JP6893085B2 - ガス透過フィルム及び包装材 - Google Patents
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Description
一方、ポリプロピレンフィルム等にレーザーや熱針等で孔を開けてガス透過性を付与したフィルムも流通している(例えば、特許文献3参照)。
また、4−メチル−1−ペンテン重合体で主に構成されているフィルム又は積層フィルムは、ヒートシール温度が高くなるため、生鮮食品用のフィルム等に使用した場合、内容物の風味が劣化したり、ヒートシール部において液洩れ又は破れが発生したりする恐れがあり、実用的には使用し難いという欠点がある。さらに発明者らの検討によれば、ガス透過性と低温ヒートシール性とを両立させるための上記4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムを用いた積層フィルムの検討では、積層フィルムの透明性が損なわれて、生鮮食品等の包装材料としての適性が限定的となる場合があった。
また一方で、ガス透過性を付与するためにポリプロピレンフィルム等にレーザー等で孔をあけた包装材料(例えば、特許文献3参照)は、孔の付近と孔から離れた部分では内部ガス濃度が不均一となることや、孔からの細菌などの異物侵入により衛生性が損なわれることなどが懸念された。生産性の観点から孔の微細化にも限度があった。
透湿度(JIS Z0208に準拠、試験温度40℃、試験湿度90%)が10g/m2・24h〜80g/m2・24hの範囲にあり、
ヒートシール温度140℃におけるヒートシール強度が6N/15mm〜50N/15mmの範囲にあり、
全ヘイズが0.1%〜10.0%の範囲にあり、
最大径50μm以上の孔が1m2あたり1個以下であり、
前記多層構造の少なくとも1層が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体を含有する、ガス透過フィルム。
<2> 前記透湿度が25g/m2・24h〜70g/m2・24hの範囲にある、<1>に記載のガス透過フィルム。
<3> 前記多層構造が、
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)50質量%〜95質量%及び1−ブテン系重合体(B1)5質量%〜50質量%を含有するヒートシール層(但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)及び前記1−ブテン系重合体(B1)の合計を100質量%とする。)と、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)を80質量%以上含有するガス透過層と、
を備え、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%〜99モル%の範囲にあり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であり、
前記1−ブテン系重合体(B1)が、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記1−ブテンから導かれる構成単位が5モル%〜100モル%の範囲にある重合体であり、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)が、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが200℃〜250℃である重合体である、<1>又は<2>に記載のガス透過フィルム。
<4> 前記1−ブテン系重合体(B1)において、前記1−ブテンから導かれる構成単位が50モル%〜100モル%の範囲にある、<3>に記載のガス透過フィルム。
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%〜99モル%の範囲にあり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であり、
前記1−ブテン系重合体(B3)が、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記1−ブテンから導かれる構成単位が5モル%〜100モル%の範囲にある重合体であり、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)が、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが200℃〜250℃である重合体である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のガス透過フィルム。
<7> <1>〜<6>に記載のガス透過フィルムを備える包装材。
<8> 包装フィルム又は包装袋である、<7>に記載の包装材。
<9> 生鮮食品の包装に用いられる、<7>又は<8>に記載の包装材。
<10> 前記生鮮食品が青果物である、<9>に記載の包装材。
本明細書中において、部材の「面」は、特に断りが無い限り、部材の「主面」を意味する。
本明細書において、「接着」は、「粘着」を包含する概念である。
本明細書において、「フィルム」は、一般的に「フィルム」と呼ばれているものだけでなく、一般的に「シート」と呼ばれているものをも包含する概念である。
本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本発明のガス透過フィルムは、2層以上の多層構造を有するガス透過フィルムであって、
透湿度(JIS Z0208に準拠、試験温度40℃、試験湿度90%)が10g/m2・24h〜80g/m2・24hの範囲にあり、
ヒートシール温度140℃におけるヒートシール強度が6N/15mm〜50N/15mmの範囲にあり、
全ヘイズが0.1%〜10.0%の範囲にあり、
最大径50μm以上の孔が1m2あたり1個以下であり、
前記多層構造の少なくとも1層が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体を含有するガス透過フィルムである。
これにより、高いガス透過性を保持したまま、4−メチル−1−ペンテン系重合体をフィルムとして用いたときの上記欠点(1)である透明性、上記欠点(2)(3)であるヒートシール性が改善されたガス透過フィルムが得られる。
したがって、本発明によれば、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れたガス透過フィルムを実現することができる。
上記範囲の透湿度は、多層構造が有する各層(例えばヒートシール層、ガス透過層、表面層)の組成を調整することで達成しやすい。
透湿度の測定方法は、実施例の項に記載する。
但し、温度140℃で試験を行い、140℃によるヒートシールでのヒートシール強度が不足の場合は、140℃を超える温度、例えば150℃又は160℃でのヒートシール強度をさらに測定することにより判断することができる。
本発明のガス透過フィルムにおいて、ヒートシール温度140℃におけるヒートシール強度は、6N/15mm〜50N/15mmであり、好ましくは6N/15mm〜25N/15mm、より好ましくは8N/15mm〜25N/15mmである。
上記範囲のヒートシール強度は、ヒートシール層の組成を調整することで達成しやすい。具体的には、ヒートシール層の融点が低くなるように組成を調整することで、ヒートシール強度は高くなる傾向がみられるため、上記範囲のヒートシール強度を達成しやすくなる。
ヒールシート強度の測定方法は実施例の項に記載する。
全ヘイズが上記範囲にあることで高い透明性が得られ、ガス透過フィルムを、例えば包装資材、包装材として用いた際に内容物の視認性が高まるため好ましい。
全ヘイズの測定方法は実施例の項に記載する。
最大径50μm以上の孔の数が上記範囲にあることで、ガス透過フィルムにおいてより均一なガス透過性が得られる。また、ガス透過フィルムを、例えば包装資材、包装材として用いた際に、包装資材内、包装材内への衛生性が保持される点で好ましい。
なお、上記孔の最大径及び数は、目視および必要に応じて公知の走査型電子顕微鏡、光学顕微鏡などを使用して確認することができる。
多層構造の少なくとも1層は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体(4−メチル−1−ペンテン系重合体(A))を含有する。
4−メチル−1−ペンテンは嵩高い骨格を有するため、ガス透過フィルムの少なくとも1層が4−メチル−1−ペンテン系重合体を含有することにより、高いガス透過性と、透明性を付与することができる。
なお、上記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は、ポリオレフィンを主成分とする重合体であることがよく、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位とを有する共重合体であることが好ましい。
なお、ガス透過フィルムの少なくとも1層が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を含有することは、後述する13C−NMR分析により確認することができる。
ガス透過フィルムが少なくとも2層で構成されることによって、片方の層に主にヒートシール性を付与することができ、ヒートシール性を有する層と、その他の各種物性を有する層との層構成となるため、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れたガス透過フィルムを達成しやすくなる。ガス透過フィルムが3層以上で構成される場合は、例えばガス透過フィルム一方の面にヒートシール層を設け、一方の面とは反対側の面に表面層を設けることにより、表面層に優れた印刷性を付与することができるため好ましい。また、各層の間に、後述するような層間接着性を付与する層を設けてもよい。
より詳細には、本発明のガス透過フィルムにおいて、前記多層構造が、
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)50質量%〜95質量%及び1−ブテン系重合体(B1)5質量%〜50質量%を含有するヒートシール層(但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)及び前記1−ブテン系重合体(B1)の合計を100質量%とする。)と、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)を80質量%以上含有するガス透過層と、
を備え、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%〜99モル%の範囲にあり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であり、
前記1−ブテン系重合体(B1)が、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記1−ブテンから導かれる構成単位が5モル%〜100モル%の範囲にある重合体であり、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)が、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが200℃〜250℃である重合体であることが好ましい。
すなわち、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れたガス透過フィルムを実現しやすくなる。
上記態様のガス透過フィルムにおいては、ヒートシール層が高いガス透過性を持つ4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)を含有し、ガス透過層が高いガス透過性を持つ、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)を含有するため、ヒートシール層、ガス透過層及びガス透過フィルムのガス透過性は高められる傾向にある。一方、ヒートシール層は、上記重合体(A1)に加え、層間接着性を担う1−ブテン系重合体(B1)を特定の割合で含有する。
上記態様のガス透過フィルムでは、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と、1−ブテン系重合体(B1)とを特定の割合で混合してヒートシール層を形成すると、ヒートシール層中において、ガス透過性を担う4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と、層間接着性を担う1−ブテン系重合体(B1)とが適度に分散した状態で存在すると考えられる。
上記態様のガス透過フィルムでは、このヒートシール層中における重合体(A1)及び重合体(B1)の分散状態により、ヒートシール層のガス透過性が高いまま保持され、かつ高い透明性が確保されると考えられる。その結果、ヒートシール層上にガス透過層を積層した層構成においても、高いガス透過性及び高い透明性が確保されたガス透過フィルムが実現されると考えられる。
また、ヒートシール層中に含まれる4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位以外に、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位を有する重合体を含有するため、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)の融点Tmは低下する(199℃以下)。これにより、ガス透過フィルムとしてのヒートシール温度の低温化が実現されると考えられる。
さらに、ヒートシール層は、上述の通り、層間接着性を担う1−ブテン系重合体(B1)を特定の割合で含有する。これにより、ガス透過フィルムの層間接着性も良好になると考えられる。
したがって、上記態様のガス透過フィルムによれば、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れたガス透過フィルムを実現できるものと考えられる。
これにより、上述した透湿度、ヒートシール強度、全ヘイズ、及び最大径50μm以上の孔の数が特定の範囲に調整されたガス透過フィルムをより達成しやすくなる。
すなわち、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れたガス透過フィルムをより実現しやすくなる。
これにより、上述した透湿度、ヒートシール強度、全ヘイズ、及び最大径50μm以上の孔の数が特定の範囲に調整されたガス透過フィルムを達成しやすくなる。
すなわち、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れたガス透過フィルムをより実現しやすくなる。
より詳細には、本発明のガス透過フィルムにおいて、前記多層構造が、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)50質量%〜95質量%、1−ブテン系重合体(B3)5質量%〜50質量%、及び前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)0質量%〜20質量%を含有する表面層(但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)及び前記1−ブテン系重合体(B3)の合計を100質量%とする。)をさらに備え、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%〜99モル%の範囲にあり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であり、
前記1−ブテン系重合体(B3)が、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記1−ブテンから導かれる構成単位が5モル%〜100モル%の範囲にある重合体であり、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)が、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが200℃〜250℃である重合体であることが好ましい。
これにより、上述した透湿度、ヒートシール強度、全ヘイズ、及び最大径50μm以上の孔の数が特定の範囲に調整されたガス透過フィルムをより達成しやすくなる。
すなわち、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れたガス透過フィルムをより実現しやすくなる。
以下では、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)を単に重合体(A1)と称して説明することがある。同様に、1−ブテン系重合体(B1)等についても、重合体の構成要素を省略して、単に重合体(B1)等と称して説明することがある。
ヒートシール層は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)を50質量%〜95質量%含有することが好ましく、65質量%〜95質量%含有することがより好ましい。
また、ヒートシール層は、1−ブテン系重合体(B1)を5質量%〜50質量%を含有することが好ましく、5質量%〜35質量%含有することがより好ましい。
但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)及び前記1−ブテン系重合体(B1)の合計を100質量%とする。
ヒートシール層が、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)及び1−ブテン系重合体(B1)を上記範囲で含有することにより、ガス透過層との層間接着力が十分なものとなりやすい。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位とを有する共重合体である。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は前記炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位は、60モル%〜99モル%の範囲にあり、好ましくは65モル%〜98モル%の範囲、より好ましくは65モル%〜97モル%の範囲にある。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%以上であると、ヒートシール層のガス透過性を高めることができる。その結果、ガス透過性の高いガス透過フィルムを得ることができる。4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が99モル%以下であると、フィルム伸び等の機械物性が良好なヒートシール層及びガス透過フィルムを得ることができる。
末端水酸化オレフィン化合物としては、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセン等の炭素数4〜20(好ましくは2〜10)の直鎖状の水酸化α−オレフィン;水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセン等の好ましくは炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状の水酸化α−オレフィンなどが挙げられる。
4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数2以上20以下のα−オレフィンとしては、重合性及び得られる重合体の物性、特に融点Tmを制御する観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、プロピレン及び1−ブテンからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、プロピレンが特に好ましい。
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
なお、「融点Tmが観測されない」とは、−150℃〜200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上である結晶融解ピークが実質的に観測されないことをいう。
示差走査熱量計で測定される重合体(A1)の融点Tmを199℃以下に、又は示差走査熱量計で重合体(A1)の融点Tmを観測されないように調整するためには、重合体(A1)中の4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を60モル%〜99モル%の範囲にすることがよい。
約5mgの重合体(A1)を、セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計(DSC220C型)の測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。重合体(A1)を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体(A1)の融点Tmとする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
重合体(A1)は、デカリン溶媒中、135℃で測定される極限粘度[η]が、0.5dl/g〜5.0dl/gであることが好ましく、0.5dl/g〜4.0dl/gであることがより好ましい。
重合体(A1)の極限粘度[η]が上記範囲内であると、低分子量体が少ないためフィルム(ヒートシール層)のべたつきが少なくなり、また、押出フィルム成形が可能となる。
極限粘度[η]は、ウベローデ粘度計を用い、下記の方法により測定される値である。
約20mgの重合体(A1)をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度
計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求める(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は、フィルム(ヒートシール層)の成形性の観点から、1×104〜2×106であることが好ましく、1×104〜1×106であることがより好ましい。
また、重合体(A1)の分子量分布(Mw/Mn)は、フィルム(ヒートシール層)のべたつき及び外観の観点から、1.0〜3.5であることが好ましく、1.1〜3.0であることがより好ましい。
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示差屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
重合体(A1)のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、フィルム(ヒートシール層)の成形時の流動性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましく、0.5g/10min〜30g/10minであることが更に好ましい。
また、重合体(A1)のメルトフローレートが上記範囲内であると、比較的均一な膜厚に押出成形しやすい。
上記重合体(A1)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
重合体(A1)の密度は、ハンドリング性の観点から、820kg/m3〜870kg/m3であることが好ましく、830kg/m3〜850kg/m3であることがより好ましい。
また、重合体(A1)の密度が820kg/m3以上であると、フィルム(ヒートシール層)及びガス透過フィルムの機械的な強度が良好となり、ガス透過フィルムを、例えば包装資材、包装材として用いる場合、破れやすい等の問題が発生し難い。重合体(A1)の密度が870kg/m3以下であると、ヒートシール層のガス透過性を高めることができる。その結果、より高いガス透過性を有するガス透過フィルムを得ることができる。
上記重合体(A1)の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定される値である。
重合体(A1)の調製に用いることのできる重合触媒としては、従来公知の触媒、例えば、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号、国際公開第01/27124号、特開平3−193796号公報、又は特開平02−41303号公報に記載のメタロセン触媒等が好適である。重合体(A1)の製造方法としては、例えば、国際公開第01/27124号、国際公開14/050817号等に記載の方法を採用することができる。
1−ブテン系重合体(B1)は、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位とを有する重合体である。
1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、1−ブテンから導かれる構成単位は、5モル%〜100モル%の範囲にある。
1−ブテンから導かれる構成単位がこの範囲であると、層間接着力において好ましい。
また、1−ブテン系重合体(B1)の他の態様において、前記1−ブテンから導かれる構成単位は、より好ましくは5モル%以上50モル%未満、さらに好ましくは5モル%〜35モル%の範囲にある。1−ブテンから導かれる構成単位がこの範囲であると、ヒートシール層及びガス透過フィルムの透明性において特に好ましい。
なお、1−ブテン系重合体(B1)は、例えば1−ブテンと、エチレン及びプロピレンの少なくとも一方とが重合した重合体であってもよい。すなわち、1−ブテン系重合体(B1)は、プロピレンから導かれる構成単位を有さない重合体であっても、エチレンから導かれる構成単位を有さない重合体であってもよい。
1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計は、全構成単位の通常90モル%以上であり、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。すなわち、重合体(B1)は、発明の効果を損なわない範囲であれば、1−ブテン、エチレン及びプロピレンから導かれる構成単位以外の構成単位を有してもよい。他の構成単位としては例えば炭素原子数20以下のα−オレフィンが挙げられる。例えば、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。
重合体(B1)のメルトフローレート(MFR)は、フィルム(ヒートシール層)の成形性、並びに、ヒートシール層及びガス透過フィルムの機械物性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましい。
重合体(B1)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
重合体(B1)の調製に用いることのできる重合触媒としては、従来公知の触媒、例えば、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号、国際公開第01/27124号、特開平3−193796号公報、又は特開平02−41303号公報に記載のメタロセン触媒等が好適である。重合体(B1)の製造方法としては、例えば、国際公開第2014/042249号、国際公開第2006/057361等に記載の方法を採用することができる。
ガス透過層は、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)を、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上含有することが好ましい。なお、上限は100質量%であることが好ましい。4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)の含有量(質量%)は、ガス透過層全体に対する含有量である。
重合体(D2)の含有量が上記範囲にあることで、得られるガス透過フィルムのガス透過性が高まりやすい。また、得られるガス透過フィルムに適度な剛性が得られるため好ましい。
1−ブテン系重合体(B2)としては、ヒートシール層に含まれる1−ブテン系重合体(B1)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
1−ブテン系重合体(B2)は、上述した1−ブテン系重合体(B1)と同様の物性を有していることが好ましい。
なお、1−ブテン系重合体(B2)と1−ブテン系重合体(B1)とは同一であっても異なるものであってもよい。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)は、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であることが好ましい。
また、4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)は、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、エチレン及び4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下である重合体であることがより好ましい。
重合体(D2)が有する4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であると、ガス透過層のガス透過性を高めることができる。その結果、ガス透過性のより高いガス透過フィルムを得ることができる。
重合体(D2)における4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位の全構成単位に対する割合が上記範囲内にあると、ガス透過層のガス透過性を高めることができる。その結果、ガス透過性のより高いガス透過フィルムを得ることができる。
4−メチル−1−ペンテン以外のエチレンおよびα−オレフィンとしては、耐熱性及びガス透過性の観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
融点Tmは、示差走査熱量計(DSC)により測定される値である。4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)の融点Tmが上記範囲にあることにより、耐熱性の高いガス透過層及びガス透過フィルムを得ることができる。融点Tmの具体的な測定方法は実施例の項に記載する。
重合体(D2)のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、フィルム(ガス透過層)の成形時の流動性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましく、0.5g/10min〜30g/10minであることが更に好ましい。
また、重合体(D2)のメルトフローレートが上記範囲内であると、比較的均一な膜厚に押出成形しやすい。重合体(D2)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
重合体(D2)の密度は、ハンドリング性の観点から、820kg/m3〜870kg/m3であることが好ましく、830kg/m3〜850kg/m3であることがより好ましい。
また、重合体(D2)の密度が820kg/m3以上であると、フィルム(ガス透過層)及びガス透過フィルムの機械的な強度が良好となり、ガス透過フィルムを、例えば包装資材、包装材として用いる場合、破れやすい等の問題が発生し難い。重合体(D2)の密度が870kg/m3以下であると、ガス透過層のガス透過性を高めることができる。
上記重合体(D2)の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定される値である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)の製造方法としては、例えば、国際公開第01/27124号、国際公開14/050817号等に記載の方法を採用することができる。重合体の製造方法においては、従来公知の重合触媒を用いることができる。
本発明のガス透過フィルムは、ヒートシール層と、ガス透過層とを備える層構成であってもよく、ヒートシール層と、ガス透過層と、表面層とをこの順で備える層構成であってもよい。
表面層は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)50質量%〜95質量%、1−ブテン系重合体(B3)5質量%〜50質量%、及び前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)0質量%〜20質量%(好ましくは5質量%〜15質量%)を含有する。但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)及び前記1−ブテン系重合体(B3)の合計を100質量%とする。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)としては、ヒートシール層に含まれる4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)は、上述した4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)と同様の物性を有していることが好ましい。
なお、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)と4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)とは同一であっても異なるものであってもよい。
1−ブテン系重合体(B3)としては、ヒートシール層に含まれる1−ブテン系重合体(B1)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
1−ブテン系重合体(B3)は、上述した1−ブテン系重合体(B1)と同様の物性を有していることが好ましい。
なお、1−ブテン系重合体(B3)と1−ブテン系重合体(B1)とは同一であっても異なるものであってもよい。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)としては、ガス透過層に含まれる4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)は、上述した4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)と同様の物性を有していることが好ましい。
なお、4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)と4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)とは同一であっても異なるものであってもよい。
本発明のガス透過フィルムは、ヒートシール層、及びガス透過層をそれぞれ1以上含む複数の層で構成されていても良く、さらに表面層を含む複数の層で構成されていてもよい。例えば、ヒートシール層を2層とし、ガス透過層側の層に4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)を例えば20質量%以下含有させることで、ガス透過層との層間接着性のさらなる向上が期待できる。
また、本発明のガス透過フィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲でヒートシール層、ガス透過層、及び表面層以外のその他の層を含んでいてもよい。その他の層としては、例えば、層間接着性を付与するための1−ブテン系重合体を含む層が挙げられる。ガス透過フィルムを複数の層で構成することによって、層間接着性のさらなる向上が期待できる。
本発明のガス透過フィルムは、本発明の目的を損なわない範囲内において、各層に上述の樹脂(例えば重合体(A1)(A3)、重合体(B1)〜(B3)、重合体(D2)(D3))以外の樹脂、添加剤等のその他の成分を含有してもよい。
その他の樹脂としては一般的な熱可塑性樹脂が挙げられる。その他の樹脂の含有量は、本発明における各層を構成する樹脂組成物の総量100質量%に対し、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。
防止剤、防曇剤等が挙げられる。添加剤の含有量は、本発明における各層を構成する樹脂組成物の総量100質量%に対し、0.0001質量%〜10質量%であることが好ましく、0.0001質量%〜1質量%であることがより好ましい。
本発明のガス透過フィルムの厚さは、取り扱い性が容易である点において、10μm〜500μmであることが好ましく、10μm〜300μmであることがより好ましく、20μm〜100μmであることが更に好ましい。
ヒートシール層の厚さは、低温でのヒートシール性および層間接着性の点において、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
ヒートシール層の厚さ(比率)は、ガス透過フィルム全体の厚さに対して、好ましくは1%〜40%、より好ましくは10%〜40%である。
ガス透過層の厚さは、ガス透過フィルムとしての厚さが上記範囲内となれば特に制約はないが、ガス透過層の厚さ(比率)は、ガス透過フィルム全体の厚さに対して、好ましくは10%〜90%、より好ましくは20%〜80%、さらに好ましくは30%〜70%である。
表面層の厚さは、好ましくは1μm〜50μmである。
また、表面層の厚さ(比率)は、ガス透過フィルム全体の厚さに対して、好ましくは1%〜40%、より好ましくは10%〜40%である。
−ガス透過性−
本発明のガス透過フィルムにおける透湿度(JIS Z0208に準拠、試験温度40℃、試験湿度90%)は、前述の通り、10g/m2・24h〜80g/m2・24hであり、好ましくは25g/m2・24h〜70g/m2・24hである。
本発明のガス透過フィルムにおける酸素透過度は、特に制限はないが、好ましくは1000cm3/(m2・24h・atm)〜50000cm3/(m2・24h・atm)であり、より好ましくは2000cm3/(m2・24h・atm)〜40000cm3/(m2・24h・atm)であり、更に好ましくは6000cm3/(m2・24h・atm)〜40000cm3/(m2・24h・atm)であり、特に好ましくは10000cm3/(m2・24h・atm)〜40000cm3/(m2・24h・atm)である。
本発明のガス透過フィルムにおける二酸化炭素透過度は、特に制限はないが、好ましくは5000cm3/(m2・24h・atm)〜250000cm3/(m2・24h・atm)であり、より好ましくは10000cm3/(m2・24h・atm)〜150000cm3/(m2・24h・atm)であり、更に好ましくは20000cm3/(m2・24h・atm)〜150000cm3/(m2・24h・atm)であり、特に好ましくは40000cm3/(m2・24h・atm)〜150000cm3/(m2・24h・atm)である。
なお、酸素透過度と二酸化炭素透過度の測定方法は、実施例の項に記載する。
本発明のガス透過フィルムは、MD方向の引張弾性率(YM)が10MPa〜2500MPaであることが好ましく、50MPa〜2000MPaであることがより好ましく、100MPa〜2000MPaであることが更に好ましい。
本発明のガス透過フィルムは、MD方向の引張弾性率(YM)が10MPa以上であると、フィルムの強度がより向上する。また、MD方向の引張弾性率(YM)が2500MPa以下であると、引張強度等、機械強度に優れたフィルムとなる。
本発明のガス透過フィルムは、TD方向の引張弾性率(YM)が10MPa以上であると、フィルムの強度がより向上する。また、TD方向の引張弾性率(YM)が2500MPa以下であると、引張強度等、機械強度に優れた柔軟なフィルムとなる。
本発明のガス透過フィルムは、MD方向の引張破断伸び(EL)が100%以上であると、柔軟で耐衝撃性に優れたフィルムとなる。また、MD方向の引張破断伸び(EL)が1000%以下であると、フィルムの取り扱い性により優れる。
本発明のガス透過フィルムは、TD方向の引張破断伸び(EL)が100%以上であると、柔軟で耐衝撃性に優れたフィルムとなる。また、TD方向の引張破断伸び(EL)が1000%以下であると、フィルムの取り扱い性により優れる。
本発明のガス透過フィルムの内部ヘイズは、好ましくは0.1%〜10.0%、より好ましくは0.1%〜9.5%である。
本発明のガス透過フィルムの内部ヘイズが10%以下であると、透明なガス透過フィルムとなる。
内部ヘイズ(H1)は、石英ガラス板2枚の間にシクロヘキサノールのみを挟んだ構成の積層体のヘイズ(H2)、及びシクロヘキサノールで表面を均一に濡らしたガス透過フィルム(積層体)を石英ガラス板2枚の間に挟んだ構成の積層体のヘイズ(H3)を、それぞれ全ヘイズと同様の方法により測定し、次式に従って算出できる。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
本発明のガス透過フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、本発明のガス透過フィルムの構成成分として含まれる各層が界面付近で混ざり合うことで接着し、ガス透過フィルムが形成される方法が好ましい。このような方法としては、例えば、溶融させた樹脂を積層する共押出法、予め形成された樹脂フィルムを熱融着させる熱融着法等が挙げられる。これらの方法の中でも、各層(例えばヒートシール層、ガス透過層、必要に応じて表面層、その他の層)における層間接着性がより高く、層間剥離がより生じ難いガス透過フィルムを形成することができる点において、溶融させた樹脂を積層する共押出法がより好ましい。
まず、各層(例えばヒートシール層、ガス透過層、必要に応じて表面層、その他の層)の組成に応じて、原料樹脂を混合(例えば、ドライブレンド、単軸、二軸押出機、ミキサー等による溶融混練)し、各層用樹脂材料を得る。
次いで、各層用樹脂材料を、Tダイを設置した押出機が備える別々のホッパーに投入し、シリンダー温度を100℃〜270℃、ダイス温度を200℃〜270℃に設定する。
Tダイから、各層用樹脂材料の溶融混練物を共押出にて押し出し、ガス透過フィルムを得る。
本発明のガス透過フィルムは、例えば、テープ、粘着テープ、マスキングテープ、マスキングフィルム、仮着性フィルム、鮮度保持用包装フィルム、プラスチック封筒、イージーオープン包装袋、自動包装フィルム、ショッピングバック、スタンディングバック、液体フィルム容器、透明包装箱、建材、貼合用フィルム、農業用フィルム、食品包装資材、果物包装資材、花卉包装資材、電子部品包装資材、機械部品包装資材、穀物包装資材、魚介類等の水産物包装資材、医療用フィルム、医療用テープ、細胞培養用パック等として幅広く利用される。
野菜としては例えば以下のものが挙げられる。ホウレンソウ、レタス、キャベツ、ハクサイ、コマツナ、チンゲンサイ、オオバ、ミズナ、パセリ、セロリ、セリ、ネギ、トマト、ミニトマト、ナス、カボチャ、ピーマン、キュウリ、ミョウガ、カリフラワー、ブロッコリー、シュンギク、タマネギ、アスパラガス、ウド、フキ、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、ラディッシュ、カブ、ナガイモ、ヤマイモ、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、レンコン、オクラ、カボチャ、ゴーヤ、トウモロコシ、エダマメ、サヤエンドウ、ソラマメ、サヤインゲン。
果物としては例えば以下のものが挙げられる。カリン、ナシ、リンゴ、アメリカンチェリー、サクランボ、ウメ、アンズ、スモモ、モモ、イチジク、カキ、キウイフルーツ、クランベリー、ブドウ、ブルーベリー、ブラクベリー、ラズベリー、ビワ、ヤマモモ、イチゴ、スイカ、メロン、マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツ、パイナップル、柑橘類。
本発明の包装材は、上述のガス透過フィルム(本発明のガス透過フィルム)を備える。
すなわち、本発明の包装材は、上述のガス透過フィルムを用いて得られる包装材である。
包装材としては、特に限定されないが、例えば上述のガス透過フィルムを、目的に応じて加工して得た包装フィルム、包装袋が挙げられる。
包装材としての包装袋は、例えば、ヒートシール層同士が対向するように、上述のガス透過フィルムを折り曲げ、又は少なくとも2つ以上重ね合わせた後、公知の方法によりヒートシール層を熱融着(ヒートシール)することで得ることができる。
また、上述のガス透過フィルムは、例えば容器開口部を覆う蓋材及び窓材としても利用することができる。さらに他の部材(例えば不織布、紙)と重ね合わせて又はラミネートして、例えば、包装材、包装袋、梱包体(例えば包装箱、ダンボール箱)、梱包体のガス透過材としても利用することができる。
特に、上述のガス透過フィルムは、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れたものであるため、上述のガス透過フィルムから得られる包装材は、生鮮食品の包装(例えば包装フィルム、包装袋)に用いられることが好ましく、中でも、青果物の包装に用いられることが好ましい。
本発明のガス透過フィルムの使用態様について説明する。但し、以下に示す使用態様に制限されるものではない。
本発明のガス透過フィルムは、ガス透過フィルムの形態で、又は、他の部材(不織布、紙)と重ね合わせた形態で若しくはラミネートした形態で、以下のように用いることができる。
本発明のガス透過フィルムは、容器の開口部を塞ぐための蓋材として適用する態様(態様A)で用いられてもよい。
容器は硬質容器であることが好ましい。
硬質容器とは、物理力によって変形しにくい性質を有する容器をいう。言い換えれば、硬質容器とは、容器としての形態が保持されるものであればよく、物理力による変形を排除するものではない。
硬質容器の材質としては特に制限されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリイミド等の樹脂を用いることができる。また、金属に前記樹脂をラミネートしたものであってもよい。
また、硬質容器の材質は紙でも良い。この場合の紙としては特に制限されないが、厚手の紙(例えば板紙)、樹脂をラミネートした紙、樹脂を含浸した紙であることが好ましい。
厚手の紙としては、例えば厚さ0.2mm以上の紙が挙げられる。上限値は、製造上の観点から、5mmであることが好ましい。紙にラミネートする樹脂としては、例えば上記で例示した樹脂が挙げられる。紙に含浸する樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル、ポリオレフィンが挙げられる。
なお、上記樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種を併用してもよい。なお、容器の形状は特に制限されない。
上記容器開口部を塞ぐ方法により、容器内は密封されることが好ましいが、必ずしも密封されていなくてもよい。
ここでいう密封とは、接着手段により開口部が塞がれた箇所からガスが漏れることを排除するものではない。上記開口部からガスが漏れた場合でもガス透過フィルムによってガス透過性が制御されていればよい。つまり、使用態様に応じて、求められる範囲にガス透過性が制御されていればよい。以下の態様B〜Eにおける密封も同様である。
容器開口部は、容器本体の開口部だけでなく、蓋の開口部、及びこれらの開口部以外の箇所に設けられた窓、孔も包含する。なお、容器開口部の数は限定されない。
特に、接着剤を用いて接着させる方法、及びテープを用いて接着させる方法では、接着剤及びテープとして、自己粘着性のある樹脂を用いることで、容器内の密封及び開放を繰り返し行うことができる。
なお、ガス透過フィルムを容器開口部に接着させる方法の詳細については後述する。
図1(a)に、本発明のガス透過フィルムを容器の蓋材として適用した場合の容器の断面図を示す。
図1(a)に示すように、容器12は、凹形状を有する容器本体12Bと、容器開口部11Bを塞ぐように配置されたガス透過フィルム102と、で構成されている。容器開口部11Bには、水平方向に外側に延びるフランジ12bが設けられており、このフランジ12bと、ガス透過フィルム102の周縁部とは接着手段(不図示)により接着されている。なお、接着手段としては、上述の接着手段が適用される。以下同様である。
容器12は、上記構成を有することによりガス透過性が適度に高められている。
以下の態様A〜態様Fのガス透過フィルムでも同様である。
したがって、容器12によれば、ガス透過性に優れたガス透過フィルム102を用いて容器開口部が塞がれるので、容器内のガス又は内容物(例えば生鮮食品)から発生したガスが、容器開口部11Bを経て外気に放出されやすい。あるいは容器外のガス(外気)が容器開口部11Bを経て容器内に透過しやすい。このため、容器12を用いることで、内容物の品質劣化を抑制することができる。特に内容物が生鮮食品の場合には、生鮮食品から出る水分が外気に放出されやすいため、鮮度が保持されやすくなる。以下では、態様A1の上記効果を「内容物の品質劣化を抑制する効果」と称して説明する。
さらに、容器12は、透明性に優れたガス透過フィルム102で容器開口部11Bが塞がれるので、容器12の上方から内容物を視認することができる。
図1(b)に、本発明のガス透過フィルムを容器の窓材として適用した場合の容器の断面図を示す。以下の説明では、態様A1と同一のものには同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1(b)に示すように、容器14は、容器本体14Bと、上部に窓13C(容器開口部の一例)を有する蓋14Aと、窓13Cを塞ぐように配置されたガス透過フィルム104と、蓋14Aのフランジ14a及び容器本体14Bのフランジ14bを側面から覆うテープ2(公知のテープ)と、で構成されている。窓13Cの上に配置されたガス透過フィルム104の周縁部と、窓13Cとは接着手段(不図示)により接着されている。また、容器本体14Bの上には、蓋14Aが覆いかぶされており、蓋14Aのフランジ14a及び容器本体14Bのフランジ14bはテープ2により接着されている。
容器14は、上記構成を有することによりガス透過性が適度に高められている。
さらに、容器14は、透明性に優れたガス透過フィルム104で蓋14Aの窓13Cが塞がれるので、窓13Cから内容物を視認することができる。
テープ2に代えて、前述の接着手段や、公知の嵌合手段を用いて両フランジ14a,14bを接着させてもよい。
蓋の材質は、容器本体の材質と同一であっても、異なる材質であってもよい。以下同様である。
図1(c)に、本発明のガス透過フィルムを容器の窓材として適用した場合の容器の断面図を示す。以下の説明では、態様A1、A2と同一のものには同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1(c)に示すように、容器16は、蓋16Aと、側面に窓15Cを有する容器本体16Bと、窓15Cを塞ぐように配置されたガス透過フィルム106と、蓋16Aのフランジ16a及び容器本体16Bのフランジ16bに設けられた嵌合手段4と、で構成されている。窓15Cの上に配置されたガス透過フィルム106の周縁部と、窓15Cとは接着手段(不図示)により接着されている。また、容器本体16Bの上には、蓋16Aが覆いかぶされており、蓋16Aのフランジ16a及び容器本体16Bのフランジ16bは公知の嵌合手段4により接着されている。
容器16は、上記構成を有することによりガス透過性が適度に高められている。
さらに、容器16は、透明性に優れたガス透過フィルム106で容器本体16Bの窓15Cが塞がれるので、窓15Cから内容物を視認することができる。
図1(d)は、本発明のガス透過フィルムを容器の蓋材として適用した場合の態様A4を説明する断面図である。以下の説明では、態様A1〜A3と同一のものには同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1(d)に示すように、容器18は、上部に複数の孔17Aを有する蓋18Aと、容器本体18Bと、蓋18Aの開口部17Cを塞ぐように配置されたガス透過フィルム108と、で構成される。開口部17C上に配置されたガス透過フィルム108の周縁部と、蓋18Aのフランジ18aとは接着手段(不図示)により接着されている。
容器18は、ガス透過フィルム108で塞がれた蓋18Aが容器本体18Bの上に覆いかぶされ(図1(d)中、矢印の方向)、容器本体18Bのフランジ18b上に配置されたガス透過フィルム108の部分と、フランジ18bとが接着手段(不図示)により接着されるように構成されている。
容器18は、上記構成を有することによりガス透過性が適度に高められている。
蓋18Aに設けられる孔の数は限定されず、1つであってもよい。
蓋18A(開口部17Cを有する蓋)の形状は特に限定されず、例えば平板状であってもよい。この場合の容器(以下、容器Xと称する)は、蓋に設けられた孔と、ガス透過フィルムとが接触した構造を成す。
上記容器18は、蓋18Aの孔17Aとガス透過フィルム108とが接触しない構造を成すため、容器Xに比べ、実質的に広い面積のガス透過フィルムを通してガス透過を行うことができる。これにより、ガス透過性をより高めることができる。さらに容器18では、蓋に設ける孔の数を調整することによって、容器としてのガス透過性能を制御することもできる。
ガス透過フィルムを容器開口部に接着させる方法の一例として、態様A2における蓋14Aの窓13C(容器開口部の一例)に、ガス透過フィルム104を接着させる方法について図2を参照しながら説明する。
まず、少なくとも蓋14Aの窓13Cの面積と同程度又は窓13Cよりも大きい面積を有するガス透過フィルム104と両面テープ6とを準備する。
次いで、ガス透過フィルム104の一方の面と両面テープ6とを対向させて、両者を貼り合わせる。これにより、窓13Cを覆う窓材20が得られる。
次いで、両面テープ6の窓材20とは反対の面を、窓13Cの周縁部に配置する(図2中、矢印の方向)。これにより、窓材20と、蓋14Aの窓13Cの周縁部とが接着され、図1(b)に示すように容器14内が塞がれる。
なお、ガス透過フィルム104と窓13Cの周縁部との接着は、接着剤を用いて行ってもよいし、ヒートシールにより行ってもよい。また、両面テープ以外のテープで行ってもよい。
本発明のガス透過フィルムは、不織布又は織物と重ね合わせて包装袋として適用する態様(態様B)で用いられてもよい。
包装袋の形状としては特に限定されず、例えば、四方シール袋、三方シール袋、ピロー袋、ガゼット袋、スタンディングパウチが挙げられる。
包装袋の開口部を塞ぐ手段としては、特に限定されないが、例えば、ヒートシール、接着剤、テープ(例えば粘着テープ、両面粘着テープ)を使う方法;繰り返し開閉が可能なジッパーによる方法;開口部を折り畳んでテープ(例えば粘着テープ、両面粘着テープ)、接着剤等で固定する方法;開口部を束ねてゴム(例えば輪ゴム)、紐、粘着テープ、針金、結束材、クリップ等で留める方法;などが挙げられる。
なお、包装袋の開口部を塞ぐことで、包装袋内は密封されることが好ましいが、必ずしも密封されていなくてもよい。
図3に示すように、ガス透過フィルム100と、不織布又は織物22とを重ね合わせることで包装袋を作製するための包装材30が得られる。
ガス透過フィルム100と不織布又は織物22とは、接着手段(不図示)により接着されている。なお、ガス透過フィルム100と不織布又は織物22とは、接着されていなくてもよい。この包装材30を用いることで包装袋が作製される。
ガス透過フィルム100と重ね合わせる不織布又は織物の材質としては特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;アクリル系繊維;等が挙げられる。
中でも、ポリオレフィン系繊維が好ましく、ポリオレフィン系繊維の市販品としては、ワリフ(登録商標:JX日鉱日石エネルギー社製)、CLAF(登録商標:JX日鉱日石エネルギー社製)が挙げられる。
なお、不織布及び織物の形状は特に制限されない。
包装材30を用いて作製される包装袋は、包装材30のガス透過フィルム100の側が内側になるように作製されてもよいし、包装材30のガス透過フィルム100の側が外側になるように作製されてもよい。
上記包装袋は、ガス透過性に優れたガス透過フィルム100を有する包装材30で構成されるので、包装袋内のガス又は内容物(例えば生鮮食品)から発生したガスが外気に放出されやすい。あるいは包装袋外のガス(外気)が袋内に透過しやすい。このため、態様A1と同様に「内容物の品質劣化を抑制する効果」が得られる。
また、上記包装袋は、ガス透過フィルム100と不織布又は織物22との層構成を有する包装材30を用いて作製されるので、強度が高められ、包装袋に物理的な力がかかっても包装袋が破れにくくなる。これによっても、内容物の品質が保持されやすくなる。
包装材30に代えて、ガス透過フィルムと、不織布又は織物とがラミネートされた包装材を用いてもよい。ラミネートの方法としては特に制限されず、公知のラミネート方法(熱ラミネート、押出ラミネート)を用いることができる。以下同様である。
包装袋は、少なくとも一部が包装材30(ガス透過フィルムと不織布又は織物との層構成)で構成されていてもよい。
本発明のガス透過フィルムは、ガス透過フィルム単独で包装袋として適用する態様(態様C)で用いられてもよい。
包装袋の形状としては前述と同様の形状が挙げられる。
包装袋の開口部を塞ぐ手段としては前述と同様の方法が挙げられる。なお、包装袋の開口部を塞ぐことで、包装袋内は密封されることが好ましいが、必ずしも密封されていなくてもよい。
態様Cの包装袋は、例えば図3に示すガス透過フィルム100を用いることで作製される。
ガス透過フィルム100を用いて作製される包装袋の例としては、後述する図5(b)、(c)に示す包装袋が挙げられる。
上記包装袋は、ガス透過性が適度に制御されたガス透過フィルム100から作製されるので、包装袋外のガスが袋内へ、あるいは包装袋内のガスが袋外へ透過することが制御される。このため、態様A1と同様に「内容物の品質劣化を抑制する効果」が得られる。
なお、包装袋は、少なくとも一部がガス透過フィルム100で構成されていてもよい。
本発明のガス透過フィルムは、紙と重ね合わせて梱包体として適用する態様(態様D)で用いられてもよい。
梱包体の形状としては特に制限されないが、例えば箱状(例えば紙箱)、筒状、容器状等、各種形状のものが挙げられる。
ガス透過フィルムと重ね合わせる紙は、厚手の紙(例えば板紙)であることが好ましい。厚手の紙としては、例えば厚さ0.2mm以上の紙が挙げられる。上限値は、製造上の観点から、5mmであることが好ましい。紙の種類は特に制限されないが、本発明のガス透過フィルムよりガス透過性が高いことが好ましい。
なお、梱包体内は密封されることが好ましいが、必ずしも密封されていなくてもよい。
態様Dでは、梱包体の一例として、本発明のガス透過フィルムを包装箱に適用する態様について説明する
図4(a)に示すように、ガス透過フィルム100Aは、板紙24(厚手の紙の一例)と重ね合わせて包装箱を作製するための包装材32として用いることができる。ガス透過フィルム100Aと板紙24とは、接着手段(不図示)により接着されている。この包装材32を用いることで、例えば図4(b)に示す包装箱44としてもよい。
図4(b)に示す包装箱44は、包装材32のガス透過フィルム100Aの側が内側になるように作製されている。
包装箱44は、ガス透過性に優れたガス透過フィルム100Aを有する包装材32を用いて作製されるので、包装箱内のガス又は内容物(例えば生鮮食品)から発生したガスが外気に放出されやすい。あるいは包装箱外のガス(外気)が箱内に透過しやすい。このため、態様A1と同様に「内容物の品質劣化を抑制する効果」が得られる。
包装材32に代えて、ガス透過フィルムと厚手の紙がラミネートされた包装材を用いてもよい。
包装箱は、包装材32のガス透過フィルム100Aの側が外側になるように作製されてもよい。
包装箱44は、包装箱全体が包装材32で構成されているが、包装箱の少なくとも一部が包装材32で構成されているものでもよい。具体的には、包装箱の任意の箇所(例えば上面)のみを包装材32で構成してもよい。
また、ガス透過フィルム100Aと、所定形状に切り抜かれた孔を有する厚手の紙(例えば板紙)とを重ね合わせた包装材(以下、包装材32Aと称する)を用いて包装箱を作製してもよい。すなわち、包装箱の少なくとも一部が包装材32Aで構成されているものでもよい。この態様では、上記孔が包装箱の窓となり、この窓が透明性に優れたガス透過フィルムのみで構成されるので、窓から包装箱中の内容物を視認することができる。
本発明のガス透過フィルムは、紙と重ね合わせて包装袋として適用する態様(態様E)で用いられてもよい。
包装袋の形状としては特に限定されず、例えば、四方シール袋、三方シール袋、ピロー袋、ガゼット袋、スタンディングパウチが挙げられる。
ガス透過フィルムと重ね合わせる紙は、薄手の紙であることが好ましい。薄手の紙としては、例えば厚さ0.3mm以下の紙が挙げられる。下限値は、製造上の観点から、0.01mmであることが好ましい。紙の種類は特に制限されないが、本発明のガス透過フィルムよりガス透過性が高いことが好ましい。
包装袋の開口部を塞ぐ手段としては、前述と同様の手段が挙げられる。なお、包装袋の開口部を塞ぐことで、包装袋内は密封されることが好ましいが、必ずしも密封されていなくてもよい。
図5(a)に、本発明のガス透過フィルムを、包装袋を作製するための包装材として適用した場合の包装材の分解斜視図を示す。また、図5(b)、(c)に、包装材を用いて作製された包装袋の斜視図を示す。
図5(a)に示すように、ガス透過フィルム100Bは、薄手の紙26と重ね合わせて包装袋を作製するための包装材34として用いることができる。ガス透過フィルム100Bと薄手の紙26とは、接着手段(不図示)により接着されている。なお、ガス透過フィルム100Bと薄手の紙26とは、接着されていなくてもよい。
この包装材34を用いることで、例えば図5(b)に示す包装袋36としてもよい。
図5(b)に示す包装袋36は、その上端に包装袋36の開口部を熱融着(ヒートシール)することで形成されたヒートシール部35が設けられている。すなわち、包装袋36は、ヒートシール部35によって開口部が塞がれ、包装袋内が密封された構造を成している。
なお、包装袋36は、包装材34のガス透過フィルム100Bの側が内側になるように作製されてもよいし、包装材34のガス透過フィルム100Bの側が外側になるように作製されてもよい。
図5(c)に示す包装袋36Aは、図5(a)に示す薄手の紙26に代えて、矩形状に切り抜かれた孔を有する薄手の紙と、ガス透過フィルム100Bとを重ね合わせたもの(以下、「包装材34A」とも称する)を用いることで作製される。なお、上記孔は、包装袋36Aの窓9に相当し、この窓9はガス透過フィルム100Bのみで構成される(図5(c))。
図5(c)に示す包装袋36Aは、上端で開口部が束ねられ、その周りに輪ゴム37が巻き付けられている。さらに包装袋36Aは、窓9を有し、窓9から包装袋内の内容物(図5(c)では果物50)が視認されるように構成されている。すなわち、包装袋36Aは、輪ゴム37によって開口部が塞がれ、包装袋内が密封された構造を成している。
なお、包装袋36Aは、包装材34Aのガス透過フィルム100Bの側が内側になるように作製されてもよいし、包装材34Aのガス透過フィルム100Bの側が外側になるように作製されてもよい。
包装袋36、36Aは、ガス透過性に優れたガス透過フィルム100Bを有する包装材34,34Aで構成されるので、包装袋内のガス又は内容物(例えば生鮮食品)から発生したガスが外気に放出されやすい。あるいは包装袋外のガス(外気)が袋内に透過しやすい。このため、態様A1と同様に「内容物の品質劣化を抑制する効果」が得られる。
さらに包装袋36Aでは、側面の一部が透明性に優れたガス透過フィルム100Bのみで構成されるので、包装袋36Aの側面(窓9)から内容物を視認することができる。
包装材34、34Aに代えて、ガス透過フィルム100Bと薄手の紙がラミネートされた包装材を用いてもよい。
包装袋は、少なくとも一部が包装材34,34Aで構成されているものでもよい。具体的には、包装袋の任意の箇所のみを包装材34,34Aで構成してもよい。
本発明のガス透過フィルムは、ダンボール箱の内側にラミネートされて用いられる態様(態様F)であってもよい。
ダンボール(組み立てる前)に、本発明のガス透過フィルムをラミネートする方法としては特に制限されず、公知のラミネート方法(熱ラミネート、押出ラミネート)を用いることができる。
上記ダンボールを用いることで、ガス透過フィルムが内側にラミネートされたダンボール箱が得られる。このようなダンボール箱は、ガス透過性が適度に制御されたガス透過フィルムを有するので、ダンボール箱外のガスが箱内へ、あるいはダンボール箱内のガスが箱外へ透過することが制御される。このため、態様A1と同様に「内容物の品質劣化を抑制する効果」が得られる。
なお、実施例および比較例において用いた共重合体等を表1に示す。各種物性は、以下の方法により測定した。
重合体中の4−メチル−1−ペンテン、1−ブテン、エチレン及びプロピレンのそれぞれから導かれる構成単位の含有率(モル%)を、13C−NMRにより測定した。測定条件は、下記のとおりである。
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
共重合体(共重合体A−1、B−1)の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。
具体的には、約20mgの粉末状の共重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求めた(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
共重合体A−1の重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。測定条件は、下記のとおりである。
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示差屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
重合体のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、ASTM D1238に準拠し、230℃又は260℃で、2.16kg又は5kgの荷重にて測定した。単位は、g/10minである。
重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。
重合体の融点Tmは、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。
約5mgの重合体を測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱した。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行なった。この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点Tmとした。
・共重合体A−1(4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)(A3)の一例)の合成
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、44.0gの粉末状の共重合体を得た。
次いで、上記工程をスケールアップして実施し十分な量の共重合体を得た。得られた共重合体は、酸化防止剤イルガノックス1076を500ppm、イルガフォス168を500ppm配合し、モダンマシナリー社製φ40mm単軸押出機を用い、シリンダー温度210℃、スクリュー回転数50rpmで溶融混練し、φ4mmの丸孔ダイスから吐出された溶融ストランドを10℃に設定した水槽にて冷却固化させたのち、フリージアマクロスコーポレーション社製ストランドカッター(型式ST−SG3.0)にて切断することによりペレットを得た。当該ペレットを共重合体A−1として各種物性の測定とガス透過フィルムの成形に用いた。各種物性の測定結果を表1に示す。
なお、共重合体A−1の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、GPCにより測定した重量平均分子量(Mw)は340,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
・共重合体B−1(1−ブテン系重合体(B1)〜(B3)の一例)の合成
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、917mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン85gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を65℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.77MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.78MPaに調整した。次いで、ジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドと、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(東ソー・ファインケム社製)とを混合して、アルミニウム原子およびジルコニウム原子が、アルミニウム原子/ジルコニウム原子=300/1(モル比)の割合で含まれるトルエン溶液を調製し、次いで、当該トルエン溶液の内の、ジルコニウム原子が0.002mmol含まれる量(従ってアルミニウム原子が0.6mmol含まれる量)を採取して重合器内に添加し、内温65℃、系内圧力を0.78MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥させて、60.4gの粉末状の共重合体を得た。
次いで、上記工程をスケールアップして実施し十分な量の共重合体を得た。
得られた共重合体は、酸化防止剤イルガノックス1076を500ppm、イルガフォス168を500ppm配合し、モダンマシナリー社製φ40mm単軸押出機を用い、シリンダー温度210℃、スクリュー回転数50rpmで溶融混練し、φ4mmの丸孔ダイスから吐出された溶融ストランドを10℃に設定した水槽にて冷却固化させたのち、フリージアマクロスコーポレーション社製ストランドカッター(型式ST−SG3.0)にて切断することによりペレットを得た。当該ペレットを共重合体B−1として各種物性の測定とガス透過フィルムの成形に用いた。各種物性の測定結果を表1に示す。
なお、共重合体B−1の極限粘度[η]は1.81dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−31℃であった。またDSC測定による融解熱量は明瞭な融解ピークは確認できなかった。
<実施例1>
表2に従った質量比率にて原料樹脂を混合(ドライブレンド)し、ヒートシール層用樹脂材料、ガス透過層用樹脂材料、表面層用樹脂材料をそれぞれ得た。
次いで、それぞれの樹脂材料を、リップ幅600mmの多層Tダイと30mmφの単軸押出機2台(ヒートシール層用、及び表面層用)と40mmφ単軸押出機1台(ガス透過層用)を備えた多層シート成形機のホッパーに、それぞれ投入した。そして、シリンダー温度をヒートシール層は230℃、ガス透過層と表面層は270℃、ダイス温度を260℃に設定し、Tダイから、ヒートシール層用樹脂材料の溶融混練物とガス透過層用樹脂材料の溶融混練物と表面層用樹脂材料の溶融混練物とを、それぞれ厚さ15μm、20μm及び15μmで共押出し、20℃に設定した鏡面ロールを使ってキャスト成形することにより、実施例1のガス透過フィルム(厚さ:50μm)を得た。
各層の樹脂配合および厚さ構成を、表2にしたがって変更した以外は実施例1と同様に成形した。
<比較例1>
各層の樹脂配合及び厚さ構成を表2にしたがって変更し、また、表面層用の押出機のシリンダー温度を230℃とした以外は実施例1と同様に成形した。
<比較例4>
各層の樹脂配合及び厚さ構成を表2にしたがって変更し、また、ガス透過層用の押出機のシリンダー温度を230℃とした以外は実施例1と同様に成形した。
<比較例5>
各層の樹脂配合及びび厚さ構成を表2にしたがって変更し、また、ヒートシール層用の押出機のシリンダー温度を270℃、ガス透過層と表面層のシリンダー温度を230℃とした以外は実施例1と同様に成形した。
実施例及び比較例のガス透過フィルムについて、以下の評価を行った。評価結果を下記の表2に示す。
ガス透過フィルムを、幅25mm×長さ100mmのダンベル状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度200mm/min、及び温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(YM)(単位:MPa)、及び引張破断伸び(EL)(単位:%)を測定した。
ガス透過フィルムを、幅150mm×長さ50mmの短冊状に切断したものを2枚試験片として準備した。次に、準備した2枚の試験片を、ヒートシール層同士が対向するように重ね合わせた後、ヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度(ヒートシール温度)140℃、160℃又は220℃、下部温度100℃、シール幅5mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)した。
次に、試験機から、熱融着したフィルムを取り出し、幅15mmに切断した。この幅15mmの熱融着したフィルムを、シール強度試験機(フォースゲージFPG、日本電産ランポ(株)製)を用いて、引張速度30mm/min、及び温度23℃の条件で、熱融着したフィルムのヒートシール面に対して180°の方向に引っ張り、剥離させ、剥離強度の最大値を測定した。そして、この最大値をヒートシール強度(単位:N/15mm)とした。なお剥離は、後述するように、ヒートシール面が剥離する場合と、一方のガス透過フィルム内での層間剥離する場合とがあった。剥離せずにガス透過フィルムが伸びた場合は検出された強度の最大値をヒートシール強度とした。
なお、ヒートシール強度は、5個の試験片について測定し、平均値を算出した。
ヒートシール性評価でフィルム同士を剥離する際の剥離部分を観察し、下記の基準で層間接着性の評価を行なった。
−評価基準−
A:ヒートシール層同士のヒートシール面が剥離する、又は、ヒートシール部以外のガス透過フィルムが伸びる
B:一方のガス透過フィルムのヒートシール層とガス透過層との間、又は、ガス透過層と表面層との間で層間剥離する
すなわち、評価が「B」である場合、ヒートシール層とガス透過層との間、又はガス透過層と表面層との間で層間剥離した際の剥離強度の最大値を、上述したヒートシール強度として記載している。
ガス透過フィルムの全ヘイズ(単位:%)は、下記の測定条件により測定した。
〜測定条件〜
測定装置:デジタル濁度計(NDH−20D、日本電色工業(株)製)
試験片サイズ:幅50mm×長さ80mm×厚さ50μm
試験方法:ASTM D−1003に準拠
測定温度:室温(25℃)
ガス透過フィルムの酸素透過度(単位:cm3/(m2・24h・atm))、透湿度(単位:g/m2・24h)、及び二酸化炭素透過度(単位:cm3/(m2・24h・atm))は、下記の方法により測定した。
ガス透過フィルムを、幅30mm×長さ30mmの形状に切断したものを試験片として用いた。
酸素透過度及び二酸化炭素透過度は、JIS K7126−1に準拠し、差圧法ガス透過率測定装置(東洋精機製作所製)を用いて、試験温度23℃及び試験湿度0%RHの条件で、ガス透過フィルムの測定面積を5cm2にして測定した。ガス透過フィルムの測定面積は、中央部に直径25mmの孔を開けたモダンコトロール社製の粘着剤付きアルミマスクを2枚用意し、この2枚のマスクで、測定対象のガス透過フィルムを挟み込むように積層し、調整した。詳細には、ガス透過フィルムを中央部の孔が2枚のマスクで重なるように配置した。
透湿度は、JIS Z0208 等圧法(カップ式−重量法)に準拠し、吸湿材として無水水酸化カルシウムを用い、試験温度40℃及び試験湿度90%RHの条件で、ガス透過フィルムの測定面積を50cm2にして測定した。ガス透過フィルムを恒温恒湿装置に入れ、24時間間隔で質量増加がほぼ一定になる目安として10日間、質量を測定(0.1mg単位)し、透湿度を算出した。
実施例及び比較例のガス透過フィルムについて、1m2あたりにおける最大径50μm以上の孔の数を目視および光学顕微鏡を使用して確認した。
その結果、実施例及び比較例のいずれも1m2あたりにおける最大径50μm以上の孔は確認されなかった。
したがって、実施例1〜3で得られたガス透過フィルムは、ガス透過性、低温でのヒートシール性、及び透明性に優れることがわかった。
一方、比較例1〜5で得られたガス透過フィルムは、ガス透過フィルム内での層間剥離が認められ、ヒートシール強度が低いものであった。
(モモの鮮度保持試験)
実施例3で得られたガス透過フィルムを用い、比較例6として、市販のポリエチレン製フィルム(フィルムの厚さ:50μm、酸素透過度:2920cm3/(m2・24h・atm)、透湿度:9.6g/m2・24h)を用いて、また比較例7として包装無しでモモの鮮度保持試験を行なった。なお、比較例6のフィルムの酸素透過度は、MOCON法による測定値であり、透湿度は、カップ式−重量法による測定値である。
実施例3で得られたガス透過フィルム及び比較例6のフィルムをそれぞれ2枚ずつ準備した。それぞれ2枚のフィルムを重ね合わせた後、3辺をヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度(ヒートシール温度)150℃、下部温度100℃、シール幅10mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)し、方形の包装袋(有効サイズ:長さ210mm×幅210mm)を作製した。
作製した包装袋に、モモ1個を詰めた後、ヒートシールしていない1辺を、10mm幅でヒートシールして密閉し、モモが包装された包装体を得た。
次いで、得られた包装体を、温度23℃及び相対湿度50%に保持された部屋に貯蔵した。貯蔵に際しては、包装体の上に物が載ったり、包装体にファンの風が直撃したりしないように、包装体を静置した。
そして、貯蔵13日後に、鮮度評価の専門パネラー3名がモモの品質を評価した。評価の項目、評価方法、及び評価基準を以下に示す。また、評価結果を表3に示す。
貯蔵13日後のモモのしおれを官能評価により評価した。
3名のパネラーは、外観に変化がないと感じた場合には「4」、表皮にやや張りが無いと感じた場合には「3」、表皮に張りが無く、果実が柔らかいと感じた場合には「2」、表皮にシワを確認した場合には「1」と採点した。そして、3名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、しおれの観点からは、モモの鮮度が保持されていると評価できる。
貯蔵13日後のモモの果皮にカビや腐敗による傷みが発生した具合を評価した。
モモの果皮にカビ、腐敗による傷みが無い場合には「4」、カビや腐敗による傷みが1カ所発生した場合には「3」、カビや腐敗による傷みが2カ所以上発生した場合には「2」、カビや腐敗による傷みが全体に発生した場合には「1」と採点した。そして、3名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
貯蔵13日後のモモの食味(甘み)を官能評価により評価した。
3名のパネラーは、モモ特有の良好な甘みが強く感じられた場合には「4」、モモ特有の甘みが感じられた場合には「3」、モモ特有の甘みがあまり感じられず、美味しくないと感じた場合には「2」、モモ特有の甘みが全く感じられず、食べられないと感じた場合には「1」と採点した。そして、3名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、食味(甘み)の観点からは、モモの鮮度が保持されていると評価できる。
貯蔵13日後のモモを食べた時に感じる香りを官能評価により評価した。
3名のパネラーは、モモ特有の良好な香りが強く感じられた場合には「4」、モモ特有の香りが感じられた場合には「3」、モモ特有の香りがあまり感じられないと感じた場合には「2」、モモ特有の香りが全く感じられないと感じた場合には「1」と採点した。そして、3名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、香りの観点からは、モモの鮮度が保持されていると評価できる。
Claims (8)
- 2層以上の多層構造を有するガス透過フィルムであって、
透湿度(JIS Z0208に準拠、試験温度40℃、試験湿度90%)が10g/m2・24h〜80g/m2・24hの範囲にあり、
ヒートシール温度140℃におけるヒートシール強度が6N/15mm〜50N/15mmの範囲にあり、
全ヘイズが0.1%〜10.0%の範囲にあり、
最大径50μm以上の孔が1m2あたり1個以下であり、
前記多層構造の少なくとも1層が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を有する重合体を含有し、
前記多層構造が、
4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)50質量%〜95質量%及び1−ブテン系重合体(B1)5質量%〜50質量%を含有するヒートシール層(但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)及び前記1−ブテン系重合体(B1)の合計を100質量%とする。)と、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)を80質量%以上含有するガス透過層と、
を備え、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A1)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%〜99モル%の範囲にあり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であり、
前記1−ブテン系重合体(B1)が、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記1−ブテンから導かれる構成単位が50モル%〜100モル%の範囲にある重合体であり、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(D2)が、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが200℃〜250℃である重合体である、ガス透過フィルム。 - 前記透湿度が25g/m2・24h〜70g/m2・24hの範囲にある、請求項1に記載のガス透過フィルム。
- 前記多層構造が、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)50質量%〜95質量%、1−ブテン系重合体(B3)5質量%〜50質量%、及び前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)以外の4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)0質量%〜20質量%を含有する表面層(但し、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)及び前記1−ブテン系重合体(B3)の合計を100質量%とする。)をさらに備え、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(A3)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位と、エチレン又は炭素原子数3〜20のα−オレフィン(但し、前記4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が60モル%〜99モル%の範囲にあり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが199℃以下であるか、又は示差走査熱量計で融点Tmが観測されない重合体であり、
前記1−ブテン系重合体(B3)が、1−ブテンから導かれる構成単位と、エチレンから導かれる構成単位と、プロピレンから導かれる構成単位との合計を100モル%としたときに、前記1−ブテンから導かれる構成単位が5モル%〜100モル%の範囲にある重合体であり、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(D3)が、全構成単位に対して4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が90モル%以上であり、示差走査熱量計で測定される融点Tmが200℃〜250℃である重合体である、請求項1又は請求項2に記載のガス透過フィルム。 - 前記1−ブテン系重合体(B3)において、前記1−ブテンから導かれる構成単位が50モル%〜100モル%の範囲にある、請求項3に記載のガス透過フィルム。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のガス透過フィルムを備える包装材。
- 包装フィルム又は包装袋である、請求項5に記載の包装材。
- 生鮮食品の包装に用いられる、請求項5又は請求項6に記載の包装材。
- 前記生鮮食品が青果物である、請求項7に記載の包装材。
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