JP2003341003A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

積層体およびその製造方法

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JP2003341003A JP2002150736A JP2002150736A JP2003341003A JP 2003341003 A JP2003341003 A JP 2003341003A JP 2002150736 A JP2002150736 A JP 2002150736A JP 2002150736 A JP2002150736 A JP 2002150736A JP 2003341003 A JP2003341003 A JP 2003341003A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、表面が平滑であることから種々の
用途に用いることが可能であり、また無機酸化物の蒸着
層と共に用いることにより、ガスバリア性を向上させる
ことができる積層体を提供することを主目的とするもの
である。 【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、
基材と、上記基材の少なくとも片面に積層され、表面平
均粗さが4nm以下であるエポキシ化合物からなる樹脂
薄膜層とを有することを特徴とする積層体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材上にエポキシ
化合物からなる樹脂製の薄膜を形成することにより、そ
の表面を平滑化した積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食品や非食品及び医薬品等の包装
に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制しそれら
の機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸
素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響
を防止する必要があり、これら気体を遮断するガスバリ
ア性を備えることが求められている。
【0003】そのため従来から、温度・湿度などによる
影響が少ないアルミ等の金属からなる金属箔やそれらの
金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−
ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アクリロニトリル等の樹脂フィルムやこれらの樹脂をコ
ーティングしたものがガスバリア層として一般的に包装
材料に用いられてきた。
【0004】ところが、アルミ等の金属からなる金属箔
やそれらの金属蒸着フィルムを用いた包装材料は、ガス
バリア性に優れるが、包装材料を透視して内容物を確認
することができない、使用後の廃棄の際は不燃物として
処理しなければならない、検査の際金属探知器が使用で
きないなどの欠点を有し問題があった。またガスバリア
性樹脂フィルムやそれらをコーティングしたフィルム
は、温湿度依存性が大きく高度なガスバリア性を維持で
きない、さらにポリ塩化ビニリデンやポリアクリロニト
リル等は廃棄・焼却の際に有害物質の原料となりうる可
能性があるなどの問題がある。
【0005】また、電子デバイスの分野においては、電
子デバイス用基板として従来、Siウエハやガラスなど
の無機材料が広く用いられてきた。ところが、近年、製
品の軽量化、基板のフレキシブル化、低コスト化、ハン
ドリング特性などの様々な理由から高分子基板が望まれ
るようになっている。しかしながら、高分子材料は、ガ
ラスなどの無機材料と比較した場合、ガスの透過性が著
しく大きいという問題を有している。
【0006】このため、電子デバイス用基板として高分
子基板を用いた場合には、高分子基板を透過して電子デ
バイス内に侵入・拡散した酸素によりデバイスが酸化し
て劣化してしまうといった問題や、電子デバイス内の必
要な真空度を維持できない、等の問題がある。
【0007】例えば、特開平2−251429号公報や
特開平6−124785号公報では、有機エレクトロル
ミネッセンス素子の基板として高分子フィルムが用いら
れている。しかしながら、これらの有機EL素子の場合
は、基板である高分子フィルムを透過して有機EL素子
内に侵入する酸素や水蒸気により有機膜が劣化してしま
うため、発光特性が不十分となり、また、耐久性に不安
がある、等の問題が考えられる。
【0008】すなわち、上述したように、種々の分野に
おいて十分なガスバリア性を有し、そのガスバリア性に
よりガスバリア対象物の良好な品質を確保することが可
能な、優れたガスバリア性能を備えた高分子フィルムは
確立されていない。
【0009】このような高分子フィルム上に酸化珪素膜
等の無機酸化物の蒸着膜を成膜してガスバリアフィルム
とする場合の問題点の一つとして、高分子フィルム表面
の平滑性の問題がある。一般に高分子フィルム上には微
細な凹凸があり、この上に無機酸化物を真空成膜法によ
り成膜した場合に、この微細な凹凸上に成膜したことに
起因する欠陥が蒸着膜内に発生し、ガスバリア性を低下
させてしまうといった問題が指摘されている。
【0010】また、例えば有機EL素子等においては、
発光層を形成する面に平坦性がない場合に、ブラックス
ポットが発生してしまうといった不都合があり、このよ
うに種々の機能性素子において、表面の平滑性が求めら
れている。特に、可撓性を付与するために、高分子フィ
ルム上に機能性素子を形成する場合等においては、樹脂
製フィルム上の凹凸が問題となり、このような凹凸を平
滑化する手段が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、表面が平滑であることから
種々の用途に用いることが可能であり、また無機酸化物
の蒸着層と共に用いることにより、ガスバリア性を向上
させることができる積層体を提供することを主目的とす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、請求項1に記載するように、基材と、上
記基材の少なくとも片面に積層され、表面平均粗さが4
nm以下であるエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層とを
有することを特徴とする積層体を提供する。本発明によ
れば、このように表面平均粗さが4nm以下であること
から、平滑性が要求される種々の用途、例えば有機EL
素子の基板等に用いた場合でも、ブラックスポットの発
生等の不具合が生じない。また、このような平滑な面の
表面に無機酸化物を蒸着させることにより、欠損部分の
少ない均質な蒸着層を堆積することができるので、より
ガスバリア性の高いガスバリアフィルムを得ることがで
きる。さらに、樹脂薄膜層がエポキシ化合物からなるも
のであることから、耐熱性、機械的強度、さらには耐薬
品性等の諸特性の良好な積層体とすることができる。
【0013】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項2に記載するように、上記樹脂薄膜層が、真
空中で成膜されたものであることが好ましい。乾式成膜
法により形成することにより、より均一で平滑な樹脂薄
膜層を形成することができるからである。
【0014】本発明はまた、請求項3に記載するよう
に、基材と、上記基材の少なくとも片面に真空中で成膜
されたエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層とを有するこ
とを特徴とする積層体を提供する。本発明においては、
エポキシ化合物からなる樹脂薄膜層が形成されているこ
とから、基材表面を平滑化することが可能となり、かつ
耐熱性、機械的強度、さらには耐薬品性等の諸特性の良
好な積層体とすることができる。
【0015】上記請求項1から請求項3までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項4に記載
するように、上記樹脂薄膜層が、エポキシド化合物を重
合させて形成されたものであることが好ましい。この場
合、重合剤を用いていないことから、簡便な装置構成と
することが可能となり、かつ比較的製造に際しての手間
がかからないといった利点を有するからである。
【0016】上記請求項4に記載された発明において
は、請求項5に記載するように、上記エポキシド化合物
が、常温常圧(23度、1atm)において液体であ
り、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ
分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するものであ
ることが好ましく、中でも、請求項6に記載するよう
に、上記エポキシド化合物が、下記の一般式(1)で表
される化合物、下記の一般式(2)で表される化合物、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリン
ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、下記の一般式(3)で表される水添
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、下記の一般式
(4)で表されるビスフェノールAP02mol付加物
ジグリシジルエーテル、および下記の一般式(5)で表
される2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテルからなる群から選択される少なくとも一
つのエポキシド化合物であることが好ましい。
【0017】
【化11】
【0018】(mは1から8までの整数である。)
【0019】
【化12】
【0020】(nは1から7までの整数である。)
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】このような化合物を原料として用いること
により、より平滑性の高い樹脂薄膜層とすることが可能
となり、また得られる樹脂薄膜層の諸特性をより向上さ
せることができるからである。
【0025】上記請求項1から請求項3までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項7に記載
するように、上記樹脂薄膜層が、エポキシド化合物およ
び重合剤を重合させて形成されたものであってもよい。
エポキシド化合物に加えて重合剤を用いることにより、
最終的に得られるエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の
耐熱性、機械的強度、さらには耐薬品性等の諸特性をよ
り向上させることができるからである。
【0026】上記請求項7に記載された発明において
は、請求項8に記載するように、上記エポキシド化合物
が、常温常圧(23度、1atm)において液体であ
り、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ
分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するものであ
り、上記重合剤が常温常圧(23度、1atm)におい
て液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内で
あり、かつ分子内に少なくとも二つの電子供与性の官能
基を有するものであることが好ましく、中でも請求項9
に記載するように、上記エポキシド化合物が、下記の一
般式(1)で表される化合物、下記の一般式(2)で表
される化合物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロール
プロパントリグリシジルエーテル、下記の一般式(3)
で表される水添ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、下記の一般式(4)で表されるビスフェノールAP
02mol付加物ジグリシジルエーテル、および下記の
一般式(5)で表される2,2−ジブロモネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテルからなる群から選択さ
れる少なくとも一つのエポキシド化合物であり、上記重
合剤がジアミン化合物、トリアミン化合物、ジオール化
合物、トリオール化合物、およびジアルコキシド化合物
からなる群から選択される少なくとも一つの重合剤であ
ることが好ましい。
【0027】
【化16】
【0028】(mは1から8までの整数である。)
【0029】
【化17】
【0030】(nは1から7までの整数である。)
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】このような化合物を原料として用いること
により、より平滑性の高い樹脂薄膜層とすることが可能
となるからであり、また得られる樹脂薄膜層の諸特性を
より向上させることができるからである。
【0035】上記請求項1から請求項9までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項10に記
載するように、上記樹脂薄膜層の膜厚が、5〜2000
nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より膜厚
が薄い場合は、樹脂薄膜層を形成することにより平滑性
を得ることが困難であるからであり、また、平滑性を得
る上では上記上限を超える必要性があまりないからであ
る。
【0036】上記請求項1から請求項10までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項11に
記載するように、上記基材上に無機酸化物からなり真空
成膜法により形成された蒸着層が形成され、さらにその
上に上記樹脂薄膜層が形成されているものであっても、
請求項12に記載するように、上記基材上に上記樹脂薄
膜層が形成され、さらにその上に無機酸化物からなり真
空成膜法により形成された蒸着層が積層されているもの
であってもよい。このように無機酸化物の蒸着層と共に
用いることにより、樹脂薄膜層が基材もしくは蒸着層表
面を平坦化することができる。これにより、樹脂薄膜層
上に蒸着層を形成した場合、均質な蒸着層とすることが
できることから、ガスバリア性を向上させることができ
る。また、蒸着層上に樹脂薄膜層をした場合、表面が極
めて平滑な積層体とすることができる。
【0037】上記請求項11または請求項12に記載さ
れた発明においては、請求項13に記載するように、上
記蒸着層および上記樹脂薄膜層が2層〜10層の範囲内
で積層されていることが好ましい。積層することによ
り、樹脂薄膜層が蒸着層の応力を緩和し、変形による蒸
着層の欠陥を抑制するため、可撓性の高いガスバリア性
フィルムが得られることにより、ガスバリア性が向上す
るからである。
【0038】上記請求項11から請求項13までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項14
に記載するように、上記無機酸化物からなる蒸着層が、
酸化珪素もしくは酸化窒化珪素からなる蒸着層であるこ
とが好ましい。これらの蒸着層が、ガスバリア性に優れ
ているからである。
【0039】上記請求項11から請求項14までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項15
に記載するように、上記蒸着層の膜厚が、5〜500n
mの範囲内であることが好ましい。上記範囲より膜厚が
薄い場合はガスバリア性に問題が生じる可能性がある場
合があり、一方上記範囲を越えて膜厚を厚くすると蒸着
層にクラックが入り易くなる等の不具合が生じる可能性
があるからである。
【0040】上記請求項11から請求項15までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項16
に記載するように、上記基材が、樹脂製フィルムである
ことが好ましい。例えば、可撓性を有するガスバリア性
フィルム等が各種包装材料や、各種画像表示装置におい
て要求されており、このような場合は基材として樹脂製
フィルムが用いられるからである。
【0041】本発明はさらに、請求項17に記載するよ
うに、上記請求項15に記載の積層体を有することを特
徴とするガスバリア性フィルムを提供する。本発明のガ
スバリアフィルムは、上述したようにエポキシ化合物か
らなる樹脂薄膜層を有するものであるので、基材上の凹
凸を平坦化した状態でその上に無機酸化物からなる蒸着
層を有するものであるので、無機酸化物の結晶構造に乱
れを生じさせることがなく、よりガスバリア性の高いガ
スバリア性フィルムとすることができる。
【0042】上記請求項17に記載された発明において
は、請求項18に記載するように、上記積層体の酸素透
過率が1.0cc/m/day以下であり、水蒸気透
過率が、1.0g/m/day以下であることが好ま
しい。酸素透過率および水蒸気透過率を上記の範囲内と
することにより、内容物の品質を変化させる原因となる
酸素と水蒸気を殆ど透過させないので、高いガスバリア
性が要求される用途に好ましく用いることができるから
である。
【0043】本発明はまた、請求項19に記載するよう
に、原料として、常温常圧(23度、1atm)におい
て液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内で
あり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有す
るエポキシド化合物を用い、これを基材上に真空中で成
膜する成膜工程と、上記成膜されたモノマーに対し、活
性照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を形成する重
合工程とを有することを特徴とする積層体の製造方法を
提供する。
【0044】本発明によれば、基材上に極めて平滑な表
面を有する樹脂薄膜層を形成することができるので、例
えばその上に無機酸化物の蒸着層を積層させることによ
り欠陥の少ない蒸着層とすることが可能となり、ガスバ
リア性を向上させることができる等の利点を有する積層
体を製造することができる。
【0045】本発明によれば、請求項20に記載するよ
うに、原料として、常温常圧(23度、1atm)にお
いて液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内
であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有
するエポキシド化合物と、常温常圧(23度、1at
m)において液体であり、平均分子量が50〜5000
の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つの電子供
与性の官能基を有する重合剤とを用い、これを基材上に
真空中で成膜する成膜工程と、上記成膜されたモノマー
に対し、活性照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を
形成する重合工程とを有することを特徴とする積層体の
製造方法を提供する。
【0046】本発明によれば、基材上に極めて平滑な表
面を有する樹脂薄膜層を形成することができる利点に加
えて、樹脂薄膜層のエポキシ化合物の諸物性が良好であ
る等の利点を有する積層体を製造することができる。
【0047】上記請求項19または請求項20に記載の
発明においては、請求項21に記載するように、上記成
膜工程が、フラッシュ蒸着法により行われることが好ま
しい。常温で液状の原料を用いた場合には、極めて有効
な蒸着手段であるからである。
【0048】上記請求項19から請求項21までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項22
に記載するように、基材上に上記樹脂薄膜層を形成する
工程を施した後、無機酸化物を真空成膜法により蒸着さ
せる蒸着工程を行うものであっても、請求項23に記載
するように、基材上に無機酸化物を真空成膜法により蒸
着させる蒸着工程を行い、次いで上記樹脂薄膜層を形成
する工程を施すものであってもよい。
【0049】先に樹脂薄膜層を形成した場合は、平滑化
された樹脂薄膜層表面に無機酸化物の蒸着層を堆積させ
るものであるので、蒸着層中の欠陥の発生を少なくする
ことが可能となり、その結果ガスバリア性を向上させる
ことができるからであり、先に無機酸化物からなる蒸着
層を成膜し、その後樹脂薄膜を成膜した場合は、最外層
が極めて平滑な面を有するガスバリア性を有する積層体
とすることができるので、ガスバリア性と表面の平滑性
を要求される、例えば有機EL素子の基板等に好適に用
いることができる積層体を製造することができるからで
ある。また、樹脂薄膜層が蒸着層の応力を緩和し、変形
による蒸着層の欠陥を抑制するため、可撓性の高いガス
バリア性フィルムが得ることが可能となる。
【0050】上記請求項19から請求項23までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項24
に記載するように、上記真空成膜法が、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、またはプラズマCVD法
のいずれかであることが好ましい。ガスバリア性の高い
無機酸化物の蒸着層を成膜することができるからであ
る。
【0051】
【発明の実施の形態】まず、本発明に含まれる積層体に
ついて説明し、その後本発明に含まれる積層体の製造方
法について説明する。
【0052】A.積層体 本発明の積層体は、基材と、上記基材の少なくとも片面
に形成されたエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層とを有
するものである。なお、本発明においては、上記樹脂薄
膜層は基材上に直に成膜された場合に限定されるもので
はなく、基材上に、例えば後述するような無機酸化物か
らなる蒸着層が形成された上に成膜されたような場合も
含む旨である。以下、このような本発明の積層体につい
て、まず特徴部分である樹脂薄膜層について説明し、次
いで基材およびその他の構成について説明する。
【0053】1.樹脂薄膜層 本発明における樹脂薄膜層は、上述したようにエポキシ
化合物で構成されている点に大きな特徴を有するもので
あり、そしてさらにこのエポキシ化合物からなる樹脂薄
膜層は、製造面および形態面においてそれぞれ特徴を有
するものである。
【0054】まず製造面においては、真空中で成膜され
たエポキシ化合物からなるものである点に特徴を有する
ものである。本発明においては、このように樹脂薄膜層
が真空中で成膜されたエポキシ化合物から構成されてい
るので、まず表面の平滑性に極めて優れた積層体とする
ことができるのである。また、表面に被覆された樹脂薄
膜層がエポキシ化合物で構成されていることから、表面
の耐熱性、耐薬品性、さらには機械的強度に優れた表面
を有する積層体とすることができるといった利点を有す
るものである。以下、このような樹脂薄膜層を第1実施
態様として説明する。
【0055】一方、形態面では、上記エポキシ化合物か
らなる樹脂薄膜層の表面平均粗さが4nm以下である点
を挙げることができる。本発明においては、このように
極めて凹凸の少ない表面であることから、例えばこの樹
脂薄膜層表面に無機酸化物を成膜することにより、ガス
バリア性の良好なガスバリア膜とすることができる等の
種々の利点を有する積層体とすることができるのであ
る。以下、このような樹脂薄膜層を第2実施態様として
説明する。
【0056】なお、本発明において「エポキシ化合物」
とは、エポキシ基の開環反応により重合して形成される
化合物を示すものである。
【0057】(1)第1実施態様 本実施態様において基材上に形成される樹脂薄膜層は、
真空中で成膜されたエポキシ化合物である点に特徴を有
するものである。
【0058】本実施態様において、このエポキシ化合物
からなる樹脂薄膜層の製造方法は真空中で成膜されたも
のであれば特に限定されるものではないが、一般的には
後述する「積層体の製造方法」の欄で説明するフラッシ
ュ蒸着法を用いて成膜されたものであることが好まし
い。
【0059】本発明のエポキシ化合物からなる樹脂薄膜
層は、エポキシド化合物が重合されて形成されたもので
あることが好ましい。このように特に重合剤等を用いる
ことなくエポキシド化合物を重合させたものであれば、
成膜に際して2成分系の装置とする必要がないので、装
置の簡略化を図ることができる。また、真空装置内に導
入する物質が1種類となるので、製造条件の設定等が比
較的容易であり、製造に手間がかからないといった利点
を有するものである。
【0060】このようにエポキシド化合物のみでエポキ
シ化合物からなる樹脂薄膜層が形成できるのは、熱によ
り反応しやすい官能基を有しているという理由によるも
のである。
【0061】このようなエポキシド化合物としては、特
に限定されるものではないが、常温常圧(23℃、1a
tm)において液状である化合物が好適に用いられる。
このような化合物であれば、フラッシュ蒸着法により平
滑な成膜が可能となるからである。
【0062】また、本発明に用いられるエポキシド化合
物としては分子量が50〜5000の範囲内、特に80
〜2000の範囲内であることが好ましい。上記範囲よ
り分子量が小さい場合は、蒸気圧が非常に高く、真空中
で蒸着される前に真空ポンプにより排気されてしまうと
いった問題があり、上記範囲より分子量が大きい場合
は、エポキシド化合物の粘度が高くなりすぎ、配管を詰
まらせる等の問題が生じやすいことから好ましくない。
【0063】さらに、本発明に用いられるエポキシド化
合物は、化合物内に少なくとも2個以上のエポキシ基を
有するものであることが好ましい。2個以上のエポキシ
基を有することにより、成膜に際しての高分子化を容易
とすることが可能となり、諸特性に優れたエポキシ化合
物とすることができるからである。
【0064】このようなエポキシド化合物としては、例
えば下記の一般式(1)で表される化合物、下記の一般
式(2)で表される化合物、ネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、下記の
一般式(3)で表される水添ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、下記の一般式(4)で表されるビスフェ
ノールAP02mol付加物ジグリシジルエーテル、お
よび下記の一般式(5)で表される2,2−ジブロモネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテルを挙げるこ
とができる。
【0065】
【化21】
【0066】(mは1から8の整数である。)
【0067】
【化22】
【0068】(nは1から7の整数である。)
【0069】
【化23】
【0070】
【化24】
【0071】
【化25】
【0072】ここで、上記の一般式(1)で表される化
合物として、具体的にはエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコール♯200ジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコール♯400ジグリシジルエ
ーテルを挙げることができ、上記の一般式(2)で表さ
れる化合物として、具体的にはプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、トリプロピレングリコール#40
0ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテルが挙げられる。
【0073】上記のエポキシド化合物の中でも好ましい
物質としてグリセリンジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、下記の一般式
(3)で表される水添ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル、下記の一般式(4)で表されるビスフェノール
AP02mol付加物ジグリシジルエーテル、下記の一
般式(5)で表される2,2−ジブロモネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテル等を挙げることができ
る。
【0074】
【化26】
【0075】
【化27】
【0076】
【化28】
【0077】また、本発明のエポキシ化合物からなる樹
脂薄膜層は、エポキシド化合物および重合剤が重合され
て形成されたものであってもよい。この場合は、樹脂薄
膜層となるエポキシ化合物が高分子化されやすいことか
ら、より物性面、すなわち耐熱性、耐薬品性、さらには
機械的な強度等の特性が向上するからである。
【0078】この場合、用いることができる重合剤とし
ては、特に限定されるものではないが、常温常圧(23
℃、1atm)において液状である化合物が好適に用い
られる。このような化合物であれば、フラッシュ蒸着法
を用いることが可能となり、平滑な成膜が可能となるか
らである。
【0079】また、本発明に用いられる重合剤として
は、分子量が50〜5000の範囲内、特に80〜20
00の範囲内であることが好ましい。上記範囲より分子
量が小さい場合は、蒸気圧が非常に高く、真空中で蒸着
される前に真空ポンプにより排気されてしまうといった
問題があり、上記範囲より分子量が大きい場合は、重合
剤の粘度が高くなりすぎ、配管を詰まらせる等の問題が
生じやすいことから好ましくない。
【0080】さらに、本発明に用いられる重合剤は、化
合物内に少なくとも2個以上の電子供与性の官能基を有
するものであることが好ましい。2個以上の電子供与性
の官能基を有することにより、エポキシ基との重合によ
る高分子化を容易とすることが可能となり、諸特性に優
れたエポキシ化合物とすることができるからである。
【0081】この場合の電子供与性の官能基としては、
例えば水酸基、アミノ基、イソシアネート基、もしくは
アルコキシシラン基等を挙げることができ、中でも水酸
基、アミノ基であることが好ましい。
【0082】このような重合剤としては、ジアミン化合
物、トリアミン化合物、ジオール化合物、トリオール化
合物、およびジアルコキシド化合物等が挙げられ、具体
的には、1,4−ジアミノベンゼン、ο−キシレン、m
−キシレン、p−キシレン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
4,4′−ジオールジフェニルエーテル、4,4′−ジ
オールジフェニルメタンを挙げることができ、中でも
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、4,4′−ジオールジフェニ
ルエーテル、4,4′−ジオールジフェニルメタン等を
挙げることができる。
【0083】また、この場合用いられるエポキシド化合
物は上述したものと同様であるので、ここでの説明は省
略する。
【0084】本実施態様における上記樹脂薄膜層の膜厚
は、用いられる用途や、基材の種類、樹脂薄膜層形成に
際して用いたモノマーの種類、樹脂薄膜層の形成方法等
により大幅に異なるものではあるが、一般的には5〜2
000nmの範囲内であり、特に10nm〜1000n
mの範囲内とすることが好ましい。上記範囲より膜厚が
薄い場合は、樹脂薄膜層を形成することにより平滑性を
得ることが困難である可能性が生じるからであり、ま
た、平滑性を得る上では上記上限を超える必要性があま
りなく、材料コスト面、生産効率面の問題が生じる可能
性があるからである。
【0085】(2)第2実施態様 本発明に用いられる樹脂薄膜層の第2実施態様は、上記
エポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の表面平均粗さが4
nm以下、中でも3nm以下であるエポキシ化合物から
なる樹脂薄膜層である。本実施態様のエポキシ化合物か
らなる樹脂薄膜層はその表面がこのような従来にない極
めて平滑な面であることから、例えばこの樹脂薄膜層表
面に無機酸化物を成膜することにより、ガスバリア性の
良好なガスバリア膜とすることができ、また平滑性が必
要とされる記録媒体の基材としての用途等の種々の用途
に用いることができる。
【0086】本実施態様における表面平均粗さの値とし
ては、セイコーインスツルメント製原子間力顕微鏡(S
TM)を用い、100μMスキャン範囲、135sec
/flameの条件により決定された値を用いることと
する。
【0087】また、このようなエポキシ化合物からなる
樹脂薄膜層を形成する方法は、特に限定されるものでは
なく、例えば湿式法を用いて形成されたものであっても
よい。しかしながら、スプレー法やスピンコ−ト法等の
湿式法では、分子レベル(nmレベル)の平滑性を得る
ことが難しく、また溶剤を使用するため、電子デバイス
用途には不向きである等の欠点がある。本発明において
は、均一な膜で、かつ表面の平滑性を比較的容易に得る
ことができるといった観点から、真空中で成膜されたも
のであることが好ましい。そして、本発明においては、
特に上述したようなエポキシド化合物、もしくはエポキ
シド化合物および重合剤を用いることが可能なフラッシ
ュ蒸着法が好適に用いられる。このフラッシュ蒸着法に
関しては、後述する「積層体の製造方法」において説明
するが、例えば特許第2996516号等において開示
されている方法等を用いることができる。
【0088】このようなエポキシ化合物からなる樹脂薄
膜層は、特に限定されるものではないが、上記第1実施
態様において説明した材料を用いることができる。な
お、本実施態様の樹脂薄膜層の好適な材料、特性、膜厚
等に関しては、上記第1実施態様と同様であるので、こ
こでの説明は省略する。
【0089】2.基材 本発明に用いられる基材としては、樹脂等の有機物であ
っても、ガラス等の無機物であってもよく、また用いる
用途に応じて透明なものであっても不透明なものであっ
てもよい。しかしながら、例えば包装材、さらには有機
EL素子等の画像表示装置の基板などの用途面を考慮す
ると、基材はプラスチック材料であり、かつ透明なフィ
ルムであることが好ましい。
【0090】このような樹脂製のフィルム基材の例とし
ては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリエーテルサルホンフィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィ
ルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
【0091】基材は、延伸、未延伸のどちらでも良く、
また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。この
中で、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフ
タレートが包装用途において好ましく用いられる。また
ポリエ−テルサルホンフィルムが耐溶剤性が良く、ポリ
カーボネートフィルムが耐熱性が良く、電子デバイス用
途において好ましく用いられる。この基材の樹脂薄膜層
が設けられる面もしくは反対側の表面に、周知の種々の
添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可
塑剤、滑剤などを塗布した薄膜を形成していても良い。
【0092】さらに、樹脂薄膜層、もしくは後述する無
機酸化物の蒸着層との密着性を良くするために、基材の
表面を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イ
オンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などを施して
も良い。
【0093】基材の厚さは、包装用途の場合とくに制限
を受けるものではなく、包装材料としての適性を考慮し
て、単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層し
たフィルムを使用できる。しかしながら、樹脂薄膜層や
後述する無機酸化物からなる蒸着層を形成する場合の加
工性を考慮すると、実用的には3〜400μmの範囲が
好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
【0094】電子デバイス用途の場合、現在の状況下に
おいてはガラス基板の代替ということもあり、ガラス基
板仕様で作製された後工程機器に合わせるため、比較的
厚い100〜800μmの範囲、特に100〜400μ
mの範囲が好ましいが、技術の進歩とともに、基板の軽
量化フレキシブル化、低コスト化が期待される3〜10
0μmも範囲になると考えられる。
【0095】また、量産性を考慮すれば、連続的に上記
各層を形成できるように長尺の連続フィルムとすること
が望ましい。
【0096】3.無機酸化物からなる蒸着層 本発明においては、上述した基材上に上記樹脂薄膜層の
他に、真空成膜法により形成された無機酸化物からなる
蒸着層を形成してもよい。このように無機酸化物からな
る蒸着層を形成して上記樹脂薄膜層と積層することによ
り、高いガスバリア性を有する積層体とすることができ
るからである。
【0097】本発明においては、基材上に上述したよう
なエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成し、その表
面に無機酸化物からなり真空成膜法により成膜された蒸
着層を形成するようにしてもよく、また基材上に無機酸
化物からなり真空成膜法により成膜された蒸着層を形成
し、その上に上述したようなエポキシ化合物からなる樹
脂薄膜層を形成するようにしてもよい。
【0098】基材上に先にエポキシ化合物からなる樹脂
薄膜層を形成する場合は、真空成膜法により形成された
無機酸化物からなる蒸着層が極めて平滑な面を有する樹
脂薄膜層上に形成されることから、蒸着層に下地の凹凸
に起因する欠陥が生じることがないため、極めて良好な
ガスバリア性が得られるという利点を有する。
【0099】一方、無機酸化物からなる蒸着層上に樹脂
薄膜層を形成する場合は、表面を平滑化することが可能
となるため、この上に何らかの機能層、例えば有機EL
素子における発光層等を形成する場合でも、ダークスポ
ットが生じるといったような不具合が生じる可能性を低
減することができる。また、表面に耐熱性や耐薬品性が
良好であり、機械的な強度も大きいエポキシ化合物から
なる樹脂薄膜層が形成されたものであるので、積層体表
面の耐熱性や耐薬品性を向上させることが可能であり、
かつ例えば表面に傷が付き難い等の利点を有するもので
ある。
【0100】本発明においては、このエポキシ化合物か
らなる樹脂薄膜層と無機酸化物からなる蒸着層とを繰り
返し積層することが好ましい。具体的にはガスバリア性
の観点から上記蒸着層が少なくとも2回積層されること
が好ましいことから3層〜10層の範囲内、特に3層〜
6層の範囲内で積層することが好ましい。上記範囲より
少ない場合は、蒸着層のガスバリア性能にもよるが、十
分なガスバリア性が得られない可能性があることから好
ましくなく、上記範囲を超えて積層しても、ガスバリア
性が改良されるものではなく、むしろ全体的な膜厚の増
加に伴うデメリット、例えばクラックの発生等が生じる
可能性があることから好ましくない。
【0101】本発明においては、基材上に平滑性を付与
する目的で、まず基材上に樹脂薄膜層を形成し、次いで
無機酸化物からなる蒸着層と樹脂薄膜層とをこの順で複
数回積層した後、最表面を樹脂薄膜層とするような積層
体が好ましい。基材上にエポキシ化合物からなる樹脂薄
膜層を形成することにより無機酸化物からなる蒸着層を
平滑な面上に形成することが可能となり、ガスバリア性
が向上し、さらに最表面に樹脂薄膜層を形成することに
より、積層体表面を平滑化することが可能となり、有機
EL素子の基板等に用いる場合に好ましく、さらに上述
したように積層体表面における耐熱性、耐薬品性等の特
性の向上を図ることができるからである。
【0102】このような無機酸化物からなる蒸着層は、
透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有す
るものであれば特に限定されるものではない。具体的に
は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化窒化珪素、ある
いはそれらの混合物などを挙げることができる。本発明
においては、中でも高いガスバリア性を有する点から、
酸化珪素もしくは酸化窒化珪素を用いることが好まし
い。
【0103】このような無機酸化物からなる蒸着層の膜
厚は、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条
件が異なるが、一般的には5〜500nmの範囲内が望
ましく、中でも10〜200nmの範囲内であることが
好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は均一な膜が得
られない可能性があり、またガスバリア材としての機能
を十分に果たすことができない場合があることから好ま
しくない。また膜厚が上記範囲を越える場合は薄膜にフ
レキシビリティを保持させることができない可能性があ
り、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因によ
り、薄膜に亀裂を生じるおそれがあることから好ましく
ない。
【0104】本発明においては、このような積層体をガ
スバリア性フィルムとして用いることが好ましい。そし
て、このようなガスバリア性フィルムの酸素透過率が、
1cc/m/day以下であり、特に好ましくは0.
5cc/m/day以下であり、水蒸気透過率が、1
g/m/day以下であり、特に好ましくは0.5g
/m/day以下であることが好ましい。酸素透過率
および水蒸気透過率を上記の範囲内とすることにより、
内容物の品質を変化させる原因となる酸素と水蒸気を殆
ど透過させないので、高いガスバリア性が要求される用
途に好ましく用いることができるからである。なお、上
記値は、基材として樹脂、特にプラスチック製フィルム
を用いた場合の値である。
【0105】B.積層体の製造方法 次に、本発明に含まれる積層体の製造方法について説明
する。この積層体の製造方法は、重合剤を用いるか否か
により大きく二つの態様に分けることができる。以下、
重合剤を用いない場合(第3実施態様)について先に説
明し、次いで重合剤を用いる場合(第4実施態様)につ
いて説明する。
【0106】1.第3実施態様 本実施態様は、原料として、常温常圧(23度、1at
m)において液体であり、平均分子量が50〜5000
の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキ
シ基を有するエポキシド化合物を用い、これを基材上に
真空中で成膜する成膜工程と、上記成膜されたモノマー
に対し、活性照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を
形成する重合工程とを有することを特徴とする積層体の
製造方法である。
【0107】ここで、エポキシド化合物に関しては、上
記「A.積層体」の欄で説明したものと同様であるの
で、ここでの説明は省略する。
【0108】まず、上記成膜工程においては、このよう
なエポキシド化合物を、高真空中で加熱気化させ、基材
上に堆積・成膜させる工程である。次いで、基材上に成
膜されたエポキシド化合物に対し、活性照射線を照射し
て重合させて樹脂薄膜層を形成する重合工程が行われ
る。ここで用いられる活性照射線とは、エポキシド化合
物を重合させることができるものであれば特に限定され
るものではないが、通常は電子線、紫外線、ガンマ線等
が好適に用いられる。
【0109】また、大気解放後、得られた積層体をオー
ブン等の加熱処理器に入れ、反応促進処理を行ってもよ
い。
【0110】本発明においては、このような基材上に樹
脂薄膜層を形成する工程を行う前、もしくは行った後
に、真空成膜法により無機酸化物からなる蒸着層を形成
する蒸着工程が行われてもよい。この蒸着工程は、通常
行われている種々の真空成膜法により形成することがで
きるが、基材が樹脂である等の熱的なダメージを受けや
すい基材が用いられている場合は、スパッタリング法や
イオンプレーティング法、プラズマCVD法などの基材
に熱的なダメージを与えない真空成膜法を選択すること
が好ましい。このような蒸着工程を行うことにより、ガ
スバリア性を有する積層体を得ることができる。
【0111】なお、上記無機酸化物の種類や蒸着層の膜
厚等の事項、さらに得られるガスバリア性を有する積層
体に関する事項については、上記「A.積層体」で説明
した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0112】本発明においては、上記成膜工程において
樹脂薄膜層を形成する方法が、フラッシュ蒸着法である
ことが好ましい。このフラッシュ蒸着法に関しては、例
えば特許第2996516号等において開示されてい
る。
【0113】具体的には、液体状のモノマー(エポキシ
ド化合物)を容器内に投入し、その容器からフラッシュ
蒸着装置内にポンプ輸送する。上記フラッシュ蒸着装置
内をモノマーの沸点よりも高いが分解点・反応点より低
い温度に維持し、超音波アトマイザーを用いて霧状に維
持する。これにより、基材上へモノマーを噴霧する。基
材は冷却されており、基材表面に付着したモノマーは凝
集する。
【0114】このようなフラッシュ蒸着法を組み込んだ
積層体の製造装置について、以下に図面を用いて簡単に
説明する。
【0115】図1は、ウェブ状のプラスチックフィルム
表面上に、上記フラッシュ蒸着法によりエポキシ化合物
からなる樹脂薄膜層を形成し、さらに真空成膜法により
酸化珪素膜を形成し、さらにその上にフラッシュ蒸着法
によりエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成するこ
とにより連続的に積層体を形成するための装置の概略を
示すものである。
【0116】ウェブ状のプラスチックフィルム1は、冷
却ドラム2に巻回されて、まず第1モノマー供給装置3
からエポキシド化合物が供給された第1超音波アトマイ
ザー4により、その表面にエポキシド化合物がフラッシ
ュ蒸着される。次いで、フラッシュ蒸着されたエポキシ
ド化合物を第1EB照射装置5によりEBを照射して硬
化させる。次いで、冷却ドラム2の回転により移動した
後、酸化珪素膜を成膜するためのCVD装置6により、
上記硬化された樹脂薄膜層上に酸化珪素の蒸着層を形成
する。さらに、冷却ドラム2の回転により移動した後、
第2モノマー供給装置7によりエポキシド化合物が供給
された第2超音波アトマイザー8によりエポキシド化合
物がフラッシュ蒸着される。そして最後に、第2EB照
射装置9によりEBを照射して、酸化珪素膜上のエポキ
シド化合物を硬化させてエポキシ化合物からなる樹脂薄
膜層を形成する。
【0117】このようにして、樹脂フィルム上にエポキ
シ化合物からなる樹脂薄膜層、酸化珪素膜(蒸着層)、
およびエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の順で積層さ
れた積層体、具体的にはガスバリア性フィルムを得るこ
とができる。
【0118】2.第4実施態様本実施態様は、原料とし
て、常温常圧(23度、1atm)において液体であ
り、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ
分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するエポキシ
ド化合物と、常温常圧(23度、1atm)において液
体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であ
り、かつ分子内に少なくとも二つの電子供与性の官能基
を有する重合剤とを用い、これを基材上に真空中で成膜
する成膜工程と、上記成膜されたモノマーに対し、活性
照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を形成する重合
工程とを有することを特徴とする積層体の製造方法であ
る。
【0119】ここで、エポキシド化合物および重合剤に
関しては、上記「A.積層体」の欄で説明したものと同
様であるので、ここでの説明は省略する。
【0120】本実施態様の特徴は、エポキシ化合物から
なる樹脂薄膜層を、エポキシド化合物および重合剤を用
いて、真空中において成膜する点にある。このように重
合剤を用いることにより、得られるエポキシ化合物から
なる樹脂薄膜層の特性を向上させることができるといっ
た利点を有するものである。
【0121】本実施態様においても、上記樹脂薄膜層の
形成方法としては、フラッシュ蒸着法が好適に用いられ
る。また、真空成膜法により無機酸化物からなる蒸着層
が形成されること、および形成される位置等に関しても
上記第3実施態様と同様であるので、ここでの説明は省
略する。さらに、本実施態様の積層体の製造方法を行う
ための装置としては、上記図1におけるアトマイザーが
2成分系となった装置を用いることができる。
【0122】本実施態様においては、このようにエポキ
シド化合物および重合剤を用いて、真空中において成膜
する成膜工程の後、第3実施態様と同様にして活性照射
線を照射する樹脂薄膜層を形成する重合工程が行われ
る。この際の活性照射線の種類等に関する点は、全て上
記第3実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略
する。
【0123】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0124】
【実施例】以下、本発明の積層体について、実施例を挙
げて具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に
限定されるものではない。
【0125】[実施例1]基材として、厚さ100μm
の2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(東洋紡績社製
PET、商品名:A−4100)フィルムを用意した。
チャンバー内の真空度を4.0×10−3Paに減圧し
た。エポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の原材料とし
て、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル(関東
化学社製)、1,3−ジアミノプロパン(東京化成社
製)を準備した。
【0126】フラッシュ蒸着法により厚さ500nmの
透明エポキシ層(樹脂薄膜層)を形成した。次いで、C
VD電極に90kHzの周波数を有する電力(投入電
力:300W)を印加した。ヘキサメチルジシロキサン
(HMDSO)、酸素ガス、ヘリウムガスをそれぞれ所
定量(ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム
=10:30:30(sccm))導入した。その際の
真空度を30Paに制御した。それにより、プラズマ気
相成長法(CVD法)により酸化珪素の薄膜を100n
m形成し実施例1の積層体を得た。
【0127】[比較例1]樹脂薄膜層を形成しなかった
以外は、実施例1と同様にして比較例1の積層体を得
た。
【0128】[実施例2]実施例1で作成した積層体の
酸化珪素膜表面に、さらに同様にして厚さ500nmの
透明エポキシ層(樹脂薄膜層)を形成して実施例2の積
層体を得た。
【0129】[評価方法] ・酸素透過度:酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製:
OX−TRAN2/20)を用い、23℃90%Rhの
条件で測定した。 ・水蒸気透過度:水蒸気透過率測定装置(MOCON社製:
PERMATRAN3/31)を用い、37.8℃10
0%Rhの条件で測定した。 ・表面平滑性:原子間力顕微鏡(セイコ−インストゥル
メンツ製ナノピクス)を用い、100μMスキャン範囲
・135sec/flameの条件で測定し、平均粗さ
Raを求めた。
【0130】上記評価方法により評価した各積層体の結
果を表1にまとめる
【0131】
【表1】
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、表面平均粗さが4nm
以下であることから、平滑性が要求される種々の用途、
例えば有機EL素子の基板等に用いた場合でも、ダーク
スポットの発生等の不具合が生じない。また、このよう
な平滑な面の表面に無機酸化物を蒸着させることによ
り、欠損部分の少ない均質な蒸着層を堆積することがで
きるので、よりガスバリア性の高いガスバリアフィルム
を得ることができる。さらに、樹脂薄膜層がエポキシ化
合物からなるものであることから、耐熱性、機械的強
度、さらには耐薬品性等の諸特性の良好な積層体とする
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体を製造する製造装置の一例を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 … プラスチックフィルム 4 … 第1超音波アトマイザー 5 … 第1EB照射装置 6 … CVD装置 8 … 第2超音波アトマイザー 9 … 第2EB照射装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17C AA20C AA40C AD05C AK01A AK53B AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C CA02B EH66B EH66C EH661 EH662 EJ081 EJ082 EJ521 EJ522 GB15 JA07B JB01 JD03 JD04 JJ03 JK01 JK15B JK15K JM02B JM02C YY00 YY00B YY00C

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、前記基材の少なくとも片面に積
    層され、表面平均粗さが4nm以下であるエポキシ化合
    物からなる樹脂薄膜層とを有することを特徴とする積層
    体。
  2. 【請求項2】 前記樹脂薄膜層が、真空中で成膜された
    ものであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 【請求項3】 基材と、前記基材の少なくとも片面に真
    空中で成膜されたエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層と
    を有することを特徴とする積層体。
  4. 【請求項4】 前記樹脂薄膜層が、エポキシド化合物を
    重合させて形成されたものであることを特徴とする請求
    項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の積層
    体。
  5. 【請求項5】 前記エポキシド化合物が、常温常圧(2
    3度、1atm)において液体であり、平均分子量が5
    0〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも
    二つのエポキシ基を有することを特徴とする請求項4に
    記載の積層体。
  6. 【請求項6】 前記エポキシド化合物が、下記の一般式
    (1)で表される化合物、下記の一般式(2)で表され
    る化合物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
    ル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
    グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
    パントリグリシジルエーテル、下記の一般式(3)で表
    される水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、下
    記の一般式(4)で表されるビスフェノールAP02m
    ol付加物ジグリシジルエーテル、および下記の一般式
    (5)で表される2,2−ジブロモネオペンチルグリコ
    ールジグリシジルエーテルからなる群から選択される少
    なくとも一つのエポキシド化合物であることを特徴とす
    る請求項5に記載の積層体。 【化1】 (mは1から8までの整数である。) 【化2】 (nは1から7までの整数である。) 【化3】 【化4】 【化5】
  7. 【請求項7】 前記樹脂薄膜層が、エポキシド化合物お
    よび重合剤を重合させて形成されたものであることを特
    徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項
    に記載の積層体。
  8. 【請求項8】 前記エポキシド化合物が、常温常圧(2
    3度、1atm)において液体であり、平均分子量が5
    0〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも
    二つのエポキシ基を有するものであり、前記重合剤が常
    温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均
    分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に
    少なくとも二つの電子供与性の官能基を有するものであ
    ることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
  9. 【請求項9】 前記エポキシド化合物が、下記の一般式
    (1)で表される化合物、下記の一般式(2)で表され
    る化合物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
    ル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
    グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
    パントリグリシジルエーテル、下記の一般式(3)で表
    される水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、下
    記の一般式(4)で表されるビスフェノールAP02m
    ol付加物ジグリシジルエーテル、および下記の一般式
    (5)で表される2,2−ジブロモネオペンチルグリコ
    ールジグリシジルエーテルからなる群から選択される少
    なくとも一つのエポキシド化合物であり、前記重合剤が
    ジアミン化合物、トリアミン化合物、ジオール化合物、
    トリオール化合物、およびジアルコキシド化合物からな
    る群から選択される少なくとも一つの重合剤であること
    を特徴とする請求項8に記載の積層体。 【化6】 (mは1から8までの整数である。) 【化7】 (nは1から7までの整数である。) 【化8】 【化9】 【化10】
  10. 【請求項10】 前記樹脂薄膜層の膜厚が、5〜200
    0nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請
    求項9までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  11. 【請求項11】 前記基材上に無機酸化物からなり真空
    成膜法により形成された蒸着層が形成され、さらに前記
    樹脂薄膜層が形成されていることを特徴とする請求項1
    から請求項10までのいずれかの請求項に記載の積層
    体。
  12. 【請求項12】 前記基材上に前記樹脂薄膜層が形成さ
    れ、さらに無機酸化物からなり真空成膜法により形成さ
    れた蒸着層が積層されていることを特徴とする請求項1
    から請求項10までのいずれかの請求項に記載の積層
    体。
  13. 【請求項13】 前記蒸着層および前記樹脂薄膜層が2
    層〜10層の範囲内で積層されていることを特徴とする
    請求項11または請求項12に記載の積層体。
  14. 【請求項14】 前記無機酸化物からなる蒸着層が、酸
    化珪素もしくは酸化窒化珪素からなる蒸着層であること
    を特徴とする請求項11から請求項13までのいずれか
    の請求項に記載の積層体。
  15. 【請求項15】 前記蒸着層の膜厚が、5〜500nm
    の範囲内であることを特徴とする請求項11から請求項
    14までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  16. 【請求項16】 前記基材が、樹脂製フィルムであるこ
    とを特徴とする請求項11から請求項15までのいずれ
    かの請求項に記載の積層体。
  17. 【請求項17】 前記請求項15に記載の積層体を有す
    ることを特徴とするガスバリア性フィルム。
  18. 【請求項18】 酸素透過率が1.0cc/m/da
    y以下であり、水蒸気透過率が、1.0g/m/da
    y以下であることを特徴とする請求項17に記載のガス
    バリア性フィルム。
  19. 【請求項19】 原料として、常温常圧(23度、1a
    tm)において液体であり、平均分子量が50〜500
    0の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポ
    キシ基を有するエポキシド化合物を用い、これを基材上
    に真空中で成膜する成膜工程と、 前記成膜されたモノマーに対し、活性照射線を照射して
    重合させ、樹脂薄膜層を形成する重合工程とを有するこ
    とを特徴とする積層体の製造方法。
  20. 【請求項20】 原料として、常温常圧(23度、1a
    tm)において液体であり、平均分子量が50〜500
    0の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポ
    キシ基を有するエポキシド化合物と、常温常圧(23
    度、1atm)において液体であり、平均分子量が50
    〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二
    つの電子供与性の官能基を有する重合剤とを用い、これ
    を基材上に真空中で成膜する成膜工程と、 前記成膜されたモノマーに対し、活性照射線を照射して
    重合させ、樹脂薄膜層を形成する重合工程とを有するこ
    とを特徴とする積層体の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記成膜工程が、フラッシュ蒸着法に
    より行われることを特徴とする請求項19または請求項
    20に記載の積層体の製造方法。
  22. 【請求項22】 基材上に前記樹脂薄膜層を形成する工
    程を施した後、無機酸化物を真空成膜法により蒸着させ
    る蒸着工程を行うことを特徴とする請求項19から請求
    項21までのいずれかの請求項に記載の積層体の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 基材上に無機酸化物を真空成膜法によ
    り蒸着させる蒸着工程を行い、次いで前記樹脂薄膜層を
    形成する工程を施すことを特徴とする請求項19から請
    求項21までのいずれかの請求項に記載の積層体の製造
    方法。
  24. 【請求項24】 前記真空成膜法が、スパッタリング
    法、イオンプレーティング法、またはプラズマCVD法
    のいずれかであることを特徴とする請求項19から請求
    項23までのいずれかの請求項に記載の積層体の製造方
    法。
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