JP4746278B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
前記正極活物質は、リチウム含有金属複合酸化物一次粒子が凝集した二次粒子を含み、その二次粒子の平均最大粒径をL2maxとした際に前記一次粒子の平均最大粒径L1maxが0.1×L2max≦L1max≦0.5×L2maxの範囲にあり、
前記結着剤は、前記正極活物質100重量部に対して、重量平均分子量が50万〜100万の範囲にあるポリフッ化ビニリデンを1〜3重量部含み、
前記導電材は、前記正極活物質100重量部に対して、一次粒子の平均粒径が20〜100nmのアセチレンブラック1〜3重量部と平均粒径2〜10μmのグラファイト0〜1重量部とを含むことを特徴とするものである。
この正極は、集電体と、この集電体の両面または片面に形成され、かつ正極活物質、結着剤及び導電材を含む正極活物質含有層とを具備する。
この正極活物質は、リチウム含有金属複合酸化物一次粒子が凝集した二次粒子を含み、その二次粒子の平均最大粒径をL2maxとした際に前記一次粒子の平均最大粒径L1maxが0.1×L2max≦L1max≦0.5×L2maxの範囲にある。
但し、前記M1は、Ni、Mn、B、Al及びSnよりなる群から選択される1種類以上の元素であり、前記モル比a,b,cは、それぞれ、0.95≦a≦1.05、0.95≦b≦1.05、0≦c≦0.05、0.95≦b+c≦1.05を示す。前記モル比a,b,cのさらに好ましい範囲は、それぞれ、0.97≦a≦1.03、0.97≦b≦1.03、0.001≦c≦0.03である。
但し、前記Mは、Mn、B及びAlよりなる群から選択される1種類以上の元素を含み、前記モル比x,yは、それぞれ、0<x≦0.5、0≦y≦0.1である。前記モル比x,yのさらに好ましい範囲は、それぞれ、0.1≦x≦0.25、0≦y<0.06である。
但し、前記R2は、前記二次粒子の二次元の像の面積を示し、前記R1は、前記二次元の像の凸部の頂点を結ぶ最短包絡線で囲まれた領域の面積を示す。
前記結着剤は、前記正極活物質100重量部に対して、重量平均分子量が50万〜100万の範囲にあるポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFと称する)を1〜3重量部含む。
前記導電材は、前記正極活物質100重量部に対して、一次粒子の平均粒径が20〜100nmのアセチレンブラック1〜3重量部と平均粒径2〜10μmのグラファイト0〜1重量部とを含む。
集電体としては、例えばアルミニウム板、アルミニウムメッシュ材等を挙げることができる。
この負極は、集電体と、この集電体の両面または片面に形成され、かつ負極活物質及び結着剤を含む負極活物質含有層とを具備する。
非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質とを含む。非水電解質は、液状またはゲル状の形態にすることができる。
以下、本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
(実施例1)
コバルト塩として硫酸コバルトを含む飽和水溶液を調製した。この飽和水溶液に、攪拌しながらアルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加することにより、コバルト水酸化物を沈殿させ、コバルト水酸化物結晶の凝集体を得た。これをろ過して沈殿物を回収し、水洗を繰り返してpHが安定したところで乾燥することにより、コバルト水酸化物一次粒子が凝集した二次粒子を得た。
N−メチルピロリドンに重量平均分子量70万のポリフッ化ビニリデン樹脂(PVdF)が樹脂濃度8%となるように溶解されたバインダー溶液を用意した。得られた正極活物質100重量部に対して、PVdFが2.0重量部となるように前記バインダー溶液を加え、さらに、導電材としてのD50粒径6μmのグラファイト0.5重量部及びD50粒径50nmのアセチレンブラック2.0重量部を加えて混合し、混練した。つづいて、この混合物にN−メチルピロリドンをさらに希釈添加し、ビーズミルを用いて前記固形物を分散させて正極塗工スラリーを調製した。
得られた正極の任意の断面について、走査型電子顕微鏡写真を倍率2000倍で3視野撮影した。この写真から、得られた正極活物質が、球形、板状、扁平形状等の様々な形をしたリチウムコバルト複合酸化物一次粒子が凝集した二次粒子を含むことを確認できた。なお、走査型電子顕微鏡には、日本電子データム(株)製のJSM−5800LVを用いた。加速電圧は20kVに設定し、Au蒸着を100Åとして観察を行った。
カルボキシメチルセルロース濃度が0.68重量%の粘稠水溶液177重量部に対して、繊維状炭素材72重量部、メソフェーズ低温焼成炭素繊維1重量部および球塊状黒鉛27重量部をそれぞれ添加した後、せん断分散した。つづいて、この混合物にさらにSBRラテックス3.4重量部を添加し、均一に混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。
前記正極の集電体に帯状アルミニウム箔(厚さ100μm)からなる正極リードを超音波溶接し、前記負極の集電体に帯状ニッケル箔(厚さ100μm)からなる負極リードを超音波溶接した後、この正極と負極をその間にポリエチレンからなるセパレータを介して渦巻き状に捲回し、電極群を作製した。この電極群を加熱しながらプレス機で加圧することにより、偏平状に成形した。
エチレンカーボネート(EC)とγ−ブチロラクトン(GBL)を、体積比率(EC:GBL)が40:60になるように混合して非水溶媒を調製した。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)を、その濃度が1.5モル/Lになるよう溶解させて、非水電解液を調製した。
容器内の電極群に前記非水電解液を注入し、ヒートシールにより封止することにより、前述した図2及び図3に示す構造を有し、厚さが3.6mm、幅が35mm、高さが62mmで、公称容量が0.75Ahの443443サイズの薄型非水電解質二次電池を組立てた。
実施例1と同様な正極塗工スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(集電体)の両面にそれぞれ216g/m2になるように塗工し、乾燥した後、表1に示す線圧でプレスを行い、スリット加工を施すことにより厚さ129μm、幅36.5mmの帯状正極を作製した以外には実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を組立てた。
コバルト塩として硫酸コバルトと硫酸ニッケルを8対2のモル比で混合した飽和水溶液を調整したこと以外は実施例1と同様にしてリチウムニッケルコバルト複合酸化物を得た。
コバルト水酸化物の二次粒子と炭酸リチウム粉末とをLi:Co=1:1の比率で混合し、酸素雰囲気中で950℃で10時間焼成した以外は実施例1と同様に行い、表1に示す組成を有するリチウムコバルト複合酸化物を得た。
コバルト水酸化物の二次粒子と炭酸リチウム粉末とをLi:Co=1:1の比率で混合し、酸素雰囲気中で880℃で4時間焼成した以外は実施例1と同様に行い、表1に示す組成を有するリチウムコバルト複合酸化物を得た。
表1に示す重量平均分子量のPVdFを用い、表1に示す線圧でプレスを行った以外には実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を組立てた。
PVdFの含有量とプレス時の線圧を表1に示す値に変更した以外には実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を組立てた。
アセチレンブラックの含有量とプレス時の線圧を表1に示す値に変更した以外には実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を組立てた。
グラファイトを添加せず、プレス時の線圧を表1に示す値に変更した以外には実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を組立てた。
酸化コバルト粉末と炭酸リチウム粉末とをLi:Co=1:1の比率で混合し、酸素雰囲気中で950℃で8時間焼成することにより、表1に示す組成を有するリチウムコバルト複合酸化物を得た。
比較例1と同様な正極塗工スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(集電体)の両面にそれぞれ216g/m2になるように塗工し、乾燥した後、表1に示す線圧でプレスを行い、スリット加工を施すことにより厚さ129μm、幅36.5mmの帯状正極を作製した以外には実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を組立てた。
表1に示す重量平均分子量のPVdFを用い、表1に示す線圧でプレスを行った以外には実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を組立てた。
PVdFの含有量とプレス時の線圧を表1に示す値に変更した以外には実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を組立てた。
コバルト水酸化物の二次粒子と炭酸リチウム粉末とをLi:Co=1:1の比率で混合し、酸素雰囲気中で850℃で4時間焼成した以外は実施例1と同様に行い、表1に示す組成を有するリチウムコバルト複合酸化物を得た。
コバルト水酸化物の二次粒子と炭酸リチウム粉末とをLi:Co=1:1の比率で混合し、酸素雰囲気中で950℃で12時間焼成した以外は実施例1と同様に行い、表1に示す組成を有するリチウムコバルト複合酸化物を得た。
アセチレンブラックの含有量とプレス時の線圧を表1に示す値に変更した以外には実施例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を組立てた。
室温で0.5Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を8時間行い、室温で放電レート0.5C、放電終止電圧3.0Vの条件で放電させることにより初期容量を測定した。この結果を下記表2に示す。
室温で0.5Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を8時間行った。次に、温度−20℃の環境下で、放電レート0.5C、放電終止電圧3.0Vの条件で放電させることにより、低温での放電容量を測定した。その結果を低温容量として下記表2に示す。
0.5Cの定電流で4.2Vまで充電した後、0.5Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電を5サイクル繰り返し、次いで、0.5Cの定電流で4.2Vまで充電した後、1Cの定電流で3.0Vまで放電した際の放電容量を測定した。さらに、0.5Cの定電流で4.2Vまで充電した後、3Cの定電流で3.0Vまで放電した際の放電容量を測定し、1Cでの放電容量を100%とした際の3C放電容量比を算出し、その結果を下記表2に示す。
1.0Cの定電流で4.2Vまで充電した後、1.0Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電を繰り返した。このときの1サイクル目の放電容量と100サイクル目の放電容量を測定し、1サイクル目に対する100サイクル目の容量維持率を算出し、その結果を下記表2に示す。
得られた二次電池をそれぞれ5個ずつ用意し、これらに1.0Cの定電流で、10Vまでの充電を4時間行うことにより過充電状態とし、このときにガス噴出、発火及び破裂のうちのいずれかを生じたものの個数を確認した。その結果を下記表2に示す。
得られた二次電池をそれぞれ5個ずつ用意し、250℃のホットプレートの上に載せて0.5時間放置し、このときにガス噴出、発火及び破裂のうちのいずれかを生じたものの個数を確認した。その結果を下記表2に示す。
Claims (2)
- 正極活物質、結着剤及び導電材を含む正極と、負極と、非水電解質とを具備する非水電解質二次電池であって、
前記正極活物質は、リチウム含有金属複合酸化物一次粒子が凝集した二次粒子を含み、その二次粒子の平均最大粒径をL2maxとした際に前記一次粒子の平均最大粒径L1maxが0.1×L2max≦L1max≦0.5×L2maxの範囲にあり、
前記結着剤は、前記正極活物質100重量部に対して、重量平均分子量が50万〜100万の範囲にあるポリフッ化ビニリデンを1〜3重量部含み、
前記導電材は、前記正極活物質100重量部に対して、一次粒子の平均粒径が20〜100nmのアセチレンブラック1〜3重量部と平均粒径2〜10μmのグラファイト0〜1重量部とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記二次粒子は、下記(1)式で算出される形状係数SF2の平均値が1を超え、2以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
SF2=R1/R2 …(1)
但し、前記R2は、前記二次粒子の二次元の像の面積を示し、前記R1は、前記二次元の像の凸部の頂点を結ぶ最短包絡線で囲まれた領域の面積を示す。
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