JP3951471B2 - 開閉体の吊元構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅やオフィスビル,工場等の建物の開口部や通路に配設されるシャッター装置等に用いられる開閉体の吊元を支持体へ取り付ける開閉体の吊元構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
開閉体には、通常のシャッター装置に用いられるスラットカーテン、シートシャッター装置に用いられるスクリーンカーテンの他、開口部等にのれん状に取り付けられるシート体等がある。
【0003】
例えば、開閉体としてスクリーンカーテンを用いるシートシャッター装置の構成では、スクリーンカーテンの上端部に丸パイプを挿入して、これを支持体としての巻取シャフトの外周面に嵌め込み固定する方式が採られている。すなわち、図11に示すように、スクリーンカーテン1には上端部を折り返し溶着などの処理を施して袋部3を形成してあり、この袋部3には丸パイプ5が挿入される。袋部3に丸パイプ5を挿入したスクリーンカーテン1は、図12に示すように、巻取シャフト7の所定位置に奥拡がりな略断面C字形の凹溝状に形成された嵌合部9に、巻取シャフト7の長手方向からスライドさせて、互いを嵌め合わせて構成する。
【0004】
一方、開閉体として金属素材からなるスラットカーテンを用いる通常のシャッター装置の構成では、スラットカーテン上端のスラットを、支持体としての巻取シャフトの周面に固着された吊り板に係止させる方式が採られている。すなわち、図13に示すように、スラット13の長さを短寸に裁断した形状の吊り板15が用いられて、吊り板15の中央には、固定用ボルトの通し孔17が開けられている。この吊り板15は、図14に示すように、通し孔17に挿込まれたボルト19によって巻取シャフト21の周面に締着、固定された上で、吊り板15の繰出側(図14の反時計回り方向)に成形されたカール部15aに、スラットカーテン23の上端のスラット13が連結されている。
【0005】
また、上記吊り板15ではなく、スラットカーテン23の上端に位置するスラット13を、直接巻取シャフト21にボルトなどにて固定する構成もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スクリーンカーテン1の上端部を巻取シャフト7に取り付ける従来の吊元構造は、スクリーンカーテン1の上端部に形成した袋部3に、丸パイプ5を挿入する作業が必要になり、長尺な袋部3に長尺な丸パイプ5を挿入する作業であり、広い作業場を必要とするとともに取り付けに手間がかかるという欠点がある。
【0007】
また、このスクリーンカーテン1の場合、巻取シャフト7に奥拡がりな嵌合部9を必要とすることから、この嵌合部9を成形しなければならないという欠点を有する。
【0008】
また、吊り板15にスラットカーテン23上端のスラット13を係止する従来の吊元構造は、吊り板15が、ボルト軸を中心に揺動し得ることから、ボルト19の緊締に緩みが生じ易く、このため吊り板15の組付けにガタが出て、各部に騒音や磨耗の生じるおそれがあった。
【0009】
さらに、この開閉体としてスラットカーテン23にて構成した吊元構造においては、スラットカーテン23を、巻取シャフト21に取り付ける際、スラットカーテン23を支持して所定位置、すなわち建物開口の間口に対するスラットカーテン23の位置決めを行い、スラットカーテンがこの所定位置からずれないように保持しながら、スラットカーテン23を巻取シャフト23に取り付けなければならないため、作業性が悪く、かつ正確な位置に固定できず、位置ずれの生じるおそれがあった。
【0010】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、取り付けに手間がかからず、かつ作業が容易に行え、しかも、精度良く取り付けが行える開閉体の吊元構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明に係る請求項1の開閉体の吊元構造は、建物開口を開閉する少なくとも上端部がシート状体よりなる開閉体の上端である吊元を支持体である巻取シャフトへ取り付ける吊元構造であって、
前記巻取シャフトの取付面との間に間隙を形成し、上端部が前記取付面に固定され、かつ前記巻取シャフトの外周面に対向するように突出する係止部を有した吊元部材と、
上下方向の長さは、前記間隙の周方向の長さよりも小さく形成され、上端縁を折り曲げることにより重ね合わせ部を形成し、該重ね合わせ部の先端側が表面から突出することで形成された段部を上端縁に沿って有した前記開閉体とを具備し、
前記係止部に前記段部を係止して前記間隙に保持した前記開閉体の上端部を、前記吊元部材及び前記開閉体の前記重ね合わせ部を貫通して前記巻取シャフトに螺合する締結手段によって前記吊元部材と前記巻取シャフトとで挟持固定することを特徴としている。
【0012】
この開閉体の吊元構造では、支持体の取付面に、吊元部材の上端部が固定されることで、吊元部材と取付面との間に間隙が形成される。段部の形成された開閉体の上端を、間隙に挿入させることで、開閉体は、段部が係止部に係止し、吊元部材に支持され、仮固定状態となる。この状態で、開閉体は、支持体の長手方向にスライド可能となり、容易に位置決めが行えるようになる。位置決めが完了したなら、吊元部材を押圧しながら、締結手段を、吊元部材,開閉体に貫通して支持体に締着する。これにより、開閉体は、位置決めされて吊元部材と支持体とに挟持固定される。
【0013】
請求項2の開閉体の吊元構造は、前記重ね合わせ部が、溶着、接着又は縫製による手段、又は、溶着、接着、縫製を組み合わせた手段により固定されていることを特徴としている。
【0014】
請求項1又は2の開閉体の吊元構造では、開閉体の上端縁を折り重ねることにより段部が形成され、吊元部材の係止部に係止される段部が容易に形成される。
【0015】
請求項3の開閉体の吊元構造は、前記開閉体が、少なくとも上端部がシート状体よりなり、前記段部が、一旦下方へ折り重ねた上端縁をさらに先端のみ折り重ねて形成されていることを特徴としている。
【0016】
この開閉体の吊元構造では、開閉体の上端縁を折り重ねることのみにより段部が形成されるとともに、上端が二重に重ね合わされることで、開閉体の上端が薄厚となる。これにより、開閉体の間隙への挿入性が良好になる。
【0017】
請求項4の開閉体の吊元構造は、前記吊元部材の表面に、前記締結手段を位置決めできるように、切欠溝が形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5の開閉体の吊元構造は、前記吊元部材には、前記巻取シャフトの外周面と反対向きとなって突出する突条部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る開閉体の吊元構造の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る吊元構造によって開閉体としてのスクリーンカーテンを取り付けたシートシャッター装置の正面図、図2は図1のおけるA−A線断面図、図3は吊元部材の部分拡大図、図4はスクリーンカーテンの正面図、図5は図4におけるB−B線断面図、図6はスクリーンカーテンの他の段部構造の断面図、図7はスクリーンカーテンの取り付け手順を示した説明図である。
【0022】
この第一の実施の形態では、開閉体がスクリーンカーテンであるシートシャッター装置を例に説明する。
図1に示すように、両端に支持軸31の設けられた支持体としての巻取シャフト33の取付面となる外周面33aには、スクリーンカーテン35の上端が取り付けられている。
【0023】
スクリーンカーテン35の上端は、図2に示すように、巻取シャフト33の外周面33aに固定された吊元部材36によって固定される。
この吊元部材36は、図3に示すように、断面形状が、巻取シャフト33の外周面33aに沿って湾曲した弧形状が連続する長尺部材よりなる。吊元部材36は、巻取シャフト33の軸方向の長さと略同一長さ、若しくは開閉体であるスクリーンカーテン35の左右幅長と略同一長さに形成される。また吊元部材36の上端部(図3の上部側の端部)には、複数の取付穴37が、長手方向に所定間隔で穿設されている。
【0024】
吊元部材36は、この取付穴37に挿入された締結手段であるねじ39を、巻取シャフト33の所定位置に穿設された下穴41に締着することで、上端部が巻取シャフト33の外周面33aに固定される。
【0025】
本実施の形態では、吊元部材36は、上端部36aが外周面33a側にやや突出するように略Z字状に折曲形成されている。従って、上端部を周面に取り付けた吊元部材36は、図7(a)に示すように、下端部と周面との間に間隙が形成される。この間隙は、スクリーンカーテン35の上端を挿入可能とする挿入部43となる。さらに、吊元部材36の下端部には、挿入部43に向き、巻取シャフト33の外周面33aに対向するように突出する係止部45が形成されている。
【0026】
また、本実施の形態の吊元部材36には、上端縁及び下端縁に巻取シャフト33の外周面33aと反対向きとなって突出する突条部38a,38b,38cが形成され、巻取シャフト33にスクリーンカーテン35が巻回される際に、この吊元部材36の位置にて支持を行うようになっている。
【0027】
さらに、この吊元部材36の下端部表面には、断面V字状の切欠溝47が、吊元部材36の長手方向両端にわたって形成されている。この切欠溝47は、タッピングねじ55が容易に位置決め出来るようになっている。つまり、吊元部材36の下端部は、切欠溝47の位置であれば、長手方向任意の位置で、ねじ55により巻取シャフト33へ締着できるようになっている。なお、吊元部材36は、この切欠溝47に代えて、上述した取付穴37と同様の取付穴を長手方向に所定間隔で穿設するものであってもよい。また逆に、上述した取付穴37を、切欠溝47として形成するものであってもよい。
【0028】
スクリーンカーテン35は、本実施の形態では、厚さが0.8〜1mmの軟質な塩化ビニル樹脂などのシート材よりなり、図4に示すように、左右幅方向にわたる桟部49が、上下方向に所定間隔で設けられている。この桟部49は、スクリーンカーテン35の一方の面に溶着などの手段で設けられる袋部内に枠体を挿入することで構成される。
【0029】
また、スクリーンカーテン35の上端は、図5に示すように、上端縁35aが、表面35b側に二回折り曲げられることで、三重に折り重ねられた重ね合わせ部51となっている。
この重ね合わせ部51は、上端縁35aを折曲するとともに溶着や接着,縫製などの手段、またはこれら溶着,接着,縫製等を組み合わせた手段で固定して形成される。
これにより、スクリーンカーテン35の上部には、上方が表面35bから突出する段部53が、上端縁に沿って形成される。この重ね合わせ部51の上下方向(図5中上下方向)の長さは、上述した挿入部43の周方向の長さより小さく形成される。
【0030】
このスクリーンカーテン35の上端に形成される段部53は、図5に示す以外の重ね合わせ構造で形成するものであってもよい。すなわち、図6に示すように、スクリーンカーテン35の上端縁を、一旦表面側下方へ折り重ね、その上端縁のさらに先端のみを折り重ねて形成するものであってもよい。
この重ね合わせ構造では、段部53の部分が上述同様に三重に重ね合わせられる一方、上端が二重に重ね合わされ、スクリーンカーテン35の上端を薄厚に形成できる。これにより、スクリーンカーテン35の挿入部43への挿入性を良好にすることができる。
【0031】
次に、この実施形態の吊元構造によるスクリーンカーテンの取付手順を説明する。
先ず、図7(a)に示すように、巻取シャフト33の外周面33aに、吊元部材36の上端部を、ねじ39によって固定する。これにより、吊元部材36と外周面33aとの間には、挿入部43が形成される。なお、このとき、吊元部材36は、巻取シャフト33に対して固定されずに、ねじ39にて仮固定状態とし、吊元部材36の下端側をやや揺動可能な状態とし、挿入部43の間隙幅を余裕のある状態とする。
【0032】
次いで、図7(b)に示すように、スクリーンカーテン35の上端を、複数回折り曲げ、及び接着や縫着などを行って段部53を形成しておく。図7の例では、図6で述べた重ね合わせ構造の段部53を示してある。
【0033】
次いで、吊元部材36と周面との間に形成された挿入部43に、スクリーンカーテン35の上端を挿入する。スクリーンカーテン35の挿入は、段部53が係止部45を通過する挿入深さで行う。これにより、図7(c)に示すように、スクリーンカーテン35は、段部53が挿入部43の内側から、係止部45に係止し、吊元部材36に支持される。
【0034】
従って、スクリーンカーテン35は、吊元部材36を介して、巻取シャフト33に仮止めされた状態となる。また、この状態で、スクリーンカーテン35は、巻取シャフト33の長手方向にスライド可能となっている。
【0035】
次いで、スクリーンカーテン35を巻取シャフト33の長手方向にスライド移動し、図示しない建物開口の間口に対する左右幅方向の位置決めを行う。
【0036】
取り付けの位置の位置決めが完了したなら、吊元部材36の下端部を、巻取シャフト33の外周面33aへ押しつける。スクリーンカーテン35は、吊元部材36と外周面33aとに挟まれて、位置決め位置からのずれが規制される。
【0037】
次いで、吊元部材36を押圧しながら、切欠溝47の位置に締結手段であるねじ(タッピングねじ等)55を切り込む。ねじ55は、吊元部材36、重ね合わせ部51を貫通して、巻取シャフト33に螺合する。これにより、スクリーンカーテン35の重ね合わせ部51、すなわち、上端は、位置決めされたまま吊元部材36と巻取シャフト33とに挟持固定されることになる。
【0038】
このように、上述した開閉体の吊元構造によれば、従来構造のように、丸パイプ等を、スクリーンカーテンの袋部に挿入する煩雑な作業がなくなるとともに、巻取シャフトの形状を凹溝を有するような複雑な形状とせずに構成できる。
また、スクリーンカーテン35を吊元部材36に取り付ける際、スクリーンカーテン35を吊元部材36に保持させて、位置決めを行うことができる。そして、吊元部材36を押圧して、スクリーンカーテン35の位置ずれを防止しながら、押圧方向にねじ55をねじ込んで締着することができる。このため、位置ずれが生じないよう保持しながらねじ止め作業を行う必要がなく、容易に、かつ高精度に、スクリーンカーテン35の取り付けが行えるようになる。
【0039】
なお、上述した実施の形態では、スクリーンカーテン35を構成する素材が、塩化ビニル樹脂よりなる例について述べたが、他の樹脂にて構成されるシート材やゴムシート材、織布や、樹脂製ネットスクリーン、金属製ネットスクリーンなどを素材とする構成や、これら素材を複合させた素材などとしてもよく、さらには、このスクリーンカーテン35を構成する素材を、耐火性,防火性,防炎性を有する素材としても、上記同様の効果を得ることができる。
【0040】
また、上述した実施の形態では、スクリーンカーテン35の上端を、複数回折り曲げ、接着や縫着を行って段部53を形成させる例について述べたが、この段部53を形成するための折り曲げ回数は、適宜増減させてよく、折り曲げにより段部53が形成され、この段部53が吊元部材36の係止部45に係止されれば、その回数は限定されるものではない。
【0041】
さらに、上述した実施の形態では、スクリーンカーテン35の上端を、折り曲げた後に接着や縫着を行って段部53を形成させる例であるが、接着や縫着などを行わずに、スクリーンカーテン35の上端を複数回折り曲げるのみで段部53を形成させ、吊元部材36と巻取シャフト33の外周面33aとで挟持させ、この巻取シャフト33に固定する構造としてもよく、さらには、図8に示すように、スクリーンカーテン35の上端を複数回折り曲げ、そのスクリーンカーテン35の幅方向両端における折り曲げられて形成されている上端部分をクリップ状部材58で挟持させ、スクリーンカーテン35の折り曲げ状態を保持し段部53を形成させ、その後吊元部材36と巻取シャフト33の外周面33aとで挟持し固定する構造としてもよい。
【0042】
また、上述した実施の形態では、スクリーンカーテン35の上端を、折り曲げ接着や縫着を行って段部53を形成させ、樹脂よりなるシート材のみで構成させる例について述べたが、このスクリーンカーテン35の上端縁を、図9に示すように、樹脂や金属,木質材,ゴム等を素材とするスクリーンカーテン35の左右幅長と略同等の長さの薄肉な短冊板形状の芯材59に巻き付け、所定回数巻回させて厚みを形成させて段部53を形成させる構成としてもよい。
この例の場合、段部53を形成するスクリーンカーテン35の上端が硬質な構造となることから、このスクリーンカーテン35を取り付ける際に、巻取シャフト33の外周面33aと吊元部材36との間に形成される挿入部43への挿入作業をスムーズに行え、その作業が容易となるとともに、左右幅方向の位置決め時においても、スライドが容易となり、また、ネジなどの締結手段による固定時においても、この芯材59とスクリーンカーテン35、及び吊元部材36を貫通して締結手段にて巻取シャフト33に固定され、スクリーンカーテン35は芯材59とともに吊元部材36と巻取シャフト33とに確実に挟持され固定されることとなり、この固定状態が強固なものとなる。
【0043】
次に、本発明に係る吊元構造の第二の実施の形態を説明する。第二の実施の形態は、本発明の参考例である。
図10は第二の実施の形態の吊元構造を示す要部拡大図である。
この第二の実施の形態では、開閉体がスラット65にて構成されるスラットカーテン63とされる場合を説明する。
【0044】
巻取シャフト33の外周面33aには、図10に示すように、上述した吊元部材36と略同一形状に形成された吊元部材61の上端部がねじ39により固定されている。
【0045】
従って、吊元部材61の下端部と外周面33aとの間である間隙は、挿入部43が形成される。この吊元部材61の下端部も前記第一の実施の形態と同様に、挿入部43へ突出する係止部45が形成されている。挿入部43の周方向の長さは、少なくともスラットカーテン63を構成するスラット65の連結方向の長さより大きく設定してある。
【0046】
スラット65は、建物開口の幅方向である左右に長尺な金属等を素材とする略短冊板状に形成され、上端縁に形成される上カール部65aと、下端縁に形成される下カール部65bとを、相互に係合して可動自在に連結されている。このようにして複数のスラット65を連結して構成されたスラットカーテン63の表面は、外周面33aに沿って湾曲されることで、上下カール部65a,65bによる連結部分における下カール部65bが段部67とされる。スラットカーテン63は、挿入部43に最上端のスラット65を挿入することで、この段部67が係止部45に係止され、吊元部材61に支持される。
【0047】
これにより、スラットカーテン63は、吊元部材61を介して、巻取シャフト33に仮止めされた状態となる。この状態では、スラットカーテン63は、巻取シャフト33の長手方向(建物開口の左右幅方向)にスライド可能となる。
【0048】
従って、スラットカーテン63の取り付けは、上述した吊元構造の場合と同様に、スラットカーテン63を巻取シャフト33の長手方向にスライドして調整し、位置決めを行った後、吊元部材61を周面へ押圧しながら、吊元部材61,スラット65の中途を貫通してねじ55を巻取シャフト33に螺合させる。これにより、スラットカーテン63の上端が、吊元部材61と巻取シャフト33とに挟持固定されることになる。
【0049】
この吊元構造によれば、上述した第一の実施の形態の吊元構造と同様に、容易、かつ高精度にスラットカーテン63の取り付けを行うことができる。
また、これに加え、挿入部43に挿入されたスラット65は、その中途の板面と連結部分である段部67との少なくとも上下二箇所が吊元部材61と外周面33aとに挟持固定されるので、従来構造のように、ボルト軸を中心に揺動することがない。この結果、ボルトの緊締に緩みが生じ難くなり、吊元部分にガタが出ることによる騒音や磨耗を防止することができる。
【0050】
なお、上述した各実施の形態では、スクリーンカーテン35やスラットカーテン63よりなる開閉体の巻取シャフト(支持体)33への固定を行う吊元部材36,61を、巻取シャフト33の軸方向の長さと略同一長さ、若しくは開閉体35,63の左右幅長と略同一長さとして形成する、すなわち連続した長尺部材とした例について述べたが、短尺に形成される複数構造としてもよく、開閉体の左右幅長に適応させて、連続した長尺な吊元部材を用いる構成や、複数の短尺な吊元部材を所定ピッチ毎に配置する構成としてもよい。
【0051】
また、上述した各実施の形態では、吊元部材36,61の構造が、巻取シャフト33の外周面33aに対向し、開閉体35,63の段部53,67に係止する係止部45の位置を、下端部に設けた構成とした例について述べたが、この位置に限ることはなく、上端部と下端部との中間位置など、挿入部43に向く形状であり、かつ開閉体35,63の段部53,67と係止されれば、限定されるものではない。
【0052】
さらに、上述した各実施の形態では、建物開口に配設される巻取シャフトに、開閉体であるスクリーンカーテン35やスラットカーテン63の上端を固定する例について述べたが、これら開閉体の構造が、例えば中途より上半部と下半部とで異なる構造とされ、これら上半部の開閉体と下半部の開閉体とを連結する部分に本発明の吊元構造を用いる構造としてもよい。すなわち、上半部の開閉体の下縁部分に支持体を設け、この支持体を吊元部分として下半部の開閉体を挟持固定させる構造としてもよい。この場合、例えば、スラットよりなるスラットカーテンと、シート材よりなるスクリーンカーテンを連結した構造の開閉体を構成できる。
【0053】
また、本発明の吊元構造によれば、開閉体の構造としては、上記のように限定されるものではなく、支持体に吊元部材を用いて固定される少なくとも上端部が、上記第一の実施の形態のようなシート材よりなる構造や、上記第二の実施の形態のようなスラット材よりなる構造とされて、支持体に対しての固定構造を得られる構造、すなわち、開閉体の上端部が吊元部材の係止部に係止される段部を有するシート材やスラット材で構成されれば、その開閉体は上記のように限定されるものではなく、段部よりも下方の開閉体の構造は、任意の構造でよく、例えば、棒状部材をリンク結合して構成されるグリルカーテンや、パネル材より構成されるパネルカーテンなどとしてもよい。
【0054】
さらに、上述した各実施の形態では、開閉体が、円筒状の巻取シャフト33に巻き取られる場合を例に説明したが、本発明による開閉体の吊元構造は、この他、建物の開口部に、吊下状態に配設されるシート材やのれん等の開閉体の上端を取り付けるための構造としても応用可能である。
この場合、吊元部材は、例えば平面を有する柱状の長尺材とする。また、開閉体の上端は、図5又は図6に示した重ね合わせ構造とすればよい。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明による開閉体の吊元構造は、吊元部材と支持体とで開閉体自身の上端部分を挟持固定するので、従来構造のように、丸パイプ等を、開閉体に対して挿入するなど、煩雑な作業がなくなるという効果がある。
【0056】
本発明では、開閉体のシート状上端縁を折り曲げることにより重ね合わせ部を形成し、吊元部材及び開閉体の重ね合わせ部を貫通して巻取シャフトに螺合する締結手段によって、吊元部材と巻取シャフトとで開閉体の重ね合わせ部を挟持固定するようにしているので、巻取シャフトに対する開閉体の取付構造が簡素で確実となり、工場における製造過程の簡略化が図れ、また取付作業が容易となる効果を得られる。また、開閉体には、下方に引っ張られる力が加えられるが、そのシート状の上端部は、折り曲げによる重ね合わせ部により形成されているところから、開閉体を構成するシートが引き裂かれるということがなく、固定状態が強固になるという効果がある。
【0057】
また、開閉体を吊元部材に取り付ける際、開閉体の段部が吊元部材の係止部に係止し、吊元部材に対して開閉体が吊下状態となり、この開閉体を吊元部材に保持させ仮止め状態として位置決め作業ができるので、開閉体を位置ずれが生じないよう保持しながらねじ止め作業を行う必要がなく、容易に、かつ高精度に、開閉体を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吊元構造によって開閉体を取り付けたシャッター装置の正面図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】吊元部材の部分拡大斜視図
【図4】開閉体の正面図
【図5】図4におけるB−B線断面図
【図6】開閉体の他の段部構造の断面図
【図7】(a)開閉体の取り付け手順を示した説明図
(b)開閉体の取り付け手順を示した説明図
(c)開閉体の取り付け手順を示した説明図
【図8】開閉体の他の段部構造の斜視図
【図9】開閉体の他の段部構造の斜視図
【図10】第二の実施の形態の吊元構造を示す要部拡大図
【図11】従来の開閉体上端部の拡大図
【図12】従来の開閉体の取り付け手順を示した説明図
【図13】従来の開閉体の吊元構造を示す要部斜視図
【図14】従来の開閉体の吊元構造を示す巻取シャフトの側面図
【符号の説明】
33…支持体(巻取シャフト)
33a…取付面(外周面)
35…開閉体(スクリーンカーテン)
36,61…吊元部材
39,55…締結手段(ねじ)
43…間隙(挿入部)
45…係止部
53,67…段部
63…開閉体(スラットカーテン)
Claims (5)
- 建物開口を開閉する少なくとも上端部がシート状体よりなる開閉体の上端である吊元を支持体である巻取シャフトへ取り付ける吊元構造であって、
前記巻取シャフトの取付面との間に間隙を形成し、上端部が前記取付面に固定され、かつ前記巻取シャフトの外周面に対向するように突出する係止部を有した吊元部材と、
上下方向の長さは、前記間隙の周方向の長さよりも小さく形成され、上端縁を折り曲げることにより重ね合わせ部を形成し、該重ね合わせ部の先端側が表面から突出することで形成された段部を上端縁に沿って有した前記開閉体とを具備し、
前記係止部に前記段部を係止して前記間隙に保持した前記開閉体の上端部を、前記吊元部材及び前記開閉体の前記重ね合わせ部を貫通して前記巻取シャフトに螺合する締結手段によって前記吊元部材と前記巻取シャフトとで挟持固定することを特徴とする開閉体の吊元構造。 - 前記重ね合わせ部は、溶着、接着又は縫製による手段、又は、溶着、接着、縫製を組み合わせた手段により固定されていることを特徴とする請求項1記載の開閉体の吊元構造。
- 前記開閉体は、少なくとも上端部がシート状体よりなり、前記段部が、一旦下方へ折り重ねた上端縁をさらに先端のみ折り重ねて形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉体の吊元構造。
- 前記吊元部材の表面に、前記締結手段を位置決めできるように、切欠溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の開閉体の吊元構造。
- 前記吊元部材には、前記巻取シャフトの外周面と反対向きとなって突出する突条部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の開閉体の吊元構造。
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