JP2005126934A - 開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 空間を仕切り可能な開閉体10を巻取り軸20に巻取った際に、該開閉体10の巻残り部位が吊下げ状に配置される開閉装置において、前記巻取り軸20に前記開閉体10を巻き取った際に、その軸方向中央側の部位の巻取り量を他の部位の巻取り量よりも多くする巻取り量増加手段が備えられている。
【選択図】 図1
Description
そして、図7(a)における二点鎖線に示すように、開閉体110が巻取り軸120に巻取られると、巻取り軸120は、その自重や開閉体110の重量により、軸方向の略中央側を下方へ撓ませる。したがって、座板部材111も開閉体幅方向(開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向)の略中央側を下方へ撓ませることになる。
更に、開閉体110の開放状態では、図7(b)に示すように、巻取り軸120、及び該巻取り軸120に巻取られた開閉体110は、これらの自重等によって、巻取り軸120における軸方向の略中央側を下方へ撓ませる。そして、この撓みに起因して、開閉体110の巻残り部位(図中、おおよそ寸法110aの範囲)も、その幅方向の略中央側を下方へ撓ませることになる。
よって、この開放状態において、前記巻残り部位の下端の座板部材111は、その幅方向の略中央側を下方へ突出させた凸曲状に撓ませる。この状態は、前記のように撓んだ座板部材111が、略水平状かつ略平面状の天井面cと対象的に目視されるため、好ましくない。
例えば、シャッター装置の開閉体には、通常その閉鎖方向の端部に、地面や床面、枠部材等に当接させるための座板部材(当業者間においては座板、幅木、水切り等と呼称される場合もある。)が接続されている。そして、前記シャッター装置は、開閉体を巻取った際に、前記座板部材を巻取り軸下方のまぐさ等の不動部材に係止させることで、開閉体の閉鎖方向側に、巻取り軸に巻取られない吊下げ状の部位を確保する。この一例においては、前記座板部材を含む前記吊下げ状の部位が上記巻残り部位となる。
この巻取り量増加手段は、簡素構造でもって生産性を向上する観点より、その軸方向の略中央側の部位の巻径を他の部位の巻径よりも大きくする手段であることが好ましいが、例えば、巻取り軸を軸方向に複数分割し、その略中央側の巻取り軸の回転数を両側の巻取り軸の回転数よりも高速にした態様や、巻取り軸と略平行して駆動回転する補助ローラーを設け、該補助ローラーにより開閉体の幅方向の略中央側部位を強制的に巻取り軸側へ送り込むようにした態様等とすることも可能である。
上記巻取り軸の軸方向の略中央側部位を他の部位よりも遠心方向へ突出させた構成とする場合、上記巻取り軸の回転バランスを良好にするために、遠心方向へ突出するその突出量を周方向に略均等とした態様が好ましいが、周方向における一部分が遠心方向へ突出した態様(すなわち、巻取り軸の軸方向の略中央側が偏心した態様)とすることも可能である。
また、これらの構成の場合、上記巻取り軸の軸方向の略中央側へ向かって滑らかな曲面状に突出する態様とするのが好ましいが、上記巻取り軸の軸方向の略中央側へ向かって階段状に突出する態様とすることも可能である。
前記具体例において、上記開閉体を厚くする部位は、上記開閉体の幅方向の略中央側であれば、開閉体開閉方向の略全長であっても一部分であってもよいが、必要最少限の面積でもって効果を奏する好ましい態様としては、開閉体開放方向の端部側に配置される。
ここで、「巻取り軸と別体の部材」とは、上記巻取り軸の軸方向の略中央側部位を他の部位よりも遠心方向へ突出させるように、上記巻取り軸に対して装着される部材であればよい。
この部材の具体例としては、上記巻取り軸に対して環状に装着される略筒状の部材や、上記巻取り軸に対して巻き付けられるシート状の部材等が挙げられる。
更に、この部材の他の具体例としては、上記巻取り軸の外周面と上記開閉体の開放方向の端部との間に、これら両者を止着するための止着部材を軸方向へわたって複数設け、これら複数の止着部材の内、軸方向中央側の止着部材を他の止着部材よりも厚めに形成した態様等が挙げられる。
ここで、上記のようにして厚く形成される部位は、上記開閉体自体を部分的に厚く形成した部位であってもよいし、上記開閉体に対し他の部材を止着することで厚く構成された部位であってもよい。
第一の発明によれば、巻取り軸に開閉体を巻き取った際、該巻取り軸の軸方向中央側の巻取り量が、同巻取り軸の軸方向両端部側等の他の部位よりも多くなる。
したがって、巻取り軸の自重や巻取られた開閉体の自重等によって、該巻取り軸の軸方向の略中央側が下方へ撓み、その撓みの影響で、開閉体の巻残り部位の下縁が巻取り軸の軸方向の略中央側で下方へ撓んでしまうのを、抑制することができる。ひいては、開閉体を巻き取った際における巻残り部位の外観上の体裁を向上することができる。
なお、本発明は、巻取り軸や開閉体における開閉体幅方向の略中央側が自重によって撓み易い構成である場合、例えば開閉体の幅寸法や巻取り軸の長さ寸法が比較的大きい場合等に、より顕著な効果を発揮する。
しかも、巻取り軸に開閉体が巻き取られるにしたがって、軸方向の略中央側の部位の巻径が他の部位の巻径よりも大きくなるため、巻重ねられる開閉体が前記軸方向の一方側へズレていってしまうのを防ぐことができる。
本実施の形態は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の構築・構造物における開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりする所謂シャッター装置やロールスクリーン装置として適用可能であるが、特に好ましい態様として、可撓性シート状の開閉体を巻取り軸に巻回するようにしたスクリーンシャッター装置に適用した一例を説明する。
この開閉体本体11は、開閉体幅方向(開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向)に長い略矩形帯状のシート材を、上下方向に複数連接するように縫い付けてなる態様や、開閉体開閉方向に長い略矩形帯状のシート材を、左右方向に複数連接するように縫い付けてなる態様等、複数のシート材を縫い合わせた構成としてもよいし、一枚のシート材を略矩形状に裁断することで構成してもよい。
この座板部材12は、例えば断面略逆T字状等、開閉体幅方向における撓みを抑制する断面形状に形成され、開閉体本体11を下方へ引っ張る作用を向上させるように、必要に応じて内部に金属製等の錘部材を具備している。
そして、この巻取り軸20は、その左右の支持軸22の各々が、ベアリング(図示せず)等を介して軸受けブラケット20aに回動自在に支持されており、一方の支持軸22に係合された駆動源(図示せず)によって回動する。
また、巻取り軸20を回動させる技術的手段は、前記駆動源により巻取り方向へのみ駆動回転し、開閉体10の自重により巻戻し方向へ回転する態様としてもよいし、前記駆動源により双方向へ回転する態様としてもよい。
なお、この巻取り体21は、中軸状であっても、あるいは中空軸状であってもよいが、軽量化をはかるとともに曲げ強度を効果的に向上する観点より、中空軸状とするのが好ましい。
この際の止着手段は、開閉体本体11の閉鎖方向の端部を巻取り体21の外周面に固定するものであればよく、例えば、開閉体本体11の前記端部をボルトやネジ、リベット等の止着具を用いた態様や、開閉体本体11の前記端部を巻取り体21外周面に係合や嵌合等させるようにした態様、開閉体本体11の前記端部を、別体に介在された該止着部材によって巻取り体21外周面に止着するようにした態様等、何れの態様であってもよい。
先ず、開閉体10が座板部材12を床面fに当接させて閉鎖されている状態では、巻取り軸20は、略水平な略直線上に沿った状態に維持される。なお、巻取り軸20の材質や強度、構造等によっては、この状態で該巻取り軸20の軸方向の略中央側が自重等により下方へ若干撓む場合もある。
したがって、この状態(図1(a)に二点鎖線で示す状態)では、座板部材12も開閉体幅方向の略中央側を下方へ撓ませることになる。すなわち、図示するように、座板部材12の幅方向の略中央側における対向部位fからの高さ寸法と、同座板部材12の両端部側における対向部位fからの高さ寸法との間に、寸法差xを生じる。
したがって、巻取り軸20による開閉体10の巻取り回数が増えるのに応じて、上記寸法差xが次第に小さくなって行く。
しかしながら、開閉体10における巻残り部位(図1中、おおよそ寸法10aの範囲)の下端の座板部材12は、上記寸法差xが略無くなることにより、略水平状かつ直線状に維持される。
よって、この開放状態では、座板部材12下面と天井面cとの双方が、略水平状かつ略平面状に目視されることになる。
すなわち、巻取り軸20に開閉体10が巻き取られる際、巻き取られる開閉体10の内外間の接触圧力(換言すれば、巻き取られた際に内側となる開閉体10と外側となる開閉体10とが押し合う力)は、巻取り軸20の略中央側において局部的に大きくなる。
したがって、この中央側における内外の開閉体10の摩擦抵抗により、巻重ねられる開閉体10の軸方向へのズレが阻まれることになる。
なお、前記巻取り体31と支持軸32,32とからなる前記巻取り軸30の構成は、従来の巻取り軸を用いた構成であってもよい。
この巻径拡大手段は、上述した構成の巻取り軸30の外周面に、複数の止着部材34a,34b,34c,34b,34aを介して、開閉体10の開放方向の端部(図示例によれば上端部)を止着してなる。
より具体的に説明すれば、止着部材34a、止着部材34b、止着部材34cの順番で、肉厚が厚くなるように用いられている。
したがって、この巻径拡大手段は、開閉体10を巻取った際の座板部材12の撓みや、巻取られた開閉体10の幅方向へのズレ等を防止する等、上述した巻径拡大手段と略同様の作用効果を奏する上、簡素構造であるため生産性にも優れている。
この巻径拡大手段は、上記構成の開閉体10における幅方向略中央側の表面に厚み増加シート13を止着してなる。
この厚み増加シート13は、単数であってもよいし、必用に応じて複数枚重ね合わせて用いてもよい。
なお、この厚み増加シート13は、図示した好ましい態様によれば、開閉体10の開放方向の端部側(図示例によれば上端側)に配置することで、必要最小面積でもって効果的に巻径を拡大するようにしているが、開閉体10の開閉方向の略全長に配設したり、開閉体10の閉鎖方向の端部側に配設したり等することも可能である。
この巻径拡大手段は、上記構成の開閉体10における幅方向略中央側に、撓み防止部材14を配設してなる。
そして、この撓み防止部材14は、開閉体本体11の開閉方向(図示例によれば上下方向)に所定間隔置きに配設され、且つ開閉体10の幅方向の略中央側に配置されている。
上記構成によれば、撓み防止部材14は、帯状部材15と開閉体本体11との間に挟まれるようにして保持されるため、開閉体幅方向へ大きくズレてしまうことはない。
しかしながら、前記ズレをより確実に阻むとともに、挿入された撓み防止部材14の開閉体10略中央側での位置決めを容易にするためには、図示例のように、撓み防止部材14の挿入方向側の端部に対応する位置に、帯状部材15を開閉体本体11に接触させるようにして、開閉体開閉方向(図示例によれば上下方向)の縫い目15bを設ける。
また、更に、撓み防止部材14の前記ズレをより確実に阻むためには、撓み防止部材14の挿入方向と反対側の端部に対応する位置に、撓み防止部材14の挿入後に縫い目を設けてもよい。
しかも、この巻径拡大手段によれば、撓み防止部材14によって開閉体10の撓みを防止することができ、ひいては当該開閉装置Aの耐風性能や気密性能等を向上することができる。
11:開閉体本体
12:座板部材
13:厚み増加シート
14:撓み防止部材
20,30,30’:巻取り軸
21,31:巻取り体
33:巻径拡大部材
34a,34b,34c:止着部材
A:開閉装置
Claims (5)
- 空間を仕切り可能な開閉体を巻取り軸に巻取った際に該開閉体の巻残り部位が吊下げ状に配置される開閉装置において、
前記巻取り軸に前記開閉体を巻き取った際に、その軸方向の略中央側の部位の巻取り量を他の部位の巻取り量よりも多くする巻取り量増加手段が備えられていることを特徴とする開閉装置。 - 上記巻取り量増加手段は、前記巻取り軸に前記開閉体を巻き取った際に、その軸方向の略中央側の部位の巻径を他の部位の巻径よりも大きくするように、前記巻取り軸と前記開閉体との内の一方または双方に巻径拡大手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
- 上記巻径拡大手段は、上記巻取り軸における軸方向の略中央側の部位を、他の部位よりも遠心方向へ突出させてなることを特徴とする請求項2記載の開閉装置。
- 上記巻径拡大手段は、上記巻取り軸の外周面に、上記巻取り軸と別体の部材を設けてなることを特徴とする請求項2又は3記載の開閉装置。
- 上記巻径拡大手段は、上記開閉体における幅方向の略中央側の部位を、他の部位よりも厚く構成してなることを特徴とする請求項2乃至4何れか1項記載の開閉装置。
Priority Applications (1)
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