JP2009138418A - シャッター装置用開閉体および該開閉体を用いたシャッター装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 収納部30から繰り出されて空間を仕切るように閉鎖動作するシャッター装置用開閉体10において、耐火性及び可撓性を有する金属ネット層11a1と、耐火性及び可撓性を有する非金属層11a2とを備え、前記金属ネット層11a1の網目11a11を前記非金属層11a2によって塞ぐようにして、これらの層を開閉体厚さ方向に接合してなることを特徴とするシャッター装置用開閉体。
【選択図】 図1
Description
このようなシート状の開閉体によれば、金属製スラット等からなる開閉体と比較し軽量なことなどから、開閉動作性が良好であり、火災等の非常時に速やかに閉鎖動作して、炎や煙等の蔓延を防ぐことができる。
この状態で、前記シート状開閉体に物等の衝突による衝撃を受けた場合、シート状開閉体が破損するおそれがある。
この技術的手段では、特に金属ネット層が、耐火試験後においても当該シャッター装置用開閉体の引張強度を維持するように作用する。また、非金属層は、金属ネット層の網目を塞いで、炎及び煙等の透過を阻む。
この技術的手段では、特にシャッター装置用開閉体を軽量で作動性の良好な具体的態様とする。
この技術的手段では、特に、シャッター装置用開閉体の表部側と裏部側の双方において良好な耐火性能を発揮する。
この技術的手段では、特に、金属ネット層の網目に入り込んだ接着剤が、金属ネット層と非金属層との接合強度を向上する上、炎及び煙等の透過を阻む。
この技術的手段では、一対のローラによる押圧によって、金属ネット層および表裏の非金属層が強固に接合されるとともに、表裏の非金属層間の空気が外部へ追い出されるため、当該シャッター装置用開閉体を、より燃焼し難くすることができる。
この技術的手段では、特に、金属ネット層と非金属層との接合強度が、一対の剛性部材によって増強される。
この技術的手段では、特に、当該シャッター装置用開閉体を比較的薄肉に形成することができる。
この技術的手段では、特に当該シャッター装置用開閉体の柔軟性及び伸縮性を向上することができる。
この技術的手段では、特に開閉方向に隣り合う開閉体構成部材間の接続強度および耐火性を向上する。
この技術的手段では、特に開閉方向に隣り合う開閉体構成部材間の接続強度および耐火性を向上する。
この技術的手段では、特にシャッター装置用開閉体の引張強度及び耐火性能が向上する上、シャッター装置用開閉体とガイドレールとの接触箇所における気密性を向上する。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
当該開閉体の引張強度を金属ネット層により比較的高く維持できる上、火炎や煙の透過を非金属層によって防ぐことができる。
したがって、例えば、火災等により高温環境に晒された後、更に開閉体面に衝撃を受けたとしても、その衝撃により破損するようなことを防ぐことができる。
本実施の形態の一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の構築・構造物における開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりする所謂シャッター装置、特に、火災などが発生した際に、火炎及び煙の拡散や蔓延を速やかに防止するのに好適な防火防煙シャッター装置、及び該シャッター装置に具備されるシャッター装置用開閉体について説明する。
この金属ネット層11a1は、図2に示す好ましい一例によれば、ステンレス製(例えばSUS304等)の線材(例えば外径約0.2mm)を、縦と横の各々において10本/インチ〜18本/インチとなるように、平織り状に織って構成される。この金属ネット層11a1を構成する線材の他例としては、例えば、鉄製やチタン製等とすることも可能である。
また、前記金属ネット層11a1における可撓性とは、開閉体10を構成した状態で、後述する巻取軸31により巻き取ったり繰り出したりすることが可能な程度の可撓性であればよい。
また、非金属層11a2における可撓性とは、開閉体10を構成した状態で、後述する巻取軸31により巻き取ったり繰り出したりすることが可能な程度の可撓性であればよい。
先ず、金属ネット層11a1の表部側に位置する非金属層11a2(シリカクロス)と、裏部側に位置する非金属層11a2(シリカクロス)に対し、それぞれ耐火性を有する接着剤(図示せず)が塗布される。この接着剤は、エマルジョン系接着剤に水酸化アルミニウムを混入することで難燃性を向上したものとされる。
各ステープラ用つづり針11bは、ステンレス製(例えばSUS304等)の線材を略コ字状に曲げ加工したものであり、ステープラによって前記重ね合わせ部分に挿通され、各先端部分が折り曲げられる。
前記構成によれば、ステープラ用つづり針11bは、その先端側部分を、前記重ね合わせ部分において、内部の金属ネット層11a1,11a1に対し複数個所挿通させて、上下の開閉体構成部材11a,11aを強固に接続する。
この扉部材12は、開口部10aを挟むようにして、開閉体本体11の表側と裏側にそれぞれ設けられ、各扉部材12の上端側部分が、開閉体本体11における開口部10aの上側に縫い付ける等して止着される。
各扉部材12は、開閉体構成部材11aと略同様の三層構造のシート材を、開閉体開閉方向へ縫い繋げて構成される。
また、収納部30の他例としては、収納ケース32を具備せずに、巻取軸31を露出した構成であってもよい。
図5は、開閉体10に対する耐火試験の状況を示している。この耐火試験をおおまかに説明すれば、開閉体10を炉内に晒し、その炉内温度を、約1時間30分かけて常温から1000℃近く(より詳細には約978℃)まで上昇させる。そして、前記加熱の後に、開閉体10の表面に対し、水圧約207kPa、放水時間約16秒/m2、流量約0.62m3/minの放水による衝撃を与える。
そして、前記加熱および放水試験中に、開閉体10に酸化劣化や破損等による開口が生じないこと等が確認される。
そして、これら両剛性部材11d,11d及びこれら部材間の開閉体本体11には、ボルトとナット等の締結具11eが貫通挿入され締め付けられる。
また、金属ネット層11a1と非金属層11a2,11a2との密着性を、より向上するためには、一対の剛性部材11d,11dを、開閉体開閉方向に間隔を置くようにして、複数組設けるようにしてもよい。
更に他例としては、金属ネット層11a1と非金属層11a2,11a2とを、上記した接着材による接着構造と、前記一対の剛性部材11d,11dによる挟持構造とを併用して、より強固に密着させるようにしてもよい。
この態様は、特に火災発生箇所が予測される場合に、その火災発生箇所側に、非金属層11a2を向けて用いるようにすればよく、必要最小限の非金属層11a2によって効果的に耐火性能を発揮する。
この構成において、非金属層11a2を挟み込む前記金属ネット層11a1,11a1同士は、網目の位置が一致していてもよいし一致していなくてもよい。また、これら金属ネット層11a1,11a1の織り方、編み方は、同じでもよいし異なっていてもよい。
例えば、金属ネット層11a1,11a1の一方をメリアス編み、他方を平織りとするとともに巻取軸31に巻かれる構成とする場合には、巻取軸31に巻かれた際の外径側がメリアス編み、内径側が平織りとするのが好ましい。すなわち、前記外径側は、内径側よりも引張り量が多いため、比較的伸縮性のよいメリアス編みとするのが好ましい。
したがって、この非金属層11a2’は、金属ネット層11a1の網目11a11を埋めるようにして、該網目11a11を塞ぐとともに、金属ネット層11a1に対し密着した状態となる。
なお、非金属層11a2’を構成する前記合成樹脂材料は、開閉体10の多少の撓み等でひび割れしたいりしない程度の可撓性、柔軟性を有するものであればよい。
しかも、火災時における開閉体10内外の圧力差に起因して、開閉体10が厚さ方向の一方側から風圧を受けた際にも(図6参照)、開閉体10とガイドレール20との接触箇所や、収納部30下端の図示しないまぐさ部との接触箇所において遮煙性が良好である。
更に他例としては、金属ネット層11a1と前記非金属層11a2’とを、前記のように熱溶融させることなく接着剤によって接合した態様や、金属ネット層11a1に対し耐火性の合成樹脂塗料を塗布することで、前記非金属層11a2を構成するようにした態様等とすることも可能である。
このワイヤロープは、好ましくは外径が0.2mmよりも大きく且つ0.4mmよりも小さいものが用いられ、数本(例えば5〜9本)のステンレス線材をより合わせることで構成されている。すなわち、外径が0.2mm以下では、十分な耐久性および耐火性が得られず、また、外径が0.4mm以上では、機械縫いが著しく困難となる。
このため、非金属層と金属ネット層とを開閉体厚さ方向に接合する作業は、乾燥雰囲気中で行うのが好ましい。
11a1:金属ネット層 11a2:非金属層
11:網目11a 11b:ステープラ用つづり針
11a2’:非金属層(合成樹脂層) 20:ガイドレール
30:収納部 A:シャッター装置
Claims (11)
- 収納部から繰り出されて空間を仕切るように閉鎖動作するシャッター装置用開閉体において、
耐火性及び可撓性を有する金属ネット層と、耐火性及び可撓性を有する非金属層とを備え、前記金属ネット層の網目を前記非金属層によって塞ぐようにして、これらの層を開閉体厚さ方向に接合してなることを特徴とするシャッター装置用開閉体。 - 前記非金属層が耐火性を有する布であることを特徴とする請求項1記載のシャッター装置用開閉体。
- 前記非金属層を、前記金属ネット層の表部側と裏部側との双方に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のシャッター装置用開閉体。
- 前記金属ネット層に対し、耐火性を有する接着剤によって前記非金属層を接着してなることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載のシャッター装置用開閉体。
- 前記表部側の非金属層と前記裏部側の非金属層との間に、前記金属ネット層および耐火性を有する接着剤を挟み込み、これらを近接する一対のローラ間に通過させ押圧することで接合してなることを特徴とする請求項3記載のシャッター装置用開閉体。
- 前記金属ネット層と前記非金属層とを、耐火性を有する一対の剛性部材間に挟んでいることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載のシャッター装置用開閉体。
- 前記金属ネット層が、金属線材を平織り状に構成してなることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載のシャッター装置用開閉体。
- 前記金属ネット層が、金属線材をメリアス編み状に構成してなることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載のシャッター装置用開閉体。
- 前記金属ネット層及び前記非金属層からなる開閉体構成部材を、開閉方向に複数接続してなるシャッター装置用開閉体であって、開閉方向に隣り合う前記開閉体構成部材の端部同士を、ステンレス製のステープラ用つづり針によって接続していることを特徴とする請求項1乃至8何れか1項記載のシャッター装置用開閉体。
- 前記金属ネット層及び前記非金属層を有する略帯状の開閉体構成部材を、開閉方向に複数接続してなるシャッター装置用開閉体であって、開閉方向に隣り合う前記開閉体構成部材の端部同士を、ステンレス製のワイヤロープによって縫い付けていることを特徴とする請求項1乃至8何れか1項記載のシャッター装置用開閉体。
- 前記シャッター装置用開閉体をガイドレールに沿わせながら開閉動作するようにしたことを特徴とする請求項1乃至10何れか1項記載のシャッター装置用開閉体を用いたシャッター装置。
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