以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本実施形態に係る包装容器について詳細に説明する。図1は本実施形態に係る包装容器1の一例が示された概略正面図であり、図2は図1の包装容器1の概略底面図であり、図3は図1のIII−III線断面が模式的に示された概略断面図であり、図4は本実施形態に係る充填体50の一例が示された概略正面図であり、図5は折り畳まれた状態の本実施形態に係る充填体50の一例が示された概略正面図である。なお、以下では、説明の便宜上、包装容器1が載置された図1の状態において、後述する外袋10の開口14の側を上とし、底面部17の側を下とし、図の手前側を表とし、図の奥側を裏とする。また、図1におけるIII−III線は、後述する内袋11を縦断する直線であり、図3は包装容器1の鉛直概略断面図である。
図1〜図3に示されるように、本実施形態に係る包装容器1は、上端に開口14を有する外袋10と、透液性を有する内袋11と、外袋10の開口14を一部残して内袋11の開口24を密閉する再封部材12とを備える。そして、包装容器1は、再封部材12が外袋10の開口14を一部残すことによって、外袋10の内部において、内袋11が位置する側と外袋10の開口14とを連通させる流路部13が形成されるように構成されている。なお、以下では、包装容器1に収容される内容物が飲料や調味料などを抽出する被抽出物である場合を例示して説明する。
外袋10は、少なくともシーラント層と基材層とが順次積層された積層体である可撓性を有するフィルムで構成される。外袋10は、シーラント層が内面となるようにフィルムが重ね合わされ、外周縁部が接着されて袋状に形成されたものである。シーラント層は、内容物の物性に影響を与えず、熱によって溶融し、相互に融着する性質を有していれば良い。シーラント層としては、例えば直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:Linear Low Density Polyethylene)のフィルムやシートが用いられる。シーラント層の厚さは、15μm〜300μmであることが好ましく、20μm〜60μmであることがより好ましい。
シーラント層の材料としては、直鎖状低密度ポリエチレン以外にも、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリプロピレンとポリスチレンとのポリマーアロイ、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド樹脂が挙げられ、これらの樹脂を単体で、あるいは二つ以上の樹脂を混合して用いることができる。
基材層は、包装袋の基材としての強度を有する材料であれば良い。基材層としては、例えば合成樹脂フィルムが用いられ、特に、二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。基材層としては、例えば二軸延伸ポリエチレンテレフタラート(BOPET:Biaxially-Oriented Polyethylene Terephthalate)フィルムが用いられる。基材層の厚さは、6μm〜30μmであることが好ましく、9μm〜15μmであることがより好ましい。基材層は、薄すぎると強度が不足しやすくなり、厚過ぎると費用が嵩む。
基材層の材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の各種の樹脂を用いることができる。
積層体であるフィルムは、例えば基材層の表面や裏面には、印刷層が設けられても良い。また、収容される内容物に応じて、シーラント層と基材層との間には、酸素や水蒸気の透過を阻止するガスバリア性、可視光や紫外線などを阻止する遮光性、耐突き刺し性、耐屈曲性、耐熱性などを付加するための中間層が更に設けられても良く、中間層が多層に構成されても良い。ガスバリア性を付与する層としては、例えば酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの蒸着膜が挙げられ、耐突き刺し性を付与する層としては、例えばポリアミド系樹脂フィルムが挙げられる。更に、基材層の表面には外層が設けられても良い。外層は、包装袋を保護する役割を果たすものであり、上述の基材層と同様に、例えば合成樹脂フィルムを用いることができる。
各層の積層方法には限定はなく、例えばポリウレタン系接着剤によるドライラミネーションによって積層することができる。なお、利便性の観点から、外袋10を構成するフィルムは、内容物を目視できる程度の透明性を有し、電子レンジでの加熱に対応し得る構成とすることが好ましい。このようなフィルムの層構成としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(60μm:シーラント層)/酸化アルミニウムの蒸着膜(20nm:中間層)/ポリエチレンテレフタラート(12μm:基材層)とすることができる。
以上のような層構成を有する積層体としてのフィルムから外袋10が形成される。外袋10は、シーラント層が内面側となるようにこのフィルムが折り曲げられて重ね合わされ、外周縁部が接着されて袋状に形成される。製袋時におけるフィルムの接着は、接着剤が用いられる方法であっても構わない。しかしながら、積層体であるフィルムには、シーラント層として、例えば直鎖状低密度ポリエチレンフィルムが用いられているため、ヒートシール(熱融着)による方法が容易に製造できることから好ましい。
外袋10は、上端の開口14と、表面部15と、裏面部16と、底面部17とを備え、底面部17が平坦で底面視で長方形状である角底袋であり、この平坦な底面部17を載置面として自立可能に構成されている。詳細については後述するが、外袋10は、上端に開口14を有する正面視で長方形状の包装袋の下部を折り込むことによって形成される。表面部15は、折り曲げられて重ね合わされたフィルムの一方の側で構成され、図1の手前側に位置している。裏面部16は、折り曲げられて重ね合わされたフィルムの他方の側で構成され、図1の奥側に位置している。そして、外袋10は、開口14が封止されることによって、内容物を密封収容できるように構成されている。
外袋10は、いわゆる合掌袋の下部が折り込まれて形成される角底袋であり、重ね合わされたフィルムが接着される下部シール18、背貼りシール19、及び把持部20と、把持部20に設けられるノッチ21、及び貫通孔22と、開封予定部23なども有する。
下部シール18、背貼りシール19、及び把持部20は、シーラント層が内面側となり、シーラント層が対向するように折り曲げられて重ね合わされたフィルムが熱融着されることによって構成され、所定の幅を有する。下部シール18は、底面部17に位置しており、合掌袋の底に対応する部位である。背貼りシール19は、裏面部16に位置しており、上下方向に延びている。把持部20は、外袋10の外周縁部、図1では右側上部に位置しており、外袋10の上端と右側端とを二辺とする略三角形状に形成されている。下部シール18、背貼りシール19、及び把持部20は、後述する抽出時に抽出液を内部に保持できる接着強度を有する。
把持部20は、外袋10を構成するフィルムの引き裂きのきっかけとなる開封手段としてのノッチ21を有する。ノッチ21は、把持部20の外側の端から内方へ延びるV字形状の切り欠きであり、外袋10の上端から所定の間隔を有するとともに、再封部材12よりも上方(開口14の側)に位置している。また、把持部20は、表面側から裏面側に貫通する円形状の貫通孔22を有する。
なお、把持部20は、下方から上方へ向けて漸次その幅が拡大する形状であるが、その形状、配置、数は限定されるものではなく、外袋10の形態に応じて適宜設定できる。また、ノッチ21は、フィルムの引き裂きのきっかけとなる構成であれば良く、例えばU字形状の切り欠きやI字形状の切り込みなどであっても良い。また、貫通孔22の形状や大きさは特に限定されるものではなく、例えば多角形状や楕円形状などであっても良い。また、ノッチ21、及び貫通孔22は、把持部20と異なる重ね合わされたフィルムが熱融着された部位に形成されても良い。
開封予定部23は、外袋10の上端(開口14)から所定の間隔を有し、ノッチ21から上端に沿って左右方向に延びる。開封予定部23は、外袋10を構成するフィルムの強度が弱められた弱め線であり、表面部15、及び裏面部16に形成されている。開封予定部23は、外袋10を構成するフィルムがノッチ21を起点に引き裂かれる際に伝播する裂け目を開封予定部23の上に誘導する機能を有する。弱め線としては、例えばフィルムの内面側または外面側からその厚さ方向の途中まで切れ目が入ったハーフカットが挙げられる。なお、貫通孔22は、開封予定部23と交わらない位置に設けることが好ましく、ノッチ21を起点にしたフィルムの引き裂きを妨げることがない。
透液性を有する内袋11は、透液性、及び可撓性を有するシート部材で構成され、上端に開口24を有する袋状に形成される。内袋11は、上端の開口24が外袋10の開口14に連通するように、外袋10の内部に取り付けられる。内袋11を構成するシート部材としては、柔軟性を有し、内容物の物性に影響を与えることがない材料、例えばパルプ、綿、麻、絹、合成樹脂などの材料の単体で、あるいは二つ以上を混用して構成される織布や不織布を用いることができる。なお、内袋11は、透液性を有するとともに内部に収容される内容物(固形物)が透過しない構成であれば良く、例えば多数の微細な貫通孔を有する合成樹脂フィルムで構成されても良く、その構成、材質、厚み、透水率などは内容物に応じて適宜設定される。なお、利便性の観点から、内袋11は、外袋10を構成するフィルムと同様に、電子レンジでの加熱に対応し得る構成とすることが好ましい。
内袋11は、透液性、及び可撓性を有するシート部材で構成されるいわゆる合掌袋であり、表面部25、裏面部26、下部シール27、背貼りシール28を有する。内袋11の上端である開口24は、外袋10の上端(開口14)から所定の間隔を有し、開封予定部23より下方に位置している。そして、内袋11の上端は、外袋10の上端、及び開封予定部23と略平行である。また、内袋11の下端(下部シール27)は、外袋10の底面部17から所定の間隔を有する。内袋11の表面部25の上端近傍は、外袋10の表面部15の内面に部分的に接着される(図3参照)。一方で、内袋11の裏面部26の上端近傍は、外袋10の裏面部16の内面に部分的に接着される。そして、内袋11の上端の開口24は、外袋10の開口14に連通している。
内袋11の外袋10への接着は、接着剤が用いられる方法であっても構わない。しかしながら、外袋10を構成する積層体であるフィルムには、シーラント層として、例えば直鎖状低密度ポリエチレンフィルムが用いられているため、熱融着による方法が容易に製造できることから好ましい。したがって、内袋11は、外袋10を構成するフィルムに熱融着させることができる構成とされることが好ましく、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、これらの混合物からなる樹脂などで構成される不織布が挙げられる。また、内袋11は、少なくともその上端近傍が部分的に外袋10に接着されていれば良く、上端近傍以外の部位が外袋10に接着されても良い。
なお、内袋11の形態は合掌袋に限定されるものではなく、上端に外袋10の開口14に連通する開口24を有する形態であれば良く、例えば二方シール袋、三方シール袋、ガゼット袋など各種の包装形態から選択して用いることができる。
再封部材12は、互いに液密嵌合する雄部材12aと雌部材12bとで構成される、いわゆるジッパーであり、外袋10の内部に取り付けられる。再封部材12は、内袋11の上端(開口24)に沿って延び、一端、図1中では右側端は把持部20と接合されている。把持部20における再封部材12の端は、重ね合わされたフィルムに挟み込まれた状態であって、把持部20に入り込んだ状態で接着される。再封部材12の他端、図1中では左側端は、外袋10の左側の外周縁部と所定の間隔を有している。
再封部材12の雄部材12aは、図示せぬ凸状嵌合部が内方を向いた状態で外袋10の表面部15の内面に接着される。再封部材12の雌部材12bは、凸状嵌合部と液密に嵌合する図示せぬ凹状嵌合部が内方を向いた状態で外袋10の裏面部16の内面に接着される。そして、再封部材12は、雄部材12aと雌部材12bを嵌合させることで、外袋10の表面部15の内面と外袋10の裏面部16の内面とを液密に接合して内袋11の開口24を密閉でき、雄部材12aと雌部材12bの嵌合を外すことで、外袋10の表面部15の内面と外袋10の裏面部16の内面とを離間させて内袋11の開口24を開封することができるように構成されている。
ここで、再封部材12の左側端は、外袋10の左側の外周縁部と所定の間隔を有しているので、雄部材12aと雌部材12bを嵌合させて内袋11の開口24を密閉した際、外袋10の開口14は全部が密閉されずに一部が残される。そして、再封部材12が外袋10の開口14を一部残すことによって、外袋10の内部において、内袋11が位置する側と外袋10の開口14とを連通させる流路部13が形成される。
ここで、再封部材12は、外袋10の開口14を一部残して内袋11の開口24を密閉するとともに、再開封できるように構成されていれば良い。上述の再封部材12は、右側端が把持部20と接合されて雄部材12aと雌部材12bとの嵌合が外れない構成であるが、右側端が把持部20と接合されない構成であっても良い。このような構成にすることで、外袋10の開口14、及び内袋11の開口24をより大きく広げることができ、使い勝手が良い。また、再封部材12の左側端は、雄部材12aと雌部材12bとの嵌合が外れる構成であるが、再封部材12の左側端周辺の外袋10の表面部15の内面と裏面部16の内面とが熱融着されて、再封部材12の左側端が外袋10の表面部15と裏面部16とによって挟み込まれ、左側端における雄部材12aと雌部材12bとの嵌合が外れない構成であっても良い。このような構成にすることで、内袋11の開口24の密閉性が向上される。
再封部材12の材料としては、柔軟性を有し、内容物の物性に影響を与えることがない材料、例えばポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の各種の樹脂を用いることができる。再封部材12の外袋10への接着は、接着剤が用いられる方法であっても構わない。しかしながら、外袋10を構成する積層体であるフィルムには、シーラント層として、例えば直鎖状低密度ポリエチレンフィルムが用いられているため、熱融着による方法が容易に製造できることから好ましい。したがって、再封部材12は、外袋10を構成するフィルムに熱融着させることができる材料で構成されることが好ましく、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、これらの混合物からなる樹脂などが挙げられる。なお、利便性の観点から、再封部材12は、外袋10を構成するフィルムと同様に、電子レンジでの加熱に対応し得る構成とすることが好ましい。
なお、再封部材12は、上述の雄部材12aと雌部材12bとの嵌合による構成に限定されるのもではなく、外袋10の表面部15の内面と裏面部16の内面とを液密に接合、及び離間させることができ、内袋11の開口24を密閉、及び開封することができる構成であれば良い。例えば、表面部15の内面と裏面部16の内面に、剥離及び再接着が可能な接着剤が帯状に塗布された構成であっても良い。
以上のように構成される包装容器1の内袋11に開口14から内容物が収容された後、開口14が封止部としての上部シール29によって封止されて包装容器1が密封され、本実施形態に係る充填体50が作製される(図4参照)。つまり、充填体50は、外袋10の開口14を封止する上部シール29を更に備える包装容器1と、内袋11に収容された内容物とを備える。
上部シール29は、上述の下部シール18、背貼りシール19、及び把持部20と同様に、シーラント層が対向するように重ね合わされたフィルムが熱融着されることによって構成される。つまり、外袋10の表面部15の内面と裏面部16の内面とが熱融着されることによって構成される。上部シール29は、所定の幅を有し、外袋10の上端(開口14)に沿って左右方向に延びている。なお、上部シール29は、開封予定部23よりも上方に位置し、開封予定部23を含まないように構成されている。この上部シール29によって気密を保って内容物の酸化等による品質低下を防ぐことができる。なお、上述の貫通孔22は上部シール29に形成されても構わない。
包装容器1に収容される内容物としての被抽出物は、飲料や調味料などを抽出するものであれば良く、例えば飲料の抽出に用いられる茶葉や挽かれたコーヒー豆などの飲料素材や、出汁の抽出に用いられるかつお節、煮干、昆布、干し椎茸などの出汁素材などとすることができる。なお、図4、及び図5に示される充填体50では、内容物として飲料素材である焙煎されて挽かれたコーヒー豆3が収容されている。
このような構成の包装容器1は、ノッチ21を起点に外袋10を構成するフィルムを引き裂き、外袋10の上部を切離することで開封される。ここで、外袋10はノッチ21と開封予定部23を有するため、包装容器1を容易に開封することができる。また、引き裂かれる際に伝播する裂け目は開封予定部23に誘導されるので、再封部材12のフィルムとの接合部に伝播せず、開封不良を防止することができる。開封性の観点から、外袋10はノッチ21や開封予定部23を有することが好ましいものの、包装容器1の外袋10は、ノッチ21や開封予定部23を備えなくても良く、例えば、外袋10の表面部15と裏面部16を離間させて封止部としての上部シール29を剥離することによって開封する構成であっても良い。
また、包装容器1の外袋10や内袋11は可撓性を有するので、収容される内容物によっては、例えば図4における二点鎖線の折り畳み線30で示された部位で包装容器1を折り曲げ、図5に示されるように底面部17が正面を向くように折り畳んだ状態とすることができる。したがって、充填体50の容積を小さくすることができ、携帯性に優れる。また、容器に抽出液が収容される場合と比較して、容積、及び重量が低減されるので、搬送効率が良好である。また、包装容器1は、貫通孔22を有するので、図5に示されるように容積が小さくされて自立できない状態であっても吊り下げて展示させることができ、陳列効率を向上させることができる。そして、詳細については後述するが、包装容器1は、開封された後、収容された内容物から成分を抽出する際の抽出容器として利用することができる。更に、抽出容器としての使用後の包装容器1は、使い捨てができるので、衛生的であり利便性に優れる。また、包装容器1は、図5に示される開封前の状態と同様に、折り畳んだ状態で廃棄することができ、ゴミの減容化が図れる。
次に、本実施形態に係る包装容器1の製造方法について詳細に説明する。図6は、包装容器1の製造工程の一例が模式的に示された概略図である。まず、図6Aに示されるように、外袋10を構成する1枚のフィルムが用意され、シーラント層が内面側となって対向するように左右の2箇所で折り曲げられて重ね合わされる。そして、重ね合わされたフィルムの端、図中では奥側の中央が、所定の温度、圧力、及び加熱加圧時間の条件で熱融着され、上端と下端に開口を有する筒状に形成される。ここで、熱融着された箇所は、背貼りシール19となり、手前に位置するフィルムが表面部15を構成するフィルムとなり、奥側に位置するフィルムが裏面部16を構成するフィルムとなり、上端の開口が開口14となる。なお、用意されるフィルムには、上端から所定の間隔を有する位置に、上端に沿って平行に延びるここでは図示せぬハーフカットが予め施されており、ハーフカットは開封予定部23となる。
次に、図6Bに示されるように、上端に開口24を有する合掌袋の内袋11と、雄部材12aと雌部材12bとで構成される再封部材12が用意され、筒状に形成されたフィルムの内部に取り付けられる。なお、背貼りシール19は、奥側の左右方向の中央に位置し、上下方向に延びている。内袋11は、筒状フィルムの上端の開口から所定の間隔を有し、筒状フィルムの上端の開口と内袋11の開口24が平行となるように配置される。内袋11の上端近傍の表面部25と裏面部26が、それぞれ外袋10の表面部15を構成するフィルムの内面と裏面部16を構成するフィルムの内面に、所定の温度、圧力、及び加熱加圧時間の条件で部分的に熱融着される。再封部材12は、内袋11の開口24に沿って左右方向に延びるように配置され、再封部材12の雄部材12aと雌部材12bが、それぞれ外袋10の表面部15を構成するフィルムの内面と裏面部16を構成するフィルムの内面に、所定の温度、圧力、及び加熱加圧時間の条件で熱融着される。再封部材12の両端は、筒状フィルムの左右の外周縁部である折り目から所定の間隔を有している。なお、内袋11と再封部材12の筒状フィルムへの取り付け順序は特に限定されるものではなく、例えば、再封部材12を筒状フィルムの内部に熱融着した後、内袋11を筒状フィルムの内部に熱融着しても良い。
次に、図6Cに示されるように、筒状フィルムの右側上部が所定の温度、圧力、及び加熱加圧時間の条件で熱融着される。ここで、熱融着された箇所は、筒状フィルムの外周縁部である上端の一部と右側の折り目の一部と再封部材12の右側端を含んだ三角形状であり、把持部20となる。そして、この把持部20に、外側の端、図中では右端から左方向に延びるV字形状の切り欠きと、手前側から奥側へ貫通する孔とを形成する。形成された切り欠きと孔は、それぞれノッチ21と貫通孔22となる。また、筒状フィルムの下端が所定の温度、圧力、及び加熱加圧時間の条件で熱融着され、下端の開口が封止される。ここで、熱融着された箇所は、下部シール18となる。また、再封部材12の左側端は、筒状フィルムの外周縁部である左側の折り目と所定の間隔を有しており、この間隔は流路部13となる。
次に、図6Dに示されるように、筒状フィルムの下部であって、左右の外周縁部である左右の折り目を、それぞれ内方(中央)へ窪むように正面視でV字状に折り込む。このV字状に折り込まれた箇所である折り込み部31は、外袋10の底面部17を構成する部位となる。
次に、図6Eに示されるように、V字状に折り込まれた折り込み部31の上端を折り目とし、下部シール18が手前側に来るように折り曲げる。この際、底面部17を形成する折り込み部31は正面視で六角形状となり、下部シール18は左右方向に延びるように位置し、左右の端部には三角形状のベロ部32が形成される。このベロ部32は、V字状に折り込んだ折り込み部31の下側の部分である。そして、この左右の三角形状のベロ部32において、中央側の端がそれぞれ所定の温度、圧力、及び加熱加圧時間の条件で熱融着される。ここで、熱融着された箇所である2つの補助シール33は、それぞれ下部シール18と直交するように所定の幅を有して上下方向に延びている。なお、補助シール33は、ベロ部32の全体を熱融着させるものであっても良い。
次に、図6Fに示されるように、左右のベロ部32を補助シール33に沿って、それぞれ中央の側へ折り曲げ、ベロ部32の下部シール18を、ベロ部32以外の下部シール18に重ね合わせる。重ね合わされた下部シール18が、所定の温度、圧力、及び加熱加圧時間の条件で部分的に熱融着され、底面部17が形成されて本実施形態に係る包装容器1が製造される。なお、重ね合わされた下部シール18は、接着剤を用いて接着されても良く、下部シール18ではなく、折り曲げられて重ね合わされたベロ部32の外面が接着されても良い。また、補助シール33が省略された構成であっても良い。しかしながら、包装容器1の自立性の観点から、補助シール33を設ける構成が好ましい。また、角底の底面部17を形成する筒状フィルムの折り込み方法は特に限定されるものではない。
ここで、包装容器1の製造方法は上述の方法に限定されるものではなく、製袋装置の形態に応じて適宜設計できる。上述の方法では、図6Aに示される筒状フィルムは、1枚のフィルムが折り曲げられて重ね合わされ、端を熱融着させることで形成されるが、例えばロール状に巻かれたフィルムの原反から筒状フィルムが形成されても良い。このような場合には、原反から繰り出されるフィルムを繰り出し方向と平行に折り曲げて重ね合わせ、その端を熱融着させて筒状に形成し、所定の長さで切断することによって筒状フィルムが形成される。なお、繰り出されるフィルムに内袋11や再封部材12を熱融着させた後、フィルムを繰り出し方向と平行に折り曲げて重ね合わせ、その端を熱融着させて筒状に形成し、所定の長さで切断しても良い。また、外袋10の表面部15を構成するフィルムと外袋10の裏面部16を構成するフィルムの2枚のフィルムで筒状フィルムを形成しても良い。このような場合には、2枚のフィルムをシーラント層が対向するように重ね合わせ、左右の両端を熱融着させることによって筒状フィルムが形成され、表面部15と裏面部16の両方に背貼りシール19が形成される。
次に、本実施形態に係る包装容器1の抽出容器としての利用方法について詳細に説明する。図7は、包装容器1による抽出工程の一例が示された概略図であり、図7Aには内容物から成分を抽出する状態が示され、図7Bには抽出液を注出する状態が示される。以下では、内容物が飲料素材の一例である焙煎されて挽かれたコーヒー豆の場合を例示し、コーヒーの抽出時における包装容器1の利用方法について説明する。ここで、図7Bには注出時におけるコーヒーの流れが矢印dによって示されている。
図5に示される内容物としてコーヒー豆3が包装容器1の内部に収容された上で密封された充填体50において、上述したように、ノッチ21を起点に外袋10を構成するフィルムを引き裂いて外袋10の上部を切離し、包装容器1を開封する。次に、再封部材12の雄部材12aと雌部材12bの嵌合を外し、開封によって形成された開口14aと内袋11の開口24とを連通させる。そして、図7Aに示されるように、底面部17を含む包装容器1の折り畳まれた部位を押し広げ、底面部17を載置して包装容器1を自立させた後、開口14aから内袋11に所定の量のお湯を注ぐ。なお、内袋11は透液性を有するため、内袋11に注がれたお湯にコーヒー豆の成分が抽出された抽出液は内袋11を透過して外袋10に収容される。
ここで、包装容器1は自立可能であるので、お湯を注ぐ際に包装容器1を安定して載置させることができて、お湯の注ぎ(抽出動作)が容易となり、使い勝手が良い。また、包装容器1は把持部20を有するので、把持部20を把持して包装容器1の自立を補助した状態でお湯を注ぐことができ、包装容器1の予期せぬ転倒を防止することができ、使い勝手が良い。
次に、再封部材12の雄部材12aと雌部材12bを嵌合させ、内袋11の開口24を密封する。そして、図7Bに示されるように、把持部20を把持して包装容器1を把持部20と反対の側、図中では左側に傾倒することで、外袋10の左側の外周縁部と再封部材12の左側端との間の流路部13を介して、開口14aの左側からコーヒーを注出することができる。したがって、包装容器1は、開封された後、収容された内容物から成分を抽出する際の抽出容器として利用することができ、利便性に優れる。
ここで、再封部材12は雄部材12aと雌部材12bが液密に嵌合しているため、内袋11内のコーヒー豆3は、内袋11から飛び出すことがない。そして、抽出液であるコーヒーは、外袋10の左側の外周縁部と再封部材12の左側端との間の流路部13を介して注出されるため、コーヒーが注出される位置は、特定の位置、つまり開口14aの左側に規制されて、使い勝手が良く、スムースに注出することができる。また、コーヒーの注出速度は、包装容器1の傾倒角度によって調整できるとともに、その最大速度は、流路部13の断面積によってある程度規制することができるため、所定の位置にコーヒーを注出しやすく、使い勝手が良い。また、包装容器1は、別部材の注出具を備えることなく所定の位置からコーヒーを注出することができ、コストの低減が図れる。また、抽出容器としての使用後の包装容器1は、使い捨てができるので、衛生的であり利便性に優れる。また、包装容器1は、図5に示される開封前の状態と同様に、折り畳んだ状態で廃棄することができ、ゴミの減容化が図れる。
ここで、包装容器1の構成は上述の構成に限定されるものではない。上述で例示された外袋10の包装形態は角底袋であるが、例えばスタンディングパウチ、二方シール袋、三方シール袋、ガゼット袋、合掌袋など各種の包装形態から選択して用いることができる。なお、抽出作業性の観点から、外袋10は自立可能な形態であることが好ましく、抽出の際に加熱されてフィルムの剛性が低下した状態であっても安定した自立ができる角底袋であることがより好ましい。
また、外袋10に対する内袋11の位置は、内容物である被抽出物に応じて適宜設定できる。例えば、被抽出物が抽出の際にお湯や水に浸漬させるもの、例えば茶葉や出汁素材などである場合には、被抽出物がお湯や水に浸漬されるように、内袋11を外袋10の下部側に配置した構成や、内袋11の下端が外袋10の底面部17と接触するように配置した構成としても良い。そして、内容物がこのような被抽出物である場合には、電子レンジを用いた加熱によって抽出を行っても良い。例えば被抽出物が出汁素材である場合は、開口14aから包装容器1に所定の量の水を注入し、出汁素材を水に浸漬させる。そして、再封部材12によって内袋11を再封し、包装容器1ごと電子レンジで所定の時間加熱することで出汁素材から成分が抽出され、抽出液としての出汁が得られる。なお、抽出液が収容される外袋10の内部は、流路部13を介して開口14aと連通しているので、電子レンジの加熱によって包装容器1の内部の圧力が過剰に高まることはなく、包装容器1の破裂や破損が生じることはない。したがって、包装容器1を電子レンジの加熱による内圧の増加に耐え得る強度としたり、減圧機構を設けたりする必要がなく、コストの低減が図れる。
また、再封部材12は、開口14(上端)の近傍であって、開口14(上端)や開封予定部23と略平行に延びるように配置されることが好ましい。このような構成にすることで、再封部材12が開封時に形成される開口14aに沿うようになり、内袋11の開口24が開封時に形成される開口14aの近傍に位置するため、お湯や水の注入や雄部材12aと雌部材12bの嵌合がしやすくなるので、抽出作業が容易となる。
また、包装容器1は、抽出に用いる水やお湯などの液体を計量するための目盛を外袋10に有する構成であっても良い。目盛としては、例えば外袋10を構成するフィルムを透明や半透明とするとともに、このフィルムの印刷層に印刷された目印が挙げられる。このような構成にすることで、抽出する際に用いる液体を包装容器1に注ぎながら計量することができ、使い勝手が良い。
また、包装容器1は、図8、図9に示されるような構成であっても良い。ここで、図8は別の実施形態に係る包装容器2の一例が示された概略正面図であり、図9は補強部材40の外面側が示された概略展開図である。なお、包装容器2は、上述の包装容器1において更に補強部材40を備える構成であり、補強部材40以外は包装容器1と同様の構成である。そして、上述の包装容器1と同様の構成については同一の符号を付した上で、その説明を省略する。
包装容器2は、包装容器1と同様に、外袋10と、内袋11と、再封部材12とを備える。そして、包装容器2は、更に外袋10の外面に取り付けられる補強部材40を備える。補強部材40は、紙を基材とする帯状の積層体で構成され、外袋10を構成するフィルムよりも高い剛性と断熱性とを有し、外袋10を自立状態により確実に保持する機能を有する。
補強部材40を構成する積層体としては、例えば、外側から順に、外層、紙基材層、内層が積層された3層構造とすることができる。
紙基材層は、主強度材であり、例えばミルク原紙、純白ロール紙、コート紙、クラフト紙、板紙、加工紙、その他の各種紙材を用いることができる。紙基材層に用いる紙材の坪量は、取り付けられる外袋10の形態に応じて適宜決定することができ、坪量は、80g/m2〜600g/m2であることが好ましく、100g/m2〜450g/m2であることがより好ましい。また、厚さは、110μm〜860μmであることが好ましく、140μm〜640μmであることがより好ましい。紙基材層は、坪量が少なかったり薄すぎたりすると強度が不足しやすくなり、坪量が多かったり厚過ぎたりすると費用が嵩む。
外層、及び内層は、紙基材層を保護する役割を果たすものであり、例えば合成樹脂フィルムが用いられる。外層、及び内装の材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の各種の樹脂を用いることができる。外層、及び内層の厚さは、10μm〜120μmであることが好ましく、20μm〜60μmであることがより好ましい。
補強部材40を構成する積層体は、外袋10を構成するフィルムよりも高い剛性を有するものであれば良く、その層構成は限定されるものではなく、例えば紙基材層の表面、外層の表面や裏面には、印刷層が設けられても良い。また、各層の積層方法も限定されるものではない。なお、利便性の観点から、補強部材40を構成する積層体は、外袋10を構成するフィルムと同様に、電子レンジでの加熱に対応し得る構成とすることが好ましい。
補強部材40は、底面視で長方形状である底部41と、底部41を介して連接され、上方(開口14)へ向かって延び、正面視で長方形状である一対の側部42とを有し、鉛直断面視で略U字形状に形成されている。補強部材40の左右方向の幅は、外袋10の底面部17の形状に合わせて対応している。
一対の側部42の上端は、開封予定部23の下方かつ近傍に位置している。また、一対の側部42は、外方へ突出するように折り曲げられた2つの山折り部43をそれぞれ有する。側部42が有する2つの山折り部43は、所定の間隔を有し、底部41との接合部から上端まで直線的に延びている。この山折り部43によって、側部42の鉛直方向の荷重に対する剛性が向上されている。なお、山折り部43の数や配置は特に限定されるものではなく、例えば側部42の左右方向の中央に1つの山折り部43が形成される構成であっても良い。また、山折り部43は、その端が底部41との接合部や上端と接続しない構成であっても良い。また、側部42は、山折り部43が形成されない構成であっても良い。また、側部42は、上方へ向かって左右方向の幅が変化する構成であっても良く、例えば正面視で台形状や三角形状であっても良い。
少なくともいずれか一方の側部42は、底部41との接合部から所定の間隔を有し、左右方向に延びる折り目線44を有する。折り目線44は、補強部材40を構成する積層体を内方へ突出するように折り曲げやすくするものである。折り目線44としては、例えば積層体を折り曲げることによって形成される折り曲げ跡や、積層体の内面側からその厚さ方向の途中まで切れ目が入ったハーフカットなどが挙げられる。
このような構成の補強部材40は、紙を基材とする帯状の積層体が短手方向と平行に延びる2箇所の折り曲げ部45で折り曲げられて形成される(図9参照)。2つの折り曲げ部45によって挟まれた領域が底部41となり、折り曲げ部45よりも長手方向の端の側の領域がそれぞれ側部42となる。そして、折り曲げ部45は底部41と側部42との接合部となる。なお、補強部材40は、底部41、及び一対の側部42に対応する3つの積層体がつなぎ合わされて構成されても良い。
補強部材40は、底部41の内表面が外袋10の底面部17に部分的に接着され、一対の側部42の内表面が外袋10の表面部15と図示せぬ裏面部にそれぞれ部分的に接着されることで外袋10に取り付けられる。なお、補強部材40の外袋10への接着方法は、特に限定されるものではなく、例えば接着剤が用いられる方法や熱融着による方法であっても良い。また、補強部材40は、一対の側部42のみ、外袋10の表面部15と裏面部に接着される構成であっても良い。
このような構成の包装容器2は、補強部材40の底部41によって平坦な載置面を確保することができ、補強部材40の側部42によって鉛直方向の荷重に対する剛性が向上される。したがって、包装容器2は、より安定した自立状態で載置でき、上述した抽出時の動作が容易となり、使い勝手が良い。また、抽出液を注出する際に、把持部20とともに補強部材40を把持して包装容器2を傾倒させることができるので、抽出液が高温であっても容易に注出することができ、使い勝手が良い。特に、内袋11が外袋10の上部に位置する構成の場合には、重心が高くなって外袋10の自立性が低下しやすいため、補強部材40を備える包装容器2の構成とすることが好ましい。また、側部42の上端は、内袋11の上端(開口24)よりも上方かつ開封予定部23より下方に位置することが好ましい。このような構成にすることで、包装容器2の開封性を低下させることなく、自立時の安定性をより効果的に向上することができる。
また、補強部材40は折り目線44を有するので、折り目線44で側部42を折り曲げ、図10に示されるように底部41が正面を向くように折り畳んだ状態とすることができる。ここで、図10は別の実施形態に係る包装容器2が折り畳まれた状態が示された概略正面図である。なお、折り目線44は、図4に示される折り畳み線30に対応しており、側部42を折り目線44で折り曲げる際に、外袋10は、図5に示されるように折り畳まれる。したがって、包装容器2は、上述の包装容器1と同様に、携帯性、搬送効率、陳列効率などに優れる。
ここで、補強部材40は上述の構成に限定されるものではなく、外袋10を自立させるような構成であれば良く、例えば有底筒状に形成されて内部に外袋10を収容するような構成であっても良い。補強部材40は、紙を基材とする積層体以外の部材、例えば厚紙、ボール紙、段ボール、熱可塑性樹脂の板状部材などで構成されても良い。また、補強部材40は、内容物の物性に影響を与えることがない材料で構成される場合には、外袋10の内部に取り付けられる構成であっても良い。
本実施形態に係る包装容器1、2にはサイズによる限定はなく、種々のサイズに対して適用することができる。例えば、包装容器1、2の容積が500ml以上、3000ml以下であっても良い。なお、包装容器1、2は、大きな設計変更をすることなく容積を変更でき、設計の自由度が高く、一度に多量の抽出液を得ることも可能となる。また、包装容器1、2は折り畳むことができるので、容積の増加にともなう携帯性、搬送効率、陳列効率などの低下が少ない。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係る包装容器1、2は、上端に開口14を有する外袋10と、透液性を有し、上端に外袋10の開口14に連通する開口24を有する内袋11と、外袋10の開口14を一部残して内袋11の開口24を密閉する再封部材12と、を備える構成である。
本実施形態に係る構成によれば、容器に抽出液が収容される場合と比較して、容積、及び重量が低減されるので、搬送効率が良好である。更に、本実施形態の構成によれば、包装容器1、2は、抽出時に抽出液を内部に保持できる強度であれば良い。そして、搬送時の衝撃に対しても、液体が収容された状態で破裂しない程の強度は必要なく、液体が収容される前の状態で密封性や機能が損なわれない強度があれば良く、コストの低減が図れる。更に、本実施形態の構成によれば、包装容器1、2を収容された内容物から成分を抽出する抽出容器として利用することができ、利便性に優れる。更に、本実施形態の構成によれば、包装容器1、2は、使い捨てができるので、衛生的であり利便性に優れる。更に、本実施形態の構成によれば、別部材の注出具を備えることなく抽出液を注出することができ、コストの低減が図れる。
したがって、本実施形態によれば、携帯性に優れ搬送効率が良好であり、内容物の成分を抽出する抽出容器としても利用できて利便性に優れる包装容器1、2、及び充填体50を提供することができる。