JP2016121322A - フィルム及び積層フィルム - Google Patents

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【課題】高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備えたフィルム及び積層フィルムを提供すること。【解決手段】4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(4MP1単位)を60モル%〜99モル%、及び4MP1以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(AO単位)を1モル%〜40モル%有し、前記4MP1単位と、AO単位とが合計で100モル%である共重合体であり、かつ、示差走査熱量計により測定される融点が199℃以下又は実質的に観測されない熱可塑性樹脂(A)と、オレフィン系重合体である前記熱可塑性樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含み、前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)の含有量が2質量部〜80質量部、前記熱可塑性樹脂(B)の含有量が20質量部〜98質量部である樹脂組成物を含有するフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、フィルム及び積層フィルムに関する。
4−メチル−1−ペンテン重合体は、嵩高い官能基を有するため、他の熱可塑性オレフィンフィルムに比べて密度が低い。このため、4−メチル−1−ペンテン重合体を含むフィルムは、酸素ガス、炭酸ガス等のガス透過性が高く、生鮮食品等の包装材などのガス透過性フィルムとして開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
一方、4−メチル−1−ペンテン重合体は、融点が高く、離型性があることが知られており、それゆえに4−メチル−1−ペンテン重合体で主に構成されたフィルム(以下、「4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルム」と称する場合がある。)は、ヒートシール温度を高くする必要がある上、ヒートシール強度が低い。そこで、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムに対してヒートシール性を付与する方法して、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムに、他の熱可塑性樹脂、例えばオレフィン系重合体で構成されたフィルム(以下、「オレフィン系重合体フィルム」と称する場合がある。)を積層する方法が検討されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−301691号公報 特開2000−189051号公報
4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムに、オレフィン系重合体フィルム等の他の熱可塑性樹脂フィルムを積層すると、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムの特徴である優れたガス透過性は制御できる。しかしながら、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムには、オレフィン系重合体フィルムとの接着力が低いという問題がある。
また、特許文献2に記載されたフィルムは、融点が200℃以上の4−メチル−1−ペンテン重合体で主に構成されているため、低温でのヒートシール性が十分でなく、密封シール性が良くないという欠点がある。
さらに、4−メチル−1−ペンテン重合体で主に構成されているフィルム又は積層フィルムは、ヒートシール温度が高くなるため、生鮮食品用のフィルム等に使用した場合、内容物の風味が劣化したり、ヒートシール部において液洩れ又は破れが発生したりする恐れがあり、実用的には使用し難いという欠点がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備えたフィルム及び積層フィルムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための具体的な手段は、以下の通りである。
<1> 4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を60モル%以上99モル%以下、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位を1モル%以上40モル%以下有し、上記4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位と、上記4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位とが合計で100モル%である共重合体であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが199℃以下であるか、又は実質的に観測されない熱可塑性樹脂(A)と、オレフィン系重合体である、上記熱可塑性樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含み、上記熱可塑性樹脂(A)と上記熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、上記熱可塑性樹脂(A)の含有量が2質量部以上80質量部以下であり、上記熱可塑性樹脂(B)の含有量が20質量部以上98質量部以下である樹脂組成物を含有するフィルム。
<2> 上記熱可塑性樹脂(B)が、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である<1>に記載のフィルム。
<3> 上記α−オレフィンがプロピレンであり、かつ、上記熱可塑性樹脂(B)がプロピレン系重合体である<1>又は<2>に記載のフィルム。
<4> 上記熱可塑性樹脂(A)の上記融点Tが、100℃以上180℃以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のフィルム。
<5> フィルム同士を、温度160℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールして得られる積層フィルムの剥離強度が、1.0N/15mm以上である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のフィルム。
<6> <1>〜<5>のいずれか1つに記載のフィルムを備える積層フィルム。
<7> <1>〜<5>のいずれか1つに記載のフィルムである第1のフィルムと、上記第1のフィルムに接する第2のフィルムとを備え、上記第2のフィルムは、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を90モル%以上100モル%以下有し、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下の重合体であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが200℃以上である熱可塑性樹脂(C)を含み、上記熱可塑性樹脂(C)の含有量が、上記第2のフィルムの全質量に対して、95質量%以上である、積層フィルム。
<8> 上記第1のフィルムの面同士を対向させて、温度160℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールしたときに、上記第1のフィルム間の剥離強度が、1.0N/15mm以上である<7>に記載の積層フィルム。
本発明によれば、高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備えたフィルム及び積層フィルムを提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
[フィルム]
本発明のフィルムは、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を60モル%以上99モル%以下、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位を1モル%以上40モル%以下有し、上記4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位と、上記4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位とが合計で100モル%である共重合体であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが199℃以下であるか、又は実質的に観測されない熱可塑性樹脂(A)と、オレフィン系重合体である、上記熱可塑性樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含み、上記熱可塑性樹脂(A)と上記熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、上記熱可塑性樹脂(A)の含有量が2質量部以上80質量部以下であり、上記熱可塑性樹脂(B)の含有量が20質量部以上98質量部以下である樹脂組成物を含有するフィルムである。
4−メチル−1−ペンテン重合体は、嵩高い官能基を有し、他の熱可塑性オレフィンフィルムに比べて密度が低いため、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムは、酸素ガス、炭酸ガス等のガス透過性が高く、生鮮食品等の包装材であるガス透過性フィルムとして好適である。しかしながら、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムは、ヒートシール強度が低い。そのため、従来、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムに、オレフィン系重合体フィルム等の他の熱可塑性樹脂フィルムを積層することで、ヒートシール性を付与していた。
本発明者らは、フィルムの材料の検討を進める過程で、従来の4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムにオレフィン系重合体フィルムを積層した積層フィルムには、次のような欠点があることを見出した。(1)4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムは、オレフィン系重合体フィルムとの接着力が低い、(2)融点が200℃以上の4−メチル−1−ペンテン重合体で主に構成されているフィルムは、低温でのヒートシール性が十分でなく、密封シール性が良くない、(3)4−メチル−1−ペンテン重合体で主に構成されているフィルム又は積層フィルムは、ヒートシール温度が高くなるため、生鮮食品用のフィルム等に使用した場合、内容物の風味が劣化したり、ヒートシール部において液洩れ又は破れが発生したりする恐れがあり、実用的には使用し難い。
本発明においては、フィルムを、4−メチル−1−ペンテンを骨格に多く含む特定の熱可塑性樹脂(A)と、オレフィン系重合体である熱可塑性樹脂(B)と、を特定の割合で含有する態様とすることにより、高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備えたフィルムを実現する。
本発明の作用機構は明確ではないが、本発明者は、以下の如く推測している。
4−メチル−1−ペンテンを骨格に多く含む特定の熱可塑性樹脂(A)と、オレフィン系重合体である熱可塑性樹脂(B)と、を特定の割合で混合し、フィルムを形成すると、ガス透過性を担う熱可塑性樹脂(A)と、低温でのヒートシール性を担う熱可塑性樹脂(B)とが適度に分散すると考えられる。これにより、高いガス透過性が保持され、低温でのヒートシール性も得られる結果、高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備えたフィルムを実現できるものと考えられる。
また、熱可塑性樹脂(A)が、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位以外に、炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位を有することで、フィルムの材料である熱可塑性樹脂(A)の融点が下がるため、低温でのヒートシールが可能となるとともに、低温でのフィルム成形も可能となると考えられる。
以下、本発明のフィルムに含まれる成分について説明する。
〔樹脂組成物〕
本発明における樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と樹脂組成物(B)とを含む組成物である。すなわち、本発明における樹脂組成物は、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(以下、「4MP1単位」と称する場合がある。)を60モル%以上99モル%以下、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位(以下、「AO単位」と称する場合がある。)を1モル%以上40モル%以下有し、上記4MP1単位と、上記AO単位とが合計で100モル%である共重合体(以下、「4MP1系共重合体」と称する場合がある。)であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが199℃以下であるか、又は実質的に観測されない熱可塑性樹脂(A)と、オレフィン系重合体である、上記熱可塑性樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、の混合物である。
〔熱可塑性樹脂(A)〕
熱可塑性樹脂(A)は、4MP1単位を60モル%以上99モル%以下、及びAO単位を1モル%以上40モル%以下有し、上記4MP1単位と、上記AO単位とが合計で100モル%である共重合体であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが199℃以下であるか、又は実質的に観測されない熱可塑性樹脂である。
4MP1系共重合体は、4MP1単位を60モル%以上99モル%以下有しており、65モル%以上98モル%以下有していることが好ましく、65モル%以上97モル%以下有していることがより好ましい。
4MP1系共重合体が有する4MP1単位が60モル%以上であると、ガス透過性の高いフィルムを得ることができる。また、分子量の大きなガス成分のガス透過性が良好なフィルムとなる。また、4MP1系共重合体が有する4MP1単位が99モル%以下であると、フィルム伸び等の機械物性が良好なフィルムを得ることができる。
4MP1系共重合体は、AO単位を1モル%以上40モル%以下有しており、2モル%以上35モル%以下有していることが好ましく、3モル%以上35モル%以下有していることがより好ましい。
4MP1系共重合体が有するAO単位が上記範囲内にあると、示差走査熱量計(DSC)により測定される熱可塑性樹脂(A)の融点Tを、199℃以下に、又は実質的に観測されないように、調整することができる。そのため、熱可塑性樹脂(A)を含む層からなるフィルムを製造する際、従来使用されている4−メチル−1−ペンテン系の重合体、特に4−メチル−1−ペンテンのホモ重合体に比べてヒートシール温度を下げることができる。
炭素数が2以上20以下のα−オレフィンには、例えば、直鎖状又は分岐状のα−オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能化ビニル化合物等が含まれる。
直鎖状又は分岐状のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2以上20以下(好ましくは2以上10以下)の直鎖状のα−オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン等の、好ましくは炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状のα−オレフィンなどが挙げられる。
環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルノルボルネン、ビニルシクロヘキサン等の炭素数4〜20(好ましくは5〜15)の化合物が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン;α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のモノ又はポリアルキルスチレンなどが挙げられる。
共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン等の炭素数4〜20(好ましくは4〜10)の化合物が挙げられる。
非共役ポリエンとしては、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等の炭素数5〜20(好ましくは5〜10)の化合物が挙げられる。
官能化ビニル化合物としては、例えば、水酸基含有オレフィン;ハロゲン化オレフィン;アクリル酸、プロピオン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸等の不飽和カルボン酸類;アリルアミン、5−ヘキセンアミン、6−ヘプテンアミン等の不飽和アミン類;(2,7−オクタジエニル)コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物、上記不飽和カルボン酸類の酸無水物等の不飽和酸無水物類;上記不飽和カルボン酸類のハロゲン化物;4−エポキシ−1−ブテン、5−エポキシ−1−ペンテン、6−エポキシ−1−ヘキセン、7−エポキシ−1−ヘプテン、8−エポキシ−1−オクテン、9−エポキシ−1−ノネン、10−エポキシ−1−デセン、11−エポキシ−1−ウンデセン等の不飽和エポキシ化合物類などが挙げられる。
水酸基含有オレフィンは、水酸基を有するオレフィン系化合物であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは末端水酸化オレフィン化合物である。
末端水酸化オレフィン化合物としては、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセン等の炭素数4〜20(好ましくは2〜10)の直鎖状の水酸化α−オレフィン;水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセン等の好ましくは炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状の水酸化α−オレフィンなどが挙げられる。
ハロゲン化オレフィンとしては、例えば、ハロゲン化−1−ブテン、ハロゲン化−1−ペンテン、ハロゲン化−1−ヘキセン、ハロゲン化−1−オクテン、ハロゲン化−1−デセン、ハロゲン化−1−ドデセン、ハロゲン化−1−テトラデセン、ハロゲン化−1−ヘキサデセン、ハロゲン化−1−オクタデセン、ハロゲン化−1−エイコセン等の炭素数4〜20(好ましくは4〜10)の直鎖状のハロゲン化α−オレフィン;ハロゲン化−3−メチル−1−ブテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−エチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4−エチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−3−エチル−1−ヘキセン等の炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状のハロゲン化α−オレフィンなどが挙げられる。
4MP1系共重合体は、AO単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしては、共重合性及び得られる共重合体の物性、特に融点を制御する観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、プロピレン及び1−ブテンからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、プロピレンが特に好ましい。
4MP1系共重合体が有する、4MP1単位及びAO単位の含有率(モル%)は、下記の方法により測定することができる。
〜条件〜
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
4MP1系共重合体は、上記4MP1単位と、上記AO単位とが合計で100モル%である共重合体である。すなわち、4MP1系共重合体は、上記4MP1単位及び上記AO単位以外のその他の構成単位を含まない。
4MP1系共重合体は、デカリン溶媒中、135℃で測定される極限粘度[η]が、0.5dl/g〜5.0dl/gであることが好ましく、0.5dl/g〜4.0dl/gであることがより好ましい。4MP1系共重合体の極限粘度[η]が、上記範囲内であると、低分子量体が少ないためフィルムのべたつきが少なくなり、また、押出フィルム成形が可能となる。
上記4MP1系共重合体の極限粘度[η]は、ウベローデ粘度計を用い、下記の方法により測定される値である。
約20mgの4MP1系共重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求める(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
4MP1系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、フィルム成形性の観点から、1×10〜2×10であることが好ましく、1×10〜1×10であることがより好ましい。
また、4MP1系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、フィルムべたつき及び外観の観点から、1.0〜3.5であることが好ましく、1.1〜3.0であることがより好ましい。
上記4MP1系共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、下記のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出される値である。
〜条件〜
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示差屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
4MP1系共重合体のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、成形時の流動性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましく、0.5g/10min〜30g/10minであることが更に好ましい。
また、4MP1系共重合体のメルトフローレートが上記範囲内であると、比較的均一な膜厚に押出成形しやすい。
上記4MP1系共重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
4MP1系共重合体の密度は、ハンドリング性の観点から、820kg/m〜870kg/mであることが好ましく、830kg/m〜850kg/mであることがより好ましい。
また、4MP1系共重合体の密度が820kg/m以上であると、機械的な強度が良好となり、得られるフィルムを包装用として用いる場合、破れやすい等の問題が発生し難い。4MP1系共重合体の密度が870kg/m以下であると、より高いガス透過性を有するフィルムが得られる。
上記4MP1系共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定される値である。
4MP1系共重合体の融点(Tm)は、199℃以下であるか、又は実質的に観測されない。4MP1系共重合体の融点(Tm)が199℃以下であるか、又は実質的に観測されないことにより、低温での成形及び低温でのヒートシールが可能なフィルムを得ることができる。4MP1系共重合体の融点(Tm)は、好ましくは100℃〜180℃であるか、又は実質的に観測されない。
なお、「融点(Tm)が実質的に観測されない」とは、−150℃〜200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上である結晶融解ピークが観測されないことをいう。
上記4MP1系共重合体の融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC:Differential scanning calorimetry)を用い、下記の方法により測定される値である。
約5mgの4MP1系共重合体を、セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計(DSC220C型)の測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。4MP1系共重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を共重合体の融点(Tm)とする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
本発明で用いることのできる重合触媒としては、従来公知の触媒、例えば、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号、国際公開第01/27124号、特開平3−193796号公報、又は特開平02−41303号公報に記載のメタロセン触媒等が好適である。4MP1系共重合体の製造方法としては、例えば、国際公開第01/27124号、国際公開14/050817号等に記載の方法を採用することができる。
〔熱可塑性樹脂(B)〕
本発明における熱可塑性樹脂(B)は、オレフィン系重合体(但し、上述の熱可塑性樹脂(A)を除く)であり、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体であることが好ましい。
エチレン系重合体としては、エチレンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、エチレンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよく、例えば、従来公知の手法で製造されている、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン等が挙げられる。また、エチレン系重合体としては、例えば、エチレン系重合体系エラストマーも挙げられる。
エチレン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、機械強度及び耐衝撃性の観点から、エチレンと炭素数3以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体であることが好ましく、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテンからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体であることがより好ましい。
エチレン系重合体中のエチレンに由来する構成単位の比率は、エチレン系重合体中の全構成単位を100モル%とした場合に、50モル%〜100モル%であることが好ましく、60モル%〜99.9モル%であることがより好ましく、80モル%〜99.5モル%であることが更に好ましい。エチレン系重合体中のエチレンに由来する構成単位の比率が上記範囲内であると、機械強度及び耐衝撃性に優れる。
プロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、プロピレンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよく、例えば、アイソタクティックプロピレン系重合体、シンジオタクティックプロピレン系重合体等、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、これらの混合物等を挙げることができる。アイソタクティックプロピレン系重合体は、ホモプロピレン系重合体であっても、プロピレン・炭素数2以上20以下のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよい。また、プロピレン系重合体としては、例えば、プロピレン系重合体系エラストマーも挙げられる。
プロピレン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、機械物性及びヒートシール性の観点から、プロピレンと炭素数2以上20以下のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体であることが好ましい。
プロピレン系重合体中のプロピレンに由来する構成単位の比率は、プロピレン系重合体中の全構成単位を100モル%とした場合に、50モル%〜100モル%であることが好ましく、60モル%〜99.9モル%であることがより好ましく、70モル%〜99.5モル%であることが更に好ましい。プロピレン系重合体中のプロピレンに由来する構成単位の比率が上記範囲内であると、機械強度及びヒートシール性に優れる。
熱可塑性樹脂(B)がプロピレン系重合体である場合には、4−メチル−1−ペンテン系共重合体におけるα−オレフィンは、プロピレンであることが好ましい。
熱可塑性樹脂(B)がプロピレン系重合体であり、4−メチル−1−ペンテン系共重合体におけるα−オレフィンがプロピレンであると、相溶性が高まるため、フィルムの透明性が向上する。
熱可塑性樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)は、フィルム成形性及びフィルムの機械物性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、測定される値である。具体的には、エチレン系重合体は、190℃で2.16kgの荷重にて測定される値であり、プロピレン系重合体は、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
熱可塑性樹脂(B)の密度は、軽量性、及び4−メチル−1−ペンテン系共重合体と組成物としたときの分散性の観点から、820kg/m〜960kg/mであることが好ましく、830kg/m〜940kg/mであることがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂(B)の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定される値である。
本発明のフィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、2質量部以上80質量部以下であり、5質量部以上75質量部以下であることが好ましく、5質量部以上49質量部以下であることがより好ましい。
本発明のフィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有量が、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、2質量部以上であることにより、高いガス透過性を有するフィルムを得ることができる。また、本発明のフィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有量が、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、80質量部以下であることにより、低温でのフィルム成形及び低温でのヒートシールが可能となる。
本発明のフィルムにおける熱可塑性樹脂(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、20質量部以上98質量部以下であり、25質量部以上95質量部以下であることが好ましく、51質量部以上95質量部以下であることがより好ましい。
本発明のフィルムにおける熱可塑性樹脂(B)の含有量が、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、20質量部以上であることにより、低温でのフィルム成形及び低温でのヒートシールが可能となる。また、本発明のフィルムにおける熱可塑性樹脂(B)の含有量が、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、98質量部以下であることにより、高いガス透過性を有するフィルムを得ることができる。
〔その他の成分〕
本発明のフィルムは、本発明の目的を損なわない範囲内において、上述の熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)以外の樹脂、添加剤等のその他の成分を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、発錆防止剤、耐銅害安定剤、帯電防止剤等が挙げられる。添加剤の含有量は、本発明のフィルムを構成する樹脂組成物100質量部に対して、0.0001〜10質量部であることが好ましい。
本発明においては、上述したように、4−メチル−1−ペンテンを骨格に多く含む特定の熱可塑性樹脂(A)と、オレフィン系重合体である熱可塑性樹脂(B)と、を特定の割合で含有する態様とすることにより、高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備えたフィルムを実現する。
4−メチル−1−ペンテンを骨格に多く含む特定の熱可塑性樹脂(A)と、オレフィン系重合体である熱可塑性樹脂(B)と、を特定の割合で混合し、フィルムを形成すると、ガス透過性を担う熱可塑性樹脂(A)と、低温でのヒートシール性を担う熱可塑性樹脂(B)とが適度に分散すると考えられる。これにより、高いガス透過性が保持され、低温でのヒートシール性も得られる結果、高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備えたフィルムを実現できるものと考えられる。
〔フィルムの物性〕
本発明のフィルムは、フィルム同士を、温度160℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールして得られる積層フィルムの剥離強度(以下、「ヒートシール強度」と称する場合がある。)が、1.0N/15mm以上であることが好ましく、2.0N/15mm以上であることがより好ましく、5.0N/15mm以上であることが更に好ましい。
上記積層フィルムのヒートシール強度が1.0N/15mm以上であると、被包装体を包装した場合に、フィルム同士が剥がれ難い。
上記積層フィルムのヒートシール強度の上限値は、特に限定されるものではないが、一般的には、25.0N/15mm以下である。
本発明のフィルムのヒートシール強度は、下記の方法により測定される値である。
厚みが50μmの本発明のフィルムを、幅150mm×長さ50mmの短冊状に切断する。このフィルム2枚をそれぞれ二つ折りにし、汚れ防止のために、厚さ100μmのテフロン(登録商標)フィルムの間に挟んだものを試験片とする。次に、試験片を、ヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度160℃、下部温度70℃、シール幅5mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)する。次に、試験機から、熱融着したフィルムを取り出し、幅15mmに切断する。この幅15mmの熱融着したフィルムを、シール強度試験機(フォースゲージFPG、日本電産ランポ(株)製)を用いて、引張速度300mm/min、及び温度23℃の条件で、フィルム同士のヒートシール面に対して180°の方向に引っ張り、フィルム間を剥離させ、剥離強度の最大値を測定する。そして、この最大値をヒートシール強度(単位:N/15mm)とする。ヒートシール強度は、5個の試験片について測定し、平均値を算出する。
本発明のフィルムは、MD方向の引張弾性率(YM)が10MPa〜2500MPaであることが好ましく、50MPa〜2000MPaであることがより好ましく、100MPa〜2000MPaであることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、MD方向の引張弾性率(YM)が10MPa以上であると、フィルムの強度がより向上する。また、MD方向の引張弾性率(YM)が2000MPa以下であると、引張強度等、機械強度に優れたフィルムとなる。
本明細書において、「MD方向」(Machine Direction)とは、フィルムの流れ方向を指す。
本発明のフィルムは、TD方向の引張弾性率(YM)が10MPa〜2500MPaであることが好ましく、50MPa〜2000MPaであることがより好ましく、100MPa〜2000MPaであることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、TD方向の引張弾性率(YM)が10MPa以上であると、フィルムの強度がより向上する。また、TD方向の引張弾性率(YM)が2000MPa以下であると、引張強度等、機械強度に優れた柔軟なフィルムとなる。
本明細書において、「TD方向」(Transverse Direction)とは、上記MD方向と直交し、フィルムの主面と平行な方向を指す。
本発明のフィルムは、MD方向の引張破断伸び(EL)が100%〜1000%であることが好ましく、150%〜1000%であることがより好ましく、200%〜1000%であることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、MD方向の引張破断伸び(EL)が100%以上であると、柔軟で耐衝撃性に優れたフィルムとなる。また、MD方向の引張破断伸び(EL)が1000%以下であると、フィルムの取り扱い性により優れる。
本発明のフィルムは、TD方向の引張破断伸び(EL)が100%〜1000%であることが好ましく、150%〜1000%であることがより好ましく、200%〜1000%であることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、TD方向の引張破断伸び(EL)が100%以上であると、柔軟で耐衝撃性に優れたフィルムとなる。また、TD方向の引張破断伸び(EL)が1000%以下であると、フィルムの取り扱い性により優れる。
上記フィルムの引張弾性率(YM)及び引張破断伸び(EL)は、下記の条件により測定される値である。
〜条件〜
測定装置:引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)
試験片サイズ:幅25mm×長さ100mm×厚み200μm(ダンベル状)
試験方法:JIS K7127(1999)に準拠
チャック間距離:50mm
引張速度:200mm/min
測定温度:23℃
本発明のフィルムの全ヘイズは、65%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましく、20%以下であることが特に好ましい。
本発明のフィルムの全ヘイズが65%以下であると、フィルム外観が透明となる。
なお、全ヘイズは、表面ヘイズと内部ヘイズとの和で表される。表面ヘイズは、主に表面の凹凸状態に依存し、内部ヘイズは、フィルム内部の結晶状態(結晶構造の粗密)に依存する。
上記フィルムの全ヘイズは、下記の条件により測定される値である。
〜条件〜
測定装置:デジタル濁度計(NDH−20D、日本電色工業(株)製)
試験片サイズ:幅50mm×長さ80mm×厚み50μm
試験方法:ASTM D−1003に準拠
測定温度:室温(25℃)
本発明のフィルムの内部ヘイズは、65%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましく、15%以下であることが特に好ましい。
本発明のフィルムの内部ヘイズが65%以下であると、透明なフィルムとなる。
上記フィルムの内部ヘイズは、下記の方法により測定される値である。
石英ガラス板2枚の間にシクロヘキサノールのみを挟んだ構成の積層体のヘイズ(H2)、及びシクロヘキサノールで表面を均一に濡らしたフィルムを石英ガラス板2枚の間に挟んだ構成の積層体のヘイズ(H3)を、それぞれ上述の全ヘイズと同様の方法により測定する。次式に従って、得られた値から内部ヘイズ(H1)を算出する。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
〔フィルムの製造方法〕
本発明のフィルムの製造方法の一例を説明する。本発明のフィルムは、例えば、下記の方法により製造することができる。但し、本発明のフィルムの製造方法は、これに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とを混合(例えば、ドライブレンド、単軸、二軸押出機、ミキサー等による溶融混練)する。なお、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とを溶融混練等により均一に混ぜるよりも、ドライブレンド等により適度に混練する方が好ましい。
次いで、得られた混合物を、Tダイを設置した押出機のホッパーに投入し、シリンダー温度を100℃〜270℃、ダイス温度を200℃〜270℃に設定する。Tダイから溶融混練物を押し出し、キャスト成形して、フィルムを得る。
本発明のフィルムの厚さは、20μm〜350μmであることが好ましく、30μm〜300μmであることがより好ましく、40μm〜200μmであることが更に好ましい。本発明のフィルムの厚さが20μm以上であると、取り扱いが良好となり、剥離時に切れ難い。また、本発明のフィルムの厚さが350μm以下であると、フィルムの軽量化及びガス透過性の制御が可能となる。
〔フィルムの用途〕
本発明のフィルムは、例えば、テープ、粘着テープ、マスキングテープ、マスキングフィルム、仮着性フィルム、鮮度保持用包装フィルム、プラスチック封筒、イージーオープン包装袋、自動包装フィルム、ショッピングバック、スタンディングバック、液体フィルム容器、透明包装箱、建材、貼合用フィルム、農業用フィルム、食品包装資材、果物包装資材、花き包装資材、電子部品包装資材、機械部品包装資材、穀物包装資材、魚介類等の水産物包装資材、医療用フィルム、医療用テープ、細胞培養用パック等として幅広く利用される。
本発明のフィルムは、高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備えているので、包装資材として好適に利用される。特に、本発明のフィルムは、低温でのヒートシール性に優れることから、高温でのヒートシールにより、内容物の風味、鮮度等が劣化する恐れのある野菜、果物、水産物等の生鮮食品などの包装用フィルムとして好ましく用いられる。
特に、本発明のフィルムは、果物の中でも、マンゴー類やぶどう類の鮮度を保持するための包装用フィルム(鮮度保持用包装フィルム)又は包装用袋(鮮度保持用包装袋)として好ましく用いられる。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、上述の本発明のフィルムを備えるフィルムである。
本発明の積層フィルムは、高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備えた、本発明のフィルムを備えるため、ガス透過性が高く、低温でのヒートシール性も有する。
本発明の積層フィルムは、本発明のフィルムを2層以上積層したものであってもよく、また、本発明の目的を損なわない範囲内において、本発明のフィルムと、該フィルム以外のその他のフィルムとを積層したものであってもよい。
その他のフィルムとしては、ガス透過性及び低温でのヒートシール性を有する材料で形成されたフィルムが好ましく、例えば、機械的強度、ヒートシール性等を調整するための基材フィルム、ガス透過量を制御するためのガス透過性フィルム等が挙げられる。
本発明の積層フィルムは、高いガス透過性と低温でのヒートシール性とを兼ね備え、かつ、層間の接着性に優れた積層フィルムを実現する観点から、上述の本発明のフィルムである第1のフィルムと、該第1のフィルムに接する第2のフィルムとを備え、該第2のフィルムは、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(4MP1単位)を90モル%以上100モル%以下有し、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下の重合体であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが200℃以上である熱可塑性樹脂(C)を含む、積層フィルムであることが好ましい。
〔第1のフィルム〕
第1のフィルムは、本発明のフィルムである。
本発明のフィルムの説明は、既述しているため、省略する。
〔第2のフィルム〕
第2のフィルムは、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(4MP1単位)を90モル%以上100モル%以下有し、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下の重合体であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが200℃以上である熱可塑性樹脂(C)を含むフィルムである。
第2のフィルムは、熱可塑性樹脂(C)を含むため、上述の本発明のフィルムである第1のフィルムとの層間接着性に優れる。
<熱可塑性樹脂(C)>
熱可塑性樹脂(C)は、4MP1単位を90モル%以上100モル%以下有し、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下の重合体であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが200℃以上である熱可塑性樹脂である。
重合体は、4MP1単位を90モル%以上100モル%以下有しており、90モル%以上99.9モル%以下有していることが好ましく、91モル%以上99モル%以下有していることがより好ましい。
重合体が有する4MP1単位が90モル%以上であると、ガス透過性のより高い積層フィルムを得ることができる。また、分子量の大きなガス成分のガス透過性がより良好な積層フィルムとなる。
重合体は、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下であり、0.1モル%以上10モル%以下であることが好ましく、1モル%以上9モル%以下であることがより好ましい。
重合体における4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位の割合が、重合体が有する全構成単位に対して、上記範囲内にあると、ガス透過性のより高い積層フィルムを得ることができる。
4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンとしては、例えば、炭素数が2以上20以下のα−オレフィンが挙げられる。
炭素数が2以上20以下のα−オレフィンは、熱可塑性樹脂(A)の項において既述しているものと同義であるため、説明は省略する。
重合体が4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位を有する場合、重合体は、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンとしては、耐熱性及びガス透過性の観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
重合体が有する4MP1単位及び4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位の含有率(モル%)は、熱可塑性樹脂(A)の項に記載の4MP1系共重合体が有する4MP1単位及びAO単位の含有率(モル%)と同様の条件により測定することができる。条件については、既述しているため、省略する。
重合体は、4MP1単位と4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位とが合計で100モル%である。すなわち、重合体は、4MP1単位及び4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位以外のその他の構成単位を含まない。
重合体は、デカリン溶媒中、135℃で測定される極限粘度[η]が、0.5dl/g〜5.0dl/gであることが好ましく、0.5dl/g〜4.0dl/gであることがより好ましい。重合体の極限粘度[η]が、上記範囲内であると、低分子量体が少ないためフィルムのべたつきが少なくなり、また、押出フィルム成形が可能となる。
上記重合体の極限粘度[η]は、上述の4MP1系共重合体の極限粘度[η]と同様の方法により測定される値であるため、方法の説明は省略する。
重合体の重量平均分子量(Mw)は、フィルム成形性の観点から、1×10〜2×10であることが好ましく、1×10〜1×10であることがより好ましい。
また、重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、フィルムべたつき及び外観の観点から、1.0〜3.5であることが好ましく、1.1〜3.0であることがより好ましい。
上記重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、上述の4MP1系共重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)と同様に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出される値である。GPCの条件については、既述しているため、省略する。
重合体のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、成形時の流動性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましく、0.5g/10min〜30g/10minであることが更に好ましい。
また、重合体のメルトフローレートが上記範囲内であると、比較的均一な膜厚に押出成形しやすい。
上記重合体のメルトフローレート(MFR)は、上述の4MP1系共重合体のメルトフローレート(MFR)と同様に、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
重合体の密度は、ハンドリング性の観点から、820kg/m〜870kg/mであることが好ましく、830kg/m〜850kg/mであることがより好ましい。
また、重合体の密度が820kg/m以上であると、機械的な強度が良好となり、得られるフィルムを包装用材料として用いる場合、破れやすい等の問題が発生し難い。重合体の密度が870kg/m以下であると、より高いガス透過性を有するフィルムが得られる。
上記重合体の密度は、上述の4MP1系共重合体の密度と同様に、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定される値である。
重合体の融点(Tm)は、200℃以上である。重合体の融点(Tm)が200℃以上であることにより、耐熱性の高いフィルムを得ることができる。重合体の融点(Tm)は、200℃〜240℃であることが好ましく、210℃〜240℃であることがより好ましい。
上記重合体の融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC:Differential scanning calorimetry)を用い、上述の4MP1系共重合体の融点(Tm)と同様の方法により測定される値であるため、方法の説明は省略する。
重合体の製造方法としては、上述の4MP1系共重合体の製造方法と同様に、例えば、国際公開第01/27124号、国際公開14/050817号等に記載の方法を採用することができる。重合体の製造方法においては、上述の4MP1系共重合体の製造方法と同様に、従来公知の重合触媒を用いることができ、好適な触媒も同様である。
第2のフィルムにおける熱可塑性樹脂(C)の含有量の下限値は、第2のフィルムの全質量に対して、5質量%であることが好ましく、25質量%であることがより好ましく、70質量%であることが更に好ましく、95質量%であることが特に好ましい。
第2のフィルムにおける熱可塑性樹脂(C)の含有量の上限値は、特に限定されるものではなく、好ましくは99質量%であり、より好ましくは95質量%である。
第2のフィルムにおける熱可塑性樹脂(C)の含有量が、第2のフィルムの全質量に対して、5質量%以上であることにより、上述の本発明のフィルムである第1のフィルムとの層間接着性に優れる。
<その他の成分>
第2のフィルムは、本発明の目的を損なわない範囲内において、上述の熱可塑性樹脂(C)以外の樹脂、添加剤等のその他の成分を含有してもよい。
第2のフィルムが、上述の熱可塑性樹脂(C)以外の樹脂を含む場合、該樹脂としては、オレフィン系重合体である、上述の熱可塑性樹脂(C)以外の熱可塑性樹脂(D)が好ましい。
(熱可塑性樹脂(D))
熱可塑性樹脂(D)は、オレフィン系重合体(但し、上述の熱可塑性樹脂(C)を除く)であり、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体であることが好ましく、プロピレン系重合体であることがより好ましい。
エチレン系重合体及びプロピレン系重合体は、熱可塑性樹脂(B)の項において既述しているものと同義であるため、説明は省略する。
熱可塑性樹脂(D)のメルトフローレート(MFR)は、フィルム成形性及びフィルムの機械物性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂(D)のメルトフローレート(MFR)は、上述の熱可塑性樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)と同様に、ASTM D1238に準拠し、測定される値である。
熱可塑性樹脂(D)の密度は、軽量性、及び熱可塑性樹脂(C)と組成物としたときの分散性の観点から、820kg/m〜960kg/mであることが好ましく、830kg/m〜940kg/mであることがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂(D)の密度は、上述の熱可塑性樹脂(B)の密度と同様に、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定される値である。
第2のフィルムにおける熱可塑性樹脂(D)の比率は、熱可塑性樹脂(C)と熱可塑性樹脂(D)との合計100質量部に対して、0質量部を超えて95質量部以下であることが好ましく、5質量部以上95質量部以下であることがより好ましく、5質量部以上75質量部以下であることが更に好ましく、5質量部以上30質量部以下であることが特に好ましい。
第2のフィルムにおける熱可塑性樹脂(D)の比率が、熱可塑性樹脂(C)と熱可塑性樹脂(D)との合計100質量部に対して、上記範囲内であると、ガス透過量を最適に制御でき、また、積層フィルム間の接着性も良好である。
〔積層フィルムの物性〕
本発明の積層フィルムは、第1のフィルムの面同士を対向させて、温度160℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールしたときに、第1のフィルム間の剥離強度(以下、「ヒートシール強度」と称する場合がある。)が、1.0N/15mm以上であることが好ましく、2.5N/15mm以上であることがより好ましく、3.0N/15mm以上であることが更に好ましい。
上記積層フィルムのヒートシール強度が1.0N/15mm以上であると、被包装体を包装した場合に、第1のフィルム間で剥がれ難い。
上記積層フィルムのヒートシール強度の上限値は、特に限定されるものではないが、一般的には、25.0N/15mm以下である。
本発明の積層フィルムのヒールシート強度は、下記の方法により測定される値である。
厚みが50μmの本発明の積層フィルムを、幅150mm×長さ50mmの短冊状に切断したものを試験片とする。次に、2枚の試験片を、第1のフィルム面同士が対向するように重ね合わせた後、ヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度160℃、下部温度70℃、シール幅5mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)する。次に、試験機から、熱融着したフィルムを取り出し、幅15mmに切断する。この幅15mmの熱融着したフィルムを、シール強度試験機(フォースゲージFPG、日本電産ランポ(株)製)を用いて、引張速度300mm/min、及び温度23℃の条件で、熱融着したフィルムのヒートシール面に対して180°の方向に引っ張り、第1のフィルム間を剥離させ、剥離強度の最大値を測定する。そして、この最大値をヒートシール強度(単位:N/15mm)とする。ヒートシール強度は、5個の試験片について測定し、平均値を算出する。
本発明の積層フィルムは、MD方向の引張弾性率(YM)が10MPa〜2500MPaであることが好ましく、50MPa〜2000MPaであることがより好ましく、100MPa〜2000MPaであることが更に好ましい。
本発明の積層フィルムは、MD方向の引張弾性率(YM)が10MPa以上であると、フィルムの強度がより向上する。また、MD方向の引張弾性率(YM)が2000MPa以下であると、引張強度等、機械強度に優れたフィルムとなる。
本発明の積層フィルムは、TD方向の引張弾性率(YM)が10MPa〜2500MPaであることが好ましく、50MPa〜2000MPaであることがより好ましく、100MPa〜2000MPaであることが更に好ましい。
本発明の積層フィルムは、TD方向の引張弾性率(YM)が10MPa以上であると、フィルムの強度がより向上する。また、TD方向の引張弾性率(YM)が2000MPa以下であると、引張強度等、機械強度に優れた柔軟なフィルムとなる。
本発明の積層フィルムは、MD方向の引張破断伸び(EL)が100%〜1000%であることが好ましく、150%〜1000%であることがより好ましく、200%〜1000%であることが更に好ましい。
本発明の積層フィルムは、MD方向の引張破断伸び(EL)が100%以上であると、柔軟で耐衝撃性に優れたフィルムとなる。また、MD方向の引張破断伸び(EL)が1000%以下であると、フィルムの取り扱い性により優れる。
本発明の積層フィルムは、TD方向の引張破断伸び(EL)が100%〜1000%であることが好ましく、150%〜1000%であることがより好ましく、200%〜1000%であることが更に好ましい。
本発明の積層フィルムは、TD方向の引張破断伸び(EL)が100%以上であると、柔軟で耐衝撃性に優れたフィルムとなる。また、TD方向の引張破断伸び(EL)が1000%以下であると、フィルムの取り扱い性により優れる。
上記積層フィルムの引張弾性率(YM)及び引張破断伸び(EL)は、上述の本発明のフィルムの引張弾性率(YM)及び引張破断伸び(EL)と同様の条件により測定される値であるため、条件の説明は省略する。
本発明の積層フィルムの全ヘイズは、65%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましく、20%以下であることが特に好ましい。
本発明の積層フィルムの全ヘイズが65%以下であると、フィルム外観が透明となる。
上記積層フィルムの全ヘイズは、上述の本発明のフィルムの全ヘイズと同様の条件により測定される値であるため、条件の説明は省略する。
本発明の積層フィルムの内部ヘイズは、65%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましく、15%以下であることが特に好ましい。
本発明の積層フィルムの内部ヘイズが65%以下であると、透明なフィルムとなる。
上記積層フィルムの内部ヘイズは、上述の本発明のフィルムの内部ヘイズと同様の条件により測定される値であるため、条件の説明は省略する。
〔積層フィルムの製造方法〕
本発明の積層フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、本発明のフィルムの構成成分として含まれる熱可塑性樹脂(A)又は熱可塑性樹脂(B)と、その他のフィルムの構成成分と、が界面付近で混ざり合うことで接着し、積層フィルムが形成される方法が好ましい。このような方法としては、例えば、溶融させた樹脂を積層する共押出法、予め形成された樹脂フィルムを熱融着させる熱融着法等が挙げられ、本発明のフィルムと、その他のフィルムとの層間接着性がより高く、本発明のフィルムと、その他のフィルムとの間で層間剥離がより生じ難い積層フィルムを形成することができる点において、溶融させた樹脂を積層する共押出法がより好ましい。
本発明の積層フィルムの製造方法の一例を説明する。本発明の積層フィルムは、例えば、下記の方法により製造することができる。但し、本発明の積層フィルムの製造方法は、これに限定されるものではない。
まず、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とを混合(例えば、ドライブレンド、単軸、二軸押出機、ミキサー等による溶融混練)し、第1のフィルム用樹脂材料を得る。次に、熱可塑性樹脂(C)を、必要に応じて、熱可塑性樹脂(D)と混合(例えば、ドライブレンド、単軸、二軸押出機、ミキサー等による溶融混練)し、第2のフィルム用樹脂材料を得る。なお、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)、また、熱可塑性樹脂(C)と熱可塑性樹脂(D)は、溶融混練等により均一に混ぜるよりも、ドライブレンド等により適度に混練する方が好ましい。
次いで、第1のフィルム用樹脂材料と第2のフィルム用樹脂材料とを、Tダイを設置した押出機が備える別々のホッパーに投入し、シリンダー温度を100℃〜270℃、ダイス温度を200℃〜270℃に設定する。
Tダイから、第1のフィルム用樹脂材料の溶融混練物と第2のフィルム用樹脂材料の溶融混練物とを共押出にて押し出し、キャスト成形することにより、第1のフィルムと第2のフィルムとが積層した積層フィルムを得る。
本発明の積層フィルムの厚さは、取り扱い性が容易である点において、20μm〜500μmであることが好ましく、20μm〜350μmであることがより好ましく、50μm〜300μmであることが更に好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において共重合体の各種物性は、以下の方法により測定した。
〔組成〕
共重合体中の4−メチル−1−ペンテン及びプロピレン(炭素数3のα−オレフィン)の含有率(モル%)は、13C−NMRにより測定した。測定条件は、下記のとおりである。
〜測定条件〜
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
〔極限粘度[η]〕
共重合体の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。
具体的には、約20mgの粉末状の共重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求めた(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
〔重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)〕
共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。測定条件は、下記のとおりである。
〜測定条件〜
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示差屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
〔メルトフローレート(MFR)〕
共重合体のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。単位は、g/10minである。
〔密度〕
共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。
〔融点(Tm)〕
共重合体の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。
約5mgの共重合体を測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱した。共重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行なった。この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を共重合体の融点(Tm)とした。
[合成例1]共重合体A−1の合成
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、44.0gの粉末状の共重合体A−1を得た。
得られた共重合体A−1の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体A−1中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は84.1mol%であり、プロピレンの含有率は15.9mol%であった。また、共重合体A−1の密度は838kg/mであった。共重合体A−1の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は340,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。共重合体A−1の融点(Tm)は132℃であった。
[合成例2]共重合体A−2の合成
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.40MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、36.9gの粉末状の共重合体A−2を得た。
得られた共重合体A−2の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体A−2中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は72.5mol%であり、プロピレンの含有率は27.5mol%であった。また、共重合体A−2の密度は839kg/mであった。共重合体A−2の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は337,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。共重合体A−2の融点(Tm)は観測されなかった。
[合成例3]共重合体A−3の合成
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、750mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.17MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.005mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、130℃で12時間乾燥させて、35.2gの粉末状の共重合体A−3を得た。
得られた共重合体A−3の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体A−3中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は93.0mol%であり、プロピレンの含有率は7.0mol%であった。また、共重合体A−3の密度は832kg/mであった。共重合体A−3の極限粘度[η]は1.6dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は370,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は4g/10minであった。共重合体A−3の融点(Tm)は178℃であった。
[合成例4]共重合体A−4の合成
国際公開第2006/054613号の比較例7において、4−メチル−1−ペンテンと1−デセンとの割合を変更することによって、共重合体A−4を得た。
得られた共重合体A−4の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体A−4中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は98.0mol%であり、1−デセンの含有率は2.0mol%であった。また、共重合体A−4の密度は833kg/mであった。共重合体A−4の極限粘度[η]は2.4dl/gであり、メルトフローレート(MFR)は4g/10minであった。共重合体A−4の融点(Tm)は238℃であった。
[フィルム]
<実施例1>
共重合体A−1 5質量部と、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F107、プロピレンのホモポリマー、密度:910kg/m、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)95質量部と、を混合(ドライブレンド)した。次いで、得られた混合物を、リップ幅240mmのTダイを設置した20mmφの単軸押出機(単軸シート形成機、(株)田中鉄工所製)のホッパーに投入した。そして、シリンダー温度を230℃、ダイス温度を230℃に設定し、Tダイから溶融混練物を厚み50μmで押し出し、キャスト成形することにより、実施例1のフィルムを得た。
<実施例2>
共重合体A−1 40質量部と、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F107、プロピレンのホモポリマー、密度:910kg/m、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)60質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<実施例3>
共重合体A−1 5質量部と、プロピレン系重合体(B−2、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン・エチレンランダム共重合体、(株)プライムポリマー製)95質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<実施例4>
共重合体A−1 40質量部と、プロピレン系重合体(B−2、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン・エチレンランダム共重合体、(株)プライムポリマー製)60質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<実施例5>
共重合体A−1 60質量部と、プロピレン系重合体(B−2、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン・エチレンランダム共重合体、(株)プライムポリマー製)40質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例5のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<実施例6>
共重合体A−1 10質量部と、エチレン系重合体(B−3、エボリュー(登録商標)SP2540、エチレン・1−ヘキセン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:924kg/m、MFR(190℃):3.8g/10min、(株)プライムポリマー製)90質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例6のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<実施例7>
共重合体A−1 30質量部と、エチレン系重合体(B−3、エボリュー(登録商標)SP2540、エチレン・1−ヘキセン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:924kg/m、MFR(190℃):3.8g/10min、(株)プライムポリマー製)70質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例7のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<実施例8>
共重合体A−2 60質量部と、プロピレン系重合体(B−2、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン・エチレンランダム共重合体、(株)プライムポリマー製)40質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例8のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<実施例9>
共重合体A−3 30質量部と、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F107、プロピレンのホモポリマー、密度:910kg/m、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)70質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例9のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<比較例1>
共重合体A−4 30質量部と、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F107、(株)プライムポリマー製)70質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<比較例2>
原料として、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F107、(株)プライムポリマー製)のみ(100質量部)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<比較例3>
原料として、共重合体A−1のみ(100質量部)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3のフィルム(厚み:50μm)を得た。
[評価]
実施例1〜9及び比較例1〜3のフィルムについて、以下の評価を行った。評価結果を下記の表2に示す。
1.機械特性(引張弾性率及び引張破断伸び)
厚みが50μmのフィルムを、幅25mm×長さ100mmのダンベル状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度200mm/min、及び温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(YM)(単位:MPa)、及び引張破断伸び(EL)(単位:%)を測定した。
2.成形性(成形温度230℃でのキャスト成形性)
実施例1〜9及び比較例1〜3のフィルムを、目視にて観察し、下記の評価基準に従って評価した。
−評価基準−
A:フィルムの表面に目視で確認できる成形ムラ、フィッシュアイ等の外観不良が生じることなく、フィルム成形が可能である。
B:フィルムの表面に目視で確認できる成形ムラ、フィッシュアイ等の外観不良が生じ、フィルム成形が不十分である、或いは、フィルム成形が不可能である。
3.ヒートシール性(加熱温度160℃でのヒートシール強度)
厚みが50μmのフィルムを、幅150mm×長さ50mmの短冊状に切断した。このフィルム2枚をそれぞれ二つ折りにし、汚れ防止のために、厚さ100μmのテフロン(登録商標)フィルムの間に挟んだものを試験片とした。次に、試験片を、ヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度160℃、下部温度70℃、シール幅5mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)した。次に、試験機から、熱融着したフィルムを取り出し、幅15mmに切断した。この幅15mmの熱融着したフィルムを、シール強度試験機(フォースゲージFPG、日本電産ランポ(株)製)を用いて、引張速度300mm/min、及び温度23℃の条件で、フィルム同士のヒートシール面に対して180°の方向に引っ張り、フィルム間を剥離させ、剥離強度の最大値を測定した。そして、この最大値をヒートシール強度(単位:N/15mm)とした。
なお、ヒートシール強度は、5個の試験片について測定し、平均値を算出した。
4.透明性
(1)全ヘイズの測定
フィルムの全ヘイズ(単位:%)は、下記の測定条件により測定した。
−測定条件−
測定装置:デジタル濁度計(NDH−20D、日本電色工業(株)製)
試験片サイズ:幅50mm×長さ80mm×厚み50μm
試験方法:ASTM D−1003に準拠
測定温度:室温(25℃)
(2)内部ヘイズの測定
フィルムの内部ヘイズ(単位:%)は、下記の方法により測定した。
石英ガラス板2枚の間にシクロヘキサノールのみを挟んだ構成の積層体のヘイズ(H2)、及びシクロヘキサノールで表面を均一に濡らしたフィルムを石英ガラス板2枚の間に挟んだ構成の積層体のヘイズ(H3)を、それぞれ上述の全ヘイズと同様の方法により測定した。次式に従って、得られた値から内部ヘイズ(H1)を算出した。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
5.ガス透過性
フィルムの酸素透過度(酸素透過係数、単位:cm3・mm/(m2・24h・atm))、水蒸気透過度(水蒸気透過係数、単位:g・mm/(m2・24h))、及び二酸化炭素透過度(二酸化炭素透過係数、単位:cm3・mm/(m2・24h・atm))は、下記の方法により測定した。
厚みが50μmのフィルムを、幅30mm×長さ30mmの形状に切断したものを試験片として用いた。
酸素透過度及び二酸化炭素透過度は、JIS K7126−1に準拠し、差圧法ガス透過率測定装置(東洋精機製作所製)を用いて、試験温度23℃及び試験湿度0%RHの条件で、フィルムの測定面積を5cmにして測定した。フィルムの測定面積は、中央部に直径25mmの孔を開けたモダンコトロール社製の粘着剤付きアルミマスクを2枚用意し、この2枚のマスクで、測定対象のフィルムを挟み込むように積層し、調整した。詳細には、フィルムを中央部の孔が2枚のマスクで重なるように配置している。
水蒸気透過度は、JIS K7129B 等圧法(MOCON法)に準拠し、MOCON水蒸気透過率測定装置(日立ハイテク製)を用いて、試験温度40℃及び試験湿度90%RHの条件でフィルムの測定面積を50cmにして測定した。
表2に示すように、実施例1〜9のフィルムは、酸素、二酸化炭素、及び水蒸気のうち、少なくとも1つのガスに対する高い透過性と、低温でのヒートシール性とを兼ね備えていた。
また、熱可塑性樹脂(A)におけるα−オレフィンがプロピレンであり、かつ、熱可塑性樹脂(B)がプロピレン系重合体である、実施例1〜5、8、及び9のフィルムは、透明性にも優れていた。
[積層フィルム]
<実施例10>
共重合体A−1 30質量部と、プロピレン系重合体(B−4、プライムポリプロ(登録商標)F227、プロピレンランダム共重合体、(株)プライムポリマー製)70質量部と、を混合(ドライブレンド)し、第1のフィルム用樹脂材料を得た。
次に、共重合体A−4 95質量部と、プロピレン系重合体(B−5、タフマー(登録商標)PN3560、密度:865kg/m、MFR(230℃):6g/10min、三井化学(株)製)5質量部と、を混合(ドライブレンド)し、第2のフィルム用樹脂材料を得た。
次いで、第1のフィルム用樹脂材料と第2のフィルム用樹脂材料とを、リップ幅350mmの多層Tダイを設置した30mmφの単軸押出機(多層シート成形機、サーモプラスチックス(株)製)が備える別々のホッパーに、2種2層フィルム構成になるように、投入した。そして、シリンダー温度を230℃、ダイス温度を230℃に設定し、Tダイから、第1のフィルム用樹脂材料の溶融混練物と第2のフィルム用樹脂材料の溶融混練物とを、それぞれ厚み30μm及び厚み20μmで共押出にて押し出し、キャスト成形することにより、実施例10の積層フィルム(層構成:第1のフィルム/第2のフィルム、厚み:50μm)を得た。
<実施例11>
共重合体A−1 30質量部と、エチレン系重合体(B−3、エボリュー(登録商標)SP2540、エチレン・1−ヘキセン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:924kg/m、MFR(190℃):3.8g/10min、(株)プライムポリマー製)70質量部と、を混合(ドライブレンド)し、第1のフィルム用樹脂材料を得たこと以外は、実施例10と同様の方法により、実施例11の積層フィルム(層構成:第1のフィルム/第2のフィルム、厚み:50μm)を得た。
<実施例12>
共重合体A−1 30質量部と、エチレン系重合体(B−3、エボリュー(登録商標)SP2540、エチレン・1−ヘキセン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:924kg/m、MFR(190℃):3.8g/10min、(株)プライムポリマー製)60質量部と、プロピレン系重合体(B−5、タフマー(登録商標)PN3560、密度:865kg/m、MFR(230℃):6g/10min、三井化学(株)製)10質量部と、を混合(ドライブレンド)し、第1のフィルム用樹脂材料を得たこと以外は、実施例10と同様の方法により、実施例12の積層フィルム(層構成:第1のフィルム/第2のフィルム、厚み:50μm)を得た。
<実施例13>
共重合体A−1 60質量部と、プロピレン系重合体(B−4、プライムポリプロ(登録商標)F227、プロピレンランダム共重合体、(株)プライムポリマー製)40質量部と、を混合(ドライブレンド)し、第1のフィルム用樹脂材料を得たこと、及び、第2のフィルム用樹脂材料として、プロピレン系重合体(B−4、プライムポリプロ(登録商標)F227、プロピレンランダム共重合体、(株)プライムポリマー製)のみ(100質量部)を使用したこと以外は、実施例10と同様の方法により、実施例13の積層フィルム(層構成:第1のフィルム/第2のフィルム、厚み:50μm)を得た。
<比較例4>
第1のフィルム用樹脂材料として、共重合体A−1のみ(100質量部)を使用したこと、第2のフィルム用樹脂材料として、エチレン系重合体(B−3、エボリュー(登録商標)SP2540、エチレン・1−ヘキセン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:924kg/m、MFR(190℃):3.8g/10min、(株)プライムポリマー製)のみ(100質量部)を使用したこと、及び、Tダイから、第1のフィルム用樹脂材料の溶融混練物と第2のフィルム用樹脂材料の溶融混練物とを、それぞれ厚み40μm及び厚み10μmで共押出にて押し出し、キャスト成形したこと以外は、実施例10と同様の方法により、比較例4の積層フィルム(層構成:第1のフィルム/第2のフィルム、厚み:50μm)を得た。
[評価]
実施例10〜13及び比較例4の積層フィルムについて、以下の評価を行った。評価結果を下記の表3に示す。
1.機械特性(引張弾性率及び引張破断伸び)
厚みが50μmの積層フィルムを、幅25mm×長さ100mmのダンベル状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度200mm/min、及び温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(YM)(単位:MPa)、及び引張破断伸び(EL)(単位:%)を測定した。
2.ヒートシール性(加熱温度160℃でのヒートシール強度)
厚みが50μmの積層フィルムを、幅150mm×長さ50mmの短冊状に切断したものを試験片とした。次に、2枚の試験片を、第1のフィルム面同士が対向するように重ね合わせた後、ヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度160℃、下部温度70℃、シール幅5mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)した。次に、試験機から、熱融着したフィルムを取り出し、幅15mmに切断した。この幅15mmの熱融着したフィルムを、シール強度試験機(フォースゲージFPG、日本電産ランポ(株)製)を用いて、引張速度300mm/min、及び温度23℃の条件で、熱融着したフィルムのヒートシール面に対して180°の方向に引っ張り、第1のフィルム間を剥離させ、剥離強度の最大値を測定した。そして、この最大値をヒートシール強度(単位:N/15mm)とした。
なお、ヒートシール強度は、5個の試験片について測定し、平均値を算出した。
3.透明性
(1)全ヘイズの測定
積層フィルムの全ヘイズ(単位:%)は、下記の測定条件により測定した。
−測定条件−
測定装置:デジタル濁度計(NDH−20D、日本電色工業(株)製)
試験片サイズ:幅50mm×長さ80mm×厚み50μm
試験方法:ASTM D−1003に準拠
測定温度:室温(25℃)
(2)内部ヘイズの測定
積層フィルムの内部ヘイズ(単位:%)は、下記の方法により測定した。
石英ガラス板2枚の間にシクロヘキサノールのみを挟んだ構成の積層体のヘイズ(H2)、及びシクロヘキサノールで表面を均一に濡らした積層フィルムを石英ガラス板2枚の間に挟んだ構成の積層体のヘイズ(H3)を、それぞれ上述の全ヘイズと同様の方法により測定した。次式に従って、得られた値から内部ヘイズ(H1)を算出した。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
4.ガス透過性
積層フィルムの酸素透過度(酸素透過係数、単位:cm3・mm/(m2・24h・atm))、水蒸気透過度(水蒸気透過係数、単位:g・mm/(m2・24h))、及び二酸化炭素透過度(二酸化炭素透過係数、単位:cm3・mm/(m2・24h・atm))は、下記の方法により測定した。
厚みが50μmの積層フィルムを、幅30mm×長さ30mmの形状に切断したものを試験片として用いた。
酸素透過度及び二酸化炭素透過度は、JIS K7126−1に準拠し、差圧法ガス透過率測定装置(東洋精機製作所製)を用いて、試験温度23℃及び試験湿度0%RHの条件で、積層フィルムの測定面積を5cmにして測定した。積層フィルムの測定面積は、中央部に直径25mmの孔を開けたモダンコトロール社製の粘着剤付きアルミマスクを2枚用意し、この2枚のマスクで、測定対象の積層フィルムを挟み込むように積層し、調整した。詳細には、積層フィルムを中央部の孔が2枚のマスクで重なるように配置している。
水蒸気透過度は、JIS Z0208 等圧法(カップ式−重量法)に準拠し、吸湿材として無水水酸化カルシウムを用い、試験温度40℃及び試験湿度90%RHの条件で、積層フィルムの測定面積を50cmにして測定した。積層フィルムを恒温恒湿装置に入れ、24時間間隔で質量増加がほぼ一定になる目安として10日間、質量を測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過度を算出した。
5.層間接着性
上記積層体を、幅15mm×長さ100mmの短冊状に切断し、試験片とした。
カッターを用いて、試験片の一方の面(第2のフィルムの面)に傷を付けた後、この傷を付けた試験片の両端を、強粘着テープ(商品名:セロテープ(登録商標)No.405、ニチバン(株)製)を用いて、テーブルの上に、指先にてしっかりと圧着し、固定した。次いで、試験片の傷を付けた付近に強粘着テープを貼り付け、この強粘着テープを、試験片に対して垂直に、手で強く引っ張った。そして、第1のフィルムと第2のフィルムとの間の剥離状態を確認し、下記の評価基準に従って層間接着性の評価を行なった。
−評価基準−
A:第1のフィルムと第2のフィルムとの間で剥離せず、実用上問題がない。
B:第1のフィルムと第2のフィルムとの間で一部剥離したが、実用上問題がない。
C:第1のフィルムと第2のフィルムとの間で完全に剥離し、実用上問題となる。
表3に示すように、実施例10〜13の積層フィルムは、酸素、二酸化炭素、及び水蒸気のうち、少なくとも1つのガスに対する高い透過性と、低温でのヒートシール性とを兼ね備えていた。
また、実施例10〜12の積層フィルムは、第1のフィルムと第2のフィルムとの間の層間接着性に優れていた。
[フィルム]
<実施例14>
共重合体A−1 40質量部と、プロピレン系重合体(B−2、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン・エチレンランダム共重合体、(株)プライムポリマー製)60質量部と、を混合(ドライブレンド)した。次いで、得られた混合物を、リップ幅240mmのTダイを設置した20mmφの単軸押出機(単軸シート形成機、(株)田中鉄工所製)のホッパーに投入した。そして、シリンダー温度を230℃、ダイス温度を230℃に設定し、Tダイから溶融混練物を厚み40μmで押し出し、キャスト成形することにより、実施例14のフィルムを得た。
実施例14のフィルムの酸素透過度及び水蒸気透過度を、上述の方法により測定したところ、それぞれ210cm3・mm/(m2・24h・atm)及び0.57g・mm/(m2・24h)であった。
[評価]
1.マンゴーの鮮度保持試験
実施例14、比較例3、及び比較例5(商品名:スパッシュ、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる鮮度保持用包装フィルム、フィルムの厚み:25μm、酸素透過度:50cm3・mm/(m2・24h・atm)、水蒸気透過度:0.17g・mm/(m2・24h)、三井化学東セロ(株)製)のフィルムを用いて、マンゴーの鮮度保持試験を行なった。なお、比較例5のフィルムの酸素透過度は、MOCON法による測定値であり、水蒸気透過度は、カップ式−重量法による測定値である。
2枚のフィルムを重ね合わせた後、3辺をヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度(実施例14及び比較例5:160℃、比較例3:230℃)、下部温度(実施例14及び比較例5:70℃、比較例3:230℃)、シール幅10mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)し、方形の包装袋(有効サイズ:長さ210mm×幅210mm)を作製した。
作製した包装袋に、マンゴー(品種:アーウィン)1個を詰めた後、ヒートシールしていない1辺を、10mm幅でヒートシールして密閉し、マンゴーが包装された包装体を得た。
次いで、得られた包装体を、温度23℃及び相対湿度50%に保持された部屋に貯蔵した。貯蔵に際しては、包装体の上に物が載ったり、包装体にファンの風が直撃したりしないように、包装体を静置した。
そして、貯蔵7日後に、鮮度評価の専門パネラー5名がマンゴーの品質を評価した。評価の項目、評価方法、及び評価基準を以下に示す。また、評価結果を表4に示す。
1−1.果皮の色変化
貯蔵7日後のマンゴーの果皮の色変化を官能評価により評価した。
5名のパネラーは、果皮に色変化がないと感じた場合には「4」、果皮がやや黄変したと感じた場合には「3」、果皮が黄変したと感じた場合には「2」、果皮が褐変したと感じた場合には「1」と採点した。そして、5名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、果皮の色変化の観点からは、マンゴーの鮮度が保持されていると評価できる。
1−2.しおれ
貯蔵7日後のマンゴーのしおれを官能評価により評価した。
5名のパネラーは、外観に変化がないと感じた場合には「4」、表皮にツヤがないと感じた場合には「3」、表皮に張りがなく、果実が柔らかいと感じた場合には「2」、表皮にシワを確認した場合には「1」と採点した。そして、5名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、しおれの観点からは、マンゴーの鮮度が保持されていると評価できる。
1−3.食味(甘み)
貯蔵7日後のマンゴーの食味(甘み)を官能評価により評価した。
5名のパネラーは、マンゴー特有の良好な甘みが強く感じられた場合には「4」、マンゴー特有の甘みが感じられた場合には「3」、マンゴー特有の甘みがあまり感じられず、美味しくないと感じた場合には「2」、マンゴー特有の甘みが全く感じられず、食べられないと感じた場合には「1」と採点した。そして、5名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、食味(甘み)の観点からは、マンゴーの鮮度が保持されていると評価できる。
1−4.食味(酸味)
貯蔵7日後のマンゴーの食味(酸味)を官能評価により評価した。
5名のパネラーは、マンゴー特有の良好な酸味が強く感じられた場合には「4」、マンゴー特有の酸味が感じられた場合には「3」、マンゴー特有の酸味があまり感じられず、食べられないと感じた場合には「2」、マンゴー特有の酸味が全く感じられず、食べられないと感じた場合には「1」と採点した。そして、5名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、食味(酸味)の観点からは、マンゴーの鮮度が保持されていると評価できる。
1−5.臭気
貯蔵7日後に、マンゴーを包装している包装袋を開封し、開封直後の袋内の臭気を官能評価(嗅覚)により評価した。
5名のパネラーは、臭気がないと感じた場合には「4」、マンゴー類の追熟に伴い生じるアルコール類、エステル類等に起因するわずかな臭気を感じた場合は、「3」、鮮度劣化に伴い生じる腐敗臭、不快臭等の異臭を、開封して10秒経過しても感じた場合には「2」、鮮度劣化に伴い生じる腐敗臭、不快臭等の異臭を、開封して10秒経過しても強く感じた場合には「1」と採点した。そして、5名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、臭気の観点からは、マンゴーの鮮度が保持されていると評価できる。
表4に示すように、実施例14のフィルムを用いて作製した包装袋は、マンゴーの鮮度保持に優れていた。
比較例3のフィルムを用いて作製した包装袋及び比較例5のフィルムを用いて作製した包装袋は、いずれもマンゴーの鮮度保持に劣っていた。比較例3のフィルムは、ガスの透過量が多すぎるため、マンゴーの劣化が進行したと考えられる。一方、比較例5のフィルムは、ガスの透過量が少なすぎるため、マンゴーの劣化が進行したと考えられる。
2.ブドウ(マスカット)の鮮度保持試験
実施例14、比較例5、及び比較例6として、三井化学(株)製のTPX(登録商標)MX002からなるフィルム(フィルムの厚み:50μm、酸素透過度:1655cm3・mm/(m2・24h・atm)、水蒸気透過度:2.81g・mm/(m2・24h))を用いて、マスカットの鮮度保持試験を行なった。なお、比較例5及び比較例6のフィルムの酸素透過度は、MOCON法による測定値であり、水蒸気透過度は、カップ式−重量法による測定値である。
2枚のフィルムを重ね合わせた後、3辺をヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度(実施例14及び比較例5:160℃、比較例6:230℃)、下部温度(実施例14及び比較例5:70℃、比較例6:230℃)、シール幅10mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)し、方形の包装袋(有効サイズ:長さ210mm×幅210mm)を作製した。
作製した包装袋に、1房当たり、果実の粒が40個前後ついているマスカット(品種:シャインマスカット)1房を詰めた後、ヒートシールしていない1辺を、10mm幅でヒートシールして密閉し、マスカットが包装された包装体を得た。
次いで、得られた包装体を、温度23℃及び相対湿度50%に保持された部屋に貯蔵した。貯蔵に際しては、包装体の上に物が載ったり、包装体にファンの風が直撃したりしないように、包装体を静置した。
そして、貯蔵5ヶ月後に、鮮度評価の専門パネラー3名がマスカットの品質を評価した。評価の項目、評価方法、及び評価基準を以下に示す。また、評価結果を表5に示す。
2−1.果皮の色変化
貯蔵5ヶ月後のマスカットの果皮の色変化を官能評価により評価した。
3名のパネラーは、果皮に色変化がないと感じた場合には「4」、果皮がやや褐変したと感じた場合には「3」、果皮が褐変したと感じた場合には「2」、果皮が明らかに褐変したと感じた場合には「1」と採点した。そして、3名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、果皮の色変化の観点からは、マスカットの鮮度が保持されていると評価できる。
2−2.穂軸の褐変
貯蔵5ヶ月後のマスカットの穂軸部分の色変化を官能評価により評価した。
3名のパネラーは、穂軸が緑色のままに変化がないと感じた場合には「4」、穂軸がやや褐変したと感じた場合には「3」、穂軸が明らかに褐変したと感じた場合には「2」、褐変、シワ及びしおれを確認した場合には「1」と採点した。そして、3名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、マスカットの鮮度が保持されていると評価できる。
2−3.カビの発生
貯蔵5ヶ月後のマスカットの果実粒にカビが発生した具合を評価した。
マスカットの房全体にある果実粒に対して、カビが発生した果実粒の数が10%以下の場合には「4」、カビが発生した果実粒の数が11%以上30%以下の場合には「3」、カビが発生した果実粒の数が31%以上50%以下の場合には「2」、カビが発生した果実粒の数が51%以上、又は穂軸にまでカビが発生していた場合には「1」と採点した。なお、カビが発生した果実粒の数の割合(単位:%)は、小数点以下1桁目を四捨五入した。
2−4.臭気
貯蔵5ヶ月後に、マスカットを包装している包装袋を開封し、開封直後の袋内の臭気を官能評価(嗅覚)により評価した。
3名のパネラーは、臭気がないと感じた場合には「4」、マスカット類の追熟に伴い生じるアルコール類、エステル類等に起因するわずかな臭気を感じた場合には「3」、鮮度劣化に伴い生じる腐敗臭、不快臭等の異臭を、開封して10秒経過しても感じた場合には「2」、鮮度劣化に伴い生じる腐敗臭、不快臭等の異臭を、開封して10秒経過しても強く感じた場合には「1」と採点した。そして、3名の採点値を平均し、得られた平均値の小数点以下1桁目を四捨五入したものを採点結果とした。
採点結果が「3」又は「4」であれば、臭気の観点からは、マスカットの鮮度が保持されていると評価できる。
2−5.果実の落下
貯蔵5ヶ月後に、マスカットが房から外れて袋の中に落下した果実の数を確認した。
マスカットの房全体にある果実粒に対して、落下した果実の数が4個以下の場合には「4」、落下した果実の数が5個以上8個以下の場合には「3」、落下した果実の数が9個以上11個以下の場合には「2」、落下した果実の数が12個以上の場合には「1」と採点した。
採点結果が「3」又は「4」であれば、果実の落下具合の観点からは、マスカットの鮮度が保持されていると評価できる。
表5に示すように、実施例14のフィルムを用いて作製した包装袋は、マスカットの鮮度保持に優れていた。
比較例5のフィルムを用いて作製した包装袋及び比較例6のフィルムを用いて作製した包装袋は、いずれもマスカットの鮮度保持に劣っていた。比較例6のフィルムは、ガスの透過量が多すぎるため、マスカットの劣化が進行したと考えられる。一方、比較例5のフィルムは、ガスの透過量が少なすぎるため、マスカットの劣化が進行したと考えられる。

Claims (8)

  1. 4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を60モル%以上99モル%以下、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位を1モル%以上40モル%以下有し、前記4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位と、前記4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位とが合計で100モル%である共重合体であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが199℃以下であるか、又は実質的に観測されない熱可塑性樹脂(A)と、
    オレフィン系重合体である、前記熱可塑性樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、
    を含み、
    前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)の含有量が2質量部以上80質量部以下であり、前記熱可塑性樹脂(B)の含有量が20質量部以上98質量部以下である樹脂組成物を含有するフィルム。
  2. 前記熱可塑性樹脂(B)が、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記α−オレフィンがプロピレンであり、かつ、前記熱可塑性樹脂(B)がプロピレン系重合体である請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  4. 前記熱可塑性樹脂(A)の前記融点Tが、100℃以上180℃以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフィルム。
  5. フィルム同士を、温度160℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールして得られる積層フィルムの剥離強度が、1.0N/15mm以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフィルム。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のフィルムを備える積層フィルム。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のフィルムである第1のフィルムと、前記第1のフィルムに接する第2のフィルムとを備え、
    前記第2のフィルムは、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を90モル%以上100モル%以下有し、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位の全構成単位に対する割合が0モル%以上10モル%以下の重合体であり、かつ、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点Tが200℃以上である熱可塑性樹脂(C)を含み、前記熱可塑性樹脂(C)の含有量が、前記第2のフィルムの全質量に対して、95質量%以上である、積層フィルム。
  8. 前記第1のフィルムの面同士を対向させて、温度160℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールしたときに、前記第1のフィルム間の剥離強度が、1.0N/15mm以上である請求項7に記載の積層フィルム。
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