ところで、上記特許文献1及び2に示されているシャッター装置では、シャッターカーテンの閉じ移動中において、このシャッターカーテンの閉じ移動方向に障害物が存在し、スクリーンがこの障害物に当接した場合には、スクリーンが弛むことにより障害物が受ける衝撃は小さいものとなる。しかし、スクリーンの弛んだ部分が、ストップ部である前記角柱部材の上端面と、スラット連設体の下端部との間に挟まれるおそれがあり、この場合には、障害物が除去されたとしても、スクリーンは弛んだままの状態となってしまう。すなわち、スクリーンは半開放状態のままとなる。
このため、閉じ移動中のスクリーンが障害物に当接しても、この障害物が除去されることにより、スクリーンがより確実に全閉位置又は略全閉位置に達するまで閉じ移動するようになるシャッター装置の工夫が求められていた。
本発明の目的は、閉じ移動中の開閉体が障害物に当接しても、この障害物が除去されることにより、開閉体がより確実に全閉位置又は略全閉位置に達するまで閉じ移動するようになる開閉装置を提供することにある。
本発明に係る開閉装置は、開閉移動する開閉体と、この開閉体の幅方向の端部がスライド自在に挿入される開口部が形成され、前記開閉体の開閉移動を案内するガイド部材と、を有し、前記開閉体は、第1開閉部材と、この第1開閉部材よりも前記開閉体の閉じ側に配置され、前記第1開閉部材の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有する第2開閉部材と、を含んで構成され、前記ガイド部材には、前記開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける前記第1開閉部材の閉じ移動を阻止するためのストップ部と、前記ガイド部材の前記開口部のうち、前記開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける前記第2開閉部材の幅方向の端部が挿入される部分の幅寸法を狭くするための開口幅調整部と、が設けられている開閉装置において、前記開口幅調整部における前記開閉体の開き側の端面の位置は、前記ストップ部の位置よりも前記開閉体の閉じ側の位置となっていることを特徴とするものである。
本発明では、ガイド部材に設けられた開口幅調整部における開閉体の開き側の端面の位置は、ガイド部材に設けられたストップ部の位置よりも開閉体の閉じ側の位置となっているため、ストップ部と、開口幅調整部における開閉体の開き側の端面との間には、段差部分が生じる。
これにより、開閉体の閉じ移動中において、この開閉体の閉じ移動方向に障害物が存在し、第1開閉部材の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有する第2開閉部材がこの障害物に当接することによりこの第2開閉部材が弛んでも、この弛んだ部分は、ストップ部と、開口幅調整部における開閉体の開き側の端面との間の段差部分に滞留できることになる。このため、第2開閉部材の弛んだ部分がストップ部と第1開閉部材の閉じ側の端部との間で挟まれることが防止される。
したがって、この後、第2開閉部材に当接している障害物が除去され、第2開閉部材が再び閉じ移動した場合には、この第2開閉部材の弛んだ部分が引き伸ばされ、第2開閉部材は全閉位置又は略全閉位置に達する。
このため、本発明によると、閉じ移動中の開閉体が障害物に当接しても、この障害物が除去されることにより、開閉体がより確実に全閉位置又は略全閉位置に達するまで閉じ移動するようになる。
本発明において、ガイド部材に設けられるストップ部の形状、構造は任意であり、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ移動を阻止することが可能な形状、構造であればよい。
このストップ部の形状、構造の一例として、ガイド部材の開口部の内側であって開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ側の端部の開閉移動方向の位置と同じ位置又は略同じ位置に設けられているとともに、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ側の端部が当接する受け部となっているものを挙げることができる。
また、ストップ部の形状、構造の他の一例として、ガイド部材の開口部の内側であって開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ側の端部の開閉移動方向の位置と同じ位置又は略同じ位置に設けられているとともに、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ側の端部に設けられた係止部が係止する被係止部となっているものを挙げることができる。
また、本発明において、ガイド部材に設けられる開口幅調整部の形状、構造も任意であり、その一例として、ガイド部材の開口部の内側に設けられ、第2開閉部材の開閉移動方向の長さ寸法より短い長さ寸法を有する部材で形成されているものを挙げることができる。ここで、前記部材は、例えば、金属製の板材の折り曲げで形成された枠状部材でもよく、金属製や合成樹脂製、あるいは木製等の柱状部材(中空でもよく、中実でもよい)等でもよい。
本発明において、ストップ部が、前述したように、受け部となっている場合には、この受け部は、例えば、ガイド部材の前記開口部の内側に設けられ、第2開閉部材の開閉移動方向の長さ寸法と同じ長さ寸法又は略同じ長さ寸法を有する柱状部材における開閉体の開き側の端面部によって形成されているものでよく、あるいは、ガイド部材の前記開口部の内側であって、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ側の端部の開閉移動方向の位置と同じ位置又は略同じ位置に設けられ、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向に延出した延出部における開閉体の開き側の端面部によって形成されているもの等でもよい。
本発明において、ストップ部を形成している部材と開口幅調整部を形成している部材は、一体化されてユニットとなっていてもよく、一体化されずに別体となっていてよい。
前者の場合によると、後者の場合のように、ストップ部を形成している部材と開口幅調整部を形成している部材をガイド部材に別々に取り付ける必要がなく、取付作業の簡単化を図ることができるようになる。
ストップ部を形成している部材と開口幅調整部を形成している部材が一体化されてユニットとなっている場合において、このユニットの構成は任意であるが、例えば、ガイド部材の開口部の内側に挿入配置され、ストップ部と開口幅調整部とを有する主要部と、ガイド部材の外面に取り付けられる取付部と、を含んで構成されているものを挙げることができる。
これによると、まず、ユニットの主要部をガイド部材の開口部の内側に挿入配置し、この後、ユニットの取付部をガイド部材の外面に取り付けるだけで、ストップ部と開口幅調整部のガイド部材への設置作業は完了することになる。
本発明において、開口幅調整部における開閉体の開き側の端部には、前記開閉体の閉じ移動方向に斜めに傾斜した傾斜部が形成されていることが好ましい。
これによると、閉じ移動中の開閉体の第2開閉部材が、ガイド部材の開口部のうち、開口幅調整部が設けられることにより幅寸法が狭くなっている部分に、より確実に進入することができるようになる。
また、本発明において、ストップ部には、前記開閉体の閉じ移動方向に斜めに傾斜した傾斜部が形成されていることが好ましい。
これによると、閉じ移動中の開閉体の第2開閉部材が、ストップ部で引っ掛かることなく、このストップ部をスムーズに通過することができるようになる。
以上の本発明において、開閉体の開閉移動方向は任意であり、例えば、上下方向であって下方向が閉じ移動方向でもよく、上下方向であって上方向が閉じ移動方向でもよく、左右方向であって左方向が閉じ移動方向でもよく、左右方向であって右方向が閉じ移動方向でもよい。なお、上下方向には、上下方向の成分を有する方向を含み、左右方向には、左右方向の成分を有する方向を含む。
また、以上の本発明において、第1開閉部材の形状、構造は任意であり、例えば、複数個のスラットを開閉体の開閉移動方向に連設して形成されたスラット連設体となっているものでもよく、複数個のパネルを開閉体の開閉移動方向に連設して形成されたパネル連設体となっているものでもよく、複数個のパイプを開閉体の開閉移動方向にリンクで連結して形成されたパイプ連設体となっているものでもよく、これらの複合で形成されたもの等でもよい。なお、第1開閉部材は、金属製の部材で形成されるものでもよく、合成樹脂製の部材で形成されるものでもよく、木製の部材で形成されるものもよく、セラミック製の部材で形成されるものでもよく、これらの部材を複合したもので形成されるもの等でもよい。
一方、第2開閉部材は、開閉体の閉じ移動中にこの開閉体の閉じ移動方向に障害物が存在し、この障害物が開閉体の閉じ側の先端に当接することになっても、開閉体が障害物に与える衝撃を小さくすることができる部材で形成されるものであることが好ましい。すなわち、第2開閉部材は、例えば、布製や合成樹脂製(例えば、耐火性を有するシリカクロス製)等の薄厚部材で形成されるものでもよく、ゴムやスポンジ等の多孔質体による弾性部材で形成されるものでもよく、これらの部材を複合したもので形成されるもの等でもよい。そして、上記の部材で形成された第2開閉部材の形状、構造は任意であり、例えば、シート状となったスクリーンでもよく、網目状となったネットでもよく、これらを複合したもの等でもよい。
なお、第2開閉部材は、開閉体の幅方向に複数個配置してもよい。これによると、障害物が第2開閉部材の閉じ側の先端に当接したとき、この障害物に与える衝撃や荷重の低減のための第2開閉部材の変形がより柔軟に行えるようになる。また、このように第2開閉部材を開閉体の幅方向に複数個配置する場合には、互いに隣接する第2開閉部材の端部同士は開閉体の厚さ方向に重複させて配置することが好ましい。これによると、第2開閉部材の気密性(遮煙性、遮炎性等も含む)が向上する。
以上の本発明が適用される開閉装置は任意であり、例えば、開閉体がシャッターカーテンになっているシャッター装置でもよく、開閉体が防煙垂れ幕となっている防煙垂れ幕装置でよく、開閉体が防煙垂れ壁となっている防煙垂れ壁装置等でもよい。
また、本発明がシャッター装置に適用される場合には、そのシャッター装置は任意な用途のシャッター装置でよく、そのシャッター装置は、シャッターカーテンが、全閉位置又は略全閉位置に達することによって防災区画を形成するための防災用シャッターカーテンとなっている防災用シャッター装置(エレベータのためのものを含む)でもよく、シャッターカーテンで出入口や窓等の開口部を開閉する開口部用シャッター装置(オーバーヘッドドア式のものを含む)でもよく、さらに、車庫用シャッター装置でもよく、物置用シャッター装置でもよく、トラック等の車両の荷台に搭載される車搭用シャッター装置等でもよい。
さらに、本発明がシャッター装置に適用される場合において、そのシャッター装置が、シャッターカーテンを収納部から繰り出し、この収納部に収納するための収納機構を駆動させるための駆動装置(例えば、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出す巻取軸を回転させるための開閉機等)を備えている場合には、収納機構の駆動を駆動装置だけではなく手操作でも行える自動式と手動式の両方の機能を備えたシャッター装置にも適用でき、さらに、本発明は、上記駆動装置がシャッターカーテンを巻取軸に巻き取るときに巻取軸を回転させるために利用され、シャッターカーテンを繰り出すときの巻取軸の回転は、シャッターカーテンの自重やウエイト部材の自重等を利用して行われるシャッター装置等にも適用できる。
以上の本発明において、シャッターカーテンが巻取軸から繰り出され、巻き取られるものである場合において、その巻取軸の構造、形式は任意である。すなわち、巻取軸は、1本の軸により又は複数の軸を直列的に連結することにより形成されたものでもよく、中心に配置された固定軸の外周に、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための回転部材が回転自在に配置されたもの等でもよい。
なお、以上の本発明において、開閉体が閉じ移動しているとき、この開閉体の閉じ移動方向に障害物が存在した場合に、この障害物の感知をするための障害物感知手段を備えるようにしてもよい。
この障害物感知手段の原理、方式は任意であり、例えば、第2開閉部材の閉じ側の端部に幅方向全長又は略全長に渡って設けられたテープスイッチ等の障害物感知スイッチと、この障害物感知スイッチからの信号に基づき所定の制御処理を行う制御装置と、を含んで構成されるものでもよい。
本発明によると、閉じ移動中の開閉体が障害物に当接しても、この障害物が除去されることにより、開閉体がより確実に全閉位置又は略全閉位置に達するまで閉じ移動するようになるという効果が得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る開閉装置となっているシャッター装置の全体を示す正面図である。まず、このシャッター装置の全体構造について説明する。
開閉体がシャッターカーテンとなっているこのシャッター装置は、天井部材1によって室内空間2と区画されている天井裏空間3に水平に配置されている巻取軸10から繰り出され、このシャッターカーテン11により、室内空間2に防火、防煙のための防災区画を形成するための防災用シャッター装置となっている。このため、本実施形態では、シャッターカーテンは、防災用シャッターカーテンとなっている。この図1では、巻取軸10から繰り出されたシャッターカーテン11の閉じ側の先端部が室内空間2の床面2Aに着床した状態、すなわち、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達した状態が示されている。
巻取軸10は、天井裏空間3に存在する建物躯体6に取り付けられた左右一対のブラケット7で回転自在に支持され、この巻取軸10にシャッターカーテン11の上端部、すなわち巻取軸10側の端部が結合されている。シャッターカーテン11における左右方向の端部、言い換えると、シャッターカーテン11における開閉移動方向(上下方向)と直交し且つ厚さ方向(前後方向)とも直交する方向である幅方向の端部は、柱や壁等の建物躯体5に設けられた左右のガイドレール30の内部に、シャッターカーテン11に設けられた図示しない抜け止め部材により抜け止めされながらスライド自在に挿入されている。
左右一対のブラケット7うちの一方のブラケット7(図1では右側)には、モータとブレーキ等を有する開閉機8が取り付けられ、この開閉機8は、チェーン、スプロケット等で構成される動力伝動手段9を介して、巻取軸10に連結されている。火災発生等によって図示しない手動レバーが操作されることにより、又は図示しないセンサが煙あるいは熱等を検出してこの検出信号が開閉機8の図示しない制御装置に送られることにより、開閉機8のブレーキが解除される。これにより、シャッターカーテン11は、自重で巻取軸10を正回転させながら巻取軸10から繰り出されて下降する閉じ移動をガイドレール30で案内されながら行い、シャッターカーテン11の閉じ側の先端部が床面2Aに着床してシャッターカーテン11が全閉鎖状態又は略全閉状態となることにより、シャッターカーテン11で室内空間2に防災区画が形成される。
また、図示しないスイッチを操作すると、開閉機8のモータが駆動され、これにより、巻取軸10の逆回転でシャッターカーテン11が巻取軸10に巻き取られ、シャッターカーテン11は上昇する開き移動をガイドレール30で案内されながら行う。以上のように、本実施形態では、シャッターカーテン11の開閉移動方向は上下方向であって下方向が閉じ移動方向となっている。
シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したかどうかの判定、及びシャッターカーテン11が全開位置又は略全開位置に達したかどうかの判定は、開閉機8に設けられた図示しないリミットスイッチからの信号により行われる。
なお、火災によって発生した煙がシャッターカーテン11で仕切られた反対側の空間へ流出するのを防ぐために、天井部材1に配設されたまぐさ部材4には、図示しない塞ぎ部材が組み込まれている。
図1に示されているように、シャッターカーテン11は、多数のスラット12を上下方向に連設することにより形成されたスラット連設体13と、このスラット連設体13の下端部である最下部のスラット14に連結されて垂下された可撓性のシートで形成されたスクリーン20と、を含んで構成されている。
各スラット12は、所定の厚さの金属製の板材で形成されており、このため、スラット連設体13は硬質部となっている。なお、スラット連設体13の上端部である図示されない最上部のスラットは、図示しない吊り元部材を介して巻取軸10に連結されている。
スクリーン20の全部又は大部分は、耐火塗料等を塗布及び/又は含侵させたガラスクロス又はシリカクロスによる防火性と防煙性を有する薄厚部材である可撓性シートで形成されており、スラット連設体13の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有している。このため、スクリーン20は、硬質部であるスラット連設体13よりもシャッターカーテン11の閉じ側に配置された軟質部となっている。なお、本実施形態では、図1に示すように、スクリーン20は、シャッターカーテン11の幅方向である左右方向に長い1枚の長方形のシートで形成されている。なお、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにおける開閉移動方向のスラット連設体13とスクリーン20との構成比率は、適宜(実験的または設計的に)設定される。
以上のように、本実施形態では、開閉体であるシャッターカーテン11は、スラット連設体13と、このスラット連設体13よりもシャッターカーテン11の閉じ側に配置されたスクリーン20と、を含んで構成されており、スラット連設体13が第1開閉部材となっており、このスラット連設体13の厚さ寸法よりも小さい寸法を有するスクリーン20が第2開閉部材となっている。
図2は、シャッター装置に配置される前のシャッターカーテン11のスクリーン20の一部拡大図であり、図3は図1のS3−S3線断面図である。
図2に示されているように、スクリーン20の上端部20Aは、複数のボルト・ナットやビス等の止着具27でシャッターカーテン11の幅方向に長い板状部材25に止着されており、スラット連設部13の下端部である最下部のスラット14も、前記止着具27で前記板状部材25に止着されている。このため、スクリーン20の上端部20Aは、板状部材25を介して最下部のスラット14に連結されている(図3も参照)。
図3に示されているように、最下部のスラット14の上端部は、カール部14Aとなっており、下端部は、このカール部14Aとは反対の方向に巻かれたカール部14Bとなっている。なお、最下部のスラット14よりも上に配置されている各スラット12も、このスラット14と同様の構造を有している。
スラット14のカール部14Aは、このスラット14の真上に配置されているスラットである下から2番目のスラット12の下端部であるカール部12Aに挿入係合している。一方、スラット14の下部のカール部14Bは、このスラット14と同じ又略同じ左右方向の長さを有する板材の折り曲げで形成されたカバー部材15に収納されている。
このカバー部材15は、シャッターカーテン11の厚さ方向(前後方向)である水平方向に延びる上面部15Aと、この上面部15Aから垂下した垂下部15Bと、この垂下部15Bの下端から、上面部15Aと同じ水平方向に延びる下面部15Cと、上面部15Aの先端部から立ち上がった立上部15Dとからなっており、スラット14のカール部14Bは、上面部15Aと垂下部15Bと下面部15Cとで囲まれた空間に収納されている。このため、カバー部材15の下面部15Cは、第1開閉部材であるスラット連設体13の閉じ側の端部である下端部を形成している。一方、カバー部材15の立上部15Dは、ボルト・ナットやビス等の前記止着具27で板状部材25やスクリーン20の上端部20Aと共にスラット14に止着されている。
図3に示されているように、スクリーン20の下端部20Bは、シャッターカーテン11の開き移動方向である上方向に折り返されており、この折り返された下端部20Bの先端は、スクリーン20に接着又は縫着されている。このため、スクリーン20の閉じ側の端部である下端部20Bは、図1に示すように、左右方向に長い袋部21となっている。なお、この袋部21の左右方向である幅方向の端部20Cは、2枚のスクリーン20同士が重なり合った部分となっているが、この重なり合った部分同士は接着又は縫着されている。すなわち、この袋部21の左右方向である幅方向の端部は開口しておらず、閉じた部分となっている。
図1に示されているように、袋部21の内部には、シャッターカーテン11のウェイト部材となっている複数個(図1では3個)の左右方向に長い平板状のフラットバー22が、シャッターカーテン11の幅方向に離間して配置されている。なお、このフラットバー22は、金属製でもよく、木製でもよく、合成樹脂製等でもよく、重量を有するものであればよい。図1及び図2に示されているように、袋部21のうち、互いに隣接するフラットバー22同士の間の部分には、上下方向に長い板状部材23がボルト・ナットやビス等の止着具で止着されている。また、図1に示されているように、袋部21のうち、最も左側に配置されているフラットバー22の左端部の近傍部分及び最も右側に配置されているフラットバー22の右端部の近傍部分(言い換えると、袋部21の幅方向の両端部の近傍部分)にも、前記板状部材23がボルト・ナットやビス等の止着具で止着されている。このため、袋部21の内部に配置されている各フラットバー22は、これらの板状部材23によってシャッターカーテン11の幅方向である左右方向に移動することが阻止されるようになっている。なお、フラットバー22は、砂袋等に置き換えることが可能である。
本実施形態では、図3、及び図1のS4−S4線断面図である図4(建物躯体5の表示は省略)に示されているように、金属製の板材の折り曲げで形成された左右のガイドレール30の開口部31の奥側(言い換えると、開口部31の内側におけるシャッターカーテン11の幅方向外側)には、上下方向への長さを有する金属製の柱状部材35が立設されている。この柱状部材35の上下方向の長さ寸法は、図3に示すように、床面2Aから、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにおける前記カバー部材15の下面部15Cまでの長さ寸法であるH1となっている。言い換えると、柱状部材35の上下方向の長さ寸法は、スクリーン20の上下方向の長さ寸法と略同じとなっている。
図3に示されているように、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときには、スラット連設体13の閉じ側の端部となっているカバー部材15の下面部15Cは、柱状部材35におけるシャッターカーテン11の開き側の端面部である上面部35Aに載置するようになっている。
このため、本実施形態では、柱状部材35の上面部35Aは、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材であるスラット連設体13の閉じ移動を阻止するためのストップ部となっている。言い換えると、柱状部材35の上面部35Aは、ガイドレール30の開口部31の内側であってシャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材であるスラット連設体13の閉じ側の端部の開閉移動方向(上下方向)の位置と同じ位置又略同じ位置に設けられているとともに、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおけるスラット連設体13の閉じ側の端部が当接する受け部となっている。
また、図4に示すように、開口部31の内側には、上下方向への長さを有する金属製の板材の折り曲げで形成され、水平断面略L字形状の枠状部材36が立設されている。図3に示すように、この枠状部材36は、上下方向の長さ寸法が柱状部材35の上下方向の長さ寸法H1よりも短い長さ寸法H2となっている。言い換えると、枠状部材36の上下方向の長さ寸法は、第2開閉部材であるスクリーン20の開閉移動方向(上下方向)の長さ寸法よりも短い長さ寸法を有している。
また、枠状部材36は、図4に示されているように、シャッターカーテン11の厚さ方向に延びる第1延出部37と、シャッターカーテン11の幅方向外側に延びる第2延出部38とからなっている。第1延出部37は、ボルト・ナットやビス等の止着具40でガイドレール30の外面である開口部31の縁部32に止着されており、第2延出部38は、開口部31におけるシャッターカーテン11の厚さ方向の略中央部から、この開口部31の奥側に向かって延びている。これにより、開口部31のシャッターカーテン11の厚さ方向(前後方向)の寸法である開口幅のうち、枠状部材36が立設されている部分の開口幅は小さくなっている。
このため、本実施形態では、枠状部材36の第2延出部38は、ガイドレール30の開口部31のうち、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおけるスクリーン20の幅方向の端部20Cが挿入される部分の幅寸法を狭くするための開口幅調整部となっている。
また、図3及び図4に示されているように、枠状部材36の第1延出部37と第2延出部38と開口部31の内側面部とで囲まれた空間には、枠状部材36の上下寸法よりも小さい上下寸法を有する金属製の柱状部材39が立設されており、枠状部材36の第2延出部38と柱状部材35は、この柱状部材39に接着又は溶着により結合されている。このため、柱状部材35と枠状部材36は、柱状部材39を介して連結されており、この柱状部材39が柱状部材35と枠状部材36とを連結するための連結部材となっている。
図5は、図1のS5−S5線断面図であり、図6は、柱状部材35、枠状部材36の斜視図である。なお、この図6には、閉じ移動中又は開き移動中のシャッターカーテン11のスクリーン20の一部が2点鎖線で示されている。
図5及び図6に示すように、ストップ部である柱状部材35の上面部35Aのうち、シャッターカーテン11の幅方向内側の部分には、このシャッターカーテン11の閉じ移動方向である下方向に斜めに傾斜した傾斜部35Bが形成されている。なお、この傾斜部35Bは、柱状部材35の上面部35Aのうち、シャッターカーテン11の幅方向内側の部分を斜め下向きに切り欠くことにより形成されるものである。
一方、開口幅調整部である枠状部材36の第2延出部38におけるシャッターカーテン11の開き側の端部である上端部は、シャッターカーテン11の厚さ方向外側(言い換えると、シャッターカーテン11と対向する側とは反対の側)に折り曲げられており、このため、この第2延出部38の上端部には、シャッターカーテン11の閉じ移動方向である下方向に斜めに傾斜した傾斜部38Aが形成されている。
なお、柱状部材35の傾斜部35Bと、枠状部材36の第2延出部38の傾斜部38Aの面は、図示例においては、平面状としているが、曲面状であってもよい。
図7は、ガイドレール30に取り付けられる前の枠状部材36と柱状部材35と柱状部材39が実線で示されているとともに、ガイドレール30に取り付けられた後の枠状部材36と柱状部材35と柱状部材39が2点鎖線で示されている図である。
前述したように、ストップ部を形成している柱状部材35と、開口幅調整部を形成している枠状部材36は、柱状部材39を介して連結されている。すなわち、本実施形態では、図7に示すように、ストップ部を形成している柱状部材35と、開口幅調整部を形成している枠状部材36は一体化されてユニット50となっており、このユニット50は、ストップ部と開口幅調整部とを有する主要部51と、ガイドレール30の外面である開口部31の縁部32に取り付けられる取付部と、を含んで構成されるものである。そして、本実施形態では、枠状部材36の第2延出部38と、柱状部材35と、これらを連結するための柱状部材39とが主要部51となっており、枠状部材36の第1延出部37が取付部となっている。
この図7に示されているように、実線で示されているこのユニット50をガイドレール30に取り付けるためには、まず、ガイドレール30の開口部31の内側に、ユニット50の主要部51を第1延出部37がガイドレール30の開口部31の縁部32に密着するまで矢印A方向に挿入する。この後、第1延出部37をボルト・ナットやビス等の止着具40で開口部31の縁部32に止着することで、ユニット50のガイドレール30への取付作業は完了する。
なお、ユニット50の上下方向の位置合わせは、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにスクリーン20の下端部が当接する床等の被当接部が、ガイドレール30の内部まで及んで仕上げられている場合には、その部分に突き当てることにより位置調整することができる。また、被当接部が仕上がっていないことを想定して、例えば、あらかじめねじ穴(孔)等を、ガイドレール30及びユニット50における設計段階で決められた所定位置に空けておき、そこへ止着具等を挿入することにより位置合わせできるようにしてもよく、ガイドレール30の内部に、位置合わせ用の突起部をガイドレール30の切り起こし等により設けておき、その切り起こし部分にユニット50を当接させて位置合わせできるようにしてもよい。
図8は、閉じ移動中のシャッターカーテン11の閉じ移動方向に障害物100が存在し、このシャッターカーテン11のスクリーン20の袋部21の閉じ側の先端部に障害物100が当接したときの状態を示す図である。
図3に示されているように、スクリーン20の袋部21の内部の底部に配置されている各フラットバー22の上方には、各フラットバー22がシャッターカーテン11の開き移動方向である上方向に移動可能な空間が形成されており、これにより、各フラットバー22は、袋部21の内部でシャッターカーテン11の開閉移動方向である上下方向に移動可能となっている。
このため、図8に示されているように、スクリーン20の袋部21の閉じ側の先端部に障害物100が当接すると、袋部21の内部の底部にあったフラットバー22は、袋部21の内部を上方向に移動することになる。これにより、障害物100がフラットバー22から受ける衝撃は、袋部21の内部に各フラットバー22が上方向に移動可能な空間が形成されていない場合と比較して小さいものとなる。なお、障害物100が取り除かれると、フラットバー22は、自重でもとの位置である袋部21の内部の底部に戻る。
図9は、図8と同様に、閉じ移動中のシャッターカーテン11の閉じ移動方向に障害物110が存在し、このシャッターカーテン11のスクリーン20の袋部21の閉じ側の先端部に障害物110が当接したときのスクリーン20の縦断面図である。図8は、障害物100が床面2Aにおけるガイドレール30から離間した位置に存在した場合の図であったが、図9は、障害物110が床面2Aにおけるガイドレール30の近傍の位置に存在した場合の図である。
この図9に示されているように、障害物110が床面2Aにおけるガイドレール30の近傍の位置に存在した場合には、スクリーン20の幅方向の端部20Cの上部20D(図2も参照)が弛んだ状態となる。
図3に示すように、開口幅調整部となっている枠状部材36の第2延出部38におけるシャッターカーテン11の開き側の端面の位置、言い換えると、傾斜部38Aの上端面の位置は、ストップ部となっている柱状部材35の上面部35Aの位置よりもシャッターカーテン11の閉じ側の位置となっている。すなわち、枠状部材36の第2延出部38の傾斜部38Aの上端面は、柱状部材35の上面部35Aよりもシャッターカーテン11の閉じ側にずれている。
このため、第2延出部38の傾斜部38Aの上端面と柱状部材35の上面部35Aとの間には、上下方向の長さ寸法がH3(柱状部材35の上下方向の長さ寸法H1と枠状部材36の第2延出部38の上下方向の長さ寸法H2との差)である段差部分41が形成され、スクリーン20の幅方向の端部20Cの上部20Dは、図9に示すように、この段差部分41で大きく弛みながら滞留できることになる。
これにより、図9に示されているように、スクリーン20の弛んだ部分20Eは、スラット連設体13の下端部であるカバー部材15の下面部15Cと、柱状部材35の上面部35Aとの間で挟まれることが防止されるようになる。
なお、図9は、スラット連設体13の下端部であるカバー部材15の下面部15Cがストップ部である柱状部材35の上面部35Aに載置する直前の状態、すなわち、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達する直前の状態を示す図であるが、この図9の状態から、シャッターカーテン11が巻取軸10からさらに繰り出され、カバー部材15の下面部15Cが柱状部材35の上面部35Aに載置するまでの間も、スクリーン20の弛んだ部分20Eは前記段差部分41で滞留するので、この弛んだ部分20Eが、カバー部材15の下面部15Cと、柱状部材35の上面部35Aとの間で挟まれることは防止されるようになる。
この後、図9に示されている障害物110が取り除かれると、弛んだ部分を有するスクリーン20は、このスクリーン20の自重と、袋部21の内部に配置されているフラットバー22の自重で閉じ移動するとともに、前記段差部分41に滞留していた弛んだ部分20Eは引き伸ばされていく。これにより、スクリーン20は、シャッターカーテン11の閉じ移動方向に障害物110が存在しない場合と同様に、全閉位置又は略全閉位置に達することになる。
したがって、以上説明したように、本実施形態によると、閉じ移動中のシャッターカーテン11のスクリーン20が障害物に当接しても、この障害物が除去されることにより、スクリーン20はより確実に全閉位置又は略全閉位置に達するまで閉じ移動するようになる。
また、本実施形態では、図7に示すように、上面部35Aがストップ部を形成している柱状部材35と、第2延出部38が開口幅調整部を形成している枠状部材36は、連結部材である柱状部材39を介して連結されているため、ストップ部を形成している柱状部材35と、開口幅調整部を形成している枠状部材36は一体化されてユニット50となっている。
このため、本実施形態によると、ストップ部を形成している柱状部材35と、開口幅調整部を形成している枠状部材36を別々にガイドレール30に取り付ける作業が不要となり、これらの部材のガイドレール30への取付作業が簡単になる。
また、本実施形態では、図5及び図6に示すように、開口幅調整部である枠状部材36の第2延出部38におけるシャッターカーテン11の開き側の端部である上端部には、シャッターカーテン11の閉じ移動方向である下方向に斜めに傾斜した傾斜部38Aが形成されている。
このため、本実施形態によると、シャッターカーテン11の閉じ移動中において、スクリーン20の幅方向の端部20Cは、開口部31のうち、開口幅調整部である第2延出部38が設けられることにより幅寸法が狭くなっている部分に、より確実に進入することができる。
また、本実施形態では、ストップ部である柱状部材35の上面部35Aのうち、シャッターカーテン11の幅方向内側の部分には、このシャッターカーテン11の閉じ移動方向である下方向に斜めに傾斜した傾斜部35Bが形成されている。
このため、本実施形態によると、シャッターカーテン11の閉じ移動中において、風圧等の衝撃によりスクリーン20が左右方向に移動することがあっても、このスクリーン20の幅方向の端部20Cは、ストップ部である柱状部材35の上面部35Aで引っ掛かることなく、この上面部15Aをスムーズに通過することができる。
なお、本実施形態では、ストップ部を形成する柱状部材35は、ガイドレール30の開口部31の奥側に配置されるようになっており、これにより、ストップ部を形成する柱状部材35は、開口幅調整部を形成する枠状部材36の第2延出部38からシャッターカーテン11の幅方向に離間して配置されるようになっている。
このため、本実施形態によると、柱状部材35の上面部35Aと第2延出部38の傾斜部38Aの上端面との間に形成される段差部分41を、シャッターカーテン11の幅方向に広く確保することができる。
また、ストップ部を形成する柱状部材35が、ガイドレール30の開口部31の奥側に配置されていることにより、スクリーン20の幅方向の端部20Cが柱状部材35に干渉しにくくなっている。これにより、障害物に当接することにより発生したスクリーン20の弛んだ部分が、スラット連設体13の下端部であるカバー部材15の下面部15Cと柱状部材35の上面部15Aとの間でより挟まれにくいようになっている。
なお、本実施形態において、柱状部材35は、固定強度(シャッターカーテン11の荷重に対する強度)が耐えられるものであれば、この柱状部材35の上端の位置は変えずに下部側を短くしてもよい。すなわち、柱状部材35の固定強度が耐えられるものであれば、この柱状部材35は床面2Aに載置される状態となっていなくてもよい。言い換えると、柱状部材35の下端の位置は、枠状部材36や柱状部材39の下端の位置より上方となっていてもよい。