JP4578666B2 - 改修用開閉装置の取付方法及び改修された開閉装置 - Google Patents

改修用開閉装置の取付方法及び改修された開閉装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改修用開閉装置の取付方向及び改修された開閉装置に係り、例えば、建物内の改修作業(リフォーム作業)のためにそれまでとは別種類の開閉装置を設置する場合や、それまで開閉装置がなかった箇所に開閉装置を設置する場合に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
近年、建物内空間や建物外周面の質的向上を図るため、あるいは建物内空間や建物外周面を別用途で使用できるようにする等の目的で、建物内や建物外面を改修することが多く行われるようになってきている。この改修作業において、それまでとは別種類の開閉装置を設置しなければならないことや、それまで開閉装置がなかった箇所に新たに開閉装置を設置しなければならないことがある。
【0003】
従来、それまでとは別種類の開閉装置を設置する場合には、前の開閉装置のために壁等に設けられていた開口部用枠組み体を取り外し、この後、新たな開閉装置のための開口部用枠組み体を壁等に設ける作業が行われ、また、それまで開閉装置がなかった箇所に新たに開閉装置を設置する場合には、壁等にこの開閉装置のための開口部用枠組み体を新たに設ける作業が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術によると、改修作業を開口部用枠組み体の設置作業から始めなければならず、このため、改修作業が全体的に大掛かりかつ複雑となり、また、コストがかかり、工期が長くなるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、改修作業を容易に行えるようになる改修用開閉装置の取付方法及び改修された開閉装置を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る改修用開閉装置の取付方法は、改修作業前から存在していた枠組み体を残し、この枠組み体の内側に形成された開口部から枠組み体厚さ方向にずれた位置に、この開口部を覆う大きさを有する開閉体を備えた改修用開閉装置を取り付けることを特徴とするものである。
【0007】
この改修用開閉装置の取付方法によると、改修作業前から存在していた枠組み体は残され、この枠組み体の内側に形成された開口部を改修用開閉装置の開閉体で開閉するため、既存の枠組み体の再利用を図ることができ、これにより、改修作業の容易化、コストの低減、工期の短縮を実現できる。
【0008】
また、改修用開閉装置は、枠組み体の内側の開口部から枠組み体厚さ方向にずれた位置に取り付けられ、この開閉装置の開閉体は開口部を覆う大きさを有しているため、既存の枠組み体を残して再利用を図っても、枠組み体の内側の開口部を開閉体で所定どおり開閉できることになる。
【0009】
この改修用開閉装置の取付方法において、改修作業前の枠組み体の内側の形式、構造等は任意である。すなわち、改修作業前の枠組み体の内側にも開口部が形成されており、この開口部が改修用開閉装置とは別種類の開閉装置の開閉体で開閉されるものとなっていてもよく、改修作業前の枠組み体の内側にも開口部が形成されており、この開口部は常時開口していて開閉装置の開閉体で開閉されるものとはなっていなくてもよく、改修作業前の枠組み体の内側には遮断部材が配置されており、この遮断部材によって枠組み体の内側は開口部になっていなくてもよい。なお、ここでいう遮断部材には、パネル、ガラリ、ルーバー、嵌め殺し式のガラス等が含まれる。
【0010】
したがって、本発明に係る改修用開閉装置の取付方法は、各種の用途で使用されていた枠組み体について適用でき、この枠組み体は、コンクリート等による固定型の壁、天井、床、柱等に設けられていてもよく、パネル等からなる簡易固定式の壁、天井、床、柱等又は移動式間仕切り壁、天井、床、柱等を含む簡易移動式の壁、天井、床、柱等に設けられていてもよい。
【0011】
また、改修作業前の枠組み体の内側にも開口部が形成されており、この開口部が改修用開閉装置とは別種類の開閉装置の開閉体で開閉されるものとなっている場合において、改修作業前の開閉装置は、開き戸装置でもよく、引戸装置でもよく、折れ戸装置でもよく、シャッター装置でもよく、雨戸装置でもよく、サッシの障子装置、バランスドア装置等でもよい。また、改修作業後の開閉装置は、引戸装置でもよく、開き戸装置でもよく、シャッター装置でもよく、雨戸装置でもよく、サッシの障子装置でもよく、折れ戸装置、バランスドア装置等でもよい。そして、これらの開閉装置は、手動式のものでもよく、自動式のものでもよく、両者併用式のものでもよい。
【0012】
本発明に係る改修された開閉装置は、改修作業前から存在していた枠組み体と、改修後にこの枠組み体の内側の開口部から枠組み体厚さ方向にずれた位置でこの開口部を開閉するように配置された開閉体とを含んで構成されたことを特徴とするものである。
【0013】
この改修された開閉装置でも、改修作業前から存在していた枠組み体は使用され、この枠組み体の内側に形成された開口部が改修用開閉装置の開閉体で開閉されるため、既存の枠組み体の再利用が図られ、改修作業の簡単化、コストの低減、工期の短縮を実現できる。
【0014】
また、改修された開閉装置の開閉体は、枠組み体の内側の開口部から枠組み体厚さ方向にずれた位置でこの開口部を開閉するため、既存の枠組み体を残しても、この枠組み体による開口部を開閉体で所定どおり開閉できることになる。
【0015】
この改修された開閉装置においても、改修作業前の枠組み体の内側の形式、構造等は任意であり、改修作業前の枠組み体の内側にも開口部が形成されており、この開口部が改修用開閉装置とは別種類の開閉装置の開閉体で開閉されるものとなっていてもよく、改修作業前の枠組み体の内側にも開口部が形成されており、この開口部は常時開口していて開閉装置の開閉体で開閉されるものとはなっていなくてもよく、改修作業前の枠組み体の内側には遮断部材が配置されており、この遮断部材によって枠組み体の内側は開口部になっていなくてもよい。なお、ここでいう遮断部材には、パネル、ガラリ、ルーバー、嵌め殺し式のガラス等が含まれる。
【0016】
また、本発明に係る改修された開閉装置は、上述の改修用開閉装置の取付方法と同じく、各種の用途で使用されていた枠組み体について適用でき、この枠組み体は、コンクリート等による固定型の壁、天井、床、柱等に設けられていてもよく、パネル等からなる簡易固定式の壁、天井、床、柱等又は移動式間仕切り壁、天井、床、柱等を含む簡易移動式の壁、天井、床、柱等に設けられていてもよい。
【0017】
さらに、上述の改修用開閉装置の取付方法と同じく、改修作業前の枠組み体の内側にも開口部が形成されており、この開口部が改修用開閉装置とは別種類の開閉装置の開閉体で開閉されるものとなっている場合においては、改修前の開閉装置は、開き戸装置でもよく、引戸装置でもよく、折れ戸装置でもよく、シャッター装置でもよく、雨戸装置でもよく、サッシの障子装置、バランスドア装置等でもよい。また、改修後の開閉装置は、引戸装置でもよく、開き戸装置でもよく、シャッター装置でもよく、雨戸装置でもよく、サッシの障子装置でもよく、折れ戸装置、バランスドア装置等でもよい。これらの開閉装置は、手動式のものでもよく、自動式のものでもよく、両者併用式のものでもよい。
【0018】
以上の改修された開閉装置において、改修作業前の枠組み体に存在していた部材が改修作業後に取り除かれていてもよい。すなわち、改修用開閉装置では不用となっている部材が枠組み体に存在していた場合には、この部材は、改修作業後の枠組み体から取り除かれていてもよい。
【0019】
その一例は、改修作業前の枠組み体の内側が開口部となっており、この開口部が開き戸装置の蝶番やヒンジを含む回動中心部材を中心に回動する開き戸本体で開閉され、改修作業後の開口部が引戸装置の引戸本体で開閉される場合には、枠組み体から取り外される部材を、前記回動中心部材とすることである。その他、枠組み体から取り外される部材は、例えば、開き戸装置を枠組み体に取り付けるために枠組み体に設けられていた補強部材や、開口部に対する開き戸本体の閉じ限位置を規定するためや閉じ衝撃を緩衝するため等の目的で枠組み体に設けられていた戸当たり部材、さらにはドアクローザー等でもよく、改修作業前の開閉装置や改修作業後の開閉装置の種類等に応じて任意な部材でよい。
【0020】
なお、改修用開閉装置では不用な部材であっても、構造上や外観上等において支障がない部材であれば、取り除かずに残しておいてもよい。
【0021】
また、以上の改修された開閉装置において、改修作業後の枠組み体には改修作業前に存在していなかった部材が取り付けられていてもよい。すなわち、改修用開閉装置に必要となる部材が改修作業前の枠組み体に設けられていなかった場合には、その部材を改修作業後の枠組み体に取り付けてもよい。
【0022】
その一例は、改修作業後の開閉体が引戸装置の引戸本体であり、改修作業前の枠組み体には凹凸部がある場合には、改修作業後の枠組み体に取り付けられる部材を、この凹凸部を平坦とする枠組み体補助部材とすることである。また、他の例は、改修作業後の開閉体が引戸装置の引戸本体である場合には、改修作業後の枠組み体に取り付けられる部材を、この枠組み体と、この枠組み体の内側の開口部を閉じたときの引戸本体との間の隙間を少なくする又はなくすための隙間対策部材とすることである。その他、改修作業前の枠組み体に前記戸当たり部材を挿入する孔や溝等が形成されていた場合には、改修作業後の枠組み体に取り付ける部材をこの孔や溝等を塞ぐシール部材としてもよく、これと同様に、改修作業前の枠組み体に、開き戸装置の開き戸本体用の蝶番やヒンジを含む回動中心部材を固定するためのビス等の止着具を挿入する孔が形成されていたときは、改修作業後の枠組み体に取り付ける部材をこの孔を塞ぐシール部材としてもよく、改修作業前の枠組み体の状態や改修用開閉装置の種類等に応じて、改修作業後の枠組み体に取り付けられている部材を任意に定めることができる。
【0023】
また、改修作業後の開閉装置を引戸装置とする場合には、この引戸装置は、引戸本体がこの引戸本体よりも少なくとも一部が上部に配置されたガイド部材から吊り下げられて案内される上吊り式引戸本体となっているタイプのものでもよく、引戸本体がこの引戸本体よりも下部の床等に敷設されたガイド部材で案内される下部案内式の引戸本体となっているタイプのものでもよく、これら両方のガイド部材で案内される両ガイド部材式の引戸本体になっているタイプでもよい。
【0024】
これらのうちの最初の引戸装置においては、ガイド部材を、改修作業後も残される枠組み体に取り付けてもよく、この枠組み体が設けられている壁に改修作業後に設けられている補強部材によって取り付けてもよい。
【0025】
そして、このガイド部材はガイドレールでもよく、スライディングレールでもよい。
【0026】
また、引戸本体は閉じ側又は開き側又はこれら両方へ自動的に移動するようになっていてもよい。引戸本体の移動が自動的になされる構造は、例えば、ガイド部材が下り傾斜に固定的に又は可変に配置され、この下り傾斜の方向へ引戸本体を自動的に移動させるようになっているものでもよい。この場合におけるガイド部材は、引戸本体の移動方向へ連続した1本のものでもよく、途中で分割されて複数本となったものでもよい。
【0027】
また、引戸本体の自動的な移動が駆動装置でなされる場合においては、この駆動装置は、蓄圧されたばね力によって引戸本体を引っ張り移動させる渦巻きばね式のものでもよく、シリンダで引戸本体を移動させるシリンダ式のものでもよく、モータで回転するピニオンで引戸本体を移動させるモータ・ピニオン式のものでもよく、モータで回転するベルトやチェーン等の無端回転部材で引戸本体を移動させるモータ・無端回転部材式のものでもよく、電磁石の吸引力、反発力で引戸本体を移動させるリニアモータ式のもの等でもよい。
【0028】
また、引戸本体が上吊り式引戸本体になっている場合と下部案内式引戸本体になっている場合の両方及び前記両ガイド部材式になっている場合において、引戸装置には、開口部を開いた引戸本体が収納される戸袋が設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。
【0029】
また、以上の本発明に係る改修用開閉装置の取付方法及び改修された開閉装置において、枠組み体は、例えば、上枠部材と下枠部材と左右の側枠部材とからなる四方枠でもよく、下枠部材がない三方枠でもよく、枠組み体を形成する枠部材の個数及びその配置位置等は任意である。
【0030】
また、以上の本発明において、改修後の開閉装置が引戸装置である場合には、開口部を開閉する引戸本体は1個でもよく、引き分け式又は引き違い式等となった複数個でもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1〜図3は改修作業前を示しており、図1は、建物のコンクリート製の壁1、及びこの壁1に設けられている枠組み体2の内側の出入口用開口部7を開閉するために設置された開き戸装置8の全体を示す正面図で、図2は、図1のS2−S2線断面図、図3は、図1のS3−S3線断面図である。
【0032】
開き戸装置8の開き戸本体9は回動中心部材であるヒンジ10で開口部7に対して開閉自在に枠組み体2に取り付けられている。開口部7の外周を形成する枠組み体2は、上枠部材3と、下枠部材4と、左右の側枠部材5,6とからなる四方枠であり、これらの枠部材3〜6には、図2と図3で示されているように、開口部7を閉じたときの開き戸本体10が入り込むための段欠部3A〜6Aが形成されている。このため、開口部7の外周面を形成しているこれらの枠部材3〜6の内側面部は凹凸面部となっている。また、図2に示されているように、側枠部材6には、開口部7を閉じたときの開き戸本体9が当たって開き戸本体9の閉じ限位置を規定するための当たり部材11が、側枠部材6の孔6Bへの挿入によって取り付けられている。
【0033】
図4及び図5は、開き戸本体9を取り外すことによって行う改修作業中における枠組み体2を示しており、図4は図2に対応する図、図5は図3に対応する図である。この改修作業中において、図4に示すとおり、戸当たり部材11を側枠部材6の孔6Bから抜き取り、この孔6Bを薄いシート状のシール部材12で塞ぐ。また、側枠部材5に、開き戸本体9と共に取り外したヒンジ10をこの側枠部材5に結合していたビス等の止着具を挿入していた孔があれば、この孔もシール部材で塞ぐ。
【0034】
図6〜図8は、改修用引戸装置20の取り付けを行って改修作業が終了した状態を示す。図6は、建物の壁1及び改修用引戸装置20の全体を示す正面であり、図7は、図6のS7−S7線断面図、図8は、図6のS8−S8線断面図である。
【0035】
改修作業は、改修作業前から壁1に設けられていた枠組み体2を残して行われ、改修作業後の開口部7は、図7及び図8で示されているように、開口部7から枠組み体2の厚さ方向にずれた位置に設置された引戸装置20の引戸本体21で開閉されるため、枠部材3〜6の内側面部には、枠組み体2の補助部材である枠補助部材13〜16がビス等の止着具17で止着される。これにより、引戸装置20では不用な枠部材3〜6の段欠部3A〜6Aは外観上なくなり、枠部材3〜6の上記凹凸面部は平坦面部となっている。
【0036】
また、改修作業は壁1に引戸装置20を取り付けることにより行われ、次ぎに、この引戸装置20の全体構造及び作用を初めに説明しておく。
【0037】
引戸装置20の引戸本体21は把持部21Aを把持することにより図6中において左右動させることができ、引戸本体21左右動は戸先側の縦枠部材22と戸尻側の縦枠部材23との間で行われ、これにより、開口部7を覆う大きさとなっている引戸本体21は開口部7を開閉する。引戸本体21の上部には、引戸本体21が左右動する領域に亘る長さとなっているカバー24が配置され、着脱自在となっているこのカバー24の内部には、このカバー24を取り外した状態の図9及び図10で示すとおり、引戸本体21を移動させるための移動機構が収納され、カバー24を取り外すことにより、この移動機構の点検、修理等のメインテナンス作業を行えるようになっている。
【0038】
図9は、この移動機構によって引戸本体21が閉じ限位置に達しているときを示し、図10は、引戸本体21が開き限位置に達しているときを示す。これらの図面で示すとおり、引戸本体21の上部にはカバー24と略同じ長さのガイドレール25が組み込まれ、引戸本体21の移動を案内するガイド部材になっているこのガイドレール25は、図8に示すように、ガイドレール25の長さ方向に複数個設けられている取付部材26を介して前記枠組み体2の上部において壁1に取り付けられている。それぞれの取付部材26は、引戸本体21の移動方向である幅方向の途中部を引戸本体21側へ突出させたハット形状となっている板金の折り曲げ品であり、その突出部にガイドレール25がビス等の止着具27で止められ、取付部材26の他の箇所がアンカー部材28で壁1に結合されている。
【0039】
長さ方向に同一断面形状が連続しているガイドレール25は、取付部材26で壁1に結合された基部25Aと、この基部25Aの下端から引戸本体21の厚さ方向に水平に延びるアーム部25Bと、このアーム部25Bの先端から垂直に立ち上がった係合部25Cとを有する。
【0040】
図9及び図10で示すように、引戸本体21には、ローラブラケット29,30に回転自在に取り付けられた2個のローラ31,32が引戸本体21の移動方向に配設され、ローラブラケット29,30を介して引戸本体21の上部に配置されているこれらのローラ31,32は、図8に示すように、引戸本体21の上部に不動部材となって水平に架設されてガイドレール25の係合部25Cに係合している。このため、引戸本体21は、ローラ31,32が係合部25C上を転動することによりガイドレール25に沿って移動するとともに、引戸本体21は、ガイドレール25の係合部10Cに係合したローラ31,32に吊り下げられた上吊り式となっている。
【0041】
また、図6及び図8に示すように、前記枠組み体2の下枠部材4が配置されている床33には、枠組み体2の近くおいて、垂直軸を中心に回転自在となったガイドローラ34が配置され、このガイドローラ34は、引戸本体21の下端に下向きに開口して設けられたチャンネル部材21Bの内部に挿入されており、ガイドレール25に沿った引戸本体21の移動は、引戸本体21の下端がこのガイドローラ34に案内されながらなされる。
【0042】
図9に示されているように、ガイドレール25の引戸本体開き側の端部には、引戸本体21を開き限位置に停止させるためのストップ装置35が取り付けられ、このストップ装置35は、引戸本体閉じ側に向けて本体36に突設されたゴム等の弾性材料からなるストップ部材37と、本体36に取り付けられ、板ばねの折り曲げで形成されている係止部材38とを有する。一方、引戸本体21に設けられている2個のローラブラケット29,30のうち、引戸本体開き側のローラブラケット30の後端には板状の受け部材39が結合され、この受け部材39には小径ローラによる被係止部材40が取り付けられている。
【0043】
引戸本体21を前記把持部21Aで開き側に移動させ、この移動が開き限位置に達すると、図10に示されているように、被係止部材40は、一旦上向きに湾曲変形してもとの形状に弾性復帰する係止部材38に係止されるとともに、受け部材39はストップ部材37に当接し、係止部材38が被係止部材40を係止することにより、引戸本体21は開き限位置に停止する。
【0044】
また、引戸本体21の把持部21Aに引戸本体閉じ側への操作力を作用させた場合には、被係止部材40は上向きに弾性変形する係止部材38から離脱するため、引戸本体21は、ガイドレール25とガイドローラ34に案内されて閉じ側へ移動する。
【0045】
また、図9及び図10に示されているように、ガイドレール25の引戸本体閉じ側の端部には、引戸本体21を閉じ移動させるための駆動装置41が配置され、この駆動装置41は、図10で示されているとおり、ブラケット42がガイドレール25に取り付けられることにより、ガイドレール25に組み付けられている。駆動装置41はケーシング41A内に回転自在に収納されたリール43を有し、このリール43の内部には渦巻きばねが配置され、この渦巻きばねの一端はリール43に結合されているとともに、他端はケーシング41Aに結合されている。また、リール43には、図9及び図10で示されているナイロン紐又はワイヤー等からなる紐状部材44の一端が結合され、この紐状部材44はケーシング41Aから導出され、紐状部材44の他端は、引戸本体21に2個設けられているローラブラケット29,30のうちの引戸本体閉じ側のローラブラケット29に結合されている。
【0046】
図9で示すように閉じ限位置に達している引戸本体21を把持部21Aで図10で示すように開き側へ移動させたときには、紐状部材44がリール43を回転させながら駆動装置41から繰り出され、このとき、リール43の内部の上記渦巻きばねがリール43を回転で蓄圧されるようになっている。このため、この後に把持部21Aから手を離すと(引戸本体21が図10のように閉じ限位置に達しているときには、前述のように、把持部21Aに操作力を作用させて被係止部材40を係止部材38から離脱させると)、渦巻きばねの蓄圧力によってリール43には、引戸本体21の開き移動時とは逆方向へリール43を回転させようとする回転力が生じているため、この回転力で緊張している紐状部材44の引張力によって引戸本体21は閉じ側へ引っ張られ、閉じ限位置まで自動的に移動する。
【0047】
したがって、本実施形態における引戸本体21を閉じ側へ自動的に移動させるための駆動装置41は渦巻きばね式であるとともに、紐状部材44の引張力による引張式駆動装置となっており、リール43と渦巻きばねとによって、不動部材であるガイドレール25に取り付けられていて、紐状部材44に引張力を付与するための引張力付与手段45が構成されている。
【0048】
図9及び図10に示すように、ガイドレール25には、閉じ側への引戸本体21の移動速度を低速化させて制動させ、引戸本体21を閉じ限位置に減速させて到達させるための制動装置46が取り付けられている。この制動装置46は、シリンダ本体47と、シリンダ本体47にガイドレール25の長さ方向に伸縮自在に挿入されたピストンロッド48とを有するシリンダ装置で構成され、シリンダ本体47は、不動部材となっているガイドレール25に取り付けられている。
【0049】
引戸本体21に2個設けられているローラブラケット29,30のうち、引戸本体開き側のローラブラケット30には、ピストンロッド48の先端部が挿抜自在となったキャッチ部材49が取り付けられ、ピストンロッド48の先端部と、この先端部が挿入されるキャッチ部材49の内部とのうち、一方には磁石が設けられ、他方にはこの磁石に吸着する磁性材料が設けられている。このため、ピストンロッド48とキャッチ部材49とは、磁力で接続分離自在となっている。
【0050】
図9に示すように引戸本体21が閉じ限位置に達しているときには、シリンダ本体47に対して収縮しているピストンロッド48の先端部がキャッチ部材49の内部に挿入された状態になっており、引戸本体21を開き側へ移動させると、ピストンロッド48の先端部とキャッチ部材49とが上記磁力で接続されているため、ピストンロッド48はシリンダ本体47に対して伸び作動する。このピストンロッド48が伸び作動限に達してもさらに引戸本体21が開き側に移動すると、図10に示すように、ピストンロッド48とキャッチ部材49とが分離し、ピストンロッド48はその位置で停止する。また、引戸本体21が前記引張式駆動装置41の駆動力で閉じ側へ移動し始め、そして引戸本体21が所定位置に達すると、キャッチ部材49はピストンロッド48に当接してこれらのキャッチ部材49とピストンロッド48とが上記磁力で再度接続され、引戸本体21がさらに閉じ側へ移動することにより、ピストンロッド48はシリンダ本体47に対して収縮作動する。
【0051】
なお、ピストンロッド48の先端部と、この先端部が挿入されるキャッチ部材49の内部とに互いに磁性が逆となった磁石を設けることにより、ピストンロッド48とキャッチ部材49とを上記と同様に接続分離自在としてよい。
【0052】
シリンダ本体47には、ピストンロッド48が伸び作動したときに多量のエアをシリンダ本体47の内部に吸引し、ピストンロッド48が収縮作動したときにはこのエアを絞りながら排出するバルブが設けられている。このため、ピストンロッド48が伸び作動する引戸本体21の開き移動時には、引戸本体21を軽く移動させることができ、また、ピストンロッド48が収縮作動する引戸本体21の閉じ移動時には、引戸本体21がシリンダ本体47の内部のエア圧力によって制動されながら移動し、減速された速度で閉じ限位置に達するようになっている。
【0053】
このため、本実施形態における制動装置46は、シリンダ装置による流体圧力式制動装置となっている。
【0054】
以上説明したストップ装置35と駆動装置41と制動装置46はガイドレール25に取り付けられるものとなっているため、これらの装置35,41,46を引戸装置20の各部品が生産される工場で予めガイドレール25に取り付けることにより、ガイドレール25とストップ装置35と駆動装置41と制動装置46とで構成された構造体をユニット化されたユニット構造体として引戸装置20の施工現場に搬送することができ、施工現場での作業をそれだけ簡単化することができる。
【0055】
図8に示すように、前記カバー24は、壁1にアンカー部材50で結合されたブラケット51にビス等の止着具52で取り付けられ、この止着具52を取り外すことによりカバー25の取り外しを行え、これにより、前述したように、カバー24内に配置されている前記移動機構のメインテナンス作業を行える。
【0056】
以上説明した改修用引戸装置20を壁1に取り付ける改修作業は、図7で示した縦枠部材22,23を配置する位置においてブラケット53,54をアンカー部材55で壁1に結合し、これらのブラケット53,54にビス等の止着具56で縦枠部材22,23を取り付けること、ガイドレール25を図8で示した取付部材26を介して壁1に取り付けること、ガイドレール25に引戸本体21のローラ31,32を係合すること、壁1に結合したブラケット51に止着具52でカバー24を取り付けること等を行うことにより、実施される。
【0057】
この実施形態によると、改修作業前の開き戸装置8で使用されていて、開口部7の外周部を形成していた枠組み体2は壁1に残され、改修作業後の引戸装置20は開口部7から枠組み体2の厚さ方向にずれた位置に配置され、開口部7を覆う大きさとなっている引戸本体21が開口部7を開閉する構造となっているため、既存の枠組み体2が、改修用引戸装置20の一部となっている開口部用枠組み体として再利用されることになり、この枠組み体2を壁1から取り外して引戸装置20のための新たな枠組み体を壁1に取り付ける作業を行う必要がない。このため、改修作業が容易となり、またコストの低減、工期の短縮を達成できる。
【0058】
また、改修作業後の枠組み体2からは、改修作業前の開き戸装置8で用いられ、改修作業後の引戸装置20では不用となる戸当たり部材11が取り外されているため、改修作業後の枠組み体2を引戸装置20に適したものとすることができる。
【0059】
また、枠組み体2のそれぞれの枠部材3〜6に形成されていて、改修作業前の開き戸装置8の開き戸本体9が閉じたときに収納される段欠部3A〜6Aは、改修用引戸装置20が壁1に取り付けられて改修作業が終了したときには、枠補助部材13〜16が枠部材3〜6に取り付けられることによりなくなっており、枠部材3〜6の凹凸面部は平坦面部になっている。このため、改修作業後の枠組み体2の形状を、引戸装置20の出入口用開口部7を形成するに適した形状にすることができる。
【0060】
次ぎ、本発明のそれぞれの別実施形態について説明する。
【0061】
図11は、引戸装置20のガイドレールについての別実施形態である。この実施形態におけるガイドレール60は、アンカー部材61で壁1に結合されているとともに、ガイドレール60はカバー24の上端まで延び、その先端60Aは直角に屈曲している。そして、この先端60Aにカバー24がビス等の止着具52で着脱自在に取り付けられている。すなわち、この実施形態のガイドレール60は、図8で示したブラケット51を兼ねるものとなっている。
【0062】
なお、図11の実施形態において、ガイドレール60を図8の取付部材26と同じ部材又はこれと類似の部材等を用いて壁1に結合するようにしてもよい。
【0063】
図12は、改修作業前から用いられている枠組み体の形状、及びこの枠組み体と引戸装置20のガイドレール25との関係に関する別実施形態である。
【0064】
改修作業前から用いられている枠組み体65を形成していたそれぞれの枠部材(図11では上枠部材66と下枠部材67だけが示されている)には、枠組み体65の厚さ方向両端部において、段欠部66A,66B,67A,67Bが形成されており、枠組み体補助部材である枠補助部材68,69は枠部材66,67と同じ幅寸法を有し、段欠部66A,66B,67A,67Bが枠補助部材68,69で覆われることにより、開口部7の外周部を形成している枠組み体65の内側面部は平坦面部となっている。
【0065】
また、引戸装置20のガイドレール25は、上枠部材66にビス等の止着具70で結合されている。すなわち、この実施形態では、枠組み体65はガイドレール25を取り付けるための取付部材として改修作業後に使用され、それだけ枠組み体65の有効活用が図られている。
【0066】
図13は、引戸装置20の引戸本体についての別実施形態を示す。この実施形態における引戸本体70の閉じ側端部及び開き側端部には、枠組み体2側へ延びた目隠し部71Aを有する戸端部材71が取り付けられている。この戸端部材71により、枠組み体2と、開口部7を閉じたときの引戸本体29との間の隙間が少なくなり、戸端部材71は、この隙間を少なくするための隙間対策部材となっている。
【0067】
この実施形態によると、引戸本体70が開口部7を閉じたとき、これらの間の隙間は戸端部材71の目隠し部71Aで小さくなるため、引戸装置20で仕切られる建物内の2つの空間の一方から他方を斜めに覗いても見ることはできず、これらの空間の視覚的遮断性を確保できる。
【0068】
この実施形態は、引戸本体閉じ側の縦枠部材72が、開口部7を閉じたときの引戸本体の閉じ側端部が侵入する図7の縦枠部材22の段欠部22Aと同じような部分を有していない場合、あるいは縦枠部材72自体が存在しない場合に、特に有効である。なお、戸端部材71の目隠し部71Aを弾性変形自在とし、この目隠し部71Aを枠組み体2に接触する長さとしてもよい。
【0069】
図14は、枠組み体2に目隠し部材75を取り付けた実施形態を示す。すなわち、枠組み体2を形成している左右の側枠部材5,6に、引戸装置20の引戸本体21側へ延びる突片75Aを有する目隠し部材75をビス等の止着具76で取り付けている。これにより、引戸本体21が開口部7を閉じたとき、それぞれの目隠し部材75の突片75Aは引戸本体21の側面に接触し、引戸本体21で仕切られる2つの建物内空間の視覚的遮断性が確保される。
【0070】
言い換えると、この実施形態によると、引戸本体21が開口部7から枠組み体2の厚さ方向にずれて配置されたために必然的に生ずる枠組み体2と引戸本体21との間の隙間は、隙間対策部材である目隠し部材75でなくなることになり、この目隠し部材75の取り付けは、改修作業後も残される枠組み体2を利用して行える。
【0071】
それぞれの目隠し部材75は側枠部材5,6の全高に亘る長さを有するとともに、これらの目隠し部材75は、止着具76で枠組み体2に固定される硬質樹脂製の基部75Bに、軟質樹脂製で弾性変形可能な突片75Aを一体化することにより形成されている。
【0072】
以上において、引戸装置で仕切られる建物内の2つの空間の一方から他方を斜めに覗いても見ることができないようにする視覚的遮断性は、引戸本体の幅寸法をこの引戸本体で開閉される開口部の幅寸法よりも充分に大きくすることにより確保してもよい。
【0073】
図15及び図16は、引戸装置20の引戸本体が開口部7を閉じたときの気密性を向上させた実施形態を示し、図15は図8と同様の図であって、図16は図7と同様の図である。
【0074】
この実施形態では、図16に示すように、引戸本体閉じ側の縦枠部材80には、開口部7を閉じたときの引戸本体81の閉じ側端部が侵入する大きな凹部80Aが形成され、この凹部80Aに、内部に袋部82Aを有する弾力的な気密部材82が取り付けられ、この気密部材82に引戸本体81の閉じ側端部が包持されるように弾性当接することにより、開口部7を閉じたときの引戸本体81の閉じ側端部の気密性が確保される。
【0075】
図15に示すように、枠組み体2の上枠部材3にはこの上枠部材3の全長に亘る上モヘヤ部材83が、また、図16に示すように、枠組み体2の側枠部材6にはこの側枠部材6の全高に亘る長さの側モヘヤ部材84がそれぞれビス等の止着具85で取り付けられ、これらのモヘヤ部材83と84により、開口部7を閉じたときの引戸本体81の上部と開き側端部との気密性が確保される。そして、これらのモヘヤ部材83,84は、枠組み体2と、開口部7を閉じたときに引戸本体21との間の隙間をなくすための隙間対策部材になっている。図16では、側モヘヤ部材84が接触する相手部材86が引戸本体21の側面に取り付けられている。
【0076】
図15に示すように、引戸本体81の下端には弾性材料からなる昇降部材87が配置され、引戸本体81の左右方向全長に亘る長さを有するこの昇降部材87は、ボタン部88Aを有する昇降装置88で作動し、引戸本体81が開口部7を開いているときには前方へ突出しているボタン部88Aが、引戸本体81の閉じ側端部が図16のように縦枠部材80に当接したときに押されて後退し、これにより、昇降部材87が昇降装置88によって下降するようになっている。このため、引戸本体81の閉じ側端部が縦枠部材80に当接してボタン部88Aが後退すると、昇降装置88で昇降部材87は下降し、この下降で昇降部材87が床33に弾性接触することにより、引戸本体81の下部の気密性が確保される。
【0077】
図17〜図19は、これまでの実施形態と異なり、改修用引戸装置で開閉されることになる開口部を形成する枠組み体がコンクリート製の壁に設けられているのではなく、この開口部が、支柱90と、横架部材91と、これらの支柱90と横架部材91で囲まれる区域に配置されたパネル92とで形成されている簡易固定式の間仕切り壁93に設けられた場合における実施形態である。図18は、図17のS18−S18線断面図で、図19は、図17のS19−S19線断面図である。
【0078】
そして、この実施形態は、以下の3つの場合について適用できる。第1番目の場合は、改修作業前において、間仕切り壁93の支柱90と横架部材91とで囲まれた全部の区域にパネル92が配置され、したがって、全部の区域が遮断部材であるパネル92で遮断され、これらの区域のうちの1個又は複数個の区域から改修作業中にパネル92を取り外して開口部とする場合である。第2番目の場合は、改修作業前において、間仕切り壁93の支柱90と横架部材91とで囲まれた全部の区域うち、1個又は複数個の区域にパネル92が配置されておらず、これにより間仕切り壁93に常時開口していた1個又は複数個の開口部が形成されていた場合である。第3番目の場合は、改修作業前において、間仕切り壁93の支柱90と横架部材91とで囲まれた全部の区域のうち、1個又は複数個の区域に引戸装置とは別種類である開き戸装置等の開閉装置で開閉される開口部が形成されていた場合である。
【0079】
なお、これら3つの場合のうち、前述した図1〜図16の実施形態は第3番目に相当する場合であったが、図1〜図16の実施形態は、第1番目と第2番目に相当する場合にも適用できる。
【0080】
図17〜図19は第2番目の場合であり、このため、間仕切り壁93には改修作業前から常時開口していた出入口用の開口部94が設けられており、この開口部94の外周に間仕切り壁93の骨組み材として配置されている支柱90と横架部材91とにより、開口部94の枠組み体95が形成されている。
【0081】
図19に示すように、改修用引戸装置20のガイドレール60は、引戸本体96の上部の間仕切り壁93に、この壁93の内部に改修作業後に組み込まれているチャンネル材製の補強部材97によって取り付けられている。この補強部材97へのガイドレール60の取り付け作業は、次ぎのように行われている。
【0082】
改修作業を行うときに、先ず、改修作業前から存在する表裏2枚のパネル92のうちの引戸本体96とは反対側の一方のパネル92を横架部材91の取り外しで間仕切り壁93から取り外し、この後、補強部材97を間仕切り壁93の内部に組み入れ、補強部材97を支柱90に結合したブラケット98にビス等の止着具99で取り付ける。そして、ガイドレール60を他方のパネル92を貫通するボルト、ナットによる止着具100で補強部材97に結合するとともに、横架部材91をもとの位置に組み付け直し、この横架部材91にも補強部材97をビス等の止着具101で結合する。そして、取り外しておいたパネル92をもとの位置に組み込む作業を行う。
【0083】
図18に示すように、この実施形態では、引戸本体96の閉じ側端部に設けられている戸端部材102に、引戸本体96が開口部94を閉じたときに枠組み体95の支柱90に弾性接触する目隠し部102Aが設けられている。
【0084】
図20は、簡易固定式の間仕切り壁に設けるガイドレール取り付け用補強部材の別実施形態を示す。この実施形態では、支柱103と横架部材104とパネル105とにより簡易固定式の間仕切り壁106が形成され、改修作業前のパネル105の内部全体には、間仕切り壁106に耐火性能、防火性能を付与するための耐火性ペーパー部材107が収納されていた。改修用引戸装置20のガイドレール60を間仕切り壁106に取り付けるときには、横架部材104の取り外しでパネル105から一部のペーパー部材107を取り除き、その箇所に木製の補強部材108を組み入れ、そして横架部材104をもとの位置に組み付け直す。
この後、補強部材108まで達する長さのビス等の止着具109を間仕切り壁106に打ち込むことにより、ガイドレール60を間仕切り壁106に取り付ける。
【0085】
この実施形態で示すように、引戸装置のガイドレールを簡易固定式の間仕切り壁に取り付けるためにこの間仕切り壁に設ける補強部材の形状、材質等な任意である。
【0086】
なお、図20の実施形態において、全部のペーパー部材107を取り除き、その部分に補強部材108を組み入れてもよい。
【0087】
以上の図17〜図20の実施形態で説明したように、引戸本体が上吊り式となっている引戸装置のガイドレールを取り付ける壁が、強度がそれ程大きくない簡易式の間仕切り壁である場合には、この間仕切り壁に補強部材を設けることによって改修用引戸装置のガイドレールに取り付けを行える。
【0088】
【発明の効果】
本発明によると、開閉装置のための改修作業を容易に行えるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート製の壁に設置されていた改修作業前の開き戸装置の全体及びこの壁を示す正面図である。
【図2】図1のS2−S2線断面図である。
【図3】図1のS3−S3線断面図である。
【図4】改修作業中の状態を示す図2に対応する図である。
【図5】改修作業中の状態を示す図3に対応する図である。
【図6】改修用引戸装置が取り付けられた後を示すその引戸装置の全体及び壁を示す正面図である。
【図7】図6のS7−S7線断面図である。
【図8】図6のS8−S8線断面図である。
【図9】引戸装置の引戸本体を移動させるための移動機構を示す正面図で、引戸本体が閉じ限位置に達しているときを示す図である。
【図10】引戸本体が開き限位置に達しているときを示す正面図である。
【図11】改修用引戸装置のガイドレールの別実施形態を示す図8と同様の図である。
【図12】改修作業前から用いられている枠組み体の形状、及びこの枠組み体と引戸装置のガイドレールとの関係に関する別実施形態を示す
【図13】引戸装置の引戸本体の端部に目隠し部付きの戸端部材を取り付けた実施形態を示す図7と同様の図である。
【図14】開口部の外周部を形成する枠組み体に隙間対策部材である目隠し部材を取り付けた実施形態を示す図7と同様の図である。
【図15】引戸装置の引戸本体が開口部を閉じたときの気密性を向上させた実施形態を示す図8と同様の図である。
【図16】図15の実施形態を示す図7と同様の図である。
【図17】枠組み体が設けられている壁が簡易固定式間仕切り壁に設けられている実施形態を示し、改修用引戸装置が取り付けられた後を示す正面図である。
【図18】図17のS18−S18線断面図である。
【図19】図18のS19−S19線断面図である。
【図20】簡易固定式間仕切り壁に引戸装置のガイドレールを取り付けるためにこの間仕切り壁に設ける補強部材の別実施形態を示す図19と同様の図である。
【符号の説明】
1 壁
2,65,95 枠組み体
3,66 上枠部材
3A〜6A,66A,66B,67A,67B 凹凸部を形成する段欠部
4,67 下枠部材
5,6 側枠部材
7,94 開口部
8 改修作業前の開き戸装置
9 開き戸本体
13〜16,68,69 凹凸部を平坦部とするための枠組み体補助部材である枠補助部材
20 改修用引戸装置
21,70,81,96 引戸本体
25,60 ガイド部材であるガイドレール
71 隙間対策部材である戸端部材
75 隙間対策部材である目隠し部材
83,84 隙間対策部材であるモヘヤ部材
93,106 簡易固定式の間仕切り壁
97、108 ガイドレール取り付け用の補強部材

Claims (14)

  1. 改修作業前から存在していた枠組み体を残し、この枠組み体の内側に形成された開口部から枠組み体厚さ方向にずれた位置に、この開口部を覆う大きさを有する開閉体を備えた改修用開閉装置を取り付ける改修用開閉装置の取付方法であって、
    前記改修用開閉装置は引戸装置であるとともに、この引戸装置の前記開閉体となっている引戸本体は、この引戸本体に設けられたローラがガイドレールの係合部に係合し、このガイドレールから吊り下げられて案内される上吊り式引戸本体であり、
    前記ガイドレールは上下方向の長さを有する基部と、この基部の下端から前記引戸本体の厚さ方向に延びるアーム部と、このアーム部の先端に立ち上がって設けられた前記係合部とを有し、
    前記改修作業のために、前記ガイドレールを、このガイドレールの前記基部の一部を、前記枠組み体の構成部材となっていて、前記ガイドレールの長さ方向に延びる長さを有している上枠部材の前記引戸本体と対面する側面に接触させて配置する第1の作業と、前記ローラを前記ガイドレールの前記係合部に係合させる第2の作業と、を行うことを特徴とする改修用開閉装置の取付方法。
  2. 請求項1に記載の改修用開閉装置の取付方法において、前記第1の作業を、前記ガイドレールの前記アーム部の位置を、前記上枠部材の上下寸法の範囲内の位置にして行うことを特徴とする改修用開閉装置の取付方法。
  3. 請求項2に記載の改修用開閉装置の取付方法において、前記第1の作業を、前記ガイドレールの前記基部における前記一部を除く部分を、前記枠組み体が設けられている壁に取り付けて行うことを特徴とする改修用開閉装置の取付方法。
  4. 請求項2に記載の改修用開閉装置の取付方法において、前記第1の作業を、前記ガイドレールの前記基部における前記一部を、前記上枠部材の前記側面に結合することにより行うことを特徴とする改修用開閉装置の取付方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の改修用開閉装置の取付方法において、前記引戸本体の移動は、戸先側の縦枠部材と戸尻側の縦枠部材との間で行われ、
    前記改修作業のために、前記戸先側の縦枠部材を、前記枠組み体における戸先側の構成部材となっている側枠部材から前記引戸本体の閉じ方向にずれた位置において、前記枠組み体が設けられている壁に取り付ける作業を行うことを特徴とする改修用開閉装置の取付方法。
  6. 請求項5に記載の改修用開閉装置の取付方法において、前記側枠部材は、前記壁の表面からこの壁の厚さ方向に突出していることを特徴とする改修用開閉装置の取付方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の改修用開閉装置の取付方法において、前記引戸装置は、前記ガイドレールが内部に配置されるカバーを有し、このカバーは、前記枠組み体が設けられている壁の側の背面の部分と、下面の部分とが開口した断面逆L字形状となっており、
    前記改修作業のために、前記カバーを前記壁に取り外し可能に取り付ける作業を行うことを特徴とする改修用開閉装置の取付方法。
  8. 改修作業前から存在していた枠組み体と、改修作業後にこの枠組み体の内側の開口部から枠組み体厚さ方向にずれた位置でこの開口部を開閉するように配置された開閉体とを含んで構成されている改修された開閉装置であって、
    前開閉体は引戸装置の引戸本体であるとともに、この引戸本体は、この引戸本体に設けられたローラがガイドレールの係合部に係合し、このガイドレールから吊り下げられて案内される上吊り式引戸本体であり、
    前記ガイドレールは上下方向の長さを有する基部と、この基部の下端から前記引戸本体の厚さ方向に延びるアーム部と、このアーム部の先端に立ち上がって設けられた前記係合部とを有し、
    前記ガイドレールが、このガイドレールの前記基部の一部が、前記枠組み体の構成部材となっていて、前記ガイドレールの長さ方向に延びる長さを有している上枠部材の前記引戸本体と対面する側面に接触して配置されていることを特徴とする改修された開閉装置。
  9. 請求項8に記載の改修された開閉装置において、前記ガイドレールの前記アーム部の位置は、前記上枠部材の上下寸法の範囲内の位置になっていることを特徴とする改修された開閉装置。
  10. 請求項9に記載の改修された開閉装置において、前記ガイドレールの前記基部における前記一部を除く部分が、前記枠組み体が設けられている壁に取り付けられていることを特徴とする改修された開閉装置。
  11. 請求項9に記載の改修された開閉装置において、前記ガイドレールの前記基部における前記一部が、前記上枠部材の前記側面に結合されていることを特徴とする改修された開閉装置。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載の改修された開閉装置において、前記引戸本体の移動は、戸先側の縦枠部材と戸尻側の縦枠部材との間で行われ、
    前記戸先側の縦枠部材が、前記枠組み体における戸先側の構成部材となっている側枠部材から前記引戸本体の閉じ方向にずれた位置において、前記枠組み体が設けられている壁に取り付けられていることを特徴とする改修された開閉装置。
  13. 請求項12に記載の改修された開閉装置において、前記側枠部材は、前記壁の表面からこの壁の厚さ方向に突出していることを特徴とする改修された開閉装置。
  14. 請求項8〜13のいずれかに記載の改修された開閉装置において、前記引戸装置は、前記ガイドレールが内部に配置されるカバーを有し、このカバーは、前記枠組み体が設けられている壁の側の背面の部分と、下面の部分とが開口した断面逆L字形状となっており、
    前記カバーが前記壁に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする改修された開閉装置。
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