JP3484880B2 - ガスバリア性フィルム - Google Patents

ガスバリア性フィルム

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JP3484880B2 JP13821296A JP13821296A JP3484880B2 JP 3484880 B2 JP3484880 B2 JP 3484880B2 JP 13821296 A JP13821296 A JP 13821296A JP 13821296 A JP13821296 A JP 13821296A JP 3484880 B2 JP3484880 B2 JP 3484880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスバリア性に優れ
たフィルム、特に液晶表示素子用透明電極の基板フィル
ムとして好適な、ガスバリア性フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子の需要が拡大し、こ
れに用いられる透明電極の重要性も増加しつつある。従
来、液晶表示素子用透明電極には、酸化スズ−酸化イン
ジウム薄膜を薄いガラス基板上に形成したものが広く使
用されてきたが、素子の薄型化、軽量化、量産化の要求
に伴い、プラスチックフィルムを基板とした透明電極が
使用されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラス
チックフィルムを基板とした液晶表示素子用透明電極に
は、いくつかの問題点がある。例えば、液晶セルの信頼
性の点から要求される基板フィルムの酸素、水蒸気に対
するバリア性、形成された電極とフィルムとの密着性、
エッチング加工において要求されるフィルムの耐薬品性
である。これらの問題点を解決する手段として、積層構
造の液晶表示素子用透明電極フィルムが提案されてい
る。
【0004】例えば、特開昭61−32749号公報や
特開昭61−32750号公報には、金属酸化物層を基
材フィルム上に設けることにより、水蒸気や酸素の透過
を防止した積層導電フィルムが記載されている。しか
し、特開昭61−32749号公報における積層導電フ
ィルムの層構成は、珪素酸化物などの金属酸化物層/高
分子フィルム/有機物層/導電層であり、金属酸化物薄
膜上に有機物層が存在しない。このような層構成では、
液晶表示素子用透明電極フィルムに要求される酸素透過
度が1cc/m2 ・atm・24hrs、水蒸気透過度
が1g/m2 ・24hrsという高バリア性に到達する
のは困難である。
【0005】また、特開昭61−32750号公報にお
ける積層導電フィルムの層構成は、高分子フィルム/珪
素酸化物などの金属酸化物層/有機物層/導電層であ
り、金属酸化物薄膜上にアクリル樹脂の有機物層が存在
する。しかし、一般的にアクリル系の熱硬化性又は活性
エネルギー線硬化性組成物を塗布して硬化させることに
よって形成された被膜は、プラスチックフィルムとは密
着しても、金属酸化物薄膜との密着性は必ずしも良くな
く、液晶表示素子用導電フィルムとして満足できるもの
ではない。従って本発明は、上記の問題点を解決して、
金属酸化物薄膜との密着性が優れた硬化被膜を有するこ
とにより、ガスバリア性が改良され、耐薬品性が付与さ
れたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガスバリア
性フィルムは、少くとも一方の表面に金属酸化物薄膜を
有するプラスチックフィルムの該金属酸化物薄膜上に、
−OR1 基(R1 はアクリロイル基、メタクリロイル基
又はビニル基を示す)と−OR2 基(R2 は水素原子又
は炭素数1〜3のアルキル基を示す)とをそれぞれ1個
以上有する複官能性化合物を含む活性エネルギー線硬化
性組成物の硬化被膜が形成されていることを特徴とする
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に説明する
と、本発明に係るガスバリア性フィルムの基材であるプ
ラスチックフィルムとしては、広く各種の合成樹脂から
なるものを用いることができる。例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン
系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2、6−ナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイ
ロン6、ナイロン12などのポリアミド樹脂、ポリビニ
ルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体等
のビニルアルコール系樹脂、さらにはポリイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリビニルブチラール、ポリアリレート、環状ポリオレ
フィンなどの合成樹脂からなるフィルムが用いられる。
また、2種以上の合成樹脂の混合物からなるフィルムや
積層フィルムも用いられる。プラスチックフィルムに
は、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、滑剤、着色剤などが添加されていても良
い。プラスチックフィルムは延伸されていても良いし、
未延伸であっても良い。
【0008】プラスチックフィルムの厚さは、特に制限
を受けるものではないが、3〜2000μmの範囲が望
ましく、機械強度と可橈性の点で5〜1000μmの範
囲であることが好ましい。また、液晶表示素子用透明電
極の基板フィルムは透明であることが要求されるので、
上述のプラスチックフィルムも透明なものを用いるのが
好ましい。プラスチックフィルムには、金属酸化物薄膜
を形成するに先立ち、コロナ放電処理、火炎処理、プラ
ズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理などの表面処理
を施したり、アンカーコート層を設けておいてもよい。
アンカーコート層を設けると、一般にガスバリア性をさ
らに向上させることができる。
【0009】アンカーコート層の材質としてはポリエス
テル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル変性樹
脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹
脂などの熱硬化性樹脂あるいはアルキルチタネートなど
が用いられる。これらは単独で使用してもよいが、2種
類以上を併用してもよい。また、シランカップリング剤
や紫外線吸収剤等の添加剤を加えてもよい。
【0010】アンカーコート層の厚みは0.005〜5
μmの範囲が好ましい。アンカーコート層が0.005
μmより薄いと塗布むらができ、ガスバリア性が向上し
ない。また5μmより厚いと密着性が悪くなる。アンカ
ーコート層を形成する方法としてはグアビアコート法、
リバースコート法等の各種樹脂塗布方法があげられる。
プラスチックフィルム上の金属酸化物薄膜としては、珪
素酸化物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化
スズ、さらにはこれらの2種以上の混合物から成るもの
など、プラスチックフィルムにガスバリア性を付与する
ために用いられている任意の金属酸化物薄膜を用いるこ
とができる。本発明に係るガスバリア性フィルムにおい
ても、金属酸化物薄膜はフィルムに酸素バリア性と水蒸
気バリア性を付与する機能を奏している。
【0011】金属酸化物薄膜の厚さは、フィルムの使用
目的により異なるが、通常50〜5000Åである。5
0Å未満ではガスバリア性が概して不十分である。また
5000Åを超えるような厚さとなると、薄いプラスチ
ックフィルム、例えば15μm以下のプラスチックフィ
ルムを基材とする場合にカールが発生するなど、平面性
が損なわれ易い。また、珪素酸化物薄膜は若干黄色を呈
するので、膜厚が厚くなると無色透明性が要求される用
途に適さなくなる。また膜厚の変化により色に濃淡が生
ずるという問題もある。一般に金属酸化物薄膜の好適な
厚さは100〜2000Åである。
【0012】プラスチックフィルム上への金属酸化物薄
膜の形成は、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッ
タリング、CVDなど公知の任意の方法で行なうことが
できる。真空蒸着で珪素酸化物薄膜を形成する場合に
は、雰囲気に酸素ガスや水蒸気を導入すると、生成する
薄膜の透明性を向上させることができる。この場合に
は、雰囲気の圧力が1×10-5〜1×10-3(Tor
r)の範囲にあるようにガスの導入を行なうのが好まし
い。圧力が1×10-3(Torr)以上となると、生成
する薄膜のガスバリア性が著しく低下する。また圧力を
1×10-5以下にしようとすると生産性の低下が大き
い。
【0013】本発明に係るガスバリア性フィルムは、こ
のようにして形成された金属酸化物薄膜上に、活性エネ
ルギー線硬化性組成物を塗布し、次いで活性エネルギー
線を照射して硬化させてなる硬化被膜を有している。こ
の活性エネルギー線硬化性組成物は、−OR1 基(R1
はアクリロイル基、メタクリロイル基又はビニル基を示
す)と−OR2 基(R2 は水素原子又は炭素数1〜3の
アルキル基を示す)とをそれぞれ1個以上有する複官能
性化合物を含んでいることが必要である。この複官能性
化合物は、−OR2 基の部分で金属酸化物薄膜と反応し
て金属酸化物薄膜と結合し、−OR1 基の部分で他の重
合性二重結合を有する化合物と反応して高分子化するの
で、金属酸化物薄膜との密着性の良い硬化被膜が形成さ
れるものと考えられる。R1 は反応性の良いアクリロイ
ル基であるのが好ましい。また、R2 は水素原子である
のが好ましいが、メチル基、エチル基、i−プロピル
基、n−プロピル基などの炭素数1〜3のアルキル基で
あってもよい。R2 が炭素数4以上のアルキル基の場合
には、金属酸化物薄膜との反応性が低下するためと推定
されるが、密着性の良い硬化被膜を生じ難い。
【0014】一般に硬化被膜は硬く且つ耐熱性の良いこ
とが望ましいが、このような硬化被膜を形成するには、
複官能性化合物の−OR1 基と−OR2 基とは、比較的
近い位置に存在しているのが好ましい。通常は、炭素数
2〜10の炭素鎖を隔てて存在している少くとも1対の
−OR 1 基と−OR2 基とを有する複官能性化合物が用
いられる。この炭素鎖は鎖中に酸素原子を有していても
よく、また炭素原子にはアルキル基、フェニル基、アル
コキシカルボニル基その他の置換基が結合していてもよ
い。好ましくは、炭素数2〜10のポリメチレン鎖を隔
てて存在している少くとも1対の−OR1 基と−OR2
基とを有する複官能性化合物が用いられる。なお、この
場合も、炭素鎖は鎖中に酸素原子を有していてもよく、
また炭素原子にはメチル基やエチル基が結合していても
よい。活性エネルギー線硬化性組成物に占めるこのよう
な複官能性化合物の割合は、通常20〜90重量%、好
ましくは50〜90重量%である。複官能性化合物の種
類にもよるが、複官能性化合物の占める割合が小さい
と、金属酸化物薄膜との密着性のよい硬化被膜が形成さ
れ難い傾向がある。また、この割合が大きくなりすぎる
と硬化被膜の耐薬品性が低下する傾向がある。
【0015】好ましい活性エネルギー線硬化性組成物
は、複官能性化合物の少くとも一部として、各1個づつ
の−OR1 基と−OR2 基とを有する複官能性化合物を
10〜60重量%含有するものである。特に好ましいの
は、下記の一般式(1)で示される、アルキレンオキシ
ドないしはそのオリゴマーの一方の末端がアクリル酸又
はメタクリル酸でエステル化されており、他方の末端が
遊離の水酸基であるか又はメトキシ基若しくはエトキシ
基である複官能性化合物を、10〜60重量%含有する
活性エネルギー線硬化性組成物である。
【0016】
【化2】
【0017】(式中、Rは水素原子、メチル基又はエチ
ル基を示す。R3 はアクリロイルオキシ基又はメタクリ
ロイルオキシ基を示す。R4 は水素原子、メチル基又は
エチル基を示す。)
【0018】本発明で活性エネルギー線硬化性組成物に
含有させるのに好適な複官能性化合物のいくつかを例示
すると、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキ
シブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシプロピルアクリレート、エトキシジエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタ
クリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレ
ート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレー
ト、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、グ
リセロールモノメタクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、グリセリンジメタクリレート、1,
6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプ
ロピルオキシ)−n−ヘキサン、2−ヒドロキシ−3−
アクリロイルオキシプロピルメタクリレートなどが挙げ
られる。
【0019】活性エネルギー線硬化性組成物は、上述の
複官能性化合物以外に、活性エネルギー線の照射により
重合して硬化被膜を形成する常用のモノマーやオリゴマ
ー、ポリマー等を含んでいてもよい。例えばエポキシ
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート等のモノマーや
オリゴマーを含有させることができる。これらのいくつ
かを例示すると、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
メタクリレート、イソアミルアクリレート、N−ビニル
ピロリドンなど、1個以上の炭素−炭素2重結合を有す
る単官能および多官能のアクリルモノマー、メタクリル
モノマー、ビニルモノマー類が挙げられる。通常は、架
橋した硬化被膜を形成させるため、多官能モノマーを含
む活性エネルギー線硬化性組成物が用いられる。
【0020】また、活性エネルギー線硬化性組成物に
は、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、熱重合禁止
剤などが配合されていても良い。活性エネルギー線硬化
性組成物で硬化被膜を形成するには、活性エネルギー線
硬化性組成物をグラビアコート法、リバースコート法、
ダイコート法などの各種塗布方法で塗布し、活性エネル
ギー線を照射して硬化させればよい。このとき、塗布し
てから硬化させる前に予備加熱を行っても良い。活性エ
ネルギー線硬化性組成物が溶剤で希釈されている場合
は、この予備加熱の工程において溶剤を除去しなければ
ならない。
【0021】硬化被膜の厚みは、0.5〜200μmの
範囲が好ましい。硬化被膜の厚みが0.5μmより薄い
と塗布ムラが発生し、ガスバリア性や耐薬品性が十分に
向上しない。また、この硬化被膜の厚みが200μmよ
り厚いと密着性が悪くなる。照射する活性エネルギー線
は、通常、紫外線と電子線である。これらの活性エネル
ギー線を照射すると、組成物中にラジカルが発生して重
合反応により硬化が進行する。活性エネルギー線として
紫外線を使用するときは、通常、ラジカル発生源として
3〜5重量%の光重合開始剤を配合しておく。電子線を
使用するときは、組成物分子中にラジカルが発生するの
で、光重合開始剤を配合する必要はない。
【0022】以下に実施例及び比較例により本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。なお、以下の例における金属酸化
物薄膜の膜厚、酸素透過度、透湿度、全光線透過率、密
着性、耐薬品性及び硬化被膜の膜厚は下記により測定し
た。
【0023】金属酸化物薄膜の膜厚;電子顕微鏡(日立
製作所製;H−600型)により測定した 酸素透過度;ASTM D−3985に準じて、酸素透
過測定装置(モダンコントロール社製、商品名;OX−
TRAN100)を用いて、25℃−wetの条件にて
測定した。
【0024】透湿度;ASTM F−1249に準じ
て、透湿度測定装置(モダンコントロール社製、商品
名;Permatran−W1)を用いて、40℃−9
0%RHの条件にて測定した。 全光線透過率;JIS K−7105に準じて、分光光
度計を用いて測定した。
【0025】密着性;JIS K−5400に順じて、
活性エネルギー線硬化性組成物からなる硬化被膜上で、
碁盤の目セロテープ剥離試験を行った。1mm×1mm
のマス目100個のうち、剥離せずに残ったマス目の個
数により下記の判定を行った。
【0026】耐薬品性;活性エネルギー線硬化性組成物
からなる硬化被膜上に、5%−NaOH水溶液を滴下し
て10分間放置し、ふき取った後の表面状態を、目視ま
たは400倍の微分干渉顕微鏡で観察して下記の判定を
行った。 微分干渉顕微鏡で観察しても浸食されていない; 〇 目視では判り難いが、微分干渉顕微鏡で観察すると浸食されている; △ 目視でも判る程度に浸食されている; × 硬化被膜の膜厚;JIS K−5400に準じて、電磁
式膜厚計を用いて測定した。
【0027】また、金属酸化物蒸着フィルムとしては、
下記により製造したものを用いた。 珪素酸化物蒸着ポリエーテルサルホンフィルム(PES
−SiO);ポリエーテルサルホンフィルム(PES;
三井東圧社製、商品名;TALPA1000、厚さ10
0μm)に、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン
工業社製、商品名;コロネートL)と、飽和ポリエステ
ル(東洋紡社製、商品名;バイロン300)とを1:1
で配合した塗料をコーターで塗布して乾燥し、厚さ約
0.1μmのアンカーコート層を形成した。巻取り式真
空蒸着装置を用いて、上記のポリエーテルサルホンフィ
ルムのアンカーコート面に、8×10-5Torrの真空
下、酸化珪素(SiO、住友シチックス社製)を高周波
誘導加熱方式で蒸着させて厚さ350Åの珪素酸化物薄
膜を有するフィルムを製造した。
【0028】アルミニウム酸化物蒸着ポリエーテルサル
ホンフィルム(PES−Al2 3);酸化珪素の代り
にアルミニウム(三菱化学社製)を用い、且つ圧力が4
×10 -4Torrとなるように酸素ガスを導入しながら
蒸着を行なった以外は上記と同様にして、厚さ350Å
の酸化アルミニウム(Al2 3 )薄膜を有するフィル
ムを製造した。
【0029】珪素酸化物蒸着ポリアリレートフィルム
(PAR−SiO);ポリエーテルサルホンフィルムの
代りにポリアリレートフィルム(PAR、鐘淵化学社
製、商品名;エルメックAIF、厚さ75μm)を用い
た以外は上記と同様にして、厚さ350Åの珪素酸化物
薄膜を有するフィルムを製造した。 珪素酸化物蒸着ポリカーボネートフィルム(PC−Si
O);ポリエーテルサルホンフィルムの代りにポリカー
ボネートフィルム(PC;三菱ガス化学社製、商品名;
ユーピロンFE−2000、厚さ100μm)を用いた
以外は上記と同様にして、厚さ350Åの珪素酸化物薄
膜を有するフィルムを製造した。
【0030】実施例1〜32及び比較例1〜3 金属酸化物薄膜を有するフィルムの金属酸化物薄膜上
に、表−1に示す被膜形成成分、及び全体に対して3重
量%となる量の光重合開始剤(日本チバ・ガイギー社
製、商品名;IRGACURE−184)からなる紫外
線硬化性組成物を塗布し、120w/cmのメタルハラ
イドランプで約1500mJ/cm2の紫外線を照射し
て硬化させ、厚さ10μmの硬化被膜を形成した。この
フィルムの物性を表−2に示す。
【0031】比較例4 実施例で用いた珪素酸化物蒸着ポリエーテルサルホンフ
ィルムの物性を表−2に示す。 比較例5 実施例で用いた珪素酸化物蒸着ポリアリレートフィルム
の物性を表−2に示す。
【0032】比較例6 実施例で用いた珪素酸化物蒸着ポリカーボネートフィル
ムの物性を表−2に示す。 比較例7 アンカーコート層を設ける前のポリエーテルサルホンフ
ィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして表−1に
示す紫外線硬化性組成物の硬化被膜を形成した。このフ
ィルムの物性を表−2に示す。
【0033】比較例8 アンカーコート層を設ける前のポリアリレートフィルム
を用いた以外は、実施例1と同様にして表−1に示す紫
外線硬化性組成物の硬化被膜を形成した。このフィルム
の物性を表−2に示す。 比較例9 アンカーコート層を設ける前のポリカーボネートフィル
ムを用いた以外は、実施例1と同様にして表−1に示す
紫外線硬化性組成物の硬化被膜を形成した。このフィル
ムの物性を表−2に示す。 比較例10 実施例1において、ポリエーテルサルホンフィルムに珪
素酸化物を蒸着したフィルムの、珪素酸化物薄膜面とは
反対側の面(ポリエーテルサルホン面)に表−1に示す
紫外線硬化性組成物を塗布した以外は実施例1と同様に
して紫外線硬化性組成物の硬化被膜を形成した。結果を
表−2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明に係る、金属酸化物薄膜を有する
プラスチックフィルムの該金属酸化物薄膜上に、重合性
官能基と水酸基又は炭素数1〜3のアルコキシ基との双
方を有する複官能性化合物を含有する活性エネルギー線
硬化性組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して硬
化させたものは、硬化被膜の密着性がよく、著しく優れ
たガスバリア性を示し、且つ耐薬品性に優れている。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−71832(JP,A) 特開 平3−184840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少くとも一方の表面に金属酸化物薄膜を
    有するプラスチックフィルムの該金属酸化物薄膜上に、
    −OR1 基(R1 はアクリロイル基、メタクリロイル基
    又はビニル基を示す)と−OR2 基(R2 は水素原子又
    は炭素数1〜3のアルキル基を示す)とをそれぞれ1個
    以上有する複官能性化合物を含む活性エネルギー線硬化
    性組成物の硬化被膜が形成されていることを特徴とする
    ガスバリア性フィルム。
  2. 【請求項2】 複官能性化合物が、途中に酸素原子を有
    していてもよい炭素数2〜10の炭素鎖を隔てて存在し
    ている少くとも1対の−OR1 基と−OR2基とを有し
    ていることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 複官能性化合物が、途中に酸素原子を有
    していてもよい炭素数2〜10のポリメチレン鎖(但
    し、ポリメチレン鎖の炭素原子にはメチル基又はエチル
    基が置換していてもよい)を隔てて存在している少くと
    も1対の−OR 1 基と−OR2 基とを有していることを
    特徴とする請求項1記載のガスバリア性フィルム。
  4. 【請求項4】 活性エネルギー線硬化性組成物に占める
    複官能性化合物の割合が20〜90重量%であることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のガスバ
    リア性フィルム。
  5. 【請求項5】 複官能性化合物の少くとも一部が、各1
    個の−OR1 基と−OR2 基とを有するものであり、且
    つ活性エネルギー線硬化性組成物に占めるその割合が1
    0〜60重量%であることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  6. 【請求項6】 複官能性化合物の少くとも一部が、下記
    式(1)で示されるものであり、且つ活性エネルギー線
    硬化性組成物に占めるその割合が10〜60重量%であ
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    のガスバリア性フィルム。 【化1】 (式中、Rは水素原子、メチル基又はエチル基であり、
    3 はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ
    基であり、R4 は水素原子、メチル基又はエチル基であ
    り、nは1〜3の整数を示す)
  7. 【請求項7】プラスチックフィルムと金属酸化物薄膜と
    の間に、厚さ0.005〜5μmのアンカーコート層が
    介在していることを特徴とする請求項1ないし6のいず
    れかに記載のガスバリア性フィルム。
  8. 【請求項8】 金属酸化物薄膜の厚さが50〜5000
    Åであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    に記載のガスバリア性フィルム。
  9. 【請求項9】 硬化被膜の厚さが0.5〜200μmで
    あることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記
    載のガスバリア性フィルム。
  10. 【請求項10】 透明であることを特徴とする請求項1
    ないし9のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
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