JPH11333845A - タイヤ加硫装置およびタイヤ加硫装置の金型交換方法並びにタイヤ加硫方法 - Google Patents

タイヤ加硫装置およびタイヤ加硫装置の金型交換方法並びにタイヤ加硫方法

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JPH11333845A
JPH11333845A JP10156756A JP15675698A JPH11333845A JP H11333845 A JPH11333845 A JP H11333845A JP 10156756 A JP10156756 A JP 10156756A JP 15675698 A JP15675698 A JP 15675698A JP H11333845 A JPH11333845 A JP H11333845A
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mold
clamp ring
tire
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displacement
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泰三 伊藤
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知隆 後藤
Masami Nagata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱が容易でかつ安価でありながら上、下
金型59、14の交換作業を高能率で行う。 【解決手段】 上、下金型59、14の交換時、センター
ポスト65、支持体64を加硫装置11側に残すとともに、
上、下クランプリング66、69をセンターポスト65、支持
体64から取り外し、位置ずれ阻止手段77(永久磁石75、
76)により位置ずれを阻止した状態でこれら金型59、14
と共に搬入出するようにしたので、従来のようなセンタ
ーポストの分割、連結作業および支持体の加硫装置から
の取り外し、連結作業が不要となるとともに、センター
ポスト65、支持体64は加硫装置1台に対して1個だけで
充分である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、タイヤ加硫装置
およびタイヤ加硫装置の金型交換方法並びにタイヤ加硫
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、生タイヤを加硫するタイヤ加硫
装置の処理速度は、生タイヤを成形するタイヤ成形装置
の処理速度より遅いため、このタイヤ加硫装置の処理速
度を、タイヤ加硫時間の短縮およびタイヤ加硫金型交換
時間の短縮の両面から高める研究がなされてきた。そし
て、前述したタイヤ加硫金型の交換時間を短縮するため
に、本出願人は過去において、特開平8ー309755
号公報に示すようなタイヤ加硫装置を提案した。このも
のは、加硫ブラダの上端部を把持している上クランプリ
ングが取り付けられたセンターポストを上下に分割可能
とし、タイヤ加硫装置に対して下、上基台、下、上金
型、下、上クランプリング、加硫ブラダを搬入出する
際、センターポストを上下に2分割するとともに、上ク
ランプリングを把持している上側センターポストを、下
クランプリングを把持している支持体に挿入したままと
することにより、搬送中の下、上クランプリング間の位
置ずれ、即ち加硫ブラダの変形を阻止するようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のタイヤ加硫装置にあっては、上側センターポ
ストおよびこれを支持している支持体を加硫金型と共に
タイヤ加硫装置から取り出すようにしているため、加硫
金型の交換を行う度にセンターポストの分割、連結作業
および支持体の加硫装置からの取り外し、連結作業が必
要となり、この結果、作業能率が低くなってしまうとい
う問題点がある。しかも、上側センターポスト、支持体
を加硫ブラダと同数だけ準備する必要があるため、取扱
が煩雑になるとともに、設備費が高価となってしまうと
いう問題点もある。
【0004】この発明は、取扱が容易でかつ安価であり
ながら加硫金型の交換作業を高能率で行うことができる
タイヤ加硫装置およびタイヤ加硫装置の金型交換方法並
びにタイヤ加硫方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、第1
に、静止した下基台と、下基台に取り付けられ、横置き
された未加硫タイヤの少なくとも下側部を型付けする下
金型と、下基台の上方に設置され、昇降することにより
下基台に対して接近離隔する上基台と、上基台に取り付
けられ、前記タイヤの少なくとも上側部を型付けする上
金型と、これら下、上金型間に設けられ、加硫ブラダの
下端部および上端部をそれぞれ気密状態で把持する下、
上クランプリングと、下クランプリングが連結された支
持体と、該支持体に昇降可能に支持され上端部に上クラ
ンプリングが連結された上下方向に延びるセンターポス
トとを備えたタイヤ加硫装置において、前記下、上クラ
ンプリングを支持体、センターポストにそれぞれ取り外
し可能に連結するとともに、下、上金型を交換するため
にこれら両金型を搬入出するとき、支持体、センターポ
ストから取り外された下、上クランプリング間の位置ず
れを阻止する位置ずれ阻止手段を設けたタイヤ加硫装置
により、第2に、上基台を下降させて静止した下基台に
対し接近させることにより、これら下、上基台に取り付
けられている下、上金型を互いに組み合わせる工程と、
加硫ブラダの下、上端部を把持している下、上クランプ
リングを支持体、センターポストからそれぞれ取り外す
とともに、位置ずれ阻止手段によって下、上クランプリ
ング間の位置ずれを阻止する工程と、位置ずれ阻止手段
によって下、上クランプリング間の位置ずれを阻止しな
がら、下、上クランプリング、加硫ブラダおよび下、上
金型を搬出する工程と、位置ずれ阻止手段によって下、
上クランプリング間の位置ずれを阻止した状態で、加硫
ブラダおよび互いに組み合わされた次使用の下、上金型
を下、上クランプリングとともに搬入する工程と、該搬
入された下、上クランプリングを支持体、センターポス
トにそれぞれ連結する工程とを備えたタイヤ加硫装置の
金型交換方法により、第3に、前記タイヤ加硫装置にお
いて下、上金型を交換した後、これら下、上金型内に未
加硫タイヤを収納するとともに、加硫ブラダに高温、高
圧の加硫媒体を注入して前記タイヤを下、上金型に押付
けることで、これら下、上金型により型付けしながら加
硫するようにしたタイヤ加硫方法により、達成すること
ができる。
【0006】タイヤ加硫装置の下、上金型を交換する場
合には、加硫が終了してこれら金型が開放されている状
態から上基台を下降させて静止した下基台に対し接近さ
せ、下、上金型を互いに組み合わせる。次に、下、上ク
ランプリングを支持体、センターポストからそれぞれ取
り外すが、このとき、自由となった下、上クランプリン
グは位置ずれ阻止手段によって相対的な位置ずれが阻止
される。次に、下、上クランプリング、加硫ブラダおよ
び下、上金型を加硫装置から搬出するが、このとき、前
述のように下、上クランプリングは位置ずれ阻止手段に
よって位置ずれが阻止されているので、搬送中に多少の
外力が下、上クランプリングに作用しても、これら下、
上クランプリング間に位置ずれが生じるようなことはな
く、これにより、加硫ブラダの余計な変形が阻止され
る。ここで、下、上金型等に加えて下、上基台も共に搬
出するようにしてもよい。次に、加硫ブラダおよび互い
に組み合わされた次使用の下、上金型を下、上クランプ
リングとともに加硫装置に搬入するが、このときも位置
ずれ阻止手段によって下、上クランプリング間の位置ず
れは阻止されている。次に、搬入された下、上クランプ
リングを支持体、センターポストにそれぞれ連結する。
その後、交換した下、上金型に未加硫タイヤを搬入して
加硫を行う。このように下、上金型の交換時、支持体、
センターポストを加硫装置側に残すとともに、下、上ク
ランプリングをこれら支持体、センターポストから取り
外した状態で搬入出するようにしているので、従来のよ
うなセンターポストの分割、連結作業および支持体の加
硫装置からの取り外し、連結作業は不要となり、この結
果、金型交換の作業能率が向上する。しかも、支持体、
センターポストは加硫装置1台に対して1個だけあれば
よいため、取扱が容易となるとともに設備費が安価とな
る。
【0007】また、請求項2、3、4、5に記載のよう
に構成すれば、簡単な構成で位置ずれを阻止することが
できる。さらに、請求項7に記載のように構成すれば、
搬入出作業が容易となる。また、請求項8に記載のよう
に構成すれば、加硫ブラダを上、下金型と同時に交換す
ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1実施形態を
図面に基づいて説明する。図1において、11はタイヤ加
硫装置であり、このタイヤ加硫装置11は図示していない
固定フレームに取り付けられ静止している下基台12を有
し、この下基台12は加熱用の下プラテン13を有する。こ
の下基台12上には下金型としての下サイドモールド14が
載置され、この下サイドモールド14はその上面に横置き
された未加硫タイヤの少なくとも下側部、ここでは下側
のサイドウォール部を主に型付けする型付け面15が設け
られている。17は下基台12の上方にこれから離れて設置
された上基台であり、この上基台17は前記下基台12と対
をなすとともに、下基台12と同様に加熱用の上プラテン
18を有する。そして、この上基台17は図示していない垂
直なシリンダのピストンロッドに連結されており、この
結果、該シリンダが作動すると、上基台17は昇降し、こ
れにより、上基台17は下基台12に対して接近離隔する。
【0009】図1、2において、20は上基台17の直下に
配置された水平な可動プレートであり、この可動プレー
ト20の直下には上サイドモールド21が配置されている。
そして、この上サイドモールド21はその下面に横置きさ
れた未加硫タイヤの上側のサイドウォール部を主に型付
けする型付け面22を有する。23は基端部(下端部)が上
サイドモールド21の中央部にねじ込み固定された上下方
向に延びる複数の係止体であり、これらの係止体23は周
方向に等距離離れて配置されている。これら係止体23は
その先端部(上端部)に大径のヘッド24を有し、このヘ
ッド24の下端面は段差24aとなっている。そして、これ
ら係止体23は可動プレート20と上サイドモールド21とが
密着しているとき、その中央部が可動プレート20内を貫
通するとともに、ヘッド24が可動プレート20から上方に
突出し、段差24aと可動プレート20の上面との間に間隙
が形成される。
【0010】27は上基台17の中央部に取り付けられた垂
直に延びる接離手段としてのシリンダであり、このシリ
ンダ27は両ロッド形であるため、上方および下方に向か
って延びる一対の上ピストンロッド28aおよび下ピスト
ンロッド28bを有する。この上ピストンロッド28aの他
端(上端)には前記シリンダ27と同軸である副シリンダ
29が取り付けられ、この副シリンダ29のピストンロッド
30は前記シリンダ27の上、下ピストンロッド28a、b内
を貫通し、下ピストンロッド28bの下端から下方に向か
って突出している。前記下ピストンロッド28bの一端
(下端)にはブラケット32が固定され、このブラケット
32にはピン33を介してL字形をした複数の把持体34の上
端部が回動可能に支持されている。35は半径方向内端部
が前記ピストンロッド30の先端(下端)にピン36を介し
て回動可能に連結され、半径方向外端部が把持体34の中
央部にピン37を介して回動可能に連結された複数の連結
リンクであり、これら連結リンク35は、前記ピストンロ
ッド30が下方に突出すると、徐々に水平状態に向かって
揺動して把持体34の下端部を半径方向外側に向かって移
動させ、前記可動プレート20の上面と係止体23の段差24
aとの間に押し込む。前述した係止体23、把持体34は全
体として、シリンダ27と可動プレート20、上サイドモー
ルド21との間に設けられた1台の把持手段38を構成し、
この把持手段38は可動プレート20を上サイドモールド21
に押し付けた状態でこれら可動プレート20、上サイドモ
ールド21を中央部において一括して把持することができ
る。この結果、これら可動プレート20、上サイドモール
ド21は把持手段38を介して前記シリンダ27に取り外し可
能に連結されることになる。そして、前記シリンダ27が
作動して把持手段38に昇降力を付与されると、この昇降
力は把持手段38を介して可動プレート20および上サイド
モールド21に伝達されるため、これら可動プレート20お
よび上サイドモールド21は把持手段38に一括把持された
状態で上基台17と別個に一体昇降し、該上基台17に対し
て接近離隔する。
【0011】図1、3において、41は可動プレート20お
よび上サイドモールド21を半径方向外側から囲むよう設
けられたアウターリングであり、このアウターリング41
の上端は前記上基台17の半径方向外端部に取り付けられ
ている。そして、このアウターリング41の内周には下基
台12に向かって拡開している円錐状の傾斜面42が形成さ
れている。43は周方向に離れて設置された複数、ここで
は9個の弧状をした移動部材であり、これらの移動部材
43の上端は上サイドモールド21より半径方向外側の可動
プレート20に半径方向に移動可能に支持されている。ま
た、これら移動部材43の外周には前記アウターリング41
の傾斜面42と同一勾配の傾斜面44が形成され、これら傾
斜面44と前記傾斜面42とはあり継手によって連結されな
がら摺動可能に係合している。この結果、可動プレート
20が上基台17に対し接近離隔してこれらの間の間隔が変
化すると、移動部材43は可動プレート20に支持されなが
ら前記傾斜面42、44の楔作用によって半径方向に同期移
動する。
【0012】47は各移動部材43の半径方向内側に配置さ
れ移動部材43と同数の弧状をしたセクターセグメントで
あり、これらセクターセグメント47の半径方向内側面に
は横置きの未加硫タイヤのトレッド部を主に型付けする
型付け面48が形成されている。そして、これら複数のセ
クターセグメント47は全体としてリング状のセクターモ
ールド49を構成する。50は基端部(半径方向内端部)が
各セクターセグメント47の外周側にねじ込み固定された
半径方向に延びる係止ピンであり、これらの係止ピン50
は先端部(半径方向外端部)に先端に向かうに従い先細
りとなった円錐状のヘッド51を、また、中央部にヘッド
51の最大径より小径の軸部52を有し、これらヘッド51と
軸部52との境界、即ちヘッド51の半径方向内端面は段差
53となっている。54は移動部材43の周方向両端面に摺動
可能に係合した対をなすスライドプレートであり、これ
らのスライドプレート54には各移動部材43内に昇降可能
に収納された係止片55の両端部が連結されている。な
お、56は前記スライドプレート54に連結されたガイドロ
ッドであり、これらのガイドロッド56は各移動部材43に
形成された上下方向に延びる長孔57内に摺動可能に挿入
され、スライドプレート54の昇降をガイドする。前記係
止片55の中央部には貫通孔58が形成され、該貫通孔58に
は前記係止ピン50が挿入可能である。そして、前記移動
部材43がセクターセグメント47に向かって半径方向内側
に移動すると、前記係止ピン50は移動部材43および係止
片55の貫通孔58に挿入されるが、このとき、円錐状のヘ
ッド51が係止片55を楔作用によって一旦押上げ、その
後、ヘッド51が貫通孔58を通過するとともに移動部材43
がセクターセグメント47に密着すると、係止片55は自重
により軸部52に当接するまで下降して係止ピン50の段差
53に係止され、該係止ピン50の抜け止めを行う。一方、
前記係止片55が持ち上げられると、係止ピン50を移動部
材43から抜き出すことが可能となる。このようにセクタ
ーセグメント47は対応する移動部材43の内面側に係止ピ
ン50および係止片55によって着脱可能に取り付けられて
いる。前述した上サイドモールド21およびセクターモー
ルド49は全体として、シリンダ27、把持手段38、アウタ
ーリング41、移動部材43を介して上基台17に着脱可能に
取り付けられた上金型59を構成し、この上金型59は横置
きされた未加硫タイヤの少なくとも上側部、ここでは前
述のようにトレッド部および上側のサイドウォール部を
主に型付けする。また、これらセクターセグメント47は
移動部材43と共に半径方向内側限まで移動すると、互い
に密着して連続リング状となるが、このとき、これらセ
クターセグメント47(セクターモールド49)は下降端の
上サイドモールド21および下サイドモールド14に密着す
るため、これら上、下サイド、セクターモールド21、1
4、49は閉止して内部に未加硫タイヤを収納するドーナ
ツ状の空間を形成するとともに、型付け面22、15、48は
連続して未加硫タイヤの外形形状を規定する型付け面を
構成する。
【0013】61は移動部材43の下端部に周方向にほぼ等
距離離れて取り付けられた3個以上の支持爪であり、こ
れらの支持爪61の半径方向内端部は移動部材43より半径
方向内側に突出し、また、この突出した半径方向内端部
には半径方向内側に向かうに従い下方に傾斜した傾斜面
62が形成されている。一方、前記下サイドモールド14の
半径方向外端部には前記傾斜面62と同一角度で傾斜した
傾斜面63が形成されている。そして、前記支持爪61の半
径方向内端部は、移動部材43が半径方向内側限まで移動
したとき、下サイドモールド14の下方、ここでは下サイ
ドモールド14と下基台12との間に挿入され、その傾斜面
62が傾斜面63に面接触する。このように傾斜面62、63同
士が接触しているとき、上基台17が上昇すると、互いに
密着し組み合わされている上、下サイド、セクターモー
ルド21、14、49は支持爪61によって下方から支持されな
がら持ち上げられ、これにより、これら上、下サイド、
セクターモールド21、14、49は支持爪61、移動部材43、
アウターリング41を介して上基台17に保持される。
【0014】図1、2、3において、64は下基台12の中
央部に遊嵌された上下方向に延びる略円筒状の支持体で
あり、この支持体64は図示していない流体シリンダ等に
より昇降される。この支持体64には上下方向に延びるセ
ンターポスト65が支持され、このセンターポスト65は図
示していないシリンダ等によって支持体64と別個に昇降
される。このセンターポスト65の上端部には上クランプ
リング66がロック機構67を介して取り外し可能に連結さ
れ、このロック機構67は連結ロッド72aの上端に連結さ
れた移動体72を図示していないサブシリンダにより上下
に移動させて複数の係止片73を半径方向に変位させるこ
とにより、上クランプリング66とセンターポスト65との
ロックおよびロック解除を行うようにしている。また、
前記上クランプリング66は上、下サイドモールド21、14
間に位置するとともに、センターポスト65が上昇したと
き、上サイドモールド21の内端部に当接することができ
る。前述したセンターポスト65およびシリンダ等は全体
として、上クランプリング66を昇降させる上昇降手段68
を構成する。前記支持体64の上端部にはロック機構74を
介して下クランプリング69が取り外し可能に連結され、
この下クランプリング69は上、下サイドモールド21、14
間に位置するとともに、支持体64が下降したとき、下サ
イドモールド14の内端部に当接することで該下サイドモ
ールド14を下基台12に押付けて取り外し可能に取り付け
る。ここで、前記ロック機構74は前述したロック機構67
と同様の構成で、図示していないサブシリンダにより昇
降される連結ロッド72a、移動体72および該移動体72の
移動により半径方向に変位する係止片73から構成されて
いる。前述した支持体64およびシリンダ等は全体とし
て、下クランプリング69を上クランプリング66と個別に
昇降させる下昇降手段70を構成する。71は下端部が下ク
ランプリング69に、上端部が上クランプリング66にそれ
ぞれ気密状態で把持された屈曲可能な加硫ブラダであ
り、この加硫ブラダ71は内部に高温、高圧の加硫媒体が
注入されると、未加硫タイヤ内でドーナツ状に膨張し、
該未加硫タイヤを上、下金型、即ち上、下サイドモール
ド21、14およびセクターモールド49の型付け面に押し付
けながら加硫する。
【0015】75は上クランプリング66の上面に対向する
上サイドモールド21の下面に埋設された状態で取り付け
られたリング状の磁石であり、この磁石としてこの実施
形態では製作が容易で構造が簡単な永久磁石75を用いて
いる。この永久磁石75は、上金型59、下金型(下サイド
モールド14)を交換するために、これらを上、下クラン
プリング66、69、加硫ブラダ71と共にタイヤ加硫装置11
に対して搬入出する際、センターポスト65から取り外さ
れて自由となった上クランプリング66を吸着力により上
金型59、ここでは上サイドモールド21に保持させる。ま
た、下クランプリング69の下面に対向する下サイドモー
ルド14の上面にはリング状をした下保持部材としての磁
石、ここでは永久磁石76が埋設された状態で取り付けら
れ、この永久磁石76は、前述と同様に上金型59、下金型
(下サイドモールド14)を交換するために、これらを
上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71と共にタイ
ヤ加硫装置11に対して搬入出する際、下クランプリング
69を吸着力により下金型(下サイドモールド14)に保持
させる。前述した永久磁石75、76は全体として、下金型
(下サイドモールド14)、上金型59を交換するためにこ
れら両金型を搬入出するとき、支持体64、センターポス
ト65から取り外された下、上クランプリング69、66間の
相対的な位置ずれを阻止する位置ずれ阻止手段77を構成
するが、この位置ずれ阻止手段77は永久磁石75、76のみ
から構成されているので、その構成は極めて簡単であ
る。
【0016】次に、この発明の第1実施形態の作用につ
いて説明する。前述したタイヤ加硫装置11を用いて未加
硫タイヤを加硫する場合には、まず、未加硫タイヤをタ
イヤ加硫装置11に横置きで搬入して円筒状をした加硫ブ
ラダ71の外側に嵌合するとともに、該未加硫タイヤの下
側のサイドウォール部を下サイドモールド14の型付け面
15に接触させる。次に、センターポスト65、上クランプ
リング66を下降させながら加硫ブラダ71内に低圧流体を
供給して該加硫ブラダ71をドーナツ状に膨張させ未加硫
タイヤ内に侵入させる。このとき、シリンダ27の下ピス
トンロッド28bは下方に向かって突出しているため、可
動プレート20、上サイドモールド21は上基台17から下方
に所定距離離れているとともに、移動部材43、セクター
セグメント47はアウターリング41の傾斜面42に沿って下
方および半径方向外側に移動し、アウターリング41の下
端部から垂下した状態で停止している。また、このと
き、移動部材43に挿入されている係止ピン50の段差53に
は係止片55が係止しているため、対応する移動部材43と
セクターセグメント47とは互いに強固に連結されてい
る。
【0017】次に、上基台17、アウターリング41、可動
プレート20、上サイドモールド21、移動部材43、セクタ
ーセグメント47を一体的に下降させ、上サイドモールド
21を未加硫タイヤ、下サイドモールド14に接近させる。
そして、上サイドモールド21が下降端に到達して上クラ
ンプリング66に当接すると、可動プレート20、上サイド
モールド21、移動部材43、セクターセグメント47の下降
は上クランプリング66によって強制的に停止される。こ
のとき、上サイドモールド21の型付け面22は未加硫タイ
ヤの上側のサイドウォール部に接触し、また、セクター
セグメント47の下端が下基台12の上面に当接する。
【0018】このようにして上サイドモールド21等は強
制的に下降が停止されるが、この後も上基台17は継続下
降して可動プレート20、上サイドモールド21に接近する
ため、シリンダ27の下ピストンロッド28bをこの上基台
17の下降に追従して上方に引っ込め、可動プレート20、
上サイドモールド21と上基台17とを互いに接近させる。
この結果、セクターセグメント47および移動部材43は可
動プレート20に支持されながら傾斜面42、44の楔作用に
より押されて半径方向内側に同期移動し、未加硫タイヤ
に接近する。そして、上基台17、アウターリング41が下
降限に到達すると、上基台17の下降を停止させるが、こ
のとき、セクターセグメント47は半径方向内側限に到達
して互いに密着するとともに、上、下サイドモールド2
1、14に密着し、これら上、下金型が閉止される。その
後、加硫ブラダ71内に高温、高圧の加硫媒体を供給し
て、未加硫タイヤを上、下金型、即ち、上、下サイド、
セクターモールド21、14、49の型付け面により型付けし
ながら加硫する。
【0019】このようにしてタイヤの加硫が終了する
と、上基台17を上昇させるが、このとき、シリンダ27の
下ピストンロッド28bを下方に突出させることで可動プ
レート20、上サイドモールド21を加硫時の位置に保持す
る。この結果、移動部材43、セクターセグメント47は傾
斜面42、44の楔作用により半径方向外側に同期移動す
る。また、アウターリング41は上基台17と共に上昇する
が、移動部材43を支持している可動プレート20は前述の
ように加硫時の位置に停止されているので、移動部材4
3、セクターセグメント47は傾斜面42に沿って下方に摺
動する。その後、移動部材43はアウターリング41に係止
されて摺動が停止するが、このとき、シリンダ27の下ピ
ストンロッド28bの突出も停止する。その後も上基台17
は上昇するため、移動部材43、セクターセグメント47は
アウターリング41の下端部から吊り下げられた状態で可
動プレート20、上サイドモールド21と共に上昇する。次
に、センターポスト65が上昇して加硫ブラダ71が円筒状
に変形されると、図示していない搬出装置が加硫済みの
タイヤをタイヤ加硫装置11から搬出する。以上がタイヤ
加硫の1サイクルであり、以後このサイクルが繰り返さ
れる。
【0020】次に、加硫すべきタイヤの種類変更に伴っ
てタイヤ加硫装置11の上、下金型、即ち上、下サイドモ
ールド21、14およびセクターモールド49の交換を行う場
合には、加硫が終了してこれら金型が開放されている状
態から、前述の加硫時と同様にセンターポスト65、上ク
ランプリング66を所定位置まで下降させるとともに、上
基台17を下降させて静止した下基台12に接近させ、把持
手段38に一括把持された可動プレート20、上サイドモー
ルド21およびアウターリング41を下サイドモールド14に
接近させる。そして、上サイドモールド21が下降端に到
達して上クランプリング66に当接すると、セクターセグ
メント47の下端が下基台12の上面に当接するが、その後
も上基台17、アウターリング41は継続下降するため、シ
リンダ27の下ピストンロッド28bをこの上基台17の下降
に追従して上方に引っ込め、可動プレート20、上サイド
モールド21と上基台17とを互いに接近させる。これによ
り、セクターセグメント47および移動部材43は傾斜面4
2、44に押されて半径方向内側に同期移動する。そし
て、これら移動部材43、セクターセグメント47が半径方
向内側限まで移動すると、セクターセグメント47は互い
に密着するとともに、上、下サイドモールド21、14に密
着し、上、下金型、即ち、上、下サイドモールド21、14
およびセクターモールド49が互いに組み合わされる。こ
のとき、支持爪61の半径方向内端部は下サイドモールド
14の下方、ここでは下サイドモールド14と下基台12との
間に挿入され、その傾斜面62が傾斜面63に面接触する。
これにより、上基台17はこれら組み合わされた上、下サ
イドモールド21、14およびセクターモールド49を保持す
るが、このときの状態が図1に示されている。
【0021】次に、ロック機構67の連結ロッド72a、移
動体72をサブシリンダにより下降させるとともに、ロッ
ク機構74の連結ロッド72a、移動体72をサブシリンダに
より上昇させることにより、これらロック機構67、74の
ロックを共に解除し、上、下クランプリング66、69をセ
ンターポスト65、支持体64からそれぞれ取り外すととも
に、下サイドモールド14を下基台12から取り外す。これ
により、上、下クランプリング66、69は共に自由となる
が、上クランプリング66は永久磁石75の吸着力により上
金型59、即ち上サイドモールド21に保持され、また、下
クランプリング69も永久磁石76の吸着力により下金型
(下サイドモールド14)に保持されているため、これら
上、下クランプリング66、69間の相対的な位置ずれは阻
止される。この状態で上基台17を上昇させると、把持手
段38によって一括把持されている可動プレート20、上サ
イドモールド21と、可動プレート20に支持されながらア
ウターリング41により半径方向内側限まで押し込まれた
セクターモールド49と、支持爪61によって下方から支持
された下サイドモールド14とは組み合わされた状態で、
上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71と共に上基
台17に保持されながら所定位置まで搬送される。このよ
うな搬送時、上、下クランプリング66、69は永久磁石7
5、76の吸着力によって上、下サイドモールド21、14に
それぞれ保持されているので、多少の外力を受けてもこ
れら上、下クランプリング66、69間に位置ずれが発生す
ることはなく、この結果、加硫ブラダ71の余計な変形が
防止される。
【0022】次に、持ち上げられた金型の直下に、図
4、5に示すような水平な載置台80を搬入する。ここ
で、この載置台80は円板状をした水平なベース81と、こ
のベース81の上面に固定されセクターセグメント47と同
数である突起82とから構成され、これらの突起82は周方
向に等距離離れるとともに、半径方向内端にセクターセ
グメント47の半径方向外端に係合可能な傾斜面83が形成
されている。次に、上基台17を下降させて前記上、下サ
イドモールド21、14およびセクターモールド49を交換位
置、ここでは載置台80まで搬出し、これらを載置台80上
に載置するが、このとき、前記突起82にスライドプレー
ト54の下端が当接するため、これら突起82によりスライ
ドプレート54、係止片55、ガイドロッド56が一体的に押
し上げられ、係止片55が係止ピン50から離脱する。この
ように組み合わされた上、下サイドモールド21、14およ
びセクターモールド49を載置台80上に載置するだけで、
係止ピン50を移動部材43から抜き出すことが可能とな
り、これにより、移動部材43のセクターセグメント47か
らの連結解除を簡単かつ確実に行うことができる。次
に、上基台17を上昇させて下基台12と上基台17、アウタ
ーリング41とを互いに離隔させるが、これと同時にシリ
ンダ27の下ピストンロッド28bを下方に向かって突出さ
せ、上サイドモールド21をセクターモールド49に密着し
た位置に保持する。これにより、移動部材43が傾斜面4
2、44の楔作用によって半径方向外側に同期移動する
が、このとき、係止ピン50が移動部材43から抜き出され
各セクターセグメント47と移動部材43との連結が解除さ
れるとともに、各支持爪61が下サイドモールド14の下方
から抜け出る。このときの状態が図6に示されている。
次に、副シリンダ29を作動してピストンロッド30を引っ
込め、連結リンク35を直立状態に向かって揺動させる。
これにより、把持体34の下端部は半径方向内側に向かっ
て移動し、可動プレート20の上面と係止体23の段差24a
との間から抜け出る。この結果、可動プレート20と上サ
イドモールド21とは把持手段38の把持から解放されシリ
ンダ27から取り外される。このようにして搬出された
上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49
は組み合わされた状態のまま上基台17から解放される。
この状態で上基台17をさらに上昇させるが、このとき、
アウターリング41、可動プレート20、移動部材43は上基
台17と共に上昇して金型から離隔し、一方、上、下サイ
ドモールド21、14、セクターモールド49、上、下クラン
プリング66、69、加硫ブラダ71は組み合わされた状態で
上基台17等から完全分離し、載置台80上に残留する。こ
のときの状態が図7に示されている。次に、この載置台
80を上基台17から解放分離された金型と共にタイヤ加硫
装置11から搬出する。このような搬出時、突起82の傾斜
面83がセクターセグメント47の半径方向外端に係合して
いるため、該セクターセグメント47はこれら突起82によ
り位置ずれ、倒れが阻止される。
【0023】次に、次加硫のタイヤに対応した次使用の
上、下サイドモールド21、14、セクターモールド49およ
び上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71を互いに
組み合わせた状態で載置台80上に載置しながら交換位置
まで搬入する。このとき、上、下クランプリング66、69
は永久磁石75、76の吸着力によって上金型59(上サイド
モールド21)、下金型(下サイドモールド14)にそれぞ
れ保持されているため、前述と同様に上、下クランプリ
ング66、69間の位置ずれは阻止される。このようにして
使用済みの上、下サイドモールド21、14、セクターモー
ルド49を、前記交換位置において次使用の上、下サイド
モールド21、14、セクターモールド49に交換する。その
後、上基台17を図6に示す位置まで下降させるととも
に、シリンダ27の下ピストンロッド28bを図6に示す位
置まで下方に突出させる。次に、副シリンダ29のピスト
ンロッド30を突出させることで連結リンク35を水平状態
に向かって揺動させると、把持体34の下端部は半径方向
外側に向かって移動し、可動プレート20の上面と係止体
23の段差24aとの間に押し込まれる。これにより、把持
手段38は可動プレート20を上サイドモールド21に押し付
けた状態で、これら可動プレート20と上サイドモールド
21を中央部において一括把持し、可動プレート20、上サ
イドモールド21が該把持手段38を介してシリンダ27に連
結される。次に、上基台17、アウターリング41を下降さ
せるが、このとき、シリンダ27の下ピストンロッド28b
を上方に引っ込め、上サイドモールド21をセクターモー
ルド49に密着した位置に保持する。このように上基台1
7、アウターリング41が下降すると、移動部材43は傾斜
面42、44の楔作用により半径方向内側に同期移動され、
係止ピン50が移動部材43および係止片55の貫通孔58に挿
入される。このとき、係止ピン50の円錐状のヘッド51は
係止片55、スライドプレート54を楔作用によって一旦押
上げるが、該ヘッド51が貫通孔58を通過すると、係止片
55は自重により軸部52に当接するまで下降して係止ピン
50の段差53に係止される。このようにしてセクターセグ
メント47は対応する移動部材43に簡単かつ確実に連結さ
れる。また、前述のような移動部材43の半径方向内側へ
の移動により支持爪61の半径方向内端が下サイドモール
ド14の下方に挿入される。これにより、下サイドモール
ド14は支持爪61によって下方から支持され、搬入された
上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49
は上基台17によって組み合わされた状態のまま保持され
る。
【0024】次に、上基台17を上昇させると、前記搬入
された上、下サイドモールド21、14、セクターモールド
49、上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71は組み
合わされた状態で持ち上げられ載置台80から取り出され
る。その後、載置台80をタイヤ加硫装置11から搬出する
とともに、上基台17を下降させ、支持爪61によって下方
から支持された下サイドモールド14、上サイドモールド
21およびセクターモールド49を組み合わされた状態で下
基台12上まで搬入する。次に、ロック機構67、74の連結
ロッド72a、移動体72をそれぞれ上昇、下降させて上、
下クランプリング66、69をセンターポスト65、支持体64
にそれぞれ連結するとともに、支持体64を下降させて下
クランプリング69により下サイドモールド14を下基台12
に押し付け取り付ける。このようにして金型の交換を行
うが、この際、前述のように加硫装置11側に大重量の
上、下基台17、12を残したまま行うようにしているの
で、搬入出作業が容易となる。その後、上基台17を上昇
させて未加硫タイヤをこれら上、下サイドモールド21、
14およびセクターモールド49内に収納するとともに、加
硫ブラダ71内に高温、高圧の加硫媒体を注入して該タイ
ヤをこれら金型に押し付けることで、該金型の型付け面
により型付けしながら加硫する。このように金型の交換
時、支持体64、センターポスト65を加硫装置11側に残す
とともに、下、上クランプリング69、66をこれら支持体
64、センターポスト65から取り外した状態で搬入出する
ようにしているので、従来のようなセンターポストの分
割、連結作業および支持体の加硫装置からの取り外し、
連結作業は不要となり、この結果、金型交換の作業能率
が向上する。しかも、支持体64、センターポスト65は加
硫装置1台に対して1個だけあればよいため、取扱が容
易となるとともに設備費が安価となる。
【0025】図8はこの発明の第2実施形態を示す図で
ある。この実施形態においては、シリンダ27を片ロッド
形のシリンダとし、このシリンダ27のピストンロッドの
先端に可動プレート20を着脱可能に取り付けるととも
に、該可動プレート20に複数のボルト88を介して上サイ
ドモールド21を着脱可能に取り付け、また、各移動部材
43にセクターセグメント47をボルト89によって着脱可能
に取り付けるようにしている。なお、この実施形態にお
いては、前記第1実施形態において設けられていた副シ
リンダ29、把持手段38、係止ピン50、スライドプレート
54、係止片55、支持爪61は省略されている。そして、こ
のような加硫装置11において金型を交換する場合には、
可動プレート20をシリンダ27のピストンロッドから取り
外した後、上基台17を図6に示す位置まで移動させると
ともに、ボルト89を外してセクターセグメント47を移動
部材43から分離し、次に、上基台17をさらに上昇させる
とともに、ボルト88を外して上サイドモールド21を可動
プレート20から分離する。このとき、上、下クランプリ
ング66、69をセンターポスト65、支持体64から取り外す
が、これら上、下クランプリング66、69は永久磁石75、
76の吸着力によって前述と同様に上、下サイドモールド
21、14にそれぞれ保持される。次に、これら金型、即ち
上、下サイドモールド21、14、セクターモールド49およ
び上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71を図示し
ていない搬入出手段によってタイヤ加硫装置11から搬出
した後、次使用の金型等をタイヤ加硫装置11に搬入する
が、この搬入出時、永久磁石75、76が上、下クランプリ
ング66、69を前述のように吸着しているため、これらの
位置ずれ、回転が阻止される。その後、前述と逆の工程
によって上、下サイドモールド21、14およびセクターモ
ールド49をタイヤ加硫装置11にセットするとともに、
上、下クランプリング66、69をそれぞれセンターポスト
65、支持体64に連結する。なお、他の構成、作用は前記
第1実施形態と同様である。また、この発明において
は、上金型59、下金型(下サイドモールド14)、上、下
クランプリング66、69、加硫ブラダ71に加えて上、下基
台17、12、アウターリング41、移動部材43も同時に搬入
出し、搬出先において上、下基台17、12から金型を取り
外したり、あるいは装着するようにしてもよい。
【0026】図9はこの発明の第3実施形態を示す図で
ある。この実施形態においては、前記第1実施形態にお
ける磁石75、76を省略する一方、位置ずれ阻止手段とし
て、上クランプリング66の下面に、下方に向かって突出
した複数の位置ずれ阻止ピン(位置ずれ阻止突起)92を
設けるとともに、前記上クランプリング66の下面に対向
している下クランプリング69の上面に複数のピン穴(凹
部)93を設けている。そして、これらピン穴93を前記位
置ずれ阻止ピン92の軸線上に配置することで、これらピ
ン穴93に前記位置ずれ阻止ピン92をそれぞれ挿入できる
ようにしている。また、この実施形態では、下クランプ
リング69の下面に対向している下サイドモールド14の上
面に複数の補助ピン94を設けるとともに、下クランプリ
ング69の下面で前記補助ピン94の軸線上にそれぞれ補助
穴95を設けているが、これら補助穴95には補助ピン94が
通常挿入されており、この結果、下クランプリング69と
下サイドモールド14との位置ずれは確実に阻止されてい
る。そして、上金型59、下金型(下サイドモールド14)
を上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71とともに
タイヤ加硫装置11から搬出するときには、まず、上サイ
ドモールド21に当接している上クランプリング66をセン
ターポスト65の下降により下クランプリング69に当接す
るまで下降させて位置ずれ阻止ピン92を対応するピン穴
93にそれぞれ挿入する。次に、ロック機構67、74による
ロックを解除して上、下クランプリング66、69をセンタ
ーポスト65、支持体64からそれぞれ取り外した後、この
状態のままで上金型59、下金型(下サイドモールド14)
を上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71と共にタ
イヤ加硫装置11から搬出するが、このとき、前述のよう
に位置ずれ阻止ピン92をピン穴93にそれぞれ挿入されて
いるため、上、下クランプリング66、69間の位置ずれは
確実に阻止される。次に、次使用の上金型59、下金型
(下サイドモールド14)を上、下クランプリング66、6
9、加硫ブラダ71とともにタイヤ加硫装置11に搬入する
が、このときも位置ずれ阻止ピン92はピン穴93にそれぞ
れ挿入されており、これにより、上、下クランプリング
66、69間の位置ずれは阻止されている。次に、ロック機
構67、74により上、下クランプリング66、69をセンター
ポスト65、支持体64にそれぞれ連結した後、センターポ
スト65を上昇させて上クランプリング66を上サイドモー
ルド21に当接するまで上昇させる。なお、この発明にお
いては、上クランプリングの下面に凹部を設けるととも
に、該上クランプリングの下面に対向している下クラン
プリングの上面に位置ずれ阻止突起を設けるようにして
もよく、さらに、上クランプリングの下面に位置ずれ阻
止突起および凹部の双方を設け、下クランプリングの上
面に前記位置ずれ阻止突起に対応する凹部および前記凹
部に対応する位置ずれ阻止突起の双方を設けるようにし
てもよい。他の構成、作用は前記第1実施形態と同様で
ある。
【0027】図10はこの発明の第4実施形態を示す図
である。この実施形態においては、第1実施形態におけ
る磁石75、76を省略する一方、位置ずれ阻止手段とし
て、上クランプリング66の下面に対向している下クラン
プリング69の上面に複数の磁石、ここでは永久磁石97を
設け、該永久磁石97の吸着力によって上クランプリング
66を下クランプリング69に保持させることにより、これ
ら上、下クランプリング66、69間の位置ずれを阻止して
いる。また、下クランプリング69の下面に対向している
下サイドモールド14の上面に複数の補助磁石98を埋設
し、該補助磁石98の吸着力によって下クランプリング69
を下サイドモールド14に保持させることにより、これら
の間の位置ずれを阻止するようにしている。そして、上
金型59、下金型(下サイドモールド14)を上、下クラン
プリング66、69、加硫ブラダ71とともにタイヤ加硫装置
11から搬出するときには、上サイドモールド21に当接し
ている上クランプリング66をセンターポスト65の下降に
より下クランプリング69に当接するまで下降させ、該上
クランプリング66を永久磁石97の吸着力によって下クラ
ンプリング69に保持させる。次に、ロック機構67、74に
よるロックを解除して上、下クランプリング66、69をセ
ンターポスト65、支持体64からそれぞれ取り外した後、
この状態のままで上金型59、下金型(下サイドモールド
14)を上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71と共
にタイヤ加硫装置11から搬出するが、このとき、前述の
ように永久磁石97の吸着力によって上クランプリング66
は下クランプリング69に保持されているため、これらの
間の位置ずれは確実に阻止される。次に、次使用の上金
型59、下金型(下サイドモールド14)を上、下クランプ
リング66、69、加硫ブラダ71とともにタイヤ加硫装置11
に搬入するが、このときも上クランプリング66は永久磁
石97の吸着力によって下クランプリング69に保持されて
いるため、上、下クランプリング66、69間の位置ずれは
確実に阻止される。次に、ロック機構67、74により上、
下クランプリング66、69をセンターポスト65、支持体64
にそれぞれ連結した後、センターポスト65を上昇させて
上クランプリング66を上サイドモールド21に当接するま
で上昇させる。なお、この発明においては、上クランプ
リングの下面に磁石を設けるようにしてもよく、また、
上クランプリングの下面および下クランプリングの上面
の双方に磁石を設けるようにしてもよい。他の構成、作
用は前記第1実施形態と同様である。
【0028】なお、前述の実施形態においては、上基台
17を上昇させることにより互いに組み合わされた金型を
持ち上げて上、下基台17、12間の交換位置(載置台80)
まで搬送し、その後、該交換位置において金型を使用済
みのものから次使用のものに交換するようにしたが、こ
の発明においては、上基台を上昇に加えて横行させるこ
とにより、互いに組み合わされた金型を加硫装置の側方
の交換位置まで搬送し、その後、該交換位置において金
型を使用済みのものから次使用のものに交換するように
してもよい。また、前述の実施形態においては、上クラ
ンプリング66の上面に対向している上サイドモールド21
の下面に永久磁石75を設けるようにしたが、この発明に
おいては、上クランプリングの上面に永久磁石を設けた
り、あるいは、上クランプリングの上面および上クラン
プリングの上面に対向している上金型の下面の双方に永
久磁石を設け、該永久磁石の吸着力によって上クランプ
リングを上金型に保持させるようにしてもよい。さら
に、前述の実施形態においては、下クランプリング69の
下面に対向している下サイドモールド14の上面に永久磁
石76を設けるようにしたが、この発明においては、下ク
ランプリングの下面に永久磁石を設けたり、あるいは、
下クランプリングの下面および下クランプリングの下面
に対向している下金型の上面の双方に永久磁石を設け、
該永久磁石の吸着力によって下クランプリングを下金型
に保持させるようにしてもよい。また、前述の実施形態
においては、タイヤ加硫用金型を上、下サイドモールド
およびセクターモールドの3種類のモールドから構成し
たが、この発明においては、上、下モールドの2種類の
モールドから構成し、上モールドによってトレッドセン
ターより上側を型付けし、下モールドによってトレッド
センターより下側を型付けするようにしてもよい。さら
に、前述の実施形態においては、上金型59、下金型(下
サイドモールド14)のみを交換するようにしたが、この
発明においては、次使用の上金型59、下金型(下サイド
モールド14)をタイヤ加硫装置11に搬入するとき、次使
用の加硫ブラダ71も搬入するようにして、加硫ブラダ71
も同時に交換するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、取扱が容易でかつ安価でありながら加硫金型の交換
作業を高能率で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す正面断面図であ
る。
【図2】把持手段近傍の正面断面図である。
【図3】セクターモールド近傍の正面断面図である。
【図4】作用を説明する正面断面図である。
【図5】載置台の平面図である。
【図6】作用を説明する正面断面図である。
【図7】作用を説明する正面断面図である。
【図8】この発明の第2実施形態を示す正面断面図であ
る。
【図9】この発明の第3実施形態を示す正面断面図であ
る。
【図10】この発明の第4実施形態を示す正面断面図で
ある。
【符号の説明】
11…タイヤ加硫装置 12…下基台 14…下金型 17…上基台 59…上金型 64…支持体 65…センターポスト 66…上クランプリング 69…下クランプリング 71…加硫ブラダ 75…磁石 76…下保持部材(磁
石) 77…位置ずれ阻止手段 92…位置ずれ阻止突起 93…凹部 97…磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 30:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静止した下基台と、下基台に取り付けら
    れ、横置きされた未加硫タイヤの少なくとも下側部を型
    付けする下金型と、下基台の上方に設置され、昇降する
    ことにより下基台に対して接近離隔する上基台と、上基
    台に取り付けられ、前記タイヤの少なくとも上側部を型
    付けする上金型と、これら下、上金型間に設けられ、加
    硫ブラダの下端部および上端部をそれぞれ気密状態で把
    持する下、上クランプリングと、下クランプリングが連
    結された支持体と、該支持体に昇降可能に支持され上端
    部に上クランプリングが連結された上下方向に延びるセ
    ンターポストとを備えたタイヤ加硫装置において、前記
    下、上クランプリングを支持体、センターポストにそれ
    ぞれ取り外し可能に連結するとともに、下、上金型を交
    換するためにこれら両金型を搬入出するとき、支持体、
    センターポストから取り外された下、上クランプリング
    間の位置ずれを阻止する位置ずれ阻止手段を設けたこと
    を特徴とするタイヤ加硫装置。
  2. 【請求項2】前記位置ずれ阻止手段を、上クランプリン
    グの上面または上クランプリングの上面に対向している
    上金型の下面の少なくともいずれか一方に設けられ、そ
    の吸着力によって自由となった上クランプリングを上金
    型に保持させる磁石と、下クランプリングを下金型に保
    持させる下保持部材とから構成した請求項1記載のタイ
    ヤ加硫装置。
  3. 【請求項3】前記下保持部材を、下クランプリングの下
    面または下クランプリングの下面に対向している下金型
    の上面の少なくともいずれか一方に設けられ、その吸着
    力により下クランプリングを下金型に保持させる磁石か
    ら構成した請求項2記載のタイヤ加硫装置。
  4. 【請求項4】前記位置ずれ阻止手段を、上クランプリン
    グの下面または上クランプリングの下面に対向している
    下クランプリングの上面のいずれか一方に設けられた位
    置ずれ阻止突起と、残り他方に設けられ、両金型を搬入
    出するとき、前記位置ずれ阻止突起が挿入される凹部と
    から構成した請求項1記載のタイヤ加硫装置。
  5. 【請求項5】前記位置ずれ阻止手段を、上クランプリン
    グの下面または上クランプリングの下面に対向している
    下クランプリングの上面の少なくともいずれか一方に設
    けられ、その吸着力により下、上クランプリング間の位
    置ずれを阻止する磁石から構成した請求項1記載のタイ
    ヤ加硫装置。
  6. 【請求項6】上基台を下降させて静止した下基台に対し
    接近させることにより、これら下、上基台に取り付けら
    れている下、上金型を互いに組み合わせる工程と、加硫
    ブラダの下、上端部を把持している下、上クランプリン
    グを支持体、センターポストからそれぞれ取り外すとと
    もに、位置ずれ阻止手段によって下、上クランプリング
    間の位置ずれを阻止する工程と、位置ずれ阻止手段によ
    って下、上クランプリング間の位置ずれを阻止しなが
    ら、下、上クランプリング、加硫ブラダおよび下、上金
    型を搬出する工程と、位置ずれ阻止手段によって下、上
    クランプリング間の位置ずれを阻止した状態で、加硫ブ
    ラダおよび互いに組み合わされた次使用の下、上金型を
    下、上クランプリングとともに搬入する工程と、該搬入
    された下、上クランプリングを支持体、センターポスト
    にそれぞれ連結する工程とを備えたことを特徴とするタ
    イヤ加硫装置の金型交換方法。
  7. 【請求項7】下、上クランプリング、加硫ブラダおよび
    下、上金型を搬入出する際、下、上基台を加硫装置側に
    残すようにした請求項6記載のタイヤ加硫装置の金型交
    換方法。
  8. 【請求項8】前記加硫ブラダおよび互いに組み合わされ
    た次使用の下、上金型を下、上クランプリングとともに
    搬入する際、加硫ブラダも次使用のものとした請求項6
    記載のタイヤ加硫装置の金型交換方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ加
    硫装置において下、上金型を交換した後、これら下、上
    金型内に未加硫タイヤを収納するとともに、加硫ブラダ
    に高温、高圧の加硫媒体を注入して前記タイヤを下、上
    金型に押付けることで、これら下、上金型により型付け
    しながら加硫するようにしたことを特徴とするタイヤ加
    硫方法。
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