JP4689853B2 - 引戸装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引戸本体が収納される戸袋を備えた引戸装置に係り、例えば、引戸本体が上部のガイド#部材から吊り下げられて案内移動する上吊り式の引戸装置等に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
建物内の部屋と廊下を仕切るためや、部屋同士等を仕切るために上吊り式の引戸装置が用いられ、この上吊り式の引戸装置では、無目の内部に配置されたガイドレールから引戸本体が吊り下げられ、ガイド部材になっているこのガイドレールに案内されて引戸本体が移動することにより出入口等の開口部が開閉され、開口部を開いた引戸本体は壁に設けられた戸袋に収納される。
【0003】
各種の引戸装置のなかには、戸袋が壁の内部に設けられているタイプ、すなわち、戸袋が壁収納型となっているものがあり、他のタイプとしては、戸袋が壁との連続性をもって壁に設置されているが、構造や使用材料の点で壁と異なっており、戸袋を外部から認識できてこの戸袋が壁から露出している外部露出型となっているものがある。戸袋は、これらいずれのタイプでも、この下地部材に石膏ボード又は金属パネル等による外面形成部材を取り付けることにより形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
壁の厚さ寸法は、その壁が設けられている建物の部位や、その建物の種類等に応じて設定される。したがって、引戸装置の戸袋が設置される壁には、厚さ寸法の異なるものがある。
【0005】
上記壁収納型の戸袋においては、戸袋の部分の表面位置と、戸袋から外れた壁の部分の表面位置とを一致又は略一致させることが必要な場合がある。また、前記外部露出型の戸袋においても、壁との連続性等に関して戸袋の外観を良好とするために、戸袋の表面位置と、戸袋から外れた壁の表面位置とを一致又は略一致させることが必要な場合がある。
【0006】
これらの場合において、厚さ寸法の異なるそれぞれの壁に対処するために、戸袋の外面を形成している外面形成部材を取り付けるための前記下地部材として、戸袋の内外方向の寸法が異なる複数種類の下地部材を用意し、これらの中から使用する下地部材を壁の厚さ寸法に応じて選択し、これにより、戸袋の部分の表面位置と、戸袋から外れた壁の部分の表面位置とを一致又は略一致させるようにすることが考えられるが、これによると、壁の厚さ寸法に応じて戸袋の内外方向の寸法が異なる複数種類の下地部材を用意しておかなければならず、下地部材の製造や、製造された下地部材の管理等が面倒になるため、これを有効に解決できる工夫が求められる。
【0007】
本発明の目的は、厚さ寸法が異なるそれぞれの壁について、戸袋の内外方向の寸法が同じになっている下地部材を用いて戸袋を形成できるようになる引戸装置を提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る引戸装置は、引戸本体を収納する戸袋が壁に設けられているとともに、この戸袋が下地部材に外面形成部材を取り付けることにより形成されている引戸装置において、厚さ寸法の異なるそれぞれの前記壁について、前記戸袋の内外方向における前記下地部材の配置位置が、前記外面形成部材の表面位置と前記戸袋の部分から外れた前記壁の部分の表面位置とを一致又は略一致させる位置になっていることを特徴とするものである。
【0009】
この引戸装置では、戸袋の内外方向における下地部材の配置位置が、外面形成部材の表面位置と戸袋の部分から外れた壁の部分の表面位置とを一致又は略一致させる位置になっており、壁の厚さ寸法に応じて下地部材の戸袋内外方向の寸法を変えるのではなく、下地部材の戸袋内外方向における配置位置を変えているため、厚さ寸法の異なるそれぞれの壁について、戸袋内外方向の寸法が同じになった下地部材を用いることができる。
【0010】
このため、厚さ寸法が異なっているそれぞれの壁に設ける戸袋は同じ下地部材を用いて形成できるようになり、言い換えると、下地部材の共通化を達成でき、戸袋内外方向の寸法が異なる複数種類の下地部材を製造する必要がないため、下地部材の製造やその管理等が容易になる。
【0011】
戸袋内外方向の寸法が同じになっている下地部材を用いて形成する戸袋は、壁の内部に設けられる壁収納型でもよく、外部から認識できて壁から露出している外部露出型でもよい。
【0012】
なお、本発明において、戸袋内外方向の寸法が同じになっている下地部材とは、戸袋内外方向の寸法が正確に一致している下地部材と、例えば、製造誤差や施工誤差等の誤差のために戸袋内外方向の寸法に多少の相違がある下地部材との両方を含むものである。
【0013】
また、以上において、下地部材に外面形成部材を取り付けることにより形成される戸袋は、下地部材及び外面形成部材が引戸本体の一方の面と他方の面とに対向する両方の側にあって、引戸本体の両方の面を覆う袋状になっているものでもよく、あるいは、下地部材及び外面形成部材が引戸本体の片面側だけにあり、引戸本体の片側だけ覆う片面タイプのものでもよい。また、袋状になっている戸袋については、一方の側と他方の側にある下地部材及び外面形成部材がこれらの側について同じ種類の材料による同じ厚さのものでもよく、材料と厚さのうちの少なくとも一方が異なるものでもよい。
【0014】
さらに、下地部材は、金属パネル等のように平面状部材でもよく、例えば、アングル材等のように、戸袋の外側と内側のうちの少なくとも一方へ屈曲した屈曲部を有する屈曲材でもよい。この屈曲材には、チャンネル材(リップ付きとリップ無しの両方を含む)、I型材、H型材、T型材が含まれ、また、長さ方向と直角をなす幅方向の途中部に戸袋の内側と外側のうちの少なくとも一方へ屈曲突出した屈曲突出部をしているものも含まれる。
【0015】
このように下地部材を戸袋の外側と内側のうちの少なくとも一方へ屈曲した屈曲部を有するものとした場合には、それだけ下地部材の強度を大きくできることになり、この結果、外面形成部材が取り付けられ、戸袋の骨組み材となっている下地部材の強度に関する機能を向上させることができる。
【0016】
以上において、外面形成部材は、戸袋内外方向に複数枚とすること、すなわち戸袋内外方向に複数枚重ねたものとしてもよく、戸袋内外方向に1枚だけとしてもよい。
【0017】
外面形成部材を戸袋内外方向に複数枚とすると、戸袋の耐火性や防音性等の性能を向上させることができる。戸袋の内外方向に重ねる外面形成部材の枚数は、2枚でもよく、3枚やそれ以上でもよい。
【0018】
このように戸袋内外方向に複数枚の外面形成部材を重ねる場合においては、全部の外面形成部材を下地部材に対して戸袋外側に配置してもよく、あるいは、下地部材が前述したように戸袋の外側と内側のうちの少なくとも一方へ屈曲した屈曲部を有している場合には、内側の外面形成部材、言い換えると、複数枚の外面形成部材のうちの最も戸袋内側に配置される外面形成部材を、この外面形成部材の端面と、下地部材の屈曲部とを対向させて配置させ、この外面形成部材の外側に別の外面形成部材を配置するようにしてもよい。
【0019】
これによると、下地部材の屈曲部によって形成される空間部を有効に利用して内側の外面形成部材の配置を行えるようになる。
【0020】
また、この場合において、引戸本体に対する同じ側に配置する下地部材の個数は1個だけでもよく、間隔を開けた複数個でもよい。
【0021】
また、引戸本体に対する同じ側に配置する下地部材の個数を間隔を開けた複数個とし、かつ、それぞれの下地部材を戸袋の外側と内側のうちの少なくとも一方へ屈曲した屈曲部を有するものとする場合には、前記内側の外面形成部材を、この内側の外面形成部材の端面と屈曲部とを対向させて複数個の下地部材同士の間に配置し、その外側の別の外面形成部材を配置してもよい。
【0022】
これによると、下地部材の取り扱いの容易化や全体重量の軽量化等のために下地部材を間隔を開けて配置された複数個としても、戸袋内外方向に複数枚の外面形成部材を有効に配置できるようになる。
【0023】
このように下地部材を間隔を開けた複数個とする場合には、これらの下地部材の間隔方向を戸袋の幅方向としてもよく、この幅方向と直角をなす方向としてもよく、これらの方向と傾き角度をなす方向でもよい。さらには、複数の下地部材のうちの一部と他の下地部材とを、格子形等をなすように互い交叉させ、かつ同じ向きに延びる下地部材同士を間隔を開けて配置してもよい。
【0024】
以上のように下地部材の個数が1個である場合と複数個である両方の場合であって、複数枚の外面形成部材を戸袋内外方向に配置する場合には、内側の外面形成部材の外側に配置される前記別の外面形成部材は、戸袋の部分だけの外面形成部材になっていてもよく、戸袋から外れた前記壁の部分の外面形成部材にもなっていてもよい。
【0025】
後者によると、外面形成部材は、戸袋の部分と、この戸袋から外れた壁の部分との両方に跨るまで大きなものとなる。これにより、外観上の戸袋は壁の内部に設けられたものとなるため、前記別の外面形成部材をこのように大きなものにすることは、戸袋を壁収納型とする場合に好適である。
【0026】
また、前述のように内側の外面形成部材と下地部材の屈曲部とを対向させてこの内側の外面形成部材を配置する場合には、内側の外面形成部材の厚さ寸法を屈曲部の戸袋内外方向の寸法と対応させることが好ましい。
【0027】
このようにすると、屈曲部で形成される空間の大きさが内側の外面形成部材の大きさと対応することになり、この空間に有効に内側の外面形成部材を配置できるとともに、この外面形成部材を下地部材に取り付ける場合には、この取り付けも容易になる。
【0028】
以上の本発明は各種構造、形式の引戸装置に適用でき、その一例は、引戸本体が上部に配置されたガイド部材から吊り下げられ、このガイド部材が戸袋の内部まで延びている上吊り式引戸装置である。また、他の例は、引戸本体が下部に施設されたガイドレールに案内されて移動する引戸装置である。
【0029】
前者の引戸装置において、ガイド部材はガイドレールでもよく、スライディングレールでもよい。
【0030】
また、前者及び後者の引戸装置において、引戸本体の移動は人手操作によって行われてもよく、駆動装置によって行われてもよい。また、この駆動装置は、引戸本体の閉じ移動と開き移動の両方を自動的に行うものでもよく、これらのいずれか一方を自動的に行い、他方を人手操作で行うものでもよい。
【0031】
この駆動装置の駆動原理は任意なものでよく、例えば、蓄圧されたばね力によって引戸本体を引っ張り移動させる渦巻きばね式のものでもよく、シリンダで引戸本体を移動させるシリンダ式のものでもよく、モータで回転するピニオンで引戸本体を移動させるモータ式のものでもよく、電磁石の吸引力、反発力で引戸本体を移動させるリニアモータ式のもの等でもよい。
【0032】
また、駆動装置はガイド部材等の不動部材側に取り付けてもよく、移動する引戸本体等の移動体側に取り付けてもよい。
【0033】
また、本発明は、引戸本体の移動が引戸本体の自重で自動的になされるように、上記ガイド部材が引戸本体の閉じ側又は開き側に下り傾斜で固定的に配置され、又は閉じ側と開き側に傾斜方向が可変に配置された引戸装置にも適用できる。この場合におけるガイド部材は、引戸本体の移動方向へ連続した1本のものでもよく、途中で分割されて複数本となったものでもよい。
【0034】
さらに、本発明が適用される引戸装置は、引戸本体が1個のものでもよく、複数個のものでもよい。引戸装置が複数個の引戸本体を備えている場合において、これらの引戸本体は引き分け式となっていてもよく、引き違い式になっていてもよく、これら両方のものが組み合わせられたものでもよく、さらには、引戸本体が戸袋を間に挟んでその両側に配置された引戸装置にも本発明を適用できる。
【0035】
このように、複数個の引戸本体を備えた引戸装置に本発明を適用するとき、その戸袋は1個の引戸本体を収納するためのものでもよく、複数個の引戸本体を収納するためのものでもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。初めに、本実施形態に係る引戸装置の全体を説明する。
【0037】
図1は、本実施形態に係る引戸装置の全体を示す正面図である。この引戸装置は、建物内の廊下と部屋との間を開閉自在に仕切るための室内用仕切り手段として設置され、引戸本体1は把持部1Aを把持することにより左右動させることができ、左右動すると引戸本体1は、無目2と引戸本体戸先側の縦枠3と壁4と床5とに囲まれて形成されている出入口用の開口部6を開閉し、この開口部6を開いたときの引戸本体1の大部分は壁4の内部に形成されている戸袋7に収納される。すなわち、本実施形態に係る引戸装置は、開口部6を開いたときの引戸本体1が収納される戸袋7が壁4の内部に設けられている壁収納型の引戸装置になっている。
【0038】
また、引戸装置の外枠組み体の基本構造は、無目2と、引戸本体戸先側の縦枠3と、引戸本体戸尻側の縦枠8とで形成され、この引戸本体戸尻側の縦枠8により戸袋7の終端部が形成されている。
【0039】
無目2は、無目本体2Aと、この無目本体2Aに止めねじ等の止め具で取り付け、取り外し自在になっていて、無目本体2Aに対して開閉自在になっている点検用カバー2Bとからなる。無目本体2Aは、図1のS5―S5線断面図である図5に示されているように、戸袋7まで延びる長さを有し、点検用カバー2Bは、無目本体2Aの全長のうち、開口部6の上部に相当する位置だけに設けられている。
【0040】
図2及び図3には、引戸本体1を移動させるために無目本体2A及び壁4の内部に配置された移動機構が示されている。図2は、この移動機構によって引戸本体1が閉じ限位置に達しているときを示し、図3は、引戸本体1が開き限位置に達しているときを示す。
【0041】
図2に示すように、無目本体2Aの内部には引戸本体1の移動を案内するためのガイド部材であるガイドレール10が組み込まれ、上記移動機構を形成する部材であって、無目本体2Aの略全長に亘る長さを有するこのガイドレール10は、図1のS4―S4線断面図である図4に示すとおり、無目本体2Aの内部に設けられている取付部材11に取り付けられ、戸袋7の内部まで延びている。同一断面形状が長さ方向に連続しているこのガイドレール10は、取付部材11に取り付けられた基部10Aと、この基部10Aの下端から引戸本体1の厚さ方向に水平に延びるアーム部10Bと、このアーム部10Bの先端から垂直に立ち上がった係合部10Cとを有する。
【0042】
図2で示すように、引戸本体1には、ローラブラケット13,14に回転自在に取り付けられた2個のローラ15,16が引戸本体1の移動方向に配設され、ローラブラケット13,14を介して引戸本体1の上部に配置されているこれらのローラ15,16は、図4に示すように、引戸本体1の上方に不動部材となって水平に架設されているガイドレール10の係合部10Cに係合している。このため、引戸本体1は、ローラ15,16が係合部10C上を転動することによりガイドレール10に沿って移動するとともに、引戸本体1は、ガイドレール10の係合部10Cにローラ15,16及びローラブラケット13,14を介して吊り下げられた上吊り式となっている。
【0043】
また、図1に示すように、戸袋7に近い開口部6の床5には、垂直軸を中心に回転自在となったガイドローラ17が配置され、このガイドローラ17は、図4に示すとおり、引戸本体1の下端に下向きに開口して配置されているチャンネル部材1Bの内部に挿入されており、ガイドレール10に沿った引戸本体1の移動は、引戸本体1の下端がこのガイドローラ17で案内されながらなされる。
【0044】
図2に示されているように、ガイドレール10の引戸本体開き側の端部には、引戸本体1を開き限位置に停止させるためのストップ装置20が取り付けられ、このストップ装置20は、引戸本体閉じ側に向けて本体21に突設されたゴム等の弾性材料からなるストップ部材22と、本体21に取り付けられた小径ローラによる被係止部材23とを有する。一方、引戸本体1に設けられている2個のローラブラケット13,14のうち、引戸本体開き側のローラブラケット14の後端には板状の受け部材24が結合され、この受け部材24には板ばねの折り曲げで形成されている係止部材25が取り付けられている。
【0045】
引戸本体1を前記把持部1Aで開き側に移動させ、この移動が開き限位置に達すると、図3に示されているように、被係止部材23には、一旦上向きに湾曲変形してもとの形状に弾性復帰する係止部材25が係止するとともに、受け部材24はストップ部材22に当接し、これにより引戸本体1は開き限位置に停止する。
【0046】
また、引戸本体1の把持部1Aに引戸本体閉じ側への操作力を作用させた場合には、被係止部材23から上向きに弾性変形する係止部材25が離脱するため、引戸本体1はガイドレール10とガイドローラ17に案内されて閉じ側へ移動する。
【0047】
また、図2及び図3に示されているように、引戸本体1に設けられている2個のローラブラケット13,14のうち、引戸本体閉じ側のローラブラケット13には、引戸本体1を閉じ移動させるための駆動装置30のケーシング30Aがブラケット31で取り付けられている。駆動装置30はケーシング30A内に回転自在に収納されたリール33を有し、このリール33の内部には渦巻きばねが配置され、この渦巻きばねの一端はリール33に結合されているとともに、他端はケーシング30Aに結合されている。
【0048】
また、リール33には、図2及び図3で示されているナイロン紐又はワイヤー等からなる紐状部材34が巻かれているとともに、この紐状部材34の一端が結合されている。この紐状部材34はケーシング30Aから導出され、紐状部材34の他端は、不動部材であって前述した外枠組み体を形成している縦枠3に設けられたフック部材35に係止されている。
【0049】
図2で示すように閉じ限位置に達している引戸本体1を把持部1Aで図3に示すように開き側へ移動させたときには、紐状部材34がリール33を回転させながら駆動装置30のケーシング30Aから繰り出され、このとき、リール33の内部の上記渦巻きばねがリール33の回転で蓄圧されるようになっている。このため、この後に把持部1Aから手を離すと(引戸本体1が図3のように閉じ限位置に達しているときには、前述のように、把持部1Aに操作力を作用させて被係止部材23から係止部材25を離脱させると)、渦巻きばねの蓄圧力によってリール33には、引戸本体1の開き移動時とは逆方向へ引戸本体1を移動させようとする回転力が生じているため、この回転力で緊張している紐状部材34の引張力によって引戸本体1は閉じ側へ引っ張られ、リール33が回転して紐状部材34を巻き取ることにより、引戸本体1は閉じ限位置まで自動的に移動する。
【0050】
したがって、本実施形態における引戸本体1を閉じ側へ自動的に移動させるための駆動装置30は渦巻きばね式であるとともに、紐状部材34の引張力による引張式駆動装置となっている。
【0051】
図2及び図3に示すように、ガイドレール10には、閉じ側への引戸本体1の移動速度を低速化させて制動させ、引戸本体1を閉じ限位置に減速させて到達させるための制動装置40が取り付けられている。この制動装置40は、シリンダ本体41と、シリンダ本体41にガイドレール10の長さ方向に伸縮自在に挿入されたピストンロッド42とを有するシリンダ装置で構成され、シリンダ本体41は、不動部材となっているガイドレール10に取り付けられている。
【0052】
図2及び図3で示すように、引戸本体1に2個設けられているローラブラケット13,14のうち、引戸本体開き側のローラブラケット14には、ピストンロッド42の先端部が挿抜自在となったキャッチ部材44が取り付けられ、ピストンロッド42の先端部と、この先端部が挿入されるキャッチ部材44の内部とのうち、一方には磁石が設けられ、他方にはこの磁石に吸着する磁性材料が設けられている。このため、ピストンロッド42とキャッチ部材44とは、磁力で接続分離自在となっている。
【0053】
図2に示すように引戸本体1が閉じ限位置に達しているときには、シリンダ本体41に対して収縮しているピストンロッド42の先端部がキャッチ部材44の内部に挿入された状態になっており、引戸本体1を開き側へ移動させると、ピストンロッド42の先端部とキャッチ部材44とが上記磁力で接続されているため、ピストンロッド42はシリンダ本体41に対して伸び作動する。このピストンロッド42が伸び作動限に達してもさらに引戸本体1が開き側に移動すると、図3に示すように、ピストンロッド42とキャッチ部材44とが分離し、ピストンロッド42はその位置で停止する。また、引戸本体1が前記引張式駆動装置30の駆動力で閉じ側へ移動し始め、そして引戸本体1が所定位置に達すると、キャッチ部材44はピストンロッド42に当接してこれらのキャッチ部材44とピストンロッド42とが上記磁力で再度接続され、引戸本体1がさらに閉じ側へ移動することにより、ピストンロッド42はシリンダ本体41に対して収縮作動する。
【0054】
なお、ピストンロッド42の先端部と、この先端部が挿入されるキャッチ部材44の内部とに互いに磁性が逆となった磁石を設けることにより、ピストンロッド42とキャッチ部材44とを上記と同様に接続分離自在としてよい。
【0055】
シリンダ本体41には、ピストンロッド42が伸び作動したときに多量のエアをシリンダ本体41の内部に吸引し、ピストンロッド42が収縮作動したときにはこのエアを絞りながら排出するバルブが設けられている。このため、ピストンロッド42が伸び作動する引戸本体1の開き移動時には、引戸本体1を軽く移動させることができ、また、ピストンロッド42が収縮作動する引戸本体1の閉じ移動時には、引戸本体1がシリンダ本体41の内部のエア圧力によって制動されながら移動し、減速された速度で閉じ限位置に達するようになっている。
【0056】
図1で示すように、戸袋7の部分には、横方向(戸袋7の幅方向であって、引戸本体1の移動方向)に細長い下地部材50が配置され、細長状部材となっているこの下地部材50は、上下方向に間隔を開けて複数設けられている。これらの下地部材50は、戸袋7の幅方向両端部まで達する同じ長さを有しているが、本実施形態に係る戸袋7には、図5に示されているように、上下寸法が異なる4種類の下地部材50A,50B,50C,50Dが用いられている。
【0057】
すなわち、戸袋7の両方の面において、言い換えると、引戸本体1の一方の面と他方の面とに対向する両方の側において、最下段の下地部材50は上下寸法が最も大きい下地部材50Aであり、最下段から2段目と3段目の下地部材50は上下寸法が最も小さい下地部材50Dである。下地部材50A同士、最下段から2段目の下地部材50D同士、最下段から3段目の下地部材50D同士は、それぞれ同じ高さ位置に配置されている。図5における右側の最上段の下地部材50、言い換えると、図1で示された側の最上段の下地部材50は、上下寸法が3番目に大きい下地部材50Cであり、図5における左側の最上段の下地部材50は、上下寸法が2番目に大きい下地部材50Bである。
【0058】
これらの下地部材50は金属板の折り曲げで形成されており、下地部材50の全体斜視図である図9で示すとおり、長さ方向と直角をなす幅方向の途中部、すなわち、上下方向の途中部には、下地部材50の厚さ方向に屈曲突出しかつ下地部材50の長さ方向へ連続して延びている屈曲突出部51が形成されており、この突出方向は戸袋7の外側である。このように、それぞれの下地部材50は戸袋7の外側へ屈曲した部分を有する屈曲部付き部材となっており、これらの下地部材50は、上下の幅狭のフランジ部52から屈曲突出部51の屈曲部51Aが直角又は略直角に折り曲げられたものとなっている。
【0059】
図1のS8−S8線断面図である図8に示すように、戸袋7の引戸本体閉じ側端部には見切り材としての竪額縁9が設けられ、この竪額縁9には戸袋7の内側において引戸本体開き側へ延びる延出部9Aが設けられている。また、竪額縁9には補助部材53が取り付けられ、アングル材からなるこの補助部材53には、戸袋7の内外方向への間隔を開けて延出部9Aと平行に引戸本体開き側へ延びる延出部53Aが設けられている。これらの延出部9Aと53Aとの間にそれぞれの下地部材50の一方の端部が挿入され、これらの端部はドリルねじ等の止着具54で補助部材53に止められており、また、それぞれの下地部材50の他方の端部は前述した戸尻側の縦枠8にドリルねじ等の止着具54で止められている。
【0060】
図5に示すように、内部が戸袋7となっている壁4の外面は、戸袋7の内外方向に重ねられた内外2枚の外面形成部材55,56で形成され、石膏ボード製であるこれらの外面形成部材55,56のうち、内側の外面形成部材55は、上下に間隔を開けて平行に配設されている下地部材50同士の間に複数組み込まれている。これらの外面形成部材55の厚さは下地部材50の図9で示した屈曲部51Aの幅寸法Wと対応しており、下地部材50同士の間に配置されているそれぞれの外面形成部材55は、上下端部が下地部材50のフランジ部52に押し当てられている。図9に示すとおり、これらのフランジ部52には両面粘着テープ57が予め取り付けられているため、外面形成部材55はこれらの両面粘着テープ57で下地部材50に固定されている。
【0061】
図7は図5の一部拡大図であり、最下段の下地部材50Aにおける両方のフランジ部52に、この下地部材50Aの上下に配置されている外面形成部材55が図9で示された両面粘着テープ57で固定されており、この下地部材50A以外の下地部材50についても、これと同様に外面形成部材55がフランジ部52に両面粘着テープ57で固定されている。
【0062】
また、それぞれの外面形成部材55の前記開口部6側の端部は、図8で示した竪額縁9の延出部9Aと補助部材53の延出部53Aとの間に挿入されている。
【0063】
図6は図5で示された戸袋7の下部の拡大図であり、戸袋7の下部には内外二重の幅木58,59が配置され、内側の幅木58の両端立上部58Aと外側の幅木59の両端立上部59Aとの間に最下段の外面形成部材55の下端部が挿入されている。
【0064】
以上のように配置された内側の外面形成部材55の外側に大面積を有する外側外面形成部材56が配置され、この外面形成部材56は、下地部材50の屈曲突出部51、補助部材53の延出部53A、外側の幅木59の両端立上部59Aにステープル等の止着具で結合されている。
【0065】
この外面形成部材56は、図5に示すとおり、上下に並設されているそれぞれの下地部材50及び内側の外面形成部材55を覆い、したがって床5から無目2を超えるまでの大きな上下寸法を有するとともに、図8に示すとおり、戸袋7から外れた壁4の部分まで延びる大きな横寸法を有するものである。このため、この外側の外面形成部材56は、戸袋7の部分から外れた壁4の部分の外面形成部材にもなっており、外面形成部材56の施工後、外面形成部材56の表面にビニルクロス等の化粧部材が被せられることにより、戸袋7の部分を含めた壁4が仕上られている。
【0066】
以上のことから、外面形成部材56によって形成されている戸袋7の表面位置と、外面形成部材56によって形成されている戸袋7から外れた壁4の部分の表面位置とは、一致している。
【0067】
以上において、図8に示すように、壁4の厚さ寸法はT1である。このような厚さ寸法T1の壁4を形成するために用いられている内側の外面形成部材55の厚さ寸法は、図7で示したt1であり、外側の外面形成部材56の厚さ寸法はt2である。t1とt2は同じでもよく、異なっていてもよい。t1は、前述したように、図9で示した下地部材50の屈曲部51Aにおける戸袋7の内外方向の寸法Wと対応しており、図8で示すように、戸袋7から外れた壁4の部分において、外側の外面形成部材56の内側に配置されている外面形成部材60の厚さ寸法は、t1と同じでもよく、t1と異なる寸法でもよい。
【0068】
図10は、厚さ寸法がT2となっている壁70の場合を示している。この場合には、T2は図8のT1よりも小さいため、戸袋7から外れた壁70の部分における内側の外面形成部材71の厚さ寸法は、図8における内側の外面形成部材60の厚さ寸法よりも小さい。しかし、外側の外面形成部材56は、図8の外側の外面形成部材56と同じものが使用され、また、それぞれの下地部材50は図8の下地部材50と同じものが使用され、竪額縁9及び補助部材53も図8の竪額縁9及び補助部材53と同じものが使用され、引戸本体1も図8の引戸本体1と同じものになっている。
【0069】
このように図10の下地部材50は図8の下地部材50と同じものであるため、図10の場合においても、上下に間隔を開けて並設されている下地部材50同士の間の配置される内側の外面形成部材は、図7で示された厚さ寸法t1の外面形成部材55と同じものが用いられている。
【0070】
一方、壁70の厚さ寸法T2はT1よりも小さいため、図10の場合には、引戸本体戸先側の縦枠72及び戸尻側の縦枠73と、無目と、戸袋70の下部に配置されている内外2個の幅木とのそれぞれは、図1等で示されているこれらの縦枠3,8、無目2、幅木58,59のそれぞれの戸袋内外方向の寸法よりも小さいものが使用されている。また、図10の場合には、引戸本体1と竪額縁9との間隔が図8よりも小さくなるため、竪額縁9に取り付けられている指詰め防止部材9Bは、図8の指詰め防止部材9Aよりも戸袋内外方向の寸法が小さなものとなっている。
【0071】
以上のように、図10の壁70の厚さ寸法T2が図8の壁4の厚さ寸法T1よりも小さくなっていても、図8と同じく、外面形成部材56によって形成されている戸袋7の表面位置と、外面形成部材56によって形成されている戸袋7から外れた壁4の部分の表面位置とは、一致している。
【0072】
これらの表面位置を一致させるために、図10の下地部材50の配置位置は、縦枠72,73、無目、幅木のそれぞれの戸袋内外方向の寸法の変更に伴って調整されている引戸本体1の一方の面の側と他方の面の側の2個の竪額縁9同士の間隔にしたがい、図8の下地部材50の配置位置よりも壁厚さ中心位置に近い位置になっている。具体的に説明すると、図8では、戸袋7の厚さ中心(すなわち壁4の厚さ中心)Nからの下地部材50の離間間隔はL1であるが、図10では、この離間間隔がL2になっており、L2は、L1に比べてT1とT2の差の半分だけ小さくなっている。
【0073】
すなわち、本実施形態では、壁の厚さ寸法が異なるそれぞれの引戸装置施工現場では、下地部材50の配置位置を戸袋内外方向における適性な位置に設定することにより、外面形成部材56によって形成される戸袋7の表面位置と、外面形成部材56によって形成される戸袋7から外れた壁の部分の表面位置とを一致させるようにしており、これらの一致を、戸袋内外方向の寸法が異なる複数種類の下地部材を用意しておき、引戸装置施工現場に応じてこれらのなかから下地部材を選択使用するのではないため、壁の厚さ寸法が異なるそれぞれの引戸装置施工現場において、戸袋内外方向の寸法が同じになった下地部材50を用いることができ、これにより、下地部材の共通化を図ることができる。
【0074】
この結果、下地部材50の製造及びその管理等を容易に行えるようになる。
【0075】
また、下地部材50は戸袋外側へ屈曲した屈曲部51Aを有するものであって、屈曲材となっているため、下地部材50の強度は大きくなっている。このため、この下地部材50が骨組み材となっている戸袋の強度も大きくできる。
【0076】
さらに、戸袋の外面は、戸袋内外方向に重ねられた2枚の外面形成部材55,56で形成されているため、戸袋の耐火性や防音性を向上させることができる。
【0077】
また、このように外面形成部材を戸袋内外方向に2枚としても、内側の外面形成部材55は、図7に示されているように、この外面形成部材55の端面と下地部材50の屈曲部51Aとを対向させて配置されているため、屈曲部51Aによって形成される戸袋内外方向を厚さ方向とする空間部に有効に内側の外面形成部材55を組み込むことができ、これにより、戸袋全体の厚さ寸法が大きくなるこを防止できる。
【0078】
さらに、下地部材50は戸袋全体と同じ又は略同じ面積を有する大きなものではなく、横方向に長い細長状部材であり、この下地部材50を戸袋の上下方向に間隔を開けて配置したため、下地部材を戸袋全体と同じ又は略同じ面積を有する大きなものとした場合と比べ、引戸装置施工現場等での下地部材の取り扱い性が向上し、その重量の軽量化も達成できる。
【0079】
また、上下に間隔を開けて配置されたそれぞれの下地部材50の屈曲部51Aと内側の外面形成部材55の端面55Aとを対向させて、この外面形成部材55Aを下地部材50同士の間に配置したため、下地部材50同士の間にできる空間部に外面形成部材55を有効に配置できる。
【0080】
さらにまた、下地部材50の屈曲部51Aの寸法Wと内側の外面形成部材55の厚さ寸法t1は対応しているため、屈曲部51Aで形成される空間部に外面形成部材55を配置したとき、下地部材50における屈曲部51Aと連続形成されている図7及び図9のフランジ部52に下地部材50を両面粘着テープ57で固定することができ、下地部材50への外面形成部材55の固定を容易に行える。
【0081】
なお、フランジ部52への外面形成部材55の固定は、両面粘着テープではなく、ステープル等の他の固定手段を行ってもよい。
【0082】
【発明の効果】
本発明によると、厚さ寸法が異なるそれぞれの壁について、戸袋の内外方向の寸法が同じになっている下地部材を用いて戸袋を形成できるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る引戸装置の全体を示す正面図である。
【図2】引戸本体を移動させるための移動機構を示す図であって、引戸本体が閉じ限位置に達しているときを示す図である。
【図3】引戸本体を移動させるための移動機構を示す図であって、引戸本体が開き限位置に達しているときを示す図である。
【図4】図1のS4―S4線断面図である。
【図5】図1のS5―S5線断面図である。
【図6】図5で示された戸袋の下部の拡大図である。
【図7】下地部材の部分を示す図5の一部拡大図である。
【図8】図1のS8―S8線断面図である。
【図9】下地部材の全体斜視図である。
【図10】厚さ寸法が異なる壁に設けた戸袋の場合を示す図8と同様の図である。
【符号の説明】
1 引戸本体
4,70 壁
7 戸袋
50,50A〜D 下地部材
51 屈曲突出部
51A 屈曲部
55 内側の外面形成部材
55A 端面
56 外側の外面形成部材

Claims (10)

  1. 引戸本体を収納する戸袋が壁に設けられているとともに、この戸袋が下地部材に外面形成部材を取り付けることにより形成されている引戸装置において、
    厚さ寸法の異なるそれぞれの前記壁について、前記戸袋の内外方向における前記下地部材の配置位置が、前記外面形成部材の表面位置と前記戸袋の部分から外れた前記壁の部分の表面位置とを一致又は略一致させる位置になっており、
    前記戸袋の引戸本体閉じ側端部には見切り材としての竪額縁が設けられ、この竪額縁には前記引戸本体の側へ突出する指詰め防止部材が取り付けられているとともに、厚さ寸法が小さい前記壁についてのこの指詰め防止部材の戸袋内外方向の寸法は、厚さ寸法が大きい前記壁についての前記指詰め防止部材の戸袋内外方向の寸法よりも小さくなっており、
    厚さ寸法が小さい前記壁についての前記引戸本体の戸袋内外方向の厚さ寸法と、厚さ寸法が大きい前記壁についての前記引戸本体の戸袋内外方向の厚さ寸法とが同じになっていることを特徴とする引戸装置。
  2. 請求項1に記載の引戸装置において、前記下地部材及び前記外面形成部材は前記引戸本体の一方の面と他方の面とに対向する両方の側にあり、これらの下地部材及び外面形成部材で形成される前記戸袋は前記引戸本体の一方の面と他方の面を覆うものになっていることを特徴とする引戸装置。
  3. 請求項1又は2に記載の引戸装置において、前記下地部材は、前記戸袋の外側と内側のうちの少なくとも一方へ屈曲した屈曲部を有するものとなっていることを特徴とする引戸装置。
  4. 請求項3に記載の引戸装置において、前記外面形成部材は前記戸袋の内外方向に複数枚あり、前記戸袋の部分における内側の外面形成部材は、この内側の外面形成部材の端面と前記屈曲部とが対向して配置され、前記内側の外面形成部材の外側に別の外面形成部材が配置されていることを特徴とする引戸装置。
  5. 請求項4に記載の引戸装置において、前記別の外面形成部材は、前記戸袋の部分から外れた前記壁の部分の外面形成部材にもなっていることを特徴とする引戸装置。
  6. 請求項3に記載の引戸装置において、前記下地部材は間隔を開けて複数個あり、前記外面形成部材は前記戸袋の内外方向に複数枚あるとともに、前記戸袋の部分における内側の外面形成部材は、この内側の外面形成部材の端面と前記屈曲部とが対向して前記複数の下地部材同士の間に配置されており、この内側の外面形成部材の外側に別の外面形成部材が配置されていることを特徴とする引戸装置。
  7. 請求項6に記載の引戸装置において、前記別の外面形成部材は、前記戸袋の部分から外れた前記壁の部分の外面形成部材にもなっていることを特徴とする引戸装置。
  8. 請求項5又は7に記載の引戸装置において、前記戸袋の部分から外れた前記壁の部分の外面形成部材となっている前記別の外面形成部材の内側にも、内側の外面形成部材が配置され、厚さ寸法が小さい前記壁についてのこの内側の外面形成部材の厚さ寸法は、厚さ寸法が大きい前記壁についての前記内側の外面形成部材の厚さ寸法よりも小さくなっていることを特徴とする引戸装置。
  9. 請求項4〜8のいずれかに記載の引戸装置において、前記戸袋の部分における前記内側の外面形成部材の厚さ寸法は、前記屈曲部における前記戸袋の内外方向の幅寸法と対応していることを特徴とする引戸装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の引戸装置において、外枠組み体の基本構造は、無目と、引戸本体戸先側の縦枠と、引戸本体戸尻側の縦枠とで形成され、この引戸本体戸尻側の縦枠により前記戸袋の終端部が形成されているとともに、厚さ寸法が小さい前記壁についてのこれらの無目と引戸本体戸先側の縦枠と引戸本体戸尻側の縦枠の戸袋内外方向の寸法は、厚さ寸法が大きい前記壁についての前記無目と引戸本体戸先側の縦枠と引戸本体戸尻側の縦枠の戸袋内外方向の寸法よりも小さくなっていることを特徴とする引戸装置。
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