JP4176267B2 - シャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間を仕切るシャッターカーテンの移動を案内するガイドレールからシャッターカーテンが抜けることを防止するシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造に係り、防火や防煙等を行う防災用シャッター装置のシャッターカーテンの抜け止め等に利用できる。
【0002】
【背景技術】
一般に、シャッター装置では、シャッターカーテンの左右両側の端縁部が、左右に対向配置されたガイドレールの溝状に形成された挿入部に挿入され、これによりシャッターカーテンの上下動が案内されるようになっている。この際、シャッターカーテンが正常な機能を営むためには、シャッターカーテンの端縁部が常にガイドレールの挿入部内に挿入された状態を保ち続けることが必要となる。このため、シャッターカーテンが布製スクリーン等の可撓性を有するものである場合には、シャッターカーテンが撓んでガイドレールから抜けてしまうおそれがあるので、これを防止するために、通常、シャッターカーテンの端縁部には、抜け止めのための構造が採られている。
【0003】
従来より、このようなシャッターカーテン抜け止め構造としては、シャッターカーテンの端縁部に適宜な間隔でボルトおよびナットからなる締結具を取り付け、これによりシャッターカーテンの端縁部を座金とともに締め込む構造が多く採用されている。このようにすれば、シャッターカーテンが撓んでカーテンの端縁部の位置が左右方向にずれても、締結具の一部分、すなわちボルトの頭やナットがガイドレールに接触して係止されることにより、シャッターカーテンがガイドレールから抜けてしまうことを防止できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したボルトおよびナットからなる締結具を用いてシャッターカーテンの端縁部を座金とともに締め込む構造では、座金がそれ程面積の大きな部材ではなく、かつ、その大きさも通常規格によりボルトの頭やナットの大きさに従って定まっていることから、大きな座金を用いたとしても、シャッターカーテンの端縁部と座金との接触面積を十分に確保するには限界がある。従って、ボルトおよびナットによる締込圧が、シャッターカーテンの端縁部の比較的局所に集中してしまうことになる。
【0005】
このため、シャッターカーテンが撓んでボルトの頭やナットがガイドレールに接触して係止され、これによりシャッターカーテンの端縁部に対してボルトおよびナットが相対的に左右方向の外向きに引っ張られた場合を考えると、その引張荷重がシャッターカーテンの端縁部の比較的局所に集中してかかることになるので、シャッターカーテンの損傷を防止する観点から、大きな引張荷重をかけることは回避しなければならない。
【0006】
ところが、近年、幅方向(左右方向)の寸法が大きい、いわゆる大開口用のシャッターカーテンを有するシャッター装置の設置要請が高まってきており、幅方向の寸法が大きくなればなる程、シャッターカーテンが風圧を受ける面積が大きくなり、また、撓み量も大きくなるため、抜け止め用の締結具は大きな引張荷重を受け易くなる。従って、抜け止め用の締結具に、より大きな引張荷重がかかっても、シャッターカーテンが損傷することのないような強度的に優れたシャッターカーテン抜け止め構造の開発が望まれている。
【0007】
特に、防災用シャッター装置の場合には、火災発生時に受ける風圧が大きいため、より高い耐風圧強度が要求されるうえ、防火や防煙等の目的を確実に果たすためにも、シャッターカーテンの抜けをより一層確実に防止する必要がある。従って、上記開発要請は、より一層強いものとなる。
【0008】
本発明の目的は、シャッターカーテンの耐風圧強度を向上させることができるシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、空間を仕切るシャッターカーテンの移動を案内するガイドレールからシャッターカーテンが抜けることを防止するシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、シャッターカーテンのカーテン移動方向に直交するカーテン幅方向についての端縁部の少なくとも一方の面に沿って配置されるプレートと、このプレートとシャッターカーテンの端縁部とを挟み込んで密着させる締結具とを備え、締結具はガイドレール内に配置され、締結具の一部分によりガイドレールに接触して係止される係止部が形成され、プレートのカーテン移動方向の寸法は、カーテン幅方向の寸法よりも大きいことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、カーテン移動方向とは、シャッターカーテンが開閉動作を行う際の開閉方向(閉動作のみを行う場合には、閉鎖方向)のことをいい、上下方向、左右方向、斜め方向、水平方向等、任意である。但し、防災用シャッター装置とする場合には、自重降下可能な方向としておくことが好ましい。
【0011】
そして、「カーテン移動方向に直交するカーテン幅方向」とは、シャッターカーテンに沿う面内においてシャッターカーテンの移動方向に直交する方向のことをいい、シャッターカーテンの厚さ方向(肉厚方向)を意味するものではない。
【0012】
また、「端縁部の少なくとも一方の面に沿って配置」とあるので、プレートは、シャッターカーテンの端縁部の両側の面に配置されていてもよく(例えば、後述する図2の場合等)、一方の面のみに配置されていてもよい。しかし、締結具による締込圧等の挟圧を、より一層確実に分散させることができるという観点から、プレートは、シャッターカーテンの端縁部の両側の面に配置しておくことが好ましい。また、両側の面に配置する場合には、部品点数削減という観点も含め、同一部材を両側の面に配置することが好ましい。但し、同一部材としなくても、例えば、厚さは異なるが面積が等しい部材等を用いれば同等の効果が得られる場合もあり、また、巻取式のシャッター装置であれば、巻取軸に巻かれた際に内側に来る方の部材を外側に来る方の部材よりも多少小さめにしておいてもよいので、異なる部材としてもよい。なお、プレートを両側の面に配置する場合の一態様として、両側のプレートが一体化されている場合も含まれる(例えば、後述する図7の場合等)。また、プレートを一方の面のみに配置する場合の一態様として、他方の面に通常の座金を配置する場合も含まれる。さらに、プレートを両側の面に配置する場合および一方の面のみに配置する場合のいずれの場合であっても、プレートの外側に通常の座金を配置し、これらを同時に締結具で挟み込むようにしてもよい。
【0013】
さらに、シャッターカーテンの材質は、少なくとも一部に可撓性を有する部分があるものであれば任意である。例えば、シート状部材やネット状部材等を含んで形成されたシャッターカーテンに適用することができる。そして、シート状部材は、布製のスクリーン、ビニールシート、ウレタンシート、ゴムシート等、可撓性のものであればいずれの種類のものでもよいが、防火や防煙等の防災目的に使用する場合には、例えば、シリカクロスまたはガラスクロス、あるいはこれらに耐火被覆材としての耐火塗料や防水被覆材を吹き付け若しくは塗布しまたは含浸させたもの等を好適に用いることができる。さらに、シート状部材は、ワイヤーメッシュ等の補強用の金属あるいは樹脂線材等と組み合わされたものであってもよく、このような補強を行えば、防災目的に使用する場合のみならず通常使用の場合でもシートが損傷しにくくなり、シートの耐久性を向上させることができるので有効である。また、ネット状部材であれば、例えば、ステンレス製線材や鋼製線材等の金属線材等を用いることができる。このように少なくとも一部に可撓性を有する部分があるシャッターカーテンは、鉄製スラットやパイプ等により形成されたシャッターカーテンが風圧を受けても撓まないか、あるいは撓んでも極微量であるのに対し、本質的に大きく撓み得るものであるから、本発明の抜け止め構造を適用すれば、有効に働くこととなる。また、少なくとも一部に可撓性を有する部分があるシャッターカーテンは、鉄製スラットやパイプ等により形成されたシャッターカーテンに比べ、強度的に弱いので、抜け止め用の締結具が引張力を受けた際には、その締結具の設置箇所近傍が損傷し易いため、本発明による抜け止め構造を採用し、このような損傷を防ぐことは有効なことである。
【0014】
また、締結具としては、係止部を形成できる部分を有するものであれば任意であり、ボルトおよびナット、リベット、ビス、ピン等が挙げられる。
【0015】
そして、プレートの大きさは、通常の座金よりも面積の大きいもの(好ましくは通常の座金の2倍以上の面積を有するもの)であればよく、プレートの形状は、カーテン移動方向の寸法がカーテン幅方向の寸法よりも大きくなるような形状であればよく、例えば、長方形、楕円形等を採用できる。但し、長方形とする場合には、角部にRを付けて丸みを持たせておくことがシャッターカーテンの損傷防止の観点から好ましい。さらに、プレートの材質としては、金属、セラミックス、合成樹脂、硬質ゴム、木材、あるいはこれらの複合材等を用いることができ、ある程度剛性を有し、力の伝達に適したものであれば任意である。なお、プレートのカーテン移動方向の寸法は、巻取式のシャッター装置の場合には、シャッターカーテンを巻取軸に巻き取る際に不都合のない大きさに収めておくことが必要である。
【0016】
また、「締結具はガイドレール内に配置され、締結具の一部分によりガイドレールに接触して係止される係止部が形成され」とあるが、このような抜け止め部材として機能する締結具の他に、抜け止め部材として機能しない(係止部を形成しない)、すなわち本発明でいう締結具に相当しない他の締結手段(ガイドレールの内部に設けられているか、外部に設けられているかは問わない。)を別途設けることを妨げるものではなく、要するに、このカーテン移動方向の寸法の大きいプレートを用いる発明の場合には、抜け止め部材として機能する本発明でいう締結具が少なくとも一個存在していればよい。なお、プレートは、その全体がガイドレールの内部に設けられていてもよく、一部がガイドレールの外部に露出して設けられていてもよい。また、通常は、プレート全体がガイドレールの内部に位置するが、風圧がかかった際などに、結果的に一部がガイドレールの外部に露出するような場合も含まれる。
【0017】
このような本発明においては、抜け止め構造を配すべきシャッターカーテンの端縁部の所定箇所において、締結具を締め込み、押し込み、あるいは打ち込む等して機能させることにより、プレートとシャッターカーテンの端縁部とを挟み込んで密着させる。この際、締結具による締込圧等の挟圧は、締結具からプレートを介してシャッターカーテンの端縁部に伝達される。そして、このようにしてシャッターカーテンの端縁部に取り付けられた締結具は、シャッターカーテンの移動時や閉鎖時には、ガイドレール内に配置された状態となる。
【0018】
この状態で、シャッターカーテンが撓むと、締結具の一部分により形成された係止部が、ガイドレールに接触して係止される。これにより、シャッターカーテンの抜け止めが実現される。
【0019】
この際、締結具の係止部には、接触の相手方であるガイドレールから、カーテン幅方向の外向きに働く力が加わる(後述する図4参照)。つまり、締結具は、シャッターカーテンの外方へ引っ張られる状態となる。そして、この引張力は、プレートを介してシャッターカーテンの端縁部に伝達されることになる。ここで、プレートは、カーテン移動方向の寸法がカーテン幅方向の寸法よりも大きいものであり、通常の円形の座金に比べ、面積が大きい。このため、従来のように座金を介して引張力がシャッターカーテンの端縁部に伝達される場合に比べ、プレートとシャッターカーテンの端縁部との接触面積が大きいことから、引張力が広く分散してシャッターカーテンの端縁部に伝達されるようになるので、従来のようなシャッターカーテンの端縁部の比較的局所に負荷が集中してしまうという不都合は解消される。従って、シャッターカーテンの端縁部にかかる負荷の分散により、従来に比べ、耐風圧強度を向上させることが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
【0020】
また、本発明は、空間を仕切るシャッターカーテンの移動を案内するガイドレールからシャッターカーテンが抜けることを防止するシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、シャッターカーテンのカーテン移動方向に直交するカーテン幅方向についての端縁部の少なくとも一方の面に沿って配置されるプレートと、このプレートとシャッターカーテンの端縁部とを挟み込んで密着させる締結具とを備え、締結具は、一枚のプレートにつき複数個設けられ、これらの複数個の締結具は全てガイドレール内に配置され、これらの複数個の締結具の各一部分によりガイドレールに接触して係止される複数個の係止部が形成されていることを特徴とするものである。
【0021】
ここで、「一枚のプレートにつき複数個」とは、シャッターカーテンの端縁部の表裏の一方の面に着目した場合に、一枚のプレートにつき複数個の締結具が設けられているという意味であり、表裏両方の面に設けられたプレートの個数を合計して考えるという意味ではない。従って、例えば、後述する図2の場合は、仮に表裏両方の面を考慮したとすれば、二枚のプレートに対して二個の締結具が用いられているということになるが、そのように考えるのではなく、表裏の一方の面のみに着目し、一枚のプレートに対して二個の締結具が用いられていると考えるということである。
【0022】
また、「複数個の締結具の各一部分によりガイドレールに接触して係止される複数個の係止部が形成されている」とは、一枚のプレートにつき複数個設けられた締結具は、それら全てがガイドレールに接触して係止される抜け止め部材として機能するという意味であり、抜け止め部材として機能せず、単にプレートとシャッターカーテンの端縁部とを挟み込んで密着させるためだけに設けられた締結具は含まない意味である。但し、抜け止め部材として機能しない(係止部を形成しない)、すなわち本発明でいう締結具に相当しない他の締結手段(ガイドレールの内部に設けられているか、外部に設けられているかは問わない。)を別途設けることを妨げるものではなく、その場合には、そのような締結手段以外に、抜け止め部材として機能する本発明でいう締結具が複数個存在していればよい。なお、プレートは、その全体がガイドレールの内部に設けられていてもよく、一部がガイドレールの外部に露出して設けられていてもよい。また、通常は、プレート全体がガイドレールの内部に位置するが、風圧がかかった際などに、結果的に一部がガイドレールの外部に露出するような場合も含まれる。
【0023】
さらに、プレート上における複数個の締結具の配置や配列は任意であり、例えば、カーテン移動方向に並べて配列されていてもよく(例えば、後述する図2の場合等)、カーテン幅方向に並べて配列されていてもよく(例えば、後述する図6の場合等)、斜めの配置としてもよく、X字状の交差配置等としてもよい。
【0024】
そして、「カーテン移動方向」、「カーテン幅方向」、「端縁部の少なくとも一方の面に沿って配置」の各意義、シャッターカーテンの材質、締結具の種類、プレートの大きさ、材質は、前述したカーテン移動方向の寸法の大きいプレートを用いる発明の場合と同様である。
【0025】
このような本発明においては、前述したカーテン移動方向の寸法の大きいプレートを用いる発明の場合と同様に、締結具による挟圧が、締結具からプレートを介してシャッターカーテンの端縁部に分散して伝達される。そして、シャッターカーテンが撓んで各係止部がガイドレールに接触して係止されたときには、各締結具に働く引張力は、プレートを介してシャッターカーテンの端縁部に分散して伝達される。
【0026】
この際、複数個の締結具により、プレートとシャッターカーテンの端縁部とが挟み込まれて密着状態とされるので、締結具による挟圧をプレート全体に略均等に分散させてシャッターカーテンの端縁部に伝達させることが容易にできるようになる。このため、面積の大きいプレートであっても、各締結具に働く引張力を、プレート全体を介してシャッターカーテンの端縁部に広く分散させて伝達させることが可能となり、従来のようなシャッターカーテンの端縁部の比較的局所に負荷が集中してしまうという不都合は解消される。従って、シャッターカーテンの端縁部にかかる負荷の分散により、従来に比べ、耐風圧強度を向上させることが可能となる。
【0027】
また、一枚のプレートにつき一個の締結具を設けた場合には、締結具を締め込む際に、プレートがシャッターカーテンの端縁部に対して回転してしまうおそれがあるが、一枚のプレートにつき複数個の締結具を設けておけば、このような取付時における不都合は未然に防止され、これらにより前記目的が達成される。
【0028】
そして、前述した一枚のプレートにつき複数個の締結具を設ける発明において、プレートのカーテン移動方向の寸法をカーテン幅方向の寸法よりも大きくし、複数個の締結具をカーテン移動方向に列をなして配置するようにしてもよい。
【0029】
このような構成にした場合には、プレートとシャッターカーテンの端縁部との接触面積を十分に確保しつつ、シャッターカーテンがガイドレールに呑み込まれる寸法幅を小さくできる、すなわちガイドレールの溝の深さを浅くすることができるようになる。
【0030】
なお、これとは反対に、前述した一枚のプレートにつき複数個の締結具を設ける発明において、プレートのカーテン幅方向の寸法をカーテン移動方向の寸法よりも大きくし、複数個の締結具をカーテン幅方向に列をなして配置するようにした場合には、シャッターカーテンを巻取軸に巻き取り易くなるため、シャッターカーテンを巻取軸に巻き取って収納する巻取式のシャッター装置に好適なものとなる。
【0031】
さらに、前述したカーテン移動方向の寸法の大きいプレートを用いる発明において、シャッター装置を、シャッターカーテンを巻取軸に巻き取って収納する巻取式のシャッター装置とする場合には、シャッターカーテンの閉鎖方向先端部寄りに配置されているプレートのカーテン移動方向の寸法を、巻取軸寄りに配置されているプレートのカーテン移動方向の寸法よりも大きくすることが好ましい。
【0032】
ここで、閉鎖方向先端部とは、例えば座板や重錘等が設けられている部分であり、シャッターカーテンが上下動するシャッター装置の場合には、シャッターカーテンの下端部を意味する。
【0033】
このように抜け止め構造を配する位置によってプレートのカーテン移動方向の寸法を変化させるようにすれば、シャッターカーテンを巻取軸に巻き取った際に、巻径の大きい部分(外周寄りの部分)に、カーテン移動方向の寸法の大きなプレートが巻かれ、巻径の小さい部分(内周寄りの部分)に、カーテン移動方向の寸法の小さなプレートが巻かれるようになるので、シャッターカーテンが無理なく巻かれるようになるため、シャッターカーテンの動作が円滑になる。
【0034】
また、本発明は、空間を仕切るシャッターカーテンの移動を案内するガイドレールからシャッターカーテンが抜けることを防止するシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、シャッターカーテンのカーテン移動方向に直交するカーテン幅方向についての端縁部は、シャッターカーテンを形成するカーテン形成部材を複数枚重ね合わせて形成され、シャッターカーテンの端縁部には、複数枚重ね合わされた状態のカーテン形成部材を挟み込んで束ねる締結具が設けられ、締結具はガイドレール内に配置され、締結具の一部分によりガイドレールに接触して係止される係止部が形成されていることを特徴とするものである。
【0035】
ここで、「端縁部は、シャッターカーテンを形成するカーテン形成部材を複数枚重ね合わせて形成され」とは、必ずしも端縁部がその略全長につき連続してシャッターカーテンを形成するカーテン形成部材を複数枚重ね合わせて形成されていることを意味するものではなく、例えば、前述したプレートを用いた抜け止め構造とする場合には、そのプレートの長さと略同じか、あるいはそれ以上の長さについて複数枚重ね合わせた状態となっていればよく、また、前述したプレートを用いることなく複数の締結具が設けられている場合(通常の座金を用いる場合および用いない場合の両者を含む。)には、その複数の締結具の設置位置に跨るだけの長さについて複数枚重ね合わせた状態となっていればよい。但し、より一層の補強効果が得られるという観点から、端縁部は、その略全長につき連続して(締結具やプレートの設置箇所だけではなく、カーテン移動方向を長手方向として延びるシャッターカーテンの端縁部の略全長に渡って)シャッターカーテンを形成するカーテン形成部材を複数枚重ね合わせて形成されていることが好ましい(例えば、後述する図1の場合等)。
【0036】
また、カーテン形成部材を複数枚重ね合わせた状態は、一枚のカーテン形成部材を折り返して形成してもよく(例えば、後述する図2の場合等)、あるいは別体のカーテン形成部材を重ね合わせて形成してもよい。そして、後者の場合には、重ね合わせる各カーテン形成部材は、すべて同じ材質および同じ厚みのものとしてもよく、あるいは材質または厚みが異なるものとしてもよい。
【0037】
そして、「締結具はガイドレール内に配置され、締結具の一部分によりガイドレールに接触して係止される係止部が形成され」とあるが、このような抜け止め部材として機能する締結具の他に、抜け止め部材として機能しない(係止部を形成しない)、すなわち本発明でいう締結具に相当しない他の締結手段(ガイドレールの内部に設けられているか、外部に設けられているかは問わない。)を別途設けることを妨げるものではなく、要するに、このカーテン形成部材を複数枚重ね合わせてシャッターカーテンの端縁部を形成する発明の場合には、抜け止め部材として機能する本発明でいう締結具が少なくとも一個存在していればよい。
【0038】
また、このカーテン形成部材を複数枚重ね合わせてシャッターカーテンの端縁部を形成する発明の場合には、前述したプレートを用いた抜け止め構造としてもよく、あるいは前述したプレートを用いずに締結具を直接にまたは通常の座金を介してシャッターカーテンに取り付けた抜け止め構造としてもよい。
【0039】
さらに、「カーテン移動方向」、「カーテン幅方向」の各意義、シャッターカーテンの材質、締結具の種類は、前述したカーテン移動方向の寸法の大きいプレートを用いる発明の場合、あるいは前述した一枚のプレートにつき複数個の締結具を設ける発明の場合と同様である。
【0040】
このような本発明においては、シャッターカーテンが撓んで締結具の係止部がガイドレールに接触して係止された際に、締結具に働く引張力は、カーテン形成部材を重ね合わせて形成されたシャッターカーテンの端縁部に伝達されることになる。このため、一枚のカーテン形成部材により形成されたシャッターカーテンの端縁部に引張力を作用させる場合に比べ、大きな引張力を作用させることができるようになるので、シャッターカーテンの耐風圧強度を向上させることが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
【0041】
そして、前述したカーテン移動方向の寸法の大きいプレートを用いる発明、あるいは前述した一枚のプレートにつき複数個の締結具を設ける発明、さらにはこれらを組み合わせた発明において、シャッターカーテンの端縁部が、シャッターカーテンを形成するカーテン形成部材を複数枚重ね合わせて形成され、締結具が、プレートと複数枚重ね合わされた状態のカーテン形成部材とを挟み込んで密着させている構成を採るようにしてもよい。この際、端縁部は、その略全長につき連続して(締結具やプレートの設置箇所だけではなく、カーテン移動方向を長手方向として延びるシャッターカーテンの端縁部の略全長に渡って)シャッターカーテンを形成するカーテン形成部材を複数枚重ね合わせて形成されていることが好ましいのは、前述の場合と同様である。
【0042】
このようにカーテン形成部材を複数枚重ね合わせてシャッターカーテンの端縁部を形成する発明を、前述したカーテン移動方向の寸法の大きいプレートを用いる発明、あるいは前述した一枚のプレートにつき複数個の締結具を設ける発明と組み合わせて適用した場合には、前述した各発明の効果が相乗的に得られ、シャッターカーテンの耐風圧強度をより一層向上させることが可能となる。
【0043】
以上において、本発明は、請求項の記載において特に巻取式のシャッター装置に限定している場合を除き、次のような各種タイプのシャッター装置に適用することができる。例えば、シャッターカーテンがシート状部材やネット状部材を用いて形成され、このシャッターカーテンが巻取軸に巻き取られ、または折り畳まれて収納部に収納されるタイプのシャッター装置でもよく、あるいは、送り込み収納のオーバーヘッドタイプのシャッター装置でもよい。また、例えば、一部がスラットで形成され、残りの部分がシート状部材やネット状部材で形成されたシャッターカーテン等のように、各種のシャッターカーテンを複合して形成されたシャッターカーテンを備えたタイプのシャッター装置でもよい。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1には、本実施形態のシャッターカーテン抜け止め構造が採用された防災用シャッター装置10の全体構成が示されている。また、図2および図3は、防災用シャッター装置10の要部の分解斜視図であり、図4は、防災用シャッター装置10の要部の水平断面図である。
【0045】
防災用シャッター装置10は、火災発生時等の非常時に、建物等の内部の空間を仕切って防火や防煙等を行う防災機能を有するシャッター装置であり、例えば、通路空間の途中に設けられたり、あるいは通路空間とホール空間との境界位置に設けられたりして防災区画を形成する役割を果たすものである。
【0046】
図1において、防災用シャッター装置10は、上下動して空間を仕切るシャッターカーテン20と、このシャッターカーテン20を巻き取る巻取軸30と、シャッターカーテン20の図1中における左右両側の端縁部が挿入されてシャッターカーテン20の上下動を案内する左右の案内手段であるガイドレール40,41と、シャッターカーテン20の上下動および停止を行うためのモータおよびブレーキ等からなる開閉機50とを備えている。
【0047】
シャッターカーテン20は、通常時には、開閉機50のブレーキが作動することにより、巻取軸30に巻き取られた収納状態で保持され、この状態では、シャッターカーテン20の下端部(閉鎖方向先端部)に設けられた座板22が、天井1に形成されたシャッターカーテン20を通すためのスリット部分に設けられた、まぐさの位置まで上昇して収まるようになっている。
【0048】
一方、火災発生時等の非常時には、火災発生等に伴って発生する炎、煙、熱、臭い等が図示されないセンサで検出されると、このセンサからの信号により開閉機50のブレーキが解除されるようになっている。この結果、座板22を含むシャッターカーテン20の自重により、シャッターカーテン20は巻取軸30から繰り出されて下降し、座板22が床2に達することにより全閉状態となるようになっている。なお、このようなセンサを使用した自動閉鎖式ではなく、レバー操作等により人為的に開閉機50のブレーキを解除できる構成としてもよく、あるいはセンサによる自動閉鎖とレバー操作等による人為操作とを併用できる構成としてもよい。
【0049】
また、図示されないスイッチ等を操作すると、開閉機50のモータが駆動され、これにより巻取軸30が回転してシャッターカーテン20が巻取軸30に巻き取られて上昇し、座板22が天井1のまぐさの位置に達すると、開閉機50のモータが停止するとともに、ブレーキが作動するようになっている。なお、このようなモータ駆動による巻き取りではなく、チェーン引き操作やレバー操作等により手動で巻き取れる構成としてもよい。
【0050】
シャッターカーテン20は、矩形状のシート状部材により形成されている。このカーテン形成部材であるシート状部材としては、例えば、シリカクロスまたはガラスクロス、あるいはこれらに耐火被覆材としての耐火塗料や防水被覆材を吹き付け若しくは塗布しまたは含浸させて形成された布製のスクリーン等を好適に用いることができる。このような布製のスクリーンは、耐火性、遮熱性、遮煙性、防水性、耐風圧性等に優れたものであり、防災用シャッター装置としての機能を十分に果たすことができるものである。
【0051】
図1および図2において、シャッターカーテン20の左右両側の端縁部21には、シャッターカーテン20がガイドレール40,41から抜けることを防止する抜け止め部材として機能する複数個の締結具60が、間隔を置いて設けられている。これらの複数個の締結具60の間隔は、本実施形態では、全て同一の間隔L(例えば、L=100mm等)とされている。各締結具60は、ボルト61およびナット62により構成されている。
【0052】
図2には、シャッターカーテン20を上下方向に略三等分した場合における下側部分(図1中のA部分)についてのシャッターカーテン抜け止め構造が分解斜視状態で示されている。図2において、シャッターカーテン20の端縁部21は、シャッターカーテン20を形成するカーテン形成部材であるシート状部材を一回折り返して二枚重ねにした状態とされている。この折り返された部分は、図2中の二点鎖線の如く、縫着部23で縫着してもよく、あるいは二枚重ねの部分を接着して一体化してもよい。そして、このような折り返しによる二枚重ねの状態は、端縁部21の長手方向(上下方向)の略全長に渡って連続している(図1参照)。
【0053】
シャッターカーテン20の端縁部21の表裏両側の面には、長方形形状を有する平板状の金属製プレート70がそれぞれ密着配置されている。プレート70は、上下方向(カーテン移動方向)の寸法H1が左右方向(カーテン幅方向)の寸法K1よりも大きい縦長の形状を有している。プレート70の大きさは、通常の座金よりも大きな面積を有するものとなっている。また、四つの角部71には、丸みをもたせるためにRが付けられている。
【0054】
さらに、各プレート70には、二本のボルト61を挿通するための二つの貫通孔72が設けられている。また、シャッターカーテン20の端縁部21の対応する位置にも、ボルト61を挿通するための貫通孔24が設けられている。そして、プレート70の各貫通孔72およびシャッターカーテン20の端縁部21の各貫通孔24に二本のボルト61をそれぞれ通し、これらにナット62をそれぞれ螺合させ、これらを締め込むことにより、シャッターカーテン20の端縁部21の表裏両面に配置された二枚のプレート70は、これらの間に端縁部21を挟み込む形で端縁部21に密着配置されるようになっている。なお、貫通孔24は、最初から設けられていてもよく、あるいはボルト61の挿通作業を行う際に設けるようにしてもよい。以下、同様である。
【0055】
以上に述べたプレート70を用いた抜け止め構造は、シャッターカーテン20を上下方向に略三等分した場合における下側部分(図1中のA部分)に複数並べて配されているものである。
【0056】
図3には、シャッターカーテン20を上下方向に略三等分した場合における中央部分(図1中のB部分)と上側部分(図1中のC部分)との境界位置近傍についてのシャッターカーテン抜け止め構造が分解斜視状態で示されている。図3において、シャッターカーテン20の端縁部21の表裏両側の面には、長方形形状を有する平板状の金属製プレート80がそれぞれ密着配置されている。プレート80は、プレート70と同様に、上下方向(カーテン移動方向)の寸法H2が左右方向(カーテン幅方向)の寸法K2よりも大きい縦長の形状を有している。但し、プレート80の上下方向の寸法H2は、プレート70の上下方向の寸法H1よりも小さくなっている(図1参照)。プレート80の大きさは、通常の座金よりも大きな面積を有するものとなっている。また、四つの角部81には、丸みをもたせるためにRが付けられている。
【0057】
さらに、各プレート80には、一本のボルト61を挿通するための一つの貫通孔82が設けられている。また、シャッターカーテン20の端縁部21の対応する位置にも、ボルト61を挿通するための貫通孔24が設けられている。そして、プレート80の貫通孔82およびシャッターカーテン20の端縁部21の貫通孔24に一本のボルト61を通し、これにナット62を螺合させ、これらを締め込むことにより、シャッターカーテン20の端縁部21の表裏両面に配置された二枚のプレート80は、これらの間に端縁部21を挟み込む形で端縁部21に密着配置されるようになっている。
【0058】
一方、二枚のプレート80の上側には、通常の円形の二枚の座金90が配置されている。これらの座金90は、シャッターカーテン20の端縁部21の表裏両側の面に密着配置されている。各座金90の中央には、一本のボルト61を挿通するための一つの貫通孔92が設けられている。また、シャッターカーテン20の端縁部21の対応する位置にも、ボルト61を挿通するための貫通孔24が設けられている。そして、座金90の貫通孔92およびシャッターカーテン20の端縁部21の貫通孔24に一本のボルト61を通し、これにナット62を螺合させ、これらを締め込むことにより、シャッターカーテン20の端縁部21の表裏両面に配置された二枚の座金90は、これらの間に端縁部21を挟み込む形で端縁部21に密着配置されるようになっている。
【0059】
以上に述べたプレート80を用いた抜け止め構造は、シャッターカーテン20を上下方向に略三等分した場合における中央部分(図1中のB部分)に複数並べて配され、一方、従来と同様な座金90を用いた抜け止め構造は、シャッターカーテン20を上下方向に略三等分した場合における上側部分(図1中のC部分)に複数並べて配されているものである。
【0060】
図4には、図2のプレート70を用いた抜け止め構造のガイドレール40への収まりが水平断面図で示されている。なお、反対側のガイドレール41への収まりは、左右対称であるので、図示および説明を省略する。また、図3のプレート80や座金90を用いた抜け止め構造の収まりも同様であるので、図示および説明を省略する。
【0061】
図4において、ボルト61およびナット62からなる締結具60は、ガイドレール40内に形成された溝状の空間である挿入部42内に配置されている。ガイドレール40の反対側のガイドレール41との対向面には、挿入部42内にシャッターカーテン20の端縁部21を挿入するための挿入口43が形成されている。この挿入口43の両側には、挿入部42の内方に突出する突片44が設けられ、これらの突片44により、挿入口43の開口幅は、挿入部42の溝幅よりも絞られている。
【0062】
ボルト61の頭63およびナット62は、プレート70の外側表面よりも外方に突出しており、これらはシャッタカーテン20が図4中のP方向にずれたときに、ガイドレール40の突片44に接触して係止される係止部となっている。従って、シャッタカーテン20の位置がずれても、締結具60は、常にガイドレール41の挿入部42内に収まり、これによりシャッタカーテン20の抜け止め機能が発揮されるようになっている。
【0063】
図1において、巻取軸30は、両側の端部に他の部分よりも軸径の小さい小径部31を有している。この小径部31は、シャッタカーテン20が巻取軸30に巻き取られた際に、締結具60やプレート70,80等が設けられている端縁部21の巻径が、他の部分の巻径に比べて大きくならないように調整するためのものである。なお、このような段差状の小径部31ではなく、テーパ状のものとしてもよい。また、このような小径部31を設けるとともに、または設ける代わりに、シャッタカーテン20の幅方向(左右方向)の中間位置に適宜な間隔で、図1中の二点鎖線に示すような巻径調整用部材35を設けるようにしてもよく、あるいは、扉付きの非常用の出入口を設けて巻径調整用部材35と同様な機能を発揮させるようにしてもよい。さらには、巻取軸30の中間位置に適宜な間隔で、他の部分よりも軸径の大きい大径部を設けて巻径調整を行ってもよい。
【0064】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、防災用シャッター装置10は、通常の座金90よりも面積の大きなプレート70,80を用いた抜け止め構造を採用しているので、締結具60による締込圧を、締結具60からプレート70,80を介してシャッターカーテン20の端縁部21に広く分散させて伝達させることができる。従って、シャッターカーテン20が撓み、係止部であるボルト61の頭63およびナット62がガイドレール40の突片44に接触して係止された際には、締結具60には、図4中の矢印方向に引張力Fが働くが、この引張力Fをプレート70,80を介してシャッターカーテン20の端縁部21に広く分散させて伝達させることができる。
【0065】
このため、従来のように通常の座金90を介して引張力Fがシャッターカーテン20の端縁部21に伝達される場合に比べ、シャッターカーテン20の端縁部21にかかる負荷を分散させることができるので、従来に比べ、大きな引張力Fに耐えることができる。これにより、耐風圧強度を向上させることができ、いわゆる大開口用のシャッターカーテンへの対応も図ることができる。
【0066】
また、プレート70は、二つ(複数個)の締結具60により、シャッターカーテン20の端縁部21に密着配置されるので、締結具60による締込圧をプレート70の全体に略均等に分散させてシャッターカーテン20の端縁部21に伝達させることができる。従って、締結具60に働く引張力Fを、プレート70を介してシャッターカーテン20の端縁部21に、より一層分散させて伝達させることができる。このため、シャッターカーテン20の端縁部21にかかる負荷を、より一層分散させることができるので、耐風圧強度をより一層向上させることができる。
【0067】
そして、一枚のプレート70につき二つ(複数個)の締結具60を設けたので、締結具60を締め込む際に、プレート70がシャッターカーテン20の端縁部21に対して回転してしまうという取付時における不都合を未然に防止することができる。
【0068】
さらに、プレート70,80は、カーテン移動方向の寸法がカーテン幅方向の寸法よりも大きくなっており、縦長に配置されているので、プレート70,80とシャッターカーテン20の端縁部21との接触面積を十分に確保しつつ、シャッターカーテン20がガイドレール40に呑み込まれる寸法幅を小さくできる、すなわちガイドレール40の溝の深さを浅くすることができる。
【0069】
そして、シャッターカーテン20の最も座板22寄りの図1中のA部分には、カーテン移動方向の寸法が最も大きいプレート70が配置され、このA部分よりも巻取軸30寄りの図1中のB部分には、カーテン移動方向の寸法がプレート70よりも小さいプレート80が配置され、さらに、B部分よりも巻取軸30寄りの図1中のC部分には、カーテン移動方向の寸法がプレート80よりも小さい通常の座金90が配置されているので、シャッターカーテン20を巻取軸30に巻き取った際に、巻径の大きい部分(外周寄りの部分)になる程、カーテン移動方向の寸法の大きな部材が巻かれるようになるため、シャッターカーテン20を無理なく巻くことができ、シャッターカーテン20を円滑に動作させることができる。つまり、図5に示すように、巻取軸30の横断面(長手方向に直交する断面)を考えた場合において、巻取軸30の中心(軸芯)位置Qと、巻取軸30に巻き取られた状態の各部材(プレート70,80や座金90等)の両端位置とを結んで形成される三角形を、扇形に見立てれば、その扇形の中心角θがすべて一定値以下に収まるように各部材のカーテン移動方向の寸法を決定することが好ましい。さらには、巻き取った際に、各部材がなるべく重ならないような配置としておくことが好ましい。
【0070】
また、シャッターカーテン20の端縁部21は、カーテン形成部材であるシート状部材を二枚(複数枚)重ねにした状態とされているので、補強効果を得ることができる。このため、より一層大きな引張力Fに耐えることができ、耐風圧強度をより一層向上させることができる。
【0071】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0072】
すなわち、前記実施形態では、締結具60の設置間隔は、全て同一の間隔Lとされていたが、本発明の締結具の設置間隔は、これに限定されるものではなく、例えば、最も大きな引張力Fがかかる可能性のあるシャッターカーテン20の上下方向についての中央部分(図1中のB部分)の設置間隔を狭め、このB部分に締結具60を密に配置するようにしてもよく、あるいは周囲の状況等の影響で他の部分に最も大きな引張力Fがかかる可能性があれば、その部分の設置間隔を狭め、その部分に締結具60を密に配置するようにしてもよい。また、プレートを用いない場合には、締結具60の間隔を狭めて密な配置とし、プレートを用いる場合には、これよりも間隔を拡げて締結具60を配置するようにしてもよく、さらには、プレートのカーテン移動方向の寸法に応じて締結具60の設置間隔を変化させてもよい。
【0073】
また、前記実施形態では、シャッターカーテン20の座板22側から順に、プレート70、プレート80、座金90が配置され、シャッターカーテン20の座板22寄りの部分になる程、カーテン移動方向の寸法の大きな部材が巻かれるようになっていたが、シャッターカーテン20の巻き取りに不都合がない範囲であれば、このような配置に限定されるものではない。例えば、シャッターカーテン20の端縁部21の略全長に渡り、プレート70のみを配置する、あるいはプレート80のみを配置する等、同一のカーテン移動方向の寸法を有するプレートを配置するようにしてもよい。また、最も大きな引張力Fがかかる可能性のあるシャッターカーテン20の上下方向についての中央部分(図1中のB部分)に、カーテン移動方向の寸法が最も大きなプレートを配置するようにしてもよく、あるいは周囲の状況等の影響で他の部分に最も大きな引張力Fがかかる可能性があれば、その部分にカーテン移動方向の寸法が最も大きなプレートを配置するようにしてもよい。なお、巻取式のシャッター装置ではなく、例えばオーバースライディング式のシャッター装置等であれば、巻き取りに与える影響を考慮する必要もない。
【0074】
さらに、前記実施形態では、プレート70およびプレート80は、カーテン移動方向の寸法がカーテン幅方向の寸法よりも大きな縦長の配置となっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、カーテン幅方向の寸法がカーテン移動方向の寸法よりも大きな横長のプレート100とし、複数(ここでは、三つ)の締結具101をカーテン幅方向に列をなすように配置してもよい。このようにした場合には、ガイドレール102の溝の深さは大きくなるものの、プレート100や締結具101の巻き取りに与える影響を小さくすることができる。なお、この場合には、複数(ここでは、三つ)の締結具101に引張力Fがかかったある状態において、これらの複数の締結具101のうち一つのみがガイドレール102に当接され、あるいは複数(全部も含む。)が同時にガイドレール102に当接され、抜け止め機能が発揮されることになる。
【0075】
そして、前記実施形態では、シャッターカーテン20の端縁部21の表裏の面には、それぞれ別体のプレート70、あるいは別体のプレート80が設けられていたが、図7に示すプレート200のように、シャッターカーテン201の端縁部202の表裏の面に配置される部分が一体化された断面コの字状のものを用い、端縁部202をくわえ込むように配置してもよい。
【0076】
また、前記実施形態では、シャッターカーテン20の端縁部21は、カーテン形成部材であるシート状部材を二枚(複数枚)重ねにした状態とされていたが、図7に示すシャッターカーテン201の端縁部202のように、一枚の状態としてもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、カーテン移動方向の寸法の大きいプレートを用い、若しくは、一枚のプレートにつき複数個の締結具を設け、あるいは、カーテン形成部材を複数枚重ね合わせてシャッターカーテンの端縁部を形成したので、シャッターカーテンの耐風圧強度を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のシャッターカーテン抜け止め構造が採用された防災用シャッター装置の全体構成図。
【図2】前記実施形態の防災用シャッター装置の要部の分解斜視図。
【図3】前記実施形態の防災用シャッター装置の別の要部の分解斜視図。
【図4】前記実施形態の防災用シャッター装置の要部の水平断面図。
【図5】巻取軸にシャッターカーテンを巻き取った際の収まり状態を説明する断面図。
【図6】本発明の変形の形態を示す水平断面図。
【図7】本発明の別の変形の形態を示す水平断面図。
【符号の説明】
10 防災用シャッター装置
20,201 シャッターカーテン
21,202 シャッターカーテンの端縁部
22 閉鎖方向先端部に設けられている座板
30 巻取軸
40,41,102 ガイドレール
60,101 締結具
61 締結具を構成するボルト
62 締結具を構成し、かつ、係止部であるナット
63 係止部であるボルトの頭
70,80,100,200 プレート
H1,H2 プレートの上下方向(カーテン移動方向)の寸法
K1,K2 プレートの左右方向(カーテン幅方向)の寸法
Claims (7)
- 空間を仕切るシャッターカーテンの移動を案内するガイドレールから前記シャッターカーテンが抜けることを防止するシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、
シート状部材により形成されている前記シャッターカーテンのカーテン移動方向に直交するカーテン幅方向についての端縁部の少なくとも一方の面に沿って配置されるプレートと、このプレートと前記シャッターカーテンの端縁部とを挟み込んで密着させる締結具とを備え、
前記締結具は前記ガイドレール内に配置され、前記締結具の一部分により前記ガイドレールに接触して係止される係止部が形成され、
前記プレートのカーテン移動方向の寸法は、カーテン幅方向の寸法よりも大きくなっており、
前記シャッター装置は、前記シャッターカーテンを巻取軸に巻き取って収納する巻取式のシャッター装置とされ、前記シャッターカーテンの閉鎖方向先端部寄りに配置されている前記プレートのカーテン移動方向の寸法は、前記巻取軸寄りに配置されている前記プレートのカーテン移動方向の寸法よりも大きいことを特徴とするシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造。 - 空間を仕切るシャッターカーテンの移動を案内するガイドレールから前記シャッターカーテンが抜けることを防止するシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、
シート状部材により形成されている前記シャッターカーテンのカーテン移動方向に直交するカーテン幅方向についての端縁部の少なくとも一方の面に沿って配置されるプレートと、このプレートと前記シャッターカーテンの端縁部とを挟み込んで密着させる締結具とを備え、
前記締結具は、一枚の前記プレートにつき複数個設けられ、これらの複数個の締結具は全て前記ガイドレール内に配置され、これらの複数個の締結具の各一部分により前記ガイドレールに接触して係止される複数個の係止部が形成され、
前記プレートのカーテン移動方向の寸法は、カーテン幅方向の寸法よりも大きく、前記複数個の締結具は、カーテン移動方向に列をなして配置され、
前記シャッター装置は、前記シャッターカーテンを巻取軸に巻き取って収納する巻取式のシャッター装置とされ、前記シャッターカーテンの閉鎖方向先端部寄りに配置されている前記プレートのカーテン移動方向の寸法は、前記巻取軸寄りに配置されている前記プレートのカーテン移動方向の寸法よりも大きいことを特徴とするシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造。 - 請求項1又は2に記載のシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、前記シャッターカーテンの端縁部は、前記シャッターカーテンを形成するカーテン形成部材を複数枚重ね合わせて形成され、
前記締結具は、前記プレートと前記複数枚重ね合わされた状態のカーテン形成部材とを挟み込んで密着させていることを特徴とするシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、前記プレートの四つの角部には、丸みをもたせるためにRが付けられていることを特徴とするシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、前記プレートは、前記シャッターカーテンの前記端縁部の表裏両面に配置されていることを特徴とするシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、前記締結具はボルトおよびナットとなっていることを特徴とするシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造。
- 請求項6に記載のシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造において、前記ボルトの頭および前記ナットが前記ガイドレールに接触して係止される前記係止部となっていることを特徴とするシャッター装置のシャッターカーテン抜け止め構造。
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