JP4749449B2 - 二次元ネット材 - Google Patents

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Description

本発明は座席構造に用いられる二次元ネット材に関し、より詳しくは、航空機、列車、船舶、フォークリフト、自動車などの輸送機器用の座席、あるいは住居内外で使用される各種の椅子や車椅子として適する座席構造に用いられる二次元ネット材に関する。
航空機、列車、船舶、自動車などに用いられる座席は、衝撃吸収性、振動吸収性などの基本的機能の向上はもとより、これらの機能を補助し、さらに快適な乗り心地を得るために、体格差吸収性、姿勢差吸収性、体動容易性などの様々な機能の向上が常に求められている。さらに近年は、燃費向上による環境対策の観点から、自動車などの輸送機器の軽量化を図るため、これらに用いられる座席も、上記した様々な機能の向上に加え、軽量化を図ることが望まれており、より薄く軽量なクッション材を使用した技術などが提案されている。
例えば、本出願人は、上記した観点より、厚み数ミリから数十ミリ程度の立体編物をフレームに張設し、張力構造体として用いることにより、軽量でありながら、クッション材として十分な特性(バネ特性や減衰特性)を備えた座席構造を提案している。
しかしながら、かかる立体編物を用いて自動車の座席などで求められる特性を十分に発揮させるためには、立体編物の下方に、二次元ネット材や立体編物等からなる面状支持部材や、プルマフレックスなどと称される面状弾性部材を配置し、これを複数の金属バネ(コイルスプリング)で支持してバネ感を補い、荷重を分散支持して、振動吸収性、体格差吸収性などの諸機能を有効に機能させる必要がある。ところが、コイルスプリングを複数配設した場合には、立体編物自体が薄いため、着座者に対しては、コイルスプリングの立体編物への当たりが、そのまま着座者の異物感として感じられ易い。このため、従来、異物感の軽減対策として、立体編物の積層数を増したり、立体編物とコイルスプリングとの間にウレタン材などの他のクッション材を介在させたりすることが行われている。従って、異物感として感じられるコイルスプリングの配設数を減らすことができれば、あるいは、異物感として感じにくいところにコイルスプリングを配設することができれば、立体編物の積層数を減らしたり、ウレタン材などの他のクッション材を介在させる必要がなくなるなど、更なる軽量化が期待できる。
従来一般に用いられるクッション材であるウレタン材を用いる場合には、着座者にワイヤやフレームなどの剛性の異なるものを異物感として感じさせないために、ウレタン厚を30mm以上確保するのが通常であるが、より薄く軽量化されたものを使用しようとする場合には、上記立体編物の場合と同様の問題がある。また、他のクッション材、例えば、弾性糸を含んでなる二次元ネット材を用いる場合でも厚みが薄いため同様の問題がある。また、二次元ネット材、立体編物あるいはウレタン材を複数任意に組み合わせて用いる場合でも、コイルスプリングの配設数を減らしたり、配設位置を変更することにより、より薄くより軽量なクッション構造を達成できる。
また、特に、自動車などの輸送機器用座席で求められる衝撃吸収性に関しては、衝突時における座席からの人体の跳ね上がり等を低減されることが求められる。このための対策としては、前後方向から受ける衝突荷重を、座骨結節を中心とした慣性力の回転モーメントに変換して、臀部の沈み込みが大きくなるように座角を変化させて分散させる構造が望まれる。
一方、人が椅子に着席する場合の標準姿勢は、人の臀部が椅子の座部(シートクッション部)後方に位置して、人の腰部が椅子の背部(シートバック部)に当接している状態であるが、人の着座姿勢として、特に、老人や子供などのように体格が小さい場合、あるいは長時間着座しているような場合には、臀部が前方に移動して仙骨部が座部に接するような仙骨姿勢と呼ばれる座り方をとることが報告されている(デザイン学研究 BULLETIN OF JSSD Vol.48 No.1 2001、p49〜56 「体格差を考慮した福祉車両用車椅子のサスペンション最適特性」)。このことは、車椅子に限らず、自動車などの輸送機器用座席、事務用あるいは劇場用の椅子などにおいても同様であり、このような仙骨姿勢をとった場合であっても、体格差、姿勢差を吸収して衝撃吸収性や振動吸収性を大きく損なうことがなく、快適な座り心地を達成できる座席構造の開発が望まれる。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、従来よりも更なる軽量化を図ることができると共に、衝撃吸収性、振動吸収性、体格差吸収性、姿勢差吸収性、体動容易性などの様々な機能を向上させることができる座席構造に用いる二次元ネット材を提供することを課題とする。
上記した課題を解決するため、本発明者は、着座者が異物感として感じにくい位置に従来の体側付近に配置していたコイルスプリングに代わるトーションバーを用いることにより、軽量化を図った上で上記種々の特性を改善できると考え、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1記載の本発明では、座席構造の座部に張設されて基層のクッション層を構成し、任意のフレーム部材間に張設される面状支持部材として用いられる二次元ネット材であって、
たて糸とよこ糸のいずれか一方が弾性糸から構成され、他方が該弾性糸よりも弾性の小さい普通糸から構成されており、長さ200mm、幅50mmで切り出した試験片をその長手方向各端部から50mm内側に寄った部位までを掴み代として長手方向に沿って50mm/分で引っ張ることにより測定された引っ張り特性として、弾性糸の配置方向に沿って引っ張った際に軟化バネ特性を示すと共に、普通糸の配置方向に引っ張った際に線形バネ特性を示し、
前記任意のフレーム部材に張設した状態で略垂直方向に加圧した際の荷重−たわみ特性から求められるバネ定数として、直径30mmの圧縮板で加圧した際の荷重−たわみ特性から求められるバネ定数よりも直径98mmの圧縮板で加圧した際の荷重−たわみ特性から求められるバネ定数が高いことを特徴とする二次元ネット材を提供する。
請求項2記載の本発明では、前記普通糸の配置方向に引っ張った際の引っ張り特性として、たわみ量20mm以下の領域において非線形特性を有する請求項1記載の二次元ネット材を提供する。
請求項3記載の本発明では、前記座部の前後方向に掛け渡され、前記座部後方に配設されたトーションバーの弾性力により張設され、前記荷重−たわみ特性を発揮するものである請求項1又は2記載の二次元ネット材を提供する。
請求項4記載の本発明では、前記座部後方に配設され、前記トーションバーにより常態において後倒方向に付勢されると共に、無負荷時においては略垂直状態となっているアームに支持される支持フレームと、座部前方に設けられたフレーム部材との間に、前記トーションバーの弾性力により張設される面状支持部材として用いられ、
前記弾性糸の配置方向を、前記アームに支持される支持フレームと座部前方に設けられたフレーム部材とを結ぶ方向に沿うようにして架け渡されて使用され、前記荷重−たわみ特性を発揮するものである請求項3記載の二次元ネット材を提供する。
請求項5記載の本発明では、前記弾性糸が、ポリエステル系エラストマー繊維又はポリウレタン繊維であり、前記普通糸が、ナイロン繊維又はポリエステル繊維である請求項1〜4のいずれか1に記載の二次元ネット材を提供する。
本発明の座席構造は、座部後方に、幅方向に沿って配設されたトーションバーと、このトーションバーに連結され、該トーションバーにより常態において後倒方向に付勢されるアームとを備え、アームに支持される支持フレームと座部前方に設けられたフレーム部材との間に、前記トーションバーの弾性力により張設される面状支持部材を配設している。このため、着座時の快適性や乗り心地に影響を与えるバネ特性を、このトーションバーにより付与でき、体側付近に必要であったコイルスプリングの使用数を低減又は廃止することができる。従って、面状支持部材上に配置される表層のクッション層を従来よりも薄く、あるいは積層数を低減することができ、座席構造を軽量化することができる。しかも、トーションバーを用いたことにより、振動吸収性が改善できると共に、トーションバーの回動角度を規制することにより、大荷重入力時には面状支持部材の伸びによる作用を十分に発揮させることができ、人体の座骨結節付近を中心とした回転モーメントにより大荷重入力時の衝撃を軽減し、衝撃吸収性をさらに向上させることができる。
また、トーションバーが、体格差、姿勢差に追随して回動角度が変化する構成であるため、体格差、姿勢差に拘わらず、面状支持部材の人体へのフィット性を損なうことなく、体格差吸収性、姿勢吸収性、体動容易性にも優れている。このため、いわゆる仙骨姿勢等の変形姿勢に対しても、それに追随した面状支持部材の変形により快適な着座感を付与でき、車椅子などの利用者にとっても座り心地の改善に資する。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を更に詳しく説明する。図1〜図3は本発明の一の実施形態に係る座席構造の主要部を示す図である。これらの図に示したように、本実施形態の座席構造を構成する座部(シートクッション部)10は、ブラケット11、トーションバー12、アーム13、支持フレーム14、面状支持部材15、コイルスプリング16等を有して構成される。
ブラケット11は、座部10の後方に横方向(幅方向)に配置される後部フレーム12に対し、離間させて2つ固定配設されている。ブラケット11は、その前側に後部フレーム10aに嵌合する嵌合溝11aを備えると共に、その後ろ側に突出する突出板11bを備える。また、嵌合溝11aが形成されている部位の上方に位置し、それぞれに対向配置された側板11c間には支軸11dが架け渡され、該支軸11dには、後述するコイルスプリングの他端が係合される係合環11eが設けられている。側板11cの後縁は末広がりに傾斜して形成されており、該後縁には、板状ゴム11fが設けられており、この板状ゴム11fが、後述のアーム13が当接することにより、アーム13の前倒方向への回動範囲を規制するストッパ部材として機能する。ストッパ部材は、このようにゴム等の弾性部材から構成されることが好ましく、アーム13が板状ゴム11fに当接した際には、その緩衝機能を作用させることができる。
一方のブラケット11の突出板11bには、角形の嵌合孔11gが形成されており、該嵌合孔11gに、トーションバー12の一端部(固定端)が嵌め合わせられ、座部10の幅方向に沿って支持されている。トーションバー12は、その他端部(自由端)が他方のブラケット11に設けられる突出板11bに回転可能に支持されるため、該トーションバー12は、自由端側がねじられることにより所定のバネ特性を発揮する。
アーム13は、トーションバー12の各端部付近に設けられる。トーションバー12の固定端側に配置される一方のアーム13は、その基端部がトーションバー12に対し回動自由に配設され、トーションバー12の自由端側に配置される他方のアーム13は、その基端部がトーションバー12に直接連結されて、そのねじりトルクにより、後倒方向(図3参照)に付勢されている。
各アーム13の上端部13a間には、支持フレーム14が座部10の幅方向に沿って配設されている。面状支持部材15は、この支持フレーム14に後端部15aが支持され、前端部15bが折り返して形成した取り付け部15cを介して、座部10の前方付近に配置された任意のフレーム部材(なお、本明細書において、「任意のフレーム部材」とは、サイドフレーム、後部フレーム等の座部(シートクッション部)の基本形状を形成するパイプ状部材や板状部材はもとより、これらのパイプ状部材等に付設される軸部材、金具、リング等をも含む中のいずれかの部材という意味である)に固定されることにより、座部10の前後方向に張設される。
本実施形態においては、面状支持部材15として、2枚の二次元ネット材15A,15Bを途中で縫い継いで用いており、後方に配置した二次元ネット材15Aは、前方に配置した二次元ネット材15Bよりも狭い幅のものを用いている。従って、2つの二次元ネット材15A,15Bの境界においては、前方に配置した二次元ネット材15Bの各側部15dが後方に配置した二次元ネット材15Aよりも外側に突出しており、この突出している側部15dの範囲にコイルスプリング16の一端を係合している。
より具体的には、前方に配置した二次元ネット材15Bにおける、後方に配置した二次元ネット材15Aとの境界端には、座部10の幅方向に沿ってバネ鋼からなる線材17が支持されている。線材17は着座時に慣性力が作用した場合のグラツキ感を防止するためのものであり、該線材17の両端付近にコイルスプリング16の各一端が係合されている。各コイルスプリング16の他端は上記したように、各ブラケット11に設けた係合環11eに係合されているため、各コイルスプリング16は、結局、後方に配置した二次元ネット材15Aの各側部外方に配設されることになる。
後述の第2の機能を付与する補助バネ手段としてのコイルスプリング16は、体側付近に配設した場合には、着座者が異物感として感じやすいため、異物感として感じにくい位置に設けることが好ましく、例えば、本実施形態のように、座部10の前後方向中途位置から座部後端にかけて前後方向に沿って配設することが好ましい。また、座部10の前後方向中途に位置するコイルスプリング16の一端は、着座時における人体の重心位置となる座骨結節付近あるいは体幹軸付近に設けることが好ましく、これにより、このコイルスプリング16の一端を作用点として、振動入力に対し、効率よく着座者を励振することができる。従って、該コイルスプリング16の一端が係合される被係合部としての線材17は、着座時における重心位置を基準として前後に150mmの範囲、好ましくは100mmの範囲、より好ましくは50mmの範囲に設定するとよい。
トーションバー12は、着座時の平衡状態においてアーム13が不安定な釣り合い位置となるように、その初張力が調整される。このため、微小振動に対しても敏感に反応するが、トーションバー12の復元力は、本実施形態の座席構造の第1の機能として、主としてストローク感を創出し、無負荷状態から平衡状態に至るまでの変位に対して効率よく釣り合い状態を作り出し、振動吸収機能と衝撃力吸収機能を担う。また、コイルスプリング16は、無負荷状態と平衡状態とで配設角が異なり、本実施形態の座席構造の第2の機能として、主として平衡状態で効率よく作用し、主に高周波数帯における振動吸収機能を補強して、微小振動に対してより効率よく作用する。トーションバー12によっても微小振動に対して対処できるが、コイルスプリング16を上記のように異物感を感知しない領域に配置することにより、微小振動に対する作用をさらに向上させることができる。なお、コイルスプリング16は、左右方向の揺れに対して着座者を安定して支持する機能も有している。
すなわち、本実施形態においては、トーションバー12の復元力を利用し、それにより上記のように主にストローク感の創出と不安定な釣り合い状態を作り出しているものであるが、微小振動に対しても敏感に作用するため、トーションバー12のみによっても座席に必要な振動吸収性等の諸特性を十分に付与できる。従って、これを補助するコイルスプリング16を含めたバネ構造全体の設計自由度が広がって最適設計が可能となり、結果としてコイルスプリングの使用本数を減らすことが可能となって、重量、コストの軽減を達成できる。
そして、着座者に対して異物感として感じる体側付近のコイルスプリングを廃止することができるため、表層を形成するクッション層となる立体編物やウレタン材等の厚みを従来より薄くしたり、積層数を減らすことができ、また、体側部のフレーム間距離、いわゆるフレームピッチを小さくでき、座席構造全体の軽量化、小型化に寄与する。
なお、線材17は、バネ鋼でなくてもよいが、バネ鋼でない場合には、所定の荷重が加わって、面状支持部材15が沈み込んだ際に、塑性変形してしまう。また、剛性が高い場合には異物感として感じる。バネ鋼でなくても、人体形状を模した形状に加工して使用することにより、異物感を軽減させることも可能であるが、バネ鋼を用いた場合には、バネ鋼のバネ特性も機能させることができ、振動吸収性等のさらなる向上につながるため、好ましい。
ここで、面状支持部材15として用いた二次元ネット材15A,15Bは、弾性糸を含んでなるものであり、たて糸とよこ糸のいずれか一方がポリエステル系エラストマー繊維、ポリウレタン繊維などの弾性糸から構成され、他方が弾性糸よりも弾性の小さいナイロン繊維、ポリエステル繊維などの普通糸から構成されるものである。また、二次元ネット材を使用する場合には、図12に示したように、弾性糸の配置方向に沿って引っ張った際の引っ張り特性として軟化バネ特性を示し、普通糸の配置方向に引っ張った際の引っ張り特性として線形バネ特性を示すものが好ましい。大荷重入力に伴い、普通糸が破断した場合には、軟化バネ特性により減衰比を上げることができる。なお、図12に示したように、普通糸の材料や線径の選択等により、普通糸の配置方向である原反のロール方向に引っ張った際の線形バネ特性としては、ロール方向1のように全く非線形特性を有しない構造とすることもできるし、初期たわみ領域(通常は、たわみ量10mm以下の領域(ロール方向2)、最大でも、たわみ量20mm以下の領域(ロール方向3)において非線形特性を有する構造とすることもできる。初期たわみ領域において非線形特性を有する構造とすることにより着座時のストローク感を増大することができる。
なお、図12に示した引っ張り特性は、上記した二次元ネット材を、長さ200mm、幅50mmで切り出した試験片を用い、この試験片の長手方向各端部からそれぞれ50mm内側に寄った部位までを掴み代として試験機により長手方向に沿って50mm/分の速度で引っ張ることにより測定して得られる特性である。この際、弾性糸の配置方向に沿った引っ張り特性は、弾性糸の配置方向が長手方向となるように切り出した試験片を用い、普通糸の配置方向に沿った引っ張り特性は、普通糸の配置方向が長手方向となるように切り出した試験片を用いる。
また、面状支持部材15としては、このような二次元ネット材に限らず、立体編物やウレタン材などを用いることもできる。本実施形態における面状支持部材15は、通常は、そのまま表層のクッション層として用いられるものではなく、該面状支持部材15の上に、サイドフレームなどの各フレームを覆い隠すようにして配置される立体編物やウレタン材などの表層のクッション層が別途積層されて用いられる。すなわち、本実施形態の面状支持部材15は、通常は、基層のクッション層を構成するものとして用いられる。従って、立体編物やウレタン材などを支持して、振動吸収性、衝撃吸収性等のバネ構造の役割を担うものであり、本実施形態のように二次元ネット材を用いることが一般的であるが、立体編物やウレタン材を用いることも可能である。もちろん、二次元ネット材に立体編物やウレタン材を積層したり、あるいは立体編物にウレタン材を積層したりして用いてもよいし、本実施形態において前後に2分割して用いている二次元ネット材15A,15Bのうち、例えば、前方に配置した二次元ネット材15Bのみを立体編物等に代えて構成することもできる。
面状支持部材15は、二次元ネット材、立体編物、ウレタン材のいずれか1種を用いる場合であっても、又はそれらの2種以上を任意に組み合わせて積層したり、縫い継いだり、振動溶着したりして用いる場合であっても、いずれにしても、該面状支持部材15は、上記した支持フレーム14と前方に配置した任意のフレーム部材との間に張設した状態において、略垂直方向の荷重−たわみ特性が、人体の筋肉の荷重−たわみ特性に略近似しているか、それよりも低い特性を示すものであることが好ましい。反力が小さく、着座者の筋肉の変形を押さえることができ、フィット感を増してグラツキ感を低減できる。なお、立体編物とは、表裏2層のグランド編地同士を、モノフィラメント原糸等からなる連結糸により、クロス状やトラス状に連結したものである。
また、人体の筋肉の荷重−たわみ特性に略近似しているか、それよりも低い特性を示すものの中から、さらに、より柔らかなバネ特性を備えるものを使用することにより、沈み込みを誘発しやすくなり、体圧分散性、姿勢支持性をより重視した構造とすることができ、比較的硬めのバネ特性を備えるものを使用することにより、グラツキ感の低減と振動吸収性をより重視した構造とすることができるなど、使用する面状支持部材15を適宜選択することで様々な特性を作り出すことができる。また、本実施形態のように前後に二枚の材料を縫い継いだり、振動溶着して用いる場合には、同種の材料であるか異種の材料であるかに拘わらず、それぞれ異なるバネ特性又は減衰特性を備えるものを使用することもできる。
本実施形態にかかる座席構造は、人が着座する前の無負荷時においては、アーム13が図3の実線で示したように略垂直状態となっており、面状支持部材15の前端部15b付近を除いた部位は、略水平に張設されている。かかる状態で人が着座すると、人の重心位置に相当する面状支持部材15における2つの二次元ネット材15A,15Bの境界付近が沈み込む。これに伴い、後方に配置された二次元ネット材15Aに引っ張られて、アーム13が、トーションバー12の弾性力に抗して前倒方向に回動する。この際の回動角度は、着座者の体重によって異なる。従って、トーションバー12のバネ特性による振動吸収性が、体重差(体格差)によって大きく異なることがなく、ほぼ安定して発揮される。また、面状支持部材15を構成する二次元ネット材15A,15Bの境界付近の沈み込みに伴いコイルスプリング16が伸長するため、そのバネ特性も機能し、トーションバー12による振動吸収性を補助する。また、左右方向の揺動に対して、そのバネ特性により着座者を支持し、グラツキを抑制する。
また、着座者の姿勢が上記したような標準姿勢から仙骨姿勢等に変化することにより重心位置が変わった場合には、面状支持部材15における沈み込み位置が変化するが、それに伴ってアーム13の前倒方向への回動角度も変化する。このため、体動が容易であると共に、荷重による面状支持部材15の変形形状が着座者の姿勢に追随し、着座者とのフィット感を損なうことがないため、姿勢差が生じることによる座り心地の悪化を抑制することができる。また、自動車などの座席においては、このように着座者が仙骨姿勢をとった場合でも、トーションバー12による振動吸収性の姿勢差による違いが小さく、ほぼ安定した振動吸収性を発揮することができる。
一方、衝突等により、所定以上の大きな衝撃性荷重や振動が入力された場合には、標準姿勢における重心位置である座骨結節付近に相当する面状支持部材15の沈み込み量が大きくなる。これにより、アーム13はトーションバー12の弾性力に抗してさらに前倒方向に回動しようとするが、ブラケット11の板状ゴム11fに当接することにより、そのバネ特性によって緩衝されながら、所定以上回動できなくなり、回動角度が規制され、衝撃力が入力された際の必要以上の着座者の沈み込みを規制する。トーションバー12の回動が規制されると、続いて、面状支持部材15が伸びることによりさらに座骨結節付近が沈み込み、脚部が上方に持ち上げられようとするため、座骨結節付近を中心とした回転モーメントが生じる。このため、人体が座面から離間しようとする力を抑制し、人体の背を座席の背部(シートバック部)に押し付け、人体に加わる衝撃が効率よく軽減される。なお、かかる機能をより効果的に発揮させるためには、面状支持部材15は、張設方向に伸びた場合に、減衰比が上がるようなものが好ましく、例えば、二次元ネット材であれば、図12に示したような特性を有するものを用い、大荷重入力時には普通糸が破断するように設けることが好ましい。これにより、変位量が増大してもバネ定数が小さくなるという弾性糸の軟化バネ特性が大きく作用し、減衰比が上がり衝撃吸収性をさらに向上させることができる。
なお、上記した実施形態では、二次元ネット材15A,15Bを2枚縫い継いで面状支持部材15を構成しているが、図4及び図5に示した実施形態のように、1枚の二次元ネット材や立体編物等からなる面状支持部材15を、支持フレーム14と前方の任意のフレーム部材との間に設けることももちろん可能である。また、これらの図に示したように、コイルスプリング16の一端を係合している上記した線材17に代えて、プルマフレック等の面状弾性部材20を面状支持部材15の下部に配置することもできる。この場合には、該面状弾性部材20の前方ワイヤ部20aを、座部を構成する前方付近に配置された任意のフレームなどの部材に回動可能に支持し、後方ワイヤ部20bにコイルスプリング16の一端を係合するようにして用いることができる。
また、図6〜図9に示した実施形態のように、アーム13によって支持された支持フレーム14に後端部15aが支持され、座部10の前方に配置されたパイプ部材からなる前端フレーム10bに前端部15b付近が支持された一体物の面状支持部材15を用いると共に、その前後方向中途であって人体の重心付近に相当する位置に、線材支持部材17aを略筒状に縫いつけたり、振動溶着して取り付け、この線材支持部材17aに線材17を挿通し、コイルスプリング16の一端を支持する構成とすることもできる。なお、この実施形態において、コイルスプリング16の他端は、係合環を介さずにブラケット11に係合させているが、荷重がかかることにより略垂直方向に可動する線材17に係合される該コイルスプリングの16の作用端となる一端は、図9に示したように、人体の重心位置Pを基準として前後に150mmの範囲、好ましくは100mmの範囲、より好ましくは50mmの範囲に設定するとよいことは上記各実施形態と同様である。その他の構成は、上記各実施形態とほぼ同様である。
また、図10及び図11に示した実施形態では、座部10の前方に配置された板状の前端フレーム10bに面状支持部材15の前端部15b付近を係合し、またアーム13の前倒方向の回動範囲を規制するストッパ部材として、後端フレーム10aを利用しているが、その他の点では図6〜図9に示した実施形態とほぼ同様の構造を有している。
図6〜図9及び図10〜図11に示した各実施形態は、面状支持部材15、線材17、アーム13、ストッパ部材等の構造や取り付け構造のバリエーションとして示したものであり、その作用、効果は上記した各実施形態と全く同様である。
(試験例)
図1で示した座席構造において、面状支持部材15として二次元ネット材を使用すると共に、表層を形成するクッション層(座部用クッション材)として、立体編物を、座部10を形成するサイドフレーム間に伸び率5%未満で張設した。使用した二次元ネット材は、弾性糸の配置方向(原反の幅方向)と普通糸の配置方向(原反のロール方向)に関し、図12に示したような引っ張り特性を有し、弾性糸の配置方向では軟化バネ特性を備えていた。なお、普通糸の配置方向に対する引っ張り特性は、図12のロール方向2に相当する特性であった。また、軟化バネ特性を生じる弾性糸の配置方向が座部10の前後方向に沿うように配置した。
また、使用した立体編物は、14ゲージ、釜間15mmのダブルラッセル編機においてL1、L2、L3、L4、L5、L6の6枚の筬を用い、表層のグランド編地を形成する2枚の筬(L1、L2、)から835デシテックス240フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸を、L1ガイドに2イン2アウトの配列で、L2ガイドに2アウト2インの配列で供給し、裏層のグランド編地を形成する2枚の筬(L6、L7)から501デシテックス144フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸をガイドにオールインの配列で供給し、連結糸を形成する2枚の筬(L3、L4)から390デシテックス(直径0.19mm)のポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを、L3ガイドに2イン2アウトの配列で、L4ガイドに2アウト2インの配列で供給し、以下に示す編組織で、打ち込み13コース/2.54cmの密度で立体編物の生機を編成し、さらに、この生機を150℃×1分で乾熱ヒートセットして得たものである。この立体編物は、厚さ9.5mm、重量925g/m、編地密度14コース/インチ、13ウエール/インチ、単位面積当たりの連結糸本数364本/6.45cmのものであった。
(編組織)
L1:4544/2322/1011/3233/
L2:1011/3233/4544/2322/
L3:3245/2310/2310/3245/
L4:2310/3245/3245/2310/
L5:1110/0001/
L6:2210/2234/
また、使用したトーションバー、コイルスプリング及びストッパ部材である板状ゴム(図中、「ストッパーラバー」)のバネ特性は、図13に示すとおりであった。太い実線は、トーションバー、コイルスプリング及び板状ゴムの全てを組み合わせた際のバネ特性を示し、細い実線は、トーションバーと板状ゴムとを組み合わせた際のバネ特性を示し、いずれも弱い非線形特性を有していた。破線は、板状ゴム(ストッパーラバー)単独のバネ特性である。なお、図13において、「たわみ」は、トーションバー12に付勢されるアーム13に支持された支持フレーム14の前倒方向への水平変位量である。
そして、まず、立体編物を配設しない状態で、張設された二次元ネット材の略垂直方向における荷重−たわみ特性を測定した。結果は、図14〜図16に示すとおりであった。この荷重−たわみ特性は、二次元ネット材を図1に示したように張設した状態で、略垂直方向に直径30mm、直径98mm、直径200mmの圧縮板により、座部(シートクッション部)10の後端である背部(シートバック部)との境界から、各図に示した位置であって、座部10の幅方向略中央部に該圧縮板の中心を合わせて、測定した。
また、立体編物をサイドフレーム間に伸び率5%未満で張設して、同様に、直径30mm、直径98mm、直径200mmの圧縮板を用いて略垂直方向の荷重−たわみ特性を測定した。結果を図17〜図19に示す。
立体編物を有しない図14〜図16と立体編物を有する図17〜図19とを比較すると明らかにように、立体編物を有することによって、いずれの圧縮板の場合でもヒステリシスロスが大きくなり、減衰性が高まることがわかる。直径30mm及び直径98mmの圧縮板を用いた荷重−たわみ特性(図14、図15、図17、図18)においては、人の臀部筋肉の荷重−たわみ特性も合わせて示したが、使用した二次元ネット材が筋肉の荷重−たわみ特性の傾向に近似した特性を有していることがわかる。また、立体編物を装填した場合には、筋肉の荷重−たわみ特性よりも全体にやや低いバネ定数になることがわかる。
このことから、試験例の座席構造は、トーションバーによって弾性的に支持された二次元ネット材が人の筋肉に近似した特性を有し、反力が小さく、着座者の筋肉の変形を押さえることができる。すなわち、低周波数帯においては、自律神経、特に副交感神経の作用によりリラックス状態となり、筋肉が柔らかくなるが、この筋肉の減衰特性を減殺することがないバネ定数を有する構造となっている。そして、立体編物を配設した場合には、この特性をより顕著に発揮させることができる。
次に、試験例の座席構造において、立体編物を配設しない状態で、体重55kgの日本人女性(JF55)、体重64kg、90kgの日本人男性(それぞれ、JM64、JM90)が着座し、振幅1mm(ピーク間距離(p−p)2mm)で加振し、振動特性を測定した。結果を図20に示す。乗り心地に大きく影響を与えるのは上下振動により骨格自体を前後に揺らす2Hz以下と上下に揺らす5Hzの動揺であることが知られているが、試験例の座席構造はこのいずれの範囲からも共振峰が外れ、5Hz付近及び内蔵との共振となる6〜8Hzの周波数帯で極めて低い振動伝達率となっていた。従って、トーションバーを用いた上で、座部の前後方向に沿ってコイルスプリングを配置することによって、従来の体側付近にコイルスプリングを配設して支持する場合と比較して、より少ない使用本数で、かつ着座者にとって異物感として感じにくい位置であるにも拘わらず、高い振動吸収性を発揮できることがわかる。
また、試験例の座席構造において、立体編物を配設した状態で、上記した体重64kgの日本人男性が着座して、振幅1mm(ピーク間距離(p−p)2mm)で加振し、振動特性を測定した。また、比較のため、S字バネに厚さ100mmのポリウレタンフォームを支持した座部を有する座席構造(ウレタンシート)についても同様に振動特性を測定した。結果を図21に示す。なお、図21においては、図20におけるJM64のデータを合わせて示す。
この結果から明らかなように、立体編物を配設しない状態において、高く表れていた3Hz付近の振動伝達率が、立体編物の減衰性が加味されることにより、小さくなることがわかる。また、ウレタンシートと比較して、特に5Hz付近及び内蔵との共振となる6〜8Hzの振動伝達率が、試験例の座席構造の場合には大きく低減していることがわかる。
参考までに、試験例の座席構造に関し、質量6.7kgのウエイトを載置して、立体編物を配設しない状態と配設した状態とで力と相対変位の関係を示すリサージュ図形を描いてみたところ、図22及び図23に示したように、上記した立体編物を配設した構造の方が、確かに減衰比が高くなっていた。従って、面状支持部材である二次元ネット材をトーションバーを介して支持すると共に、上記した立体編物を組み合わせることでより好ましい座席構造を提供することができる。
なお、本発明の座席構造は上記した実施形態に限定されるものではないことはもちろんである。例えば、面状支持部材15の上部に配設される座部用クッション材50を、図24に示したように、サイドフレームに係合せずに、後端部51を、アーム13を介してトーションバー12により弾性的に支持された支持フレーム14に、面状支持部材15の後端部15aと共に支持した構成とすることもできる。この場合、座部用クッション材50の前端部52は、前端フレーム10bに係合するか、図24に示したように、前端フレーム10b下を通過させて、面状支持部材15に係合させる構造とする。
座部用クッション材50は、図24のような無負荷時において、たるまない程度で張設する。これにより、無負荷時における外観を損なうことがない一方で、人が着座した際には、図25に示したように、アーム13及び支持フレーム14が前倒するため、座部用クッション材50の張力が緩む。この結果、座部用クッション材50の有する法線方向(厚み方向)のバネ特性を効率的に機能させ、振動伝達率をより低減でき、振動吸収特性をさらに向上させることができる。なお、座部用クッション材50としては、立体編物、ウレタン材、二次元ネット材等を使用でき、これらを複数枚重ねて使用することもできる。但し、薄型でも十分なクッション特性を備えた立体編物を用いることが好ましい。
また、図24及び図25に示したように、コイルスプリング16の一端が係合される被係合部としての線材17は、面状支持部材15の下面に縫製などにより縫いつけた線材支持部材60,61,62内に、可動にないしは湾曲可能に遊びをもって配設することが好ましい。これにより、着座者の体重によって、線材17の可動量ないしは湾曲の程度が異なることになり、線材17のバネ特性(復元力による人体へのフィット感や振動吸収特性)を体重差に応じて機能させることができる。なお、この点の詳細についてはさらに後述するが、線材17を可動ないしは湾曲可能とすることができる線材支持部材60,61,62によって支持することが好ましいことは、上記した各実施形態においても同様である。
図26〜図30は、本発明のさらに他の実施形態を示す図である。本実施形態においては、座部用クッション材50として、後端部51に連結用布材51aを連結した上で、該連結用布材51aを、面状支持部材15と共に、トーションバー12により弾性的に支持された支持フレーム14に支持している。この点は、図24及び図25に示した態様とほぼ同様の構成である。但し、前端部52は、幅方向の全ての部位を前端フレーム10bあるいは面状支持部材15に係合させるのではなく、図26に示したように、前端部52の幅方向の一部を前端フレーム10bあるいは面状支持部材15に、本実施形態では略中央部に位置する所定幅(30〜100mmの範囲、好ましくは50〜70mmの範囲)の部位52aのみを前端フレーム10b下を通過して面状支持部材15に連結している。また、図28に示したように、側縁部53については、落ち込み防止と形状保持のため、その前方部53aのみを合成樹脂製の断面略U字状のプレート部材(セットプレート)54を介して、サイドフレーム10cに係合している。但し、この前方部53aより後方に位置する後方部53bは、図29に示したように、サイドフレーム10cに係合されていない。本実施形態では、この後方部53bにもセットプレート54を配設しているが、これは、前後方向に張力がかかって伸びると、側縁部53が内側に収縮するように湾曲変形することから、この変形を抑制して座部用クッション材50の形状を保持するために設けたものである。従って、使用する座部用クッション材50の側縁部53の面剛性が高い場合、例えば、折り返して振動溶着処理を行い剛性を高めているような場合には設ける必要はなく、あくまで任意である。
このような構成とすることにより、図24及び図25に示した態様と同様に、座部用クッション材50は、無負荷時においては所定の形状で保持されて張設されているが、人が着座した際には、トーションバー12に支持された支持フレーム14が前倒して、張力が低下し、座部用クッション材50の有する法線方向のバネ特性を十分作用させることができる。
座部用クッション材50の前端部52における所定幅の部位52aのみを面状支持部材15に連結しているため、本実施形態によれば、図27に示したように、所定幅の部位52aの各端部と、座部用クッション材50の後端部51に連結された連結用布材51aの各側部付近とを結ぶ仮想線上に沿った部位が、高張力部となり、その間に中張力部が形成され、高張力部の外側に低張力部が形成されることになる。つまり、座部用クッション材50は、高張力部を境として、人の体重の大部分を支持する中張力部と、振動(特に高周波振動)を減衰させる低張力部とで構成されることになる。従って、座部用クッション材50と面状支持部材15との間で位相遅れが生じ、減衰特性をより効果的に高めることができる。また、側縁部53の前方部53cは、セットプレート54を介してサイドフレーム10cに係合されているが、前方部53aに隣接して低張力部が存在しているため、サイドフレーム10c及びセットプレート54を介して伝達される振動は、かかる低張力部により低減される。
なお、座部用クッション材50は、図24及び図25に示した態様と同様に、立体編物、ウレタン材、二次元ネット材等を用いることができ、そのまま表皮として用いることも可能であるが、本実施形態では、図28〜図30に示したように、座部用クッション材50の上面に、柔らかな感触、風合いを持たせるための補助クッション材55と皮革等の別途の表皮材56を積層している。補助クッション材55と表皮材56の各後端部55a,56aは、図30に示したように、共に連結用布57を介して、トーションバー12に支持された支持フレーム14に連結され、またその前端部55b,56bは、前端フレーム10b下を通過して面状支持部材15に連結されている。また、座部用クッション材50と前端フレーム10bとの間には、反力の小さなクッション材58、例えば、粘弾性ウレタン等を配設することが好ましい。この反力の小さなクッション材58を有することにより、例えば、自動車座席においてペダル操作しても、脚部への反力の入力がほとんどないため前端フレーム10bの異物感をほとんど感じさせない。
ここで、コイルスプリング16の一端が係合される被係合部としての線材17を支持する本実施形態の線材支持部材60,61,62の詳細構造について説明する。すなわち、図31に示したように、この線材支持部材60,61,62は筒状物からなり、本実施形態では3つ用いられ、その線材層通部60a,61a,62aに線材17が挿通されることにより支持されている。線材支持部材60,61,62は、予め筒状に形成されたものを取り付けても良いし、布材を2つ折りにした状態で面状支持部材15に固定することで筒状物としても良い。また、面状支持部材15への固定手段は任意であり、縫製、振動溶着等の手段を用いることができる。
但し、本実施形態においては、図31に示したように、布材を2つ折りにした状態で、面状支持部材15に開放端側を重ね合わせて縫製することにより筒状に形成している。また、線材17の各端部付近を支持する両側の線材支持部材60,62は、2つ折りにした際の開放端側の重ね合わせた部位が、面状支持部材15の前方側に向き、その縫い代60b,62bの位置よりも後方に線材層通部60a,62aが位置するように設けられ、中央部に配置される線材支持部材61は、開放端側の重ね合わせた部位が、面状支持部材15の後方側に向き、縫い代61bの位置よりも前方に線材層通部61aが位置するように設けられる(図26及び図31参照)。但し、各線材層通部60a,61a,62aは、線材17が曲がることなく一直線上に無理なく遊びをもって挿入されるような位置関係で設けられる。
面状支持部材15に対する縫い代60b,61b,62bが上記のように設けられる結果、図26に示したように、中央部に配設される線材支持部材61の縫い代61bの位置が、両側の縫い代60b,62bよりも後端寄りとなり、面状支持部材15における両側の縫い代60b,62b間に挟まれた部位の面剛性が、両側の縫い代60b,62bが位置する部位の面剛性よりも小さくなる。両側の縫い代60b,62b間に挟まれた部位の長さを60〜130mmの範囲、好ましくは80〜100mmの範囲とすることにより、面剛性の高い両側の縫い代60b,62bの位置する部位に座骨結節部が位置することになる。このため、座骨結節部に対する面状支持部材15のバネ感が強くなり、グラツキ感を抑制できる一方、両側の縫い代60b,62b間に挟まれた部位においては人体へのフィット感を増すことができる。
また、線材17は、各線材挿痛部60a,61a,62aに遊挿されているため、図31(a)に示したように、人が着座した際にはその荷重を受けて略中央部が後方斜め下方向に膨出するように可動し湾曲する。これにより、面状支持部材15と線材17の略中央部との間に隙間が形成されることから(図31(b))、当該部位における面状支持部材15の面剛性を上げることを防止できる。また、この線材17の可動ないしは湾曲の程度が着座する人の体重によって異なることになるため、体重差に対応したバネ感あるいはフィット感を機能させることができる。
また、面状支持部材15としては、上記したように、二次元ネット材、立体編物、ウレタン材等のいずれでも用いることが可能であるが、このうち、立体編物を用いる場合には、例えば、図32に示したような構造とすることが好ましい。すなわち、立体編物からなる面状支持部材15を用いる場合、後端部15aを支持フレーム14に、前端部15bを前端フレーム10bにそれぞれ係合させるが、この際、前後に伸びる方向に張力がかかると、側部15dが内方に湾曲するように変形しようとする。これでは、座骨結節回りに対する反力が高くなってしまい、略垂直方向(厚み方向)に加圧した際の荷重−たわみ特性として、人体の筋肉の荷重−たわみ特性に略近似しているかそれよりも低い立体編物を用いたとしても、その特性が十分には発揮できなくなる。従って、側部15dの内方への湾曲変形を抑制するため、まず、図32(a)に示したように、側部15dを振動溶着して潰し、剛性を高める構成とすることが好ましい。これにより、人体の筋肉の荷重−たわみ特性に略近似するかそれよりも低い立体編物を用いた場合に、その特性を十分に発揮させ、人体への反力を小さくすることができる。
また、立体編物を用いているため、コイルスプリング16の一端が係合される線材17を、図32に示したように、グランド編地間に挿入配設した構造とすることができる。これにより、二次元ネット材を用いた場合のように、別途の線材支持部材17aを配設することが不要となる。線材17をグランド編地間に挿入配設するに当たっては、側部15dからの抜けを防止する必要があるが、上記のように、側部15dが振動溶着されれば、側部15dからの抜け防止処理も同時に果たすことができる。なお、図32(a),(b)において、符号15eは、グランド編地間に挿入配設した線材17の両脇部を部分的に振動溶着して形成した線材位置規制溶着部であり、これにより、グランド編地間に挿入配設した線材17が所定の位置からずれることを防止する。
図33(a)〜(c)は、図32と同様に面状支持部材15として立体編物を用いた態様の他の例を示すものである。図33の態様においては、グランド編地間に挿入配設した線材17に沿って振動溶着し、これにより、該線材17のずれを防止する線材位置規制溶着部15eを形成している点で、図32に示した態様と異なっている。なお、図33においては、一対のグランド編地を、線材17に沿って両面から潰し、線材位置規制溶着部15eを形成しているが、図34に示したように、一方のグランド編地側のみを振動溶着して、線材位置規制溶着部15eを形成することもできる。
また、本発明の座席構造によれば、上記したように、衝突等により、所定以上の大きな衝撃性荷重や振動が入力された場合には、標準姿勢における重心位置である座骨結節付近に相当する面状支持部材15の沈み込み量が大きくなり、続いて、面状支持部材15が伸びることによりさらに座骨結節付近が沈み込み、脚部が上方に持ち上げられようとするため、座骨結節付近を中心とした回転モーメントが生じる(図3参照)。このため、人体が座面から離間しようとする力を抑制し、人体の背を座席の背部(シートバック部)に押し付け、人体に加わる衝撃が効率よく軽減されるという作用、効果を有する。
もちろん、これに伴って面状支持部材15の上部に配設される座部用クッション材の沈み込み量も大きくなる。しかしながら、座部用クッション材に対し、背部用クッション材70の下端が縫製等により一体に連結されている場合には、座部用クッション材及び面状支持部材15の沈み込み量が大きくなる一方で、背部用クッション材70の張力が高くなってしまう。これでは、人体に対し、座骨結節付近を中心とした回転モーメントを与え、座席の背部(シートバック部)に押し付けようとしても、背部用クッション材70の張力によって人体の背を跳ね返す力が大きくなってしまう可能性がある。
このため、背部用クッション材70としては、予め、少なくとも腰部付近を含む部位(以下、「略中央部」という)を座席前方に膨出させた膨出形状に形成しておくことが好ましい。予め前方に膨出しているため、通常の着座時においては人体の腰部を支持できると共に、人体の背が上記のような回転モーメントによって押し付けられた際には、膨出形状が解消されるように略平坦に変形するため、その間に張力が高くならず、人体を跳ね返す力が大きくなってしまうことがない。
背部用クッション材70をこのような膨出形状で設ける具体的態様の例を図35〜図40に示す。図35及び図36に示した態様は、背部用クッション材70の裏面に、上下に間隔をおいて、略平行に係合ワイヤ81を設け、この係合ワイヤ81間に、ゴムバンド82を張設し、該ゴムバンド82の張力によって背部用クッション材70の略中央部71を前方に膨出させる構造である。なお、各係合ワイヤ81の端部は、縫製や振動溶着により背部用クッション材70に固定している。図37及び図38に示した態様は、上下に間隔をおいて2個一対の係合ワイヤ83を幅方向に離間させて2組配置し、各組の係合ワイヤ83間に、ゴムバンド84をそれぞれ係合させ、背部用クッション材70の略中央部71を前方に膨出させる構造である。図39及び図40に示した態様は、ゴムバンド85の各端部を、合成樹脂製プレート86を介するなどして、背部用クッション材70の裏面に振動溶着や縫製により固定し、該ゴムバンド85の張力によって、背部用クッション材70の略中央部71を膨出させる構造である。
図35〜図40に示した態様は、あくまで例示であり、背部用クッション材70の裏面に、各端部が上下に所定の間隔をおいて係合される弾性部材を具備し、該弾性部材の張力により、該背部用クッション材70の略中央部71を前方に膨出させることができる限り、どのような構造であってもよく、例えば、弾性部材として、上記各ゴムバンドに代えて金属バネ等を用いることもできる。なお、背部用クッション材70としては、立体編物、ウレタン材、二次元ネット材等を使用でき、これらを複数枚重ねて使用することもできるが、薄型でも十分なクッション特性を備えていることから立体編物を用いることが好ましいことは座部用クッション材と同様である。
ここで、上記した各実施形態においては、例えば、図1〜図4に示したように、面状支持部材15の後端部15aを、支持フレーム14に掛け回して固定している。具体的に説明すると、図41(a),(b)に示したように、後端部15aは、支持フレーム14の外面に掛け回され、該後端部15aより手前に位置する部位(上層部位)15gに対し、支持フレーム14によって折り返された折り返し部15hを該支持フレーム14の前方まで突出させ、両者を重ねた上で縫合等により固定している。これにより、該支持フレーム14の手前においては、上層部位15gと折り返し部15hとにより、面状支持部材15が結果的に二層に配置される区間(二層区間)が生じている。このため、かかる二層区間の範囲は、面剛性が高くなっており、形状追従性が低下し、人が着座した際には、図41(c)に示したように、かかる区間に位置する臀部が前方に押し出されやすい傾向がある。また、後端部15aが支持フレーム14にいわば拘束されているため、着座状態で振動が入力された際において、支持フレーム14及びアーム13を介して機能するトーションバー12の弾性力は、面状支持部材15の張力によって制限され、トーションバー12の働きが制約を受ける。すなわち、上方向への振動入力による抜重状態となって面状支持部材15の張力が低下しても、低下した該面状支持部材15の張力がトーションバー12に作用する。
従って、面状支持部材15の後端部15aは、次のように支持することが好ましい。すなわち、図42(a)に示したように、面状支持部材15を、支持フレーム14に対して直接固定するのではなく、支持フレーム14に対しては、該支持フレーム14の上方より掛けるだけとし、後端部15aを支持フレーム14の下方に配置されたトーションバー12に連結固定する。これにより、面状支持部材15は、支持フレーム14に掛けられた部位(支持フレーム当接部15j)の直前において二層区間が生じない。従って、支持フレーム14の直前の部位における面剛性が他の部位と比較して上昇することがない。また、振動が入力された際には、上方向への振動入力(抜重状態)があると、支持フレーム当接部15jが支持フレーム14へ押し付けられる力が、瞬間的に小さくなるため、あるいは無くなるため、トーションバー12が、面状支持部材15の張力に影響を受けずに機能し、トーションバー12の弾性力による支持フレーム14の動きの応答性が良くなる。これにより、図42(b)に示したように、人が着座した際に臀部に対する形状追従性が図41の場合よりも向上し、前方に押し出されにくくなる。
また、図43に示したような支持手段を採ることも有効である。すなわち、この態様は、面状支持部材15の後端部15aを支持フレーム14に直接固定する点では、図41に示した支持手段と同様であるが、支持フレーム14により折り返される折り返し部15hを、支持フレーム14の前方に突出させないように、支持フレーム14の外面に密接して固定した構成である。この態様では、支持フレーム14に面状支持部材15の後端部15aが拘束され、面状支持部材15の張力によってトーションバー12の働きが制限を受ける点では、図41に示した態様と同様であるが、図41に示したような後端部15aより手前に位置する部位(上層部位)15gと折り返し部15hとによる二層区間が形成されることがないため、臀部の接する部位の面剛性が他の部位よりも上昇することがない。従って、図42に示した態様よりは劣るものの、図41に示した態様と比較すれば、形状追従性が向上する。
図1は、本発明の一の実施形態に係る座席構造を構成する座部を示す概略斜視図である。 図2は、上記実施形態に係る座席構造を構成する座部の平面図である。 図3は、図1のA−A線断面図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係る座席構造を構成する座部を示す概略斜視図である。 図5は、図4のA−A線断面図である。 図6は、本発明のさらに他の実施形態に係る座席構造を示す概略斜視図である。 図7は、上記実施形態に係る座席構造を構成する座部の平面図である。 図8は、図6のA−A線断面図である。 図9は、着座時の重心位置とコイルスプリングの作用端との位置関係を示す図である。 図10は、本発明のさらに他の実施形態に係る座席構造を構成する座部を示す概略斜視図である。 図11は、図10のA−A線断面図である。 図12は、試験例において面状支持部材として用いた二次元ネット材の引っ張り特性を示す図である。 図13は、試験例で使用したトーションバー、コイルスプリング、板状ゴム(ストッパーラバー)のバネ特性を示す図である。 図14は、試験例の座席構造において、立体編物を配設しない状態での直径30mmの圧縮板を用いて測定した荷重−たわみ特性を示す図である。 図15は、試験例の座席構造において、立体編物を配設しない状態での直径98mmの圧縮板を用いて測定した荷重−たわみ特性を示す図である。 図16は、試験例の座席構造において、立体編物を配設しない状態での直径200mmの圧縮板を用いて測定した荷重−たわみ特性を示す図である。 図17は、試験例の座席構造において、立体編物を配設した状態での直径30mmの圧縮板を用いて測定した荷重−たわみ特性を示す図である。 図18は、試験例の座席構造において、立体編物を配設した状態での直径98mmの圧縮板を用いて測定した荷重−たわみ特性を示す図である。 図19は、試験例の座席構造において、立体編物を配設した状態での直径200mmの圧縮板を用いて測定した荷重−たわみ特性を示す図である。 図20は、試験例の座席構造において、立体編物を配設しない状態での振動伝達率を示す図である。 図21は、試験例の座席構造において、立体編物を配設しない状態及び立体編物を配設した状態での振動伝達率、並びにウレタンシートの振動伝達率を示す図である。 図22は、試験例の座席構造において、立体編物を配設しない状態での力と相対変位の関係を示すリサージュ図形である。 図23は、試験例の座席構造において、立体編物を配設した状態での力と相対変位の関係を示すリサージュ図形である。 図24は、本発明のさらに他の実施形態に係る座席構造を構成する座部の無負荷時の状態を示す概略側面図である。 図25は、図24の座席構造に対し人が着座した状態を示す概略側面図である。 図26は、本発明のさらに他の実施形態に係る座席構造を構成する座部の概略斜視図である。 図27は、図26と同じ概略斜視図であって、高張力部、中張力部、低張力部の形成位置を模式的に示した図である。 図28は、図26のA−A線断面図である。 図29は、図26のB−B線断面図である。 図30は、図26のC−C線断面図である。 図31(a)は線材支持部材の具体的構造を示す図であり、図31(b)はその一部を示す概略側面図である。 図32(a)は、面状支持部材として立体編物を用いた場合の構造の一例を示す斜視図であり、図32(b)は(a)のA−A線断面図である。 図33(a)は、面状支持部材として立体編物を用いた場合の構造の他の例を示す斜視図であり、図33(b)は(a)のA−A線断面図であり、図33(c)は(b)のB−B線断面図である。 図34は、図33に示した態様において線材位置規制溶着部の形成手段を異ならせた構造例を示した図である。 図35は、前方に膨出させた背部用クッション材の一例を示す概略斜視図である。 図36は、図35のA−A線断面図である。 図37は、前方に膨出させた背部用クッション材の他の例を示す概略斜視図である。 図38は、図37のB−B線断面図である。 図39は、前方に膨出させた背部用クッション材のさらに他の例を示す概略斜視図である。 図40は、図39のC−C線断面図である。 図41は、面状支持部材の支持手段を説明するための図である。 図42は、面状支持部材の好ましい支持手段の一例を説明するための図である。 図43は、面状支持部材の好ましい支持手段の他の例を説明するための図である。
符号の説明
10 座部
11 ブラケット
11e 係合環
11f 板状ゴム
12 トーションバー
13 アーム
14 支持フレーム
15 面状支持部材
16 コイルスプリング
17 線材
20 面状弾性部材
50 座部用クッション材
60,61,62 線材支持部材
60a,61a,62a 線材挿通部
60b,61b,62b 縫い代
70 背部用クッション材

Claims (5)

  1. 座席構造の座部に張設されて基層のクッション層を構成し、任意のフレーム部材間に張設される面状支持部材として用いられる二次元ネット材であって、
    たて糸とよこ糸のいずれか一方が弾性糸から構成され、他方が該弾性糸よりも弾性の小さい普通糸から構成されており、長さ200mm、幅50mmで切り出した試験片をその長手方向各端部から50mm内側に寄った部位までを掴み代として長手方向に沿って50mm/分で引っ張ることにより測定された引っ張り特性として、弾性糸の配置方向に沿って引っ張った際に軟化バネ特性を示すと共に、普通糸の配置方向に引っ張った際に線形バネ特性を示し、
    前記任意のフレーム部材に張設した状態で略垂直方向に加圧した際の荷重−たわみ特性から求められるバネ定数として、直径30mmの圧縮板で加圧した際の荷重−たわみ特性から求められるバネ定数よりも直径98mmの圧縮板で加圧した際の荷重−たわみ特性から求められるバネ定数が高いことを特徴とする二次元ネット材。
  2. 前記普通糸の配置方向に引っ張った際の引っ張り特性として、たわみ量20mm以下の領域において非線形特性を有する請求項1記載の二次元ネット材。
  3. 前記座部の前後方向に掛け渡され、前記座部後方に配設されたトーションバーの弾性力により張設され、前記荷重−たわみ特性を発揮するものである請求項1又は2記載の二次元ネット材。
  4. 前記座部後方に配設され、前記トーションバーにより常態において後倒方向に付勢されると共に、無負荷時においては略垂直状態となっているアームに支持される支持フレームと、座部前方に設けられたフレーム部材との間に、前記トーションバーの弾性力により張設される面状支持部材として用いられ、
    前記弾性糸の配置方向を、前記アームに支持される支持フレームと座部前方に設けられたフレーム部材とを結ぶ方向に沿うようにして架け渡されて使用され、前記荷重−たわみ特性を発揮するものである請求項3記載の二次元ネット材。
  5. 前記弾性糸が、ポリエステル系エラストマー繊維又はポリウレタン繊維であり、前記普通糸が、ナイロン繊維又はポリエステル繊維である請求項1〜4のいずれか1に記載の二次元ネット材。
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