JP4747425B2 - 透明ガスバリア性積層フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素や水蒸気の透過に対するバリア性が必要とされる食品、医薬品等の包装用、あるいは液晶表示装置などの基材として用いられるガスバリア性フィルムに関するものである。さらにはプラスチックフィルムの少なくとも片面に、少なくとも1層ずつの有機化合物層と無機化合物層とを順次形成したガスバリア性積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような用途に用いられるガスバリア性フィルムには、酸素や水蒸気の透過に対する高度なバリア性が要求される。すなわち、食品包装では蛋白質や油脂等の酸化や変質を抑制して味や鮮度を保持すること、医薬品包装においては有効成分の変質を抑制して効能を維持することが重要なためである。また液晶表示装置において、基板をガラスからプラスチックに替えることは、重量、耐衝撃性、生産性などの点で有利であるが、そのためには液晶セル内への空気などの侵入による表示欠陥の生成や液晶セルの破損を防止することが不可欠なためである。
このような要求を満たすため、基材となるプラスチックフィルム上に、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、あるいはポリ塩化ビニリデン(PVDC)などのガスバリア性ポリマ−をラミネートやコーティングにより設けたものや、酸化珪素(SiOx)などの無機化合物の薄膜を蒸着やスパッタリングなどによって形成したものが開発され、用いられている。
【0003】
ところが、PVAやEVOHを用いてなるガスバリア性フィルムは、ガスバリア性の温湿度依存性が大きく、高温又は高湿下においてガスバリア性が低下する。特に水蒸気バリア性の低下が著しく、煮沸殺菌処理やレトルト殺菌処理を行う用途や、内容物に多くの水分が含まれる高水分活性の食品包装用としては不適である。またPVDCを用いてなるガスバリア性フィルムの場合、湿度依存性は小さいが、高度なガスバリア性を得ることは困難であり、加えて塩素を多量に含むために焼却処理やリサイクリングなど廃棄物処理の面で問題がある。
一方、SiOxなどの無機化合物薄膜を製膜したガスバリア性フィルムは、ガスバリア性ポリマ−を用いたものよりガスバリア性が良く、温湿度依存性も小さいが、液晶表示装置用基材などの高ガスバリア性が必要とされる用途に利用するには不十分である。また、SiOxの薄膜は薄黄色に着色したものが多く、透明性を阻害するばかりでなく、内容物の変質を連想させてしまうといった問題もある。
【0004】
また、包装用の高ガスバリア性フィルムとしてはアルミニウム箔やアルミニウム蒸着フィルムなども用いられるが、これらは不透明で内容物の目視確認が出来ないこと、内容物充填後の金属検査機による異物(金属片)検査が出来ないこと、電子レンジ(マイクロ波)による内容物の加熱が出来ないこと、使用後の焼却処理においてアルミニウムが熔融して炉底に溜まり、焼却炉を傷めることで倦厭されていること、といった問題がある。
【0005】
一方、液晶表示素子用としてはガラス基板が用いられているが、ガラス基板は重い上に、電子手帳や携帯電話などでは携帯中に破損する場合があること、曲面を有するディスプレイには適用出来ないこと、巻取りによる連続生産が出来ないために高価になること、といった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであり、本発明の目的とするところは、プラスチックフィルムを基材とすることでガラスを基材としたものに比べて軽く、透明性と可撓性に優れ、かつ高いガスバリア性を有しながらその温湿度変化が小さく、さらには焼却処理の際に有毒ガスを発生することの無いガスバリア性フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記ような目的を達成するためのものであって、請求項1に記載の発明は、透明なプラスチックフィルムからなる基材の少なくとも片面に、有機化合物層と無機化合物層が順次設けられた構成の透明ガスバリア性積層フィルムにおいて、前記無機化合物層の上にさらに有機化合物層、無機化合物層が順次設けられ、該有機化合物層が少なくともペンタエリスリト−ル・トリアクリレ−ト・ヘキサメチレンジイソシアネ−トの紫外線あるいは電子線硬化物からなり、該紫外線あるいは電子線硬化物層が、該ペンタエリスリト−ル・トリアクリレ−ト・ヘキサメチレンジイソシアネ−トの割合が80mol%以上である樹脂を硬化させたものであり、三次元網目構造を有するものであることを特徴とする透明ガスバリア性積層フィルムを提供するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明を前提とし、該紫外線あるいは電子線硬化物層が、さらに、トリエチレングリコ−ル・ジアクリレ−トを含む樹脂を硬化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリア性積層フィルムを提供するものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明を前提とし、該無機化合物層が、アルミニウム酸化物(AlOx)、ケイ素酸化物(SiOx)、インジウムとスズの複合酸化物(ITO)、インジウムとセリウムの複合酸化物(ICO)、スズおよび/またはチタンを含むインジウムとセリウムの複合酸化物(ICOSn、ICOTi、ICOSnTi)からなる群より選ばれる少なくとも1つの酸化物からなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の透明ガスバリア性積層フィルムを提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、基材として用いられるプラスチックフィルムとは、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−トなど)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルフォンなどや、これらの共重合体の無延伸あるいは延伸フィルムであり、用途に応じて適宜選択される。
特に液晶表示装置用としては、透明性やガスバリア性に加えて、透明電極膜や配向膜の製膜工程において熱が掛かるために耐熱性が良いこと、偏向膜内に置かれて使用されるために光学的異方性(リタデ−ション)が小さいこと、などが必要とされる。そのためポリアクリレ−トやポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルフォン、非晶質ポリオレフィンなどが好ましく用いられるプラスチックフィルム基材である。
このようなプラスチックフィルムには、必要に応じて帯電防止剤や紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤などといった添加剤が含まれていても構わず、表面がコロナ処理、プラズマ処理、フレ−ム処理、薬品処理、アンカーコート処理などによって改質されたものであっても差し支えない。
【0010】
本発明では、上記のようなプラスチックフィルムの少なくとも片面上に、まず三次元網目構造を有する紫外線硬化樹脂あるいは電子線硬化樹脂の紫外線あるいは電子線硬化物からなる有機化合物層が形成される。三次元網目構造は、2官能以上のアクリレート(メタクリレ−ト)を重合させて得ることが出来るが、1分子中の官能基数が多いほど、またそのような官能基数の高い分子の割合が多いほど容易に形成される。すなわち2官能のアクリレ−ト(メタクリレ−ト)のみで三次元網目構造を得ようとすると、アクリレ−ト(メタクリレ−ト)分子を高度に配向させる必要があるが、官能基数の高い分子が多く含まれれば含まれるほど、低い配向度で高度な三次元網目構造が得られる。
このような官能基数の高いアクリレ−トとして、1分子内に6つのアクリロイル基(メタクリロイル基)を有する、いわゆる6官能のアクリレ−ト(メタクリレ−ト)のモノマ−やオリゴマ−があるが、本発明者らはそのようなアクリレ−ト(メタクリレ−ト)を30mol%以上、好ましくは50mol%以上、最も好ましくは80mol%以上含む樹脂を有機化合物層として用いた場合、特に優れたガスバリア性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。なお、他の方法によっても三次元網目構造とする事が可能であれば本発明の効果を達成できる。
【0011】
本発明で用いられる6官能アクリレ−ト(メタクリレ−ト)のモノマ−もしくはオリゴマ−の材料としては、ペンタエリスリト−ル・トリアクリレ−ト・ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ペンタエリスリト−ル・トリアクリレ−ト・トリレンジイソシアネ−ト、ペンタエリスリト−ル・トリアクリレ−ト・イソホロンジイソシアネ−ト、ジペンタエリスリト−ル・ヘキサアクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ル・ヘキサアクリレ−ト・カプロラクトン付加物、ソルビト−ル・ヘキサアクリレ−ト・エチレンオキサイド(EO)付加物、などが代表的な例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの6官能アクリレ−ト(メタクリレ−ト)を単独で用いても良いし、2つ以上を混ぜ合わせて用いても良い。さらには、1分子内の官能基数が少ないアクリレ−トやメタクリレ−トと混ぜ合わせて用いても良いし、その他の紫外線硬化性や電子線硬化性を持たない有機化合物と混ぜ合わせて用いても良い。
【0012】
このような有機化合物層の形成方法としては、例えば次に挙げた方法を用いることが出来る。
まず1つは、紫外線硬化性樹脂あるいは電子線硬化性樹脂をトルエンや酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)などの溶剤に溶解・希釈させ、スピンコ−トやグラビアコ−ト、ロ−ルコ−トなどの方法によってコ−ティングし、次いでオ−ブンなどで加熱することによって溶剤を蒸発させた後、紫外線あるいは電子線を照射することによって目的とする有機化合物層を形成するというものである。
もう1つは、紫外線硬化性樹脂あるいは電子線硬化性樹脂を真空槽中で加熱等の手段で蒸発させ、プラスチック基材上に液体状の薄膜として凝縮させた後、紫外線あるいは電子線を照射することによって目的とする有機化合物層を形成するというものである。なお、このプラスチック基材上に液体状の薄膜として凝縮させる場合、プラスチック基材を冷却する事で効率よく凝縮できる。
有機化合物の形成方法としては、もちろんこれら2つの方法の何れかに限定されるものではないが、これらの方法は溶剤に溶解・希釈させた低粘度のものをコ−ティングしたり、気相を介しての製膜である真空蒸着法によってコ−ティングしたりするもので、ともに平滑な表面のコ−ティング膜が得られやすい、といった点で好ましい方法である。また、後者の真空蒸着法によってコ−ティングする場合では、無機化合物層の真空製膜と同一真空槽内で行える可能性があり、生産性の点でも有効な方法になり得るものである。
【0013】
このような有機化合物層の厚さについても特に限定されるものではないが、この有機化合物層のガスバリア性向上への寄与の一つが、基材表面の滑剤による突起を覆い隠すことによるものと考えられるため、そのような突起を覆い隠せるような厚み、すなわち0.3〜2μm程度が好ましい厚さである。
本発明における無機化合物層は、酸化物、窒化物、フッ化物、またはそれらの複合化合物などで、特に限定されるものではないが、アルミニウム酸化物(AlOx)、ケイ素酸化物(SiOx)、インジウムとスズの複合酸化物(ITO)、インジウムとセリウムの複合酸化物(ICO)、スズおよび/またはチタンを含むインジウムとセリウムの複合酸化物(ICOSn、ICOTi、ICOSnTi)からなる群より選ばれる少なくとも1つの酸化物からなるものである場合、特に優れたガスバリア性が得られる。
【0014】
これらの酸化物からなる無機化合物層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法などの物理的蒸着法(PVD法)や化学的蒸着法(CVD法)があり、製膜材料の種類の他、用途や性能、製造コストなどを考慮して適宜選択されが、酸素などの酸化性ガスを供給しながらスパッタリングによって製膜を行う反応性スパッタリング法が比較的容易に高速で製膜することができ生産性に優れるとともに、ガスバリア性、透明性、プラスチックフィルム基材との密着性などにも優れる膜が得られるため最も好適に用いられる方法である。
このような無機化合物層の厚さも特に限定されるものではなく、最適な厚さは無機化合物の種類や製膜方法によって異なるが、概して5nmから500nmの範囲内、特に10nmから300nmが好ましい範囲である。すなわち、10nmより薄いと無機化合物が連続膜にはならずに島状になり、300nmより厚いと内部応力によって割れる可能性が高くなるためである。 また、上記のような性質に悪影響を与えない程度であれば、これらの無機化合物層に他の元素や化合物が含まれても何ら差し支えはない。
さらに本発明では、製造コストや生産性の点において許されるなら、このような無機化合物層上に、さらに複数の前述したような有機化合物層、無機化合物層が順次設けられていても良い。このような構成にすることで、さらに優れたガスバリア性が得られるばかりでなく、本発明のガスバリア性積層フィルムが巻取りによって連続的に製造される場合、無機化合物層の製造装置内においてだけでなく、その後のスリッタ−や印刷、ラミネ−トなどの工程において、無機化合物層がガイドロ−ルで擦られたり、巻取りロ−ル内で抑えられて、割れたり、剥がれ落ちたりすることから保護される。
また、本発明のガスバリア性積層フィルムは、他の有機ポリマ−層をコ−ティングして用いることが可能であり、また通常の接着剤や粘着剤を用いることでそれ自身を2枚以上を貼り合わせて使用することや他のプラスチックフィルムと貼り合わせて使用することも可能である。
【0015】
【実施例】
次に、本発明のガスバリア性フィルムを具体的な実施例を挙げて、さらに詳しく説明する。
【0016】
〔実施例1〜24〕
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PETとする)フィルムを基材とし、その上に下記の樹脂組成物をメチルエチルケトン(以下、MEKとする)溶剤を用いて50wt%に希釈した後、バ−コ−タ−を用いて塗布し、70℃の乾燥器の中で1分間乾燥させた。その後、120kV、0.1MGyの電子線を照射して樹脂を重合させ、膜厚約0.5μmの有機化合物層を設けた。
次いで、これらの有機化合物層上に、アルミニウム酸化物(AlOx)、ケイ素酸化物(SiOx)、インジウムとスズの複合酸化物(ITO)、インジウムとセリウムの複合酸化物(ICO)、スズおよび/またはチタンを含むインジウムとセリウムの複合酸化物(ICOSn、ICOTi、ICOSnTi)を反応性スパッタリング法によって製膜することで無機化合物層を形成し、本発明のガスバリア性積層フィルムを得た。
【0017】
(樹脂組成物の組成)
a)PTHA
b)PTHA/TEGDA=80/20(mol%)の混合物
c)PTHA/TEGDA=30/70(mol%)の混合物
d)DPHA
e)DPHA/TEGDA=80/20(mol%)の混合物
f)DPHA/TEGDA=30/70(mol%)の混合物
ここで、PTHAとDPHAはそれぞれ6官能アクリレ−トである「ペンタエリスリト−ル・トリアクリレ−ト・ヘキサメチレンジイソシアネ−ト」と「ジペンタエリスリト−ル・ヘキサアクリレ−ト」の略で、TEGDAは2官能アクリレ−トである「トリエチレングリコ−ル・ジアクリレ−ト」の略である。
【0018】
(有機化合物層/無機化合物層の組合せ)
〔実施例1〕有機化合物層:a)、無機化合物層:AlOx
〔実施例2〕有機化合物層:b)、無機化合物層:AlOx
〔実施例3〕有機化合物層:c)、無機化合物層:AlOx
〔実施例4〕有機化合物層:d)、無機化合物層:AlOx
〔実施例5〕有機化合物層:e)、無機化合物層:AlOx
〔実施例6〕有機化合物層:f)、無機化合物層:AlOx
〔実施例7〕有機化合物層:a)、無機化合物層:SiOx
〔実施例8〕有機化合物層:b)、無機化合物層:SiOx
〔実施例9〕有機化合物層:c)、無機化合物層:SiOx
〔実施例10〕有機化合物層:a)、無機化合物層:ITO
〔実施例11〕有機化合物層:b)、無機化合物層:ITO
〔実施例12〕有機化合物層:c)、無機化合物層:ITO
〔実施例13〕有機化合物層:a)、無機化合物層:ICO
〔実施例14〕有機化合物層:b)、無機化合物層:ICO
〔実施例15〕有機化合物層:c)、無機化合物層:ICO
【0019】
〔実施例16〕有機化合物層:a)、無機化合物層:ICOSn
〔実施例17〕有機化合物層:b)、無機化合物層:ICOSn
〔実施例18〕有機化合物層:c)、無機化合物層:ICOSn
〔実施例19〕有機化合物層:a)、無機化合物層:ICOTi
〔実施例20〕有機化合物層:b)、無機化合物層:ICOTi
〔実施例21〕有機化合物層:c)、無機化合物層:ICOTi
〔実施例22〕有機化合物層:a)、無機化合物層:ICOSnTi
〔実施例23〕有機化合物層:b)、無機化合物層:ICOSnTi
〔実施例24〕有機化合物層:c)、無機化合物層:ICOSnTi
【0020】
得られたガスバリア性積層フィルムのガスバリア性を酸素透過度及び水蒸気透過度の測定により評価した。
酸素バリア性は、30℃−70%RH雰囲気下で、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 MOCON OXTRAN 10/50A)を用いて測定し、水蒸気バリア性は、40℃−90RH雰囲気下で水蒸気透過度測定装置(モダンコントロール社製 PERMATRAN W6)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
また、各実施例に記載した樹脂a)〜f)の硬化層を、フ−リエ変換赤外分光分析装置〔FTIR〕を用いて分析したところ、どの硬化層においても未反応の残留アクリロイル基〔CH2=CH−COO−〕の存在は確認することが出来なかった。a)〜f)の樹脂にはいずれも6官能のアクリレ−トが含まれており、この未反応アクリレ−トに関する分析結果は、いずれの硬化層中にも三次元網目構造が存在することを表すものである。
【0023】
〔比較例1〜14〕
上記の実施例において、有機化合物層を設けずにPETフィルム基材上に直接無機化合物層を設けたものを比較例1〜7、有機化合物層をTEGDAのみにした場合のものを比較例8〜14とし、実施例の場合と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、プラスチックフィルムからなる基材上に、6官能のアクリレ−ト(メタクリレ−ト)のモノマ−やオリゴマ−を30mol%以上含む樹脂を紫外線あるいは電子線の照射によって重合・硬化させた有機化合物層とAOx、SiOx、ITO、ICO、ICOSn、ICOTi、ICOSnTiなどの無機化合物層とを順次設けることにより、酸素や水蒸気の透過速度を極めて低く抑えることが可能なガスバリア性フィルムを提供することが出来る。
Claims (3)
- 透明なプラスチックフィルムからなる基材の少なくとも片面に、有機化合物層と無機化合物層が順次設けられた構成の透明ガスバリア性積層フィルムにおいて、前記無機化合物層の上にさらに有機化合物層、無機化合物層が順次設けられ、該有機化合物層が少なくともペンタエリスリト−ル・トリアクリレ−ト・ヘキサメチレンジイソシアネ−トの紫外線あるいは電子線硬化物からなり、該紫外線あるいは電子線硬化物層が、該ペンタエリスリト−ル・トリアクリレ−ト・ヘキサメチレンジイソシアネ−トの割合が80mol%以上である樹脂を硬化させたものであり、三次元網目構造を有するものであることを特徴とする透明ガスバリア性積層フィルム。
- 該紫外線あるいは電子線硬化物層が、さらに、トリエチレングリコ−ル・ジアクリレ−トを含む樹脂を硬化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリア性積層フィルム。
- 該無機化合物層が、アルミニウム酸化物(AlOx)、ケイ素酸化物(SiOx)、インジウムとスズの複合酸化物(ITO)、インジウムとセリウムの複合酸化物(ICO)、スズおよび/またはチタンを含むインジウムとセリウムの複合酸化物(ICOSn、ICOTi、ICOSnTi)からなる群より選ばれる少なくとも1つの酸化物からなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の透明ガスバリア性積層フィルム。
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