JP4747500B2 - ポリエチレン樹脂組成物および積層体 - Google Patents

ポリエチレン樹脂組成物および積層体 Download PDF

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本発明は、押出ラミネート加工に適したポリエチレン樹脂組成物およびこれを用いて得られる積層体に関するものである。さらに詳しくは、押出ラミネート成形時の成膜性および耐熱性に優れるポリエチレン樹脂組成物、およびこれを用いて得られる積層体に関するものである。
一般に、高圧ラジカル法によって製造される高圧法低密度ポリエチレンは、押出ラミネート加工に際して優れた成膜性を示し、各種の樹脂フィルム、紙、アルミニウム箔等の基材フィルムへの押出ラミネート用途に好適に使用されている。しかしながら、融点が100〜120℃程度であるため、耐熱性を要求される用途には不適であった。
一方、高密度ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンに比べて結晶融点が高く、耐熱性に優れるものの、成膜性に劣るために押出ラミネート成形に用いるには不適であった。
そこで、耐熱性と成膜性を両立させるため、高圧法低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンを混合して用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、それらの方法では、共に耐熱性が不充分であり、得られた積層フィルムを加熱すると数多くのピンホールが発生するという問題があった。
このように、これまで提案された手法では、優れた成膜性と耐熱性を共に満足することは不可能であった。
特開平6−322189号公報
特開2000−73018公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、優れた成膜性を示すと共に、耐熱性に優れるポリエチレン樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のエチレン単独重合体および/またはエチレン・α−オレフィン共重合体(以下、これらを直鎖状エチレン系重合体と略す)に、特定の高圧法低密度ポリエチレンを適量配合することにより、押出ラミネート成形において優れた成膜性を示すと共に、得られた製品の耐熱性が優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、JIS K6922−1(1998年)によるメルトマスフローレートが6〜100g/10分の範囲であり、JIS K6922−1(1998年)で測定した密度が936〜980kg/mの範囲である直鎖状エチレン系重合体(A)が50重量%を超えて95重量%以下、メルトマスフローレートが0.1〜20g/10分の範囲であり、密度が910〜935kg/mの範囲であり、ゲル浸透クロマトグラフィ−固有粘度連続測定において求められる分子量10万g/molの収縮因子が0.5以下であり、分子量100万g/molの収縮因子が0.2以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィにより求められるz平均分子量が30万g/mol以上である高圧ラジカル重合法で得られる高圧法低密度ポリエチレン(B)が5重量%以上50重量%未満からなり、MFRが1〜50g/10分の範囲であり、密度が936〜970kg/mの範囲であり、流動の活性化エネルギーが23〜39kJ/molの範囲であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物に関するものである。
さらに、上記のポリエチレン樹脂組成物を押出ラミネート成形することによって得られる積層体に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエチレン樹脂組成物に用いられる直鎖状エチレン系重合体(A)は、エチレン単独重合体および/またはα−オレフィン含量が2.5mol%以下のエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする。
直鎖状エチレン系重合体(A)にエチレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合、α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。ただし、α−オレフィンの共重合量としては2.5mol%以下、好ましくは1.0mol%以下である。2.5mol%を超えると得られる樹脂組成物の耐熱性が劣る恐れがある。
さらに、直鎖状エチレン系重合体(A)の重合方法は、特に限定するものではなく、高圧法ラジカル重合法、チーグラーナッタ触媒を用いる重合法等を挙げることができ、その中でも、耐熱性に加え押出ラミネート成形時の発煙が少なく、冷却ロールの表面を汚しにくく、成膜性に優れるポリエチレン樹脂組成物が得られることから、メタロセン化合物を触媒として製造されたものであることが好ましい。なお、メタロセン触媒、および重合方法の詳細は以下の特許文献に記載されている方法を用いることができる。
特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開平3−163088号公報、特開昭61−296008号公報、特開昭63−22804号公報、特開昭58−19309号公報、特開昭63−61010号公報、特開昭63−152608号公報、特開昭63−264606号公報、特開昭63−280703号公報、特開昭64−6003号公報、特開平1−95110号公報、特開平3−62806号公報、特開平1−259004号公報、特開昭64−45406号公報、特開昭60−106808号公報、特開昭60−137911号公報、特開昭61−296008号公報、特公表昭63−501369号公報、特開昭61−221207号公報、特開平2−22307号公報、特開平2−173110号公報、特開平2−302410号公報、特開平1−129003号公報、特開平1−210404号公報、特開平3−66710号公報、特開平3−70710号公報、特開平1−207248号公報、特開昭63−222177号公報、特開昭63−222178号公報、特開昭63−222179号公報、特開平1−301704号公報、特開平1−319489号公報、特開平3−74412号公報、特開昭61−264010号公報、特開平1−275609号公報、特開昭63−251405号公報、特開昭64−74202号公報、特開平2−41303号公報、特開平3−56508号公報、特開平3−70708号公報、特開平3−70709号公報。
本発明に用いられる直鎖状エチレン系重合体(A)は、JIS K6922−1(1998年)によるメルトマスフローレート(以下、MFRと記す場合がある)が6〜100g/10分、好ましくは8〜60g/10分の範囲にあることを特徴とする。直鎖状エチレン系重合体(A)のMFR(以下、MFR−Aと記す場合がある)が6g/10分未満では、押出機への負荷が大きくなると共に、ドローダウン性も悪化するため好ましくない。一方、100g/10分を超える場合は、得られるポリエチレン樹脂組成物の耳部の安定性が悪く、ネックインも大きくなって成膜安定性が悪くなるため好ましくない。
また、本発明に用いられる直鎖状エチレン系重合体(A)は、JIS K6922−1(1998年)で測定した密度が936〜980kg/m、好ましくは951〜975kg/mの範囲であることを特徴とする。密度が980kg/mを超える場合は、直鎖状エチレン系重合体(A)の結晶が融解しにくく、成形加工速度を低下させねばならないため生産性に劣り好ましくない。一方、密度が936kg/m未満であると、得られるポリエチレン樹脂組成物の耐熱性が不充分となる恐れがあるため好ましくない。
さらに、直鎖状エチレン系重合体(A)は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて、以下に示す条件下で測定し、単分散ポリスチレンを用いてユニバーサルキャリブレーション法により校正した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5未満であることが、耐熱性に加え押出ラミネート成形時の発煙が少なく、冷却ロールの表面を汚しにくく、成膜性に優れることから好ましい。
機種 :ウォーターズ社製 150C型 ALC/GPC
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
流速 :1mL/min
温度 :140℃
測定濃度:30mg/30mL
注入量 :100μL
カラム :東ソー製 TSKgel GMH HR−H 3本
また、直鎖状エチレン系重合体(A)は、低分子量成分の割合が2.0重量%未満であることが、耐熱性に加え押出ラミネート成形時の発煙が少なく、冷却ロールの表面を汚しにくく、成膜性に優れることから好ましい。なお、低分子量成分の割合は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定した重量平均分子量(Mw)の4%未満であるピーク面積を、ピーク全体の面積で除し求めたものである。
さらに、直鎖状エチレン系重合体(A)は、50℃におけるn−ヘプタン可溶分率が0.08重量%未満であることが、耐熱性に加え押出ラミネート成形時の発煙が少なく、冷却ロールの表面を汚しにくく、成膜性に優れることから好ましい。
本発明のポリエチレン樹脂組成物に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
本発明で用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、JIS K6922−1(1998年)によるMFRが0.1〜20g/10分、好ましくは0.3〜10g/10分、さらに好ましくは1〜4g/10分の範囲である。MFRが0.1g/10分未満の場合は押出負荷が高くなり、また、押出ラミネート加工に供して得られた積層体の外観が悪化するため好ましくない。また、MFRが20g/10分を超えると、得られるポリエチレン樹脂組成物を押出ラミネート加工に供した場合のネックインが大きくなるため好ましくない。
また、本発明に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、JIS K6922−1(1998年)で測定された密度が910〜935kg/mの範囲にあることを特徴とする。密度が935kg/mを超える場合は、得られるポリエチレン樹脂組成物の成膜安定性が悪化し好ましくない。一方、密度が910kg/m未満であると、フィルムの自己粘着性が増し、ブロッキングが起こり好ましくない。
また、本発明に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、ゲル浸透クロマトグラフィ−固有粘度連続測定において求められる、分子量10万g/molの収縮因子が0.5以下であり、分子量100万g/molの収縮因子が0.2以下であることを特徴とし、これによって得られる樹脂組成物の成膜性は向上する。収縮因子(g’と呼ばれることもある)とは、分岐高分子の固有粘度と、分岐高分子と同じ分子量を有する直鎖状高分子の固有粘度との比によって決定される分岐の程度を反映するパラメータであり、「志賀周二郎、高分子加工、48巻7号26ページ」などに詳細が記されている。
さらに、本発明に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、ゲル浸透クロマトグラフィにより測定されるz平均分子量が直鎖状ポリエチレン換算で30万g/mol以上であることを特徴とする。z平均分子量が30万g/mol未満であると、得られる樹脂組成物の成膜安定性が悪化し好ましくない。
さらに、本発明に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)は、スウェル比が2.15以上、好ましくは2.3以上であることを特徴とする。2.15未満の場合は、加工の際のネックインが大きくなることがある。なお、スウェル比は以下の方法で求められる。
JIS K6922−1(1998年)で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分の条件にて、装置に充填された樹脂をオリフィスより押し出す。オリフィス直下に設置したイソプロパノールを入れたメスシリンダーで冷却固化して得られるストランド径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D)で除した値、D/Dをスウェル比とする。
本発明における直鎖状エチレン系重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)の配合比率は、重量比率で(A)/(B)が50/50を超えて95/5以下、さらに好ましくは70/30〜90/10である。直鎖状エチレン系重合体(A)が50重量%以下の場合、耐熱性が不足するため好ましくなく、95重量%を超えると、得られるポリエチレン樹脂組成物の成膜性が劣るため好ましくない。
本発明におけるポリエチレン樹脂組成物は、直鎖状エチレン系重合体(A)のペレットと高圧法低密度ポリエチレン(B)のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。
また、本発明におけるポリエチレン樹脂組成物は、JIS K6922−1(1998年)により測定されたMFRが1〜50g/10分、好ましくは3〜20g/10分の範囲である。MFRが1g/10分未満では、押出機への負荷が大きくなると共に、ドローダウン性も悪化するため好ましくない。一方、MFRが50g/10分を超える場合は、得られるポリエチレン樹脂組成物の耳部の安定性が悪く、ネックインも大きくなって成膜安定性が悪くなるため好ましくない。
また、本発明におけるポリエチレン樹脂組成物は、JIS K6922−1(1998年)により測定された密度が936〜970kg/m、好ましくは950〜970kg/mの範囲である。密度が970kg/mを超える場合には、結晶が融解しにくく、成形加工速度を低下させねばならないため生産性に劣り好ましくない。一方、密度が936kg/m未満であると、得られるポリエチレン樹脂組成物の耐熱性が不充分となる恐れがあり好ましくない。
また、本発明のポリエチレン樹脂組成物は、流動の活性化エネルギーが23〜39kJ/molの範囲である。23kJ/mol未満では成膜性が劣り、39kJ/molを超えると耐熱性が劣る恐れがあり好ましくない。流動の活性化エネルギーは動的粘弾性を異なる温度で測定し、シフトファクターがアレニウス型に従うと仮定して求めることができる。求め方の詳細は、例えば、「講座レオロジー、p.91、日本レオロジー学会編、高分子刊行会(1992)」に記されている。
また、本発明のポリエチレン樹脂組成物は、完全灰化した残分を誘導結合プラズマ発光分光分析装置で測定して求められるチタン、クロム、バナジウムの合計含有量が0.1ppm以下であることが押出ラミネート成形時の発煙、冷却ロール表面の汚染が少なくなるため好ましい。
また、本発明におけるポリエチレン樹脂組成物は、示差走査熱量計により測定された融点が126℃以上、好ましくは128℃以上であることを特徴とする。融点が126℃未満であると、得られるポリエチレン樹脂組成物の耐熱性が不充分となることがある。
また、本発明におけるポリエチレン樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般的に用いられている添加剤を添加してもかまわない。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、シングルラミネート成形法、サンドウィッチラミネート成形法、共押出ラミネート成形法等の各種押出ラミネート成形法により各種基材にラミネートし、積層フィルムを得ることができる。基材の種類は限定を受けないが、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、印刷紙に代表される紙基材を少なくとも一層とし、本発明のポリエチレン樹脂組成物を少なくとも一層とする積層体は、耐熱性が要求される用途である離型紙、紙テープなどに好適に使用できる。
押出ラミネート加工に供する際、基材との良好な接着性を得るため、本発明のポリエチレン樹脂組成物は250〜350℃の温度でダイより押し出すことが好ましい。また、ポリエチレン樹脂組成物からなる溶融フィルムの少なくとも基材と接する面は、空気もしくはオゾンガスにより酸化されていてもよい。
また、基材との接着性を高めるため、基材の接着面に対してアンカーコート剤処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、押出ラミネート成形における成膜性が良好であり、充分な耐熱性を示す、優れたポリエチレン樹脂組成物である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に、物性、加工性の評価方法を示す。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1998年)に準拠し、測定した。
(2)密度
JIS K6922−1(1998年)に準拠し、測定した。
(3)分子量分布
ゲル浸透クロマトグラフィを用いて、以下に示す条件下で測定し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、Mw/Mnを分子量分布として求めた。
機種 :ウォーターズ社製 150C型 ALC/GPC
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
流速 :1mL/min
温度 :140℃
測定濃度:30mg/30mL
注入量 :100μL
カラム :東ソー製 TSKgel GMH HR−H 3本
(4)低分子量成分の割合
分子量分布の測定と同じ条件で、ゲル浸透クロマトグラフィにより測定し、直鎖状ポリエチレン換算で重量平均分子量(Mw)を求め、このMwの4%未満であるピーク面積をピーク全体の面積で除し、低分子量成分の割合として求めた。
(5)n−ヘプタン可溶分率
試料2gを400mLのn−ヘプタン中へ入れ、50℃湯浴中に2時間浸した後、濾過した。ろ液を濃縮、乾燥させたものの重量を秤量しn−ヘプタン可溶分を求め、試料の重量からn−ヘプタン可溶分率を計算した。
(6)収縮因子
ゲル浸透クロマトグラフィ−固有粘度連続測定により求められた、分岐高分子の固有粘度と、分岐高分子と同じ分子量の直鎖状高分子の固有粘度の比を収縮因子として求めた。直鎖状高分子として高密度ポリエチレンを用いた。測定条件は以下に示すとおりである。
機種 :東ソー製 HLC−8121GPC/HT
検出器 :Viscotech社製 R220
溶離液 :1,2,4−トリクロロベンゼン
(0.5mg/mL BHT添加)
流速 :1.0mL/分
温度 :145℃
測定濃度:2mg/mL
注入量 :300μL
カラム :東ソー製 TSKgel GMH HR−H 3本
(7)z平均分子量
分子量分布の測定と同じ条件で、ゲル浸透クロマトグラフィにより測定し、直鎖状ポリエチレン換算でz平均分子量を求めた。
(8)流動の活性化エネルギー
動的粘弾性測定装置として、円錐−円板型レオメーター(レオメトリックス社製 ストレスレオメーター SR2000)を用いて145℃、160℃、190℃における動的剪断弾性率の周波数依存性を測定した。得られた値から、「講座レオロジー、p.91、日本レオロジー学会編、高分子刊行会(1992)」に示された方法で流動の活性化エネルギーを求めた。
(9)スウェル比
JIS K6922−1(1998年)で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分の条件にて、装置に充填された樹脂をオリフィスより押し出した。オリフィス直下に設置したイソプロパノールを入れたメスシリンダーで冷却固化して得られるストランド径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D)で除した値、D/Dをスウェル比として求めた。
(10)金属(チタン、クロム、バナジウム)の合計含有量
試料50gを白金皿に入れ、ガスバーナー、電気炉で完全灰化して得た灰分に、ホットプレート上で20%塩酸5mLを加え溶解し蒸発乾固させた後、20%塩酸2mLを加え溶解した。5C濾紙で濾過し、濾過残分と濾紙を白金皿に戻し灰化しその上に炭酸ナトリウム0.3g、四ホウ酸ナトリウム0.5gを加え950℃電気炉にて40分間燃焼させた。その後水に溶解し、20%塩酸4mLを加えた液を誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP)(京都光研製、商品名 ICP−AES UOP−1 markII)にて測定し、チタン、クロム、バナジウム濃度を求めた。
(11)融点
パーキンエルマー(株)製、示差走査熱量計DSC−7を用い、10mgの試料を10℃/分で室温から150℃まで昇温して得られた吸熱ピークが最大値を示す温度を融点として求めた。
(12)耐熱ピンホール性
押出ラミネートの操出部に設置したクラフト紙(秤量:55g/m)にコロナ放電処理(3kW)を施し、該処理面とポリエチレン樹脂組成物の溶融薄膜面を接着面として、圧着ロールで圧着ラミネートした。ラミネート速度は50m/分、ラミネート層の厚みは15μmとした。
上記処理により得られた積層体を、150℃に加熱したスモールオーブン(Werner Mathis AG製)中で30秒間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。サンプルの表面積が0.4mの積層樹脂面に、メチレンブルーで着色したエタノールをガーゼに浸して軽く全表面に塗布した。次に、裏面の紙ににじみ出てきたブルー色の数を数え、ピンホールの数とした。ピンホールの数が5個未満を〇、5個以上を×とした。
(13)発煙
得られたポリエチレン樹脂組成物を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、320℃の温度でTダイよりスクリュー回転数60rpmで押し出し、クラフト紙上に、引き取り速度100m/分で30μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行った際の発煙量を目視により評価した。この際、同条件でラミネート成形した高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン203)よりも発煙量が少ない場合を〇、多い場合を×、同等の場合を△とした。
(14)冷却ロール表面の汚染
得られたポリエチレン樹脂組成物を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、320℃の温度でTダイよりスクリュー回転数60rpmで押し出し、クラフト紙上に、引き取り速度100m/分で30μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行い、連続して1000m成形した際の冷却ロール表面の汚染を目視により評価した。この際、同条件でラミネート成形した高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン203)よりも冷却ロール表面の汚染が少ない場合を〇、多い場合を×、同等の場合を△とした。
直鎖状エチレン系重合体(A)として、市販品あるいは以下に示す方法により合成したものを用いた。
合成の際、重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により、合成、同定したものを用いた。
直鎖状エチレン系重合体(A1)
直鎖状エチレン系重合体(A)として、市販品の高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード1000)(A1)を用いた。その物性値を表1に示す。
直鎖状エチレン系重合体(A2)
直鎖状エチレン系重合体(A)として、市販品の高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード2000)(A2)を用いた。その物性値を表1に示す。
直鎖状エチレン系重合体(A3)
直鎖状エチレン系重合体(A)として、市販品の高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード4000)(A3)を用いた。その物性値を表1に示す。
直鎖状エチレン系重合体(A4)
直鎖状エチレン系重合体(A)として、市販品のエチレン・1−ヘキセン共重合体(日本ポリエチレン(株)製 商品名ハーモレックスNH745S)(A4)を用いた。その物性値を表1に示す。
合成例1(直鎖状エチレン系重合体(A5)の合成)
[固体触媒成分の合成]
攪拌装置を備えた10Lのオートクレーブに、シリカ(ダビソン948、200℃、5時間減圧焼成)212g、トルエン4Lおよび(p−N,N−ジメチルアミノフェニル)トリメトキシシラン80g(331mmol)を加え、110℃で16時間攪拌した。反応終了後、トルエンで4回洗浄した。得られたシラン化合物で修飾したシリカ中の炭素含量は4.2重量%であった。
5Lのフラスコに、このシラン化合物で修飾したシリカ187gを加え、ジエチルエーテル2Lに懸濁させ、塩化水素ガスを室温で30分間吹き込んだ後、ヘキサンにて洗浄し、減圧乾燥させた。これをさらに塩化メチレン2.4Lに懸濁させた後、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート24g(35mmol)の塩化メチレン(1.6L)溶液を加え、室温で3時間攪拌した。塩化メチレンで3回洗浄した後、真空乾燥し、固体触媒を得た。
[重合]
内容積370Lの重合器に、ヘキサンを100kg/時、エチレンを40kg/時、水素を90NL/時、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド(530μmol)/時、前記固体触媒を9.5g/時に相当する速度で連続的に供給した。加えて、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を1mmol/kgとなるようにトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給した。重合温度は85℃に制御した。重合器で生成した直鎖状エチレン系重合体を含むスラリーは、フラッシュタンク、ポンプを経て、遠心分離器で直鎖状エチレン系重合体とヘキサンに分離し、直鎖状エチレン系重合体(A5)約160kgを得た。得られた直鎖状エチレン系重合体はエチレン単独重合体であり、そのMFRは32g/10分、密度は965kg/mであった。得られた樹脂を用いてn−ヘプタン可溶分率測定、GPC測定を行った。その結果を表1に示す。
合成例2(直鎖状エチレン系重合体(A6)の合成)
[変性粘土の調製]
ジメチルアニリニウム塩酸塩69gを300mLの水に加え、これをモンモリロナイト(商品名クニピア、クニミネ工業社製)300gを含む水3Lに加えた。この上澄液を除去した後、水、エタノール(商品名エキネンF−3、日本化成品(株)製)で洗浄した。その後減圧乾燥し、変性粘土を得た。
[触媒の調製]
5Lのガラスフラスコに、トリイソブチルアルミニウム1.2mol、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド1.2mmolのトルエン溶液600mLを加え、その後上記で合成した変性粘土300g、トルエン2.7Lを加え、18時間撹拌した。上澄液を除去した後、ヘキサンを加え3Lのスラリーとした。得られた触媒の一部を採取し、減圧乾燥し、触媒中のジルコニウム濃度を分析したところ0.26重量%であった。
[重合]
内容積370Lの重合器に、ヘキサンを100kg/時、エチレンを25kg/時、1−ブテンを0.4kg/時、水素を60NL/時、前記触媒成分を1.9g/時に相当する速度で連続的に供給した。また、液中のトリイソブチルアルミニウムの濃度を1mmol/kgとなるようにトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、重合温度は85℃に制御した。重合器で生成した直鎖状エチレン系重合体を含むスラリーは、フラッシュタンク、ポンプを経て、遠心分離器で直鎖状エチレン系重合体とヘキサンに分離し、直鎖状エチレン系重合体を連続的に乾燥した。4時間毎に抜き出し、乾燥して直鎖状エチレン系重合体(A6)約80kgを製造した。得られた直鎖状エチレン系重合体はエチレン・1−ブテン共重合体であり、そのMFRは40g/10分、密度は955kg/mであった。得られた樹脂を用いてn−ヘプタン可溶分率測定、GPC測定を行った。その結果を表1に示す。
合成例3(直鎖状エチレン系重合体(A7)の合成)
[触媒の調製]
5Lのフラスコに、n−ブタノール350g(4.7mol)を入れ、これにヨウ素2.8g、金属マグネシウム粉末55g(2.3mol)およぴチタンテトラブトキシド310g(0.91mol)を加え、さらにヘキサンを2.3L加えた後80℃まで昇温し、発生する水素ガスを除去しながら窒素シール下で1時間攪拌した。引き続き120℃まで昇温し1時間反応を行い、Mg−Ti錯体(ヘキサン溶液)を得た。
攪拌装置を備えた10Lのオートクレーブに、Mg−Ti錯体(ヘキサン溶液)のMg換算で1.4molを加え45℃に昇温し、ジエチルアルミニウムクロライド(1.4mol)のヘキサン溶液を1時間かけて加えた。すベてを加えた後60℃で1時間攪拌した。次にメチルヒドロポリシロキサン(25℃における粘度約30センチストークス)78mL(ケイ素0.12グラム原子)を加え、還流下に1時間反応させた。45℃に冷却後、イソブチルアルミニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液1.7Lを2時間かけて加えた。すべてを加えた後、70℃で1時間攪拌を行った。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で15回洗浄を行った。かくして、へキサンに懸濁した固体触媒成分のスラリー(触媒成分280gを含む)を得た。その一部を採取し、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥し、元素分析したところ、チタン含有量は9.0重量%であった。
[重合]
重合内容積370Lの重合器に、脱水精製したヘキサン100kg/時、トリイソブチルアルミニウムを2mmol/時、前記媒成分を2.0g/時の速度で連続的に供給し、重合器内容物を所要速度で排出しながら、85℃においてエチレンを40kg/時の速度で供給し、エチレン濃度1.8wt%、水素の対エチレン濃度比0.15(モル)に保ち、全圧30kg/cm、平均滞留時間を1.8時間の条件下で満液状態にて連続的に重合を行った。フラッシュタンク、ポンプを経て、遠心分離器で直鎖状エチレン系重合体とヘキサンに分離し、連続的に乾燥して直鎖状エチレン系重合体(A7)約120kgを製造した。得られた直鎖状エチレン系重合体はエチレン単独重合体であり、そのMFRは32g/10分、密度は956kg/mであった。Ti触媒を用いていることより、ポリマー中にチタンを2.9ppm含有していた。得られた樹脂を用いてn−ヘプタン可溶分率測定、GPC測定を行った。その結果を表1に示す。
合成例4(直鎖状エチレン系重合体(A8)の合成)
水素を20NL/時とした以外は合成例1と同様に重合し、直鎖状エチレン系重合体(A8)約90kgを製造した。得られた直鎖状エチレン系重合体はエチレン単独重合体であり、そのMFRは1.8g/10分、密度は955kg/mであった。得られた樹脂を用いてn−ヘプタン可溶分率測定、GPC測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004747500
比較例11
直鎖状エチレン系重合体(A)として、高密度ポリエチレン(A1)を75重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)としてMFRが1.6g/10分、密度が919kg/m、Z平均分子量83×10である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン360)(B1)を25重量%配合し、二軸押出機にて180℃で溶融混練しペレットを得た。得られたペレットを用いて、MFR、密度、結晶融点を測定した。
さらに、得られたペレットを直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、320℃の温度でTダイよりスクリュー回転数60rpmで押し出し、クラフト紙上に引き取り速度100m/分で30μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行い、積層体の耐熱ピンホール性を評価した。ポリエチレン樹脂組成物の特性および耐熱ピンホール性評価の結果を表2に示す。
比較例12
直鎖状エチレン系重合体(A)として、高密度ポリエチレン(A2)を80重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B)として、比較例11で用いた高圧法低密度ポリエチレン(B1)を20重量%配合した以外は比較例11と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、各種物性測定を実施した。さらに、得られたペレットを比較例11と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体の耐熱ピンホール性を評価した。ポリエチレン樹脂組成物の特性および耐熱ピンホール性評価の結果を表2に示す。
実施例1
直鎖状エチレン系重合体(A)として、合成例1で得たエチレン単独重合体(A5)を85重量%、比較例11で用いた高圧法低密度ポリエチレン(B1)を15重量%配合し、二軸押出機にて180℃で溶融混練しペレットを得た。得られたペレットを用いて、MFR、密度、結晶融点を測定した。
さらに、得られたペレットを直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、300℃の温度でTダイよりスクリュー回転数60rpmで押し出し、クラフト紙上に引き取り速度100m/分で30μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行い、発煙性、冷却ロール汚染性を評価した。ポリエチレン樹脂組成物の特性および加工性評価の結果を表2に示す。
実施例2
エチレン単独重合体(A5)を65重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B1)を35重量%とした以外は実施例1と同様の方法で溶融混合し、ペレットを得、各種物性を測定した。さらに実施例1と同様の方法で押出ラミネート成形を行い、発煙性、冷却ロール汚染性を評価した。ポリエチレン樹脂組成物の特性および加工性評価の結果を表2に示す。
実施例3
エチレン単独重合体(A5)の代わりに、合成例2で得たエチレン・1−ブテン共重合体(A6)を用いた以外は実施例1と同様の方法で高圧法低密度ポリエチレン(B1)と溶融混合し、ペレットを得、各種物性測定を実施した。さらに、得られたペレットを実施例1と同様にして押出ラミネート成形を行い、発煙性、冷却ロール汚染性を評価した。ポリエチレン樹脂組成物の特性および加工性評価の結果を表2に示す。
Figure 0004747500
比較例1
直鎖状エチレン系重合体(A1)を50重量%、高圧法低密度ポリエチレン(B1)を50重量%配合した以外は比較例11と同様にしてペレットを得、各種物性測定を実施した。さらに、得られたペレットを比較例11と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体の耐熱ピンホール性を評価した。ポリエチレン樹脂組成物の特性および耐熱ピンホール性評価の結果を表3に示す。直鎖状エチレン系重合体の配合量が少なく、耐熱性に劣るものであった。
比較例2
比較例11で用いた直鎖状エチレン系重合体(A1)のみを用いて、比較例11と同様に押出ラミネート成形を試みたが、成膜性に乏しく、加工することができなかった。
比較例3
直鎖状エチレン系重合体(A)として、高密度ポリエチレン(A3)を用いた以外は比較例11と同様の方法で高圧法低密度ポリエチレン(B1)と溶融混合し、ペレットを得、各種物性測定を実施した。さらに比較例11と同様の方法で押出ラミネート成形を試みたが、ドローダウン性に乏しく、延伸切れを生じてしまい、加工することができなかった。
比較例4
高圧法低密度ポリエチレン(B)として、MFRが0.6g/10分、密度が922kg/m、Z平均分子量24×10である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン175K)(B2)を用いた以外は比較例11と同様の方法で直鎖状エチレン系重合体(A1)と溶融混合し、ペレットを得、各種物性測定を実施した。さらに、得られたペレットを比較例11と同様にして押出ラミネート成形を行い、積層体の耐熱ピンホール性を評価した。ポリエチレン樹脂組成物の特性および耐熱ピンホール性評価の結果を表3に示すが、耐熱性が劣っていた。
比較例5
直鎖状エチレン系重合体(A)として、合成例3で得たエチレン単独重合体(A7)を用いた以外は実施例1と同様の方法で高圧法低密度ポリエチレン(B1)と溶融混合し、ペレットを得、各種物性測定を実施した。さらに比較例11と同様の方法で押出ラミネート成形を行い、発煙性、冷却ロール汚染性を評価した。ポリエチレン樹脂組成物の特性および加工性評価の結果を表3に示すが、Ti触媒で得た直鎖状エチレン系重合体を用いており、金属含有量が多く成形時の発煙、冷却ロール表面の汚染が激しかった。
比較例6
エチレン単独重合体(A5)のみを用いて、実施例1と同様に押出ラミネート成形を試みた。その結果を表3に示すが、ネックインが大きく成膜性に乏しかったため、積層体を得ることができなかった。
比較例7
高圧法低密度ポリエチレン(B1)のみを用いて、実施例1と同様に押出ラミネート成形を行い、発煙性、冷却ロール汚染性を評価した。ポリエチレン樹脂組成物の特性および加工性評価の結果を表3に示すが、耐熱性が劣っており、かつ、成形時の発煙及び冷却ロール表面の汚染が若干見られた。
比較例8
エチレン単独重合体(A5)の代わりに、エチレン単独重合体(A8)を用いた以外は実施例1と同様の方法で高圧法低密度ポリエチレン(B1)と溶融混合し、ペレットを得、各種物性測定を実施した。さらに実施例1と同様の方法で押出ラミネート成形を試みた。その結果を表3に示すが、ドローダウン性に乏しく、延伸切れを生じてしまい、加工することができなかった。
比較例9
エチレン単独重合体(A5)の代わりに、エチレン・1−ヘキセン共重合体(A4)を用いた以外は実施例1と同様の方法で高圧法低密度ポリエチレン(B1)と溶融混合し、ペレットを得、各種物性測定を実施した。さらに実施例1と同様の方法で押出ラミネート成形を試みた。その結果を表3に示すが、ポリエチレン樹脂組成物の耐熱性が劣っていた。
比較例10
高圧法低密度ポリエチレン(B)として、高圧法低密度ポリエチレン(B2)を用いた以外は実施例1と同様の方法でエチレン単独重合体(A1)と溶融混合し、ペレットを得、各種物性測定を実施した。さらに、得られたペレットを実施例1と同様にして押出ラミネート成形を試みた。その結果を表3に示すが、成膜性に乏しく積層体を得ることができなかった。
Figure 0004747500

Claims (4)

  1. メタロセン化合物を触媒として製造された下記の(a)〜(b)、(j)〜(l)の要件を満たすエチレン単独重合体および/またはα−オレフィン含量が2.5mol%以下のエチレン・α−オレフィン共重合体(A)が50重量%を超えて95重量%以下、下記(c)〜(f)の要件を満たす高圧法低密度ポリエチレン(B)が5重量%以上50重量%未満であり、かつ、下記(g)〜(i)の要件を満たすことを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
    (a)JIS K6922−1(1998年)により測定されたメルトマスフローレートが6〜100g/10分、
    (b)JIS K6922−1(1998年)により測定された密度が936〜980kg/m
    (c)JIS K6922−1(1998年)により測定されたメルトマスフローレートが0.1〜20g/10分、
    (d)JIS K6922−1(1998年)により測定された密度が910〜935kg/m
    (e)ゲル浸透クロマトグラフィ−固有粘度連続測定において求められる、分子量10万g/molの収縮因子が0.5以下であり、分子量100万g/molの収縮因子が0.2以下、
    (f)ゲル浸透クロマトグラフィで測定されるz平均分子量が30万g/mol以上、
    (g)JIS K6922−1(1998年)により測定されたMFRが1〜50g/10分、
    (h)JIS K6922−1(1998年)により測定された密度が936〜970kg/m
    (i)流動の活性化エネルギーが23〜39kJ/mol、
    (j)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5未満、
    (k)低分子量成分の割合が2.0重量%未満(低分子量成分の割合は、重量平均分子量(Mw)の4%未満であるピーク面積を、ピーク全体の面積で除し求めたものである。)、
    (l)50℃におけるn−ヘプタン可溶分率が0.08重量%未満
  2. エチレン単独重合体および/またはエチレン・α−オレフィン共重合体(A)がスラリー法により製造されたことを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  3. 完全灰化した残分を誘導結合プラズマ発光分光分析装置で測定して求められるチタン、クロム、バナジウムの合計含有量が0.1ppm以下であること特徴とする請求項1又は2に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン樹脂組成物を押出ラミネート成形することによって得られる積層体。
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