JP4745534B2 - タイヤ加硫装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に装着する空気タイヤを金型内で加硫処理するタイヤ加硫装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
稼動率の向上および小設置スペースを目的とした従来のタイヤ加硫装置として、例えば特開2000−263552号公報に開示されたものがある。このタイヤ加硫装置について、図15〜図18に基づき説明する。
【0003】
図15に示すように、各タイヤ加硫用金型組立体M(図17に示すM1〜M8の8組)は、ボトムプレート103とトッププレート105とを有している。ボトムプレート103は、スペーサ102を介してフレーム101の下梁部101aに取りつけられている。ボトムプレート103とトッププレート105の間には複数本のロッド104が配置されており、各ロッド104の上端部はトッププレート105にねじ込まれている。一方、各ロッド104の下端部はボトムプレート103に形成された穴(図示せず)に上方から挿入可能とされており、タイヤの加硫処理時は、この穴に挿入された前記下端部の溝部にU字キー106を挿入することにより、各ロッド104をボトムプレート103に固定する。このとき、タイヤ加硫用金型組立体Mの金型部109の上部は、上熱板107,断熱板108を介してトッププレート105に取付けられている。金型部109の下部は、下熱板110,断熱板111を介してボトムプレート103に組みつけられている。
【0004】
フレーム101の上方には、複数の金型開閉装置113が配設されている。
図16に示すように、フレーム101の上梁部101cにレール114が紙面に垂直方向(図17に示すY1−Y1,Y2−Y2,Y3−Y3,Y4−Y4の各方向)に敷設されている。各金型開閉装置113の走行フレーム116は、LMベアリング115を介して、レール114上に設けられている。これにより、金型開閉装置113は、駆動手段122によって、相対向するタイヤ加硫用金型組立体M1とM2の対,M3とM4の対,M5とM6の対,M7とM8の対の中心間(図17参照)を移動する。
また、各金型開閉装置113は鉛直方向に昇降可能な昇降プレート118を備えており、この昇降プレート118とタイヤ加硫用金型組立体Mのトッププレート105とは、ロック機構(図示せず)によって連結・離間可能に構成されている。
【0005】
図15に示すように、フレーム101の中央梁101dには、タイヤ加硫用金型組立体Mから加硫済タイヤTCを取り出すタイヤ取出装置124と、取り出された加硫済タイヤTCを紙面に垂直方向(図17に示すX3−X3方向)に送出するコンベア123が備えられている。タイヤ取出装置124には、揺動可能なタイヤ引剥がしフィンガ128と、引き剥がされた加硫済タイヤTCを受取る受板129とが昇降可能に備えられている。タイヤ取り出し時には、タイヤ引剥がしフィンガ128および受板129は、コンベア123の上面よりも上方に位置し、加硫済タイヤTCを受け取った後、コンベア123よりも下方まで下降する。そして、その下降途中で加硫済タイヤTCのみをコンベア123の上面に残置する。なお、コンベア123とタイヤ取出装置124とは、昇降時に干渉しないよう配置されている。
【0006】
次に、タイヤ加硫用金型組立体Mの金型部109について、図18を用いて更に詳述する。
図18に示すように、金型部109は、上円板147にボルト締めされた上サイドウォールモールド143を備えている。上円板147は、円筒146を介して開閉シリンダ(図示せず)に接続され、この開閉シリンダの作用により上熱板108に対して相対的に上下方向に昇降する。
上円板147には、ガイド148が半径方向へ放射状に固定されている。また、上熱板107には、スペーサリング149,スペーサ150を介してアウターリング157が固定されている。このアウターリング157は円錐状内周面を有し、この円錐状内周面に対して、セグメント152の円錐状外周面がガイド153を介して係合している。すなわち、セグメント152は、アウターリング157に対しては上下方向に、上円板147に対しては半径方向に、ガイド153に沿って滑動可能に組みつけられている。
【0007】
セグメント152の円錐状内周面には、周方向に分割されたトレッドモールド144がボルト締めされている。よって、上円板147が上熱板107に対して相対的に昇降すると、トレッドモールド144はセグメント152を介して、半径方向に拡縮される。
下円板155には下サイドウォールモールド145がボルト締めされ、また、下円板155の上面には受圧板154が固定されている。すなわち、トレッドモールド144が拡縮移動する際には、対応するセグメント152がこの受圧板154の上面を滑動する。
【0008】
また、図15に示すように、昇降および揺動可能なアーム134と、その先端に設けられた未加硫タイヤ把持手段135とを備えたローダ133がフレーム101に備えられている。このローダ133は、フレーム101の支柱部101b(図17参照)に一つ置きに組付けられている。すなわち、図17に示すように、各ローダ133のアーム134の揺動中心Paを、互いに隣接する金型組立体M1とM3,M2とM4,M5とM7,M6とM8の中央の面内にそれぞれ位置させてある。
【0009】
上述した構成により、従来のタイヤ加硫装置は、以下のように動作する。
例として、図17に示すタイヤ加硫用金型組立体M1内のタイヤの加硫処理が終了した時について説明する。このとき、予めタイヤ加硫用金型組立体M1の上方同心位置P1(図17参照)に移動しておいた金型開閉装置113の昇降プレート118を下降させ、昇降プレート118とトッププレート105とを前記ロック機構により連結させる。
一方、前記操作の間にタイヤ加硫用金型組立体M1内のタイヤ内方の加圧加熱媒体を排出し、排出終了後、図15に示すU字キー106を抜いてロッド104とボトムプレート103の結合を解除する。その後、図18に示す金型部109の上円板147を下降させながらトッププレート105(昇降プレート118)を上昇させる相対昇降操作を行ない、これによりトレッドモールド144が半径方向に拡径して加硫済タイヤTCから引き剥がされる。
【0010】
上円板147のトッププレート105に対する上記相対下降がストローク限まで達すると、公知の把持手段(図示せず)によって加硫済タイヤTCは把持され、上サイドウォールモールド143と共に上昇する。その結果、加硫済タイヤTCは下サイドウォールモールド145から引き剥がされて上昇する。そして、図16に示すようにトッププレート105が上昇限まで達すると、駆動手段122を動作させて、金型開閉装置113を加硫済タイヤTCと共にタイヤ取出装置124の上方(図15の113a位置)に向かって移動させる。
【0011】
加硫済タイヤTCがタイヤ取出位置P3(図17参照)の直上まで移動したのち、図15に示すようにタイヤ取出装置124が上昇される。次いで、タイヤ引剥がしフィンガ128の揺動作用によって加硫済タイヤTCが上サイドウォールモールド143から引き剥がされる。引き剥がされた加硫済タイヤTCは、受板129の上面に着座した状態でタイヤ取出装置124と共に下降する。そして、加硫済タイヤTCがコンベア123の上面に達すると、タイヤ取出装置124のみが更に下降する。タイヤ取出装置124がその下降限まで達すると、コンベア123を駆動して、コンベア123上に残置された加硫済タイヤTCをX3−X3方向(図17参照)に送出する。
【0012】
一方、上記操作の間において、次に加硫する未加硫タイヤTGを図17に示すP7位置において予め吊上げていたローダ133を、上方が空になったタイヤ加硫用金型組立体M1の下サイドウォールモールド145上(図17に示すP1位置)に移動させる。そして、図示しないブラダを未加硫タイヤTG内方に挿入し、保持する。ローダ133は、タイヤ加硫用金型組立体M3において次に加硫する未加硫タイヤTGを取りに、図17に示すP8位置へと移動する。
【0013】
タイヤ加硫用金型組立体M1内の加硫済タイヤTCの取出しが終了するとともに、ローダ133がP8位置(図17参照)への移動を開始すると、金型開閉装置113をタイヤ加硫用金型組立体M1の上方同心位置P1へと再び移動させる。次いで、トッププレート105を下降し、下サイドウォールモールド145上の未加硫タイヤTGの整形,金型(モールド)の閉操作が実行される。金型を閉じ終えた後、U字キー106を再び挿入してロッド104とボトムプレート103を連結する。そして、タイヤ内方にブラダを介して加圧加熱媒体を供給し、タイヤ加硫用金型組立体M1の加硫処理を再開する。
【0014】
タイヤ加硫用金型組立体M1の加硫処理が再開されると、昇降プレート118とトッププレート105との連結を解除して互いに離間させ、次いで昇降プレート118を上昇させる。昇降プレート118が上昇限に達すると、駆動手段122によって、金型開閉装置113をタイヤ加硫用金型組立体M2の上方同心位置P2(図17参照)まで移動させ、タイヤ加硫用金型組立体M2内における加硫処理終了を待機する。
なお、このとき、タイヤ加硫用金型組立体M1のタイヤ内方に供給された加圧加熱媒体の内圧により、金型部109が開こうとする力が発生するが、トッププレート105とボトムプレート103とはロッド104,U字キー1006によってロックされているため、金型部109が開くことはない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のタイヤ加硫装置は、1組の金型開閉装置113およびタイヤ取出装置124、ならびにコンベア123が、相対向するタイヤ加硫用金型組立体M1およびM2に対して共用されているので、金型の開閉作業効率や加硫済タイヤTCの取出作業効率が高く、また設置スペースが少なくてすむという特徴がある。また、タイヤ加硫用金型組立体M1からの加硫済タイヤTCの取出しと、タイヤ加硫用金型組立体M1への未加硫タイヤTGの搬入とが併行して行われるため、タイヤ加硫処理の生産性が高いものである。
【0016】
しかし、タイヤサイズの変更等の際にタイヤ加硫用金型組立体Mを交換するため、次に述べる作業が必要とされている。
まず、タイヤ加硫用金型組立体M内の加圧加熱媒体を放出した状態(加硫処理が終了した状態)において、トッププレート105と昇降プレート118とのロックを解除して該昇降プレート118を上昇させるとともに、ボトムプレート103をフレーム101の下梁部101aに固定された状態から解放する。すなわち、タイヤ加硫用金型組立体Mをタイヤ加硫装置(フレーム101)からフリー状態に独立させる。次いで、各タイヤ加硫用金型組立体Mの前に配置された図17に示すグリーンタイヤ台136を他所へ移動させたのち、ローダ133をP9位置(図17参照)までスイングさせる。そして、フォークリフト等をタイヤ加硫用金型組立体Mの前まで接近させ、タイヤ加硫用金型組立体Mをタイヤ加硫装置から離設されたスペースの広い金型交換場所まで移動させる。そして、この金型交換場所に保管されている新たなタイヤ加硫用金型組立体Mnを、フォークリフト等によって再びタイヤ加硫装置まで運ぶ。
【0017】
すなわち、超重量物であるタイヤ加硫用金型組立体M,Mnを移動するためにフォークリフト等のタイヤ加硫用金型組立体移動手段を必要とするうえ、このフォークリフトの移動の邪魔にならないよう、グリーンタイヤ台136をわざわざ他所へ移動させる必要がある。したがって、タイヤ加硫用金型組立体Mの交換作業に人手(作業員)を要する。また、上述のように、タイヤ加硫用金型組立体M,Mnはかなりの重量物であるため、交換作業を行う作業員に対し危険が伴う。
【0018】
本発明は、上述のような課題に鑑み、稼働率の向上が図れ、且つ設置スペースが少なくて済むとともに、タイヤ加硫用金型組立体の交換が安全に効率よく行うことのできるタイヤ加硫装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、タイヤ内方に供給された加熱加圧媒体の圧力に抗して金型を閉状態に維持することが可能な金型組立体を備え、この金型組立体が装着される装着位置が、レールを挟んで対を成すように対向して偶数個配置されるとともに、対を成した前記各装着位置が前記レールに沿って互いにそれぞれ隣接され、対を成して配置された前記各装着位置の中間部を前記レールに沿って走行し、前記金型組立体を載置して移動する金型組立体交換台車を備えるとともに、前記金型組立体の搬送機能を有する前記金型組立体の半数の搬送装置を備え、この搬送装置は、対を成して配置された前記金型組立体の上方間を移動可能であるタイヤ加硫装置としたことを特徴としている。
【0020】
このタイヤ加硫装置においては、タイヤを加硫処理する金型組立体を載置して走行可能な金型組立体交換台車が、前記レールを挟んで互いに対を成して配置される前記金型組立体の中間部を、前記レールに沿って移動可能に備えられているため、従来装置のようにタイヤ加硫装置に備えられたグリーンタイヤ台を作業員によって他所へ移動させることなく、金型組立体を交換可能である。
また、前記金型組立体を前記金型組立体交換台車上に載置して自動で搬送可能であるとともに、1個の前記搬送装置が、対を成して配置された2個の金型組立体(装着位置)に対して共用されるので、搬送装置の稼働率、すなわち金型組立体の交換効率が倍増する。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤ加硫装置において、前記金型組立体交換台車が自走可能であることを特徴としている。
【0022】
このタイヤ加硫装置においては、従来装置のように、フォークリフトなどの作業員を必要とする金型組立体の移動手段を必要とせず、金型組立体交換台車が自走することにより、無人かつ自動で安全に金型組立体を交換することができる。
【0024】
このタイヤ加硫装置においては、前記金型組立体を前記金型組立体交換台車上に載置して自動で搬送可能であるとともに、1個の前記搬送装置が、対を成して配置された2個の金型組立体(装着位置)に対して共用されるので、搬送装置の稼働率、すなわち金型組立体の交換効率が倍増する。
【0025】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のタイヤ加硫装置において、前記搬送装置は、前記金型組立体内で加硫処理された加硫済タイヤを取り出し、搬送する機能を有することを特徴としている。
【0026】
このタイヤ加硫装置においては、請求項1または2に記載のタイヤ加硫装置の作用に加えて、1個の前記搬送装置が、加硫済タイヤの取出し・搬送機能を備えるとともに、対を成して配置された2個の金型組立体に対して共用されているため、前記搬送装置の稼働率、すなわちタイヤ加硫処理の処理効率が倍増する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫装置について、詳細に説明する。
【0030】
図1および図13は、本発明に係るタイヤ加硫装置の正面図(図5のB−B断面図)を、図3はこのタイヤ加硫装置の部分側面図を示している。
【0031】
まず、本実施形態のタイヤ加硫装置における金型組立体について、図1,図7を用いて説明する。
【0032】
図1において、符号1はフレームを、符号mは金型組立体(図5に示すように、本実施形態ではm1〜m8の8組)をそれぞれ示している。金型組立体mは、フレーム1の下梁部1a上に固定された断熱板5,断熱板保護プレート4の上面に配設されている。
【0033】
図7に示す金型組立体mの詳細断面図を用いて、更に詳述する。
図7に示すように、金型組立体mは、断熱板保護プレート4上に載置された下部熱板3を備え、この下部熱板3上に円盤状のボトムプレート2が固定されている。このボトムプレート2の外周には、フランジ部2aが形成されている。
ボトムプレート2の上面には、金型の下部を構成する環状の下サイドウォールモールドMbが、ボトムプレート2と同一軸線(軸線P)を有して固定されている。さらに、下サイドウォールモールドMbの内方には、未加硫タイヤTGの内縁部を成型する環状の下ビードリングMeが、下サイドウォールモールドMbと同一軸線を有して設けられている。
【0034】
金型組立体mには、上面にクランプ軸6,6が固定された環状のトッププレート7が下サイドウォールモールドMbと同一軸線(軸線P)を有して備えられ、このトッププレート7上に上部環状熱板8が載置されている。この上部環状熱板8には各クランプ軸6,6が貫通可能な孔が形成されており、この孔に各クランプ軸6を通過させることにより、上部環状熱板8は所定の位置に配置されている。トッププレート7の外周には、ボトムプレート2と同様にフランジ部7aが形成されている。
【0035】
そして、トッププレート7の下面には、金型の上部を構成する上サイドウォールモールドMaが下サイドウォールモールドMbと同一軸線(軸線P)上にボルト締めされている。この上サイドウォールモールドMaの内方には、未加硫タイヤTGの内縁部を成型する上ビードリングMdが、上サイドウォールモールドMaと同一軸線(軸線P)を有して設けられている。
【0036】
ボトムプレート2の水平面H上には、8個のセグメント9が円周方向等間隔に環状に並べて滑動自在に配置されている(図8参照)。各セグメント9の上部および下部には、図7に示すように、それぞれ円弧状の爪9a,9bが軸線Pに向かって突出して形成されている。また、各セグメント9の内周面には、金型の側周面を構成する円弧状のトレッドモールドMcがそれぞれボルト締めされている。そして、各セグメント9の爪9a,9bとフランジ部7a,2aとが係合すると、金型を構成する上サイドウォールモールドMa,下サイドウォールモールドMb,各トレッドモールドMc,上ビードリングMdおよび下ビードリングMeが閉鎖接合し、未加硫タイヤTGの外形を成型するよう構成されている。
【0037】
各セグメント9の半径方向外方には、末広がりに傾斜した傾斜外周面9cが形成されている。また、各セグメント9を外方から囲むようにして無端環状のアウターリング11が設けられている。このアウターリング11は、金型の閉鎖接合際にセグメント9の傾斜外周面9cと隙間なく当接する内方傾斜面11cを備えている。
【0038】
また、金型組立体mには、図7に示すように、セグメント9を未加硫タイヤTG,加硫済タイヤTCの半径方向(以下、単に「半径方向」と呼ぶ。)に滑動させるセグメント滑動リンク機構16が、そのボトムプレート2上に備えられている。セグメント滑動リンク機構16は、各セグメント9に対応して8箇所設けられている(図8参照)。以下、このセグメント滑動リンク機構16について、図7,図8および図9(a),(b)を用いて説明する。
【0039】
図9(b)に示すように、各セグメント9の底部の水平面hには、断面T字状のT型溝9dが半径方向(図8の矢印r方向)に沿って延在して形成されている。このT型溝9dに対して断面I字状のI型キー22が嵌合され、セグメント9に対してボルト締めされている。
一方、ボトムプレート2の水平面Hには、各T型溝9dに対応して、I型キー22が嵌合・摺動可能な断面形状を有する溝2cが、半径方向に沿って延在して形成されている。つまり、各セグメント9は、ボトムプレート2に形成された溝2cに沿って滑動自在に配設されている。
【0040】
図9(a)に示すように、ボトムプレート2上には、各セグメント9に対応して、2個の軸受部材17,17が間隔を空けて設けられている。そして、この軸受部材17,17に対し、第一揺動体18がその中間部を揺動可能に軸支されている(図7参照)。第一揺動体18の一端は、I型キー22と相互回転可能に連結され、他端は第二揺動体20の一端(下端)と相互回転可能に連結されている。一方、第二揺動体20の他端(上端)には、段差を有する頭部19aを備えた棒状体19が固定されている。
【0041】
また、図7に示すように、アウターリング11の外側面には、各セグメント滑動リンク機構16に対応してブロック21が固定されている。このブロック21には、図9(b)に示されているように、ピン21bがブロック21に対して側方(図7の紙面に対して垂直方向)から摺動回転可能に嵌合されている。そして、ピン21bに鉛直方向に設けられた貫通穴21aに前記棒状体19が貫設されている。
なお、図9(a)に示すように、ブロック21の鉛直方向上方および下方には、ピン21bの摺動回転に伴って棒状体19が揺動できるよう、切欠き21c,21dが設けられている。また、貫通穴21aは、その内径が棒状体19の頭部19aの外径より小さく形成されている。
【0042】
また、金型組立体mには、図7に示すように、タイヤ内方に加圧加熱媒体を給排する公知の下部中心機構73(図1参照)に連結されたブラダ挟持機構12がボトムプレート2に設けられている。ブラダ挟持機構12は、鉛直方向(図7の上下方向)に昇降可能な中心軸13と、中心軸13に固定された円盤状のブラダ挟持用下プレート14と、環状のブラダ挟持用上プレート15とを備えている。中心軸13には、タイヤ加硫機外部とブラダ内部とを結ぶ蒸気通路が設けられている。そして、薄膜の弾性体からなるブラダBが、ブラダ挟持用上プレート14とブラダ挟持用下プレート15との間に挟持されている。
【0043】
なお、プラテン型のタイヤ加硫装置とするために、上部環状熱板8,下部熱板3、およびアウターリング11には蒸気通路を設けて熱板とし、金型の外方からも加熱可能な構成としている。
以上が、本発明の実施形態に係るタイヤ加硫装置の金型組立体mの構成である。
【0044】
次に、フレーム1の下梁部1aに設けられた、アウターリング11を鉛直方向に昇降させるアウターリング昇降機構23について、図7,図8および図10を用いて説明する。図8に示すように、アウターリング昇降機構23は円周方向に等間隔に4箇所配置されている。
【0045】
図7に示すように、二個のスライドフレーム24,24がフレーム1の下梁部1a上を半径方向(図8の矢印r方向)に移動可能に設けられている。このスライドフレーム24,24の上部および半径方向外側には、図10に示すように、それぞれ上面プレート25、後面プレート24aが架設されている。
図7に示すように、上面プレート25上には、シリンダロッド26aの先端に凹状の支持体27を有する支持シリンダ26が設けられている。この支持シリンダ26は、シリンダロッド26aが押出時に、後述する昇降シリンダ28のシリンダロッド28aの先端に設けられた昇降体29を、支持体27が下方から支持できるよう配置されている。
【0046】
下梁部1aには、図7に示すように、スライドフレーム24,24を半径方向に移動させる移動シリンダ30が設けられており、そのシリンダロッド30aが後面プレート24aに連結されている。なお、各スライドフレーム24,24には、移動シリンダ30の押出時にボトムプレート2の段差部2bと係合する段差部24b,24bが形成されている。すなわち、この段差部2bと段差部24b,24bとが係合することによって、下梁部1a(断熱板保護プレート4)上に載置された金型組立体mはその位置がずれないよう固定される。
【0047】
各スライドフレーム24,24間には、図10に示すように、昇降シリンダ28がそのシリンダロッド28aを上方にして、上面プレート25の下部に取付けられている。また、このシリンダロッド28aの先端には、段差を有する頭部29aが形成された昇降体29が固定されている。そして、図7に示すように、移動シリンダ30の押出時に昇降体29と嵌合可能なT字状の嵌合溝31aを有する昇降ブロック31が、アウターリング11の外側面に固定されている。
以上が、本発明の実施形態に係るタイヤ加硫装置のアウターリング昇降機構23の構成である。
【0048】
次に、フレーム1の上方に備えられた搬送装置32について、図1〜図5,図11を用いて説明する。
図3に示すように、フレーム1の各上梁部1cにレール74が紙面に垂直方向(図5に示すY1−Y1,Y2−Y2,Y3−Y3,Y4−Y4方向)にそれぞれ敷設されている。各搬送装置32の走行フレーム33は、LMベアリング75を介してレール74上に設けられている。これにより、各搬送装置32は、ボールスクリュー71(図1参照)等の駆動手段によって、相対向する金型組立体m1とm2の対、m3とm4の対、m5とm6の対、m7とm8の対の中心間(図5参照)をそれぞれ移動する。
【0049】
走行フレーム33には、図3に示すように、二個の昇降シリンダ34が取付けられており、伸長時にそのシリンダロッド34aが下降するよう配置されている。このシリンダロッド34aには、環状の昇降プレート35が前記下サイドウォールモールドMb(図11参照)と同一軸線(軸線P)を有して連結されている。
昇降プレート35の中空部には、バネ鋼材からなるガイド(図示せず)が各側面へ上下方向に延設された角管36が貫通し、固定されている(図4参照)。図3に示すように、この角管36は、固定配置されたカムフォロア37に対して、前記ガイドを当接させながら昇降可能に構成されている。
【0050】
また、昇降プレート35の下面には、図11に示すように、環状断熱板38および環状断熱板保護プレート39が下サイドウォールモールドMbと同一軸線(軸線P)を有して固定されている。なお、昇降プレート35,環状断熱板38および環状断熱板保護プレート39には、前記クランプ軸6が貫通可能な孔がそれぞれ連通して形成されている。
【0051】
昇降プレート35の上面には、図3に示すように、クランプシリンダ40によって水平移動可能なクランププレート41,41が、金型組立体mのトッププレート7に固定されたクランプ軸6,6に対応してそれぞれ設けられている。これら各クランププレート41には鍵状(凸字状)孔が形成されている(図4参照)。この鍵状孔は、上述した昇降プレート35,環状断熱板38,環状断熱板保護プレート39に形成された孔に対して連通している。そして、図3に示すように、昇降シリンダ34のストローク限において、各クランプ軸6がこれらの孔を貫通するよう配置されている。
【0052】
したがって、クランプシリンダ40のシリンダロッドを引きこませると、クランププレート41を貫通したクランプ軸6が前記鍵状孔に係合(クランプ)し、クランププレート41(昇降プレート35)とクランプ軸6(トッププレート7)とが一体的に連結する。逆に、クランプシリンダ41のロッドを押し出すよう作用させると、各クランプ軸6とクランププレート41とが開放(アンクランプ)され、昇降プレート35とトッププレート7とが分離される。
【0053】
昇降プレート8の上面には、図11に示すように、スペーサ43を介して環状ベース42が角管36内部に固定配置されている。環状ベース42の上面には二個の昇降シリンダ44,44が設けられている。これら各昇降シリンダ44は、そのシリンダロッド44aが鉛直方向下方へ伸縮するよう配置されている。そして、シリンダロッド44aの先端は、後述する把持ユニット45の上部プレート46に連結されている。
【0054】
把持ユニット45について、図11を用いて更に詳述する。
図11に示すように、上部プレート46の上面には、旋回シリンダ47が設けられている。旋回シリンダ47は、そのシリンダロッド47aが鉛直方向下方へ伸縮するよう配置されている。また、シリンダロッド47aの先端には支持プレート48が固定されており、この支持プレート48には、軸線Pに対称に配置された4本の連結アーム49が回動可能に軸支されている。また、上部プレート46の下面には、軸線Pに対称に配置された4本の支持柱50が固定されている。そして、4本の連結アーム49および支持柱50に対して、それぞれ1個の把持爪51が軸線Pを含む鉛直面内で旋回可能に軸支されている。
【0055】
各把持爪51は、L字形支持アーム51a、支持アーム51b、およびこれらに回動可能に支持された爪部材51cにより構成されている。L字形支持アーム51aは一端が支持柱50に、屈曲部が連結アーム49に回動可能に支持され、他端は爪部材51cの非把持側の端部を回転可能に支持している。一方、支持アーム51bは一端が支持柱50に回動可能に支持され、他端は爪部材51cの略中間部を回動可能に支持している。そして、昇降シリンダ44および旋回シリンダ47のシリンダロッド44a,47aが最も引き込んだ時、爪部材51cの把持側の先端部がトッププレート7の下面から突出しないよう配置されている。
以上が、本発明の実施形態に係るタイヤ加硫装置の搬送装置32の構成である。
【0056】
次に、フレーム1の中央梁1dに備えられた公知のコンベア52,タイヤ取出装置53について、図13および図14を用いて説明する。
図13に示すように、フレームの中央梁1dには、加硫済タイヤTCをX3−X3方向(図5参照)に送出するローラ式又はベルト式のコンベア52が設けられている。このコンベア52は、図示しない駆動手段によってローラが回転し、加硫済タイヤTCを送出する。
【0057】
タイヤ取出装置53は、加硫済タイヤTCを金型組立体mから取り出す装置である。図13に示すように、昇降テーブル54と、この昇降テーブル54に上端が固定された二本のガイドロッド55と、昇降シリンダ56とが備えられている。各ガイドロッド55は、中央梁1dに対して昇降滑動可能に組付けられている。昇降シリンダ56は、そのシリンダロッド56aが昇降テーブル54に連結され、中央梁1dに固定されている。したがって、昇降シリンダ56を作用させると、昇降テーブル54は各ガイドロッド55と共に上下に昇降する。
【0058】
図14に示すように、昇降テーブル54には、複数(通常4枚又は6枚))のフィンガ57が揺動可能に組付けられている。また、昇降テーブル54の中央部には駆動円板58が鉛直方向に昇降可能に取付けられている。そして、各フィンガ57,駆動円板58に対して、リンク59がピンを介して回動可能に連結されている。昇降テーブル54下面には、フィンガ開閉用シリンダ60が固定されており、そのシリンダロッドの先端は駆動円板58に連結されている。
【0059】
したがって、このフィンガ開閉用シリンダ60の作用により、駆動円板58,リンク59を介して各フィンガ57が同時に揺動する。そして、これらフィンガ57の揺動動作に伴って、その先端を折り曲げて形成されたフック57aのピッチ円直径が拡縮し、このフック57aが加硫済タイヤTCを引き剥がす。なお、昇降テーブル54の上面には、引き剥がされた加硫済タイヤTCの下部を受け止める円弧状の受板61が固定配置されている。
【0060】
昇降テーブル54は、タイヤ取出時にはコンベア52の上面よりも上方に位置している(図13の一点鎖線参照)。そして、引き剥がされた加硫済タイヤTCを受板61へ受け取った後、コンベア52よりも下方まで下降する。そして、その下降途中で加硫済タイヤTCのみをコンベア52の上面に残置する。なお、コンベア52とタイヤ取出装置53とは、昇降時に干渉しないよう配置されている。
以上が、本発明の実施形態に係るタイヤ加硫装置のコンベア52,タイヤ取出装置53であり、従来のタイヤ加硫装置と同一の構成を成している。
【0061】
次に、フレーム1に備えられた公知のローダ62について、図1および図5を用いて説明する。
図1に示すように、ローダ62は従来と同様に、昇降および揺動可能なアーム63と、その先端に設けられた未加硫タイヤ把持手段64とを備え、未加硫タイヤTGを金型組立体mに吊り込むために用いられる。このローダ62は、フレーム1の支柱部1bに一つ置きに組付けられている(図5参照)。すなわち、各ローダ62は、そのアーム63の揺動中心Paを互いに隣接する金型組立体m1とm3,m2とm4,m5とm7,m6とm8の中央の面内にそれぞれ位置させてある。したがって、隣接する金型組立体、例えば金型組立体m1とm3に交互に未加硫タイヤTGを吊り込むことができる。
【0062】
次に、本発明に係るタイヤ加硫装置の特徴である、金型組立体mを載置して移動する金型組立体交換台車65について、図1,図5および図6を用いて説明する。
図1に示すように、支持梁66,66が、互いに平行(紙面に対して垂直)にフレーム1の各支持部1eへ延設されている。すなわち、支持梁66,66は図5(図6)に示すX3−X3方向に延在している。
各支持梁66の上面には、図1に示すように、それぞれレール67,67が敷設されている。そして、プレート状の金型組立体交換台車65が、レール67と係合して滑動するLMベアリング等68を備えて、レール67上を移動可能に組付けられている。この金型組立体交換台車65には、モータ等の図示しない駆動手段が備えられている。したがって、金型組立体交換台車65は、金型組立体m1,m3,m5,m7とそれぞれ対をなすm2,m4,m6,m8との中間を、図5(図6)に示すX3−X3方向に自走可能に配置されている。
また、金型組立体交換台車65は、図5に示すように、二個の金型組立体がX3−X3方向に並置可能な載置位置S1,S2を有して構成されている。
尚、支持梁66,レール67は、タイヤ加硫装置から金型組立体交換場所(図示せず)へと延在して設けられている。金型組立体交換場所においては、様々なタイヤサイズ用の金型組立体が保管されており、金型組立体の交換(金型組立体交換台車65への積み替え)が行われる。
以上が本発明の実施形態に係るタイヤ加硫装置の、金型組立体交換台車65の構成である。
【0063】
上述した構成により、本発明に係るタイヤ加硫装置は、以下のようにタイヤ加硫処理動作が行われる。
例として、図5に示す金型組立体m4内において未加硫タイヤTGが加硫処理されている時について説明する。
加硫処理中は、図7に示すように、金型組立体m4は、フランジ部7a,2aとセグメント9の爪9a,9bとが係合して金型(Ma,Mb,Mc,Md,Me)が閉鎖接合している。また、アウターリング11の内方傾斜面11cと各セグメント9の外方傾斜面9cとが当接している。
【0064】
各アウターリング昇降機構23の移動シリンダ30はそのシリンダロッド30aが伸長するようそれぞれ作用し、昇降体29の頭部29aが昇降ブロック31の嵌合溝31aに嵌合している。これと同時に、スライドフレーム24,24の段差部24b,24bがそれぞれボトムプレート2の段差部2bに係合し、金型組立体m4はその設置位置がずれないよう固定されている。
【0065】
支持シリンダ26はそのシリンダロッド26aが引き込むよう作用し、支持体27は昇降シリンダ28のシリンダロッド28aから離脱している。また、昇降シリンダ28はそのシリンダロッド28aが引き込むよう作用し、アウターリング11を下方へ押し下げている。したがって、各セグメント9には、ブラダB内の蒸気圧に抗する半径方向内方(軸線P方向)への力が作用している。
また、ブラダ挟持機構12の中心軸13は、図7に示す所定の加硫位置まで上昇している。そして、加硫処理中は、加圧加熱媒体が下部中心機構73から中心軸13の蒸気通路を通って、ブラダB内部に導入されている。
【0066】
次に、金型組立体m4内における加硫処理が終了すると、予め金型組立体m4の上方同心位置P4(図5参照)に移動しておいた搬送装置32の昇降プレート35を昇降シリンダ34の作用により下降させ、環状断熱板保護プレート39,環状断熱板38,昇降プレート37および昇降プレート37上面のクランププレート41,41の孔に各クランプ軸6,6を挿入する。次いで、クランプシリンダ40を作用させてシリンダロッドを引きこみ、各クランププレート41の鍵状孔と各クランプ軸6とを係合させ、図3に示すように、昇降プレート35とトッププレート7とを連結する(図11参照)。
なお、搬送装置32の昇降シリンダ44,旋回シリンダ47のシリンダロッド44a,47aは引き込ませ、図11に示すように、爪部材51cはその把持側の先端部がトッププレート7の下面より突出しないよう、略直立した状態で退避させておく。
【0067】
一方、前記操作の間に加硫済タイヤTC内方の加圧加熱媒体を排出し、ブラダBを収縮させる。また、ブラダ挟持機構12の中心軸13を所定の位置まで下降させ、ブラダBと共にブラダ把持機構12全体を下方へ退避させておく。
【0068】
上記操作によって、搬送装置32の昇降プレート35と金型組立体m4のトッププレート7とを連結した後、搬送装置32の各昇降シリンダ44をそのストローク限まで作用させ、把持ユニット45を下降させる。
そして、旋回シリンダ47をそのシリンダロッド47aが伸長するよう作用させ、支持プレート48を下降させる。支持プレート48が下降するにつれて、支持プレート48に軸支された各連結アーム49がL字形支持アーム51aの屈曲部を下方に押出す。押出された各L字形支持アーム51aは、支持柱50との連結部を支点として、軸線Pを含む鉛直面内で旋回すると共に爪部材51cの非把持側の端部を下方へ押出す。押し出された各爪部材51cは、L字形支持アーム51aおよび支持アーム51bに支持されながら、軸線Pを含む鉛直面内で半径方向外方へ向かって旋回する。そして、旋回シリンダ47のシリンダロッド47aがそのストローク限まで伸長すると、爪部材36cの先端は加硫済タイヤTCの中空部から内縁部へと略水平状態で挿入され、加硫済タイヤTCを把持する。
【0069】
加硫済タイヤTCの把持が完了した後、各アウターリング昇降機構23の昇降シリンダ28をそのシリンダロッド26aが伸長するよう作用させ、アウターリング11をその外側面の各ブロック31と共に上昇させていく。これら各ブロック3の切欠き31cの底面が各棒状体19の頭部19aに当接すると、各棒状体19は上方に押し上げられてゆく。
【0070】
押し上げられた各棒状体19は、第二揺動体20を、第一揺動体18との連結部を支点として、図11において紙面に向かって時計回りに揺動させる。同時に、第一揺動体18は、その中間部を支点として、図11において紙面に向かって反時計回りに揺動する。このとき、第一揺動体18の一端に連結されたI型キー22は半径方向外方(図11において右側)へと移動する。したがって、I型キー22が固定された各セグメント9は、ボトムプレート2に設けられた溝7cの内周面にI型キー22を沿わせながら、半径方向外方に滑動する。すなわち、セグメント9の爪9a,9bとトッププレート7のフランジ部7a,ボトムプレート2のフランジ部2aとの係合が解除され、最終的に図12に示すように、トレッドモールドMcは加硫済タイヤTGから離脱し開放される。
【0071】
次に、搬送装置32の昇降シリンダ34をそのシリンダロッド34aが引き込むよう作用させる。これにより、加硫済タイヤTCが下サイドウォールモールドMeから引き剥がされて、トッププレート7,上サイドウォールモールドMaおよび上ビードリングMdと共に上昇する。そして、図13の69aに示すように、トッププレート7が上昇限まで達すると、ボールスクリュー71を駆動し、搬送装置32を加硫済タイヤTCと共にタイヤ取出装置53の上方に向かって移動させる。
【0072】
図13の69bに示すように、加硫済タイヤTCがタイヤ取出装置53の直上まで移動した後、昇降シリンダ56を作用させ、タイヤ取出装置53を上昇させる(図13の二点鎖線部)。次いで、フィンガ開閉用シリンダ60の作用により各フィンガ57を揺動させて(図14参照)、そのフック57aを加硫済タイヤTCの下ビード上方で拡径させる。これと同時に、搬送装置32の旋回シリンダ47,昇降シリンダ44をシリンダロッド47a,43aの順で引き込むよう作用させ、加硫済タイヤTCを把持した状態(図12参照)から把持爪51を上述の作用とは逆方向に旋回させる。すなわち、爪部材51cの把持側の先端部をトッププレート7の下面から突出しない略直立した状態(加硫済タイヤTCを把持する前の状態:図11参照)に退避させる。
【0073】
その後、昇降シリンダ56を作用させてタイヤ取出装置53を下降させると、その下降途中でフィンガ57のフック57aが加硫済タイヤTCの下ビードに係合して、加硫済タイヤTCが上サイドウォールモールドMa,上ビードリングMdから引き剥がされる。引き剥がされた加硫済タイヤTCは受板61の上面に着座し、タイヤ取出装置53とともに下降する。フック57aは、加硫済タイヤTCがコンベア52に到達する前に上記と逆の作用によって縮径させる。そして、加硫済タイヤTCがコンベア52の上面に達すると、タイヤ取出装置53のみ更に下降する。タイヤ取出装置53がその下降限(図13の実線部)まで下降したのち、コンベア52を駆動することにより、加硫済タイヤTCはタイヤ加硫装置外(図5のX3−X3方向)に送り出される。
【0074】
一方、上述した金型組立体m4内の加硫済タイヤTCの取出操作の間において、次に金型組立体m4内で加硫処理する未加硫タイヤTGを予め吊上げていたローダ62を作用させ、上方が空になった金型組立体m4の下サイドウォールモールドMb,下ビードリングMeへ(図5のP4位置)移動させ、未加硫タイヤTGを載置する。そして、ブラダ挟持機構12の中心軸13を再び上昇させたのち、公知手順に従って未加硫タイヤTGを整形(shaping)する。未加硫タイヤTGを載置したローダ62は、金型組立体m4に隣接する金型組立体m2内において次に加硫処理する未加硫タイヤTGを取りにいくために、上昇・揺動動作を行なう。
【0075】
金型組立体m4への次の未加硫タイヤTGの載置,整形が完了すると、搬送装置32を金型組立体m4の上方同心位置P4(図5参照)に再び移動させる。次いで、昇降プレート35をその下降限まで下降させる。
その後、アウターリング昇降機構23の昇降シリンダ28を作用させ、アウターリング11を下降させる。このとき、アウターリング11はその内方傾斜面11cをセグメント9の傾斜外周面9cと当接させながら下降していく。この動作に伴って、各セグメント9は半径方向内方に向かって押し出される。すなわち、その底面に備えられたI型キー22をボトムプレート2の溝2cの内周面に沿わせながら滑動する。そして、セグメント9の爪9a,9bがフランジ部11a,7aにそれぞれ嵌合するとともに、金型(Ma,Mb,Mc,Md,Me)は閉鎖接合し、図11に示すように、金型組立体m4が再び形成される。
そして、未加硫タイヤTG内方にブラダBを介して加圧加熱媒体を供給し、再び加硫処理を開始する。
【0076】
金型組立体m4において再び加硫処理が始められると、クランプシリンダ40をそのロッドが押し出すよう作用させ、クランプ軸6とクランププレート41との連結、すなわち昇降プレート35とトッププレート7との連結を解除し、次いで昇降プレート35を上昇させて互いに離間させる。昇降プレート35が上限に達すると、ボールスクリュー71を作用させて、搬送装置32を金型組立体m4に相対向して位置する金型組立体m3の上方同心位置P5(図5参照)まで移動させ、金型組立体m3における加硫処理が終了するのを待機する。金型組立体m3での加硫処理が終了すると、上述した搬送装置32の動作によって、金型組立体m3内の加硫済タイヤTCが搬出される。
【0077】
他方、上記操作の間に、金型組立体m2で次に加硫される未加硫タイヤTGを取りに行くため上昇・揺動動作を行っていたローダ62は、その未加硫タイヤ把持手段64の中心を図5のP2位置(グリーンタイヤ台70)へと移動する。そして、その位置で下降して、予めグリーンタイヤ台70上に載置されていた未加硫タイヤTGを把持したのち上昇し、金型組立体m2内(図5に示すP1位置)での加硫処理が終了するのを待機する。
金型組立体m2での加硫処理が終了すると、上述した金型組立体m4と同様の手順で、加硫済タイヤTCを金型組立体m2から搬出したのち、ローダ62へ把持された未加硫タイヤTGを金型組立体m2内に吊り込む。そして、金型組立体m4内で次に加硫処理する未加硫タイヤTGを取りに行くため、図5に示すP3位置(グリーンタイヤ台70)までローダ62を移動させ、予めグリーンタイヤ台70に載置されていた未加硫タイヤTCを把持し、金型組立体m4内での加硫処理が終了するのを待機する。
【0078】
以上が、一般的に、グリーンタイヤ台70から金型組立体m内へとローダ62によって未加硫タイヤTGを効率的に搬入し、金型組立体m内で加硫処理された加硫済タイヤTCをコンベア52によって効率的に搬出する加硫動作であり、この加硫動作が金型組立体m1〜m8においてそれぞれ連続して繰返し行われる。
【0079】
次に、加硫処理するタイヤサイズの変更等の際に行われる、本発明の実施形態に係るタイヤ加硫装置の金型組立体mの交換手順について説明する。
例として、図5におけるP4位置において、フレーム1の下梁部1aに固定配置された金型組立体m4を交換する場合について説明する。
【0080】
まず、上述した操作によって、ブラダ挟持機構12を退避させて金型組立体m4内の加硫済タイヤTGを搬出したのち、図7に示すように、金型組立体m4の金型(Ma,Mb,Mc,Md,Me)を閉鎖接合する。ただし、未加硫タイヤTGは金型組立体m4内へ搬入せず、金型組立体m4の内部は空の状態とする。
【0081】
次に、図7(ただし、未加硫タイヤTGは搬入せず、ブラダ挟持機構12は退避させる。)の状態において、アウターリング昇降機構23の支持シリンダ26をそのシリンダロッド26aが押し出るよう作用させ、その先端の支持体27で昇降シリンダ28のシリンダロッド27aを支持する。これと同時に、移動シリンダ30を作用させて、そのシリンダロッド30aを引き込ませる。したがって、スライドフレーム24は半径方向外方へ移動し、該スライドフレーム24の段差部24aとボトムプレート2の段差部2aとの係合が外れる。すなわち、図2に示すように、金型組立体m4はタイヤ加硫装置から独立して、フレーム1の下梁部1a上にフリーで載置されている状態となっている。
【0082】
次に、予め金型組立体m4の上方同心位置P4(図5)まで移動させておいた搬送装置32の昇降シリンダ34を作用させてそのシリンダロッド34aを押し出し、図3に示すように、昇降プレート35を下降させる。次いで、クランプシリンダ40を作用させてそのシリンダロッドを押し出し、昇降プレート35とトッププレート7とを連結させる。つまり、金型組立体m4全体が搬送装置32に一体的に連結される。その後、昇降シリンダ34を作用させてそのシリンダロッド34aを引き込ませ、金型組立体m4を昇降プレート35と一体的に上昇させる。図1に示す72aの状態のように、金型組立体m4と共に搬送装置32が上昇限まで達すると、ボールスクリュー71を駆動して、搬送装置32をタイヤ取出装置53の直上(図1に示す72bの位置)まで移動させる。
【0083】
一方、上記操作の間に、新たに交換する金型組立体m4´を載置した金型組立体交換台車65を、図5の一点鎖線部に示すように、金型組立体交換場所(図示せず)からタイヤ加硫装置に向かってレール67上に沿って自走させる。尚、本実施形態では、金型組立体m4´が台車進行方向後方(図5において左側)の載置位置S2に載せられた場合を用いて説明するが、これに限るものではない。ただし、金型組立体交換台車65はその載置位置S1,S2のいずれか一方は、金型組立体mが載置されていない空の状態としておく。
自走する金型組立体交換台車65は、台車進行方向前方(図5において右側)の空の載置位置S1中心が、図5に示すY2−Y2上に達した時点(図5の実線部)で停止させる。その後、搬送装置32の昇降プレート35を再び下降させ、金型組立体m4を金型組立体交換台車65(載置位置S1)上に降ろす。そして、クランプシリンダ40をそのシリンダロッドが引き込むよう作用させて、昇降プレート35とトッププレート7との連結を解除する。その後、昇降プレート35を再び上昇限まで上昇させ、図1の二点鎖線部に示すように、金型組立体m4を金型組立体交換台車65上に独立したフリー状態で載置する。
【0084】
次に、古い金型組立体m4を載せた金型組立体交換台車65をレール67に沿って自走させ、図6の実線部に示すように、新しい金型組立体m4´が載せられた載置位置S2中心がY2−Y2線上に達した時点で停止させる。次いで、タイヤ取出装置53の直上(図1に示す72b)において上昇限に位置している搬送装置32の昇降プレート35を、昇降シリンダ34の作用により再び下降させる。そして、金型組立体m4´のクランプ軸6,6が、搬送装置32の環状断熱板保護プレート38,環状断熱板39,昇降プレート35およびクランププレート40の各孔を貫通したのち、クランプシリンダ40を作用させて、金型組立体m4´のトッププレート7と昇降プレート35とを連結させる。つまり、金型組立体m4´が搬送装置32に一体的に連結される。
【0085】
その後、上述した古い金型組立体m4の搬出操作とは逆の手順で搬送装置32を動作させ、昇降シリンダ34の下降作用により、図6に示す空の状態となったP4位置の下梁部1a(フレーム1)へ新しい金型組立体m4´を載置する(図3の状態)。
次いで、アウターリング昇降機構23の移動シリンダ30を作用させて、そのシリンダロッド30aを押し出す。この動作により、スライドフレーム24は半径方向内方へ移動し、図7に示すように、スライドフレーム24の段差部24aとボトムプレート2の段差部2aとが係合する。つまり、金型組立体m4´がフレーム1の下梁部1a上にその設置位置(図6に示すP4位置)がずれないよう固定されることとなる。その後、支持シリンダ26をそのシリンダロッド26aが引き込むよう作用させ、その先端の支持体27と昇降シリンダ28のシリンダロッド28aとの支持を解除する。
【0086】
一方、上記の操作の間に、古い金型組立体m4のみを載せた金型組立体交換台車65は、レール67に沿って金型組立体交換場所(図示せず)に向かって自走する(図6の二点鎖線部)。そして、この金型組立体交換場所において、次に新たに交換する金型組立体と交換された金型組立体m4の、金型組立体交換台車65での積み替えが行われる。
【0087】
以上が、加硫処理を行うタイヤのタイヤサイズ変更等の際に行われる、金型組立体mの交換手順である。なお、上述の説明においては、金型組立体m4を金型組立体m4´に交換する場合を説明したが、これに限られるものではなく、各金型組立体m1〜m8のどの金型組立体を交換する場合においても同様の手順で行われる。
【0088】
すなわち、本発明のタイヤ加硫装置は、従来のタイヤ加硫装置と同様に、1組の搬送装置32,タイヤ取出装置53、ならびにコンベア52が、対を成す金型組立体m(本実施形態では金型組立体m3,m4)に対して共用されているので、金型組立体の開閉作業効率や加硫済タイヤTCの取出作業効率が高い。また、金型組立体(本実施形態では金型組立体m4)からの加硫済タイヤTCの取出しと、金型組立体(本実施形態では金型組立体m4)への未加硫タイヤTGの搬入とが併行して行われるため、加硫処理の生産性が高い。
【0089】
さらに、本発明のタイヤ加硫装置においては、タイヤを加硫処理する金型組立体を載置して自走可能な金型組立体交換台車65が、フレーム1の下梁部1aに互いに対を成して装着された金型組立体の中間(本実施形態では、図5に示すm1とm2,m3とm4,m5とm6,m7とm8の対の中間部:X3−X3線上)を移動可能に備えられている。したがって、金型組立体の交換の際、従来装置のようにタイヤ加硫装置に備えられたグリーンタイヤ台70を作業員によって他所へ移動させる必要はない。
また、金型組立体交換台車65が自走可能であるため、フォークリフトなどの作業員を必要とする移送手段を必要とせず、よって、無人かつ自動で金型組立体mを搬送・交換することができる。
【0090】
また、金型組立体mおよび加硫済タイヤTCの搬送を行う搬送装置32が、金型組立体mの数の半数備えられるとともに、対を成して配置された前記金型組立体m(本実施形態では、図5に示す金型組立体m1とm2の対、m3とm4の対、m5とm6の対、m7とm8の対)の上方間(図5に示すY1−Y1,Y2−Y2,Y3−Y3,Y4−Y4の各方向)に移動可能である。すなわち、一個の搬送装置32は、対を成して配置された二個の金型組立体mに対して共用されているので、搬送装置32の稼働率が向上する。つまり、金型組立体mの搬送・交換効率、ならびに加硫済タイヤTCの搬送効率・加硫処理効率が倍増することとなる。
【0091】
なお、本発明に係る実施の形態として上述したタイヤ加硫装置は、金型組立体m(図5に示すm1〜m8)が対を成して4組配置された構成を説明したが、これに限られるものではない。偶数個の金型組立体が対を成して配置されるとともに、これら対を成して配置された各金型組立体が互いにそれぞれ隣置されているものであればよい。
また、対を成して配置された2個の金型組立体mに対し、金型組立体mおよび加硫済タイヤTGを搬送する搬送装置32が1個共用して備えられた上述の構成がより好ましいが、これに限られるものではない。それぞれの金型組立体m(m1〜m8)に対応して搬送装置32が1つずつ備えられている構成でもあってもよい。
【0092】
また、各構成の駆動源たるシリンダの作動流体が、空圧・油圧のいずれであってもよいことは言うまでもない。シリンダに限らず、モータ等の電動アクチュエータ類であってもよい。また、プラテン型の加硫機とするために、上部環状熱板8,下部熱板3、およびアウターリング11には蒸気通路を設けて熱板としたが、加熱源は蒸気にかぎらず、電磁誘導などの加熱方法を用いてもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、以下の効果を有する。
請求項1に記載の発明によれば、タイヤを加硫処理する金型組立体を載置して走行可能な金型組立体交換台車が、レールを挟んで互いに対を成して装着される前記金型組立体の中間部を、前記レールに沿って移動可能に備えられているため、従来装置のようにタイヤ加硫装置に備えられたグリーンタイヤ台を作業員によって他所へ移動させることなく、金型組立体を交換可能である。したがって、金型組立体の交換を従来に比して効率よく行うことができる。
また、前記金型組立体を前記金型組立体交換台車に載置して自動で搬送可能であるとともに、1個の前記搬送装置が、対を成して配置された2個の金型組立体(装着位置)に対して共用されているので、前記搬送装置の稼働率、すなわち金型組立体の交換効率が倍増する。
【0094】
請求項2に記載の発明によれば、前記金型組立体交換台車が自走することにより、従来装置のようにフォークリフトなどの作業員を必要とする金型組立体の移動手段を必要とせず、自動且つ無人で金型組立体を交換することができる。したがって、安全に効率よく金型組立体を交換することができる。
【0096】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明に係るタイヤ加硫装置の搬送装置が、加硫済タイヤの搬出・搬送機能を備えて、対を成して配置された2個の金型組立体に対して共用されているため、加硫済タイヤの搬送効率、すなわちタイヤ加硫処理の生産効率が倍増する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫装置の正面図(図5のB−B断面図)である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫装置の金型組立体が独立してフレーム上に載置された状態図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫装置の部分側面図である。
【図4】 図3のA−A断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫装置の平面図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫装置の平面図である。
【図7】 本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫装置の金型組立体の加硫処理中を表す詳細断面図である。
【図8】 図7のC−C断面図である。
【図9】 (a)図7のD−D断面図である。(b)図7のE−E断面図である。
【図10】 図7のF−F断面図である。
【図11】 本発明の実施形態に係るタイヤ加硫装置の金型組立体の詳細断面図である。
【図12】 本発明の実施形態に係るタイヤ加硫装置の金型組立体の詳細断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫装置の正面図(図5のB−B断面図)である。
【図14】 本発明の実施の形態に係るタイヤ加硫装置のタイヤ取出装置の詳細図である。
【図15】 従来のタイヤ加硫装置の正面図である(図17のG−G断面図)。
【図16】 従来のタイヤ加硫装置の部分側面図(図17のH−H矢視図)である。
【図17】 従来のタイヤ加硫装置の平面図(図15のI−I矢視図)である。
【図18】 従来のタイヤ加硫装置に係る金型部の断面詳細図である。
【符号の説明】
1 フレーム
32 搬送装置
65 金型組立体交換台車
66 支持梁
67 レール
TG 加硫済タイヤ
TC 未加硫タイヤ
m(m1〜m8) 金型組立体
Claims (3)
- タイヤ内方に供給された加熱加圧媒体の圧力に抗して金型を閉状態に維持することが可能な金型組立体を備え、この金型組立体が装着される装着位置が、レールを挟んで対を成すように対向して偶数個配置されるとともに、対を成した前記各装着位置が前記レールに沿って互いにそれぞれ隣接され、
対を成して配置された前記各装着位置の中間部を前記レールに沿って走行し、前記金型組立体を載置して移動する金型組立体交換台車を備えるとともに、
前記金型組立体の搬送機能を有する前記金型組立体の半数の搬送装置を備え、この搬送装置は、対を成して配置された前記金型組立体の上方間を移動可能であることを特徴とするタイヤ加硫装置。 - 前記金型組立体交換台車が自走可能であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫装置。
- 前記搬送装置は、前記金型組立体内で加硫処理された加硫済タイヤを取り出し、搬送する機能を有することを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ加硫装置。
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