JP4749578B2 - 引戸装置及びその施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、引戸本体を収納する戸袋を有する引戸装置に係り、例えば、引戸本体が上方に配置されたガイド部材に吊り下げられて移動する上吊り式の引戸装置等に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
建物内の部屋と廊下の間あるいは部屋同士の間等を仕切るために上吊り式の引戸装置が用いられ、この上吊り式の引戸装置では、外枠組みの一部を形成している上方の無目の内部にガイドレール等のガイド部材が配置され、このガイド部材から引戸本体が吊り下げられている。引戸本体がガイド部材に案内されて移動することにより、出入口等の開口部が開閉され、開口部を開いた引戸本体は戸袋の内部に収納される。
【0003】
この戸袋は、下地部材と、この下地部材に取り付けられた外面形成部材で形成されており、壁の内部に設けられるタイプの戸袋では、外面形成部材は壁の外面と同じ石膏ボード製となっており、外面形成部材は下地部材にステープル等の止着具で固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、戸袋の外面形成部材を下地部材にステープル等の止着具で取り付けるときは、作業者が外面形成部材を保持していなければならなかった。このため、外面形成部材の取付作業を行うために複数の作業者が必要になるなど、作業に手間と時間がかかり、作業効率を向上させることが困難であった。
【0005】
本発明の目的は、戸袋を形成する外面形成部材を下地部材に取り付けるための作業を容易に行え、作業効率の向上を図ることができるようになる引戸装置を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る引戸装置は、引戸本体を収納する戸袋が下地部材に外面形成部材を取り付けることにより形成されている引戸装置において、前記下地部材に前記外面形成部材を受けるための受け部が設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
この引戸装置では、下地部材に外面形成部材を受けるための受け部が設けられているため、外面形成部材を下地部材に取り付ける作業を行うときは、先ず外面形成部材をこの受け部で受けさせ、この後、外面形成部材を下地部材に取り付ける作業を行う。
【0008】
そして、本発明に係る引戸装置の施工方法は、引戸本体を収納する戸袋を下地部材に外面形成部材を取り付けることにより形成する引戸装置の施工方法において、前記外面形成部材を前記下地部材に設けられている受け部に受けさせ、この後、前記外面形成部材を前記下地部材に取り付けることを特徴とするものである。
【0009】
本発明によると、外面形成部材を下地部材の受け部に一旦受けさせてから、下地部材に外面形成部材を取り付ける作業を行えるため、外面形成部材を保持しながら下地部材へ外面形成部材を取り付ける作業を行う必要がなくなる。このため、作業を容易に行え、作業効率が向上し、例えば、一人の作業者でも作業を実施することが可能になる。
【0010】
下地部材に設ける受け部は、外面形成部材を受けさせることができるものであれば任意な形態で受けさせるものでよく、例えば、外面形成部材を載せるための載せ部でもよく、外面形成部材を係止しておく係止部でもよく、外面形成部材を係合しておく係合部でもよく、外面形成部材を掛け止めしておく掛け止め部でもよく、その形状及び構造も任意である。
【0011】
下地部材に設ける受け部を外面形成部材を載せるための載せ部とする場合の一例は、下地部材に戸袋の外側と内側のうちの少なくとも一方へ屈曲しかつ横方向に延びる屈曲部を形成し、この屈曲部の上面を外面形成部材を載せるための載せ部とすることである。
【0012】
これによると、下地部材は屈曲部付き部材となるため、それだけ下地部材の強度が大きくなり、戸袋の骨組みを形成していて外面形成部材が取り付けられる下地部材に必要とされる強度を与えることができる。
【0013】
下地部材に設ける屈曲部の個数は、例えば、下地部材の大きさに応じて、1個だけでもよく、上下方向や横方向に分離した複数個でもよい。下地部材に上下方向や横方向に分離した複数個の屈曲部を設ける場合には、それぞれの屈曲部の上面に外面形成部材を載せてもよく、所定の屈曲部の上面だけに外面形成部材を載せ、他の屈曲部の上面には外面形成部材を載せないようにしてもよい。
【0014】
また、下地部材に外面形成部材を取り付けるための下地部材の形状的手段は任意であり、その一例は、上面が外面形成部材を載せる載せ部となっている屈曲部の上部を上方へ延びるフランジ部とし、このフランジ部に外面形成部材を固定することである。
【0015】
これによると、下地部材に、外面形成部材を載せるための部分と外面形成部材を固定するための部分とを下地部材の形状設定で有効に設けることができるようになる。
【0016】
屈曲部の上部に設けられたフランジ部に外面形成部材を固定するための固定手段は、両面粘着テープでもよく、ステープルやビス、リベット、ボルト等の止着具でもよく、接着、溶接、嵌合、係合、係止、引っ掛け、マグネット吸着、真空吸着等によるものでもよい。
【0017】
以上において、下地部材は、横方向又は上下方向等を長さ方向とする細長状部材でもよく、あるいは、戸袋の外面全体又は外面略全体と対応した大きさを有する大面積部材でもよい。下地部材が横方向を長さ方向とする細長状部材である場合には、その下地部材には無目、幅木等が含まれ、また、下地部材が上下方向を長さ方向とする細長状部材である場合には、その下地部材には竪額縁、縦枠等が含まれる。
【0018】
下地部材を横方向を長さ方向とする細長状部材とした場合には、第1下地部材であるこの下地部材の上方に間隔を開けて第2下地部材を配置し、この第2下地部材の下部を下方へ延びるフランジ部とし、このフランジ部に、第1下地部材と第2下地部材との間に配置された外面形成部材を固定するようにしてもよい。
【0019】
この場合において、第2下地部材のフランジ部に外面形成部材を固定するための固定手段は、両面粘着テープでもよく、ステープルやビス、リベット、ボルト等の止着具でもよく、接着、溶接、嵌合、係合、係止、引っ掛け、マグネット吸着、真空吸着等によるものでもよい。
【0020】
また、第2下地部材は、戸袋の外側と内側のうちの少なくとも一方へ屈曲しかつ横方向に延びる屈曲部を有する屈曲部付き部材としてもよく、屈曲部を有しない平面状部材でもよい。
【0021】
第1下地部材と第2下地部材のうちの少なくとも一方を屈曲部付き部材とする場合には、その下地部材は、アングル材、チャンネル材(リップ付きとリップ無しの両方を含む)、I型材、H型材、T型材のいずれで形成してもよく、また、板金の折り曲げ加工等により、長さ方向と直角をなす幅方向の途中部に戸袋の内側と外側のうちの少なくとも一方へ屈曲突出した屈曲突出部を有しているものとしてもよい。
【0022】
また、第1下地部材と第2下地部材に外面形成部材を固定するためのフランジ部を設ける場合には、これらのフランジ部に外面形成部材を固定するための固定手段を予め設けておいてもよい。
【0023】
これによると、外面形成部材をこれらの下地部材に固定する作業を迅速に行える。
【0024】
フランジ部に予め設けておく固定手段の一例は両面粘着テープであり、この他に、固定手段は、外面形成部材を押し付けると外面形成部材に突き刺さる針状部材でもよく、外面形成部材を係止するフック部材等でもよい。
【0025】
なお、予め設ける固定手段は外面形成部材に設けてもよく、また、下地部材と外面形成部材の両方に設けてもよい。
【0026】
以上において、戸袋の外面を形成する外面形成部材は、戸袋の内外方向において1枚だけでもよく、複数枚でもよい。
【0027】
外面形成部材を戸袋の内外方向において複数枚とする場合には、これまで説明した外面形成部材を内側外面形成部材とし、この内側外面形成部材の外側に外側外面形成部材を配置し、この外側外面形成部材を、内側外面形成部材と下地部材の両方を覆う大きさを有するものとしてもよい。
【0028】
これによると、内側外面形成部材によって戸袋の外面の全部を覆うことができず、部分的に下地部材が露出する構造になっても、この下地部材を外側下地部材で覆うことができ、戸袋を所定の外観に仕上ることができる。
【0029】
以上の本発明に係る引戸装置の戸袋は、壁の内部に設けられるタイプのものでもよく、壁等とは別になっていて外部に表われた露出タイプのものでもよい。
【0030】
また、戸袋は引戸本体の一方と他方の両方の面を覆う袋状のものでもよく、引戸本体の一方の面だけを覆う片側式のものでもよい。
【0031】
また、以上の本発明は各種構造、形式の引戸装置に適用でき、その一例は、引戸本体が上部に配置されたガイド部材から吊り下げられ、このガイド部材が戸袋の内部まで延びている上吊り式引戸装置である。また、他の例は、引戸本体が下部に施設されたガイドレールに案内されて移動する引戸装置である。
【0032】
前者の引戸装置において、ガイド部材はガイドレールでもよく、スライディングレールでもよい。
【0033】
また、前者及び後者の引戸装置において、引戸本体の移動は人手操作によって行われてもよく、駆動装置によって行われてもよい。また、この駆動装置は、引戸本体の閉じ移動と開き移動の両方を自動的に行うものでもよく、これらのいずれか一方を自動的に行い、他方を人手操作で行うものでもよい。
【0034】
この駆動装置の駆動原理は任意なものでよく、例えば、蓄圧されたばね力によって引戸本体を引っ張り移動させる渦巻きばね式のものでもよく、シリンダで引戸本体を移動させるシリンダ式のものでもよく、モータで回転するピニオンで引戸本体を移動させるモータ式のものでもよく、電磁石の吸引力、反発力で引戸本体を移動させるリニアモータ式のもの等でもよい。
【0035】
また、駆動装置はガイド部材等の不動部材側に取り付けてもよく、移動する引戸本体等の移動体側に取り付けてもよい。
【0036】
また、本発明は、引戸本体の移動が引戸本体の自重で自動的になされるように、上記ガイド部材が引戸本体の閉じ側又は開き側に下り傾斜で固定的に配置され、又は閉じ側と開き側に傾斜方向が可変に配置された引戸装置にも適用できる。この場合におけるガイド部材は、引戸本体の移動方向へ連続した1本のものでもよく、途中で分割されて複数本となったものでもよい。
【0037】
さらに、本発明が適用される引戸装置は、引戸本体が1個のものでもよく、複数個のものでもよい。引戸装置が複数個の引戸本体を備えている場合において、これらの引戸本体は引き分け式となっていてもよく、引き違い式になっていてもよく、これら両方のものが組み合わせられたものでもよく、さらには、引戸本体が戸袋を間に挟んでその両側に配置された引戸装置にも本発明を適用できる。
【0038】
このように、複数個の引戸本体を備えた引戸装置に本発明を適用するとき、その戸袋は1個の引戸本体を収納するためのものでもよく、複数個の引戸本体を収納するためのものでもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。初めに、本実施形態に係る引戸装置の全体を説明する。
【0040】
図1は、本実施形態に係る引戸装置の全体を示す正面図である。この引戸装置は、建物内の廊下と部屋との間を開閉自在に仕切るための室内用仕切り手段として設置され、引戸本体1は把持部1Aを把持することにより左右動させることができ、左右動すると引戸本体1は、無目2と引戸本体戸先側の縦枠3と壁4と床5とに囲まれて形成されている出入口用の開口部6を開閉し、この開口部6を開いたときの引戸本体1の大部分は壁4の内部に形成されている戸袋7に収納される。すなわち、本実施形態に係る引戸装置は、開口部6を開いたときの引戸本体1が壁4の内部に収納される壁収納式の引戸装置になっている。
【0041】
また、引戸装置の外枠組み体の基本構造は、無目2と、引戸本体戸先側の縦枠3と、引戸本体戸尻側の縦枠8とで形成され、この引戸本体戸尻側の縦枠8により戸袋7の終端部が形成されている。
【0042】
無目2は、無目本体2Aと、この無目本体2Aに止めねじ等の止め具で取り付け、取り外し自在になっていて、無目本体2Aに対して開閉自在になっている点検用カバー2Bとからなる。無目本体2Aは、図1のS5―S5線断面図である図5に示されているように、戸袋7まで延びる長さを有し、点検用カバー2Bは、無目本体2Aの全長のうち、開口部6の上部に相当する位置だけに設けられている。
【0043】
図2及び図3には、引戸本体1を移動させるために無目本体2A及び壁4の内部に配置された移動機構が示されている。図2は、この移動機構によって引戸本体1が閉じ限位置に達しているときを示し、図3は、引戸本体1が開き限位置に達しているときを示す。
【0044】
図2に示すように、無目本体2Aの内部には引戸本体1の移動を案内するためのガイド部材であるガイドレール10が組み込まれ、上記移動機構を形成する部材であって、無目本体2Aの略全長に亘る長さを有するこのガイドレール10は、図1のS4―S4線断面図である図4に示すとおり、無目本体2Aの内部に設けられている取付部材11に取り付けられ、戸袋7の内部まで延びている。同一断面形状が長さ方向に連続しているこのガイドレール10は、取付部材11に取り付けられた基部10Aと、この基部10Aの下端から引戸本体1の厚さ方向に水平に延びるアーム部10Bと、このアーム部10Bの先端から垂直に立ち上がった係合部10Cとを有する。
【0045】
図2で示すように、引戸本体1には、ローラブラケット13,14に回転自在に取り付けられた2個のローラ15,16が引戸本体1の移動方向に配設され、ローラブラケット13,14を介して引戸本体1の上部に配置されているこれらのローラ15,16は、図4に示すように、引戸本体1の上方に不動部材となって水平に架設されているガイドレール10の係合部10Cに係合している。このため、引戸本体1は、ローラ15,16が係合部10C上を転動することによりガイドレール10に沿って移動するとともに、引戸本体1は、ガイドレール10の係合部10Cにローラ15,16及びローラブラケット13,14を介して吊り下げられた上吊り式となっている。
【0046】
また、図1に示すように、戸袋7に近い開口部6の床5には、垂直軸を中心に回転自在となったガイドローラ17が配置され、このガイドローラ17は、図4に示すとおり、引戸本体1の下端に下向きに開口して配置されているチャンネル部材1Bの内部に挿入されており、ガイドレール10に沿った引戸本体1の移動は、引戸本体1の下端がこのガイドローラ17で案内されながらなされる。
【0047】
図2に示されているように、ガイドレール10の引戸本体開き側の端部には、引戸本体1を開き限位置に停止させるためのストップ装置20が取り付けられ、このストップ装置20は、引戸本体閉じ側に向けて本体21に突設されたゴム等の弾性材料からなるストップ部材22と、本体21に取り付けられた小径ローラによる被係止部材23とを有する。一方、引戸本体1に設けられている2個のローラブラケット13,14のうち、引戸本体開き側のローラブラケット14の後端には板状の受け部材24が結合され、この受け部材24には板ばねの折り曲げで形成されている係止部材25が取り付けられている。
【0048】
引戸本体1を前記把持部1Aで開き側に移動させ、この移動が開き限位置に達すると、図3に示されているように、被係止部材23には、一旦上向きに湾曲変形してもとの形状に弾性復帰する係止部材25が係止するとともに、受け部材24はストップ部材22に当接し、これにより引戸本体1は開き限位置に停止する。
【0049】
また、引戸本体1の把持部1Aに引戸本体閉じ側への操作力を作用させた場合には、被係止部材23から上向きに弾性変形する係止部材25が離脱するため、引戸本体1はガイドレール10とガイドローラ17に案内されて閉じ側へ移動する。
【0050】
また、図2及び図3に示されているように、引戸本体1に設けられている2個のローラブラケット13,14のうち、引戸本体閉じ側のローラブラケット13には、引戸本体1を閉じ移動させるための駆動装置30のケーシング30Aがブラケット31で取り付けられている。駆動装置30はケーシング30A内に回転自在に収納されたリール33を有し、このリール33の内部には渦巻きばねが配置され、この渦巻きばねの一端はリール33に結合されているとともに、他端はケーシング30Aに結合されている。
【0051】
また、リール33には、図2及び図3で示されているナイロン紐又はワイヤー等からなる紐状部材34が巻かれているとともに、この紐状部材34の一端が結合されている。この紐状部材34はケーシング30Aから導出され、紐状部材34の他端は、不動部材であって前述した外枠組み体を形成している縦枠3に設けられたフック部材35に係止されている。
【0052】
図2で示すように閉じ限位置に達している引戸本体1を把持部1Aで図3に示すように開き側へ移動させたときには、紐状部材34がリール33を回転させながら駆動装置30のケーシング30Aから繰り出され、このとき、リール33の内部の上記渦巻きばねがリール33の回転で蓄圧されるようになっている。このため、この後に把持部1Aから手を離すと(引戸本体1が図3のように閉じ限位置に達しているときには、前述のように、把持部1Aに操作力を作用させて被係止部材23から係止部材25を離脱させると)、渦巻きばねの蓄圧力によってリール33には、引戸本体1の開き移動時とは逆方向へ引戸本体1を移動させようとする回転力が生じているため、この回転力で緊張している紐状部材34の引張力によって引戸本体1は閉じ側へ引っ張られ、リール33が回転して紐状部材34を巻き取ることにより、引戸本体1は閉じ限位置まで自動的に移動する。
【0053】
したがって、本実施形態における引戸本体1を閉じ側へ自動的に移動させるための駆動装置30は渦巻きばね式であるとともに、紐状部材34の引張力による引張式駆動装置となっている。
【0054】
図2及び図3に示すように、ガイドレール10には、閉じ側への引戸本体1の移動速度を低速化させて制動させ、引戸本体1を閉じ限位置に減速させて到達させるための制動装置40が取り付けられている。この制動装置40は、シリンダ本体41と、シリンダ本体41にガイドレール10の長さ方向に伸縮自在に挿入されたピストンロッド42とを有するシリンダ装置で構成され、シリンダ本体41は、不動部材となっているガイドレール10に取り付けられている。
【0055】
図2及び図3で示すように、引戸本体1に2個設けられているローラブラケット13,14のうち、引戸本体開き側のローラブラケット14には、ピストンロッド42の先端部が挿抜自在となったキャッチ部材44が取り付けられ、ピストンロッド42の先端部と、この先端部が挿入されるキャッチ部材44の内部とのうち、一方には磁石が設けられ、他方にはこの磁石に吸着する磁性材料が設けられている。このため、ピストンロッド42とキャッチ部材44とは、磁力で接続分離自在となっている。
【0056】
図2に示すように引戸本体1が閉じ限位置に達しているときには、シリンダ本体41に対して収縮しているピストンロッド42の先端部がキャッチ部材44の内部に挿入された状態になっており、引戸本体1を開き側へ移動させると、ピストンロッド42の先端部とキャッチ部材44とが上記磁力で接続されているため、ピストンロッド42はシリンダ本体41に対して伸び作動する。このピストンロッド42が伸び作動限に達してもさらに引戸本体1が開き側に移動すると、図3に示すように、ピストンロッド42とキャッチ部材44とが分離し、ピストンロッド42はその位置で停止する。また、引戸本体1が前記引張式駆動装置30の駆動力で閉じ側へ移動し始め、そして引戸本体1が所定位置に達すると、キャッチ部材44はピストンロッド42に当接してこれらのキャッチ部材44とピストンロッド42とが上記磁力で再度接続され、引戸本体1がさらに閉じ側へ移動することにより、ピストンロッド42はシリンダ本体41に対して収縮作動する。
【0057】
なお、ピストンロッド42の先端部と、この先端部が挿入されるキャッチ部材44の内部とに互いに磁性が逆となった磁石を設けることにより、ピストンロッド42とキャッチ部材44とを上記と同様に接続分離自在としてよい。
【0058】
シリンダ本体41には、ピストンロッド42が伸び作動したときに多量のエアをシリンダ本体41の内部に吸引し、ピストンロッド42が収縮作動したときにはこのエアを絞りながら排出するバルブが設けられている。このため、ピストンロッド42が伸び作動する引戸本体1の開き移動時には、引戸本体1を軽く移動させることができ、また、ピストンロッド42が収縮作動する引戸本体1の閉じ移動時には、引戸本体1がシリンダ本体41の内部のエア圧力によって制動されながら移動し、減速された速度で閉じ限位置に達するようになっている。
【0059】
図1で示すように、戸袋7の部分には、横方向(戸袋7の幅方向であって、引戸本体1の移動方向)に細長い下地部材50が配置され、細長状部材となっているこの下地部材50は、上下方向に間隔を開けて複数設けられている。これらの下地部材50は、戸袋7の幅方向両端部まで達する同じ長さを有しているが、本実施形態に係る戸袋7には、図5に示されているように、上下寸法が異なる4種類の下地部材50A,50B,50C,50Dが用いられている。
【0060】
すなわち、戸袋7の両方の面において、最下段の下地部材50は上下寸法が最も大きい下地部材50Aであり、最下段から2段目と3段目の下地部材50は上下寸法が最も小さい下地部材50Dである。下地部材50A同士、最下段から2段目の下地部材50D同士、最下段から3段目の下地部材50D同士は、それぞれ同じ高さ位置に配置されている。図5における右側の最上段の下地部材50、言い替えると、図1で示された側の最上段の下地部材50は、上下寸法が3番目に大きい下地部材50Cであり、図5における左側の最上段の下地部材50は、上下寸法が2番目に大きい下地部材50Bである。
【0061】
これらの下地部材50は金属板の折り曲げで形成されており、下地部材50の全体斜視図である図9で示すとおり、長さ方向と直角をなす幅方向の途中部、すなわち、上下方向の途中部には、下地部材50の厚さ方向に屈曲突出しかつ下地部材50の長さ方向へ連続して延びている屈曲突出部51が形成されており、この突出方向は戸袋7の外側である。このように、それぞれの下地部材50は戸袋7の外側へ屈曲した部分を有する屈曲部付き部材となっており、これらの下地部材50は、上下の幅狭のフランジ部52から屈曲突出部51の屈曲部51Aが直角又は略直角に折り曲げられたものとなっている。
【0062】
図1のS8−S8線断面図である図8に示すように、戸袋7の引戸本体閉じ側端部には見切り材としての竪額縁9が設けられ、この竪額縁9には戸袋7の内側において引戸本体開き側へ延びる延出部9Aが設けられている。また、竪額縁9には補助部材53が取り付けられ、アングル材からなるこの補助部材53には、戸袋7の内外方向への間隔を開けて延出部9Aと平行に引戸本体開き側へ延びる延出部53Aが設けられている。これらの延出部9Aと53Aとの間にそれぞれの下地部材50の一方の端部が挿入され、これらの端部はドリルねじ等の止着具54で補助部材53に止められており、また、それぞれの下地部材50の他方の端部は前述した戸尻側の縦枠8にドリルねじ等の止着具54で止められている。
【0063】
図5に示すように、内部が戸袋7となっている壁4の外面は内外2枚の外面形成部材55,56で形成され、石膏ボード製であるこれらの外面形成部材55,56のうち、内側の外面形成部材55は、上下に間隔を開けて平行に配設されている下地部材50同士の間に複数組み込まれている。これらの外面形成部材55の厚さは下地部材50の図9で示した屈曲部51Aの幅寸法Wと対応しており、下地部材50同士の間に配置されているそれぞれの外面形成部材55は、上下端部が下地部材50のフランジ部52に押し当てられている。図9に示すとおり、これらのフランジ部52には両面粘着テープ57が予め取り付けられているため、外面形成部材55はこれらの両面粘着テープ57で下地部材50に固定されている。
【0064】
図7は図5の一部拡大図であり、最下段の下地部材50Aにおける両方のフランジ部52に、この下地部材50Aの上下に配置されている外面形成部材55が両面粘着テープ57で固定されており、この下地部材50A以外の下地部材50についても、これと同様に外面形成部材55がフランジ部52に両面粘着テープ57で固定されている。
【0065】
また、それぞれの外面形成部材55の前記開口部6側の端部は、図8で示した竪額縁9の延出部9Aと補助部材53の延出部53Aとの間に挿入されている。
【0066】
図6は図5で示された戸袋7の下部の拡大図であり、戸袋7の下部には内外二重の幅木58,59が配置され、内側の幅木58の両端立上部58Aと外側の幅木59の両端立上部59Aとの間に最下段の外面形成部材55の下端部が挿入されている。
【0067】
以上のように配置された内側の外面形成部材55の外側に大面積を有する外側外面形成部材56が配置され、この外面形成部材56は、下地部材50の屈曲突出部51、補助部材53の延出部53A、外側の幅木59の両端立上部59Aにステープル等の止着具で結合されている。このように外面形成部材56が止着具で結合されたとき、前記Wと内側の外面形成部材55の厚さとの関係から、内側の外面形成部材55と外側の外面形成部材56は密着又は略密着している。また、この外面形成部材56は、戸袋7から外れた位置の壁の外面と連続するものであり、外面形成部材56にビニルクロス等の化粧部材が被せられることにより、戸袋7の部分を含めた壁4が仕上られている。
【0068】
以上説明したとおりの構造になっている戸袋7の現場施工作業は、次ぎのように行われる。
【0069】
施工現場において、先ず無目本体2A、縦枠3,8、補助部材53を備えた竪額縁9のそれぞれの組み付けを行い、さらに、床5への幅木58,59の取り付けを行う。この後、内側の外面形成部材55のうち、最下段の外面形成部材55を、その開口部6側の端部を竪額縁9の延出部9Aと補助部材53の延出部53Aとの間に挿入しながら、内外の幅木58,59における立上部58Aと59Aとの間に落とし込み挿入する。
【0070】
次いで、下地部材50のうち、最下段の下地部材50Aを、その開口部6側の端部を竪額縁9の延出部9Aと補助部材53の延出部53Aとの間に挿入しながら、竪額縁9と縦枠8との間に架け渡して所定の高さ位置とした後、図8で示した止着具54で補助部材53、縦枠8に結合する。このときには、この下地部材50Aの上下のフランジ部52に、引戸装置を生産した工場等で予め両面粘着テープ57がその裏面の粘着剤で取り付けられているとともに、引戸装置の施工現場への搬入後であって外面形成部材55の取り付け時には両面粘着テープ57の表面からは剥離紙が剥がされているため、最下段の外面形成部材55の上部を下地部材50Aの下方へ延びているフランジ部52に押し付けることにより、この外面形成部材55は下地部材50Aに両面粘着テープ57で固定される。
【0071】
次いで、最下段から2段目の外面形成部材55を持ち上げることにより、この外面形成部材55の開口部6側の端部を竪額縁9の延出部9Aと補助部材53の延出部53Aとの間に挿入しながら、外面形成部材55を図7で示されている下地部材50Aにおける上側の屈曲部51Aの上面Aに載せる。この後、この外面形成部材55の下部を下地部材50Aの上方へ延びているフランジ部52に押し付け、これにより、このフランジ部52に取り付けられている両面粘着テープ57で外面形成部材55の下部を下地部材50Aに固定する。
【0072】
このため、最下段から2段目の外面形成部材55は、下地部材50Aの上側の屈曲部51Aの上面Aに一旦載せられてから、この下地部材50Aに固定されることになり、作業者は、外面形成部材55を保持しながらこの外面形成部材55を下地部材50Aに固定する作業を行う必要がない。
【0073】
この後、最下段から2段目の下地部材50Dを、その開口部6側の端部を竪額縁9の延出部9Aと補助部材53の延出部53Aとの間に挿入しながら、竪額縁9と縦枠8との間に架け渡して所定の高さ位置とした後、図8で示した止着具54で補助部材53、縦枠8に結合する。このときにも、この下地部材50Dの上下のフランジ部52に予め両面粘着テープ57がその裏面の粘着剤で取り付けられているとともに、引戸装置の施工現場への搬入後であって外面形成部材55の取り付け時には両面粘着テープ57の表面からは剥離紙が剥がされており、最下段から2段目の外面形成部材55の上部を下地部材50Dの下方へ延びているフランジ部52に押し付けることにより、この外面形成部材55を両面粘着テープ57で下地部材50Dに固定する。
【0074】
これにより、最下段から2段目の外面形成部材55は、上下の間隔を開けて配置された下地部材50Aと50Dとに固定されたことになる。
【0075】
これ以後、以上説明した作業を他の下地部材50、外面形成部材55のそれぞれについて順次行い、それぞれの下地部材50と外面形成部材55を下から順番に積み上げ方式で配置、固定していく。
【0076】
この後、全部の下地部材50と外面形成部材55の外側に前述した大面積の外側外面形成部材66を配置する作業を行い、さらに、この外側外面形成部材56の表面にビニルクロス等の化粧部材が被せられることにより戸袋7が仕上られる。
【0077】
なお、それぞれの下地部材50と内側外面形成部材55を前述の順番で配置、固定していくのではなく、先に全部の下地部材50をそれぞれ所定高さ位置に取り付け、この後、それぞれの下地部材50における上側の屈曲部51Aの上面Aにそれぞれの外面形成部材55を載せ、そして、これらの外面形成部材55の上下部を下地部材50の上下のフランジ部52に押し付けることにより、両面粘着テープ57で外面形成部材55を下地部材50に固定するようにしてもよい。
【0078】
以上説明した本実施形態によると、戸袋7の内側外面形成部材55を取り付けるための部材であって戸袋7の骨組み材ともなっている下地部材50は、平坦な平面部材となっておらず、戸袋7の外側へ屈曲しかつ横方向へ延びる屈曲部51Aを備えた屈曲部付き部材となっているため、下地部材50に外面形成部材55を取り付ける作業を行うときは、上下の屈曲部51Aのうちの上側の屈曲部51Aの上面Aに外面形成部材55を一旦載せた後に、この外面形成部材55を下地部材50に固定すればよく、作業者は外面形成部材55を保持しながら下地部材50に固定する作業を行う必要はない。
【0079】
言い替えると、上側の屈曲部51Aの上面Aは外面形成部材55を載せるための載せ部となっており、この載せ部Aで外面形成部材55を受けた後、外面形成部材55を下地部材50に固定する作業を行えばよいため、作業を容易に行え、作業効率を向上させることができる。
【0080】
また、下地部材50を屈曲部51Aを備えた屈曲部付き部材とすることにより、下地部材50自身の強度を向上させることができ、戸袋7の骨組み部材となっているこの下地部材50によって戸袋7の強度を大きくできる。
【0081】
また、上側の屈曲部51Aの上部は上方へ延びるフランジ部52となっているため、外面形成部材55をこのフランジ部52に固定することができ、下地部材50の形状設定により、下地部材50に、外面形成部材55を載せるための部分と、外面形成部材55を固定するための部分との両方を設けることができる。
【0082】
さらに本実施形態によると、下地部材50を横方向を長さ方向とする細長状部材としても、下側の下地部材50の上方に間隔を開けて上側の下地部材50を配置し、下側の下地部材50における上側の屈曲部51Aの上部を上方へ延びるフランジ部52とし、上側の下地部材50における下側の屈曲部51Aの下部を下方へ延びるフランジ部52としているため、これらの下地部材50の間に配置された外面形成部材55の上下部をこれらの下地部材50のフランジ部52に固定することができる。
【0083】
また、下地部材50のフランジ部52には、フランジ部52に外面形成部材55を固定するための固定手段である両面粘着テープ57が予め設けられているため、外面形成部材55を下地部材50の載せ部Aに載せた後、外面形成部材55の押し付けによって直ちに外面形成部材55をフランジ部52に固定することができ、この点でも作業効率を向上させることができる。
【0084】
さらに、下地部材50に、外面形成部材55の固定後も上下の下地部材50の間から露出する屈曲突出部51が設けられていても、下地部材50及び外面形成部材55の外側には、これらの下地部材50と外面形成部材55を覆う大きさの外側外面形成部材56が配置されるため、戸袋7を所定の外観を有するものとして仕上ることができる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によると、戸袋を形成する外面形成部材を下地部材に取り付けるための作業を容易に行え、作業効率の向上を図ることができるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る引戸装置の全体を示す正面図である。
【図2】引戸本体を移動させるための移動機構を示す図であって、引戸本体が閉じ限位置に達しているときを示す図である。
【図3】引戸本体を移動させるための移動機構を示す図であって、引戸本体が開き限位置に達しているときを示す図である。
【図4】図1のS4―S4線断面図である。
【図5】図1のS5―S5線断面図である。
【図6】図5で示された戸袋の下部の拡大図である。
【図7】下地部材の部分を示す図5の一部拡大図である。
【図8】図1のS8―S8線断面図である。
【図9】下地部材の全体斜視図である。
【符号の説明】
1 引戸本体
4 壁
6 開口部
7 戸袋
50,50A,50B,50C,50D 下地部材
51A 屈曲部
52 フランジ部
55 内側外面形成部材
56 外側外面形成部材
57 固定手段である両面粘着テープ
A 受け部である載せ部
Claims (11)
- 引戸本体を収納する戸袋が下地部材に外面形成部材を取り付けることにより形成されている引戸装置において、
前記下地部材は金属板の折り曲げで形成され、この下地部材は、前記戸袋の幅方向となっている前記引戸本体の移動方向に細長くなっている細長状部材となっているとともに、前記戸袋の幅方向両端部まで達する長さを有しており、
前記下地部材に前記外面形成部材を受けるための受け部が設けられ、
この受け部は前記外面形成部材を載せるための載せ部であり、前記下地部材には、この下地部材に前記戸袋の外側へ屈曲突出した屈曲突出部が形成されていることにより、この屈曲突出部の上部が前記戸袋の内外方向を幅方向とする屈曲部となっており、この屈曲部の上面が前記外面形成部材を載せるための前記載せ部になっており、
前記屈曲部における前記戸袋の内側の端部に上方へ延びるフランジ部が形成され、このフランジ部における前記戸袋の外側の面に前記外面形成部材が固定され、この固定は、前記フランジ部における前記戸袋の外側の面に予め取り付けられている両面粘着テープによって行われ、
前記屈曲突出部と前記屈曲部と前記フランジ部は、前記下地部材の全長に渡って形成されていることを特徴とする引戸装置。 - 請求項1に記載の引戸装置において、前記屈曲部は第1屈曲部であって前記フランジ部は第1フランジ部であり、前記外面形成部材は第1外面形成部材であり、
前記下地部材に形成されている前記屈曲突出部の下部は、前記戸袋の内外方向を幅方向とする第2屈曲部となっており、この第2屈曲部の前記戸袋の内側の端部に下方へ延びる第2フランジ部が形成されており、この第2フランジ部における前記戸袋の外側の面に第2外面形成部材が固定され、この固定は、前記第2フランジ部における前記戸袋の外側の面に予め取り付けられている両面粘着テープによって行われていることを特徴とする引戸装置。 - 請求項2に記載の引戸装置において、前記第2屈曲部及び前記第2フランジ部も前記下地部材の全長に渡って形成されていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の引戸装置において、前記下地部材は上下方向に間隔を開けて複数設けられているとともに、これらの下地部材には上下寸法が異なるものが含まれていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の引戸装置において、前記戸袋の引戸本体閉じ側端部の見切り材となっている竪額縁には、引戸本体開き側へ延びる延出部が設けられているとともに、前記竪額縁には、前記戸袋の内外方向への間隔を開けて前記延出部と平行に引戸本体開き側へ延びる延出部を備えている補助部材が取り付けられ、前記竪額縁の前記延出部と前記補助部材の前記延出部との間に前記下地部材における引戸本体閉じ側の端部が挿入され、この端部が、前記下地部材の前記屈曲突出部において、止着具により前記補助部材の前記延出部に結合されていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の引戸装置において、前記戸袋の終端部は引戸本体戸尻側の縦枠により形成され、前記下地部材における引戸本体開き側の端部が、前記下地部材の前記フランジ部において、止着具により前記縦枠に結合されていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1〜3,5,6のいずれかに記載の引戸装置において、前記下地部材は第1下地部材であり、この第1下地部材の上方に間隔を開けて第2下地部材が配置され、この第2下地部材の下部は下方へ延びるフランジ部となっており、このフランジ部における前記戸袋の外側の面にも、第1下地部材と第2下地部材との間に配置された前記外面形成部材が固定され、この固定は、前記第2下地部材の前記フランジ部における前記戸袋の外側の面に予め取り付けられている両面粘着テープによって行われていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の引戸装置において、前記フランジ部に前記外面形成部材が前記両面粘着テープによって固定される前のこの両面粘着テープの表面には剥離紙が設けられ、前記フランジ部における前記戸袋の外側の面に前記外面形成部材が前記両面粘着テープによって固定されるときには、前記剥離紙が剥がされていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の引戸装置において、前記外面形成部材は内側外面形成部材であり、この内側外面形成部材の外側に外側外面形成部材が配置され、この外側外面形成部材は、前記内側外面形成部材と前記下地部材の両方を覆う大きさを有していることを特徴とする引戸装置。
- 引戸本体を収納する戸袋を下地部材に外面形成部材を取り付けることにより形成する引戸装置の施工方法において、
前記下地部材は金属板の折り曲げで形成され、この下地部材は、前記戸袋の幅方向となっている前記引戸本体の移動方向に細長くなっている細長状部材となっているとともに、前記戸袋の幅方向両端部まで達する長さを有しており、
前記下地部材に前記外面形成部材を受けるための受け部が設けられ、この受け部は前記外面形成部材を載せるための載せ部であり、前記下地部材には、この下地部材に前記戸袋の外側へ屈曲突出した屈曲突出部が形成されていることにより、この屈曲突出部の上部が前記戸袋の内外方向を幅方向とする屈曲部となっており、この屈曲部の上面が前記外面形成部材を載せるための前記載せ部になっているとともに、前記屈曲部における前記戸袋の内側の端部に上方へ延びるフランジ部が形成され、
前記屈曲突出部と前記屈曲部と前記フランジ部は、前記下地部材の全長に渡って形成されており、
前記載せ部に前記外面形成部材を載せ、この後、前記フランジ部における前記戸袋の外側の面に、このフランジ部における前記戸袋の外側の面に予め取り付けられている両面粘着テープによって前記外面形成部材を固定することを特徴とする引戸装置の施工方法。 - 請求項10に記載の引戸装置の施工方法において、前記フランジ部における前記戸袋の外側の面に前記両面粘着テープによって前記外面形成部材を固定する前における前記両面粘着テープの表面には、剥離紙を設けておき、この剥離紙を剥がした後に、前記フランジ部における前記戸袋の外側の面に前記外面形成部材を前記両面粘着テープによって固定することを特徴とする引戸装置の施工方法。
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