JP4745567B2 - 陸上輸送用冷凍装置及びその運転制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、陸上輸送用車両に搭載される陸上輸送用冷凍装置及びその運転制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
陸上輸送用冷凍装置は、トラックの荷台など陸上輸送用車両(以下「冷凍車」と呼ぶ)に積載されたコンテナ(保冷庫)内を冷却し、積み込んだ荷物を所望の低温に維持して輸配送する冷凍車などに装備されるものであり、コンプレッサ、コンデンサユニット、エバポレータユニット及び運転操作の制御部等を具備し、冷媒配管で接続された冷凍サイクルを構成している。
【0003】
図5及び図6に示す従来の陸上輸送用冷凍装置において、図中の符号1は冷凍車、2はコンテナ、3はエバポレータユニット、4はコンデンサユニット、5はコンプレッサ、6は高圧冷媒配管、7は低圧冷媒配管、8はアキュムレータ、9は運転操作用の制御部である。このような陸上輸送用冷凍装置には、車両走行用エンジンからコンプレッサ5の駆動力を得る直結方式と、専用のエンジン駆動発電装置を設けて電動モータによってコンプレッサを駆動するサブエンジン方式とがある。
【0004】
図示した直結方式の場合、コンプレッサ5は通常冷凍車1のエンジンルーム内に設置され、運転操作を行う制御部9は運転室内の適所に設置されている。
コンテナ2の内部(たとえば運転席側の上端部)に設置されるエバポレータユニット3は、エバポレータ30と、エバポレータファン31と、気液熱交換器32と、絞り機構となる膨張弁33とを備えている。なお、エバポレータファン31は、ファンモータ31aを駆動源としている。
一方、コンテナ2の外部(たとえば運転席の上部)に設置されるコンデンサユニット4は、コンデンサ40と、コンデンサファン41と、レシーバ42と、ドライヤ43とを備えている。なお、コンデンサファン41は、ファンモータ41aを駆動源としている。
【0005】
陸上輸送用冷凍装置の冷凍サイクルでは、車両走行用エンジンから出力の一部をもらい受けて駆動されるコンプレッサ5でガス状の冷媒が圧縮され、高圧冷媒配管6を通ってコンデンサユニット4内のコンデンサ40へ送られる。該コンデンサ40では、コンデンサファン41で導入した外気と熱交換したガス冷媒が凝縮して液化する。この液冷媒はさらに、エバポレータユニット3内のエバポレータ30に送られ、コンテナ1内の空気(庫内循環空気)と熱交換して熱を吸収する。この結果、コンテナ1内の空気は冷やされ、また、液冷媒は熱吸収により蒸発してガス状の冷媒となり、再度コンプレッサ5へと送られる。以下、このような冷媒の状態変化を伴う循環を繰り返して、冷凍サイクルが形成される。
【0006】
このような従来の陸上輸送用冷凍装置は、コンテナ2の庫内温度を設定値に維持するため、一般的には庫内温度検出手段としてコンテナ2内の適所に設置された温度センサ10の検知温度に応じて、コンプレッサ5のON/OFF運転を行っている。
また、庫内温度が所定値まで低下した状態でコンプレッサ5の運転を停止するサーモOFF時には、庫内の温度分布を均一に維持するため、庫内冷気循環が行われている。この庫内冷気循環は、通常エバポレータファン31を運転することでコンテナ2内の空気を循環させるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の省エネルギー促進の要求は、上述した陸上輸送用冷凍装置にも及んでいる。
しかしながら、上述した従来の陸上輸送用冷凍装置は、コンプレッサ5のON/OFF運転を行って庫内温度の制御を実施すると共に、コンプレッサ5の運転がOFFとなるサーモOFF時には、エバポレータファン31を冷却運転時と同様に運転して庫内冷気循環を行っている。
このため、サーモOFF時にはコンプレッサが停止されているにも係わらずエバポレータファン31の運転が継続されるため、ファンモータ31aの運転によって電力を消費することになる。
【0008】
さらに、ファンモータ31aは庫内に設置されているエバポレータユニット3の内部に位置しているので、ファンモータ31aの運転による発熱が庫内温度を上昇させるという再熱の問題もある。
すなわち、モータファン31aが発熱することはせっかく冷却した庫内温度を再熱して上昇させることを意味するので、コンプレッサ5の運転を停止できるサーモOFFの時間を短くすることになる。換言すれば、コンプレッサ5を運転して庫内冷却を実施する運転時間を長くすることになるため、所望の庫内温度を維持するためにはコンプレッサ運転用の動力消費量も増すことになる。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、エバポレータファンの運転による再熱の熱量を低減すると共に、運転に要する消費動力の低減によって省エネルギー運転を可能にした陸上輸送用冷凍装置及びその運転制御方法の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の陸上輸送用冷凍装置は、被冷却物を保冷する保冷庫を備えた陸上輸送用車両に搭載され、液相の冷媒が供給されて該冷媒を蒸発させるとともに前記被冷却物を冷却するためのエバポレータと、該エバポレータにて気化した前記冷媒を圧縮するコンプレッサと、該コンプレッサにて圧縮された前記冷媒を凝縮して液化させるコンデンサと、液化された前記冷媒を減圧する絞り機構とを備え、これら各機器が冷媒管路によって連結された冷凍サイクルを形成している陸上輸送用冷凍装置において、所定の庫内温度まで低下した状態で前記コンプレッサの運転を停止し、かつ、前記エバポレータのエバポレータファンを運転して庫内の冷気を循環させるサーモOFF時に、前記エバポレータファンを、運転及び停止させるエバポレータファン運転制御手段を設け、前記エバポレータファン運転制御手段は、前記サーモOFF時における前記エバポレータファンの運転時間及び運転停止時間、ならびに運転・停止の繰り返し回数を、前記保冷庫に収容する荷物の種類、前記保冷庫の内部を冷却する設定温度、前記保冷庫の断熱性能などの諸条件に応じて、最も省エネルギーに適した運転となるように、タイマーにより設定可能であることを特徴とするものである。
【0011】
このような陸上輸送用冷凍装置によれば、サーモOFF時に前記エバポレータファンの運転を任意に設定可能とするエバポレータファン運転制御手段を設けたので、エバポレータファンの運転を最小限に抑えて庫内温度の均一化を図り、再熱を抑制すると共に消費動力の低減を達成することができる。
【0012】
上述した陸上輸送用冷凍装置においては、前記サーモOFF時におけるエバポレータファンの運転は、前記エバポレータファンの吸込空気温度検出手段で検出した温度に基づいて停止させるとよい。
【0013】
また、上述した陸上輸送用冷凍装置においては、前記エバポレータファン運転制御手段が、前記エバポレータファンの運転回転数を任意に設定可能としてもよい。
また、上述した陸上輸送用冷凍装置においては、前記エバポレータファンを複数備え、前記エバポレータファン運転制御手段が、前記エバポレータファンの運転個数を任意に設定可能としてもよい。
【0014】
請求項5に記載の陸上輸送用冷凍装置の運転制御方法は、被冷却物を保冷する保冷庫を備えた陸上輸送用車両に搭載され、液相の冷媒が供給されて該冷媒を蒸発させるとともに前記被冷却物を冷却するためのエバポレータと、該エバポレータにて気化した前記冷媒を圧縮するコンプレッサと、該コンプレッサにて圧縮された前記冷媒を凝縮して液化させるコンデンサと、液化された前記冷媒を減圧する絞り機構とを備え、これら各機器が冷媒管路によって連結された冷凍サイクルを形成している陸上輸送用冷凍装置の運転制御方法において、所定の庫内温度まで低下した状態で前記コンプレッサの運転を停止し、かつ、前記エバポレータのエバポレータファンを運転して庫内の冷気を循環させるサーモOFF時に、前記エバポレータファンを、運転及び停止させて庫内冷気循環を行うとともに、前記サーモOFF時における前記エバポレータファンの運転時間及び運転停止時間、ならびに運転・停止の繰り返し回数を、前記保冷庫に収容する荷物の種類、前記保冷庫の内部を冷却する設定温度、前記保冷庫の断熱性能などの諸条件に応じて、最も省エネルギーに適した運転となるように、タイマーにより設定することを特徴とするものである。
【0015】
このような陸上輸送用冷凍装置の運転制御方法によれば、サーモOFF時に前記エバポレータファンの運転を任意に設定して庫内冷気循環を行うようにしたので、エバポレータファンの運転を最小限に抑えて庫内温度の均一化を図り、再熱を抑制すると共に消費動力の低減を達成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る陸上輸送用冷凍装置及びその運転制御方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す陸上輸送用冷凍装置は、従来例(直結方式)の図6に対応するもので、図中の符号3はエバポレータユニット、4はコンデンサユニット、5はコンプレッサ、6は高圧冷媒配管、7は低圧冷媒配管、8はアキュムレータ、10及び11は温度センサ、90は制御部である。
【0017】
この陸上輸送用冷凍装置では、通常冷凍車1のエンジンルーム内に設置されるコンプレッサ5がガス冷媒を圧縮してコンデンサユニット4へ供給する。コンプレッサ5とコンデンサユニット4との間は、高圧冷媒配管6によって連結されている。なお、直結方式のコンプレッサ5は、車両走行用のエンジンから出力の一部をもらい受けて駆動される。
【0018】
コンデンサユニット4は、たとえば冷凍車1の運転席上部やコンテナ2の側壁下方など、コンテナ2の外部適所に設置されている。コンデンサユニット4の内部には、高圧のガス冷媒と外気とを熱交換させるコンデンサ40が設置されている。コンデンサ40を通過する外気は、ファンモータ41aで駆動されるコンデンサファン41の作動によってコンデンサユニット4内に導入される。
コンデンサ40で凝縮して液化した冷媒はレシーバ42を通過して気液の分離がなされた後、ドライヤ43を経て冷媒配管で連結されたエバポレータユニット3へ供給される。
【0019】
エバポレータユニット3は、コンテナ2の内部、一般的には運転席(車両前進方向)側の上端部に設置されている。エバポレータユニット3の内部には、エバポレータ30と、エバポレータファン31と、気液熱交換器32と、膨張弁33とを備えている。
エバポレータユニット3に導入された液冷媒は、気液熱交換器32を通過して冷却された後、絞り機構の膨張弁33へ導かれる。膨張弁33を通過する液冷媒は、減圧されてエバポレータ30へ供給される。エバポレータ30は、液冷媒と庫内循環空気とを熱交換させる機能を有している。この場合の庫内循環空気は、ファンモータ31aを駆動源とするエバポレータファン31の作動によって、庫内の空気がエバポレータ30を通過するよう吸引されて循環する。エバポレータ30で庫内循環空気と熱交換した液冷媒は蒸発してガス冷媒となり、一方、庫内循環空気は気化熱を奪われて冷却される。
【0020】
こうして冷却された庫内循環空気がコンテナ2の内部を循環することで、コンテナ2の内部は所望の温度に冷却される。
また、エバポレータ30で蒸発したガス冷媒は、気液熱交換器32を通過して液冷媒を冷却した後、低圧冷媒配管7を通ってアキュムレータ8へ導かれる。このアキュムレータ8では気液の分離がなされ、ガス冷媒のみがコンプレッサ5へ吸引されて再度圧縮される。
以下、このような状態変化を繰り返す冷媒が冷媒配管を循環することで、陸上輸送用冷凍装置の冷凍サイクルが形成される。
【0021】
さて、上述した陸上輸送用冷凍装置は、たとえば運転席などに設置されて各種の運転操作を行う制御部90を備えている。この制御部90には、エバポレータファン31を運転及び停止させるエバポレータファン運転制御手段として、エバポレータファン運転制御部91を備えている。
【0022】
この制御部90では、陸上輸送用冷凍装置の運転・停止や庫内温度の設定などの操作を行うことができ、さらに、「冷却運転」及び「サーモOFF運転」を自動的に選択切換することもできる。なお、一方の「冷却運転」は、コンプレッサ5を運転して冷媒を循環させ、エバポレータ30で庫内循環空気を冷却するものであり、他方の「サーモOFF運転」は、コンプレッサ5の運転を停止して庫内の温度分布を均一に保つものである。
【0023】
通常の冷却運転では、設定された庫内温度を維持するように、冷凍装置のON/OFF運転、すなわちコンプレッサ5の運転/停止が行われている。このようなON/OFF運転は、庫内温度検出手段としてコンテナ2の内部適所に設けた温度センサ10の検出温度に基づいて実施される。
このON/OFF運転を具体的に説明すると、制御部90で所望の庫内温度T℃を設定し、たとえばこの設定温度よりα1℃低い温度まで庫内が冷やされた時点でコンプレッサ5の運転を停止してサーモOFF運転に切り換える。また、サーモOFF運転を解除して通常の冷却運転を開始する場合も、上述した温度センサ10の検出温度が設定温度T℃、またはT℃よりもα2℃高くなった時に実施される。
【0024】
そして、サーモOFF運転では、庫内の温度分布を均一に保つためにエバポレータファン31を運転して庫内空気を循環させる。このようなサーモOFF時におけるエバポレータファン31の運転は、エバポレータファン運転制御部91によって任意に設定可能である。すなわち、コンテナ2に収容する荷物の種類、コンテナ2の内部を冷却する設定温度、コンテナ2の断熱性能などの諸条件に応じて、最も省エネルギーに適した運転を適宜設定できるようになっている。
【0025】
ここで、サーモOFF時におけるエバポレータファン31の具体的な運転制御を説明する。
第1の運転制御は、エバポレータファン31の運転時間及び運転停止時間を任意に設定して、庫内温度分布を均一に保つようにしてある。これを図2に基づいて説明すると、サーモOFF時にはエバポレータファン31の運転・停止を交互に行い、トータルの運転時間を短縮できるようにしてある。
【0026】
すなわち、図示の例では、サーモOFFに切り換えた最初の時間t1はエバポレータファン31の運転を停止し、以後時間t2の運転、時間t3の停止、時間t4の運転及び時間t5の停止というように、冷却運転の開始まで運転・停止を繰り返す。このような時間t1〜5毎の運転・停止は、たとえばタイマーを使用することで容易に実施可能となる。なお、時間t1〜5の設定や運転・停止の回数等については、図示の例に限定されることはなく、全て同じ時間にしたり徐々に短くするなど適宜変更可能なことはいうまでもない。
また、(1)コンプレッサ5の運転が開始される冷却運転は温度センサ10の検出値が所定の温度まで上昇したときに開始されること、(2)冷却運転にはエバポレータファン31の運転が不可欠なことから、コンプレッサ5の運転が開始されたら必ずエバポレータファン31も運転されるようにしておく。
【0027】
次に、第2の運転制御について説明する。上述した第1の運転制御では、タイマーを用いてエバポレータファン31の運転・停止を行っていたが、第2の運転制御では、エバポレータファン31の吸込空気温度検出手段として設けた温度センサ11で検出した温度に基づいて停止させる。すなわち、温度センサ11の検出値が安定した時点で庫内温度分布が均一であると判断し、エバポレータファン31の運転を停止する。この場合、エバポレータファン31の運転開始については、タイマーにより任意の時間を設定してもよいし、あるいは、温度センサ11の検出値が所定値以上の変動をする場合としてもよい。なお、この運転制御においても、コンプレッサ5の運転が開始されたら必ずエバポレータファン31も運転されるようにしておく。
【0028】
このように、上述した第1及び第2の運転制御を行うと、サーモOFF時にエバポレータファン31の運転停止時間が生じるので、その分だけファンモータ31aの消費電力を節約して省エネルギーを達成できる。
また、ファンモータ31aの運転時間が短縮されると、モータの発熱による再熱も低減されるので、庫内温度を上昇させる要因を低減することができる。
従って、庫内温度が上昇してサーモOFFから冷却運転に切り換わるのに要する時間を長くすることができ、その分コンプレッサ5を運転する時間が短くなるので、コンプレッサ5における動力消費を低減して省エネルギーに貢献することができる。
【0029】
このようなサーモOFF時におけるエバポレータファン31の運転制御は、特に冷凍用の運転制御に適している。すなわち、冷凍時においては、コンテナ2内の荷物自体が氷点下の冷凍状態にあって十分な冷熱を保有しているため、サーモOFFの割合がかなり大きくなるためである。従って、エバポレータファン31を停止させることができる時間も長くなり、省エネルギーへの貢献度は極めて高いものとなる。
【0030】
次に、第3の運転制御を図3に基づいて説明する。この運転制御では、サーモOFF時になると、エバポレータファン31の回転速度を低下させて低速運転を実施する。具体例を示して説明すると、公知の手段によってファンモータ31aの回転速度を2段階に、たとえば冷却運転時の通常速度またはそれ以下の低速から選択切換できるようにしておく。そして、サーモOFF時には消費電力の少ない低速運転を選択して実施する。
【0031】
このような運転制御を採用すると、サーモOFF時にはエバポレータファン31が低速運転されるので、庫内の温度分布を均一に保ちつつ消費電力を低減することができる。また、消費電力の少ない低速運転は、ファンモータ31aの発熱量も少ないので、再熱の問題も最小限に抑えることができる。
なお、この運転制御においては、コンプレッサ5の運転が開始されたら必ずエバポレータファン31を通常の運転速度に戻すようにしておく。
【0032】
最後に、第4の運転制御を図4に基づいて説明する。この運転制御では、エバポレータファン31を複数設け、サーモOFF時には運転個数を低減する。具体例を示して説明すると、エバポレータファン31をたとえば2台設置しておき、通常の冷却運転には2台を共に運転し、サーモOFF運転時にはいずれか一方を停止して1台のみ運転するものとする。
なお、エバポレータファン31の設置数は上述した2台に限定されることはなく、適宜変更が可能なことはいうまでもない。
【0033】
このような運転制御を採用すると、サーモOFF時には停止した1台分のファンモータ31aで消費している電力が低減されるだけでなく、発熱量も減少することになる。従って、庫内の温度分布を均一に保ちつつ消費電力を低減することができ、再熱の問題も半減させることができる。
なお、この運転制御においては、コンプレッサ5の運転が開始されたら必ず全数のエバポレータファン31を運転するようにしておく。
【0034】
以上説明したように、本発明の陸上輸送用冷凍装置によれば、サーモOFF時にエバポレータファン31の運転を任意に設定可能とするエバポレータファン運転制御手段を設けたので、エバポレータファン31の運転を制御して、具体的には運転・停止時間、運転速度及び運転台数を適宜設定して、ファンモータ31aにおける消費電力を低減し、かつ、ファンモータ31aにおける再熱の影響を最小限に抑えて、庫内冷気循環を行う運転制御が可能になる。従って、省エネルギーを実現しながら、庫内温度分布の均一化することができる。
【0035】
ところで、上述した第1〜第4の運転制御は、それぞれを単独で実施することはもちろん可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。
組合せの具体例を示すと、第1の制御例と第3の制御例とを組み合わせ、サーモOFF時にエバポレータファン31の運転・停止を行うだけでなく、運転する回転速度を低速にして消費電力及び発熱量をより一層低減してもよい。
【0036】
あるいは、第3の制御例と第4の制御例とを組み合わせて、サーモOFF時には、複数設置したエバポレータファン31の一部を低速回転で運転し、消費電力及び発熱量をより一層低減してもよい。
なお、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、たとえば直結方式だけでなくサブエンジン方式にも適用可能であるというように、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【0037】
【発明の効果】
上述した本発明の陸上輸送用冷凍装置及びその運転制御方法によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に記載の陸上輸送用冷凍装置によれば、所定の庫内温度まで低下した状態でコンプレッサの運転を停止し、かつ、エバポレータファンを運転して庫内の冷気を循環させるサーモOFF時に、エバポレータファンを、運転及び停止させるエバポレータファン運転制御手段を設け、このエバポレータファン運転制御手段が、前記サーモOFF時におけるエバポレータファンの運転時間及び運転停止時間、ならびに運転・停止の繰り返し回数を、前記保冷庫に収容する荷物の種類、前記保冷庫の内部を冷却する設定温度、前記保冷庫の断熱性能などの諸条件に応じて、最も省エネルギーに適した運転となるように、タイマーにより設定可能にしたので、エバポレータファンの運転を最小限に抑えて庫内温度の均一化を図り、再熱を抑制すると共に消費動力の低減を達成することができる。
従って、エバポレータファンを運転する消費電力及びコンプレッサを運転する消費動力を低減し、冷凍装置の省エネルギー運転を可能にするという顕著な効果を奏する。
【0038】
上述したエバポレータファン運転制御手段は、
(1)エバポレータファンの運転時間及び運転停止時間を任意に設定する、
(2)エバポレータファンの運転回転数を任意に設定可能とする、
(3)エバポレータファンを複数備え、エバポレータファンの運転個数を任意に
設定する、
ことが効果的であり、いずれもファンモータの消費電力及び再熱熱量を低減できる。
なお、(1)の場合、サーモOFF時におけるエバポレータファンの運転は、エバポレータファンの吸込空気温度検出手段で検出した温度に基づいて停止させるようにすれば、庫内温度分布の均一化はより一層良好なものとなる。
【0039】
請求項5に記載の陸上輸送用冷凍装置の運転制御方法によれば、所定の庫内温度まで低下した状態でコンプレッサの運転を停止し、かつ、エバポレータのエバポレータファンを運転して庫内の冷気を循環させるサーモOFF時に、エバポレータファンを、運転及び停止させて庫内冷気循環を行うとともに、前記サーモOFF時における前記エバポレータファンの運転時間及び運転停止時間、ならびに運転・停止の繰り返し回数を、前記保冷庫に収容する荷物の種類、前記保冷庫の内部を冷却する設定温度、前記保冷庫の断熱性能などの諸条件に応じて、最も省エネルギーに適した運転となるように、タイマーにより設定するようにしたので、エバポレータファンの運転を最小限に抑えて庫内温度の均一化を図り、再熱を抑制すると共に消費動力の低減を達成することができる。
従って、エバポレータファンを運転する消費電力及びコンプレッサを運転する消費動力を低減し、冷凍装置の省エネルギー運転を可能にするという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る陸上輸送用冷凍装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】 図1におけるエバポレータファン運転制御装置の第1制御例を示す説明図である。
【図3】 図1におけるエバポレータファン運転制御装置の第3制御例を示す説明図である。
【図4】 図1におけるエバポレータファン運転制御装置の第4制御例を示す説明図である。
【図5】 陸上輸送用冷凍装置を装備したトラックを示す斜視図である。
【図6】 陸上輸送用冷凍装置に係る従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 冷凍車
2 コンテナ
3 エバポレータユニット
4 コンデンサユニット
5 コンプレッサ
10 温度センサ(庫内温度検出手段)
11 温度センサ(吸込空気温度検出手段)
30 エバポレータ
31 エバポレータファン
31a ファンモータ
33 膨張弁(絞り機構)
40 コンデンサ
41 コンデンサファン
90 制御部
91 エバポレータファン運転制御部
Claims (5)
- 被冷却物を保冷する保冷庫を備えた陸上輸送用車両に搭載され、液相の冷媒が供給されて該冷媒を蒸発させるとともに前記被冷却物を冷却するためのエバポレータと、該エバポレータにて気化した前記冷媒を圧縮するコンプレッサと、該コンプレッサにて圧縮された前記冷媒を凝縮して液化させるコンデンサと、液化された前記冷媒を減圧する絞り機構とを備え、これら各機器が冷媒管路によって連結された冷凍サイクルを形成している陸上輸送用冷凍装置において、
所定の庫内温度まで低下した状態で前記コンプレッサの運転を停止し、かつ、前記エバポレータのエバポレータファンを運転して庫内の冷気を循環させるサーモOFF時に、前記エバポレータファンを、運転及び停止させるエバポレータファン運転制御手段を設け、
前記エバポレータファン運転制御手段は、前記サーモOFF時における前記エバポレータファンの運転時間及び運転停止時間、ならびに運転・停止の繰り返し回数を、前記保冷庫に収容する荷物の種類、前記保冷庫の内部を冷却する設定温度、前記保冷庫の断熱性能などの諸条件に応じて、最も省エネルギーに適した運転となるように、タイマーにより設定可能であることを特徴とする陸上輸送用冷凍装置。 - 前記サーモOFF時におけるエバポレータファンの運転は、前記エバポレータファンの吸込空気温度検出手段で検出した温度に基づいて停止させることを特徴とする請求項1記載の陸上輸送用冷凍装置。
- 前記エバポレータファン運転制御手段が、前記エバポレータファンの運転回転数を任意に設定可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の陸上輸送用冷凍装置。
- 前記エバポレータファンを複数備え、前記エバポレータファン運転制御手段が、前記エバポレータファンの運転個数を任意に設定可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の陸上輸送用冷凍装置。
- 被冷却物を保冷する保冷庫を備えた陸上輸送用車両に搭載され、液相の冷媒が供給されて該冷媒を蒸発させるとともに前記被冷却物を冷却するためのエバポレータと、該エバポレータにて気化した前記冷媒を圧縮するコンプレッサと、該コンプレッサにて圧縮された前記冷媒を凝縮して液化させるコンデンサと、液化された前記冷媒を減圧する絞り機構とを備え、これら各機器が冷媒管路によって連結された冷凍サイクルを形成している陸上輸送用冷凍装置の運転制御方法において、
所定の庫内温度まで低下した状態で前記コンプレッサの運転を停止し、かつ、前記エバポレータのエバポレータファンを運転して庫内の冷気を循環させるサーモOFF時に、前記エバポレータファンを、運転及び停止させて庫内冷気循環を行うとともに、
前記サーモOFF時における前記エバポレータファンの運転時間及び運転停止時間、ならびに運転・停止の繰り返し回数を、前記保冷庫に収容する荷物の種類、前記保冷庫の内部を冷却する設定温度、前記保冷庫の断熱性能などの諸条件に応じて、最も省エネルギーに適した運転となるように、タイマーにより設定することを特徴とする陸上輸送用冷凍装置の運転制御方法。
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