミンをベースとするオイルであってアルキルコイル塗料を含まないものを安定化する。十分に配合されたペイントを針金巻線形ロッド(wire wound rod)を使用して下塗されたスチールシートに塗布し、0.6ないし0.8ミルの乾燥フィルムを得る。上記パネルを約90秒間220℃で焼付し、オーブンから取出し、そしてすぐに空気中で冷却する。コートされたパネルをキセノン アーク ウェザー−オーメーター中で暴露し、そして南カリフォルニアで45°Sの角度で暴露する。20°光沢値を決定する。
本発明の化合物により安定化された試料は、20°光沢のより大きい保持性の様式を示す。
実施例125
ドデシルベンゼンスルホン酸0.8%を含む実施例124の熱可塑性アクリルエナメルを配合して、種々の濃度のベンゾトリアゾールまたはs−トリアジン紫外線吸収剤および本発明の立体障害性アミン試験化合物を含むものとする。実施例124の手順に従って上記エナメルをシルバーメタリックベースコート上にコートし、そして30分間、通常の焼付温度121℃で焼付する。
コートされたパネルをキセノン アーク ウェザー−オーメーター中で暴露し、そして20°光沢の50%損失に対する時間を決定する。
本発明の化合物および紫外線吸収剤により安定化された試料は、20°光沢の優良な保持性を示し、20°光沢の50%損失までのより長い時間が観測される。
【0184】
実施例126
例えばアクリル酸ヒドロキシエチル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸のようなモノマー70%とメラミン樹脂および酸触媒、例えばp−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸またはドデシルベンゼンスルホン酸30%からなる結合剤とをベースとする熱可塑性アクリルエナメルを形成する。市販で入手可能な9.16cm×30.48cmユニプライムパネルを基材として使用する。シルバーメタリックベースコートにより、次いで透明仕上げエナメルによりパネルをコートする。ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤1%および本発明の立体障害性アミン試験化合物(固体樹脂をベースとするもの)1%によりベースコートを安定化し、パネル上に噴霧して約0.6ないし0.8ミルとし、3分間空気乾燥させる。次いで上記安定剤を含む透明コートを噴霧して1.7ないし2.0ミルの厚さとし、そして10分間の空気乾燥後、コートされたパネルを30分間121℃で焼付する。次いでコートされたパネルをキセノン アーク ウェザー−オーメーター中で暴露し、そして20°光沢値を決定する。
本発明の化合物および紫外線吸収剤により安定化された試料は、20°光沢の優良な保持性を示す。
実施例127:
水運アクリルメラミンエナメルは以下のように配合される;
樹脂固体 部
シンタクリル(Synthacryl) VSW 6483 30
(ヘキスト(Hoechst)製アクリル懸濁液)
シンタクリル(Synthacryl) VSW 6484 42
(ブチルジグリコール中50%アクリル樹脂,ヘキスト)
マプレナル(Maprenal) MF 915 25
(イソブタノール中70%メラミン樹脂)
マプレナル(Maprenal) MF 927
(メラミン樹脂) 100
エポキシ下塗されたコイルコートされたアルミニウムパネル上にシルバーメタリックの水運市販のベースコート(BASF製)の0.6ないし0.8ミル厚のフィルムを噴霧塗布することにより、水をベースとするベースコート/透明コートエナメルを製造する。80℃で5分間、この材料を焼付し、次いで1.6ないし1.8ミルの水運エナメルで透明コートする。上記系を80℃で10分間焼付し、次いで140℃で更に30分間焼付する。透明コート塗布の前に、最小量の酢酸ブチルグリコールに溶解された本試験および光安定剤を上記ペイントに添加する。コートされたパネルをキセノン アーク装置中で975時間暴露する。上記パネルのイメージ解明度(DOI)保持性を測定する。
本発明の化合物により安定化された試料は、DOIのより良好な保持性を示す。
【0185】
実施例128
キリ油フェノール系ワニスの安定化
微細なラジカルカット(radical cut)を有する1.27cm×20.32cm×30.48cmの西洋赤スギ片のパネルを使用して、市販で入手可能なキリ油フェノール系ワニス(供給元:マククロスキー(McCloskey))を試験する。それぞれのパネルの二分の一を、安定化されていないワニスの二種のコートでコートする。(樹脂固体を基準として)5重量%の試験安定剤を含む等量のワニスを二種のコートのパネルの残り半分に塗布する。周囲温度で2週間の貯蔵の後、木材パネルを45°Sの角度で8ヶ月間の間、屋外で暴露する。ASTM D 523に従って、パネルのそれぞれ半分の60°光沢はパネルの上部、中間部および下部で測定され、平均化される。木材基材は均一性が欠けているので、同じワニスの光沢保持性は、パネルごとにわずかに異なる傾向がある。従って、安定化されていない対照ワニスの全てのパネルへの塗布は、本発明の試験化合物の存在による光沢の改良に関して、より意味のある測定である。
本発明の化合物により安定化されたパネルは、長期暴露後に優秀な光沢保持性を示す。
実施例129
芳香族ウレタンワニスの安定化
実施例128に記載の方法と同様に、市販の芳香族ウレタンワニス(フレトロ−ヴァラタン#90 (Flecto-Varathane#90))の試料を試験する。45°Sの角度で5ヶ月間の屋外暴露の後、上記パネルの安定化されていない部および安定化された部の60°光沢保持値を決定する。
本発明の化合物により安定化されたパネルは、優秀な光沢保持性を示す。
【0186】
実施例130
白色二成分ポリエステルウレタン光沢エナメルの安定化
白色ポリエステルを以下に示すように配合する。

成分I
デスモフェン(Desmophen) 670-90 132.4
(ポリエステルグリコール,モベイ(Mobay))
二酸化チタン 198.6
セロソルブアセテート(Cellosolve Acetate) 98.9
サンドミル
デスモフェン 670-90 94.98
流動性酸(Flow Aid) 0.28
第三アミン 0.015
セロソルブアセテート 332.6
成分I
デモデュー(Desmodur) N-100 93.9
(ポリイソシアネート,モベイ(Mobay))
セロソルブアセテート 58.7
この材料を乾燥フィムル厚1.5ないし2.0ミルで、市販のエポキシポリアミド保護下塗剤(シェルウィン−ウィリアムス タイル クラド II(Sherwin-Williams Tile Clad II))で下塗されているボンデライト(Bonderite) 40の冷ロールされたスチールパネル上に噴霧塗布する。塗布の前に、本発明の試験化合物をペイントに添加する。2週間の周囲貯蔵の後、それぞれの配合物の3種のパネルを45°Sの角度で9ヶ月間屋外暴露する。続いて、上部でASTM D 523−80に従って、20°光沢保持性を決定する。従って、それぞれの三重反復組のパネルの9個の光沢保持性測定に関する平均値が得られる。
本発明の化合物により安定化されたパネルは、優秀な光沢保持性を示す。
【0187】
実施例131
アクリルアルキド再仕上げエナメルの安定化
破片状にされていない(non-leafing)アルミニウム顔料および淡い明るい青で着色された市販で入手可能なアクリルアルキドエナメルをベンゾトリアゾール紫外線吸収剤および本発明の立体障害性アミン試験化合物で安定化し、そしてアルキド下塗剤により下塗されたボンデライト40上に噴霧塗布する。塗料を室温で14日間で硬化させた後、パネルを45°Sの角度で8ヶ月間屋外暴露する。暴露されたパネルの20°光沢を測定する。
本発明の化合物により安定化されたパネルは、優秀な光沢保持性を示す。
実施例132
中油アルキドエナメルの安定化
破片状にされていないアルミニウム顔料および淡い明るい青で着色された中油アルキドエナメルをベンゾトリアゾール紫外線吸収剤および本発明の立体障害性アミン試験化合物で安定化し、そしてエポキシ下塗剤により下塗された冷ロールされたスチールパネル上に噴霧塗布する。塗料を室温で2週間で硬化した後、パネルをキセノン アーク ウェザー−オーメーターにおいて840時間促進暴露する。パネルの20°光沢を、暴露前および後に測定する。
本発明の化合物により安定化されたパネルは、優秀な光沢保持性を示す。
【0188】
実施例133
電着コート組成物
代表的な電着コート(E-coat)組成物は、フラスコにビスフェノールAのグリシジルエーテル、ポリエチレンオキシドジオール、ビスフェノールAおよびキシレンの添加ならびに135℃までの加熱により製造される。キシレン中ジメチルベンジルアミンを触媒として添加し、そして温度を143℃に2時間維持する。エポキシに対する重量(WPE)を測定し、2,4−トルエンジイソシアネート、トリメチロールプロパンであってアルコールによりブロックされているものからなる前もって製造された架橋剤を次いで添加し、そして温度を100℃まで減少させる。次いで、残りのエポキシ基を異なる第二アミン2種、主にジエチレントリアミンおよびメチルエタノールアミンのジケトイミンにより、フェニルセルソルブ中でキャップする。温度を1時間110℃で維持し、アルコールによりブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート架橋剤を添加する。温度を100℃で30分間維持し、そして樹脂乳濁液を得るために、樹脂混合物に脱イオン水、表面活性剤および乳酸を添加する。
この樹脂乳濁液に本発明の立体障害性アミン化合物、追加のエポキシ樹脂、カーボンブラック、酸化ジブチル錫触媒、二酸化チタン、ケイ酸鉛、水および紫外線吸収剤を添加する。適当な粉末度を達成するためのサンドミルを使用した懸濁の後、金属基板上に電着を行うために上記混合物を水とともに電着コート浴中に入れる。
上述の電着コート(E-coat)樹脂組成物を用いてスチールコーティングに厚さ23ないし30μmまで電着コートして、そして20分間176ないし201℃で硬化する。有機溶媒中アクリル塗料、顔料および紫外線吸収剤を使用して、厚さ20ないし51μmで着色樹脂層をコートする。次いでコートされたパネルを121ないし129℃で、顔料層が硬化されるまで焼付する。
次いで上記パネルを4ヶ月間屋外で暴露する。本発明の立体障害性アミン化合物を含むパネルは、特に紫外線吸収剤と使用された場合、金属基板からの電着コート層の脱離に対して優秀な耐性を提供する。
【0189】
実施例134
耐摩擦性塗料
1,6−ヘキサンジオール50%(重量%)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン10%およびコロイド状シリカ40%(34%水性懸濁液の形態で)のイソプロパノール中溶液を真空ストリップして揮発性物質を除去し、そして本発明の立体障害性アミン化合物、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィット光開始剤と合わせられる。
上記組成物をロール塗により塗布して、ビスフェノールAポリカーボネートの15ミルフィルムとし、そしてコートされたフィルムを水銀ランプ下43℃、ライン速度610cm/分で圧縮する。ポリカーボネート基材上で無色および所望により透明な塗膜を得るために上記組成物を硬化する。
ターバー摩擦試験(Taber Abrasion Test(ASTM D1044))により測定されたように、上記塗料は耐摩擦性である。
アトラスCi65キセノン アーク ウェザー−オーメーターを使用して、試験試料に促進老化試験も受けさせる。その結果、本発明の立体障害性アミン化合物を含む塗料は黄色化および曇り形成に対する優秀な耐性を示すことがしめされる。
実施例135
ポリカーボネート上での塗料
本発明の立体障害性アミン化合物の添加により二成分ポリエステルウレタン塗料を安定化する。イソシアネートをベースとする樹脂(デスモデュー(Desmodue) N−3390,バイエル(Bayer))により、ハイ ソリッド ポリエステルポリオール(デスモフェン(Desmophen) 670−80,バイエル(Bayer))を架橋させる。ジラウリン酸ジブチル錫触媒0.015重量%により、上記塗料を触媒させる。
配合された透明コートにより、およそ1.5ミルの厚さでポリカーボネートをベースとするプラスチック基材のプラック(キセノイ(Xenoy))4”×6”にコートする。上記塗料を上記基材にスプレー塗布し、次いで82℃で20分間焼付する。
室温で1週間の貯蔵の後、それぞれのプラックを切断して、それぞれの形成に関して五重反復を有する2”×3”ストリップとする。それぞれのストッリップを蒸留水とともに8オンス ジャー中に置き、シールする。全試料を54℃に置く。1週間に1度、少なくとも2つの反復試料単位について試料が損傷(定着性損失5%)するまで、または40日経過までクロスハッチ定着性試験を行う。
本発明の立体障害性アミン化合物を含む試料は脱離に対して優秀な耐性を示す。
【0190】
実施例136
臭化銀、黄色カップリング剤および添加剤を含むゼラチン乳濁液をポリエチレンがコートされた紙上に手作業で塗布することにより、呈色感光性層を製造する。
層の組成は以下の表に与えられる通りである;量はmg/m2で表される。
【表3】
Figure 0004757977
7日間、換気されたキャビネット中で上記層を乾燥する。
段階的な0.3 logE 暴露段階を通して、乾燥された試料を白色光に暴露する。それらは、手工業者の推薦に従い、アグファ−ゲヴァート(Agfa-Gevaert)からのネガティブ カラー紙のためのP94加工により、展開される。
暴露および加工の後、ブルーチャンネル中で黄色染料の規約反射率密度を測定する。次いで、60KJ/cm2の光エネルギーを達成できるようにするために分離紫外線フィルターの後ろでアトラス ウェザー オーメーターで試料を暴露する。上記紫外線フィルターは、例えば1g/m2 登録商標チヌビン(Tinuvin)B976を含む層のようなポリエステル透明支持体上にコートされた乳濁液からなるものである。温度は43℃、湿度は50%である。ブルー−密度1から始まる密度損失を決定する。
表1
【表4】
Figure 0004757977
これらの結果は、本発明の添加剤が黄色感光性層の光安定性を改良することを示す。
【0191】
実施例137
臭化銀、黄色カップリング剤および添加剤を含むゼラチン乳濁液をポリエチレンがコートされた紙上に手作業で塗布することにより、呈色感光性層を製造する。
層の組成は以下の表に与えられる通りである;量はmg/m2で表される。
【表5】
Figure 0004757977
7日間、換気されたキャビネット中で上記層を乾燥する。
段階的な0.3 logE 暴露段階を通して、乾燥された試料を白色光に暴露する。それらは、手工業者の推薦に従い、アグファ−ゲヴァート(Agfa-Gevaert)からのネガティブ カラー紙のためのP94加工により、展開される。
暴露および加工の後、ブルーチャンネル中で黄色染料の規約反射率密度を測定する。次いでワイズ(Weiss)耐候試験機中で28日間、試料を貯蔵する。ブルー−密度1から始まる密度損失を決定する。低いΔD数が望ましい。
表1
【表6】
Figure 0004757977
これらの結果は、本発明の添加剤が黄色感光性層の闇安定性も改良することを示す。
実施例136および137で使用された化合物は以下の通りである。
【表7】
Figure 0004757977
【表8】
Figure 0004757977
Xは、実施例30の化合物である。
Yは、実施例73の化合物である。
Zは、実施例16Aの化合物である。
【0192】
実施例138
熱可塑性ポリオレフィンの安定化
成形試験試料を製造し、試料NOR−2中のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンをベースとする安定剤を、そのアミンオキシド、登録商標ゲノックス(Genox) EPと置き換えて、実施例76におけるように試験する。実施例76に概略された成分、アミンオキシドおよび本発明の化合物の混合物からなる光安定剤配合物は、紫外線光の有害な影響に対して良好な安定性を示す。
実施例139
ペイント可能な熱可塑性ポリオレフィン
試料NOR−2中のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンをベースとする安定剤を、そのアミンオキシド、登録商標ゲノックス(Genox) EPと置き換えて、実施例77におけるように成形試験試料を製造する。実施例77に概略された成分、アミンオキシドおよび本発明の化合物の混合物からなる配合物は、本発明の化合物に関してヒドロキシル部分が存在しない近似の従来技術の化合物に代わる配合物に匹敵する良好なペイント定着性を示す。
実施例140
ポリプロピレン繊維の安定化
試料NOR−2中のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンをベースとする安定剤を、そのアミンオキシド、登録商標ゲノックス(Genox) EPと置き換えて、実施例79におけるように繊維試料を製造する。実施例79に概略された成分、アミンオキシドおよび本発明の化合物の混合物からなる光安定剤配合物は、紫外線光の有害な影響に対して良好な安定性を示す。
【0193】
実施例141
メタクリル酸グリシジルをベースとする粉末透明コートの安定化
ますます厳重なVOC溶媒の規約反射率の要求に応じるために使用され得る主要な新しい塗料技術の一つとして、粉末塗料が挙げられる。
光安定剤の使用を必要とする用途には、自動車トップコートの仕上げ、庭仕事道具の仕上げ、自動車ホイールカバーの保護のためのトップコートが含まれる。最適混入および保存寿命に関して、粉末塗料に使用された安定剤は、融解が穏やか(〜100℃)である固体、非揮発性、および代表的な粉末塗料焼付温度(140ないし180℃)において熱安定性であるべきである。
試験を受ける立体障害性アミン光安定剤の混入前に、市販で入手可能なGMAをベースとする粉末塗料樹脂、紫外線吸収剤および流れ酸(flow acid)のプレミックスを145℃で一緒に押出しすることにより製造する。次いで、試験を受ける立体障害性アミン光安定剤を、市販で入手可能な1,12ドデカン酸架橋剤とともに上記プレミックスの一部に混入する。最終ミックスを100℃で押出し、次いで押出物を遠心ミルおよび粉末サイクロンで粉砕し、そしてふるいにかける。粉末をベースコート上に静電的に噴霧し、フィルム厚60ミクロンとする。上記塗料は30分間160℃で硬化される。
上記パネルを、キセノン ウェザーオーメーター中で、およびフロリダで南方5°の角度で暴露する。光沢および色を測定する。
本発明の化合物により安定化されたパネルは、良好な光沢保持性を示す。
【0194】
実施例142
木材用途のためのオイル変性ウレタン アルキドの安定化
試験を受ける立体障害性アミン光安定剤を市販で入手可能な溶媒により運ばれた(solvent-borne)ウレタンアルキド マクウォーター(McWhorter)43−4355中に混入する。2−ヒドロキシベンゾトリアゾール紫外線吸収剤もまた、全配合物に混入する。上記立体障害性アミン光安定剤を等しいピペリジン レベルで添加する。混合の後、刷毛により白色マツ板に透明塗料を塗布する。それぞれの板を、フィムル形成透明ワニスによりシールされ、そして後ろ面および側面が白色塩素化プールペイントによりコートされた1/8”の深さの溝により8部に分割する。比較のために、対照配合物がそれぞれの板に存在することを確保するような方法で、安定化された塗料を、三重に、3つのコートにおいて、板の部分に塗布する。木材試料を1週間乾燥させ、次いでフロリダ、オーストラリアおよびニューヨークにおいて暴露する。
本発明の化合物により安定化されたパネルは良好な色保持性、耐亀裂性および可視的な光沢保持性を示す。
【0195】
実施例143
プラスチック部への積層のために実施されたフィルム
本発明の化合物は、実施され、次いで乾燥ペイント透明加工を介して基材に適用された保護および装飾フィルムにも関する。これらのフィルムは担体シート、次いで積層された自己支持、熱形成性裏材料シートに適用される単独装飾層からなる。次いで、担体シートをフィルムの最適側面から除去し、装飾層を暴露する。次いで複合フィルム/裏材料シートを熱成形し、三面成形品とする。付加的に、これらのフィルムは複合層からなるものでもよく、例えば熱可塑性、熱形成性透明コートを担体シートに適用し、次いで硬化して光学的に透明なフィルムを形成する。次いで、透明コートの暴露面に着色コートを適用し、そして硬化し、担体により支持された透明コート/着色コート ペイント フィルムを得る。次いで、上述のように、この複合体を熱形成性裏材料シートに積層させる。上述のように担体シートを除去し、そして次いで上述のように複合透明コート/着色コート/裏材料を熱形成する。
上述の用途のためのポリマー樹脂は熱可塑性でなければならず、そしてフルオロポリマー/アクリルブレンドであり得る。

Claims (10)

  1. 以下の化合物:
    (a)ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート;
    (c)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
    (d)ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペート;
    (e)ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレ−ト;
    (f)ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]スクシネ−ト;
    (i)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[9−(メトキシカルボニル)ノナノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
    (j)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[5−(メトキシカルボニル)ペンタノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
    (k)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[3−(メトキシカルボニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
    (l)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[4−(メトキシカルボニル)ブチリルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
    (p)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
    (r)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[5−(メトキシカルボニル)ペンタノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[4−(メトキシカルボニル)ブチリロオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物
    (s)1,3,5−トリス{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ]カルボニルアミノヘキシル}−2,4,6−トリオキソ−s−トリアジン。
  2. 以下の化合物:
    (P1) 4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
    (11) 2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−6−クロロ−s−トリアジン、
    (15) N,N'−ビス{4,6−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−s−トリアジン−2−イル}−1,6−ジアミノヘキサン、
    (22) 2,4,6−トリス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−s−トリアジン、
    (23B) 4−ブチルアミノ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
    (35) 4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシシクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
    (44B) 1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−(2−エチルヘキサノイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
    (44C) 1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
    (51) N,N'、N''、N'''−テトラキス{2,4−ビス[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3、3'−エチレンジアミノジプロピルアミン、
    (53A) 2−{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ}−4,6−ジクロロ−s−トリアジン、
    (53B) N,N'−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミン、または
    (53C)N,N'−ビス{2−[N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−ブチルアミノ}−4−クロロ−s−トリアジン−6−イル}−N,N'−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミン。
  3. 以下のオリゴマー:
    (53D) 2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジン−6−イルを末端化とするN−{2−[N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N'−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー、または(55) 2−ブチルアミノ−4−{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−ブチルアミノ−s−トリアジン−6−イルを末端化とするN−{2−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−ニル]ブチルアミノ}−s−トリアジン−4−イル}−N,N'−ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−1,6−へキサンジアミンのオリゴマー。
  4. (a)熱、酸素および光の有害な影響を受ける有機ポリマーまたは記録材料;および
    (b)請求項1乃至3のいずれか1項記載の化合物またはオリゴマーから選択された一種もしくはそれ以上の化合物またはオリゴマーの有効安定化量;からなる組成物。
  5. 溶媒、顔料、染料、可塑剤、酸化防止剤、チオキソトロープ剤、染均助剤、更なる光安定剤、金属不動態化剤、金属オキシド、有機リン化合物、ヒドロキシルアミン、紫外線吸収剤、立体障害性アミン、難燃剤およびそれらの混合物から選択される更なる成分を含む請求項4記載の組成物。
  6. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシベンゾフェノン、オキサルアニリド、2−ヒドロキシフェニル−s−トリアジンまたはそれらの混合物の類から選択された紫外線吸収剤を含む請求項5記載の組成物。
  7. 光、酸素および/または熱による損傷に対して有機ポリマーまたは記録材料を安定化する方法であって、請求項1乃至3のいずれか1項記載の化合物又はオリゴマーの少なくとも一種を該材料に添加することまたは施用することからなる方法。
  8. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の化合物またはオリゴマーを製造する方法であって、過酸化物または有機ヒドロ過酸化物および触媒量の金属塩または金属配位子錯体の存在下で次式(V)
    Figure 0004757977
    (式中、G1およびG2メチル基を表し;
    Tは、立体障害性アミン窒素原子ならびにG1およびG2により置換されている第四炭素原子2個を含む6員環を形成するために必要とされる二価の有機基を表す。)
    で表されるN−オキシル立体障害性アミンと第三−ブチルアルコール又はシクロヘキサノールとを反応させることからなる方法。
  9. 組成物が更なる成分としてハロゲン化難燃剤を含む、請求項5記載の組成物。
  10. ハロゲン化難燃剤が、トリス(3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル)ホスフェート、デカブロモジフェニルオキシド、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)及びエチレンビス−(ジブロモ−ノルボルナンジカルボキシイミド)から選択される、請求項9記載の組成物。
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