JP4625206B2 - 引戸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外枠組み体の内側で引戸本体が移動する引戸装置に係り、電気装置や電気機器類のための配線及び/又は気体、液体等のための配管類を戸袋に配設する際に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
外枠組み体と、この外枠組み体の内側で移動する引戸本体とを有する引戸装置は、例えば、部屋と廊下や、部屋と部屋のように、互いに隣接する2つの室内空間を仕切るための手段として各種建物や構築物で利用されている。この引戸装置が病院に設置される場合には、例えば、電気装置であるナースコール等のための配線や酸素供給装置等のための配管類を引戸装置に配設しなければならないときがある。
【0003】
従来、このような配線、配管類を引戸装置の設置箇所に配設するためにはそのための専用部材を用意し、この専用部材により配線、配管類の配設を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術によると、配線、配管類を引戸装置の設置箇所に配設するために専用部材を用意しなければならないとともに、引戸装置の構造もこの部材に合わせた仕様にしなければならない。
【0005】
本発明の目的は、配線、配管類を合理的に配設できるようになる引戸装置を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る引戸装置は、外枠組み体と、この外枠組み体の内側で移動する引戸本体とを有する引戸装置において、前記外枠組み体を形成する部材の内部の空間部に配線、配管類が配設されることを特徴とするものである。
【0007】
この引戸装置によると、配線、配管類は、外枠組み体を形成する部材の内部の空間部に配設されるため、外枠組み体を形成する部材の内部にある空間部が配線、配管類を配設するために利用されることになる。このため、引戸装置の設置箇所に配線、配管類を配設するためにそのための専用部材を用意する必要がなく、また、引戸装置の構造をこの専用部材に合わせた仕様にする必要がなく、配線、配管類の配設を合理的に行えることになる。
【0008】
本発明において、外枠組み体を形成し、かつ内部の空間部に配線、配管類が配設される部材は、例えば、無目でもよく、引戸本体戸先側や戸尻側の縦枠でもよく、また、引戸本体が収納される戸袋を備えた引戸装置では、この戸袋も外枠組み体を形成するものとなるため、戸袋を形成する部材でもよい。
【0009】
また、外枠組み体を形成し、かつ内部の空間部に配線、配管類が配設される部材は、1個でもよく、あるいは、1本の連続している配線、配管類を配設するために互いに接続されている又は接続状態となっている又は接続されていない複数の部材でもよい。
【0010】
また、本発明は複数本の配線、配管類を配設するためにも適用でき、これらの配線、配管類は同じ部材の内部の空間部に配設してもよく、それぞれ別となった部材の内部の空間部に配設してもよい。
【0011】
また、内部に配線、配管類が配線される空間部を有している部材は、例えば、中空管のように、その空間部の周囲全体が密閉状態となっているものでもよく、例えば、チャンネル材のように、その空間部の周囲の一部が開口しているものでもよい。
【0012】
また、引戸装置が引戸本体を収納するための戸袋を有しているものであって、この戸袋が、外面形成部材が取り付けられる下地部材を含んで形成され、この下地部材が戸袋の内外方向に屈曲した屈曲材からなる場合には、この下地部材の屈曲により戸袋内外方向を厚さ方向として形成されている空間部に配線、配管類を配設してもよい。
【0013】
これによると、戸袋は、外面形成部材が取り付けられる下地部材を含んで形成され、この下地部材は戸袋内外方向に屈曲した屈曲材からなり、したがって、この下地部材の強度は屈曲によって大きくなっており、このため、戸袋の全体強度も大きくなっている。
【0014】
このように大きな強度を確保するために戸袋内外方向に屈曲した屈曲材からなっている下地部材には、戸袋内外方向を厚さ方向とする空間部が形成されることになり、この空間部に配線、配管類を配設すると、戸袋における配線、配管類の配設を、専用部材を用意することなく、また、戸袋の構造をこの専用部材に合わせた特別な仕様にすることなく、合理的に行えることになり、また、屈曲材による下地部材で強度が大きくなっている戸袋に配線、配管類を有効に配設できることになる。
【0015】
また、配線、配管類は上記空間部に配設されるため、戸袋に対して引戸本体が出入りする際に、配線、配管類が邪魔になるおそれはない。
【0016】
配線、配管類の配設のために利用する上記空間部は戸袋内外方向に屈曲した屈曲材からなる下地部材によって形成されるが、この屈曲材は任意なものでよく、下地部材が細長状部材である場合には、この屈曲材には、アングル材、チャンネル材(リップ付きとリップ無しの両方を含む)、I型材、H型材、T型材等が含まれ、また、長さ方向と直角をなす幅方向の途中部に戸袋の内側と外側のうちの少なくとも一方へ屈曲突出した屈曲突出部を有しているもの等も含まれる。また、屈曲材である限り下地部材は、中空材によるものでもよく、中実材によるものでもよい。
【0017】
また、下地部材が細長状部材である場合には、この下地部材の戸袋における配設方向(下地部材の長さ方向)は、左右方向(戸袋の幅方向)でもよく、上下方向でもよく、これらの方向に対して斜めの方向でもよい。
【0018】
そして、細長状部材となっている下地部材を用いて戸袋を形成する場合において、下地部材の個数は1個でもよく、複数個でもよい。下地部材を複数個とする場合には、これらの下地部材の並設方向は、戸袋の上下方向でもよく、左右方向でもよく、これらの方向に対して斜めの方向でもよく、さらには、これらの方向のうちの少なくとも2つの方向でもよい。
【0019】
また、細長状部材となっている下地部材を複数個用いて戸袋を形成する場合には、前記配線、配管類を配設する下地部材は、これらの下地部材のうちの1個だけでもよく、複数個でもよい。
【0020】
また、屈曲材からなるものである限り下地部材は、戸袋と同じ又は略同じ大きさの面積を有する大パネル状のものでもよく、戸袋より小さい面積を有する小パネル状のものでもよい。下地部材が小パネル状のものである場合には、下地部材の個数は、1個でもよく複数個でもよい。
【0021】
また、このように下地部材がパネル状のものである場合には、前記配線、配管類を配設するための前記空間部を形成する屈曲部は、左右方向に延びるものでもよく、上下方向に延びるものでもよく、これらの方向に対して斜めの方向に延びるものでもよく、さらには、これらの方向のうちの少なくとも2つの方向に延びるものでもよい。
【0022】
そして、このような屈曲部は、1個の下地部材について1個だけ設けられていてもよく、複数個設けられていてもよく、屈曲部の個数が複数個である場合には、配線、配管類を1個の屈曲部で形成される1個の空間部に配設してもよく、複数個の屈曲部で形成される1個又は複数個の空間部に配設してもよい。
【0023】
配線、配管類を前記空間部に配設するときは、配線、配管類をこの空間部中に架設した状態で配設してもよく、あるいは、戸袋内外方向への屈曲によって下地部材には屈曲突辺部が設けられているため、配線、配管類をこの屈曲突辺部の上に載せて配設してもよい。
【0024】
後者によると、配線、配管類を安定して配設できることとなる。
【0025】
また、配線、配管類を前記空間部に配設する際は、下地部材に取り付けられる保持部材に保持させて配設することが好ましい。
【0026】
これによると、空間部からの配線、配管類の脱落を保持部材によって防止でき、所定位置に配線、配管類を所定どおり配設できることになる。
【0027】
また、保持部材は下地部材に取り付けられ、屈曲材からなるこの下地部材は戸袋の骨組み材又は補強材となっているため、下地部材の強度を利用して配線、配管類を配設できることになる。
【0028】
このように下地部材に取り付けられる保持部材で保持させて配線、配管類を配設する場合において、保持部材による配線、配管類の保持の方式は、例えば、フック式でもよく、抱持式でよく、押え込み式でもよく、任意である。また、下地部材に保持部材を取り付けるためには、ビス、リベット、ピン等の止着具を用いてもよく、溶接、接着、粘着等の固定手段を用いてもよく、あるいは、下地部材と保持部材とを係止、係合、引っ掛け、嵌合等することにより行ってもよい。
【0029】
また、屈曲材からなる下地部材で形成される前記空間部は、戸袋内側の側面が開放され、戸袋外側の側面が前記下地部材の一部によって塞がれたものとなっていてもよく、あるいは、戸袋内側の側面が下地部材の一部によって塞がれ、戸袋外側の側面が開放されたものとなっているとともに、この開放された側面が前記外面形成部材で覆われるものとなっていてもよい。
【0030】
前者によると、配線、配管類が配設された空間部の戸袋外側の側面が下地部材の一部で塞がれることにより、配線、配管類が戸袋の外部に露出することはなく、また、後者によると、配線、配管類が配設された空間部の戸袋外側の側面が開放されたものとなっていても、この開放された側面が前記外面形成部材で覆われるため、この後者でも、配線、配管類が戸袋の外部に露出することはない。
【0031】
以上の本発明は、戸袋が壁の内部に収納された壁収納式戸袋となっているタイプの引戸装置、すなわち、戸袋の外面を形成する前記外面形成部材が戸袋の位置から外れた壁の部分の外面を形成している部材と同じ又は略同じ材料で形成され、この外面形成部材における外面の戸袋内外方向の位置がこの壁の部分の外面位置と同じ又は略同じになっているタイプの引戸装置にも適用でき、戸袋が壁収納式戸袋となっていないタイプの引戸装置、すなわち、戸袋を形成している材料及び構造が壁を形成している材料及び構造と異なっていて、外観上、戸袋を確認できるタイプの引戸装置にも適用できる。
【0032】
また、本発明は、戸袋が引戸本体の両方の面を覆う部分を有する袋状となっているタイプの引戸装置にも適用でき、戸袋が、引戸本体の一方の面だけを覆う部分を有していて、引戸本体の他方の面が露出する片面式の戸袋となっているタイプの引戸装置にも適用できる。
【0033】
さらに、引戸装置の外枠組み体を形成し、内部の空間部に配線、配管類が配設される前記部材は、上記の下地部材以外の戸袋を形成する部材でもよい。その一例は、戸袋における引戸本体の移動で開閉される開口部の側の見切り材である。すなわち、戸袋における引戸本体の移動で開閉される開口部の側の見切り材の内部の空間部を、前記配線、配管類を配設するための空間部と利用してもよい。
【0034】
本発明が複数個の引戸本体を備えた引戸装置に適用される場合には、以上における戸袋は、1個又は複数個の引戸本体を収納するためのものでよい。
【0035】
また、本発明は、戸袋が設けられないタイプの引戸装置にも適用でき、内側で引戸本体が移動する外枠組み体を備え、この外枠組み体を形成する部材であって、内部に空間部が形成されている部材を有している引戸装置であれば、本発明を適用できる。
【0036】
また、以上の本発明において、前記空間部に配設される配線、配管類は、ナースコール等の電気装置や電気機器類のための配線だけでもよく、酸素供給装置等のための気体や液体を流通させる配管だけでもよく、これらの配線と配管の両方でもよい。また、配線、配管類は、電気配線や気体、液体を流通させる配管に限らず、引戸装置自体や、引戸装置が設置されている建物、構築物の構造上必要とされるワイヤー、チェーン等でもよく、要するに、配線、配管類は紐状部材であればよい。
【0037】
さらに以上の本発明に係る引戸装置において、引戸本体の移動を案内するためのガイド部材は任意な形状、構造、形式等のものでよく、例えば、引戸本体の移動を案内するガイドレールやスライディングレール等によるガイド部材が引戸本体の上方に配置され、このガイド部材が上吊り式となっている引戸本体を吊り下げるためのものとなっていてもよく、また、ガイド部材が引戸本体の下方に配置され、その上を引戸本体が移動するようになっていてもよい。また、本発明に係る引戸装置は、これら両方のガイド部材を有しているものでもよい。
【0038】
また、これらの引戸装置において、ガイド部材に案内される引戸本体の移動は、人手操作又は傾斜配置されたガイド部材に基づく引戸本体の自重で行われてもよく、また、引戸本体の閉じ移動と開き移動のうちの少なくとも一方が駆動装置により自動的に行われてもよい。
【0039】
さらに、駆動装置の駆動原理は任意なものでよく、例えば、蓄圧されたばね力によって引戸本体を引っ張り移動させる渦巻きばね式のものでもよく、シリンダで引戸本体を移動させるシリンダ式のものでもよく、モータで回転するピニオンやベルトで引戸本体を移動させるモータ式のものでもよく、電磁石の吸引力、反発力で引戸本体を移動させるリニアモータ式のもの等でもよい。
【0040】
さらに、本発明が適用される引戸装置は、引戸本体が1個のものでもよく、複数個のものでもよい。引戸装置が複数個の引戸本体を有している場合において、これらの引戸本体は引き分け式となっていてもよく、引き違い式になっていてもよく、これら両方が組み合わせられたものでもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。初めに、本実施形態に係る引戸装置の全体を説明する。
【0042】
図1は、本実施形態に係る引戸装置の全体を示す正面図である。この引戸装置は、建物内、具体的には、病院内の廊下と病室との間を開閉自在に仕切るための室内用仕切り手段として設置され、引戸本体1は把持部1Aを把持することにより左右動させることができ、左右動すると引戸本体1は、無目2と引戸本体戸先側の縦枠3と壁4と床5とに囲まれて形成されている出入口用の開口部6を開閉し、この開口部6を開いたときの引戸本体1の大部分は壁4の内部に形成されている戸袋7に収納される。すなわち、本実施形態に係る引戸装置は、開口部6を開いたときの引戸本体1が収納される戸袋7が壁4の内部に設けられている壁収納型の引戸装置になっている。
【0043】
また、引戸本体1がその内側で移動する引戸装置の外枠組み体の基本構造は、無目2と、引戸本体戸先側の縦枠3と、引戸本体戸尻側の縦枠8とで形成され、この引戸本体戸尻側の縦枠8により戸袋7の終端部が形成されている。戸袋7もこの外枠組み体を形成するものとなっており、このため、戸袋7を形成する部材となっている後述の竪額縁9や下地部材50、外面形成部材55,56、幅木58,59等の戸袋形成部材も外枠組み体を形成する部材となっている。
【0044】
無目2は、無目本体2Aと、この無目本体2Aに設けられた点検用カバー2Bとからなり、点検用カバー2Bは、この無目本体2Aに設けられているねじ孔に螺合される止めねじ等の止め具2Cで取り付け、取り外し自在になっており、したがって、無目本体2Aに対して点検用カバー2Bは開閉自在となっている。無目本体2Aは、図1のS5―S5線断面図である図5に示されているように、戸袋7まで延びる長さを有し、点検用カバー2Bは、無目本体2Aの全長のうち、開口部6の上方に位置する部分だけに設けられている。
【0045】
無目2の内部には、引戸本体1を移動させるための移動機構が配置されており、この移動機構は、開口部6と、開口部6に隣接して設けられている戸袋7とに跨っている。
【0046】
図2及び図3には、移動機構の全体詳細図が示されている。図2は、この移動機構によって引戸本体1が閉じ限位置に達しているときを示し、図3は、引戸本体1が開き限位置に達しているときを示す。
【0047】
図2に示すように、無目本体2Aの内部には引戸本体1の移動を案内するためのガイド部材であるガイドレール10が組み込まれ、上記移動機構を形成する部材であって、無目本体2Aの略全長に亘る長さを有するこのガイドレール10は、図1のS4―S4線断面図である図4に示すとおり、無目本体2Aの内部に設けられている取付部材11に取り付けられ、戸袋7の内部まで延びている。同一断面形状が長さ方向に連続しているこのガイドレール10は、取付部材11に取り付けられた基部10Aと、この基部10Aの下端から引戸本体1の厚さ方向に水平に延びるアーム部10Bと、このアーム部10Bの先端から垂直に立ち上がった係合部10Cとを有する。
【0048】
図2で示すように、引戸本体1には、ローラブラケット13,14に回転自在に取り付けられた2個のローラ15,16が引戸本体1の移動方向に配設され、ローラブラケット13,14を介して引戸本体1の上部に配置されているこれらのローラ15,16は、図4に示すように、引戸本体1の上方に不動部材となって水平に架設されているガイドレール10の係合部10Cに係合している。このため、引戸本体1は、ローラ15,16が係合部10C上を転動することによりガイドレール10に沿って移動するとともに、引戸本体1は、ガイドレール10の係合部10Cにローラ15,16及びローラブラケット13,14を介して吊り下げられた上吊り式となっている。
【0049】
また、図1に示すように、戸袋7に近い開口部6の床5には、垂直軸を中心に回転自在となったガイドローラ17が配置され、このガイドローラ17は、図4に示すとおり、引戸本体1の下端に下向きに開口して配置されているチャンネル部材1Bの内部に挿入されており、ガイドレール10に沿った引戸本体1の移動は、引戸本体1の下端がこのガイドローラ17で案内されながらなされる。
【0050】
図2に示されているように、ガイドレール10の引戸本体開き側の端部には、引戸本体1を開き限位置に停止させるためのストップ装置20が取り付けられ、このストップ装置20は、引戸本体閉じ側に向けて本体21に突設されたゴム等の弾性材料からなるストップ部材22と、本体21に取り付けられた小径ローラによる被係止部材23とを有する。一方、引戸本体1に設けられている2個のローラブラケット13,14のうち、引戸本体開き側のローラブラケット14の後端には板状の受け部材24が結合され、この受け部材24には板ばねの折り曲げで形成されている係止部材25が取り付けられている。
【0051】
引戸本体1を前記把持部1Aで開き側に移動させ、この移動が開き限位置に達すると、図3に示されているように、被係止部材23には、一旦上向きに湾曲変形してもとの形状に弾性復帰する係止部材25が係止するとともに、受け部材24はストップ部材22に当接し、これにより引戸本体1は開き限位置に停止する。
【0052】
また、引戸本体1の把持部1Aに引戸本体閉じ側への操作力を作用させた場合には、被係止部材23から上向きに弾性変形する係止部材25が離脱するため、引戸本体1はガイドレール10とガイドローラ17に案内されて閉じ側へ移動する。
【0053】
また、図2及び図3に示されているように、引戸本体1に設けられている2個のローラブラケット13,14のうち、引戸本体閉じ側のローラブラケット13には、引戸本体1を閉じ移動させるための駆動装置30のケーシング30Aがブラケット31で取り付けられている。駆動装置30はケーシング30A内に回転自在に収納されたリール33を有し、このリール33の内部には渦巻きばねが配置され、この渦巻きばねの一端はリール33に結合されているとともに、他端はケーシング30Aに結合されている。
【0054】
また、リール33には、図2及び図3で示されているナイロン紐又はワイヤー等からなる紐状部材34が巻かれているとともに、この紐状部材34の一端が結合されている。この紐状部材34はケーシング30Aから導出され、紐状部材34の他端は、不動部材であって前述した外枠組み体を形成している縦枠3に設けられたフック部材35に係止されている。
【0055】
図2で示すように閉じ限位置に達している引戸本体1を把持部1Aで図3に示すように開き側へ移動させたときには、紐状部材34がリール33を回転させながら駆動装置30のケーシング30Aから繰り出され、このとき、リール33の内部の上記渦巻きばねがリール33の回転で蓄圧されるようになっている。このため、この後に把持部1Aから手を離すと(引戸本体1が図3のように閉じ限位置に達しているときには、前述のように、把持部1Aに操作力を作用させて被係止部材23から係止部材25を離脱させると)、渦巻きばねの蓄圧力によってリール33には、引戸本体1の開き移動時とは逆方向へ引戸本体1を移動させようとする回転力が生じているため、この回転力で緊張している紐状部材34の引張力によって引戸本体1は閉じ側へ引っ張られ、リール33が回転して紐状部材34を巻き取ることにより、引戸本体1は閉じ限位置まで自動的に移動する。
【0056】
したがって、本実施形態における引戸本体1を閉じ側へ自動的に移動させるための駆動装置30は渦巻きばね式であるとともに、紐状部材34の引張力による引張式駆動装置となっている。
【0057】
図2及び図3に示すように、ガイドレール10には、閉じ側への引戸本体1の移動速度を低速化させて制動させ、引戸本体1を閉じ限位置に減速させて到達させるための制動装置40が取り付けられている。この制動装置40は、シリンダ本体41と、シリンダ本体41にガイドレール10の長さ方向に伸縮自在に挿入されたピストンロッド42とを有するシリンダ装置で構成され、シリンダ本体41は、不動部材となっているガイドレール10に取り付けられている。
【0058】
図2及び図3で示すように、引戸本体1に2個設けられているローラブラケット13,14のうち、引戸本体開き側のローラブラケット14には、ピストンロッド42の先端部が挿抜自在となったキャッチ部材44が取り付けられ、ピストンロッド42の先端部と、この先端部が挿入されるキャッチ部材44の内部とのうち、一方には磁石が設けられ、他方にはこの磁石に吸着する磁性材料が設けられている。このため、ピストンロッド42とキャッチ部材44とは、磁力で接続分離自在となっている。
【0059】
図2に示すように引戸本体1が閉じ限位置に達しているときには、シリンダ本体41に対して収縮しているピストンロッド42の先端部がキャッチ部材44の内部に挿入された状態になっており、引戸本体1を開き側へ移動させると、ピストンロッド42の先端部とキャッチ部材44とが上記磁力で接続されているため、ピストンロッド42はシリンダ本体41に対して伸び作動する。このピストンロッド42が伸び作動限に達してもさらに引戸本体1が開き側に移動すると、図3に示すように、ピストンロッド42とキャッチ部材44とが分離し、ピストンロッド42はその位置で停止する。また、引戸本体1が前記引張式駆動装置30の駆動力で閉じ側へ移動し始め、そして引戸本体1が所定位置に達すると、キャッチ部材44はピストンロッド42に当接してこれらのキャッチ部材44とピストンロッド42とが上記磁力で再度接続され、引戸本体1がさらに閉じ側へ移動することにより、ピストンロッド42はシリンダ本体41に対して収縮作動する。
【0060】
なお、ピストンロッド42の先端部と、この先端部が挿入されるキャッチ部材44の内部とに互いに磁性が逆となった磁石を設けることにより、ピストンロッド42とキャッチ部材44とを上記と同様に接続分離自在としてよい。
【0061】
シリンダ本体41には、ピストンロッド42が伸び作動したときに多量のエアをシリンダ本体41の内部に吸引し、ピストンロッド42が収縮作動したときにはこのエアを絞りながら排出するバルブが設けられている。このため、ピストンロッド42が伸び作動する引戸本体1の開き移動時には、引戸本体1を軽く移動させることができ、また、ピストンロッド42が収縮作動する引戸本体1の閉じ移動時には、引戸本体1がシリンダ本体41の内部のエア圧力によって制動されながら移動し、減速された速度で閉じ限位置に達するようになっている。
【0062】
図1で示すように、戸袋7の箇所には、戸袋7の骨組み材又は補強材となっている横方向(戸袋7の幅方向であって、引戸本体1の移動方向)に細長い下地部材50が配置され、細長形状の部材となっているこの下地部材50は、上下方向に間隔を開けて複数設けられている。これらの下地部材50は、戸袋7の幅方向両端部まで達する同じ長さを有しているが、本実施形態に係る戸袋7には、図5に示されているように、上下寸法が異なる4種類の下地部材50A,50B,50C,50Dが用いられている。
【0063】
すなわち、戸袋7の両方の面において、言い換えると、引戸本体1の一方の面と他方の面に対向する両方の面において、最下段の下地部材50は上下寸法が最も大きい下地部材50Aであり、最下段から2段目と3段目の下地部材50は上下寸法が最も小さい下地部材50Dである。下地部材50A同士、最下段から2段目の下地部材50D同士、最下段から3段目の下地部材50D同士は、それぞれ同じ高さ位置に配置されている。図5における右側の最上段の下地部材50、言い換えると、図1で示された側の最上段の下地部材50は、上下寸法が3番目に大きい下地部材50Cであり、図5における左側の最上段の下地部材50は、上下寸法が2番目に大きい下地部材50Bである。
【0064】
これらの下地部材50は金属板の折り曲げで形成されており、下地部材50の全体斜視図である図9で示すとおり、長さ方向と直角をなす幅方向の途中部、すなわち、上下方向の途中部には、下地部材50の厚さ方向へ屈曲突出しかつ下地部材50の長さ方向へ連続して延びている屈曲突出部51が形成されており、この突出方向は戸袋7の外側である。このように、それぞれの下地部材50は戸袋7の外側へ屈曲突出した部分を有する屈曲材からなり、これらの下地部材50は、上下の幅狭のフランジ部52から屈曲突出部51の屈曲突辺部51Aが直角又は略直角に折り曲げられたものとなっている。
【0065】
また、下地部材50には、屈曲突出部51のために戸袋内側が開放された空間部S1が形成され、この空間部S1の厚さ方向は戸袋7の内外方向であって、空間部S1は下地部材50の全長に亘って連続している。
【0066】
図1のS8−S8線断面図である図8に示すように、戸袋7の引戸本体閉じ側の端部、言い換えると、戸袋7における引戸本体1で開閉される前記開口部6の側の端部には見切り材としての竪額縁9が設けられ、この竪額縁9には戸袋7の内側において引戸本体開き側へ延びる延出部9Aが設けられている。また、竪額縁9には補助部材53が取り付けられ、アングル材からなるこの補助部材53には、戸袋7の内外方向への間隔を開けて延出部9Aと平行に引戸本体開き側へ延びる延出部53Aが設けられている。これらの延出部9Aと53Aとの間にそれぞれの下地部材50の一方の端部が挿入され、これらの端部はドリルねじ等の止着具54で補助部材53に止められており、また、それぞれの下地部材50の他方の端部は前述した戸尻側の縦枠8にドリルねじ等の止着具54で止められている。
【0067】
図5に示すように、内部が戸袋7となっている壁4の一方の側と他方の側の外面は、戸袋7の内外方向(壁4の厚さ方向)に重ねられた内外2枚の外面形成部材55,56で形成され、石膏ボード製であるこれらの外面形成部材55,56のうち、内側の外面形成部材55は、上下に間隔を開けて平行に配設されている下地部材50同士の間に複数組み込まれている。これらの外面形成部材55の厚さは下地部材50の図9で示した屈曲突辺部51Aの戸袋内外方向の幅寸法Wと対応しており、下地部材50同士の間に配置されているそれぞれの外面形成部材55は、上下端部が下地部材50のフランジ部52に押し当てられている。図9に示すとおり、これらのフランジ部52には両面粘着テープ57が予め取り付けられているため、外面形成部材55はこれらの両面粘着テープ57で下地部材50に固定されている。
【0068】
図7は、図5における最下段から3段目の下地部材50Dの部分を示す拡大図であり、上述したように、この下地部材50Dにおける両方のフランジ部52に、この下地部材50Aの上下に配置されている外面形成部材55が図9で示された両面粘着テープ57で固定されている。
【0069】
また、それぞれの外面形成部材55の前記開口部6側の端部は、図8で示した竪額縁9の延出部9Aと補助部材53の延出部53Aとの間に挿入されている。
【0070】
図6は図5で示された戸袋7の下部の拡大図であり、戸袋7の下部には内外二重の幅木58,59が配置され、内側の幅木58の両端立上部58Aと外側の幅木59の両端立上部59Aとの間に最下段の外面形成部材55の下端部が挿入されている。
【0071】
以上のように配置された内側の外面形成部材55の外側に、図1の表裏両側において外面形成部材56が配置されている。下地部材50をも覆う大面積となっているこの外側の外面形成部材56は、下地部材50の屈曲突出部51、補助部材53の延出部53A、外側の幅木59の両端立上部59Aにステープル等の止着具で結合されている。外面形成部材56の表面にはビニルクロス等の化粧部材が被せられ、これにより、戸袋7が内部に収納されている前記壁4の表面が仕上げられている。
【0072】
前述したように、病院の廊下と病室との間を開閉自在に仕切るための手段として設置されている本実施形態に係る引戸装置においては、図1に示すように、戸袋7の箇所に電気装置であるナースコール60が取り付けられている。このナースコール60まで延びる電気配線61は、最下段から3段目の下地部材50Dに沿って戸袋7の内部に配設されており、この配設を行うために、図8で示すように、外面形成部材56及び下地部材50Dに電気配線61を通すための孔62,63が形成され、また、電気配線61は引戸本体閉じ側の縦枠8に形成された孔64を通って戸袋7から外れた壁4の部分の内部から導入されており、この壁4の内部を通って電気配線61は所定位置まで達している。
【0073】
また、電気配線61は、図7で示されているとおり、上下方向の途中部に戸袋外側へ突出した屈曲突出部51が形成された下地部材50Dの空間部S1、具体的に説明すると、戸袋外側へ突出した屈曲突出部51よりも戸袋内側において、この屈曲突出部51と上下2個の屈曲突辺部51Aとで下地部材50Dに形成されている空間部S1に配設され、この電気配線61は、上下2個の屈曲突辺部51Aのうち、空間部S1の下面となっている下側の屈曲突辺部51Aの上に置かれている。
【0074】
そして、電気配線61は、その延設方向の複数箇所において、下地部材50に取り付けられた保持部材65で保持されている。
【0075】
以上の電気配線61は、引戸装置の組立設置作業を行う前までに図8で示した縦枠8の手前まで延設されており、縦枠8等からなる引戸装置の外枠組み体が形成された後、電気配線61は縦枠8の孔64に通される。また、電気配線61は、下地部材50Dが図8で示した止着具54で補助部材53の延出部53Aと縦枠8に結合される前に、下地部材50Dに取り付けられた保持部材65で保持されてこの下地部材50Dの屈曲突辺部51Aの上に載せられるとともに、下地部材50Dの孔63から導出され、この後、下地部材50Dは止着具54で補助部材53の延出部53Aと縦枠8に結合される。
【0076】
外面形成部材56を下地部材50D等に前述したようにステープル等の止着具で固定するときには、この外面形成部材56に形成した孔62に電気配線61が通され、また、外面形成部材56の表面にビニルクロス等の化粧部材を被せるときは、この化粧部材に設けた孔に電気配線61が通される。この後、電気配線661と接続されたナースコール60を外面形成部材56及び下地部材50Dに図示しない止着具で取り付ける作業が行われる。
【0077】
以上により、ナースコール60のための電気配線61を配設しながら、引戸装置の組立設置作業が終了する。
【0078】
以上説明した本実施形態によると、それぞれの下地部材50は戸袋外側へ屈曲突出した屈曲突出部51を有する屈曲材からなり、このため、下地部材50自体の強度、及び下地部材50を骨組み材又は補強材としている戸袋7の全体強度が大きくなっているとともに、ナースコール60のための電気配線61は、屈曲突出部51によって下地部材50Dに形成されていて、戸袋7の内外方向を厚さ方向とする空間部S1に配設されているため、下地部材50Dの強度を大きくするために自ずと下地部材50Dに形成されている空間部S1を有効に利用して電気配線61を合理的に配設できることになる。
【0079】
また、下地部材50Dは屈曲突出部51によって大きな強度を有するものとなっているため、下地部材50Dに沿って電気配線61を配設することにより、電気配線61を下地部材50Dで有効に保護できる。
【0080】
さらに、空間部S1は、戸袋7の左右方向の全体に亘る長さとなっている下地部材50Dの全長に連続して形成されているため、電気配線61を戸袋7の左右方向の任意な位置から任意な位置まで配設することができる。
【0081】
また、電気配線61は、下地部材50Dにおける戸袋外側へ水平又は略水平に突出した屈曲突辺部51Aの上に載せられて配設されているため、電気配線61の配設を安定させることができる。
【0082】
さらに、電気配線61は、下地部材50Dに取り付けられた保持部材65で保持されているため、空間部S1からの電気配線61の脱落は防止され、電気配線61を所定位置に所定どおり配設できる。そして、保持部材65は、屈曲突出部51で強度が大きくなっている下地部材50Dに取り付けられているため、下地部材50Dへの保持部材65自体の取付強度も大きくできる。
【0083】
また、電気配線61が配設された下地部材50Dの空間部S1は、戸袋内側の側面が開放されたものとなっているが、戸袋外側の側面は屈曲突出部51で塞がれた状態となっているため、この屈曲突出部51及びこの屈曲突出部51の外側に配置された外面形成部材56により、電気配線61が外部に露出することはなく、また、これらの屈曲突出部51と外面形成部材56によって電気配線61を外力から保護できる。
【0084】
図10は、電気配線61を配設するための空間部の別実施形態を示す。この実施形態における下地部材150も、前記実施形態と同じく、上下方向の途中部に戸袋外側へ屈曲突出した屈曲突出部151を有する屈曲材からなり、上下の幅狭のフランジ部152から屈曲突出部151の上下2個の屈曲突辺部151Aが直角又は略直角に折り曲げられている。
【0085】
この実施形態では、2個の下地部材150が上下に並設され、上側の下地部材150における下側の屈曲突辺部151Aとフランジ部152及び下側の下地部材150における上側の屈曲突辺部151Aとフランジ部152により、戸袋内側の側面が塞がれているとともに、戸袋外側の側面が開放されている空間部S2が形成されている。戸袋7の内外方向を厚さ方向とするこの空間部S2に電気配線61が配設され、電気配線61は下側の下地部材150における上側の屈曲突辺部151Aの上に載せられているとともに、この下地部材150に取り付けられた保持部材65で保持されている。
【0086】
そして、空間部S2の開放されている戸袋外側の側面は、それぞれの下地部材150の屈曲突出部151にステープル等の止着具で固定される外面形成部材56で覆われている。
【0087】
この実施形態によっても、強度を大きくするために屈曲材となっている下地部材150で形成される空間部S2を利用して電気配線61を合理的に配設できることになり、この空間部S2の戸袋外側の側面が開放されていても、この側面は外面形成部材56で覆われるため、電気配線61が外部に露出することはない。
【0088】
図11は、電気配線61を配設するための空間部のさらなる別実施形態を示す。この実施形態における下地部材250も、上下方向の途中部に屈曲突出部251が形成された屈曲材からなり、上下の幅狭のフランジ部252から屈曲突出部251の上下2個の屈曲突辺部251Aが直角又は略直角に折り曲げられているが、屈曲突出部251の突出方向は戸袋内側である。
【0089】
この実施形態では、屈曲突出部251と上下2個の屈曲突辺部251Aとで形成されている空間部S3に電気配線61が配設され、この電気配線61は下側の屈曲突辺部251Aの上に載せられているとともに、下地部材250に取り付けられた保持部材65で保持されている。
【0090】
空間部S3における戸袋内側の側面は下地部材250の屈曲突出部251で塞がれているが、戸袋外側の側面は開放され、この開放された側面は、図10の実施形態と同じく、下地部材250の屈曲突出部251にステープル等の止着具で固定される下地部材56で覆われている。
【0091】
この実施形態でも、強度を大きくするために屈曲材からなる下地部材150で形成される空間部S3を利用して電気配線61が合理的に配設され、この空間部S3の戸袋外側の側面が開放されていても、この側面は外面形成部材56で覆われるため、電気配線61が外部に露出することはない。
【0092】
以上説明したそれぞれの実施形態から分かるように、電気配線61を配設するための空間部を形成する下地部材の形状、個数等は任意である。
【0093】
図12〜図14は、電気配線61の配設場所及びその配設方向に関する別実施形態を示す。
【0094】
この実施形態では、図12及び図12のS13−S13線断面図である図13に示されているように、引戸装置の前記外枠組み体を形成する部材となっていて、戸袋7における引戸本体1の移動で開閉される前記開口部6の側の見切り材となっている竪額縁9の内部の空間部S4に電気配線61を配設し、この電気配線61を前記下地部材50Dが接続されている竪額縁9の箇所からこの下地部材50Dへ湾曲侵入させ、下地部材50Dへ侵入した電気配線61を、図7及び図8で示した実施形態と同じく、下地部材50Dに取り付けられた保持部材65で保持させて図12で示すナースコール60側へ延設し、そしてナースコール60に接続している。
【0095】
図13で示されているように、竪額縁9及び前記補助部材53の下地部材50Dとの接続箇所には切欠部70が形成され、この切欠部70を跨ぐように、図14で示したガイド部材71が設けられている。このガイド部材71の一端71Aは両面粘着テープ等の結合部材で竪額縁9の内面に結合されている。
【0096】
この実施形態では、竪額縁9の内部の空間部S4に電気配線61を上方から挿入する作業を行うことにより、この電気配線61をガイド部材71で案内させて下地部材50Dへ湾曲配線することができる。この作業は、下地部材50Dを前述のとおりに竪額縁9と縦枠8との間に架設した後であって、下地部材50に外面形成部材55,56を取り付ける前に行われる。
【0097】
なお、図13で示されている切欠部70から戸袋7の内側へ露出するガイド部材71の一部分の外側を覆うためのカバーを竪額縁9に設けてもよい。
【0098】
この実施形態によっても、引戸装置の外枠組み体を形成している部材の内部の空間部を有効に利用して電気配線61を合理的に配設できることになる。
【0099】
以上において、図1、図12の実施形態では、ナースコール60は下地部材50Dと同じ配置位置に設けられ、この下地部材50Dにビス等の止着具で止着されるようになっていたが、ナースコール60の配置位置を、図1、図12で上下4本示されている下地部材50のうちの上下2本の下地部材の間とし、これらの下地部材に架け渡したブラケットにナースコール60をビス等の止着具で止着してもよい。
【0100】
また、ナースコール60の配置位置を図1、図12で示されている戸袋7から外れた位置とし、その配置位置まで電気配線61を延設してもよい。
【0101】
【発明の効果】
本発明によると、引戸装置において配線、配管類を合理的に配設できるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る引戸装置の全体を示す正面図である。
【図2】引戸本体を移動させるための移動機構を示す図であって、引戸本体が閉じ限位置に達しているときを示す図である。
【図3】引戸本体を移動させるための移動機構を示す図であって、引戸本体が開き限位置に達しているときを示す図である。
【図4】図1のS4―S4線断面図である。
【図5】図1のS5―S5線断面図である。
【図6】図5で示された戸袋の下部の拡大図である。
【図7】電気配線が配設された下地部材の部分を示す図5の一部拡大図である。
【図8】図1のS8―S8線断面図である。
【図9】下地部材の全体斜視図である。
【図10】電気配線を配設するための別実施形態に係る空間部を示す図7と同様の図である。
【図11】電気配線を配設するためのさらなる別実施形態に係る空間部を示す図7と同様の図である。
【図12】電気配線を、戸袋における引戸本体の移動で開閉される開口部の側の見切り材となっている竪額縁の内部の空間部に配設した実施形態を示す図1と同様の図である。
【図13】図12のS13−S13線断面図である。
【図14】図12の実施形態における電気配線が配設された箇所を示す要部断面の拡大図である。
【符号の説明】
1 引戸本体
4 壁
6 引戸本体の移動で開閉される出入り口用開口部
7 戸袋
9 戸袋における開口部の側の見切り材である竪額縁
10 引戸本体の移動を案内するガイド部材であるガイドレール
50,50A〜50D,150,250 下地部材
51、151,251 屈曲突出部
51A,151A,251A 屈曲突辺部
55,56 外面形成部材
60 ナースコール
61 電気配線
65 保持部材
S1,S2,S3,S4 空間部
Claims (7)
- 外枠組み体と、この外枠組み体の内側で移動する引戸本体とを有する引戸装置において、
前記引戸本体が収納される戸袋を有するとともに、この戸袋は前記外枠組み体を形成するものとなっており、
前記戸袋での前記外枠組み体の外面が外面形成部材で形成されているとともに、この外面形成部材の配置位置には、前記戸袋の骨組み材又は補強部材となっていて、前記引戸本体の移動方向に長くなっている下地部材が配置され、
前記戸袋での前記外枠組み体の前記外面形成部材及び前記下地部材による厚さの範囲内に、前記引戸本体の移動方向へ延びる空間部が形成され、この空間部に、配線、配管類が前記引戸本体の移動方向へ延びて配設されていることを特徴とする引戸装置。 - 請求項1に記載の引戸装置において、前記配線、配管類は、前記戸袋における前記引戸本体の移動で開閉される開口部の側の見切り材の内部にも配設されていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1又は2に記載の引戸装置において、前記下地部材は前記戸袋の内外方向に屈曲した屈曲材からなり、この下地部材の屈曲により前記空間部が形成されていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項3に記載の引戸装置において、前記下地部材は、フランジ部と、このフランジ部から前記戸袋の厚さ方向にずれた位置に設けられた屈曲突出部と、これらのフランジ部と屈曲突出部とを連結する屈曲突辺部とを有し、前記配線、配管類は前記屈曲突辺部の上に置かれていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の引戸装置において、前記空間部は、戸袋内側の側面が開放され、戸袋外側の側面が塞がれたものとなっていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の引戸装置において、前記空間部は、戸袋内側の側面と戸袋外側の側面との両方が塞がれたものとなっていることを特徴とする引戸装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の引戸装置において、前記配線、配管類は、前記下地部材に取り付けられた保持部材で保持されて前記空間部に配設されていることを特徴とする引戸装置。
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