JPH0677987B2 - 積層フイルム - Google Patents

積層フイルム

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JPH0677987B2
JPH0677987B2 JP4842186A JP4842186A JPH0677987B2 JP H0677987 B2 JPH0677987 B2 JP H0677987B2 JP 4842186 A JP4842186 A JP 4842186A JP 4842186 A JP4842186 A JP 4842186A JP H0677987 B2 JPH0677987 B2 JP H0677987B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒートシール性、耐熱性に優れたポリ4−メチ
ル−1−ペンテンを基材とした積層フイルムに関する。
〔従来の技術〕
ポリ4−メチル−1−ペンテンはその透明性、耐熱性、
耐薬品性等を活かして、ビーカー、メスシリンダー等の
化学実験用器具、注射器のシリンジ、光学測定用セル、
電子レンジ用トレーあるいは紙にコートしてベーキグカ
ートン等に使用されている。しかしながらポリ4−メチ
ル−1−ペンテンは融点が高く、耐熱性が良好である反
面、ヒートシール性に劣るという欠点を有している。ヒ
ートシール性を改良する方法としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン等ポリ4−メチル−1−ペンテンに比べ
て融点が低く、ヒートシール性に優れた樹脂とポリ4−
メチル−1−ペンテンとを貼り合わせる方法が、最も一
般的であるが、ポリエチレンやポリプロピレンとポリ4
−メチル−1−ペンテンとは同じポリオレフインであり
ながら接着性に劣り、単に積層しただけでは全く実用に
供し得ず、またポリ4−メチル−1−ペンテンフイルム
にアンカーコート剤としてウレタン系接着剤等を塗布し
てポリエチレンフイルム等を積層してもポリ4−メチル
−1−ペンテンフイルムは表面濡れ性に乏しく、積層フ
イルムの接着強度が低く、ヒートシール性は左程改良さ
れないのが現状であつた。
かかる欠点を改良した積層フイルムとして、本発明者
は、先にポリ4−メチル−1−ペンテンとポリエチレン
もしくはポリプロピレンフイルムとを積層する際に、接
着層として特定のプロピレン・α−オレフィンランダム
共重合体を用いることにより、接着強度が改良され、ヒ
ートシール性に優れた接着フイルムが得られることを見
出し、特開昭60-145844号として提案した。
しかしながら、かかる積層フイルムはヒートシール性は
優れるものの、基体であるポリ4−メチル−1−ペンテ
ンフイルムに比べ融点が低いので、ポリ4−メチル−1
−ペンテンの特徴である耐熱性を有効に利用することが
できず、高温レトルト処理を行う用途には使用できない
場合があることが分かつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで本発明者はヒートシール性及び耐熱性、特に高温
レトルト処理が可能なポリ4−メチル−1−ペンテンを
基材として積層フイルムを開発すべく、種々検討した結
果、ポリ4−メチル−1−ペンテンフイルムにヒートシ
ール層として、特定の4−メチル−1−ペンテンと炭素
数が4〜7のα−オレフィンとのランダム共重合体を主
体とする組成物を積層することにより、上記目的が達成
できることが分かり、本発明を完成するに至つた。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明はポリ4−メチル−1−ペンテン
(A)層の少なくとも片面に、4−メチル−1−ペンテ
ン含有量が40ないし80モル%、融点が140ないし220℃、
軟化点が90ないし190℃及びX線による結晶化度が15な
いし35%の範囲にある4−メチル−1−ペンテンと炭素
数が4ないし7(但し4−メチル−1−ペンテンは除
く)のα−オレフィンとのランダム共重合体(B)100
ないし20重量%とポリ4−メチル−1−ペンテン(A)
0ないし80重量%とからなる組成物層を積層してなるこ
とを特徴とするヒートシール性、透明性に優れ、しかも
高温レトルト処理が可能な積層フイルムを提供するもの
である。
〔作用〕
本発明に用いるポリ4−メチル−1−ペンテン(A)と
は4−メチル−1−ペンテンの単独重合体もしくは4−
メチル−1−ペンテンと他のα−オレフィン、例えばエ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタ
デセン等の炭素数2ないし20のα−オレフィンとの共重
合体で通常4−メチル−1−ペンテンを85モル%以上含
む4−メチル−1−ペンテンを主体とした重合体であ
る。ポリ4−メチル−1−ペンテン(A)のメルトフロ
ーレート(MFR,荷重:5kg、温度:260℃)は好ましくは0.
5ないし200g/10minの範囲のものである。MFRが0.5g/10m
in未満のものは溶融粘度が高く成形性に劣り、MFRが200
g/10minを越えるものは溶融粘度が低く成形性に劣り、
また機械的強度も低い。
本発明に用いる4−メチル−1−ペンテン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(B)(以下ランダム共重合体
(B)と略すことがある)とは、4−メチル−1−ペン
テン含有量が40ないし80モル%、好ましくは50ないし75
モル%、融点が140ないし220℃、好ましくは160ないし2
10℃、軟化点が90ないし190℃、好ましくは110ないし18
0℃及びX線による結晶化度が15ないし35%、好ましく
は20ないし30%の範囲にある4−メチル−1−ペンテン
と炭素数が4ないし7(但し4−メチル−1−ペンテン
は除く)のα−オレフィンとのランダム共重合体で通常
デカリン溶媒135℃における極限粘度〔η〕が0.5ないし
6dl/g、好ましくは1ないし5dl/gの範囲のものである。
4−メチル−1−ペンテン含有量が40モル%未満の共重
合体は、耐熱性及び機械的強度が低く、透明性も劣る。
一方80モル%を越える共重合体はヒートシール性に劣
る。本発明における4−メチル−1−ペンテン含有量は
13C-NMR法により測定した値である。
融点が140℃未満の共重合体は耐熱性に劣り、一方220℃
を越えるものは、ヒートシール性に劣る。本発明におけ
る融点は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、成形後20
時間経過後の厚さ0.1mmのプレスシートから10mmgの試料
を採取し、10℃/minの昇温速度で0〜250℃まで加熱曲
線を測定し、最大吸熱ピークを融点(Tm)とした。
軟化点が90℃未満の共重合体は耐熱性に劣り、一方210
℃を越えるものはヒートシール性に劣る。本発明におけ
る軟化点は、サーマル・メカニカル・アナライザー(TM
A)を用い、成形後20時間経過後の厚さ1mmのプレスシー
トから1cm角の試料を採取し、直径0.025インチの針を試
料の片面に当て49gの荷重をかけて10℃/minの昇温速度
で加熱し、針が0.1mmの深さだけ侵入した時の温度を読
み取り、軟化点とした。
X線による結晶化度が15%未満の共重合体は機械的強度
が低い。本発明における結晶化度は成形後20時間経過後
の厚さ1.0mmのプレスシートから2×4cmの試料を採取
し、X線回折法によりX線回折曲線を測定し、反射角2
θ:4〜30度をベースラインとして、結晶部と無定形分に
分離しその面積を測定した後結晶部を重量%として求め
た。
尚いずれのプレスシートもランダム共重合体(B)をそ
れぞれ厚さ0.1及び1.0mmの金型に所定量投入し240℃に
加熱した油圧プレス成形機で5分間予熱後5分間加圧し
た後金型を直ちに20℃の水で冷却した冷却プレス成形機
に移し5分間冷却を行う方法により作製した。
本発明に用いるランダム共重合体(B)における4−メ
チル−1−ペンテンと共重合される炭素数4ないし7の
α−オレフィンとしては、具体的には1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテンなどを例示する
ことができ、これらα−オレフィンの中では1−ブテン
及び1−ヘキセンが好ましく、とくに1−ヘキセンが透
明性が優れるので好ましい。炭素数が3以下、例えばエ
チレンあるいはプロピレンとの共重合体は、不透明であ
り、一方炭素数が8以上、例えば1−デセンあるいは1
−ヘキサデセン等との共重合体は軟化点が低く、又機械
的強度も低く、いずれも本発明の目的を達成し得ない。
本発明に用いるランダム共重合体(B)は前記特性に加
えて、10℃におけるアセトン・n−デカン混合溶媒(容
積比1/1)への可溶性が4×〔η〕-0.8重量%以下、さ
らには0.2×〔η〕-0.8〜3.8×〔η〕-0.8以下(〔η〕
はランダム共重合体(B)の極限粘度の数値であつて、
単位を除いた値を示す)のものが、フイルムに加工した
際に表面への低分子重合成分のブリード・アウトによる
べたの発生もなく耐ブロツキング性にすぐれているので
好ましい。本発明における該混合溶媒中への共重合体の
可溶分量は次の方法によつて測定決定される。すなわ
ち、攪拌羽根付150mlのフラスコに、1gの共重合体試
料、0.05gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフエノ
ール、50mlのn−デカンを入れ、120℃の油溶上で溶解
させる。溶解後30分間室温下で自然放冷し、次いで50ml
のアセトンを30秒で添加し、10℃の水浴上で60分間放冷
する。析出した共重合体と低分子量重合体成分の溶解し
た溶液をグラスフイルターで濾過分離し、溶液を10mmHg
で150℃で恒量になるまで乾燥し、その重量を測定し、
前記混合溶媒中への共重合体の可溶分量を試料共重合体
の重量に対する百分率として算出決定した。なお、前記
測定方法において攪拌は溶解時から濾過の直前まで連続
して行つた。
前記のような諸性質を有する4−メチル−1−ペンテン
・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、たとえ
ば、 (a)マグネシウム化合物、チタン化合物、ジエステル
及び必要に応じてハロゲン化合物(マグネシウム化合物
又はチタン化合物がハロゲン原子を含む場合には必ずし
も必要としない)を相互に反応させることによつて形成
されるマグネシウム、チタン、ハロゲン及びジエステル
を必須成分とする高活性チタン触媒成分、 (b)有機アルミニウム化合物触媒成分、及び (c)Si−O−C結合を有する有機珪素化合物触媒成
分、 から形成される触媒の存在下に、約20ないし約200℃の
温度で4−メチル−1−ペンテンと1−ブテン、1−ヘ
キセン等の炭素数4〜7のα−オレフィンとを共重合さ
せることにより得られる。上記の如き、本発明で用いる
のに好適なランダム共重合体(B)を製造するための共
重合条件等に関しては、本出願人による特願昭60-21625
8に詳述されている。
本発明の積層フイルムは、前記ポリ4−メチル−1−ペ
ンテン(A)層の少なくとも片面に、前記4−メチル−
1−ペンテン・α−オレフィンランダム共重合体(B)
を単独、もしくはランダム共重合体(B)にポリ4−メ
チル−1−ペンテン(A)を80重量%迄添加した組成
物、すなわちランダム共重合体(B)100ないし20重量
%、好ましくは100ないし30重量%とポリ4−メチル−
1−ペンテン(A)0ないし80重量%、好ましくは0な
いし70重量%からなる組成物層を積層してなる積層フイ
ルムである。
ランダム共重合体(B)にポリ4−メチル−1−ペンテ
ン(A)を添加することにより、耐熱性、スクラツチ
性、腰が改良されるが、ポリ4−メチル−1−ペンテン
(A)の量が80重量%を越えるとヒートシール性が低下
する。
前記ランダム共重合体(B)に添加するポリ4−メチル
−1−ペンテン(A)は積層フイルムの基材となるポリ
4−メチル−1−ペンテン(A)と同じ範疇の重合体で
あるが、積層フイルムに用いる際には、必ずしも基材と
組成物成分のMFRや共重合成分が同一のものを用いなく
てもよい。
尚、ヒートシール層としてランダム共重合体(B)とポ
リ4−メチル−1−ペンテン(A)との組成物を用いる
際には両者を前記範囲で種々公知の方法、例えばV−ブ
レンダー、リボンブレンダー、ヘンシエルミキサー、タ
ンブラーブレンダーで混合する方法、あるいは前記ブレ
ンダーで混合後、押出機で造粒する方法、単軸押出機、
複軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混
練し、造粒あるいは粉砕する方法等により均一な組成物
にして用いることができる。又、一つの重合反応系中で
先にランダム共重合体(B)又はポリ4−メチル−1−
ペンテン(A)を重合した後、引き続きポリ4−メチル
−1−ペンテン(A)又はランダム共重合体(B)を重
合させる、所謂ブロツク重合による非ポリマーブレンド
タイプの組成物にして用いることもできる。
本発明の積層フイルムを製造する方法は種々公知の方
法、例えば予めポリ4−メチル−1−ペンテン(A)フ
イルムを成形した後、ランダム共重合体(B)又はラン
ダム共重合体(B)とポリ4−メチル−1−ペンテン
(A)との組成物を押出コーテイングする方法、あるい
はポリ4−メチル−1−ペンテン(A)及びランダム共
重合体(B)又はランダム共重合体(B)とポリ4−メ
チル−1−ペンテン(A)との組成物とをそれぞれ別個
の押出機で溶融後二層構造を有する多層ダイに供給し、
共押出し成形する方法等が挙げられる。これらの方法の
中では共押出し成形法が操作が簡便でしかもより層間接
着力に優れた積層フイルムが得られるので好ましい。共
押出し成形方法としはフラツト・ダイを用いるT−ダイ
法とサーキユラー・ダイを用いるイソフレーシヨン法と
がある。フラツト・ダイはブラツク・ボツクスを使用し
たシングル・マニフオールド形式あるいはマルチ・マニ
フオールド形式のいずれを用いても良い。インフレーシ
ヨン法に用いるダイについてもいずれも公知のダイを用
いることができる。
本発明の積層フイルムの各種の厚さはとくに限定はされ
ないが、通常ポリ4−メチル−1−ペンテン(A)層が
10ないし100μ、好ましくは10ないし50μ、ヒートシー
ル層であるランダム共重合体(B)層又はランダム共重
合体(B)とポリ4−メチル−1−ペンテン(A)との
組成物層が5ないし100μ、好ましくは10ないし50μの
範囲である。
本発明の積層フイルムは、ポリ4−メチル−1−ペンテ
ン(A)層/ランダム共重合体(B)層又はランダム共
重合体(B)とポリ4−メチル−1−ペンテン(A)と
の組成物層を構成要件とする限り、二層フイルムに限定
されず、ポリ4−メチル−1−ペンテン(A)層の両面
にランダム共重合体(B)層又はランダム共重合体
(B)とポリ4−メチル−1−ペンテン(A)との組成
物層を積層してもよいし、更にエチレン・酢酸ビニル共
重合体鹸化物、ポリアミド、ポリエステルあるいは紙、
アルミニウム箔等を積層して、耐ガス透過性等を付与し
た積層フイルムとしてもよい。
本発明の積層フイルムを構成するポリ4−メチル−1−
ペンテン(A)層、ランダム共重合体(B)又はランダ
ム共重合体(B)とポリ4−メチル−1−ペンテン
(A)との組成物層のいずれかの層あるいは両層に、耐
候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、抗ブロツキング
剤、スリツプ剤、滑剤、顔料、染料、流滴剤、核剤等の
通常ポリオレフィンに添加して使用される各種配合剤を
本発明の目的を損わない範囲で添加しておいてもよい。
〔発明の効果〕
本発明の積層フイルムは、従来のポリ4−メチル−1−
ペンテン単層フイルムあるいはヒートシール層としてポ
リエチレンもしくはポリプロピレンを積層したフイルム
に比べて、ヒートシール性と耐熱性のバランスに優れ、
しかも透明性、耐沸水性、層間接着力が良好なので、レ
トルト食品用包装材、野菜、肉類、医薬品等の包装材料
を初め種々の包装材料に好適である。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はその要旨を越えない限りこれらの例に何ら制約さ
れるものではない。
実施例1 〔4−メチル−1−ペンテン・1−ヘキセンランダム共
重合体の製造〕 <チタン触媒成分(a)の調製> 無水塩化マグネシウム4.76g(50mmol)、デカン25mlお
よび2−エチルヘキシルアルコール23.4ml(150mmol)
を130℃で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、こ
の溶液中に無水フタル酸1.11g(7.5mmol)を添加し、13
0℃にて更に1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸を該
均一溶液に溶解させる。この様にして得られた均一溶液
を室温に冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン
200ml(1.8mmol)中に1時間に亙つて全量滴下装入す
る。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて110
℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタ
レート2.68ml(12.5mmol)を添加しこれより2時間同温
度にて攪拌下保持する。2時間の反応終了後熱濾過にて
固体部を採取し、この固体部を200mlのTiCl4にて再懸濁
させた後、更に110℃で2時間、加熱反応を行う。反応
終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、110℃デカン
及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物が検出
されなくなる迄充分洗浄する。以上の製造方法にて調製
されたチタン触媒成分(a)はヘキサンスラリーとして
保存するが、このうち一部を触媒組成を調べる目的で乾
燥した。この様にして得られたチタン触媒成分(a)の
組成はチタン3.1重量%、塩素56.0重量%、マグネシウ
ム17.0重量%およびジイソブチルフタレート20.9重量%
であつた。
<重合> 200lのSUS製反応釜へ、1時間当り20lの1−ヘキセン、
60lの4−メチル−1−ペンテン(以下4MPと略す)、80
mmolのトリエチルアルミニウム、80mmolのトリメチルメ
トキシシラン、チタン原子に換算して1.2mmolのチタン
触媒成分(a)を連続的に装入し、気相中の水素分圧を
1.5kg/cm2に保ち、重合温度を70℃に保つた。
反応釜の液量が100lになる様、重合液を連続的に抜き出
し、少量のメタノールで重合を停止し、未反応のモノマ
ーを除去し、1時間当り7.5kgの共重合体を得た。この
ようにして得られた4−メチル−1−ペンテン・1−ヘ
キセンランダム共重合体(以下PMH−Iと略す)は4MPの
含有量が55モル%、融点が168℃、軟化点が140℃、結晶
化度が24%、極限粘度〔η〕が2.2dl/g及びアセトン・
n−デカン可溶分が1.7重量%であつた。
〔積層フイルムの製造〕
4−メチル−1−ペンテン〔1−ヘキサデセン/1−オク
タデセン(重量比1/1)含有量6モル%、MFR:26g/10mi
n,以下PMP-1と略す〕と上記方法で得たPMH-I(但し安定
剤として、PMH-I:100重量部に対してテトラキス〔メチ
レン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
エニル)プロピオネート〕メタン;0.15重量部、ジラウ
リル‐チオ‐ジプロピオネート:0.25重量部、ステアリ
ン酸亜鉛;0.03重量部を添加)とをそれぞれ40mmφ押出
機で溶融後(成形温度260℃)、二層T−ダイ(成形温
度240℃)に供給し、基材PMP−1層の厚さ50μ、ヒート
シール層であるPMH-I層の厚さ20μからなる積層フイル
ムを得た。次いで該積層フイルムを以下の方法で評価し
た。
霞度(%):ASTM D 1003 層間接着力(g/15mm) :積層フイルムから長さ150mm、幅15mmの試験片を切り
取り、クロスヘツド速度300mm/minで二層間の剥離試験
を行い、層間接着力を測定した。
又、別途積層フイルムを120℃の高圧蒸気発生装置内で3
0分間熱処理を行ない、前記方法で二層間の剥離試験を
行い、レトルト処理後の層間接着力を測定した。
ヒートシール接着強度(g/15mm): 積層フイルムのヒートシール層面同志を重ね合わせ、10
0〜200℃の温度で2kg/cm2の圧力で1秒間、幅10mmのシ
ールバーでヒートシールした後、放冷した。この試料か
ら15mm幅の試験片を切り取り、クロスヘツド速度300mm/
minでヒートシール部を剥離した際の強度を示した。
結果を第1表に示す。
実施例2,3 実施例1のPMH-Iの単独層からなるヒートシール層の代
わりに、実施例1で用いたPMH-IとPMP-1とを第1表に示
す配合比でヘンシエルミキサーで混合した後、40mmφ押
出機(成形温度260℃)で溶融混練して得た組成物I及
びIIを用いる以外は実施例1と同様に行つた。結果を第
1表に示す。
実施例4,5 実施例1で用いたPMH-Iの代わりに、1−ヘキセンと4MP
の装入量を変更し、且つ水素分圧を適宜変更して重合す
ることにより得られた4MP含有量70モル%、融点195℃、
軟化点165℃、結晶化度26%、極限粘度〔η〕2.5dl/g及
びアセトン・n−デカン可溶分2.0重量%の4−メチル
−1−ペンテン・1−ヘキセンランダム共重合体(以下
PMH-IIと略す)を用いる以外は実施例1及び実施例2と
同様に行つた。結果を第1表に示す。
実施例6 実施例1で用いたPMH-Iの代わりに、1−ブテンと4MPを
モノマーとして使用して4MP含有量70モル%、融点200
℃、軟化点170℃、結晶化度28%、極限粘度〔η〕2.3dl
/g及びアセトン・n−デカン可溶分1.9重量%の4−メ
チル−1−ペンテン・1−ブテンランダム共重合体(以
下PMB-Iと略す)を用いる以外は実施例1と同様に行つ
た。結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1で用いたPMH-Iの代わりに、PMP-Iを用いる以外
は実施例1と同様に行つた。結果を第1表に示す。
比較例2 実施例1で用いたPMH-Iの代わりに1−ヘキセンと4MPの
装入量を変更し、且つ水素分圧を適宜変更して重合する
ことにより得られた4MP含有量95モル%、融点230℃、軟
化点205℃、結晶化度37%、極限粘度〔η〕2.3dl/g及び
アセトン・n−デカン可溶分0.6重量%の4−メチル−
1−ペンテン・1−ヘキセンランダム共重合体(以下PM
H-IIIと略す)を用いる以外は実施例1と同様に行つ
た。結果を第1表に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ4−メチル−1−ペンテン(A)層の
    少なくとも片面に、4−メチル−1−ペンテン含有量が
    40ないし80モル%、融点が140ないし220℃、軟化点が90
    ないし190℃及びX線による結晶化度が15ないし35%の
    範囲にある4−メチル−1−ペンテンと炭素数が4ない
    し7(但し4−メチル−1−ペンテンは除く)のα−オ
    レフインとのランダム共重合体(B)100ないし20重量
    %とポリ4−メチル−1−ペンテン(A)0ないし80重
    量%とからなる組成物層を積層してなることを特徴とす
    る積層フイルム。
JP4842186A 1986-03-07 1986-03-07 積層フイルム Expired - Lifetime JPH0677987B2 (ja)

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