JP4851168B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
この従来技術における前記可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)の取付け構造について、詳細に説明すれば、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)の開閉体開放方向端部側に、前記取付けねじ(27)を貫通させるための連通孔(24)を幅方向へわたって複数形成し、これら連通孔(24)に対応するように、巻取ドラム(7)に複数のねじ孔(18)を形成し、各連通孔(24)に取付けねじ(27)を挿通させ、その取付けねじ(27)の先端側を巻取ドラム(7)のねじ孔(18)に螺着するようにしている。
したがって、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)の複数の連通孔(24)と、巻取ドラム(7)の複数のねじ孔(18)とは、略同一ピッチで配設され、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)を巻取ドラム(7)に取り付けて取付けねじ(27)を締め付けた状態では、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)が開閉体幅方向の撓みのない状態で略平坦状に張られる。
そのため、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)は、開閉方向への張力に耐え得るように、その材質や、厚み等が適宜に設定されていた。
すなわち、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)の閉鎖時や開閉動作時には、風圧や、開閉動作による振動等、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)の寸法バラツキ等に起因して、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)に対し開閉体幅方向の張力も作用する。
また、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)が巻取ドラム(7)に巻き取られた状態では、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)の厚みのバラツキや、開閉体幅方向の重量バランスの偏り等に起因して、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)に対しねじれ荷重が作用する場合もある。
したがって、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)には、開閉体開閉方向の張力、開閉体幅方向の張力、及びこれら張力の複合力が作用することになり、ひいては、この複合力により可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)が破損してしまうおそれがある。
特に、前記開閉体幅方向の張力は、可撓性シート部(難燃性耐火シート体14)の幅方向寸法が長くなるほど大きくなる傾向がある。そのため、上記従来技術によれば、可撓性シート部が幅方向へ長尺なロングタイプのスクリーンシャッター装置において、可撓性シート部の耐久性を確保するのが困難であった。
複数の前記被止着部の配設ピッチよりも、複数の前記止着部の配設ピッチを若干長く設定することで、前記シート部構成部材が、開閉体の開閉方向と略直交する方向へわたる撓みを有する状態で、前記巻取体構成部材の外周面に止着されるようにしたことを特徴とする。
ここで、上記形態に係わる開閉装置には、開閉体が閉鎖動作のみを行うように用いられる態様(例えば、非常時のみ遮煙や遮炎等の目的で閉鎖されるシャッター装置等)や、開閉体が開放動作のみを行うように用いられる態様(例えば、非常時のみ脱出等の目的で開放されるシャッター装置等)、開閉体が開放動作と閉鎖動作との双方を行うように用いられる態様等を含む。
なお、上記可撓性シート部とは、可撓性のシート材により構成された部位を意味する。また、この可撓性シート部は、材質的には、合成樹脂材製や布製等を含むが、特に耐火性(難燃性や不燃性等を含む)を考慮する場合には、耐火性を有する材料、あるいは耐火性を有するように加工された材料によってシートを構成することが好ましい。
また、上記被止着部とは、巻取体において上記止着部が止着される部分のことを意味する。この被止着部は、例えば、上記止着部をネジやボルト等を挿通させる貫通孔とした場合、そのネジやボルト等を螺合させるためのネジ孔とすればよく、また、上記止着部を凸部又は凹部とした場合には、その凸部又は凹部を凹凸状に嵌合させるための凹部又は凸部とすればよい。
また、上記止着部材は、巻取体に対し、その全長にわたって設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。
更に、上記止着部材は、単数の部材であってもよいし、開閉体幅方向へ配設される複数の部材から構成されるものであってもよい。
また、上記可撓性シート部に止着部材を一体的に設けるようにした構造には、例えば、可撓性シート部に袋状の部分を形成し、その部分に止着部材を挿通させるようにした態様や、止着部材を可撓性シート部に接着やネジ止め等するようにした態様、止着部材を可撓性シート部で包むようにした態様等を含む。
なお、耐火性(難燃性や不燃性等を含む)を考慮する場合には、耐火性を有する材質の止着具とすることが好ましい。
すなわち、この独立した発明は、少なくとも開放方向端部側に可撓性シート部を有する開閉体と、該開閉体における可撓性シート部を外周面に止着した巻取体とを備え、該開閉体を該巻取体により巻き取ったり繰り出したりするようにした開閉装置において、上記可撓性シート部は、複数のシート部構成部材を開閉体幅方向に連設し、隣り合うシート部構成部材間を着脱可能な止着手段によって接続するとともに、その接続箇所において開閉体幅方向に撓みを有することを特徴とする。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするために移動する方向を意味する。
第一の形態によれば、可撓性シート部の撓み部分によって、可撓性シート部に開閉体幅方向の張力が作用するのを軽減することができる。
ひいては、風圧や、開閉時の振動、寸法精度のバラツキ等に起因して、可撓性シート部に開閉体幅方向の張力やねじれ荷重等が作用し、該可撓性シート部が損傷したり等するのを防ぎ、可撓性シート部の耐久性を向上することができる。
したがって、可撓性シート部を開閉体幅方向へわたる撓みを有する状態で巻取体の外周面に止着する構造を、生産性の良好な具体的態様とすることができる。
したがって、可撓性シート部を開閉体幅方向へわたる撓みを有する状態で巻取体の外周面に止着する構造を、より生産性の良好な具体的態様とすることができる。
すなわち、巻取体構成部材間の空間を利用して、可撓性シート部を比較的大きく撓ませることができ、ひいては、可撓性シート部に開閉体幅方向の張力が作用するのを、一層低減することができる。
しかも、止着手段による接続箇所において開閉体幅方向に撓みを有する構成としているため、その撓みによって開閉体幅方向に張力が作用するのを、より効果的に軽減することができる。
以下の具体例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の構築・構造物の開口部分や、構築・構造物の内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、構築・構造物内部の空間を仕切ったり開放したりする開閉装置であって、特に、開閉体の略全域を可撓性シート材によって形成しているスクリーンシャッター装置として好ましい開閉装置ついて説明する。
このシート部構成部材11aは、略矩形帯状のシート材を複数連接するように縫い付けて構成してもよいし、一枚のシート材を略矩形状に裁断することで構成してもよい。
各シート部構成部材11aの開閉体開放方向側の端部は、開閉体幅方向へわたって止着部材12が挿入されるように、縦断面略袋状に形成にされ、その袋状部分には、巻取体構成部材21に対し止着するための貫通孔状の止着部11a1が、開閉体幅方向へわたって所定間隔置きに複数形成されている。
なお、止着部11a1は、図示例によれば、止着具14を挿通可能な貫通孔としているが、巻取体構成部材21に対し止着するための他の構成、例えば巻取体構成部材21に対し掛合されるようにしたフック状等の掛合部や、巻取体構成部材21に対し凹凸状に嵌合するようにした凸部等とすることも可能である。
そして、隣り合うシート部構成部材11a,11aは、その端部同士が重ね合わせられ、その重なり合う部分において、開閉体幅方向の張力を逃がすように開閉体幅方向に撓みを有する状態で、止着手段13によって接続されている。
止着手段13を前記スナップとした場合には、隣り合うシート部構成部材11a,11aを接続する際の作業性が良好であり、また、開閉体10を閉鎖した際の閉鎖遮蔽性を有効に確保することができる。しかも、接続された状態の凹状部材13aと凸状部材13bとを比較的容易に外すことができるため、例えば、非常時等に、開閉体10が閉鎖状態であっても、凹状部材13aと凸状部材13bとを外して避難用等の開口部を容易に形成することができ、また、突風等により可撓性シート部に強大な張力が発生した際等には、その際の張力により凹状部材13aと凸状部材13bとが外れるため、可撓性シート部11の損傷を防ぐことができる。
また、止着手段13を前記ボタンとした場合には、ボタン体13cの開閉体幅方向への移動をボタン孔13dの変形によってある程度許容できるため、可撓性シート部11に作用する開閉体幅方向の張力を緩和することができる。
なお、止着手段13の他例としては、面ファスナーや、ボルトとナット、磁石、その他の係脱部材とすることも可能である。
この止着手段13の配置によれば、図6に示すように、重ね合わせ部分11a2において、止着手段13が開閉体幅方向へ複数(図示例によれば2列)配設されるため、仮に止着手段13を開閉体幅方向へ単数列状に配設した場合(図8参照)では一方のシート部構成部材11aにおける重ね合わせ部分11a2の端部が風圧等の影響で捲れ上がってしまうおそれがあるが、このような現象を防ぐことができる。
この止着部材12は、巻取体20の巻取体構成部材21と略同一長さの棒状の部材であり、図示した好ましい一例によれば、縦断面矩形棒状の部材としている。
この止着部材12の材質は、剛性材料であればよく、特に、耐火性を向上する観点より、鋼材やステンレス材等の金属材料とするのが好ましいが、硬質剛性樹脂材料や、木材、石材等とすることも可能である。
この止着部材12には、止着具14を挿入するために開閉体厚さ方向へ貫通する貫通孔12a(図2参照)が、開閉体幅方向へわたって所定間隔置きに複数配設されている。
これら複数の貫通孔12aの配設ピッチP1は、上記シート部構成部材11aに設けられた複数の止着部11a1の配設ピッチP2よりも若干短く設定されている(図4参照)。
したがって、この止着部材12とシート部構成部材11aとに止着具14を挿通させると、各シート部構成部材11aが、開閉体幅方向へわたる撓みを生じることになる(図2参照)。
巻取体構成部材21は、金属材料からなる略円筒状の部材であり、その外周面には、止着具14の先端を止着するための被止着部21aが、開閉幅方向へわたって所定間隔置きに複数設けられている。これら複数の被止着部21aの配設ピッチ3は、上記止着部材12の複数の貫通孔12aの配設ピッチP1と略同一に設定されている。
また、軸部材22は、隣り合う巻取体構成部材21,21間にブラケット等を介して、これら巻取体構成部材21,21を接続する軸状の部材であり、巻取体構成部材21よりも小さい外径に形成されている。
また、図1及び2に示す一例によれば、シート部構成部材11a上端の略袋状の部分及び止着部材12が巻取体構成部材21の外周面から遠心方向へ突出する構造としているが、図3に示すように、巻取体構成部材21の外周面に巻取体軸方向に沿う凹溝を設け、該凹溝内に、前記略袋状の部分及び止着部材12を挿入させることで、その突出量を小さくしてもよい。この構成によれば、巻取体構成部材21に巻かれたシート部構成部材11aの巻き太りを軽減することができ、また、後述する一対のローラ24a,24aとの摩擦等によって、シート部構成部材11aが磨耗や破損等してしまうおそれを低減することができる。
前記一対のローラ24a,24bは、その一方のローラ24aの中心と巻取体20の中心とを結ぶ仮想直線と、その他方のローラ24bの中心と巻取体20の中心とを結ぶ仮想直線との角度θが略60度になるように、軸受けブラケット等により支持されている。前記角度は、前記一対のローラ24a,24bから巻取体20が脱落するのを防ぐことができ、且つ各ローラ24a,24bに作用する荷重を軽減することができる好適な値である。
なお、前記一対のローラ24a,24bを省き、複数の巻取体構成部材21からなる巻取体20の両端を、軸受け部材により回動自在に支持する構成とすることも可能である。
また、上記一対のローラ24a,24bに置換して、各巻取体構成部材21をその下方側から受ける支持部材を設け、各巻取体構成部材21を該支持部材上で滑らせることで回転させる構造とすることも可能である。
上記したように、止着部材12の複数の貫通孔12aの配設ピッチP1と巻取体20における巻取体構成部材21の複数の被止着部21aの配設ピッチP3とが略同一ピッチに設定され、これら貫通孔12a及び被止着部21aの配設ピッチよりも、可撓性シート部11におけるシート部構成部材11aの複数の止着部11a1の配設ピッチP2が若干長く設定されている(図4参照)。
また、隣り合うシート部構成部材11a,11aの間における止着部11a1,11a1の配設ピッチP2’は、隣り合う巻取体構成部材21,21間の被止着部21a,21aの配設ピッチP3’よりも若干長く設定されている。
更に、隣り合うシート部構成部材11a,11aの重ね合わせ部分11a2が、隣り合う巻取体構成部材21,21間の空間に入り込むことで、撓み部分y2を形成することになる(図2参照)。
したがって、可撓性シート部11には、開閉体幅方向にわたって複数の撓み部分y1,y2が形成されることになる。
よって、風圧や、開閉体10の開閉動作時の振動、可撓性シート部11各部の寸法制度のバラツキ等に起因して、閉鎖時の可撓性シート部11に開閉体幅方向の張力が作用したり、巻取体20に巻き取られた際の可撓性シート部11にねじれ荷重が作用したり等して、可撓性シート部11が損傷してしまうのを防ぐことができ、可撓性シート部11の耐久性を向上することができる。
11:可撓性シート部
11a:シート部構成部材
11a1:止着部
11a2:重ね合わせ部分
12:止着部材
12a:貫通孔
13:止着手段
14:止着具
20:巻取体
21:巻取体構成部材
21a:被止着部
y1,y2:撓み部分
Claims (3)
- 少なくとも開放方向端部側に可撓性シート部を有する開閉体と、該開閉体における可撓性シート部を外周面に止着した巻取体とを備え、該開閉体を該巻取体により巻き取ったり繰り出したりして上下方向へ開閉動作するようにした開閉装置において、
前記巻取体は、開閉体幅方向へわたって所定間隔置きに配設された複数の巻取体構成部材を、これら巻取体構成部材よりも外径の小さい軸部材によって連結してなり、前記巻取体構成部材には、被止着部が開閉体幅方向へわたって複数設けられ、
前記可撓性シート部は、前記複数の巻取体構成部材にそれぞれ対応するように、複数のシート部構成部材を開閉体幅方向に連設するとともに、隣り合う前記巻取体構成部材間に対応する範囲に、撓み部分を形成してなり、前記シート部構成部材には、複数の前記被止着部にそれぞれ止着するための複数の止着部が開閉体幅方向へわたって設けられ、
複数の前記被止着部の配設ピッチよりも、複数の前記止着部の配設ピッチを若干長く設定することで、前記シート部構成部材が、開閉体の開閉方向と略直交する方向へわたる撓みを有する状態で、前記巻取体構成部材の外周面に止着されるようにしたことを特徴とする開閉装置。 - 隣り合う前記シート部構成部材の間における前記止着部の配設ピッチを、隣り合う前記巻取体構成部材の間の前記被止着部の配設ピッチよりも若干長く設定したことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
- 前記シート部構成部材の開閉体開放方向側の端部を、縦断面略袋状に形成し、その袋状部分に、開閉体幅方向へわたって止着部材を挿入し、
前記巻取体構成部材の外周面に巻取体軸方向に沿う凹溝を設け、該凹溝内に、前記袋状部分及び前記止着部材を挿入したことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
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