以下、図面を参照して、本発明による一実施形態のハンガーレール取付用ブラケットを説明する。尚、本願明細書中、図1に示すアコーディオンカーテン1の正面図に対して、図示上方及び図示下方をアコーディオンカーテン1の吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示右方向をアコーディオンカーテン1の右方向(又は右側)、及び、図示左方向をアコーディオンカーテン1の左方向(又は左側)、図示を視認する側をアコーディオンカーテン1の前方向(又は前側)、これに相対して奥側をアコーディオンカーテン1の後方向(又は後側)と定義して説明する。例えば、アコーディオンカーテン1の前後方向と称するときは、図1の正面図においてその図示した正面に対して垂直な方向を云う。また、高さについて言及するときは、アコーディオンカーテン1を設置する床面に対して垂直に延びる上方向の長さを云う。
(アコーディオンカーテンの構成)
まず、本発明による一実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を適用可能な間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1の構成を説明する。図1は、本発明による一実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を備える間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1の全体構成を示す正面図である。図2は、本発明による一実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を備える間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1について全閉状態時の上方から見て各要素の配置関係を示す平面図である。図3は、本発明による一実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を備える間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1について全開状態時の右端側から見て各要素の配置関係を示す側面図である。
図1〜図3に示すように、アコーディオンカーテン1は、ハンガーレール2と、ランナー3及び先頭ランナー4と、取付フレーム5と、操作ユニット6と、移動框7と、固定框8と、コードイコライザ9と、転向滑車ユニット10と、滑車ユニット11,12と、コード調整器13と、間仕切り部材(カーテン材65)及びパンタグラフ状に伸縮させる骨組みとしての伸縮機構からなるカーテン本体14と、本発明に係るブラケット15と、コードストッパ装置70と、ソフトクローズ装置80とを主要な構成要素としている。
ハンガーレール2は、カーテン材65を吊下支持するランナー3及び先頭ランナー4が移動可能なように下端側が開口している略四角筒状の部材である。図4を参照して詳細に後述するように、ハンガーレール2の上面に位置する嵌合部2aは、本発明に係るブラケット15と嵌合され、ハンガーレール2の上端面は、このブラケット15を介して天井側の取付面に固定される。尚、ハンガーレール2の下面開口部を形成する端部2bは、開口を閉じる方向に傾斜して下方に向かい、その縁部は略V字形状として形成される。この略V字状の縁部は、ランナー3及び先頭ランナー4の車輪位置を案内するよう機能する。
ランナー3は、カーテン材65を吊下支持するとともに、ハンガーレール2の内部を移動可能に構成される。
先頭ランナー4は、移動框7の上端部に固着される。より具体的には、先頭ランナー4の下端部には、段付きに折り曲げられたアタッチ部材20が設けられる。アタッチ部材20は、移動框7に固定する固定部23と、先頭ランナー4に固定する吊下部材22と、ハンガーレール2の下面開口部に差し込み、移動框7やカーテン本体14がスライドする際に生じうる先頭ランナー4の回動を抑制するよう機能する回動案内バー21からなる。
また、先頭ランナー4の右端部には、アダプタ25が一体的に設けられ、アダプタ25は、錘コード29の一端が取着されるとともに、弛み防止コード26の一端が取着される。錘コード29の他端は、操作ユニット6内に設けられる滑車31により向きを転向して垂れ下がり、加力手段としての錘部材30に連結されている。弛み防止コード26の他端は、操作ユニット6内に設けられる滑車27により向きを転向し、ハンガーレール2の上部の複数個所に配置される本発明に係るブラケット15の内側部を挿通し、操作コード42とともにコードイコライザ9に取着される。
取付フレーム5は、上下方向に立設しているフレーム部材であり、操作ユニット6を介してハンガーレール2を固着している。取付フレーム5の左端面は、移動框7の右端面が当接する部分となっている。また、取付フレーム5の内部では、先頭ランナー4に一体的に設けられたアダプタ25から操作ユニット6内の滑車31により向きを転向して垂れ下がる錘コード29が挿通され、錘コード29に連結する錘部材30が収容されている。尚、錘部材30は、カーテン本体14を自動的に閉じるのに利用する質量を有している。ただし、後述するコイルスプリング64の付勢力により、カーテン本体14を自動的に閉じるのに錘部材30の設置を不要とする構成とすることもできる。錘部材30を不要とする際には、取付フレーム5の左右方向の幅を薄型化することにより、カーテン本体14の開空間を拡大させることが可能となる。尚、滑車31は、取付フレーム5の上に設けてもよい。
操作ユニット6は、ハンガーレール2の上端部に固着される。操作ユニット6には、図1の正面図に対して、アコーディオンカーテン1の前側と後側にそれぞれガイドポール41が連結され、図2に示すように、操作コード42の一端側の末端がガイドポール41内部の挿通孔を通り操作グリップ40の内部に取着される。また、操作ユニット6は、操作用プーリ43を備え、操作用プーリ43により、操作コード42の他端側の末端を、ハンガーレール2の上端部にて複数個所に配設させる本発明に係るブラケット15の内側部を挿通するように向きを転向させる。その後、当該操作コード42の他端側の末端は、弛み防止コード26とともに、コードイコライザ9に取着される。
また、操作ユニット6は、滑車27を備え、滑車27により、先頭ランナー4に一体的に設けられたアダプタ25に一端を取着した弛み防止コード26の他端をコードイコライザ9に取着するべく向きを転向させる。また、操作ユニット6は、滑車31を備え、滑車31により、先頭ランナー4に一体的に設けられたアダプタ25に一端を取着した錘コード29の他端を錘部材30に連結するべく向きを転向させる。
移動框7は、上下方向に延伸しているフレーム状の部材であり、移動框7の取付フレーム5に当接する右端面にはクッション材7aを有する。移動框7はカーテン本体14の一端部を覆うように上方から見て略U字形状を有する。これにより、移動框7の内部を外から見えないようにするとともに、操作者の指や手を挟んで損傷させることを防止する。移動框7の上端側では先頭ランナー4を固着しているため、移動框7がハンガーレール2に沿って移動した際には、カーテン本体14が併せて移動することになり、カーテン材65の開閉が行われる。
固定框8は、アコーディオンカーテン1の左端部に設けられている。固定框8は、左壁面に固定され、移動しないように設けられる。尚、固定框8の右端面は、カーテン本体14の一端部を覆うように上方から見て略U字形状を有する。
コードイコライザ9は、操作コード42の一端及び弛み防止コード26の一端を取着する第1連結部と、2本の牽引コード51a,51b(総括して、「牽引コード51」とも称する)の各一端を取着する第2連結部とを備える。コードイコライザ9は、本発明に係るブラケット15の内側部を挿通可能な大きさを有し、操作コード42の操作に応じてハンガーレール2の上側部にてその長尺方向に移動可能に設けられる。
転向滑車ユニット10は、固定框8の上端部に固着される。転向滑車ユニット10は、内部に滑車52を備える。コードイコライザ9の一端部に設けられる第2連結部に取着された2本の牽引コード51a,51bが滑車52を介して下方に転向してコードストッパ装置70を経た後、牽引コード51aについては滑車ユニット11を介してハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向し、牽引コード51bについては滑車ユニット12を介してハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向する。その後、牽引コード51aは、移動框7に固着されたコード調整器13にて係止される。牽引コード51bも同様に、移動框7に固着されたコード調整器(図示せず)にて係止される。
滑車ユニット11は、転向滑車ユニット10を経て下方に向かう牽引コード51aをハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向させる。その後、牽引コード51aは、移動框7に固着されたコード調整器13にて係止される。
滑車ユニット12は、転向滑車ユニット10を経て下方に向かう牽引コード51bをハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向させる。その後、牽引コード51bは、移動框7に固着されたコード調整器(図示せず)にて係止される。
コード調整器13は、移動框7に固着され、カーテン材65が全閉状態時に、滑車ユニット11に対する牽引コード51aの経路がハンガーレール2の長尺方向と略平行となるように牽引コード51aの長さを調整して係止する。また、コード調整器13と同様のコード調整器(図示せず)が、牽引コード51bを同様に係止するよう移動框7に固着される。尚、転向滑車ユニット10は、ハンガーレール2の左端部に設けてもよい。
操作コード42は、紐状の部材であり、その一端側の末端は操作グリップ40の内部に取り付けられている。一方、弛み防止コード26、及び牽引コード51a,51bは、操作コード42よりも直径が小さく設けられている。即ち、弛み防止コード26、及び牽引コード51a,51bについては操作者の操作の必要がないが、操作コード42は、操作者の操作に係るものであるため、その直径は大きく設けられている。また、牽引コード51a,51bは、固定框8の上端部に固着した転向滑車ユニット10内の滑車52を介して、固定框8に固着されたコードストッパ装置70を通過し下方に向かうため、牽引コード51a,51bの直径は、操作コード42の直径よりも小さく設けられている。
ここで、操作コード42、牽引コード51a,51b、及び弛み防止コード26の経路に関して改めて説明する。操作グリップ40側から操作コード42に沿って進行すると、操作コード42は、ガイドポール41の挿通孔を通り、操作用プーリ43によってハンガーレール2の上部でその長尺方向に沿って本発明に係るブラケット15の内側部を挿通するように向きを転向させられ、弛み防止コード26とともに、コードイコライザ9の第1連結部に取着される。
コードイコライザ9の第2連結部に取着された2本の牽引コード51a,51bは、固定框8の上端部に固着した転向滑車ユニット10内の滑車52を介して、固定框8に固着されたコードストッパ装置70を通過する。コードストッパ装置70を通過した牽引コード51aは、滑車ユニット11により向きを転向し、移動框7に固着されたコード調整器13に係止される。コードストッパ装置70を通過した牽引コード51bも同様に、滑車ユニット12により向きを転向し、移動框7に固着されたコード調整器(図示せず)に係止される。コードイコライザ9の第1連結部に取着された弛み防止コード26は、ハンガーレール2の上部でその長尺方向に沿って操作ユニット6へと向かい、操作ユニット6内の滑車27を介してアダプタ25へと 連結される。
これにより、操作グリップ40が操作され、ハンガーレール2の上部では操作コード42が右方向に移動すると、コードイコライザ9も右方向に移動して牽引コード51も移動するため、牽引コード51も移動に併せて移動框7が左方向(カーテン材65の開方向)に移動する。この移動框7の左方向の移動に併せて移動框7の上端部に固着された先頭ランナー4に連結する弛み防止コード26が引張られるため、当該コードイコライザ9の右方向への移動を助力し協働するようになる。
カーテン本体14は、カーテン材65及びパンタグラフ状に伸縮させる骨組みとしての伸縮機構からなり、この伸縮機構の一端部は移動框7に固定され、その他端部は固定框8に固定されている。より具体的には、図1及び図2に示すように、伸縮機構は、支軸61及び連結軸62を介して回動可能に端部を連結するリンク片60と、複数のコイルスプリング64から構成される。尚、連結軸62は、例えば1つおきの間隔で、ランナー3の吊下部材により吊り下げられている。また、図1に示す例では、この伸縮機構は、上下方向に例えば3セット設けられているが、アコーディオンカーテン1においては、伸縮機構を設ける個数は、2つ以上であれば幾つであってもよい。
複数のコイルスプリング64は、カーテン材65を閉方向に付勢するよう、当該骨組みとして各菱形部分を構成する略平行なリンク片60(前側リンク片と後側リンク片)との間に、カーテン材65の厚さ方向に山形に突出する頂部近傍で連結し、複数個所にて配設されている(図2参照)。移動框7が取付フレーム5に当接している状態から移動框7を開方向に操作すると、当該骨組みが畳み込まれ、複数のコイルスプリング64には付勢力が蓄勢される。この状態で、操作グリップ40を手放すと、コードストッパ装置70により牽引コード51の移動状態を阻止するクラッチ動作が機能するときは、当該移動框7の停止位置でカーテン材65が開状態に維持される。一方、操作グリップ40を手放すときに、コードストッパ装置70により牽引コード51の移動状態を許容するクラッチ動作が機能するときは、コイルスプリング64の付勢力により、移動框7が取付フレーム5に当接する全閉状態まで自動的に移動する。
リンク片60の外側には、カーテン材65が取り付けられている。このカーテン材65は、平面状の布状部材や皮状部材となっている。カーテン材65は、伸縮機構や牽引コード51等を覆い、これらが外部から見えないようになっている。
ブラケット15は、取付面に対してハンガーレール2を位置決めして固着するための部材である。本発明に係るハンガーレール取付用ブラケット15は、詳細に後述するが、取付面に固定するための固定部15aと、当該ブラケット15の本体中央部を回動支点として回動嵌合によりハンガーレール2と一体化させるための嵌合部15bとを有する。この固定部15aは、取付面とハンガーレール2の上面との間に所定のコードを挿通可能な隙間を有するように屈曲成形された形状(詳述する例では、略逆凸字状)を有する。
コードストッパ装置70は、その内部を通る牽引コード51の移動作用に伴って(即ち、操作者の操作による操作コード42の移動作用に伴って)、牽引コード51の移動状態を許容するか、又はその移動状態を阻止するようロックするかを切換動作する所謂クラッチ動作を行う装置であり、操作性を高めるために設けられる。ただし、コードストッパ装置70は、本発明に係るブラケット15との直接的な関係はないことから、以下、簡潔に説明する。
コードストッパ装置70は、スライダ71とクラッチ機構72とを備えるように構成される。スライダ71は、牽引コード51の移動方向に回転可能な滑車76を有し、牽引コード51に対して滑車76をスプリング73の付勢力により押圧する機能を有する。クラッチ機構72は、牽引コード51の移動方向に回転可能なドラム74を有する(後述するように、ドラム74は、回転ドラム74a及びブレーキドラム74bの2重ドラム構造を有する。)。このドラム74は、操作コード42の所定の移動作用に伴って牽引コード51の移動状態を阻止するか、又は移動状態を許容するクラッチ動作の機能を有する。また、ドラム74は牽引コード51に対して該滑車76の対向側に配置される。尚、クラッチ機構72は固定框8に固定され、スライダ71はクラッチ機構72に対して左右方向への移動が可能なように案内される。したがって、滑車76とドラム74との間に挿通する牽引コード51は当該スプリング73の付勢力により押圧される。
当該ドラム 74は、2重ドラム構造を有し、牽引コード51に当接する外側には回転ドラム74aが位置し、内側にはブレーキドラム74bが位置している。尚、ブレーキドラム74bは、クラッチ機構72によって回転不能に支持される。回転ドラム74aの外表面は高摩擦性の表面形状を有し、その内表面は高摺動性の表面形状を有する。また、ブレーキドラム74bの外表面も高摺動性の表面形状を有する。更に、滑車76も高摩擦性の表面形状を有するため、牽引コード51はスプリング73の付勢力により滑車76とドラム74との間で押圧されることにより、当該クラッチ動作が可能となる。
クラッチ動作に関して説明するに、回転ドラム74aの内表面とブレーキドラム74bの外表面との間にクラッチボール75が配置され、このため、回転ドラム74aの内表面には当該回転ドラム74aの軸方向(即ち、アコーディオンカーテン1の前後方向)にクラッチボール75の移動を案内する案内溝(図示せず)が設けられる。また、ブレーキドラム74bの外表面には当該クラッチ動作を作用させるガイド溝(図示せず)が設けられる。
ガイド溝は、当該ドラム74の回転方向に沿って、クラッチボール75の移動を拘束しない移動溝と、クラッチボール75の移動を拘束するストップ溝が形成され、移動溝とストップ溝との間でクラッチボール75が移動可能な戻り溝が形成されている。
したがって、クラッチボール75は、当該回転ドラム74aの案内溝によって規制された状態でブレーキドラム74bのガイド溝内を移動可能に案内されるようになっている。
その動作について説明するに、操作グリップ40により操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗して引き下げるときは、クラッチボール75がガイド溝の一部を構成する移動溝(クラッチボール75の移動を拘束しない溝)内を周回して、コードストッパ装置70の内部を挿通する牽引コード51が上方に移動する方向(カーテン材65の開方向)への回転ドラム74aの回転が許容される。ここで、クラッチボール75が当該移動溝内に位置している状態から操作グリップ40を手放せば、コイルスプリング64の付勢力により牽引コード51が下方に移動する方向(カーテン材65の閉方向)へ移動しはじめ、クラッチボール75がガイド溝の一部を構成するストップ溝(クラッチボール75の移動を拘束する溝)内へ移動してストップ溝内の終点部に係合すると、当該回転ドラム74aの回転が阻止され、カーテン材65が所望位置に停止される。
続いて、クラッチボール75が当該終点部に係合してカーテン材65が所望位置に停止している状態から、操作グリップ40により操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗してわずかに引き下げ回転ドラム74aを所定角度の範囲内で回転させた後に、操作グリップ40を手放せば、コイルスプリング64の付勢力により、牽引コード51が下方に移動する方向(カーテン材65の閉方向)へ移動してクラッチボール75が当該移動溝に移動し、回転ドラム74aの回転に伴ってクラッチボール75が当該移動溝内を周回するようになり、カーテン材65が閉方向に自動的に移動する。
また、カーテン材65が所望位置に停止している状態から、更に操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗して引き下げ、回転ドラム74aを所定角度以上回転させるときは、クラッチボール75は当該ストップ溝から当該移動溝内に移動し回転ドラム74aの回転が許容され、この状態で操作グリップ40を手放すと、コイルスプリング64の付勢力による回転ドラム74aの回転により、クラッチボール75がストップ溝内に移動して、カーテン材65の移動が停止される。
このようなクラッチ動作を実現するクラッチボールとガイド溝に関する更なる詳細は、例えば、回転ドラム74aの代わりに巻取軸として、上記の移動溝の代わりに引き上げ溝及び引下げ溝として構成される特公平6−013825号公報、或いは特許第3124716号明細書等に開示される内容を参照されたい。
ソフトクローズ装置80は、移動框7が取付フレーム5の方向に移動する際に、操作者以外の第三者の指や手を挟んで損傷させることが無いように、移動框7の移動の減速或いは停止を行う緩衝装置(ダンパー装置)である。ソフトクローズ装置80については、アコーディオンカーテン1の機能を実現するために必須の構成要素ではなく、本発明に係るブラケット15との直接的な関係はないことから、更なる詳細な説明は省略する。
このように構成したアコーディオンカーテン1は、把手を掴んでカーテン本体を引き出す構造ではなく、操作コードを介してカーテン本体を引き出す構造であるため、移動框の移動に伴い操作者が移動する必要もなく、例えば車椅子使用者が正対した状態での引き出し操作も容易となり、操作性が良好となる。
また、操作グリップ40に連結する操作コード42を用いてアコーディオンカーテン1の開閉を直接的に可能とするため、例えば操作コード42による操作を移動框7の駆動へと間接的に伝達する機構を備える間仕切り装置と比して、操作のダイレクト感が生じるため、操作性が良好となる。
〔第1実施形態〕
(ハンガーレール取付用ブラケットの構成)
次に、本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15の構成を詳細に説明する。本実施形態のブラケット15は、上述したようなアコーディオンカーテン1を構成するのに好適な構成となっている。
図4は、本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2に嵌合して取付面に取着する際の分解斜視図である。ブラケット15は、天井側の取付面に対してハンガーレール2を位置決めして固着するための部材である。まず、ブラケット15は、後述するようにハンガーレール2に嵌合される。続いて、ブラケット15は、取付ネジ91によって天井側の取付部100の取付面に固定される。最終的に、レールカバー90がブラケット15に対して係止され、当該取付面とハンガーレール2との間を塞ぎ、取付ネジ91やブラケット15等を外部から見えないようにすることで美観が保たれる。
図5(a)は、本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を上方から見た平面図であり、図5(b)は本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15のA‐A’断面図である。本発明に係るブラケット15は、天井側の取付面に固定するための固定部15aと、当該ブラケット15の本体中央部下面に位置する回動支持部113を回動支点として回動嵌合によりハンガーレール2と一体化させるための嵌合部15bとを有する。
固定部15aは、図5(b)に示すように、取付面とハンガーレール2の上面との間に所定のコードを挿通可能な隙間を有するように屈曲成形された形状(本例では、略逆凸字状)を有する。図1〜図3に示すアコーディオンカーテン1に適用する際には、ハンガーレール2の長尺方向に沿って、取付面とハンガーレール2の上面との間に、2本の操作コード42、牽引コード51、弛み防止コード26及びコードイコライザ9を挿通可能な隙間を有する断面形状で構成される。
固定部15aには、その上側両端部に、取付面に当接する当接面が設けられ、この当接面には取付ネジ91を挿通するための透孔111aが設けられている。また、固定部15aには、当該当接面の両側部にて側壁部111bが設けられ、側壁部111bの当該ブラケット15の本体中央部側の下方角部には、爪部111cが設けられている。
嵌合部15bは、平面視で角部が丸みを帯びた略四角形状で構成され、その中央部下側には、回動支持部113が設けられている。また、嵌合部15bの長尺方向の長さは、ハンガーレール2の内側レール幅(アコーディオンカーテン1の前後方向のハンガーレール2の内側の幅)よりも短くし、且つハンガーレール2の上面の嵌合用開口幅よりも長くなるように構成され、嵌合部15bの長尺方向の端部は嵌合可能な弾性を有する。更に、嵌合部15bの短尺方向の長さは、ハンガーレール2の上面の嵌合用開口幅よりも短くなるように構成されている。
このようなブラケット15を形成するためには、例えば成形型を用いて強化プラスチック材料により形成させることができ、或いは金属材料を用いて固定部15aを図示するように屈曲成形させた後、成形した嵌合部15bと接着又は溶接するとともに、当該ブラケット15の本体中央部に位置する回動支持部113を接着又は溶接することで形成させることができる。回動支持部113を嵌合部15bの下面から溶接する場合、嵌合部15bの中央部に予め基準孔113aを設けておくことで、ブラケット15の回動支点としての回動支持部113の位置決め精度が向上する。或いはプレス成形や押出成形を利用してブラケット15を形成することができる。
(ハンガーレール取付用ブラケットの嵌合方法)
次に、ハンガーレール取付用ブラケット15の嵌合方法について説明する。図6(a)は本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を上方から見た際の嵌合前の平面図であり、図6(b)は本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を左右方向から見た際の嵌合前の側面図である。また、図7(a)は本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を上方から見た際の嵌合後の平面図であり、図7(b)は本発明による一実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を左右方向から見た際の嵌合後の側面図である。
まず、図6(a)及び図6(b)を参照するに、ブラケット15の長尺方向をハンガーレール2の長尺方向に倣って、ハンガーレール2の上方からブラケット15を配置し(図6(b)に示す破線の状態から矢印方向に向かって配置し)、ブラケット15の回動支持部113がハンガーレール2の上面に当接するよう設置する。このとき、上述したように、嵌合部15bの短尺方向の長さがハンガーレール2の上面の嵌合用開口幅よりも短くなるように構成されている。また、ブラケット15の嵌合部15bの上面の高さが、ハンガーレール2の上面に位置する嵌合部2aの上面の高さよりは低いが、ハンガーレール2の嵌合部2aの縁部に設けられた突起部2cの下方先端よりも高い位置となるように構成されている。尚、本実施形態では、図6(b)に示すように、ブラケット15の嵌合部15bの上面の高さが、ハンガーレール2の上面に位置する嵌合部2aの上面の高さと略同一となるように構成されている。この突起部2cは、ハンガーレール2の長尺方向に延在しており、丸みを帯びた屈曲面を有する。
次に、図7(a)及び図7(b)を参照するに、当該ブラケット15の本体中央部に位置する回動支持部113を回動支点として当該ブラケット15を略90°回動させ(図7(a)に示す矢印のように回動させ)、ハンガーレール2と回動嵌合させる。このとき、上述したように、嵌合部15bの長尺方向の長さは、ハンガーレール2の内側レール幅よりも短くし、且つハンガーレール2の上面の嵌合用開口幅よりも長くなるように構成され、嵌合部15bの長尺方向の端部は嵌合可能な弾性を有するため、ブラケット15の嵌合部15bの上面が、ハンガーレール2の上面に位置する嵌合部2aの下面と略同一の高さであっても、当該弾性を有する嵌合部15bと突起部2cの作用によりハンガーレール2との嵌合が安定した嵌合力で可能となる。また、この突起部2cは丸みを帯びた屈曲面を有するため、回動嵌合が容易に達成できるようになっている。更に、回動支持部113の位置決めを行うために、図7(b)に示すように、ハンガーレール2の上面には、上方に隆起してハンガーレール2の長尺方向に延在する2本のガイド部からなる回動補助部2dを設けるのが好適である。この場合、2本のガイド部からなる回動補助部2dで回動支持部113の位置が安定化するため、回動嵌合が容易になる。尚、この回動補助部2dの幅(2本のガイド部間の長さ)を回動支持部113の最大幅と適合させるのが好適であり、これにより嵌合力がより安定化する。また、嵌合部15bの下面に設けられた回動支持部113と、この回動補助部2dで回動支持部113の位置が安定化することから、回動嵌合が容易になるとともに、施工後に、ハンガーレール2の前後方向のずれを防止することができる。
(ハンガーレール取付用ブラケットに関する施工方法)
次に、ハンガーレール取付用ブラケット15に関する施工方法について説明する。図8(a)は本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2と一体化させた状態から取付面に固定する状態を示す断面側面図であり、図8(b)は本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2と一体化させ取付面に固定した状態からレールカバー90を嵌着する状態を示す断面側面図であり、図8(c)は本発明による第1実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2と一体化させ取付面に固定した後、レールカバー90を嵌着した状態を示す断面側面図である。
まず、図8(a)を参照するに、ブラケット15をハンガーレール2と一体化させた状態から、取付ネジ91により、固定部15aにおける当接面が設けられた透孔111aを介して、ブラケット15を取付面に固定する。ここで、取付面とハンガーレール2の上面との間に挿通させる操作コード42等の所定のコードは、ブラケット15を取付面に固定する前に挿通させてもよいし、ブラケット15を取付面に固定した後に挿通させてもよい。
次に、図8(b)を参照するに、ブラケット15をハンガーレール2と一体化させ取付面に固定した状態から、レールカバー90をブラケット15に嵌着する。ここで、上述したように、ブラケット15の固定部15aには、当該当接面の両側部にて側壁部111bが設けられ、側壁部111bの当該ブラケット15の本体中央部側の下方角部には、爪部111cが設けられている。一方、レールカバー90は、当該ブラケット15の下方からブラケット15に係合させるための係合部90aを有している。係合部90aの先端部は、略C字状の弾性を示す形状を有する。このため、レールカバー90は、当該ブラケット15の下方からブラケット15に係合させる際に、係合部90aの先端部が弾性変形してブラケット15に係合させることができ、接着剤や取付ビス等を使用することなしに、安定して、且つ容易にレールカバー90を嵌着することができる。
次に、図8(c)を参照するに、ブラケット15をハンガーレール2と一体化させ取付面に固定しレールカバー90を嵌着させた後も、レールカバー90の係合部90aの先端部が略C字状の弾性を示す形状を有するため、メンテナンス時にもレールカバー90を容易に取り外すことができ、更に、操作コード等の所定のコードを損傷させることなしに、取得ネジを取り外して、ブラケット15並びにハンガーレール2を安全、且つ容易に取り外すことが可能となっている。
以上のように、本実施形態のブラケット15によれば、取付面とハンガーレール2の上面との間に操作コード42などの所定のコードを挿通可能な隙間を設けることができ、ハンガーレール2の内部を移動するランナー3や先頭ランナー4等との干渉を完全に防止することが可能となる。
また、本実施形態のブラケット15によれば、ハンガーレール2と回動嵌合により一体化させた後、ハンガーレール2の外側2箇所から取付ネジ91により取付面に取着可能とする透孔111aを取付面に当接する当接面に構成したため、操作コード42等の所定のコード、或いはハンガーレール2の内部を移動するランナー3や先頭ランナー4に対して取付ネジ91による施工時やメンテナンス時に損傷させることを完全に防止することが可能となり、施工性及びメンテナンス性が向上する。
また、本実施形態のブラケット15によれば、接着剤や取付ビス等を使用することなしに、当該ブラケット15の本体中央部に位置する回動支持部113を回動支点として回動嵌合によりハンガーレール2と一体化させることができるため、施工性及びメンテナンス性が向上する。
また、本実施形態のブラケット15によれば、ブラケット15の嵌合部15bの長尺方向の長さが、ハンガーレール2の内側レール幅よりも短くし、且つハンガーレール2の上面の嵌合用開口幅よりも長くなるように構成され、嵌合部15bの長尺方向の端部は嵌合可能な弾性を有するととともに、嵌合部15bの短尺方向の長さは、ハンガーレール2の上面の嵌合用開口幅よりも短くなるように構成されているため、回動嵌合によりハンガーレール2と一体化させるのが容易となる。
また、本実施形態のブラケット15によれば、ハンガーレール2の嵌合部2aの突起部2cと協働することにより、容易に回動嵌合が実現できるとともに、安定した嵌合力を達成することができる。特に、この突起部2cが無い場合でも回動嵌合を実現することは可能であるが、その場合、ブラケット15の嵌合部15bの上面は、ハンガーレール2の上面に位置する嵌合部2aの下面との面接触となり高い面精度が要求される。一方、本実施形態のように、ブラケット15の嵌合部15bの上面は、ハンガーレール2の屈曲面を有する突起部2cとの線接触となり面接触の場合よりも高い精度が要求されることなく所望の嵌合力を実現することができるようになる。
また、本実施形態のブラケット15によれば、本体中央部の嵌合部15bの下面に回動支持部113が設けられ、ハンガーレール2の上面には、上方に隆起してハンガーレール2の長尺方向に延在する2本のガイド部からなる回動補助部2dが設けられているため、この回動補助部2dで回動支持部113の位置がより安定化するようになり、回動嵌合が容易になるとともに、施工後に、ハンガーレール2の前後方向のずれを防止することができる。
また、本実施形態のブラケット15によれば、ブラケット15の固定部15aにおける側壁部111bには爪部111cが設けられ、レールカバー90には略C字状の弾性を示す形状を有する係合部90aが設けられているため、当該爪部111cの機能により、接着剤や取付ビス等を使用することなしに、容易に、且つ安定してレールカバー90を嵌着することができ、メンテナンス時にも、レールカバー90の嵌脱が容易となってハンガーレール2の着脱も容易となり、施工性及びメンテナンス性が向上する。
〔第2実施形態〕
(ハンガーレール取付用ブラケットの構成)
次に、本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15の構成を詳細に説明する。尚、第1実施形態と同様に機能する構成要素には同一の参照番号を付している。第2実施形態のブラケット15は、上述したようなアコーディオンカーテン1を構成するのに好適な構成となっている。
図9は、本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2に嵌合して取付面に取着する際の分解斜視図である。ブラケット15は、天井側の取付面に対してハンガーレール2を位置決めして固着するための部材である。まず、ブラケット15は、後述するようにハンガーレール2に嵌合される。続いて、ブラケット15は、取付ネジ91によって天井側の取付部100の取付面に固定される。最終的に、レールカバー90がブラケット15に対して係止され、当該取付面とハンガーレール2との間を塞ぎ、取付ネジ91やブラケット15等を外部から見えないようにすることで美観が保たれる。
図10(a)は、本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を上方から見た平面図であり、図10(b)は本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15の側面図である。本発明に係るブラケット15は、天井側の取付面に固定するための固定部15aと、ハンガーレール2の外側から回動嵌合によりハンガーレール2と一体化させるための嵌合部15bとを有する。したがって、第2実施形態では、第1実施形態がハンガーレール2の内側から回動嵌合させていたのに対し、ハンガーレール2の外側から回動嵌合させるように構成したため、外形形状を大型化させることなく、取付面とハンガーレール2の上面との間に操作コード42などの所定のコードを挿通可能な隙間をより大きく設けることができる。
固定部15aは、図10(b)に示すように、取付面とハンガーレール2の上面との間に所定のコードを挿通可能な隙間を有するように屈曲成形された形状(本例では、略四角形状)を有する。図1〜図3に示すアコーディオンカーテン1に適用する際には、ハンガーレール2の長尺方向に沿って、取付面とハンガーレール2の上面との間に、2本の操作コード42、牽引コード51、弛み防止コード26及びコードイコライザ9を挿通可能な隙間を有する形状で構成される。
固定部15aには、取付面に当接する当接面が設けられ、この当接面には取付ネジ91を挿通するための透孔111aが設けられている。また、固定部15aには、当該当接面の両側部側にてそれぞれ側壁部111bが設けられるよう屈曲成形され、側壁部111bの当該ブラケット15の外方向の上下角部には、爪部111cが設けられている。更に、第2実施形態では、当該側壁部111bとは直角を為すハンガーレール2の長尺方向に面する第2の側壁部111dが設けられるよう屈曲成形され、嵌合部15bが形成されている。
嵌合部15bは、平板状の形状を有し、固定部15aにおける当該透孔111aが形成される平坦な当接面と当該側壁部111bとの間で、固定部15aの当接面から部分的に凹ませ下方に向けて屈曲させることで第2の側壁部111dを形成させた後、更にブラケット15の内方向に突き出るよう屈曲成形されることで形成される。この嵌合部15bの下面側には、嵌合用突起部115が設けられている。また、嵌合部15bの内側方向の長さは、ハンガーレール2の上面側に形成された嵌合部2aへの嵌合に適合させたものとなっており、嵌合部15bは、嵌合可能な弾性を有している(図12を参照して後述する)。
このようなブラケット15を形成するためには、例えば成形型を用いて強化プラスチック材料により形成させることができ、或いは金属材料を用いて固定部15aを図示するように屈曲成形させた後、嵌合部15bを成形し、嵌合用突起部115を接着又は溶接することで形成させることができる。或いはプレス成形や押出成形を利用してブラケット15を形成することができる。
(ハンガーレール取付用ブラケットの嵌合方法)
次に、第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15の嵌合方法について説明する。図11(a)は本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を上方から見た際の嵌合前の平面図であり、図11(b)は本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を左右方向から見た際の嵌合前の側面図である。また、図12(a)は本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を上方から見た際の嵌合後の平面図であり、図12(b)は本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15を左右方向から見た際の嵌合後の側面図である。
まず、ブラケット15をハンガーレール2に対して、図11(a)及び図11(b)に示す状態に設置する。より具体的には、図13を参照して後述するが、ブラケット15の長尺方向をハンガーレール2の長尺方向に対して上方斜めに傾け、ブラケット15の両側に設けられている一方の嵌合部15bの平坦部を、対応するハンガーレール2の嵌合部2aに差し込み、続いて、ブラケット15の他方の嵌合部15bの平坦部を、対応するハンガーレール2の嵌合部2aに差し込んで、ブラケット15の固定部15aにおける平坦な上面(取付面に対する当接面)がハンガーレール2の上面と略平行となるように設置する。尚、ハンガーレール2の嵌合部2aには、その縁部に突起部2cが設けられており、この突起部2cは、ハンガーレール2の長尺方向に延在しており、丸みを帯びた屈曲面を有する。このため、ブラケット15の両側に設けられている嵌合部15bの平坦部の双方が、突起部2cを有するハンガーレール2の嵌合部2aに差し込まれた状態は、嵌合前の状態ではあるが、意図的に取り外さない限り容易に外れるようなことはなく、ガタつきが抑制された比較的安定した状態にある。このため、図12(a)及び図12(b)に示す回動嵌合が容易になる。
次に、図12(a)及び図12(b)を参照するに、当該ブラケット15の本体を回動させ(図12(a)に示す矢印のように回動させ)、ハンガーレール2と回動嵌合させる。このとき、嵌合部15bの下面側に設けられた嵌合用突起部115により、突起部2cを有するハンガーレール2の嵌合部2aが弾性変形することにより、ブラケット15の嵌合部15bが、ハンガーレール2の嵌合部2aとそのハンガーレール2の上面側との間に嵌合する。また、ハンガーレール2の嵌合部2aの突起部2cは丸みを帯びた屈曲面を有するため、回動嵌合が容易に達成できるようになっている。更に、ブラケット15の両側に設けられている嵌合部15bの双方が、ハンガーレール2の嵌合部2aに嵌合することから、嵌合後の位置が安定化することから、施工後に、ハンガーレール2の前後方向のずれを防止することができる。
(ハンガーレール取付用ブラケットに関する施工方法)
次に、第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15に関する施工方法について説明する。図13(a),(b)は本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2と一体化させる状態を示す断面側面図であり、図13(c)は本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15とハンガーレール2とを一体化させた状態から取付面に固定する状態を示す断面側面図であり、図13(d)は本発明による第2実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2と一体化させ取付面に固定した後、レールカバー90を嵌着する状態を示す断面側面図である。
まず、図13(a)を参照するに、ブラケット15をハンガーレール2と一体化させるにあたり、ブラケット15の長尺方向をハンガーレール2の長尺方向に対して上方斜めに傾け、ブラケット15の両側に設けられている一方の嵌合部15bの平坦部を、対応するハンガーレール2の嵌合部2aに差し込む。
続いて、図13(b)を参照するに、ブラケット15の他方の嵌合部15bの平坦部を、対応するハンガーレール2の嵌合部2aに差し込んで、ブラケット15の固定部15aにおける平坦な上面(取付面に対する当接面)がハンガーレール2の上面と略平行となるように設置 し、ブラケット15をハンガーレール2の上面に対して回動嵌合させる。
続いて、図13(c)を参照するに、取付ネジ91により、固定部15aにおける当接面が設けられた透孔111aを介して、ブラケット15を取付面に固定する。ここで、取付面とハンガーレール2の上面との間に挿通させる操作コード42等の所定のコードは、ブラケット15を取付面に固定する前に挿通させてもよいし、ブラケット15を取付面に固定した後に挿通させてもよい。
次に、図13(d)を参照するに、ブラケット15をハンガーレール2と一体化させ取付面に固定した状態から、レールカバー90をブラケット15に嵌着する。尚、図13(d)では、ブラケット15の図示左側がレールカバー90をブラケット15に嵌着する際の様子を示し、ブラケット15の図示右側がレールカバー90をブラケット15に嵌着した後の様子を示している。ここで、上述したように、ブラケット15の固定部15aには、当該当接面の両側部にて側壁部111bが設けられ、側壁部111bの当該ブラケット15の外方向の上下角部には、爪部111cが設けられている。一方、レールカバー90は、当該ブラケット15の側方 からブラケット15に係合させるための係合部90aを有している。第2実施形態の係合部90aは、弾性変形可能に鏃状の先端部を有する二股状の形状を有している。このため、レールカバー90は、当該ブラケット15の前後方向からブラケット15に係合させる際に、係合部90aが弾性変形してブラケット15に係合させることができ、接着剤や取付ビス等を使用することなしに、安定して、且つ容易にレールカバー90を嵌着することができる。
また、ブラケット15をハンガーレール2と一体化させ取付面に固定しレールカバー90を嵌着させた後も、レールカバー90の係合部90aが弾性を示す形状を有するため、メンテナンス時にもレールカバー90を容易に取り外すことができ、更に、操作コード等の所定のコードを損傷させることなしに、取得ネジ 91を取り外して、ブラケット15並びにハンガーレール2を安全、且つ容易に取り外すことが可能となっている。
以上のように、第2実施形態のブラケット15によれば、第1実施形態と同様に、取付面とハンガーレール2の上面との間に操作コード42などの所定のコードを挿通可能な隙間を設けることができ、ハンガーレール2の内部を移動するランナー3や先頭ランナー4等との干渉を完全に防止することが可能となる。特に、第2実施形態では、第1実施形態がハンガーレール2の内側から回動嵌合させていたのに対し、ハンガーレール2の外側から回動嵌合させるように構成したため、外形形状を必要以上に大型化させることなく、取付面とハンガーレール2の上面との間に操作コード42などの所定のコードを挿通可能な隙間をより大きく設けることができる。
また、第2実施形態のブラケット15によれば、第1実施形態と同様に、ハンガーレール2と回動嵌合により一体化させた後、ハンガーレール2の外側2箇所から取付ネジ91により取付面に取着可能とする透孔111aを取付面に当接する当接面に構成したため、操作コード42等の所定のコード、或いはハンガーレール2の内部を移動するランナー3や先頭ランナー4に対して取付ネジ91による施工時やメンテナンス時に損傷させることを完全に防止することが可能となり、施工性及びメンテナンス性が向上する。
また、第2実施形態のブラケット15によれば、第1実施形態と同様に、接着剤や取付ビス等を使用することなしに、回動嵌合によりハンガーレール2と一体化させることができるため、施工性及びメンテナンス性が向上する。
また、第2実施形態のブラケット15によれば、第1実施形態とは相違して、回転嵌合前の状態であっても、ブラケット15の両側に設けられている嵌合部15bの平坦部の双方が、突起部2cを有するハンガーレール2の嵌合部2aに差し込まれた状態でガタつきが抑制された比較的安定した状態となるため、回動嵌合によりハンガーレール2と一体化させるのが容易となる。
また、第2実施形態のブラケット15によれば、第1実施形態と同様に、ハンガーレール2の嵌合部2aの突起部2cと協働することにより、容易に回動嵌合が実現できるとともに、安定した嵌合力を達成することができる。特に、この突起部2cが無い場合でも回動嵌合を実現することは可能であるが、その場合、ブラケット15の嵌合部15bの上面は、ハンガーレール2の上面に位置する嵌合部2aの下面との面接触となり高い面精度が要求される。一方、第2実施形態のように、ブラケット15の嵌合部15bの上面は、ハンガーレール2の屈曲面を有する突起部2cとの線接触となり面接触の場合よりも高い精度が要求されることなく所望の嵌合力を実現することができるようになる。更に、第2実施形態においては、嵌合部15bの下面側に嵌合用突起部115が設けられているため、嵌合部15bの下面側ではハンガーレール2に対して点接触となり、高い精度が要求されることなく所望の嵌合力を実現することができるようになる。
また、第2実施形態のブラケット15によれば、ブラケット15の固定部15aにおける側壁部111bには爪部111cが設けられ、レールカバー90には弾性を示す形状を有する係合部90aが設けられているため、当該爪部111cの機能により、第1実施形態と同様に、接着剤や取付ビス等を使用することなしに、容易に、且つ安定してレールカバー90を嵌着することができ、メンテナンス時にも、レールカバー90の嵌脱が容易となってハンガーレール2の着脱も容易となり、施工性及びメンテナンス性が向上する。
〔第3実施形態〕
(ハンガーレール取付用ブラケットの構成)
次に、本発明による第3実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15の構成を詳細に説明する。尚、第1実施形態と同様に機能する構成要素には同一の参照番号を付している。第3実施形態のブラケット15は、上述したようなアコーディオンカーテン1を構成するのに好適な構成となっている。
図14は、本発明による第3実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2に取着して取付面に取着する際の分解斜視図である。まず、第3実施形態のブラケット15は、後述するようにハンガーレール2の一端部から係合挿入するように構成されている。続いて、第3実施形態では、固定ネジ95を用いてブラケット15をハンガーレール2の所望位置に固定し、その後、取付ネジ91によって天井側の取付部100の取付面に固定される。最終的に、レールカバー90がブラケット15に対して係止され、当該取付面とハンガーレール2との間を塞ぎ、取付ネジ91やブラケット15等を外部から見えないようにすることで美観が保たれる。
図15(a)は、本発明による第3実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15の正面図であり、図15(b)は本発明による第3実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15の平面図であり、図15(c)は本発明による第3実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15の側面図である。本発明に係るブラケット15は、天井側の取付面に固定するための固定部15aと、ハンガーレール2の外側から係合させる係合部15cとを有し、固定部15aから下方に延びる第2の側壁部111dに設けられた係止用固定孔111eを経て、固定ネジ95でハンガーレール2の外側から係止するように構成されている。したがって、第1実施形態や第2実施形態がハンガーレール2と回動嵌合させ一体化させるものであったのに対し、第3実施形態では、ハンガーレール2の外側から係合させ固定ネジ95で係止するように構成されている点で相違する。ただし、第3実施形態のブラケット15においても、第1実施形態よりも取付面とハンガーレール2の上面との間に操作コード42などの所定のコードを挿通可能な隙間をより大きく設けることができる。
固定部15aは、図15(c)に示すように、取付面とハンガーレール2の上面との間に所定のコードを挿通可能な隙間を有するように屈曲成形された形状(本例では、略四角形状)を有する。図1〜図3に示すアコーディオンカーテン1に適用する際には、ハンガーレール2の長尺方向に沿って、取付面とハンガーレール2の上面との間に、2本の操作コード42、牽引コード51、弛み防止コード26及びコードイコライザ9を挿通可能な隙間を有する形状で構成される。
固定部15aには、取付面に当接する当接面が設けられ、この当接面には取付ネジ91を挿通するための透孔111aが設けられている。また、固定部15aには、当該当接面の両側部側にてそれぞれ側壁部111bが設けられるよう屈曲成形され、側壁部111bの当該ブラケット15の本体中央部側の下方角部には、爪部111cが設けられている。更に、第3実施形態では、当該側壁部111bとは直角を為すハンガーレール2の長尺方向に面する第2の側壁部111dが設けられるよう屈曲成形される。また、第2の側壁部111dは、二股状に2面に分岐され、一方の面には係止用固定孔111eが設けられ、他方の面における端部は更に屈曲成形され、係合部15cが形成されている。
係合部15cは、平板状の形状を有し、ハンガーレール2の上面側に設けられている係合受部2eと係合可能となっている。
このような第3実施形態のブラケット15を形成するためには、例えば成形型を用いて強化プラスチック材料により形成させることができ、或いは金属材料を用いて固定部15aを図示するように屈曲成形させ、係合部15cを形成させることができる。或いはプレス成形や押出成形を利用してブラケット15を形成することができる。
(ハンガーレール取付用ブラケットに関する施工方法)
次に、第3実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15に関する施工方法について説明する。図16(a),(b)は本発明による第3実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2と一体化させる状態を示す断面側面図であり、図16(c)は本発明による第3実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15とハンガーレール2とを一体化させた状態から取付面に固定する状態を示す断面側面図であり、図16(d)は本発明による第3実施形態のハンガーレール取付用ブラケット15をハンガーレール2と一体化させ取付面に固定した後、レールカバー90を嵌着する状態を示す断面側面図である。
まず、図16(a)を参照するに、ブラケット15をハンガーレール2と一体化させるにあたり、ハンガーレール2の外側からブラケット15の下方に設けられた係合部15cがハンガーレール2の上面側に設けられている係合受部2eと係合するよう、ブラケット15をハンガーレール2の一端部から係合させながら挿入し、ハンガーレール2上の所望位置に位置させる。
続いて、図16(b)を参照するに、ブラケット15の第2の側壁部111dに設けられている係止用固定孔111eに固定ネジ95を締結しながら、固定ネジ95の先端部をハンガーレール2の係合受部2eの端部に当接させ押さえ付けることで係止する。
続いて、図16(c)を参照するに、取付ネジ91により、固定部15aにおける当接面が設けられた透孔111aを介して、ブラケット15を取付面に固定する。ここで、取付面とハンガーレール2の上面との間に挿通させる操作コード42等の所定のコードは、ブラケット15を取付面に固定する前に挿通させてもよいし、ブラケット15を取付面に固定した後に挿通させてもよい。
次に、図16(d)を参照するに、ブラケット15をハンガーレール2と一体化させ取付面に固定した状態から、第1実施形態と同様な態様で、レールカバー90の係合部90aを側壁部111bの爪部111cに係合させ、レールカバー90をブラケット15に嵌着する。
以上のように、第3実施形態のブラケット15によれば、第1実施形態と同様に、取付面とハンガーレール2の上面との間に操作コード42などの所定のコードを挿通可能な隙間を設けることができ、ハンガーレール2の内部を移動するランナー3や先頭ランナー4等との干渉を完全に防止することが可能となる。特に、第3実施形態では、第1実施形態がハンガーレール2の内側から回動嵌合で取着させていたのに対し、ハンガーレール2の外側から係合させて取着するように構成したため、外形形状を必要以上に大型化させることなく、取付面とハンガーレール2の上面との間に操作コード42などの所定のコードを挿通可能な隙間をより大きく設けることができる。
また、第3実施形態のブラケット15によれば、第1実施形態と同様に、ハンガーレール2と一体化させた後、ハンガーレール2の外側2箇所から取付ネジ91により取付面に取着可能とする透孔111aを取付面に当接する当接面に構成したため、操作コード42等の所定のコード、或いはハンガーレール2の内部を移動するランナー3や先頭ランナー4に対して取付ネジ91による施工時やメンテナンス時に損傷させることを完全に防止することが可能となり、施工性及びメンテナンス性が向上する。
また、第3実施形態のブラケット15によれば、第1実施形態とは相違して、係止前の状態であっても、ブラケット15の両側に設けられている係合部15cの双方が、係合受部2eを有するハンガーレール2に差し込まれた状態でガタつきが抑制された比較的安定した状態となるため、ハンガーレール2と一体化させるのが容易となる。
また、第3実施形態のブラケット15によれば、ブラケット15の固定部15aにおける側壁部111bには爪部111cが設けられ、レールカバー90には弾性を示す形状を有する係合部90aが設けられているため、当該爪部111cの機能により、第1実施形態と同様に、接着剤や取付ビス等を使用することなしに、容易に、且つ安定してレールカバー90を嵌着することができ、メンテナンス時にも、レールカバー90の嵌脱が容易となってハンガーレール2の着脱も容易となり、施工性及びメンテナンス性が向上する。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の各実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述の説明では、一実施形態のアコーディオンカーテン1に、本発明に係る各実施形態のブラケット15を適用する例を説明したが、操作コード等の所定のコードについてハンガーレールに沿って配置を要する用途であれば、他の形態のアコーディオンカーテン等の間仕切り装置にも適用することができる。
また、上述した各実施形態のブラケット15では、特定形状の隙間を設けるような形状で屈曲成形する例を説明したが、操作コード等の所定のコードをハンガーレールに沿って配置可能な隙間を設けることが可能であれば、ブラケットを適用する用途に応じて屈曲成形した形状とすることができる。
また、上述した各実施形態のブラケット15では、回動嵌合又は係合及び係止の実施形態の例について説明したが、ハンガーレール2に対するブラケット15の取付方法として、スナップフィットによる嵌合や付勢手段(バネ)による挟持とする態様とすることも可能である。
また、上述した各実施形態のブラケット15の説明において、レールカバー90を2つの部材として用いる例を説明したが、用途によっては1つのレールカバーに開口部を設け、当該ブラケットに嵌着するように構成することもできる。また、レールカバー90に設けられる係合部90aの形状は、上述した作用効果を示すようにブラケットに係合できる形状であれば、用途に応じた形状とすることができる。
また、上述した第1実施形態のブラケット15の説明において、ハンガーレール2の上面には、上方に隆起してハンガーレール2の長尺方向に延在する2本のガイド部からなる回動補助部2dを設ける例の説明をしたが、このような回動補助部は、他の形状や構造でも実現することができ、例えば、ハンガーレール2の上面にて回動嵌合に適した形状の溝を形成することで構成することもできる。
(操作ユニット)
次に、操作コード42やコードイコライザ9を挿通可能とする隙間を有するように構成した各実施形態のブラケット15において、更にその機能を向上させるべく構成した操作ユニット6について説明する。
まず、上述した各実施形態のブラケット15にて、コードイコライザ9を挿通した際に生じうる移動ブレについて説明する。図17(a)は第1実施形態のブラケット15であり、図17(b)は第2実施形態のブラケット15であり、図17(c)は第3実施形態のブラケット15である。ここで、コードイコライザ9がハンガーレール2上でアコーディオンカーテン1の前後方向(図示する左右方向)に移動ブレを生じながら移動する場合を考える。
まず、図17(a)を参照するに、第1実施形態のブラケット15は、ハンガーレール2の内側から回動嵌合により一体化させるよう屈曲成形された形状を有するため、その屈曲成形された一部分がハンガーレール2の上面におけるコードイコライザ9の移動上で平坦ではなくなり、この屈曲成形された一部分にコードイコライザ9が衝突しうる。コードイコライザ9の形状を略卵状の形態で構成させていれば、このような衝突が生じたとしても、その機能上の問題は生じないが、損傷等の品質上の問題が懸念される。
一方、図17(b)を参照するに、第2実施形態のブラケット15であれば、ハンガーレール2の外側から回動嵌合により一体化させるよう屈曲成形された形状を有するため、ブラケット15自体がコードイコライザ9の移動の妨げとなるような凹凸を生じさせることが無くなり、ハンガーレール2の上面におけるコードイコライザ9の移動上で平坦さが改善される。
同様に、図17(c)を参照するに、第3実施形態のブラケット15においても、ハンガーレール2の外側から係合後に係止して一体化させるよう屈曲成形された形状を有するため、ブラケット15自体がコードイコライザ9の移動の妨げとなるような凹凸を生じさせることが無くなり、ハンガーレール2の上面におけるコードイコライザ9の移動上で平坦さが改善される。
しかしながら、いずれの実施形態のブラケット15を利用する場合においても、コードイコライザ9がハンガーレール2上でその前後方向への移動ブレが生じにくくすることが好ましい。
そこで、ハンガーレール2の一端側に取着され、ハンガーレール2の上面に取着された当該ブラケット15の上面と略同一の高さとなる操作ユニット6について、以下のように構成することで、コードイコライザ9の当該前後方向への移動ブレを抑制することが可能となる。
図18(a),(b)は、コードイコライザ9の当該前後方向への移動ブレが大きく生じうる、従来からの操作ユニット6の構成を示している。一方、図19(a),(b)は、コードイコライザ9の当該前後方向への移動ブレを抑制する、本発明に係る操作ユニット6の構成を示している。
まず、図18(a),(b)を参照するに、操作ユニット6は、ハンガーレール2の上端部に固着されるような固定部6bを有し、固定部6bは、ハンガーレール2の上面形状に合わせた形状で構成される(尚、図18(b)に示す固定部6bは、第3実施形態のブラケット15に適合させた形状となっている)。また、操作ユニット6の下方中央部に形成される凸状空洞部6aは、滑車27を設置するように形成されている。そして、アコーディオンカーテン1の前側と後側にそれぞれ対応するガイドポール41が操作ユニット6の本体部に連結され、操作グリップ40に一端が取着された操作コード42の他端が、当該ガイドポール41内部の挿通孔を通り、操作用プーリ43により、ブラケット15の内側部を挿通するように向きを転向させるように構成される。その後、当該操作コード42の他端は、コードイコライザ9に取着される。
通常、操作コード42は、その操作性の向上を意図して比較的太い径のコードが用いられ、このため操作用プーリ43もこの操作コード42の径に適合させたサイズのものとなる。したがって、図18(b)に示すように、従来からの操作ユニット6は、操作ユニット6の本体部の中心位置から距離d1の位置を基準に操作コード42の移動を転向させ、双方の操作コード42の各他端がコードイコライザ9に取着され、コードイコライザ9の移動が操作されることとなり、この距離d1に応じて、コードイコライザ9がハンガーレール2上でその前後方向への移動ブレが生じうる。
一方、図19(a),(b)を参照するに、本発明に係る操作ユニット6は、操作用プーリ43の代わりに案内プレート143を設けるように構成されている。案内プレート143は、操作ユニット6内で操作コード42の転向に合わせて成形された内部壁6cに固定され、内部壁6cに対する固定を安定化させるべく、基端側には係止部143a が設けられ、先端側は、内部壁6cに鉤状に係止するようになっている。案内プレート143は、例えばステンレスやセラミック等を用いて耐久性及び摺動性の優れたものを用いるのが好適である。
このように、操作用プーリ43の代わりに案内プレート143を用いることで、その収容体積を削減することができ、図19(b)に示すように、操作ユニット6の本体部の中心位置から距離d2(d2<d1)の位置を基準に操作コード42の転向を可能とする。即ち、この操作ユニット6の本体部の中心位置から距離d2(d2<d1)の位置を基準に、双方の操作コード42の各他端がコードイコライザ9に取着され、コードイコライザ9の移動が操作されることとなり、従来からの操作ユニット6よりもコードイコライザ9における当該前後方向への移動ブレを抑制することができる。
したがって、操作コードなどの所定のコードを用いて間仕切り部材の伸縮(即ち、カーテンの開閉)を行う間仕切り装置にて、図19(a),(b)に示すように、操作コード42の移動を転向させるよう曲面状に形成された案内プレート143を設けた操作ユニット6を具備させることにより、当該間仕切り装置の品質を向上させることができる。