以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。初めに、本実施形態(以下、第1実施形態という)に係る蓋取付具及び蓋取付構造が適用される引戸装置の全体を説明する。
図1は、第1実施形態に係る蓋取付具及び蓋取付構造が適用される引戸装置の全体を示す正面図である。この引戸装置は、建物内の廊下と部屋との間を開閉自在に仕切るための室内用仕切り手段として使用され、引戸本体1は把持部1Aを把持することにより左右動させることができ、左右動すると引戸本体1は、無目2と縦枠3と戸袋4と床5とに囲まれて形成されている出入口用の開口部6を開閉し、この開口部6を開いたときの引戸本体1の大部分は戸袋4に収納される。引戸本体1が引戸装置の可動部材になっているのに対して、無目2、縦枠3及び戸袋4は引戸装置の不動部材を構成するものとなっており、開口部6から戸袋4に跨る長さを有している無目2は、無目本体7と、この無目本体7に止めねじ8及び具体的な形状、構造を後述する蓋取付具70で取り付け、取り外し自在になっている蓋9とからなる。止めねじ8は、引戸本体1の移動方向に長い無目本体7と同じ長さになっている蓋9の両端部に2個設けられている。
図2及び図3には、蓋9を取り外して示した無目本体7の内部構造が示されている。この無目本体7の内部には引戸本体1を移動させるための移動機構が収納されている。したがって、本実施形態では、相手部材である無目本体7と蓋9とで構成される無目2により、移動機構が収納されている枠体が形成され、蓋9を取り外すことにより、無目本体7の開口部である開口窓7A(後述の図4参照)が開口し、この開口窓7Aから、無目本体7内に配置された移動機構の保守点検作業を行えるようになっている。
図2は、この移動機構によって引戸本体1が閉じ限位置に達しているときを示し、図3は、引戸本体1が開き限位置に達しているときを示す。また、図4は、図2のS4−S4線断面図であって引戸本体1の下部まで示した図である。
図2に示すように、無目2の内部には引戸本体1の移動を案内するためのガイド部材であるガイドレール10が組み込まれ、上記移動機構を形成する部材であって、無目2の略全長に亘る長さを有するガイドレール10は、図4に示すとおり、無目2の内部に設けられている取付部材11にビス12と板ナット12Aで取り付けられている。同一断面形状が長さ方向に連続しているこのガイドレール10は、ビス12と板ナット12Aで取付部材11に取り付けられた基部10Aと、この基部10Aの下端から引戸本体1の厚さ方向に水平に延びるアーム部10Bと、このアーム部10Bの先端から垂直に立ち上がった係合部10Cとを有する。
図2で示すように、引戸本体1には、ローラブラケット13,14に回転自在に取り付けられた2個のローラ15,16が引戸本体1の移動方向に配設され、ローラブラケット13,14を介して引戸本体1の上方に配置されているこれらのローラ15,16は、図4に示すように、引戸本体1の上方に水平に架設されているガイドレール10の係合部10Cに係合している。このため、引戸本体1は、ローラ15,16が係合部10C上を転動することによりガイドレール10に沿って移動するとともに、引戸本体1は、ガイドレール10の係合部10Cに係合したローラ15,16に吊り下げられた上吊り式となっている。
また、図1に示すように、戸袋4に近い床5には、垂直軸を中心に回転自在となったガイドローラ17が配置され、このガイドローラ17は、図4に示すとおり、引戸本体1の下端に下向きに開口して配置されたチャンネル部材1Bの内部に挿入されており、ガイドレール10に沿った引戸本体1の移動は、引戸本体1の下端がこのガイドローラ17に案内されながらなされる。
図2に示されているように、ガイドレール10の引戸本体開き側の端部には、引戸本体1を開き限位置に停止させるためのストップ装置20が取り付けられ、このストップ装置20は、引戸本体閉じ側に向けて本体21に突設されたゴム等の弾性材料からなるストップ部材22と、本体21に取り付けられ、板ばねの折り曲げで形成されている係止部材23とを有する。一方、引戸本体1に設けられている2個のローラブラケット13,14のうち、引戸本体開き側のローラブラケット14の後端には板状の受け部材24が結合され、この受け部材24には小径ローラによる被係止部材25が取り付けられている。
引戸本体1を前記把持部1Aで開き側に移動させ、この移動が開き限位置に達すると、図3に示されているように、被係止部材25は、一旦上向きに湾曲変形してもとの形状に弾性復帰する係止部材23に係止されるとともに、受け部材24はストップ部材22に当接し、係止部材23が被係止部材25を係止することにより、引戸本体1は開き限位置に停止する。
また、引戸本体1の把持部1Aに引戸本体閉じ側への操作力を作用させた場合には、被係止部材25は上向きに弾性変形する係止部材23から離脱するため、ガイドレール10とガイドローラ17に案内されて閉じ側へ移動する。
また、図2及び図3に示されているように、ガイドレール10の引戸本体閉じ側の端部には、引戸本体1を閉じ移動させるための駆動装置30が配置され、この駆動装置30は、図3で示されているとおり、ブラケット31がガイドレール10に取り付けられることにより、ガイドレール10に組み付けられている。
駆動装置30はケーシング30A内に回転自在に収納されたリール33を有し、このリール33の内部には渦巻きばねが配置され、この渦巻きばねの一端はリール33に結合されているとともに、他端はケーシング30Aに結合されている。また、リール33には、図2及び図3で示されているナイロン紐又はワイヤー等からなる紐状部材34の一端が結合され、この紐状部材34はケーシング30Aから導出され、紐状部材34の他端は、引戸本体1に2個設けられているローラブラケット13,14のうちの引戸本体閉じ側のローラブラケット13に結合されている。
図2で示すように閉じ限位置に達している引戸本体1を把持部1Aで図3で示すように開き側へ移動させたときには、紐状部材34がリール33を回転させながら駆動装置30から繰り出され、このとき、リール33の内部の上記渦巻きばねがリール33の回転で蓄圧されるようになっている。このため、この後に把持部1Aから手を離すと(引戸本体1が図3のように閉じ限位置に達しているときには、前述のように、把持部1Aに操作力を作用させて被係止部材25を係止部材23から離脱させると)、渦巻きばねの蓄圧力によってリール33には、引戸本体1の開き移動時とは逆方向へリール33を回転させようとする回転力が生じているため、この回転力で緊張している紐状部材34の引張力によって引戸本体1は閉じ側へ引っ張られ、閉じ限位置まで自動的に移動する。
図2及び図3に示すように、ガイドレール10には、閉じ側への引戸本体1の移動速度を低速化させて制動させ、引戸本体1を閉じ限位置に減速させて到達させるための制動装置40が取り付けられている。この制動装置40は、シリンダ本体41と、シリンダ本体41にガイドレール10の長さ方向に伸縮自在に挿入されたピストンロッド42とを有するシリンダ装置で構成され、シリンダ本体41は、ガイドレール10に取り付けられている。この取り付けは、図4に示すとおり、ガイドレール10の溝10D付きの取付部10Eにビス43と板ナット43Aでなされている。
図2及び図3で示すように、引戸本体1に2個設けられているローラブラケット13,14のうち、引戸本体開き側のローラブラケット14には、ピストンロッド42の先端部が挿抜自在となったキャッチ部材44が取り付けられ、ピストンロッド42の先端部と、この先端部が挿入されるキャッチ部材44の内部とのうち、一方には磁石が設けられ、他方にはこの磁石に吸着する磁性材料が設けられている。このため、ピストンロッド42とキャッチ部材44とは、磁力で接続分離自在となっている。
図2に示すように引戸本体1が閉じ限位置に達しているときには、シリンダ本体41に対して収縮しているピストンロッド42の先端部がキャッチ部材44の内部に挿入された状態になっており、引戸本体1を開き側へ移動させると、ピストンロッド42の先端部とキャッチ部材44とが上記磁力で接続されているため、ピストンロッド42はシリンダ本体41に対して伸び作動する。このピストンロッド42が伸び作動限に達してもさらに引戸本体1が開き側に移動すると、図3に示すように、ピストンロッド42とキャッチ部材44とが分離し、ピストンロッド42はその位置で停止する。また、引戸本体1が前記引張式駆動装置30の駆動力で閉じ側へ移動し始め、そして引戸本体1が所定位置に達すると、キャッチ部材44はピストンロッド42に当接してこれらのキャッチ部材44とピストンロッド42とが上記磁力で再度接続され、引戸本体1がさらに閉じ側へ移動することにより、ピストンロッド42はシリンダ本体41に対して収縮作動する。
シリンダ本体41には、ピストンロッド42が伸び作動したときに多量のエアをシリンダ本体41の内部に吸引し、ピストンロッド42が収縮作動したときにはこのエアを絞りながら排出するバルブが設けられている。このため、ピストンロッド42が伸び作動する引戸本体1の開き移動時には、引戸本体1を軽く移動させることができ、また、ピストンロッド42が収縮作動する引戸本体1の閉じ移動時には、引戸本体1がシリンダ本体41の内部のエア圧力によって制動されながら移動し、減速された速度で閉じ限位置に達するようになっている。
図5〜図7は、蓋9を無目本体7に止めるために図1の左側の前記止めねじ8が螺入される連結部材55を示した図であり、図5は、蓋9を取り外して示すその連結部材55の正面図、図6は、図5のS6−S6線断面図、図7は図5の左側面図である。
連結部材55は、図1で示した無目本体7と縦枠3とを連結するための連結部材ともなっており、この連結のために、連結部材55は、図5〜図7に示されているように、上下方向に延びる主部55Aと、この主部55Aの両側から無目2の内側へ段状に窪んだ段部55B,55Cと、これらの段部55B、55Cのそれぞれ上下部から無目2の内部へ突出した突出片55D,55E,55F,55Gとを有する。突出片55D,55F,55Gは、図7で示すように、無目本体7の一方の側面部7Bと他方の側面部7Cに溶接又はビス等の止着具で結合され、また、図6で示すように、主部55Aには縦枠3の凹部3Aが嵌合され、主部55Aの裏面に予め溶接で取り付けられているナット56にボルト57を縦枠3側から螺入することにより、連結部材55に縦枠3が結合される。これにより、連結部材55を介して無目本体7と縦枠3とが連結される。
図5で示す突出片55Eには雌ねじ孔58が形成されており、この雌ねじ孔58に、蓋9に挿通させた図1の左側の止めねじ8のねじ軸部を螺入することにより、図1の蓋9の左端部はこの止めねじ8で無目本体7に止められる。
また、図5〜図7で示した連結部材55と同様の連結部材によって図1で示す無目本体7と引戸本体開き側の縦枠59とが連結されており、この連結部材にも雌ねじ孔が形成された突出片が設けられているため、図1の右側の止めねじ8のねじ軸部が、蓋9に挿通されてからこの突出片の雌ねじ孔に螺入されることにより、蓋9の図1の右端部はこの止めねじ8で無目2に止められる。
また、図5〜図7で示した連結部材55の主部55Aの下部には、折り曲げにより無目2の内側へ延びる延出部55Hが設けられており、この延出部55Hには、図6で示すとおり、無目2の内側にU字状に開口するU字状開口部61が形成されている。図5及び図7に示すように、延出部55Hの下面には板状の補助材62がビス63で結合され、この補助材62には、図6で示すとおり、U字状開口部61と一致する孔64が設けられている。
これらのU字状開口部61と孔64には、図1で示した引戸本体1に設けられている鍵装置65にキーに差し込んで回動操作したときに上昇する図5及び図6のロックバー66が挿入され、これにより、閉じ限位置に達している引戸本体1がその位置でロックされるようになっている。
次に、本実施形態に係る蓋取付具70及び蓋取付構造について詳細に説明する。
図1に示されているように、蓋9の上端は無目本体7にこの無目本体7の長さ方向の3箇所で蓋取付具70により取り付けられている。
これらの3個の蓋取付具70は、無目本体7の長さ方向に等間隔又は略等間隔に配置されており、同一又は略同一の形状、構造を有している。以下、図1における左側の蓋取付具70の形状、構造等について説明する。
なお、無目本体7内に配置された移動機構の保守点検作業を行うために蓋9を無目本体7から取り外すには、まず、蓋9を無目本体7の長さ方向両端で止めている前記止めねじ8を取り外し、次に、蓋取付具70により上端が無目本体7に取り付けられている蓋9を後述するように引き下ろすことで、蓋9を無目本体7から完全に取り外すことができるようになっている。移動機構の保守点検作業の終了後は、上記と反対の手順で蓋9を無目本体7に取り付けることになる。
図8には、蓋取付具70により蓋9が無目本体7に取り付けられている状態におけるこれらの部材の拡大斜視図が示されている。
図4及び図8で示されているように、蓋取付具70は、相手部材である無目本体7と蓋9とが上下に対向する箇所に設けられている。具体的に説明すると、無目本体7における蓋9が配置される側の側面には下向きの端部7Dが設けられ、蓋9の上端には上向きの端部9Aが形成されている。これらの端部7Dと9Aは、無目本体7の内部に向かって延びているとともに、無目本体7と蓋9の長さ方向全長に亘って延びたものとなっており、端部7Dと9Aは上下に対向している。そして、これらの端部7Dと9Aが蓋取付具70で連結されている。
図9は、蓋取付具70の正面図であり、図10は、蓋取付具70の左側面図である。
蓋取付具70は、ばね性を有する金属製、又はゴムや軟性合成樹脂製の線状材の折り曲げで形成されており、図9に示されているように、先端72Aが先細り状となっていて幅方向に弾性変形可能な膨出部72と、相手部材である無目本体7に止着され、前記幅方向に弾性変形可能な止着部71と、膨出部72と止着部71との間に形成され、前記幅方向の寸法が膨出部72よりも小さいくびれ部73とを有している。止着部71と、膨出部72と、くびれ部73とは、前記幅方向と角度をなす方向、すなわち、膨出部72の幅方向と直交する方向(図9では上下方向)に並設されている。
また、止着部71は、膨出部72の幅方向と角度をなす方向、すなわち、膨出部72の幅方向と直交する方向(図9では上方向)に開口した二股状に形成されている。
さらに、止着部71は、膨出部72の幅方向と角度をなす方向、すなわち、膨出部72の幅方向と直交する方向(図9では手前方向、図10では水平方向)に延出する延出部71Aを有している。
延出部71Aは、図4及び図8に示されているように、蓋9が無目本体7に取り付けられた状態においては、無目本体7の側面部7Bと対向する方向に延出するようになっている。
膨出部72は、図4及び図8に示されているように、この膨出部72の幅方向と角度をなす方向で、かつ、無目本体7の開口窓7Aから遠ざかる方向(図9では手前斜め下方向、図10では右斜め下方向)へ傾斜している。
図8に示されているように、無目本体7の端部7Dには、この端部7Dを上下方向に貫通し、無目本体7と蓋9の長さ方向に長い長孔7Eが形成されており、この長孔7Eは、蓋取付具70の止着部71が挿入される挿入口となっている。なお、蓋取付具70の止着部71の最大幅寸法は長孔7Eの幅寸法よりも大きくなっており、このため、止着部71は、幅方向内側への弾性変形により長孔7Eへ挿入されるようになっている。
一方、図8に示されているように、蓋9の端部9Aには、この端部9Aを上下方向に貫通し、無目本体7と蓋9の長さ方向に長い長孔9Dが形成されており、この長孔9Dは、蓋取付具70の膨出部72が挿入される挿入口となっている。なお、膨出部72の最大幅寸法は長孔9Dの幅寸法よりも大きくなっており、このため、膨出部72は、幅方向内側への弾性変形により長孔9Dへ挿入されるようになっている。
なお、蓋9の前記長孔9Dの寸法形状は、無目本体7の長孔7Eの寸法形状と略同じとなっている。
次に、蓋取付具70を使用して蓋9を無目本体7に取り付ける手順を図11〜図21により詳細に説明する。
まず、蓋取付具70の止着部71を無目本体7に止着する手順を説明する。
図11は、図8の無目本体7のXI矢視図、すなわち、無目本体7の平面図であり、無目本体7の長孔7Eに蓋取付具70の止着部71を挿入する前の状態を示す図である。
蓋取付具70の止着部71を無目本体7の長孔7Eに挿入するためには、まず、止着部71の幅方向が水平方向又は略水平方向となるように蓋取付具70の向きを変える。すなわち、蓋取付具70を水平姿勢の状態にする。
この後、図11に示されているように、止着部71の幅寸法が無目本体7の長孔7Eの幅寸法と同じ又はこれより小さくなるように止着部71を矢印A方向、すなわち、幅方向内側へ2点鎖線で示されているように弾性変形させながら、蓋取付具70を止着部71の延出部71Aが無目本体7の長孔7Eの直下に位置するまで矢印B方向、すなわち、無目本体7の側面部7Bと対向する方向である水平方向に移動する。
止着部71の延出部71Aが無目本体7の長孔7Eの直下の位置に達したら、蓋取付具70全体を鉛直上方向に移動して、弾性変形させた止着部71の延出部71Aを無目本体7の長孔7Eに挿入する。
図12は、図11において弾性変形させた止着部71の延出部71Aを無目本体7の長孔7Eに挿入したときの状態を示す図であり、図13は、図12の状態における無目本体7の拡大左側面図(図7において、連結部材55を取り外したときの無目本体7の拡大左側面図)である。
図12に示されているように、弾性変形させた止着部71の延出部71Aを無目本体7の長孔7Eに挿入した後、止着部71を弾性変形させていたのを止めると、止着部71は幅方向外側へ弾性復帰するので、止着部71の延出部71Aは、止着部71の幅方向外側の弾性復帰力で長孔7Eにおける長さ方向の両端部で係止されることになる。
このため、図13に示されているように、蓋取付具70は止着部71の弾性復帰力により水平姿勢の状態を維持している。
この後、図13に示されているように、蓋取付具70を矢印C方向に回動させて、2点鎖線で示されているように、蓋取付具70を鉛直方向に垂下した状態にさせる。
図14は、図13において水平姿勢を維持していた蓋取付具70が鉛直方向に垂下した姿勢となっている状態を示す図である。この後、止着部71全部が無目本体7の長孔7Eを通過して、蓋取付具70のくびれ部73が長孔7Eに係止されるまで蓋取付具70を矢印D方向に押し上げていく。
図15は、止着部71全部が長孔7Eを通過して、くびれ部73が長孔7Eに係止したときの状態を示す図であり、図16は、図15のXVI矢視図である。
幅方向内側へ弾性変形していた止着部71は、長孔7Eを通過していくことにより幅方向外側への弾性復帰で徐々に元の形状に戻っていく。そして、止着部71全部が長孔7Eを通過すると、図16に示されているように、くびれ部73は長孔7Eで係止することになる。
以上で、蓋取付具70を無目本体7に止着する作業は完了となる。なお、このとき、図15及び図16に示されているように、蓋取付具の止着部71の延出部71Aは、無目本体7の内部である無目本体7の上面部7Fに当接し、さらに、延出部71Aの先端は無目本体7の側面部7Bに当接するようになっている。
次に、無目本体7に蓋9を取り付ける手順を説明する。
図17は、無目本体7に蓋9を取り付ける直前における無目本体7及び蓋9の拡大斜視図である。図17に示されているように、止着部71を無目本体7の端部7Dの長孔7Eに挿入することにより無目本体7に止着されている蓋取付具70のうちの膨出部72は、長孔7Eから下方向に露出しているが、まず、この膨出部72が蓋9の端部9Aの長孔9Dに挿入されるように、蓋9を矢印E方向へ押し上げる。
なお、前述したように、蓋取付具70の膨出部72は、この膨出部72の幅方向と角度をなす方向で、かつ、無目本体7の開口窓7Aから遠ざかる方向、すなわち、無目本体7の開口窓7Aに対して手前斜め下方向へ傾斜している。
このため、蓋9を押し上げる方向である矢印E方向は、鉛直上方向ではなく、膨出部72の傾斜方向と同じ方向、言い換えると、無目本体7の開口窓7Aへ近づく斜め上方向(後述の図19参照)となり、蓋9をこの方向に傾斜させながら押し上げることにより、膨出部72を蓋9の長孔9Dに容易に挿入させることができる。
図18は、図17のXIIX矢視図であり、蓋取付具70の膨出部72が蓋9の長孔9Dに挿入されている途中の状態を示す図であり、図19は、図18の無目本体7及び蓋9の左側面図である。
前述したように、蓋取付具70の膨出部72の最大幅寸法は、蓋9の長孔9Dの幅寸法よりも大きい。このため、図18及び図19に示されているように、蓋9が矢印E方向に押し上げられ、膨出部72が長孔9Dに挿入されるにしたがって、膨出部72は、図18に示されているように、矢印F方向、すなわち、幅方向内側に弾性変形していく。
膨出部72全部が長孔9Dを通過すると、この膨出部72の蓋9の内部での弾性復帰により、蓋取付具70の止着部71と膨出部72との間に形成されたくびれ部73は長孔9Dで係止されることになる(後述の図21参照)。これで、無目本体7への蓋9の取り付け作業は完了する。
図20は、無目本体7への蓋9の取り付けが完了した状態の無目本体7及び蓋9の左側面図であり、図21は、図20のXXI矢視図である。
図21に示されているように、無目本体7に蓋9が取り付けられた状態においては、蓋取付具70のくびれ部73は、無目本体7の長孔7Eと蓋9の長孔9Dとに係止されている。また、このとき、図20及び図21に示されているように、無目本体7の内部に向かって延出している無目本体7の端部7Dの下面と蓋9の端部9Aの上面とは互いに密着した状態となっている。
次に、蓋9を無目本体7から取り外す手順を説明する。図22は、図20において、無目本体7から蓋9を取り外すための動作を示したものである。
図22に示されているように、蓋9を無目本体7から取り外すには、まず、蓋9を矢印G方向、すなわち、無目本体7の開口窓7Aに対して手前方向に少し回動させ、この後、蓋9を矢印H方向、すなわち、無目本体7の開口窓7Aから遠ざかる方向、すなわち、無目本体7の開口窓7Aに対して手前斜め下方向へ傾斜させながら引き下ろせばよい。なお、蓋9を鉛直下方向に引き下ろしても蓋9と無目本体7とが干渉しない場合には、蓋9を鉛直下方向に引き下ろして無目本体7から取り外してもよい。
蓋9を矢印H方向に引き下ろすことにより、蓋取付具70の膨出部72は、幅方向内側に弾性変形しながら、蓋9の端部9Aの長孔9Dを通過していく。そして、膨出部72全部が長孔9Dから離脱した時点で、蓋9を無目本体7から取り外す作業は完了する。このとき、幅方向内側に弾性変形していた膨出部72は、幅方向外側への弾性復帰で元の形状に戻る。
なお、蓋9を矢印H方向に引き下ろすことにより、蓋取付具70の止着部71も矢印H方向へ引っ張られて、幅方向内側に弾性変形しながら無目本体7の長孔7Eを通過していくが、止着部71全部が無目本体7の長孔7Eを通過することはないようになっている。すなわち、止着部71が無目本体7から離脱するようなことはない。
これは、前述したように、二股状に形成されている止着部71の先端には、無目本体7の側面部7Bと対向するように延出している延出部71Aがそれぞれ形成されているため、止着部71全部が無目本体7から通過するような弾性変形をしたとしても、延出部71Aが無目本体7の端部7Dの上面に当接、係止するので、止着部71が無目本体7から離脱することはないからである。なお、無目本体7の長孔7Eを通過した止着部71も、膨出部72全部が蓋9の長孔9Dから離脱した時点で、弾性復帰で元の形状に戻ることになる。
以上説明した本実施形態(第1実施形態)では、蓋取付具70は、ばね性を有する線状材の折り曲げで形成されており、その形状、構造は、無目本体7の端部7Dに形成された長孔7Eに挿入される止着部71と、蓋9の端部9Aに形成された長孔9Dに挿入される膨出部72と、止着部71と膨出部72との間に形成されるくびれ部73だけの簡単なものとなっている。また、無目本体7には、この無目本体7に止着される蓋取付具70の止着部71が挿入される前記長孔7Eのみを形成するだけでよく、蓋9には、蓋取付具70の膨出部72が挿入される前記長孔9Dのみを形成するだけよい。
そして、蓋9を無目本体7に取り付けるには、蓋9を無目本体7の開口窓7Aへ近づく斜め上方向に押し上げて、止着部71を予め無目本体7に止着しておいた蓋取付具70の膨出部72を蓋9の長孔9Dに挿入するだけでよく、また、蓋9を無目本体7から取り外すには、蓋9を無目本体7の開口窓7Aから遠ざかる斜め下方向に引き下ろして、前記長孔9Dに挿入されている前記膨出部72を離脱させるだけでよい。
このため、本実施形態によると、蓋取付具70と、この蓋取付具70が取り付けられる無目本体7及び蓋9の構造を簡単にすることができ、無目本体7への蓋9の取り付け、取り外し作業が簡単にできるようになる。
また、本実施形態では、前述の図15に示されているように、蓋取付具70の止着部71が無目本体7に止着されている状態においては、蓋取付具の止着部71の延出部71Aは無目本体7の内部である無目本体7の上面部7Fに当接しており、さらに、この延出部71Aの先端は無目本体7の側面部7Bに当接している。
このため、本実施形態によると、前述の図19に示されているように、蓋9を無目本体7に取り付けるために、蓋9を押し上げてこの蓋9の長孔9Dに蓋取付具70の膨出部72を挿入するときにおいては、蓋9を押し上げる力は蓋取付具70の膨出部72へ確実に作用することになる。
また、本実施形態では、蓋9が無目本体7に取り付けられた状態においても、蓋取付具の止着部71の延出部71Aは無目本体7の上面部7Fに当接しており、さらに、この延出部71Aの先端は無目本体7の側面部7Bに当接している。
このため、本実施形態によると、無目本体7に取り付けられた蓋9に対して無目本体7の開口窓7Aと対向する方向への外力、例えば、蓋9が外側から押されるような外力が加わったとしても、止着部71の延出部71Aが無目本体7の上面部7Fと側面部7Bとの両方に係止しているので、蓋9が無目本体7の開口窓7Aと対向する方向へ撓むことが防止される。
なお、本実施形態では、止着部71の延出部71Aは、無目本体7の側面部7Bと対向する方向へ延出するものであるが、止着部71は、無目本体7の側面部7Bと対向する方向とは反対の方向、言い換えると、無目本体7の開口窓7Aと対向する方向へ延出する延出部をさらに有していてもよい。この場合には、この延出部が当接するための鉛直下方向に延びる下方延出部を無目本体7の上面部7Fに設ける必要がある。
止着部71が無目本体7の側面部7Bと対向する方向とは反対の方向へ延出する延出部を有していると、無目本体7に取り付けられた蓋9に対して無目本体7の開口窓7Aと対向する方向とは反対への外力、例えば、蓋9が外側へ引っ張られるような外力が加わったとしても、止着部71の前記延出部が無目本体7の前記下方延出部に当接することになるので、蓋9が無目本体7の開口窓7Aと対向する方向とは反対の方向へ撓むことが防止される。
また、本実施形態では、蓋取付具70の膨出部72は、この膨出部72の幅方向と角度をなす方向で、かつ、無目本体7の開口窓7Aから遠ざかる方向、すなわち、無目本体7の開口窓7Aに対して手前斜め下方向へ傾斜しているため、無目本体7に蓋9を取り付ける際において、蓋取付具70の膨出部72が蓋9の端部9Aの長孔9Dに挿入し易くなる。
さらに、本実施形態では、蓋取付具70の膨出部72の先端72Aは先細り形状となっているため、これによっても、無目本体7に蓋9を取り付ける際において、蓋取付具70の膨出部72が蓋9の端部9Aの長孔9Dに挿入し易くなる。
なお、本実施形態では、蓋取付具70のくびれ部73には、無目本体7の端部7Dにおける長孔7Eの周縁部に係止するための係止部がさらに形成されていてもよい。
前述したように、蓋取付具70の止着部71が長孔7Eへ挿入され、止着部71全部が長孔7Eを通過することによる止着部71の弾性復帰で蓋取付具70のくびれ部73は長孔7Eで係止されるが、無目本体7の端部7Dにおける長孔7Eの周縁部に係止するための係止部をくびれ部73に形成することにより、くびれ部73は長孔7Eでより確実に係止されることになる。
なお、くびれ部73に形成する係止部は、無目本体7の端部7Dの上面における長孔7Eの周縁部にのみ係止するものでもよく、無目本体7の端部7Dの下面における長孔7Eの周縁部にのみ係止するものでもよく、これらの両方の周縁部に係止するものでもよく、任意である。
なお、本実施形態では、無目本体7に蓋9が取り付けられた状態においては、無目本体7の内部に向かって延出している無目本体7の端部7Dの下面と蓋9の端部9Aの上面とは互いに密着している。
このため、本実施形態によると、無目本体7に蓋9が取り付けられた状態においては、開口窓7Aを通って塵や埃が無目本体7の内部に侵入するのを防止することができ、これにより、移動機構は塵や埃塵から保護され、この移動機構による引戸本体1の円滑な移動が確保される。
なお、本実施形態では、蓋9を無目本体7に取り付けるには、まず、蓋取付具70の止着部71を無目本体7の長孔7Eに挿入することにより前記止着部71を無目本体7に止着した後、蓋9の長孔9Dに蓋取付具70の膨出部72が挿入されるように蓋9を押し上げるというものであったが、この取り付け方法とは反対に、まず、蓋取付具70の止着部71を蓋9の長孔9Dに挿入することにより前記止着部71を蓋9に止着し、この後、無目本体7の長孔7Eに蓋取付具70の膨出部72が挿入されるように蓋9を押し上げるという取り付け方法にしてもよい。
図23〜図28は、本発明に係る蓋取付具の別実施形態(以下、第2実施形態という)を示す図である。
図23は、本実施形態に係る蓋取付具170の斜視図で、蓋9を無目本体7に取り付けた状態における蓋取付具170のみを前述の図8と同じ方向から見た斜視図であり、図24は、蓋取付具170の左側面図である。
図23に示されているように、本実施形態に係る蓋取付具170は、前述の第1実施形態に係る蓋取付具70とは異なり、ばね性を有する金属製、又はゴムや軟性合成樹脂製の板状材の折り曲げで形成されている。
図24に示されているように、本実施形態に係る蓋取付具170では、断面形状が、前述の第1実施形態の蓋取付具70と同様に、幅方向に弾性変形可能な膨出部172と、前記幅方向に弾性変形可能な止着部171と、これらの止着部171と膨出部172との間に形成され、幅方向の寸法が膨出部172よりも小さいくびれ部173とを有するものとなっている。そして、本実施形態に係る蓋取付具170は、図23に示されているように、後述する係止部173A形成されている部分を除いて、同一断面形状が長さ方向に連続するものである。
蓋取付具170の形状、構造を具体的に説明すると、図23及び図24に示されているように、止着部171は、前述の第1実施形態と同様に、膨出部172の幅方向と角度をなす方向、すなわち、直交する方向に開口した二股状に形成されており、膨出部172の幅方向と略同じ方向、すなわち、略水平方向に延出している。
また、くびれ部173の長さ方向中央部又は略中央部には、このくびれ部173が、蓋9の端部9Aにおける長孔109D(後述の図25参照)の周縁部に係止するための係止部173Aが形成されている。この係止部173Aは、図23に示されているように、くびれ部173の長さ方向中央部付近の一部を長さ方向に長い長方形状に切り起こして形成されており、この長方形状に切り起こされた係止部173Aは、膨出部172の幅方向外側であって斜め下方向に延出している。
また、蓋取付具170の膨出部172の先端172Aは、前述の第1実施形態の蓋取付具70の膨出部72の先端72Aと同様に、先細り形状となっている。
次に、蓋取付具170を使用して蓋9を無目本体7に取り付ける手順を図25〜図28により説明する。
なお、本実施形態(第2実施形態)及び後述する第3及び第4実施形態では、前述の第1実施形態とは異なり、まず、蓋取付具の止着部を蓋9の端部9Aに形成された長孔に挿入することにより前記止着部を蓋9に止着した後、蓋取付具の膨出部を無目本体7の端部7Dに形成された長孔に挿入することで、蓋9が無目本体7に取り付けられる蓋取付構造となっている。
まず、蓋取付具170の止着部171を蓋9に止着する手順を説明する。
図25及び図26は、蓋9の左側面図である。まず、図25に示されているように、蓋取付具170のくびれ部173を矢印I方向、すなわち、蓋取付具170の膨出部172の幅方向内側へくびれ部173の内側の一部同士が互いに接触するまで弾性変形させ、膨出部172が蓋9の端部9Aに形成された無目本体7と蓋9の長さ方向に長い長孔109Dに挿入するように、蓋取付具170を蓋9の端部9Aの下面側から矢印J方向へ押し上げる。
なお、蓋取付具170のくびれ部173をこのくびれ部173の内側の一部同士が互いに接触するまで弾性変形させたとき、膨出部172も幅寸法が蓋9の長孔109Dの幅寸法と同じかそれより小さくなるように弾性変形するようになっている。
このため、図25に示されているように、止着部171を矢印I方向に弾性変形させた膨出部172は、これ以上弾性変形することなく、蓋9の端部9Aの長孔109Dをそのまま通過することになる。
蓋取付具170の膨出部172全部が長孔109Dを通過し、くびれ部173の係止部173Aも長孔109Dを通過した時点で、くびれ部173を矢印I方向へ弾性変形させていたのを止める。
これにより、図26に示されているように、蓋取付具170のくびれ部173は弾性復帰で蓋9の長孔9Dで係止され、この時点で、蓋取付具170の止着部171を蓋9へ止着する作業は完了する。
なお、このとき、蓋取付具170の止着部171の先端171Aは、蓋9の内部である蓋9の端部9Aの下面における長孔109Dの周縁部に当接、係止しており、一方、蓋取付具170のくびれ部173に形成されている係止部173Aの先端は、蓋9の端部9Aの上面における長孔109Dの周縁部に当接、係止している。
次に、蓋取付具170の止着部171が止着された蓋9を無目本体7に取り付ける手順を説明する。
図27及び図28は、蓋9及び無目本体7の左側面図である。まず、図27に示されているように、蓋9に止着している蓋取付具170の膨出部172が、無目本体7の端部7Dに形成された長孔107Eに挿入するように蓋9を矢印K方向へ押し上げる。
ここで、蓋取付具170の膨出部172の最大幅寸法は、無目本体7の端部7Dの長孔107Eの幅寸法よりも大きくなっている。
このため、蓋9が矢印K方向へ押し上げられ、蓋取付具170の膨出部172が無目本体7の端部7Dの長孔107Eに挿入されていくと、膨出部172は矢印L方向、すなわち、膨出部172の幅方向内側に弾性変形していく。
膨出部172全部が長孔107Eを通過すると、図28に示されているように、蓋取付具170のくびれ部173が膨出部172の弾性復帰で長孔107Eで係止され、この時点で、蓋9の無目本体7への取り付け作業は完了する。
なお、長孔107Eの幅寸法は、弾性変形していない状態における蓋取付具170のくびれ部173に形成された一方の係止部173Aにおける膨出部172の幅方向外側の先端から、他方の係止部173Aにおける膨出部172の幅方向外側の先端までの距離と同じ又は略同じとなっている。
このため、図28に示されているように、蓋9が無目本体7に取り付けられた状態においては、くびれ部173の係止部173Aは、無目本体7の端部7Dの長孔107Eの内部に収納された状態となっている。
なお、蓋9を無目本体7から取り外す手順は、以上で述べた蓋9を無目本体7に取り付ける手順とは逆の手順となる。
以上説明した本実施形態(第2実施形態)では、蓋取付具170が、前述の第1実施形態とは異なり、ばね性を有する板状材の折り曲げで形成されているものであるが、前述の第1実施形態と同様に、その形状、構造は、無目本体7の端部7Dに形成された長孔107Eに挿入される止着部171と、蓋9の端部9Aに形成された長孔109Dに挿入される膨出部172と、止着部171と膨出部172との間に形成されるくびれ部173だけの簡単なものとなっている。また、無目本体7には、この無目本体7に止着される蓋取付具170の止着部171が挿入される長孔107Eのみを形成するだけでよく、蓋9には、蓋取付具170の膨出部172が挿入される長孔109Dのみを形成するだけよい。
そして、蓋9を無目本体7に取り付けるには、蓋9を鉛直上方向に押し上げて、予め止着部171を蓋9に止着しておいた蓋取付具170の膨出部172を無目本体7の端部7Dの長孔107Eに挿入するだけでよく、また、蓋9を無目本体7から取り外すには、蓋9を鉛直下方向に引き下ろして、長孔107Eに挿入されている膨出部172を長孔107Eから離脱させるだけでよい。
このように、本実施形態によっても、蓋取付具170と、この蓋取付具170が取り付けられる無目本体7及び蓋9の構造を簡単にすることができ、無目本体7への蓋9の取り付け、取り外し作業が簡単にできるようになる。
また、本実施形態では、前述の第1実施形態と同様に、蓋取付具170の膨出部172の先端172Aは先細り形状となっているため、無目本体7に蓋9を取り付ける際において、無目本体7の長孔107Eに蓋取付具170の膨出部172を挿入させ易くなる。
また、本実施形態では、蓋取付具170のくびれ部173には、蓋9の端部9Aの上面における長孔109Dの周縁部に係止するための係止部がさらに形成されており、さらに、蓋取付具170の止着部171は略水平方向に延出し、この止着部171の先端171Aが蓋9の端部9Aの下面における長孔109Dの周縁部に当接、係止するようになっている。
このため、くびれ部173が蓋9の端部9Aの長孔109Dで係止されているとき、このくびれ部173は、係止部173Aと止着部171とで前記長孔109Dでより確実に係止されることになる。
さらに、本実施形態では、前述の第1実施形態と同様に、無目本体7に蓋9が取り付けられた状態においては、無目本体7の内部に向かって延出している無目本体7の端部7Dの下面と蓋9の端部9Aの上面とは互いに密着しているので、無目本体7に蓋9が取り付けられた状態においては、開口窓7Aを通って塵や埃が無目本体7の内部に侵入するのを防止することができ、これにより、移動機構は塵や埃塵から保護され、この移動機構による引戸本体1の円滑な移動が確保される。
図29〜図34は、本発明に係る蓋取付具のさらなる別実施形態(以下、第3実施形態という)を示す図である。
図29は、本実施形態に係る蓋取付具270の斜視図で、蓋9を無目本体7に取り付けた状態における蓋取付具270のみを前述の図8と同じ方向から見た斜視図であり、図30は、蓋取付具270の左側面図である。
図29に示されているように、本実施形態に係る蓋取付具270は、前述の第2実施形態に係る蓋取付具170と同様に、ばね性を有する金属製、又はゴムや軟性合成樹脂製の板状材の折り曲げで形成されている。
図30に示されているように、本実施形態に係る蓋取付具270では、断面形状が、前述の第2実施形態の蓋取付具170と同様に、幅方向に弾性変形可能な膨出部272と、前記幅方向に弾性変形可能な止着部271と、これらの止着部271と膨出部272との間に形成され、幅方向の寸法が膨出部272よりも小さいくびれ部273とを有するものとなっている。そして、本実施形態に係る蓋取付具270は、図29に示されているように、同一断面形状が長さ方向に連続するものである。
蓋取付具270の形状、構造を具体的に説明すると、図29及び図30に示されているように、止着部271は、前述の第1及び第2実施形態と同様に、膨出部272の幅方向と角度をなす方向、すなわち、直交する方向に開口した二股状に形成されており、膨出部272の幅方向と同じ又は略同じ方向、すなわち、水平方向又は略水平方向に延出している。
また、くびれ部273の長さ方向中央部又は略中央部には、このくびれ部273が蓋9の端部9Aにおける長孔209D(後述の図31参照)の周縁部に係止するための係止部273Aが形成されている。この係止部273Aは、図29に示されているように、くびれ部273の長さ方向中央部付近の一部を長さ方向に長い長方形状に切り起こして形成されており、この長方形状に切り起こされた係止部273Aは膨出部272の幅方向外側、すなわち、水平方向又は略水平方向に延出している。
蓋取付具270の膨出部272の先端は、前述の第1及び第2実施形態の蓋取付具70,170の膨出部72,172の先端72A,172Aとは異なり、先細り形状となっておらず、膨出部272全体は、円形又は略円形の形状を有している。
次に、蓋取付具270を使用して蓋9を無目本体7に取り付ける手順を図31〜図34により説明する。
まず、蓋取付具270の止着部271を蓋9に止着する手順を説明する。
図31及び図32は、蓋9の左側面図である。まず、図31に示されているように、蓋取付具270のくびれ部273を矢印M方向、すなわち、膨出部272の幅方向内側へくびれ部273の下端の内側同士が互いに接触するまで弾性変形させ、止着部271が蓋9の端部9Aに形成された無目本体7と蓋9の長さ方向に長い長孔209Dに挿入するように、蓋取付具270を蓋9の端部9Aの上面側から矢印N方向へ傾斜させながら押し下げる。
蓋取付具270の止着部271が蓋9の長孔109Dを通過した時点で、くびれ部273を矢印M方向へ弾性変形させていたのを止める。
これにより、図32に示されているように、蓋取付具270のくびれ部273は弾性復帰で蓋9の長孔209Dで係止され、この時点で、蓋取付具270の止着部271を蓋9へ止着する作業は完了する。
なお、このとき、蓋取付具270の止着部271は、蓋9の内部である蓋9の端部9Aの下面における長孔209Dの周縁部に当接、係止しており、一方、蓋取付具270のくびれ部273に形成されている係止部273A全体は、蓋9の端部9Aの上面における長孔209Dの周縁部に当接、係止している。
次に、蓋取付具270の止着部271が止着された蓋9を無目本体7に取り付ける手順を説明する。
図33及び図34は、蓋9及び無目本体7の左側面図である。まず、図33に示されているように、蓋9に止着している蓋取付具270の膨出部272が無目本体7の端部7Dに形成された長孔207Eに挿入するように蓋9を矢印O方向へ押し上げる。
ここで、蓋取付具270の膨出部272の最大幅寸法は、無目本体7の長孔207Eの幅寸法よりも大きくなっている。
このため、蓋9が矢印O方向へ押し上げられ、蓋取付具270の膨出部272が無目本体7の端部7Dの長孔207Eに挿入されていくと、膨出部272は矢印P方向、すなわち、膨出部272の幅方向内側に弾性変形していく。
膨出部272全部が長孔207Eを通過すると、図34に示されているように、蓋取付具270のくびれ部273が膨出部272の弾性復帰で長孔207Eに係止され、この時点で、蓋9の無目本体7への取り付け作業は完了する。
なお、蓋9を無目本体7から取り外す手順は、以上で述べた蓋9を無目本体7に取り付ける手順とは逆の手順となる。
以上説明した本実施形態(第3実施形態)では、前述の第2実施形態と同様に、ばね性を有する板状材の折り曲げで形成されているものであり、その形状、構造も、止着部271と、膨出部272と、くびれ部273だけの簡単なものとなっている。また、無目本体7には、この無目本体7に止着される蓋取付具270の止着部271が挿入される長孔207Eのみを形成するだけでよく、蓋9には、蓋取付具270の膨出部272が挿入される長孔209Dのみを形成するだけよい。
そして、蓋9を無目本体7に取り付けるには、蓋9を鉛直上方向に押し上げて、予め蓋9に取り付けておいた蓋取付具270の膨出部272を無目本体7の端部7Dの長孔207Eに挿入するだけでよく、また、蓋9を無目本体7から取り外すには、蓋9を鉛直下方向に引き下ろして、長孔207Eに挿入されている膨出部272を長孔207Eから離脱させるだけでよい。
このように、本実施形態によっても、蓋取付具270と、この蓋取付具270が取り付けられる無目本体7及び蓋9の構造を簡単にすることができ、無目本体7への蓋9の取り付け、取り外し作業が簡単にできるようになる。
また、本実施形態では、前述の第2実施形態と同様に、蓋取付具170のくびれ部273には、蓋9の端部9Aにおける長孔209Dの周縁部に係止するための係止部が形成されており、さらに、蓋取付具270の止着部271は水平方向又は略水平方向に延出している。
このため、くびれ部273が蓋9の端部9Aの長孔209Dで係止されているとき、このくびれ部273は、係止部273Aと止着部271とで前記長孔209Dでより確実に係止されることになる。
図35〜図40は、本発明に係る蓋取付具のまたさらなる別実施形態(以下、第4実施形態という)を示す図である。
図35は、本実施形態に係る蓋取付具370の斜視図で、蓋9を無目本体7に取り付けた状態における蓋取付具370のみを前述の図8と同じ方向から見た斜視図であり、図36は、蓋取付具370の左側面図である。
図35に示されているように、本実施形態に係る蓋取付具370は、前述の第2及び第3実施形態に係る蓋取付具と同様に、ばね性を有する金属製、又はゴムや軟性合成樹脂製の板状材の折り曲げで形成されている。
図36に示されているように、本実施形態に係る蓋取付具270では、断面形状が、前述の第2及び第3実施形態の蓋取付具と同様に、幅方向に弾性変形可能な膨出部372と、同じく幅方向に弾性変形可能な止着部371と、これらの止着部371と膨出部372との間に形成され、幅方向の寸法が膨出部372よりも小さいくびれ部373とを有するものとなっている。そして、本実施形態に係る蓋取付具370は、図35に示されているように、同一断面形状が長さ方向に連続するものである。
蓋取付具370の形状、構造を具体的に説明すると、図35及び図36に示されているように、止着部371は、前述の第1〜第3実施形態と同様に、膨出部372の幅方向と角度をなす方向、すなわち、直交する方向に開口した二股状に形成されている。
止着部371の二股部分のうちの一方(図35及び図36では左側)は、膨出部372の幅方向と同じ又は略同じ方向、すなわち、水平方向又は略水平方向に短く延出している水平部371Aとなっており、他方は(図35及び図36では右側)、膨出部372の幅方向に対して斜め下方向へ長く延出している傾斜部371Bとなっている。
また、くびれ部373のちの一方の側(図35及び図36では左側)の長さ方向中央部又は略中央部には、蓋9の端部9Aの上面における長孔309D(後述の図37参照)の周縁部に係止するための係止部373Aが形成されている。この係止部373Aは、図35に示されているように、くびれ部373の長さ方向の中央部付近の一部を長さ方向に長い長方形状に切り起こして形成されており、この長方形状に切り起こされた係止部373Aは膨出部372の幅方向と同じ又は略同じ方向、すなわち、水平方向又は略水平方向に延出している。
蓋取付具370の膨出部372の先端は、前述の第3実施形態の蓋取付具270の膨出部272の先端と同様に、先細り形状となっておらず、膨出部372全体は、略楕円形の形状を有している。
次に、蓋取付具370を使用して蓋9を無目本体7に取り付ける手順を図37〜図40により説明する。
まず、蓋取付具370の止着部371を蓋9に止着する手順を説明する。
図37及び図38は、蓋9の左側面図である。まず、図37に示されているように、蓋取付具370の膨出部172の下部を矢印Q方向、すなわち、蓋取付具370の膨出部372の幅方向内側へくびれ部373の下端の内側の一部同士が互いに接触するくらいまで弾性変形させ、二股状の止着部371が蓋9の端部9Aに形成された長孔309Dに挿入するように、蓋取付具370を斜め下方向へ傾斜させながら、この蓋取付具370を蓋9の端部9Aの上面側から矢印R方向へ押し下げる。
蓋取付具370の止着部371全部が長孔309Dを通過した時点で、膨出部372を矢印Q方向へ弾性変形させていたのを止める。
これにより、図38に示されているように、蓋取付具370のくびれ部373は弾性復帰で蓋9の長孔309Dで係止され、この時点で、蓋取付具370の止着部371を蓋9へ止着する作業は完了する。
なお、このとき、蓋取付具370のくびれ部373に形成されている係止部373Aは、蓋9の端部9Aの上面における長孔309Dの周縁部に当接、係止している。また、蓋取付具370の止着部371の傾斜部371Bの先端は、蓋9の内部である蓋9の側面部9Bに当接、係止している。
次に、蓋取付具370の止着部371が止着された蓋9を無目本体7に取り付ける手順を説明する。
図39及び図40は、蓋9及び無目本体7の左側面図である。まず、図39に示されているように、蓋9に止着している蓋取付具370の膨出部372が無目本体7の端部7Dに形成された長孔307Eに挿入するように蓋9を斜め上方向へ傾斜させながら矢印S方向へ押し上げる。
ここで、蓋取付具370の膨出部372の最大幅寸法は、無目本体7の長孔307Eの幅寸法よりも大きくなっている。
このため、蓋9が矢印S方向へ押し上げられ、蓋取付具370の膨出部372が無目本体7の端部7Dの長孔307Eに挿入されていくと、膨出部372は矢印T方向、すなわち、膨出部372の幅方向内側に弾性変形していく。
膨出部372全部が長孔307Eを通過すると、図40に示されているように、蓋取付具370のくびれ部373が膨出部372の弾性復帰で長孔307Eに係止され、この時点で、蓋9の無目本体7への取り付け作業は完了する。
なお、蓋9を無目本体7から取り外す手順は、以上で述べた蓋9を無目本体7に取り付ける手順とは逆の手順となる。
以上説明した本実施形態(第4実施形態)では、前述の第2及び第3実施形態と同様に、ばね性を有する板状材の折り曲げで形成されているものであり、その形状、構造も、止着部371と、膨出部372と、くびれ部373だけの簡単なものとなっている。また、無目本体7には、この無目本体7に止着される蓋取付具370の止着部371が挿入される長孔307Eのみを形成するだけでよく、蓋9には、蓋取付具370の膨出部372が挿入される長孔309Dのみを形成するだけよい。
そして、蓋9を無目本体7に取り付けるには、蓋9を斜め上方向に押し上げて、予め止着部371を蓋9に止着しておいた蓋取付具370の膨出部372を無目本体7の端部7Dの長孔307Eに挿入するだけでよく、また、蓋9を無目本体7から取り外すには、蓋9を斜め下方向に引き下ろして、長孔307Eに挿入されている膨出部372を長孔307Eから離脱させるだけでよい。
このように、本実施形態によっても、蓋取付具370と、この蓋取付具370が取り付けられる無目本体7及び蓋9の構造を簡単にすることができ、無目本体7への蓋9の取り付け、取り外し作業が簡単にできるようになる。
本実施形態では、蓋取付具370のくびれ部373のうちの一方の側には、蓋9の端部9Aにおける長孔309Dの周縁部に係止するための係止部373Aが形成されている。
また、蓋取付具370の止着部371のうちの他方は斜め下方向に長く延出している傾斜部371Bとなっており、止着部371が蓋9に止着している状態においては、傾斜部371Bは、蓋9の内部である蓋9の側面部9Bに当接、係止するようになっている。
このため、くびれ部373が蓋9の端部9Aの長孔309Dで係止されているとき、このくびれ部373は、係止部373Aと止着部371の傾斜部371Bとで前記長孔309Dでより確実に係止されることになる。
なお、以上の第1〜第4実施形態においては、蓋取付具が無目本体7及び蓋9から簡単に取り付け、取り外し自在となっているので、蓋取付具が破損等した場合に蓋取付具の交換が容易にできるようになる。
なお、以上の第1〜第4実施形態においては、カーテン9が無目本体7に取り付けられたときには、蓋取付具が無目本体7の内部に存在することになり、このため、無目本体7の外観性は良好なものとなる。
なお、以上の第2〜第4実施形態においては、蓋9を無目本体7に取り付けるには、まず、蓋取付具の止着部を蓋9の端部9Aに形成された長孔に挿入することにより前記止着部を蓋9に止着した後、無目本体7の端部7Dに形成された長孔に蓋取付具の膨出部が挿入されるように蓋9を押し上げるというものであったが、この取り付け方法とは反対に、まず、蓋取付具の止着部を無目本体7の端部7Dに形成された長孔に挿入することにより前記止着部を無目本体7に止着した後、蓋9の端部9Aに形成された長孔に蓋取付具の膨出部が挿入されるように蓋9を押し上げるという取り付け方法にしてもよい。
また、以上の第2〜第4実施形態において、くびれ部に形成する係止部は、無目本体7の端部7Dの上面における長孔の周縁部にのみ係止するものでもよく、無目本体7の端部7Dの下面における長孔の周縁部にのみ係止するものでもよく、これらの両方の周縁部に係止するものでもよく、任意である。
なお、以上の第1〜第4実施形態では、蓋取付具の止着部と、膨出部と、くびれ部とが、ばね性を有する線状材又は板状材で一体に形成されたものとなっており、また、この止着部は、無目本体7に対して取り付け、取り外し自在となっているが、止着部を膨出部及びくびれ部とは別の部材で形成してもよい。
止着部を別の部材で形成する場合には、止着部は、無目本体7に対して取り付け、取り外し自在となっていてもよく、無目本体7に対して取り外し不能となっていてもよい。前者の場合には、止着部を第1〜第4実施形態のような形状、構造としてもよく、ビス等の止着具で無目本体7に直接的に固定するような形状、構造としてもよく、任意である。後者の場合の例としては、止着部を無目本体7に溶着、接着等で取り外し不能とするものを挙げることができる。
また、以上の第1〜第4実施形態において、蓋取付具の止着部が挿入される挿入口の形状、構造は、貫通している長孔に限定されるものではなく、貫通していない長溝でもよく、無目本体7の一部を切り欠いて形成した切欠部のようなものでもよい。