JP4751547B2 - 食品詰め替え器およびそのような詰め替え器を収容するための装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料、ソースまたは他の同様の製品などの食料製品を計量し、配分し、かつ/または調製するための装置の分野に関する。より詳細には、本発明は、そのような装置に供給すべき食品を含む詰め替え器(refill)を目的とする。本発明は、特に公共の場所での飲料の分配に関する食品サービス産業、または航空機や列車などの輸送設備のケータリングサービスに多数の用途がある。
【0002】
【従来の技術】
飲料または他の調製済みの製品を計量配分し、かつ/または調製するための装置が顧客に連続的かつ中断することなく食品を提供するには定期的かつ十分な量の食品を供給しなければならない。一般に、これらの装置には、貯蔵庫を満たすことで耐密状に封止された缶または袋に「ゆるく」包装された食品が手作業で供給される。この方法は取り扱い操作とこれらの取り扱い操作を実行するのに必要な時間を伴うため、満足がいくものではない。取り扱い操作は混乱を生じ、特に装置が航空機内の場合のような不安定または混乱した条件下で設置されている時には食品を大幅に失うおそれがある。
【0003】
装置に導入される前に開かれる溶性の粉末物質で満たされたカートリッジまたは容器を収容するように設計された装置が存在する。例えば、文書GB 1 325 478はそのような原理を教示する。この例では、容器は前記容器が装置内に組み込まれる前に層状剥離される粘着性ストリップを含む。この不利な点は、容器が完全に開いている時に再充填動作が実行されるということから発生し、したがって、上記と同じ不利な点を招く。
【0004】
本発明の出願人の会社の名前での欧州特許出願第EP 1 028 068号は、これらの問題の解決策を提案する。この解決策は、食品を損失する危険性なしに容易かつ迅速に食品を再充填するように設計され、適宜、航空機のコンパートメントなどの厳しい環境内で満足に使用できる再充填カートリッジを提供することである。このカートリッジは、食品を入れるための容器と、前記容器と共同して働き、閉じた空間を形成する閉鎖手段とを含む。閉鎖手段は詰め替え器が配分装置内に導入される効果で少なくとも部分的に閉鎖手段を切り離す手段を含む。特に、分離手段は、機械的引っ掛け手段を補足する、装置の少なくとも1つの保持部分と係合するための前記機械的引っ掛け手段を備えた自由部分を含み、前記保持部分は自由部分が切り離し手段上に折り返されて容器に関して閉鎖手段を少なくとも部分的に確実に切り離す構成で自由部分を所定位置に固定する。この場合、切り離し手段は「静止」構成で自由に垂れ下がり、装置に係合する構成で容器上に折り返すことが可能な閉鎖または封止手段の一部を形成する。
【0005】
このようなシステムは装置にカートリッジを導入するだけで基本的に詰め替え器を開け、したがって、装置を再充填するという点で使い易さに数々の利点がある。
【0006】
本発明は、また、事前に詰め替え器を開ける必要性がなく、または収容側装置内にそれと一体化した開封システムを提供する必要性もない、適切な装置内に内容物を放出するよに設計された食品詰め替え器に関する。ただし、本発明は文書EP 1 028 068に教示された基本原理を改良することを主眼とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は再充填動作の信頼性と安全性を高めることを目的とする。したがって、本発明の目的の1つは、詰め替え器を開けるのに掛ける力をより適切に分配して、例えば、詰め替え器が装置内に係合する際の詰め替え器の封止手段が破断、しわの形成または詰まりなどを生じる危険性を回避するためにいかなる状況においても開封時の最適な安全性を提供することである。
【0008】
別の目的は装置外での詰め替え器の偶発的な開封と、詰め替え器を開封および/または封止するために使用する手段の部分的または全面的な劣化および/または損傷の危険を低減することである。具体的には、詰め替え器は食品の包装として使用され、したがって、ある期間にわたって蒸気密、またできれば酸素密の状態で食品を貯蔵する能力がなければならない。最小限度のものであっても、不注意による封止手段の破断は食品の貯蔵期間を大幅に低減する結果を招くことがある。同様に、開封手段が損傷した場合には、詰め替え器は適切に開封できなくなることがあり、この場合、使用できなくなる。
【0009】
別の目的は、箱、梱包用の箱、引出しなどの限られた空間内で空間を無駄にせずに合理的かつ場所をとらない形で大量に保管するのが容易な詰め替え器を提案することである。
【0010】
本発明の別の目的と利点は以下の説明から明らかになろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、前述した目的は、飲料などを計量し、配分し、かつ/または調製するための装置の食品供給区域内に挿入するための食品詰め替え器を製造することで達成される。前記詰め替え器は、一定量の食品を入れるための容器と、食品を放出するための通路と、少なくとも1対の第1の向かい合った縁部を含む前記装置の縁部と、前記通路を封止して閉じた空間を形成する手段と、前記封止手段を切り離す手段とを含み、前記切り離し手段は詰め替え器が装置内に係合している時に保持手段上に係合するための少なくとも1つの引っ掛かり手段を含む。本発明の基本的な具体例によれば、切り離し手段は、封止手段に固定され、詰め替え器に沿って、好ましくは前記第1の縁部に沿って摺動自在に結合可能であり、詰め替え器が装置内に係合するのに応答して封止手段を少なくとも部分的に開封する。
【0012】
したがって、切り離し手段の摺動自在の取り付けが封止手段を切り離すのに必要な力を均等に分配する効果を有するために詰め替え器は開封時の信頼性が高まる。切り離しはより均等に実行され、封止手段を破断する危険は最小限になる。
そうでなければ、容器に含まれる食品全体を放出するのに必要な開封が妨害されることになろう。
【0013】
したがって、切り離し手段は好ましくは可撓性の前記第1の縁部に結合する手段を含み、したがって、切り離し手段を係合解除位置と封止手段上に折り返された結合位置との間に配置して前記摺動縁部に沿って摺動係合位置を形成することができる。このような構成は、どの瞬間にも、例えば、詰め替え器の製造中、または詰め替え器を前記詰め替え器を収容するための装置に収容する直前に、切り離し手段を詰め替え器の摺動縁部に沿った摺動動作位置に配置できるという利点を有する。
【0014】
好ましくは、装置に属する保持手段内に係合するための切り離し手段の引っ掛かり手段は、詰め替え器が装置内に係合する方向に関して横断方向に延びる少なくとも1つの突き当たり区域を形成するように配置される。好ましくは、詰め替え器の係合方向はこの詰め替え器の縦方向に対応する。
【0015】
本発明によれば、封止手段は好ましくは詰め替え器の縁部上に封止された可撓性の薄膜である。「封止」という用語は、十分な機械的牽引力の効果で破断が可能な特性を有する、薄膜と縁部との間の任意の適当な結合手段を意味するものと解釈する必要がある。このような作用は一般に「層状剥離」または「剥離」という用語で記述される。したがって、封止は接着、溶接またはこれら2つの手段の組み合わせを含むことができる。
【0016】
本発明は、また、供給区域と前記区域内に配置される少なくとも1つの食品詰め替え器とを含む、飲料または他の食料製品を計量し、配分し、かつ/または調製するための装置を含むアセンブリであって、前記詰め替え器は、食品を入れるための容器と、詰め替え器の底部を形成できる薄膜とを含み、前記薄膜が切り離し手段に固定された状態で層状剥離できるように容器の縁部上に積み重ねられ、前記切り離し手段が少なくとも1つの機械的引っ掛かり手段を含み、前記供給区域が詰め替え器を収容するハウジングと詰め替え器のハウジングへの導入時に単一または複数の引っ掛かり手段と共同して働く少なくとも1つの保持手段とを含み、前記切り離し手段が詰め替え器に関して摺動自在に前記切り離し手段を結合させる手段を含み、詰め替え器を装置内に導入する動作によって少なくとも部分的に薄膜が層状剥離し、食品を供給区域内に放出するような形で前記切り離し手段が摺動自在であることを特徴とするアセンブリに関する。
【0017】
装置のある種の特徴と利点が欧州出願EP 1 028 068に部分的に記載されている。前記出願EP 1 028 068の全内容は本発明の一部を形成すると理解されたい。
【0018】
以下、非限定的な例によって本発明を詳述する。
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明を詳述する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1から3に示す本発明による詰め替え器2は、再充填の目的で所定の量の食品を入れるための容器20を有する。このような食品は好ましくは粉末コーヒー、茶または溶性ミルクのタイプである。容器の容積は変化し、再充填するための装置のタイプと装置に属する計量手段による計量後に供給される個々の放出回数に従って決定される。例えば、容器は個々の放出回数nに等しい食品量を含むことができ、nは1〜200の間で変化する。
【0021】
第1の形態では、容器20は縦方向Iに延び、上面23と、壁22と多少直角に縁部21によって延長された盆の側面を形成する壁22とを備えた細長い盆の形状を有する。縁部21はほぼ平坦な外周部分を形成する。したがって、縁部21は封止手段がない時に通路24を画定する。縁部は縦方向Iに配置された第1の向かい合った側縁210a、210bと、第2の側縁、すなわち、前縁211aおよび後縁211bとを有する。
【0022】
容器の開口は詰め替え器の底部を形成し、通路24を閉じる封止手段25によって覆われている。したがって、この構成では、詰め替え器を構成する食品の塊は直接封止手段25上に載ることができる。容器と封止手段とで形成されるアセンブリは耐密状に閉じられた空間26を画定する。「耐密状に」という用語は通路が水、水蒸気および酸素から選択された少なくとも1つの要素への通路であるという意味である。
【0023】
容器の縁部21は平面Pまたは封止平面内に多少とも内接するほぼ平坦な底部を形成する容器の外周の周囲に延び、以下に詳述するように、封止手段25の封止と装置内での詰め替え器の定置、安定性および案内の両方を促進する。
【0024】
好ましくは、封止手段は閉じた連続する外周線27を形成する容器の縁部21上に封止された可撓性の薄膜である。容器の外周縁に沿って熱封止薄膜の形態の封止手段を提供することが有利である。薄膜は好ましくは引き裂き耐性がある薄膜、またはいずれにせよ、図3に示すように、力Fが封止平面Pに平行な縦方向に加えられた時に封止線の層状剥離への抵抗よりも大きい引き裂き耐性を有する薄膜から選択される。
【0025】
封止手段25は切り離し手段3に固定されている。そのために、封止手段は、線27によって画定された封止区域の外側、詰め替え器の正面に、封止手段の正面の封止部分上に折り返されたまたは曲げられた部分250を含む。
【0026】
切り離し手段3は向かい合った縦方向の縁部210a、210bに関して摺動自在に取り付けられている。切り離し手段3は好ましくは封止薄膜に関して幾分剛性または半剛性の構成要素からなる。切り離し手段は封止薄膜が接着、溶着、溶接または他の任意の手段で固着する内部接触面30を有する。後述するように、切り離し手段は、外部面31上に共同して働いて装置に属する保持要素に当たる機械的引っ掛かり手段4を含む。最後に切り離し手段3は、好ましくは前記部分が摺動手段上に折り返される位置にある時に容器の縁部の方向に屈曲した側縁を形成する摺動手段33、34を有する。これらの摺動手段33、34は切り離し手段と容器の摺動縁部210a、210bとの結合を提供する。より詳細には、これらの摺動手段33、34によって切り離し手段は封止平面Pと平行な平面内で装置内の詰め替え器の係合方向に対応する縦方向Iに摺動することができる。同様に、これらの摺動手段33、34は方向O、すなわち封止平面Pに対する法線方向にある種の離脱抵抗を提供する。
【0027】
図3に示すように、切り離し手段が方向Fに移動すると、摺動路手段が縦方向Iに関する切り離し手段の側方の移動を防止し、これによって、側縁210a、210bの各辺のほぼ同一の層状剥離の力が分配される効果が得られる。このように力が平衡を保つ結果、各縁部に沿って層状剥離が同時に発生し、したがって、封止手段が裂ける危険が低くなる。
【0028】
図4から6に容器を越える部分を形成する切り離し手段が配備される時の詰め替え器の構成を示す。このような構成は詰め替え器を取り付ける構成に対応する。切り離し手段3は容器の前縁211aに隣接する少なくとも1つの折り返し区域(または単一の線)250aを有する部分250によって封止手段に固定されている。切り離し手段は折り返し区域で自由部分250を折り返すことで所定位置に定置される。それを実行するには、結合手段33、34は初期寸法dから縁部210a、210bの幅に対応する距離Dを越えて移動できる程度に可撓性がなければならない。したがって、例えば、手で挟むことで屈曲した部分を分割するように側縁に切り離し手段の2つの辺を十分な力で押し付けることで係合が達成される。
【0029】
図4が示すように、容器の前縁211aは詰め替え器を導入する周期の当初の層状剥離の力を受ける封止部分270を含む。好ましくは、この部分は前方および自由部分の方向を指し多少縦方向の軸Iと位置合わせされる頂点271を備えた非直線的な形状を有する。前部270のこのような構成によって、直線的で縦方向の軸Iを横切る部分と比較して層状剥離の開始時における層状剥離への抵抗が小さくなる。この部分はVまたはUの字を逆にした形状、または他の形状などの異なる形状を採用することができる。
【0030】
図7から12はこの目的のために設計された計量および/または配分装置1の供給区域6に詰め替え器が導入される様子を示す。本発明の特徴の1つは、切り離し手段が係合方向に対応する詰め替え器の縦方向を横切って延びる少なくとも1つの突き当たり区域から形成される機械的引っ掛かり手段4を有する(図8)。図示の例では、機械的引っ掛かり手段は入口を装置の供給区域6のハウジング14に限定する補足縁部140に横向きに当たる突起部分40を含む。ハウジング14は、下縁140と共に、寸法公差を仮定すると、突起部分40と下縁140とが共同で突き当たるために切り離し手段3がハウジングの外に置かれることを例外として、詰め替え器2が摺動係合することを可能にする高さHを画定する上縁142を有する。したがって、高さHは、図9に示す縁部と薄膜の2倍の厚みを形成する封止薄膜のループ部分250とを含む詰め替え器の高さH0よりも公差内でわずかに大きいが、機械的引っ掛かり手段の厚みを含む詰め替え器全体の高さを含む高さH1より小さくなるように設計されている。
【0031】
有利には、摺動手段33、34はまた装置に属するハウジングの側縁143、144と係合する引っ掛かり手段を形成する。したがって、必要なことは、切り離し手段の幅L1がハウジングの幅L(縁部143、144を分割する幅)を超え、詰め替え器の摺動縁部を分割する幅L0がハウジングの幅Lより小さいようにすることである。そのような構成は詰め替え器の側面、すなわち、側面の封止線に沿って力を集中でき、その結果、薄膜を破断することなく層状剥離が可能であるという利点を有する。
【0032】
図10から12に示すように、詰め替え器2を取り付けて放出させる動作は簡単で迅速である。これはこの動作が詰め替え器をハウジングの入口に配置し、切り離し手段を含む詰め替え器の前縁を封止表面上で折り返す位置に(図1による構成で)配置して、対応するハウジングの縁部140に向かい合った引っ掛かり手段4を掛け、次いで詰め替え器の縦方向に十分な力を加えてハウジング内に押し込むことで封止手段の層状剥離が詰め替え器の縁部に沿って発生するためである。層状剥離が発生する際に、例えば装置の外部に流出する危険なしに、食品が重力で計量システム5に向かって装置の供給区域内に放出されることに留意すべきである。したがって、封止手段または薄膜は、詰め替え器がハウジング内に導入されるにつれてその長さが増加する折り返し部分250を形成する。薄膜はループ状に折り返されるため、折り返された部分の長さはハウジング内に係合された詰め替え器の長さのほぼ半分に対応する。したがって、容器がハウジング内に完全に導入されると、容器の通路24はほぼ半分だけ露出する。この瞬間に、図12に示すように手動で切り離し手段を引っ張ることで封止手段または薄膜が容器から分離されるまでの完全な層状剥離が得られる。
【0033】
そのような詰め替え器を収容するように設計された飲料またはソースを配分するための装置が欧州出願EP 1 028 068 A1に詳述されている。例として、そのような装置の一般的な動作原理を理解するために同出願を参照できる。
【0034】
本発明の1つの特徴によれば、封止手段は好ましくは引き裂きおよび湿度に耐性がある材料から成る可撓性の薄膜である。これはできれば金属被膜された単層または多層のプラスチック製薄膜であるか、または1つまたは複数の熱溶解性プラスチックの層と内部で並んだアルミニウム層からなる複合薄膜である。例えば溶性コーヒーの場合、金属被膜されたプラスチック製薄膜が蒸気および気体の不浸透性の特性を与えるため好まれる。プラスチック製薄膜は一般に真空状態で薄膜表面にアルミニウム他の金属蒸気を凝縮することで金属被膜される。この動作は極めて強力な真空が発生する封止されたチャンバ内で実行される。金属被膜層は極めて薄く、300オングストローム程度である。この層は保護ラッカーで覆うか、金属面に別の薄膜を接着することができる。いずれにせよ、薄膜は、金属被膜の有無に関わらず、容器の縁部に圧力と熱が加わって熱封止線を形成すると内部の層が封止線を形成することができる。
【0035】
容器については、さまざまな形状を有することができ、組み立てられた1つまたは複数の別々の部品からなることができる。ただし、封止縁を含む単一の部材からなる細長い盆の形態の解決策が好ましい。
【0036】
詰め替え器は、熱成形、射出、押し出し成形から選択した形成工程で使用するプラスチックに基くことができる。容器を形成する1つまたは複数の材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ポリスチレン、PVC、酢酸セルロース、EVOH、ポリエステルおよびポリアミドからなるグループに属するさまざまなプラスチックから選択できる。容器は単層または多層である。容器は水蒸気および/または酸素に関して不浸透性を有する低浸透性の特定の障壁薄膜を含んでいてよい。また、縁部の溶接を改善する改良された溶接特性を有する薄膜を含んでいてよい。
【0037】
好ましい実施例によって以下のさまざまな解決策を提供できる。
【0038】
容器20および切り離し手段3は図13に示す一体型射出成形で形成され、次いで、例えば、2つの部分の間に形成される弱さの線である切断または破断線220によって分割される。2つの部分の間に切断または破断線の長さを制限するために開口221を提供することができる。切り離し手段と容器の分離の前に封止薄膜を封止することができる。水蒸気への優れた浸透性、優れた溶接性を有し、比較的安価であるPPタイプの材料が好ましい。対照的に、ポリプロピレン単独では酸素を透過し、粉ミルクなどの酸化に弱い食料製品には適していない。破断または切断によって分離可能な2つの部分を1つの金型で製造できるため、このような解決策は安価でもある。
【0039】
1つの可能な代替形態では、容器はPP製の層のような単層またはPP/EVOH/PP製のような多層を熱成形することで形成される。摺動路はPP、またはポリスチレン、ポリエチレンなどの他の適当なプラスチックを射出成形することで形成される。容器を熱成形する利点は経済的で酸素への障壁であるEVOHなどの1つまたは複数の障壁層を組み込んだ多層プラスチック・シートに基いて容器を製造できるということである。ただし、熱成形で容器と切り離し手段とを含む単一の部分を得ることはできない。これは、後者が成形方向と逆の方向に折り返しまたは変形区域を有するためである(この場合、各部分は上方向に成形されるが盆の成形は下方向に行われる)。
【0040】
さらに別の形態では、容器と切り離し手段はPPなどのプラスチックを射出成形することで別々に形成される。熱成形と比較して容器を射出成形する利点は、残片を形成することなく正確にまた所望の形状に縁部を射出できる可能性から発する。また、容器を硬化させて薄膜を封止した後でたわまないようにすることも有効である。外観も改善される。
【0041】
図14から15に、詰め替え器2が可撓性小袋28と、溶接、接着剤による接着などの適当な結合手段280によって可撓性小袋に取り付けられた比較的より剛性の端部材29で形成される容器を含んだ本発明の別の形態を示す。端部材はその底部に前述したのと同様の方法で封止縁部を備え、その上に側縁210a、210bに沿って摺動自在な切り離し手段3が取り付けられている。図15は詰め替え器を収容するための装置のハウジングに属する案内手段と係合する端部材の底部を示す。案内手段は下縁140と、側縁143、144と上縁142a、142bとを含み、すべてが供給区域の案内平面Pに沿って端部材の側縁210a、210bを案内するためのレールを形成する。端部材を案内手段内に導入すると切り離し手段が案内手段の入口で停止し、容器の開口を覆う封止薄膜が層状剥離するように、案内手段の寸法は切り離し手段3の寸法よりも小さくなるように設計されている。可撓性の小袋と封止された端部材の形態の詰め替え器とそのような詰め替え器を収容するための装置は米国特許出願US/SN 09/518661に詳述され、前記特許出願は参照として本出願に組み込まれている。
【0042】
本発明の詰め替え器は食品から調製された食料製品を計量し、調製し、かつ/または配分するさまざまなタイプの装置を再充填するために使用する食品を貯蔵するのに適している。考えられる食品は基本的に飲料の製造に関係する粉末物質である。そのような物質は好ましくは焙煎した粉末コーヒー、溶性のインスタント・コーヒー、茶、ミルク、チョコレート、チコリー、植物または野菜および自然または人工調味料およびこれらの製品の任意の割合の組み合わせである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による詰め替え器の斜視図である。
【図2】図1の詰め替え器の側面図である。
【図3】図1の断面A−Aの詳細図である。
【図4】切り離し手段が折り返されていない形態での本発明による詰め替え器の上面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図4の詳細な斜視図である。
【図7】調製または配分装置内への詰め替え器の係合位置の概略正面図である。
【図8】詰め替え器の装置への係合時の詰め替え器の開封に関連する原理の下から見た斜視図である。
【図9】図7の断面B−Bの詳細図である。
【図10】ある係合位置での食品の再充填のための装置への係合動作を示す図である。
【図11】別の係合位置での食品の再充填のための装置への係合動作を示す図である。
【図12】別の係合位置での食品の再充填のための装置への係合動作を示す図である。
【図13】製造時の詰め替え器の部分図である。
【図14】詰め替え器の代替形態の概略断面図である。
【図15】装置に導入された後での図14の詰め替え器の代替形態の断面図である。
【符号の説明】
2 食品詰め替え器
3 切り離し手段
4 引っ掛かり手段
20 容器
21 縁部
22 壁
25 封止手段
27 外周線
33 摺動手段
34 摺動手段
210a 縁部
210b 縁部
211a 前縁
Claims (10)
- 食料製品を計量し、配分し、かつ/または調製するための装置の食品供給区域内に挿入するための食品詰め替え器(2)であって、前記詰め替え器は、一定量の食品を入れるための容器(20)と、食品を放出するための通路(24)と、少なくとも1対の第1の向かい合った縁部(210a、210b)を含む前記装置の縁部(21)と、前記通路を封止して閉じた空間(26)を形成する手段(25)と、前記封止手段を切り離す手段(3)とを含み、前記切り離し手段は、詰め替え器が装置内に係合している時に保持手段上に係合するための少なくとも1つの引っ掛かり手段(4)を含み、切り離し手段(3)が封止手段(25)に固定され、切り離し手段(3)は、前記第1の縁部に沿って詰め替え器摺動自在に結合可能であり、詰め替え器が装置内に係合するのに応答して封止手段(25)を少なくとも部分的に開封することを特徴とする食品詰め替え器。
- 切り離し手段に関連する引っ掛かり手段(4)は、詰め替え器が装置内に係合する詰め替え器の縦方向(I)に関して横断方向に延びる少なくとも1つの突き当たり区域を形成するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の詰め替え器。
- 切り離し手段(3)が可撓性の前記向かい合った縁部(210a、210b)に結合する手段(33、34)を含み、それにより、切り離し手段を係合解除位置と封止手段の一部分(250)が折り返された結合位置との間に配置して前記向かい合った縁部(210a、210b)に沿って摺動係合位置を形成することを特徴とする請求項1に記載の詰め替え器。
- 結合手段(33、34)が切り離し手段(3)の屈曲した端部を含み、それにより、前記端部に力が加わった時に伸張変形によって縁部(210a、210b)に沿って係合位置で折り返すことができることを特徴とする請求項3に記載の詰め替え器。
- 第2の向かい合った縁部対(211a、211b)を含み、封止手段が封止線(27)によって詰め替え器の第1および第2の縁部(21、210a、210b、211a、211b)上に積み重ねられた可撓性の薄膜であって、封止手段が詰め替え器の第1および第2の縁部上の封止線の少なくとも一部を層状剥離することで切り離されることを特徴とする請求項3に記載の詰め替え器。
- 第2の縁部が自由部分の方向を指す頂点を形成する非直線的な形状の封止部分を備えた封止手段の自由部分に隣接する前縁(211a)を含むことを特徴とする請求項5に記載の詰め替え器。
- 前記封止部分がほぼVまたはUの字を逆にした形状であることを特徴とする請求項6に記載の詰め替え器。
- 容器が細長い盆の形態を有し、縁部が盆の一体化部分を形成することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の詰め替え器。
- 容器が封止縁部(210a、21b)を含む多少剛性の端部材(29)によって延長された可撓性の小袋(28)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の詰め替え器。
- 供給区域(6)と前記区域(6)内に配置される少なくとも1つの食品詰め替え器(2)とを含む、飲料(1)を計量し、配分し、かつ/または調製するための装置を含むアセンブリであって、前記詰め替え器は、食品を入れるための容器(20)と、詰め替え器の底部を形成できる薄膜(25)とを含み、前記薄膜(25)が切り離し手段(3)に固定された状態で層状剥離できるように容器の縁部(21)上に積み重ねられ、前記切り離し手段が少なくとも1つの機械的引っ掛かり手段(4、40、33、34)を含み、前記供給区域(6)が詰め替え器(2)を収容するハウジング(14)と詰め替え器のハウジングへの導入時に単一または複数の引っ掛かり手段(4、40、33、34)と共同して働く少なくとも1つの保持手段(140、142、142a、142b、143、144)とを含み、前記切り離し手段(3)が詰め替え器に関して摺動自在に前記切り離し手段(3)を結合させる手段(33、34)を含み、前記導入動作によって少なくとも部分的に薄膜(25)が層状剥離し、食品を供給区域(6)内に放出するような形で前記切り離し手段が摺動自在であることを特徴とするアセンブリ。
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