JP4014931B2 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材上にエポキシ化合物からなる樹脂製の薄膜を形成することにより、その表面を平滑化した積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品や非食品及び医薬品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これら気体を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
【0003】
そのため従来から、温度・湿度などによる影響が少ないアルミ等の金属からなる金属箔やそれらの金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルムやこれらの樹脂をコーティングしたものがガスバリア層として一般的に包装材料に用いられてきた。
【0004】
ところが、アルミ等の金属からなる金属箔やそれらの金属蒸着フィルムを用いた包装材料は、ガスバリア性に優れるが、包装材料を透視して内容物を確認することができない、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならない、検査の際金属探知器が使用できないなどの欠点を有し問題があった。またガスバリア性樹脂フィルムやそれらをコーティングしたフィルムは、温湿度依存性が大きく高度なガスバリア性を維持できない、さらにポリ塩化ビニリデンやポリアクリロニトリル等は廃棄・焼却の際に有害物質の原料となりうる可能性があるなどの問題がある。
【0005】
また、電子デバイスの分野においては、電子デバイス用基板として従来、Siウエハやガラスなどの無機材料が広く用いられてきた。ところが、近年、製品の軽量化、基板のフレキシブル化、低コスト化、ハンドリング特性などの様々な理由から高分子基板が望まれるようになっている。しかしながら、高分子材料は、ガラスなどの無機材料と比較した場合、ガスの透過性が著しく大きいという問題を有している。
【0006】
このため、電子デバイス用基板として高分子基板を用いた場合には、高分子基板を透過して電子デバイス内に侵入・拡散した酸素によりデバイスが酸化して劣化してしまうといった問題や、電子デバイス内の必要な真空度を維持できない、等の問題がある。
【0007】
例えば、特開平2−251429号公報や特開平6−124785号公報では、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板として高分子フィルムが用いられている。しかしながら、これらの有機EL素子の場合は、基板である高分子フィルムを透過して有機EL素子内に侵入する酸素や水蒸気により有機膜が劣化してしまうため、発光特性が不十分となり、また、耐久性に不安がある、等の問題が考えられる。
【0008】
すなわち、上述したように、種々の分野において十分なガスバリア性を有し、そのガスバリア性によりガスバリア対象物の良好な品質を確保することが可能な、優れたガスバリア性能を備えた高分子フィルムは確立されていない。
【0009】
このような高分子フィルム上に酸化珪素膜等の無機酸化物の蒸着膜を成膜してガスバリアフィルムとする場合の問題点の一つとして、高分子フィルム表面の平滑性の問題がある。一般に高分子フィルム上には微細な凹凸があり、この上に無機酸化物を真空成膜法により成膜した場合に、この微細な凹凸上に成膜したことに起因する欠陥が蒸着膜内に発生し、ガスバリア性を低下させてしまうといった問題が指摘されている。
【0010】
また、例えば有機EL素子等においては、発光層を形成する面に平坦性がない場合に、ブラックスポットが発生してしまうといった不都合があり、このように種々の機能性素子において、表面の平滑性が求められている。特に、可撓性を付与するために、高分子フィルム上に機能性素子を形成する場合等においては、樹脂製フィルム上の凹凸が問題となり、このような凹凸を平滑化する手段が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、表面が平滑であることから種々の用途に用いることが可能であり、また無機酸化物の蒸着層と共に用いることにより、ガスバリア性を向上させることができる積層体を提供することを主目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、基材と、前記基材の少なくとも片面に積層され、表面平均粗さが4nm以下であるエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層とを有することを特徴とする積層体であって、前記基材上に前記樹脂薄膜層が形成され、前記樹脂性薄膜層上に無機酸化物からなり真空成膜法により形成された蒸着層が積層されていることを特徴とする積層体を提供する。本発明によれば、このように表面平均粗さが4nm以下であることから、平滑性が要求される種々の用途、例えば有機EL素子の基板等に用いた場合でも、ブラックスポットの発生等の不具合が生じない。また、このような平滑な面の表面に無機酸化物を蒸着させることにより、欠損部分の少ない均質な蒸着層を堆積することができるので、よりガスバリア性の高いガスバリアフィルムを得ることができる。さらに、樹脂薄膜層がエポキシ化合物からなるものであることから、耐熱性、機械的強度、さらには耐薬品性等の諸特性の良好な積層体とすることができる。さらにまた、無機酸化物の蒸着層と共に用いることにより、樹脂薄膜層が基材もしくは蒸着層表面を平坦化することができる。これにより、樹脂薄膜層上に蒸着層を形成した場合、均質な蒸着層とすることができることから、ガスバリア性を向上させることができる。また、請求項2に記載するように蒸着層上に樹脂薄膜層をした場合、表面が極めて平滑な積層体とすることができる。
【0013】
本発明においては、上記樹脂薄膜層が、真空中で成膜されたものであることが好ましい。乾式成膜法により形成することにより、より均一で平滑な樹脂薄膜層を形成することができるからである。
【0015】
本発明においては、上記樹脂薄膜層が、エポキシド化合物を重合させて形成されたものであることが好ましい。この場合、重合剤を用いていないことから、簡便な装置構成とすることが可能となり、かつ比較的製造に際しての手間がかからないといった利点を有するからである。
【0016】
本発明においては、上記エポキシド化合物が、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するものであることが好ましく、中でも上記エポキシド化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物、下記の一般式(2)で表される化合物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、下記の一般式(3)で表される水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、下記の一般式(4)で表されるビスフェノールAP02mol付加物ジグリシジルエーテル、および下記の一般式(5)で表される2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つのエポキシド化合物であることが好ましい。
【0017】
【化11】
Figure 0004014931
【0018】
(mは1から8までの整数である。)
【0019】
【化12】
Figure 0004014931
【0020】
(nは1から7までの整数である。)
【0021】
【化13】
Figure 0004014931
【0022】
【化14】
Figure 0004014931
【0023】
【化15】
Figure 0004014931
【0024】
このような化合物を原料として用いることにより、より平滑性の高い樹脂薄膜層とすることが可能となり、また得られる樹脂薄膜層の諸特性をより向上させることができるからである。
【0025】
本発明においては、上記樹脂薄膜層が、エポキシド化合物および重合剤を重合させて形成されたものであってもよい。エポキシド化合物に加えて重合剤を用いることにより、最終的に得られるエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の耐熱性、機械的強度、さらには耐薬品性等の諸特性をより向上させることができるからである。
【0026】
本発明においては、上記エポキシド化合物が、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するものであり、上記重合剤が常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つの電子供与性の官能基を有するものであることが好ましく、中でも上記エポキシド化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物、下記の一般式(2)で表される化合物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、下記の一般式(3)で表される水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、下記の一般式(4)で表されるビスフェノールAP02mol付加物ジグリシジルエーテル、および下記の一般式(5)で表される2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つのエポキシド化合物であり、上記重合剤がジアミン化合物、トリアミン化合物、ジオール化合物、トリオール化合物、およびジアルコキシド化合物からなる群から選択される少なくとも一つの重合剤であることが好ましい。
【0027】
【化16】
Figure 0004014931
【0028】
(mは1から8までの整数である。)
【0029】
【化17】
Figure 0004014931
【0030】
(nは1から7までの整数である。)
【0031】
【化18】
Figure 0004014931
【0032】
【化19】
Figure 0004014931
【0033】
【化20】
Figure 0004014931
【0034】
このような化合物を原料として用いることにより、より平滑性の高い樹脂薄膜層とすることが可能となるからであり、また得られる樹脂薄膜層の諸特性をより向上させることができるからである。
【0035】
本発明においては、上記樹脂薄膜層の膜厚が、5〜2000nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より膜厚が薄い場合は、樹脂薄膜層を形成することにより平滑性を得ることが困難であるからであり、また、平滑性を得る上では上記上限を超える必要性があまりないからである。
【0037】
本発明においては、上記蒸着層および上記樹脂薄膜層が2層〜10層の範囲内で積層されていることが好ましい。積層することにより、樹脂薄膜層が蒸着層の応力を緩和し、変形による蒸着層の欠陥を抑制するため、可撓性の高いガスバリア性フィルムが得られることにより、ガスバリア性が向上するからである。
【0038】
本発明においては、上記無機酸化物からなる蒸着層が、酸化珪素もしくは酸化窒化珪素からなる蒸着層であることが好ましい。これらの蒸着層が、ガスバリア性に優れているからである。
【0039】
本発明においては、上記蒸着層の膜厚が、5〜500nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より膜厚が薄い場合はガスバリア性に問題が生じる可能性がある場合があり、一方上記範囲を越えて膜厚を厚くすると蒸着層にクラックが入り易くなる等の不具合が生じる可能性があるからである。
【0040】
本発明においては、上記基材が、樹脂製フィルムであることが好ましい。例えば、可撓性を有するガスバリア性フィルム等が各種包装材料や、各種画像表示装置において要求されており、このような場合は基材として樹脂製フィルムが用いられるからである。
【0041】
本発明はさらに、上記本発明の積層体を有することを特徴とするガスバリア性フィルムを提供する。本発明のガスバリアフィルムは、上述したようにエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を有するものであるので、基材上の凹凸を平坦化した状態でその上に無機酸化物からなる蒸着層を有するものであるので、無機酸化物の結晶構造に乱れを生じさせることがなく、よりガスバリア性の高いガスバリア性フィルムとすることができる。
【0042】
本発明においては、上記積層体の酸素透過率が1.0cc/m/day以下であり、水蒸気透過率が、1.0g/m/day以下であることが好ましい。酸素透過率および水蒸気透過率を上記の範囲内とすることにより、内容物の品質を変化させる原因となる酸素と水蒸気を殆ど透過させないので、高いガスバリア性が要求される用途に好ましく用いることができるからである。
【0043】
本発明はまた、原料として、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するエポキシド化合物を用い、これを基材上に真空中で成膜する成膜工程と、上記成膜されたモノマーに対し、活性照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を形成する重合工程と、前記樹脂薄膜層上に、真空製膜法により無機酸化物からなる蒸着層を形成する蒸着工程と、を有することを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
【0044】
本発明によれば、基材上に極めて平滑な表面を有する樹脂薄膜層を形成することができるので、その上に無機酸化物の蒸着層を積層させることにより欠陥の少ない蒸着層とすることが可能となり、ガスバリア性を向上させることができる等の利点を有する積層体を製造することができる。
【0045】
本発明は、原料として、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するエポキシド化合物と、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つの電子供与性の官能基を有する重合剤とを用い、これを基材上に真空中で成膜する成膜工程と、上記成膜されたモノマーに対し、活性照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を形成する重合工程と、前記樹脂薄膜層上に、真空製膜法により無機酸化物からなる蒸着層を形成する蒸着工程と、を有することを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
【0046】
本発明によれば、基材上に極めて平滑な表面を有する樹脂薄膜層を形成することができる利点に加えて、樹脂薄膜層のエポキシ化合物の諸物性が良好である等の利点を有する積層体を製造することができる。また、樹脂薄膜層表面に無機酸化物の蒸着層を堆積させるものであるので、蒸着層中の欠陥の発生を少なくすることが可能となり、その結果ガスバリア性を向上させることができる。
【0047】
本発明においては、上記成膜工程が、フラッシュ蒸着法により行われることが好ましい。常温で液状の原料を用いた場合には、極めて有効な蒸着手段であるからである。
【0050】
本発明においては、上記真空成膜法が、スパッタリング法、イオンプレーティング法、またはプラズマCVD法のいずれかであることが好ましい。ガスバリア性の高い無機酸化物の蒸着層を成膜することができるからである。
【0051】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に含まれる積層体について説明し、その後本発明に含まれる積層体の製造方法について説明する。
【0052】
A.積層体
本発明の積層体は、基材と、上記基材の少なくとも片面に形成されたエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層とを有するものである。なお、本発明においては、上記樹脂薄膜層は基材上に直に成膜された場合に限定されるものではなく、基材上に、例えば後述するような無機酸化物からなる蒸着層が形成された上に成膜されたような場合も含む旨である。以下、このような本発明の積層体について、まず特徴部分である樹脂薄膜層について説明し、次いで基材およびその他の構成について説明する。
【0053】
1.樹脂薄膜層
本発明における樹脂薄膜層は、上述したようにエポキシ化合物で構成されている点に大きな特徴を有するものであり、そしてさらにこのエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層は、製造面および形態面においてそれぞれ特徴を有するものである。
【0054】
まず製造面においては、真空中で成膜されたエポキシ化合物からなるものである点に特徴を有するものである。本発明においては、このように樹脂薄膜層が真空中で成膜されたエポキシ化合物から構成されているので、まず表面の平滑性に極めて優れた積層体とすることができるのである。また、表面に被覆された樹脂薄膜層がエポキシ化合物で構成されていることから、表面の耐熱性、耐薬品性、さらには機械的強度に優れた表面を有する積層体とすることができるといった利点を有するものである。以下、このような樹脂薄膜層を第1実施態様として説明する。
【0055】
一方、形態面では、上記エポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の表面平均粗さが4nm以下である点を挙げることができる。本発明においては、このように極めて凹凸の少ない表面であることから、例えばこの樹脂薄膜層表面に無機酸化物を成膜することにより、ガスバリア性の良好なガスバリア膜とすることができる等の種々の利点を有する積層体とすることができるのである。以下、このような樹脂薄膜層を第2実施態様として説明する。
【0056】
なお、本発明において「エポキシ化合物」とは、エポキシ基の開環反応により重合して形成される化合物を示すものである。
【0057】
(1)第1実施態様
本実施態様において基材上に形成される樹脂薄膜層は、真空中で成膜されたエポキシ化合物である点に特徴を有するものである。
【0058】
本実施態様において、このエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の製造方法は真空中で成膜されたものであれば特に限定されるものではないが、一般的には後述する「積層体の製造方法」の欄で説明するフラッシュ蒸着法を用いて成膜されたものであることが好ましい。
【0059】
本発明のエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層は、エポキシド化合物が重合されて形成されたものであることが好ましい。このように特に重合剤等を用いることなくエポキシド化合物を重合させたものであれば、成膜に際して2成分系の装置とする必要がないので、装置の簡略化を図ることができる。また、真空装置内に導入する物質が1種類となるので、製造条件の設定等が比較的容易であり、製造に手間がかからないといった利点を有するものである。
【0060】
このようにエポキシド化合物のみでエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層が形成できるのは、熱により反応しやすい官能基を有しているという理由によるものである。
【0061】
このようなエポキシド化合物としては、特に限定されるものではないが、常温常圧(23℃、1atm)において液状である化合物が好適に用いられる。このような化合物であれば、フラッシュ蒸着法により平滑な成膜が可能となるからである。
【0062】
また、本発明に用いられるエポキシド化合物としては分子量が50〜5000の範囲内、特に80〜2000の範囲内であることが好ましい。上記範囲より分子量が小さい場合は、蒸気圧が非常に高く、真空中で蒸着される前に真空ポンプにより排気されてしまうといった問題があり、上記範囲より分子量が大きい場合は、エポキシド化合物の粘度が高くなりすぎ、配管を詰まらせる等の問題が生じやすいことから好ましくない。
【0063】
さらに、本発明に用いられるエポキシド化合物は、化合物内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するものであることが好ましい。2個以上のエポキシ基を有することにより、成膜に際しての高分子化を容易とすることが可能となり、諸特性に優れたエポキシ化合物とすることができるからである。
【0064】
このようなエポキシド化合物としては、例えば下記の一般式(1)で表される化合物、下記の一般式(2)で表される化合物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、下記の一般式(3)で表される水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、下記の一般式(4)で表されるビスフェノールAP02mol付加物ジグリシジルエーテル、および下記の一般式(5)で表される2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルを挙げることができる。
【0065】
【化21】
Figure 0004014931
【0066】
(mは1から8の整数である。)
【0067】
【化22】
Figure 0004014931
【0068】
(nは1から7の整数である。)
【0069】
【化23】
Figure 0004014931
【0070】
【化24】
Figure 0004014931
【0071】
【化25】
Figure 0004014931
【0072】
ここで、上記の一般式(1)で表される化合物として、具体的にはエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール♯200ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール♯400ジグリシジルエーテルを挙げることができ、上記の一般式(2)で表される化合物として、具体的にはプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコール#400ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0073】
上記のエポキシド化合物の中でも好ましい物質としてグリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、下記の一般式(3)で表される水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、下記の一般式(4)で表されるビスフェノールAP02mol付加物ジグリシジルエーテル、下記の一般式(5)で表される2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0074】
【化26】
Figure 0004014931
【0075】
【化27】
Figure 0004014931
【0076】
【化28】
Figure 0004014931
【0077】
また、本発明のエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層は、エポキシド化合物および重合剤が重合されて形成されたものであってもよい。この場合は、樹脂薄膜層となるエポキシ化合物が高分子化されやすいことから、より物性面、すなわち耐熱性、耐薬品性、さらには機械的な強度等の特性が向上するからである。
【0078】
この場合、用いることができる重合剤としては、特に限定されるものではないが、常温常圧(23℃、1atm)において液状である化合物が好適に用いられる。このような化合物であれば、フラッシュ蒸着法を用いることが可能となり、平滑な成膜が可能となるからである。
【0079】
また、本発明に用いられる重合剤としては、分子量が50〜5000の範囲内、特に80〜2000の範囲内であることが好ましい。上記範囲より分子量が小さい場合は、蒸気圧が非常に高く、真空中で蒸着される前に真空ポンプにより排気されてしまうといった問題があり、上記範囲より分子量が大きい場合は、重合剤の粘度が高くなりすぎ、配管を詰まらせる等の問題が生じやすいことから好ましくない。
【0080】
さらに、本発明に用いられる重合剤は、化合物内に少なくとも2個以上の電子供与性の官能基を有するものであることが好ましい。2個以上の電子供与性の官能基を有することにより、エポキシ基との重合による高分子化を容易とすることが可能となり、諸特性に優れたエポキシ化合物とすることができるからである。
【0081】
この場合の電子供与性の官能基としては、例えば水酸基、アミノ基、イソシアネート基、もしくはアルコキシシラン基等を挙げることができ、中でも水酸基、アミノ基であることが好ましい。
【0082】
このような重合剤としては、ジアミン化合物、トリアミン化合物、ジオール化合物、トリオール化合物、およびジアルコキシド化合物等が挙げられ、具体的には、1,4−ジアミノベンゼン、ο−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジオールジフェニルエーテル、4,4′−ジオールジフェニルメタンを挙げることができ、中でも4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジオールジフェニルエーテル、4,4′−ジオールジフェニルメタン等を挙げることができる。
【0083】
また、この場合用いられるエポキシド化合物は上述したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0084】
本実施態様における上記樹脂薄膜層の膜厚は、用いられる用途や、基材の種類、樹脂薄膜層形成に際して用いたモノマーの種類、樹脂薄膜層の形成方法等により大幅に異なるものではあるが、一般的には5〜2000nmの範囲内であり、特に10nm〜1000nmの範囲内とすることが好ましい。上記範囲より膜厚が薄い場合は、樹脂薄膜層を形成することにより平滑性を得ることが困難である可能性が生じるからであり、また、平滑性を得る上では上記上限を超える必要性があまりなく、材料コスト面、生産効率面の問題が生じる可能性があるからである。
【0085】
(2)第2実施態様
本発明に用いられる樹脂薄膜層の第2実施態様は、上記エポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の表面平均粗さが4nm以下、中でも3nm以下であるエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層である。本実施態様のエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層はその表面がこのような従来にない極めて平滑な面であることから、例えばこの樹脂薄膜層表面に無機酸化物を成膜することにより、ガスバリア性の良好なガスバリア膜とすることができ、また平滑性が必要とされる記録媒体の基材としての用途等の種々の用途に用いることができる。
【0086】
本実施態様における表面平均粗さの値としては、セイコーインスツルメント製原子間力顕微鏡(STM)を用い、100μMスキャン範囲、135sec/flameの条件により決定された値を用いることとする。
【0087】
また、このようなエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば湿式法を用いて形成されたものであってもよい。しかしながら、スプレー法やスピンコ−ト法等の湿式法では、分子レベル(nmレベル)の平滑性を得ることが難しく、また溶剤を使用するため、電子デバイス用途には不向きである等の欠点がある。本発明においては、均一な膜で、かつ表面の平滑性を比較的容易に得ることができるといった観点から、真空中で成膜されたものであることが好ましい。そして、本発明においては、特に上述したようなエポキシド化合物、もしくはエポキシド化合物および重合剤を用いることが可能なフラッシュ蒸着法が好適に用いられる。このフラッシュ蒸着法に関しては、後述する「積層体の製造方法」において説明するが、例えば特許第2996516号等において開示されている方法等を用いることができる。
【0088】
このようなエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層は、特に限定されるものではないが、上記第1実施態様において説明した材料を用いることができる。なお、本実施態様の樹脂薄膜層の好適な材料、特性、膜厚等に関しては、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0089】
2.基材
本発明に用いられる基材としては、樹脂等の有機物であっても、ガラス等の無機物であってもよく、また用いる用途に応じて透明なものであっても不透明なものであってもよい。しかしながら、例えば包装材、さらには有機EL素子等の画像表示装置の基板などの用途面を考慮すると、基材はプラスチック材料であり、かつ透明なフィルムであることが好ましい。
【0090】
このような樹脂製のフィルム基材の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
【0091】
基材は、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。この中で、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートが包装用途において好ましく用いられる。またポリエ−テルサルホンフィルムが耐溶剤性が良く、ポリカーボネートフィルムが耐熱性が良く、電子デバイス用途において好ましく用いられる。この基材の樹脂薄膜層が設けられる面もしくは反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などを塗布した薄膜を形成していても良い。
【0092】
さらに、樹脂薄膜層、もしくは後述する無機酸化物の蒸着層との密着性を良くするために、基材の表面を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。
【0093】
基材の厚さは、包装用途の場合とくに制限を受けるものではなく、包装材料としての適性を考慮して、単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。しかしながら、樹脂薄膜層や後述する無機酸化物からなる蒸着層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜400μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
【0094】
電子デバイス用途の場合、現在の状況下においてはガラス基板の代替ということもあり、ガラス基板仕様で作製された後工程機器に合わせるため、比較的厚い100〜800μmの範囲、特に100〜400μmの範囲が好ましいが、技術の進歩とともに、基板の軽量化フレキシブル化、低コスト化が期待される3〜100μmも範囲になると考えられる。
【0095】
また、量産性を考慮すれば、連続的に上記各層を形成できるように長尺の連続フィルムとすることが望ましい。
【0096】
3.無機酸化物からなる蒸着層
本発明においては、上述した基材上に上記樹脂薄膜層の他に、真空成膜法により形成された無機酸化物からなる蒸着層を形成してもよい。このように無機酸化物からなる蒸着層を形成して上記樹脂薄膜層と積層することにより、高いガスバリア性を有する積層体とすることができるからである。
【0097】
本発明においては、基材上に上述したようなエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成し、その表面に無機酸化物からなり真空成膜法により成膜された蒸着層を形成するようにしてもよく、また基材上に無機酸化物からなり真空成膜法により成膜された蒸着層を形成し、その上に上述したようなエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成するようにしてもよい。
【0098】
基材上に先にエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成する場合は、真空成膜法により形成された無機酸化物からなる蒸着層が極めて平滑な面を有する樹脂薄膜層上に形成されることから、蒸着層に下地の凹凸に起因する欠陥が生じることがないため、極めて良好なガスバリア性が得られるという利点を有する。
【0099】
一方、無機酸化物からなる蒸着層上に樹脂薄膜層を形成する場合は、表面を平滑化することが可能となるため、この上に何らかの機能層、例えば有機EL素子における発光層等を形成する場合でも、ダークスポットが生じるといったような不具合が生じる可能性を低減することができる。また、表面に耐熱性や耐薬品性が良好であり、機械的な強度も大きいエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層が形成されたものであるので、積層体表面の耐熱性や耐薬品性を向上させることが可能であり、かつ例えば表面に傷が付き難い等の利点を有するものである。
【0100】
本発明においては、このエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層と無機酸化物からなる蒸着層とを繰り返し積層することが好ましい。具体的にはガスバリア性の観点から上記蒸着層が少なくとも2回積層されることが好ましいことから3層〜10層の範囲内、特に3層〜6層の範囲内で積層することが好ましい。上記範囲より少ない場合は、蒸着層のガスバリア性能にもよるが、十分なガスバリア性が得られない可能性があることから好ましくなく、上記範囲を超えて積層しても、ガスバリア性が改良されるものではなく、むしろ全体的な膜厚の増加に伴うデメリット、例えばクラックの発生等が生じる可能性があることから好ましくない。
【0101】
本発明においては、基材上に平滑性を付与する目的で、まず基材上に樹脂薄膜層を形成し、次いで無機酸化物からなる蒸着層と樹脂薄膜層とをこの順で複数回積層した後、最表面を樹脂薄膜層とするような積層体が好ましい。基材上にエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成することにより無機酸化物からなる蒸着層を平滑な面上に形成することが可能となり、ガスバリア性が向上し、さらに最表面に樹脂薄膜層を形成することにより、積層体表面を平滑化することが可能となり、有機EL素子の基板等に用いる場合に好ましく、さらに上述したように積層体表面における耐熱性、耐薬品性等の特性の向上を図ることができるからである。
【0102】
このような無機酸化物からなる蒸着層は、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであれば特に限定されるものではない。具体的には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化窒化珪素、あるいはそれらの混合物などを挙げることができる。本発明においては、中でも高いガスバリア性を有する点から、酸化珪素もしくは酸化窒化珪素を用いることが好ましい。
【0103】
このような無機酸化物からなる蒸着層の膜厚は、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜500nmの範囲内が望ましく、中でも10〜200nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は均一な膜が得られない可能性があり、またガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合があることから好ましくない。また膜厚が上記範囲を越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができない可能性があり、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあることから好ましくない。
【0104】
本発明においては、このような積層体をガスバリア性フィルムとして用いることが好ましい。そして、このようなガスバリア性フィルムの酸素透過率が、1cc/m/day以下であり、特に好ましくは0.5cc/m/day以下であり、水蒸気透過率が、1g/m/day以下であり、特に好ましくは0.5g/m/day以下であることが好ましい。酸素透過率および水蒸気透過率を上記の範囲内とすることにより、内容物の品質を変化させる原因となる酸素と水蒸気を殆ど透過させないので、高いガスバリア性が要求される用途に好ましく用いることができるからである。なお、上記値は、基材として樹脂、特にプラスチック製フィルムを用いた場合の値である。
【0105】
B.積層体の製造方法
次に、本発明に含まれる積層体の製造方法について説明する。この積層体の製造方法は、重合剤を用いるか否かにより大きく二つの態様に分けることができる。以下、重合剤を用いない場合(第3実施態様)について先に説明し、次いで重合剤を用いる場合(第4実施態様)について説明する。
【0106】
1.第3実施態様
本実施態様は、原料として、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するエポキシド化合物を用い、これを基材上に真空中で成膜する成膜工程と、
上記成膜されたモノマーに対し、活性照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を形成する重合工程と
を有することを特徴とする積層体の製造方法である。
【0107】
ここで、エポキシド化合物に関しては、上記「A.積層体」の欄で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0108】
まず、上記成膜工程においては、このようなエポキシド化合物を、高真空中で加熱気化させ、基材上に堆積・成膜させる工程である。次いで、基材上に成膜されたエポキシド化合物に対し、活性照射線を照射して重合させて樹脂薄膜層を形成する重合工程が行われる。ここで用いられる活性照射線とは、エポキシド化合物を重合させることができるものであれば特に限定されるものではないが、通常は電子線、紫外線、ガンマ線等が好適に用いられる。
【0109】
また、大気解放後、得られた積層体をオーブン等の加熱処理器に入れ、反応促進処理を行ってもよい。
【0110】
本発明においては、このような基材上に樹脂薄膜層を形成する工程を行う前、もしくは行った後に、真空成膜法により無機酸化物からなる蒸着層を形成する蒸着工程が行われてもよい。この蒸着工程は、通常行われている種々の真空成膜法により形成することができるが、基材が樹脂である等の熱的なダメージを受けやすい基材が用いられている場合は、スパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマCVD法などの基材に熱的なダメージを与えない真空成膜法を選択することが好ましい。このような蒸着工程を行うことにより、ガスバリア性を有する積層体を得ることができる。
【0111】
なお、上記無機酸化物の種類や蒸着層の膜厚等の事項、さらに得られるガスバリア性を有する積層体に関する事項については、上記「A.積層体」で説明した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0112】
本発明においては、上記成膜工程において樹脂薄膜層を形成する方法が、フラッシュ蒸着法であることが好ましい。このフラッシュ蒸着法に関しては、例えば特許第2996516号等において開示されている。
【0113】
具体的には、液体状のモノマー(エポキシド化合物)を容器内に投入し、その容器からフラッシュ蒸着装置内にポンプ輸送する。上記フラッシュ蒸着装置内をモノマーの沸点よりも高いが分解点・反応点より低い温度に維持し、超音波アトマイザーを用いて霧状に維持する。これにより、基材上へモノマーを噴霧する。基材は冷却されており、基材表面に付着したモノマーは凝集する。
【0114】
このようなフラッシュ蒸着法を組み込んだ積層体の製造装置について、以下に図面を用いて簡単に説明する。
【0115】
図1は、ウェブ状のプラスチックフィルム表面上に、上記フラッシュ蒸着法によりエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成し、さらに真空成膜法により酸化珪素膜を形成し、さらにその上にフラッシュ蒸着法によりエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成することにより連続的に積層体を形成するための装置の概略を示すものである。
【0116】
ウェブ状のプラスチックフィルム1は、冷却ドラム2に巻回されて、まず第1モノマー供給装置3からエポキシド化合物が供給された第1超音波アトマイザー4により、その表面にエポキシド化合物がフラッシュ蒸着される。次いで、フラッシュ蒸着されたエポキシド化合物を第1EB照射装置5によりEBを照射して硬化させる。次いで、冷却ドラム2の回転により移動した後、酸化珪素膜を成膜するためのCVD装置6により、上記硬化された樹脂薄膜層上に酸化珪素の蒸着層を形成する。さらに、冷却ドラム2の回転により移動した後、第2モノマー供給装置7によりエポキシド化合物が供給された第2超音波アトマイザー8によりエポキシド化合物がフラッシュ蒸着される。そして最後に、第2EB照射装置9によりEBを照射して、酸化珪素膜上のエポキシド化合物を硬化させてエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を形成する。
【0117】
このようにして、樹脂フィルム上にエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層、酸化珪素膜(蒸着層)、およびエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の順で積層された積層体、具体的にはガスバリア性フィルムを得ることができる。
【0118】
2.第4実施態様
本実施態様は、原料として、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するエポキシド化合物と、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つの電子供与性の官能基を有する重合剤とを用い、これを基材上に真空中で成膜する成膜工程と、
上記成膜されたモノマーに対し、活性照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を形成する重合工程と
を有することを特徴とする積層体の製造方法である。
【0119】
ここで、エポキシド化合物および重合剤に関しては、上記「A.積層体」の欄で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0120】
本実施態様の特徴は、エポキシ化合物からなる樹脂薄膜層を、エポキシド化合物および重合剤を用いて、真空中において成膜する点にある。このように重合剤を用いることにより、得られるエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の特性を向上させることができるといった利点を有するものである。
【0121】
本実施態様においても、上記樹脂薄膜層の形成方法としては、フラッシュ蒸着法が好適に用いられる。また、真空成膜法により無機酸化物からなる蒸着層が形成されること、および形成される位置等に関しても上記第3実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。さらに、本実施態様の積層体の製造方法を行うための装置としては、上記図1におけるアトマイザーが2成分系となった装置を用いることができる。
【0122】
本実施態様においては、このようにエポキシド化合物および重合剤を用いて、真空中において成膜する成膜工程の後、第3実施態様と同様にして活性照射線を照射する樹脂薄膜層を形成する重合工程が行われる。この際の活性照射線の種類等に関する点は、全て上記第3実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0123】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0124】
【実施例】
以下、本発明の積層体について、実施例を挙げて具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0125】
[実施例1]
基材として、厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(東洋紡績社製PET、商品名:A−4100)フィルムを用意した。チャンバー内の真空度を4.0×10−3Paに減圧した。エポキシ化合物からなる樹脂薄膜層の原材料として、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル(関東化学社製)、1,3−ジアミノプロパン(東京化成社製)を準備した。
【0126】
フラッシュ蒸着法により厚さ500nmの透明エポキシ層(樹脂薄膜層)を形成した。次いで、CVD電極に90kHzの周波数を有する電力(投入電力:300W)を印加した。ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、酸素ガス、ヘリウムガスをそれぞれ所定量(ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=10:30:30(sccm))導入した。その際の真空度を30Paに制御した。それにより、プラズマ気相成長法(CVD法)により酸化珪素の薄膜を100nm形成し実施例1の積層体を得た。
【0127】
[比較例1]
樹脂薄膜層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の積層体を得た。
【0128】
[実施例2]
実施例1で作成した積層体の酸化珪素膜表面に、さらに同様にして厚さ500nmの透明エポキシ層(樹脂薄膜層)を形成して実施例2の積層体を得た。
【0129】
[評価方法]
・酸素透過度:酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製:OX−TRAN2/20)を用い、23℃90%Rhの条件で測定した。
・水蒸気透過度:水蒸気透過率測定装置(MOCON社製:PERMATRAN3/31)を用い、37.8℃100%Rhの条件で測定した。
・表面平滑性:原子間力顕微鏡(セイコ−インストゥルメンツ製ナノピクス)を用い、100μMスキャン範囲・135sec/flameの条件で測定し、平均粗さRaを求めた。
【0130】
上記評価方法により評価した各積層体の結果を表1にまとめる
【0131】
【表1】
Figure 0004014931
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、表面平均粗さが4nm以下であることから、平滑性が要求される種々の用途、例えば有機EL素子の基板等に用いた場合でも、ダークスポットの発生等の不具合が生じない。また、このような平滑な面の表面に無機酸化物を蒸着させることにより、欠損部分の少ない均質な蒸着層を堆積することができるので、よりガスバリア性の高いガスバリアフィルムを得ることができる。さらに、樹脂薄膜層がエポキシ化合物からなるものであることから、耐熱性、機械的強度、さらには耐薬品性等の諸特性の良好な積層体とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体を製造する製造装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 … プラスチックフィルム
4 … 第1超音波アトマイザー
5 … 第1EB照射装置
6 … CVD装置
8 … 第2超音波アトマイザー
9 … 第2EB照射装置

Claims (20)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも片面に積層され、表面平均粗さが4nm以下であるエポキシ化合物からなる樹脂薄膜層とを有することを特徴とする積層体であって、
    前記基材上に前記樹脂薄膜層が形成され、前記樹脂性薄膜層上に無機酸化物からなり真空成膜法により形成された蒸着層が積層されていることを特徴とする積層体。
  2. 前記蒸着層上に、さらに前記樹脂性薄膜層が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記樹脂薄膜層が、真空中で成膜されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
  4. 前記樹脂薄膜層が、エポキシド化合物を重合させて形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  5. 前記エポキシド化合物が、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有することを特徴とする請求項4に記載の積層体。
  6. 前記エポキシド化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物、下記の一般式(2)で表される化合物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、下記の一般式(3)で表される水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、下記の一般式(4)で表されるビスフェノールAP02mol付加物ジグリシジルエーテル、および下記の一般式(5)で表される2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つのエポキシド化合物であることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
    Figure 0004014931
    Figure 0004014931
    Figure 0004014931
    Figure 0004014931
    Figure 0004014931
  7. 前記樹脂薄膜層が、エポキシド化合物および重合剤を重合させて形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  8. 前記エポキシド化合物が、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するものであり、前記重合剤が常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つの電子供与性の官能基を有するものであることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
  9. 前記エポキシド化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物、下記の一般式(2)で表される化合物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、下記の一般式(3)で表される水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、下記の一般式(4)で表されるビスフェノールAP02mol付加物ジグリシジルエーテル、および下記の一般式(5)で表される2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つのエポキシド化合物であり、前記重合剤がジアミン化合物、トリアミン化合物、ジオール化合物、トリオール化合物、およびジアルコキシド化合物からなる群から選択される少なくとも一つの重合剤であることを特徴とする請求項8に記載の積層体。
    Figure 0004014931
    Figure 0004014931
    Figure 0004014931
    Figure 0004014931
    Figure 0004014931
  10. 前記樹脂薄膜層の膜厚が、5〜2000nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  11. 前記蒸着層および前記樹脂薄膜層が2層〜10層の範囲内で積層されていることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  12. 前記無機酸化物からなる蒸着層が、酸化珪素もしくは酸化窒化珪素からなる蒸着層であることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  13. 前記蒸着層の膜厚が、5〜500nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  14. 前記基材が、樹脂製フィルムであることを特徴とする請求項11から請求項13までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  15. 前記請求項13に記載の積層体を有することを特徴とするガスバリア性フィルム。
  16. 酸素透過率が1.0cc/m/day以下であり、水蒸気透過率が、1.0g/m/day以下であることを特徴とする請求項15に記載のガスバリア性フィルム。
  17. 原料として、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するエポキシド化合物を用い、これを基材上に真空中で成膜する成膜工程と、
    前記成膜されたモノマーに対し、活性照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を形成する重合工程と、
    前記樹脂薄膜層上に、真空製膜法により無機酸化物からなる蒸着層を形成する蒸着工程と、
    を有することを特徴とする積層体の製造方法。
  18. 原料として、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するエポキシド化合物と、常温常圧(23度、1atm)において液体であり、平均分子量が50〜5000の範囲内であり、かつ分子内に少なくとも二つの電子供与性の官能基を有する重合剤とを用い、これを基材上に真空中で成膜する成膜工程と、
    前記成膜されたモノマーに対し、活性照射線を照射して重合させ、樹脂薄膜層を形成する重合工程と
    前記樹脂薄膜層上に、真空製膜法により無機酸化物からなる蒸着層を形成する蒸着工程と、
    を有することを特徴とする積層体の製造方法。
  19. 前記成膜工程が、フラッシュ蒸着法により行われることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の積層体の製造方法。
  20. 前記真空成膜法が、スパッタリング法、イオンプレーティング法、またはプラズマCVD法のいずれかであることを特徴とする請求項17から請求項19までのいずれかの請求項に記載の積層体の製造方法。
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