JP3865500B2 - タイヤ加硫装置およびタイヤ加硫装置のモールド交換方法並びにタイヤ加硫方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤ加硫装置およびタイヤ加硫装置のモールド交換方法並びにタイヤ加硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、生タイヤを加硫するタイヤ加硫装置の処理速度は、生タイヤを成形するタイヤ成形装置の処理速度より遅いため、このタイヤ加硫装置の処理速度を、タイヤ加硫時間の短縮およびタイヤ加硫モールド交換時間の短縮の両面から高める研究がなされてきた。そして、前述のタイヤ加硫モールド交換時間を短縮するために、過去においてタイヤ加硫装置から一対の基台、上、下サイドモールド、セクターモールド、可動プレート、移動部材、アウターリングを組み合わせた状態で取り出した後、次加硫のタイヤに対応する次使用の一対の基台、上、下サイドモールド、セクターモールド、可動プレート、移動部材、アウターリングをタイヤ加硫装置に一括搬入して取り付けるようにすることが提案された。
【0003】
しかしながら、このようなタイヤ加硫装置は、交換が必ずしも必要でない部材(加硫するタイヤの種類に変更があっても共通使用することができる部材)、ここでは基台、可動プレート、アウターリングをも交換するようにしているため、これら基台等を余分に準備する必要があり、また、搬送する際にも大重量となって作業能率が低下してしまうという問題点がある。
【0004】
このような問題点を解決するため、例えば特開昭63ー212513号公報に記載されているようにタイヤ加硫装置から上、下サイドモールド、セクターモールドのみを組み合わせた状態で取り出した後、次使用の上、下サイドモールド、セクターモールドをタイヤ加硫装置に一括搬入して取り付けるようにしたものが提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のタイヤ加硫装置にあっては、前述の上、下サイドモールドおよびセクターモールドをタイヤ加硫装置とは別の搬入出装置によって把持しながら搬出および搬入を行うようにしているため、これら加硫モールド用の特別な搬入出装置が必要となって設備全体が高価で複雑化、大型化するという問題点がある。しかも、加硫モールドの搬入出に特別な搬入出装置を用いているため、加硫モールドの交換に多大の時間が必要となり、この結果、この交換時に上、下基台から多量の熱が無駄に放出されるとともに、加硫開始前にこれら上、下基台を加硫温度まで再加熱しなければならないという問題点もある。
【0006】
この発明は、設備全体を安価でかつ簡単、小型とすることができるとともに、熱の有効利用を図ることができるタイヤ加硫装置およびタイヤ加硫装置のモールド交換方法並びにタイヤ加硫方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、第1に、静止した下基台と、下基台に着脱可能に取り付けられ、タイヤの下側のサイドウォール部を主に型付けする下サイドモールドと、下基台の上方に設置され、昇降することにより下基台に対して接近離隔する上基台と、上基台の直下に配置された可動プレートと、可動プレートの直下に配置されタイヤの上側のサイドウォール部を主に型付けする上サイドモールドと、前記可動プレートおよび上サイドモールドが取り外し可能に連結され、該可動プレート、上サイドモールドを上基台と別個に一体昇降させることにより、上基台に対して接近離隔させる接離手段と、上サイドモールドを半径方向外側から囲むよう上基台に取り付けられ、内周に下基台に向かって拡開している傾斜面が形成されたアウターリングと、可動プレートに半径方向に移動可能に支持されるとともに周方向に離れて設置され、前記可動プレートが上基台に対して接近離隔したとき、アウターリングの傾斜面の楔作用によって半径方向に同期移動させられる複数の移動部材と、各移動部材の内面側に着脱可能に連結され、全体としてタイヤのトレッド部を主に型付けするセクターモールドを構成する複数のセクターセグメントとを備えたタイヤ加硫装置において、前記移動部材の下端部に下サイドモールドと下基台との間に挿入することができる3個以上の支持爪を周方向に離して取付け、モールドの交換時、下サイドモールドを支持爪によって下方から支持しながら上サイドモールド、セクターモールドとともに搬入出するようにしたタイヤ加硫装置により、第2に、静止した下基台と、下基台に着脱可能に取り付けられ、タイヤの下側のサイドウォール部を主に型付けする下サイドモールドと、下基台の上方に設置され、昇降することにより下基台に対して接近離隔する上基台と、上基台の直下に配置された可動プレートと、可動プレートの直下に配置されタイヤの上側のサイドウォール部を主に型付けする上サイドモールドと、前記可動プレートおよび上サイドモールドが取り外し可能に連結され、該可動プレート、上サイドモールドを上基台と別個に一体昇降させることにより、上基台に対して接近離隔させる接離手段と、上サイドモールドを半径方向外側から囲むよう上基台に取り付けられ、内周に下基台に向かって拡開している傾斜面が形成されたアウターリングと、可動プレートに半径方向に移動可能に支持されるとともに周方向に離れて設置され、前記可動プレートが上基台に対して接近離隔したとき、アウターリングの傾斜面の楔作用によって半径方向に同期移動させられる複数の移動部材と、各移動部材の内面側に着脱可能に連結され、全体としてタイヤのトレッド部を主に型付けするセクターモールドを構成する複数のセクターセグメントとを備えたタイヤ加硫装置のモールド交換方法であって、上基台を下降させて下基台に対し接近させるとともに、可動プレート、上サイドモールドを接離手段によって上基台に対し接近させることにより、上サイドモールドを下サイドモールドに接近させるとともに、移動部材、セクターセグメントをアウターリングの傾斜面の楔作用によって半径方向内側に同期移動させることで、セクターモールドを上、下サイドモールドに密着させて組み合わせるとともに、前記移動部材の下端部に周方向に離して取り付けられた3個以上の支持爪を下サイドモールドの下方に挿入して該下サイドモールドを下方から支持し、組み合わされた上、下サイドモールドおよびセクターモールドを支持爪、移動部材、アウターリングを介して上基台により保持する工程と、上基台を上昇させることにより、上基台に保持された上、下サイドモールドおよびセクターモールドを組み合わされた状態で搬出する工程と、上基台を下降させることにより、支持爪を下サイドモールドの下方に挿入し該下サイドモールドを下方から支持することで、該上基台に保持された次使用の上、下サイドモールドおよびセクターモールドを組み合わせた状態のまま下基台上まで搬入する工程とを備えたタイヤ加硫装置のモールド交換方法により、第3に、前記タイヤ加硫装置を用いて、加硫装置に残された上、下基台が残熱状態にある間にモールドを次使用のモールドに交換し、その後、残熱状態の上基台を上昇させて未加硫タイヤをモールド内に搬入し、加硫を続けるようにしたタイヤ加硫方法により達成することができる。
【0008】
加硫すべきタイヤの種類変更に伴ってタイヤ加硫装置のモールド交換を行う場合には、加硫が終了してモールドが開放されている状態から上基台を下降させ、該上基台を静止した下基台に対し接近させる。この結果、上サイドモールド、可動プレート、アウターリングは下サイドモールドに接近するが、このとき、可動プレート、上サイドモールドを接離手段によって上基台に対し接近させる。この結果、移動部材およびセクターセグメントはアウターリングの傾斜面の楔作用により半径方向内側に同期移動させられて上、下サイドモールドに密着し、これら上、下サイドモールドとセクターモールドとが組み合わされるとともに、支持爪が下サイドモールドと下基台との間に挿入されることで、該下サイドモールドの下方に挿入される。これにより、上基台は支持爪、移動部材、アウターリングを介してこれら組み合わされた上、下サイドモールドおよびセクターモールドを保持する。次に、下サイドモールドを下基台から取り外した後、前記支持爪によって下サイドモールドを下方から支持しながら上基台を上昇させることにより、上基台に保持された上、下サイドモールドおよびセクターモールドを組み合わされた状態で交換位置まで搬出する。その後、交換位置において、各セクターセグメントと移動部材との連結を解除するとともに、接離手段から可動プレート、上サイドモールドを取り外すことにより、搬出された上、下サイドモールド、セクターモールドを、組み合わされた状態のまま上基台から解放分離する。なお、セクターセグメントと移動部材との連結の解除または接離手段からの可動プレート、上サイドモールドの取り外しの少なくともいずれか一方を、前述のように加硫モールドの搬出後ではなく、加硫モールドの搬出前、例えば、下サイドモールドの下基台からの取り外しとほぼ同時に行うようにしてもよい。次に、前記交換位置において、解放分離された上、下サイドモールド、セクターモールドを、互いに組み合わされた次使用の上、下サイドモールド、セクターモールドに交換する。次に、交換位置において、下サイドモールドを支持爪によって下方から支持することにより、搬入された上、下サイドモールド、セクターモールドを上基台によって組み合わされた状態のまま保持する。その後、上基台を下降させることにより、上基台に保持されている次使用の上、下サイドモールドおよびセクターモールドを組み合わせた状態のままで下基台上まで搬入するが、この搬入前に、セクターセグメントと移動部材とを連結するとともに、可動プレート、上サイドモールドを接離手段に連結する。そして、これらモールドの搬入後に、下サイドモールドを下基台に取り付ける。ここで、セクターセグメントと移動部材との連結または接離手段への可動プレート、上サイドモールドの連結の少なくともいずれか一方を、前述のように加硫モールドの搬入前ではなく、加硫モールドの搬入後、例えば下サイドモールドの下基台への取り付けとほぼ同時に行うようにしてもよい。また、このような加硫モールドの交換作業を、請求項7、8に記載のように加硫装置に残された上、下基台が残熱状態にある間に行うようにしてもよい。その後、残熱状態の上基台を上昇させて未加硫タイヤをこれら上、下サイドモールドおよびセクターモールド内に搬入し、加硫を続ける。このように上、下サイドモールドおよびセクターモールドの搬入出を、支持爪を含む加硫装置自体によって行うことができるので、特別な搬入出装置が不要となって設備全体を安価でかつ簡単、小型とすることができるとともに、加硫モールドの交換時間を短縮することができる。そして、このような時間短縮により、上、下基台からの放熱量を減少させることができるとともに、加硫開始前における上、下基台の再加熱も殆ど不要となり、熱の有効利用を図ることができる。
【0009】
また、請求項2に記載のように構成すれば、セクターセグメントを移動部材に簡単でかつ確実に連結することができる。
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、セクターセグメントと移動部材との連結を簡単かつ確実に解除することができる。
また、請求項4に記載のように構成すれば、簡単な構造でありながらモールド交換の能率を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、11はタイヤ加硫装置であり、このタイヤ加硫装置11は図示していない固定フレームに取り付けられ静止している下基台12を有し、この下基台12は加熱用の下プラテン13を有する。この下基台12上には下サイドモールド14が載置され、この下サイドモールド14はその上面に未加硫タイヤの下側のサイドウォール部を主に型付けする型付け面15が設けられている。17は下基台12の上方にこれから離れて設置された上基台であり、この上基台17は前記下基台12と対をなすとともに、下基台12と同様に加熱用の上プラテン18を有する。そして、この上基台17は図示していない垂直なシリンダのピストンロッドに連結されており、この結果、該シリンダが作動すると、上基台17は昇降し、これにより、上基台17は下基台12に対して接近離隔する。
【0011】
図1、2において、20は上基台17の直下に配置された水平な可動プレートであり、この可動プレート20の直下には上サイドモールド21が配置されている。そして、この上サイドモールド21はその下面に未加硫タイヤの上側のサイドウォール部を主に型付けする型付け面22を有する。23は基端部(下端部)が上サイドモールド21の中央部にねじ込み固定された上下方向に延びる複数の係止体であり、これらの係止体23は周方向に等距離離れて配置されている。これら係止体23はその先端部(上端部)に大径のヘッド24を有し、このヘッド24の下端面は段差24aとなっている。そして、これら係止体23は可動プレート20と上サイドモールド21とが密着しているとき、その中央部が可動プレート20内を貫通するとともに、ヘッド24が可動プレート20から上方に突出し、段差24aと可動プレート20の上面との間に間隙が形成される。
【0012】
27は上基台17の中央部に取り付けられた垂直に延びる接離手段としてのシリンダであり、このシリンダ27は両ロッド形であるため、上方および下方に向かって延びる一対の上ピストンロッド28aおよび下ピストンロッド28bを有する。この上ピストンロッド28aの他端(上端)には前記シリンダ27と同軸である副シリンダ29が取り付けられ、この副シリンダ29のピストンロッド30は前記シリンダ27の上、下ピストンロッド28a、b内を貫通し、下ピストンロッド28bの下端から下方に向かって突出している。前記下ピストンロッド28bの一端(下端)にはブラケット32が固定され、このブラケット32にはピン33を介してL字形をした複数の把持体34の上端部が回動可能に支持されている。35は半径方向内端部が前記ピストンロッド30の先端(下端)にピン36を介して回動可能に連結され、半径方向外端部が把持体34の中央部にピン37を介して回動可能に連結された複数の連結リンクであり、これら連結リンク35は、前記ピストンロッド30が下方に突出すると、徐々に水平状態に向かって揺動して把持体34の下端部を半径方向外側に向かって移動させ、前記可動プレート20の上面と係止体23の段差24aとの間に押し込む。前述した係止体23、把持体34は全体として、シリンダ27と可動プレート20、上サイドモールド21との間に設けられた1台の把持手段38を構成し、この把持手段38は可動プレート20を上サイドモールド21に押し付けた状態でこれら可動プレート20、上サイドモールド21を中央部において一括して把持することができる。この結果、これら可動プレート20、上サイドモールド21は把持手段38を介して前記シリンダ27に取り外し可能に連結されることになる。そして、前記シリンダ27が作動して把持手段38に昇降力を付与されると、この昇降力は把持手段38を介して可動プレート20および上サイドモールド21に伝達されるため、これら可動プレート20および上サイドモールド21は把持手段38に一括把持された状態で上基台17と別個に一体昇降し、該上基台17に対して接近離隔する。
【0013】
図1、3において、41は可動プレート20および上サイドモールド21を半径方向外側から囲むよう設けられたアウターリングであり、このアウターリング41の上端は前記上基台17の半径方向外端部に取り付けられている。そして、このアウターリング41の内周には下基台12に向かって拡開している円錐状の傾斜面42が形成されている。43は周方向に離れて設置された複数、ここでは9個の弧状をした移動部材であり、これらの移動部材43の上端は上サイドモールド21より半径方向外側の可動プレート20に半径方向に移動可能に支持されている。また、これら移動部材43の外周には前記アウターリング41の傾斜面42と同一勾配の傾斜面44が形成され、これら傾斜面44と前記傾斜面42とはあり継手によって連結されながら摺動可能に係合している。この結果、可動プレート20が上基台17に対し接近離隔してこれらの間の間隔が変化すると、移動部材43は可動プレート20に支持されながら前記傾斜面42、44の楔作用によって半径方向に同期移動する。
【0014】
47は各移動部材43の半径方向内側に配置され移動部材43と同数の弧状をしたセクターセグメントであり、これらセクターセグメント47の半径方向内側面には未加硫タイヤのトレッド部を主に型付けする型付け面48が形成されている。そして、これら複数のセクターセグメント47は全体としてリング状のセクターモールド49を構成する。50は基端部(半径方向内端部)が各セクターセグメント47の外周側にねじ込み固定された半径方向に延びる係止ピンであり、これらの係止ピン50は先端部(半径方向外端部)に先端に向かうに従い先細りとなった円錐状のヘッド51を、また、中央部にヘッド51の最大径より小径の軸部52を有し、これらヘッド51と軸部52との境界、即ちヘッド51の半径方向内端面は段差53となっている。54は移動部材43の周方向両端面に摺動可能に係合した対をなすスライドプレートであり、これらのスライドプレート54には各移動部材43内に昇降可能に収納された係止片55の両端部が連結されている。なお、56は前記スライドプレート54に連結されたガイドロッドであり、これらのガイドロッド56は各移動部材43に形成された上下方向に延びる長孔57内に摺動可能に挿入され、スライドプレート54の昇降をガイドする。前記係止片55の中央部には貫通孔58が形成され、該貫通孔58には前記係止ピン50が挿入可能である。そして、前記移動部材43がセクターセグメント47に向かって半径方向内側に移動すると、前記係止ピン50は移動部材43および係止片55の貫通孔58に挿入されるが、このとき、円錐状のヘッド51が係止片55を楔作用によって一旦押上げ、その後、ヘッド51が貫通孔58を通過するとともに移動部材43がセクターセグメント47に密着すると、係止片55は自重により軸部52に当接するまで下降して係止ピン50の段差53に係止され、該係止ピン50の抜け止めを行う。一方、前記係止片55が持ち上げられると、係止ピン50を移動部材43から抜き出すことが可能となる。このようにセクターセグメント47は対応する移動部材43の内面側に係止ピン50および係止片55によって着脱可能に取り付けられている。また、これらセクターセグメント47は移動部材43と共に半径方向内側限まで移動すると、互いに密着して連続リング状となるが、このとき、これらセクターセグメント47(セクターモールド49)は下降端の上サイドモールド21および下サイドモールド14に密着するため、これら上、下サイド、セクターモールド21、14、49は閉止して内部に未加硫タイヤを収納するドーナツ状の空間を形成するとともに、型付け面22、15、48は連続して未加硫タイヤの外形形状を規定する型付け面を構成する。
【0015】
61は移動部材43の下端部に周方向にほぼ等距離離れて取り付けられた3個以上の支持爪であり、これらの支持爪61の半径方向内端部は移動部材43より半径方向内側に突出し、また、この突出した半径方向内端部には半径方向内側に向かうに従い下方に傾斜した傾斜面62が形成されている。一方、前記下サイドモールド14の半径方向外端部には前記傾斜面62と同一角度で傾斜した傾斜面63が形成されている。そして、前記支持爪61の半径方向内端部は、移動部材43が半径方向内側限まで移動したとき、下サイドモールド14の下方、ここでは下サイドモールド14と下基台12との間に挿入され、その傾斜面62が傾斜面63に面接触する。このように傾斜面62、63同士が接触しているとき、上基台17が上昇すると、互いに密着し組み合わされている上、下サイド、セクターモールド21、14、49は支持爪61によって下方から支持されながら持ち上げられ、これにより、これら上、下サイド、セクターモールド21、14、49は支持爪61、移動部材43、アウターリング41を介して上基台17に保持される。
【0016】
図1、2、3において、64は下基台12の中央部に遊嵌された上下方向に延びる円筒体であり、この円筒体64は図示していない流体シリンダ等により昇降される。この円筒体64内には該円筒体64と同軸のセンターポスト65が摺動可能に挿入され、このセンターポスト65は図示していないシリンダ等によって円筒体64と別個に昇降される。このセンターポスト65の上端部には上クランプリング66が周知のロック機構67を介して取り外し可能に取り付けられており、この上クランプリング66は上、下サイドモールド21、14間に位置するとともに、センターポスト65が上昇したとき、上サイドモールド21の内端部に当接する。前述したセンターポスト65およびシリンダ等は全体として、上クランプリング66を個別に昇降させる上昇降手段68を構成する。前記円筒体64の上端部には前述と同様のロック機構を介して下クランプリング69が取り外し可能に取り付けられ、この下クランプリング69は上、下サイドモールド21、14間に位置するとともに、円筒体64が下降したとき、下サイドモールド14の内端部に当接することで該下サイドモールド14を下基台12に押付けて取り外し可能に取り付ける。前述した円筒体64およびシリンダ等は全体として、下クランプリング69を個別に昇降させる下昇降手段70を構成する。71は下端部が下クランプリング69に、上端部が上クランプリング66にそれぞれ気密状態で把持された屈曲可能な加硫ブラダであり、この加硫ブラダ71は内部に高温、高圧の加硫媒体が注入されると、未加硫タイヤ内でドーナツ状に膨張し、該未加硫タイヤを加硫モールド、即ち上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49の型付け面に押し付けながら加硫する。
【0017】
75は上クランプリング66の上面に対向する上サイドモールド21の下面に埋設された状態で取り付けられたリング状の永久磁石であり、この永久磁石75は、上、下サイドモールド21、14、セクターモールド49を上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71と共にタイヤ加硫装置11に搬入出する際、センターポスト65から取り外されて自由となった上クランプリング66を吸着して位置ずれを阻止することにより、加硫ブラダ71の変形を防止するようにしている。また、下クランプリング69の下面に対向する下サイドモールド14の上面にはリング状の永久磁石76が埋設された状態で取り付けられ、この永久磁石76は、前述と同様に加硫モールド、加硫ブラダ71等を搬入出する際、下クランプリング69を吸着して回転を阻止することにより、加硫ブラダ71の変形を防止するようにしている。
【0018】
次に、この発明の一実施形態の作用について説明する。
前述したタイヤ加硫装置11を用いて未加硫タイヤを加硫する場合には、まず、未加硫タイヤをタイヤ加硫装置11に搬入して円筒状をした加硫ブラダ71の外側に嵌合するとともに、該未加硫タイヤの下側のサイドウォール部を下サイドモールド14の型付け面15に接触させる。次に、センターポスト65、上クランプリング66を下降させながら加硫ブラダ71内に低圧流体を供給して該加硫ブラダ71をドーナツ状に膨張させ未加硫タイヤ内に侵入させる。このとき、シリンダ27の下ピストンロッド28bは下方に向かって突出しているため、可動プレート20、上サイドモールド21は上基台17から下方に所定距離離れているとともに、移動部材43、セクターセグメント47はアウターリング41の傾斜面42に沿って下方および半径方向外側に移動し、アウターリング41の下端部から垂下した状態で停止している。また、このとき、移動部材43に挿入されている係止ピン50の段差53には係止片55が係止しているため、対応する移動部材43とセクターセグメント47とは互いに強固に連結されている。
【0019】
次に、上基台17、アウターリング41、可動プレート20、上サイドモールド21、移動部材43、セクターセグメント47を一体的に下降させ、上サイドモールド21を未加硫タイヤ、下サイドモールド14に接近させる。そして、上サイドモールド21が下降端に到達して上クランプリング66に当接すると、可動プレート20、上サイドモールド21、移動部材43、セクターセグメント47の下降は上クランプリング66によって強制的に停止される。このとき、上サイドモールド21の型付け面22は未加硫タイヤの上側のサイドウォール部に接触し、また、セクターセグメント47の下端が下基台12の上面に当接する。
【0020】
このようにして上サイドモールド21等は強制的に下降が停止されるが、この後も上基台17は継続下降して可動プレート20、上サイドモールド21に接近するため、シリンダ27の下ピストンロッド28bをこの上基台17の下降に追従して上方に引っ込め、可動プレート20、上サイドモールド21と上基台17とを互いに接近させる。この結果、セクターセグメント47および移動部材43は可動プレート20に支持されながら傾斜面42、44の楔作用により押されて半径方向内側に同期移動し、未加硫タイヤに接近する。そして、上基台17、アウターリング41が下降限に到達すると、上基台17の下降を停止させるが、このとき、セクターセグメント47は半径方向内側限に到達して互いに密着するとともに、上、下サイドモールド21、14に密着し、これら上、下サイドモールド、セクターモールド21、14、49が閉止される。その後、加硫ブラダ71内に高温、高圧の加硫媒体を供給して、未加硫タイヤを上、下サイド、セクターモールド21、14、49の型付け面により型付けしながら加硫する。
【0021】
このようにしてタイヤの加硫が終了すると、上基台17を上昇させるが、このとき、シリンダ27の下ピストンロッド28bを下方に突出させることで可動プレート20、上サイドモールド21を加硫時の位置に保持する。この結果、移動部材43、セクターセグメント47は傾斜面42、44の楔作用により半径方向外側に同期移動する。また、アウターリング41は上基台17と共に上昇するが、移動部材43を支持している可動プレート20は前述のように加硫時の位置に停止されているので、移動部材43、セクターセグメント47は傾斜面42に沿って下方に摺動する。その後、移動部材43はアウターリング41に係止されて摺動が停止するが、このとき、シリンダ27の下ピストンロッド28bの突出も停止する。その後も上基台17は上昇するため、移動部材43、セクターセグメント47はアウターリング41の下端部から吊り下げられた状態で可動プレート20、上サイドモールド21と共に上昇する。次に、センターポスト65が上昇して加硫ブラダ71が円筒状に変形されると、図示していない搬出装置が加硫済みのタイヤをタイヤ加硫装置11から搬出する。以上がタイヤ加硫の1サイクルであり、以後このサイクルが繰り返される。
【0022】
次に、加硫すべきタイヤの種類変更に伴ってタイヤ加硫装置11の加硫モールド、即ち上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49の交換を行う場合には、加硫が終了してモールドが開放されている状態から、前述の加硫時と同様にセンターポスト65、上クランプリング66を所定位置まで下降させるとともに、上基台17を下降させて静止した下基台12に接近させ、把持手段38に一括把持された可動プレート20、上サイドモールド21およびアウターリング41を下サイドモールド14に接近させる。そして、上サイドモールド21が下降端に到達して上クランプリング66に当接すると、セクターセグメント47の下端が下基台12の上面に当接するが、その後も上基台17、アウターリング41は継続下降するため、シリンダ27の下ピストンロッド28bをこの上基台17の下降に追従して上方に引っ込め、可動プレート20、上サイドモールド21と上基台17とを互いに接近させる。これにより、セクターセグメント47および移動部材43は傾斜面42、44に押されて半径方向内側に同期移動する。そして、これら移動部材43、セクターセグメント47が半径方向内側限まで移動すると、セクターセグメント47は互いに密着するとともに、上、下サイドモールド21、14に密着し、これら上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49が組み合わされる。このとき、支持爪61の半径方向内端部は下サイドモールド14の下方、ここでは下サイドモールド14と下基台12との間に挿入され、その傾斜面62が傾斜面63に面接触する。これにより、上基台17はこれら組み合わされた上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49を保持するが、このときの状態が図1に示されている。
【0023】
次に、ロック機構67を解除して上、下クランプリング66、69をセンターポスト65、円筒体64からそれぞれ切り離すことにより、下サイドモールド14を下基台12から取り外すが、このとき、上、下クランプリング66、69は永久磁石75、76にそれぞれ吸着保持されている。この状態で上基台17を上昇させると、把持手段38によって一括把持されている可動プレート20、上サイドモールド21と、可動プレート20に支持されながらアウターリング41により半径方向内側限まで押し込まれたセクターモールド49と、支持爪61によって下方から支持された下サイドモールド14とは組み合わされた状態で、上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71と共に上基台17に保持されながら所定位置まで搬送される。このような搬送時、上、下クランプリング66、69は永久磁石75、76によって吸着保持されているので、多少の外力を受けてもこれら上、下クランプリング66、69に位置ずれや回転が発生することはなく、この結果、加硫ブラダ71の余計な変形が防止される。
【0024】
次に、持ち上げられた加硫モールドの直下に、図4、5に示すような水平な載置台80を搬入する。ここで、この載置台80は円板状をした水平なベース81と、このベース81の上面に固定されセクターセグメント47と同数である突起82とから構成され、これらの突起82は周方向に等距離離れるとともに、半径方向内端にセクターセグメント47の半径方向外端に係合可能な傾斜面83が形成されている。次に、上基台17を下降させて前記上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49を交換位置、ここでは載置台80まで搬出し、これらを載置台80上に載置するが、このとき、前記突起82にスライドプレート54の下端が当接するため、これら突起82によりスライドプレート54、係止片55、ガイドロッド56が一体的に押し上げられ、係止片55が係止ピン50から離脱する。このように組み合わされた上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49を載置台80上に載置するだけで、係止ピン50を移動部材43から抜き出すことが可能となり、これにより、移動部材43のセクターセグメント47からの連結解除を簡単かつ確実に行うことができる。次に、上基台17を上昇させて下基台12と上基台17、アウターリング41とを互いに離隔させるが、これと同時にシリンダ27の下ピストンロッド28bを下方に向かって突出させ、上サイドモールド21をセクターモールド49に密着した位置に保持する。これにより、移動部材43が傾斜面42、44の楔作用によって半径方向外側に同期移動するが、このとき、係止ピン50が移動部材43から抜き出され各セクターセグメント47と移動部材43との連結が解除されるとともに、各支持爪61が下サイドモールド14の下方から抜け出る。このときの状態が図6に示されている。次に、副シリンダ29を作動してピストンロッド30を引っ込め、連結リンク35を直立状態に向かって揺動させる。これにより、把持体34の下端部は半径方向内側に向かって移動し、可動プレート20の上面と係止体23の段差24aとの間から抜け出る。この結果、可動プレート20と上サイドモールド21とは把持手段38の把持から解放されシリンダ27から取り外される。このようにして搬出された上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49は組み合わされた状態のまま上基台17から解放される。この状態で上基台17をさらに上昇させるが、このとき、アウターリング41、可動プレート20、移動部材43は上基台17と共に上昇して加硫モールドから離隔し、一方、上、下サイドモールド21、14、セクターモールド49、上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71は組み合わされた状態で上基台17等から完全分離し、載置台80上に残留する。このときの状態が図7に示されている。次に、この載置台80を上基台17から解放分離された加硫モールドと共にタイヤ加硫装置11から搬出する。このような搬出時、突起82の傾斜面83がセクターセグメント47の半径方向外端に係合しているため、該セクターセグメント47はこれら突起82により位置ずれ、倒れが阻止される。
【0025】
次に、次加硫のタイヤに対応した次使用の上、下サイドモールド21、14、セクターモールド49、上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71を互いに組み合わせた状態で載置台80上に載置しながら交換位置まで搬入する。このようにして使用済みの上、下サイドモールド21、14、セクターモールド49を、前記交換位置において次使用の上、下サイドモールド21、14、セクターモールド49に交換する。その後、上基台17を図6に示す位置まで下降させるとともに、シリンダ27の下ピストンロッド28bを図6に示す位置まで下方に突出させる。次に、副シリンダ29のピストンロッド30を突出させることで連結リンク35を水平状態に向かって揺動させると、把持体34の下端部は半径方向外側に向かって移動し、可動プレート20の上面と係止体23の段差24aとの間に押し込まれる。これにより、把持手段38は可動プレート20を上サイドモールド21に押し付けた状態で、これら可動プレート20と上サイドモールド21を中央部において一括把持し、可動プレート20、上サイドモールド21が該把持手段38を介してシリンダ27に連結される。次に、上基台17、アウターリング41を下降させるが、このとき、シリンダ27の下ピストンロッド28bを上方に引っ込め、上サイドモールド21をセクターモールド49に密着した位置に保持する。このように上基台17、アウターリング41が下降すると、移動部材43は傾斜面42、44の楔作用により半径方向内側に同期移動され、係止ピン50が移動部材43および係止片55の貫通孔58に挿入される。このとき、係止ピン50の円錐状のヘッド51は係止片55、スライドプレート54を楔作用によって一旦押上げるが、該ヘッド51が貫通孔58を通過すると、係止片55は自重により軸部52に当接するまで下降して係止ピン50の段差53に係止される。このようにしてセクターセグメント47は対応する移動部材43に簡単かつ確実に連結される。また、前述のような移動部材43の半径方向内側への移動により支持爪61の半径方向内端が下サイドモールド14の下方に挿入される。これにより、下サイドモールド14は支持爪61によって下方から支持され、搬入された上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49は上基台17によって組み合わされた状態のまま保持される。
【0026】
次に、上基台17を上昇させると、前記搬入された上、下サイドモールド21、14、セクターモールド49、上、下クランプリング66、69、加硫ブラダ71は組み合わされた状態で持ち上げられ載置台80から取り出される。その後、載置台80をタイヤ加硫装置11から搬出するとともに、上基台17を下降させ、支持爪61によって下方から支持された下サイドモールド14、上サイドモールド21およびセクターモールド49を組み合わされた状態で下基台12上まで搬入する。次に、ロック機構67を作動して上、下クランプリング66、69をセンターポスト65、円筒体64にそれぞれ連結するとともに、円筒体64を下降させて下クランプリング69により下サイドモールド14を下基台12に押し付け取り付ける。このようにして加硫モールドの交換を行うが、このような交換作業は加硫装置11側に残された上、下基台17、12が残熱状態にある間に行う。その後、残熱状態の上基台17を上昇させて未加硫タイヤをこれら上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49内に搬入し、加硫を続ける。ここで、前述のように可動プレート20および上サイドモールド21を把持する把持手段38は1台だけであるので、構造が簡単となり、また、可動プレート20および上サイドモールド21を把持手段38により把持するだけで、これらを接離手段であるシリンダ27に連結することができるため、作業が簡単となり加硫モールドの交換作業を高能率で行うことができる。また、前述のように移動部材43に支持爪61を設けるだけで加硫装置11を加硫モールドの搬入出装置として使用することができ、これにより、加硫設備全体の構造を簡単とすることができるとともに、加硫モールドの交換時間を短縮することができる。そして、このような時間短縮により、上、下基台17、12からの放熱量を減少させることができるとともに、次加硫時においても上、下基台17、12の残熱を利用することができため、これら上、下基台17、12の再加熱が殆ど不要となり、熱の有効利用を図ることができる。
【0027】
なお、前述の実施形態においては、上基台17を上昇させることにより互いに組み合わされた加硫モールドを持ち上げて上、下基台17、12間の交換位置(載置台80)まで搬送し、その後、該交換位置において加硫モールドを使用済みのものから次使用のものに交換するようにしたが、この発明においては、上基台を上昇に加えて横行させることにより、互いに組み合わされた加硫モールドを加硫装置の側方の交換位置まで搬送し、その後、該交換位置において加硫モールドを使用済みのものから次使用のものに交換するようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、セクターセグメント47に、移動部材43とセクターセグメント47とが密着したとき、移動部材43に挿入される係止ピン50を固定するとともに、移動部材43に、自重によって下降したとき、挿入された係止ピン50に係止して抜け止めを行う係止片55を設けるようにしたが、この発明においては、その逆に、移動部材に、移動部材とセクターセグメントとが密着したとき、セクターセグメントに挿入される係止ピンを固定するとともに、セクターセグメントに、自重によって下降したとき、挿入された係止ピンに係止して抜け止めを行う係止片を設けるようにしてもよい。さらに、前述の実施形態においては、上、下クランプリング66、69および加硫ブラダ71を加硫モールドと共にタイヤ加硫装置11に搬入出するようにしたが、この発明においては、加硫モールドの交換時、加硫ブラダをタイヤ加硫装置側に引き込んで残すようにしたり、あるいは、別の搬入出装置を用いて加硫モールドとは別個にタイヤ加硫装置から搬入出するようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、加硫ブラダ71を用いて未加硫タイヤを加硫するようにしたが、この発明においては、金属製の内型を用いてタイヤ加硫を行うようにしてもよい。さらに、前述の実施形態においては、下サイドモールド14を下基台12から取り外した後、上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49を組み合わされた状態でタイヤ加硫装置11から搬出し、その後、各セクターセグメント47と移動部材43との連結を解除するとともに、可動プレート20、上サイドモールド21を把持手段38による把持から解放することでシリンダ(接離手段)27から取り外すようにしたが、セクターセグメントと移動部材との連結の解除または接離手段からの可動プレート、上サイドモールドの取り外しの少なくともいずれか一方を、加硫モールドの搬出後ではなく、加硫モールドの搬出前、例えば、下サイドモールドの下基台からの取り外しとほぼ同時に行うようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、セクターセグメント47と移動部材43とを連結するとともに、可動プレート20、上サイドモールド21を把持手段38を介してシリンダ27に連結した後、上、下サイドモールド21、14およびセクターモールド49をタイヤ加硫装置11に搬入し、その後、下サイドモールド14を下基台12に取り付けるようにしたが、この発明においては、セクターセグメントと移動部材との連結または接離手段と可動プレート、上サイドモールドとの連結の少なくともいずれか一方を、前述のように加硫モールドの搬入前ではなく、加硫モールドの搬入後、例えば下サイドモールドの下基台への取り付けとほぼ同時に行うようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、設備全体を安価でかつ簡単、小型とすることができるとともに、熱の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す正面断面図である。
【図2】把持手段近傍の正面断面図である。
【図3】セクターモールド近傍の正面断面図である。
【図4】作用を説明する正面断面図である。
【図5】載置台の平面図である。
【図6】作用を説明する正面断面図である。
【図7】作用を説明する正面断面図である。
【符号の説明】
11…タイヤ加硫装置 12…下基台
14…下サイドモールド 17…上基台
20…可動プレート 21…上サイドモールド
27…接離手段(シリンダ) 38…把持手段
41…アウターリング 42…傾斜面
43…移動部材 47…セクターセグメント
49…セクターモールド 50…係止ピン
55…係止片 61…支持爪
80…載置台 82…突起
Claims (8)
- 静止した下基台と、下基台に着脱可能に取り付けられ、タイヤの下側のサイドウォール部を主に型付けする下サイドモールドと、下基台の上方に設置され、昇降することにより下基台に対して接近離隔する上基台と、上基台の直下に配置された可動プレートと、可動プレートの直下に配置されタイヤの上側のサイドウォール部を主に型付けする上サイドモールドと、前記可動プレートおよび上サイドモールドが取り外し可能に連結され、該可動プレート、上サイドモールドを上基台と別個に一体昇降させることにより、上基台に対して接近離隔させる接離手段と、上サイドモールドを半径方向外側から囲むよう上基台に取り付けられ、内周に下基台に向かって拡開している傾斜面が形成されたアウターリングと、可動プレートに半径方向に移動可能に支持されるとともに周方向に離れて設置され、前記可動プレートが上基台に対して接近離隔したとき、アウターリングの傾斜面の楔作用によって半径方向に同期移動させられる複数の移動部材と、各移動部材の内面側に着脱可能に連結され、全体としてタイヤのトレッド部を主に型付けするセクターモールドを構成する複数のセクターセグメントとを備えたタイヤ加硫装置において、前記移動部材の下端部に下サイドモールドと下基台との間に挿入することができる3個以上の支持爪を周方向に離して取付け、モールドの交換時、下サイドモールドを支持爪によって下方から支持しながら上サイドモールド、セクターモールドとともに搬入出するようにしたことを特徴とするタイヤ加硫装置。
- 前記移動部材またはセクターセグメントのいずれか一方に、これら移動部材とセクターセグメントとが密着したとき、残り他方に挿入される係止ピンを固定するとともに、残り他方のセクターセグメントまたは移動部材に、自重によって下降したとき、挿入された係止ピンに係止して抜け止めを行う係止片を設けることで、各セクターセグメントを移動部材に着脱可能に連結するようにした請求項1記載のタイヤ加硫装置。
- 搬出された前記上、下サイドモールドおよびセクターモールドを載置する載置台に係止片を持ち上げて係止ピンから離脱させる突起を設け、上、下サイドモールドおよびセクターモールドを載置台上に載置するだけでセクターセグメントと移動部材との連結を解除するようにした請求項2記載のタイヤ加硫装置。
- 前記接離手段と可動プレート、上サイドモールドとの間に、これら可動プレートおよび上サイドモールドを一括して把持することができる1台の把持手段を設けるとともに、前記接離手段からの昇降力を把持手段を介して可動プレート、上サイドモールドに伝達するようにした請求項1記載のタイヤ加硫装置。
- 静止した下基台と、下基台に着脱可能に取り付けられ、タイヤの下側のサイドウォール部を主に型付けする下サイドモールドと、下基台の上方に設置され、昇降することにより下基台に対して接近離隔する上基台と、上基台の直下に配置された可動プレートと、可動プレートの直下に配置されタイヤの上側のサイドウォール部を主に型付けする上サイドモールドと、前記可動プレートおよび上サイドモールドが取り外し可能に連結され、該可動プレート、上サイドモールドを上基台と別個に一体昇降させることにより、上基台に対して接近離隔させる接離手段と、上サイドモールドを半径方向外側から囲むよう上基台に取り付けられ、内周に下基台に向かって拡開している傾斜面が形成されたアウターリングと、可動プレートに半径方向に移動可能に支持されるとともに周方向に離れて設置され、前記可動プレートが上基台に対して接近離隔したとき、アウターリングの傾斜面の楔作用によって半径方向に同期移動させられる複数の移動部材と、各移動部材の内面側に着脱可能に連結され、全体としてタイヤのトレッド部を主に型付けするセクターモールドを構成する複数のセクターセグメントとを備えたタイヤ加硫装置のモールド交換方法であって、上基台を下降させて下基台に対し接近させるとともに、可動プレート、上サイドモールドを接離手段によって上基台に対し接近させることにより、上サイドモールドを下サイドモールドに接近させるとともに、移動部材、セクターセグメントをアウターリングの傾斜面の楔作用によって半径方向内側に同期移動させることで、セクターモールドを上、下サイドモールドに密着させて組み合わせるとともに、前記移動部材の下端部に周方向に離して取り付けられた3個以上の支持爪を下サイドモールドの下方に挿入して該下サイドモールドを下方から支持し、組み合わされた上、下サイドモールドおよびセクターモールドを支持爪、移動部材、アウターリングを介して上基台により保持する工程と、上基台を上昇させることにより、上基台に保持された上、下サイドモールドおよびセクターモールドを組み合わされた状態で搬出する工程と、上基台を下降させることにより、支持爪を下サイドモールドの下方に挿入し該下サイドモールドを下方から支持することで、該上基台に保持された次使用の上、下サイドモールドおよびセクターモールドを組み合わせた状態のまま下基台上まで搬入する工程とを備えたことを特徴とするタイヤ加硫装置のモールド交換方法。
- 前記上基台に保持された上、下サイドモールドおよびセクターモールドを組み合わされた状態で交換位置まで搬出し、該交換位置において、セクターセグメントの半径方向外側への同期移動により支持爪を下サイドモールドの下方から抜き出すことで、搬出された上、下サイドモールド、セクターモールドを、組み合わされた状態のまま上基台から解放分離した後、解放分離された上、下サイドモールド、セクターモールドを、互いに組み合わされた次使用の上、下サイドモールド、セクターモールドに交換し、その後、搬入された上、下サイドモールド、セクターモールドを、組み合わされた状態のまま上基台によって保持するようにした請求項5記載のタイヤ加硫装置のモールド交換方法。
- 前記モールドの交換作業時、加硫装置に残された前記上、下基台は残熱状態である請求項5または6記載のタイヤ加硫装置のモールド交換方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ加硫装置を用いて、加硫装置に残された上、下基台が残熱状態にある間にモールドを次使用のモールドに交換し、その後、残熱状態の上基台を上昇させて未加硫タイヤをモールド内に搬入し、加硫を続けるようにしたことを特徴とするタイヤ加硫方法。
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